WO2016016943A1 - 部品供給装置 - Google Patents

Abstract

　直線状に形成されて複数のスライドファスナ用スライダーの爪（１１）を連続搬送する部品搬送路（２４）と、部品搬送路（２４）から連続して下方に傾斜して形成されたシュート部（２５）と、を備え、部品搬送路（２４）には、爪（１１）の姿勢を判別して、正規姿勢の爪（１１）の搬送を許容し、非正規姿勢の爪（１１）を部品搬送路（２４）から排除する姿勢選別部（２６）が配設されている。これにより、コンパクトな構成で、爪（１１）を所定の姿勢で安定して供給することができる。

Description

部品供給装置

　本発明は、部品供給装置に関し、特に、スライドファスナ用スライダーの爪を所定の姿勢で安定して供給することができる部品供給装置する。

　従来、スライドファスナ用スライダーの引手やスライダー本体などの部品をパーツフィーダーから整列して送り出し、その姿勢を保ったまま移送して自動組立機へ供給するようにした部品移送装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１の部品移送装置は、部品を整列搬送するボウル型パーツフィーダーと、このボウル型パーツフィーダーに連続して設けられたシュートと、シュートから自動組立機の作業ステーションへ延長する案内部材と、案内部材に沿って設けられた搬送体と、を備えている。

日本国特開平７－５１９５０号公報

　ところで、上記特許文献１に記載の部品移送装置では、シュートへ部品を整列して送り出すパーツフィーダーが、ボウル型パーツフィーダーであるため、パーツフィーダーが大型となると共に、シュートに至るまでの螺旋式搬送路が長くなり、部品搬送に長時間を要する問題があった。また、長い螺旋式搬送路上に多くの部品が貯留されることとなるため、大量生産には好適であるが、小ロット生産には必ずしも適合していなかった。

　本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スライドファスナ用スライダーの爪などの部品を所定の姿勢で安定して供給することができるコンパクトな部品供給装置を提供することにある。

　本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
（１）　部品を所定の姿勢で搬送する部品供給装置であって、
　直線状に形成され、複数の部品を連続搬送する部品搬送路と、
　部品搬送路から連続して下方に傾斜して形成されて部品を搬送するシュート部と、
　幅狭部と幅広部を有する部品搬送路に設けられ、部品の姿勢が所定の姿勢であるか否かを判別して、正規姿勢の部品の搬送を許容し、非正規姿勢の部品を部品搬送路から排除する姿勢選別部と、
を備えることを特徴とする部品供給装置。
（２）　部品の重心が部品搬送路上から外れた非正規姿勢の部品を部品搬送路から排除する幅狭部を有し、
　部品の重心が部品搬送路上にある正規姿勢の部品を、幅狭部から幅狭部の下流側に設けた幅広部に搬送することを特徴とする（１）に記載の部品供給装置。
（３）　部品を収容すると共に、姿勢選別部により部品搬送路から排除された部品を返送する部品返送路を備える部品収容部と、
　部品収容部に収容された部品を上昇させて部品搬送路に戻すリフト装置と、
を備えることを特徴とする（１）に記載の部品供給装置。
（４）　部品搬送路と部品返送路とは、平行、且つ部品の搬送方向が逆方向であることを特徴とする（３）に記載の部品供給装置。
（５）　部品搬送路に設けられた姿勢選別部は、
　部品の重心が部品搬送路上から外れた非正規姿勢の部品を部品搬送路から部品返送路に落下させる第１の幅狭部と、
　第１の幅狭部よりも下流側に設けられ、搬送される全ての部品の重心が部品搬送路上から外れるような幅を有する第２の幅狭部と、
　該第２の幅狭部の側方で、非正規姿勢で搬送される部品を部品搬送路から部品返送路に落下させる選別溝と、
を有することを特徴とする（３）または（４）に記載の部品供給装置。
（６）　姿勢選別部は、第２の幅狭部の下流側に設けた幅広部から上流側に延び、該第２の幅狭部より部品搬送路の搬送方向長さが短い腕部をさらに備え、
　選別溝は、第２の幅狭部及び腕部によって、Ｌ字形に形成されることを特徴とする（５）に記載の部品供給装置。
（７）　部品は、部品搬送路の搬送方向に対して前後及び左右非対称な形状を有し、
　姿勢選別部は、
　第１及び第２の幅狭部と幅広部との左右方向一端部から起立する支持壁と、
　第１の幅狭部の途中に第１の幅狭部から左右方向に突出して設けられ、部品の表面又は裏面が支持壁に支持されて起立状態で搬送される部品と干渉して部品を部品搬送路から部品返送路に排除する排除板と、
　第１の幅狭部によって、部品搬送路における左右方向の姿勢が正規姿勢と異なる部品を部品搬送路から排除する左右選別部と、
　第２の幅狭部及び選別溝によって、部品搬送路における前後方向の姿勢が正規姿勢と異なる部品を部品搬送路から排除する前後選別部と、
を備えることを特徴とする（２）に記載の部品供給装置。
（８）　シュート部により搬送される部品を収容可能な収納溝を外周面に有し、回動して部品を所定の姿勢で供給する回転搬送部を更に備えることを特徴とする（１）に記載の部品供給装置。
（９）　シュート部で搬送される部品の有無を検出する部品センサを更に備え、
　部品センサによる部品の検出信号に応じてリフト装置を作動させることを特徴とする（３）に記載の部品供給装置。
（１０）　部品は、スライドファスナ用スライダーの爪であることを特徴とする（１）～（９）のいずれか１つに記載の部品供給装置。

　本発明の部品供給装置によれば、直線状に形成されて複数の部品を連続搬送する部品搬送路と、部品搬送路から連続して下方に傾斜して形成されたシュート部と、を備え、部品搬送路には、部品の姿勢を判別して、正規姿勢の部品の搬送を許容し、非正規姿勢の部品を部品搬送路から排除する姿勢選別部が配設されているので、部品供給装置を小型化すると共に、部品を所定の姿勢で安定して供給することができる。

本発明に係る部品供給装置の斜視図である。 図１に示す部品供給装置の正面図である。 図１に示す姿勢選別部の平面図である。 図２のＶＩ-ＶＩ断面図である。 図１に示す姿勢選別部の拡大斜視図である。 左右選別部上を搬送される４つの姿勢の爪を示す平面図である。 （ａ）は、正規姿勢で前後選別部上を搬送される爪の平面図、（ｂ）は、非正規姿勢で前後選別部上を搬送される爪の平面図である。 （ａ）は、図１に示す回転搬送部の下面図であり、（ｂ）は、回転搬送部の要部斜視図である。

　以下、本発明の一実施形態に係る部品供給装置について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以後の説明において、部品の搬送方向下流側を前方、上流側を後方、前後方向と直交し且つ部品搬送路の幅方向を左右方向、前後方向及び左右方向に直交する方向を上下方向とする。

　図１から図３に示すように、本実施形態の部品供給装置１０は、スライドファスナ用スライダーに組み込まれる一部品である爪１１をロボットアームなどで保持するのに適した所定の姿勢で供給位置に搬送する装置であり、部品ストック部２０と、部品搬送部６０と、を備える。部品ストック部２０、及び後述する回転搬送部２７を除く部品搬送部６０では、振動台１３上に加振器１２（図４参照）が内蔵されており、振動台１３は、４個の振動吸収脚部１４を介して支持台１５上に配設されている。これにより、支持台１５を支持する基台１７では、加振器１２からの振動が遮断され、支持台１５上に配置された各部材は、加振器１２からの振動が伝達されて振動する。

　部品供給装置１０で供給位置に搬送される爪１１は、図６及び図７にも示すように、略Ｃ字形に形成された所定の厚さを持った板状部品であり、一対の脚部１１ａ，１１ｂと、脚部１１ａ，１１ｂ同士を接続する湾曲部１１ｃと、を備え、部品搬送路の搬送方向に対して前後及び左右非対称に形成されている。即ち、爪１１の前後方向及び左右方向は、部品搬送路を後述する正規姿勢で搬送される際の姿勢を基準に、部品搬送路の前後方向及び左右方向と対応して規定している。

　部品ストック部２０は、複数の爪１１を収容する部品収容部２１と、部品収容部２１に収容された爪１１を部品搬送部６０に供給するリフト装置２２とを備える。また、部品搬送部６０は、爪１１を直線に沿って搬送する部品搬送路２４と、部品搬送路２４から連続して形成されたシュート部２５と、爪１１の姿勢を判別して正規姿勢の爪１１を選別する姿勢選別部２６と、爪１１の姿勢を所定の姿勢に変換する回転搬送部２７と、を備える。

　部品収容部２１は、右側壁３１、左側壁３２ａ、前側壁３２ｂ、及び後側壁３２ｃによって周囲が囲まれ、部品返送部材２３、リフト装置２２のリフト部材３３、及び底板部材３４によって底面が形成され、且つ、上方が開放された空間であり、この空間内に複数の爪１１を収容可能となっている。

　部品返送部材２３は、右側壁３１と左側壁３２ａとの間に挟持されて設けられており、上面が前方から後方に向かって徐々に下方に傾斜する部品返送路３６を有し、部品搬送路２４から排除された爪１１を、重力によってリフト部材３３や底板部材３４に向けて搬送する。

　また、リフト部材３３及び底板部材３４は、部品返送部材２３の後方に設けられ、底板部材３４が左側壁３２ａ寄り、リフト部材３３が右側壁３１寄りとなるように、右側壁３１と左側壁３２ａとの間で左右方向に並んで配置されている。リフト部材３３の上面３３ａ及び底板部材３４の上面３４ａは、部品返送路３６の後端よりも低い位置にあり、それぞれ左側壁３２ａ側から右側壁３１側に向かって徐々に下方に傾斜する傾斜面となっている。
　さらに、右側壁３１の上面３１ａも、後述する部品搬送路２４の傾斜面３７と連続するように、左右方向において部品搬送路２４に向かって徐々に下方に傾斜する傾斜面となっている。

　リフト装置２２は、上下方向に伸縮する図示しないシリンダロッドを備えるシリンダ３５と、このシリンダロッドに連結されて右側壁３１に沿って上下移動する前述した板状のリフト部材３３とを備える。これにより、リフト部材３３の上面３３ａは、下方位置にて底板部材３４の傾斜した上面３４ａと連続し、該上面３３ａと右側壁３１との間に、複数の爪１１を保持する。また、リフト部材３３の上面３３ａは、上方位置にて右側壁３１の傾斜した上面３１ａと連続し、保持した複数の爪１１を右側壁３１の上面３１ａから部品搬送路２４に供給する。

　部品搬送路２４は、右側壁３１を介して部品ストック部２０と反対側で、部品返送路３６と平行に設けられている。部品搬送路２４は、右側壁３１の上面３１ａから連続し、左右方向において右側壁３１から離間するにつれて下方に傾斜する傾斜面３７と、傾斜面３７から後述する第１及び第２の幅狭部４１ａ、４１ｂと幅広部４３に亘って、傾斜面３７、第１及び第２の幅狭部４１ａ、４１ｂ及び幅広部４３の右端部から斜め上方に起立する支持壁３８とを備え、断面略Ｌ字形に形成された直線状の部材によって構成される。

　したがって、リフト部材３３を上昇させると、部品収容部２１に収容されている爪１１は、リフト部材３３の上面３３ａで持ち上げられ、右側壁３１の上面３１ａ及び傾斜面３７を移動して支持壁３８に当接し、加振器１２の振動により部品搬送路２４に沿って前方へと搬送される。

　図５も参照して、部品搬送路２４の搬送方向中間部には、姿勢選別部２６が設けられている。姿勢選別部２６は、傾斜面３７を右側壁３１の前方にて、右側壁３１から離間させ、傾斜面３７の形状を変更することで形成されている。具体的に、姿勢選別部２６は、図６に示すように、重心Ｇが部品搬送路２４上から外れた姿勢の爪１１を部品搬送路２４から部品返送路３６に自重落下させる幅狭部４１ａを有する左右選別部３９と、図７に示すように、幅狭部４１ａよりも下流側に設けられ、搬送される全ての爪１１の重心Ｇが部品搬送路２４上から外れるような幅を有する第２の幅狭部４１ｂ、及び、第２の幅狭部４１ｂの側方で、非正規姿勢で搬送される爪１１を自重落下させる選別溝４４を有する前後選別部４０と、を備える。

　即ち、左右選別部３９の幅狭部４１ａは、脚部１１ａ、１１ｂが支持壁３８側に向いた爪１１が自重落下するような左右幅Ｗ１を有する。また、前後選別部４０の第２の幅狭部４１ｂは、幅狭部４１ａの左右幅Ｗ１より更に狭い左右幅Ｗ２を有する。また、第２の幅狭部４１ｂは、爪１１の幅Ｗよりも左右幅の広い幅広部４３に対して、平面視でＬ字形に選別溝４４を切り欠くことで形成される。即ち、第２の幅狭部４１ｂの側方には、前方の幅広部４３から後方に延び、搬送方向長さが第２の幅狭部４１ｂの長さより短い腕部４５が形成され、選別溝４４は、第２の幅狭部４１ｂ及び腕部４５によって、Ｌ字形に形成される。なお、爪１１の幅Ｗとは、脚部１１ａ，１１ｂの先端を結ぶ線から最も離れた湾曲部１１ｃまでの距離を言う。

　図７に示すように、腕部４５の長さ、即ち、選別溝４４の長さＬ１は、非正規姿勢で搬送される爪１１の脚部１１ａが幅広部４３から離れた際に、脚部１１ｂが選別溝４４内に位置するように設定されている。また、選別溝４４の溝幅Ｗ３は、爪１１の湾曲部１１ｃが支持壁３８に当接した状態で、脚部１１ｂの先端が選別溝４４内に位置する一方、脚部１１ａの先端が選別溝４４を越えて腕部４５上に位置するように設定される。さらに、選別溝４４の開口幅Ｌ２は、正規姿勢で搬送される爪１１の脚部１１ｂが幅広部４３から外れた際に、脚部１１ａが腕部４５に載置される一方、非正規姿勢で搬送される爪１１の脚部１１ａが幅広部４３から離れた際に、脚部１１ａから爪１１が落下する際に、腕部４５が干渉しないように設定されている。

　また、姿勢選別部２６は、第１の幅狭部４１ａの途中に第１の幅狭部４１ａから左右方向に突出して設けられ、爪１１の表面又は裏面が支持壁３８に支持されて起立状態で搬送される爪１１と干渉して爪１１を排除する排除板４２を備える。具体的に、排除板４２は、傾斜面３７との間に爪１１の板厚Ｔより僅かに大きな上下方向の隙間が設けられるように部品搬送路２４に固定されている。また、排除板４２の後方側面には、前方に向かうに従って次第に部品搬送路２４から突出するように傾斜する傾斜面４２ａが形成されている。

　これにより、部品搬送路２４上で平らに寝た状態以外の爪１１、例えば、脚部１１ａ、１１ｂによって起立状態の爪１１や、複数が重なったり、絡まった状態の爪１１は、爪１１の搬送に伴って傾斜面４２ａにより部品搬送路２４から押し出されて排除され、単独で部品搬送路２４上に寝た状態の爪１１のみが排除板４２と部品搬送路２４との間を通過して搬送される。

　また、図６に示すように、湾曲部１１ｃが第１の幅狭部４１ａから突出した姿勢で搬送される爪１１は、第１の幅狭部４１ａから自重落下し、湾曲部１１ｃが第１の幅狭部４１ａ上にある姿勢の爪１１のみが第１の幅狭部４１ａを通過して搬送される。これにより、湾曲部１１ｃが第１の幅狭部４１ａから突出する非正規姿勢の爪１１が、左右選別部３９において排除される。

　また、図７に示すように、一方の脚部１１ａを前方に向けて正規姿勢で搬送される爪１１は、他方の脚部１１ｂが幅広部４３から外れる前に一方の脚部１１ａが腕部４５に載置されるので選別溝４４から落下することなく搬送される。しかし、他方の脚部１１ｂを前方に向けて非正規姿勢で搬送される爪１１は、一方の脚部１１ａが幅広部４３から外れる位置まで搬送されると、他方の脚部１１ｂが選別溝４４から落下する。これにより、前後選別部４０においては、湾曲部１１ｃが部品搬送路２４上にあり、且つ一方の脚部１１ａが前方を向いて搬送される正規姿勢の爪１１（図７（ａ）参照）のみが選別されて、更に搬送される。

　また、右側壁３１の上面３１ａは、姿勢選別部２６と前後方向で対応する部分が、少なくとも部品搬送路２４の下面よりも更に低く切欠かれて切欠き部４６が形成されている。そして、姿勢選別部２６と切欠き部４６との間には、部品搬送路２４よりも低い位置で回収用傾斜面４７が形成されている。回収用傾斜面４７及び切欠き部４６の上面４６ａは、部品収容部２１に向かうにつれて徐々に下方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、姿勢選別部２６により部品搬送路２４から排除されて回収用傾斜面４７に落下した爪１１は、回収用傾斜面４７の傾斜に沿って部品収容部２１側に自重で搬送され、部品返送路３６を落下してリフト部材３３又は底板部材３４に返送される。

　シュート部２５は、部品搬送路２４から連続して下方に傾斜して形成されており、上面にコの字溝５１を備える。姿勢選別部２６により選別された正規姿勢の爪１１は、部品搬送路２４からコの字溝５１に受け渡されて自重により回転搬送部２７へ搬送される。

　シュート部２５は、部品搬送路２４の前端部から連続する上部シュート部２５ａと、上部シュート部２５ａと僅かな隙間を持って連続し、回転搬送部２７の側方まで下方に傾斜して延びる下部シュート部２５ｂと、を備え、いずれも上面にコの字溝５１を有している。なお、下部シュート部２５ｂは、上部シュート部２５ａとの間に隙間が設けられているので、部品搬送路２４の振動は、下部シュート部２５ｂに伝達されることはない。姿勢選別部２６により選別された正規姿勢の爪１１は、部品搬送路２４からコの字溝５１に受け渡されて自重により回転搬送部２７へ搬送される。

　シュート部２５の上方には、部品センサ５２が配置されて、シュート部２５で搬送される爪１１の有無を検出する。部品センサ５２から爪不検出信号が送信さると、リフト装置２２及び加振器１２を作動させて爪１１を部品搬送路２４からシュート部２５に補給搬送する。リフト装置２２は、タイマー制御されており、所定の時間経過した後、停止する。また、部品センサ５２から爪検出信号が送信さると、リフト装置２２及び加振器１２が停止する。これにより、爪１１は、途絶えることなくシュート部２５に供給される。

　回転搬送部２７は、図２に示すように、基台１７に立設された支持ステー１６に固定されており、図８に示すように、爪１１を収容可能な収納溝６１が外周面に設けられた回転板６２と、回転板６２を９０°往復回転させるロータリーシリンダ６３とを備える。回転板６２は、軸方向に延びる収納溝６１を備える円板部６４と、円板部６４よりも前方で、円板部６４より大きな外径を有する底板円板部６５とによって構成されており、収納溝６１の下方側側面が、底板円板部６５によって形成されている。

　回転板６２は、収納溝６１が横方向を向いたとき、シュート部２５のコの字溝５１と一致するように、シュート部２５の下端に配置される。

　回転搬送部２７は、シュート部２５のコの字溝５１により搬送された爪１１の脚部１１ａ，１１ｂが、回転板６２の収納溝６１に収容されると、ロータリーシリンダ６３により、図８（ａ）において時計方向に９０°回転し、爪１１の姿勢を水平状態から起立状態に変換する。これにより、爪１１は、湾曲部１１ｃが収納溝６１から上方に突出した状態となる。従って、不図示のロボットで容易に爪１１の湾曲部１１ｃの背面を吸着保持することができ、図示しない組付けステーションに搬出される。

　次に、本実施形態の部品供給装置１０の作動について説明する。先ず、図１に示すように、複数の爪１１を部品収容部２１に収容して作動スイッチ（図示せず）をＯＮにすると、加振器１２が作動して部品搬送路２４及びその周辺部材を振動させる。これと同時に、リフト装置２２が作動してリフト部材３３が上昇する。部品収容部２１に収容されている爪１１は、リフト部材３３の上面３３ａで押し上げられ、右側壁３１の上面３１ａを越えて、傾斜面３７に沿って部品搬送路２４に供給される。部品搬送路２４に供給された爪１１は、加振器１２で付加される振動により直線状の部品搬送路２４に沿って搬送される。

　爪１１が姿勢選別部２６まで搬送されると、図５に示すように、起立したり、重なったり、絡まった状態の非正規状態の爪１１は、排除板４２の傾斜面４２ａに当接し、部品搬送路２４から押し出されて回収用傾斜面４７上に自重落下し、単独で部品搬送路２４上に寝た状態の爪１１のみが排除板４２の下方を通過して更に搬送される。

　また、左右選別部３９の第１の幅狭部４１ａでは、図６に示すように、湾曲部１１ｃが部品搬送路２４から突出する爪１１は、自重により部品搬送路２４から回収用傾斜面４７上に落下し、湾曲部１１ｃが部品搬送路２４上にある爪１１のみが第１の幅狭部４１ａを通過して搬送される。第１の幅狭部４１ａを通過して搬送される爪１１は、脚部１１ａが前方を向いた正規姿勢の爪１１と、脚部１１ａが後方を向いた非正規姿勢の爪１１とが、混在した状態で前後選別部４０へ搬送される。

　爪１１が更に搬送されて前後選別部４０の選別溝４４の位置まで搬送されると、図７に示すように、一方の脚部１１ａを前方に向けて搬送される爪１１は、脚部１１ｂが幅広部４３から外れる前に一方の脚部１１ａが腕部４５に載置されるので選別溝４４から落下することなく選別溝４４を通過して搬送される。

　しかし、一方の脚部１１ａを後方に向けて搬送される爪１１は、一方の脚部１１ａが幅広部４３から外れる位置まで搬送されても、他方の脚部１１ｂが選別溝４４内に位置するので、選別溝４４から回収用傾斜面４７上に落下して排除される。これにより、湾曲部１１ｃが部品搬送路２４上にあり、且つ一方の脚部１１ａが前方を向いて搬送される正規姿勢の爪１１（図７（ａ）参照）のみが、前後選別部４０において選別されて、更に搬送される。

　排除板４２、左右選別部３９、及び前後選別部４０により部品搬送路２４から排除されて回収用傾斜面４７上に落下した爪１１は、加振器１２の作用により振動する回収用傾斜面４７の傾斜に沿って部品収容部２１側に搬送され、更に部品返送路３６に沿って下方に移動し、部品収容部２１に返送されて収容される。そして、リフト装置２２によって再び部品搬送路２４に供給される。

　一方、前後選別部４０を通過した正規姿勢の爪１１は、自重によりシュート部２５のコの字溝５１内を回転搬送部２７へ向けて搬送され、図８に示すように、横を向いた状態（水平状態）で爪１１の脚部１１ａ，１１ｂが、回転板６２の収納溝６１に収容される。そして、ロータリーシリンダ６３により回転板６２が９０°回転して、爪１１の姿勢を水平状態から起立状態に変換する。そして、不図示のロボットが、収納溝６１から突出する爪１１の湾曲部１１ｃの背面を吸着保持し、所定の姿勢で組付けステーションに搬出される。

　以上説明したように、本実施形態の部品供給装置１０によれば、直線状に形成されて複数の爪１１を連続搬送する部品搬送路２４と、部品搬送路２４から連続して下方に傾斜して形成されたシュート部２５と、を備え、第１の幅狭部４１ａと幅広部４３を有する部品搬送路２４には、爪１１の姿勢を判別して、正規姿勢の爪１１の搬送を許容し、非正規姿勢の爪１１を部品搬送路２４から排除する姿勢選別部２６が配設されているので、小型化された部品供給装置１０により、爪１１を所定の姿勢で安定して供給することができる。

　また、部品供給装置１０は、爪１１を収容するとともに、姿勢選別部２６により部品搬送路２４から排除された爪１１を返送する部品返送路３６を備える部品収容部２１と、部品収容部２１に収容された爪１１を上昇させて部品搬送路２４に戻すリフト装置２２と、を備えるので、姿勢選別部２６で排除された爪１１を、効率よく部品搬送路２４に戻すことができる。更に、部品収容部２１に貯留する爪１１が少量であっても短時間で確実に部品搬送路２４に戻すことができ、小ロット生産用の部品供給装置１０として好適である。

　また、部品搬送路２４と部品返送路３６とは、平行、且つ爪１１の搬送方向が逆方向であるので、ボウル型パーツフィーダーを用いた従来の装置と比較して、部品供給装置１０を大幅に小型化することができる。

　また、部品搬送路２４に設けられた姿勢選別部２６は、爪１１の重心Ｇが部品搬送路２４上から外れた非正規姿勢の爪１１を部品搬送路２４から部品返送路３６に落下させる第１の幅狭部４１ａと、第１の幅狭部４１ａよりも下流側に設けられ、搬送される全ての爪１１の重心Ｇが部品搬送路２４上から外れるような幅を有する第２の幅狭部４１ｂと、第２の幅狭部４１ｂの側方で、非正規姿勢で搬送される爪１１を部品搬送路２４から部品返送路３６に落下させる選別溝４４と、を有する。これにより、非正規姿勢の爪１１を部品搬送路２４から確実に排除することができる。

　また、姿勢選別部２６は、第２の幅狭部４１ｂの下流側に設けた幅広部４３から上流側に延び、該第２の幅狭部４１ｂより部品搬送路２４の搬送方向長さが短い腕部４５をさらに備え、選別溝４４は、第２の幅狭部４１ｂ及び腕部４５によって、Ｌ字形に形成されるので、非正規姿勢の爪１１をＬ字形の選別溝４４から確実に排除することができると共に、正規姿勢の爪１１を第２の幅狭部４１ｂと腕部４５とによって確実に搬送することができる。

　また、姿勢選別部２６は、第１及び第２の幅狭部４１ａ、４１ｂと幅広部４３との右端部から起立する支持壁３８と、爪１１の表面又は裏面が支持壁３８によって支持されて起立状態で搬送される爪１１を部品搬送路２４から排除する排除板４２と、非正規姿勢で搬送される爪１１を部品返送路３６に自重落下させる左右選別部３９及び前後選別部４０と、を備えるので、確実に正規姿勢で搬送される爪１１のみを選別して供給することができ、前後及び左右非対称の形状を有するスライドファスナ用スライダーの爪１１の部品供給装置１０として好適に使用される。

　また、シュート部２５により搬送される爪１１を収容可能な収納溝６１を外周面に有し、回動して爪１１を所定の姿勢で供給位置に供給する回転搬送部２７を更に備えるので、爪１１を所定の姿勢に変換して１つずつ確実に供給位置に供給することができる。

　また、シュート部２５で搬送される爪１１の有無を検出してリフト装置２２を作動させる部品センサ５２を備えので、自動組立機への部品供給が途絶えることなく確実に供給することができる。

　なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
　例えば、上記実施形態では、爪１１を所定の姿勢で搬送するようにしたが、姿勢選別部２６の形状を適宜変更することで、スライダ本体や引手などの他の部品搬送にも適用することができ、前後非対称な形状の部品、又は左右非対称な形状の部品にも適用することができる。

１０　　部品供給装置
１１　　爪（部品）
２１　　部品収容部
２２　　リフト装置
２３　　部品返送部材
２４　　部品搬送路
２５　　シュート部
２６　　姿勢選別部
２７　　回転搬送部
３６　　部品返送路
３９　　左右選別部
４０　　前後選別部
４１ａ　第１の幅狭部（幅狭部）
４１ｂ　第２の幅狭部
４２　　排除板
４４　　選別溝
５２　　部品センサ
６１　　収納溝
Ｇ　　　重心

Claims (10)

1. 　部品（１１）を所定の姿勢で搬送する部品供給装置（１０）であって、
   　直線状に形成され、複数の前記部品（１１）を連続搬送する部品搬送路（２４）と、
   　前記部品搬送路（２４）から連続して下方に傾斜して形成されて前記部品（１１）を搬送するシュート部（２５）と、
   　幅狭部（４１ａ）と幅広部（４３）を有する前記部品搬送路（２４）に設けられ、前記部品（１１）の姿勢が所定の姿勢であるか否かを判別して、正規姿勢の前記部品（１１）の搬送を許容し、非正規姿勢の前記部品（１１）を前記部品搬送路（２４）から排除する姿勢選別部（２６）と、
   を備えることを特徴とする部品供給装置（１０）。
2. 　前記部品（１１）の重心（Ｇ）が前記部品搬送路（２４）上から外れた非正規姿勢の前記部品（１１）を前記部品搬送路（２４）から排除する前記幅狭部（４１ａ）を有し、
   　前記部品（１１）の重心（Ｇ）が前記部品搬送路（２４）上にある正規姿勢の前記部品（１１）を、前記幅狭部（４１ａ）から前記幅狭部（４１ａ）の下流側に設けた前記幅広部（４３）に搬送することを特徴とする請求項１に記載の部品供給装置（１０）。
3. 　前記部品（１１）を収容すると共に、前記姿勢選別部（２６）により前記部品搬送路（２４）から排除された前記部品（１１）を返送する部品返送路（３６）を備える部品収容部（２１）と、
   　前記部品収容部（２１）に収容された前記部品（１１）を上昇させて前記部品搬送路（２４）に戻すリフト装置（２２）と、
   を備えることを特徴とする請求項１に記載の部品供給装置（１０）。
4. 　前記部品搬送路（２４）と前記部品返送路（３６）とは、平行、且つ前記部品（１１）の搬送方向が逆方向であることを特徴とする請求項３に記載の部品供給装置（１０）。
5. 　前記部品搬送路（２４）に設けられた前記姿勢選別部（２６）は、
   　前記部品（１１）の重心（Ｇ）が前記部品搬送路（２４）上から外れた非正規姿勢の前記部品（１１）を前記部品搬送路（２４）から前記部品返送路（３６）に落下させる第１の幅狭部（４１ａ）と、
   　前記第１の幅狭部（４１ａ）よりも下流側に設けられ、搬送される全ての前記部品（１１）の重心（Ｇ）が前記部品搬送路（２４）上から外れるような幅を有する第２の幅狭部（４１ｂ）と、
   　該第２の幅狭部（４１ｂ）の側方で、非正規姿勢で搬送される前記部品（１１）を前記部品搬送路（２４）から前記部品返送路（３６）に落下させる選別溝（４４）と、
   を有することを特徴とする請求項３または４に記載の部品供給装置（１０）。
6. 　前記姿勢選別部（２６）は、前記第２の幅狭部（４１ｂ）の下流側に設けた幅広部（４３）から上流側に延び、該第２の幅狭部（４１ｂ）より前記部品搬送路（２４）の搬送方向長さが短い腕部（４５）をさらに備え、
   　前記選別溝（４４）は、前記第２の幅狭部（４１ｂ）及び前記腕部（４５）によって、Ｌ字形に形成されることを特徴とする請求項５に記載の部品供給装置（１０）。
7. 　前記部品（１１）は、前記部品搬送路（２４）の搬送方向に対して前後及び左右非対称な形状を有し、
   　前記姿勢選別部（２６）は、
   　前記第１及び第２の幅狭部（４１ａ、４１ｂ）と前記幅広部（４３）との左右方向一端部から起立する支持壁（３８）と、
   　前記第１の幅狭部（４１ａ）の途中に前記第１の幅狭部（４１ａ）から左右方向に突出して設けられ、前記部品（１１）の表面又は裏面が前記支持壁（３８）に支持されて起立状態で搬送される前記部品（１１）と干渉して前記部品（１１）を前記部品搬送路（２４）から前記部品返送路（３６）に排除する排除板（４２）と、
   　前記第１の幅狭部（４１ａ）によって、前記部品搬送路（２４）における左右方向の姿勢が前記正規姿勢と異なる前記部品（１１）を前記部品搬送路（２４）から排除する左右選別部（３９）と、
   　前記第２の幅狭部（４１ｂ）及び前記選別溝（４４）によって、前記部品搬送路（２４）における前後方向の姿勢が前記正規姿勢と異なる前記部品（１１）を前記部品搬送路（２４）から排除する前後選別部（４０）と、
   を備えることを特徴とする請求項５に記載の部品供給装置（１０）。
8. 　前記シュート部（２５）により搬送される前記部品（１１）を収容可能な収納溝（６１）を外周面に有し、回動して前記部品（１１）を所定の姿勢で供給する回転搬送部（２７）を更に備えることを特徴とする請求項１に記載の部品供給装置（１０）。
9. 　前記シュート部（２５）で搬送される前記部品（１１）の有無を検出する部品センサ（５２）を更に備え、
   　前記部品センサ（５２）による前記部品（１１）の検出信号に応じて前記リフト装置（２２）を作動させることを特徴とする請求項３に記載の部品供給装置（１０）。
10. 　前記部品（１１）は、スライドファスナ用スライダーの爪（１１）であることを特徴とする請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の部品供給装置（１０）。

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