JP2016219507A - 電子デバイスの製造方法および電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な方法で、微細でかつ高さが比較的高い導電ビア、すなわちアスペクト比の高い導電ビアによる配線層間の接続が可能な電子デバイスの製造方法を提供すること。【解決手段】基材100の少なくとも一表面上に、配線パターン101と、前記配線パターン上に少なくとも1つの開口部103を設けた絶縁層パターン102とが形成された配線基板を用意する工程と、ブランケットを設置した版胴105の前記ブランケット上に絶縁性インキを塗布して絶縁性膜107を形成する工程と、前記配線基板の前記絶縁層パターン102と前記絶縁層膜107を接触させて前記絶縁性膜107を前記絶縁層パターン102上に転写する工程とを含む、電子デバイスの製造方法が供される。【選択図】図1D

Description

本発明は、電子デバイスの製造方法およびこの方法により製造された電子デバイスに関するものである。
近年、電子デバイスの小型化、薄型化、および高機能化が一層求められている。この要求を達成するために、電子デバイスを構成する機能素子の配置自由度の向上および小型化を実現する多層配線基板が用いられている。この多層配線基板は、コア基板上に、内部に接続ビアを有する絶縁層と当該絶縁層上の一部に設けられた配線部とを交互に積層したビルドアップ薄膜層を有している。これらの配線部は、絶縁層内の接続ビアを介して相互に接続されている。
特許文献1には、フォトレジストを用いることなく、レーザビームを導体層および絶縁層に照射して接続ビア用の穴を形成し、最終的に多層基板を形成する方法が開示されている。又、特許文献2には、ブランケット上にインキを塗布してインキ塗布面を形成し、インキ塗布面に凸版を押圧して凸版に接触する部分のインキをブランケット上から除去したのち、ブランケット上に残ったインキを被印刷体に転写する印刷方法が開示されている。又、特許文献2には、インキによるパターンを複数層形成する場合には、1層目の配線部に重なるように2層目の絶縁層を積層する旨開示されている。
特開2008−114250号公報 特開2007−273712号公報
本願発明者らは、鋭意検討の末、従来の電子デバイスの製造方法には、以下の点で改善点があることを見出した。
特許文献1においては、レーザビームの照射により接続ビア用の穴を形成すると、接続ビア穴は通常テーパ形状を持つため、開口径に対して厚みが大きい絶縁層への穴加工が困難であるという課題を有していた。また、特許文献2においては、微細な穴形状を有する絶縁層を形成することは可能であるが、絶縁層を転写するため穴径に対して厚みが大きな絶縁層を形成することが困難であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡便な方法で、微細でかつ高さが比較的高い導電ビア、すなわちアスペクト比の高い導電ビアによる配線層間の接続が可能な電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、基材の少なくとも一表面上に、配線パターンと、前記配線パターン上に少なくとも1つの開口部を設けた絶縁層パターンとが形成された配線基板を用意する工程と、ブランケットを設置した版胴の前記ブランケット上に絶縁性インキを塗布して絶縁性膜を形成する工程と、前記配線基板の前記絶縁層パターンと前記絶縁層膜を接触させて前記絶縁性膜を前記絶縁層パターン上に転写する工程とを含むことを特徴とする、電子デバイスの製造方法が供される。
本発明の電子デバイスの製造方法では、以下の効果を奏することができる。具体的には、第1に、本発明の電子デバイスの製造方法では、絶縁層パターンの直上のみに絶縁性膜を追加積層するため、開口部の径に比して厚みの大きな絶縁層を形成することができる。第2に、本発明の電子デバイスの製造方法では、絶縁層パターンとほぼ同一形状に絶縁性膜を積層するため、開口部のテーパがほとんどない。それゆえ微細な接続ビアを形成することができ、高密度な配線層間の接続を得ることができる。第3に、本発明の電子デバイスの製造方法では、積層した絶縁性膜の相対的な位置ずれが起きないため、高いアライメント精度で高アスペクト比な開口部を形成することができ、配線層間の接続信頼性を向上させることができる。第4に、本発明の電子デバイスの製造方法では、絶縁層パターンを比較的容易に厚くすることができるため、絶縁層パターンによる配線パターン間の絶縁をより確実なものとすることができる。
本発明の第1実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第1実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第1実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第1実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第1実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第2実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第2実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第2実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第2実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第2実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第3実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第3実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第3実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第3実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第3実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第4実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第4実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第4実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第4実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第4実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第5実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第5実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第5実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第5実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第6実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の第6実施形態の製造方法における一工程を示した工程別断面図。 本発明の製造方法により得られた電子デバイスにおける接続ビアの拡大断面図。
[電子デバイスの製造方法]
本発明の電子デバイスの製造方法を各種実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。図面に示す各種の要素は、本発明の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比や外観などは実物と異なり得ることに留意されたい。尚、本明細書で直接的または間接的に用いる“上下方向”は、図中における上下方向に対応した方向に相当する。また特記しない限り、同じ符号または記号は、同じ部材または同じ意味内容を示すものとする。
(第1実施形態)
図1A〜図1Eは、本発明の第1実施形態における電子デバイスの製造方法を示した工程別断面図である。
まず、図1Aに示すように、基材100の一表面上に配線パターン101が形成され、その上に少なくとも1つの開口部103が設けられた絶縁層パターン102が形成された配線基板104を用意する。基材100の他方の表面上にも、配線パターンおよび少なくとも1つの開口部が設けられた絶縁層パターンが形成されていてもよい。
基材100としては、電気的絶縁性、平坦性そして形状保持性があればよく、特に限定されないが、例えばガラス、各種セラミック、ガラスセラミック複合体、シリコン、石英、サファイア、SiC、AlNといった無機系材料や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂といった有機材料、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PAN(ポリアクリロニトリル)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリオレフィン等の有機フィルム材料、およびこれらの群から選ばれた2種類以上の複合材料が使用できる。
基材100はフレキシブル特性を有していてもよいし、剛性特性を有していてもよいし、またはそれらの中間の特性を有していてもよい。フレキシブル特性とは、外力によって比較的容易に撓み変形するが、除力すると元の形状へと戻る特性をいう。剛性特性とは、外力によって比較的撓み変形し難い特性をいう。
次に、図1Bに示すように、表面にブランケットを配置した版胴105の前記ブランケット上に、コーティング装置106を用いて絶縁性インキを塗布して絶縁性膜107を形成する。この時、絶縁性膜107は版胴105の胴体部の全てもしくは一部に形成してよい。
版胴105表面のブランケットは、オフセット印刷の分野で版面に付着したインキを自己の表面に転写させた後、転写されたインキを紙に再転写させる媒体として使用されるものである。ブランケットは、付着されたインクとブランケットとの界面において優れた離型性(剥離性)を発揮する。このため、後述の転写工程において、絶縁層パターンの上面に、ブランケット上の絶縁性膜の表面を接触させるだけで、接触した絶縁性膜は絶縁層パターン上に容易に転写される。その結果、絶縁層パターン102の直上のみに絶縁性膜107を選択的に追加積層することができる。
前記ブランケットの材質としては、版胴105上に均一に前記絶縁性インキを塗布でき、かつ後述のように絶縁層パターン102に対して絶縁性膜107を押圧して絶縁性パターン102に対向する部分の絶縁性膜107を選択的に転写可能なものが好ましい。具体的には、前記ブランケットの材質としては、当該ブランケットが上記のような機能を発揮し得る限り、特に限定されず、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン、スチレン系エラストマーを用いることができる。特に優れた離型性、柔軟性および耐久性を有するブランケットの材質として、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いることが好ましい。なお、前記ブランケットは前記絶縁性インキを塗布する版胴105の外周部分に配置されていればよい。この場合、好ましくは、前記ブランケットの内部に柔軟性を増やすためのゴムおよび/又は接着のための樹脂フィルム等を含めることが良い。
前記絶縁性インキは、絶縁性を有し、かつ後述の転写工程において、絶縁層パターン102の直上のみに絶縁性膜107として選択的に追加積層され得るものであればよく、特に限定されるものではない。そのような絶縁性インキは、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、もしくはポリオレフィン樹脂、又はこれらの群から少なくとも2つ選択したものと、水、炭化水素系、アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系、グリコールエーテル系溶剤等の溶媒との混合物であってもよい。又、この絶縁性インキ原料に無機系フィラーを加えてもよい。無機系フィラーとしては、アルミナ微粒子、シリカ微粒子、酸化タンタル微粒子等が挙げられる。更に、この絶縁性インキ原料に界面活性剤や分散剤を加えてもよい。
コーティング装置106は、表面にブランケットを配置した版胴105の前記ブランケット上に均一に絶縁性インキを塗布できるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、スロットダイコータ、キャップコータ、スプレーコータ、ロールコータ、バーコータ、スリットコータ等が挙げられる。なお、コーティング装置106は、用いるタイプに応じて、表面にブランケットを配置した版胴105上に均一に絶縁性インキを塗布可能な位置に適切に設けることが好ましい。
次に、図1Cおよび図1Dに示すように、配線基板104の絶縁層パターン102に対して、図1Bに示した絶縁性膜107が形成されたブランケット付版胴105を一方向に回転させることで、絶縁層パターン102に対して絶縁性膜107を押圧する。それによって絶縁性膜107のうち絶縁層パターン102と対向する部分の絶縁性膜107を選択的に絶縁層パターン102上に転写させる。絶縁層パターン102に対する絶縁性膜107の押圧は、図1Cに示すように、絶縁層パターン102の上面に絶縁性膜107の表面が接触する程度の押圧であってもよい。図1Cはこのような転写工程の初期を示す概略断面図であり、図1Dは当該転写工程の終期を示す概略断面図である。
これにより、絶縁層パターン102の直上のみに絶縁性膜107を選択的に追加積層することができるため、開口部103(図1D参照)の径に比して厚みの大きな絶縁層107を形成することができる。また、本工程においては絶縁層パターン102とほぼ同一形状に絶縁性膜107を積層するため、レーザ等を用いて開口部を形成した場合に比べ開口部のテーパがほとんどない。そのため開口部を、後述するような、高密度な配線パターン間の接続を得るために必要な微細な接続ビアを設けるためのビア穴として機能させることができる。また、本工程においては、絶縁層パターン102と積層した絶縁性膜107との相対的な位置ずれが起きないため、高いアライメント精度で高アスペクト比な開口部を形成することができ、後述する配線パターン間の接続における信頼性を向上させることができる。さらに、後述するように、非テーパー形状を有する導電ビア109を形成することができる。
本工程において、絶縁性膜107は、絶縁層パターン102の直上のみに積層されるため、積層された絶縁性膜107もまた絶縁層パターン102と同様のパターンを有する。このため、絶縁性膜107が絶縁層パターン102の直上のみに積層されている場合、絶縁層パターン102と、当該絶縁層パターン102の直上のみに積層された絶縁性膜107とを包含して単に絶縁層パターンと呼ぶものとする。
なお、絶縁性膜107の形状を保持し、又、開口部103内に充填および形成される後述の導電ビア109と絶縁性膜107との相溶を抑制するため、開口部103を有した絶縁性膜107を固化させてよい。固化とは、単に固くなる固化だけでなく、インキに含まれる樹脂(ポリマー)成分による硬化も含む概念で用いるものとする。固化方法は、インキまたはその樹脂成分の種類に応じて適宜選択されればよく、例えば、加熱処理法、紫外線照射法、又は電子線照射法等を用いてよい。
次に、図1Eに示すように、絶縁層パターン102上に形成した絶縁性膜107(絶縁層パターン)の上に第2の配線パターン108を形成し、更に開口部103を介して前記配線パターン101と第2の配線パターン108とを電気的に接続する導電ビア109を形成する。第2の配線パターン108の形成工程と、導電ビア109の形成工程とは、別々に行ってもよいが、簡便性のさらなる向上の観点から、同時に行うことが好ましい。
第2の配線パターン108の形成方法および導電ビア109の形成方法としては特に限定されず、それぞれ独立して以下の方法から選択されてよい:スクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、リバースオフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット法等の印刷方法;スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等の真空成膜法;めっき等の電気化学的な方法;エッチング等のサブトラクティブ法。特には、第2の配線パターン108と導電ビア109とを同時に形成することが可能となり製造効率が向上するという観点から、導電性インキを用いて印刷法により形成することが好ましい。
前記導電性インキは、例えば金、銀、銅、ニッケル、亜鉛、アルミ、すず、鉄、インジウム、白金、パラジウム、クロム等の金属粒子、これらの群から選択された少なくとも2つの金属粒子から成る合金粒子、導電性酸化物粒子等を溶剤に分散させたものが使用でき、樹脂を含んでもよい。導電性酸化物粒子は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等から成る群から選択される酸化物の粒子である。又、導電性インキは、比較的低温で熱分解して導電性を供する有機金属錯体等の有機金属塩、導電性高分子等を更に含んで成ってよい。導電性高分子としては、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリスチレンスルホン酸、ポリアニリン等が挙げられる。
なお、第2の配線パターン108および/もしくは導電ビア109を印刷法により形成する場合においては、印刷後に加熱処理、紫外線照射、又は電子線照射して前記導電性インキを固化させ、第2の配線パターン108および/もしくは導電ビア109を形成する工程を含むことが好ましい。
以上の工程を経て、本発明の第1実施形態の電子デバイスの製造方法により、電子デバイス110を製造することができる。狭義には、本発明の第1実施形態の電子デバイスの製造方法は、当該電子デバイス110上に抵抗素子、容量素子、半導体素子等の機能素子を設置する工程を更に含む。
(第2実施形態)
図2A〜図2Eは、本発明の第2実施形態における電子デバイスの製造方法を示した工程別断面図である。本実施形態における電子デバイスの製造方法は、絶縁性インキのブランケットへの塗布方法としてスクリーン印刷法を用いること以外、第1実施形態における電子デバイスの製造方法と同様である。
なお、本発明の第2実施形態の電子デバイスの製造方法にて用いる部材の材質、形状、高さ、大きさ等の特徴は、以下に特記すること以外、上記の本発明の第1実施形態の電子デバイスの製造方法におけるものと同じであるため、説明を簡略又は省略するものとする。具体的には、第2実施形態の説明において、基材、配線パターン、絶縁層パターン、開口部、配線基板、ブランケット付版胴、絶縁性インキ、絶縁性膜、第2の配線パターンおよび導電ビアは、以下に特記すること以外、第1実施形態におけるものと同様である。
第2実施形態においては、まず、図2Aに示すように、基材200の一表面上に配線パターン201が形成され、その上に少なくとも1つの開口部203が設けられた絶縁層パターン202が形成された配線基板204を用意する。
次に、図2Bに示すように、表面にブランケットを配置した版胴205と、スクリーン版206を用意する。スクリーン版206を版胴205の上方に配置し、版胴205上に配置されたブランケットとスクリーン版206が接するようにスキージ207を押圧しながら版胴を回転させ、同時にスクリーン版206を同期させて移動させることで、絶縁性インキ208をブランケット上へ一様の厚みに塗布して絶縁性膜209を形成する。この時、絶縁性膜209は版胴205の胴体部の全てもしくは一部に形成してよい。
スクリーン版206としてはスクリーン印刷法の分野で使用されているスクリーン版であれば特に限定されず、一般的に用いられる金属メッシュおよび樹脂繊維メッシュを乳剤で部分的にマスキングしたものが使用できる。
次に、図2Cおよび図2Dに示すように、絶縁層パターン202に対して、図2Bに示した絶縁層膜209が形成されたブランケット付版胴205を一方向に回転させることで、絶縁層パターン202に対して絶縁性膜209を押圧する。それによって絶縁性膜209のうち絶縁層パターン202と対向する部分の絶縁性膜209を選択的に絶縁層パターン202上に転写させる。図2Cはこのような転写工程の初期を示す概略断面図であり、図2Dは当該転写工程の終期を示す概略断面図である。
これにより、絶縁層パターン202の直上のみに絶縁性膜209を選択的に追加積層することができるため、開口部203(図2D参照)の径に比して厚みの大きな絶縁層209を形成することができる。また、本工程においては絶縁層パターン202とほぼ同一形状に絶縁性膜209を積層するため、レーザ等を用いて開口部を形成した場合に比べ開口部のテーパがほとんどない。そのため開口部を、後述するような、高密度な配線パターン間の接続を得るために必要な微細な接続ビアを設けるためのビア穴として機能させることができる。また、本工程においては、絶縁層パターン202と積層した絶縁性膜209との相対的な位置ずれが起きないため、高いアライメント精度で高アスペクト比な開口部を形成することができ、後述する配線パターン間の接続における信頼性を向上させることができる。さらに、後述するように、非テーパー形状を有する導電ビア211を形成することができる。
本工程において、絶縁性膜209は、絶縁層パターン202の直上のみに積層されるため、積層された絶縁性膜209もまた絶縁層パターン202と同様のパターンを有する。このため、絶縁性膜209が絶縁層パターン202の直上のみに積層されている場合、絶縁層パターン202と、当該絶縁層パターン202の直上のみに積層された絶縁性膜209とを包含して単に絶縁層パターンと呼ぶものとする。
なお、絶縁性膜209の形状を保持し、又、開口部203内に充填および形成される後述の導電ビア211と絶縁性膜209との相溶を抑制するため、開口部203を有した絶縁性膜209を加熱処理、紫外線照射、又は電子線照射して固化させてよい。
次に、図2Eに示すように、絶縁層パターン202上に形成した絶縁性膜209(絶縁層パターン)の上に第2の配線パターン210を形成し、更に開口部203を介して前記配線パターン201と第2の配線パターン210とを電気的に接続する導電ビア211を形成する。第2の配線パターン210の形成工程と、導電ビア211の形成工程とは、別々に行ってもよいが、簡便性のさらなる向上の観点から、同時に行うことが好ましい。
なお、第2の配線パターン210および/もしくは導電ビア211を印刷法により形成する場合においては、印刷後に加熱処理、紫外線照射、又は電子線照射して前記導電性インキを固化もしくは硬化させ、第2の配線パターン210および/もしくは導電ビア211を形成する工程を含むことが好ましい。
以上の工程を経て、本発明の第2実施形態の電子デバイスの製造方法により、電子デバイス212を製造することができる。狭義には、本発明の第2実施形態の電子デバイスの製造方法は、当該電子デバイス212上に抵抗素子、容量素子、半導体素子等の機能素子を設置する工程を更に含む。
本実施形態よれば、第1実施形態で示したコーティング方法ではコーティングすることが困難な高粘度な絶縁性インキを使用することができる。それにより、絶縁層209の厚みを厚くすることができるため、更に高アスペクト比を持つ開口部203を形成することができ、ひいては高アスペクト比を持つ導電ビア211を形成することが可能になる。
(第3実施形態)
図3A〜図3Eは、本発明の第3実施形態における電子デバイスの製造方法を示した工程別断面図である。本実施形態における電子デバイスの製造方法は、配線基板を構成する基材のフレキシブル特性を利用して、ブランケット付版胴とシリンダとの間で、ブランケット上の絶縁性膜の絶縁性パターンへの転写を行うこと以外、第1実施形態における電子デバイスの製造方法と同様である。
なお、本発明の第3実施形態の電子デバイスの製造方法にて用いる部材の材質、形状、高さ、大きさ等の特徴は、以下に特記すること以外、上記の本発明の第1実施形態の電子デバイスの製造方法におけるものと同じであるため、説明を簡略又は省略するものとする。具体的には、第3実施形態の説明において、配線パターン、絶縁層パターン、開口部、配線基板、ブランケット付版胴、絶縁性インキ、絶縁性膜、第2の配線パターンおよび導電ビアは、以下に特記すること以外、第1実施形態におけるものと同様である。第3実施形態において、特に基材はフレキシブル特性を有すること以外、第1実施形態の基材と同様である。
第3実施形態においては、まず、図3Aに示すように、フレキシブル基材300の一表面上に配線パターン301が形成され、その上に少なくとも1つの開口部303が設けられた絶縁層パターン302が形成されたフレキシブル配線基板304を用意する。
フレキシブル基材300としては、電気的絶縁性、平坦性に加えてフレキシブル性があればよく、特に限定されない。フレキシブル基材300の具体例として、例えば極薄板ガラス、シリコンといった無機系材料や、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂といった有機材料、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PAN(ポリアクリロニトリル)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリオレフィン等の有機フィルム材料、およびこれらの群から選ばれた2種類以上の複合材料が使用できる。
次に、図3Bに示すように、表面にブランケットを配置した版胴305の前記ブランケット上に、コーティング装置306を用いて絶縁性インキを塗布して絶縁性膜307を形成する。この時、絶縁性膜307は版胴305の胴体部の全てもしくは一部に形成してよい。
次に、図3Cおよび図3Dに示すように、フレキシブル配線基板304を絶縁層パターン302面が表面となるようにしてシリンダ308上に配置する。更に図3Bに示した絶縁性膜307が形成されたブランケット付版胴305を絶縁層パターン302に対して所望の間隔で近接させる。そして版胴305およびシリンダ308を一方向に回転させることで、絶縁層パターン302に対して絶縁性膜307を押圧する。それによって、絶縁性膜307のうち絶縁層パターン302と対向する部分の絶縁性膜307を選択的に絶縁層パターン302上に転写させる。これにより、後述するように、非テーパー形状を有する導電ビア310を形成することができる。図3Cはこのような転写工程の初期を示す概略断面図であり、図3Dは当該転写工程の終期を示す概略断面図である。
本工程において、絶縁性膜307は、絶縁層パターン302の直上のみに積層されるため、積層された絶縁性膜307もまた絶縁層パターン302と同様のパターンを有する。このため、絶縁性膜307が絶縁層パターン302の直上のみに積層されている場合、絶縁層パターン302と、当該絶縁層パターン302の直上のみに積層された絶縁性膜307とを包含して単に絶縁層パターンと呼ぶものとする。
なお、絶縁性膜307の形状を保持し、又、後述の開口部303に充填する導電ビア310と絶縁性膜307との相溶を抑制するため、開口部303を有した絶縁性膜307を加熱処理、紫外線照射、又は電子線照射して固化させてよい。
次に、図3Eに示すように、絶縁層パターン302上に形成した絶縁性膜307(絶縁層パターン)の上に第2の配線パターン309を形成し、更に開口部307を介して前記配線パターン301と第2の配線パターン309とを電気的に接続する導電ビア310を形成する。第2の配線パターン309の形成工程と、導電ビア310の形成工程とは、別々に行ってもよいが、簡便性のさらなる向上の観点から、同時に行うことが好ましい。
なお、第2の配線パターン309および/もしくは導電ビア310を印刷法により形成する場合においては、印刷後に加熱処理、紫外線照射、又は電子線照射して前記導電性インキを固化もしくは硬化させ、第2の配線パターン309および/もしくは導電ビア310を形成する工程を含むことが好ましい。
以上の工程を経て、本発明の第3実施形態の電子デバイスの製造方法により、電子デバイス311を製造することができる。狭義には、本発明の第3実施形態の電子デバイスの製造方法は、当該電子デバイス311上に抵抗素子、容量素子、半導体素子等の機能素子を設置する工程を更に含む。
なお、図3においてフレキシブル配線基板304および電子デバイス311は個片状に示されているが、その形状に限定されるものではなく、フィルム状やストリップ状であるものやそれらをロール状に巻き取ったものを含む。またフレキシブル配線基板304上に電子デバイス311が複数個形成されていてもよい。
本実施形態によれば、電子デバイスがフレキシブルな場合において容易に生産することができる。またロール状あるいはストリップ状の配線基板を使用することで、配線基板のフレキシブル性を利用して半連続的に搬送しながら印刷することが可能となるため、生産性を高めることが可能となる。
(第4実施形態)
図4A〜図4Eは、本発明の第4実施形態における電子デバイスの製造方法を示した工程別断面図である。本実施形態における電子デバイスの製造方法は、配線基板を構成する基材のフレキシブル特性を利用して、ブランケット付平板とシリンダとの間で、ブランケット上の絶縁性膜の絶縁性パターンへの転写を行うこと以外、第3実施形態における電子デバイスの製造方法と同様である。
なお、本発明の第4実施形態の電子デバイスの製造方法にて用いる部材の材質、形状、高さ、大きさ等の特徴は、以下に特記すること以外、上記の本発明の第3実施形態の電子デバイスの製造方法におけるものと同じであるため、説明を簡略又は省略するものとする。具体的には、第4実施形態の説明において、基材、配線パターン、絶縁層パターン、開口部、配線基板、絶縁性インキ、絶縁性膜、第2の配線パターンおよび導電ビアは、以下に特記すること以外、第3実施形態におけるものと同様である。第4実施形態において、特にブランケット付平板は平板形状を有すること以外、第3実施形態のブランケット付版胴と同様である。
第4実施形態においては、まず、図4Aに示すように、フレキシブル基材400の一表面上に配線パターン401が形成され、その上に少なくとも1つの開口部403が設けられた絶縁層パターン402が形成されたフレキシブル配線基板404を用意する。
次に、図4Bに示すように、表面にブランケットを配置した平板405の前記ブランケット上に、コーティング装置406を用いて絶縁性インキを塗布して絶縁性膜407を形成する。この時、絶縁性膜407は平板405上の全てもしくは一部に形成してよい。
次に、図4Cおよび図4Dに示すように、フレキシブル配線基板404を絶縁層パターン402面が表面となるようにしてシリンダ408上に配置する。更に図4Bに示した絶縁性膜407が形成されたブランケット付平板405を絶縁層パターン402に対して所望の間隔で近接させる。そしてシリンダ408を一方向に回転させながら、平板405もしくはシリンダ408を移動させることで、絶縁層パターン402に対して絶縁性膜407を押圧する。それによって、絶縁性膜407のうち絶縁層パターン402と対向する部分の絶縁性膜407を選択的に絶縁層パターン402上に転写させる。これにより、後述するように、非テーパー形状を有する導電ビア410を形成することができる。図4Cはこのような転写工程の初期を示す概略断面図であり、図4Dは当該転写工程の終期を示す概略断面図である。
本工程において、絶縁性膜407は、絶縁層パターン402の直上のみに積層されるため、積層された絶縁性膜407もまた絶縁層パターン302と同様のパターンを有する。このため、絶縁性膜407が絶縁層パターン402の直上のみに積層されている場合、絶縁層パターン402と、当該絶縁層パターン402の直上のみに積層された絶縁性膜407とを包含して単に絶縁層パターンと呼ぶものとする。
なお、絶縁性膜407の形状を保持し、又、絶縁性膜407の開口部403に充填する導電ビア410と絶縁性膜407との相溶を抑制するため、開口部403を有した絶縁性膜407を加熱処理、紫外線照射、又は電子線照射して固化させてよい。
次に、図4Eに示すように、絶縁層パターン402上に形成した絶縁性膜407(絶縁層パターン)の上に第2の配線パターン409を形成し、更に開口部403を介して前記配線パターン401と第2の配線パターン409とを電気的に接続する導電ビア410を形成する。第2の配線パターン409の形成工程と、導電ビア410の形成工程とは、別々に行ってもよいが、簡便性のさらなる向上の観点から、同時に行うことが好ましい。
なお、第2の配線パターン409および/もしくは導電ビア410を印刷法により形成する場合においては、印刷後に加熱処理、紫外線照射、又は電子線照射して前記導電性インキを固化もしくは硬化させ、第2の配線パターン409および/もしくは導電ビア410を形成する工程を含むことが好ましい。
以上の工程を経て、本発明の第4実施形態の電子デバイスの製造方法により、電子デバイス411を製造することができる。狭義には、本発明の第4実施形態の電子デバイスの製造方法は、当該電子デバイス411上に抵抗素子、容量素子、半導体素子等の機能素子を設置する工程を更に含む。
なお、図4においてフレキシブル配線基板404および電子デバイス411は個片状に示されているが、その形状に限定されるものではなく、フィルム状やストリップ状であるものやそれらをロール状に巻き取ったものを含む。またフレキシブル配線基板404上に電子デバイス411が複数個形成されていてもよい。
本実施形態によれば、電子デバイスがフレキシブルな場合において容易に生産することができる。またロール状あるいはストリップ状の配線基板を使用することで、配線基板のフレキシブル性を利用して半連続的に搬送しながら印刷することが可能となるため、生産性を高めることが可能となる。
(第5実施形態)
図5A〜図5Dは、本発明の第5実施形態における配線基板の製造方法を示した工程別断面図である。本発明の第5実施形態における配線基板の製造方法により、第1実施形態〜第4実施形態における配線基板104、204、304、404を製造することができる。本発明の第5実施形態の配線基板の製造方法にて用いる部材の材質、形状、高さ、大きさ等の特徴は、上記の本発明の第1実施形態の電子デバイスの製造方法におけるものと同じであるため、説明を簡略又は省略するものとする。第5実施形態において、特にブランケット付版胴500は第1実施形態のブランケット付版胴105と同様である。
まず、後述の転写工程(図5(C)参照)において使用される配線基板前駆体を用意する。配線基板前駆体は、図5Cに示すように、基材505の少なくとも一表面上に配線パターン506が形成されたものである。配線パターンの形成に際しては、第1実施形態における基板、第2の配線パターンの形成方法および導電性インキが使用可能である。
次に、図5Aに示すように、表面にブランケットを配置した版胴500の前記ブランケット上に、コーティング装置501を用いて絶縁性インキを塗布して絶縁性膜502を形成する。この時、絶縁性膜502は版胴500の胴体部の全てもしくは一部に形成してよい。絶縁性インキは第1実施形態で使用され得る絶縁性インキが使用可能である。本実施形態において絶縁性インキは、第1〜第4実施形態の各実施形態で使用される絶縁性インキと同じものを使用してもよいし、または異なるものを使用してもよいが、電子デバイスの製造容易性の観点から、各実施形態で使用される絶縁性インキと同じものを使用することが好ましい。
次に、図5Bに示すように、ブランケット付版胴500のブランケット上の絶縁性膜502に凸版部材を押印して、絶縁性膜502のうち該凸版部材の凸部と対向する部分の絶縁性膜502を除去する。これにより、ブランケット付版胴500のブランケット上に少なくとも1つの開口部504を有した絶縁性膜502を形成する。詳しくは、表面に凸部を備えた凸版部材503に対して絶縁性膜502を有したブランケット付版胴500を一方向に回転させることで、絶縁性膜502に対して凸版部材203を押圧する。それによって、絶縁性膜502のうち凸版部材503と対向する部分の絶縁性膜502を除去する。具体的には、凸版部材503の凸部と対向する部分の絶縁性膜502を、ブランケット付版胴500のブランケット部面が露出するように除去する。
これにより、除去した絶縁性膜502は凸版部材503の凸部上に移る一方で、ブランケット付版胴500上には、ブランケット部面が部分的に露出した絶縁性膜502を形成することができる。ブランケット付版胴500のブランケット部面が露出するように絶縁性膜502を除去した部分は、後述の導電ビアを設けるための開口部として機能させることができる。すなわち、本工程において、後述の導電ビアを設けるための開口部504を有した絶縁性膜502を形成することができる。
凸版部材503の凸部の高さは、凸版部材503の凸部と対向する部分の絶縁性膜502の厚みよりも高い。これにより、ブランケット付版胴500のブランケット部面が露出するように、凸版部材503の凸部と対向する部分の絶縁性膜502を確実に除去することができる。又、凸版部材503の凸部の形状は、特に限定されるものではないが、所望の開口部504の形状に対応するものであればよく、例えば、円柱、四角柱、又はこれらの組み合わせであってよい。
凸版部材503の凸部の材質としては、シリコンウエハ、石英ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス等の無機化合物、ニッケル、銅、ステンレス鋼等の金属、又は樹脂が好ましい。又、凸版部材503の凸部の形成方法としては、特に限定されるものではないが、化学的方法又は物理的方法による平坦部材のエッチング、モールディング、電鋳等が挙げられる。
次に、図5Cに示すように、開口部504が前記配線基板前駆体(一表面上に配線パターン506が形成された基材505)の配線パターン部506と対向するように、ブランケット上の絶縁性膜502を配線基板前駆体に転写する。詳しくは、配線基板前駆体(一表面上に配線パターン506が形成された基材505)に対して、図5Bに示した絶縁性膜502が形成されたブランケット付版胴500を、開口部504が配線パターン502上の所望の位置に対向するように位置合わせしながら一方向に回転させる。これにより、配線パターン506に対して絶縁性膜502を押圧し、絶縁性膜502を配線パターン506および基材505上に転写させる。この時ブランケット付版胴500は、(1)基材505の長手方向に平行な方向に基材505上にて回転させて、絶縁性膜502を配線パターン506上に順次移しつつ、(2)基材505および絶縁性膜502に対して加圧し、配線パターン506の間隙部分にある基材505を絶縁性膜502で封止する機能を有する。
なお、絶縁性膜502および開口部504の形状を保持するために、開口部504を有した絶縁性膜502を加熱処理、紫外線照射、又は電子線照射して固化させてよい。
以上の工程を経て、図5Dに示すような、絶縁性膜502を硬化させた絶縁層パターン507によって配線パターン506がその間隙部分まで封止され、絶縁層パターン507の開口部504が配線パターン506上に形成された配線基板508を製造することができる。
本実施形態で形成した配線基板508を、上記の第1〜第4実施形態で使用される各配線基板およびフレキシブル配線基板として用い、第5実施形態と各第1〜4実施形態を一連の工程として実施してもよい。
本実施形態によれば、本発明の各第1〜4実施形態に好適に使用することができる微細な開口部を持つ配線基板を、他の方式に対して容易に得ることが可能になる。また本実施形態によれば、ブランケット付版胴500やコーティング装置501として第1実施形態および第3実施形態で用いられる部材と共通化することができる。
(第6実施形態)
本実施形態に係る電子デバイスの製造方法おいては、第1〜第4実施形態において、ブランケット上の絶縁性膜の絶縁層パターンへの転写工程の後、ブランケット上への絶縁性膜の形成工程、および上記転写工程を繰り返すことにより、アスペクト比がより大きな導電ビアを形成することができる。本実施形態に係る電子デバイスの製造方法は、ブランケット上の絶縁性膜の絶縁層パターンへの転写工程の後、ブランケット上への絶縁性膜の形成工程、および上記転写工程を繰り返すこと以外、第1〜第4実施形態に係る電子デバイスの製造方法と同様である。
具体的には、例えば、第1実施形態において、ブランケット上の絶縁性膜107の絶縁層パターン102への転写工程の後、ブランケット上への絶縁性膜の形成工程、および上記転写工程を繰り返すと、図6Aに示すように、1回目の転写工程で転写された絶縁性膜107aの上に、2回目の転写工程で転写された絶縁性膜107bが形成される。図6Aは、2回目の転写工程を示しているが、本実施形態においては合計3回以上の転写工程を行ってもよい。
最後の転写工程を行った後は、例えば図6Bに示すように、絶縁層パターン102上に形成した絶縁性膜107aおよび107b(絶縁層パターン)の上に第2の配線パターン108を形成し、更に開口部103を介して前記配線パターン101と第2の配線パターン108とを電気的に接続する導電ビア109を形成する。本工程は、第1実施形態における第2の配線パターンおよび導電ビアの形成工程と同様の方法により行えばよい。
(第7実施形態)
本実施形態は電子デバイスに関するものであり、第1〜第4実施形態または第6実施形態に係る電子デバイスの製造方法により得ることができる。
本実施形態の電子デバイスは、例えば図7に示すように、少なくとも基材(100、200、300、400)、当該基材の少なくとも一表面上に形成された配線パターン(101、201、301、401)、当該配線パターン上に形成された少なくとも1つの開口部を設けた絶縁層パターン(102、107、202、209、302、307、402、407)、当該絶縁層パターン上に形成された第2の配線パターン(108、210、309、409)、および前記絶縁層パターンの開口部内に形成され、前記配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続する導電ビア(109、211、310、410)を有する。図7は、電子デバイスにおける導電ビア近傍の拡大断面図である。
本実施形態において導電ビア(109等)は非テーパー形状を有するものであり、すなわち導電ビアの側面は、絶縁層パターン(102,107等)の厚み方向(積層方向)と平行に延在している。詳しくは導電ビアの幅寸法は、当該導電ビアの高さ方向(すなわち、絶縁層パターンの厚み方向)について一定である。
導電ビア(109等)は、配線パターン(101等)の一部とともに、絶縁層パターン(102,107等)中に埋封されている。導電ビア(109等)の頂面802は、絶縁層パターン(107等)の第2配線パターン(108等)側表面と面一であり、すなわち導電ビア(109等)の頂面802は、絶縁層パターン(107等)の第2配線パターン(108等)側表面と同一平面を形成する。
本実施形態の電子デバイスは導電ビア109、211、310、410が高アスペクト比を有し得る。詳しくは、図7に示すように、導電ビアの底面801における幅(底面幅)をx、高さをhとしたときの比(h/x)は1よりも大きく、通常は5よりも小さい。好ましいh/x比は1超3以下である。アスペクト比が1よりも大きなビアを形成することは一般的な方法では難しいが、このように、本発明によれば比較的容易に形成することができる。これにより、電子デバイスを高精細化し高密度化することができる。本発明においてはアスペクト比が1よりも大きくなければならないというわけではなく、1以下、例えば0.5〜1であってもよい。
本実施形態において導電ビア(109等)の底面801とは、導電ビアにおける配線パターン(101等)との接触面である。導電ビアの底面幅xは、任意の断面における導電ビアの底面801の幅(幅方向長さ)である。導電ビアが円柱形状を有する場合、底面幅xは底面801における直径を意味する。導電ビアの底面幅xは、配線基板における絶縁層パターンの開口部の大きさを調整することにより制御することができ、例えば2〜30μmとすることができる。
導電ビア(109等)の高さhは底面801から後述する頂面802までの距離であり、絶縁層パターン(102、107等)の厚み方向の長さを意味する。導電ビアの高さhは、絶縁層パターン(102、107等)の厚みおよび絶縁層パターンの層数(すなわち、ブランケット上への絶縁性膜の形成工程および転写工程の繰り返し回数)を調整することにより制御することができる。導電ビアの高さhは、例えば転写された絶縁層パターン(107等)が1層のときで0.2〜4μmとすることができる。導電ビアの高さhは、転写された絶縁層パターンの層数を調整することによりさらに大きな値に制御することができる。
本実施形態の電子デバイスはまた、図7に示すように、導電ビア109、211、310、410の底面801における幅(底面幅)をx、頂面802における幅(頂面幅)をyとしたときの比(y/x)は0.8〜1.2、特に0.9〜1.1であることが好ましい。
本実施形態において導電ビア(109等)の頂面802は、導電ビアにおける第2の配線パターン(108等)との接触面である。導電ビアの頂面幅yは、任意の断面における導電ビアの頂面802の幅(幅方向長さ)である。例えば、導電ビアが円柱形状を有する場合、頂面幅yは頂面802における導電ビアの直径を意味する。
本実施形態の電子デバイスにおいては、導電ビアの底面801における幅(底面幅)をx、導電ビアの最大幅をzとしたときの比(z/x)は1〜1.2、特に1〜1.1であることが好ましい。
本実施形態において導電ビアの最大幅zとは、導電ビアの底面幅xを規定する同様の断面において、底面801から頂面802までの幅のうち最大の幅のことである。
本実施形態の電子デバイスは、導電ビアが上記のように高アスペクト比を有し、かつ高精細化および高密度化され得るため、導電ビアを低抵抗化しつつ、狭ピッチで形成することができる。例えば、レーザビーム法またはエッチング法により導電ビア用の穴を形成して導電ビアを形成する場合、導電ビア用の穴は第2配線パターン側の入口部が広がってテーパー形状を有する。このため、h/xは本実施態様の上記範囲よりも大きくなり、y/xおよびz/xはそれぞれ本実施態様の上記範囲よりも大きくなる。
(実施例1)
第1実施形態においてブランケット上への絶縁性膜の形成工程(インキング工程)および転写工程を繰り返すことにより、電子デバイスを製造した。
詳しくは、厚み125μmのPENフィルムを基材として用い、その一表面上にAgを用いて配線パターンが形成され、その上に直径10μmの開口部が設けられた厚み3μmの絶縁層パターンが形成された配線基板を用意した。
金属製の版胴にシリコーン樹脂からなるブランケットを配置し、その上にポリビニルフェノール樹脂を主成分とする絶縁性インキをスリットコーターを用いて塗布して絶縁層膜を形成した。
次に、上記配線基板を平板上に固定し、その上に絶縁性インキを塗布したブランケット付版胴を接触させ、配線基板上で回転させて絶縁層パターン上に絶縁性インキを選択的に転写させた。
上記のインキング工程と転写工程をさらに5回繰り返し、最後に配線基板を150℃で熱処理して絶縁層膜を固化させた。その後、Agフィラーとエポキシ樹脂を主成分とする導電性インキをスクリーン印刷法で配線基板上に印刷し、150℃で硬化させて第2の配線パターンおよび導電ビアを形成し、これにより電子デバイスを完成させた。
電子デバイスにおける任意の10個の導電ビアの寸法を断面計測により測定し、平均値を求めた。
x=10μm;
y=11μm;
z=11μm;
h=25μm;
h/x=2.5;
y/x=1.1;
z/x=1.1。
(実施例2)
インキング工程および転写工程をそれぞれ1回ずつだけ行うこと、および配線基板における絶縁層パターンの開口部の直径を3μmとしたこと以外、実施例1と同様の方法により、電子デバイスを製造した。
電子デバイスにおける任意の10個の導電ビアの寸法を断面計測により測定し、平均値を求めた。
x=3μm;
y=3.3μm;
z=3.3μm;
h=6μm;
h/x=2;
y/x=1.1;
z/x=1.1。
本発明の実施形態の電子デバイスの製造方法は、表示装置、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、電気泳動式表示装置、電子粉流体式表示装置、マイクロカプセル式表示装置、エレクトロクロミック式表示装置、エレクトロウェッティング式表示装置、および物理センサ、化学センサ、薄膜トランジスタ(TFT)、RFIDタグ、ロジック回路、メモリ、電力伝送デバイス、タッチパネル、電磁遮蔽部材、フレキシブル配線板(FPC)、回路基板等に利用することができる。
100、200、300、400、505:基材
101、201、301、401、506:配線パターン
102、107、202、209、302、307、402、407、507:絶縁層パターン
103、203、303、403、504:開口部
104、204、508:配線基板
105、205、305、404、500:ブランケット付版胴
106、306、406、501:コーティング装置
107、209、307、407、502:絶縁性膜
108、210、309、409:第2の配線パターン
109、211、310、410:導電ビア
110、212、311、411:電子デバイス
206:スクリーン版
207:スキージ
208:絶縁性インキ
300、400:フレキシブル基材
304、404:フレキシブル配線基板
308、408:シリンダ
405:ブランケット付平板
503:凸版部材

Claims (12)

  1. 基材の少なくとも一表面上に、配線パターンと、前記配線パターン上に少なくとも1つの開口部を設けた絶縁層パターンとが形成された配線基板を用意する工程と、
    ブランケットを設置した版胴の前記ブランケット上に絶縁性インキを塗布して絶縁性膜を形成する工程と、
    前記配線基板の前記絶縁層パターンと前記絶縁層膜を接触させて前記絶縁性膜を前記絶縁層パターン上に転写する工程と
    を含む電子デバイスの製造方法。
  2. 前記絶縁層パターン上に第2の配線パターンを形成する工程と、
    前記絶縁層パターンの前記開口部を介して前記配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続する導電ビアを形成する工程と
    を更に含む、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記ブランケットを設置した版胴の前記ブランケット上に絶縁性インキを塗布して絶縁性膜を形成する工程において、
    前記絶縁性インキの塗布方法がスクリーン印刷法である、
    請求項1もしくは請求項2のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記配線基板がフレキシブル基板である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. ブランケットを設置した版胴を、ブランケットを設置した平板に置き換えた、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記配線基板を用意する工程において、
    基材の少なくとも一表面上に配線パターンが形成された配線基板前駆体を用意する工程と、
    ブランケットを設置した版胴の前記ブランケット上に絶縁性膜を形成する工程と、
    前記絶縁性膜に凸版部材を押印して、前記絶縁性膜のうち該凸版部材の凸部と対向する部分の前記絶縁性膜を除去することで、前記版胴の前記ブランケット上に少なくとも1つの開口部を有した前記絶縁性膜を形成する工程と、
    前記開口部が前記配線基板前駆体の配線パターン部と対向するように前記絶縁性膜を前記配線基板前駆体に転写する工程と
    を含む請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記絶縁層パターンの開口部内に導電ビアを形成する工程をさらに有し、
    該導電ビアの形成工程において、導電ビアの側面が前記絶縁層パターンの厚み方向と平行に延在するように、導電ビアを形成する、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  8. 前記導電ビアの底面幅xに対する高さhの比(h/x)が1よりも大きい、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  9. 前記導電ビアの底面幅xに対する頂面幅yの比(y/x)が0.8〜1.2である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  10. 少なくとも基材、該基材の少なくとも一表面上に形成された配線パターン、該配線パターン上に形成された少なくとも1つの開口部を設けた絶縁層パターン、該絶縁層パターン上に形成された第2の配線パターン、および前記絶縁層パターンの開口部内に形成され、前記配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続する導電ビアを有する電子デバイスであって、
    前記導電ビアの側面が、前記絶縁層パターンの厚み方向と平行に延在している、電子デバイス。
  11. 前記導電ビアの底面幅xに対する高さhの比(h/x)が1よりも大きい、請求項10に記載の電子デバイス。
  12. 前記導電ビアの底面幅xに対する頂面幅yの比(y/x)が0.8〜1.2である、請求項10または11に記載の電子デバイス。
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