JP2023149904A - インナーライナー用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

インナーライナー用ゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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佑樹 松澤
Yuki Matsuzawa
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Abstract

【課題】耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能に優れたインナーライナー用ゴム組成物及びタイヤを提供する。【解決手段】ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムと、カーボンブラックと、層状珪酸塩鉱物と、脂肪族芳香族共重合系樹脂とを含み、ゴム成分100質量%中の前記ブチル系ゴムの含有量(質量%)及び前記イソプレン系ゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対する前記層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部)及び前記脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部)が、下記式(1)を満たすインナーライナー用ゴム組成物に関する。[数1]TIFF2023149904000006.tif19156【選択図】なし

Description

本開示は、インナーライナー用ゴム組成物及びタイヤに関する。
タイヤには、耐空気透過性を付与する目的でインナーライナーが一般的に設けられているが、更に耐クラック性(耐亀裂成長性)も向上することが望まれている。
本開示は、前記課題を解決し、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能に優れたインナーライナー用ゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本開示は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムと、カーボンブラックと、層状珪酸塩鉱物と、脂肪族芳香族共重合系樹脂とを含み、
ゴム成分100質量%中の前記ブチル系ゴムの含有量(質量%)及び前記イソプレン系ゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対する前記層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部)及び前記脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部)が、下記式(1)を満たすインナーライナー用ゴム組成物に関する。
Figure 2023149904000001
本開示は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムと、カーボンブラックと、層状珪酸塩鉱物と、脂肪族芳香族共重合系樹脂とを含み、かつ前記式(1)を満たすインナーライナー用ゴム組成物であるので、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能を向上できる。
空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図1のタイヤ2の赤道面CL付近の拡大図である。
本開示は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムと、カーボンブラックと、層状珪酸塩鉱物と、脂肪族芳香族共重合系樹脂とを含み、かつ前記式(1)を満たすインナーライナー用ゴム組成物である。
前述の作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のメカニズムにより奏するものと推察される。
層状珪酸塩鉱物を配合することで、ゴム中で空気透過を阻害し、耐空気透過性が向上すると考えられる。また、脂肪族芳香族共重合系樹脂を配合することで、芳香環の部分が空気透過を阻害し、ブチル系ゴムより空気透過性の悪い樹脂を配合した場合においても耐空気透過性を維持しつつ、ゴムの強度を高くでき、耐亀裂成長性(耐クラック性)を向上することが可能となると考えられる。
また、式(1)「1.5<(ブチル系ゴムの含有量+層状珪酸塩鉱物の含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量+脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量)<135」を充足させるように更にイソプレンゴムを用いることで、耐空気透過性、耐亀裂成長性(耐クラック性)をバランス良く向上できると考えられる。
更に適量のイソプレン系ゴムを配合することで、成形加工性も向上できると考えられる。
従って、本開示により、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能を向上できると推察される。
更に、成形加工性も向上できると推察される。
このように、前記ゴム組成物は、式(1)「1.5<(ブチル系ゴムの含有量+層状珪酸塩鉱物の含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量+脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量)<135」を満たす構成にすることにより、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能を向上するという課題(目的)を解決するものである。すなわち、式(1)のパラメーターは課題(目的)を規定したものではなく、本願の課題は、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能を向上することであり、そのための解決手段として当該パラメーターを満たすような構成にしたものである。
<インナーライナー用ゴム組成物>
インナーライナー用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量(質量%)及びイソプレン系ゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対する層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部)及び脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部)が、下記式(1)を満たす。
Figure 2023149904000002
式(1)の下限は、2.8以上が好ましく、5.5以上がより好ましく、7.3以上が更に好ましく、8.7以上が特に好ましい。式(1)の上限は、100.0以下が好ましく、50.0以下がより好ましく、20.0質量%以下が更に好ましく、11.3以下が特に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(ゴム成分)
前記ゴム組成物は、ゴム成分として、ブチル系ゴム、イソプレン系ゴムを含む。
前記ゴム組成物に使用可能なゴム成分は、架橋に寄与する成分であり、一般的に、重量平均分子量(Mw)が1万以上のポリマーで、アセトンにより抽出されないポリマー成分がゴム成分に該当する。前記ゴム成分は、常温(25℃)で固体状態である。
ゴム成分の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上であり、また、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ブチル系ゴムとしては、例えば、ブチルゴムや、塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)、フッ素化ブチルゴム(F-IIR)などのハロゲン化ブチルゴムが挙げられる。また、ブチル系ゴムの市販品として、エクソンモービル社製のエクスプロブチル、クロロブチルHT1068などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、良好な耐空気透過性が得られるという理由から、ブチル系ゴムとしては、ハロゲン化ブチルゴムが好ましい。
上記ブチル系ゴムは、非変性ブチル系ゴムでもよいし、変性ブチル系ゴムでもよい。
変性ブチル系ゴムとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するブチル系ゴムであればよく、例えば、ブチル系ゴムの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ブチル系ゴム(末端に上記官能基を有する末端変性ブチル系ゴム)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ブチル系ゴムや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ブチル系ゴム(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ブチル系ゴム)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ブチル系ゴム等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。上限は、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。また、前述の変性ブチル系ゴムと同様の官能基を有する変性イソプレン系ゴムも使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上である。上限は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ブチル系ゴム、イソプレン系ゴム以外の他のゴム成分を含んでもよい。他のゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などの他のジエン系ゴムなどが挙げられる。また、フッ素ゴムなども挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより得られる観点から、SBR、BRが好ましい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。該スチレン含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H-NMR測定により算出される。
SBRのビニル含量は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上である。該ビニル含量は、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRは、非変性SBR、変性SBRのいずれも使用可能である。変性SBRとしては、前記変性ブチル系ゴムと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられる。また、SBRとして、水素添加スチレン-ブタジエンゴムも使用可能である。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
前記ゴム組成物がSBRを含む場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上である。上限は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、BRは、シス含量が90質量%以上のハイシスBRを含むことが好ましい。該シス含量は、95質量%以上がより好ましい。なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
また、BRは、非変性BR、変性BRのいずれも使用可能である。変性BRとしては、前記変性ブチル系ゴムと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。また、BRは、水素添加ブタジエンゴムも使用可能である。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物がBRを含む場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上である。上限は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(フィラー)
前記ゴム組成物は、フィラーとして、カーボンブラックを含む。
使用可能なカーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、10m/g以上が好ましく、15m/g以上がより好ましく、20m/g以上が更に好ましい。また、上記NSAは、100m/g以下が好ましく、70m/g以下がより好ましく、35m/g以下が更に好ましく、27m/g以下が特に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217-2:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラックの圧搾油吸着数(COAN、compressed oil adsorption number)は、40ml/100g以上が好ましく、45ml/100g以上がより好ましく、50ml/100g以上が更に好ましい。また、上記COANは、120ml/100g以下が好ましく、90ml/100g以下がより好ましく、80ml/100g以下が更に好ましく、69ml/100g以下が特に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
また、カーボンブラックのCOANは、ASTM D3493に準拠して測定される値であり、使用オイルはジブチルフタレート(DBP)である。
前記ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは40質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、フィラーとして、層状珪酸塩鉱物を含む。
層状珪酸塩鉱物は、ケイ素イオンと酸素イオンとを有する四面体シート、並びに、金属イオンと酸素イオン及び/又は水酸化物イオンとを有する八面体シートが積層された複合層を構成単位としており、四面体シート及び八面体シートが1層ずつ積層されたものを複合層とする1:1型と、一対の四面体シートで八面体シートが挟持されたものを複合層とする2:1型とに分類される。1:1型の層状珪酸塩鉱物としては、例えば、カオリン属(カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、アメサイト)、蛇紋石属(クリソタイル、リザーダイト)が挙げられ、2:1型の層状珪酸塩鉱物としては、例えば、スメクタイト属(モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト)、バーミキュライト属(バーミキュライト)、雲母属(白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト)、脆雲母属(マーガライト、クリントナイト、アナンダイト)、緑泥石属(ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト)、タルク属(タルク、ウィレムサイト)、パイロフィライト属(パイロフィライト、フェリパイロフィライト)が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの層状珪酸塩鉱物のなかでも、効果がより良好に得られる観点から、2:1型の層状珪酸塩鉱物が好ましく、また、2:1型の層状珪酸塩鉱物のなかでも、層電荷が0のもの(タルク属、パイロフィライト属など)が好ましく、層電荷が0であり、かつマグネシウムイオンを含有する複合層を構成単位とするもの(タルクなど)がより好ましい。
層状珪酸塩鉱物の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.5μm以上、更に好ましくは3.5μm以上である。また、上限は、好ましくは100μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは10μm以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、層状珪酸塩鉱物の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される値である。
層状珪酸塩鉱物の平均粒子径が所定範囲、特に0.5~100μmの場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、0.5μm以上にすることで、所望の空気透過を阻害する効果が得られると共に、100μm以下にすることで、層状珪酸塩鉱物がクラックの起点になることが抑制され、良好な耐クラック性が得られ、それにより、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能が顕著に向上すると推察される。
前記ゴム組成物において、層状珪酸塩鉱物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
層状珪酸塩鉱物の含有量が所定範囲、特に10~50質量部の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、所定以上の層状珪酸塩鉱物を配合することで、所望の耐空気透過性向上が発現すると共に、所定以下に調整することで、伸びが低下することが抑制され、良好な耐クラック性が得られ、それにより、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能が顕著に向上すると推察される。
カーボンブラック、層状珪酸塩鉱物以外に使用可能なフィラー(充填材)としては特に限定されず、ゴム分野で公知の材料を使用でき、例えば、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどの無機フィラーが挙げられる。
(脂肪族芳香族共重合系樹脂)
前記ゴム組成物は、可塑剤として、脂肪族芳香族共重合系樹脂を含む。
脂肪族芳香族共重合系樹脂としては、脂肪族樹脂を構成する材料と、芳香族樹脂を構成する材料とを共重合した樹脂などが挙げられる。
脂肪族芳香族共重合系樹脂の具体例は、C5/C9共重合系石油樹脂など挙げられ、詳細には、炭素数4~5個相当の石油留分であるC5留分(例えばイソプレン、ペンテン、メチルブテン、ピペリレン、シクロペンテン、シクロペンタジエンなど)と、炭素数8~10個相当の石油留分であるC9留分(例えばスチレン、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンなど)とを共重合して得られる樹脂が例示され、水添したものや変性したものであってもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量が所定範囲、特に0.1~20質量部の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、ブチル系ゴムより分子運動性の高い脂肪族芳香族共重合系樹脂の配合量を適切な範囲にすることで、ゴム中に分子が密でない部分が生じることが防止され、耐空気透過性が顕著に向上し、それにより、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能が顕著に向上すると推察される。
脂肪族芳香族共重合系樹脂の軟化点は、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上が更に好ましい。上限は、140℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本開示において、軟化点は、JIS K6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
脂肪族芳香族共重合系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、500以上が好ましく、1000以上がより好ましく、1500以上が更に好ましい。上限は、7000以下が好ましく、6500以下がより好ましく、6000以下が更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なかでも、効果がより良好に得られる観点から、脂肪族芳香族共重合系樹脂は、石油類の熱分解により得られる沸点範囲が20~110℃のC5留分と、同じく熱分解により得られる沸点範囲が140~280℃のC9留分を混合して製造される脂肪族/芳香族共重合石油樹脂が望ましい。
C5留分を構成する成分としては、例えば、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、シクロペンテンなどの炭素数4~6のモノオレフィン性不飽和炭化水素類;イソプレン、ピペリレン等の炭素数4~6の直鎖状ジエン類;シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンなどのシクロペンタジエン類;シクロペンタン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、n-ヘキサンなどの脂肪族系飽和炭化水素類が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
C9留分を構成する成分としては、例えば、スチレン、そのアルキル誘導体であるα-メチルスチレンやβ-メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン及びそのアルキル誘導体などの炭素数8~10のビニル芳香族炭化水素類;ジシクロペンタジエン及びその誘導体などの環状不飽和炭化水素類;その他炭素数10以上のオレフィン類;炭素数9以上の飽和芳香族類などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族芳香族共重合系樹脂は、前記C5留分とC9留分の混合割合が、C5留分30~90重量%、C9留分70~10重量%の割合が好ましく、特に、C5留分50~90重量%、C9留分50~10重量%の割合がより好ましい。
なお、脂肪族芳香族共重合系樹脂は、公知の方法で製造できる。
脂肪族芳香族共重合系樹脂の市販品としては、ペトロタック(東ソー社製)、トーホーハイレジン(東邦化学工業社製)、クイントン100シリーズ(日本ゼオン社製)、エスコレッツ2000シリーズ(エクソンモービル社製)等を使用できる。
(可塑剤)
前記ゴム組成物は、脂肪族芳香族共重合系樹脂以外の可塑剤を含んでもよい。
可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与することが可能な材料を指す。可塑剤としては、液体可塑剤(25℃で液体(液状)の可塑剤)、固体可塑剤(25℃で固体の可塑剤)が挙げられる。可塑剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体可塑剤としては特に限定されず、オイル、液状樹脂、液状ジエン系ポリマー等が挙げられる。なかでも、効果がより得られる観点から、オイルが好ましい。
オイルとしては特に限定されず、例えば、プロセスオイル、植物油、又はその混合物などの公知のオイルが挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル(ミネラルオイル)、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、TDAE、MES等の低PCA(多環式芳香族)プロセスオイルなどを使用できる。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油(キャノーラ油)、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、効果がより良好に得られる観点から、植物油、プロセスオイルが好ましく、植物油、パラフィン系プロセスオイル(ミネラルオイル)がより好ましい。
ゴム組成物において、液体可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。上限は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、油展ゴムなどの液体可塑剤で伸展したゴムを用いる場合、伸展オイルなどの量も液体可塑剤(オイルなど)の含有量に含まれる。また、オイルの含有量も同様の範囲が望ましい。
固体可塑剤としては、例えば、常温(25℃)で固体状態の芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。また、樹脂は、水添されていてもよい。
なお、常温(25℃)で固体状態の前記脂肪族芳香族共重合系樹脂も固体可塑剤に含まれる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゴム組成物において、固体可塑剤の含有量(常温(25℃)で固体状態の前記脂肪族芳香族共重合系樹脂、これ以外の固体可塑剤の総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記可塑剤としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業等の製品を使用できる。
(他の成分)
前記ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。市販品としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは2.0質量部以上、更に好ましくは3.0質量部以上である。該含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
前記ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10.0質量部、より好ましくは1.5~4.0質量部である。
なお、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
前記ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10.0質量部、より好ましくは1.5~6.0質量部である。
なお、酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。
前記ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10.0質量部、より好ましくは1.5~5.0質量部である。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物には、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成し、良好な性能を付与するという点で、硫黄を配合することが好ましい。
前記ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上である。該含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下である。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
前記ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量(加硫促進剤の総量)は特に制限はなく、要望する加硫速度や架橋密度に合わせて自由に決定すれば良いが、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.25質量部以上である。上限は、好ましくは8.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下、更に好ましくは4.5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
前記ゴム組成物には、上記成分以外にも、離型剤や顔料等の応用分野に従って、それらの使用に使われる通常の添加物を適宜配合してもよい。前記ゴム組成物において、前記添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは2~5質量部である。
前記ゴム組成物に含まれる前記層状珪酸塩鉱物、前記脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(ゴム成分100質量部に対する層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部)、脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部))は、効果がより良好に得られる観点から、下記式を満たすことが望ましい。
0.5<層状珪酸塩鉱物の含有量/脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量<20.0
層状珪酸塩鉱物の含有量/脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量は、好ましくは2.0以上、より好ましくは4.0以上、更に好ましくは6.0以上、特に好ましくは8.0以上であり、また、好ましくは16.0以下、より好ましくは12.0以下、更に好ましくは10.0以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
「層状珪酸塩鉱物の含有量/脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量」が所定範囲の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、層状珪酸塩鉱物による耐空気透過性の向上効果と、脂肪族芳香族共重合系樹脂によるゴムの強度向上効果とがバランス良く得られ、それにより、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能が顕著に向上すると推察される。
前記ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、必要に応じて架橋する方法などにより製造できる。なお、混練条件としては、混練温度は、通常50~200℃、好ましくは80~190℃であり、混練時間は、通常30秒~30分、好ましくは1分~30分である。
<タイヤ>
上記ゴム組成物は、タイヤのインナーライナーに使用される。タイヤとしては、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤなどが挙げられるが、なかでも、空気入りタイヤが好ましい。特に、夏用タイヤ(サマータイヤ)、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤなど)として好適に使用できる。タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、レース用タイヤ(高性能タイヤ)などに使用可能である。
タイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。例えば、各種材料を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でインナーライナーの形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本開示のタイヤは、前記ゴム組成物からなるインナーライナーを備えたものであるが、効果がより良好に得られる観点から、該インナーライナーの厚みT(mm)は、下記式を満たすことが望ましい。
0.5mm≦T≦3.0mm
Tの下限は、好ましくは0.7mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.0mm以上である。上限は、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。上記範囲内であると、効果が好適に得られる傾向がある。
インナーライナーの厚みTが所定範囲の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、層状珪酸塩鉱物による耐空気透過性の向上効果と、脂肪族芳香族共重合系樹脂によるゴムの強度向上効果とが顕著に発現し、それにより、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能が顕著に向上すると推察される。
本開示において、インナーライナーの厚みTは、インナーライナー内表面上の各点における各インナーライナーの厚みのうち、最大寸法(インナーライナーの最大厚み)を指す。
インナーライナー内表面上の各点における厚みは、当該点におけるインナーライナー内表面の法線に沿って計測される値であり、インナーライナーの厚みTは、各点における厚みの最大値である。各点における厚みは、タイヤの軸を含む平面で切った断面において、インナーライナーのタイヤ内腔側の内表面から他の層(カーカス層、ベルト層など)との界面までの距離である。
なお、本明細書において、インナーライナーの厚みTの寸法は、特に言及がない限り、タイヤが正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤに空気が充填された状態(正規状態ともいう。)で測定される。測定時には、タイヤには荷重がかけられない。例えば、乗用車用タイヤの場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。正規内圧とは、タイヤ1が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本開示のタイヤは、効果がより良好に得られる観点から、前記インナーライナーの厚みT(mm)、インナーライナーを構成するインナーライナー用ゴム組成物に含まれる前記層状珪酸塩鉱物の含有量(ゴム成分100質量部に対する層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部))は、下記式を満たすことが望ましい。
層状珪酸塩鉱物の含有量/インナーライナーの厚み≧15
層状珪酸塩鉱物の含有量/インナーライナーの厚みは、好ましくは20以上、より好ましくは30以上、更に好ましくは40以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは60以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
「層状珪酸塩鉱物の含有量/インナーライナーの厚み」が所定以上の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、十分な層状珪酸塩鉱物を配合することで、層状珪酸塩鉱物による耐空気透過性の向上効果が顕著に得られ、それにより、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能が顕著に向上すると推察される。
本開示のタイヤは、効果がより良好に得られる観点から、前記インナーライナーの厚みT(mm)、インナーライナーを構成するインナーライナー用ゴム組成物に含まれる前記脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(ゴム成分100質量部に対する脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部))は、下記式を満たすことが望ましい。
脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量/インナーライナーの厚み≧1.0
脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量/インナーライナーの厚みは、好ましくは3.0以上、より好ましくは5.0以上であり、また、好ましくは20.0以下、より好ましくは10.0以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
「脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量/インナーライナーの厚み」が所定以上の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、十分な脂肪族芳香族共重合系樹脂を配合することで、ゴムの強度向上効果が顕著に得られ、それにより、耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能が顕著に向上すると推察される。
前記ゴム組成物で構成されたインナーライナーを備えた本開示のタイヤの一例を、図1を用いて説明する。
図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。トレッド4は、キャップ層30及びベース層28を備えている。
なお、図1では、キャップ層30及びベース層28からなる2層構造トレッド4の例が示されているが、単層構造トレッド、3層以上の構造を有するトレッド部でもよい。
タイヤ2において、それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側部分は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側部分は、クリンチ10と接合されている。このサイドウォール6は、カーカス14の損傷を防止できる。
図1のそれぞれのウィング8は、トレッド4とサイドウォール6との間に位置している。ウィング8は、トレッド4及びサイドウォール6のそれぞれと接合している。
それぞれのクリンチ10は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ10は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。
それぞれのビード12は、クリンチ10の軸方向内側に位置している。ビード12は、コア32と、このコア32から半径方向外向きに延びるエイペックス34とを備えている。コア32はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含むことが望ましい。エイペックス34は、半径方向外向きに先細りである。
カーカス14は、カーカスプライ36を備えている。このタイヤ2では、カーカス14は1枚のカーカスプライ36からなるが、2枚以上で構成されてもよい。
このタイヤ2では、カーカスプライ36は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカスプライ36は、それぞれのコア32の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ36には、主部36aと一対の折り返し部36bとが形成されている。すなわち、カーカスプライ36は、主部36aと一対の折り返し部36bとを備えている。
図示されていないが、カーカスプライ36は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなることが望ましい。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°が好適である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有することが好ましい。
図1のベルト層16は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト層16は、カーカス14と積層されている。ベルト層16は、カーカス14を補強する。ベルト層16は、内側層38及び外側層40からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層38の幅は外側層40の幅よりも若干大きいことが望ましい。このタイヤ2では、ベルト層16の軸方向幅はタイヤ2の断面幅(JATMA参照)の0.6倍以上が好ましく、0.9倍以下が好ましい。
図示されていないが、内側層38及び外側層40のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなることが望ましい。言い換えれば、ベルト層16は並列された多数のコードを含んでいる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層38のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層40のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。
図1のバンド18は、ベルト層16の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド18はベルト層16の幅と同等の幅を有している。このバンド18が、このベルト層16の幅よりも大きな幅を有していてもよい。
図示されていないが、バンド18は、コードとトッピングゴムとからなることが望ましい。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド18は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下であることが好ましい。このコードによりベルト層16が拘束されるので、ベルト層16のリフティングが抑制される。
図1のベルト層16及びバンド18は、補強層を構成している。ベルト層16のみから、補強層が構成されてもよい。
図2は、図1のタイヤ2の赤道面CL付近の拡大図である。
図2のT1は、インナーライナー内表面51上の所定の点におけるインナーライナー20の厚みを示しており、当該点におけるインナーライナー内表面51の法線に沿って計測される値である。そして、インナーライナー20の厚みTは、各点における厚みの最大値(インナーライナーの最大厚み)である。
インナーライナー20は、カーカス14の内側に位置している。インナーライナー20は、カーカス14の内面に接合されている。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する。
タイヤ2は、インナーライナー20が、前述のインナーライナー用ゴム組成物で構成されている。
そして、タイヤ2は、このインナーライナー20の厚みT、インナーライナー用ゴム組成物の層状珪酸塩鉱物の含有量、脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量が、前記式「0.5mm≦T≦3.0mm」、「層状珪酸塩鉱物の含有量/インナーライナーの厚み≧15」、「脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量/インナーライナーの厚み≧1.0」を満たすことが望ましい。
それぞれのチェーファー22は、ビード12の近傍に位置している。この実施形態では、チェーファー22は布とこの布に含浸したゴムとからなることが望ましい。このチェーファー22が、クリンチ10と一体とされてもよい。
このタイヤ2では、トレッド4は溝26として主溝42を備えている。図1に示されているように、このトレッド4には、複数本、詳細には、3本の主溝42が刻まれている。これらの主溝42は、軸方向に間隔をあけて配置されている。このトレッド4には、3本の主溝42が刻まれることにより、周方向に延在する4本のリブ44が形成されている。つまり、リブ44とリブ44との間が主溝42である。
それぞれの主溝42は、周方向に延在している。主溝42は、周方向に途切れることなく連続している。主溝42は、例えば雨天時において、路面とタイヤ2との間に存在する水の排水を促す。このため、路面が濡れていても、タイヤ2は路面と十分に接触することができる。
以下では、実施をする際に好ましいと考えられる例(実施例)を示すが、本開示の範囲は実施例に限られない。
以下に示す各種薬品を用いて表1に従って配合を変化させて得られるタイヤを検討して下記評価方法に基づいて算出した結果を表1に示す。
(ゴム成分)
ブチル系ゴム:エクソンモービル社製のクロロブチルHT1068(塩素化ブチルゴム(Cl-IIR))
NR:TSR20
(ゴム成分以外の薬品)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製の「シーストV」(N660、NSA:27m/g、COAN:69ml/100g)
層状珪酸塩鉱物1:Imerys製のSB-100S(カオリンクレイ、平均粒子径:6.0~7.0μm)
層状珪酸塩鉱物2:日本ミストロン(株)製のミストロン850JS(タルク、平均粒子径:4.5~5.5μm)
層状珪酸塩鉱物3:Kamin製のPolyfil DL(カオリンクレイ、平均粒子径:3.5~4.5μm)
脂肪族芳香族共重合系樹脂1:東ソー(株)製のペトロタック100V(C5C9系石油樹脂、Mw3800、軟化点96℃)
脂肪族芳香族共重合系樹脂2:東ソー(株)製のペトロタック90(C5C9系石油樹脂、Mw1600、軟化点95℃)
脂肪族芳香族共重合系樹脂3:ENEOS(株)製のT-REZ PR802(C5C9系石油樹脂、Mw1370、軟化点90℃)
C5系石油樹脂:丸善石油化学(株)製のマルカレッツT-100AS(C5系石油樹脂:ナフサ分解によって得られるC5留分中のオレフィン、ジオレフィン類を主原料とする脂肪族系石油樹脂、軟化点:100℃)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPA32(ミネラルオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーM-P(2-メルカプトベンゾチアゾール)
<試験用タイヤの製造>
表1に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の16Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を160℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得る。
次に、当該混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で4分間練り込み、未加硫ポリマー組成物を得る。
当該未加硫ポリマー組成物をインナーライナーの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、次いで、170℃で12分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15、仕様:表1)を製造する。
<耐空気透過性(ガス透過試験)>
試験用タイヤのインナーライナーからサンプルを採取し、ASTM D-1434-75M法にしたがって、該サンプルの空気透過量を測定する。
比較例1の空気透過量を100として、下記計算式により指数表示する(耐空気透過性指数)。指数が大きいほど空気透過量が少なく、耐空気透過性が優れていることを示す。
(耐空気透過性指数)=(比較例1の空気透過量)/(各配合の空気透過量)X100
<耐亀裂成長性(破壊特性)>
試験用タイヤのインナーライナーからサンプルを採取し、JIS K6251:2010に基づいて、該サンプルからダンベル状6号形試験片を作製し、該試験片を用いて25℃雰囲気下において、引張試験を実施して、破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定し、破壊エネルギーとして、TB×EB(MPa・%)/2を算出する。
各配合の破壊エネルギーを算出し、比較例1の破壊エネルギーを100として指数表示する。指数が大きいほど、耐亀裂成長性(耐クラック性)に優れることを示す。
<総合性能>
耐空気透過性及び耐亀裂成長性の総合性能について、耐空気透過性(指数)及び耐亀裂成長性(指数)の和をこれらの総合性能として評価する。指数が大きいほど、総合性能が良好である。
<成形加工性>
JIS K6300に準じて、130℃における未加硫ゴム組成物のムーニー粘度ML(1+4)を測定する。当該ムーニー粘度の値と、シート加工性(シート作成時の焼け性、シートの平坦性)とを総合的に評価する。
実施例11の成形加工性を100として指数表示する。指数が大きいほど、成形時のゲージ(ゴムの厚み)が安定となり、成形加工性に優れる。なお、指数が100以上の場合、実用的な成形性を確保できる。
Figure 2023149904000003
本開示(1)は、ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムと、カーボンブラックと、層状珪酸塩鉱物と、脂肪族芳香族共重合系樹脂とを含み、
ゴム成分100質量%中の前記ブチル系ゴムの含有量(質量%)及び前記イソプレン系ゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対する前記層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部)及び前記脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部)が、下記式(1)を満たすインナーライナー用ゴム組成物である。
Figure 2023149904000004
本開示(2)は、ゴム成分100質量部に対する層状珪酸塩鉱物の含有量が10~50質量部である本開示(1)記載のインナーライナー用ゴム組成物である。
本開示(3)は、ゴム成分100質量部に対する脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量が0.1~20質量部である本開示(1)又は(2)記載のインナーライナー用ゴム組成物である。
本開示(4)は、層状珪酸塩鉱物の平均粒子径が0.5~100μmである本開示(1)~(3)のいずれかに記載のインナーライナー用ゴム組成物である。
本開示(5)は、層状珪酸塩鉱物及び脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量が、下記式を満たす本開示(1)~(4)のいずれかに記載のインナーライナー用ゴム組成物である。
6.0<層状珪酸塩鉱物の含有量/脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量<12.0
本開示(6)は、本開示(1)~(5)のいずれかに記載のゴム組成物で構成されたインナーライナーを有するタイヤである。
本開示(7)は、インナーライナーの厚みが0.5~3.0mmである本開示(6)記載のタイヤである。
本開示(8)は、インナーライナーの厚み(mm)、インナーライナー用ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対する層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部)が、下記式を満たす本開示(6)又は(7)記載のタイヤである。
層状珪酸塩鉱物の含有量/インナーライナーの厚み≧30
本開示(9)は、インナーライナーの厚み(mm)、インナーライナー用ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対する脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部)が、下記式を満たす本開示(6)~(8)のいずれかに記載のタイヤである。
脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量/インナーライナーの厚み≧3.0
2 空気入りタイヤ
3 サイド部
4 トレッド
6 サイドウォール
8 ウィング
10 クリンチ
12 ビード
14 カーカス
16 ベルト
18 バンド
20 インナーライナー
22 チェーファー
26 溝
28 ベース層
30 キャップ層
32 コア
34 エイペックス
36 カーカスプライ
36a 主部
36b 折り返し部
38 内側層
40 外側層
42 主溝
44 リブ
51 インナーライナー内表面
CL タイヤ2の赤道面
T1 インナーライナー内表面51上の所定の点におけるインナーライナーの厚み

Claims (9)

  1. ブチル系ゴムと、イソプレン系ゴムと、カーボンブラックと、層状珪酸塩鉱物と、脂肪族芳香族共重合系樹脂とを含み、
    ゴム成分100質量%中の前記ブチル系ゴムの含有量(質量%)及び前記イソプレン系ゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対する前記層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部)及び前記脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部)が、下記式(1)を満たすインナーライナー用ゴム組成物。
    Figure 2023149904000005
  2. ゴム成分100質量部に対する層状珪酸塩鉱物の含有量が10~50質量部である請求項1記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  3. ゴム成分100質量部に対する脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量が0.1~20質量部である請求項1又は2記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  4. 層状珪酸塩鉱物の平均粒子径が0.5~100μmである請求項1~3のいずれかに記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  5. 層状珪酸塩鉱物及び脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量が、下記式を満たす請求項1~4のいずれかに記載のインナーライナー用ゴム組成物。
    6.0<層状珪酸塩鉱物の含有量/脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量<12.0
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のゴム組成物で構成されたインナーライナーを有するタイヤ。
  7. インナーライナーの厚みが0.5~3.0mmである請求項6記載のタイヤ。
  8. インナーライナーの厚み(mm)、インナーライナー用ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対する層状珪酸塩鉱物の含有量(質量部)が、下記式を満たす請求項6又は7記載のタイヤ。
    層状珪酸塩鉱物の含有量/インナーライナーの厚み≧15
  9. インナーライナーの厚み(mm)、インナーライナー用ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対する脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量(質量部)が、下記式を満たす請求項6~8のいずれかに記載のタイヤ。
    脂肪族芳香族共重合系樹脂の含有量/インナーライナーの厚み≧3.0

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