JP2023149903A - トレッド用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

トレッド用ゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能に優れたトレッド用ゴム組成物及びタイヤを提供する。【解決手段】ガラス転移温度(Tg)が-60℃以下のスチレンブタジエンゴムと、樹脂成分を表面に修飾した表面修飾シリカとを含み、ゴム成分100質量%中の前記スチレンブタジエンゴムの含有量が30~90質量%であるトレッド用ゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、トレッド用ゴム組成物及びタイヤに関する。
近年、自動車共通の課題として安全性に対する意識が高まっており、車の制動距離に直結するドライグリップ性能、ウェットグリップ性能の更なる改善が要求されているが、これらの性能と耐摩耗性は一般に背反する性能である。よって、良好なウェットグリップ性能とドライグリップ性能を両立しつつ、耐摩耗性も向上させることが課題とされている。
本開示は、前記課題を解決し、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能に優れたトレッド用ゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本開示は、ガラス転移温度(Tg)が-60℃以下のスチレンブタジエンゴムと、
樹脂成分を表面に修飾した表面修飾シリカとを含み、
ゴム成分100質量%中の前記スチレンブタジエンゴムの含有量が30~90質量%であるトレッド用ゴム組成物に関する。
本開示は、ガラス転移温度(Tg)が-60℃以下のスチレンブタジエンゴムと、樹脂成分を表面に修飾した表面修飾シリカとを含み、ゴム成分100質量%中の前記スチレンブタジエンゴムの含有量が30~90質量%であるトレッド用ゴム組成物であるので、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能を向上できる。
空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図1のタイヤ2のトレッド4の近辺が示された拡大断面図である。
本開示は、ガラス転移温度(Tg)が-60℃以下のスチレンブタジエンゴムと、樹脂成分を表面に修飾した表面修飾シリカとを所定配合で含むトレッド用ゴム組成物である。
前述の作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のメカニズムにより奏するものと推察される。
Tgの高いポリマーを選択することでゴム全体のTgを高め(tanδを向上させ)、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能の向上が行われているが、この手法では、常温で柔らかいポリマーを使用しているため、耐摩耗性が低下してしまうといった懸念があった。中でも、上記のような配合ではウェットグリップ性能の向上を目的としてシリカを多く配合したゴムが使用されることが多く、シリカの分散が悪く、ゴム中に硬さの異なる箇所が存在してしまうため、より耐摩耗性が低下してしまう懸念がある。
一方で、構造中に芳香環を有する樹脂などの樹脂材料は、高Tgを示すとともにゴム材料とも混ざりやすいため、Tgが低いポリマーと組み合わせることでゴム材料全体のTgを高くすることができると考えられる。
そこで、本開示では、Tgの高い樹脂などの樹脂成分を表面に修飾したシリカを用いることで、Tgの低いポリマーを使用した際でも、ゴム全体のTgを高めることができ、高いドライグリップ性能、ウェットグリップ性能を発現できるとともに、所定量のスチレンブタジエンゴムと馴染みやすい樹脂成分をシリカ表面に修飾しているため、ゴムとシリカの相溶性が向上し(分散性が高くなり)、耐摩耗性の向上も可能であると考えられる。
従って、本開示のゴム組成物により、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能が向上すると推察される。
<トレッド用ゴム組成物>
(ゴム成分)
トレッド用ゴム組成物は、ゴム成分として、ガラス転移温度(Tg)が-60℃以下のスチレンブタジエンゴム(SBR)を含む。
前記SBRのTgは、-62℃以下が好ましく、-64℃以下がより好ましく、-65℃以下が更に好ましい。該ガラス転移温度の下限は特に限定されないが、-78℃以上が好ましく、-75℃以上がより好ましく、-73℃以上が更に好ましく、-72℃以上が特に好ましい。
なお、本明細書において、Tgは、JIS K7121に従い、昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量測定(DSC)を行って測定される値である。
前記SBRなどのトレッド用ゴム組成物に使用可能なゴム成分は、架橋に寄与する成分であり、一般的に、重量平均分子量(Mw)が1万以上のポリマーで、アセトンにより抽出されないポリマー成分がゴム成分に該当する。前記ゴム成分は、常温(25℃)で固体状態である。
ゴム成分の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上であり、また、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
上記SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
また、前記SBRとして、水素添加スチレン-ブタジエンゴムも使用可能である。
前記Tgが-60℃以下のSBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記Tgが-60℃以下のSBRのスチレン含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。該スチレン含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。上記範囲内にすることで、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、スチレン含有量は、H-NMR測定によって測定できる。
前記Tgが-60℃以下のSBRのビニル結合量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは42質量%以上である。該ビニル結合量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。上記範囲内にすることで、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、ビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の前記Tgが-60℃以下のSBRの含有量は、30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。上限は、90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量(Tgが-60℃以下のSBR、それ以外のSBRの総量)は、30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。上限は、90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ゴム成分として、前述のTgが-60℃以下のSBR以外の他のゴム成分を含んでもよい。他のゴム成分としては、Tgが-60℃以上のSBR、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。また、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなども挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより得られる観点から、イソプレン系ゴム、BRが好ましく、イソプレン系ゴムがより好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。また、前述の変性ジエン系合成ゴムと同様の官能基を有する変性イソプレン系ゴムも使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物がイソプレン系ゴムを含む場合、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上である。上限は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下、特に好ましくは30質量%以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、NRの含有量も同様の範囲が望ましい。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、BRは、シス含量が90質量%以上のハイシスBRを含むことが好ましい。該シス含量は、95質量%以上がより好ましい。なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
また、BRは、非変性BR、変性BRのいずれも使用可能である。変性BRとしては、前記変性SBRと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。また、BRは、水素添加ブタジエンゴムも使用可能である。
BRのTgは、効果がより良好に得られる観点から、前述のTgが-60℃以下のSBRのTgと同様の範囲が望ましい。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物がBRを含む場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。上限は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、Tgが-60℃以下のBRの含有量の同様の範囲が望ましい。
(フィラー)
前記ゴム組成物は、フィラーとして、樹脂成分を表面に有する表面修飾シリカを含む。
前記表面修飾シリカを構成するシリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは30m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは125m/g以上である。また、シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。上記範囲内であると、効果が好適に得られる。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
前記表面修飾シリカを構成する樹脂成分としては、例えば、ゴム分野で公知のものを使用できる。
前記樹脂成分は、例えば、テルペン系樹脂、C5系樹脂、C5/C9系樹脂、C9系樹脂、芳香族系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂などが挙げられる。また、これらの水素添加物も使用可能である。樹脂成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
テルペン系樹脂は、テルペン化合物(テルペン系単量体)を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、テルペン化合物1種を単独で重合した単独重合体、2種以上のテルペン化合物を共重合した共重合体の他、テルペン化合物及びこれと共重合し得る他の単量体との共重合体も挙げられる。
テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)等に分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α-フェランドレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノレン、1,8-シネオール、1,4-シネオール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、テルペンスチレン樹脂のように、テルペン化合物及び芳香族系単量体を構成モノマーとして含むポリマーは、芳香族系樹脂ではなく、テルペン系樹脂として取り扱う。
芳香族系樹脂は、芳香族系単量体を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、芳香族系単量体1種を単独で重合した単独重合体、2種以上の芳香族系単量体を共重合した共重合体の他、芳香族系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体との共重合体も挙げられる。
芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-フェニルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン等のスチレン系単量体;フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール等のフェノール系単量体;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール等のナフトール系単量体;クマロン、インデン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン等の非共役オレフィンが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
C5系樹脂は、C5留分を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解によって得られるC5留分を、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる重合体等が挙げられる。C5留分には、通常、1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、3-メチル-1-ブテン等のオレフィン系炭化水素;2-メチル-1,3-ブタジエン、1,2-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,2-ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素;等が含まれる。
C5/C9系樹脂は、C5留分及びC9留分を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、石油由来のC5留分とC9留分とを、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる重合体等が挙げられる。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体等が挙げられる。
なお、本明細書において、C5/C9系樹脂は、芳香族系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂とは別の樹脂として取り扱う。
C9系樹脂は、C9留分を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解により、エチレン、プロピレン等の石油化学基礎原料と共に副生するC9留分を、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる重合体等が挙げられる。C9留分の具体例としては、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、γ-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、インデン等が挙げられる。C9系樹脂は、C9留分と共に、C8留分であるスチレン等、C10留分であるメチルインデン、1,3-ジメチルスチレン等、更にはナフタレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、p-tert-ブチルスチレン等をも原料として用い、これらのC8~C10留分等を混合物のまま、例えばフリーデルクラフツ型触媒により共重合して得られるものであってもよい。
なお、本明細書において、C9系樹脂は、芳香族系樹脂とは別の樹脂として取り扱う。
シクロペンタジエン系樹脂は、シクロペンタジエン系単量体を構成モノマーとして含むポリマーであり、例えば、シクロペンタジエン系単量体1種を単独で重合した単独重合体、2種以上のシクロペンタジエン系単量体を共重合した共重合体の他、シクロペンタジエン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体との共重合体も挙げられる。
シクロペンタジエン系単量体としては、例えば、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジシクロペンタジエンが好ましい。すなわち、シクロペンタジエン系樹脂は、ジシクロペンタジエン(DCPD)を構成モノマーとして含むポリマー(DCPD系樹脂)であることが好ましく、水添DCPD系樹脂がより好ましい。
前記樹脂成分のなかでも、効果がより良好に得られる観点から、芳香族系樹脂が望ましい。
芳香族系樹脂としては、構造中に芳香環を有する樹脂などが挙げられる。芳香族系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族系樹脂を用いる場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、芳香環を有することで樹脂のTgが高くなると同時に、ゴムとの相溶性が向上すると考えられる。よって、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能が向上すると推察される。
前記芳香環としては、ベンゼン環、縮合ベンゼン環(ナフタレン環、ピレン環等)、非ベンゼン系芳香環(トロピリウム環等)、複素芳香環(ピリジン環、ピロール環等)等が挙げられる。中でも、ベンゼン環を持つものが好ましい。
芳香環を有する樹脂としては、ビスフェノール骨格(ビスフェノールA骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールF骨格など)、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、トリフェニレン骨格、フタル酸骨格の少なくとも1つを有する樹脂などが望ましい。
芳香族系樹脂のなかでも、効果がより良好に得られる観点から、エチレン性不飽和基を2個以上及びビスフェノール構造を有する(メタ)アクリレート化合物が望ましい。かかる化合物としては、ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール構造を有するジ(メタ)アクリレートであってエポキシ(メタ)アクリレート以外の化合物を挙げることができる。
エチレン性不飽和基を2個以上及びビスフェノール構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、具体的には、下記式(A)で表される化合物である。
Figure 2023149903000001
[式中、Rは、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はメチル基を示し、Rは、各々独立に、炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、m1及びm2は、各々独立に、0~10であり、n1及びn2は、各々独立に、0又は1である。ただし、m1+n1及びm2+n2は、いずれも1以上である]
前記ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートは、上記式(A)において、n1及びn2がいずれも1である化合物である。このため、前記ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートは、水酸基を有する構造上の特徴を有している。
前記ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールE構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記ビスフェノールA構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、エポキシエステル3000A(下記式(A1)で表される化合物)、エポキシエステル3002A(N)(下記式(A2)で表される化合物)(以上、共栄社化学社製)の他、EBECRYL600(ダイセル・オルネクス社製)、BAEA-100(ケーエスエム社製)、Agisyn1010(DSM-AGI社製)等を挙げることができる。
Figure 2023149903000002
前記ビスフェノールF構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、BEFA-50(ケーエスエム社製)等を挙げることができる。ビスフェノールE構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、BEEM-50(ケーエスエム社製)等を挙げることができる。
前記ビスフェノール構造を有するジ(メタ)アクリレートであってエポキシ(メタ)アクリレート以外の化合物は、上記式(1)において、n1及びn2がいずれも0である化合物である。前記ビスフェノール構造を有するジ(メタ)アクリレートであってエポキシ(メタ)アクリレート以外の化合物としては、例えば、ビスフェノールA若しくは水添ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加されたポリオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF若しくは水添ビスフェノールFにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加されたポリオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールE若しくは水添ビスフェノールEにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加されたポリオールのジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なかでも、効果がより良好に得られる観点から、ビスフェノールA構造を有するものが好ましく、特に、エチレンオキサイドを付加させたビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが好ましい。
前記ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加されたポリオールのジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、ABE-300(下記式(A3)で表される化合物)、A-BPP-3(下記式(A4)で表される化合物)(以上、新那加村化学工業社製)、ライトアクリレートBP-4EAL(下記式(A5)で表される化合物)、ライトアクリレートBP-4PA(下記式(A6)で表される化合物)(以上、共栄社化学社製)、ビスコート#700(下記式(A5)で表される化合物)(大阪有機化学工業社製)、EBECRYL150(下記式(A7)で表される化合物)(ダイセル・オルネクス社製)等を挙げることができる。
Figure 2023149903000003
上述の樹脂成分は、常温(25℃)で液状の液状樹脂であってもよいし、常温(25℃)で固体の固体樹脂であってもよい。効果をより良好に得るため、樹脂成分は、少なくとも液状樹脂を含むことが好ましい。
上記樹脂成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは500以上、特に好ましくは512以上であり、また、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下、更に好ましくは1000以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記樹脂成分の市販品としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記表面修飾シリカの製造方法(シリカ表面に樹脂成分を処理(被覆)する方法)としては、前記樹脂成分とシリカとを接触させることが可能な方法を使用できる。例えば、前記樹脂成分及びシリカを公知の方法で混合することにより調製できる。具体的には、予め前記樹脂成分とシリカとを混合してシリカ表面に樹脂成分を被覆させて表面修飾シリカを製造する方法、前記樹脂成分及びシリカと、ゴム成分等の他の成分とをオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、混練中に表面修飾シリカを生成する方法、などにより製造できる。なかでも、効果が好適に得られる観点から、前記表面修飾シリカとして、予めシリカに樹脂を被覆させた表面修飾シリカを用いることが望ましい。
予めシリカに樹脂を被覆させた表面修飾シリカを用いた場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、事前にシリカ表面に樹脂成分を被覆させることで、シリカ表面のシランカップリング剤と結合するポリマーの距離が近くなり、シリカの反応・結合の効率が良くなり、そのため、よりポリマーとの相溶性の高いシリカとなり分散性が向上して耐摩耗性の向上につながると考えられる。よって、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能が向上すると推察される。
前記ゴム組成物において、前記表面修飾シリカ(樹脂成分を表面に有する表面修飾シリカ)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは85質量部以上、更に好ましくは95質量部以上、特に好ましくは105質量部以上である。該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であると、効果が好適に得られる。
なお、本開示において、樹脂成分を表面に有する表面修飾シリカの含有量は、前記ゴム組成物中に含まれるシリカ及び樹脂成分の合計含有量を意味する。
前記ゴム組成物において、シリカの含有量(表面修飾シリカを構成するシリカ及びそれ以外に含まれるシリカの合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは65質量部以上、特に好ましくは75質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカの含有量が所定以上、特に65質量部以上の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、シリカが多量の場合は一般に分散が困難となるが、多量の表面修飾シリカを用いることで、分散性向上の利点が活かしやすくなり、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、耐摩耗性が向上すると考えられる。よって、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能が向上すると推察される。
前記ゴム組成物において、樹脂成分の含有量(表面修飾シリカを構成する樹脂成分及びそれ以外に含まれる樹脂成分の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、芳香族系樹脂の含有量(表面修飾シリカを構成する芳香族系樹脂及びそれ以外に含まれる芳香族系樹脂分の合計含有量)も同様の範囲が望ましい。
また、前記のとおり、樹脂成分として常温(25℃)で液状の液状樹脂を用いることが好適であるが、前記ゴム組成物において、液状樹脂の含有量(表面修飾シリカを構成する液状樹脂及びそれ以外に含まれる液状樹脂の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、常温(25℃)で液状の芳香族系樹脂の含有量(表面修飾シリカを構成する常温で液状の芳香族系樹脂及びそれ以外に含まれる常温で液状の芳香族系樹脂分の合計含有量)も同様の範囲が望ましい。
表面修飾シリカ、表面が非修飾のシリカ以外に使用可能なフィラー(充填材)としては特に限定されず、ゴム分野で公知の材料を使用でき、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどの無機フィラー;難分散性フィラー等が挙げられる。なかでも、カーボンブラックなどの炭素由来フィラー(炭素含有フィラー)が好ましい。
前記ゴム組成物に使用可能なカーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、30m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、70m/g以上が更に好ましい。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましく、120m/g以下が特に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは40質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
難分散性フィラーとしては、例えば、ミクロフィブリル化植物繊維、短繊維状セルロース、ゲル状化合物等が挙げられる。なかでも、ミクロフィブリル化植物繊維が好ましい。
上記ミクロフィブリル化植物繊維としては、良好な補強性が得られるという点から、セルロースミクロフィブリルが好ましい。セルロースミクロフィブリルとしては、天然物由来のものであれば特に制限されず、例えば、果実、穀物、根菜などの資源バイオマス、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、及びこれらを原料として得られるパルプや紙、布、農作物残廃物、食品廃棄物や下水汚泥などの廃棄バイオマス、稲わら、麦わら、間伐材などの未使用バイオマスの他、ホヤ、酢酸菌等の生産するセルロースなどに由来するものが挙げられる。これらのミクロフィブリル化植物繊維は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、セルロースミクロフィブリルとは、典型的には、平均繊維径が10μm以下の範囲内であるセルロース繊維、より典型的には、セルロース分子の集合により形成されている平均繊維径500nm以下の微小構造を有するセルロース繊維を意味する。典型的なセルロースミクロフィブリルは、例えば、上記のような平均繊維径を有するセルロース繊維の集合体として形成されている。
前記ゴム組成物が難分散性フィラーを含む場合、難分散性フィラーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(シランカップリング剤)
前記ゴム組成物は、シランカップリング剤を含むことが望ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販されているものとしては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部(表面修飾シリカを構成するシリカ及びそれ以外に含まれるシリカの合計量100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは7質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(可塑剤)
前記ゴム組成物には、可塑剤を配合してもよい。
可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、例えば、液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)、固体可塑剤(常温(25℃)で固体状態の可塑剤)等が挙げられる。
なお、本開示では、前記樹脂成分も可塑剤に該当するものとする。
前記ゴム組成物において、可塑剤の含有量(前記樹脂成分、これ以外の液体可塑剤及び固体可塑剤の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物に使用可能な液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)としては特に限定されず、オイル、液状ポリマー(前述の液状樹脂、液状ジエン系ポリマーなど)などが挙げられる。なかでも、オイルが望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、液体可塑剤の含有量(前述の常温(25℃)で液体状態の樹脂成分、これ以外の常温(25℃)で液体状態の液体可塑剤の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、液体可塑剤の含有量には、油展ゴムに含まれるオイルも含まれる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)、日清オイリオグループ(株)等の製品を使用できる。なかでも、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等)、植物油が好ましい。
液状樹脂としては、前述の常温(25℃)で液体状態の樹脂成分等が挙げられる。
液状ジエン系ポリマーとしては、25℃で液体状態の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)、液状ファルネセン重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。また、これらの水素添加物も使用可能である。
前記ゴム組成物に使用可能な上記固体可塑剤(常温(25℃)で固体状態の可塑剤)としては、常温(25℃)で固体状態の樹脂などが挙げられる。当該樹脂としては、例えば、前述の常温(25℃)で固体状態の樹脂成分などが挙げられる。
前記ゴム組成物が上記樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)を含有する場合、前記ゴム組成物において、上記樹脂の含有量(前述の常温(25℃)で固体状態の樹脂成分、これ以外の常温(25℃)で固体状態の樹脂の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)の軟化点は、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。上限は、160℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、115℃以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、高速走行時の操縦安定性が改善される傾向がある。
なお、上記樹脂の軟化点は、JIS K6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記可塑剤としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業等の製品を使用できる。
(他の成分)
前記ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。市販品としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは2.0質量部以上、更に好ましくは3.0質量部以上である。該含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
前記ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは2~4質量部である。
なお、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
前記ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10.0質量部、より好ましくは2.2~6.0質量部である。
なお、酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。
前記ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは2~5質量部である。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物には、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成し、良好な性能を付与するという点で、硫黄を配合することが好ましい。
前記ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上である。該含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
前記ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量(加硫促進剤の総量)は特に制限はなく、要望する加硫速度や架橋密度に合わせて自由に決定すれば良いが、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3.9質量部以上である。上限は、好ましくは8.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下、更に好ましくは4.5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
前記ゴム組成物には、上記成分以外にも、離型剤や顔料等の応用分野に従って、それらの使用に使われる通常の添加物を適宜配合してもよい。前記ゴム組成物において、前記添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは2~5質量部である。
前記ゴム組成物に含まれる前記樹脂成分、前記シリカの含有量(ゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部)、シリカの含有量(質量部))は、効果がより良好に得られる観点から、下記式を満たすことが望ましい。
樹脂成分の含有量/シリカの含有量≧0.10
樹脂成分の含有量/シリカの含有量は、好ましくは0.20以上、より好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.40以上であり、また、好ましくは0.70以下、より好ましくは0.60以下、更に好ましくは0.50以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
樹脂成分の含有量/シリカの含有量が所定以上、特に0.20以上の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、十分な樹脂成分を配合することで、高Tgを示すとともにゴム材料とも混ざりやすいため、Tgが低いポリマーと組み合わせてもゴム材料全体のTgを高くなると考えられる。よって、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能が向上すると推察される。
前記ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、必要に応じて架橋する方法などにより製造できる。なお、混練条件としては、混練温度は、通常50~200℃、好ましくは80~190℃であり、混練時間は、通常30秒~30分、好ましくは1分~30分である。
<タイヤ>
上記ゴム組成物は、タイヤのトレッド部に使用される。タイヤとしては、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤなどが挙げられるが、なかでも、空気入りタイヤが好ましい。特に、夏用タイヤ(サマータイヤ)、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤなど)として好適に使用できる。タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、レース用タイヤ(高性能タイヤ)などに使用可能である。
タイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。例えば、各種材料を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド部の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本開示のタイヤは、前記ゴム組成物からなるトレッド部を備えたものであるが、効果がより良好に得られる観点から、該トレッド部の厚みT(mm)は、下記式を満たすことが望ましい。
T≧3.0mm
Tは、好ましくは4.0mm以上、より好ましくは6.0mm以上、更に好ましくは7.0mm以上である。上限は、好ましくは10.0mm以下、より好ましくは9.0mm以下、更に好ましくは8.0mm以下である。上記範囲内であると、効果が好適に得られる傾向がある。
トレッド部の厚みTが所定以上の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、トレッド部の厚みが厚くなることで、耐摩耗性が向上すると考えられる。従って、前記Tgが-60℃以下のSBR、樹脂成分を表面に修飾した表面修飾シリカを用いることによる前述の作用効果に加え、このような耐摩耗性の向上効果が加わることで、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能がより向上すると推察される。
本開示において、トレッド部の厚みTは、トレッド面上の各点における各トレッドの厚みのうち、最大寸法(トレッド部の最大厚み)を指す。
トレッド表面上の各点における厚みは、当該点におけるトレッド表面の法線に沿って計測される値であり、トレッド部の厚みTは、各点における厚みの最大値である。各点における厚みは、タイヤの軸を含む平面で切った断面において、トレッド表面からベルト層、カーカス層などの他の繊維材料を含む補強層のタイヤ最表面側の界面までの距離であり、溝を有する箇所は、該溝のタイヤ半径方向最表面側の端部間を繋いだ直線で形成される面からの直線距離である。
なお、本明細書において、トレッド部の厚みTの寸法は、特に言及がない限り、タイヤが正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤに空気が充填された状態(正規状態ともいう。)で測定される。測定時には、タイヤには荷重がかけられない。例えば、乗用車用タイヤの場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。正規内圧とは、タイヤ1が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本開示のタイヤは、効果がより良好に得られる観点から、トレッド部に形成された周方向溝の溝深さD(mm)が、下記式を満たすことが望ましい。
D≧2.0mm
Dの下限は、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは6.0mm以上、更に好ましくは7.0mm以上、特に好ましくは8.0mm以上である。上限は、好ましくは12.0mm以下、より好ましくは11.0mm以下、更に好ましくは10.0mm以下、特に好ましくは9.0mm以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
周方向溝の溝深さDが所定以上の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、溝深さを調整することで、剛性と排水性を両立することができ、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能が向上すると共に、耐摩耗性も向上すると考えられる。よって、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能が向上すると推察される。
なお、本明細書において、周方向溝の溝深さDとは、トレッド最表面の接地面を形成する面を延長した面の法線に沿って計測され、該接地面を形成する面を延長した面から最深の溝底までの距離を意味し、備えられた周方向溝の溝深さのうち、最大の距離を指す。
本開示のタイヤは、効果がより良好に得られる観点から、前記トレッド部の厚みT(mm)、トレッド部を構成するトレッド用ゴム組成物における前記樹脂成分の含有量(ゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部))は、下記式を満たすことが望ましい。
樹脂成分の含有量/トレッド部の厚み≧1.0
樹脂成分の含有量/トレッド部の厚みは、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは3.0以上であり、また、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、更に好ましくは5.0以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
樹脂成分の含有量/トレッド部の厚みが所定以上の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、十分な樹脂成分を配合することで、高Tgを示すとともにゴム材料とも混ざりやすいため、Tgが低いポリマーと組み合わせてもゴム材料全体のTgを高くなると考えられる。よって、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能が向上すると推察される。
本開示のタイヤは、効果がより良好に得られる観点から、前記トレッド部に形成された周方向溝の溝深さD(mm)、トレッド部を構成するトレッド用ゴム組成物における前記樹脂成分の含有量(ゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部))は、下記式を満たすことが望ましい。
樹脂成分の含有量/周方向溝の溝深さ≧0.40
樹脂成分の含有量/周方向溝の溝深さは、好ましくは1.25以上、より好ましくは3.003以上、更に好ましくは3.33以上、特に好ましくは3.75であり、また、好ましくは16.70以下、より好ましくは8.33以下、更に好ましくは7.14以下、特に好ましくは6.00である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
樹脂成分の含有量/周方向溝の溝深さが所定以上の場合、前述の作用効果が顕著に得られる理由は必ずしも明らかではないが、十分な樹脂成分を配合することで、高Tgを示すとともにゴム材料とも混ざりやすいため、Tgが低いポリマーと組み合わせてもゴム材料全体のTgを高くなると考えられる。よって、耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能が向上すると推察される。
前記ゴム組成物で構成されたトレッド部を備えた本開示のタイヤの一例を、図1を用いて説明する。
図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。トレッド部4は、キャップ層30及びベース層28を備えている。
なお、図1では、キャップ層30及びベース層28からなる2層構造トレッド部4の例が示されているが、単層構造トレッド、3層以上の構造を有するトレッド部でもよい。
タイヤ2において、それぞれのサイドウォール6は、トレッド部4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側部分は、トレッド部4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側部分は、クリンチ10と接合されている。このサイドウォール6は、カーカス14の損傷を防止できる。
図1のそれぞれのウィング8は、トレッド部4とサイドウォール6との間に位置している。ウィング8は、トレッド部4及びサイドウォール6のそれぞれと接合している。
それぞれのクリンチ10は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ10は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。
それぞれのビード12は、クリンチ10の軸方向内側に位置している。ビード12は、コア32と、このコア32から半径方向外向きに延びるエイペックス34とを備えている。コア32はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含むことが望ましい。エイペックス34は、半径方向外向きに先細りである。
カーカス14は、カーカスプライ36を備えている。このタイヤ2では、カーカス14は1枚のカーカスプライ36からなるが、2枚以上で構成されてもよい。
このタイヤ2では、カーカスプライ36は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド部4及びサイドウォール6に沿っている。カーカスプライ36は、それぞれのコア32の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ36には、主部36aと一対の折り返し部36bとが形成されている。すなわち、カーカスプライ36は、主部36aと一対の折り返し部36bとを備えている。
図示されていないが、カーカスプライ36は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなることが望ましい。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°が好適である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有することが好ましい。
図1のベルト層16は、トレッド部4の半径方向内側に位置している。ベルト層16は、カーカス14と積層されている。ベルト層16は、カーカス14を補強する。ベルト層16は、内側層38及び外側層40からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層38の幅は外側層40の幅よりも若干大きいことが望ましい。このタイヤ2では、ベルト層16の軸方向幅はタイヤ2の断面幅(JATMA参照)の0.6倍以上が好ましく、0.9倍以下が好ましい。
図示されていないが、内側層38及び外側層40のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなることが望ましい。言い換えれば、ベルト層16は並列された多数のコードを含んでいる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層38のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層40のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。
タイヤ2は、トレッド部4が、前述のトレッド用ゴム組成物で構成されている。
図1のバンド18は、ベルト層16の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド18はベルト層16の幅と同等の幅を有している。このバンド18が、このベルト層16の幅よりも大きな幅を有していてもよい。
図示されていないが、バンド18は、コードとトッピングゴムとからなることが望ましい。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド18は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下であることが好ましい。このコードによりベルト層16が拘束されるので、ベルト層16のリフティングが抑制される。
図1のベルト層16及びバンド18は、補強層を構成している。ベルト層16のみから、補強層が構成されてもよい。
図2は、図1のトレッド部4付近の拡大図である。
図2のT1は、トレッド表面24上の所定の点におけるトレッドの厚みを示しており、当該点におけるトレッド表面24の法線に沿って計測される値である。そして、トレッド部4の厚みTは、各点における厚みの最大値(トレッド部の最大厚み)である。
そして、タイヤ2は、このトレッド部4の厚みT、トレッドの樹脂成分の含有量が、前記式「T≧3.0mm」、「樹脂成分の含有量/周方向溝の溝深さ≧ 」を満たすことが望ましい。
インナーライナー20は、カーカス14の内側に位置している。インナーライナー20は、カーカス14の内面に接合されている。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのチェーファー22は、ビード12の近傍に位置している。この実施形態では、チェーファー22は布とこの布に含浸したゴムとからなることが望ましい。このチェーファー22が、クリンチ10と一体とされてもよい。
このタイヤ2では、トレッド部4は溝26として主溝42を備えている。図1に示されているように、このトレッド部4には、複数本、詳細には、3本の主溝42が刻まれている。これらの主溝42は、軸方向に間隔をあけて配置されている。このトレッド部4には、3本の主溝42が刻まれることにより、周方向に延在する4本のリブ44が形成されている。つまり、リブ44とリブ44との間が主溝42である。
それぞれの主溝42は、周方向に延在している。主溝42は、周方向に途切れることなく連続している。主溝42は、例えば雨天時において、路面とタイヤ2との間に存在する水の排水を促す。このため、路面が濡れていても、タイヤ2は路面と十分に接触することができる。
図2のDは、トレッド部4に形成された周方向の主溝42の主溝深さを示している。そして、タイヤ2は、この主溝深さD1、周方向溝の溝深さD、トレッドの樹脂成分の含有量が、前記式「D≧2.0mm」、「樹脂成分の含有量/周方向溝の溝深さ≧0.40」を満たすことが望ましい。
以下では、実施をする際に好ましいと考えられる例(実施例)を示すが、本開示の範囲は実施例に限られない。
以下に示す各種薬品を用いて表1に従って配合を変化させて得られるタイヤを検討して下記評価方法に基づいて算出した結果を表1に示す。
(ゴム成分)
SBR1:JSR(株)製のHPR840(Tg:-65℃、スチレン量:10質量%、ビニル量:42質量%)
SBR2:JSR(株)製のSL553R(Tg:-60℃、スチレン量:10質量%、ビニル量:38質量%)
SBR3:ZEON(株)製のN9541(Tg:-65℃、スチレン量:46質量%、ビニル量:16質量%)
SBR4:JSR(株)製のHPR850(Tg:-24℃)
NR:TSR20(Tg:-74℃)
(ゴム成分以外の薬品)
シリカ:エボニック・デグサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
カーボンブラック:三菱ケミカル(株)製のダイアブラックI(N220、NSA:114m/g、DBP114ml/100g)
シランカップリング剤:EVONIK-DEGUSSA製のSi69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
樹脂成分1:ダイセル・オルネクス株式会社製EBECRYL 150(芳香族系樹脂、上記式(A7)、Mw512)
樹脂成分2: 共栄社化学社製エポキシエステル3000A(芳香族系樹脂、上記式(A1))
樹脂成分3: 共栄社化学社製エポキシエステル3002A(N)(芳香族系樹脂、上記式(A2))
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3-ジフェニルグアニジン)
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)
(製造例1 表面修飾シリカ1の製造)
前記樹脂成分1 10g及びシリカ1 75gを ダイセル・オルネクス株式会社製EBECRYL 150を用いて混合し、表面修飾シリカ1を得る。
<試験用タイヤの製造>
表1に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の16Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を160℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得る。
次に、当該混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で4分間練り込み、未加硫ポリマー組成物を得る。
当該未加硫ポリマー組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、次いで、170℃で12分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15、仕様:表1)を製造する。
<耐摩耗性>
試験用タイヤを国産FF車に装着し、走行距離8000km後のトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、比較例1を100とした時の指数で表示する(耐摩耗性指数)。指数が大きいほど、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離が長く、耐摩耗性に優れることを示す。
<ドライグリップ性能>
試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、ドライアスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求める。比較例1の制動距離を100とし、各配合を指数表示する。指数が大きいほどドライグリップ性能が良好である。
<ウェットグリップ性能(想定実験)>
試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求める。比較例1の制動距離を100とし、各配合を指数表示する。指数が大きいほどウェットグリップ性能が良好である。
<総合性能>
耐摩耗性、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の総合性能について、耐摩耗性(指数)、ドライグリップ性能(指数)及びウェットグリップ性能(指数)の和をこれらの総合性能として評価する。指数が大きいほど、総合性能が良好である。
Figure 2023149903000004
本開示(1)は、ガラス転移温度(Tg)が-60℃以下のスチレンブタジエンゴムと、
樹脂成分を表面に修飾した表面修飾シリカとを含み、
ゴム成分100質量%中の前記スチレンブタジエンゴムの含有量が30~90質量%であるトレッド用ゴム組成物である。
本開示(2)は、表面修飾シリカが、予めシリカに樹脂を被覆させた表面修飾シリカ及び/又はシリカと樹脂との混練中に生成した表面修飾シリカである本開示(1)記載のトレッド用ゴム組成物である。
本開示(3)は、樹脂が芳香族系樹脂である本開示(1)又は(2)記載のトレッド用ゴム組成物である。
本開示(4)は、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が65質量部以上である本開示(1)~(3)のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物である。
本開示(5)は、ゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部)、シリカの含有量(質量部)が、下記式を満たす本開示(1)~(4)のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物である。
樹脂成分の含有量/シリカの含有量≧0.20
本開示(6)は、本開示(1)~(5)のいずれかに記載のゴム組成物で構成されたトレッド部を有するタイヤである。
本開示(7)は、トレッド部の厚みが3.0mm以上である本開示(6)記載のタイヤである。
本開示(8)は、トレッド部に形成された周方向溝の溝深さが6.0mm以上である本開示(6)又は(7)記載のタイヤである。
本開示(9)は、トレッド部の厚み(mm)、トレッド部を構成するトレッド用ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部)が、下記式を満たす本開示(6)~(8)のいずれかに記載のタイヤである。
樹脂成分の含有量/トレッド部の厚み≧2.5
本開示(10)は、トレッド部に形成された周方向溝の溝深さ(mm)、トレッド部を構成するトレッド用ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部)が、本開示(6)~(9)のいずれかに記載のタイヤである。
樹脂成分の含有量/周方向溝の溝深さ≧3.00
2 空気入りタイヤ
3 サイド部
4 トレッド部
6 サイドウォール
8 ウィング
10 クリンチ
12 ビード
14 カーカス
16 ベルト層
18 バンド
20 インナーライナー
22 チェーファー
24 トレッド面
26 溝
28 ベース層
30 キャップ層
32 コア
34 エイペックス
36 カーカスプライ
36a 主部
36b 折り返し部
38 内側層
40 外側層
42 主溝
44 リブ
CL タイヤ2の赤道面
T1 トレッド表面24上の所定の点におけるトレッドの厚み
D トレッド4に形成された周方向の主溝42の主溝深さ

Claims (10)

  1. ガラス転移温度(Tg)が-60℃以下のスチレンブタジエンゴムと、
    樹脂成分を表面に修飾した表面修飾シリカとを含み、
    ゴム成分100質量%中の前記スチレンブタジエンゴムの含有量が30~90質量%であるトレッド用ゴム組成物。
  2. 表面修飾シリカは、予めシリカに樹脂を被覆させた表面修飾シリカ及び/又はシリカと樹脂との混練中に生成した表面修飾シリカである請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 樹脂が芳香族系樹脂である請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が65質量部以上である請求項1~3のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部)、シリカの含有量(質量部)が、下記式を満たす請求項1~4のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
    樹脂成分の含有量/シリカの含有量≧0.20
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のゴム組成物で構成されたトレッド部を有するタイヤ。
  7. トレッド部の厚みが3.0mm以上である請求項6記載のタイヤ。
  8. トレッド部に形成された周方向溝の溝深さが6.0mm以上である請求項6又は7記載のタイヤ。
  9. トレッド部の厚み(mm)、トレッド部を構成するトレッド用ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部)が、下記式を満たす請求項6~8のいずれかに記載のタイヤ。
    樹脂成分の含有量/トレッド部の厚み≧2.5
  10. トレッド部に形成された周方向溝の溝深さ(mm)、トレッド部を構成するトレッド用ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対する樹脂成分の含有量(質量部)が、請求項6~9のいずれかに記載のタイヤ。
    樹脂成分の含有量/周方向溝の溝深さ≧3.00

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