WO2017038504A1

WO2017038504A1 - 大便器の脱臭方法、大便器および大便器の脱臭装置

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Publication number: WO2017038504A1
Application number: PCT/JP2016/074232
Authority: WO
Inventors: 庭堅鞏; 弘明渡邊; 俊彦小松; 保行古谷; 将人若林; 智也佐々木; 浩和島▲崎▼
Original assignee: 株式会社Ｌｉｘｉｌ
Priority date: 2015-08-31
Filing date: 2016-08-19
Publication date: 2017-03-09
Also published as: EP3346061A1; CN107923167A; US20180245326A1; EP3346061A4; TW201713828A

Abstract

この大便器の脱臭方法は、吹出口（１１７）から大便器（１Ａ）の便器本体（１１）内に空気を吹き出すとともに便器本体（１１）内の空気を吸込口（１１８）から吸い込むことにより、便器本体（１１）の内面に沿って横旋回する空気の横旋回流（Ｒ１）と、便器本体（１１）の内部を横断する空気の横断流（Ｒ２）とを形成し、横旋回流（Ｒ１）および横断流（Ｒ２）によって流れて吸込口（１１８）から吸い込まれた空気の臭気成分を脱臭カートリッジ（脱臭手段）（１１３ｃ）で除去して便器本体（１１）内の臭気を脱臭する。

Description

大便器の脱臭方法、大便器および大便器の脱臭装置

　本発明は、大便器の脱臭方法、大便器および大便器の脱臭装置に関する。詳しくは、大便器の便器本体内の臭気を脱臭する方法、便器本体内の臭気を脱臭する脱臭装置を備えた大便器、大便器において脱臭流路に備えていて脱臭流路内を流れる空気中の臭気を吸着する脱臭カートリッジを備えた大便器の脱臭装置、便鉢に発生する臭気を脱臭する脱臭装置を備えた大便器、脱臭装置を有する大便器、便器本体に取付けられる大便器の脱臭装置、脱臭装置が設けられた大便器に関する。
　本願は、２０１５年８月３１日に日本国に出願された特願２０１５－１７１２２０号、特願２０１５－１７１２２１号、特願２０１５－１７１２２２号、特願２０１５－１７１３８１号、および特願２０１５－１７１２１９号に基づく優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　従来、用便後に局部を洗浄するための局分洗浄装置や、用便中、用便後の臭気を吸い込んで脱臭する脱臭装置を備えた大便器がある。

　局部洗浄装置（局部洗浄ユニット）は、例えば、リモートコントローラによる操作などに応じ、ノズル開口部を通じて便器本体の内側とカバーケース及びノズルカバーの間で進退・突没する局部洗浄ノズルを備えている。局部洗浄装置は、局部洗浄ノズルが進出とともにノズル開口部を開閉するシャッタを押圧傾動させて開き、便器本体の内側に進出した局部洗浄ノズルの先端部から洗浄水が吐出することによって局部を洗浄するように構成されている。

　脱臭装置（脱臭ユニット）は、例えば、便器本体の後部上面に局部洗浄装置と一体のユニットとして設けられている。脱臭装置は、便器本体に向けて開口する吸込口から便器本体内に淀む空気を吸い込み、吸着型、分解型の脱臭カートリッジ（脱臭手段）で臭気成分を除去・分解して脱臭しつつこの空気を外部に排出するように構成されている（例えば、特許文献１参照）。

　一方、局部洗浄装置の局部洗浄ノズルを突没させるためのノズル開口部などとの関係により、便器本体の後部に設ける脱臭装置の吸込口の大きさにはある程度制約が生じる。これにより、便器本体内に淀む空気を吸い込むために出力が大きなファンが必要になるなどの不都合があった。

　これに対し、本願の発明者らは、便器本体の後部に空気の吹出口と吸込口を設け、吹出口から便器本体のリム部の内側面に沿って横旋回させるように空気を吹き出し、旋回して戻ってきた空気を吸込口で吸い込むようにして空気を循環させ、循環過程で脱臭を行う脱臭方法及び脱臭装置を発明し、既に特許出願（特願２０１４－０８６３５９）を行っている。

　この脱臭方法及び脱臭装置は、横旋回により便器本体上に空気の流れを生じさせることにより、淀んでいた空気を引き連れるようにして吸込口に取り込むことができる。このため、この脱臭方法及び脱臭装置では、出力が大きなファンを用いることなく、効率的に脱臭を行うことができる。これにより、臭気が便器本体の上方に上がって拡散することを抑制できる。

　本願の発明者らによる上記の脱臭方法及び脱臭装置は、吹出口から便器本体の内側面に空気を吹き付け、リム部に沿う横旋回の循環流を形成する。このため、上記の脱臭方法及び脱臭装置では、例えば使用者が便座から立ち上がる際に循環流の内側の空気が上方に引き上がり臭気が拡散することも考えられる。

　次に、従来、用便中の臭気を吸い込んで脱臭する脱臭装置を設置した水洗式の大便器が知られている。このような大便器の脱臭装置の多くは、特許文献２に記載のように、大便器のローシルエット化に伴って便鉢の後部上面に局部洗浄装置と一体のユニットとして設けられている。このような脱臭装置は便鉢に向けて開口する吸込み口を有し、便鉢上に淀む空気を吸い込んで臭気を脱臭した後、吹出し口から外部に排出している。

　脱臭装置は、便鉢に開口する吸込み口と吹出し口とを脱臭ダクト等の脱臭流路によって連結し、脱臭流路には脱臭触媒を含む脱臭カートリッジおよび脱臭用のファンを設置している。
　便鉢内に臭気が発生すると、脱臭装置は、脱臭用のファンが作動して便鉢内の空気を吸込み口から脱臭流路に流通させて脱臭カートリッジに吸着させながら循環させることで臭気を効率よく脱臭させる。

　ところで、近年、局部洗浄装置の小型化が進んでおり、脱臭装置の脱臭流路内に設けた脱臭カートリッジも小型化が進んでいる。これにより、脱臭触媒のメッシュサイズが小さくなったことで、脱臭触媒を通過する空気流の抵抗が増加して空気流速が低下するため、脱臭効率が低下するという欠点が生じている。

　また、脱臭装置は、便鉢に開口する吸込み口と便鉢の外に開口する吹出し口とを脱臭ダクト等の脱臭流路によって連結し、脱臭流路には脱臭触媒を含む脱臭カートリッジおよび脱臭用のファンを設置している。
　便鉢内に臭気が発生すると、脱臭装置は、脱臭用のファンが作動して便鉢内の空気を吸込み口から脱臭流路に流通させて脱臭カートリッジに吸着させながら循環させることで臭気を効率よく脱臭させる。

　しかしながら、脱臭装置の吸込み口および吹き出し口は、便鉢の開口の上側に設置されている。このため、吹き出し口からの吹き出し気流や吸込み口への吸込み気流は、いずれも大きな傾斜角度を有しており、便鉢内での空気流と脱臭装置との間でスムーズな循環流路を形成できるとはいえなかった。

　次に、従来、便鉢の内部の脱臭を行う脱臭装置が設けられた大便器が知られている（例えば、特許文献３および４参照）。また、トイレ空間の脱臭を行う脱臭装置が設けられた大便器が知られている。
　脱臭装置は、例えば、便鉢の内部で発生した臭気を脱臭剤で脱臭し、脱臭された空気に除菌イオンを発生させ、脱臭されて除菌イオンが発生した空気を便鉢の内部やトイレ空間に放出し、便鉢の内部やトイレ空間の脱臭を行っている。

　大便器に便鉢の内部の脱臭を行う脱臭装置と、トイレ空間の脱臭を行う脱臭装置と、の両方を設けると、これらの設置スペースが大きくなり、かつ大便器の構造が複雑になる虞がある。このため、同一の脱臭装置を用いて便鉢の内部の脱臭およびトイレ空間の脱臭を行うことが望まれている。

　しかしながら、便鉢の内部の脱臭を行う脱臭装置を用いてトイレ空間の脱臭を行おうとすると、便鉢の内部の脱臭を行う脱臭装置は脱臭を行うための空気を便鉢の内部に向かって下側に吹き出す構成であるため、便鉢の上方の使用者が座る位置や立つ位置まで脱臭を行うことが困難である。

　次に、従来、便器本体の便鉢の内部で発生した臭気を脱臭するための脱臭装置のダクト（脱臭流路）には、吸込口側にダクトに吸い込まれた空気の集塵を行う集塵フィルタが設けられている（例えば、特許文献５参照）。このような集塵フィルタは、ダクトに着脱可能で、ダクトから取り出して掃除可能に構成されている。

　集塵フィルタを便鉢の内部から着脱する場合、集塵フィルタの着脱口は、便鉢の内部に開口するように設けられている。このため、便鉢の内部の飛沫が集塵フィルタの着脱口から集塵フィルタ設置部分に入り込み、飛沫によって集塵フィルタが汚れることがある。

実用新案登録第２５５９９１４号公報特開２００８－２９７７８５号公報特開２００３－２９４２８０号公報特開２０１４－３６６９２号公報特許第３５９６２１７号公報

　本発明は、上記事情に鑑み、より効率的且つ効果的に臭気を捕集して用便中、用便後の臭気を脱臭できる大便器の脱臭方法及び大便器を提供することを第１の目的とする。

　また、本発明は、脱臭器を通過する空気流の低下を抑制して、効率よく脱臭できるようにした大便器の脱臭装置を提供することを第２の目的とする。

　また、本発明は、空気の流れをスムーズにして便鉢内の臭気を効率よく脱臭できるようにした脱臭装置を備えた大便器を提供することを第３の目的とする。

　また、本発明は、便鉢の内部の脱臭およびトイレ空間の脱臭を同一の脱臭装置を用いて行うことができる大便器を提供することを第４の目的とする。

　また、本発明は、便鉢の内部の飛沫によって集塵フィルタが汚れることを防止できる大便器の脱臭装置および大便器を提供することを第５の目的とする。

　上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。

　本発明の第１の態様に係る大便器の脱臭方法は、吹出口から大便器の便器本体内に空気を吹き出すとともに前記便器本体内の空気を吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体の内面に沿って横旋回する空気の横旋回流と、前記便器本体の内部を横断する空気の横断流とを形成し、前記横旋回流および前記横断流によって流れて前記吸込口から吸い込まれた空気の臭気成分を脱臭手段で除去して前記便器本体内の臭気を脱臭する。

　上記大便器の脱臭方法によれば、吹出口から便器本体内に空気を吹き出すとともに便器本体内の空気を吸込口から吸い込むことにより、便器本体のリム部などの内面に沿って横旋回する空気の横旋回流を形成する。これにより、便器本体内の臭気を引き連れて吸込口から吸い込み、吸込口から吸い込まれた臭気を脱臭手段で脱臭できる。

　また、上記大便器の脱臭方法によれば、空気の横旋回流に加え、便器本体の内部を横断する空気の横断流を形成する。これにより、便器本体の中央部、すなわち、空気の横旋回流の内側に滞留する臭気を横断流によって引き連れて吸込口から吸い込み、吸込口から吸い込まれた臭気を脱臭手段で脱臭できる。

　その結果、より効率的且つ効果的に臭気を捕集して用便中、用便後の臭気を脱臭できる。例えば、使用者が便座から立ち上がる際に便器本体の中央部の空気が上方に引き上がり臭気が拡散することを防止できる。

　本発明の第２の態様は、第１の態様に係る大便器の脱臭方法において、前記吹出口から前記便器本体内に空気を吹き出すとともに前記便器本体内の空気を前記吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体内に複数の前記空気の横旋回流及び／又は複数の前記空気の横断流を形成してもよい。

　上記大便器の脱臭方法によれば、便器本体内に複数の空気の横旋回流及び／又は複数の空気の横断流を形成する。これにより、便器本体の中央部に滞留する臭気、便器本体内の全体の臭気をより効果的に捕集して脱臭できる。

　本発明の第３の態様は、第１または第２の態様に係る大便器の脱臭方法において、前記吹出口から前記便器本体内に空気を吹き出すとともに前記便器本体内の空気を前記吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体の内面に沿って縦旋回する空気の縦旋回流を形成するようにしてもよい。

　上記大便器の脱臭方法によれば、吹出口から便器本体内に空気を吹き出すとともに便器本体内の空気を吸込口から吸い込むことにより、便器本体の内面に沿って縦旋回する空気の縦旋回流を形成する。これにより便器本体内の臭気を引き連れて吸込口から吸い込み、吸込口から吸い込まれた臭気を脱臭手段で脱臭できる。

　そして、空気が縦旋回（旋回軸が横方向を向く旋回）することで、便器本体から上方に上がる臭気を効率的に捕集できる。これにより、より効率的且つ効果的に臭気を捕集して用便中、用便後の臭気を脱臭できる。例えば、使用者が便座から立ち上がる際に便器本体の中央部の空気が上方に引き上がり臭気が拡散することを防止できる。

　本発明の第４の態様は、第１から第３のいずれかの態様に係る大便器の脱臭方法において、前記吹出口から空気を吹き出すことにより少なくとも一部が渦流となるように前記空気の横旋回流及び／又は前記横断流を形成するようにしてもよい。

　上記大便器の脱臭方法によれば、便器本体内に形成される空気の横旋回流及び／又は横断流の少なくとも一部が渦流である。これにより、この渦流で周囲の広範の臭気を引き込みながら空気の横旋回流及び／又は横断流の流れによって吸込口に送り、空気を吸い込むことができる。

　これにより、さらに効率的且つ効果的に便器本体内の臭気を捕集して用便中、用便後の臭気を脱臭できる。例えば、使用者が便座から立ち上がる際に便器本体の中央部の空気が上方に引き上がり臭気が拡散することをより効果的に防止できる。

　本発明の第５の態様は、第１から第４のいずれかの態様に係る大便器の脱臭方法において、前記脱臭手段で処理した空気を前記吹出口から前記便器本体内に吹き出して循環させてもよい。

　上記大便器の脱臭方法によれば、脱臭手段で処理した空気を吹出口から便器本体内に吹き出して循環させる。この結果、一つの送風機等の駆動装置を用いることによって吹出口から便器本体内に空気を吹き出すとともに便器本体内の空気を吸込口から吸い込んで空気を循環させることができる。これにより、効率的に脱臭処理を行うことが可能になる。

　本発明の第６の態様は、第１から第５のいずれかの態様に係る大便器の脱臭方法において、前記横旋回流を前記横断流よりも強い空気の流れにしてもよい。

　上記大便器の脱臭方法によれば、横旋回流を横断流よりも空気の流れを強くすることによって横断流が便器本体の外に流れ出てしまうことを防止できる。その結果、臭気が拡散することを防止して効果的に脱臭処理を行うことが可能になる。

　本発明の第７の態様は、第１から第６のいずれかの態様に係る大便器の脱臭方法において、前記横断流が前記横旋回流に合流して前記吸込口から吸い込まれるようにしてもよい。

　上記大便器の脱臭方法によれば、横断流が横旋回流に合流して吸込口から吸い込まれることによって、横旋回流に加えて便器本体の中央部の臭気を捕集する横断流を形成するようにしても、この横断流で引き込まれた臭気を横旋回流とともに吸込口に送って効果的且つ効率的に脱臭処理できる。

　本発明の第８の態様に係る大便器は、便器本体内の臭気を脱臭する脱臭装置をさらに備え、前記脱臭装置は、前記便器本体内に空気を吹き出す吹出口と、前記便器本体内の空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込んだ空気の臭気成分を除去する脱臭手段とを備え、前記吹出口から前記便器本体内に空気を吹き出し、前記便器本体内の空気を前記吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体の内面に沿って横旋回する空気の横旋回流と、前記便器本体の内部を横断する空気の横断流とを形成し、前記横旋回流および前記横断流によって流れる空気を前記吸込口から吸い込むように構成されていることを特徴とする。

　上記大便器によれば、吹出口から便器本体内に空気を吹き出すとともに便器本体内の空気を吸込口から吸い込むことにより、便器本体のリム部などの内面に沿って横旋回する空気の横旋回流を形成する。これにより、便器本体内の臭気を引き連れて吸込口から吸い込み、吸込み口から吸い込まれた臭気を脱臭手段で脱臭できる。

　また、上記大便器によれば、空気の横旋回流に加え、便器本体の内部を横断する空気の横断流を形成する。これにより、便器本体の中央部、すなわち、空気の横旋回流の内側に滞留する臭気を横断流によって引き連れて吸込口から吸い込み、吸込み口から吸い込まれた臭気を脱臭手段で脱臭できる。

　本発明の第９の態様は、第８の態様に係る大便器において、前記吹出口に風向調節部材が設けられ、前記風向調節部材は、前記吹出口から吹き出す空気が流通するとともに、前記便器本体の内面に向けて空気を吹き出させ、前記便器本体の内面に沿って横旋回する空気の前記横旋回流を形成するための横旋回流形成部と、前記便器本体の内側に向けて空気を吹き出させ、前記便器本体の内部を横断する空気の横断流を形成するための前記横断流形成部とを備えていることが望ましい。

　上記大便器によれば、吹出口に横旋回流形成部と横断流形成部とを備えた風向調節部材を設けることによって、一つの吹出口から空気を吹き出すとともに、便器本体の内面に沿って横旋回する空気の横旋回流と、便器本体の内部を横断する空気の横断流とを同時に形成できる。

　また、横旋回流形成部および横断流形成部の大きさ（面積比など）を調節することによって、好適に便器本体内の臭気を捕集して脱臭できるように空気の横旋回流と横断流との流量比を自在に且つ容易に調節できる。

　本発明の第１０の態様は、第８または第９の態様に係る大便器において、前記脱臭装置は、前記吹出口から前記便器本体内に空気を吹き出し、前記便器本体内の空気を前記吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体の内面に沿って縦旋回する空気の縦旋回流を形成するように構成されていてもよい。

　上記大便器によれば、吹出口から便器本体内に空気を吹き出すとともに便器本体内の空気を吸込口から吸い込むことにより、便器本体の内面に沿って縦旋回する空気の縦旋回流を形成する。これにより、便器本体内の臭気を引き連れて吸込口から吸い込み、吸込口から吸い込まれた臭気を脱臭手段で脱臭できる。

　本発明の第１１の態様は、第８から第９の態様に係る大便器において、前記脱臭装置は、前記吹出口及び／又は前記吸込口に渦流発生手段を備え、前記渦流発生手段によって少なくとも一部が渦流となるように前記空気の横旋回流及び／又は前記横断流を形成するように構成されていてもよい。

　上記大便器によれば、便器本体内に形成される空気の横旋回流及び／又は横断流の少なくとも一部が渦流である。この結果、この渦流で周囲の広範の臭気を引き込みながら空気の横旋回流及び／又は横断流の流れによって吸込口に送り、空気を吸い込むことができる。

　これにより、さらに効率的且つ効果的に便器本体内の臭気を捕集して用便中、用便後の臭気を脱臭できる。例えば、使用者が便座から立ち上がる際に便器本体の中央部の空気が上方に引き上がり臭気が拡散することをより効率的に防止できる。

　本発明の第１２の態様に係る大便器の脱臭装置は、吸込み口と吹出し口とを接続していて臭気を含む空気を流通させる脱臭流路と、前記脱臭流路に設けていて流通する空気から臭気を脱臭する脱臭部を備えた脱臭器と、前記脱臭流路に設けていて前記脱臭器の脱臭部を通さない空気のバイパス通路とを備える。

　上記大便器の脱臭装置によれば、吸込み口から脱臭流路に流入させる空気の多くを脱臭器の脱臭部を通して脱臭すると共に、他の一部の空気を脱臭部を外れたバイパス通路を通すことにより、空気抵抗が少なくなる。このため、吸込み口から流入して脱臭流路を通る空気の流速と流量が増大するので、脱臭効率を向上させることができる。

　本発明の第１３の態様は、第１２の態様に係る大便器の脱臭装置において、前記バイパス通路は、前記臭器の表面または内部に形成されていてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、バイパス通路を脱臭器の表面または内部に形成することで脱臭流路が拡張することなく容易にバイパス通路を設置できる。このため、吸込み口から流入する空気の流速および流量を増大させて脱臭器による効率的な脱臭を行える。

　本発明の第１４の態様は、第１２の態様に係る大便器の脱臭装置において、前記バイパス通路は、前記脱臭器から分離して外部に形成されていてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、脱臭器から分離して外部にバイパス通路を設置することで、空気の脱臭に用いる脱臭器の脱臭効率を低下させることなく、吸込み口から流入する空気の流速および流量を増大させて脱臭器による効率的な脱臭を行える。

　本発明の第１５の態様は、第１２または第１３の態様に係る大便器の脱臭装置において、前記脱臭器は、前記脱臭部と、前記脱臭部を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材の一部を切り欠いてバイパス通路としてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、空気に含まれる臭気を吸着する脱臭部のカバー部材を切り欠いてバイパス通路を設けたことで、脱臭部を損傷することなく、切欠部でバイパス通路を形成できる。

　本発明の第１６の態様は、第１５の態様に係る大便器の脱臭装置において、前記カバー部材は、防水性を有する弾性部材であってもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、脱臭部を覆うカバー部材を防水性とすることで、水分が脱臭部やカバー部材に浸入することを防止できる。また、脱臭器を保護する脱臭ダクト等のケースとカバー部材との間に水漏れが生じない。

　本発明の第１７の態様は、第１２から１６のいずれかの態様に係る大便器の脱臭装置において、前記吸込み口および前記吹出し口は、便鉢内に開口していてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、脱臭流路の吸込み口および吹出し口は便鉢内に開口しているので、便鉢内に淀む臭気を空気と共に吸込み口から高速で流入させて脱臭器で吸着して便鉢内に高速で吹き出すことで便鉢内に旋回流路を形成させる。その結果、脱臭装置内の脱臭流路との間で高速の循環流路を形成して効率良く臭気を回収して換気できる。

　本発明の第１８の態様に係る大便器は、便器本体の開口を有する便鉢内の臭気を脱臭する脱臭装置を備え、前記脱臭装置は、吸込み口と、吹出し口と、前記吸込み口から吸い込むことで臭気を含む空気を流通させる脱臭流路と、前記脱臭流路に設けていて流通する空気から臭気を脱臭する脱臭器と、前記前記脱臭流路に設けた送風機とを備えており、前記便器本体の上面を基準面として、前記吸込み口および前記吹出し口は、前記便器本体の便鉢に開口し、少なくとも一部が前記基準面より下側に設置されている。

　上記大便器によれば、便鉢の上面を基準面として吸込み口と吹出し口は少なくとも一部が基準面より下側に設置されているため、便鉢の開口内に吸込み口と吹出し口が設置されている。この結果、吸込み口及び吹出し口を介して脱臭装置の脱臭流路と便鉢の開口内との間で効率よく空気流を循環させて空気流に含まれる臭気を脱臭装置で効率よく脱臭回収できる。
　なお、吹出し口は脱臭流路の吹出し口でもよいし、例えば温風乾燥ユニット等の別部材の吹出し口等でもよい。

　本発明の第１９の態様は、第１８の態様に係る大便器において、前記吹出し口から前記器本体の開口内に空気がほぼ水平に流れるように吹き出されるようにこうせいされていてもよい。

　上記大便器によれば、脱臭装置における空気の吸込み口及び吹出し口の少なくとも一部を基準面以下に設定することで、吹出し口から便鉢内に吹き出される吹き出し空気をほぼ水平に便鉢の開口内を流れるように調整できる。これによって、便鉢内を流れる空気流は吸込み口に流入する際に上下動を抑えて導入される。

　本発明の第２０の態様は、第１８または１９の態様に係る大便器において、前記便器本体は、前記便器本体の開口に臨む部分に前記基準面より下側に位置する凹部が形成され、前記脱臭装置の脱臭流路は、前記凹部内に設置されていて前記基準面より下側に位置すると共に、前記吹出し口が前記基準面より下側に設置されているようにしてもよい。

　上記大便器によれば、便鉢の凹部に脱臭流路を設置することで基準面の下側に位置させることができる。このため、基準面の下側で脱臭流路内を流れる空気流が上下に移動せずに済むため、圧損を減らすことができる。

　本発明の第２１の態様は、第２０の態様に係る大便器において、前記脱臭流路の上側に局部を洗浄するためのノズルユニットが設置されていてもよい。

　上記大便器によれば、脱臭装置の脱臭流路を下側に設置し、その上にノズルユニットを配設することで、脱臭流路を短くできて圧損を減らすことができる。

　本発明の第２２の態様は、第１８から第２１のいずれかの態様に係る大便器において、前記吸込み口は、前記基準面より下側に設置されていてもよい。

　上記大便器によれば、吸込み口を基準面の下側に設置することで、吹出し口から便鉢内を旋回する吹き出し空気流を便鉢内に淀む臭気を巻き込んで吸込み口に導くことができる。この結果、空気流の循環効率と臭気の脱臭効率を向上できる。

　本発明の第２３の態様は、第２０の態様に係る大便器において、下方に突出する凸部が形成されていて前記凸部の上面に凹陥部が形成されたベースを備え、前記凹陥部には前記脱臭装置が設置され、前記便鉢に形成された前記凹部に前記凸部が嵌合していてもよい。

　上記大便器によれば、脱臭装置をベースの下方に突出する凸部の凹陥部内に設置して、この凸部を便鉢の開口の周縁部に形成した凹部に嵌合させることで、脱臭装置を便鉢内の基準面の下側に設置できる。

　本発明の第２４の態様に係る大便器は、便器本体に取り付けられ、内部に形成された脱臭流路に空気を吸込む吸込口と、前記脱臭流路から前記脱臭流路の外部に空気を吹き出す吹出口と、を有し、前記便器本体の便鉢の内部を脱臭可能な脱臭装置と、前記吸込口から前記便鉢の上方の空気が吸い込まれるようにガイド可能なガイド部と、を備えている。

　上記大便器によれば、ガイド部が設けられていることにより、脱臭装置の脱臭流路に便鉢の上方の空気を吸込むことができる。このため、便鉢の上方の空間（トイレ空間）の脱臭を行うことができる。これにより、便鉢の内部の脱臭およびトイレ空間の脱臭を同一の脱臭装置を用いて行うことができる。

　本発明の第２５の態様は、第２４の態様に係る大便器において、前記ガイド部は、前記吸込口を開閉可能なシャッタであり、前記シャッタは、前記吸込口を開放した状態において、前記便鉢の上方の空気を前記吸込口に向かうようにガイド可能であってもよい。

　上記大便器によれば、脱臭装置の吸込口を上方に向ける機構を設けたり、便鉢の上方の空気を吸込口に導入するための専用の部品を設けたりしなくても、便鉢の上方の空気を脱臭流路へ吸込むことができる。

　本発明の第２６の態様は、第２４または第２５の態様に係る大便器において、使用者が前記便器本体に取り付けられた便座に着座したことを検知する着座センサをさらに備え、前記着座センサが前記使用者が前記便座に着座したことを検知すると、前記脱臭装置は駆動が停止されてもよい。

　上記大便器によれば、使用者が便座に着座している際に脱臭装置が駆動することを防止できる。これにより、便座に着座した使用者に吹出口から出た空気があたることを防止できる。

　本発明の第２７の態様は、第２４から第２６のいずれかの態様に係る大便器において、前記便器本体の前記便鉢の内部を照明する照明装置をさらに備え、前記照明装置は、前記脱臭装置が駆動している期間に前記便鉢の内部を照明してもよい。

　上記大便器によれば、便鉢の内部が照明されているかどうかを視認することで、脱臭装置が駆動しているかどうかを確認できる。

　本発明の第２８の態様は、第２４から第２７のいずれかの態様に係る大便器において、前記脱臭装置は、イオンを放出するイオン発生装置を有し、前記イオン発生装置で発生したイオンを含む空気を前記吹出口から吹き出してもよい。

　上記大便器によれば、脱臭のみでなく、イオンを利用してトイレ空間を効率的に除菌できる。

　本発明の第２９の態様は、第２８の態様に係る大便器において、前記便器本体に回動可能に取り付けられたさらに便蓋を有し、前記便蓋が閉じた状態において、前記吹出口から吹き出した空気が前記便器本体と前記便蓋との間に形成される所定の大きさの隙間から外部に流出してもよい。

　上記大便器によれば、便鉢の内部の除菌・脱臭を効率よく行うことができる。更に、除菌・脱臭を行うための空気を便器本体と便蓋との間に形成される所定の大きさの隙間からトイレ空間へ放出できる。このため、大便器の側面や大便器が設置された床などの除菌・脱臭も効率よく行うことができる。

　本発明の第３０の態様は、第２４から第２８のいずれかの態様に係る大便器において、前記便器本体に回動可能に取り付けられた便蓋をさらに有し、前記便蓋が開いた状態において、前記吹出口から吹き出した空気を前記便鉢の上方に指向させてもよい。

　上記大便器によれば、吹出口から吹き出された空気を便蓋にあてることなくより広い範囲の便鉢の上方の空間（トイレ空間）に放出できる。

　本発明の第３１の態様は、第２４から第２８のいずれかの態様に係る大便器において、前記吹出口から吹き出した空気を、前記吸込口から吸い込まれる空気が滞留する領域に指向可能に構成されていてもよい。

　上記大便器によれば、所望の領域に滞留する空気の脱臭を行うことができる。

　本発明の第３２の態様に係る大便器の脱臭装置は、便器本体に取り付けられて前記便器本体の便鉢の内部の空気の脱臭を行う脱臭装置において、前記便鉢の内部に向かって開口する吸込口から前記便鉢の内部の空気を吸込んで脱臭し、脱臭された空気を前記便鉢の内部または外部へ吹き出すように形成された脱臭流路と、前記脱臭流路の前記吸込口側に設置される集塵フィルタと、を有し、前記集塵フィルタは、前記便鉢の内部に向かって開口する集塵フィルタ着脱口を介して前記脱臭流路に着脱可能であり、前記集塵フィルタ着脱口は、シャッタによって開閉可能である。

　上記大便器の脱臭装置によれば、集塵フィルタ着脱口は、シャッタによって開閉可能である。これにより、使用者が大便器を使用する際には、シャッタを閉じた状態とすることで、集塵フィルタ着脱口を介して集塵フィルタ設置部分に大便器の内部の飛沫が入り込むことを防止できる。この結果、便鉢の内部の飛沫によって集塵フィルタが汚れることを防止できる。

　本発明の第３３の態様は、第３２の態様に係る大便器の脱臭装置において、前記集塵フィルタは、前記脱臭流路に着脱する際に使用者により把持される取っ手を有し、前記取っ手は、前記集塵フィルタ着脱口と前記集塵フィルタ着脱口を閉じた前記シャッタとの間に形成される隙間に収まる形状としてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、シャッタを開放し集塵フィルタの取っ手を把持することで、使用者が集塵フィルタを脱臭流路に容易に着脱できる。また、取っ手は、集塵フィルタ着脱口と集塵フィルタ着脱口を閉じたシャッタとの間に形成される隙間に収まる形状であることにより、シャッタと干渉しない構成とすることができる。

　本発明の第３４の態様は、第３２または第３３の態様に係る大便器の脱臭装置において、前記脱臭流路は、前記集塵フィルタに形成された被係止部を係止可能な係止部を有していてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、被係止部を係止部に係止させることで集塵フィルタを脱臭流路の集塵フィルタ取付部分に設置できる。

　本発明の第３５の態様は、第３２から第３４のいずれかの態様に係る大便器の脱臭装置において、前記集塵フィルタは、前記脱臭流路への取付け向きが設定されていて、設定された前記取付け向きと逆向きに前記集塵フィルタが取り付けられることを防止するための逆向き取付防止機構を有していてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、集塵フィルタを脱臭流路の集塵フィルタ取付部分に正しい向きに取り付けることができる。

　本発明の第３６の態様は、第３２から第３５のいずれかの態様に係る大便器の脱臭装置において、前記シャッタを開放状態に維持する操作部材をさらに備え、前記操作部材によって前記シャッタが開放状態に維持されると、前記集塵フィルタを前記集塵フィルタ着脱口を介して前記脱臭流路に着脱可能としてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、シャッタが操作部材によって開放状態に維持されるため、使用者がシャッタを開放状態となるように押さえる必要がない。このため、集塵フィルタを脱臭流路の集塵フィルタ取付部分に容易に着脱できる。

　本発明の第３７の態様は、第３２から第３６のいずれかの態様に係る大便器の脱臭装置において、前記シャッタは、上側を開放するように開口可能であり、前記集塵フィルタは、前記シャッタが上側を開放するように開口した状態で前記集塵フィルタ着脱口を介して前記脱臭流路に着脱可能である構成としてもよい。

　上記大便器の脱臭装置によれば、シャッタの上側から集塵フィルタを着脱できるため、集塵フィルタを脱臭流路の集塵フィルタ取付部分に容易に着脱できる。

　本発明の第３８の態様に係る大便器は、第３２から第３７のいずれか一つの態様にかかる大便器の脱臭装置が設けられている。

　上記大便器によれば、集塵フィルタ着脱口は、シャッタによって開閉可能である。これにより、使用者が便器を使用する際には、シャッタを閉じた状態とすることで、集塵フィルタ着脱口を介して集塵フィルタ設置部分に便器の内部の飛沫が入り込むことを防止できる。この結果、便鉢の内部の飛沫によって集塵フィルタが汚れることを防止できる。

　上記した本発明の第１から第７の各態様によれば、大便器の脱臭方法において、より効率的且つ効果的に臭気を捕集して用便中、用便後の臭気を脱臭できる。
　上記した本発明の第８から第１１の各態様によれば、大便器において、より効率的且つ効果的に臭気を捕集して用便中、用便後の臭気を脱臭できる。

　上記した本発明の第１２から第１７の各態様によれば、大便器の脱臭装置において、脱臭器にバイパス通路を設けたことで、脱臭器を通過すべき臭気を含む空気の一部をバイパス通路に流すことができて空気抵抗が少なくなり、吸込み口から脱臭流路を流れる空気流と空気量を増大できる。この結果、脱臭器での臭気の脱臭を効率的に行うことができる。
　そのため、脱臭器を小型化しても臭気を含む空気をより高速で循環させることで脱臭効率を向上できる。

　上記した本発明の第１８から第２３の各態様によれば、大便器において、脱臭装置の吸込み口と吹出し口は少なくとも一部が基準面より下側にある。このため、脱臭装置の吸込み口から吹出し口までと便鉢の開口内との間で効率よく空気流を循環させて空気に含まれる臭気を脱臭装置で効率よく脱臭回収できる。

　上記した本発明の第２４から第３１の各態様によれば、大便器において、便鉢の内部の脱臭およびトイレ空間の脱臭を同一の脱臭装置を用いて行うことができる。

　上記した本発明の第３２から第３７の各態様によれば、大便器の脱臭装置において、便鉢の内部の飛沫によって集塵フィルタが汚れることを防止できる。
　上記した本発明の第３８の態様によれば、大便器において、便鉢の内部の飛沫によって集塵フィルタが汚れることを防止できる。

本発明の実施形態Ａ１に係る大便器を示す斜視図である。本発明の実施形態Ａ１に係る大便器、大便器の脱臭方法を示す平面図である。本発明の実施形態Ａ１に係る大便器の脱臭装置の吹出口、吸込口を示す斜視図である。本発明の実施形態Ａ１に係る大便器の脱臭装置の吹出口を示す図である。本発明の実施形態Ａ１に係る大便器の脱臭方法を示す図であり、便器本体内に空気の横旋回流、横断流を形成した状態を示す図である。本発明の実施形態Ａ１に係る大便器の脱臭方法を示す図であり、便器本体内に空気の横旋回流、横断流を形成した状態を示す図である。本発明の実施形態Ａ１に係る大便器の脱臭方法を示す図であり、便器本体内に空気の横旋回流、横断流を形成した状態を示す図である。本発明の実施形態Ａ１に係る大便器の脱臭方法を示す図であり、便器本体内に空気の横旋回流、横断流を形成した状態を示す図である。本発明の実施形態Ａ２に係る大便器の脱臭方法を示す図であり、便器本体内に空気の縦旋回流を形成した状態を示す図である。本発明の実施形態Ａ３に係る大便器の脱臭方法を示す図であり、便器本体内に空気の渦流を形成した状態を示す図である。本発明の実施形態Ｂ１の大便器の斜視図である。図１１に示す本発明の実施形態Ｂ１の大便器の便蓋、便座、そして局部洗浄装置のカバーを取り外した状態の斜視図である。図１２に示す本発明の実施形態Ｂ１の局部洗浄装置において、脱臭ユニットとノズルユニットを示す要部斜視図である。本発明の実施形態Ｂ１の大便器の便器本体を示す斜視図である。図１３に示す本発明の実施形態Ｂ１に係る脱臭ユニットの拡幅部の吸込み口と吹出し口を示し、開口部を除いた拡幅部の要部正面図である。図１３に示す本発明の実施形態Ｂ１に係る脱臭ユニットの拡幅部の吸込み口と吹出し口を示し、開口部を設置した拡幅部の要部正面図である。図１５Ｂにおける本発明の実施形態Ｂ１の吹出し口の拡大図である。図１５Ａに示す本発明の実施形態Ｂ１に係る脱臭ユニットの拡大平面図である。本発明の実施形態Ｂ１の脱臭カートリッジの斜視図である。本発明の実施形態Ｂ１に係る脱臭ユニットにおける脱臭流路と便鉢における旋回流路とからなる空気の循環流路を示す大便器の要部平面図である。本発明の実施形態Ｃ１に係る大便器の斜視図である。図１９に示す本発明の実施形態Ｃ１に係る大便器の便蓋、便座、そして局部洗浄装置のカバーを取り外した状態の斜視図である。図２０に示す本発明の実施形態Ｃ１の局部洗浄装置において、ベース上の脱臭ユニットとノズルユニットを示す要部斜視図である。本発明の実施形態Ｃ１に係る大便器の便器本体を示す斜視図である。図２１に示す本発明の実施形態Ｃ１の脱臭ユニットの拡幅部の吸込み口と吹出し口を示し、開口部を除いた拡幅部の要部正面図である。図２１に示す本発明の実施形態Ｃ１の脱臭ユニットの拡幅部の吸込み口と吹出し口を示し、開口部を設置した拡幅部の要部正面図である。図２３Ａに示す本発明の実施形態Ｃ１の脱臭ユニットの要部平面図である。本発明の実施形態Ｃ１の便鉢の凹部に嵌合したベースの凸部の上面側の凹陥部に設けた脱臭カートリッジとノズルユニットを示す縦断面図である。本発明の実施形態Ｃ１の脱臭ユニットにおける脱臭流路と便器本体の便鉢内における旋回流路とからなる空気の循環流路を示す大便器の要部平面図である。本発明の実施形態Ｄ１に係る便器の一例を示す斜視図である。本発明の実施形態Ｄ１の機能部の内部を示す斜視図である。本発明の実施形態Ｄ１の便座の裏側を説明する図である。本発明の実施形態Ｄ１のシャッタが上側開放状態の機能部を示す斜視図である。本発明の実施形態Ｄ１のシャッタが下側開放状態の機能部を示す斜視図である。本発明の実施形態Ｄ１の除菌・脱臭装置を示す斜視図である。本発明の実施形態Ｄ１の便蓋が開いた状態の便器を示す側面図である。本発明の実施形態Ｄ１の便蓋が閉じた状態の便器を示す側面図である。本発明の実施形態Ｅ１に係る便器の一例を示す斜視図である。本発明の実施形態Ｅ１の機能部の内部を示す斜視図である。本発明の実施形態Ｅ１の脱臭流路と上側開放状態のシャッタを示す斜視図である。本発明の実施形態Ｅ１の脱臭流路と下側開放状態のシャッタを示す斜視図である。本発明の実施形態Ｅ１に係る除菌・脱臭装置を説明する図である。本発明の実施形態Ｅ１の集塵フィルタの正面図である。図４０Ａに示す本発明の実施形態Ｅ１の集塵フィルタの側面図である。本発明の実施形態Ｅ１の集塵フィルタの設置位置を説明する斜視図である。本発明の実施形態Ｅ１の集塵フィルタが脱臭流路に設置された様子を示す図である。本発明の実施形態Ｅ１の集塵フィルタが逆向きに脱臭流路に設置された様子を示す図である。

　以下、図１から図８を参照し、本発明の実施形態Ａ１に係る大便器の脱臭方法及び大便器について説明する。本実施形態Ａ１では、本発明に係る大便器は水洗大便器として説明を行うが、本発明に係る大便器は必ずしも水洗大便器に限定されない。

　本実施形態Ａ１の水洗大便器（大便器）１Ａは、図１及び図２に示すように、便器本体１１と、洗浄機構部１２と、便座部１３とを備えて構成されている。
　洗浄機構部１２は、便器本体１１の後部側に設けられ、例えば使用者によるリモートコントローラによる操作を検知して便器本体１１内に洗浄水を吐出させる。便座部１３は、便座１３ａ及び便蓋１３ｂからなる。

　さらに、水洗大便器１Ａは、図１から図３に示すように、用便後に局部を洗浄するための局部洗浄装置１４を備えている。

　便器本体１１は、便鉢のボウル部１１ａと、リム部１１ｂとを備えて形成されている。
　リム部１１ｂは、ボウル部１１ａの上部に設けられ、便器本体１１の内側に突出しつつ外周縁を形成する。

　洗浄機構部１２は、便器本体１１の後部側に着脱可能に一体に設けられ、且つカバーケース１６内に収容して設けられている。また、洗浄機構部１２は、例えばリモートコントローラによる操作によって洗浄水流路を開閉制御するコントロールバルブ、電磁バルブなどの開閉弁を備える。洗浄機構部１２は、この開閉弁によって便器本体１１のリム部１１ｂに洗浄水を流すリム吐水、便器本体１１の封水部１１ｄに洗浄水を流すジェット吐水の切替、吐水流量の制御が行えるように構成されている。

　なお、カバーケース１６は、ベース（ベースプレート）１６ａと、カバー（外殻体）１６ｂとを備えて構成されている。
　ベース１６ａは、便器本体１１の後部上面に設置される。カバー１６ｂは、ベース１６ａに組み付けられて収容空間を形成する。

　便座１３ａ及び便蓋１３ｂからなる便座部１３は、カバーケース１６に着脱可能に接続している。便座部１３は、横方向Ｔ１に延びる回動軸Ｏ１周り（上下方向）に回動自在に設けられている。

　局部洗浄装置１４は、洗浄機構部１２とともにカバーケース１６内に収容して設けられている。局部洗浄装置１４は、局部洗浄ノズル１７、１８と、シャッタ１１０とを備えている。
　局部洗浄ノズル１７、１８は、例えばリモートコントローラによる操作によって便器本体１１内に進出する。シャッタ１１０は、カバーケース１６に設けられたノズル開口部１９を開閉する。シャッタ１１０は、局部洗浄時に局部洗浄ノズル１７、１８の便器本体１１内への進出動作に応じてノズル開口部１９を開き、局部洗浄ノズル１８、１９がカバーケース１６内に退避するとともにノズル開口部１９を閉じるように構成されている。シャッタ１１０は、汚物、洗浄水の飛沫などが局部洗浄ノズル１７、１８にかかったり、内部に入り込んだりすることを防止するために設けられている。

　本実施形態Ａ１において、局部洗浄装置１４は、局部洗浄時に、リモートコントローラによる操作などに応じて便器本体１１の内側に局部洗浄ノズル１７、１８が進出するとともに、局部洗浄ノズル１７、１８の先端部がシャッタ１１０の背面側を押圧してシャッタ１１０が回動して開く。そして、局部洗浄装置１４は、便器本体１１の内側に進出した局部洗浄ノズル１７、１８の先端部から洗浄水が吐出して局部を洗浄するように構成されている。局部洗浄装置１４は、局部洗浄後に、局部洗浄ノズル１７、１８が退避するとともにシャッタ１１０の押圧状態が解除されて自動的にシャッタ１１０が回動しノズル開口部１９を閉じるように構成されている。

　具体的に、本実施形態Ａ１の局部洗浄装置１４は、図２から図５に示すように、ノズルユニット１１１と、温水供給ユニットと、温風乾燥ユニット（温風乾燥装置）１１２とを備えて構成されている。
　ノズルユニット１１１は、カバーケース１６のベース１６ａの中央に配置されている。温水供給ユニットは、局部を洗浄するための温水をノズルユニット１１１に供給する。温風乾燥ユニット１１２は、温風によって洗浄後の局部を乾燥させるために設けられている。

　また、本実施形態Ａ１では、この局部洗浄装置１４が用便中、用便後の臭気を吸い込んで脱臭する脱臭ユニット（脱臭装置）１１３を備えている。

　ノズルユニット１１１は、肛門洗浄用ノズルおよびビデ用ノズルの一対の局部洗浄ノズル（ツインノズル）１７、１８と、一対の局部洗浄ノズル１７、１８を内包するノズルカバーとを備えている。本実施形態Ａ１の一対の局部洗浄ノズル１７、１８は、前方に向かうに従い漸次下方に傾斜し、互いに軸線方向を同方向に向けて平行に配設されている。各局部洗浄ノズル１７、１８は、下方に位置する先端部に洗浄水を吐出する吐出孔１１６を備える。各局部洗浄ノズル１７、１８は、後端側から供給されて内部を流通した洗浄水が吐出孔１１６から所定の方向に吐出するように構成されている。

　また、一対の局部洗浄ノズル１７、１８は、それぞれ、略円柱棒状に形成されている。一対の局部洗浄ノズル１７、１８は、ベース１６ａの前面中央にノズル開口部１９に対し、軸線方向（前後方向Ｔ２）に進退自在に設けられている。これら一対の局部洗浄ノズル１７、１８は、それぞれ、洗浄時にノズル開口部１９から前方に進出して便器本体１１の内側に突出し、洗浄後にノズル開口部１９を通じてノズルカバー及びカバーケース１６内に退避して保持される。
　本実施形態Ａ１では前後方向Ｔ２は略前後の方向を含むものとして説明を行う。

　温水供給ユニットは、ノズルユニット１１１の各局部洗浄ノズル１７、１８に配管で接続されている。温水供給ユニットは、制御基板からの動作指令に基づいて駆動し、所定の温度に調温された温水を洗浄水として局部洗浄ノズル１７、１８に供給するように構成されている。

　温風乾燥ユニット１１２は、温風発生装置１１２ａ及び温風ダクト１１２ｂを備えている。温風乾燥ユニット１１２は、温風ダクト１１２ｂがノズル開口部１９に並んで開口する吹出口１１７に接続して設けられている。

　温風発生装置１１２ａは、ファンと、ヒータ１１２ｃとを備える。
　ファンは、温風ダクト１１２ｂの途中に設けられている。ヒータ１１２ｃは、温風ダクト１１２ｂのファンよりも吹出口１１７側に設けられている。温風発生装置１１２ａは、ファンの駆動によって吸い込んだ空気（外気）が温風ダクト１１２ｂを流通し、外気をヒータ１１２ｃで所定の温度に加熱するとともに吹出口１１７から前方の所定の方向、位置に吹き出すように構成されている。

　一方、本実施形態Ａ１の脱臭ユニット１１３は、脱臭ダクト１１３ａと、ファン（送風機）１１３ｂと、脱臭カートリッジ（脱臭手段）１１３ｃと、除菌ユニットとを備えて構成されている。
　ファン１１３ｂは、脱臭ダクト１１３ａの中途に設けられている。脱臭カートリッジ１１３ｃは、ファン１１３ｂよりも上流側の脱臭ダクト１１３ａ内に配置されている。除菌ユニットは、ファン１１３ｂよりも下流側に配置されている。

　脱臭ダクト１１３ａは、ノズル開口部１９に並んで開口する吸込口１１８に上流側の一端を接続し、下流側の他端を温風ダクト１１２ｂのヒータ１１２ｃよりも下流側に接続して設けられている。すなわち、本実施形態Ａ１では、温風ダクト１１２ｂの下流側と脱臭ダクト１１３ａの下流側とが共用通路とされ、温風ダクト１１２ｂと脱臭ダクト１１３ａとは吹出口１１７を兼用するように構成されている。

　また、脱臭ダクト１１３ａと温風ダクト１１２ｂとの接続部には、通路切替え及び風量調整用のダンパ１１９が設けられている。このダンパ１１９の制御角度に応じて温風ダクト１１２ｂと脱臭ダクト１１３ａとの開口比率を調整できるように構成されている。

　脱臭カートリッジ１１３ｃは、例えば、活性炭等の吸着型の脱臭剤を備え、通過する空気に含まれる臭気を脱臭剤によって取り除く。なお、脱臭剤は、脱臭が可能であれば特に限定する必要はない。例えば触媒であってもよく、光触媒のように紫外線等の光線を照射することによって物質を分解する分解型の脱臭剤であってもよい。

　除菌ユニットは、例えば、除菌イオンを発生させ、浮遊菌の繁殖を抑制し、且つ除菌し、空気を電離させてプラスイオンとマイナスイオンを生じさせ、そのプラスイオンとマイナスイオンにより浮遊菌を取り囲んで不活化するものが好適である。

　また、本実施形態Ａ１では、図４に示すように、脱臭ダクト１１３ａを通過した空気を吹き出す吹出口１１７に風向調節部材１２０が取り付けられている。この風向調節部材１２０は、吹出口１１７を上下方向略中央を境に上部と下部に分け、さらに上部と下部を通過する空気がそれぞれ異なる向きに送風されるように、上部と下部にそれぞれ向きがなる風向板を備えて形成されている。

　そして、本実施形態Ａ１の風向調節部材１２０は、上部に横旋回流形成部１２１が設けられ、下部に横断流形成部１２２が設けられている。
　横旋回流形成部１２１は、吹出口１１７から吹き出す空気が流通するとともに、便器本体１１の内面に向けて空気を吹き出させ、便器本体１１の内面に沿って横旋回する空気の横旋回流Ｒ１を形成するために設けられている。横断流形成部１２２は、便器本体１１の内側に向けて空気を吹き出させ、便器本体１１の内部を横断する空気の横断流Ｒ２を形成するために設けられている。

　次に、上記構成からなる本実施形態Ａ１の水洗大便器１Ａにおいて、用便中、用便後に脱臭を行う方法について説明するとともに、本実施形態Ａ１の水洗大便器１Ａの脱臭方法及び水洗大便器１Ａの作用効果について説明する。

　まず、使用者が便座に座ると、これをセンサ（検知手段）が検知し検知信号が制御装置（制御手段）に送られる。そして、制御装置が脱臭ユニット１１３のファン１１３ｂを駆動制御し、便器本体１１内の空気を吸込口１１８から吸い込み、吸込み口１１８から吸い込まれた空気が脱臭ダクト１１３ａを流通する間に脱臭カートリッジ１１３ｃで臭気成分を除去、分解し、処理後の空気を吹出口１１７から吹き出すように制御する。

　本実施形態Ａ１の水洗大便器１Ａは、図２に示すように、吹出口１１７に風向調節部材１２０が設けられている。本実施形態Ａ１の水洗大便器１Ａの脱臭方法及び水洗大便器１Ａは、風向調節部材１２０が上部側の横旋回流形成部１２１を通過する空気を便器本体１１のリム部１１ｂに向けて吹き出し、下部側の横断流形成部１２２を通過する空気を便器本体１１の封水部１１ｄ上の便器本体の内側略中央に向けて吹き出するように構成されている。

　リム部１１ｂは、その上部に便器本体１１の内側に突出し、便器本体１１の後部側から前部側まで連続して環状に繋がるオーバーハング部を備えて形成されている。このため、便器本体１１のリム部１１ｂに向けて吹き出された空気は、まず、リム部１１ｂに沿って便器本体１１の左右一方の後部側から前部側に流通し、さらに左右他方の前部側から後部側に流通して吸込口１１８に吸い込まれ、脱臭ダクト１１３ａ内の脱臭カートリッジ１１３ｃで処理されて再度吹出口１１７から吹き出される。

　このようにリム部１１ｂに沿って環状に流れる横旋回の横旋回流Ｒ１が形成されることによって、便器本体１１内で発生した臭気が横旋回流Ｒ１に引き込まれ、脱臭カートリッジ１１３ｃで順次脱臭処理される。また、横旋回流Ｒ１が形成されることによって、便器本体１１の外に臭気が流れ出ることを抑止できる。

　また、本実施形態Ａ１では、風向調節部材１２０の上部側の横断流形成部１２２を通過する空気が便器本体１１の内側に向けて吹き出される。この空気は、横旋回流Ｒ１で囲まれた内部、すなわち、便器本体１１内を略直線的に横断するように流れる。これにより、横旋回流Ｒ１で囲まれた内部、すなわち便器本体１１の中央部分の臭気を横断流Ｒ２が引き連れながら横旋回流Ｒ１に合流する。

　横旋回流Ｒ１は、吹出口１１７から吹き出した空気によって形成される。これにより、便器本体１１内で発生した臭気を横旋回流Ｒ１が引き込んで順次脱臭処理するとともに、横旋回流Ｒ１による引込力が弱くなる便器本体１１の中央部分に滞留する臭気を横断流Ｒ２が引き込んで移送し、横旋回流Ｒ１に合流させてのせ、順次脱臭処理できる。

　よって、本実施形態Ａ１の水洗大便器１Ａの脱臭方法及び水洗大便器１Ａは、吹出口１１７から吹き出した空気によって横旋回流Ｒ１および横断流Ｒ２を形成し、空気の横旋回流Ｒ１の中心部分、すなわち便器本体１１の中央部分の臭気を横断流Ｒ２で移送して横旋回流Ｒ１にのせることができる。その結果、本実施形態Ａ１の水洗大便器１Ａの脱臭方法及び水洗大便器１Ａは、便器本体１１の中央部分に臭気が滞留し淀むことを阻止して効率的に脱臭を行うことが可能になる。

　そして、このように横旋回流Ｒ１および横断流Ｒ２を併用して脱臭を行い、便器本体１１の中央部分に臭気が滞留し淀むことを阻止できることによって、用便中だけでなく、用便後に使用者が立ち上がるときに便器本体１１内の臭気が便器本体１１の上方に上がって拡散することを防止できる。

　また、横旋回流Ｒ１の内側に横断流Ｒ２を形成することによって、この横断流Ｒ２が蓋のように作用して便器本体１１の中央部分の臭気が上方に上がることを阻止することもできる。

　これにより、本実施形態Ａ１の水洗大便器１Ａの脱臭方法及び水洗大便器１Ａによれば、従来よりも効率的且つ効果的に臭気を捕集し、効果的に用便中、用便後の臭気を脱臭できる。

　また、吹出口１１７から吹き出した空気が吸込口１１８から吸い込まれて脱臭カートリッジ１１３ｃで脱臭処理され、再度吹出口１１７から吹き出して循環する。このため、脱臭カートリッジ１１３ｃで処理する際に、循環する空気を複数回にわたって脱臭処理できる。したがって、必ずしも臭気成分を高性能脱臭剤を用いて１００％に近い高効率で脱臭処理する必要がなく、低性能脱臭剤を用いて複数回の循環によって適宜処理できる。これにより、脱臭ユニット１１３の低コスト化を図ることも可能になる。

　また、下部側を通過する空気を便器本体１１のリム部１１ｂに向けて吹き出し、上部側を通過する空気を便器本体１１の内側に向けて横断するように吹き出す風向調節部材１２０を一つの吹出口１１７に設ける。この結果、空気の横旋回流Ｒ１と横断流Ｒ２を形成できる。
　すなわち、一つの吹出口１１７から空気を吹き出すことで同時に空気の横旋回流Ｒ１と横断流Ｒ２を形成できる。

　さらに、例えば、上部の横旋回流形成部１２１と下部の横断流形成部１２２の大きさ（面積比など）が異なる風向調節部材１２０に交換するなどして、容易に風向調節部材１２０の上部および下部のそれぞれの部位から吹き出す空気の流量を調節できる。これにより、容易に横旋回流Ｒ１および横断流Ｒ２の流量を調節できる。この調節により、効率的に横旋回流Ｒ１を形成しつつ横断流Ｒ２で便器本体１１内の臭気を引き連れて横旋回流Ｒ１に合流させ、脱臭できる。

　また、風向調節部材１２０は、その調節部（羽根部）の向きを変えることができる可変式であってもよい。この場合には、適宜空気を吹き出す方向を変えることができ、効果的に脱臭処理が行えるように横旋回流Ｒ１、横断流Ｒ２を形成できる。

　また、使用者が便座から立ち上がる動作を検知し、この検知結果を受けた制御装置によって脱臭ユニット１１３のファン１１３ｂの駆動を制御し、使用者が便座から立ち上がる動作を検知するとともにファン１１３ｂの出力を上げて、より強く空気の吹き出し、吸い込みを行うように構成すれば、より効果的に、使用者の立ち上がり動作に伴って臭気が便器本体１１の内部から上方に上がって拡散することを防止できる。

　さらに、横旋回流Ｒ１を横断流Ｒ２よりも空気の流れを強くすることによって横断流Ｒ２が便器本体１１の外に流れ出てしまうことを防止できる。その結果、臭気が拡散することを防止して効果的に脱臭処理を行うことが可能になる。

　また、横断流Ｒ２が横旋回流Ｒ１に合流して吸込口１１８から吸い込まれることによって、横旋回流Ｒ１に加えて便器本体１１の中央部の臭気を捕集する横断流Ｒ２を形成するようにしても、この横断流Ｒ２で引き込まれた臭気を横旋回流Ｒ１とともに吸込口１１８に送って効果的且つ効率的に脱臭処理できる。

　以上、本発明に係る大便器の脱臭方法及び大便器の実施形態Ａ１について説明したが、本発明は上記の実施形態Ａ１に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

　例えば、本実施形態Ａ１では、一つの吹出口１１７から横旋回流Ｒ１と横断流Ｒ２を同時に形成できるようにしたが、図５に示すように、別途、空気を吹き出して横断流Ｒ２を形成するための吹出口１１７を設けてもよい。

　また、図６に示すように、横断流Ｒ２を吸い込む吸込口１１８を横旋回流Ｒ１の吸込口１１８と別に設けるようにしてもよい。

　さらに、図７、図８に示すように、吹出口１１７及び／又は吸込口１１８を複数設けてもよい。また、複数の吹出口１１７及び／又は吸込口１１８で空気の吹き出し、吸い込みを行うことによって、便器本体１１の内側に複数の空気の横旋回流Ｒ１を形成してもよい。

　また、図７、図８に示すように、複数の吹出口１１７及び／又は吸込口１１８で空気の吹き出し、吸い込みを行うことで形成される一つの空気の流れ（図中の連続する破線－矢印で示した空気の流れ）によって、便器本体１１の内面に沿って流れる横旋回流Ｒ１と便器本体１１の内側を横断する横断流Ｒ２が順次形成されてもよい。言い換えれば、複数の吹出口１１７及び／又は吸込口１１８で空気の吹き出し、吸い込みを行うことで形成される一つの空気の流れが、横旋回流Ｒ１から横断流Ｒ２に、横断流Ｒ２から横旋回流Ｒ１に変化するように構成してもよい。

　さらに、吹出口１１７や吸込口１１８を設ける位置は、便器本体１１内の空気を吸い込んで脱臭処理を行うことが可能であれば、特に限定されない、例えば、吹出口１７や吸込口１８を便器本体１１に形成したり、また、便器本体１１の前部側に形成したり、便座１３ａや便蓋１３ｂに形成してもよい。

　また、中空状の便器本体１１の内部、便座１３ａや便蓋１３ｂの内部を空気の流路とし、この中空状の便器本体１１の内部、便座１３ａや便蓋１３ｂの内部に脱臭カートリッジ（脱臭手段）１１３ｃを設けてもよい。

　また、中空状の便器本体１１や便座１３ａ、便蓋１３ｂに周方向に所定の間隔をあけて複数の吹出口１１７や吸込口１１８を設けて、便器本体１１の内側に多方向（放射方向など）から空気を吹き出したり、多方向から空気を吸い込んだりして脱臭するように構成してもよい。

　さらに、吹出口１１７から空気を吹き出す吹出力で横旋回流Ｒ１や横断流Ｒ２の空気の流れを形成するのではなく、吸込口１１８から空気を吸い込む吸込力で横旋回流Ｒ１や横断流Ｒ２の空気の流れを形成するように構成してもよい。また、吹出力と吸込力を併用して空気の流れを形成しても勿論構わない。

　そして、このような構成にした場合においても、便器本体１１の中央部の臭気を効率的に脱臭でき、本実施形態Ａ１と同様の作用効果を得ることが可能である。

　また、横旋回流Ｒ１や横断流Ｒ２を上下方向Ｔ３に複数形成するようにしてもよい。
　例えば、上下に複数の横断流Ｒ２を形成すれば、横断流Ｒ２で捕集できずに上方に上がった臭気を上方の横断流Ｒ２で捕集できる。これにより、さらに効率的に臭気が拡散することを防止できる。また、上方の横断流Ｒ２が蓋のように作用し、下方の横断流Ｒ２で効率的に臭気を捉えて脱臭することも可能になる。

　また、本実施形態Ａ１では、脱臭ユニット１１３の吹出口１１７から吹き出した空気を旋回させて吸込口１１８から吸い込み、脱臭カートリッジ１１３ｃで脱臭処理した後に再度吹出口１１７から吹き出すように循環する例を示した。この他、脱臭ユニット１１３の吹出口１１７から吹き出した空気を旋回させ、臭気を捕集した横旋回流Ｒ１を吸込口１１８から吸い込んで脱臭カートリッジ１１３ｃで脱臭処理した後に外部に排気するように構成してもよい。すなわち、空気を必ずしも循環させなくてもよい。

　次に、図９を参照し、本発明の実施形態Ａ２に係る大便器の脱臭方法及び大便器について説明する。本実施形態Ａ２は、実施形態Ａ１と同様、吹出口から空気を便器本体内に吹き出し、吸込口から便器本体内の空気を吸い込んで脱臭を行う手段、方法に関する。よって、本実施形態Ａ２では実施形態Ａ１と同様の構成に対し同一符号を付し、その説明を省略する。

　本実施形態Ａ２の水洗大便器１Ａにおいては、実施形態Ａ１が脱臭ユニット１１３の吹出口１１７から空気を吹き出し、この空気を便器本体１１のリム部１１ｂに沿って横旋回させて吸込口１１８から吸い込んで循環させるのに対し、図９に示すように、リム部１１ｂ側から封水部１１ｄ側、封水部１１ｄ側からリム部１１ｂ側に縦旋回させて空気を循環させる。

　具体的に、本実施形態Ａ２では、吹出口１１７および吸込口１１８を便器本体１１の後部側に配置している。本実施形態Ａ２では、吹出口１１７から便器本体１１の前部側の内面に向けて空気を吹き出し、便器本体１１の内部の上部側に後部側から前部側に向かう空気の横断流を形成する。

　また、例えば、便器本体１１の前部側の内面の上部に上方から下方側に向かうに従い漸次前方側に傾斜し、さらに下方に向かうに従い後方側に傾斜して滑らかに繋がる空気誘導面１１ｃを形成しておく。

　これにより、本実施形態Ａ２では、吹出口１１７から吹き出した空気の直線流が空気誘導面１１ｃの上部側に当たるとともに、空気誘導面１１ｃに沿って下方に流れ、便器本体１１内の下方側を前部側から後部側に向けて空気が流れる。そして、この空気が便器本体１１内の後部側に達するとともに上方に上がって吸込口１１８から吸い込まれる。

　よって、本実施形態Ａ２の水洗大便器１Ａの脱臭方法及び水洗大便器１Ａは、吹出口１１７から便器本体１１の内側に空気を吹き出し、吸込口１１８から便器本体１１内の空気を吸い込むことによって、縦旋回流Ｒ３を形成できる。そして、このように空気の縦旋回流Ｒ３を形成することによって、便器本体１１内の臭気を脱臭できる。したがって、本実施形態Ａ２の水洗大便器１Ａの脱臭方法及び水洗大便器１Ａは、実施形態Ａ１の水洗大便器１Ａの脱臭方法及び水洗大便器１Ａと同様の作用効果を得ることが可能になる。

　また、本実施形態Ａ２においては、空気の縦旋回流Ｒ３を形成するとともに、便器本体１１の上方側に空気の直線流が形成される。これにより、この空気の直線流が蓋のように作用し、便器本体１１内から臭気が上方に上がって拡散することを防止できる。また、便器本体１１内から上方に上がった臭気を空気の直線流で効果的に捕集でき、効果的且つ効率的に脱臭を行うことが可能になる。

　以上、本発明に係る大便器の脱臭方法及び大便器の実施形態Ａ２について説明したが、本発明は上記の実施形態Ａ２に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

　実施形態Ａ１に記載した構成と組み合わせたり、実施形態Ａ１の構成、変更例の構成を適宜選択的に適用したりして本実施形態Ａ２の縦旋回流Ｒ３を形成するようにしてもよい。

　例えば、縦旋回流Ｒ３の数、縦旋回流Ｒ３の空気の流れ方向、縦旋回流Ｒ３の形成位置などは、必ずしも本実施形態Ａ２のように限定しなくてもよい。

　次に、図１０及び図１１を参照し、本発明の実施形態Ａ３に係る大便器の脱臭方法及び大便器について説明する。
　本実施形態Ａ３は、実施形態Ａ１，Ａ２と同様、吹出口から空気を便器本体内に吹き出し、吸込口から便器本体内の空気を吸い込んで脱臭を行う手段、方法に関する。よって、本実施形態Ａ３では、実施形態Ａ１，Ａ２と同様の構成に対し同一符号を付し、その説明を省略する。

　本実施形態Ａ３では、脱臭ユニット１１３の空気を吹き出す吹出口１１７と空気を吸い込む吸込口１１８の配置等が実施形態Ａ１の構成、実施形態Ａ２の構成、これらの変更例の構成と同様とされている。本実施形態Ａ３では、吹出口１１７からの空気を吹き出しや、吸込口１１８への空気の吸い込みによって、実施形態Ａ１の横旋回流Ｒ１、横断流Ｒ２、複数の横旋回流Ｒ１及び横断流Ｒ２、実施形態Ａ２の縦旋回流Ｒ３を形成する。

　一方、本実施形態Ａ３においては、図１０、図１１に示すように、このような横旋回流Ｒ１、横断流Ｒ２、縦旋回流Ｒ３などを形成するにあたり、その少なくとも一部に渦流Ｒ４を含むようにする。

　例えば、脱臭ユニット１１３の吹出口１１７及び／又は吸込口１１８に、内側に螺旋状の通路を備えた筒などの渦流発生手段を設ける。すなわち、空気が渦流発生手段を通過するとともにこの空気に旋回力を作用させ、流れ方向（横方向）に渦軸を向けた横渦流Ｒ４を吹出口１１７から空気の流れ方向（吹出方向）前方側に形成し、及び／又は吸込口１１８から空気の流れ方向（吸込方向）後方側に形成する。

　これにより、便器本体１１内に横方向に渦軸を向けた横渦流Ｒ４を形成しつつ空気が実施形態Ａ１や実施形態Ａ２のように横旋回流Ｒ１、横断流Ｒ２、縦旋回流Ｒ３として流れる。そして、横旋回流Ｒ１、横断流Ｒ２、縦旋回流Ｒ３の少なくとも一部に横渦流Ｒ４が形成されていることで、便器本体１１内の臭気が横渦流Ｒ４ひいては横旋回流Ｒ１、横断流Ｒ２、縦旋回流Ｒ３に効率的に引き込まれる。これにより、便器本体１１内の臭気が吸込口１１８で吸い込まれてゆき、順次脱臭処理される。

　よって、この場合には、横渦流Ｒ４を含んだ空気流が便器本体１１内を流れることによって直線流よりも周りの臭気を多く引き込み、便器本体１１内の臭気を効率的に捕集でき、この空気流が吸込口１１８から吸い込まれて脱臭カートリッジ１１３ｃで処理されることで効率的な脱臭が行える。

　また、例えば、吹出口１１７柱棒などの障害物（渦流発生手段）をその軸線方向を上下方向あるいは横方向（水平方向）に向けて設置する。そして、吹出口１１７から吹き出す空気を障害物に当てて便器本体１１内に吹き出すようにすると、障害物の空気流れ方向下流側にカルマン渦（渦流Ｒ４）が形成される。なお、軸線方向を上下方向に向けて円柱棒などの障害物を吹出口に設ければ、渦軸が上下方向を向くカルマン渦が形成され、軸線方向を横方向（水平方向）に向けて円柱棒などの障害物を吹出口に設ければ、渦軸が横方向を向くカルマン渦が形成される。

　そして、このようなカルマン渦の渦流Ｒ４を含んだ空気流が便器本体１１内を流れることによって直線流よりも周りの臭気を多く引き込み、便器本体１１内の臭気が効率的に捕集される。このため、この空気流が吸込口１１８から吸い込まれて脱臭カートリッジ１１３ｃで処理されることで効率的な脱臭が行える。

　以上、本発明に係る大便器の脱臭方法及び大便器の実施形態Ａ３について説明したが、本発明は上記の実施形態Ａ３に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

　実施形態Ａ１，Ａ２に記載した構成と組み合わせたり、実施形態Ａ１，Ａ２の構成、変更例の構成を適宜選択的に適用したりして本実施形態Ａ３の渦流Ｒ４を形成するようにしてもよい。

　また、吹出口１１７や吸込口１１８側の一部に渦流Ｒ４を形成して臭気を捕集するように構成してもよい。

　次に、本発明の実施形態Ｂ１に係る大便器の脱臭装置を添付図面によって説明する。
　図１１乃至図１８は本発明の実施形態Ｂ１に係る大便器２１の脱臭ユニット（脱臭装置）２１３を示す。
　図１１及び図１２は実施形態Ｂ１の局部洗浄装置２３を備えた水洗式の大便器２１を示す。大便器２１は、便器本体２２の上面後部に局部洗浄装置２３を備えている。局部洗浄装置２３は、局部洗浄、温風乾燥および脱臭のための各種の機能部品を収納するケース２５内に備えられている。ケース２５に設けたカバー２６には、便器本体２２上に設置した便座２７および便蓋２８がそれぞれ開閉可能に取り付けられている。

　図１２において、便器本体２２は、汚物を受ける便鉢２１０と、図示しない排水管部とを有する。排水管部は、便鉢２１０の底部から下方に延びている。便鉢２１０内の上部内壁には、リム通水路２２５および落とし込み流路等が形成されている。リム通水路２２５は、洗浄水の旋回流を生成するために形成されている。落とし込み流路は、旋回流を排水管部に向けて落とし込む流れを形成するために形成されている。

　局部洗浄装置２３は、便鉢２１０の開口２１０ａを形成する上面２１０ｂの後部に配置されたベース２１１上に設置されている。局部洗浄装置２３は、ノズルユニット２１２、脱臭ユニット２１３、および温風乾燥ユニット２１４等を備えている。ノズルユニット２１２は、後述する局部洗浄ノズルを備えている。脱臭ユニット２１３は、便鉢２１０で発生する臭気を脱臭するために設けられている。温風乾燥ユニット２１４は、洗浄後の局部を温風乾燥するために設けられている。更に局部洗浄装置２３は、温水供給ユニット２１５、制御部および電源基板等を備えている。温水供給ユニット２１５は、ノズルユニット２１２に温水を供給するために設けられている。制御部は、各ユニットの駆動を制御するために設けられている。

　図１２及び図１３に示す局部洗浄装置２３は、便鉢２１０の開口２１０ａに臨むベース２１１の先端側中央にノズルユニット２１２が設置されている。ノズルユニット２１２は一対の局部洗浄ノズルとして第一の洗浄ノズル２１６と第二の洗浄ノズル２１７とが並列に配設され、しかも斜め下向きに設置されている。第一の洗浄ノズル２１６は肛門洗浄用のノズルである。第二の洗浄ノズル２１７はビデ用洗浄ノズルである。第一及び第二の洗浄ノズル２１６，２１７はそれぞれ下方に位置する先端部に洗浄水を吐出する吐出孔を有している。
　第一及び第二の洗浄ノズル２１６，２１７はベース２１１に設置した温水供給ユニット２１５に配管を通して連結されている。温水供給ユニット２１５は図示しない制御部の指令により設定温度に調温された温水を第一及び第二の洗浄ノズル２１６，２１７に選択的に供給するようになっている。

　また、図１３、図１５Ａ、図１５Ｂ及び図１５Ｃに示すように、ベース２１１における便鉢２１０の開口２１０ａに臨む前面中央には下方に延びて拡幅された拡幅部２２１を有しており、拡幅部２２１の中央には一対の開口部２１８が設けられている。第一及び第二の洗浄ノズル２１６，２１７は拡幅部２２１の各開口部２１８を通って前方に突出可能である。拡幅部２２１には、開口部２１８の両側に臭気を含む空気を吸引する吸込み口２１９と脱臭した空気を吐出する吹出し口２２０が形成されている。

　また、拡幅部２２１の前面側には、一対の開口部２１８と一対の開口部２１８の左右の吸込み口２１９及び吹出し口２２０とを開閉操作するためのシャッター２２２が設けられている。シャッター２２２は略長方形板状を呈している。シャッター２２２は、その裏面が図示しない筒部に収納されたスプリングで拡幅部２２１側に引きつけられるように保持されている。シャッター２２２は、第一の洗浄ノズル２１６と第二の洗浄ノズル２１７によって上向きと下向きに回動可能に構成されている。
　即ち、第一の洗浄ノズル２１６が下方に突出した場合にはシャッター２２２の裏面に形成した図示しない一の突部を押してシャッター２２２の内面を上向きに回動して上開き開放状態になる。第二の洗浄ノズル２１７が下方に突出した場合にはシャッター２２２の裏面に形成した図示しない他の突部を押してシャッター２２２の内面を下向きに回動して下開き開放状態になる。
　第一の洗浄ノズル２１６による洗浄時には、第二の洗浄ノズル２１７を下方に突出させてシャッター２２２を下開き開放状態にしてから第一の洗浄ノズル２１６をシャッター２２２より前方に移動させた状態で、第一の洗浄ノズル２１６による洗浄を行う。また、第二の洗浄ノズル２１７による洗浄を行う場合は、第二の洗浄ノズル２１７を下方に突出させてシャッター２２２を下開き開放状態にし、更に第二の洗浄ノズル２１７をシャッター２２２より前方に移動させた状態で、洗浄を行う。

　また、局部洗浄装置２３を載置するベース２１１は略平板状であるが、その先端側中央において、拡幅部２２１からベース２１１の先端側の部分にかけて下に凸をなす凸曲面形状の凸部２２３を形成している。
　一方、図１４に示す便器本体２２において、便鉢２１０の上面２１０ｂは平面形状である。便鉢２１０の上面２１０ｂは、ベース２１１を載置する載置部２１０ｃの開口２１０ａに臨む縁部分が所定幅に亘って下方に凹んだ凹部２２４を形成している。そして、便鉢２１０の載置部２１０ｃ上にベース２１１を設置すると、凹部２２４にベース２１１の拡幅部２２１を含む凸部２２３が着座して嵌合する。

　図１５Ａ乃至図１５Ｃにおいて、便器本体２２の載置部２１０ｃは上面２１０ｂに含まれていて同一平面をなす。この平面を「陶器０面」という基準面Ｌと示す。ベース２１１の拡幅部２２１において、第一及び第二の洗浄ノズル２１６，２１７が貫通して進退する一対の開口部２１８、その両側の吸込み口２１９及び吹出し口２２０は、その全部または一部高さ部分が基準面Ｌより下側に位置する。
　また、便鉢２１０の開口２１０ａ内において、上面２１０ｂの周縁部の下側周面に沿ってリム通水路２２５が形成されている。リム通水路２２５は便鉢２１０の内側面に沿って周回するように形成された溝状のリム状通路である。リム通水路２２５は便鉢２１０を洗浄するための洗浄水の旋回流を生成する。

　なお、図１５Ｂ、１５Ｃにおいて、吹出し口２２０は例えば上下（または左右方向でもよい）２段の開口が上吹出し口２２０ａと下吹出し口２２０ｂとして形成されている。これら上吹出し口２２０ａおよび下吹出し口２２０ｂにはそれぞれ異なる向きのリブ２３０が形成されている。
　上吹出し口２２０ａから吹き出す空気は便鉢２１０の開口２１０ａ内の内側面に沿ってリム状通路として旋回流を形成する。下吹出し口２２０ｂから吹き出す空気は便鉢２１０の開口２１０ａ内を斜めに交差する方向に吹出して横断流を形成する。下吹出し口２２０ｂから吹き出す空気は吹出し口２２０に対向する便鉢２１０の内側面で上吹出し口２２０ａからの旋回流と合流する。これらの旋回流および横断流の風向きは上吹出し口２２０ａと下吹出し口２２０ｂに設置したリブ２３０によって調整できる。そのため、上吹出し口２２０ａと下吹出し口２２０ｂ方向を逆に設定してもよい。

　図１３に示すように、ベース２１１の先端側中央の凸部２２３上において、ノズルユニット２１２の下側には脱臭ユニット２１３が設置されている。図１６に示すように、脱臭ユニット２１３は、脱臭ダクト２２６と、ファン２２７と、脱臭カートリッジ２２８と、除菌ユニット２２９とを備えている。
　脱臭ダクト２２６は、拡幅部２２１に形成した吸込み口２１９と吹出し口２２０とを連結する。　脱臭ダクト２２６は、例えば略Ｕ字状またはコの字状の脱臭ダクト２２６に形成されている。ファン２２７は、送風機として脱臭ダクト２２６の途中に設けられている。脱臭カートリッジ２２８は、ファン２２７の上流側に設置されている。除菌ユニット２２９は、ファン２２７の下流側に設置されている。
　脱臭ダクト２２６は脱臭流路を構成する空気流の通路である。脱臭ダクト２２６の上流端に設けた吸込み口２１９は便鉢２１０の開口２１０ａに臨んでいて、臭気を含む空気を吸入する。

　図１６において、脱臭ユニット２１３の脱臭ダクト２２６の流路における途中部分に脱臭器として例えば脱臭カートリッジ２２８を設置している。脱臭カートリッジ２２８は脱臭用の触媒を内蔵しており、通過する空気中に含まれる臭気を取り除く脱臭部２３１を備えている。本実施形態Ｂ１では、図１７に示すように、脱臭カートリッジ２２８は、脱臭部２３１と、カバー部材２３２とを備えている。
　脱臭部２３１は、活性炭等を触媒とする吸着型の脱臭剤からなる。カバー部材２３２は、脱臭部２３１の外周面を覆っていて防水性で弾性を有する例えばスポンジ等の弾性部材からなる薄層に形成されている。
　脱臭部２３１には適宜形状のものを採用可能である。例えば、脱臭部２３１には四角形柱状の一の角部を斜めに切除した五角形柱状とされ、内部に活性炭等の脱臭剤が収納されている。或いは、脱臭部２３１には別の脱臭剤として光触媒のように紫外線を照射することによって物質を分解する機能を備えた分解型のものを採用してもよい。脱臭部２３１は通気を確保するために外周面や内面をメッシュ状に形成している。カバー部材２３２のスポンジは例えば防水性の高い独立気泡タイプの帯状部材である。カバー部材２３２のスポンジは脱臭部２３１の側面に巻かれている。

　しかも、脱臭カートリッジ２２８はカバー部材２３２の一部、例えば脱臭部２３１の上面側の一部を切除した切欠部２３３を有している。或いは、切欠部２３３はカバー部材２３２の側面または底面に形成してもよい。この切欠部２３３は、流入する空気が脱臭部２３１をバイパスして下流側に流れるためのバイパス通路を構成する。本実施形態Ｂ１では、切欠き部２３３は、スポンジ等のカバー部材２３２の所定幅の厚み分を空気の流れ方向に沿って切除することで形成されている。
　そのため、脱臭ダクト２２６に流れる空気は、脱臭カートリッジ２８でその多くが脱臭部２３１を通過して脱臭され、一部がカバー部材２３２を通り、更に他の一部が切欠部２３３のバイパス通路を通過して下流側に流れる。脱臭ダクト２２６に流れる空気の一部が切欠部２３３のバイパス通路を通過することによって、脱臭カートリッジ２２８の通気性が向上する。この結果、吸込み口２１９から流入して脱臭ダクト２２６を流れる空気の風速および風量を増大させることができる。

　また、除菌ユニット２２９は除菌イオンを発生させて浮遊菌の繁殖を抑制し、除菌する。具体的には、空気を電離させてプラスイオンとマイナスイオンを生じさせて、そのプラスイオンとマイナスイオンにより浮遊菌を取り込んでこれを不活化させる。
　また、図１６に示す脱臭ダクト２２６において、脱臭カートリッジ２２８の上流側には進退可能なフィルター２３４が設置されている。フィルター２３４は、吸込み口２１９から空気と共に流入する粉塵等の異物等を集塵可能に構成されている。フィルター２３４は、シャッター２２２を取り外した状態で、拡幅部２２１から着脱可能としている。

　そして、脱臭ユニット２１３は、脱臭流路を構成する脱臭ダクト２２６と脱臭カートリッジ２２８とがベース２１１の凸部２２３内に設置されていて、基準面Ｌの下側に設置されている。拡幅部２２１は吸込み口２１９と吹出し口２２０を備える。拡幅部２２１はベース２１１の先端側中央で凸部２２３から突出して便鉢２１０の開口２１０ａ内に臨んでいる。また、ファン２２７と除菌ユニット２２９は基準面２Ｌよりも上側に設置されている。
　また、ベース２１１の拡幅部２２１に形成した吸込み口２１９は便鉢２１０の上面２１０ｂの下側即ち基準面２Ｌより下側に開口している。ベース２１１の拡幅部２２１に形成した吹出し口２２０はその一部が基準面より下側に開口している。吹出し口２２０は少なくとも上吹出し口２２０ａの一部が基準面２Ｌより下側に位置することが好ましい。

　脱臭ユニット２１３における吸込み口２１９での空気の吸込みに当たっては、便鉢２１０の下部に淀む臭気を含む空気を脱臭ダクト２２６に吸入して脱臭を行う。吹出し口２２０から吹き出される脱臭後の空気は略水平方向に吹き出して、便鉢２１０内のリム通水路２２５に沿って旋回して再び吸込み口２１９に導かれる。
　そのため、脱臭ダクト２２６内の脱臭流路と便鉢２１０内での空気の旋回流路とで、空気を繰り返し循環させる循環流路が形成される。図１３に示す局部洗浄装置２３において、脱臭ユニット２１３における脱臭ダクト２２６及び脱臭カートリッジ２２８の上部には斜め方向にノズルユニット２１２が設置されている。

　また、脱臭ユニット２１３に隣接する位置には温風乾燥ユニット２１４が設置されている。
　温風乾燥ユニット２１４は温風発生装置２３５と温風ダクト２３８とを備えている。温風発生装置２３５は送風ファン２３６と、ヒータ２３７とを備えている。送風ファン２３６は温風ダクト２３８の上流側に設けられている。ヒータ２３７は温風ダクト２３８内に配設されている。温風ダクト２３８は拡幅部２２１に形成された空気の吸込み口２１９の上部に形成した温風送風口に連通している。
　温風乾燥ユニット２１４は、ヒータ２３７で暖められた温風発生装置２３５の温風が温風ダクト２３８を流通して温風送風口２４１から吹き出されるように構成されている。これにより、局部を乾燥させる。なお、温風乾燥ユニット２１４で生成した温風を拡幅部２２１の吹出し口２２０に連通して吹き出すように構成してもよい。

　本実施形態Ｂ１に係る大便器２１の脱臭ユニット２１３は上述した構成を備えている。次に脱臭ユニット２１３による脱臭方法について説明する。
　大便器２１の脱臭時において、第二の洗浄ノズル２１７を下方に突出させることにより、シャッタ－２２２を下開き開放状態にする。その後、第一の洗浄ノズル２１６が駆動して拡幅部２２１の開口部２１８を通して斜め下方に突出することによりシャッター２２２より突出させると共に、脱臭ユニット２１３のファン２２７を駆動する。その際、シャッター２２２は内面が下を向く下開き開放状態であるため、臭気を含む空気の流れが上方にいかないで吸込み口２１９から流入するように調整している。
　脱臭ユニット２１３の脱臭ダクト２２６および脱臭カートリッジ２２８はベース２１１の下方への凸部２２３内に設置されていて、吸込み口２１９と共に基準面２Ｌの下側に位置している。吹出し口２２０はその一部が基準面２Ｌの下側に位置している。また、ファン２２７の駆動によって吹出し口２２０から吹き出した空気は、内面上部に形成されたリム通水路２２５に向けて水平方向に吹き出されるように設定されている。

　そして、図１８に示すように、脱臭時に吹出し口２２０の上吹出し口２２０ａから吹き出した空気は便鉢２１０内をリム通水路２２５に沿って旋回流として横旋回して局部洗浄装置２３側に戻ってくる。即ち、便鉢２１０内において破線で示すような旋回流路が形成される。一方、吹出し口２２０の下吹出し口２２０ｂから吹き出す空気は便鉢２１０の開口２１０ａ内を中央に向けて横断する横断流として吹出し、吹出し口２２０に対向する便鉢２１０の内側面で上吹出し口２２０ａからの旋回流と合流して旋回流を形成して吸込み口２１９に向かう。これによって便鉢２１０内の臭気を満遍なく回収できる。

　吸込み口２１９は基準面２Ｌの下部に位置する。このため、便鉢２１０内を旋回する空気は便鉢２１０内における淀んだ臭気を巻き込んで直接吸込み口２１９に導かれる。そして、臭気を含む空気流は、脱臭ユニット２１３におけるファン２２７の吸引力によって脱臭ダクト２２６内に流入する。
　図１６に示すように、脱臭ダクト２２６内を流れる臭気を含む空気の多くは、脱臭カートリッジ２２８内のカバー部材２３２で覆われた脱臭部２３１を流れることで臭気が吸着され、かつ流動抵抗を受ける。また、一部の空気は脱臭カートリッジ２２８の切欠部２３３からなるバイパス通路を流れることで脱臭カートリッジ２２８による流動抵抗を受けることなく高速で下流側に流れる。

　これにより、吸込み口２１９から脱臭ダクト２２６内に流入する全体の空気流の風速を高速化できる。このため、脱臭ダクト２２６内の脱臭カートリッジ２２８で脱臭できる空気の循環速度を速くできて、吹出し口２２０からの空気の吹き出し流量も高速化できる。その結果、便鉢２１０内のリム通水路２２５での旋回流も高速化できる。
　こうして脱臭ユニット２１３における脱臭ダクト２２６内の空気の循環流速および便鉢２１０内のリム通水路２２５での旋回流速を速めて、脱臭カートリッジ２２８で臭気をより速く脱臭し、大便器２１とその周辺のトイレ空間の臭気の換気率を向上できる。
　なお、トイレ空間全体を脱臭する場合には、便蓋２８を開状態にすると共にシャッター２２２を内面が上向きとなる上開き状態にして大便器２１周辺の脱臭を行うことができる。

　上述のように本実施形態Ｂ１に係る大便器２１の脱臭ユニット２１３によれば、脱臭カートリッジ２２８の一部に切欠部２３３からなるバイパス通路を形成したことで吸込み口２１９内および吹出し口２２０を流動する空気流量が増大して高速で循環する。このため、脱臭カートリッジ２２８における臭気の吸着効率を向上させることができる。
　また、脱臭ダクト２２６における空気流速および風量を増大させることができる。このため、便鉢２１０内だけでなく便鉢２１０周辺のトイレ空間での換気効率を向上できる。
　更に、脱臭ユニット２１３における脱臭カートリッジ２２８の空気抵抗が少なくなる。このため、脱臭部２３１のメッシュサイズを小さくしたり脱臭カートリッジ２２８を小型化したりしても効率よく脱臭できる。
　また、脱臭ユニット２１３の吸込み口２１９、吹出し口２２０および脱臭ダクト２２６は便鉢２１０の凹部２２４内に位置する。このため、便鉢２１０内に淀む臭気を空気と共に吸込み口２１９から高速で流入させて脱臭カートリッジ２２８で吸着して効率良く臭気を回収して換気できる。

　なお、本発明による大便器２１の脱臭ユニット２１３は、上述した実施形態Ｂ１に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。以下に、本発明の変形例等について説明するが、上述した実施形態Ｂ１で説明した部品や部材等と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を省略する。

　例えば、上述した脱臭ユニット２１３において、脱臭カートリッジ２２８の脱臭部２３１を覆うカバー部材２３２の一部を切除した切欠部２３３を形成してバイパス通路としたが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、脱臭カートリッジ２２８のカバー部材２３２に形成した切欠部２３３に代えて、脱臭部２３１やカバー部材２３２の内部に管状または中空の通路を形成してもよい。或いは、脱臭カートリッジ２２８を切除することなく、脱臭カートリッジ２２８の前後で脱臭ダクト２２６から分岐して、脱臭カートリッジ２２８の外部に空気流を通すバイパス通路を分離して形成してもよい。
　これらの場合でも、脱臭カートリッジ２２８の前後の空気流の風速が増大して、吸込み口２１９と吹出し口２２０を通過する空気流速と流量が増大する。このため、脱臭カートリッジ２２８内を通過する空気流速と流量が増大して臭気の脱臭・吸着効率が向上する。

　なお、上述した実施形態Ｂ１において、脱臭ユニット２１３はベース２１１の先端側中央部に下側に拡幅する拡幅部２２１および下側への凸部２２３を形成して、凸部２２３内に脱臭ダクト２２６および脱臭カートリッジ２２８を設置して基準面２Ｌ以下の凹部２２４に配設している。これに対し、脱臭ダクト２２６やこれに連結される吸込み口２１９および吹出し口２２０は必ずしも基準面２Ｌ以下に設置する必要はない。
　例えば、吸込み口２１９、吹出し口２２０、脱臭ダクト２２６および脱臭カートリッジ２２８それぞれの一部が基準面Ｌ以下に設置する構成を採用してもよい。或いは、ベース２１１を全体に平板状に形成してこのベース２１１の上に、即ち基準面２Ｌの上に脱臭ユニット２１３を設置してもよい。

　また、実施形態Ｂ１では脱臭カートリッジ２２８を脱臭部２３１とカバー部材２３２で形成した。しかし、脱臭カートリッジ２２８にカバー部材２３２を設けなくてもよく、脱臭ダクト２２６内に直接脱臭部２３１を隙間なく設置してもよい。
　なお、実施形態Ｂ１では吹出し口２２０を上吹出し口２２０ａと下吹出し口２２０ｂとに分割して空気の吹き出し方向を２つに分けたが、いずれか１つの吹出し口でもよい。この場合にはリム通水路２２５に沿って流れるようにすることが好ましい。
　なお、脱臭器は脱臭カートリッジ２２８に限定されない。脱臭器として、非カートリッジタイプのものや脱臭ダクト２２６への据え付けタイプのものなど、各種の脱臭器を設置できることはいうまでもない。また、脱臭ユニット２１３は脱臭装置を構成するものである。
　また、上記の実施形態Ｂ１に実施形態Ａ１－Ａ３の少なくとも１つに記載した構成と組み合わせたり、実施形態Ａ１－Ａ３の少なくとも１つの構成、変更例の構成を適宜選択的に適用したりしてもよい。

　次に、本発明の実施形態Ｃ１に係る水洗式大便器（大便器）の脱臭装置を添付図面によって説明する。
　図１９乃至図２６は本発明の実施形態に係る水洗式の大便器３１の脱臭装置としての脱臭ユニット３１３を示す。
　図１９及び図２０は実施形態の局部洗浄装置３３を備えた水洗式の大便器３１を示している。大便器３１は、便器本体３２の上面後部に局部洗浄装置３３を備えている。局部洗浄装置３３は、局部洗浄、温風乾燥および脱臭のための各種の機能部品を収納するケース３５内に備えられている。ケース３５に設けたカバー３６には便器本体３２上に設置した便座３７および弁蓋３８がそれぞれ開閉可能に取り付けられている。
　図２０において、便器本体３２は、汚物を受ける便鉢３１０と、図示しない排水管部と、を有する。排水管部は、便鉢３１０の底部から下方に延びている。便鉢３１０内の上部内壁には、リム通水路３２５および落とし込み流路等が形成されている。リム通水路３２５は洗浄水の旋回流を生成するために形成されている。落とし込み流路は旋回流を排水管部に向けて落とし込む流れを形成するために形成されている。

　局部洗浄装置３３は、便鉢３１０の開口３１０ａを形成する上面３１０ｂの後部に配置されたベース３１１上に設置されている。局部洗浄装置３３は、ノズルユニット３１２、脱臭ユニット３１３および温風乾燥ユニット３１４等を備えている。ノズルユニット３１２は後述する局部洗浄ノズルを備えている。脱臭ユニット３１３は便鉢３１０で発生する臭気を脱臭するために設けられている。温風乾燥ユニット３１４は洗浄後の局部を温風乾燥するために設けられている。更に局部洗浄装置３３は、温水供給ユニット３１５や制御部や電源基板等を備えている。温水供給ユニット３１５はノズルユニット３１２に温水を供給するために設けられている。制御部は各ユニットの駆動を制御するために設けられている。

　図２０及び図２１に示す局部洗浄装置３３において、便器本体３２における便鉢３１０の開口３１０ａに臨むベース３１１の先端側中央にノズルユニット３１２が設置されている。ノズルユニット３１２は一対の局部洗浄ノズルとして第一の洗浄ノズル３１６と第二の洗浄ノズル３１７が並列に配設され、しかも斜め下向きに設置されている。第一の洗浄ノズル３１６は肛門洗浄用のノズルであり、第二の洗浄ノズル３１７はビデ用洗浄ノズルである。第一及び第二の洗浄ノズル３１６，３１７はそれぞれ下方に位置する先端部に洗浄水を吐出する吐出孔を有している。
　第一及び第二の洗浄ノズル３１６，３１７はベース３１１に設置した温水供給ユニット３１５に配管を通して連結されている。温水供給ユニット３１５は図示しない制御部の指令により設定温度に調温された温水を第一及び第二の洗浄ノズル３１６，３１７に選択的に供給するようになっている。

　また、図２１、図２３Ａ及び図２３Ｂに示すようにベース３１１における便鉢３１０の開口３１０ａに臨む前面中央には下方に延びて拡幅された拡幅部３２１を有しており、拡幅部３２１の中央には一対の開口部３１８が設けられている。第一及び第二の洗浄ノズル３１６，３１７は拡幅部３２１の各開口部３１８を通って前方に突出可能である。拡幅部３２１には、一対の開口部３１８の両側に臭気を含む空気を吸引する吸込み口３１９と脱臭した空気を吐出する吹出し口３２０が形成されている。

　また、拡幅部３２１の前面側には、一対の開口部３１８と一対の開口部３１８の左右の吸込み口３１９及び吹出し口３２０を開閉操作するためのシャッター３２２が設けられている（図２１参照）。シャッター３２２は略長方形板状を呈している。シャッター３２２はその裏面は図示しない筒部に収納されたスプリングで拡幅部３２１側に引きつけられるように保持されている。シャッター３２２は、第一の洗浄ノズル３１６と第二の洗浄ノズル３１７によって上向きと下向きに回動可能とされている。
　即ち、第一の洗浄ノズル３１６が下方に突出した場合にはシャッター３２２の裏面に形成した図示しない一の突部を押してシャッター３２２の内面を上向きに回動して上開き開放状態になる。第二の洗浄ノズル３１７が下方に突出した場合にはシャッター３２２の裏面に形成した図示しない他の突部を押してシャッター３２２の内面を下向きに回動して下開き開放状態になる。
　第一の洗浄ノズル３１６による洗浄時には、第二の洗浄ノズル３１７を下方に突出させてシャッター３２２を下開き開放状態にしてから第一の洗浄ノズル３１６をシャッター３２２より前方に移動させた状態で、第一の洗浄ノズル３１６による洗浄を行う。また、第二の洗浄ノズル３１７による洗浄を行う場合は、第二の洗浄ノズル３１７を下方に突出させてシャッター３２２を下開き開放状態にし、更に第二の洗浄ノズル３１７をシャッター３２２より前方に移動させた状態で洗浄を行う。

　また、局部洗浄装置３３を載置するベース３１１は略平板状であるが、その先端側中央において、拡幅部３２１からベース３１１の先端側の部分にかけて下に凸をなす所定幅の凸曲面形状の凸部３２３を形成している。そのため、凸部３２３の上面側は凹陥部３２３ａを形成する。
　一方、図２２に示す便器本体３２において、便鉢３１０の上面３１０ｂは平面形状である。便鉢３１０の上面３１０ｂにおいてベース３１１を載置する載置部３１０ｃのうちの開口３１０ａに臨む周縁部には、所定幅に亘って下方に凹んだ凹部３２４が形成されている。そして、便鉢３１０の載置部３１０ｃ上にベース３１１を設置すると、凹部３２４にベース３１１の凸部３２３が着座して凹部３２４と凸部３２３とが嵌合する。

　図２３Ａおよび図２３Ｂにおいて、便器本体３２の載置部３１０ｃは上面３１０ｂに含まれていて同一平面をなす。この平面は「陶器ゼロ面」という基準面３Ｌを示す。しかも、ベース３１１の拡幅部３２１において、第一及び第二の洗浄ノズル３１６，３１７が貫通して進退する一対の開口部３１８とその両側の吸込み口３１９及び吹出し口３２０は、その全部または一部の高さ部分が基準面Ｌより下側に位置する。
　なお、図２３Ａは一対の開口部３１８を有する枠部を除いた拡幅部３２１を示し、図２３Ｂは開口部３１８の枠部を拡幅部３２１に設置した状態を示す。図２３Ａおよび図２３Ｂに示す例では、吸込み口３１９は全体が基準面３Ｌ以下にあり、吹出し口３２０は一部を残して基準面３Ｌ以下にある。

　また、図２２に示す便鉢３１０の開口３１０ａ内において、上面３１０ｂの周縁部の下側周面に沿ってリム通水路３２５が形成されている。リム通水路３２５は便鉢３１０の内側面に沿って周回するように形成された溝状のリム状通路である。リム通水路３２５は便鉢３１０を洗浄するための洗浄水の旋回流を生成する。

　図２１及び図２５に示すように、ベース３１１の先端側中央の凸部３２３上面の凹陥部３２３ａにおいて、ノズルユニット３１２の下側には脱臭ユニット３１３が設置されている。図２４に示すように、脱臭ユニット３１３は、脱臭ダクト３２６と、ファン３２７と、脱臭カートリッジ３２８と、除菌ユニット３２９とを備えている。脱臭ダクト３２６は拡幅部３２１に形成した吸込み口３１９と吹出し口３２０とを連結する。脱臭ダクト３２６は例えば略Ｕ字状またはコの字状に形成されている。ファン３２７は送風機として脱臭ダクト３２６の途中に設けられている。脱臭カートリッジ３２は脱臭器でありファン３２７の上流側に設置されている。除菌ユニット３２９はファン３２７の下流側に設置されている。
　脱臭ダクト３２６は脱臭流路を構成する空気流の通路である。脱臭ダクト３２６はその上流端に設けた吸込み口３１９は便鉢３１０の開口３１０ａに臨んでいて、臭気を含む空気を吸入する。

　図２４において、脱臭ユニット３１３の脱臭ダクト３２６の流路における途中部分に脱臭カートリッジ３２８を設置している。脱臭カートリッジ３２８は脱臭用の触媒を内蔵しており、通過する空気中に含まれる臭気を取り除く脱臭部３３１を備えている。本実施形態では、脱臭カートリッジ３２８は、脱臭部３３１と、カバー部材３３２とを備えている。脱臭部３３１は活性炭等を触媒とする吸着型の脱臭剤である。カバー部材３３２は脱臭部３３１の外周面を覆っていて防水性で弾性を有する例えばスポンジ等からなる薄層に形成されている。
　脱臭部３３１は内部に活性炭等の脱臭剤が収納されている。或いは、別の脱臭剤として光触媒のように紫外線を照射することによって物質を分解する機能を備えた分解型のものを採用してもよい。脱臭部３３１は通気を確保するために外周面や内面をメッシュ状に形成している。カバー部材３３２のスポンジは例えば防水性の高い独立気泡タイプの帯状部材であり、脱臭部３３１の側面に巻かれている。

　しかも、脱臭カートリッジ３２８はカバー部材３３２の一部、例えば脱臭部３３１の上面側の一部を切除した切欠部３３３を有している。或いは、切欠部３３３はカバー部材３３２の側面または底面に形成してもよい。この切欠部３３３は流入する空気が脱臭部３３１をバイパスして下流側に流れるためのバイパス通路を構成する。切欠部３３３は、カバー部材３３２の所定幅の厚み分を空気の流れ方向に沿って切除することで形成されている。
　そのため、脱臭ダクト３２６に流れる空気は、脱臭カートリッジ２８でその多くが脱臭部３３１を通過して脱臭され、一部が切欠部３３３のバイパス通路を通過して下流側に流れる。脱臭カートリッジ２８を流れる空気の一部が切欠部３３３のバイパス通路を通過することによって、脱臭カートリッジ３２８での通気性が向上する。この結果、吸込み口３１９から流入して脱臭ダクト３２６を流れる空気の風速と風量を増大させることができる。
　或いは、脱臭カートリッジ３２８に切欠部３３３等のバイパス通路を設けないで、空気流の全量が脱臭カートリッジ３２８の脱臭部３３１やカバー部材３３２を通過するようにしてもよい。

　また、除菌ユニット３２９は除菌イオンを発生させて浮遊菌の繁殖を抑制し、除菌する。具体的には、空気を電離させてプラスイオンとマイナスイオンを生じさせて、そのプラスイオンとマイナスイオンにより浮遊菌を取り込んでこれを不活化させる。
　また、図２４に示す脱臭ダクト３２６において、脱臭カートリッジ３２８の上流側には着脱可能なフィルター３３４が設置されている。フィルター３３４は、吸込み口３１９から空気と共に流入する粉塵等の異物等を集塵可能に構成されている。フィルター３３４はシャッター３２２を取り外した状態で、拡幅部３２１から着脱可能としている。

　そして、脱臭ユニット３１３は、脱臭流路を構成する脱臭ダクト３２６と脱臭カートリッジ３２８とがベース３１１の凸部３２３上面の凹陥部３２３ａ内に設置されていて、基準面３Ｌの下側に設置されている。ファン３２７と除菌ユニット３２９は基準面３Ｌよりも上側に設置されている。

　脱臭ユニット３１３における吸込み口３１９での空気の吸込みに当たっては、便鉢３１０の下部に淀む臭気を含む空気を脱臭ダクト３２６に吸入して脱臭を行う。吹出し口３２０から吹き出される脱臭後の空気は略水平方向に吹出して、便鉢３１０内のリム通水路３２５に沿って略水平方向に旋回して再び吸込み口３１９に導かれる。
　そのため、脱臭ダクト３２６内の脱臭流路と便鉢３１０内での空気の旋回流路とで、空気を繰り返し循環させる循環流路が形成される。図２１及び図２５に示す局部洗浄装置３３において、脱臭ユニット３１３における脱臭ダクト３２６及び脱臭カートリッジ３２８の上部にはノズルユニット３１２が設置されている。

　図２１において、脱臭ユニット３１３に隣接する位置には温風乾燥ユニット３１４が設置されている。温風乾燥ユニット３１４は温風発生装置３３５と温風ダクト３３８とを備えている。温風発生装置３３５は送風ファン３３６と、ヒータ３３７とを備えている。送風ファン３３６は温風ダクト３３８の上流側に設けられている。ヒータ３３７は温風ダクト３３８内に配設されている。温風ダクト３３８は拡幅部３２１に形成された空気の吸込み口３１９の上部に形成した温風送風口３４１に連通している(図２３Ｂ参照)。
　温風乾燥ユニット３１４は、ヒータ３３７で暖められた温風発生装置３３５の温風が温風ダクト３３８を流通して温風送風口３４１から吹き出されるように構成されている。これにより、局部を乾燥させる。なお、温風乾燥ユニット３１４で生成した温風を温風ダクト３３８を通して吹出し口３２０に連通して吹き出すようにしてもよい。或いは吹出し口３２０を温風ダクト３３８の吹出し口として形成してもよい。

　本実施形態Ｃ１に係る大便器２１の脱臭ユニット３１３は上述した構成を備えている。次に脱臭ユニット３１３による脱臭方法について説明する。
　大便器３１の脱臭時において、第二の洗浄ノズル３１７を下方に突出させることにより、シャッタ－３２２を下開き開放状態にする。その後、第一の洗浄ノズル２１６が駆動して拡幅部３２１の開口部３１８を通して斜め下方に突出することで、第一の洗浄ノズル２１６をシャッター３２２より突出させ、かつ脱臭ユニット３１３のファン３２７を駆動する。その際、シャッター３２２は内面が下を向く下開き開放状態であるため、臭気を含む空気の流れが上方に行かないで吸込み口３１９から流入するように調整している。
　脱臭ユニット３１３の脱臭ダクト３２６および脱臭カートリッジ３２８はベース３１１の凸部３２３上面の凹陥部３２３ａ内に設置されていて、吸込み口３１９と共に基準面３Ｌの下側に位置している。吹出し口３２０はその一部が基準面３Ｌの下側に位置している。ファン３２７の駆動によって吹出し口２２０から吹き出した空気は、内面上部に形成されたリム通水路３２５に向けて水平方向に吹き出される。

　そのため、図２６に示すように、脱臭時に吹出し口３２０から水平方向に吹き出した空気は便鉢３１０内をリム通水路３２５に沿って横旋回して局部洗浄装置３３側に戻ってくる。即ち、便鉢３１０内において破線で示すような旋回流路が形成される。吸込み口３１９は基準面３Ｌの下部に位置する。このため、便鉢３１０内を水平に旋回する空気は、便鉢３１０内における淀んだ臭気を巻き込んで、上下方向に変位することなく直接吸込み口３１９に導かれる。そして、臭気を含む空気流は、脱臭ユニット３１３におけるファン３２７の吸引力によって脱臭ダクト３２６内に流入する。

　図２４に示すように、脱臭ダクト３２６内を流れる臭気を含む空気の多くは、脱臭カートリッジ３２８内のカバー部材３３２で覆われた脱臭部３３１を流れることで臭気が吸着される。また、一部の空気は脱臭カートリッジ３２８の切欠部３３３からなるバイパス通路を流れることで脱臭カートリッジ３２８による流動抵抗を受けることなく高速で下流側に流れる。
　これにより、吸込み口３１９から脱臭ダクト３２６内に流入する全体の空気流の風速を高速化できる。このため、脱臭ダクト３２６内の脱臭カートリッジ３２８で脱臭できる空気の循環速度を速くできて、吹出し口３２０からの空気の吹き出し流量も高速化できる。その結果、便鉢３１０内のリム通水路３２５での旋回流も高速化できる。
　なお、脱臭カートリッジ３２８に切欠部３３３のバイパス通路を設けない場合には、空気流の全量が脱臭部２３１やカバー部材３３２を通過して脱臭される。
　こうして脱臭ユニット３１３における脱臭ダクト３２６内の空気の循環流速および便鉢３１０内のリム通水路３２５に沿った旋回流速を速めて、脱臭カートリッジ３２８での臭気をより速く脱臭し、大便器３１とその周辺のトイレ空間の臭気の換気率を向上できる。

　上述のように本実施形態Ｃ１に係る大便器３１の脱臭ユニット３１３によれば、脱臭ダクト３２６と脱臭カートリッジ３２８とがベース３１１の下方に突出する凸部３２３の凹陥部３２３ａ内に設置されて基準面３Ｌの下側に位置し、吸込み口３１９および一部の吹出し口３２０も基準面３Ｌの下側に位置する。このため、吹出し口３２０から吹き出される空気流は水平方向に流出して便鉢３１０の開口３１０ａ内のリム通水路３２５に沿って旋回して空気流の循環速度と効率を向上できる。
　しかも、吹出し口３２０から吹き出される空気流は便鉢３１０内に淀んだ臭気を巻き込んで上下方向に変位することなく吸込み口３１９に直接導かれる。これにより、空気流の圧損が小さく臭気の吸い込み性能を向上させることができる。

　そして、便鉢３１０内で開口３１０ａ内のリム通水路３２５に沿って旋回する空気流は、便鉢３１０内に淀んだ臭気を効率よく巻き込んで脱臭ユニット３１３の吸込み口３１９に流入し循環する。このため、効率よく便鉢３１０内の臭気を脱臭カートリッジ３２８で回収して臭気の漏れを低減できる。
　更に、本実施形態Ｃ１では、脱臭ユニット３１３の脱臭流路を構成する脱臭ダクト３２６および脱臭カートリッジ３２８をベース３１１の凹陥部３２３ａ内に設置して、下側に突出する凸部３２３を便鉢３１０の上面３１０ｂの凹部３２４に設置したことで、脱臭流路を短くできる。しかも、脱臭ダクト３２６の上部にノズルユニット３１２を設置したことで、局部洗浄装置３３を小型化できて省スペース化に寄与する。
　また、脱臭ユニット３１３の脱臭カートリッジ３２８に切欠部３３３のバイパス通路を設けたことで脱臭ダクト３２６内の風速と風量を増大できる。この点でも脱臭効率を向上できる。

　なお、本発明による脱臭ユニット３１３を備えた水洗式の大便器３１は、上述した実施形態Ｃ１に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。以下に、本発明の変形例等について説明するが、上述した実施形態Ｃ１で説明した部品や部材等と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を省略する。

　例えば、上述した実施形態Ｃ１では拡幅部３２１に設けた吹出し口３２０の一部を基準面Ｌの下側に設置したが、吸込み口３１９と同様に全体を基準面３Ｌの下側に位置させてもよい。この場合には、吹出し口３２０から便鉢３１０内のリム通水路３２５上に空気を一層水平に吹き出すことができる。このため、循環流路を流れる吹き出し空気を一層スムーズに吸込み口３１９に循環させることができる。

　或いは、脱臭ダクト３２６、脱臭カートリッジ３２８および吸込み口３１９のそれぞれの一部が基準面Ｌより下側に設置されていてもよい。この場合でも、吹出し口３２０での空気の吹き出し気流や吸込み口３１９での臭気を含む空気の吸い込み気流の一部が水平で残りの傾斜角度が小さく、従来技術と比較して便鉢３１０内での気流の循環効率を向上させて臭気の吸込みと脱臭効率を向上させることができる。
　また、上述した実施形態Ｃ１では、吹出し口３２０を脱臭流路に形成された吹出し口としたが、これに代えて、例えば温風乾燥ユニット３１４の温風ダクト３３８の吹出し口等の別部材の吹出し口として構成してもよい。
　また、上記の実施形態Ｃ１に実施形態Ａ１－Ａ３、Ｂ１の少なくとも１つに記載した構成と組み合わせたり、実施形態Ａ１－Ａ３、Ｂ１の少なくとも１つの構成、変更例の構成を適宜選択的に適用したりしてもよい。

　次に、本発明の実施形態Ｄ１に係る便器について、図２７乃至図３４に基づいて説明する。
　図２７に示すように、本実施形態Ｄ１に係る便器（大便器）４１は、水洗式大便器である。便器４１は、便器本体４２と、機能部４３と、便座４４と、便蓋４５と、を有している。便器本体４２は、トイレ空間４１１の床面４１２に設置され下方に延びる排水配管（不図示）に接続されている。機能部４３は、便器本体４２に取り付けられている。便座４４および便蓋４５は、機能部４３を介して便器本体４２に回動可能に取り付けられている。

　図２８に示すように、機能部４３とは、局部洗浄装置４６、除菌・脱臭装置（脱臭装置）４７、および便器本体４２の便鉢４２１の内部を照明する照明装置４８などの各種機能装置や各種機能部品、これらの各種機能装置や各種機能部品の駆動を制御する制御部（不図示）、各種機能装置や各種機能部品および制御部に電力を供給するための電力部（不図示）などと、これらを収容するケース４９とを示している。
　便器４１の機能部４３が設けられている側を前後方向の後側とし、便座４４が設けられている側を前後方向の前側とする。またこの前後方向に直交する水平方向を幅方向とする。

　図２７および図２９に示すように、便座４４は、本体部４４１と、４つの突出部４４２，４４２…（図２９参照）と、を有している。本体部４４１は、使用者が着座する際の横臥した姿勢（以下、横臥姿勢とする）において、高さ方向に所定の厚みを有し平面視が環状となるように形成されている。４つの突出部４４２は、本体部４４１の下面４４１ａから下側に突出している。図２７に示すように、便座４４は、横臥姿勢における後端部４４１ｂ近傍が機能部４３を介して便器本体４２に取り付けられている。便座４４は、後端部４４１ｂ近傍において幅方向に延びる回動軸４４３を中心に回動可能に構成されている。
　図２９に示すように、４つの突出部４４２は、横臥姿勢において幅方向に間隔をあけて２つずつ、前後方向に間隔をあけて２つずつ配置されている。図２７に示すように、便座４４が横臥姿勢となると、４つの突出部４４２，４４２…（図２９参照）が便器本体４２の上面４２ａと当接し、本体部４４１の下面４４１ａと便器本体４２の上面４２ａとの間に所定の大きさの隙間ｄ１が形成される。

　また、本体部４４１には、横臥姿勢における後端部４４１ｂ近傍の下面４４１ａに、傾斜部４４４が幅方向全体にわたって形成されている。傾斜部４４４は、後側に向かって漸次上側に向かう傾斜面に形成されている。本体部４４１の傾斜部４４４の横臥姿勢における前側には、略水平面となる水平部４４５が形成されている。傾斜部４４４と水平部４４５とは角部４４６で接続されている。

　図２７に示すように、便蓋４５は、横臥姿勢の便座４４の本体部４４１の上面４４１ｃと側面４４１ｄを覆う形状に形成されている。便蓋４５が便座４４を覆っている状態を、便蓋４５が閉じた状態とし、便座４４を露出している状態を便蓋４５が開いた状態とする。
　便蓋４５は、開いた状態における下端部（閉じた状態における後端部）４５ａ近傍が機能部４３を介して便器本体４２の後部側に取り付けられている。便蓋４５は、下端部４５ａ近傍において幅方向に延びる回動軸４５１を中心に回動可能に構成されている。
　便蓋４５が閉じた状態では、便蓋４５の下端部と便器本体４２の上面４２ａとは離間している。
　本実施形態Ｄ１では、便蓋４５は、使用者が手動で開閉可能であるとともに、制御部の制御によって自動で開閉可能に構成されている。

　図３０に示すように、局部洗浄装置４６は、ノズルユニット４６１と、温水供給ユニット４６２と、温風乾燥ユニット４６３と、を有している。ノズルユニット４６１は、一対の局部洗浄ノズル４６１１，４６１２を有している。温水供給ユニット４６２は、ノズルユニット４６１に温水を供給するためのに設けられている。温風乾燥ユニット４６３は、温風乾燥時に駆動される。
　ノズルユニット４６１は、機能部４３の幅方向略中央部に配置されている。一対の局部洗浄ノズル４６１１，４６１２は、一方が肛門洗浄用の第１ノズル４６１１を構成し、他方がビデ用の第２ノズル４６１２を構成している。第１ノズル４６１１および第２ノズル４６１２は、幅方向に隣接していて、第１ノズル４６１１が幅方向の一方側に配置され、第２ノズル４６１２が幅方向の他方側に配置されている。

　第１ノズル４６１１および第２ノズル４６１２は、それぞれ前方向かって漸次下方に向かう傾斜方向に延びる形状に形成されている。第１ノズル４６１１および第２ノズル４６１２は、それぞれケース４９に設けられた支持部４６１３にそれぞれ支持されている。第１ノズル４６１１および第２ノズル４６１２は、前方向かって漸次下方に向かう傾斜方向にそれぞれ個別に進退可能に支持部４６１３に支持されている。支持部４６１３は、例えば、ラックアンドピニオン機構、ラックアンドピニオン機構のピニオンに接続されたモータなどで構成されている。
　第１ノズル４６１１および第２ノズル４６１２が延在し、進退する傾斜方向をノズルの移動方向とし、このノズルの移動方向のうち第１ノズル４６１１および第２ノズル４６１２が前方かつ下方に前進する側を前側とし、後方かつ上側に後退する側を後側とする。

　ケース４９の前面４９ａには、幅方向の略中央部に、第１ノズル進退口４９１ａおよび第２ノズル進退口４９１ｂが幅方向に隣接して形成されている。第１ノズル進退口４９１ａは進退する第１ノズル４６１１が通過する。第２ノズル進退口４９１ｂは進退する第２ノズル４６１２が通過する。
　また、ケースの前面４９ａには、第１ノズル進退口４９１ａの幅方向の一方側に隣接して吹出口４９１ｃおよび吸込口４９１ｄが形成されている。吹出口４９１ｃは、温風乾燥ユニット４６３による温風が吹き出すように構成されている。吸込口４９１ｄは、除菌・脱臭装置４７の内部に形成された脱臭流路に空気を吸込むために設けられている。ケースの前面４９ａには、第２ノズル進退口４９１ｂの幅方向の他方側に隣接して吹出口４９１ｅが形成されている。吹出口４９１ｅは、除菌・脱臭装置４７から除菌・脱臭を行うための空気が吹き出すように構成されている。これらの第１ノズル進退口４９１ａ、第２ノズル進退口４９１ｂ、温風乾燥ユニット４６３の吹出口４９１ｃ、除菌・脱臭装置４７の吸込口４９１ｄおよび吹出口４９１ｅは、機能部４３側から便鉢４２１の内部に向かって斜め下側に向かうように開口されている。

　ケース４９の前面４９ａのうち、これらの第１ノズル進退口４９１ａ、第２ノズル進退口４９１ｂ、温風乾燥ユニット４６３の吹出口４９１ｃ、除菌・脱臭装置４７の吸込口４９１ｄおよび吹出口４９１ｅが形成されている領域を開口形成部４９１とする。
　ケース４９の前面４９ａには、開口形成部４９１を覆った状態（図２８参照）と露出した状態（図３０および図３１参照）とに切り替えるシャッタ４９２が設けられている。シャッタ４９２は、第１ノズル４６１１および第２ノズル４６１２のいずれかの進退によって開口形成部４９１を開閉可能に構成されている。

　シャッタ４９２は、幅方向に延在し、ケース４９の開口形成部４９１を閉塞可能な大きさの板状に形成されている。シャッタ４９２は、ケース４９の前面４９ａに設けられた一対の支持具４９３，４９３に支持されている。一対の支持具４９３，４９３は、シャッタ４９２の内側の面（ケース４９の開口形成部４９１と対向する側の面）４９２ａに幅方向に間隔をあけて取り付けられている。本実施形態Ｄ１では、シャッタ４９２は、一対の支持具４９３，４９３に対して着脱可能に取り付けられている。一対の支持具４９３，４９３は、シャッタ４９２をシャッタ４９２の高さ方向の中間部において幅方向に延びる回動軸４９４を中心として回動可能に支持している。

　シャッタ４９２の内側の面４９２ａには、２つの突起部４９５，４９６が形成されている。２つの突起部４９５，４９６のうちの一方を第１突起部４９５とし、他方を第２突起部４９６とする。第１突起部４９５は、シャッタ４９２が開口形成部４９１を覆った状態において、第１ノズル４６１１の先端部と対向する位置に形成されている。第１突起部４９５は、先端部が回動軸４９４よりも上方に配置されている。第２突起部４９６は、シャッタ４９２が開口形成部４９１を覆った状態において、第２ノズル４６１２の先端部と対向する位置に形成されている。第２突起部４９６は、先端部が回動軸４９４よりも下側に配置されている。

　シャッタ４９２が開口形成部４９１を覆った状態において、第１ノズル４６１１がノズルの移動方向の前側に移動すると、第１ノズル４６１１の先端部が回動軸４９４よりも上側の第１突起部４９５の先端部と当接した状態でシャッタ４９２を前側に押す。これにより、シャッタ４９２は、回動軸４９４を中心に回動し、図３０に示すように、内側の面４９２ａが上側かつ後側に向かう斜め上方向を向き、外側の面４９２ｂが下側かつ前側に向かう斜め下方向を向く姿勢となる。そして、この姿勢のシャッタ４９２は、上側を開放するように開いた状態（上側開放状態）となる。
　上側開放状態のシャッタ４９２は、第１ノズル進退口４９１ａ、第２ノズル進退口４９１ｂ、温風乾燥ユニット４６３の吹出口４９１ｃ、除菌・脱臭装置４７の吸込口４９１ｄおよび吹出口４９１ｅよりも下方に配置される。

　これに対し、シャッタ４９２が開口形成部４９１を覆った状態において、第２ノズル４６１２がノズルの移動方向の前側に移動すると、第２ノズル４６１２の先端部が回動軸４９４よりも下側の第２突起部４９６の先端部と当接した状態でシャッタ４９２を前側に押す。これにより、シャッタ４９２は、回動軸４９４を中心に回動し、図３１に示すように、内側の面４９２ａが下側かつ後側に向かう斜め下方向を向き、外側の面４９２ｂが上側かつ前側に向かう斜め上方向を向く姿勢となる。この姿勢のシャッタ４９２は、下側を開放するように開いた状態（下側開放状態）となる。
　下側開放状態のシャッタ４９２は、第１ノズル進退口４９１ａ、第２ノズル進退口４９１ｂ、温風乾燥ユニット４６３の吹出口４９１ｃ、除菌・脱臭装置４７の吸込口４９１ｄおよび吹出口４９１ｅよりも上方に配置される。

　第１ノズル４６１１による洗浄を行う場合は、第２ノズル４６１２をノズルの移動方向の前側に移動させてシャッタ４９２を下側開放状態としてから第１ノズル４６１１を前側に移動させる。このとき第１ノズル４６１１の先端部分はシャッタ４９２の下側からシャッタ４９２よりも前方に移動させる。そして、シャッタ４９２が下側開放状態であるとともに第１ノズル４６１１の先端部分がシャッタ４９２より前側に配置された状態で、第１ノズル４６１１による洗浄を行う。

　第２ノズル４６１２による洗浄を行う場合は、第２ノズル４６１２をノズルの移動方向の前側に移動させてシャッタ４９２を下側開放状態とし、更に第２ノズル４６１２をノズルの移動方向の前方に移動させる。そして、シャッタ４９２が下側開放状態であるとともに第２ノズル４６１２の先端部分がシャッタ４９２より前側に配置された状態で、第２ノズル４６１２による洗浄を行う。
　このようにシャッタ４９２が下側開放状態となりシャッタ４９２の内側の面４９２ａが下向きとなった状態で洗浄を行う。このため、洗浄時に発生した飛沫がシャッタ４９２の内側の面４９２ａに付着する可能性が低い。その結果、洗浄後にシャッタ４９２を閉じた際にケース４９内に飛沫が入り込むことを防止または抑制できる。

　図３０に示すように、除菌・脱臭装置４７は、機能部４３の幅方向の略中央部で局部洗浄装置４６のノズルユニット４６１を取り囲むように配置されている。図３２に示すように、除菌・脱臭装置４７は、ダクト４７１と、除菌・脱臭用のファン４７２と、脱臭カートリッジ４７３と、除菌ユニット４７４と、を有している。ダクト４７１は、ノズルユニット４６１（図３０参照）を取り囲むように配置されている。ファン４７２は、ダクト４７１の途中に設けられている。脱臭カートリッジ４７３は、ファン４７２の上流側に配置されている。除菌ユニット４７４は、ファン４７２の下流側に設けられている。ダクト４７１は、除菌・脱臭装置４７の脱臭流路を構成している。

　ダクト４７１には、ケース４９の前面４９ａの開口形成部４９１に形成された吸込口４９１ｄから空気が吸引されて、ダクト４７１を通過した空気が吹出口４９１ｅから外部に吹き出すように構成されている。本実施形態Ｄ１では、吸込口４９１ｄおよび吹出口４９１ｅは便器本体４２の上部側に配置され便鉢４２１の内部に向かって斜め下側に開口している。ダクト４７１には吸込口４９１ｄよりも下方の空気が吸い込まれ、ダクト４７１を通過した空気は、吹出口４９１ｅから前側に略水平に吹き出るように構成されている。

　除菌・脱臭装置４７が駆動した際に、図３０に示すように、シャッタ４９２が上側開放状態であると、シャッタ４９２が吸込口４９１ｄよりも下方に配置されている。このため、シャッタ４９２よりも下方の空気が吸込口４９１ｄからダクト４７１に吸込まれず、シャッタ４９２よりも上方の空気（便鉢４２１の上方の空気）４Ａ１が吸込口４９１ｄからダクト４７１に吸い込まれる。
　また、シャッタ４９２が上側開放状態であると、シャッタ４９２が吹出口４９１ｅよりも下方に配置されている。このため、吹出口４９１ｅから吹き出した空気４Ａ２は、シャッタ４９２の内側の面４９２ａにあたり上側に向かうようにガイドされる。これにより、便蓋４５が開いている場合には、吹出口４９１ｅから吹き出した空気４Ａ２は、便座４４の上方の空間に放出される。
　このように、シャッタ４９２は、上側開放状態となることによって、吸込口４９１ｄに便鉢４２１の上方の空気を導入するようにガイドするとともに、吹出口４９１ｅから吹き出した空気が便鉢４２１の上上方に指向するようにガイドするガイド部を構成している。図３３では、便鉢４２１の内部の鉢面を破線で示している。

　また、上側開放状態のシャッタ４９２は、内側の面４９２ａが上側かつ後側に向かう斜め上方向を向く姿勢となる。このため、シャッタ４９２の内側の面４９２ａに沿って吸込口４９１ｄに便鉢４２１の上方の空気を導入しやすいとともに、吹出口４９１ｅから吹き出した空気をシャッタ４９２の内側の面４９２ａに沿わせて便鉢４２１の上方に指向するように効率よくガイドできる。
　更に、本実施形態Ｄ１では、シャッタ４９２の内側の面４９２ａは、高さ方向の中間部が上端部および下端部よりも外側の面４９２ｂ側に凹む湾曲面に形成されている。このため、本実施形態Ｄ１では、シャッタ４９２の内側の面４９２ａが平面に形成されている場合と比べて、シャッタ４９２の内側の面４９２ａに沿って吸込口４９１ｄに便鉢４２１の上方の空気をより導入しやすいとともに、吹出口４９１ｅから吹き出した空気をシャッタ４９２の内側の面４９２ａに沿わせて便鉢４２１の上方に指向するようにより効率よくガイドできる。

　これに対し、図３１に示すようにシャッタ４９２が下側開放状態であると、シャッタ４９２が吸込口４９１ｄよりも上方に配置されている。このため、シャッタ４９２よりも下方の便鉢４２１の内部の空気が吸込口４９１ｄからダクト４７１に吸い込まれる。
　また、シャッタ４９２が下側開放状態であると、シャッタ４９２が吹出口４９１ｅよりも上方に配置されている。このため、吹出口４９１ｅから吹き出した空気は、シャッタ４９２に当たることなく便鉢４２１（図２８参照）の内部に前側に向かう略水平方向に放出される。
　このように、シャッタ４９２が下側開放状態となることによって、吸込口４９１ｄから便鉢４２１の内部の空気が吸い込まれるとともに、吹出口４９１ｅから吹き出した空気が便鉢４２１の内部に放出される。
　また、本実施形態Ｄ１では、シャッタ４９２が下側開放状態となることによって、シャッタ４９２の上方の空気よりもシャッタ４９２の下方の便鉢４２１の内部の空気が吸込口４９１ｄから吸い込まれやすく、かつ吹出口４９１ｅから吹き出した空気がシャッタ４９２の上方よりもシャッタ４９２の下方の便鉢４２１の内部に指向しやすい。
　なお、下側開放状態のシャッタ４９２の内側の面４９２ａに沿わせて吸込口４９１ｄに便鉢４２１の内部の空気を導入し、吹出口４９１ｅから吹き出した空気をシャッタ４９２の内側の面４９２ａに沿わせて便鉢４２１の内部に指向するようにしてもよい。

　脱臭カートリッジ４７３は、脱臭用の触媒を内蔵し、通過する空気に含まれる周期を取り除く機能を有している。脱臭カートリッジ４７３には、例えば活性炭などを触媒とする吸着型の脱臭剤や光触媒のように紫外線などの光線を照射することによって物質を分解する分解型の脱臭剤などが用いられている。
　除菌ユニット４７４は、除菌イオンを発生させて浮遊菌の繁殖を抑制するとともに除菌する機能を有している。具体的には、除菌ユニット４７４は、空気を電離させてプラスイオンとマイナスイオンとを発生させて、そのプラスイオンとマイナスイオンにより浮遊菌をとりかこんで不活化させている。

　このような除菌・脱臭装置４７は、吸込口４９１ｄからダクト４７１に吸い込まれた空気を脱臭カートリッジ４７３を通過させて脱臭し、除菌ユニット４７４によってプラスイオンとマイナスイオンとを発生させて、吹出口４９１ｅから吹き出している。

　図２９に示すように、照明装置４８は、ケース４９の前面４９ａで開口形成部４９１の幅方向の両側方にそれぞれ設けられた一対の光源となるＬＥＤ４８１，４８１を有している。一対のＬＥＤ４８１，４８１は、それぞれ図２９に示す横臥状態の便座４４の本体部４４１の傾斜部４４４、角部４４６、および便座４４の後部側に形成された突出部４４２に光を照射可能な位置に配置されている。
　図３３に示すように、一対のＬＥＤ４８１，４８１から照射された光４Ｌは、それぞれ横臥状態の便座４４の傾斜部４４４、角部４４６、および突出部４４２にそれぞれあたり、便鉢４２１の内部に向かうように反射して、便鉢４２１の内部を照明するように構成されている。

　本実施形態Ｄ１では、除菌・脱臭装置４７によるトイレ空間４１１の除菌・脱臭を行う際に、照明装置４８によって便鉢４２１の内部を照明している。また、図３３に示すように、横臥状態の便座４４の本体部４４１の下面４４１ａと便器本体４２の上面４２ａとの間に所定の大きさの隙間ｄ１が形成されるため、便鉢４２１の内部を照射する光は、この隙間４ｄ１から外部へ漏れる。このとき、図３４に示すように、便蓋４５が閉じられていると、便座４４と便器本体４２の上面４２ａとの隙間ｄ１から漏れた光は、便蓋４５と便器本体４２の上面４２ａとの間に形成された所定の大きさの隙間４ｄ２を通って便器４１の外部に漏れる。このため、使用者は、便蓋４５が閉じた状態であっても便蓋４５と便器本体４２の上面４２ａとの隙間４ｄ２から便鉢４２１の内部を照明する光を視認可能である。

　また、本実施形態Ｄ１に係る便器４１には、第１から第３センサ（不図示）が設けられている。第１センサは、便座４４に使用者が着座したことを検知する。第２センサは、便器４１の前方に使用者がいることを検知する。第３センサは、便蓋４５が開いた状態であるかを検知する。
　これらの第１～第３センサは、それぞれ検知信号を制御部へ送信するように構成されている。また、本実施形態Ｄ１に係る便器４１には、除菌・脱臭装置４７の駆動開始時刻および駆動時間を設定可能なタイマが設けられている。

　続いて、本実施形態Ｄ１に係る便器４１によるトイレ空間４１１の除菌・脱臭方法について説明する。
　トイレ空間４１１の除菌・脱臭を行う制御をトイレ空間４１１の除菌・脱臭制御とし、このトイレ空間４１１の除菌・脱臭制御を停止する制御をトイレ空間４１１の除菌・脱臭停止制御とする。
　まず、トイレ空間４１１の除菌・脱臭制御が開始されると、照明装置４８のＬＥＤ４８１，４８１が点灯し、便鉢４２１の内部を照明する。
　続いて、第１ノズル４６１１が前進しシャッタ４９２を上側開放状態にする。
　続いて、除菌・脱臭装置４７のファン４７２の駆動を開始するとともに、除菌ユニット４７４の駆動を開始する。これにより、吸込口４９１ｄからダクト４７１に吸い込まれた空気が脱臭カートリッジ４７３を通過して脱臭されて、脱臭された空気に除菌ユニット４７４で発生した除菌イオンが放出される。そして、脱臭されて除菌イオンが放出された空気が吹出口４９１ｅから吹き出る。
　そして、シャッタ４９２が上側開放状態であることにより、吸込口４９１ｄに便鉢４２１の上方の空気が導入され、吹出口４９１ｅから吹き出した除菌・脱臭を行う空気がシャッタ４９２にあたって便鉢４２１の上方に指向する。

　このとき、便蓋４５が開いた状態であると、便座４４の上方のトイレ空間４１１の空気が吸込口４９１ｄからダクト４７１に吸い込まれる。吹出口４９１ｅから吹き出した除菌・脱臭を行う空気は、便座４４の本体部４４１の開口を通って便座４４の上方のトイレ空間４１１に放出される。
　これに対し、便蓋４５が閉じた状態であると、便蓋４５の下方の空気が吸込口４９１ｄからダクト４７１に吸い込まれる。吹出口４９１ｅから吹き出した除菌・脱臭を行う空気は、便座４４と便器本体４２の上面４２ａとの間に形成された所定の大きさの隙間ｄ１、および便蓋４５と便器本体４２の上面４２ａとの間に形成された所定の大きさの隙間４ｄ２を通ってトイレ空間４１１に放出される。

　トイレ空間４１１の除菌・脱臭制御が終了し、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の停止制御が開始されると、除菌・脱臭装置４７のファン４７２の駆動が停止するとともに、除菌ユニット４７４の駆動が停止し、除菌・脱臭装置４７の駆動が停止する。
　続いて、第１ノズル４６１１が後退し、上側開放状態のシャッタ４９２が閉じた状態となる。
　続いて、照明装置４８のＬＥＤ４８１，４８１が消灯し、便鉢４２１の内部が照明されていない状態となる。
　これにより、トイレ空間４１１の除菌・脱臭が終了する。

　なお、便鉢４２１の内部の除菌・脱臭を行う場合は、シャッタ４９２が下側開放状態となる。これにより、吸込口４９１ｄに便鉢４２１の内部の空気が導入されて、ダクト４７１を通過した除菌・脱臭を行う空気が吹出口４９１ｅからシャッタ４９２に当たらずに便鉢４２１の内部に向かって吹き出す。本実施形態Ｄ１では、便鉢４２１の内部の除菌・脱臭を行う場合は、照明装置４８のＬＥＤ４８１，４８１が点灯しないように設定されている。
　また、トイレ空間４１１の除菌・脱臭を行う場合は、便鉢４２１の内部の除菌・脱臭を行う場合よりも、ファン４７２への出力を大きくし、ダクト４７１への空気の吸込み量およびダクト４７１からの空気の吹き出し量を多くする。これにより、便鉢４２１の内部よりも広い空間であるトイレ空間４１１の除菌・脱臭を効率的に行うことができる。

　続いて、上記のトイレ空間４１１の除菌・脱臭方法を行う制御について説明する。
　本実施形態Ｄ１では、制御部（不図示）は、トイレ空間４１１の除菌・脱臭を第１から３制御モードの３つの制御モードのうちの選択された１つの制御モードによって制御可能に構成されている。

　第１制御モードでは、タイマからの信号により予め設定された駆動開始時刻となったと認識すると、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を開始する。そして、タイマからの信号により予め設定された所定時間が経過したことを認識すると、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を停止する。駆動開始時刻は、例えば、夜中などの便器４１の使用頻度の低い時間帯に設定されている。
　第１制御モードでは、駆動開始時刻に第１センサおよび第２センサのいずれかが使用者を検知していると、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を開始しない。そして、第１センサおよび第２センサの両方が使用者を検知しない状態となった時点でトイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を開始する。また、第１制御モードでは、駆動開始時刻に、第３センサによって便蓋４５が閉じた状態であることを検知すると、便蓋４５を自動で開いた状態とし、便蓋４５が開かれた状態としてから、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を開始する。

　第１制御モードでは、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御中に、第１センサおよび第２センサのいずれかが使用者を検知すると、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動を停止する。また、第１制御モードでは、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御中に、第３センサによって便蓋４５が閉じた状態であることを検知すると、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動を停止する。

　第２制御モードでは、便蓋４５を閉じた状態でトイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を行う。第２制御モードでは、便蓋４５の開閉状態以外は第１制御モードと同様の制御を行う。
　このため、第２制御モードでは、駆動開始時刻に、第３センサによって便蓋４５が閉じた状態であることを検知できないと、便蓋４５を自動に閉じた状態としてから、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を開始する。
　なお、第２制御モードでは、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御中に、便蓋４５が開いた状態となり第３センサによって便蓋４５が閉じた状態であることを検知できない状態となった場合に、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を停止してもよいし、停止しなくてもよい。また、第２制御モードでは、シャッタ４９２が下側開放状態となるように設定されていてもよい。

　第３制御モードでは、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を使用者が任意に開始および停止する。例えば、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御の開始・停止スイッチ（不図示）が便器４１またはトイレ空間４１１に設けられていて、使用者がこのスイッチを操作することで、トイレ空間４１１の除菌・脱臭の駆動制御を開始または停止する。
　なお、本実施形態Ｄ１では、便鉢４２１の内部の除菌・脱臭を行う便鉢４２１の内部の除菌・脱臭制御、および便鉢４２１の内部の除菌・脱臭停止制御は、トイレ空間４１１の除菌・脱臭制御が行われている期間と重ならない期間において、トイレ空間４１１の除菌・脱臭制御、便鉢４２１の内部の除菌・脱臭停止制御と同様に行われている。

　次に、上述した本実施形態Ｄ１に係る便器の作用・効果について図面を用いて説明する。
　上述した本実施形態Ｄ１に係る便器４１は、除菌・脱臭装置４７のダクト４７１に吸込口４９１ｄから便鉢４２１の内部の空気を吸込むことが可能であり、かつ吹出口４９１ｅから吹き出した除菌・脱臭を行うための空気を便鉢４２１の内部に指向させることが可能である。これにより、便鉢４２１の内部の除菌・脱臭を行うことができる。また、除菌・脱臭装置４７のダクト４７１に吸込口４９１ｄから便鉢４２１の上方のトイレ空間４１１の空気を吸込むことが可能であるとともに、除菌・脱臭装置４７の吹出口４９１ｅから吹き出した除菌・脱臭を行うための空気を便鉢４２１の上方に指向させることが可能である。これにより、トイレ空間４１１の除菌・脱臭を行うことができる。
　これにより、便鉢４２１の内部の除菌・脱臭およびトイレ空間の除菌・脱臭を同一の除菌・脱臭装置４７を用いて行うことができる。

　また、本実施形態Ｄ１に係る便器４１には、除菌・脱臭装置４７の吸込口４９１ｄおよび吹出口４９１ｅを開閉可能なシャッタ４９２が設けられている。このシャッタ４９２は、上側開放状態となることで、吸込口４９１ｄに便鉢４２１の上方の空気が導入されるようにガイドし、かつ吹出口４９１ｅから吹き出した空気を便鉢４２１の上方に指向するようにガイドしている。これにより、除菌・脱臭装置４７に吸込口４９１ｄおよび吹出口４９１ｅを上方に向ける機構を設けたり、吸込口４９１ｄに便器本体４２の上方の空気を導入するための専用の部品や、吹出口４９１ｅから吹き出した空気を上方に向かせるための専用の部品を設けたりしなくても、トイレ空間４１１の除菌・脱臭を行うことができる。

　また、本実施形態Ｄ１に係る便器４１は、便蓋４５が閉じた状態において、吹出口４９１ｅから吹き出した空気が便蓋４５と便器本体４２の上面４２ａとの隙間４ｄ２から外部に流出する。これにより、除菌・脱臭を行うための空気を便蓋４５と便器本体２の上面４２ａとの隙間４ｄ２からトイレ空間４１１へ放出できる。その結果、便器４１の側面や便器４１が設置された床などの除菌・脱臭を行うことができる。
　また、本実施形態Ｄ１に係る便器４１は、便蓋４５が開いた状態において、吹出口４９１ｅから吹き出した空気を便鉢４２１の上方に指向させる。これにより、除菌・脱臭を行うための空気を便蓋４５にあてることなくより広い範囲の便鉢４２１の上方の空間に放出できる。

　また、本実施形態Ｄ１に係る便器４１には、使用者が便座４４に着座したことを検知する着座センサが設けられており、着座センサが使用者が便座４４に着座したことを検知すると、除菌・脱臭装置４７の駆動が停止する。これにより、便座４４に着座した使用者に除菌・脱臭を行うための空気があたることを防止できる。

　また、本実施形態Ｄ１に係る便器４１には、便鉢４２１の内部を照明する照明装置４８が設けられており、除菌・脱臭装置４７が駆動している期間に照明装置４８が便鉢４２１の内部を照明する。これにより、使用者が便鉢４２１の内部が照明されているかどうかを視認することで、除菌・脱臭装置４７が駆動しているかどうかを確認できる。

　また、除菌・脱臭装置４７は、イオンを放出するイオン発生装置を有し、イオン発生装置で発生したイオンを含む空気を吹出口４９１ｅから吹き出す。これにより、イオンを利用してトイレ空間４１１を効率的に除菌できる。

　以上、本発明に係る便器の実施形態Ｄ１について説明したが、本発明は上記の実施形態Ｄ１に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
　例えば、上記の実施形態Ｄ１では、除菌・脱臭を行う除菌・脱臭装置４７が設けられているが、除菌・脱臭装置４７に代わって脱臭のみを行う脱臭装置が設けられていてもよい。
　また、上記の実施形態Ｄ１では、便蓋４５が開いた状態と閉じた状態の両方においてトイレ空間４１１の除菌・脱臭を行うことが可能であるが、いずれか一方の状態のみにおいてトイレ空間４１１の除菌・脱臭を行うように構成されていてもよい。
　また、上記の実施形態Ｄ１では、便器４１には便蓋４５が設けられているが、便蓋４５が設けられておらず、トイレ空間４１１の除菌・脱臭を行う際には、便器本体４２の上方の空間に空気を放出するように構成されていてもよい。

　また、上記の実施形態Ｄ１では、シャッタ４９２が吸込口４９１ｄから便鉢４２１の上方の空気が吸い込まれるようにガイドするガイド部を構成しているが、シャッタ４９２以外の機構や部材によってガイド部が構成されていてもよい。例えば、吸込口４９１ｄを上側に開口するように切り替える機構や、吸込口４９１ｄに便鉢４２１の上方の空気が吸い込まれるようにガイドするルーバなどの部材がガイド部を構成していてもよい。また、シャッタ４９２の形態は上記以外の形態であってもよい。
　また、吸込口４９１ｄから吸い込む空気が滞留する領域や、吹出口４９１ｅから吹き出る空気が施行する方向は、吸込口４９１ｄが便鉢４２１の上方の空気を吸込み可能であれば、適宜設定されてよい。
　また、上記の実施形態Ｄ１では、第１から第３センサが設けられているが、これらが設けられていなくてもよく、これらのうちのいずれか１つまたは２つが設けられていてもよい。また、これらのセンサの検知を考慮せずに、トイレ空間４１１の除菌・脱臭を行うように構成されていてもよい。

　また、上記の実施形態Ｄ１では、便鉢４２１の内部を照明する照明装置４８が設けられているが、照明装置４８が設けられていなくてもよい。また、トイレ空間４１１の除菌・脱臭を行う際に、照明装置４８によって便鉢４２１の内部が照明されていなくてもよい。また、照明装置４８の形態は上記以外の形態であってもよい。
　また、上記の実施形態Ｄ１では、除菌・脱臭装置４７は、除菌を行うイオンを発生させる除菌ユニット４７４を有し、イオンが放出された空気によって除菌を行っているが、これ以外の方法で除菌を行うように構成されていてもよい。また、除菌・脱臭装置４７の形態は、上記以外の形態であってもよい。
　また、上記の実施形態Ｄ１に実施形態Ａ１－Ａ３、Ｂ１、Ｃ１の少なくとも１つに記載した構成と組み合わせたり、実施形態Ａ１－Ａ３、Ｂ１、Ｃ１の少なくとも１つの構成、変更例の構成を適宜選択的に適用したりしてもよい。

　次に、本発明の実施形態Ｅ１に係る脱臭装置および便器について、図３５乃至図４４に基づいて説明する。
　図３５に示すように、本実施形態Ｅ１に係る便器（大便器）５１は、水洗式大便器である。便器５１は、便器本体５２と、機能部５３と、便座５４と、便蓋５５と、を有している。便器本体５２は、トイレ空間５１１の床面５１２に設置され下方に延びる排水配管（不図示）に接続されている。機能部５３は、便器本体５２に取り付けられている。便座５４および便蓋５５は、機能部５３を介して便器本体５２に回動可能に取り付けられている。

　図３６に示すように、機能部５３とは、局部洗浄装置５６、便器本体５２の便鉢５２１の内部の空気を除菌・脱臭する除菌・脱臭装置（脱臭装置）５７、および便鉢５２１の内部を照明する照明装置５８などの各種機能装置や各種機能部品、これらの各種機能装置や各種機能部品の駆動を制御する制御部（不図示）、各種機能装置や各種機能部品および制御部に電力を供給するための電力部（不図示）などと、これらを収容するケース５９とを示している。
　便器５１の機能部５３が設けられている側を前後方向の後側とし、便座５４が設けられている側を前後方向の前側とする。またこの前後方向に直交する水平方向を幅方向とする。

　図３７に示すように、局部洗浄装置５６は、ノズルユニット５６１と、温水供給ユニット５６２と、温風乾燥ユニット５６３と、を有している。ノズルユニット５６１は、一対の局部洗浄ノズル５６１１，５６１２を有する。温水供給ユニット５６２は、ノズルユニット５６１に温水を供給するために設けられている。温風乾燥ユニット５６３は、温風乾燥時に駆動される。
　ノズルユニット５６１は、機能部５３の幅方向略中央部に配置されている。一対の局部洗浄ノズル５６１１，５６１２は、一方が肛門洗浄用の第１ノズル５６１１を構成し、他方がビデ用の第２ノズル５６１２を構成している。第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２は、幅方向に隣接していて、第１ノズル５６１１が幅方向の一方側に配置され、第２ノズル５６１２が幅方向の他方側に配置されている。

　第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２は、それぞれ前方に向かって漸次下方に向かう傾斜方向に延びる形状に形成されている。第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２は、それぞれケース５９に設けられた支持部５６１３によって前方に向かって漸次下方に向かう傾斜方向にそれぞれ個別に進退可能に支持されている。支持部５６１３は、例えば、ラックアンドピニオン機構、ラックアンドピニオン機構のピニオンに接続されたモータなどで構成されている。
　第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２が延在し、進退する傾斜方向をノズルの移動方向とし、このノズルの移動方向のうち第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２が前方かつ下方に前進する側を前側とし、後方かつ上側に後退する側を後側とする。

　ケース５９の前面５９ａには、幅方向の略中央部に、第１ノズル進退口５９１ａおよび第２ノズル進退口５９１ｂが幅方向に隣接して形成されている。第１ノズル進退口５９１ａは、進退する第１ノズル５６１１が通過する。第２ノズル進退口５９１ｂは、進退する第２ノズル５６１２が通過する。
　また、ケースの前面５９ａには、第１ノズル進退口５９１ａの幅方向の一方側に隣接して除菌・脱臭装置５７の集塵フィルタ５７５を着脱するための集塵フィルタ着脱口５９１ｆが形成されている。ケースの前面５９ａには、集塵フィルタ着脱口４９１ｆの更に幅方向の一方側に隣接して温風乾燥ユニット５６３による温風が吹き出す吹出口５９１ｃ、および除菌・脱臭装置５７へ便鉢５２１（図３６参照）の内部の空気を吸込むための吸込口５９１ｄが形成されている。ケースの前面５９ａには、第２ノズル進退口５９１ｂの幅方向の他方側に隣接して除菌・脱臭装置５７から除菌・脱臭を行うための空気が吹き出す吹出口５９１ｅが形成されている。
　これらの集塵フィルタ着脱口５９１ｆ、第１ノズル進退口５９１ａ、第２ノズル進退口５９１ｂ、温風乾燥ユニット５６３の吹出口５９１ｃ、除菌・脱臭装置５７の吸込口５９１ｄおよび吹出口５９１ｅは、機能部５３側から便鉢５２１の内部に向かって斜め下側に向かうように開口されている。

　ケース５９の前面５９ａのうち、これらの集塵フィルタ着脱口５９１ｆ、第１ノズル進退口５９１ａ、第２ノズル進退口５９１ｂ、温風乾燥ユニット５６３の吹出口５９１ｃ、除菌・脱臭装置５７の吸込口５９１ｄおよび吹出口５９１ｅが形成されている領域を開口形成部５９１とする。
　ケース５９の前面５９ａには、開口形成部５９１を覆った状態（図３６参照）と露出した状態（図３７および図３８参照）とに切り替えるシャッタ５９２が設けられている。シャッタ５９２は、第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２のいずれかの進退によって開口形成部５９１を開閉可能に構成されている。

　シャッタ５９２は、幅方向に延在し、ケース５９の開口形成部５９１を閉塞可能な大きさの板状に形成されている。シャッタ５９２は、ケース５９の前面５９ａに設けられた一対の支持具５９３，５９３に支持されている。一対の支持具５９３，５９３は、シャッタ５９２の内側の面（ケース５９の開口形成部５９１と対向する側の面）５９２ａに幅方向に間隔をあけて取り付けられている。本実施形態Ｅ１では、シャッタ５９２は、一対の支持具５９３，５９３に対して着脱可能に取り付けられている。一対の支持具５９３，５９３は、シャッタ５９２をシャッタ５９２の高さ方向の中間部において幅方向に延びる回動軸５９４を中心として回動可能に支持している。

　シャッタ５９２の内側の面５９２ａには、２つの突起部５９５，５９６が形成されている。２つの突起部５９５，５９６のうちの一方を第１突起部５９５とし、他方を第２突起部５９６とする。第１突起部５９５は、シャッタ５９２が開口形成部５９１を覆った状態において、第１ノズル５６１１の先端部と対向する位置に形成されている。第１突起部５９５は、先端部が回動軸５９４よりも上方に配置されている。また、第２突起部５９６は、シャッタ５９２が開口形成部５９１を覆った状態において、第２ノズル５６１２の先端部と対向する位置に形成されている。第２突起部５９６は、その先端部が回動軸５９４よりも下側に配置されている。

　シャッタ５９２が開口形成部５９１を覆った状態において、第１ノズル５６１１がノズルの移動方向の前側に移動すると、第１ノズル５６１１の先端部が回動軸５９４よりも上側の第１突起部５９５の先端部と当接した状態でシャッタ５９２を前側に押す。これにより、シャッタ５９２は、図３７に示すように、内側の面５９２ａが上側を向き外側の面５９２ｂが下側を向くように回動軸５９４を中心に回動し上側を開放するように開いた状態（上側開放状態）となる。

　これに対し、シャッタ５９２が開口形成部５９１を覆った状態において、第２ノズル５６１２がノズルの移動方向の前側に移動すると、第２ノズル５６１２の先端部が回動軸５９４よりも下側の第２突起部５９６の先端部と当接した状態でシャッタ５９２を前側に押す。これにより、シャッタ５９２は、図３８に示すように、内側の面５９２ａが下側を向き外側の面５９２ｂが上側を向くように回動軸５９４を中心に回動し下側を開放するように開いた状態（下側開放状態）となる。
　第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２は、局部洗浄機能を有するとともに、シャッタ５９２を上側開放状態または下側開放状態に維持する操作部材の役割も兼ねている。

　第１ノズル５６１１による洗浄を行う場合は、第２ノズル５６１２をノズルの移動方向の前側に移動させてシャッタ５９２を下側開放状態としてから第１ノズル５６１１を前側に移動させる。このとき第１ノズル５６１１の先端部分はシャッタ５９２の下側からシャッタ５９２よりも前方に移動させる。そして、シャッタ５９２が下側開放状態であるとともに第１ノズル５６１１の先端部分がシャッタ５９２より前側に配置された状態で、第１ノズル５６１１による洗浄を行う。

　第２ノズル５６１２による洗浄を行う場合は、第２ノズル５６１２をノズルの移動方向の前側に移動させてシャッタ５９２を下側開放状態とし、更に第２ノズル５６１２をノズルの移動方向の前方に移動させる。そして、シャッタ５９２が下側開放状態であるとともに第２ノズル５６１２の先端部分がシャッタ５９２より前側に配置された状態で、第２ノズル５６１２による洗浄を行う。
　このようにシャッタ５９２が下側開放状態となりシャッタ５９２の内側の面５９２ａが下向きとなった状態で洗浄を行う。このため、洗浄時に発生した飛沫がシャッタ５９２の内側の面５９２ａに付着する可能性が低い。その結果、洗浄後にシャッタ５９２を閉じた際にケース５９内に飛沫が入り込むことを防止または抑制できる。

　図３７に示すように、除菌・脱臭装置５７は、機能部５３の幅方向の略中央部で局部洗浄装置５６のノズルユニット５６１を取り囲むように配置されている。図３９に示すように、除菌・脱臭装置５７は、ダクト５７１と、除菌・脱臭用のファン５７２と、脱臭カートリッジ５７３と、除菌ユニット５７４と、集塵フィルタ５７５と、を有している。ダクト５７１は、ノズルユニット５６１（図３７参照）を取り囲むように配置されている。ファン５７２は、ダクト５７１の途中に設けられている。脱臭カートリッジ５７３は、ファン５７２の上流側に配置されている。除菌ユニット５７４は、ファン５７２の下流側に設けられている。集塵フィルタ５７５は、脱臭カートリッジ５７３の上流側（吸込口５９１ｄ側）に設けられている。

　ダクト５７１は、ケース５９の前面５９ａの開口形成部５９１に形成された吸込口５９１ｄから便鉢５２１（図３６参照）の内部の空気が吸引されて、ダクト５７１を通過した空気が吹出口５９１ｅから吹き出すように構成されている。本実施形態Ｅ１では、吸込口５９１ｄおよび吹出口５９１ｅは便器本体５２の上部側に配置され便鉢５２１の内部に向かって斜め下側に開口している。このため、ダクト５７１には便鉢５２１の内部の空気が吸い込まれ、ダクト５７１を通過した空気は、便鉢５２１の内部に向かって斜め下方向に吹き出るように構成されている。

　また、ダクト５７１には、集塵フィルタ５７５を取り付けるための集塵フィルタ取付部５７１１が設けられている。
　集塵フィルタ取付部５７１１は、集塵フィルタ着脱口５９１ｆを介して便鉢５２１の内部と連通している。集塵フィルタ５７５は、集塵フィルタ着脱口５９１ｆを介して便鉢５２１の内部から集塵フィルタ取付部５７１１に着脱される。なお、集塵フィルタ取付部５７１１については後述する。

　脱臭カートリッジ５７３は、脱臭用の触媒を内蔵し、通過する空気に含まれる臭気を取り除く機能を有している。脱臭カートリッジ５７３には、例えば活性炭などを触媒とする吸着型の脱臭剤や光触媒のように紫外線などの光線を照射することによって物質を分解する分解型の脱臭剤などが用いられている。
　除菌ユニット５７４は、除菌イオンを発生させて浮遊菌の繁殖を抑制するとともに除菌する機能を有している。具体的には、除菌ユニット５７４は、空気を電離させてプラスイオンとマイナスイオンとを発生させて、そのプラスイオンとマイナスイオンにより浮遊菌をとりかこんで不活化させている。

　図４０Ａおよび４０Ｂに示すように、集塵フィルタ５７５は、板状に形成されている。集塵フィルタ５７５は、集塵部５７５１と、取っ手５７５２と、連結部５７５３と、を有している。集塵部５７５１は、網目５７５１ａが形成されている。取っ手５７５２、使用者が把持するように構成されている。連結部５７５３は、集塵部５７５１と取っ手５７５２とを連結している。本実施形態Ｅ１では、集塵フィルタ５７５は、ダクト５７１の集塵フィルタ取付部５７１１に設置されると、板面が略鉛直面となり、集塵部５７５１が後側に、取っ手５７５２が前側に、連結部５７５３が集塵部５７５１と取っ手５７５２との間に配置される姿勢となる。集塵部５７５１、連結部５７５３、および取っ手５７５２は、例えば樹脂などを材料として一体に形成されている。

　集塵部５７５１は、板面が前後方向に長い略長方形状に形成されている。集塵部５７５１は、ダクト５７１に吸い込まれた空気が網目５７５１ａを通過することで空気内のごみやほこりを集塵するように構成されている。集塵部５７５１のダクト５７１の下流側の面５７５１ｂには、後端部近傍にこの面５７５１ｂから突出する突出部５７５４が形成されている。

　連結部５７５３の後縁部は、略鉛直に延びている。連結部５７５３の前端部は、上側から下側に向かって漸次後側に向かうよう斜め方向に延びている。連結部５７５３の上端部には、上側に突出する上側被係止部５７５５が形成されている。連結部５７５３の下端部には、下側に突出する下側被係止部５７５６が形成されている。
　連結部５７５３の上端部近傍には、上側被係止部５７５５の下側に、幅方向に貫通する上側開口部５７５７が形成されている。上側開口部５７５７は、高さ方向よりも前後方向に長い形状に形成されている。連結部５７５３の上端部近傍は、外力によって上側開口部５７５７を高さ方向に潰すようにして弾性変形可能である。
　連結部５７５３の下端部近傍には、下側被係止部５７５６の上側に、幅方向に貫通する下側開口部５７５８が形成されている。下側開口部５７５８は、高さ方向よりも前後方向に長い形状に形成されている。連結部５７５３の下端部近傍は、外力によって下側開口部５７５８を高さ方向に潰すようにして弾性変形可能である。

　取っ手５７５２は、連結部５７５３の前側に連結部５７５３と連続して設けられている。取っ手５７５２の後端部は、連結部５７５３の前端部に沿うように上側から下側に向かって漸次後側に向かうよう斜め方向に延びている。取っ手５７５２の前端部は、前側に突出するＲ形状に形成されている。

　図３９および図４１に示すように、集塵フィルタ取付部５７１１は、ダクト５７１の吸込口５９１ｄと脱臭カートリッジ５７３（図３９参照）との間に形成されている。ダクト５７１の内部のうちの集塵フィルタ取付部５７１１が設けられている部分は、空気が幅方向に流れるように形成されている。
　集塵フィルタ取付部５７１１は、第１下板部５７１２と第２下板部５７１３との間に形成されている。第１下板部５７１２および第２下板部５７１３は、それぞれダクト５７１の下面５７１ａから上側に突出し、幅方向に間隔をあけて配置されている。
　第１下板部５７１２は、集塵フィルタ取付部５７１１の吸込口５９１ｄ側に配置されている。第１下板部５７１２は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられた集塵フィルタ５７５の集塵部５７５１（図４０Ａおよび４０Ｂ参照）の下縁部近傍と幅方向に重なる形状に形成されている。
　第２下板部５７１３は、集塵フィルタ取付部５７１１の脱臭カートリッジ５７３側に配置されている。第２下板部５７１３は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられた集塵フィルタ５７５の集塵部５７５１の下縁部近傍と幅方向に重なる形状に形成されている。

　また、ダクト５７１の後面５７１ｂには、前側に突出し幅方向に間隔をあけて配置された第１後板部５７１４と、第２後板部５７１５と、が設けられている。
　第１後板部５７１４の下端部は、第１下板部５７１２と連続している。第１後板部５７１４は、ダクト５７１の高さ方向の略全体にわたって形成されている。第１後板部５７１４は、集塵フィルタ取付部５７１１の吸込口５９１ｄ側に配置されている。第１後板部５７１４は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられた集塵フィルタ５７５の集塵部５７５１の後縁部近傍と幅方向に重なる形状に形成されている。
　第２後板部５７１５の下端部は、第２下板部５７１３と連続している。第２後板部５７１５は、ダクト５７１の高さ方向の中間部よりも下側に形成されている。第２後板部５７１５は、集塵フィルタ取付部５７１１の脱臭カートリッジ５７３側に配置されている。第２後板部５７１５は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられた集塵フィルタ５７５の集塵部５７５１の後縁部近傍と幅方向に重なる形状に形成されている。

　図４２に示すように、集塵フィルタ５７５は、突出部５７５４が形成されている面５７５１ｂが第２下板部５７１３および第２後板部５７１５と対向する向きで集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられる。集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられた集塵フィルタ５７５は、後端部５７５ａがダクト５７１の後面５７１ｂと当接または近接し、集塵部５７５１に形成された突出部５７５４が第２後板部５７１５の上部に配置されるように構成されている。
　このとき、図４３に示すように、集塵フィルタ５７５を、突出部５７５４が形成されている面が第１下板部５７１２および第１後板部５７１４と対向する向きで集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けようとすると、集塵フィルタ５７５の突出部５７５４が第１後板部５７１４の前端部とあたる。これにより、集塵フィルタ５７５の後端部５７５ａがダクト５７１の後面５７１ｂと離間する。その結果、集塵フィルタ５７５が集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けできないように設定されている。

　図４２に示すように、集塵フィルタ取付部５７１１には、ダクト５７１の上面５７１ｃに上側に凹んだ凹部状の上側係止部５７５９が形成され、ダクト５７１の下面５７１ａに下側に凹んだ凹部状の下側係止部５７６０が形成されている。
　上側係止部５７５９は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられた集塵フィルタ５７５の上側被係止部５７５５と対向する位置に配置されている。下側係止部５７６０は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられた集塵フィルタ５７５の下側被係止部５７５６と対向する位置に配置されている。
　集塵フィルタ５７５は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられると、上側被係止部５７５５が上側係止部５７５９に入り込んで係止されるとともに、下側被係止部５７５６が下側係止部５７６０に入り込んで係止される。

　また、集塵フィルタ５７５は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられると、取っ手５７５２が集塵フィルタ着脱口５９１ｆ（ケース５９の開口形成部５９１）よりも便鉢５２１（図３６参照）の内部に突出するように配置される。取っ手５７５２は、シャッタ５９２が閉じた状態となると、シャッタ５９２の内側の面５９２ａとケース５９の開口形成部５９１との隙間５９７に収まる形状に形成されている。本実施形態Ｅ１では、シャッタ５９２の内側の面５９２ａは、閉じた状態において高さ方向の中間部が上端部および下端部よりも便鉢５２１の内部に向かうように凹む湾曲面に形成されている。シャッタ５９２が閉じた状態となると、シャッタ５９２の内側の面５９２ａの湾曲面の内側にＲ形状の取っ手５７５２の前端部が配置されている。

　集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けるには、まず、シャッタ５９２を上側開放状態として集塵フィルタ着脱口５９１ｆを露出させる。続いて、集塵フィルタ５７５の取っ手５７５２を把持して集塵フィルタ着脱口５９１ｆを介して集塵フィルタ取付部５７１１に集塵フィルタ５７５を挿入する。
　このとき、集塵フィルタ５７５では、連結部５７５３の上側被係止部５７５５が集塵フィルタ着脱口５９１ｆおよびダクト５７１の上面５７１ｃとあたり、連結部５７５３の上端部側が上側開口部５７５７を潰すように弾性変形する。また、集塵フィルタ５７５では、連結部５７５３の下側被係止部５７５６が集塵フィルタ着脱口５９１ｆおよびダクト５７１の下面５７１ａとあたり、連結部５７５３の下端部側が下側開口部５７５８を潰すように弾性変形する。

　そして、集塵フィルタ５７５の突出部５７５４が第２後板部５７１５の上に配置され、集塵フィルタ５７５が正位置まで挿し込まれると、上側被係止部５７５５が上側係止部５７５９に入り込んで集塵フィルタ取付部５７１１に係止されるとともに、下側被係止部５７５６が下側係止部５７６０に入り込んで集塵フィルタ取付部５７１１に係止される。
　なお、集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１から取り外すには、まず、シャッタ５９２を上側開放状態として集塵フィルタ着脱口５９１ｆを露出させる。続いて、集塵フィルタ５７５の取っ手５７５２を把持して集塵フィルタ着脱口５９１ｆを介して集塵フィルタ取付部５７１１から集塵フィルタ５７５引き出して取り外す。

　このような、除菌・脱臭装置５７は、吸込口５９１ｄからダクト５７１に吸引された空気を集塵フィルタ５７５で集塵するとともに、脱臭カートリッジ５７３を通過させて脱臭し、更に、除菌ユニット５７４によってプラスイオンとマイナスイオンとを含む空気にして吹出口５９１ｅから吹き出すように構成されている。

　次に、上述した脱臭装置および便器の作用・効果について図面を用いて説明する。

　上述した本実施形態Ｅ１では、集塵フィルタ着脱口５９１ｆは、シャッタ５９２によって開閉可能である。これにより、使用者が便器５１を使用する際には、シャッタ５９２を閉じた状態とすることで、集塵フィルタ着脱口５９１ｆを介して集塵フィルタ取付部５７１１に飛沫が入り込むことを防止できる。その結果、飛沫によって集塵フィルタ５７５が汚れることを防止できる。

　また、集塵フィルタ５７５には取っ手５７５２が設けられている。これにより、シャッタ５９２を開放して集塵フィルタ５７５の取っ手５７５２を把持することで、使用者が集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１に容易に着脱できる。
　また、集塵フィルタ５７５は、集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられると、上側被係止部５７５５が上側係止部５７５９に入り込んで係止されるとともに、下側被係止部５７５６が下側係止部５７６０に入り込んで係止される。これにより、集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１に設置できる。また、集塵フィルタ５７５が集塵フィルタ取付部５７１１内において位置ずれすることを防止できる。

　また、集塵フィルタ５７５は、集塵フィルタ取付部５７１１への取付け向きが設定されていて、集塵フィルタ５７５の突出部５７５４が第２後板部５７１５の上に配置されるように構成されている。これにより、集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１に正しい向きに取り付けることができる。

　また、集塵フィルタ５７５は、シャッタ５９２を上側開放状態としてから集塵フィルタ取付部５７１１に着脱することにより、シャッタ５９２の上側から集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１に着脱できる。このため、集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１に容易に着脱できる。
　また、シャッタ５９２を上側開放状態とすると、飛沫によって汚れることが多いシャッタ５９２の外側の面５９２ｂが下側となり使用者が触れることが少ない。このため、シャッタ５９２の外側の面５９２ｂについた飛沫に使用者が触れることを防止できる。

　以上、本発明による脱臭装置および便器の実施形態Ｅ１について説明したが、本発明は上記の実施形態Ｅ１に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
　例えば、上記の実施形態Ｅ１では、集塵フィルタ５７５には、取っ手５７５２が設けられているが、使用者が集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１に着脱可能であれば、取っ手５７５２が設けられていなくてもよい。
　また、上記の実施形態Ｅ１では、集塵フィルタ５７５に上側被係止部５７５５と下側被係止部５７５６とが形成され、ダクト５７１に上側係止部５７５９と下側係止部５７６０とが形成され、上側被係止部５７５５が上側係止部５７５９に係止され、下側被係止部５７５６が下側係止部５７６０に係止されるように構成されている。これに対し、集塵フィルタ５７５がダクト５７１に係止されていなくてもよい。また、集塵フィルタ５７５がダクト５７１に係止される形態は上記の形態以外でもよい。例えば、集塵フィルタ５７５には、上側被係止部５７５５および下側被係止部５７５６のいずれか一方が設けられていて、ダクト５７１には上側係止部５７５９および下側係止部５７６０の対応する一方が設けられていてもよい。

　また、上記の実施形態Ｅ１では、集塵フィルタ５７５は、板状に形成されて、板面が略鉛直面となる向きに設置されているが、集塵フィルタ５７５の形態や設置される向きは適宜設定されてよい。
　また、上記の実施形態Ｅ１では、集塵フィルタ５７５には突出部５７５４が形成されていて、集塵フィルタ５７５が正しい向きであると突出部５７５４が第２後板部５７１５の上に配置されて集塵フィルタ取付部５７１１に取り付けられて、逆向きであると突出部５７５４が第１後板部５７１４とあたって集塵フィルタ取付部５７１１に取付けられないように集塵フィルタ５７５の逆向き取付防止機構が設けられている。これに対し、集塵フィルタ５７５の逆向き取付防止機構が設けられていなくてもよい。
　また、他の形態の集塵フィルタ５７５の逆向き取付防止機構が設けられていてもよい。例えば、正しい向きであれば集塵フィルタ５７５が嵌合し、逆向きであれば集塵フィルタ５７５が嵌合しない嵌合部がダクト５７１に形成されていてもよい。

　また、上記の実施形態Ｅ１では、シャッタ５９２は、上側開放状態および下側開放状態の両方の開放状態となる形態である。これに対し、シャッタ５９２は、下側開放状態のみになる形態であってもよい。このような場合は、シャッタ５９２を下側開放状態として集塵フィルタ５７５を集塵フィルタ取付部５７１１に着脱する。また、シャッタ５９２の開閉機構は、上記の形態以外であってもよい。
　また、上記の実施形態Ｅ１では、シャッタ５９２は、第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２のいずれかの進退によって上側開放状態または下側開放状態に維持されている。これに対し、シャッタ５９２は、第１ノズル５６１１および第２ノズル５６１２以外の操作部材で上側開放状態または下側開放状態に維持されていてもよい。また、使用者が直接シャッタ５９２を把持して上側開放状態または下側開放状態に維持するように構成してもよい。
　また、上記の実施形態Ｅ１では、シャッタ５９２は、集塵フィルタ着脱口５９１ｆ、第１ノズル進退口５９１ａ、第２ノズル進退口５９１ｂ、温風乾燥ユニット５６３の吹出口５９１ｃ、除菌・脱臭装置５７の吸込口５９１ｄおよび吹出口５９１ｅが形成されている開口形成部５９１を開閉可能に構成されている。これに対し、シャッタ５９２は、少なくとも集塵フィルタ着脱口５９１ｆを開閉可能に構成されていればよい。
　また、上記の実施形態Ｅ１では、除菌・脱臭装置５７が設けられているが、除菌・脱臭装置５７に代わって、脱臭のみを行う脱臭装置が設けられていてもよい。
　また、上記の実施形態Ｅ１に実施形態Ａ１－Ａ３、Ｂ１、Ｃ１、Ｄ１の少なくとも１つに記載した構成と組み合わせたり、実施形態Ａ１－Ａ３、Ｂ１、Ｃ１、Ｄ１の少なくとも１つの構成、変更例の構成を適宜選択的に適用したりしてもよい。

　以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各実施形態における構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。

　上記大便器の脱臭方法及び大便器によれば、より効率的且つ効果的に臭気を捕集して用便中、用便後の臭気を脱臭することを可能にする大便器の脱臭方法及び大便器を提供することができる。
　上記大便器の脱臭装置によれば、脱臭器を通過する空気流の低下を抑制して、効率よく脱臭できるようにした大便器の脱臭装置を提供することができる。
　上記大便器によれば、空気の流れをスムーズにして便鉢内の臭気を効率よく脱臭できるようにした脱臭装置を備えた大便器を提供することができる。
　上記大便器によれば、便鉢の内部の脱臭およびトイレ空間の脱臭を同一の脱臭装置を用いて行うことができる大便器を提供することができる。
　上記大便器によれば、便鉢の内部の飛沫によって集塵フィルタが汚れることを防止できる脱臭装置および大便器を提供することができる。

　１１　　　便器本体
　１１ａ　　ボウル部
　１１ｂ　　リム部
　１２　　　洗浄機構部
　１３　　　便座部
　１３ａ　　便座
　１３ｂ　　便蓋
　１４　　　局部洗浄装置
　１６　　　カバーケース
　１６ａ　　ベース（ベースプレート）
　１７　　　一方の局部洗浄ノズル（肛門洗浄用ノズル）
　１８　　　他方の局部洗浄ノズル（ビデ用ノズル）
　１９　　　ノズル開口部
　１１０　　シャッタ
　１１１　　ノズルユニット
　１１２　　温風乾燥ユニット（温風乾燥装置）
　１１２ａ　温風発生装置
　１１２ｂ　温風ダクト
　１１３　　脱臭ユニット（脱臭装置）
　１１３ａ　脱臭ダクト１３ａ
　１１３ｂ　ファン（送風機）
　１１３ｃ　脱臭カートリッジ（脱臭手段）
　１１６　　吐出孔
　１１７　　吹出口
　１１８　　吸込口
　１１９　　ダンパ
　１２０　　風向調節部材
　１２１　　横旋回流形成部
　１２２　　横断流形成部
　１Ａ　　　水洗大便器（大便器）
　Ｏ１　　回動軸
　Ｒ１　　横旋回流
　Ｒ２　　横断流
　Ｒ３　　縦旋回流
　Ｒ４　　渦流
　Ｔ１　　横方向
　Ｔ２　　前後方向
　Ｔ３　　上下方向
　２１　大便器
　２１０　便鉢
　２１２　ノズルユニット
　２１３　脱臭ユニット（脱臭装置）
　２１６　第一の洗浄ノズル
　２１７　第二の洗浄ノズル
　２１９　吸込み口
　２２０　吹出し口
　２２１　拡幅部
　２２６　脱臭ダクト
　２２７　ファン
　２２８　脱臭カートリッジ
　２２９　除菌ユニット
　２３１　脱臭部
　２３２　カバー部材
　２３３　切欠部
　３１　大便器
　３１０　便鉢
　３１０ａ　開口
　３１０ｂ　上面
　３１１　ベース
　３１２　ノズルユニット
　３１３　脱臭ユニット（脱臭装置）
　３１６　第一の洗浄ノズル
　３１７　第二の洗浄ノズル
　３１９　吸込み口
　３２０　吹出し口
　３２１　拡幅部
　３２３　凸部
　３２４　凹部
　３２６　脱臭ダクト
　３２７　ファン
　３２８　脱臭カートリッジ
　３３１　脱臭部
　３Ｌ　基準面
　４１　便器（大便器）
　４２　便器本体
　４３　機能部
　４４　便座
　４５　便蓋
　４７　除菌・脱臭装置（脱臭装置）
　４８　照明装置
　４１１　トイレ空間
　４２１　便鉢
　４９１ｄ　吸込口
　４９１ｅ　吹出口
　４９２　シャッタ（ガイド部）
　４ｄ２　隙間
　５１　便器
　５２　便器本体
　５３　機能部
　５７　除菌・脱臭装置（脱臭装置）
　５２１　便鉢
　５７１　ダクト（脱臭流路）
　５７５　集塵フィルタ
　５９１ｄ　吸込口
　５９１ｆ　集塵フィルタ着脱口
　５９２　シャッタ
　５９７　隙間
　５７５２　取っ手
　５７５４　突出部（逆向き取付防止機構）
　５７５５　上側被係止部
　５７５６　下側被係止部
　５７５９　上側係止部
　５７６０　下側係止部

Claims

　吹出口から大便器の便器本体内に空気を吹き出すとともに前記便器本体内の空気を吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体の内面に沿って横旋回する空気の横旋回流と、前記便器本体の内部を横断する空気の横断流とを形成し、
　前記横旋回流および前記横断流によって流れて前記吸込口から吸い込まれた空気の臭気成分を脱臭手段で除去して前記便器本体内の臭気を脱臭することを特徴とする大便器の脱臭方法。
　前記吹出口から前記便器本体内に空気を吹き出すとともに前記便器本体内の空気を前記吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体内に複数の前記横旋回流及び／又は複数の前記横断流を形成する
　請求項１に記載の大便器の脱臭方法。
　前記吹出口から前記便器本体内に空気を吹き出すとともに前記便器本体内の空気を前記吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体の内面に沿って縦旋回する空気の縦旋回流を形成する
　請求項１または請求項２に記載の大便器の脱臭方法。
　前記吹出口から空気を吹き出すことにより、少なくとも一部が渦流となるように前記空気の横旋回流及び／又は前記横断流を形成する
　請求項１から３のいずれか一項に記載の大便器の脱臭方法。
　前記脱臭手段で処理した空気を前記吹出口から前記便器本体内に吹き出して循環させる
　請求項１から４のいずれか一項に記載の大便器の脱臭方法。
　前記横旋回流を前記横断流よりも強い空気の流れにする
　請求項１から５のいずれか一項に記載の大便器の脱臭方法。
　前記横断流が前記横旋回流に合流して前記吸込口から吸い込まれるようにする
　請求項１から請求項６のいずれか一項に記載の大便器の脱臭方法。
　便器本体内の臭気を脱臭する脱臭装置をさらに備え、
　前記脱臭装置は、前記便器本体内に空気を吹き出す吹出口と、前記便器本体内の空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込んだ空気の臭気成分を除去する脱臭手段とを備え、
　前記吹出口から前記便器本体内に空気を吹き出し、前記便器本体内の空気を前記吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体の内面に沿って横旋回する空気の横旋回流と、前記便器本体の内部を横断する空気の横断流とを形成し、前記横旋回流および前記横断流によって流れる空気を前記吸込口から吸い込むように構成されていることを特徴とする大便器。
　前記吹出口に風向調節部材が設けられ、
　前記風向調節部材は、前記吹出口から吹き出す空気が流通するとともに、前記便器本体の内面に向けて空気を吹き出させ、前記便器本体の内面に沿って横旋回する空気の前記横旋回流を形成するための横旋回流形成部と、前記便器本体の内側に向けて空気を吹き出させ、前記便器本体の内部を横断する空気の前記横断流を形成するための横断流形成部とを備えている
　請求項８に記載の大便器。
　前記脱臭装置は、前記吹出口から前記便器本体内に空気を吹き出し、前記便器本体内の空気を前記吸込口から吸い込むことにより、前記便器本体の内面に沿って縦旋回する空気の縦旋回流を形成するように構成されている
　請求項８または請求項９に記載の大便器。
　前記脱臭装置は、前記吹出口及び／又は前記吸込口に渦流発生手段を備え、
　前記渦流発生手段によって少なくとも一部が渦流となるように前記空気の横旋回流及び／又は前記横断流を形成するように構成されている
　請求項８から１０のいずれか一項に記載の大便器。
　吸込み口と吹出し口とを接続していて臭気を含む空気を流通させる脱臭流路と、
　前記脱臭流路に設けていて流通する空気から臭気を脱臭する脱臭部を備えた脱臭器と、
　前記脱臭流路に設けていて前記脱臭器の前記脱臭部を通さない空気のバイパス通路と、
　を備えることを特徴とする大便器の脱臭装置。　
　前記バイパス通路は、前記脱臭器の表面または内部に形成されている
　請求項１２に記載の大便器の脱臭装置。
　前記バイパス通路は、前記脱臭器から分離して外部に形成されている
　請求項１２に記載の大便器の脱臭装置。
　前記脱臭器は、
　　　前記脱臭部と、
　　　前記脱臭部を覆うカバー部材と、
　　　を備え、
　　　前記カバー部材の一部を切り欠いてバイパス通路とした
　請求項１２または１３に記載の大便器の脱臭装置。
　前記カバー部材は、防水性を有する弾性部材である
　請求項１５に記載された大便器の脱臭装置。
　前記吸込み口および前記吹出し口は、便鉢内に開口している
　請求項１２から１６のいずれか１項に記載された大便器の脱臭装置。
　便器本体の開口を有する便鉢内の臭気を脱臭する脱臭装置を備え、
　前記脱臭装置は、
　　　吸込み口と、
　　　吹出し口と、
　　　前記吸込み口から吸い込むことで臭気を含む空気を流通させる脱臭流路と、
　　　前記脱臭流路に設けていて流通する空気から臭気を脱臭する脱臭器と、
　　　前記脱臭流路に設けた送風機と、
　を備え、
　前記便器本体の上面を基準面として、前記吸込み口および前記吹出し口は、前記便器本体の便鉢に開口し、少なくとも一部が前記基準面より下側に設置されていることを特徴とする大便器。
　前記脱臭装置は、前記吹出し口から前記便器本体の開口内に空気がほぼ水平に流れるように吹き出されるように構成されている
　請求項１８に記載の大便器。
　前記便器本体は、前記便器本体の開口に臨む部分に前記基準面より下側に位置する凹部が形成され、
　前記脱臭装置の前記脱臭流路は、前記凹部内に設置されていて前記基準面より下側に位置すると共に、前記吹出し口が前記基準面より下側に設置されている
　請求項１８または１９に記載された大便器。
　前記脱臭流路の上側に局部を洗浄するためのノズルユニットが設置されている
　請求項２０に記載の大便器。
　前記吸込み口は、前記基準面より下側に設置されている
　請求項１８から２１のいずれか一項に記載された大便器。
　下方に突出する凸部が形成されていて前記凸部の上面に凹陥部が形成されたベースを備え、
　前記凹陥部には前記脱臭装置が設置され、
　前記便鉢に形成された前記凹部に前記凸部が嵌合している
　請求項２０に記載の大便器。
　便器本体に取り付けられ、内部に形成された脱臭流路に空気を吸込む吸込口と、前記脱臭流路から前記脱臭流路の外部に空気を吹き出す吹出口と、を有し、便器本体の便鉢の内部を脱臭可能な脱臭装置と、
　前記吸込口から前記便鉢の上方の空気が吸い込まれるようにガイド可能なガイド部と、を備えていることを特徴とする大便器。
　前記ガイド部は、前記吸込口を開閉可能なシャッタであり、
　前記シャッタは、前記吸込口を開放した状態において、前記便鉢の上方の空気を前記吸込口に向かうようにガイド可能である
　請求項２４に記載の大便器。
　使用者が前記便器本体に取り付けられた便座に着座したことを検知する着座センサをさらに備え、
　前記着座センサが前記使用者が前記便座に着座したことを検知すると、前記脱臭装置は駆動が停止される
　請求項２４または２５に記載の大便器。
　前記便器本体の前記便鉢の内部を照明する照明装置をさらに備え、
　前記照明装置は、前記脱臭装置が駆動している期間に前記便鉢の内部を照明する
　請求項２４から２６のいずれか一項に記載の大便器。
　前記脱臭装置は、
　　　イオンを放出するイオン発生装置を有し、
　　　前記イオン発生装置で発生したイオンを含む空気を前記吹出口から吹き出す
　請求項２４から２７のいずれか一項に記載の大便器。
　前記便器本体に回動可能に取り付けられた便蓋をさらに有し、
　前記便蓋が閉じた状態において、前記吹出口から吹き出した空気が前記便器本体と前記便蓋との間に形成される所定の大きさの隙間から外部に流出する
　請求項２８に記載の大便器。
　前記便器本体に回動可能に取り付けられた便蓋をさらに有し、
　前記便蓋が開いた状態において、前記吹出口から吹き出した空気を前記便鉢の上方に指向させる
　請求項２４から２８のいずれか一項に記載の大便器。
　前記吹出口から吹き出した空気を、前記吸込口から吸い込まれる空気が滞留する領域に指向可能に構成された
　請求項２４から２８のいずれか一項に記載の大便器。
　便器本体に取り付けられて前記便器本体の便鉢の内部の空気の脱臭を行う脱臭装置において、
　前記便鉢の内部に向かって開口する吸込口から前記便鉢の内部の空気を吸込んで脱臭し、脱臭された空気を前記便鉢の内部または外部へ吹き出すように形成された脱臭流路と、
　前記脱臭流路の前記吸込口側に設置される集塵フィルタと、
　を有し、
　前記集塵フィルタは、前記便鉢の内部に向かって開口する集塵フィルタ着脱口を介して前記脱臭流路に着脱可能であり、
　前記集塵フィルタ着脱口は、シャッタによって開閉可能であることを特徴とする大便器の脱臭装置。
　前記集塵フィルタは、前記脱臭流路に着脱する際に使用者により把持される取っ手を有し、
　前記取っ手は、前記集塵フィルタ着脱口と前記集塵フィルタ着脱口を閉じた前記シャッタとの間に形成される隙間に収まる形状である
　請求項３２に記載の大便器の脱臭装置。
　前記脱臭流路は、前記集塵フィルタに形成された被係止部を係止可能な係止部を有する
　請求項３２又は３３に記載の大便器の脱臭装置。
　前記集塵フィルタは、前記脱臭流路への取付け向きが設定されていて、
　設定された前記取付け向きと逆向きに前記集塵フィルタが取り付けられることを防止するための逆向き取付防止機構を有する
　請求項３２から３４のいずれか一項に記載の大便器の脱臭装置。
　前記シャッタを開放状態に維持する操作部材をさらに備え、
　前記操作部材によって前記シャッタが開放状態に維持されると、前記集塵フィルタを前記集塵フィルタ着脱口を介して前記脱臭流路に着脱可能である
　請求項３２から３５のいずれか一項に記載の大便器の脱臭装置。
　前記シャッタは、上側を開放するように開口可能であり、
　前記集塵フィルタは、前記シャッタが上側を開放するように開口した状態で前記集塵フィルタ着脱口を介して前記脱臭流路に着脱可能である
　請求項３２から３６のいずれか一項に記載の大便器の脱臭装置。
　請求項３２から３７のいずれか一項に記載の大便器の脱臭装置が設けられていることを特徴とする大便器。