JPH085077A - 空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置 - Google Patents
空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置Info
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- JPH085077A JPH085077A JP15794094A JP15794094A JPH085077A JP H085077 A JPH085077 A JP H085077A JP 15794094 A JP15794094 A JP 15794094A JP 15794094 A JP15794094 A JP 15794094A JP H085077 A JPH085077 A JP H085077A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 現状のガスタ−ビンやそのシステムの課題で
あるNOx抑制、火炎安定性、発電効率の向上を計る。 【構成】 ガスタ−ビンのコンバスタ−において、燃焼
室内燃焼火炎中及び/又は燃焼室器壁に冷却流体として
コンバスタ−の供給空気を使用した熱交換器の伝熱面を
設けた空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−
ビン装置。 【効果】 ガスタ−ビン燃焼器部の改良のみで安定した
燃焼が得られ、従来のガスタ−ビンサイクルやコンプレ
ッサ−、タ−ビンの設計を変更することなく、著しい低
NOx化が達成され、かつ高い発電効率が得られ、更に
コンバスタ−内に設けられた伝熱管群は燃焼火炎を強力
に保炎し、後流に生成するカルマン渦によって流体の混
合が促進される。
あるNOx抑制、火炎安定性、発電効率の向上を計る。 【構成】 ガスタ−ビンのコンバスタ−において、燃焼
室内燃焼火炎中及び/又は燃焼室器壁に冷却流体として
コンバスタ−の供給空気を使用した熱交換器の伝熱面を
設けた空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−
ビン装置。 【効果】 ガスタ−ビン燃焼器部の改良のみで安定した
燃焼が得られ、従来のガスタ−ビンサイクルやコンプレ
ッサ−、タ−ビンの設計を変更することなく、著しい低
NOx化が達成され、かつ高い発電効率が得られ、更に
コンバスタ−内に設けられた伝熱管群は燃焼火炎を強力
に保炎し、後流に生成するカルマン渦によって流体の混
合が促進される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用や事業用などの
コジェネレイション(熱電併給)やコンバインドサイク
ル発電(複合発電)に使用されるガスタ−ビンにおい
て、その燃焼器(コンバスタ−)部分を改良して、発電
効率を低下させず、COや未燃炭化水素を発生すること
なしに安定した燃焼と著しい低NOx化を達成する空冷
式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置に
関するものである。
コジェネレイション(熱電併給)やコンバインドサイク
ル発電(複合発電)に使用されるガスタ−ビンにおい
て、その燃焼器(コンバスタ−)部分を改良して、発電
効率を低下させず、COや未燃炭化水素を発生すること
なしに安定した燃焼と著しい低NOx化を達成する空冷
式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ガスタ−ビンは他機関と比較して小
型高出力という特徴を有し、発電用や産業用に重用され
ているが、一般にボイラと比較してNOx排出レベルが
かなり高いという問題があった。そのため低NOx対策
として、水や水蒸気噴射、予混合希薄燃焼、触媒燃焼、
その他種々な技術が研究され実用化されているが、いず
れも決め手にはならず、結局のところ排煙脱硝装置に頼
らざるを得ない状況であった。更に近年ガスタ−ビン翼
やコンバスタ−各部の耐熱性、冷却技術の進展に伴な
い、その効率向上のため、ガスタ−ビン翼列に流入する
入口ガス温度(TIT)や圧力を高くする方向の技術開
発が進行している。現在では圧力比15、TIT1600K
にも達している。この場合〔図5〕に示すようにコンプ
レッサ−からの供給空気の内20%程度はタ−ビン翼冷
却用で、残りの燃焼器用空気の配分は燃焼用空気55
%、器壁冷却用空気35%、希釈用空気10%程度とな
っており、総合的な空気比は3.0程度となっている。
今後これらの冷却用空気や希釈用空気をできるだけ少な
くし、空気比を下げてTITを上げる技術開発が更に進
むと考えられる。
型高出力という特徴を有し、発電用や産業用に重用され
ているが、一般にボイラと比較してNOx排出レベルが
かなり高いという問題があった。そのため低NOx対策
として、水や水蒸気噴射、予混合希薄燃焼、触媒燃焼、
その他種々な技術が研究され実用化されているが、いず
れも決め手にはならず、結局のところ排煙脱硝装置に頼
らざるを得ない状況であった。更に近年ガスタ−ビン翼
やコンバスタ−各部の耐熱性、冷却技術の進展に伴な
い、その効率向上のため、ガスタ−ビン翼列に流入する
入口ガス温度(TIT)や圧力を高くする方向の技術開
発が進行している。現在では圧力比15、TIT1600K
にも達している。この場合〔図5〕に示すようにコンプ
レッサ−からの供給空気の内20%程度はタ−ビン翼冷
却用で、残りの燃焼器用空気の配分は燃焼用空気55
%、器壁冷却用空気35%、希釈用空気10%程度とな
っており、総合的な空気比は3.0程度となっている。
今後これらの冷却用空気や希釈用空気をできるだけ少な
くし、空気比を下げてTITを上げる技術開発が更に進
むと考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したように冷却用
空気や希釈用空気をできるだけ少なくし、空気比を下げ
てTITを上げる技術が更に進んだ場合には、コンバス
タ−内の火炎温度が必然的に上昇することとになるか
ら、これによってNOxの発生量が更に増大するという
問題が起ることになる。その場合ガスタ−ビンの高効率
化とNOxの発生とは一面トレ−ドオフ(tradeoff)の
関係にある。ガスタ−ビンの低NOx化のためには下記
の2方法が有力であると考えられている。 予混合希薄燃焼 燃料と燃焼用空気を予め混合してから燃焼させる方法
で、高空気比化による火炎温度の低下を利用するもので
ある。現在までにかなりの成果が得られているが、この
予混合希薄燃焼法は火炎を安定して形成できる範囲が狭
く、実用化に当っては失火や振動燃焼等を起さない火炎
安定化技術の確立が必要とされている。 水冷式管巣燃焼 本出願人の先願発明(特開平5−209502号)によ
るもので、〔図6〕に示すようにガスタ−ビンコンバス
タ−内の燃焼反応火炎中に水管を密に配設し、それによ
る撹乱効果により、燃焼と伝熱を促進し低NOx化を図
るものである。この場合著しい低NOx化が達成され、
下記の特性を有する。 (イ) ガスタ−ビンブレ−ドの耐熱性によって制限を受け
るTITまでの燃焼ガス冷却は、器壁冷却空気や希釈空
気を使用することなく、この水管配列構成によって達成
されるから低空気比燃焼が可能であり、排ガス量と排ガ
ス熱ロスが大幅に低減する。 (ロ) その場合熱電比は高くなるが、〔図7〕に示すよう
にこの発生蒸気が工場プロセス用や空調用として有効に
利用できる場合、総合熱効率は極めて高く有利となる。 (ハ) しかしながらそのような熱需要がなく、専ら発電需
要のみに対しては、〔図8〕に示すように発生蒸気を蒸
気タ−ビンに送り、別のランキンサイクルを行わせる必
要がある。この水冷管巣燃焼式ガスタ−ビンと廃熱ボイ
ラとを組合わせたコンパインドサイクルの発電効率を試
算し、〔図9〕に示すような従来のガスタ−ビンと廃熱
ボイラとの組合わせによるコンパインドサイクルと比較
したところ、発電出力当りの排ガス量は減らせるが発電
効率は低いことが判った。
空気や希釈用空気をできるだけ少なくし、空気比を下げ
てTITを上げる技術が更に進んだ場合には、コンバス
タ−内の火炎温度が必然的に上昇することとになるか
ら、これによってNOxの発生量が更に増大するという
問題が起ることになる。その場合ガスタ−ビンの高効率
化とNOxの発生とは一面トレ−ドオフ(tradeoff)の
関係にある。ガスタ−ビンの低NOx化のためには下記
の2方法が有力であると考えられている。 予混合希薄燃焼 燃料と燃焼用空気を予め混合してから燃焼させる方法
で、高空気比化による火炎温度の低下を利用するもので
ある。現在までにかなりの成果が得られているが、この
予混合希薄燃焼法は火炎を安定して形成できる範囲が狭
く、実用化に当っては失火や振動燃焼等を起さない火炎
安定化技術の確立が必要とされている。 水冷式管巣燃焼 本出願人の先願発明(特開平5−209502号)によ
るもので、〔図6〕に示すようにガスタ−ビンコンバス
タ−内の燃焼反応火炎中に水管を密に配設し、それによ
る撹乱効果により、燃焼と伝熱を促進し低NOx化を図
るものである。この場合著しい低NOx化が達成され、
下記の特性を有する。 (イ) ガスタ−ビンブレ−ドの耐熱性によって制限を受け
るTITまでの燃焼ガス冷却は、器壁冷却空気や希釈空
気を使用することなく、この水管配列構成によって達成
されるから低空気比燃焼が可能であり、排ガス量と排ガ
ス熱ロスが大幅に低減する。 (ロ) その場合熱電比は高くなるが、〔図7〕に示すよう
にこの発生蒸気が工場プロセス用や空調用として有効に
利用できる場合、総合熱効率は極めて高く有利となる。 (ハ) しかしながらそのような熱需要がなく、専ら発電需
要のみに対しては、〔図8〕に示すように発生蒸気を蒸
気タ−ビンに送り、別のランキンサイクルを行わせる必
要がある。この水冷管巣燃焼式ガスタ−ビンと廃熱ボイ
ラとを組合わせたコンパインドサイクルの発電効率を試
算し、〔図9〕に示すような従来のガスタ−ビンと廃熱
ボイラとの組合わせによるコンパインドサイクルと比較
したところ、発電出力当りの排ガス量は減らせるが発電
効率は低いことが判った。
【0004】今後エネルギ−需要、とりわけ電力需要の
拡大傾向の中にあって、環境保全やエネルギ−の有効利
用が強く求められるようになるが、現状のガスタ−ビン
やそのシステムにはNOx抑制、火炎安定性や発電効率
の向上という緊急の課題がある。本発明はかかる課題を
解決して、NOx発生の増大を抑制し、火炎の安定性、
発電効率の向上を計ることを目的とするものである。
拡大傾向の中にあって、環境保全やエネルギ−の有効利
用が強く求められるようになるが、現状のガスタ−ビン
やそのシステムにはNOx抑制、火炎安定性や発電効率
の向上という緊急の課題がある。本発明はかかる課題を
解決して、NOx発生の増大を抑制し、火炎の安定性、
発電効率の向上を計ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
ガスタ−ビンのコンバスタ−において、燃焼室内の燃焼
火炎及び/又は燃焼室器壁にその冷却のための冷却流体
として燃焼用空気以外のコンバスタ−への供給空気を用
いた熱交換器伝熱面を設け、これによって燃焼と伝熱を
促進し、水蒸気の発生を伴うことなく火炎冷却によるサ
−マルNOx発生抑制と高い発電効率とを得ようとする
ものである。この場合、高温となった冷却空気はコンバ
スタ−後部で燃焼ガスと混合してタ−ビンへ送られるよ
うにすることによって、従来のガスタ−ビンサイクルを
全く変えることなく、コンプレッサ−やタ−ビンがその
まま使用されることになる。
ガスタ−ビンのコンバスタ−において、燃焼室内の燃焼
火炎及び/又は燃焼室器壁にその冷却のための冷却流体
として燃焼用空気以外のコンバスタ−への供給空気を用
いた熱交換器伝熱面を設け、これによって燃焼と伝熱を
促進し、水蒸気の発生を伴うことなく火炎冷却によるサ
−マルNOx発生抑制と高い発電効率とを得ようとする
ものである。この場合、高温となった冷却空気はコンバ
スタ−後部で燃焼ガスと混合してタ−ビンへ送られるよ
うにすることによって、従来のガスタ−ビンサイクルを
全く変えることなく、コンプレッサ−やタ−ビンがその
まま使用されることになる。
【0006】ここで、熱交換器は熱的に過酷な条件にさ
らされることになり、高温耐熱材料を使用するにしても
伝熱管温度は800℃程度に制限されるから、外面にセ
ラミック溶射等の熱障壁塗装(サ−マルバリア−コ−テ
ィグ)を施したり、内面には内部フィンや捲付けテ−プ
(ツイストテ−プ)等の伝熱促進機構が必要となる。こ
の場合、サ−マルバリア−コ−ティングを厚くして強化
することにより、その表面温度が燃焼ガス温度近くに上
昇するから、輻射放熱が強化され火炎冷却によるNOx
抑制に効果を発揮する。この場合は冷却流体が少なくて
も、伝熱管温度自体はその許容温度以下に設計が可能で
あり、また単なる輻射放熱体として冷却流体を通さない
方法も可能である。その他熱交換器としては、ナトリウ
ム等の高温作動熱媒体を用いたヒ−トパイプで構成する
ことによって、直接冷却流体で熱交換するよりも伝熱性
能が良好になり、小型高性能で信頼性の高いコンバスタ
−の設計が可能となる。
らされることになり、高温耐熱材料を使用するにしても
伝熱管温度は800℃程度に制限されるから、外面にセ
ラミック溶射等の熱障壁塗装(サ−マルバリア−コ−テ
ィグ)を施したり、内面には内部フィンや捲付けテ−プ
(ツイストテ−プ)等の伝熱促進機構が必要となる。こ
の場合、サ−マルバリア−コ−ティングを厚くして強化
することにより、その表面温度が燃焼ガス温度近くに上
昇するから、輻射放熱が強化され火炎冷却によるNOx
抑制に効果を発揮する。この場合は冷却流体が少なくて
も、伝熱管温度自体はその許容温度以下に設計が可能で
あり、また単なる輻射放熱体として冷却流体を通さない
方法も可能である。その他熱交換器としては、ナトリウ
ム等の高温作動熱媒体を用いたヒ−トパイプで構成する
ことによって、直接冷却流体で熱交換するよりも伝熱性
能が良好になり、小型高性能で信頼性の高いコンバスタ
−の設計が可能となる。
【0007】なお、本発明のコンバスタ−内に設けられ
た伝熱管群は燃焼火炎を強力に保炎し、またその後流で
生成されるカルマン渦によって流体混合が促進されると
いう効果を奏する。そこで保炎面積が小さいために問題
となる従来のバ−ナをなくして、伝熱管群の上流側に燃
焼用空気供給器と燃料供給器とを設け、この伝熱管群で
燃焼のための保炎と混合とを行うことにより、安定した
燃焼が得られる。このための伝熱管群の配列は伝熱管の
直径をD、流れ方向のピッチをL、流れに直角方向のピ
ッチをHとしてL≧2D、H≧1.3Dとするのが効果
的である。〔図4〕
た伝熱管群は燃焼火炎を強力に保炎し、またその後流で
生成されるカルマン渦によって流体混合が促進されると
いう効果を奏する。そこで保炎面積が小さいために問題
となる従来のバ−ナをなくして、伝熱管群の上流側に燃
焼用空気供給器と燃料供給器とを設け、この伝熱管群で
燃焼のための保炎と混合とを行うことにより、安定した
燃焼が得られる。このための伝熱管群の配列は伝熱管の
直径をD、流れ方向のピッチをL、流れに直角方向のピ
ッチをHとしてL≧2D、H≧1.3Dとするのが効果
的である。〔図4〕
【0008】
【実施例】次に図面によって本発明を詳細に説明する。
〔図1〕は本発明の一実施例で、ガスタ−ビンコンバス
タ−内に空冷熱交換器を設けた場合を示している。コン
プレッサ−からコンバスタ−へ供給される空気は、機能
上、適正な空気比で安定な燃焼を得るための燃焼用空気
とそれ以外の過剰空気(従来ガスタ−ビンの器壁冷却空
気や希釈空気に相当)に配分され、その比率は大略5
5:45程度である。この希釈空気は燃焼火炎を冷却し
てサ−マルNOxを抑制するための冷却流体として作用
し、高温となった該空気はコンバスタ−後部で燃焼排ガ
スと混合され、所望のTITとなってタ−ビンに導入さ
れる。この熱交換器の伝熱管には図示していないが数mm
程度の細管を使用しており、設計条件を満足させるた
め、適宜ヘッダ−を設けたり、適当なパス数が設けられ
ている。また伝熱管は熱的に過酷な条件にさらされるか
ら、外面、内面に前記した対策が必要である。なお〔図
2〕に示すようにバ−ナ近傍の高温部には、コンプレッ
サ−からコンバスタ−へ供給される空気の全量を冷却流
体として通す前段熱交換器を設け、後段には希釈冷却空
気のみを冷却流体とした熱交換器を設けてもよい。それ
により、前段熱交換器は管内側流体の質量速度を高くと
ることができるから、伝熱設計上有利になる。
〔図1〕は本発明の一実施例で、ガスタ−ビンコンバス
タ−内に空冷熱交換器を設けた場合を示している。コン
プレッサ−からコンバスタ−へ供給される空気は、機能
上、適正な空気比で安定な燃焼を得るための燃焼用空気
とそれ以外の過剰空気(従来ガスタ−ビンの器壁冷却空
気や希釈空気に相当)に配分され、その比率は大略5
5:45程度である。この希釈空気は燃焼火炎を冷却し
てサ−マルNOxを抑制するための冷却流体として作用
し、高温となった該空気はコンバスタ−後部で燃焼排ガ
スと混合され、所望のTITとなってタ−ビンに導入さ
れる。この熱交換器の伝熱管には図示していないが数mm
程度の細管を使用しており、設計条件を満足させるた
め、適宜ヘッダ−を設けたり、適当なパス数が設けられ
ている。また伝熱管は熱的に過酷な条件にさらされるか
ら、外面、内面に前記した対策が必要である。なお〔図
2〕に示すようにバ−ナ近傍の高温部には、コンプレッ
サ−からコンバスタ−へ供給される空気の全量を冷却流
体として通す前段熱交換器を設け、後段には希釈冷却空
気のみを冷却流体とした熱交換器を設けてもよい。それ
により、前段熱交換器は管内側流体の質量速度を高くと
ることができるから、伝熱設計上有利になる。
【0009】〔図3〕はコンバスタ−内に、ナトリウム
等の高温作動熱媒体を封入したヒ−トパイプの加熱部を
挿入配置した本発明の一実施例で、冷却側はコンバスタ
−ケ−シング内又は外に設けられ、希釈冷却空気を冷却
流体として作動させるものである。これによって直接冷
却流体で熱交換する前記実施例よりも伝熱性能が向上
し、小型高性能で信頼性の高いコンバスタ−の設計が可
能となる。なおヒ−トパイプとしては直管で、できるだ
け垂直姿勢となるように構成し、下部を加熱部、上部を
冷却部とするのが熱輸送能力上有利であるが、本発明は
それに限定されるものではなく、ヒ−トパイプ自体の設
計によっては上部加熱やヒ−トパイプを束にして曲げる
など、全体のまとまりから任意の構成が可能である。
等の高温作動熱媒体を封入したヒ−トパイプの加熱部を
挿入配置した本発明の一実施例で、冷却側はコンバスタ
−ケ−シング内又は外に設けられ、希釈冷却空気を冷却
流体として作動させるものである。これによって直接冷
却流体で熱交換する前記実施例よりも伝熱性能が向上
し、小型高性能で信頼性の高いコンバスタ−の設計が可
能となる。なおヒ−トパイプとしては直管で、できるだ
け垂直姿勢となるように構成し、下部を加熱部、上部を
冷却部とするのが熱輸送能力上有利であるが、本発明は
それに限定されるものではなく、ヒ−トパイプ自体の設
計によっては上部加熱やヒ−トパイプを束にして曲げる
など、全体のまとまりから任意の構成が可能である。
【0010】〔図4〕はガスタ−ビンのコンバスタ−に
おいて、従来のバ−ナをなくして、伝熱管群で燃焼のた
めの保炎と混合とを行う場合の本発明の一実施例で、こ
のための伝熱管群の配列としては伝熱管の直径をD、流
れ方向のピッチをL、流れに直角方向のピッチをHとし
てL≧2D、H≧1.3Dとするのが効果的である。
おいて、従来のバ−ナをなくして、伝熱管群で燃焼のた
めの保炎と混合とを行う場合の本発明の一実施例で、こ
のための伝熱管群の配列としては伝熱管の直径をD、流
れ方向のピッチをL、流れに直角方向のピッチをHとし
てL≧2D、H≧1.3Dとするのが効果的である。
【0011】
【発明の効果】本発明の効果を纏めると次の通りであ
る。本発明により、ガスタ−ビン燃焼器部の改良のみ
で、COや未燃炭化水素を発生することなく振動燃焼や
失火のない安定した燃焼が得られ、従来のガスタ−ビン
サイクルや信頼性の確立されたコンプレッサ−、タ−ビ
ンの設計を変えることなく、脱硝装置が不要となるまで
の著しい低NOx化が達成された。また従来のように、
ガスタ−ビンコンバスタ−内で蒸気の発生が伴わないの
で高い発電効率が得られた。更に本発明のコンバスタ−
内に設けられた伝熱管群は燃焼火炎を強力に保炎し、ま
た後流において生成するカルマン渦によって流体の混合
が促進されるようになる。
る。本発明により、ガスタ−ビン燃焼器部の改良のみ
で、COや未燃炭化水素を発生することなく振動燃焼や
失火のない安定した燃焼が得られ、従来のガスタ−ビン
サイクルや信頼性の確立されたコンプレッサ−、タ−ビ
ンの設計を変えることなく、脱硝装置が不要となるまで
の著しい低NOx化が達成された。また従来のように、
ガスタ−ビンコンバスタ−内で蒸気の発生が伴わないの
で高い発電効率が得られた。更に本発明のコンバスタ−
内に設けられた伝熱管群は燃焼火炎を強力に保炎し、ま
た後流において生成するカルマン渦によって流体の混合
が促進されるようになる。
【図1】本発明による空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を
備えたガスタ−ビンの概念とフロ−を示す一実施例。
備えたガスタ−ビンの概念とフロ−を示す一実施例。
【図2】本発明による空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を
備えたガスタ−ビンの他の一実施例。
備えたガスタ−ビンの他の一実施例。
【図3】本発明によるコンバスタ−内にヒ−トパイプ熱
交換器を構成した空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備え
たガスタ−ビンの概念とフロ−を示す本発明の他の一実
施例。
交換器を構成した空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備え
たガスタ−ビンの概念とフロ−を示す本発明の他の一実
施例。
【図4】本発明による空冷式管巣燃焼型コンバスタ−の
一実施例。
一実施例。
【図5】従来のガスタ−ビンの空気流れ。
【図6】水冷式管巣燃焼の概念図。
【図7】従来の水冷管巣燃焼式ガスタ−ビンをコジェネ
レイションに適用した場合のフロ−。
レイションに適用した場合のフロ−。
【図8】従来の水冷管巣燃焼式ガスタ−ビンをコンバイ
ンドサイクルに適用した場合のフロ−。
ンドサイクルに適用した場合のフロ−。
【図9】従来のコンバインドサイクルのフロ−。
1,10.コンバスタ− 2.コンプレッサ− 3.タ−ビン 4.熱交換器 5.廃熱ボイラ 6.ヒ−トパイプ熱交換器
Claims (6)
- 【請求項1】 ガスタ−ビンのコンバスタ−において、
燃焼室内燃焼火炎中及び/又は燃焼室器壁に、その冷却
のための冷却流体としてコンバスタ−への供給空気の一
部又は大部分を用いた熱交換器の伝熱面を設けたことを
特徴とする空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガス
タ−ビン装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱交換器に外面をセラミ
ックス溶射等の熱障壁塗装(サ−マルバリア−コ−ティ
ング)を施し、内面には内部フィンや捲付けテ−プ(ツ
イストテ−プ)等の伝熱促進機構を設けたことを特徴と
する空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビ
ン装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の熱交換器は加熱側
を燃焼火炎、冷却側を冷却希釈用空気として作動させる
ナトリウム等高温作動熱媒体を用いたヒ−トパイプとし
たことを特徴とする空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備
えたガスタ−ビン装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の高温となった冷却流体は
コンバスタ−後部で燃焼ガスと混合させてタ−ビンへ導
入するようになしたことを特徴とする空冷式管巣燃焼型
コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置。 - 【請求項5】 ガスタ−ビンのコンバスタ−において、
伝熱管群上流側に空気供給器と燃料供給器を設け、従来
のバ−ナをなくして燃焼のための保炎と混合とが該伝熱
管のみで行われることを特徴とする空冷式管巣燃焼型コ
ンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の伝熱管の配列が流れ方向
のピッチをL、流れに直角方向のピッチをH、伝熱管の
直径をDとしてL≧2D、H≧1.3Dとしたことを特
徴とする空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ
−ビン装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15794094A JP3365862B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15794094A JP3365862B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH085077A true JPH085077A (ja) | 1996-01-12 |
JP3365862B2 JP3365862B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=15660799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15794094A Expired - Fee Related JP3365862B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 空冷式管巣燃焼型コンバスタ−を備えたガスタ−ビン装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3365862B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6353782B1 (en) | 1998-06-02 | 2002-03-05 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Auxiliary acceleration sensor device for an air bag system |
WO2022019203A1 (ja) * | 2020-07-20 | 2022-01-27 | 三菱パワー株式会社 | トランジションピース、これを備える燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン設備 |
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1994
- 1994-06-15 JP JP15794094A patent/JP3365862B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6353782B1 (en) | 1998-06-02 | 2002-03-05 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Auxiliary acceleration sensor device for an air bag system |
WO2022019203A1 (ja) * | 2020-07-20 | 2022-01-27 | 三菱パワー株式会社 | トランジションピース、これを備える燃焼器、ガスタービン、及びガスタービン設備 |
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JP3365862B2 (ja) | 2003-01-14 |
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