JP3616657B2 - プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、スルーホールを有するプリント配線板において絶縁性樹脂被膜によりスルーホールを封止したプリント配線板に関し、特に、スルーホールの内部に絶縁性樹脂被膜を形成してスルーホールを封止することにより、吸引固定装置を介してプリント配線板を固定しながらプリント配線板における回路パターンの断線や回路抵抗等の電気的チェックを行なう際に、スルーホール内にチェッカーピン先端部を挿入して電気的チェックを行なうことが可能であるとともに、絶縁性樹脂被膜がスルーホール内で脱落することを確実に防止可能なプリント配線板及びそのプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリント配線板が製造された後、製品として出荷する前に、プリント配線板に形成された回路パターンが断線していないかどうかあるいは回路抵抗値が設計値通りのものであるかどうかをを検査するため電気的チェックが行なわれる。かかるプリント配線板の電気的チェックは、チェッカーピンを備えたチェッカーと称されるチェック装置を使用して行なわれている。
【0003】
この種のチェッカーには各種の装置が存在するが、最近では、吸引固定装置によりプリント配線板を多数の開口が形成されたテーブル上に吸引吸着してプリント配線板をテーブル上の所定の位置に固定し、チェッカーピンを回路パターンにおける所定の箇所に立てつつ電気的チェックを行なうチェッカーが汎用されている。かかる吸引式のチェッカーを使用してスルーホールを有する両面あるいは多層プリント配線板の電気的チェックを行なうには、スルーホール付きプリント配線板をテーブルに確実に吸引吸着する必要があることから、スルーホールを封止する要求が高まってきている。
【0004】
このようなプリント配線板に形成されたスルーホールを封止する場合には、一般に、プリント配線板の製造過程において両面における各回路パターンを保護するとともに、半田が付着する必要のない部分への溶融半田の付着を制限するためプリント配線板の両面には、ソルダーレジストと呼ばれる絶縁性樹脂被膜が形成されることから、かかるソルダーレジストを利用してスルーホールの封止が行なわれている。
【0005】
そこで、両面プリント配線板を例にとって従来から行なわれているプリント配線板のスルーホールを封止する方法について図12及び図13に基づき説明する。ここに、図12は従来の両面プリント配線板のスルーホールを封止する前における状態を模式的に示す両面プリント配線板の断面図、図13は従来の両面プリント配線板のスルーホールを封止した後における状態を模式的に示す両面プリント配線板の断面図である。
【0006】
先ず、図12に示すように、両面に所定の回路パターン(図示せず)を有する両面基板21に貫通孔22が形成され、かかる貫通孔22の内壁22A及び上下開口22Bの周縁にスルーホールメッキを行なうことにより導体層23がメッキ形成される。これにより、スルーホール24が形成され、また、スルーホール24の周縁にランド25が形成される。
【0007】
次に、前記のように形成されたスルーホール24を封止すべく、図13に示すように、両面基板21の両面に光硬化性樹脂を主成分とする液状組成物を、所謂、カーテンコート法、スクリーン印刷法により塗布した後光硬化してソルダーレジスト27被膜が形成されたり、また、光硬化性樹脂をフィルム化したレジストフィルムを熱圧着した後光硬化してソルダーレジスト被膜27が形成される。
【0008】
このとき、ソルダーレジスト被膜27は、両面基板21の一面(図13中上面)でスルーホール24における一方の開口(図13中上方の開口)24Aを封止するように形成され、また、両面基板21の他面(図13中下面)ではスルーホール24の開口(図13中下方の開口)24Aが封止されることなく両面基板21の下面に形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来における光硬化性樹脂の液状組成物を塗布することによりソルダーレジスト被膜27を形成する方法にあっては、スルーホール24のコーナー部24Bにおいて塗布される液状組成物が必然的に薄くなってしまうことから、形成されるソルダーレジスト被膜27の厚さも極めて薄くなる現象が発生する。このように、ソルダーレジスト被膜27が薄くなると、スルーホール24のコーナー部24Bでソルダーレジスト被膜27にクラックが発生し、この結果、ソルダーレジスト被膜27がスルーホール24から脱落して、これがゴミの原因となるという問題がある。
【0010】
また、前記したようにレジストフィルムを熱圧着することによりソルダーレジスト被膜27を形成する方法においては、レジストフィルムがランド25における導体回路面と両面基板21の面との間で生じる段差に追従することが難しく、これより熱圧着後においてもソルダーレジスト被膜27とランド25との間で隙間が発生する虞が多分に存する。従って、場合によっては、両面基板21の回路パターンのチェック時に基板21を吸引固定した際、ソルダーレジスト被膜27が剥がれてしまう問題がある。また、同様にして、レジストフィルムは、両面基板21に形成された回路パターン面と基板21の面との間で生じる段差に起因して、回路パターンとの間で隙間が生じ易いことから、回路保護上の観点からして好ましいものではない。更に、ソルダーレジストを形成するレジストフィルムは高価であり、コスト高を招来してしまうものである。
【0011】
更に、前記従来の各方法では、ソルダーレジスト被膜27によりスルーホール24の片側を被覆してしまうものであり、また、回路パターンの電気的チェックの際にスルーホール24の開放側はチェッカーのテーブルに吸引固定されているので、電気的チェックを効率的に行なうためには電気的チェック用のランドを両面基板21上に設ける必要があり、これより回路パターンが複雑になってしまう。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、基板に形成された導体層を有するスルーホールの内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜を形成することにより、プリント配線板における回路パターンの電気的チェックを行なう際に、回路パターン中に電気的チェック用のランドを設けることなく、プリント配線板を吸引固定しつつスルーホール上にチェッカーピンの先端部を挿入して電気的チェックを確実に行なうことができるとともに、光硬化性樹脂被膜がスルーホール内で脱落することを確実に防止することができるプリント配線板及びそのプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1の発明に係るプリント配線板は、基板と、基板における所定箇所に形成された貫通孔と、貫通孔の内壁及び上下周縁部に導体層が形成されたスルーホールを有するプリント配線板において、前記スルーホールの中央部分の内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜を形成した構成とされる。
【0014】
また、請求項2の発明に係るプリント配線板では、前記スルーホールの内壁形状は前記基板の両面に臨むスルーホールの上下開口部よりも広い空洞に形成され、又、請求項3の発明に係るプリント配線板では、前記光硬化性樹脂被膜は前記スルーホール内で一方の側に突出された突形状に形成され、光硬化性樹脂被膜の突側と同一側の基板面上に電子部品が搭載された構成とされる。
【0015】
更に、請求項4の発明に係るプリント配線板では、前記スルーホールの内壁形状は前記基板の両面に臨むスルーホールの上下開口部の内一方の開口部を他方の開口部よりも大きく形成することにより一方の開口部から他方の開口部にいくに従って傾斜する傾斜孔に形成されるとともに、一方の開口部が存在する基板面上に電子部品が搭載され、また、請求項5の発明に係るプリント配線板では、前記光硬化性樹脂被膜は前記基板の電子部品搭載面の側に向かって突形状に形成された構成とされる。
【0016】
また、請求項6の発明に係るプリント配線板の製造方法は、基板に貫通孔を形成するとともに、貫通孔の内壁及び周縁部に導体層を形成してスルーホールを設ける第1工程と、前記基板の一面側から光硬化性樹脂を塗布し、光硬化性樹脂が前記スルーホールの一部に侵入するように光硬化性樹脂にてスルーホールを覆う第2工程と、前記基板の他面側から前記スルーホール内に光を照射してスルーホール内の光硬化性樹脂の一部を硬化させるとともに未硬化の光硬化性樹脂を除去することによりスルーホールの内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜を形成する第3工程とからなる構成とされる。
【0017】
【作用】
前記構成を有する請求項1の発明に係るプリント配線板では、基板における所定箇所に形成された貫通孔の内壁及び上下周縁部に導体層を形成してスルーホールが設けられ、かかるスルーホールの中央部分の内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜が形成される。このように、光硬化性樹脂被膜はスルーホールの内部に形成されていることから、光硬化性樹脂被膜は直接外力を受けることがなく、これよりスルーホールから脱落することが確実に防止され得、また、基板に形成された回路パターンの電気的チェックを行なう際に、チェッカーにおけるチェッカーピンをスルーホールに立てつつ電気的チェックを効率的に行なうことが可能となる。
【0018】
このとき、請求項2の発明に係るプリント配線板においては、スルーホールの内壁形状が基板の両面に臨むスルーホールの上下開口よりも広い空洞に形成されており、これによりスルーホールの内部で空洞の内壁に形成された光硬化性樹脂被膜は、上下開口よりも大きな面積を有することとなり、従って、光硬化性樹脂被膜は、前記のように直接外力を受けることがないこととも相まって、スルーホールから更に脱落し難くなるものである。
【0019】
また、請求項3の発明に係るプリント配線板においては、光硬化性樹脂被膜がスルーホール内で一方の側に突出した突形状に形成され、光硬化性樹脂被膜の突側と同一側の基板面上に電子部品が搭載されている。ここに、プリント配線板上に電子部品を搭載する際には、プリント配線板は、電子部品が搭載される側と反対側の面が吸引固定装置を介して吸引固定され、このとき、光硬化性樹脂被膜は吸引固定装置による吸引方向に対して反対側の方向に突出されることとなる。これにより、吸引固定装置による吸引時に、光硬化性樹脂被膜は、その突形状が平面状に変形する方向に吸引される。従って、前記のように光効硬化性樹脂被膜がスルーホールの内部に形成されている場合には、光硬化性樹脂被膜に直接外力を受けないこととも相まって光硬化性樹脂被膜がスルーホールから脱落することはない。更に、前記のようにスルーホールの内壁形状がその上下開口よりも広い空洞に形成された場合には、光硬化性樹脂被膜がスルーホールの上下開口部よりも大きな面積を有することとなり、この結果、前記のように光硬化性樹脂被膜は直接外力を受けないこと、及び、スルーホールの上下開口よりも大きな面積を有することとも相まって、スルーホールから脱落することは全くないものである。
【0020】
更に、請求項4の発明に係るプリント配線板においては、スルーホールの内壁形状が、基板の両面に臨む上下開口の内一方の開口部を他方の開口部よりも大きく形成されることにより、一方の開口部から他方の開口部にいくに従って傾斜する傾斜孔に形成されるとともに、一方の開口部が存在する基板面上に電子部品が搭載されている。ここに、プリント配線板上に電子部品を搭載する際には、プリント配線板は、電子部品が搭載される側と反対側の面が吸引固定装置を介して吸引固定され、このとき、光硬化性樹脂被膜は傾斜孔内で小さい他方の開口部側に向かって吸引されることとなり、従って、光硬化性樹脂被膜は、前記のように直接外力を受けないこととも相まって、スルーホールから脱落することは全くないものである。
【0021】
また、請求項5の発明に係るプリント配線板では、光硬化性樹脂被膜が基板の電子部品搭載面に向かって突形状に形成されている。ここに、プリント配線板上に電子部品を搭載する際には、プリント配線板は、電子部品が搭載される側と反対側の面が吸引固定装置を介して吸引固定され、このとき、光硬化性樹脂被膜は傾斜孔内で小さい他方の開口部側に向かって吸引されるとともに、その突形状が平面状に変形する方向に吸引されることとなり、従って、前記のように光硬化性樹脂被膜が傾斜孔内で小さい他方の開口部側に向かって吸引されること、及び、直接外力を受けないこととも相まって、光硬化性樹脂被膜はスルーホールから脱落することは全くないものである。
【0022】
更に、請求項6の発明に係るプリント配線板の製造方法では、先ず、第1工程にて基板に貫通孔が形成されるとともに、かかる貫通孔の内壁及び周縁部に導体層を形成してスルーホールが設けられる。次に、第2工程において、基板の一面側から光硬化性樹脂が、空洞の一部に侵入するように塗布される。これにより、スルーホールは光硬化性樹脂にて覆われる。この後、第3工程では、基板の他面側からスルーホール内に光が照射されて空洞内の光硬化性樹脂の一部が硬化され、更に、未硬化の光硬化性樹脂が除去される。この結果、空洞内において、スルーホールの内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜が形成されるものである。
【0023】
尚、上記の光硬化性樹は、光硬化にのみによって硬化が進行する樹脂である必要は無く、熱硬化と併用によって硬化されるものであってもかまわない。すなわち、ここで言う光硬化の度合は光を照射されなかった光硬化性樹脂が、溶剤あるいはアルカリ溶液によるシャワー洗浄において除却されない程度であれば良いのである。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施例に係るプリント配線板の構成について図1に基づき説明する。ここに、図1はプリント配線板を模式的に示す断面図である。
【0025】
図1において、プリント配線板1は両面に所定の回路パターン(図示せず)が形成された両面基板2を有し、この両面基板2には貫通孔3が形成されている。貫通孔3の内壁3A、及び、上下開口3Bの周縁にはスルーホールメッキにより導体層4が形成されており、これによりスルーホール5が形成されるとともに、スルーホール5の上下周縁にランド6が形成される。
【0026】
ここに、スルーホールメッキにより導体4をメッキ形成するに際して、貫通孔3の内部にはメッキ液が循環しにくい性質を利用して、内壁3Aにメッキ形成されるメッキ層の厚さはランド6としてメッキ形成されるメッキ層の厚さよりも薄く形成される。この結果、スルーホール5内のほぼ中央部には、図1に示すように、その上下開口5Aよりも広い空洞7が形成されることとなる。
【0027】
また、前記のように構成された両面基板2の両面上でランド6を除く部分には、光硬化性樹脂組成物と熱硬化性樹脂組成物とが相互に約50%ずつ含有されてなる液状組成物が塗布されることにより、ソルダーレジスト被膜8が形成されており、また、スルーホール5の内部においてメッキ層が形成される際に設けられた空洞7には、スルーホール5の内壁に密着して円弧状にソルダーレジスト被膜9が形成されている。かかるソルダーレジスト被膜8は、両面基板2の各面に形成された回路パターンを保護し、半田が付着する必要のない部分への溶融半田の付着を制限するためのものであり、また、ソルダーレジスト被膜9は、プリント配線板1の電気的チェックを行なう際に、チェッカーにおいてプリント配線板1をテーブル等に対して吸引吸着すべくスルーホール5を封止するためのものである。
【0028】
続いて、前記のように構成されたプリント配線板1を吸引固定装置を介して吸引固定しつつ、チェッカーのチェッカーピンにより各回路パターンの電気的チェックを行なう方法、及び、プリント配線板1上へ電子部品を搭載する方法について図6を参照しつつ説明する。図6はチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図である。尚、図6に示すプリント配線板1の上面においては、ICチップ等の電子部品を搭載するための部品ランド11が形成されている。
【0029】
図6において、プリント配線板1の各回路パターンの電気的チェックを行なう場合には、先ず、真空ポンプ等の吸引手段を備えた吸引装置12上にプリント配線板1を載置するとともに、吸引手段を介してプリント配線板1を矢印A方向(吸引方向)に吸引する。かかる吸引時、スルーホール5は、上下開口5Aよりも広い空洞7にてソルダーレジスト膜9を介して封止されており、従って、プリント配線板1は吸引固定装置12上に密着して吸引固定される。
【0030】
このとき、ソルダーレジスト被膜9は、スルーホール5の上下開口5Aよりも広く形成された空洞7に形成されるとともに、矢印A方向とは反対方向に向かって円弧状に突出された突形状に形成されていることから、吸引固定装置12による吸引時においてソルダーレジスト被膜9はその突形状が平面状になる方向に変形されることとなり、空洞7よりも狭い下開口5Aから脱落することは全くない。
【0031】
そして、チェッカーによりプリント配線板1における各回路パターンの電気的チェックを行なう場合、チェッカーピン13が図6に示すようにスルーホール5の上開口5Aに立てられる。このとき、チェッカーピン13の形状は、その先端部がソルダーレジスト被膜9に当接することのないような形状に形成されている。このように、プリント配線板1では、チェッカーのチェッカーピン13を直接スルーホール5の上開口5Aに立てることにより回路パターンの電気的チェックを効率的に行なうことが可能となるものである。
【0032】
また、プリント配線板1に形成された部品ランド11にICチップ14等の電子部品を搭載する場合には、前記のように吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定した状態を保持したまま、各部品ランド11上に半田ペーストが塗布形成された後、各部品ランド11とICチップ14の半田バンプ15とを位置決めするとともにリフロー処理を行なうことにより、ICチップ14等の電子部品を部品ランド11上に搭載するものである。このとき、ICチップ14が搭載される各部品ランド11はソルダーレジスト被膜9が円弧状に突出する方向と同一方向側に配置され、換言すれば、各部品ランド11は、吸引固定装置12による吸引方向(矢印A方向)とは反対方向側のプリント配線板1上に形成されており、従って、吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定しつつ各部品ランド11上にICチップ14を搭載するについて何等支障は生じることはない。
【0033】
尚、前記した吸引固定装置12によるプリント配線板1の吸引固定は、チェッカーピン13による電気的チェックを行なう場合、ICチップ14をプリント配線板1上に搭載実装する際に各部品ランド11に半田ペーストの塗布形成する場の他、プリント配線板上に文字等を印刷する等の場合にも行なわれる。
【0034】
本実施例に係るプリント配線板1では、前記のように、スルーホール5が、その内部に形成された上下開口5Aよりも広い空洞7において、スルーホール5の内壁に密着して形成されたソルダーレジスト被膜9により封止されており、これよりソルダーレジスト被膜9に直接外力が及ぼされることはなく、ソルダーレジスト被膜9がスルーホール5から脱落することを確実に防止することができる。従って、ソルダーレジスト被膜9がゴミを発生する原因となることは全くない。
【0035】
また、スルーホール5は、前記従来の封止構造とは異なり、スルーホール5内のほぼ中央位置においてソルダーレジスト被膜9により封止されているので、チェッカーを介してプリント配線板1における各回路パターンの電気的チェックを行なう際に、チェッカーピン13をスルーホール5内に立てつつ効率的に電気的チェック等を行なうことができ、従って、プリント配線板1の各回路パターン中に電気的チェック用のランドを別に設ける必要は全くなくなり、回路パターンの簡素化を図ることができる。
【0036】
次に、前記のような構成を有するプリント配線板1を製造する方法について図2乃至図5に基づき説明する。先ず、第1製造方法について図2を参照して説明する。図2は第1製造方法の手順を模式的に示す説明図である。
【0037】
図2において、両面に銅箔が積層一体化された両面基板2に貫通孔3を形成し、この後、スルーホールメッキを介して貫通孔3の内壁3A及び上下開口3Bの周縁に導体層4をメッキ形成することにより、スルーホール5を形成する。さらに、一般的なサブトラクティブ法によって、両面の銅箔およびメッキ層をエッチングすることによって所定の回路パターンを形成する。このとき、スルーホール5内には、前記したように、スルーホール5の上下開口5Aよりも広い空洞7が設けられることとなり、また、スルーホール5の周縁にはランド6が形成される。この状態が図2(A)に示されている。
【0038】
続いて、図2(B)に示すように、光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂組成物よりなる液状組成物が、各ランド6を被覆するとともにスルーホール5の内部中央部にまで侵入するように、両面基板2の上面にスクリーン印刷法によって塗布され乾燥される。更に、同様にして、図2(C)に示すように、液状組成物が、スルーホール5を除いて各ランド6の一部を被覆するように、両面基板2の下面に塗布・乾燥される。尚、スルーホール5内に侵入された液状組成物の下面は、その表面張力、粘性等により上方に突出した円弧状となる。
【0039】
そして、図2(D)に示すように、ネガフィルム10により基板2の上面における各ランド6を覆うとともに、基板2の下面において液状組成物が塗布された各ランド6の一部を覆った後、露光装置により両面基板2の上下両面から紫外線光が照射される。これにより、ネガフィルム10の黒色部分にて覆われていない基板2上に存在する液状組成物は光硬化され、また、ネガフィルム10の黒色部分により覆われた基板2上に存在する液状組成物は光硬化されることなく未硬化状態を保持することとなる。上記、光照射された両面基板を1%Na2CO3の溶液によって処理することによって、未硬化の液状組成物は溶解除却され、所定の形状のソルダーレジスト被膜8が形成されるのである。この結果、両面基板2の上面における各ランド6よりも外方位置に存在する液状組成物は光硬化されてソルダーレジスト被膜8となり、また、基板2の下面における各ランド6よりも外方位置に存在する液状組成物も光硬化されてソルダーレジスト被膜8となる。更に、スルーホール5内に侵入された液状組成物の下面側においても、両面基板2の下方側から照射された光により光硬化され、これにより所定厚さ(光の照射時間等により調整される)を有するソルダーレジスト被膜9が形成される。
【0040】
前記のように液状組成物の所定部分のみを光硬化してソルダーレジスト被膜8、9を形成した後、このように形成された各ソルダーレジスト被膜8、9は、150℃2時間程度熱硬化される。かかる後、図1に示すようなプリント配線板1が得られるものである。
【0041】
続いて、第2製造方法について図3を参照して説明する。図3は第2製造方法の手順を模式的に示す説明図である。尚、図3に示す第2製造方法は、前記第1製造方法と基本的に同様の手順にてプリント配線板1を製造するものであり、第1製造方法とは、スルーホール5内でソルダーレジスト被膜9を形成するについて、両面基板2の両面側から光を照射することによりソルダーレジスト被膜9を形成している点で異なる。
【0042】
図3において、前記第1製造方法における図2(A)に示す手順と同様、両面に銅箔が積層一体化された両面基板2に貫通孔3を形成し、この後、スルーホールメッキを介して貫通孔3の内壁3A及び上下開口3Bの周縁に導体層4をメッキ形成することにより、スルーホール5を形成する。さらに、一般的なサブトラクティブ法によって、両面の銅箔およびメッキ層をエッチングすることによって所定の回路パターンを形成する。このとき、スルーホール5内には、前記したように、スルーホール5の上下開口5Aよりも広い空洞7が設けられることとなり、また、スルーホール5の周縁にはランド6が形成される(図3(A)参照)。
【0043】
この後、第1製造方法のおける図2(B)に示す手順と同様、光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂組成物よりなる液状組成物が、各ランド6を被覆するとともにスルーホール5の内部中央部にまで侵入するように、両面基板2の上面にカーテンコート法により塗布・乾燥される(図3(B)参照)。このとき、スルーホール5内に侵入された液状組成物の下面は、その表面張力、粘性等により上方に突出した円弧状となる。
【0044】
更に、図3(C)に示すように、ネガフィルム10により基板2の上面における各ランド6を覆った後、露光装置により両面基板2の上下両面から光が照射される。これにより、ネガフィルム10の黒色部分にて覆われていない基板2上に存在する液状組成物は光硬化され、また、ネガフィルム10の黒色部分により覆われた基板2上に存在する液状組成物は光硬化されることなく未硬化状態を保持することとなる。この結果、両面基板2の上面における各ランド6よりも外方位置に存在する液状組成物は光硬化されてソルダーレジスト被膜8となる。また、スルーホール5内に侵入された液状組成物の下面側においても、両面基板2の下方側から照射された光により光硬化され、これにより所定厚さ(光の照射時間等により調整される)を有するソルダーレジスト被膜9が形成される。
【0045】
前記のように両面基板2上面において、液状組成物の所定部分のみを光硬化してソルダーレジスト被膜8、9を形成した後、ネガフィルム10により覆われて光硬化されなかった液状組成物が実施例1と同様の方法にて除去される。
【0046】
続いて、液状組成物が、スルーホール5を除いてランド6の一部を被覆するように、両面基板2の下面に塗布・乾燥される。この状態が図3(D)に示されている。そして、基板2の下面において液状組成物が塗布された各ランド6を覆った後、露光装置により両面基板2の上下両面から光が照射される。これにより、両面基板2の下面において、各ランド6を除いてネガフィルム10の黒色部分にて覆われていない基板2上に存在する液状組成物は光硬化されてソルダーレジスト被膜8となり、また、ネガフィルム10の黒色部分により覆われたランド6上に存在する液状組成物は光硬化されることなく未硬化状態を保持することとなる。このとき、スルーホール5内で前記のように形成されたソルダーレジスト被膜9には、スルーホール5を介して上下両側から光が照射されることから、ソルダーレジスト被膜9は十分に光硬化されてスルーホール5の内壁に強固に密着された状態となる。
【0047】
かかる後、ネガフィルム10の黒色部分により覆われて未硬化状態を保持している各ランド6上の液状組成物を公知の方法で除去することにより、図1に示すようなプリント配線板1が得られるものである。尚、このように形成された各ソルダーレジスト被膜8、9は、熱硬化されることにより、耐熱性や耐薬品性ともさらに向上するのである。
【0048】
次に、第3製造方法について図4に基づき説明する。図4は第3製造方法の手順を模式的に示す説明図である。尚、図4に示す第3製造方法は、前記第1製造方法、前記第2製造方法と基本的に同様の手順にてプリント配線板1を製造するものである。
【0049】
図4において、前記第1製造方法における図2(A)に示す手順、前記第2製造方法における図3(A)に示す手順と同様、両面に銅箔が積層一体化された両面基板2に貫通孔3を形成し、この後、スルーホールメッキを介して貫通孔3の内壁3A及び上下開口3Bの周縁に導体層4をメッキ形成することにより、スルーホール5を形成する。さらに、一般的なサブトラクティブ法によって、両面の銅箔およびメッキ層をエッチングすることによって所定の回路パターンを形成する。このとき、スルーホール5内には、前記したように、スルーホール5の上下開口5Aよりも広い空洞7が設けられることとなり、また、スルーホール5の周縁にはランド6が形成される(図4(A)参照)。
【0050】
この後、第1製造方法における図2(B)に示す手順、前記第2製造方法における図3(B)に示す手順と同様、光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂組成物よりなる液状組成物が、各ランド6を被覆するとともにスルーホール5の内部中央部にまで侵入するように、両面基板2の上面に塗布される(図4(B)参照)。このとき、スルーホール5内に侵入された液状組成物の下面は、その表面張力、粘性等により上方に突出した円弧状となる。
【0051】
更に、図4(C)に示すように、ネガフィルム10により基板2の上面全体を覆った後、露光装置により両面基板2の上下両面から光が照射される。これにより、スルーホール5の下方から照射される光によりスルーホール5内における液状組成物の下方側が光硬化されて所定厚さ(光の照射時間等により調整される)を有するソルダーレジスト被膜9が形成される。一方、黒色のネガフィルム10にて覆われた基板2の上面全体に存在する液状組成物は光硬化されることなく液状を保持する。
【0052】
かかる後、両面基板2上で未硬化の状態にある液状組成物を常法によって除去することにより、図4(D)に示すように、スルーホール5内のほぼ中央位置でソルダーレジスト被膜9が形成される。
【0053】
続いて、図4(E)に示すように、液状組成物が、スルーホール5を除いて各ランド6の一部を被覆するように、両面基板2の上下両面面に塗布されるとともに、各ランド6を覆うようにネガフィルム10が配置される。この後、露光装置を介して、両面基板2の両側から光が照射される。これにより、両面基板2の上面において、各ランド6を除いてネガフィルム10の黒色部分にて覆われていない基板2上に存在する液状組成物は光硬化されてソルダーレジスト被膜8となり、また、ネガフィルム10の黒色部分により覆われた各ランド6上に存在する液状組成物は光硬化されることなく未硬化状態を保持することとなる。同様にして、両面基板2の下面において、各ランド6を除いてネガフィルム10の黒色部分にて覆われていない基板2上に存在する液状組成物は光硬化されてソルダーレジスト被膜8となり、また、ネガフィルム10の黒色部分により覆われた各ランド6上に存在する液状組成物は光硬化されることなく未硬化状態を保持することとなる。更に、スルーホール5内で前記のように形成されたソルダーレジスト被膜9には、スルーホール5を介して上下両側から光が照射されることから、ソルダーレジスト被膜9は完全に光硬化されてスルーホール5の内壁に強固に密着された状態となる。
【0054】
かかる後、ネガフィルム10の黒色部分により覆われて未硬化状態を保持している各ランド6上の液状組成物を除去することにより、図1に示すようなプリント配線板1が得られるものである。尚、このように形成された各ソルダーレジスト被膜8、9は熱硬化させる。
【0055】
次に、第4製造方法について図5に基づき説明する。図5は第4製造方法の手順を模式的に示す説明図である。
尚、図5に示す第4製造方法は、前記第3製造方法と基本的に同様の手順にてプリント配線板1を製造するものであり、スルーホール5内でソルダーレジスト被膜9を形成する際に露光装置により両面基板2の片側から光が照射される点において、前記第3製造方法とは異なるものである。
【0056】
図5において、前記第1製造方法における図2(A)に示す手順、前記第2製造方法における図3(A)に示す手順、前記第3製造方法における図4(A)に示す手順と同様、両面に銅箔が積層一体化された両面基板2に貫通孔3を形成し、この後、スルーホールメッキを介して貫通孔3の内壁3A及び上下開口3Bの周縁に導体層4をメッキ形成することにより、スルーホール5を形成する。このとき、スルーホール5内には、前記したように、スルーホール5の上下開口5Aよりも広い空洞7が設けられることとなり、また、スルーホール5の周縁にはランド6が形成される(図5(A)参照)。
【0057】
この後、第1製造方法のおける図2(B)に示す手順、前記第2製造方法における図3(B)に示す手順、図4(B)に示す手順と同様、光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂組成物よりなる液状組成物が、各ランド6を被覆するとともにスルーホール5の内部中央部にまで侵入するように、両面基板2の上面に塗布される(図5(B)参照)。このとき、スルーホール5内に侵入された液状組成物の下面は、その表面張力、粘性等により上方に突出した円弧状となる。
【0058】
更に、図5(C)に示すように、露光装置を介して両面基板2の下面側から光が照射される。これにより、スルーホール5の下方から照射される光によりスルーホール5内における液状組成物の下方側が光硬化されて所定厚さ(光の照射時間等により調整される)を有するソルダーレジスト被膜9が形成される。かかる後、両面基板2の上面において未硬化の状態にある液状組成物を除去することにより、図5(D)に示すように、スルーホール5内のほぼ中央位置でソルダーレジスト被膜9が形成される。
【0059】
続いて、図5(E)に示すように、液状組成物が、スルーホール5を除いて各ランド6の一部を被覆するように、両面基板2の上下両面面に塗布されるとともに、基板2両面における各ランド6を覆うようにネガフィルム10が配置される。この後、露光装置を介して、両面基板2の両側から光が照射される。これにより、両面基板2の上面において、各ランド6を除いてネガフィルム10の黒色部分にて覆われていない基板2上に存在する液状組成物は光硬化されてソルダーレジスト被膜8となり、また、ネガフィルム10の黒色部分により覆われた各ランド6上に存在する液状組成物は光硬化されることなく未硬化状態を保持することとなる。同様にして、両面基板2の下面において、各ランド6を除いてネガフィルム10の黒色部分にて覆われていない基板2上に存在する液状組成物は光硬化されてソルダーレジスト被膜8となり、また、ネガフィルム10の黒色部分により覆われた各ランド6上に存在する液状組成物は光硬化されることなく未硬化状態を保持することとなる。更に、スルーホール5内で前記のように形成されたソルダーレジスト被膜9には、スルーホール5を介して上下両側から光が照射されることから、ソルダーレジスト被膜9は完全に光硬化されてスルーホール5の内壁に強固に密着された状態となる。
【0060】
かかる後、ネガフィルム10の黒色部分により覆われて未硬化状態を保持している各ランド6上の液状組成物を除去することにより、図1に示すようなプリント配線板1が得られるものである。尚、このように形成された各ソルダーレジスト被膜8、9は、必要に応じて熱硬化させるとよい。
【0061】
以上説明した各第1乃至第4製造方法よれば、両面基板2における貫通孔3の内壁3A及び上下開口3Bの周縁にスルーホールメッキを介して導体層4をメッキ形成してなるスルーホール5内の中央部に位置する空洞7に、スルーホール5の内壁に密着してソルダーレジスト被膜9を形成することができ、これによりソルダーレジスト被膜9がスルーホール5から脱落することなくスルーホール5を封止することができるとともに、チェッカーにおけるチェッカーピンをスルーホール5上に立てつつ効率的に回路パターンの断線チェックを行なうことができる。
【0062】
続いて、前記したプリント配線板1の各種変形例について図7乃至図11に基づき説明する。ここに、図7は第1変形例に係るプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図、図8は第2変形例に係るプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図、図9は第3変形例にプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図、図10は第4変形例に係るプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図、図11は第5変形例に係るプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図である。尚、以下の説明においては、前記実施例に係るプリント配線板1におけると同一の要素については同一の番号を付して説明することとする。また、第1乃至第5変形例に係る各プリント配線板1は、前記した各第1乃至第4製造方法により製造されるものであり、従って、各変形例に係るプリント配線板1の製造方法については前記各製造方法を参照することとしてここではその説明を省略する。
【0063】
先ず、図7に基づいて第1変形例に係るプリント配線板1について説明する。図7に示す第1変形例に係るプリント配線板1は、スルーホール5内部の空洞7に形成されるソルダーレジスト被膜9の形状が平面状、又は、下方に突形状である点で、前記図1、図6に示すプリント配線板1とは異なり、その他の構成については同一の構成を有する。以下、相違する点について説明する。
【0064】
図7において、スルーホール5内部の空洞7には平板状のソルダーレジスト被膜9A(図7中点線で示す)が形成されている。また、このソルダーレジスト被膜は、下方に円弧状に突出した突形状を有する被膜9B(図7中実線で示す)に形成されてもよい。尚、このようにソルダーレジスト被膜を平板状に形成するか、又は、下方に突出した突形状に形成するかは、ソルダーレジスト被膜を形成するための光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とからなる液状組成物における希釈剤や樹脂固形分、無機フィラー等の含有率を適宜変えることにより、液状組成物の表面張力、粘性等を変えれば選択的に形成することが可能である。
【0065】
そして、前記のようなプリント配線板1の各回路パターンの電気的チェックを行なう場合には、図6にて説明したと同様に、先ず、真空ポンプ等の吸引手段を備えた吸引装置12上にプリント配線板1を載置するとともに、吸引手段を介してプリント配線板1を矢印A方向(吸引方向)に吸引する。かかる吸引時、スルーホール5は、上下開口5Aよりも広い空洞7にてソルダーレジスト膜9A又は9Bを介して封止されており、従って、プリント配線板1は吸引固定装置12上に密着して吸引固定される。
【0066】
このとき、ソルダーレジスト被膜9A又は9Bは、スルーホール5の上下開口5Aよりも広く形成された空洞7に形成されており、吸引固定装置12による吸引時においてソルダーレジスト被膜9A又は9Bは空洞7よりも狭い下開口5Aから脱落することは全くない。
【0067】
そして、チェッカーによりプリント配線板1における各回路パターンの電気的チェックを行なう場合、チェッカーピン13が図7に示すようにスルーホール5の上開口5Aに立てられる。このとき、チェッカーピン13の形状は、その先端部がソルダーレジスト被膜9A、9Bに当接することのないような形状に形成されている。このように、プリント配線板1では、チェッカーのチェッカーピン13を直接スルーホール5の上開口5Aに立てることにより回路パターンの電気的チェックを効率的に行なうことが可能となるものである。
【0068】
また、プリント配線板1に形成された部品ランド11にチップ抵抗やコンデンサ、ICチップ等の電子部品14を搭載する場合には、前記のように吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定した状態を保持したまま、各部品ランド11上に半田ペーストが塗布形成された後、各部品ランド11とICチップ等の電子部品14の半田バンプ15とを位置決めするとともにリフロー処理を行なうことにより、ICチップ等の電子部品14等の電子部品を部品ランド11上に搭載するものである。このとき、ICチップ等の電子部品14が搭載される各部品ランド11は、吸引固定装置12による吸引方向(矢印A方向)とは反対方向側のプリント配線板1上に形成されており、従って、吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定しつつ各部品ランド11上にICチップ等の電子部品14を搭載するについて何等支障は生じることはない。
【0069】
次に、図8に基づいて第2変形例に係るプリント配線板1について説明する。図8に示す第2変形例に係るプリント配線板1は、スルーホール5の形状が、スルーホール5の上開口5Aを下開口5Aよりも大きく形成することにより、空洞7の存在しない傾斜孔(後述する)に形成されている点で前記図1、図6に示すプリント配線板1とは異なり、その他の構成については同一の構成を有する。以下、相違する点について説明する。
【0070】
図8に示すスルーホール5において、基板2の両面に臨むスルーホール5の上下開口の内、上開口5Aは下開口5Aよりも大きく形成され、上開口5Aから下開口5Aにいくに従って徐々に傾斜する傾斜孔16が形成されている。かかる傾斜孔16は、レーザ装置を使用してレーザ光線を基板2の上面側から照射することにより形成されるものであり、傾斜孔16の開口面積は基板の上側から下側にいくに従って徐々に小さくなっている。そして、係る傾斜孔16のほぼ中央位置には、前記図1、図6におけると同様、上方に円弧状に突出した突形状を有するソルダーレジスト被膜9が形成されている。
【0071】
そして、前記のようなプリント配線板1の各回路パターンの電気的チェックを行なう場合には、図6にて説明したと同様に、先ず、真空ポンプ等の吸引手段を備えた吸引装置12上にプリント配線板1を載置するとともに、吸引手段を介してプリント配線板1を矢印A方向(吸引方向)に吸引する。かかる吸引時、スルーホール5は、傾斜孔16にてソルダーレジスト膜9を介して封止されており、従って、プリント配線板1は吸引固定装置12上に密着して吸引固定される。
【0072】
このとき、ソルダーレジスト被膜9は、傾斜孔16のほぼ中央位置に形成されるとともに、矢印A方向とは反対方向に向かって円弧状に突出された突形状に形成されていることから、吸引固定装置12による吸引時においてソルダーレジスト被膜9はその突形状が平面状になる方向に変形されることとなり、上開口5Aよりも小さい下開口5Aから脱落することは全くない。
【0073】
そして、チェッカーによりプリント配線板1における各回路パターンの電気的チェックを行なう場合、チェッカーピン13が図8に示すようにスルーホール5の上開口5Aに立てられる。このとき、チェッカーピン13の形状は、その先端部がソルダーレジスト被膜9に当接することのないような形状に形成されている。このように、プリント配線板1では、チェッカーのチェッカーピン13を直接スルーホール5の上開口5Aに立てることにより回路パターンの電気的チェックを効率的に行なうことが可能となるものである。
【0074】
また、プリント配線板1に形成された部品ランド11にICチップ等の電子部品14等の電子部品を搭載する場合には、前記のように吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定した状態を保持したまま、各部品ランド11上に半田ペーストが塗布形成された後、各部品ランド11とICチップ等の電子部品14の半田バンプ15とを位置決めするとともにリフロー処理を行なうことにより、ICチップ等の電子部品14等の電子部品を部品ランド11上に搭載するものである。このとき、ICチップ等の電子部品14が搭載される各部品ランド11はソルダーレジスト被膜9が円弧状に突出する方向と同一方向側に配置され、換言すれば、各部品ランド11は、吸引固定装置12による吸引方向(矢印A方向)とは反対方向側のプリント配線板1上に形成されており、従って、吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定しつつ各部品ランド11上にICチップ等の電子部品14を搭載するについて何等支障は生じることはない。
【0075】
次に、図9に基づいて第3変形例に係るプリント配線板1について説明する。図9に示す第3変形例に係るプリント配線板1は、スルーホール5の形状が、スルーホール5の上開口5Aを下開口5Aよりも大きく形成することにより、空洞7の存在しない傾斜孔(後述する)に形成されている点、及び、傾斜孔に形成されるソルダーレジスト被膜9の形状が平面状、又は、下方に突形状である点で前記図1、図6に示すプリント配線板1とは異なり、その他の構成については同一の構成を有する。以下、相違する点について説明する。
【0076】
図9に示すスルーホール5において、基板2の両面に臨むスルーホール5の上下開口の内、上開口5Aは下開口5Aよりも大きく形成され、上開口5Aから下開口5Aにいくに従って徐々に傾斜する傾斜孔16が形成されている。かかる傾斜孔16は、レーザ装置を使用してレーザ光線を基板2の上面側から照射することにより形成されるものであり、傾斜孔16の開口面積は基板の上側から下側にいくに従って徐々に小さくなっている。そして、かかる傾斜孔16のほぼ中央位置には、前記図7におけると同様、平板状のソルダーレジスト被膜9A(図9中点線で示す)が形成されている。また、このソルダーレジスト被膜は、下方に円弧状に突出した突形状のソルダーレジスト被膜9B(図9中実線で示す)であってもよい。尚、このようにソルダーレジスト被膜を平板状に形成するか、又は、下方に突出した突形状に形成するかは、ソルダーレジスト被膜を形成するための光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とからなる液状組成物における希釈剤や樹脂固形分、無機フィラー等の含有率を適宜変えることにより、液状組成物の表面張力、粘性等を変えれば選択的に形成することが可能である。
【0077】
そして、前記のようなプリント配線板1の各回路パターンの電気的チェックを行なう場合には、図6にて説明したと同様に、先ず、真空ポンプ等の吸引手段を備えた吸引装置12上にプリント配線板1を載置するとともに、吸引手段を介してプリント配線板1を矢印A方向(吸引方向)に吸引する。かかる吸引時、スルーホール5は、傾斜孔16にてソルダーレジスト膜9A又は9Bを介して封止されており、従って、プリント配線板1は吸引固定装置12上に密着して吸引固定される。
【0078】
このとき、ソルダーレジスト被膜9A、9Bは、傾斜孔16のほぼ中央位置に形成されており、上開口5Aよりも小さい下開口5Aから脱落することは全くない。
【0079】
そして、チェッカーによりプリント配線板1における各回路パターンの電気的チェックを行なう場合、チェッカーピン13が図9に示すようにスルーホール5の上開口5Aに立てられる。このとき、チェッカーピン13の形状は、その先端部がソルダーレジスト被膜9A、9Bに当接することのないような形状に形成されている。このように、プリント配線板1では、チェッカーのチェッカーピン13を直接スルーホール5の上開口5Aに立てることにより回路パターンの電気的チェックを効率的に行なうことが可能となるものである。
【0080】
また、プリント配線板1に形成された部品ランド11にICチップ等の電子部品14等の電子部品を搭載する場合には、前記のように吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定した状態を保持したまま、各部品ランド11上に半田ペーストが塗布形成された後、各部品ランド11とICチップ等の電子部品14の半田バンプ15とを位置決めするとともにリフロー処理を行なうことにより、ICチップ等の電子部品14等の電子部品を部品ランド11上に搭載するものである。このとき、ICチップ等の電子部品14が搭載される各部品ランド11は、吸引固定装置12による吸引方向(矢印A方向)とは反対方向側のプリント配線板1上に形成されており、従って、吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定しつつ各部品ランド11上にICチップ等の電子部品14を搭載するについて何等支障は生じることはない。
【0081】
次に、図10に基づいて第4変形例に係るプリント配線板1について説明する。図10に示す第4変形例に係るプリント配線板1は、スルーホール5の上開口5Aと下開口5Aとを同一の大きさに形成してスルーホール5の形状を空洞7が存在しないストレート孔17に形成した点で、前記図1、図6に示すプリント配線板1とは異なり、その他の構成については同一の構成を有する。以下、相違する点について説明する。
【0082】
図10において、スルーホール5は、その上開口5Aと下開口5Aの大きさを共に同一の大きさに形成することによりストレート孔17に形成されており、かかるストレート孔17のほぼ中央位置には、前記図1、図6におけると同様、上方に円弧状に突出した突形状を有するソルダーレジスト被膜9が形成されている。
【0083】
尚、スルーホール5をストレート孔17に形成するには、スルーホール5の内部及び周縁に導体層4を形成するについてメッキ液をスルーホール5内部に効率良く循環させるべく被メッキ物であるプリント配線板を揺動させたり、微細な気泡によるエアレーションを行なったりする方法が知られている。また、添加剤としてカパラシドGS、カパラシドHL(シェーリング社製)あるいはCP−125(メルテックス社製)等をメッキ液中に含有する方法を兼ね合わせてもよい。
【0084】
そして、前記のようなプリント配線板1の各回路パターンの電気的チェックを行なう場合には、図6にて説明したと同様に、先ず、真空ポンプ等の吸引手段を備えた吸引装置12上にプリント配線板1を載置するとともに、吸引手段を介してプリント配線板1を矢印A方向(吸引方向)に吸引する。かかる吸引時、スルーホール5は、ソルダーレジスト膜9を介して封止されており、従って、プリント配線板1は吸引固定装置12上に密着して吸引固定される。
【0085】
このとき、ソルダーレジスト被膜9は、ストレート孔17のほぼ中央位置に形成されるとともに、矢印A方向とは反対方向に向かって円弧状に突出された突形状に形成されていることから、吸引固定装置12による吸引時においてソルダーレジスト被膜9はその突形状が平面状になる方向に変形されることとなり、下開口5Aから脱落する虞は殆どない。
【0086】
そして、チェッカーによりプリント配線板1における各回路パターンの電気的チェックを行なう場合、チェッカーピン13が図10に示すようにスルーホール5の上開口5Aに立てられる。このとき、チェッカーピン13の形状は、その先端部がソルダーレジスト被膜9に当接することのないような形状に形成されている。このように、プリント配線板1では、チェッカーのチェッカーピン13を直接スルーホール5の上開口5Aに立てることにより回路パターンの電気的チェックを効率的に行なうことが可能となるものである。
【0087】
また、プリント配線板1に形成された部品ランド11にICチップ等の電子部品14等の電子部品を搭載する場合には、前記のように吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定した状態を保持したまま、各部品ランド11上に半田ペーストが塗布形成された後、各部品ランド11とICチップ等の電子部品14の半田バンプ15とを位置決めするとともにリフロー処理を行なうことにより、ICチップ等の電子部品14等の電子部品を部品ランド11上に搭載するものである。このとき、ICチップ等の電子部品14が搭載される各部品ランド11はソルダーレジスト被膜9が円弧状に突出する方向と同一方向側に配置され、換言すれば、各部品ランド11は、吸引固定装置12による吸引方向(矢印A方向)とは反対方向側のプリント配線板1上に形成されており、従って、吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定しつつ各部品ランド11上にICチップ等の電子部品14を搭載するについて何等支障は生じることはない。
【0088】
次に、図11に基づいて第5変形例に係るプリント配線板1について説明する。図11に示す第5変形例に係るプリント配線板1は、スルーホール5の上開口5Aと下開口5Aとを同一の大きさに形成してスルーホール5の形状を空洞7が存在しないストレート孔17に形成した点、及び、ストレート孔17に形成されるソルダーレジスト被膜9の形状が平面状、又は、下方に突形状である点で、前記図1、図6に示すプリント配線板1とは異なり、その他の構成については同一の構成を有する。以下、相違する点について説明する。
【0089】
図11において、スルーホール5は、その上開口5Aと下開口5Aの大きさを共に同一の大きさに形成することによりストレート孔17に形成されており、かかるストレート孔17のほぼ中央位置には、前記図7、図9におけると同様、平板状のソルダーレジスト被膜9A(図11中点線で示す)が形成されている。また、このソルダーレジスト被膜は、下方に円弧状に突出した突形状のソルダーレジスト被膜9B(図11中実線で示す)であってもよい。
【0090】
尚、スルーホール5をストレート孔17に形成するには、スルーホール5の内部及び周縁に導体層4を形成するについてメッキ液をスルーホール5内部に効率良く循環させるべく被メッキ物であるプリント配線板を揺動させたり、微細な気泡によるエアレーションを行なったりする方法が知られている。また、添加剤としてカパラシドGS、カパラシドHL(シェーリング社製)あるいはCP−125(メルテックス社製)等をメッキ液中に含有する方法を兼ね合わせてもよい。また、このようにソルダーレジスト被膜を平板状に形成するか、又は、下方に突出した突形状に形成するかは、ソルダーレジスト被膜を形成するための光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とからなる液状組成物におけるそれぞれの比率を適宜変えることにより、液状組成物の表面張力、粘性等を変えれば選択的に形成することが可能である。
【0091】
そして、前記のようなプリント配線板1の各回路パターンの電気的チェックを行なう場合には、図6にて説明したと同様に、先ず、真空ポンプ等の吸引手段を備えた吸引装置12上にプリント配線板1を載置するとともに、吸引手段を介してプリント配線板1を矢印A方向(吸引方向)に吸引する。かかる吸引時、スルーホール5は、ソルダーレジスト膜9を介して封止されており、従って、プリント配線板1は吸引固定装置12上に密着して吸引固定される。
【0092】
このとき、ソルダーレジスト被膜9は、ストレート孔17のほぼ中央位置に形成されており、下開口5Aから脱落する虞は殆どない。
【0093】
そして、チェッカーによりプリント配線板1における各回路パターンの電気的チェックを行なう場合、チェッカーピン13が図11に示すようにスルーホール5の上開口5Aに立てられる。このとき、チェッカーピン13の形状は、その先端部がソルダーレジスト被膜9A、9Bに当接することのないような形状に形成されている。このように、プリント配線板1では、チェッカーのチェッカーピン13を直接スルーホール5の上開口5Aに立てることにより回路パターンの電気的チェックを効率的に行なうことが可能となるものである。
【0094】
また、プリント配線板1に形成された部品ランド11にICチップ等の電子部品14等の電子部品を搭載する場合には、前記のように吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定した状態を保持したまま、各部品ランド11上に半田ペーストが塗布形成された後、各部品ランド11とICチップ等の電子部品14の半田バンプ15とを位置決めするとともにリフロー処理を行なうことにより、ICチップ等の電子部品14等の電子部品を部品ランド11上に搭載するものである。このとき、ICチップ等の電子部品14が搭載される各部品ランド11は、吸引固定装置12による吸引方向(矢印A方向)とは反対方向側のプリント配線板1上に形成されており、従って、吸引固定装置12を介してプリント配線板1を吸引固定しつつ各部品ランド11上にICチップ等の電子部品14を搭載するについて何等支障は生じることはない。
【0095】
尚、(1)液状組成物は、光硬化性樹脂のみによって構成されていてもかまわない。(2)回路パターンの形成法は、サブトラクティブ法に限らずアディティブ法を用いることも出来る。(3)基板2は、多層プリント配線板を構成するものであっても良い。(4)スルーホールの内壁形状を基板の両面に臨む上下開口部よりも広い空洞を有するものとする他の手段として貫通孔の形成時において、上記形成とすることも可能である。等、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0096】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明は、基板に形成された導体層を有するスルーホールの内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜を形成することにより、プリント配線板における回路パターンの電気的チェックを行なう際に、回路パターン中に電気的チェック用のランドを設けることなく、プリント配線板を吸引固定しつつスルーホール内にチェッカーピンの先端部を挿入して電気的チェックを確実に行なうことができるとともに、光硬化性樹脂被膜がスルーホール内で脱落することを確実に防止することができるプリント配線板及びそのプリント配線板の製造方法を提供することができ、その産業上奏する効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリント配線板1を模式的に示す断面図である。
【図2】第1製造方法の手順を模式的に示す説明図である。
【図3】第2製造方法の手順を模式的に示す説明図である。
【図4】第3製造方法の手順を模式的に示す説明図である。
【図5】第4製造方法の手順を模式的に示す説明図である。
【図6】チェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図である。
【図7】第1変形例に係るプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図である。
【図8】第2変形例に係るプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図である。
【図9】第3変形例にプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図である。
【図10】第4変形例に係るプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図である。
【図11】第5変形例に係るプリント配線板1においてチェッカーピンにより行なわれる回路パターンの電気的チェックの状態、及び、プリント配線板1への電子部品の搭載状態を模式的に示す断面図である。
【図12】従来の両面プリント配線板のスルーホールを封止する前における状態を模式的に示す両面プリント配線板の断面図である。
【図13】従来の両面プリント配線板のスルーホールを封止した後における状態を模式的に示す両面プリント配線板の断面図である。
【符号の説明】
1 プリント配線板
2 両面基板
3 貫通孔
4 導体層
5 スルーホール
5A 上下開口
6 ランド
7 空洞
8、9 ソルダーレジスト被膜
10 ネガフィルム
Claims (6)
- 基板と、基板における所定箇所に形成された貫通孔と、貫通孔の内壁及び上下周縁部に導体層が形成されたスルーホールを有するプリント配線板において、
前記スルーホールの中央部分の内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜を形成し、
前記スルーホールの内壁形状は前記基板の両面に臨むスルーホールの上下開口部よりも広い空洞に形成されたことを特徴とするプリント配線板。 - 前記光硬化性樹脂被膜は前記スルーホール内で一方の側に突出された突形状に形成され、光硬化性樹脂被膜の突側と同一側の基板面上に電子部品が搭載されたことを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
- 基板と、基板における所定箇所に形成された貫通孔と、貫通孔の内壁及び上下周縁部に導体層が形成されたスルーホールを有するプリント配線板において、
前記スルーホールの中央部分の内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜を形成し、
前記光硬化性樹脂被膜は前記スルーホール内で一方の側に突出された突形状に形成され、光硬化性樹脂被膜の突側と同一側の基板面上に電子部品が搭載されたことを特徴とするプリント配線板。 - 基板と、基板における所定箇所に形成された貫通孔と、貫通孔の内壁及び上下周縁部に導体層が形成されたスルーホールを有するプリント配線板において、
前記スルーホールの中央部分の内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜を形成し、
前記スルーホールの内壁形状は前記基板の両面に臨むスルーホールの上下開口部の内一方の開口部を他方の開口部よりも大きく形成することにより一方の開口部から他方の開口部にいくに従って傾斜する傾斜孔に形成されるとともに、一方の開口部が存在する基板面上に電子部品が搭載されたことを特徴とするプリント配線板。 - 前記光硬化性樹脂被膜は前記基板の電子部品搭載面の側に向かって突形状に形成されていることを特徴とする請求項4記載のプリント配線板。
- 基板に貫通孔を形成するとともに、貫通孔の内壁及び周縁部に導体層を形成してスルーホールを設ける第1工程と、
前記基板の一面側から光硬化性樹脂を塗布し、光硬化性樹脂が前記スルーホールの一部に侵入するように光硬化性樹脂にてスルーホールを覆う第2工程と、 前記基板の他面側から前記スルーホール内に光を照射してスルーホール内の光硬化性樹脂の一部を硬化させるとともに未硬化の光硬化性樹脂を除去することによりスルーホールの内壁に密着してスルーホールを封止する光硬化性樹脂被膜を形成する第3工程とからなるプリント配線板の製造方法。
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