JP3624423B2 - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ランド部に対応する位置が高精度に形成された開口部を有するソルダーレジスト層および絶縁層が形成されてなるプリント配線板およびその製造方法に係わり、詳細には微細な配線回路の形成を可能とし、且つ導電性の精度が高いビルドアップ多層プリント配線板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、楽器、オーディオ機器を中心に銀ジャンパー基板、銅ジャンパー基板といった、導電インクを用いてスクリーン印刷法によって形成するビルドアップ多層プリント配線板が広く用いられている。上記ビルドアップ多層プリント配線板を形成する方法としては、次のような方法が挙げられる。先ず、図12に示すような、基板101上に形成され、銅箔よりなり所定の回路パターンを有する第1の導電層102上に、マスキングすべき部分にゾルを保有せしめたメッシュ状のスクリーンを介してスクリーン印刷機により印刷する、いわゆるスクリーン印刷法によりソルダーレジストインクを印刷し、これを硬化せしめて図13に示すように第1の導電層102および基板101上に所定のパターンを有するソルダーレジスト層103を形成する。次に、やはりスクリーン印刷法により絶縁インクを印刷して図14に示すような所定のパターンを有する第1の絶縁層104を、同様に図15に示すような第1の絶縁層104と同一のパターンを有する第2の絶縁層105を順次形成する。そしてさらに、スクリーン印刷法により導電インクを印刷し、図16に示すような所定のパターンを有する第2の導電層106を形成してビルドアップ多層プリント配線板を完成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、電子機器の配線回路の高密度化、高精度化にともない、プリント配線板、例えば上記のようなビルドアップ多層プリント配線板においても、より配線回路密度の高い仕様が要求されるようになってきている。ところが、上記ビルドアップ多層プリント配線板は、スクリーン印刷法を使用して製造しているため、配線回路密度を高めることが困難である。これは、以下に述べるような理由によるものである。
【0004】
上記スクリーン印刷法においては、スクリーンの開口部(マスキングしない部分)の端、すなわちインクの出る「きわ」と、印刷しようとする面に形成されている段差が一致すると、印刷時にインクが滲んでしまう。このように、インクの出るきわと印刷しようとする面の段差が一致しないようにするためには、スクリーンの開口部の端を上記段差に乗り上げるようにするか、もしくは達しないようにする必要がある。なお、スクリーン印刷法の合い精度は位置合わせ精度およびスクリーンの伸び縮みを考慮すると0.15mmが限界である。
【0005】
そこで、例えば、ビルドアップ多層プリント配線板の一種である銅ペーストジャンパー基板においては、図17に示すように、第1の導電層のはんだ付け用ランド112の近傍において、はんだ付け用ランド112の端部112aにソルダーレジスト層113の端部113aが達しないようにしており、その間の距離d1 が0.15mmとなるようにソルダーレジスト層113を形成し、その上に絶縁層114,第2の導線層116を形成する際にも、その端部114a,116aとその下層の端部との距離が0.15mmとなるようにしている。すなわち、はんだ付け用ランド112の端部112aと絶縁層114の端部114a間の距離d2 は0.30mm、はんだ付け用ランド112の端部112aと第2の導電層116の端部116a間の距離d3 は0.45mmとなる。従って、はんだ付け用ランド112の近傍には0.45mmの余分な空間が形成されることとなる。
【0006】
また、図18に示すように、第1の導電層のコネクションランド122の近傍においては、確実に絶縁性を確保するためにコネクションランド122の端部122aにソルダーレジスト層123の端部123aが乗り上げるようにしており、この際にもコネクションランド122の端部122aとソルダーレジスト層123の端部123aの距離d4 (乗り上げている部分の距離)が0.15mmとなるようにしている。従って、上記銅ペーストジャンパー基板においてコネクションランド122の最終的な直径φ2 を0.6mmとするためには、第1の導電層形成時のコネクションランド122の直径φ3 を0.9mmとしなければならず、第1の導電層中に余分な部分が形成されることとなる。
【0007】
すなわち、上記のようにビルドアップ多層プリント配線板においては、高精度なソルダーレジスト層、絶縁層、導電層を形成することは困難であり、スクリーン印刷時のインクの滲みを回避するために、余分な空間および導電層中の余分な部分を形成する必要があり、配線回路の高密度化、高精度化には限界がある。
【0008】
また、ソルダーレジストインク、絶縁インク、導電インクとして、比較的高粘度のものを使用すると、インクのかすれや網目によるピンホール、或いは上記第1の導電層の配線回路のエッジ部や、各層間の段差部における被覆不良等が発生し、上記ソルダーレジスト層、絶縁層、導電層が良好に形成されないといった問題が起こる。また、上記ソルダーレジストインク、絶縁インク、導電インクとして、比較的低粘度のものを使用すると、スクリーンのマスキング用ゾルの下部にインクが廻り込み、インクの滲みやブリードアウト、ダレといった不都合が生じてしまう。このようなことからも、上記のようなビルドアップ多層プリント配線板においては、配線回路の高密度化,高精度化が困難である。
【0009】
そこで本発明は、かかる従来の実状に鑑みて提案されたものであって、配線回路の高密度化、高精度化を図りつつ、従来のスクリーン印刷法によるプリント配線板と同等の大量生産性を有するプリント配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、複数のランド部を有する第1の導電層がパターン形成された基板上に、端面がランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層が形成され、ソルダーレジスト層を覆い、ランド部の端面とソルダーレジスト層の端面との間に第1の絶縁層が形成され、第1の絶縁層上に第2の絶縁層が形成され、ランド部及び第2の絶縁層上にランド部間を電気的に接続する第2の導電層が形成され、第1の絶縁層の端面は、ランド部の端面に当接され、第2の絶縁層の端面と略面一であることを特徴とするものである。
【0011】
さらに本発明のプリント配線板の製造方法は、複数のランド部を有する第1の導電層がパターン形成された基板上に、端面が上記ランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層を形成し、ランド部及びソルダーレジスト層を覆い、表面が平坦となるように基板上の全面に第1の絶縁層を形成し、第1の絶縁層上に、ランド部と対応する位置に開口部を有する第2の絶縁層をパターン形成し、第1の絶縁層を可溶可能な現像液で開口部から露呈する第1の絶縁層を溶解させて、ランド部上の第1の絶縁層を除去し、ランド部と対応する位置に開口部を形成し、第1の絶縁層の開口部の内周壁と上記第2の絶縁層の開口部の内周壁とを略面一に形成し、ランド部上及び第2の絶縁層上に、ランド部間を電気的に接続する第2の導電層を形成することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
本発明では、ランド部を有する第1の導電層上に、端面がランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層を形成し、基板上の全面に現像液に可溶な材料よりなる第1の絶縁層をその表面が平坦面となるように形成し、第1の絶縁層によって形成された平坦な面に、ランド部に対応する位置に開口部を有する第2の絶縁層を形成するため、第2の絶縁層を形成する絶縁インクを印刷する際のインクのかすれや、ピンホール、あるいは印刷面に凹凸が存在する場合にみられるようなエッジ部における被覆不良等が発生しない。また、印刷面が段差のない平坦面であるため、絶縁インクを印刷する際に段差とインクのでる「きわ」が一致することによるインクの滲みや、ダレが生じる恐れがなく、第2の絶縁層は精度良好に形成される。そして、第2の絶縁層の開口部内に露呈する第1の絶縁層を現像液で溶かし出し、第1の導電層のランド部に貫通する開口部を形成するため、第1の絶縁層も第2の絶縁層と同等の精度をもって形成され、且つ第1の絶縁層の開口部の内周壁と第2の絶縁層の開口部の内周壁とが略面一となる。
また、本発明では、第1の絶縁層の端面がランド部の端面に当接され、且つ第1の絶縁層の開口部の内周壁と第2の絶縁層の開口部の内周壁とが略面一であることから、ランド部の上面全体が第2の導電層と接するようになり、ランド部と第2の導体層との電気的接続が良好となる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明がこの実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0014】
本実施例のプリント配線板は、図1に示すように、基板1の一主面上に、第1の導電層2、ソルダーレジスト層3、第1の絶縁層4、第2の絶縁層5、第2の導電層6が順次積層されてなるものである。上記第1の導電層は、銅箔よりなり、部品をはんだ付けにより搭載するためのはんだ付け用ランド2aおよび他回路との接続を行うためのコネクションランド2bを有し、所定の配線回路を有するものである。そして、ソルダーレジスト層3は、はんだ付け用ランド2a以外のはんだ付けの必要のない部分にマスクをする、コネクションランド2bとこれに隣接する回路の絶縁性を確保するために形成されるものである。また、第1の絶縁層4および第2の絶縁層5は、その上に形成される第2の導電層6と第1の導電層2間の短絡を防ぐために設けられるものである。
【0015】
そして、本実施例のプリント配線板においては特に、はんだ付けランド2aへの部品搭載及びコネクションランド2b間の接続を行うために、コネクションランド2bと対応する位置に積層された第1の絶縁層4と第2の絶縁層5とに開口部が設けられている。このプリント配線板では、第1の絶縁層4に設けられた開口部の第1の絶縁層4の端面からなる内周壁4a、4b、4cと、第2の絶縁層5に設けられた開口部の第2の絶縁層5の端面からなる内周壁5a、5b、5cとが略面一となっている。
【0016】
次に、本実施例のプリント配線板の製造方法について説明する。
本実施例のプリント配線板の製造方法においては、まず、図2に示すように、基板1の一主面1a上に、銅箔よりなり、部品をはんだ付けにより搭載するためのはんだ付け用ランド2aおよび他回路との接続を行うためのコネクションランド2b、その他回路構成部2cを有し、所定の配線回路を有する第1の導電層2を形成する。
【0017】
そして、図3に示すように、基板1および第1の導電層2上に所定のパターンを有するソルダーレジスト層3を形成する。該ソルダーレジスト層3は、端面がコネクションランド2bの端面と接することなく、コネクションランド2bの端面と所定の間隔をもったパターンとなるようにソルダーレジストインクをスクリーン印刷法により印刷し、硬化させて形成されるものである。ソルダーレジスト層3は、図3中に示すように、はんだ付け用ランド2a以外のはんだ付けの必要のない部分にマスクをする、即ちコネクションランド2bとこれに隣接する回路の絶縁性を確保するようなパターンを有して形成される。
【0018】
なお、上記ソルダーレジスト層3を形成するソルダーレジストインクとしては、市販のものを用いることができ、通常の紫外線硬化型インク,熱硬化型インクが挙げられ、場合によっては写真現像型の液状フォトソルダーレジストインクを用いても良い。
【0019】
上記紫外線硬化型インクの例としては、タムラ化研社製のUSR−2G、太陽インキ製造社製のUVR−150G(何れも商品名)等が挙げられ、これらに紫外線コンベア炉等により紫外線を1000mj/cm2 程度照射して硬化させることにより、ソルダーレジスト層として十分な特性を有する硬化塗膜を得ることができる。また、上記熱硬化型インクの例としては、タムラ化研社製のSR−60G,SR−80G、太陽インキ製造社製のS−222,S−22(何れも商品名)等が挙げられ、これらをボックスオーブン炉,ウィケット炉等により130〜160℃,10〜60分の条件で加熱して硬化させることにより、ソルダーレジスト層として十分な特性を有する硬化塗膜を得ることができる。そして、上記写真現像型のフォトソルダーレジストインクとしては、タムラ化研社製DSR−2200、太陽インキ製造社製PSR−4000、関西ペイント社製PW−1000(何れも商品名)等が挙げられる。
【0020】
次に、図4に示すように第1の導電層2およびソルダーレジスト層3の形成される基板1全面に第1の絶縁層4を形成する。上記第1の絶縁層4は、所定の現像液に可溶な絶縁インクにより構成され、上記絶縁インクを塗布した後、指触乾燥して形成される。このとき、上記現像液は第1の絶縁層4を構成する絶縁インクを溶解可能であり、且つ後述の第2の絶縁層を構成する絶縁インクは溶解不可能であることが必要である。なお、本実施例においては、上記現像液をアルカリ性溶液とした場合を例にとり説明する。
【0021】
上記第一の絶縁層4を構成する絶縁インクとしては、市販品が使用可能であり、通常のマレイン酸変性ロジン、スチレン−マレイン酸系樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、フェノール樹脂等を主成分とした各種エッチングレジストインクが挙げられる。
【0022】
このうち、熱により指触乾燥可能な絶縁インクとしては、例えば山栄化学社製のSER−400シリーズ,SER−410シリーズ,SER−420シリーズ,SER−423シリーズ(何れも商品名)、サンワ化学工業社製のDA−110B,DA−110C,DA−200B,DA−250C,DA−30,DA−262C(何れも商品名)、アサヒ化学研究所社製のWR−520,WR−70(何れも商品名)等が挙げられる。
【0023】
一方、紫外線により指触乾燥可能な絶縁インクとしては、例えば山栄化学社製のSER−1400,SER−1405、SER−1406(何れも商品名)、太陽インキ製造社製のX−66,X−77,X−87(何れも商品名)、サンワ化学工業社製のUE−7000(商品名)、タムラ化研社製のUR−460B,UR−570B(何れも商品名)等が挙げられ、これらは何れも強アルカリ性溶液(例えばNaOH、pH=14)に可溶なものである。なお、弱アルカリ性溶液に可溶なものとしては、太陽インキ製造社製のTGR−100シリーズ(商品名)が挙げられる。
【0024】
また、上記のような絶縁インクを調整することも、もちろん可能である。上記絶縁インクは、該絶縁インクの塗膜が熱または紫外線等で指触乾燥でき、アルカリ性溶液等の現像液に可溶であり、加熱により硬化し、不溶化する絶縁性のインクであれば良い。さらに、上記絶縁インクにおいては、解像性が不十分であるために第1の導電層2のはんだ付け用ランド2a上に絶縁インクが残留してしまった場合、後工程ではんだ付けにより部品を搭載することが不可能となり、プリント配線板として実用に供さなくなってしまうため、良好な解像度が要求される。また、上記絶縁インクにおいては、第1の導電層2と後述の第2の導電層間の絶縁を図るために硬化後の良好な絶縁性が要求される。
【0025】
そして、このような特性を満たす組成物の一例としては、現像性を発現させるスチレン−マレイン酸系樹脂、紫外線で硬化され指触乾燥可能なアクリルモノマー、熱で硬化され耐熱性の高い塗膜を形成するノボラック型エポキシ樹脂を含むものが挙げられる。
【0026】
次に、図5に示すように、第1の絶縁層4上に第2の絶縁層5を形成する。上記第2の絶縁層5は、絶縁インクにより構成され、該絶縁インクをスクリーン印刷法により所定のパターンを有して印刷して硬化させて形成されるものである。なお、上記所定のパターンは、第1の導電層2のはんだ付け用ランド2aおよびコネクションランド2bに対応する位置にそれぞれ開口部7,8を有するものである。
【0027】
そして、上記絶縁インクとしては、ソルダーレジスト層または層間絶縁層構成材料として一般的に用いられる市販の紫外線硬化型インクを用いることができる。この場合、熱硬化型インクを用いることはできない。これは以下の理由によるものである。後工程では、上記第2の絶縁層5をマスクとして介し、アルカリ性溶液で第1の絶縁層4の不要な部分を溶解除去し、続いて熱により残留した第1の絶縁層を硬化させる。このとき、第2の絶縁層5を熱硬化型インクにより構成すると、第2の絶縁層5を硬化させる工程で第1の絶縁層4全体が硬化してしまい、第1の絶縁層5の不要部分の除去が不可能となってしまうためである。
【0028】
上記絶縁インクとしては、アクリル樹脂もしくはアクリル化合物を主成分とするタムラ化研社製USR−2G,USR−11(何れも商品名)、太陽インキ製造社製UVR−150,SGR−100,MF−200,MF−100,サンワ化学工業社製UR−3040,UR−3100,FU−5000(何れも商品名)、アサヒ化学研究所社製UVR−8500,UVM−801(何れも商品名)等が挙げられ、また、これらのインクをベースに、紫外線で硬化する範囲であれば改質の目的で樹脂、フィラー、希釈剤を加えても良い。
【0029】
そして、上記のような絶縁インクの硬化は、通常の紫外線硬化型のソルダーレジストインクを硬化させる方法と同様の方法で行うことができる。すなわち、コンベア紫外線炉等により、紫外線を1000〜1500mj/cm2 程度照射し硬化せしめればよい。
【0030】
このとき、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、図4に示すように、第1の導電層2およびソルダーレジスト層3の形成された基板1の全面を覆うようにして第1の絶縁層4を形成しており、図5に示すような第2の絶縁層5を形成するために絶縁インクを印刷する印刷面は、第1の絶縁層4により第1の導電層2とソルダーレジスト層3による凹凸が吸収されて平坦化された面となる。従って、絶縁インクを印刷する際のインクのかすれや、ピンホール、あるいは印刷面に凹凸が存在する場合にみられるようなエッジ部における被覆不良等が発生しない。また、印刷面が段差のない平坦面であるため、絶縁インクを印刷する際に段差とインクのでる「きわ」が一致することによるインクの滲みや、ダレが生じる恐れがなく、第2の絶縁層5は精度良好に形成され、配線回路も高精度に形成される。
【0031】
すなわち、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、第2の絶縁層5を形成する際、例えば第1の導電層2のはんだ付け用ランド2aおよびコネクションランド2bに対応する位置にそれぞれ形成される開口部7,8の形成位置をインクの滲みを考慮したものとする必要がない。従って、第1の絶縁層および第2の絶縁層の形成位置をインクの滲みを考慮したものとしていた従来のプリント配線板の製造方法よりも、同一の回路を形成するために必要とされる面積が少なくなり、配線回路密度を向上させることができる。
【0032】
なお、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、ソルダーレジスト層3をソルダーレジストインク、第1の絶縁層4および第2の絶縁層5を絶縁インクを用い、印刷法にて形成しているため、十分な生産性が確保される。
【0033】
次に、図6に示すように、第2の絶縁層5をマスクとして介し、該第2の絶縁層5の開口部7,8から露呈している第1の絶縁層4を、現像液である所定のアルカリ性溶液により溶解させて(現像させて)、第1の導電層2およびソルダーレジスト層3の形成される基板1上に所定のパターンを有する第1の絶縁層4および第2の絶縁層5を形成する。なお、開口部7,8の第1の絶縁層4および第2の絶縁層5の内周壁4c,5c、4a,5a、4b,5bはそれぞれ略面一となる。従って、第1の絶縁層も第2の絶縁層と同等の精度をもって形成されることとなり、配線回路の高精度,高密度化が達成される。そして、第1の絶縁層4の絶縁信頼性を向上するため加熱を行い、第1の絶縁層4を硬化させる。
【0034】
このとき、本実施例においては、第1の導電層2上にソルダーレジスト層3が形成されており、第1の絶縁層4の現像の際にアンダーカットを生じることはなく、隣接パターンの被覆不良が生じない。
【0035】
次に、図1中に示すような、第2の導電層6を形成する。該第2の導電層6の形成方法としては公知の方法が用いられる。例えば、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペーストのような導電インクをスクリーン印刷法を用いて所定のパターンに印刷して形成する方法や、銅箔をパネルメッキにより全面メッキし、エッチングにより所定のパターンを形成するといった方法を用いることができる。また、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、第2の導電層6上に保護層として、絶縁ペーストをオーバーコートしても良い。
【0036】
次に、本実施例のプリント配線板およびその製造方法の効果を確認すべく、以下のように、本実施例のプリント配線板の製造方法および従来のプリント配線板の製造方法に従って実際に各種プリント配線板を形成した。なお、この際、第2の絶縁層までを形成するものとし、各プリント配線板における第1および第2の絶縁層のパターンの形成精度を比較した。
【0037】
ここで製造するプリント配線板であるが、第1の導電層により形成される配線回路内に、はんだ付け用ランドおよびコネクションランドを有し、これらとソルダーレジスト,第1の絶縁層,第2の絶縁層,第2の導電層の関係が以下に示すような設計基準を有するものとした。
【0038】
すなわち、はんだ付け用ランド近傍においては、図7に示すように、はんだ付け用ランド12と隣接回路22の絶縁性を確保するために形成されるソルダーレジスト13の端部13aとはんだ付け用ランド12の端部12a間の距離D1 を0.15mmとし、はんだ付け用ランド12の端部12aと第1の絶縁層14および第2の絶縁層15の端部14a,15a間の距離を0mmとした。なお、はんだ付け用ランド12と隣接回路22間の距離は、0.3mmとした。
【0039】
一方、コネクションランド近傍においては、図8に示すように、コネクションランド32の直径φ1 を0.6mmとし、コネクションランド32の端部32aとソルダーレジスト13の端部13b間の距離D2 を0.15mmとし、コネクションランド32の端部32aと第1の絶縁層14および第2の絶縁層15の端部14b,15b間の距離を0mmとした。
【0040】
先ず、上述の本実施例のプリント配線板の製造方法に従って、上記のような設計基準を有するプリント配線板実施サンプル1およびプリント配線板実施サンプル2を製造した。
【0041】
先にプリント配線板実施サンプル1の製造について述べる。先ず、銅箔よりなる所定の配線回路(第1の導電層)が形成された基板である銅張積層板(日立化成工業社製のMCL−437F(商品名)、板厚1.2mm(銅箔厚35μm),334mm,251mm)に、上記設計基準に基づいたパターンの形成されたスクリーン印刷版(テトロン200メッシュ、乳剤20μm)を介してソルダーレジストインクを印刷し、紫外線照射により硬化させてソルダーレジスト層を形成した。このとき、上記ソルダーレジストインクとしてはタムラ化研社製のUSR−2G(商品名)を使用し、印刷機としてはニューロング精密工業社製のLS−50(商品名)を使用し、ソルダーレジシトインクを硬化させるためのコンベア紫外線炉としてはオーク社製のHMW−713(商品名)を使用し、紫外線照射量は1200mj/cm2 とした。
【0042】
次に、第1の導電層,ソルダーレジスト層の形成される基板全面にその表面が平坦面となるように絶縁インクを塗布し、加熱により絶縁インクを指触乾燥させて、第1の絶縁層を形成した。このとき、絶縁インクとしてサンワ化学工業社製のDA−180C(商品名)を用い、印刷機としてニューロング精密工業社製のLS−50を用い、テトロン100メッシュ,乳剤10μmのスクリーンを介して上記絶縁インクを塗布した。なお、加熱による指触乾燥は、タバイエスペック社製のPHH−200(商品名)なる箱形炉内で、80℃、3分間の条件で行った。
【0043】
次いで、上記第1の絶縁層上に所定のパターンを有して絶縁インクを印刷し、紫外線照射により硬化させて、所定のパターンを有する第2の絶縁層を形成した。このとき、絶縁インクとしてタムラ化研社製のUSR−11G(商品名)を用い、印刷機としてニューロング精密工業社製のLS−50を用い、所定のパターンの形成されたスクリーン(テトロン250メッシュ、乳剤20μm)を介して上記絶縁インクを塗布した。なお、紫外線照射による硬化は、オーク社製のHMW−713(商品名)なる紫外線炉にて1000mj/cm2 で行った。なお、上記第2の絶縁層のパターン中には、上記第1の導電層中のはんだ付け用ランドおよびコネクションランドに対応する位置に開口部が設けられていることは言うまでもない。
【0044】
そして、第2の絶縁層の開口部より露呈している第1の絶縁層を溶かし出し(現像し)、加熱により第1の絶縁層を硬化して所定のパターンを有する第1の絶縁層および第2の絶縁層を形成した。このとき、現像液として1%水酸化ナトリウム溶液を用い、加熱による第1の絶縁層の硬化は、タバイエスペック社製のPHH−200(商品名)なる箱形炉にて150℃,60分の条件で行った。
【0045】
次に、プリント配線板実施サンプル2の製造について述べる。上述のプリント配線板実施サンプル1においては、第1の絶縁層を形成する絶縁インクとして加熱により指触乾燥し、アルカリ性溶液により現像するものを用いたが、プリント配線板実施サンプル2においては、第1の絶縁層を形成する絶縁インクとして紫外線照射により指触乾燥され、弱アルカリ溶液で現像されるものを用いた。
【0046】
上記プリント配線板実施サンプル2を製造するにあたっても、上述のプリント配線板実施サンプル1と同様に、銅箔よりなり所定の配線回路を有する第1の導電層の形成される基板に、所定のパターンを有するソルダーレジスト層を形成した。
【0047】
そして、上記基板全面にその表面が平坦面となるようにスクリーン印刷法により絶縁インクを塗布し、紫外線照射により絶縁インクを指触乾燥させて、第1の絶縁層を形成した。このとき、絶縁インクとして、以下のように調整されたものを用いた。
【0048】
すなわち、先ず、スチレン−マレイン酸系樹脂(アーコケミカル社製 SMA−1440(商品名))100gを、2−ヒドロキシエチルアクリレート68g,ジメチルアミノエチルメタアクリレート12g,エチレングリコールジアクリレート40gに溶解して溶解物Aを用意した。次に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製 N−695(商品名))100gをイソボニルアクリレート100gに溶解して溶解物Bを用意した。そして、溶解物Aを33.3重量%,溶解物Bを33.3重量%,2MZA(四国化成工業社製)を2.9重量%,2−エチルアントラキノンを2.9重量%,CTBN(宇部興産社製)を7.6重量%,クレーを20.0重量%の割合で混合し、絶縁インクを得た。
【0049】
なお、絶縁インクの紫外線硬化は、オーク社製のHMW−713(商品名)なるコンベア紫外線炉にて1200mj/cm2 照射して行った。
【0050】
次に、第2の絶縁層を形成すべく、絶縁インクとして太陽インキ製造社製のSGR−100(商品名)を用い、所定のパターンの形成されるテトロン300メッシュ,乳剤12μmのスクリーンを介して上記絶縁インクを印刷し、コンベア紫外線炉にて紫外線を1000mj/cm2 照射し、上記絶縁インクを硬化させた。
【0051】
次いで、第2の絶縁層の開口部より露呈している第1の絶縁層を溶かし出し(現像し)、加熱により第1の絶縁層を硬化して所定のパターンを有する第1の絶縁層および第2の絶縁層を形成した。このとき、現像液として1%炭酸ナトリウム溶液を用い、加熱による第1の絶縁層の硬化は、タバイエスペック社製のPHH−200(商品名)なる箱形炉にて150℃,40分の条件で行った。
【0052】
さらに、比較のために製造したプリント配線板比較サンプル1について述べる。なお、上記プリント配線板比較サンプル1は、第1の絶縁層を従来の印刷法により形成したものである。
【0053】
プリント配線板比較サンプル1を製造するにあたっても、プリント配線板実施サンプル1と同様に、銅箔よりなり所定のパターンを有する第1の導電層の形成された基板上に所定のパターンを有するソルダーレジスト層を形成した。
【0054】
そして、上記基板上に所定のパターンを有する第1の絶縁層を形成した。このとき、絶縁インクとしてサンワ化学工業社製のDA−180C(商品名)を用い、所定のパターンの形成されたテトロン300メッシュ,乳剤12μmのスクリーンを介して上記絶縁インクを印刷し、タバイエスペック社製のPHH−200(商品名)なる箱形炉内で、80℃、3分間の条件で指触乾燥を行った。
【0055】
次に、上記第1の絶縁層上に所定のパターンを有する第2の絶縁層を、プリント配線板実施サンプル1と同様に、絶縁インクとしてタムラ化研社製のUSR−11G(商品名)を用いて印刷し、箱型炉で150℃,30分加熱して形成した。
【0056】
また、比較のために製造したプリント配線板比較サンプル2の製造についても述べる。なお、上記プリント配線板比較サンプル2は、プリント配線板実施サンプル2に類似した例であるが、ソルダーレジスト層を形成せず、第1の導電層および基板上に直接第1の絶縁層を形成したものである。
【0057】
プリント配線板比較サンプル2を製造するにあたっても、プリント配線板実施サンプル1と同様に、図9に示すように、銅箔よりなり所定のパターンを有する第1の導電層42を基板41上に形成した。そして、図10に示すように、基板41全面に第1の絶縁層44をプリント配線板実施サンプル2と同様に形成した。さらに、上記第1の絶縁層44上に所定のパターンを有する第2の絶縁層を形成し、図11に示すように第2の絶縁層の開口部から露呈している第1の絶縁層の現像を行い、加熱硬化させて所定のパターンを有する第1の絶縁層および第2の絶縁層を形成した。
【0058】
以上のようにして製造されたプリント配線板実施サンプル1,2およびプリント配線板比較サンプル1,2のはんだ付けランド近傍およびコネクションランド近傍を10倍のルーペを用いて観察し、第1および第2の絶縁層のパターンのうち開口部の形成精度、隣接回路の状態を評価した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1の結果から、プリント配線板実施サンプル1,2においては第1および第2の絶縁層の開口部の形成精度および隣接回路の状態は非常に良好であった。これは、本実施例のプリント配線板の製造方法により製造されるプリント配線板実施サンプル1,2においては、製造時、第2の絶縁層を形成すべく絶縁インクを印刷する面である第1の絶縁層表面が平坦面となされているため、第2の絶縁層を形成する絶縁インクの印刷が精度良好になされ、第2の絶縁層が精度良好に形成され、かつ第1の絶縁層も第2の絶縁層と同等の精度をもって形成されるためである。従って、本実施例のプリント配線板の製造方法により製造される本実施例のプリント配線板においては、配線回路の高精度化が達成されることが確認された。
【0061】
一方、プリント配線板比較サンプル1においては第1および第2の絶縁層の開口部がふさがっていた。これは、第1および第2の絶縁層を形成するために絶縁インクを印刷した際に滲みが発生したためと考えられる。また、プリント配線板比較サンプル2においては、図11中にも示すように、コネクションランド42bの隣接回路42cの一部が露出してしまうといった不都合が生じていた。これは、該プリント配線板比較サンプル2においては、第1の導電層42上にソルダーレジスト層が形成されておらず、第1の絶縁層44を現像する際にアンダーカットを生じるためと考えられる。
【0062】
ところで、上記のような設計基準のプリント配線板においては、図7中に示すように、はんだ付け用ランドの近傍に必要とされる余分な空間は距離D1 (0.15mm)の空間のみである。これに対し、従来のプリント配線板においては、図17中に示すようにはんだ付けランド近傍に必要とされる余分な空間は距離d3 (0.45mm)の空間である。また、上記のような設計基準のプリント配線板においては、図8中に示すように、直径φ1 (0.6mm)のコネクションランド32を形成するには直径0.6mmの配線回路を形成すれば良いが、従来のプリント配線板においては、図18中に示すように、直径φ2 (0.6mm)のコネクションランド122を形成するには直径0.9mmの配線回路を形成する必要がある。
【0063】
従って、上記のような設計基準のプリント配線板においては、余分な空間や導電層の余分な部分を形成する必要がなく、配線回路の高密度化を達成することができる。このとき、上述のように、プリント配線板実施サンプル1,2においては、上記のような設計基準のプリント配線板が精度良好に形成されており、本実施例のプリント配線板の製造方法により製造される本実施例のプリント配線板においては、配線回路の高密度化が達成されることが確認された。
【0064】
また、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、ソルダーレジスト層,第1の絶縁層,第2の絶縁層をそれぞれインクを用いて印刷法により形成しているため、十分な生産性が確保される。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、複数のランド部を有する第1の導電層がパターン形成された基板上に、端面がランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層が形成され、ソルダーレジストを覆い、ランド部とソルダーレジストとの間に介在する第1の絶縁層が形成され、第1の絶縁層上に第2の絶縁層が形成され、ランド部及び第2の絶縁層上にランド部間を電気的に接続する第2の導電層が形成されており、第1の絶縁層の端面がランド部の端面に当接され、第2の絶縁層の端面と面一である。これにより、本発明では、ランド部の上面全体が第2の導電層に接するため、ランド部と第2の導電層との電気的接続が良好となり、高精度化が図られ、配線密度を向上させることができる。
【0066】
さらに、本発明のプリント配線板の製造方法においては、ランド部を有する導電層上に、ランド部に対応する位置に開口部を有するソルダーレジスト層を形成し、上記ソルダーレジスト層上に現像液に可溶の材料よりなる第1の絶縁層をその表面が平坦面となるように形成し、上記のように平坦面である第1の絶縁層上に、ランド部に対応する位置に開口部を有し上記現像液に不溶な材料よりなる第2の絶縁層を形成するため、第2の絶縁層を形成する絶縁インクを印刷する際のインクのかすれや、ピンホール、あるいは印刷面に凹凸が存在する場合にみられるようなエッジ部における被覆不良等が発生しない。また、印刷面が段差のない平坦面であるため、絶縁インクを印刷する際に段差とインクのでる「きわ」が一致することによるインクの滲みや、ダレが生じる恐れがなく、第2の絶縁層は精度良好に形成される。
【0067】
そして、上記第2の絶縁層の開口部内に露呈する第1の絶縁層を上記現像液で溶かし出し、上記導電層のランド部に貫通する開口部を形成するため、第1の絶縁層も第2の絶縁層と同等の精度をもって形成される。従って、本発明のプリント配線板の製造方法においては、プリント配線板中に余分な空間および余分な部分を設ける必要がなく、配線回路の高精度化および高密度化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプリント配線板を示す断面図である。
【図2】本発明を適用したプリント配線板の製造方法を工程順に説明するものであり、基板上に第1の導電層を形成する工程を示す断面図である。
【図3】第1の導電層の形成された基板上にソルダーレジスト層を形成する工程を示す断面図である。
【図4】第1の導電層およびソルダーレジスト層の形成された基板上に第1の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図5】第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図6】第1の絶縁層を現像する工程を示す断面図である。
【図7】製造したプリント配線板のはんだ付け用ランド近傍の設計基準を示す要部拡大断面図である。
【図8】製造したプリント配線板のコネクションランド近傍の設計基準を示す要部拡大断面図である。
【図9】プリント配線板比較サンプル2を製造する工程を工程順に示すものであり、基板上に第1の導電層を形成する工程を示す断面図である。
【図10】第1の導電層を形成した基板上に第1の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図11】第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図12】従来のプリント配線板の製造方法を工程順に示すものであり、第1の導電層の形成された基板を示す断面図である。
【図13】第1の導電層の形成された基板上にソルダーレジスト層を形成する工程を示す断面図である。
【図14】第1の導電層,ソルダーレジソト層の形成された基板上に第1の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図15】第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図16】第2の絶縁層上に第2の導電層を形成する工程を示す断面図である。
【図17】従来のプリント配線板のはんだ付け用ランド近傍を示す断面図である。
【図18】従来のプリント配線板のコネクションランド近傍を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・第1の導電層
2a・・・はんだ付け用ランド
2b・・・コネクションランド
2c・・・回路構成部
3・・・ソルダーレジスト層
4・・・第1の絶縁層
4a,4b,4c,5a,5b,5c・・・内周壁
5・・・第2の絶縁層
6・・・第2の導電層
7,8・・・開口部
【産業上の利用分野】
本発明は、ランド部に対応する位置が高精度に形成された開口部を有するソルダーレジスト層および絶縁層が形成されてなるプリント配線板およびその製造方法に係わり、詳細には微細な配線回路の形成を可能とし、且つ導電性の精度が高いビルドアップ多層プリント配線板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、楽器、オーディオ機器を中心に銀ジャンパー基板、銅ジャンパー基板といった、導電インクを用いてスクリーン印刷法によって形成するビルドアップ多層プリント配線板が広く用いられている。上記ビルドアップ多層プリント配線板を形成する方法としては、次のような方法が挙げられる。先ず、図12に示すような、基板101上に形成され、銅箔よりなり所定の回路パターンを有する第1の導電層102上に、マスキングすべき部分にゾルを保有せしめたメッシュ状のスクリーンを介してスクリーン印刷機により印刷する、いわゆるスクリーン印刷法によりソルダーレジストインクを印刷し、これを硬化せしめて図13に示すように第1の導電層102および基板101上に所定のパターンを有するソルダーレジスト層103を形成する。次に、やはりスクリーン印刷法により絶縁インクを印刷して図14に示すような所定のパターンを有する第1の絶縁層104を、同様に図15に示すような第1の絶縁層104と同一のパターンを有する第2の絶縁層105を順次形成する。そしてさらに、スクリーン印刷法により導電インクを印刷し、図16に示すような所定のパターンを有する第2の導電層106を形成してビルドアップ多層プリント配線板を完成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、電子機器の配線回路の高密度化、高精度化にともない、プリント配線板、例えば上記のようなビルドアップ多層プリント配線板においても、より配線回路密度の高い仕様が要求されるようになってきている。ところが、上記ビルドアップ多層プリント配線板は、スクリーン印刷法を使用して製造しているため、配線回路密度を高めることが困難である。これは、以下に述べるような理由によるものである。
【0004】
上記スクリーン印刷法においては、スクリーンの開口部(マスキングしない部分)の端、すなわちインクの出る「きわ」と、印刷しようとする面に形成されている段差が一致すると、印刷時にインクが滲んでしまう。このように、インクの出るきわと印刷しようとする面の段差が一致しないようにするためには、スクリーンの開口部の端を上記段差に乗り上げるようにするか、もしくは達しないようにする必要がある。なお、スクリーン印刷法の合い精度は位置合わせ精度およびスクリーンの伸び縮みを考慮すると0.15mmが限界である。
【0005】
そこで、例えば、ビルドアップ多層プリント配線板の一種である銅ペーストジャンパー基板においては、図17に示すように、第1の導電層のはんだ付け用ランド112の近傍において、はんだ付け用ランド112の端部112aにソルダーレジスト層113の端部113aが達しないようにしており、その間の距離d1 が0.15mmとなるようにソルダーレジスト層113を形成し、その上に絶縁層114,第2の導線層116を形成する際にも、その端部114a,116aとその下層の端部との距離が0.15mmとなるようにしている。すなわち、はんだ付け用ランド112の端部112aと絶縁層114の端部114a間の距離d2 は0.30mm、はんだ付け用ランド112の端部112aと第2の導電層116の端部116a間の距離d3 は0.45mmとなる。従って、はんだ付け用ランド112の近傍には0.45mmの余分な空間が形成されることとなる。
【0006】
また、図18に示すように、第1の導電層のコネクションランド122の近傍においては、確実に絶縁性を確保するためにコネクションランド122の端部122aにソルダーレジスト層123の端部123aが乗り上げるようにしており、この際にもコネクションランド122の端部122aとソルダーレジスト層123の端部123aの距離d4 (乗り上げている部分の距離)が0.15mmとなるようにしている。従って、上記銅ペーストジャンパー基板においてコネクションランド122の最終的な直径φ2 を0.6mmとするためには、第1の導電層形成時のコネクションランド122の直径φ3 を0.9mmとしなければならず、第1の導電層中に余分な部分が形成されることとなる。
【0007】
すなわち、上記のようにビルドアップ多層プリント配線板においては、高精度なソルダーレジスト層、絶縁層、導電層を形成することは困難であり、スクリーン印刷時のインクの滲みを回避するために、余分な空間および導電層中の余分な部分を形成する必要があり、配線回路の高密度化、高精度化には限界がある。
【0008】
また、ソルダーレジストインク、絶縁インク、導電インクとして、比較的高粘度のものを使用すると、インクのかすれや網目によるピンホール、或いは上記第1の導電層の配線回路のエッジ部や、各層間の段差部における被覆不良等が発生し、上記ソルダーレジスト層、絶縁層、導電層が良好に形成されないといった問題が起こる。また、上記ソルダーレジストインク、絶縁インク、導電インクとして、比較的低粘度のものを使用すると、スクリーンのマスキング用ゾルの下部にインクが廻り込み、インクの滲みやブリードアウト、ダレといった不都合が生じてしまう。このようなことからも、上記のようなビルドアップ多層プリント配線板においては、配線回路の高密度化,高精度化が困難である。
【0009】
そこで本発明は、かかる従来の実状に鑑みて提案されたものであって、配線回路の高密度化、高精度化を図りつつ、従来のスクリーン印刷法によるプリント配線板と同等の大量生産性を有するプリント配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、複数のランド部を有する第1の導電層がパターン形成された基板上に、端面がランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層が形成され、ソルダーレジスト層を覆い、ランド部の端面とソルダーレジスト層の端面との間に第1の絶縁層が形成され、第1の絶縁層上に第2の絶縁層が形成され、ランド部及び第2の絶縁層上にランド部間を電気的に接続する第2の導電層が形成され、第1の絶縁層の端面は、ランド部の端面に当接され、第2の絶縁層の端面と略面一であることを特徴とするものである。
【0011】
さらに本発明のプリント配線板の製造方法は、複数のランド部を有する第1の導電層がパターン形成された基板上に、端面が上記ランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層を形成し、ランド部及びソルダーレジスト層を覆い、表面が平坦となるように基板上の全面に第1の絶縁層を形成し、第1の絶縁層上に、ランド部と対応する位置に開口部を有する第2の絶縁層をパターン形成し、第1の絶縁層を可溶可能な現像液で開口部から露呈する第1の絶縁層を溶解させて、ランド部上の第1の絶縁層を除去し、ランド部と対応する位置に開口部を形成し、第1の絶縁層の開口部の内周壁と上記第2の絶縁層の開口部の内周壁とを略面一に形成し、ランド部上及び第2の絶縁層上に、ランド部間を電気的に接続する第2の導電層を形成することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
本発明では、ランド部を有する第1の導電層上に、端面がランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層を形成し、基板上の全面に現像液に可溶な材料よりなる第1の絶縁層をその表面が平坦面となるように形成し、第1の絶縁層によって形成された平坦な面に、ランド部に対応する位置に開口部を有する第2の絶縁層を形成するため、第2の絶縁層を形成する絶縁インクを印刷する際のインクのかすれや、ピンホール、あるいは印刷面に凹凸が存在する場合にみられるようなエッジ部における被覆不良等が発生しない。また、印刷面が段差のない平坦面であるため、絶縁インクを印刷する際に段差とインクのでる「きわ」が一致することによるインクの滲みや、ダレが生じる恐れがなく、第2の絶縁層は精度良好に形成される。そして、第2の絶縁層の開口部内に露呈する第1の絶縁層を現像液で溶かし出し、第1の導電層のランド部に貫通する開口部を形成するため、第1の絶縁層も第2の絶縁層と同等の精度をもって形成され、且つ第1の絶縁層の開口部の内周壁と第2の絶縁層の開口部の内周壁とが略面一となる。
また、本発明では、第1の絶縁層の端面がランド部の端面に当接され、且つ第1の絶縁層の開口部の内周壁と第2の絶縁層の開口部の内周壁とが略面一であることから、ランド部の上面全体が第2の導電層と接するようになり、ランド部と第2の導体層との電気的接続が良好となる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明がこの実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0014】
本実施例のプリント配線板は、図1に示すように、基板1の一主面上に、第1の導電層2、ソルダーレジスト層3、第1の絶縁層4、第2の絶縁層5、第2の導電層6が順次積層されてなるものである。上記第1の導電層は、銅箔よりなり、部品をはんだ付けにより搭載するためのはんだ付け用ランド2aおよび他回路との接続を行うためのコネクションランド2bを有し、所定の配線回路を有するものである。そして、ソルダーレジスト層3は、はんだ付け用ランド2a以外のはんだ付けの必要のない部分にマスクをする、コネクションランド2bとこれに隣接する回路の絶縁性を確保するために形成されるものである。また、第1の絶縁層4および第2の絶縁層5は、その上に形成される第2の導電層6と第1の導電層2間の短絡を防ぐために設けられるものである。
【0015】
そして、本実施例のプリント配線板においては特に、はんだ付けランド2aへの部品搭載及びコネクションランド2b間の接続を行うために、コネクションランド2bと対応する位置に積層された第1の絶縁層4と第2の絶縁層5とに開口部が設けられている。このプリント配線板では、第1の絶縁層4に設けられた開口部の第1の絶縁層4の端面からなる内周壁4a、4b、4cと、第2の絶縁層5に設けられた開口部の第2の絶縁層5の端面からなる内周壁5a、5b、5cとが略面一となっている。
【0016】
次に、本実施例のプリント配線板の製造方法について説明する。
本実施例のプリント配線板の製造方法においては、まず、図2に示すように、基板1の一主面1a上に、銅箔よりなり、部品をはんだ付けにより搭載するためのはんだ付け用ランド2aおよび他回路との接続を行うためのコネクションランド2b、その他回路構成部2cを有し、所定の配線回路を有する第1の導電層2を形成する。
【0017】
そして、図3に示すように、基板1および第1の導電層2上に所定のパターンを有するソルダーレジスト層3を形成する。該ソルダーレジスト層3は、端面がコネクションランド2bの端面と接することなく、コネクションランド2bの端面と所定の間隔をもったパターンとなるようにソルダーレジストインクをスクリーン印刷法により印刷し、硬化させて形成されるものである。ソルダーレジスト層3は、図3中に示すように、はんだ付け用ランド2a以外のはんだ付けの必要のない部分にマスクをする、即ちコネクションランド2bとこれに隣接する回路の絶縁性を確保するようなパターンを有して形成される。
【0018】
なお、上記ソルダーレジスト層3を形成するソルダーレジストインクとしては、市販のものを用いることができ、通常の紫外線硬化型インク,熱硬化型インクが挙げられ、場合によっては写真現像型の液状フォトソルダーレジストインクを用いても良い。
【0019】
上記紫外線硬化型インクの例としては、タムラ化研社製のUSR−2G、太陽インキ製造社製のUVR−150G(何れも商品名)等が挙げられ、これらに紫外線コンベア炉等により紫外線を1000mj/cm2 程度照射して硬化させることにより、ソルダーレジスト層として十分な特性を有する硬化塗膜を得ることができる。また、上記熱硬化型インクの例としては、タムラ化研社製のSR−60G,SR−80G、太陽インキ製造社製のS−222,S−22(何れも商品名)等が挙げられ、これらをボックスオーブン炉,ウィケット炉等により130〜160℃,10〜60分の条件で加熱して硬化させることにより、ソルダーレジスト層として十分な特性を有する硬化塗膜を得ることができる。そして、上記写真現像型のフォトソルダーレジストインクとしては、タムラ化研社製DSR−2200、太陽インキ製造社製PSR−4000、関西ペイント社製PW−1000(何れも商品名)等が挙げられる。
【0020】
次に、図4に示すように第1の導電層2およびソルダーレジスト層3の形成される基板1全面に第1の絶縁層4を形成する。上記第1の絶縁層4は、所定の現像液に可溶な絶縁インクにより構成され、上記絶縁インクを塗布した後、指触乾燥して形成される。このとき、上記現像液は第1の絶縁層4を構成する絶縁インクを溶解可能であり、且つ後述の第2の絶縁層を構成する絶縁インクは溶解不可能であることが必要である。なお、本実施例においては、上記現像液をアルカリ性溶液とした場合を例にとり説明する。
【0021】
上記第一の絶縁層4を構成する絶縁インクとしては、市販品が使用可能であり、通常のマレイン酸変性ロジン、スチレン−マレイン酸系樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、フェノール樹脂等を主成分とした各種エッチングレジストインクが挙げられる。
【0022】
このうち、熱により指触乾燥可能な絶縁インクとしては、例えば山栄化学社製のSER−400シリーズ,SER−410シリーズ,SER−420シリーズ,SER−423シリーズ(何れも商品名)、サンワ化学工業社製のDA−110B,DA−110C,DA−200B,DA−250C,DA−30,DA−262C(何れも商品名)、アサヒ化学研究所社製のWR−520,WR−70(何れも商品名)等が挙げられる。
【0023】
一方、紫外線により指触乾燥可能な絶縁インクとしては、例えば山栄化学社製のSER−1400,SER−1405、SER−1406(何れも商品名)、太陽インキ製造社製のX−66,X−77,X−87(何れも商品名)、サンワ化学工業社製のUE−7000(商品名)、タムラ化研社製のUR−460B,UR−570B(何れも商品名)等が挙げられ、これらは何れも強アルカリ性溶液(例えばNaOH、pH=14)に可溶なものである。なお、弱アルカリ性溶液に可溶なものとしては、太陽インキ製造社製のTGR−100シリーズ(商品名)が挙げられる。
【0024】
また、上記のような絶縁インクを調整することも、もちろん可能である。上記絶縁インクは、該絶縁インクの塗膜が熱または紫外線等で指触乾燥でき、アルカリ性溶液等の現像液に可溶であり、加熱により硬化し、不溶化する絶縁性のインクであれば良い。さらに、上記絶縁インクにおいては、解像性が不十分であるために第1の導電層2のはんだ付け用ランド2a上に絶縁インクが残留してしまった場合、後工程ではんだ付けにより部品を搭載することが不可能となり、プリント配線板として実用に供さなくなってしまうため、良好な解像度が要求される。また、上記絶縁インクにおいては、第1の導電層2と後述の第2の導電層間の絶縁を図るために硬化後の良好な絶縁性が要求される。
【0025】
そして、このような特性を満たす組成物の一例としては、現像性を発現させるスチレン−マレイン酸系樹脂、紫外線で硬化され指触乾燥可能なアクリルモノマー、熱で硬化され耐熱性の高い塗膜を形成するノボラック型エポキシ樹脂を含むものが挙げられる。
【0026】
次に、図5に示すように、第1の絶縁層4上に第2の絶縁層5を形成する。上記第2の絶縁層5は、絶縁インクにより構成され、該絶縁インクをスクリーン印刷法により所定のパターンを有して印刷して硬化させて形成されるものである。なお、上記所定のパターンは、第1の導電層2のはんだ付け用ランド2aおよびコネクションランド2bに対応する位置にそれぞれ開口部7,8を有するものである。
【0027】
そして、上記絶縁インクとしては、ソルダーレジスト層または層間絶縁層構成材料として一般的に用いられる市販の紫外線硬化型インクを用いることができる。この場合、熱硬化型インクを用いることはできない。これは以下の理由によるものである。後工程では、上記第2の絶縁層5をマスクとして介し、アルカリ性溶液で第1の絶縁層4の不要な部分を溶解除去し、続いて熱により残留した第1の絶縁層を硬化させる。このとき、第2の絶縁層5を熱硬化型インクにより構成すると、第2の絶縁層5を硬化させる工程で第1の絶縁層4全体が硬化してしまい、第1の絶縁層5の不要部分の除去が不可能となってしまうためである。
【0028】
上記絶縁インクとしては、アクリル樹脂もしくはアクリル化合物を主成分とするタムラ化研社製USR−2G,USR−11(何れも商品名)、太陽インキ製造社製UVR−150,SGR−100,MF−200,MF−100,サンワ化学工業社製UR−3040,UR−3100,FU−5000(何れも商品名)、アサヒ化学研究所社製UVR−8500,UVM−801(何れも商品名)等が挙げられ、また、これらのインクをベースに、紫外線で硬化する範囲であれば改質の目的で樹脂、フィラー、希釈剤を加えても良い。
【0029】
そして、上記のような絶縁インクの硬化は、通常の紫外線硬化型のソルダーレジストインクを硬化させる方法と同様の方法で行うことができる。すなわち、コンベア紫外線炉等により、紫外線を1000〜1500mj/cm2 程度照射し硬化せしめればよい。
【0030】
このとき、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、図4に示すように、第1の導電層2およびソルダーレジスト層3の形成された基板1の全面を覆うようにして第1の絶縁層4を形成しており、図5に示すような第2の絶縁層5を形成するために絶縁インクを印刷する印刷面は、第1の絶縁層4により第1の導電層2とソルダーレジスト層3による凹凸が吸収されて平坦化された面となる。従って、絶縁インクを印刷する際のインクのかすれや、ピンホール、あるいは印刷面に凹凸が存在する場合にみられるようなエッジ部における被覆不良等が発生しない。また、印刷面が段差のない平坦面であるため、絶縁インクを印刷する際に段差とインクのでる「きわ」が一致することによるインクの滲みや、ダレが生じる恐れがなく、第2の絶縁層5は精度良好に形成され、配線回路も高精度に形成される。
【0031】
すなわち、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、第2の絶縁層5を形成する際、例えば第1の導電層2のはんだ付け用ランド2aおよびコネクションランド2bに対応する位置にそれぞれ形成される開口部7,8の形成位置をインクの滲みを考慮したものとする必要がない。従って、第1の絶縁層および第2の絶縁層の形成位置をインクの滲みを考慮したものとしていた従来のプリント配線板の製造方法よりも、同一の回路を形成するために必要とされる面積が少なくなり、配線回路密度を向上させることができる。
【0032】
なお、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、ソルダーレジスト層3をソルダーレジストインク、第1の絶縁層4および第2の絶縁層5を絶縁インクを用い、印刷法にて形成しているため、十分な生産性が確保される。
【0033】
次に、図6に示すように、第2の絶縁層5をマスクとして介し、該第2の絶縁層5の開口部7,8から露呈している第1の絶縁層4を、現像液である所定のアルカリ性溶液により溶解させて(現像させて)、第1の導電層2およびソルダーレジスト層3の形成される基板1上に所定のパターンを有する第1の絶縁層4および第2の絶縁層5を形成する。なお、開口部7,8の第1の絶縁層4および第2の絶縁層5の内周壁4c,5c、4a,5a、4b,5bはそれぞれ略面一となる。従って、第1の絶縁層も第2の絶縁層と同等の精度をもって形成されることとなり、配線回路の高精度,高密度化が達成される。そして、第1の絶縁層4の絶縁信頼性を向上するため加熱を行い、第1の絶縁層4を硬化させる。
【0034】
このとき、本実施例においては、第1の導電層2上にソルダーレジスト層3が形成されており、第1の絶縁層4の現像の際にアンダーカットを生じることはなく、隣接パターンの被覆不良が生じない。
【0035】
次に、図1中に示すような、第2の導電層6を形成する。該第2の導電層6の形成方法としては公知の方法が用いられる。例えば、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペーストのような導電インクをスクリーン印刷法を用いて所定のパターンに印刷して形成する方法や、銅箔をパネルメッキにより全面メッキし、エッチングにより所定のパターンを形成するといった方法を用いることができる。また、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、第2の導電層6上に保護層として、絶縁ペーストをオーバーコートしても良い。
【0036】
次に、本実施例のプリント配線板およびその製造方法の効果を確認すべく、以下のように、本実施例のプリント配線板の製造方法および従来のプリント配線板の製造方法に従って実際に各種プリント配線板を形成した。なお、この際、第2の絶縁層までを形成するものとし、各プリント配線板における第1および第2の絶縁層のパターンの形成精度を比較した。
【0037】
ここで製造するプリント配線板であるが、第1の導電層により形成される配線回路内に、はんだ付け用ランドおよびコネクションランドを有し、これらとソルダーレジスト,第1の絶縁層,第2の絶縁層,第2の導電層の関係が以下に示すような設計基準を有するものとした。
【0038】
すなわち、はんだ付け用ランド近傍においては、図7に示すように、はんだ付け用ランド12と隣接回路22の絶縁性を確保するために形成されるソルダーレジスト13の端部13aとはんだ付け用ランド12の端部12a間の距離D1 を0.15mmとし、はんだ付け用ランド12の端部12aと第1の絶縁層14および第2の絶縁層15の端部14a,15a間の距離を0mmとした。なお、はんだ付け用ランド12と隣接回路22間の距離は、0.3mmとした。
【0039】
一方、コネクションランド近傍においては、図8に示すように、コネクションランド32の直径φ1 を0.6mmとし、コネクションランド32の端部32aとソルダーレジスト13の端部13b間の距離D2 を0.15mmとし、コネクションランド32の端部32aと第1の絶縁層14および第2の絶縁層15の端部14b,15b間の距離を0mmとした。
【0040】
先ず、上述の本実施例のプリント配線板の製造方法に従って、上記のような設計基準を有するプリント配線板実施サンプル1およびプリント配線板実施サンプル2を製造した。
【0041】
先にプリント配線板実施サンプル1の製造について述べる。先ず、銅箔よりなる所定の配線回路(第1の導電層)が形成された基板である銅張積層板(日立化成工業社製のMCL−437F(商品名)、板厚1.2mm(銅箔厚35μm),334mm,251mm)に、上記設計基準に基づいたパターンの形成されたスクリーン印刷版(テトロン200メッシュ、乳剤20μm)を介してソルダーレジストインクを印刷し、紫外線照射により硬化させてソルダーレジスト層を形成した。このとき、上記ソルダーレジストインクとしてはタムラ化研社製のUSR−2G(商品名)を使用し、印刷機としてはニューロング精密工業社製のLS−50(商品名)を使用し、ソルダーレジシトインクを硬化させるためのコンベア紫外線炉としてはオーク社製のHMW−713(商品名)を使用し、紫外線照射量は1200mj/cm2 とした。
【0042】
次に、第1の導電層,ソルダーレジスト層の形成される基板全面にその表面が平坦面となるように絶縁インクを塗布し、加熱により絶縁インクを指触乾燥させて、第1の絶縁層を形成した。このとき、絶縁インクとしてサンワ化学工業社製のDA−180C(商品名)を用い、印刷機としてニューロング精密工業社製のLS−50を用い、テトロン100メッシュ,乳剤10μmのスクリーンを介して上記絶縁インクを塗布した。なお、加熱による指触乾燥は、タバイエスペック社製のPHH−200(商品名)なる箱形炉内で、80℃、3分間の条件で行った。
【0043】
次いで、上記第1の絶縁層上に所定のパターンを有して絶縁インクを印刷し、紫外線照射により硬化させて、所定のパターンを有する第2の絶縁層を形成した。このとき、絶縁インクとしてタムラ化研社製のUSR−11G(商品名)を用い、印刷機としてニューロング精密工業社製のLS−50を用い、所定のパターンの形成されたスクリーン(テトロン250メッシュ、乳剤20μm)を介して上記絶縁インクを塗布した。なお、紫外線照射による硬化は、オーク社製のHMW−713(商品名)なる紫外線炉にて1000mj/cm2 で行った。なお、上記第2の絶縁層のパターン中には、上記第1の導電層中のはんだ付け用ランドおよびコネクションランドに対応する位置に開口部が設けられていることは言うまでもない。
【0044】
そして、第2の絶縁層の開口部より露呈している第1の絶縁層を溶かし出し(現像し)、加熱により第1の絶縁層を硬化して所定のパターンを有する第1の絶縁層および第2の絶縁層を形成した。このとき、現像液として1%水酸化ナトリウム溶液を用い、加熱による第1の絶縁層の硬化は、タバイエスペック社製のPHH−200(商品名)なる箱形炉にて150℃,60分の条件で行った。
【0045】
次に、プリント配線板実施サンプル2の製造について述べる。上述のプリント配線板実施サンプル1においては、第1の絶縁層を形成する絶縁インクとして加熱により指触乾燥し、アルカリ性溶液により現像するものを用いたが、プリント配線板実施サンプル2においては、第1の絶縁層を形成する絶縁インクとして紫外線照射により指触乾燥され、弱アルカリ溶液で現像されるものを用いた。
【0046】
上記プリント配線板実施サンプル2を製造するにあたっても、上述のプリント配線板実施サンプル1と同様に、銅箔よりなり所定の配線回路を有する第1の導電層の形成される基板に、所定のパターンを有するソルダーレジスト層を形成した。
【0047】
そして、上記基板全面にその表面が平坦面となるようにスクリーン印刷法により絶縁インクを塗布し、紫外線照射により絶縁インクを指触乾燥させて、第1の絶縁層を形成した。このとき、絶縁インクとして、以下のように調整されたものを用いた。
【0048】
すなわち、先ず、スチレン−マレイン酸系樹脂(アーコケミカル社製 SMA−1440(商品名))100gを、2−ヒドロキシエチルアクリレート68g,ジメチルアミノエチルメタアクリレート12g,エチレングリコールジアクリレート40gに溶解して溶解物Aを用意した。次に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製 N−695(商品名))100gをイソボニルアクリレート100gに溶解して溶解物Bを用意した。そして、溶解物Aを33.3重量%,溶解物Bを33.3重量%,2MZA(四国化成工業社製)を2.9重量%,2−エチルアントラキノンを2.9重量%,CTBN(宇部興産社製)を7.6重量%,クレーを20.0重量%の割合で混合し、絶縁インクを得た。
【0049】
なお、絶縁インクの紫外線硬化は、オーク社製のHMW−713(商品名)なるコンベア紫外線炉にて1200mj/cm2 照射して行った。
【0050】
次に、第2の絶縁層を形成すべく、絶縁インクとして太陽インキ製造社製のSGR−100(商品名)を用い、所定のパターンの形成されるテトロン300メッシュ,乳剤12μmのスクリーンを介して上記絶縁インクを印刷し、コンベア紫外線炉にて紫外線を1000mj/cm2 照射し、上記絶縁インクを硬化させた。
【0051】
次いで、第2の絶縁層の開口部より露呈している第1の絶縁層を溶かし出し(現像し)、加熱により第1の絶縁層を硬化して所定のパターンを有する第1の絶縁層および第2の絶縁層を形成した。このとき、現像液として1%炭酸ナトリウム溶液を用い、加熱による第1の絶縁層の硬化は、タバイエスペック社製のPHH−200(商品名)なる箱形炉にて150℃,40分の条件で行った。
【0052】
さらに、比較のために製造したプリント配線板比較サンプル1について述べる。なお、上記プリント配線板比較サンプル1は、第1の絶縁層を従来の印刷法により形成したものである。
【0053】
プリント配線板比較サンプル1を製造するにあたっても、プリント配線板実施サンプル1と同様に、銅箔よりなり所定のパターンを有する第1の導電層の形成された基板上に所定のパターンを有するソルダーレジスト層を形成した。
【0054】
そして、上記基板上に所定のパターンを有する第1の絶縁層を形成した。このとき、絶縁インクとしてサンワ化学工業社製のDA−180C(商品名)を用い、所定のパターンの形成されたテトロン300メッシュ,乳剤12μmのスクリーンを介して上記絶縁インクを印刷し、タバイエスペック社製のPHH−200(商品名)なる箱形炉内で、80℃、3分間の条件で指触乾燥を行った。
【0055】
次に、上記第1の絶縁層上に所定のパターンを有する第2の絶縁層を、プリント配線板実施サンプル1と同様に、絶縁インクとしてタムラ化研社製のUSR−11G(商品名)を用いて印刷し、箱型炉で150℃,30分加熱して形成した。
【0056】
また、比較のために製造したプリント配線板比較サンプル2の製造についても述べる。なお、上記プリント配線板比較サンプル2は、プリント配線板実施サンプル2に類似した例であるが、ソルダーレジスト層を形成せず、第1の導電層および基板上に直接第1の絶縁層を形成したものである。
【0057】
プリント配線板比較サンプル2を製造するにあたっても、プリント配線板実施サンプル1と同様に、図9に示すように、銅箔よりなり所定のパターンを有する第1の導電層42を基板41上に形成した。そして、図10に示すように、基板41全面に第1の絶縁層44をプリント配線板実施サンプル2と同様に形成した。さらに、上記第1の絶縁層44上に所定のパターンを有する第2の絶縁層を形成し、図11に示すように第2の絶縁層の開口部から露呈している第1の絶縁層の現像を行い、加熱硬化させて所定のパターンを有する第1の絶縁層および第2の絶縁層を形成した。
【0058】
以上のようにして製造されたプリント配線板実施サンプル1,2およびプリント配線板比較サンプル1,2のはんだ付けランド近傍およびコネクションランド近傍を10倍のルーペを用いて観察し、第1および第2の絶縁層のパターンのうち開口部の形成精度、隣接回路の状態を評価した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1の結果から、プリント配線板実施サンプル1,2においては第1および第2の絶縁層の開口部の形成精度および隣接回路の状態は非常に良好であった。これは、本実施例のプリント配線板の製造方法により製造されるプリント配線板実施サンプル1,2においては、製造時、第2の絶縁層を形成すべく絶縁インクを印刷する面である第1の絶縁層表面が平坦面となされているため、第2の絶縁層を形成する絶縁インクの印刷が精度良好になされ、第2の絶縁層が精度良好に形成され、かつ第1の絶縁層も第2の絶縁層と同等の精度をもって形成されるためである。従って、本実施例のプリント配線板の製造方法により製造される本実施例のプリント配線板においては、配線回路の高精度化が達成されることが確認された。
【0061】
一方、プリント配線板比較サンプル1においては第1および第2の絶縁層の開口部がふさがっていた。これは、第1および第2の絶縁層を形成するために絶縁インクを印刷した際に滲みが発生したためと考えられる。また、プリント配線板比較サンプル2においては、図11中にも示すように、コネクションランド42bの隣接回路42cの一部が露出してしまうといった不都合が生じていた。これは、該プリント配線板比較サンプル2においては、第1の導電層42上にソルダーレジスト層が形成されておらず、第1の絶縁層44を現像する際にアンダーカットを生じるためと考えられる。
【0062】
ところで、上記のような設計基準のプリント配線板においては、図7中に示すように、はんだ付け用ランドの近傍に必要とされる余分な空間は距離D1 (0.15mm)の空間のみである。これに対し、従来のプリント配線板においては、図17中に示すようにはんだ付けランド近傍に必要とされる余分な空間は距離d3 (0.45mm)の空間である。また、上記のような設計基準のプリント配線板においては、図8中に示すように、直径φ1 (0.6mm)のコネクションランド32を形成するには直径0.6mmの配線回路を形成すれば良いが、従来のプリント配線板においては、図18中に示すように、直径φ2 (0.6mm)のコネクションランド122を形成するには直径0.9mmの配線回路を形成する必要がある。
【0063】
従って、上記のような設計基準のプリント配線板においては、余分な空間や導電層の余分な部分を形成する必要がなく、配線回路の高密度化を達成することができる。このとき、上述のように、プリント配線板実施サンプル1,2においては、上記のような設計基準のプリント配線板が精度良好に形成されており、本実施例のプリント配線板の製造方法により製造される本実施例のプリント配線板においては、配線回路の高密度化が達成されることが確認された。
【0064】
また、本実施例のプリント配線板の製造方法においては、ソルダーレジスト層,第1の絶縁層,第2の絶縁層をそれぞれインクを用いて印刷法により形成しているため、十分な生産性が確保される。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、複数のランド部を有する第1の導電層がパターン形成された基板上に、端面がランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層が形成され、ソルダーレジストを覆い、ランド部とソルダーレジストとの間に介在する第1の絶縁層が形成され、第1の絶縁層上に第2の絶縁層が形成され、ランド部及び第2の絶縁層上にランド部間を電気的に接続する第2の導電層が形成されており、第1の絶縁層の端面がランド部の端面に当接され、第2の絶縁層の端面と面一である。これにより、本発明では、ランド部の上面全体が第2の導電層に接するため、ランド部と第2の導電層との電気的接続が良好となり、高精度化が図られ、配線密度を向上させることができる。
【0066】
さらに、本発明のプリント配線板の製造方法においては、ランド部を有する導電層上に、ランド部に対応する位置に開口部を有するソルダーレジスト層を形成し、上記ソルダーレジスト層上に現像液に可溶の材料よりなる第1の絶縁層をその表面が平坦面となるように形成し、上記のように平坦面である第1の絶縁層上に、ランド部に対応する位置に開口部を有し上記現像液に不溶な材料よりなる第2の絶縁層を形成するため、第2の絶縁層を形成する絶縁インクを印刷する際のインクのかすれや、ピンホール、あるいは印刷面に凹凸が存在する場合にみられるようなエッジ部における被覆不良等が発生しない。また、印刷面が段差のない平坦面であるため、絶縁インクを印刷する際に段差とインクのでる「きわ」が一致することによるインクの滲みや、ダレが生じる恐れがなく、第2の絶縁層は精度良好に形成される。
【0067】
そして、上記第2の絶縁層の開口部内に露呈する第1の絶縁層を上記現像液で溶かし出し、上記導電層のランド部に貫通する開口部を形成するため、第1の絶縁層も第2の絶縁層と同等の精度をもって形成される。従って、本発明のプリント配線板の製造方法においては、プリント配線板中に余分な空間および余分な部分を設ける必要がなく、配線回路の高精度化および高密度化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプリント配線板を示す断面図である。
【図2】本発明を適用したプリント配線板の製造方法を工程順に説明するものであり、基板上に第1の導電層を形成する工程を示す断面図である。
【図3】第1の導電層の形成された基板上にソルダーレジスト層を形成する工程を示す断面図である。
【図4】第1の導電層およびソルダーレジスト層の形成された基板上に第1の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図5】第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図6】第1の絶縁層を現像する工程を示す断面図である。
【図7】製造したプリント配線板のはんだ付け用ランド近傍の設計基準を示す要部拡大断面図である。
【図8】製造したプリント配線板のコネクションランド近傍の設計基準を示す要部拡大断面図である。
【図9】プリント配線板比較サンプル2を製造する工程を工程順に示すものであり、基板上に第1の導電層を形成する工程を示す断面図である。
【図10】第1の導電層を形成した基板上に第1の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図11】第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図12】従来のプリント配線板の製造方法を工程順に示すものであり、第1の導電層の形成された基板を示す断面図である。
【図13】第1の導電層の形成された基板上にソルダーレジスト層を形成する工程を示す断面図である。
【図14】第1の導電層,ソルダーレジソト層の形成された基板上に第1の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図15】第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図16】第2の絶縁層上に第2の導電層を形成する工程を示す断面図である。
【図17】従来のプリント配線板のはんだ付け用ランド近傍を示す断面図である。
【図18】従来のプリント配線板のコネクションランド近傍を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・第1の導電層
2a・・・はんだ付け用ランド
2b・・・コネクションランド
2c・・・回路構成部
3・・・ソルダーレジスト層
4・・・第1の絶縁層
4a,4b,4c,5a,5b,5c・・・内周壁
5・・・第2の絶縁層
6・・・第2の導電層
7,8・・・開口部
Claims (3)
- 複数のランド部を有する第1の導電層がパターン形成された基板上に、端面が上記ランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層が形成され、上記ソルダーレジスト層を覆い、上記ランド部の端面と上記ソルダーレジスト層の端面との間に第1の絶縁層が形成され、上記第1の絶縁層上に第2の絶縁層が形成され、上記ランド部及び上記第2の絶縁層上に上記ランド部間を電気的に接続する第2の導電層が形成され、
上記第1の絶縁層の端面は、上記ランド部の端面に当接され、上記第2の絶縁層の端面と略面一であることを特徴とするプリント配線基板。 - 複数のランド部を有する第1の導電層がパターン形成された基板上に、端面が上記ランド部の端面と離間するようにソルダーレジスト層を形成し、
上記ランド部及び上記ソルダーレジスト層を覆い、表面が平坦となるように上記基板上の全面に第1の絶縁層を形成し、
上記第1の絶縁層上に、上記ランド部と対応する位置に開口部を有する第2の絶縁層をパターン形成し、
上記第1の絶縁層を可溶可能な現像液で上記開口部から露呈する上記第1の絶縁層を溶解させて、上記ランド部上の上記第1の絶縁層を除去し、上記ランド部と対応する位置に開口部を形成し、上記第1の絶縁層の開口部の内周壁と上記第2の絶縁層の開口部の内周壁とを略面一に形成し、
上記ランド部上及び第2の絶縁層上に、上記ランド部間を電気的に接続する第2の導電層を形成することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。 - 上記第1の絶縁層が、スチレン−マレイン酸系樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アクリルモノマーよりなり、紫外線による乾燥が可能で、弱アルカリ性溶液による現像が可能であり、熱による硬化が可能である材料よりなることを特徴とする請求項2記載のプリント配線板の製造方法。
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