WO2016042681A1

WO2016042681A1 - 高さ調整装置付き車両用シート

Info

Publication number: WO2016042681A1
Application number: PCT/JP2014/081292
Authority: WO
Inventors: 橋本　聡; 俊 ▲高▼木; 豪也塩谷
Original assignee: 株式会社タチエス
Priority date: 2014-09-19
Filing date: 2014-11-26
Publication date: 2016-03-24
Also published as: CN106660469A; JP2016060478A

Abstract

構造が簡単で軽量化を可能にした高さ調節装置付きシートを提供する。一対のサポートフレーム（１０ａ、１０ｂ）間の前側には、このサポートフレーム（１０ａ、１０ｂ）に対して回動自在な連結ロッド（１５）と、前記連結ロッド（１５）の一端に固定され、前記連結ロッド（１５）と一体的に前記サポートフレーム（１０ａ）に回動自在に支持されると共に、前記連結ロッド（１５）より後側で円弧状に配列された歯（１６）と、シートクッション（ＳＣ）を構成するシートクッションフレームの一方を回転可能に支持するセクタギア側前方支持部を有するセクタギア（６）と、前記セクタギア（６）の歯（１６）に歯合するピニオン（Ｐ）と、前記ピニオン（Ｐ）を回転させる作動部（Ａ）と、を設け、前記連結ロッド（１５）の他端には、前記シートクッションフレームを回転可能に支持するアーム部（１８）が前記連結ロッド（１５）と一体的に回転可能に前記サポートフレーム（１０ｂ）に設けられた。

Description

高さ調整装置付き車両用シート

　本発明は、任意の高さに調整が可能な車両用シートに関するもので、詳しくは、シートバックとシートクッションを有する車両用シートにおいて、シートクッションの高さが調整できる高さ調整装置付き車両用シートである。

　従来、このような分野の技術として、特開２００８－８７５５４号公報がある。この公報に記載された昇降自在なシートに適用される高さ調整装置においては、シートクッション側のロアアームの前後左右と、車床側の前後左右のアッパーレールとを前後左右一対のリンクにより、ロアアームとアッパーレールを前後で連結しており、このリンクはロアアーム及びアッパーレールにその上下が回動可能に取り付けられ、回動軸が後方の左右のリンク間に一体に結合されている。そして、ロアアーム側には、ピニオンギアがセクタギアに形成した歯部に歯合され、ピニオンギアの回転によりセクタギアが回動され、このセクタギアの回動により、セクタギア側のリンクが回動する。それにより、回動軸が回動することにより反対側のリンクも回動し、ロアアームの高さ調整ができる。

特開２００８－８７５５４号公報

　しかしながら、前述した従来のシートにあっては、ロアアームとアッパーレール間に、前後左右にリンクを設けてロアアームとアッパーレールを連結しているので、リンク構造が複雑であり、それに伴ってシート構造の重量が大きくなるといった課題がある。

　本発明は、構造が簡単で軽量化を可能にした高さ調整装置付き車両用シートを提供することを目的とする。

　本発明にかかる高さ調整装置付き車両用シートは、上下に移動自在なシートクッションと、そのシートクッションの高さを調節するための高さ調整装置とを含んでなる車両用シートにおいて、
車床に対しスライド可能に設けられた一対の支持基部と、
シートクッション内に備えられて、第一サイドフレーム部と第二サイドフレーム部を有するシートクッションフレームとからなり、
前記高さ調整装置は、
第一端部と第二端部を有し、その第一端部、第二端部が前記一対の支持基部の前方部の間に回転自在に軸支されてなる連結ロッドと、
第一連結部と第二連結部を有し、前記第一連結部が前記連結ロッドの第一端部に固定され、前記連結ロッドと一体的に前記一対の支持基部のうち一方側で回動自在に支持されると共に、第二連結部が前記シートクッションフレームの第一サイドフレーム部に枢着してなり、この連結ロッドより後方側の位置において円弧上に配列された歯部を有してなるセクタギアと、
前記セクタギアの歯に歯合するピニオンと、
　前記ピニオンを回転させる操作部と、
第一連結部と第二連結部を有するアームと、
から構成され、
前記セクタギアと前記ピニオンが、シートクッションの一側部に配置されると共に、
前記アームの第一連結部が前記連結ロッドの第二端部に固定されて連結ロッドと一体的に前記一対の支持基部のうち他方側で回動自在に支持されると共に、前記アームの第二連結部が前記シートクッションの第二サイドフレーム部に枢着されていることを特徴とする。

　このシートにおいては、セクタギアがシートクッションに対して回動自在に連結されているので、セクタギアとシートクッションとの間にリンクを設けることがないので、その分、少ない部品点数でシートクッションの昇降が実現可能であるから、構造の簡素化を可能にし、しかも軽量化が可能になる。
さらには、セクタギアは、支持基部の前側において、連結ロッドを回動自在に設け、このような構成のセクタギアの歯にピニオンが歯合し、このピニオンを作動部で回転させているので、操作ノブを乗員の手が届き易い位置すなわち着座者の前側の下側近傍に配置させることができ、操作感が良くなる。
　セクタギアはベース側基体とシートクッションとの間のリンクとしての機能を備え、セクタギアとシートクッションが直接連結しているので、確実にシートクッションの昇降操作ができる。

　本発明によれば、構造が簡単で軽量化を可能にすると共に、高さ調整操作が行い易い。

本発明に係るシートの一実施形態を示す側面図である。シートの分解斜視図である。シートクッションの降下時の状態を示す側面図である。シートクッションの上昇時の状態を示す側面図である。

　以下、図面を参照しつつ本発明に係る高さ調節装置付き車両用シートの好適な実施形態について詳細に説明する。

　図１、２に示されるように、本発明に係る車両用シート１（例えば自動車用シート）は、車床ＦＬに固定した左右一対のスライドレール２に設けたシートクッションＳＣと、シートクッションＳＣに対して前倒自在なシートバックＳＢとからなり、シートバックＳＢの傾動を自在にするリクライニング部３と、を備えている。
図２から判るように、この車両用シートにあっては、シートクッションＳＣを一対のスライドレール２に対して支持する支持基部として、第一サイドフレーム部１０ａと第二サイドフレーム部１０ｂを設けている。また、左右一対のスライドレール２には、それぞれロアレール２ａと、このロアレール２ａにスライド自在に係合するアッパーレール２ｂからなる。
この左側アッパーレール２ｂ、右側アッパーレール２ｂの各上端には、第一サイドフレーム部１０ａと第二サイドフレーム部１０ｂがそれぞれ立設して固定される。
符号Ｈは、シートバックＳＢの頂部に取り付けられたヘッドレストＨで、着座者の頭部を保持するためのものである。

　そして、シートクッションＳＣ内には、図２に示すように、骨格をなすシートクッションフレームＣＦが配置され、このシートクッションフレームＣＦには、図示しないがパッド、パッドを被覆する表皮が設けられ、シートバックＳＢ内には、骨格をなすシートバックフレーム(不図示)が配置されている。

　図２及び図３に示されるように、左右（シート１に着座した際の着座者の右側、左側）一対のアッパーレール２ｂ、２ｂには、第一サポートフレーム１０ａと、第二サポートフレーム１０ｂが固定され、シートクッションＳＣをスライドレール２に支持する支持基部をなしている。これら第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂの後方部には、それぞれに、軸孔１０ｃ、１０ｄが形成されている。そして、シートクッションフレームＣＦの後方部において、２個のシャフト１１、１１が、シートクッションフレームＣＦの一対のサイドフレーム部ＣＦ１，サイドフレーム部ＣＦ２の内側面からそれぞれ内方に突出するように設けられている。このシャフト１１、１１は、軸孔１０ｃ、１０ｄにそれぞれ回転自在に軸支されている。
従って、シートクッションフレームＣＦの前方部は、第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂに対して、シャフト１１、１１を中心として上下方向に回動可能となっている。
すなわち、シートクッションＳＣの前側が上下方向に回動可能に構成されている。

また、シートクッションＳＣには、符号ＨＭで示される高さ調節装置が設けられている。この高さ調節装置ＨＭは、セクタギア６、連結ロッド１５、アーム１８、ピニオンＰ、操作ノブＡからなっている。その高さ調節装置ＨＭについて説明する。
なお、本発明では、第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂも高さ調節装置ＨＭの構成要素として包含される。
　シートクッションＳＣの前側、すなわち、シートクッションフレームＣＦの前側には、左右の第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂを連結するための連結ロッド１５が配置される。
　この連結ロッド１５の一端１５ａは右側（シートに着座した際の着座者の右側）の第一サポートフレーム１０ａの貫通孔９ａに挿入されて第一サポートフレーム１０ａに対して回動可能に設けられ、連結ロッド１５の他端１５ｂは左側（シートに着座した際の着座者の左側）の第二サポートフレーム１０ｂの貫通孔９ｂに挿入されて第二サポートフレーム１０ｂに対して回動可能に設けられている。

　右側の第一サポートフレーム１０ａにおいて、この連結ロッド１５には、右側の第一サポートフレーム１０ａに沿って配置されたセクタギア６が回動自在に連結されている。セクタギア６には、連結ロッド１５の一端１５ａが貫通する軸孔７が形成され、軸孔７に連結棒１５が挿入され、溶接により固定されることで連結ロッド１５を中心にセクタギア６は一体的に回動する。

　さらに、セクタギア６は、連結ロッド１５より後側に位置する場所に形成されるとともに円弧状に配列された歯１６を有している。このセクタギア６の歯１６には　右側の第一サポートフレーム１０ａに設けたピニオンＰが歯合し、ピニオンＰは、回転式操作ノブ(作動部)Ａから突出する回転軸４の先端に固定されている。この回転軸４は、第一サポートフレーム１０ａに形成された貫通孔５を貫通することで、操作ノブＡを第一サポートフレーム１０ａの外側に配置させ、ピニオンＰを第一サポートフレーム１０ａの内側に配置させるようにしている。

セクタギア６は、その上部のセクタギア側前方支持部に設けたシャフト６ａがシートクッションＳＣを構成するシートクッションフレームＣＦの前側右側面に形成した軸孔１２に回動自在に連結されている。

　これに対し、左側において、左側の第二サポートフレーム１０ｂに沿ってアーム部１８が配置され、このアーム部１８の下端には、連結ロッド１５の他端１５ｂが固定すると共に、連結ロッド１５の他端１５ｂがアーム部１８から突出して左側の第二サポートフレーム１０ｂの軸孔９ｂに回動自在に連結されている。
さらに、アーム部１８の上端である前方支持部に設けた回動軸２０は、シートクッションＳＣを構成するクッションフレームＣＦの前側右側面に形成した軸孔１３に回動自在に連結されている。

　このように構成されたシート１にあっては、操作ノブＡを一方向に回転させることで、ピニオンＰを回転させ、これに伴って図４に示されるように、セクタギア６は連結ロッド１５を回動中心として回動すると（図示矢印方向）、セクタギア６にシャフト６ａがシートクッションＳＣを構成するシートクッションフレームＣＦの前側右側面に形成した軸孔１２に回動自在に連結されているため、シートクッションフレームＣＦの前側右側面が上昇する。一方、セクタギア６が回動すると、セクタギア６と共に連結棒１５が回動し、連結ロッド１５に固定しているアーム部１８が回動する。アーム部１８が回動すると、それにともなって、アーム部１８の上端に設けた回動軸２０が、シートクッションＳＣを構成するクッションフレームＣＦの前側左側面に形成した軸孔１３に回動自在に連結されているので、クッションフレームＣＦの前側左側面も上昇する。
　クッションフレームＣＦは、左右一対の平板状の第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂに対して、シート１の後側に設けたシャフト１１、１１を中心として、シートクッションフレームＣＦの前側が上方向に回動する。すなわち、シートクッションＳＣの前側が上方向に回動して上昇し高さ調整をすることができる。

　このように操作ノブＡを一方向に回転させると、ピニオンＰが回転し、それにより、セクタギア６は連結ロッド１５とともに回動する。セクタギア６は、その上部のセクタギア側前方支持部に設けたシャフト６ａが上昇して、シートクッションＳＣの前側が上がる。セクタギア６とアーム部１８により、左右の第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂとシートクッションＳＣを構成するクッションフレームＣＦとを連結しているので、スムーズに、シートクッションＳＣを上げることができる。

これに対して、操作ノブＡを逆方向に回転させることで、ピニオンＰを逆転させ、これに伴って図３に示されるように、セクタギア６の上部のセクタギア側前方支持部に設けたシャフト６ａが降下すると、シートクッションＳＣの前側Ｆは、左右の第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂのそれぞれに、セクタギア６とアーム部１８に連結されているので、スムーズに、シートクッションＳＣを下げることができる。

２つのシャフト１１、１１は、それぞれ２つの軸孔１０ｃ、１０ｄ内に軸支されているが、厳密には、各軸孔１０ｃ、１０ｄの径は、各シャフト１１、１１の径より大きく形成され、両者間に所定の遊びを設けている。
シートクッションＳＣの昇降時におけるセクタギア６の回転で、その円弧上内の歯部１６内に噛合するピニオンＰが上下に移動するが、前後にも若干移動が生じ、そのため、シートクッションフレームＣＦの後部ならびにシャフト１１にも前後移動が生じる。その前後移動を吸収する遊びを得るように軸孔１０ｃと１０ｄはシャフト１１、１１より適宜大きく形成してシートクッションＳＣの前部の上下移動を円滑化している。
また、図示しないが、軸孔１０ｃ、１０ｄを前後方向に長い長穴形状に形成して、２つの長孔状の軸孔としても良い。それにより、シートクッションＳＣの昇降時に、シャフト１１、１１が長穴状軸孔に沿って移動自在となり、上記と同様な前後移動の吸収を可能とし、シートクッションＳＣの前部の上下移動を円滑化する。
このシートクッションＳＣの前部の上下移動円滑化のいずれの構成でも、ピニオンＰがセクタギア６の歯部１６内に不動に歯合しており、そのセクタギア６と単一のアーム部１８の側面は左右の第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂに保持され不動となっているので、シャフト１１、１１を、径の大きな軸孔１０ｃ、１０ｄまたは長孔状軸孔に設置してシート１のスライドレール２に対する位置決めが完了した後は、シャフト１１、１１は、それぞれいずれの軸孔内でもずれることはない。

上記構成により、本発明の車両用シートでは、下記効果が得られる。
１．第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂが、左右のスライドレール２、２のアッパーレール２ｂ、２ｂと一体に形成され上方に延設されているため、連結ロッド１５とクッションフレームＣＦ後部が直接取り付け可能となり、スライドレール２、２に取り付けるための別個の部材が不要となる。
２．セクタギア６がアーム部１８と同様なアーム機能も兼ねると共に、シャフト１１、１１が第一、第二サポートフレーム１０ａ、１０ｂ後部に直接軸支持することにより、セクタギア６とクッションフレームＣＦの前部を連結するリンクが不要となる。
３．上記１、２の簡単な構造により、リンクや取り付け部材を要する従来の高さ調節装置付きシートに比べ、少ない部品点数で済み、構造も簡素化し、しかもシートの軽量化が可能となる。
４．図１に示すように、操作ノブＡ（操作部）がシートクッションＳＣの前方側部近傍に位置する為、着座者の手の届きやすい位置となり、着座者は一旦体を起こすことなく、手を伸ばして操作ノブＡを操作することができる。

　本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、操作ノブＡは、モータが組み込まれた電動式であってもよい。
　連結ロッド１５は、シートクッションＳＣを上げる方向に付勢するトーションバーを用いてもよく、シートクッションが上げ易くなる。

　１・・・シート
　２・・・スライドレール
　２ａ・・・ロアレール
　２ｂ・・・アッパーレール
　４・・・回転軸　
５・・・貫通孔
６・・・セクタギア
７・・・軸孔
１０ａ,１０ｂ・・・サポートフレーム（支持基部）
　１１・・・シャフト
　１５・・・連結ロッド
　１６・・・歯　
１８・・・アーム部
　Ａ・・・操作ノブ(作動部)
　Ｐ・・・ピニオン
　ＳＢ・・・シートバック
　ＳＣ・・・シートクッション
　ＨＭ・・・高さ調節装置

Claims

上下に移動自在なシートクッションと、そのシートクッションの高さを調節するための高さ調整装置とを含んでなる車両用シートにおいて、
車床に対しスライド可能に設けられた一対の支持基部と、
シートクッション内に備えられて、第一サイドフレーム部と第二サイドフレーム部を有するシートクッションフレームとからなり、
前記高さ調整装置は、
左右の前記支持基部間の前側には、この支持基部に対して回動自在な連結ロッドと、
前記連結ロッドの一端に固定され、前記連結ロッドと一体的に前記支持基部に回動自在に支持されると共に、前記連結ロッドより後側で円弧状に配列された歯と、前記シートクッションを構成するシートクッションフレームの一方を回転可能に支持するセクタギア側前方支持部を有するセクタギアと、
　前記セクタギアの歯に歯合するピニオンと、
　前記ピニオンを回転させる作動部と、を有し、
前記連結ロッドの他端には、前記シートクッションフレームを回転可能に支持する前方支持部を有するアーム部が前記連結ロッドと一体的に回転可能に前記支持基部に設けられたことを特徴とする高さ調整装置付き車両用シート。
前記高さ調整装置は、
第一端部と第二端部を有し、その第一端部、第二端部が前記一対の支持基部の前方部の間に回転自在に軸支されてなる連結ロッドと、
第一連結部と第二連結部を有し、前記第一連結部が前記連結ロッドの第一端部に固定され、前記連結ロッドと一体的に前記一対の支持基部のうち一方側で回動自在に支持されると共に、第二連結部が前記シートクッションフレームの第一サイドフレーム部に枢着してなり、この連結ロッドより後方側の位置において円弧上に配列された歯部を有してなるセクタギアと、
前記セクタギアの歯に歯合するピニオンと、
　前記ピニオンを回転させる操作部と、
第一連結部と第二連結部を有するアームと、
から構成され、
前記セクタギアと前記ピニオンが、シートクッションの一側部に配置されると共に、
前記アームの第一連結部が前記連結ロッドの第二端部に固定されて連結ロッドと一体的に前記一対の支持基部のうち他方側で回動自在に支持されると共に、前記アームの第二連結部が前記シートクッションの第二サイドフレーム部に枢着されている請求項1記載の高さ調整装置付き車両用シート
　前記前記シートクッションフレームの後方部が、前記一対の支持基部の後方部に回動自在に連結されている請求項1記載の高さ調整装置付き車両用シート。
　前記一対の支持基部の一方の後方部に第一連結孔を形成し、他方に第二連結孔を形成してなり、一方、前記シートクッションフレームの第一サイドフレーム部の後方部には第一突部が設けられ、前記シートクッションフレームの第二サイドフレーム部の後方部には第二突部が設けられてなり、前記第一、第二突部が前記第一、第二連結孔にそれぞれ回転自在に係合してなることにより、前記シートクッションフレームの後方部が前記一対の支持基部の後方部に回動自在に連結してなる請求項１記載の高さ調整装置付き車両用シート。
　前記前記シートクッションの後方部と前記一対の支持基部の後方部にとの間にリンク部材を設けることにより、前記シートクッションフレームの後方部が前記一対の支持基部の後方部に回動自在に連結してなる請求項１記載の高さ調整装置付き車両用シート。