WO2018105000A1 - プリント配線板、空気調和機及びプリント配線板の作製方法 - Google Patents

Abstract

銅箔パターンの腐食が効果的に防止されたプリント配線板を得ることを目的とし、基材１ａ上の銅箔パターン２と、銅箔パターン２上に銅箔パターン２を覆って均一に設けられたソルダーレジスト３と、ソルダーレジスト３上に抜き文字を形成するように文字が形成されない部分に設けられた抜き文字形成層５とを備えるプリント配線板１とする。また、プリント配線板１の作製方法は、基材１ａ上に銅箔パターン２を形成するステップと、銅箔パターン２上に銅箔パターン２を覆ってソルダーレジスト３を均一に形成するステップと、ソルダーレジスト３上に抜き文字形成層５を形成するステップとを含み、ソルダーレジスト３の形成は、スプレー方式の塗布により行われる。

Description

プリント配線板、空気調和機及びプリント配線板の作製方法

　本発明は、プリント配線板、空気調和機及びプリント配線板の作製方法に関する。

　従来、プリント配線板を作製する際には、基材上に銅箔パターンを形成し、この銅箔パターン上にソルダーレジストを印刷により塗布形成し、このソルダーレジスト上に文字印刷層のパターンを形成することでプリント配線板に文字印刷を施している。しかしながら、銅箔パターン上にソルダーレジストを印刷により塗布形成すると、銅箔パターンの角部では肩口が角状になり、ソルダーレジストが薄くなり、又は銅箔パターンが露出する。これは、プリント配線板上の銅箔パターンに腐食が生じる原因となりうる。これに対し、銅箔パターン上にソルダーレジストを印刷で塗布形成し、このソルダーレジストに文字印刷層のパターンを形成することでプリント配線板に文字印刷を施し、部品の実装後にコーティング剤によって腐食コーティング層を全面に塗布形成することが考えられる。

　従来技術の一例である特許文献１には、銅箔パターン上にソルダーレジストを２回塗布形成し、その後文字印刷を施すことで銅箔パターンの腐食を防止する技術が開示されている。

特開平４－３１４３８４号公報

　しかしながら、上記従来の技術によれば、腐食コーティング層の全面塗布形成又はソルダーレジストの複数回塗布形成を要し、作製工程が複雑化する。そのため、銅箔パターンの腐食を効果的に防止することが難しい、という問題があった。

　本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、銅箔パターンの腐食が効果的に防止されたプリント配線板を得ることを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るプリント配線板は、基材上の銅箔パターンと、前記銅箔パターン上に前記銅箔パターンを覆って均一に設けられたソルダーレジストと、前記ソルダーレジスト上に抜き文字を形成するように文字が形成されない部分に設けられた抜き文字形成層とを備えることを特徴とする。

　本発明に係るプリント配線板は、銅箔パターンの腐食が効果的に防止されるという効果を奏する。

実施の形態におけるプリント配線板の詳細を示す上面図 図１に示す丸囲み部を拡大した上面図 断面を示す断面図 図３に対応した、比較例における断面図 実施の形態におけるプリント配線板の作製工程の一例を示すフローチャート 実施の形態におけるプリント配線板のパターンを示す上面図 実施の形態における銅箔パターンを示す上面図 実施の形態におけるソルダーレジストのパターンを示す上面図 比較例における文字層のパターンを示す上面図 実施の形態における抜き文字形成層のパターンを示す上面図 実施の形態に係るプリント配線板を配設した空気調和機の室外機の概略を示す上面図 実施の形態に係るプリント配線板を配設した空気調和機の室外機の概略を示す正面図

　以下に、本発明の実施の形態に係るプリント配線板、空気調和機及びプリント配線板の作製方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

実施の形態．
　図１は、本実施の形態におけるプリント配線板１の詳細を示す上面図である。図２は、図１に示す丸囲み部を拡大した上面図である。図３は、断面を示す断面図である。図４は、図３に対応した、比較例における断面図である。

　図１に示すプリント配線板１は、基材１ａに設けられた銅箔パターン２上にソルダーレジスト３を白色インクでスプレー方式により塗布形成し、ソルダーレジスト３の抜き文字形成層５を緑色インクで印刷により塗布形成したものである。そのため、形成された文字の外観は白色であり、文字が形成されていない部分の外観は緑色であり、従来のように、プリント配線板のソルダーレジストを緑色インクで印刷により塗布形成し、文字印刷を白色インクで印刷により塗布形成した場合と同様の外観とすることができる。従って、従来の製造工程において用いられている、目視によるはんだ付け状態確認作業も従来通りに行うことが可能であり、また、従来の外観検査装置の色識別プログラムも変更なく用いることが可能である。そのため、従来の製造工程に対する変更を極力抑えつつ適用が可能である。

　また、図１に示すプリント配線板１は、ソルダーレジスト３によって銅箔パターン２が覆われており、図４に示す比較例のように全面を覆って塗布形成されるコーティング層８が不要であり、又はコーティング層８の形成面積を比較例よりも小さくすることができる。そのため、コーティング層８の塗布形成時間が削減され、生産工程の時間の短縮が可能であり、生産性を向上させることができる。

　また、図１に示すプリント配線板１は、上記したように全面を覆って塗布形成されるコーティング層８が不要であり、又はコーティング層８の形成面積を小さくすることができるので、プリント配線板１上の銅箔パターン２の設計時に、コーティング層８を塗布形成するにあたって考慮すべき塗布装置ノズルによる制約がなくなり、又は制約が小さくなり、銅箔パターン２の設計自由度が向上する。

　従来は腐食対策で部品実装後にコーティング剤によってコーティング層８を形成していた。従来使用のコーティング剤は高粘度であり、塗布膜厚を薄く均一にすることができず、部品実装前にプリント配線板に塗布すると表面が凹凸になり、垂れも生じていたため、塗布後の部品実装が困難であった。そのため、部品実装後にコーティング剤を塗布していたが、コーティング剤を塗布できる部品と塗布してはいけない部品があり、コーティング剤を塗布してはいけない部品を避けてコーティング剤を塗布しなければならなかった。なお、コーティング剤を塗布してはいけない部品にはコネクタを例示することができ、コネクタにコーティング剤を塗布すると接触不良を生じる。コーティング剤を塗布する装置は、塗布ノズルの動作が縦方向と横方向とに制約されるので、ノズルの動きに合わせて塗布可能部品と塗布不可部品を分けて配置することを要する。しかしながら、本実施の形態によれば、部品実装前にプリント配線板全体に既に腐食対策がなされているため、部品の配置にこのような制約が不要であるため銅箔パターン２の設計自由度が向上する。また、従来では塗布ノズルの届かない場所の銅箔パターンは幅を大きくして腐食対策していたところ、本実施の形態によればこのような制約もなくなるため、銅箔パターン２の設計自由度が大幅に向上することになる。

　次に、本実施の形態におけるプリント配線板１の作製工程の一例について説明する。図５は、本実施の形態におけるプリント配線板１の作製工程の一例を示すフローチャートである。まず、処理をスタートし、基材の切断を行う（Ｓ１）ことにより、プリント配線板１が形成される基材１ａを取得する。ここで、基材１ａは、工場設備で加工可能な適正サイズに切断される。なお、基材１ａには、紙フェノール材又はガラスクロスにエポキシ樹脂を浸透させた基材表面の全面に銅箔が貼り付けられたものを例示することができる。

　次に、銅箔パターンによる回路形成に必要な部分以外の銅箔、すなわち銅箔の一部を溶剤で溶かして除去することで、銅箔パターン２の形成を行う（Ｓ２）。ここで、銅箔の一部を溶かして除去する薬剤には、ＣｕＣｌ_２、すなわち塩化第二銅を例示することができるが、これに限定されるものではない。

　なお、銅箔パターン２の形成は、感光成分を含むラミネートドライフィルムを銅箔に貼り付けて、その後銅箔パターン形成２用の露光フィルムを重ねて露光することで行う。この露光フィルムには遮光される黒塗り部分と透光される透明な部分が存在し、透明な部分と重畳する部分では露光時に紫外線が照射されてラミネートドライフィルムの感光成分が反応し、黒塗り部分と重畳する部分では感光成分が反応せず後の工程における現像時にラミネートドライフィルムが除去される。露光後に現像処理を行うことで、感光した部分にのみラミネートフィルムが残り、その他の部分のラミネートフィルムは除去される。その後、基材１ａを酸性の塩化第二銅の槽に通すことで、ラミネートドライフィルムが除去された部分と重畳する部分の銅箔が除去され、ラミネートドライフィルムが存在する部分の銅箔は保護されて残存する。その後、基材１ａをアルカリ性の苛性ソーダ槽に通して残存しているラミネートフィルムを除去する。ただし、銅箔パターン２の形成方法はこれに限定されず、印刷法又は他の写真法によって行ってもよい。

　次に、ソルダーレジスト３を基材１ａの全体に均一に塗布する（Ｓ３）。ここで、ソルダーレジスト３の塗布はスプレー方式によって行う。ソルダーレジスト３によって、後に形成される、はんだとの接触を防止したい部分における銅箔パターン２の保護、埃をはじめとする異物からの銅箔パターン２の保護、銅箔パターン２の酸化腐食防止、及び絶縁性の向上が可能となる。

　次に、ソルダーレジスト３を形成した基材１ａを熱仮乾燥する（Ｓ４）。上記したようにはんだ付けを行う部分は、後の工程で露光及び現像してソルダーレジスト３を除去する。この露光は、露光フィルムを重ねて紫外線を照射して行うが、露光フィルムを重ねるためにはインクの硬化を要する。インクが硬化していない場合には、露光フィルムにソルダーレジスト３のインクが付着してしまうからである。そこで、ここでは、ソルダーレジスト３のインクが露光フィルムに付着しないようにソルダーレジスト３のインクを硬化させる熱乾燥工程を熱仮乾燥と称する。ただし、ここでソルダーレジスト３のインクを硬化しすぎると、後の工程で現像により不要なソルダーレジスト３を除去できないため、半硬化状態となるように乾燥を行う。

　そして、熱仮乾燥した基材１ａに対してソルダーレジスト３のパターンを形成するために露光を行う（Ｓ５）。すなわち、上記したように仮乾燥した基材１ａに露光フィルムを重ねて紫外線を照射することで露光を行う。この露光フィルムは黒塗り部分と透明な部分とを有し、黒塗り部分では遮光されるため黒塗り部分と重畳するソルダーレジスト３の半硬化状態のインクは露光されず、透明な部分と重畳するソルダーレジスト３の半硬化状態のインクは露光されてソルダーレジスト３のインク内に含まれる感光成分が反応する。この感光成分は反応した部分はソルダーレジスト３として基材１ａに定着して残るものの、感光成分が未反応の黒塗り部分と重畳する部分は後の工程の現像で除去されて銅箔パターン２が露出し、はんだ付け可能な部分となる。

　次に、露光を行った基材１ａに対し、現像してはんだ付けを行うに必要な部分のソルダーレジスト３の半硬化状態のインクを除去する（Ｓ６）。

　次に、はんだ付けを行う部分のソルダーレジスト１の半硬化状態のインクを除去した基材１ａに抜き文字印刷を行い（Ｓ７）、熱本乾燥を行い（Ｓ８）、プレス外形加工を行う（Ｓ９）。Ｓ７の抜き文字印刷では、印刷により抜き文字を文字印刷インクで形成する。ここで形成される抜き文字は、部品と回路図とを照合させるための番号、各種規格番号並びに開発試験、製造及びサービス時に必要となる文字である。また、Ｓ８の熱本乾燥では、半硬化状態のソルダーレジスト３のインク及び文字印刷インクを硬化させる。この熱本乾燥は、熱仮乾燥よりも高温で行う。そして、Ｓ９のプレス外形加工では、基材１ａを製品への組み込みに適した外形サイズに、金型を用いてプレス加工により行う。これにより、印刷機で印刷する際に使用した印刷用の余白及び位置合わせマークが除去される。また、生産効率の向上を目的として、複数のプリント配線板１に一度に印刷する場合、すなわち、基材１ａが複数のプリント配線板１に加工される場合には、Ｓ９のプレス外形加工により切り分けられる。

　次に、プレス外形加工を行った後の基材１ａに対し、電気検査を行うことで、パターン断線及び短絡の確認を行う（Ｓ１０）。すなわち、製品への組み込み可能なサイズに加工した基材１ａに、銅箔パターン２の短絡及び断線がないか、ピンをあてて電気検査を行うことで確認する。

　次に、プリフラックスを塗布し（Ｓ１１）、銅箔パターン２の酸化防止及びはんだ７のはんだ付け性を確保する。すなわち、電気検査後に、銅箔パターン２の露出している部分の酸化防止を行いつつ、はんだ付け時にスムーズにはんだが濡れるようにプリフラックスを銅箔パターン２の表面に付着する。

　そして最後に、外観検査を行い（Ｓ１２）、処理をエンドする。Ｓ１２の外観検査では、プリント配線板１の表面に傷又は割れの有無を確認する。

　図６は、本実施の形態におけるプリント配線板１のパターンを示す上面図である。図７は、本実施の形態における銅箔パターン２を示す上面図である。図８は、本実施の形態におけるソルダーレジスト３のパターンを示す上面図である。図９は、比較例における文字層４のパターンを示す上面図である。図１０は、本実施の形態における抜き文字形成層５のパターンを示す上面図である。図７から図１０には、プリント配線板１に形成された各パターンの上面図が示されている。

　プリント配線板１には、銅箔パターン２が形成されている。銅箔パターン２上には銅箔パターン２を覆ってソルダーレジスト３が均一に形成されている。ここで、ソルダーレジスト３の均一な形成に用いる方法には、スプレー方式による塗布を例示することができる。

　更に、ソルダーレジスト３上には、抜き文字形成層５が形成されて抜き文字が施され、銅箔パターン２上の大部分はソルダーレジスト３及び抜き文字形成層５により覆われ、銅箔パターン２は２層により保護されている。

　また、プリント配線板１の表面には自動実装着される面実装部品６及びディスクリート部品と、図示しない手挿入部品とが配設されて、これらは、後述するようにはんだ７により固定される。面実装部品６は電極が平面状のマウントタイプの自動実装部品であり、面実装部品６には、チップ部品抵抗、チップ部品コンデンサ及びチップ部品ダイオードを例示することができる。ディスクリート部品はリードタイプの部品穴に挿入される自動実装部品であり、ディスクリート部品には、ディスクリート抵抗、ディスクリートコンデンサ及びディスクリートダイオードを例示することができる。手挿入部品には、大容量抵抗、ハイブリッドＩＣ、トランス、コイル、大容量半導体及び大型コンデンサを例示することができる。

　プリント配線板１は、ソルダーレジスト３及び抜き文字形成層５が形成されている点が主な特徴である。ソルダーレジスト３は、銅箔パターン２上にスプレー方式によって均一に塗布されて形成される。抜き文字形成層５は、抜き文字でソルダーレジスト３に印刷方式により塗布されている。抜き文字形成層５が形成されている部分は上面において文字が形成されていない部分であり、抜き文字形成層５が形成されていない部分は上面において文字が形成されている部分である。なお、ソルダーレジスト３は白色インクのスプレー方式で塗布形成された白色の層であり、抜き文字形成層５は緑色インクの印刷で塗布形成された緑色の層であるとよい。

　上記したように、ソルダーレジスト３をスプレー方式で均一に塗布して形成することにより、銅箔パターン２が一部で薄くなること及び銅箔パターン２が露出することを防止することができる。そのため、銅箔パターン２を外部の湿気から保護することができ、腐食を防止することができる。また、銅箔パターン２のエッジ部を保護することができる。

　また、上記したように、スプレー方式により塗布形成したソルダーレジスト３上に抜き文字形成層５を塗布形成することで、文字部分と重なる領域以外の銅箔パターン２はソルダーレジスト３及び抜き文字形成層５の２層で保護される。そのため、ソルダーレジスト３の１層のみで保護される場合よりも外部湿気から強固に保護することができ、腐食をより効果的に防止することができる。

　以上説明したように、本実施の形態によれば、プリント配線板１の銅箔パターン２上のソルダーレジスト３をスプレー方式で均一に塗布形成し、更にその上に抜き文字形成層５を塗布することで銅箔パターン２の大部分がソルダーレジスト３及び抜き文字形成層５の２層で保護される。ここで、ソルダーレジスト３及び抜き文字形成層５の２層で保護されない領域は、抜き文字形成層５の文字部分の領域及びはんだ付けを行う領域である。そのため、経年変化による銅箔パターン２の腐食を効果的に防止するとともに、防腐食を目的として、従来は全面に形成していたコーティング層８の形成面積を小さくし、銅箔パターン２の設計自由度を向上させることができる。

　次に、本実施の形態におけるプリント配線板の適用例について説明する。図１１は、本実施の形態に係るプリント配線板を配設した空気調和機の室外機の概略を示す上面図である。図１２は、本実施の形態におけるプリント配線板１を配設した空気調和機の室外機の概略を示す正面図である。

　図１１，１２に示す室外機９は、送風機ファン１０ａを有する送風機室１０と、圧縮機１１ａ及び扁平形状の電気品箱１２を有する圧縮機室１１とを備える。電気品箱１２は、電気部品１２ａを装着した面を下向きとし、銅箔を有する面を上向きとして配置したプリント配線板１を内蔵する。

　プリント配線板１を収納した電気品箱１２は圧縮機室１１の圧縮機１１ａの上方に配置されている。プリント配線板１は、従来では腐食防止のために銅箔パターンを太く形成していた部分を細くすることが可能であるため、小型化が可能である。これにより、電気品箱１２も小型化が可能であり、圧縮機１１ａの上方に電気品箱１２を配置しやすくなり、冷却風路を確保しやすくなる。

　従って、プリント配線板１が配置される電気品箱１２を、高さ方向を扁平形状にして構成することができ、圧縮機室１１の電気品箱１２を扁平形状にして配置スペースを小さくすることができる。そのため、他の部品スペースの組み込みの自由度が向上し、組み立て作業を行いやすくなる。また、上記説明したようにプリント配線板１の腐食が防止されて経年変化による腐食が抑えられるため、空気調和機の品質を向上することができる。

　従来のプリント配線板では、銅箔パターンに腐食を発生させないように使用環境による経年変化を防止させるためには、複雑な設計上の制約及び製造上の制約のもとでコーティング剤によりコーティング層を全面に塗布形成しなければならなかった。しかしながら、以上説明した本実施の形態によれば、銅箔パターンの腐食の防止を効果的に行うことができるとともに、プリント配線板の設計上の制約を小さくすることができ、製造上の制約も低減される。すなわち、従来よりも作製工程を簡素化したにも関わらず、銅箔パターンの露出を防止し、銅箔パターンの腐食を防止することができる。なお、ここで、作製工程を簡素化することができる理由は、プリント配線板の全体へのコーティング層の塗布形成を不要としてコーティング層の塗布面積を小さくできること及びソルダーレジストの複数回の塗布形成を不要とすることができることによる。

　なお、上記したように、ソルダーレジストを白色インクで形成し、抜き文字形成層に緑色インクを用いることで、従来のプリント配線板と同色の外観となる。そのため、従来の製造工程中の目視によるはんだ付け状態確認作業も従来通り行うことが可能であり、従来の外観検査装置の色識別プログラムも変更なく用いることが可能である。そのため、従来の製造工程に対する変更点を抑えつつ適用が可能である。なお、インクには熱硬化型インクが用いられ、作製工程には熱硬化型インクを硬化する加熱処理のステップを含むことが好ましい。

　以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

　１　プリント配線板、１ａ　基材、２　銅箔パターン、３　ソルダーレジスト、４　文字層、５　抜き文字形成層、６　面実装部品、７　はんだ、８　コーティング層、９　室外機、１０　送風機室、１０ａ　送風機ファン、１１　圧縮機室、１１ａ　圧縮機、１２　電気品箱、１２ａ　電気部品。

Claims (6)

1. 　基材上の銅箔パターンと、
   　前記銅箔パターン上に前記銅箔パターンを覆って均一に設けられたソルダーレジストと、
   　前記ソルダーレジスト上に抜き文字を形成するように文字が形成されない部分に設けられた抜き文字形成層とを備えることを特徴とするプリント配線板。
2. 　前記ソルダーレジストは白色であり、
   　前記抜き文字形成層は緑色であることを特徴とする請求項１に記載のプリント配線板。
3. 　請求項１又は請求項２に記載のプリント配線板を収納した電気品箱が圧縮機室の圧縮機の上方に配置されていることを特徴とする空気調和機。
4. 　基材上に銅箔パターンを形成するステップと、
   　前記銅箔パターン上に前記銅箔パターンを覆ってソルダーレジストを均一に形成するステップと、
   　前記ソルダーレジスト上に抜き文字形成層を形成するステップとを含み、
   　前記ソルダーレジストの形成は、スプレー方式の塗布により行われることを特徴とするプリント配線板の作製方法。
5. 　前記ソルダーレジストの形成には、白色インクが用いられ、
   　前記抜き文字形成層の形成は、緑色インクの塗布により行われることを特徴とする請求項４に記載のプリント配線板の作製方法。
6. 　前記ソルダーレジスト及び前記抜き文字形成層の形成には、熱硬化型インクが用いられ、
   　前記ソルダーレジスト及び前記抜き文字形成層を硬化する加熱処理のステップを含むことを特徴とする請求項４又は請求項５に記載のプリント配線板の作製方法。

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