WO2019044086A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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堀口 卓也
郭葵 中島
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Abstract

エア保持性と、第1層と第2層との界面(特に、ジョイント部)における接着性に優れ、第1層においてクラックの発生を抑制した空気入りタイヤを提供する。 本発明は、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有し、 前記第3層は、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設され、 前記第1層は、熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含む第1層用ゴム組成物からなり、 前記第2層は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含む第2層用ゴム組成物からなり、 前記第3層は、イソプレン系ゴムを含む第3層用ゴム組成物からなる空気入りタイヤに関する。

Description

空気入りタイヤ
本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、路面と接するトレッド以外にもインナーライナー等様々な部材により構成されている。インナーライナーは、タイヤ内部から外部への空気の漏れの量(空気透過量)を低減してエア保持性を発揮するタイヤ部材である。当該部材は、空気を透過しにくいブチルゴムなどのブチル系ゴムを配合してエア保持性が付与されている(例えば、特許文献1)。一方、エア保持性を付与するために、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体を配合する試みも行われている。
特開2014-227494号公報
本発明者らの検討の結果、インナーライナー用ゴム組成物において、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーを配合するとエア保持性は向上するものの、異種ゴムとの加硫接着性が悪くなり、タイヤを走行させた際に、インナーライナー(第1層)と、第1層に隣接する第2層との界面からめくれ(剥離)が生じることが判明した。この剥離は、特に、タイヤ成型時に生じたジョイント部において起こりやすいことも判明した。
この問題を解決するために、ジョイント部にブチルテープを貼る方法も考えられるが、ジョイント部以外で剥離が生じる懸念があるなど十分ではない。
また、本発明者が鋭意検討した結果、走行時の応力集中により、第1層においてクラックが発生するおそれがあることも判明した。
本発明は、前記課題を解決し、エア保持性と、第1層と第2層との界面(特に、ジョイント部)における接着性に優れ、第1層においてクラックの発生を抑制した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有し、
上記第3層は、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設され、
上記第1層は、熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含む第1層用ゴム組成物からなり、
上記第2層は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含む第2層用ゴム組成物からなり、
上記第3層は、イソプレン系ゴムを含む第3層用ゴム組成物からなる空気入りタイヤに関する。
赤道面から、上記第3層のタイヤ軸方向最内端までのタイヤ軸方向長さと、赤道面から、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端までのタイヤ軸方向長さとの差が40mm以内であることが好ましい。
上記第1層及び上記第2層は、一方のビードから他方のビードまで連続して配設されていることが好ましい。
上記第3層は、ビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部までのみに配設されていることが好ましい。
上記第1層は、タイヤ半径方向において最も内側に位置する部材であることが好ましい。
本発明によれば、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有し、上記第3層は、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設され、上記第1層は、熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含む第1層用ゴム組成物からなり、上記第2層は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含む第2層用ゴム組成物からなり、上記第3層は、イソプレン系ゴムを含む第3層用ゴム組成物からなる空気入りタイヤであるので、エア保持性と、第1層と第2層との界面(特に、ジョイント部)における接着性に優れ、第1層においてクラックの発生を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。
本発明の空気入りタイヤは、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有し、
上記第3層は、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設され、
上記第1層は、熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含む第1層用ゴム組成物からなり、
上記第2層は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含む第2層用ゴム組成物からなり、
上記第3層は、イソプレン系ゴムを含む第3層用ゴム組成物からなる。
本発明では、以下の作用効果により、エア保持性と、第1層と第2層との界面(特に、ジョイント部)における接着性(以下においては、単に接着性ともいう)とを両立でき、更には第1層においてクラックの発生を抑制できるものと推察される。
本発明では、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーを配合した第1層に、ブチル系ゴム、イソプレン系ゴムを含有する第2層を組み合わせることで、両部材の接着性を向上させることができ、第1層と第2層との界面(特に、ジョイント部)における接着性が改善し、ジョイント界面における剥離を抑制できる。
このように、本発明では、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーを配合した第1層(インナーライナー)を用いても、上記特定の第2層を組み合わせることにより、両部材の接着性を向上させることができるため、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーを配合したエア保持性に優れた第1層を採用できる。
更に、本発明では、第1層に配合したスチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマー、ブチル系ゴムに起因する良好なエア保持性に加えて、第2層もブチル系ゴムを含有するため、より良好なエア保持性が得られる。
このように、本発明では、特定の第1層と特定の第2層の相乗作用により、エア保持性、接着性を相乗的に改善できる。
本発明では、更に、第3層を、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設することにより、走行時の応力集中及び成形/加硫工程における、第1層の変形を抑制でき、第1層においてクラックの発生を抑制できる。このクラックの発生は、第1層の厚みが小さいほど生じやすいが、第3層を配設することにより、第1層の厚みが小さい場合であっても第1層においてクラックの発生を抑制できる。これにより、第1層の厚みを小さくすることが可能となり、タイヤの軽量化を可能とし、より低燃費性能に優れたタイヤを提供できる。
本発明の空気入りタイヤは、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有する。
カーカスとは、タイヤコード及びタイヤコード被覆ゴム層からなる部材であり、具体的には、特開2008-75066号公報の図1等に示される部材である。
第1層は、タイヤ半径方向において最も内側に位置する部材(タイヤ内腔面をなすように形成される部材)、いわゆるインナーライナーであり、この部材により、空気透過量を低減して、タイヤ内圧を保持することができる。具体的には、特開2008-291091号公報の図1、特開2007-160980号公報の図1~2などに示される部材である。なお、通常のタイヤでは、インナーライナー(第1層)がタイヤ内腔面を形成するが、もちろん、第1層のタイヤ半径方向内側に他のタイヤ部材(例えば、タイヤがパンクした際にパンク穴を塞ぐことが可能なシーラント層)が設けられていてもよい。
第2層は、第1層と、カーカス又は第3層との間に配設される部材であり、第2層は、第1層に沿って配設されていればよい。
第1層及び第2層は、一方のビードから他方のビードまで連続して配設されていることが好ましい。これにより、空気の透過しやすい箇所を有さなくなり、効果がより好適に得られる。
第3層は、カーカスと第2層との間に配設される部材である。具体的には、第3層は、カーカスのタイヤ半径方向内側においてカーカスと隣接し、第2層のタイヤ半径方向外側において第2層と隣接する。そして、第3層は、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設される。
ここで、ビードエイペックス、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端は、同じサイドウォールに近接するビードエイペックスとブレーカーのタイヤ軸方向最外端(図1ではビードエイペックス50aとブレーカーのタイヤ軸方向最外端52aの組み合わせ、又はビードエイペックス50bとブレーカーのタイヤ軸方向最外端52bの組み合わせ)を意味し、またビードエイペックス先端とは、ビードエイペックスのトレッド側の先端(図1ではビードエイペックスのトレッド側の先端51a、51b)を意味する。
第3層は、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設されていればよく、ビードエイペックス先端部よりもタイヤ半径方向内側に延伸されて配設されていてもよく、また、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部よりもタイヤ軸方向内側に延伸されて配設されていてもよい。例えば、一方のビードから他方のビードまで連続して配設されていてもよい。しかしながら、効果がより好適に得られると共にタイヤの軽量化が図れるという理由から、第3層は、ビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部までのみに配設されていることが好ましい。
図1~3は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。
図1において、上下方向がタイヤ半径方向であり、左右方向がタイヤ軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。一点鎖線CLは、空気入りタイヤ2の赤道面を表す。空気入りタイヤ2のトレッド部4は、タイヤ半径方向内側から順に、第1層14、第2層16、カーカス10(第一プライ28、第二プライ30)、ブレーカー12(内側層44、外側層46)、バンド15が設けられている。本発明の一実施形態において、上記第2層用ゴム組成物は、カーカス10にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層16に使用され、上記第1層用ゴム組成物は、第2層16にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層14に使用される。
そして、ブレーカー12(内側層44)のタイヤ軸方向最外端52のタイヤ半径方向内側では、タイヤ半径方向外側から順に、カーカス10(第二プライ30、第一プライ28)、第3層17、第2層16、第1層14が設けられている。すなわち、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端のタイヤ半径方向内側では、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有する。
図1に示す通り、トレッド部では、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有する。
図1に示す通り、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端のタイヤ半径方向内側(ショルダー部)では、カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有する。
図1に示す通り、サイドウォール部では、カーカスと、該カーカスにタイヤ軸方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ軸方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ軸方向内側において隣接する第1層とを有する。
図1の空気入りタイヤでは、第1層14及び第2層16は、一方のビード8aから他方のビード8bまで連続して配設されている。そして、図2の通り、第3層17は、ビードエイペックス先端部61からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部62まで連続してカーカス10(第一プライ28)に沿って配設されている。本発明の一実施形態において、上記第3層用ゴム組成物は、ビードエイペックス先端部61からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部62まで連続してカーカス10(第一プライ28)に沿って配設されている第3層17に使用される。
本明細書において、ビードエイペックス先端部は、ビードエイペックスのトレッド側の先端を通る、タイヤ軸方向に平行な直線が交差するカーカス表面(タイヤ軸方向内側表面)を意味し、図2では、ビードエイペックス先端部61は、ビードエイペックス50bのトレッド側の先端51bを通る、タイヤ軸方向に平行な直線L1が交差する第一プライ28表面(タイヤ軸方向内側表面)を意味する。
本明細書において、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部は、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端を通る、タイヤ半径方向に平行な直線が交差するカーカス表面(タイヤ半径方向内側表面)を意味し、図2では、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部62は、ブレーカー12(内側層44)のタイヤ軸方向最外端52bを通る、タイヤ半径方向に平行な直線L2が交差する第一プライ28表面(タイヤ半径方向内側表面)を意味する。
なお、図2のように、複数のブレーカーがある場合(図2では2個)、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端とは、複数のブレーカーのうち、最もタイヤ軸方向外側まで位置するブレーカー(図2では内側層44)のタイヤ軸方向最外端を意味する。
赤道面から、第3層のタイヤ軸方向最内端までのタイヤ軸方向長さ(図3のX1)と、赤道面から、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端までのタイヤ軸方向長さ(図3のX2)との差は、好ましくは40mm以内、より好ましくは35mm以内、更に好ましくは30mm以内であり、下限は好ましくは0mm以上である。これにより、効果がより好適に得られる。
第1層、第2層、第3層は、それぞれ第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物からなる。
次に、使用される第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物について説明する。
(第1層用ゴム組成物)
第1層用ゴム組成物は、ポリマー成分として、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)等の熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含む。
なお、本明細書において、ポリマー成分とは、ゴム組成物の基材となるエラストマー成分を意味し、具体的には、タイヤ工業においてゴム成分として使用されるジエン系ゴム、第1層用(ゴム)組成物の基材として使用される熱可塑性エラストマーを意味する。
熱可塑性エラストマーとしては特に限定されず、例えば、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン・ブテン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン-ブタジエン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SBBS)等が挙げられる。なかでも、SIBSが好ましい。
SIBSのイソブチレンブロックにより、優れたエア保持性が発揮される。したがって、SIBSを含むゴム組成物を第1層に用いた場合、エア保持性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
更に、SIBSは芳香族以外の分子構造が完全飽和であることにより、劣化硬化が抑制され、優れた耐久性を有する。したがって、SIBSを含むゴム組成物を第1層に用いた場合、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBSの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万以上、より好ましくは7万以上であり、好ましくは40万以下、より好ましくは20万以下である。重量平均分子量が上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
なお、SIBSの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
SIBS中のスチレン単位の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。スチレン単位の含有量が上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
SIBSは、イソブチレン単位とスチレン単位のモル比(イソブチレン単位/スチレン単位)が、該共重合体のゴム弾性の点から40/60~95/5であることが好ましい。SIBSにおいて、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱い(重合度が10,000未満では液状になる)の点からイソブチレンブロックでは10,000~150,000程度、またスチレンブロックでは5,000~30,000程度であることが好ましい。
なお、本明細書において、SIBSのイソブチレン単位の含有量、スチレン単位の含有量は、H-NMR測定により算出される。
SIBSは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができる。たとえば、リビングカチオン重合法により得ることができる。
特開昭62-48704号公報および特開昭64-62308号公報には、イソブチレンと他のビニル化合物とのリビングカチオン重合が可能であり、ビニル化合物にイソブチレンと他の化合物を用いることでポリイソブチレン系のブロック共重合体を製造できることが開示されている。このほかにも、リビングカチオン重合法によるビニル化合物重合体の製造法が、たとえば、米国特許第4,946,899号、米国特許第5,219,948号、特開平3-174403号公報などに記載されている。
SIBSとしては、例えば、(株)カネカ等の製品(SIBSTARシリーズ等)を使用できる。
ポリマー成分100質量%中の熱可塑性エラストマー(好ましくはSIBS)の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性(特に、エア保持性)が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは95質量%以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性(特に、接着性)が得られる傾向がある。
ブチル系ゴムとしては、例えば、臭素化ブチルゴム(BR-IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)などのハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより好適に得られるという理由から、Cl-IIRなどのX-IIRが好ましく、Cl-IIRがより好ましい。
ブチル系ゴムとしては、例えば、エクソンモービル社、JSR(株)、日本ブチル(株)等の製品を使用できる。
ポリマー成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性(特に、接着性)が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性が得られる傾向がある。
第1層用ゴム組成物に使用できる熱可塑性エラストマー、ブチル系ゴム以外のポリマー成分としては特に限定されず、天然ゴム(NR)やイソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本明細書において、イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、NRが好ましい。
ポリマー成分100質量%中のブチル系ゴム、熱可塑性エラストマー(好ましくはSIBS)の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
第1層用ゴム組成物にはカーボンブラックが配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、5m/g以上が好ましく、10m/g以上がより好ましく、15m/g以上が更に好ましい。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。また、上記NSAは、300m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、40m/g以下が更に好ましい。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは5ml/100g以上、より好ましくは40ml/100g以上、更に好ましくは70ml/100g以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。また、上記DBPは、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは200ml/100g以下、更に好ましくは120ml/100g以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217-4:2001の測定方法によって求められる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは65質量部以下である。カーボンブラックの含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。また、走行時のクラックの発生も抑制できると共に、良好な低燃費性も得られる。
第1層用ゴム組成物には酸化亜鉛が配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。酸化亜鉛の含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。また、走行時のクラックの発生も抑制できる。
第1層用ゴム組成物には硫黄が配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下、特に更に好ましくは1.5質量部以下である。硫黄の含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。
(第2層用ゴム組成物)
第2層用ゴム組成物は、ポリマー成分として、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含む。
ポリマー成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
なお、ブチル系ゴムは、前記と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
ポリマー成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。下限以上にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上限以下にすることで、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
なお、イソプレン系ゴムは、前記と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
ポリマー成分100質量%中のブチル系ゴム、イソプレン系ゴムの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
第2層用ゴム組成物に使用できるブチル系ゴム、イソプレン系ゴム以外のポリマー成分としては特に限定されないが、第1層用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
第2層用ゴム組成物にはカーボンブラックが配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
また、第1層用ゴム組成物および第2層用ゴム組成物が共にカーボンブラックを含有することが好ましい。これにより、接着界面が好適に補強され、より良好な接着性が得られる。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、第1層用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
カーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。カーボンブラックの含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。また、走行時のクラックの発生も抑制できると共に、良好な低燃費性も得られる。
第2層用ゴム組成物には硫黄が配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
硫黄としては、特に限定されないが、第1層用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以下である。硫黄の含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。
第2層用ゴム組成物には酸化亜鉛が配合されることが好ましい。これにより、良好なエア保持性、接着性が得られる傾向がある。
酸化亜鉛としては、特に限定されないが、第1層用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。酸化亜鉛の含有量を上記含有量とすることにより、より良好なエア保持性、接着性が得られる。また、走行時のクラックの発生も抑制できる。
(第3層用ゴム組成物)
第3層用ゴム組成物は、ポリマー成分として、イソプレン系ゴムを含む。
ポリマー成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、100質量%であってもよい。下限以上にすることで、第1層においてクラックの発生をより好適に抑制できる傾向がある。
なお、イソプレン系ゴムは、前記と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
第3層用ゴム組成物に使用できるイソプレン系ゴム以外のポリマー成分としては特に限定されないが、第1層用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
第3層用ゴム組成物にはカーボンブラックが配合されることが好ましい。これにより、第1層においてクラックの発生をより好適に抑制できる傾向がある。
また、第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物が共にカーボンブラックを含有することが好ましい。これにより、接着界面が好適に補強され、より良好な接着性が得られると共に、第1層においてクラックの発生をより好適に抑制できる傾向がある。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、第1層用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
カーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。カーボンブラックの含有量を上記含有量とすることにより、第1層においてクラックの発生をより好適に抑制できる傾向がある。
第3層用ゴム組成物には硫黄が配合されることが好ましい。これにより、第1層においてクラックの発生をより好適に抑制できる傾向がある。
硫黄としては、特に限定されないが、第1層用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以下である。硫黄の含有量を上記含有量とすることにより、第1層においてクラックの発生をより好適に抑制できる傾向がある。
第3層用ゴム組成物には酸化亜鉛が配合されることが好ましい。これにより、第1層においてクラックの発生をより好適に抑制できる傾向がある。
酸化亜鉛としては、特に限定されないが、第1層用ゴム組成物と同様のものを同様の態様にて好適に使用できる。
酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。酸化亜鉛の含有量を上記含有量とすることにより、第1層においてクラックの発生をより好適に抑制できる傾向がある。
(第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物)
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、加硫促進剤を配合することが好ましい。これにより、効果がより好適に得られる。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより好適に得られるという理由から、チアゾール系加硫促進剤が好ましく、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィドがより好ましい。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。上記数値範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、ステアリン酸を配合することが好ましい。これにより、効果がより好適に得られる。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、ステアリン酸を含有する場合、ステアリン酸の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。上記数値範囲内であると、効果が良好に得られる傾向がある。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、老化防止剤を配合してもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、シリカを配合してもよい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは90m/g以上、より好ましくは120m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。上記NSAは、好ましくは400m/g以下、より好ましくは200m/g以下、更に好ましくは180m/g以下である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、シリカを含有する場合、シリカの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、効果がより良好に得られるという理由から、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは50質量部以上であり、好ましくは250質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、シランカップリング剤を配合してもよい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、シランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。3質量部以上であると、シランカップリング剤を配合したことによる効果が得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が得られ、良好な混練時の加工性が得られる傾向がある。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、樹脂を配合してもよい。ここで、樹脂には、上記ポリマー成分に該当するものは除かれる。
樹脂としては、タイヤ工業において一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、p-t-ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、樹脂を含有する場合、樹脂の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、オイルを配合してもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好ましい。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、オイルを含有する場合、オイルの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、軟化剤として、液状ジエン系重合体を配合してもよい。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×10以上であることが好ましく、3.0×10以上であることがより好ましく、2.0×10以下であることが好ましく、1.5×10以下であることがより好ましい。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、液状ジエン系重合体を含有する場合、液状ジエン系重合体は、例えば、ポリマー成分100質量部に対して、50質量部以下で配合される。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、ワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
前記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;可塑剤、滑剤などの加工助剤;オイル、液状ジエン系重合体以外の軟化剤;硫黄以外の加硫剤(例えば、有機架橋剤、有機過酸化物);等を例示できる。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1~200質量部が好ましい。
また、第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物(特に、第1層用ゴム組成物)には、板状無機充填剤を配合してもよい。これにより、より良好なエア保持性が得られる。
板状無機充填剤としては、クレー、タルク、ベントナイト、モンモリロナイト等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物において、板状無機充填剤を含有する場合、板状無機充填剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、好ましくは85質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。
(空気入りタイヤ)
上記空気入りタイヤは、以下の方法など、従来公知の方法で製造できる。
先ず、バンバリーミキサー、オープンロールなどのゴム混練装置に前記加硫剤及び加硫促進剤以外の成分を配合(添加)して混練りした後(ベース練り工程)、得られた混練物に、更に前記加硫剤及び加硫促進剤を配合(添加)して混練することにより、第1層用、第2層用、第3層用未加硫ゴム組成物をそれぞれ作製する。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を配合する場合、混練温度は、通常50~200℃であり、好ましくは80~190℃であり、混練時間は、通常30秒~30分であり、好ましくは1分~30分である。
加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温~80℃である。
次いで、それぞれの未加硫ゴム組成物を第1層(インナーライナー)、第2層、第3層の形状に合わせて押し出し加工する。そして、タイヤ成型機上にてそれらを、更に他のタイヤ部材とともに貼り合わせて、未加硫タイヤ(=生カバー)を作製した後、その未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、空気入りタイヤを製造できる。
なお、例えば、シート状にしたゴム組成物を所定の形状に張り合わせる方法や、2本以上の押出し機にゴム組成物を装入して押出し機のヘッド出口で2層に形成する方法など、公知の方法に従って、第1層、第2層、第3層からなるシートを作製してから、タイヤ成型機上にて該シートを他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製してもよい。
上記空気入りタイヤにおいて、第1層の厚み(未加硫時の厚み)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、好ましくは5.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。第1層の厚みが上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
ここで、第1層の厚みとは、赤道面における第1層の厚み(タイヤ半径方向の長さ)を意味する。
上記空気入りタイヤにおいて、第2層の厚み(未加硫時の厚み)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、好ましくは5.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。第2層の厚みが上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
ここで、第2層の厚みとは、赤道面における第2層の厚み(タイヤ半径方向の長さ)を意味する。
上記空気入りタイヤにおいて、第3層の厚み(未加硫時の厚み)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、好ましくは5.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。第3層の厚みが上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
ここで、第3層の厚みとは、タイヤ最大幅位置における第3層の厚み(タイヤ軸方向の長さ)を意味する。
上記空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、ランフラットタイヤ、冬用タイヤに好適に使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム:天然ゴム
ブチル系ゴム:Cl-IIR
熱可塑性エラストマー:スチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体(SIBS、重量平均分子量:100,000、スチレン単位含有量:25質量%、ショアA硬度:25)
カーボンブラック:カーボンブラック(NSA:27m/g、DBP吸収量:87ml/100g)
老化防止剤:N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
オイル:アロマオイル
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド
<実施例及び比較例>
(第1層用ゴム組成物、第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物)
表1~3に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製のバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
(空気入りタイヤ)
また、得られた未加硫の各第1層用ゴム組成物、各第2層用ゴム組成物、第3層用ゴム組成物を用いて、表4に従って、それぞれの部材の形状に押出し成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。なお、表4中の厚みは未加硫タイヤにおける厚みを意味する。
なお、タイヤの構造は、基本的に図1に沿った構造とした。具体的には、第3層は、カーカスのタイヤ半径方向内側においてカーカスと隣接し、第2層のタイヤ半径方向外側において第2層と隣接しつつ、ビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部までのみに配設し、第1層及び第2層は、一方のビードから他方のビードまで連続して配設した。
得られた試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。評価結果を表4に示す。
(ジョイント部での接着性)
試験用タイヤを、リム組みせず、80℃、相対湿度95%の湿熱オーブンにいれ、4週間劣化させた。JIS規格の最大荷重(最大空気圧条件)に対して、140%である荷重オーバーロード条件で、劣化させた試験用タイヤをドラム走行させたときの、ジョイント部での接着性(第1層と第2層の界面における剥離)を評価した。結果は、比較例1を基準(100)として、指数で表示した。指数が大きいほど、第1層と第2層との界面(特に、ジョイント部)における接着性に優れることを示す。指数が130以上の場合に、良好であると判断した。
(エア保持性)
試験用タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧200Kpaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率(%/月間)を計算した。結果は、比較例1を基準(100)として、指数で表示した。指数が大きいほど、エア保持性に優れることを示す。指数が130以上の場合に、良好であると判断した。
(耐クラック性)
劣化させた試験用タイヤについて、目視で識別できる1mm以上のクラックの総延長(クラックの数×長さ)として優劣を評価した。指数が小さいほど耐クラック性に優れていることを示す。ただし、クラックの数が20個より多い場合は無数とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有し、前記第3層は、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設され、前記第1層は、熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含む第1層用ゴム組成物からなり、前記第2層は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含む第2層用ゴム組成物からなり、前記第3層は、イソプレン系ゴムを含む第3層用ゴム組成物からなる実施例の空気入りタイヤは、エア保持性と、第1層と第2層との界面(特に、ジョイント部)における接着性に優れ、第1層においてクラックの発生を抑制できた。
また、比較例1,5,7、実施例2の比較、比較例1,6,7、実施例3の比較により、特定の第1層と、特定の第2層とを併用することにより、エア保持性、接着性を相乗的に改善できることが明らかとなった。
実施例1,2と比較例8,9の対比により、第3層を、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設することにより、第1層においてクラックの発生を抑制できることが明らかとなった。
2 空気入りタイヤ
4 トレッド
8a、8b ビード
10 カーカス
12 ブレーカー
14 第1層
15 バンド
16 第2層
17a、17b 第3層
28 第一プライ
30 第二プライ
44 内側層
46 外側層
50a、50b ビードエイペックス
51a、51b ビードエイペックスのトレッド側の先端
52a、52b ブレーカーのタイヤ軸方向最外端
53a、53b ビードコア
61 ビードエイペックス先端部
62 ブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部

Claims (5)

  1. カーカスと、該カーカスにタイヤ半径方向内側において隣接する第3層と、該第3層にタイヤ半径方向内側において隣接する第2層と、該第2層にタイヤ半径方向内側において隣接する第1層とを有し、
    前記第3層は、少なくともビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部まで連続してカーカスに沿って配設され、
    前記第1層は、熱可塑性エラストマーと、ブチル系ゴムとを含む第1層用ゴム組成物からなり、
    前記第2層は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムとを含む第2層用ゴム組成物からなり、
    前記第3層は、イソプレン系ゴムを含む第3層用ゴム組成物からなる空気入りタイヤ。
  2. 赤道面から、前記第3層のタイヤ軸方向最内端までのタイヤ軸方向長さと、
    赤道面から、ブレーカーのタイヤ軸方向最外端までのタイヤ軸方向長さとの差が40mm以内である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1層及び前記第2層は、一方のビードから他方のビードまで連続して配設されている請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第3層は、ビードエイペックス先端部からブレーカーのタイヤ軸方向最外端下部までのみに配設されている請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1層は、タイヤ半径方向において最も内側に位置する部材である請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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