WO2019049584A1 - 有機化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

ホスゲン代替試薬をフロー式リアクターで用いる場合に、生成物の収率をさらに高める。 原料液A及び原料液Bを混合し、リアクター部で反応させる第1反応用フロー式リアクターと、前記第1反応用フロー式リアクターからの第1反応液と原料液Cとを混合し、リアクター部で反応させる第2反応用フロー式リアクターとを用い、 前記原料液Aは、トリホスゲン及び/又はジホスゲンを溶解した溶液であり、 前記原料液Bは、含窒素有機化合物、又は該含窒素有機化合物の溶液であり、 前記原料液Cは、アミノ基、アミド基、及び-OC(=O)NH2から選ばれるホスゲンとの反応官能基を有する反応基質、又は該反応基質の溶液であり、 前記第1反応の生成物がホスゲンである有機化合物の製造方法。

Description

有機化合物の製造方法
 本発明はホスゲン代替試薬を用いたフロー式リアクターでの有機化合物の製造方法に関するものである。
 ホスゲンは、その反応性の高さから様々な有機合成反応の試剤として使用されており、例えば、アルコール、チオール、アミン、カルボン酸等のヘテロ原子を有する化合物と反応し、該化合物をカルボニル化(クロロカルボニル化を含む)するために使用される。ホスゲンは毒性の高いガスであり、取り扱いが難しいため、ジホスゲン、トリホスゲンなどのホスゲン代替試薬が使用されることがある。ホスゲン代替試薬はアミンと反応する事で、ホスゲンを発生する事が知られている。
 また非特許文献1、2は、トリホスゲンを使用した上でマイクロフローシステムを利用すると、リアクターを最小化できるために安全性がさらに高まるとしている。該非特許文献1、2では、具体的には、特定のN-保護アミノ酸とジイソプロピルアミンとを塩化メチレンに溶かした溶液と、トリホスゲンを溶かした溶液とをT型ミキサーで混合し、反応チューブに通すことで、ミキサー及び反応チューブ中でトリホスゲンをホスゲンにし、その場で直ちにN-保護アミノ酸と反応させることによって、対応する酸クロリドを生成している。
Fuse et al, Chem.Commun., 2011, 47, 12661-12663 Fuse et al, Angew. Chem. Int. Ed., 2014, 53, 851-855
 しかし、マイクロフローシステムでジホスゲン、トリホスゲンなどのホスゲン代替試薬を原料として利用する反応では、その反応収率にさらなる改善の余地があった。
 本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、ホスゲン代替試薬をフロー式リアクターで用いる場合に、生成物の収率をさらに高めることにある。
 本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フロー式リアクターの組合せ方を工夫し、まず1つ目のフロー式リアクターでジホスゲン、トリホスゲンなどのホスゲン代替試薬と含窒素有機化合物とを反応させることでホスゲンを調製し、生じたホスゲンを2つ目のフロー式リアクターで反応基質と反応させることで、副反応による不純物の生成を抑制し、生成物の収率が著しく向上することを見いだし、本発明を完成した。
 すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 原料液A及び原料液Bを別々の供給流路から取り入れ、これらを混合部で混合した後、リアクター部で反応させる第1反応用フロー式リアクターと、
 前記第1反応用フロー式リアクターから排出される第1反応液と、原料液Cとを別々の供給流路から取り入れ、混合部で混合した後、リアクター部で反応させる第2反応用フロー式リアクターとを用いて有機化合物を製造する方法であり、
 前記原料液Aは、トリホスゲン及び/又はジホスゲンを溶解した溶液であり、
 前記原料液Bは、N上に1つの置換基を有していてもよいアミノ基、N上に1つの置換基を有していてもよいアミド基、及びN上に1つの置換基を有していてもよい-OC(=O)NH2を有さない含窒素有機化合物、又は該含窒素有機化合物の溶液であり、
 前記原料液Cは、N上に1つの置換基を有していてもよいアミノ基、N上に1つの置換基を有していてもよいアミド基、及びN上に1つの置換基を有していてもよい-OC(=O)NH2からなる群より選ばれるホスゲンと反応し得る官能基を少なくとも1つ有する反応基質、又は該反応基質の溶液であり、
 前記第1反応の生成物がホスゲンである有機化合物の製造方法。
[2] 製造される有機化合物がクロロカルボニル化されたアミノ基(該アミノ基はN上に1つの置換基を有していてもよい)、クロロカルボニル化されたアミド基(該アミド基はN上に1つの置換基を有していてもよい)、及びクロロカルボニル化された-OC(=O)NH2(該-OC(=O)NH2はN上に1つの置換基を有していてもよい)からなる群より選ばれる官能基の少なくとも1つを有する化合物、アミノ酸N-カルボン酸無水物構造を有する化合物、イソシアネート又はウレア構造を有する化合物である前記[1]に記載の製造方法。
[3] 前記N上に1つの置換基を有していてもよいアミノ基、N上に1つの置換基を有していてもよいアミド基、及びN上に1つの置換基を有していてもよい-OC(=O)NH2を有さない含窒素有機化合物が、炭素数9~40のトリアルキルアミンであり、
 前記トリホスゲン及び/又はジホスゲンを溶解した溶液は有機溶媒を含む前記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 第1反応用フロー式リアクターのリアクター部から第1反応液を排出する流路が、第2反応用フロー式リアクターの混合部に直結している前記[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] リアクター部の流路の断面積が0.15mm2以上30cm2以下である前記[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
 本発明によれば、ジホスゲン、トリホスゲンなどのホスゲン代替試薬をフロー式リアクターで用いる場合に、副反応による不純物の生成を抑制し生成物の収率を高めることができる。
図1は、本発明のフロー式リアクターの一例を示す概略図である。 図2は、本発明のフロー式リアクターの別の例を示す概略図である。 図3は、参考例及び比較例のフロー式リアクターの概略図である。
 本発明はホスゲン代替試薬を用いたフロー式リアクターでの有機化合物の製造方法に関するものである。フロー式リアクターとは、サブミリメートルオーダーの微細流路を利用する化学反応装置(マイクロフロー式リアクター)と、このマイクロフロー式リアクターをスケールアップした装置の両方を含む。マイクロフロー式リアクターは、その微細な反応場に起因して、高速混合性能(例えば、微小空間で2液を混合すると、2液の物質拡散距離が短くなるため物質移動が格段に高速化される)、除熱性能(反応場が小さいため熱効率が極めて高く温度制御が容易である)、反応制御性能、界面制御性能などの特有の効果を有し、またプロセス全体のコンパクト化に伴う安全性の向上や大幅な設備費削減、既存のプロセスへの組み込みによるプロセス強化(マイクロ イン マクロ)、既存の生産方式では製造できなかった物質を製造可能にする等の利点を有している。その一方で、マイクロフロー式リアクターは、一度に処理できる量に限界がある点に課題を有している。フロー式リアクターとは、マイクロフロー式リアクターの特徴を損なわない範囲で流路径をミリ~センチメートルオーダーまで大きくして操作性を高めた化学反応装置も含み、処理量を増大できるため実用化に対応可能である。該フロー式リアクターは、具体的には2つ以上の供給流路(供給ラインであってもよい。「原料供給口」で特定される場合もある)と、供給された原料を混合する混合部と、混合液を流通するリアクター部(リアクター流路、滞留流路などともいう。リアクターライン、滞留ラインであってもよい)とから構成される。
 図1は、前記フロー式リアクターを用いて構成した本発明で採用する反応装置1を示す概略図であり、この反応装置1は、
 原料液A及び原料液Bを別々に取り入れるための2つの供給流路11,12と、これら供給流路11,12からの原料液A、Bを混合する第1の混合部15と、該混合部で調製された混合液を反応させる第1のリアクター部17とを有する第1反応用フロー式リアクター21と、
 前記第1反応用フロー式リアクターから排出される第1反応液と、原料液Cとを別々に取り入れるための2つの供給流路13,14と、これら供給流路13,14からの第1反応液と原料液Cを混合する第2の混合部16と、該混合部で調製された混合液を反応させる第2のリアクター部18とを有する第2反応用フロー式リアクター22とを有している。なお第1反応用フロー式リアクター21のリアクター部17からの第1の反応液を排出する流路13が、第2のフロー式リアクター22の供給流路13を兼ねており、この排出流路13が混合部16に直結している。この様な2つのフロー式リアクター21、22を用いることで第1及び第2の2つの反応が可能になっている。
 そして本発明では、第1反応用フロー式リアクター21での原料液Aとしてホスゲン代替試薬(すなわち、トリホスゲン及び/又はジホスゲン。好ましくはトリホスゲン)を溶解した溶液を用い、原料液BとしてN上に1つの置換基を有していてもよいアミノ基(以下、特に断りがない限り、単に「アミノ基」と称した場合には無置換アミノ基のみならず、N上に置換基を1つ有するアミノ基を含むものとする。またN上に1つの置換基を有するアミノ基をN-モノ置換アミノ基という場合がある)、N上に1つの置換基を有していてもよいアミド基(以下、特に断りがない限り、単に「アミド基」と称した場合には無置換アミド基のみならず、N上に置換基を1つ有するアミド基を含むものとする)、及びN上に1つの置換基を有していてもよい-OC(=O)NH2(以下、「-OC(=O)NH2系基」と称する)を有さない含窒素有機化合物、又は該含窒素有機化合物の溶液を用い、該第1反応の生成物としてホスゲンを含む液(第1反応液)を得ており、つづく第2反応用フロー式リアクター22で、原料液Cとしてアミノ基(上記で定義した通り、N上に1つの置換基を有していてもよいアミノ基の意味)、アミド基(上記で定義した通り、N上に1つの置換基を有していてもよいアミド基の意味)、及び-OC(=O)NH2系基からなる群より選ばれるホスゲンと反応し得る官能基(以下、ホスゲンとの反応性基、又は単に反応性基という場合がある)を少なくとも1つ有する反応基質、又は該反応基質を含む溶液を用い、これを前記第1反応液(ホスゲン含有液)と反応させて、有機化合物(以下、目的有機化合物、生成物という場合がある)を製造している。この様に、本発明では、1つ目のフロー式リアクター21でまずホスゲンを発生させ、次に2つめのフロー式リアクター22でホスゲンとの反応性基を有する反応基質と上記ホスゲンとを別の反応場で反応させているため、目的有機化合物の収率が著しく向上する。一方、非特許文献1、2などの様に、反応基質とアミンを含む液と、トリホスゲンを含む液とを従来のフロー式リアクターで同一の反応場で反応させた場合では、反応収率が十分に向上しないことがある。その理由としては、1)トリホスゲンからホスゲンが生成する前に、トリホスゲン又はジホスゲンと反応基質との副反応により不純物(以下、副生成物ともいう)が副生し、2)当該不純物は比較的安定で、アミンが存在していてもそれ以上分解(ホスゲン化)せずに残ることの2点が原因として考えられる。本発明の方法を採用することで、トリホスゲンからホスゲンを十分に生成させた後に、反応基質を反応させるため、上記副反応による不純物を十分に抑制でき、目的有機化合物の収率向上が達成される。
 第1のフロー式リアクター21の原料液Aに含まれるホスゲン代替試薬の量は、第2のフロー式リアクター22の原料液Cとなる反応基質が有するホスゲンとの反応性基とホスゲンとを1:1(モル比)で反応させる場合、該反応性基1モル当たり、例えば、0.2当量以上、好ましくは0.5当量以上、より好ましくは0.8当量以上であり、例えば、3当量以下、好ましくは2当量以下、より好ましくは1.5当量以下である。また前記ホスゲン代替試薬の量は、前記反応性基とホスゲンとを2:1(モル比)で反応させる場合、該反応性基1モル当たり、例えば、0.4当量以上、好ましくは0.5当量以上、より好ましくは0.55当量以上であり、例えば、1当量以下、好ましくは0.75当量以下、より好ましくは0.65当量以下である。なお、1モルのトリホスゲンは、ホスゲンとの反応性基1モルに対して、3当量になる。1モルのジホスゲンは、ホスゲンとの反応性基1モルに対して、2当量になる。
 前記ホスゲン代替試薬は、有機溶媒に溶解することで原料液Aとなっている。有機溶媒としては、例えば、n-へキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、メチルtert-ブチルエーテル、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,1,1-トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒などを挙げることができる。尚、これらの溶媒は、単独で用いても2種以上併用してもよく、混合比率に特に制限は無い。
 本発明では、反応性、後処理等の観点から芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ニトリル系溶媒が好ましく、更に好ましくは、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルである。なおこれら好ましい溶媒は、後述する含窒素有機化合物の塩酸塩の溶解性が低い場合があるが、含窒素有機化合物を適宜選択することで、該塩酸塩の析出を防止できる。
 ホスゲン代替試薬を含む原料液A中の有機溶媒の量は、ホスゲン代替試薬1重量部に対して、例えば、0.1重量部以上、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1.0重量部以上であり、例えば、100重量部以下、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下であり、特に好ましくは10重量部以下である。
 第1のフロー式リアクター21の原料液Bとなる前記含窒素有機化合物としては、アミノ基、アミド基及び-OC(=O)NH2系基等のホスゲンに対する反応性基を有さない含窒素有機化合物が使用でき、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、ドデシルジメチルアミン、ヘキシルジブチルアミン、ジイソプロピルブチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、N-メチルピロリジン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク-7-エン、ピリジン、2-ピコリン、3-ピコリン、2,6-ルチジン、コリジン、4-ジメチルアミノピリジン、キノリン、イミダゾール、N-メチルイミダゾール等が挙げられる。尚、これらの含窒素有機化合物は、単独で用いても2種以上併用しても良く、混合する場合は、その混合比率に制限は無い。好ましくは、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク-7-エン、N-メチルイミダゾールなどの第3級アミン類であり、より好ましくはトリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミンである。
 前記トリアルキルアミンとしては、炭素数9~40のトリアルキルアミンが好ましい。本反応では、含窒素有機化合物は反応基質とホスゲンが反応する際に発生する塩酸と塩酸塩を形成するため、当該塩の析出によりフロー反応時に流路閉塞のリスクが存在するが、含窒素有機化合物として炭素数が9~40のトリアルキルアミンを用いた場合、生成する塩酸塩の溶解性が高く、フロー式リアクターの流路の閉塞を防止できる。また、塩酸塩の溶解性を高める観点からいえば、前記トリアルキルアミンは、非環状のトリアルキルアミンであることが好ましい。トリアルキルアミンの炭素数は、9以上でも、12以上でもよく、40以下でも、30以下でも、24以下でもよい。
 炭素数が9~40の非環状のトリアルキルアミンには、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、ドデシルジメチルアミン、ヘキシルジブチルアミン、ジイソプロピルブチルアミン等が含まれる。入手容易な観点からトリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンが好ましく、更に好ましくはトリブチルアミンである。
 含窒素有機化合物は触媒として働くため、その使用量は少なくてもよいが、トリホスゲン1モルに対して、含窒素有機化合物の窒素原子が、例えば、0.5モル以上、好ましくは1モル以上、より好ましくは2モル以上、さらに好ましくは2.5モル以上、よりさらに好ましくは3モル以上となる量である。含窒素有機化合物の使用量の上限は特に限定されないが、トリホスゲン1モルに対して、含窒素有機化合物の窒素原子が、例えば、8モル以下、好ましくは6モル以下、より好ましくは4モル以下となる量であってもよい。
 また含窒素有機化合物の使用量は、ジホスゲン1モルに対して、含窒素有機化合物の窒素原子が、例えば、0.5モル以上、好ましくは1モル以上、より好ましくは1.5モル以上、さらに好ましくは1.8モル以上、よりさらに好ましくは2モル以上となる量である。含窒素有機化合物の使用量の上限は特に限定されないが、ジホスゲン1モルに対して、含窒素有機化合物の窒素原子が、例えば、15モル以下、好ましくは10モル以下、より好ましくは5モル以下となる量であってもよい。
 なお、含窒素有機化合物は、その一部を原料液Cに含ませる場合がある。原料液B及び原料液Cの両方に含窒素有機化合物を含ませる場合には、前記含窒素有機化合物の使用量とは、原料液B及び原料液Cにおける合計での使用量を意味する。
 含窒素有機化合物は、融点以上で使用する場合にはそのまま無溶媒の状態で原料液Bとして使用してもよいが、必要に応じて有機溶媒を共存させて溶液としたものを原料液Bとして使用してもよい。有機溶媒は、ホスゲン代替試薬の原料液Aで使用可能としたものと同じ範囲から選択できる。
 原料液B中の有機溶媒の量は、含窒素有機化合物100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、例えば、10000質量部以下、好ましくは5000質量部以下、より好ましくは3000質量部以下である。
 原料液A(ホスゲン代替試薬)と原料液B(含窒素有機化合物)の混合液が第1のフロー式リアクター21のリアクター部17を流通する時間(反応時間、滞留時間)は、原料液A及びBの種類や、流路に原料液A及びBを流通させる流速に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.5秒以上、好ましくは0.7秒以上、より好ましくは0.8秒以上であり、さらに好ましくは1.0秒以上であり、例えば、15分以下、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下である。
 原料液A及び原料液Bが供給流路11、12を流通する流速や原料液AとB液の混合液が第1のフロー式リアクター21のリアクター部17を流通する流速は、原料液A及びBの種類やリアクター部17における滞留時間に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.01mL/分以上であり、好ましくは0.1mL/分以上であり、より好ましくは0.5mL/分以上であり、例えば、5000mL/分以下であり、好ましくは3000mL/分以下であり、より好ましくは、1000mL/分(60L/時間)以下である。
 前記反応装置1は、リアクター部17、18の温度を調節するための装置(温度調節室、温度調節浴、ジャケット容器など。図示例は温度調節浴)31をリアクター部ごとに独立して又は共通して備えていてもよい。原料液A(ホスゲン代替試薬)と原料液B(含窒素有機化合物)の反応温度(温度調節装置31の設定温度)は、例えば、-50℃以上、好ましくは-30℃以上、より好ましくは-10℃以上であり、例えば、100℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは25℃以下である。
 第1のフロー式リアクター21で調製されたホスゲンは、供給流路13を通して第2のフロー式リアクター22に供給され、該リアクター22の混合部16で原料液Cとしての反応基質と混合される。
 前記反応基質は、上述した様に、アミノ基、アミド基、-OC(=O)NH2系基などのホスゲンとの反応性基を有している。これら反応性基の数は、基質1分子あたり1つ以上あればよく、2つでもよく、3つでもよく、4つ以上でもよいが、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、最も好ましくは1又は2である。反応性基を複数有する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。
 前記反応基質としては、以下の式(1)~式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

(式中、R1a、R1b及びR1cは、反応基質のうち前記ホスゲンとの反応性基以外の部分を表す。R5a及びR5bは、水素原子又は有機基(ただし、ホスゲンとの反応性基を有さない)を表し、前記R1a又はR1cとR5aとは互いに結合していてもよい。R1b又はR1cとR5bは互いに結合していてもよい。R5a、R5bが複数ある場合、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。n、mは、それぞれ独立して1~3の整数を表す。n、mはそれらの合計が1~3であること、特に1又は2であることが好ましい。)
 R1a~R1c及びR5a~R5bは、反応基質に応じて種々の複雑な構造をとることが可能であるが、単純な構造であってもよい。
 単純な構造のR5a、R5bとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3~20のヘテロアリール基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリールオキシ基、これらの基から水素原子が除かれR1a、R1b又はR1cとの結合が形成された基などが挙げられる。
 R5a、R5bとなるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1~10の基が好ましく、炭素数1~4の基がより好ましい。
 R5a、R5bとなるアルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~10の基が好ましく、炭素数2~4の基がより好ましい。
 R5a、R5bとなるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~10の基が好ましく、炭素数5~6の基がより好ましい。
 R5a、R5bとなるアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7~15の基が好ましく、炭素数7~10の基がより好ましい。
 R5a、R5bとなるアリール基としては、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等の炭素数6~10の基が好ましく、炭素数6~8の基がより好ましい。
 R5a、R5bとなるヘテロアリール基としては、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等が挙げられる。
 R5a、R5bとなるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~10の基が好ましく、炭素数1~4の基がより好ましい。
 R5a、R5bとなるアラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等の炭素数7~15の基が好ましく、炭素数7~10の基がより好ましい。
 R5a、R5bとなるアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6~10の基が好ましく、炭素数6~8の基がより好ましい。
 前記R5a、R5bの基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基;エポキシ基等の環状エーテル基;メチルチオ基等のアルキルチオ基;トリフルオロメチル基;アセチル基;ベンゾイル基;シアノ基;ニトロ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジル基等のジアルキルアミノ基;ベンジルオキシカルボニルアミノ基、tert-ブチルカルボニルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等の保護アミノ基等が挙げられ、ホスゲンとの反応性基を除く基であることが好ましい。また置換基は2価の基であってもよく、例えば、-CH2-O-などが含まれる。-CH2-O-の2つの結合手が同一の炭素原子に結合する場合、オキシラン環が形成される。置換基の数に制限はない。
 単純な構造のR1a~R1cとしては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基又はこのアルキル基から水素原子が1~2個除かれた2~3価の基(以下、これらを総称してアルキル由来の基という場合がある)、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基又はこのアルケニル基から水素原子が1~2個除かれた2~3価の基(以下、これらを総称してアルケニル由来の基という場合がある)、置換基を有していてもよい炭素数3~20のシクロアルキル基又はこのシクロアルキル基から水素原子が1~2個除かれた2~3価の基(以下、これらを総称してシクロアルキル由来の基という場合がある)、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基又はこのアラルキル基から水素原子が1~2個除かれた2~3価の基(以下、これらを総称してアラルキル由来の基という場合がある)、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基又はこのアリール基から水素原子が1~2個除かれた2~3価の基(以下、これらを総称してアリール由来の基という場合がある)、或いは置換基を有していてもよい炭素数3~20のヘテロアリール基又はこのヘテロアリール基から水素原子が1~2個除かれた2~3価の基が挙げられる(以下、これらを総称してヘテロアリール由来の基という場合がある)。またR1b、R1cは、前記アルキル由来の基、アルケニル由来の基、シクロアルキル由来の基、アラルキル由来の基、アリール由来の基、又はヘテロアリール由来の基にオキシ基(-O-)が結合した基であってもよい。なお該オキシ基は、式(2)及び式(3)で示される-C(=O)NR5bHとも結合する。
 R1a~R1cのアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基としては、R5a、R5bと同様の基が挙げられる。またR1a~R1cの置換基もR5a、R5bと同様の基が挙げられる。
 R1a若しくはR1cとR5aとは、又はR1b若しくはR1cとR5bとは結合して、環の構成要素として窒素原子を少なくとも1以上(好ましくは5以下、より好ましくは2以下)含む環を形成するのが好ましい。R1a若しくはR1cとR5aとが、又はR1b若しくはR1cとR5bとが結合して形成される環は、好ましくは2以上、より好ましくは4以上であり、好ましくは30以下、より好ましくは20以下の炭素原子を有することが好ましい。R1a若しくはR1cとR5aとが、又はR1b若しくはR1cとR5bとが結合して形成される環は、好ましくは単環系、二環系または三環系である。
 R1a若しくはR1cとR5aとが、又はR1b若しくはR1cとR5bとが結合して形成される環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数3~20のヘテロアリール基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリールオキシ基、及びR5a、R5bの基が有していてもよい置換基等が例示され、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基であり、具体的な基はR5a、R5bを適宜参照することができる。また前記置換基の数は特に制限されない。
 式(1)または式(3)のように、構造式中に「R5a-N-R1a」又は「R5a-N-R1c」を有する反応基質の場合、R1a又はR1cとR5aは結合して(例えば、形式上、R1a又はR1cから水素原子が除かれ、R5aから水素原子が除かれて結合が形成されて)、環の構成要素として窒素原子を少なくとも1個以上(好ましくは5以下、より好ましくは2以下)含む環が形成できる。R1a又はR1cとR5aが結合することにより形成する環としては、例えば、下記の環が例示される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 一方、式(2)または式(3)のように、構造式中に「R5b-NH-C(=O)-R1b」又は「R5b-NH-C(=O)-R1c」を有する反応基質の場合、R1b又はR1cとR5bは結合して(例えば、形式上、R1b又はR1cから水素原子が除かれ、R5bから水素原子が除かれて結合が形成されて)、環の構成要素として、-NH-C(=O)-を少なくとも1個以上(好ましくは5以下、より好ましくは2以下)含む環が形成できる。R1b又はR1cとR5bとが結合することにより形成する環としては、例えば、下記の環が例示される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 式(1)~(3)で表される反応基質は、その一態様において、例えば、下記式(4)~(6)の様に表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

(式中、R2、R3、及びR4は、反応基質のうち前記ホスゲンとの反応性基以外の部分を表す。R6は水素原子にならない点を除いて前記R5aと同じであり、前記R2、R3、及びR4とR6とは互いに結合していてもよい。Y1はNHであり、Y1と、R4及び/又はR6とは互いに結合していてもよい。R6が複数ある場合、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)
 R2~R4も、R1a~R1cと同様、反応基質に応じて種々の複雑な構造をとることが可能であるが、単純な構造であってもよい。単純な構造のR2としては、R1aとして例示した基のうち1価の基が挙げられる。
 単純な構造のR3、R4としては、R1a、R1cとして例示した基のうち2価の基が挙げられる。該2価の基として好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキレン基;シクロペンタン-1,2-ジイル基、シクロヘキサン-1,2-ジイル基などの炭素数4~10の置換基を有してもよいシクロアルカンジイル基(特にシクロアルカン-1,2-ジイル基);又はベンゼン-1,2-ジイル基などの置換基を有してもよい炭素数が6~10の2価の芳香族炭化水素基であるのが好ましい。前記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基等の炭素数1~6の基がより好ましく、炭素数1~3の基がさらに好ましい。R3及びR4の置換基もR5a~R5bと同様の基が挙げられる。
 式(4)においてR6とR2が結合して形成される環としては、式(1)又は式(3)の様に構造式中に「R5a-N-R1a」又は「R5a-N-R1c」を有する場合と同様の環が挙げられる。
 式(5)において1つのR6とR3が結合して形成される環としては、例えば、下記の環が例示される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 式(6)においてY1とR4が結合して形成される環としては、例えば、下記の環が例示される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 好ましい反応基質のうち複雑構造の基質としては、N-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニンなどの式(31)で表される構造を有する基質;4-[({(2S,5R)-5-[(ベンジロキシ)アミノ]ピペリジン-2-イル}カルボニル)アミノ]ピペリジン-1-カルボン酸ベンジル、4-[({(2S,5R)-5-[(ベンジロキシ)アミノ]ピペリジン-2-イル}カルボニル)アミノ]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル、(2S,5R)-5-ベンジロキシアミノ-ピペリジン-2-カルボン酸ベンジル、(2S,5R)-5-ベンジロキシアミノ-ピペリジン-2-カルボン酸メチル、(2S,5R)-5-ベンジロキシアミノ-ピペリジン-2-カルボン酸アミド等の式(32)で表される構造を有する基質が含まれる。また好ましい反応基質のうち単純構造の基質には、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンなどの式(33)で表される構造を有する基質、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロプロピルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、(R)-1-フェニルエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、アニリン、アセトアミド、グリシン、L-アラニン、L-フェニルアラニン、グリシンアミド、L-アラニンアミド、L-フェニルアラニンアミド等が含まれる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

(式中、Rは有機基を示し、複数のRは互いに異なっていてよく、反応基質の部分構造となる。Rはホスゲンとの反応性基を有さない。)
 最も好ましい反応基質は、N-モノ置換アミノ基を有する基質、N-モノ置換アミノ基を2つ有する基質、環化されたN-モノ置換アミノ基を有する基質などであり、式(31)、式(32)、又は式(33)で表される構造を有する基質がより一層好ましい。
 反応基質は、融点以上で使用する場合にはそのまま無溶媒の状態で原料液Cとして使用してもよいが、必要に応じて有機溶媒を共存させて溶液としたものを原料液Cとして使用してもよい。有機溶媒は、ホスゲン代替試薬の原料液Aで使用可能としたものと同じ範囲から選択できる。
 原料液C中の有機溶媒の量は、反応基質100質量部に対して、例えば、50質量部以上、好ましくは100質量部以上、より好ましくは150質量部以上であり、例えば、3000質量部以下、好ましくは2000質量部以下、より好ましくは1000質量部以下である。
 原料液Cは、含窒素有機化合物を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
 第1のフロー式リアクター21で調製されたホスゲンを含む液と原料液C(反応基質)の混合液が第2のフロー式リアクター22のリアクター部18を流通する時間(反応時間、滞留時間)は、原料液Cの種類や、前記ホスゲンを含む液と原料液Cの混合液が第2のフローリアクター22を流通する流速に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.5秒以上、好ましくは0.6秒以上、より好ましくは0.8秒以上であり、さらに好ましくは1.0秒以上であり、さらに好ましくは1.2秒以上であり、例えば、15分以下、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下である。
 原料液Cが供給流路14を流通する流速や第1のフロー式リアクター21で調製されたホスゲンを含む液と原料液C(反応基質)の混合液が第2のフロー式リアクター22のリアクター部18を流通する流速は、原料液A及びBの種類やリアクター部17における滞留時間に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.01mL/分以上であり、好ましくは0.1mL/分以上であり、さらに好ましくは0.5mL/分以上であり、5000mL/分以下であり、好ましくは3000mL/分以下であり、より好ましくは、1000mL/分(60L/時間)以下である。
 ホスゲンを含む液と原料液C(反応基質)の反応温度(温度調節装置31の設定温度)は、例えば、-50℃以上、好ましくは-30℃以上、より好ましくは-10℃以上であり、例えば、100℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは25℃以下である。
 前記反応基質は、リアクター部18でホスゲンと反応することで、目的有機化合物となる。目的有機化合物は、反応基質が有するホスゲンとの反応性基が変化した基を有しており、例えば、前記N-モノ置換アミノ基、アミド基、-OC(=O)NH2系基などの窒素原子(N)上の水素原子がカルボニル化(クロロカルボニル化を含む)された基を有している。またアミノ基がホスゲンと反応することで形成されるイソシアネート基を有する場合もある。
 例えば、前記式(1)~(3)で表される反応基質が、反応性基と同じ物質量のホスゲンと反応すると、式(11)~式(15)で表される目的有機化合物が合成される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008

(式中、R1a、R1b、R1c、R5a、R5b、m及びnは前記と同じである。)
 また前記式(4)~(6)で表される反応基質が、反応性基に対して半分となる物質量のホスゲンと反応すると、式(16)~(20)で表される目的有機化合物が形成される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009

(式中、R2、R3、R4、R6、Y1は前記と同じである。)
 アミノ基、アミド基及び-OC(=O)NH2系基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも1つ有する基質からは、クロロカルボニル化されたアミノ基、クロロカルボニル化されたアミド基及びクロロカルボニル化された-OC(=O)NH2系基からなる群より選ばれる官能基の少なくとも1つを有する目的有機化合物が合成される。
 N-モノ置換アミノ基とカルボキシ基とを有する基質からはアミノ酸N-カルボン酸無水物構造を有する目的有機化合物が合成され、N-モノ置換アミノ基を2つ有する基質からはウレア構造を有する目的有機化合物が合成され、環化されたN-モノ置換アミノ基を有する基質からは、環化されたN-クロロカルボニルN-モノ置換アミノ基を有する目的有機化合物が合成され、式(31)、式(32)、又は式(33)で表される構造を有する基質からは、式(41)、式(42)、又は式(43)で表される構造を有する目的化合物が合成される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010

(式中、Rは、前記と同じである。)
 本工程で副生する可能性のある不純物としては、例えば式(33)で表される構造を有する基質からは、式(44)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 リアクター部18から流出する反応液は、必要に応じて適切に後処理される。図示例では、水;塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸等を含む酸性水溶液;水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等を含むアルカリ性水溶液などの水又は水溶液を後処理用タンク32に入れておき、このタンク32に反応液を供給してクエンチしている。クエンチした液は、必要に応じて酢酸エチルやトルエン等の有機溶媒を添加して目的有機化合物を抽出してもよい。クエンチに使用する水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液の使用量は特に制限されないが、通常、前記反応基質に対して、下限は0.1倍重量、好ましくは0.5倍重量、より好ましくは1倍重量であり、上限は100倍重量、好ましくは80倍重量、より好ましくは50倍重量である。尚、必要に応じて酢酸エチルやトルエン等の有機溶剤を加えて、水-有機溶剤の2層系でクエンチを実施してもよい。抽出液は更に必要に応じて、酸性水、無機塩水、又は水によって洗浄することもできる。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。
 本発明で用いる反応装置1において、前記フロー式リアクターとしては、マイクロリアクター、サイクロン型反応器、積層型マイクロ流体チップ等の公知の装置を適宜利用できる。また図2に示す反応装置2は、図1の反応装置1を小型化したものであり、こうした例も含め、種々の装置が適宜利用できる。なお図2中、図1と同じ符号を付した部分は、サイズが小さいこと以外は、図1と同じ内容である。
 以下、反応装置1の変更例について、適宜、図2の反応装置2にも言及しながら説明する。リアクター部17、18に原料液を供給する時の送液手段34a、34b、34cとしては、通常、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプ、プランジャーポンプなどのポンプを用いて行われる。なお図2の例では、シリンジポンプ35a、35b、35cが使われている。
 図示例では混合部15、16に用いられる混合器としてT字型ミキサー(T字管を含む)を示したが、混合部には、Y字型ミキサー(Y字管を含む)の使用も可能である。また、これら混合器はスタティック型ミキサーやヘリックス型ミキサーであってもよい。
 図示例のリアクター部17、18は、図1、図2の例の様なコイル構造に限定されず、プレート状の板に微小な流路が刻まれた構造をしていたり、これらのプレート板が積層状に重なった構造をしていたり、直管構造であったり、多数回曲げ返された構造であったりしてもよく、様々な形状をとり得る。
 リアクター部17、18の長さは、反応時間(滞留時間)に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1cm以上であり、好ましくは10cm以上であり、さらに好ましくは1m以上である。リアクター部17、18の長さの上限としては例えば、500m以下であり、好ましくは300m以下であり、さらに好ましくは100m以下である。混合部及びリアクター部の流路断面積は、例えば、10μm2以上であり、好ましくは0.15mm2以上であり、さらに好ましくは1mm2以上であり、さらに好ましくは10mm2以上である。混合部及びリアクター部の流路断面積の上限としては、例えば300cm2以下であり、70cm2以下であり、さらに好ましくは、30cm2以下である。中でも、混合部及びリアクター部の流路断面積としては、1mm2以上70cm2以下が好ましく、さらに好ましくは、0.15mm2以上30cm2以下である。
 混合部及びリアクター部の材質は特に制限されず、耐溶剤性、耐圧性、耐熱性等の要望に応じて適宜選択すればよい。例えば、ステンレス鋼、ハステロイ、チタン、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属、PEEK樹脂、シリコーン樹脂、フッ素脂等の樹脂、ガラス、セラミックス、SiCを使用できる。
 なお本発明では、必要に応じて、水を共存させてもよく、共存させなくてもよい。水を共存させることで、含窒素有機化合物塩酸塩の析出がより確実に防止できる。また水を共存させない事で、水による副反応を防止できる。水を共存させない場合、後述する他の原料液に含まれる溶媒も含めた全溶媒中の水の濃度(特にホスゲンと反応基質との反応液中の濃度)が、例えば、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下となる量が使用される。
 反応液をクエンチするための容器は、後処理タンク32に限られず、装置の大きさに応じて適宜設定でき、例えば、図2の装置に示した様なフラスコ33であってもよい。
 以上のような装置を用いた本発明の方法によれば、副生成物が少なく、目的有機化合物を収率よく得ることができる。
 本願は、2017年9月8日に出願された日本国特許出願第2017-173505号に基づく優先権の利益を主張するものである。2017年9月8日に出願された日本国特許出願第2017-173505号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
 以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前記及び/又は後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
 (1) 塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルの製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 以下の実施例1~6、比較例1及び参考例1、2では、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、トリホスゲン及びトリブチルアミンから塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルを製造した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって生成物を定量し、収率を算出した。HPLC条件は以下の通りである。
 カラム:CHIRALCEL OD-H(250×4.6mm)(株式会社ダイセル製)
 移動相:ヘキサン/イソプロピルアルコール=98/2
 流速:0.7ml/分
 検出波長:UV220nm
 カラム温度:35℃
 保持時間:塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニル;10分
      (S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボン酸トリクロロメチル(以下、RRT0.81不純物という);8.1分
 実施例1
 トリホスゲン1.70gにトルエンを13.0g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン3.20gにトルエンを10.2g入れて均一溶液とし、原料液Bとした。また、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン3.00gにトルエンを23.8g入れて均一溶液とし、原料液Cとした。図2に示す反応装置2を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 原料液A及び原料液Bをそれぞれ1ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35a、35bで送液してT字型ミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で4分間通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した。次に、原料液Cを2ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC製)35cで送液し、連続的に流れてくる該ホスゲンのトルエン溶液(2ml/分)と、もう1つのT字型ミキサー16内で混合し、続く滞留ライン18内で2分間通流して反応させた。原料液A、原料液B及び原料液Cが入ったシリンジが空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。尚、T字型ミキサー15、16(内径:2.0mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))及び滞留ライン17、18(チューブ内径:2.0mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))は10℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。反応液はフラスコ33に入った2N塩酸水60g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルを3.52g含有する有機層を61.23g取得した(収率:90%、RRT0.81不純物:0.2area% vs 生成物のarea)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 実施例2
 トリホスゲン2.84gにトルエンを7.88g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン5.31gにトルエンを3.39g入れて均一溶液とし、原料液Bとした。また、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン5.00gにトルエンを15.0g入れて均一溶液とし、原料液Cとした。図2に示す反応装置2を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 原料液A及び原料液Bをそれぞれ1ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35a、35bで送液し、T字型ミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で5秒間通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した。次に、原料液Cを2ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35cで送液し,連続的に流れてくる該ホスゲンのトルエン溶液(2ml/分)と、もう1つのT字型ミキサー16内で混合し、続く滞留ライン18内で10秒間通流して反応させた。原料液A、原料液B及び原料液Cが入ったシリンジが空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。尚、T字型ミキサー15、16(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))及び滞留ライン17、18(チューブ内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))は10℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。反応液はフラスコ33に入った2N塩酸水100g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルを6.10g含有する有機層を40.83g取得した(収率94%、RRT0.81不純物:不検出)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 実施例3
 トリホスゲン2.84gにトルエンを7.88g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン5.31gにトルエンを3.39g入れて均一溶液とし、原料液Bとした。また、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン5.00gにテトラヒドロフランを15.0g入れて均一溶液とし、原料液Cとした。図2に示す反応装置2を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 原料液A及び原料液Bをそれぞれ1ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35a、35bで送液し、T字ミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で5秒間通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した。次に、原料液Cを2ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35cで送液し、連続的に流れてくる該ホスゲンのトルエン溶液(2ml/分)と、もう1つのT字ミキサー16内で混合し、続く滞留ライン18内で10秒間通流して反応させた。原料液A、原料液B及び原料液Cが入ったシリンジが空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。尚、T字ミキサー15、16(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))及び滞留ライン17、18(チューブ内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))は10℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。反応液はフラスコ33に入った2N塩酸水25g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルを6.20g含有する有機層を45.98g取得した(収率96%、RRT0.81不純物:不検出)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 実施例4
 トリホスゲン28.4gにトルエンを78.0g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン53.1gにトルエンを32.5g入れて均一溶液とし、原料液Bとした。また、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン50.0gにテトラヒドロフランを150.0g入れて均一溶液とし、原料液Cとした。図1に示す反応装置1を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 原料液A及び原料液Bをそれぞれ39.5ml/分の速度にてダイヤフラムポンプ(KNF社製)34a、34bで送液してT字ミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で5秒間通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した。次に、原料液Cを79.0ml/分の速度にてダイヤフラムポンプ(KNF社製)34cで送液し、連続的に流れてくる該ホスゲンのトルエン溶液(79.0ml/分)と、もう1つのT字ミキサー16内で混合し、続く滞留ライン18内で10秒間通流して反応させた。原料液A、原料液B及び原料液Cが入った瓶が空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。尚、T字ミキサー15、16(内径:2.4mm、材質:ステンレス(SUS304))及び滞留ライン17、18(内径:3.0mm、外径4.0mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))は10℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。反応液はフラスコ32に入った2N塩酸水250.0g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルを63.6g含有する有機層を443.3g取得した(収率:98%、RRT0.81不純物:0area% vs 生成物のarea)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 実施例5
 トリホスゲン28.4gにトルエンを78.0g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン53.1gにトルエンを32.5g入れて均一溶液とし、原料液Bとした。また、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン50.0gにテトラヒドロフランを150.0g入れて均一溶液とし、原料液Cとした。図1に示す反応装置1を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 原料液A及び原料液Bをそれぞれ39.5ml/分の速度にてダイヤフラムポンプ(KNF社製)34a、34bで送液してT字ミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で5秒間通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した。次に、原料液Cを79.0ml/分の速度にてダイヤフラムポンプ(KNF社製)35cで送液し、連続的に流れてくる該ホスゲンのトルエン溶液(79.0ml/分)と、もう1つのT字ミキサー16内で混合し、続く滞留ライン18内で10秒間通流して反応させた。原料液A、原料液B及び原料液Cが入った瓶が空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。尚、T字ミキサー15、16(内径:2.4mm、材質:ステンレス(SUS304))及び滞留ライン17、18(内径:2.18mm、外径1/8インチ(約3.18mm)、材質:ステンレス(SUS304))は10℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。反応液はフラスコ33に入った2N塩酸水250.0g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルを63.1g含有する有機層を465.4g取得した(収率:98%、RRT0.81不純物:0area% vs 生成物のarea)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 実施例6
 トリホスゲン28.4gにトルエンを78.0g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン53.1gにトルエンを32.5g入れて均一溶液とし、原料液Bとした。また、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン50.0gにテトラヒドロフランを150.0g入れて均一溶液とし、原料液Cとした。図1に示す反応装置1を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 原料液A及び原料液Bをそれぞれ39.5ml/分の速度にてダイヤフラムポンプ(KNF社製)35a、35bで送液してT字ミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で5秒間通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した。次に、原料液Cを79.0ml/分の速度にてダイヤフラムポンプ(KNF社製)35cで送液し、連続的に流れてくる該ホスゲンのトルエン溶液(79.0ml/分)と、もう1つのT字ミキサー16内で混合し、続く滞留ライン18内で10秒間通流して反応させた。原料液A、原料液B及び原料液Cが入った瓶が空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。尚、T字ミキサー15、16(内径:4.8mm、材質:ステンレス(SUS304))及び滞留ライン17、18(チューブ内径:4.0mm、外径6.0mm、材質:ステンレス(SUS304))は10℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。反応液はフラスコ33に入った2N塩酸水250.0g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルを63.9g含有する有機層を457.4g取得した(収率:97%、RRT0.81不純物:0area% vs 生成物のarea)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 参考例1(必要滞留時間の調査1)
 トリホスゲン7.37gにトルエンを49.4g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン13.81gにトルエンを42.9g入れて均一溶液とし、原料液B(図3中の原料液Dに相当)とした。図3に示す反応装置3を用い、以下の様にして、これらを反応させた。なお、反応装置3は、2つ目のフロー式リアクター22を備えていない以外は、図2の反応装置2と同じであり、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、反応チューブの出口とReact IR15を繋ぎ、反応変換率をインライン分析にて実施した。
 原料液A及び原料液B(図3中の原料液Dに相当)をシリンジポンプ(YMC社製)35a、35dで送液してT字ミキサー15(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))内で混合し、滞留ライン17(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))内で通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した。尚、T字ミキサー15及び滞留ライン17は10℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。各流路の流速を1.0~9.0ml/分で変化させることで滞留時間を0.5~4.9秒に調整した。各滞留時間におけるトリホスゲンからホスゲンへの変換率は以下表1の様になった。
 <特徴的なピーク>トリホスゲン:1836cm-1、ホスゲン:1809cm-1
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013
 参考例2(必要滞留時間の調査2)
 トリホスゲン7.37gにトルエンを49.4g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン13.81gにトルエンを42.9g入れて均一溶液とし、原料液Bとした。また、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン13.00gにトルエンを101.4g入れて均一溶液とし、原料液Cとした。図2に示す反応装置2を用い、以下の様にして、これらを反応させた。また、反応チューブの出口とReact IR15を繋ぎ、反応収率をインライン分析にて実施した。
原料液A及び原料液Bをそれぞれ1ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35a、35bで送液してT字ミキサー15(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))内で混合し、滞留ライン17(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))内で通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した(滞留時間5秒)。次に、原料液Cを2ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35cで送液し、連続的に流れてくる該ホスゲンのトルエン溶液(2ml/分)と、もう1つのT字ミキサー16(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))内で混合し、滞留ライン18(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))内で通流し、反応させた。尚、T字ミキサー15、16及び滞留ライン17、18は10℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。滞留ライン18を19~289cmに変化させることで滞留時間を0.6~8.5秒に調整した。各滞留時間における生成物(塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニル)の収率は以下表2の様になった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000014
 比較例1
 トリホスゲン283.7mgにトルエン4.25gを入れて均一溶液とし、原料液Aとした。また、(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン500mgにトルエン3.21gとトリブチルアミン531.6mgを入れて均一溶液とし、原料液Dとした。図3に示す反応装置3を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 T字型ミキサー15(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))及び滞留ライン17(チューブ内径:1.0mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))を10℃の恒温バス31に入れた後、原料液A及び原料液Dをそれぞれ0.5ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35a、35dで送液し、マイクロミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で2分間通流して反応させた。原料液A及び原料液Dが入ったシリンジが空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。反応液はフラスコ33に入った2N塩酸水10g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、塩化(S)-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンカルボニルを272.7mg含有する有機層を12.71g取得した(収率42%、RRT0.81不純物:72area% vs 生成物のarea)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 (2) N-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニル-N-カルボン酸無水物の製造  
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 以下の実施例7及び比較例2では、N-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニンとトリホスゲンからN-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニル-N-カルボン酸無水物を製造した。HPLC法によって生成物を定量し、収率を算出した。HPLC条件は以下の通りである。
 カラム:CHIRALPAC IA(250×4.6mm)
 移動相:ヘキサン/エタノール=90/10
 流速:0.8ml/分
 検出波長:UV220nm
 カラム温度:35℃
 保持時間:N-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニル-N-カルボン酸無水物;10分
 実施例7
 トリホスゲン0.64gにトルエンを3.38g入れて均一溶液とし、原料液Aとした。次に、トリブチルアミン0.40gにトルエンを3.62g入れて均一溶液とし、原料液Bとした。また、N-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニン1.50g、トリブチルアミン1.09gにテトラヒドロフランを13.50g入れて均一溶液とし、原料液Cとした。図1に示す反応装置1を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 原料液A及び原料液Bをそれぞれ1.0ml/分の速度にてダイヤフラムポンプ(KNF社製)35a、35bで送液してT字ミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で1分間通流し、ホスゲンのトルエン溶液を調製した。次に、原料液Cを2.0ml/分の速度にてダイヤフラムポンプ(KNF社製)35cで送液し、連続的に流れてくる該ホスゲンのトルエン溶液(2.0ml/分)と、もう1つのT字ミキサー16内で混合し、続く滞留ライン18内で3分間通流して反応させた。原料液A、原料液B及び原料液Cが入った瓶が空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。尚、T字ミキサー15、16(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))及び滞留ライン17、18(チューブ内径:2.0mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))は35℃の恒温バス31内に入れて本検討を実施した。反応液はフラスコ32に入った18%リン酸水75.0g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、N-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニル-N-カルボン酸無水物を1.31g含有する有機層を100.14g取得した(収率:80%)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 比較例2
 トリホスゲン0.64gにトルエン15.50gを入れて均一溶液とし、原料液Aとした。また、N-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニン1.50gにテトラヒドロフラン13.50gとトリブチルアミン1.09gを入れて均一溶液とし、原料液Dとした。図3に示す反応装置3を用い、以下の様にして、これらを反応させた。
 T字ミキサー15(内径:0.5mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))及び滞留ライン17(チューブ内径:2mm、材質:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))を35℃の恒温バス31に入れた後、原料液A及び原料液Dをそれぞれ2ml/分の速度にてシリンジポンプ(YMC社製)35a、35dで送液し、マイクロミキサー15内で混合し、滞留ライン17内で4分間通流して反応させた。原料液A及び原料液Dが入ったシリンジが空になった後、流路内の試剤をトルエンを用いて同速度にて洗浄、フラッシングした。反応液はフラスコ33に入った18%リン酸水75.0g中に撹拌下、連続的にクエンチすることで、分液後、N-[1-(S)-エトキシカルボニル-3-フェニルプロピル]-L-アラニル-N-カルボン酸無水物を1.13g含有する有機層を45.00g取得した(収率69%)。尚、反応中に結晶は析出せず、反応液はクリアーな溶液であった。
 本発明は、ホスゲン代替試薬を用いた有機化合物の製造方法に利用することができる。
 11,12,13,14…供給流路
 15,16…混合部
 17,18…リアクター部
 21,22…フロー式リアクター

Claims (5)

  1.  原料液A及び原料液Bを別々の供給流路から取り入れ、これらを混合部で混合した後、リアクター部で反応させる第1反応用フロー式リアクターと、
     前記第1反応用フロー式リアクターから排出される第1反応液と、原料液Cとを別々の供給流路から取り入れ、混合部で混合した後、リアクター部で反応させる第2反応用フロー式リアクターとを用いて有機化合物を製造する方法であり、
     前記原料液Aは、トリホスゲン及び/又はジホスゲンを溶解した溶液であり、
     前記原料液Bは、N上に1つの置換基を有していてもよいアミノ基、N上に1つの置換基を有していてもよいアミド基、及びN上に1つの置換基を有していてもよい-OC(=O)NH2を有さない含窒素有機化合物、又は該含窒素有機化合物の溶液であり、
     前記原料液Cは、N上に1つの置換基を有していてもよいアミノ基、N上に1つの置換基を有していてもよいアミド基、及びN上に1つの置換基を有していてもよい-OC(=O)NH2からなる群より選ばれるホスゲンと反応し得る官能基を少なくとも1つ有する反応基質、又は該反応基質の溶液であり、
     前記第1反応の生成物がホスゲンである有機化合物の製造方法。
  2.  製造される有機化合物がクロロカルボニル化されたアミノ基(該アミノ基はN上に1つの置換基を有していてもよい)、クロロカルボニル化されたアミド基(該アミド基はN上に1つの置換基を有していてもよい)、及びクロロカルボニル化された-OC(=O)NH2(該-OC(=O)NH2はN上に1つの置換基を有していてもよい)からなる群より選ばれる官能基の少なくとも1つを有する化合物、アミノ酸N-カルボン酸無水物構造を有する化合物、イソシアネート又はウレア構造を有する化合物である請求項1に記載の製造方法。
  3.  前記N上に1つの置換基を有していてもよいアミノ基、N上に1つの置換基を有していてもよいアミド基、及びN上に1つの置換基を有していてもよい-OC(=O)NH2を有さない含窒素有機化合物が、炭素数9~40のトリアルキルアミンであり、
     前記トリホスゲン及び/又はジホスゲンを溶解した溶液は有機溶媒を含む請求項1または2に記載の製造方法。
  4.  第1反応用フロー式リアクターのリアクター部から第1反応液を排出する流路が、第2反応用フロー式リアクターの混合部に直結している請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
  5.  リアクター部の流路の断面積が0.15mm2以上30cm2以下である請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
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