JPH09124135A - 部品姿勢保持フィーダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の姿勢で部品搬送が確実に且つ円滑になさ
れると共に、長時間の安定した運転と高速搬送とが約束
される異形断面部品の姿勢保持フィーダを提供する。 【解決手段】略水平な軸回りを回転可能に支持され、内
壁周面に並設された複数の翼板(13)を有する回転ドラム
(10)と、上縁に沿って部品案内部(31)を有すると共に、
振動発生手段(40)により支持され、前記回転ドラム(10)
の内部から外部にかけて略水平に延設されてなる搬送シ
ュート(30)と、前記部品案内部(31)の近傍に設置され、
異常な姿勢で搬送されてくる部品を排除する異姿勢部品
排除手段(50)とを備えており、前記部品案内部(31)の上
縁の部品支持断面が回転ドラムの内部から出口にかけて
部品(2) の支持部形状に近づくように漸次変化させてい
る。そして、前記異姿勢部品排除手段(50)の停滞部品排
除機構(51)は、部品検出手段(70)により検出される部品
の検出間隔を計時し、その時間が所定の時間を経過した
ときに制御部からの指令により作動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はドラム内に集積され
た部品を整列させて次工程に順次搬送する部品搬送装置
に関し、特に異形断面を有すると共に方向性を有する各
種の部品に適した部品姿勢保持フィーダに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばスライドファスナー等のよ
うに異なる形状をもつ複数の部品から構成される物品に
あっては、その組付けの順序に従って各部品が順次組付
け部に搬送され、所定の部位に同一姿勢で組付けが行わ
れる。この場合、例えば特開平５−１７８４４７号公報
に開示されているように、細かい単一部品の搬送には内
壁面に沿って螺旋状の部品搬送路を有する有底の振動ボ
ウル、及び次工程の部品搬送部とボウル内の前記部品搬
送路の出口とを連結する板状シュートを備えた部品搬送
装置（以下、ボウル式搬送装置という。）が一般的に採
用されている。

【０００３】また、例えば米国特許第３，１１６，５４
４号明細書には、スライドファスナー用のスライダーの
搬送装置が開示されている。このスライダー搬送装置は
略水平軸線の周りを一方向に駆動回転する水平ドラム
と、同水平ドラム内からその軸線に沿ってドラム外へと
延設された回転スクリュー軸と、同回転スクリュー軸の
外周に近接し同じく水平ドラム内の軸線に平行に外部に
延設された板状シュートとを備えている。前記水平ドラ
ムの内壁面には所定の位相角をもって軸線に向けて複数
の翼板が半径方向に延設されており、水平ドラムの内部
に集積された多数の部品は水平ドラムの回転に伴って一
旦は前記翼板に掬い上げられ、同翼板がドラムの斜め上
方まで回転すると、同翼板上から部品が樋部材を介して
滑落して前記シュートの上端縁に引っ掛かって受け止め
られる。

【０００４】このあと、同部品は上記回転スクリュー軸
の回転に伴ってドラムの外部へと搬送シュート上を搬送
される。このとき、シュート上にある部品の支持姿勢が
所定の姿勢でないときには、前記回転スクリュー軸の出
口側先端から半径方向に突出するピンが同回転スクリュ
ー軸の一回転毎に前記シュート出口に設置された回動レ
バーの一端を叩き、その他端を上方に回動させて前記所
定の姿勢にない部品をシュート上から排除する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかして、上記特開平
５−１７８４４７号公報に開示されたボウル式搬送装置
では、部品の搬送がボウルの周方向の振動に依存するた
め、部品が螺旋状の搬送路に円滑に移行させにくいばか
りでなく、その搬送路を円滑に前進させることも容易で
なく、部品搬送速度を高めることには限度がある。しか
も、前記螺旋状の搬送路から板状のシュートへの移行も
確実になされるという保証がない。

【０００６】一方、上記米国特許第３，１１６，５４４
号明細書に開示されたドラム式搬送装置にあっても、部
品は回転スクリュー軸の回転に依存するため同スクリュ
ー軸の回転数を上げることで理論上は部品搬送速度を高
めることは可能となるが、部品の形状によっては板状シ
ュートの移送途中で脱落することが多く、しかも一旦シ
ュート上に乗った部品は後続の部品が移送されてこない
限り前進することができず、特に移送途中で搬送シュー
トに引っ掛かって停滞する部品を排除する格別の手段も
有していないため、かかる停滞部品が発生すると装置の
運転を中断せざるを得なくなることが多く、更なる生産
性の向上は望めない。

【０００７】本発明は上述の課題を解決すべくなされた
ものであり、その具体的な目的は所定の姿勢で部品搬送
が確実に且つ円滑になされると共に、長時間の安定した
運転と高速搬送とが実現される部品姿勢保持フィーダを
提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる目的は、本発明の
異形断面を有する部品を同一姿勢で連続的に搬送する部
品搬送装置であって、略水平な軸回りを回転可能に支持
され、内壁周面の周方向に所定の間隔をおいて並設され
た複数の翼板を有する回転ドラムと、上縁に沿って部品
案内部を有し、前記回転ドラムの内部から外部にかけて
略水平に延設されてなる長尺の板材からなる搬送シュー
トと、前記搬送シュートを支持すると共に、同搬送シュ
ートを長さ方向に振動させる振動発生手段と、前記部品
案内部の近傍に設置され、異常な姿勢で搬送されてくる
部品を排除する異姿勢部品排除手段とを備えてなり、前
記部品案内部はその部品支持断面が回転ドラムの内部か
ら出口にかけて部品の支持面形状に漸次変化させてなる
ことを特徴とする部品姿勢保持フィーダにより達成され
る。

【０００９】そして好ましくは、前記回転ドラムは一端
に底部を有しており、同回転ドラムが前記底部を下方に
して僅かに傾斜させて設置され、前記搬送シュートが回
転ドラムの内部から外部に向けて僅かに下傾斜させてな
り、前記異姿勢部品排除手段が異常な姿勢で搬送される
部品を排除する異姿勢部品排除機構と部品案内部に停滞
する部品を排除する停滞部品排除機構とからなる。

【００１０】更に本発明の好適な態様によれば、前記部
品案内部の近傍に設置される部品検出手段と、同部品検
出手段により検出される部品の検出間隔を計時し、その
時間が所定の時間を経過したときに前記停滞部品排除機
構を作動させる制御部とを有している。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図示実施例に基づき具体的に説明する。図１は本発明
の部品姿勢保持フィーダの構成例を一部切開して示す全
体側面図である。本実施例では、部品としてスライドフ
ァスナーのスライダーを構成する構成部材の一部をなす
停止爪片２の連続搬送装置を例示している。

【００１２】本実施例による部品姿勢保持フィーダ１
は、略水平な回転軸を中心として回転可能な回転ドラム
１０と、同回転ドラム１０を回転駆動する電動モータ２
０と、回転ドラム１０の内部に集積された多数の停止爪
片２を所定の姿勢でドラム外に搬送する搬送シュート３
０と、同搬送シュート３０を長さ方向に振動させる振動
装置４０と、前記シュート上を所定の姿勢以外の異常な
姿勢で搬送されてくる停止爪片２或いは搬送シュート上
に停滞する停止爪片２を搬送途中でシュート上から排除
する異姿勢部品排除手段５０とを有している。

【００１３】前記回転ドラム１０は円筒形をなしてお
り、その一端部には底板１１を有し、その他端部にはリ
ング状の内側フランジ１２を有している。そして、同回
転ドラム１０の内壁部には、その周方向に所定の間隔を
おいて複数の翼板１３が回転軸線に平行で且つ同軸線に
向けて突設されている。この翼板１３はその相対する短
辺の一方が前記底板１１に接合一体化され、他方が自由
端とされている。かかる構成を有する回転ドラム１０
は、所定の傾斜角をもって前記底板１１を下方に向け、
前記内側フランジ１２を上方に向けて回転可能に設置さ
れる。回転ドラム１０を傾斜させて設置することによ
り、内部の停止爪片２が底板１１側に自然と集まり、前
記翼板１３による移送量が確保される。

【００１４】即ち、前記回転ドラム１０の底板１１の中
心から外方に向けて回転軸１４が突出されており、同回
転軸１４が支持フレーム１５の上端支持部１５ａに所定
の傾斜角をもって回転自在に支持されている。前記回転
軸１４はベルト１６を介して前記支持フレーム１５の下
端基台１５ｂに設置された電動モータ２０に連結され、
電動モータ２０の回転により回転ドラム１０は前記回転
軸１４を中心として所定の速度で回転する。なお、前記
電動モータ２０には図示せぬ減速機構が内蔵されてい
る。

【００１５】上記搬送シュート３０は長尺の板材からな
り、その一端が前記回転ドラム１０のリング状の内側フ
ランジ１２から底板１１の近傍まで挿入され、その他端
は次工程と連結する移送シュート６０に接続されてい
る。この搬送シュート３０は全体が前記移送シュート６
０の接続部に向けて僅かに下傾斜の状態に設置される。
この搬送シュート３０は本発明の特徴部の一部をなして
おり、同搬送シュート３０は上述のごとく全体が板材か
らなるが、その上縁に沿って形成される部品案内部３１
の断面形状を、前記回転ドラム１０の内部に位置する姿
勢調整部３２と回転ドラム１０の外部に位置する姿勢保
持部３３とで変化させている。

【００１６】本実施例にあっては、前記姿勢調整部３２
を含む搬送シュート３０の区域では同搬送シュート３０
の上下幅及び肉厚を後端（回転ドラム１０の底板側）に
向けて漸次減少させて軽量化を図ると共に、前記姿勢調
整部３２の断面形状を図３（Ａ）に示すように一側面を
テーパ面とし、他側面を円弧面として、落下してくる停
止爪片２を容易に受け止め得る形状とし、かかる形状か
ら同図（Ｂ）に示すように停止爪片２の姿勢を安定化さ
せるため、同停止爪片２の内面形状に近づく断面形状へ
と漸次変化させている。

【００１７】前記姿勢調整部３２の断面形状は、回転ド
ラム１０の出口において終極的には図３（Ｃ）に示す形
状となる。即ち、同姿勢調整部３２の終端から上記姿勢
保持部３３の全長にかけて上記部品案内部３１の部品案
内面を、停止爪片２が嵌着し所定の姿勢が安定して保持
される形状としている。

【００１８】搬送シュート３０における上記部品案内部
３１の部品案内面を上述の形状とすることにより、上方
から落下してきて搬送シュート３０の後端部の部品案内
部３１によって受け止められた停止爪片２は、同部品案
内部３１を前進するにつれその姿勢が所定の姿勢に調整
されると共に、前記部品案内部３１に確実に支持され且
つその正しい姿勢が保持されるようになる。勿論、搬送
シュート３０の後端部の部品案内部３１に不安定な形で
受け止められた停止爪片２は、姿勢が保持される以前に
同部品案内部３１から滑落して、回転ドラム１０の内部
に収容される。

【００１９】搬送シュート１０の部品案内部３１により
受け止められた停止爪片２を同部品案内部３１に沿って
前進させるため、本発明では搬送シュート３０を長さ方
向に振動させる。本実施例によれば、回転ドラム１０の
外部において前記搬送シュート３０を振動装置４０によ
り支持して、同搬送シュート３０を直接振動させるよう
にしている。採用する振動装置４０としては市販の電磁
式振動装置または機械的振動装置のいずれでもよい。こ
の振動と搬送シュート１０の下傾斜とが相まって、停止
爪片２は部品案内部３１を円滑にかなりの速度で前進す
る。

【００２０】本実施例によると、所定の姿勢以外の姿勢
で搬送されてくる部品を排除する上記異姿勢部品排除手
段５０として、図２、図４及び図５に示すように空気圧
を利用して排除する第１部品排除機構５１及びゲート部
材により排除する第２部品排除機構５２の２方式による
異姿勢部品の排除機構を併用している。図示例では、第
１部品排除機構５１はエアシリンダー５１ａのピストン
ロッドにエアパイプ５１ｂが取り付けられており、例え
ば上記部品案内部３１に受け止められた複数の停止爪片
２が絡み合って、同部品案内部３１に停滞している停止
爪片２をエアパイプ５１ｂから噴出されるエア圧により
除去するものである。

【００２１】このエアの噴出タイミングは、停止爪片２
の停滞が発生した時点でエアパイプ５１ｂからエアを噴
出するようになっている。そのため、本実施例では搬送
シュート３０の後端部の部品案内部３１に接近させて部
品検出手段７０が設置されると共に、同部品検出手段７
０により検出された信号を演算処理して前記エアシリン
ダー５１ａ及びエアパイプ５１ｂを作動させる制御部８
０を備えている。前記部品検出手段７０としては、光電
式検出器が一般的に使われるが、当然に他の適当な検出
手段も採用できる。また図示例によれば、前記部品検出
手段７０による検出が所定の時間途絶えたとき、前記制
御部８０において部品案内部３１の途中に停止爪片２が
停滞していると判断して前記エアシリンダー５１ａ及び
エアパイプ５１ｂを作動して、部品案内部３１の所定の
範囲内にある絡み合った停止爪片２をエア圧で吹き飛ば
す。そのため、当然に前記制御部８０にはタイマーが内
蔵されている。

【００２２】なお、本発明は前記エアパイプ５１ｂに代
えてＬ字形のレバー５１ｂ′を使用することも可能であ
る。即ち、エアシリンダー５１ａのピストンロッドに連
結固定した先端が部品案内部３１の案内面を越えて曲げ
られた前記レバー５１ｂ′を、前記制御部８０からの信
号を受けたエアシリンダー５１ａの作動により部品案内
部３１の案内面を所定の範囲で移動させ、同範囲内にあ
る絡み合った停止爪片２を部品案内部３１から払い落と
すように構成することができる。

【００２３】一方、第２部品排除機構５２は上記搬送シ
ュート３０の部品案内部３１を移動する係止爪片２が所
定の姿勢をとらず異常な姿勢にある場合に、同係止爪片
２を同部品案内部３１から排除するための機構である。
図２に示す機構例によれば、第２部品排除機構５２は搬
送シュート３０の回転ドラム１０における出口付近に設
置され、異常姿勢で搬送されてくる停止爪片２の移動を
阻止して、同停止爪片２を部品案内部３１から落下させ
るための関体５２ａと、部品案内部３１から落下する前
記係止爪片２を受け取り、回転ドラム１０の内部に戻す
ための樋部材５２ｂとを有している。

【００２４】前記関体５２ａは前記搬送シュート３０の
一側面に隣接して立ち上がる規制板５２ａ−１と同規制
板５２ａ−１の上端から前記部品案内部３１の上方に延
設された部品排除板５２ａ−２とからなる。前記規制板
５２ａ−１は単なる矩形板材であるが、前記部品排除板
５２ａ−２は部品案内部３１の上流側においてその突出
長さが同部品案内部３１の上面に達しない長さとされ、
部品案内部３１の下流側において前記部品案内部３１の
上面を越える長さとなるように、漸次その突出長さを増
加させた略台形をなしている。

【００２５】また、前記樋部材５２ｂは前記関体５２ａ
が設置された側とは反対側の搬送シュート３０の側面に
沿って設置され、その底部５２ｂ−１は後方（回転ドラ
ム１０の底板側）に下傾斜する傾斜面とされている。こ
の傾斜面により底部５２ｂ−１に落下する停止爪片２は
同底部５２ｂ−１を滑落して回転ドラム１０の内部に落
下する。

【００２６】かかる構成を備えた図示実施例の部品姿勢
保持フィーダによると、回転ドラム１０の内部に多数の
停止爪片２を収容し、電動モータ２０が駆動を開始する
と、回転ドラム１０内の停止爪片２は翼板１３により掬
い上げられ、同翼板１３が上方に到って斜めになると、
停止爪片２は同翼板１３上を滑落して下方に配された搬
送シュート３０の後端の部品案内部３１に引っ掛かり受
け止められる。このとき、搬送シュート３０は振動装置
４０により長さ方向に振動しており、部品案内部３１に
受け止められた前記停止爪片２は徐々に前進する。同停
止爪片２が正常な姿勢で部品案内部３１の案内面に乗っ
ている場合は、同停止爪片２が回転ドラム１０の出口に
到達する間に、上述のように部品案内部３１の断面変化
に基づき所定の姿勢に調整保持されて前進を続ける。

【００２７】また停止爪片２が、例えば図４に仮想線で
示すように前後が逆な姿勢で部品案内部３１に受け止め
られた場合には、同停止爪片２が前進するにつれて部品
案内部３１の上方に起き上がり、図４に実線で示すよう
な正常な姿勢で前進する停止爪片２よりも上方に突出す
るため、同停止爪片２は関体５２ａの部品排除板５２ａ
−２の斜面に当接して案内され、搬送シュート３０の側
方へと払い落とされる。この払い落とされた停止爪片２
は下方に配された樋部材５２ｂの底部５２ｂ−１の斜面
を滑落し、回転ドラム１０の内部に戻される。

【００２８】更に複数の停止爪片２が、例えば図５に示
すように絡み合って部品案内部３１の途中で移動できな
くなり、後続の停止爪片２が同一箇所に停滞してしまっ
た場合には、部品検出手段７０が設置されている部位に
おいて、ある瞬間から停止爪片２が通過しなくなる。制
御部８０は前記部品検出手段７０からの検出信号を受け
ると共に、次回の検出信号を受けるまでの時間を常時カ
ウントしており、この時間が予め設定された時間を越え
るとエアシリンダー５１ａの作動信号を発すると同時に
エアパイプ５１ｂにエアを噴出するよう指令する。この
信号を受けると、エアシリンダー５１ａが作動すると同
時にエアパイプ５１ｂからエアを噴出させ、同エアパイ
プ５１ｂを部品案内部３１の所定の範囲を移動させなが
ら、その間に存在する絡み合った停止爪片２を搬送シュ
ート３０から排除する。ここで、既述したようにエアパ
イプ５１ｂに代えてＬ字形レバー５１ｂ′を採用して前
記停止爪片２を払い落とすこともできる。この場合に
は、エアパイプ５１ｂのようにエアの噴出・停止の動作
の必要がなく、且つ停止爪片２の排除が確実になされ
る。

【００２９】図６は上記実施例の変形例を示している。
本変形例において、上記実施例と異なるところはエアパ
イプ５１ｂにエアシリンダー５１ａを付設しないで関体
５２ａにエアシリンダー５１ａを付設した点にあり、そ
の他の構成は上記実施例と実質的に同じである。この場
合、エアパイプ５１ｂから部品案内部３１から浮き上が
った異常姿勢にある停止爪片２を吹き飛ばすに必要な所
定圧のエアを常時噴出させておくことが望ましい。

【００３０】図７〜図９は本発明をスライドファスナー
のスライダーを構成する部品の一つであるスライダーカ
バーの搬送に適用した実施例を示している。図７はスラ
イダーカバー２′を所定の姿勢で確実に保持搬送するた
めに好適な形状を有する搬送シュート３０′と、同搬送
シュート３０′上を搬送されるスライダーカバー２′の
保持形態を示している。これらの図において、スライダ
ーカバー２′は全体が略Ｃ字状をなしており、その開放
端面２ａ′を下方に向けて次工程に搬送される必要があ
る。

【００３１】そのため本実施例では、搬送シュート３
０′が長尺の板材からなる点では上記実施例と同様であ
るが、その部品案内部３１′は前記搬送シュート３０′
の長さ方向にわたって上面の略中央にレール状に突出し
て形成されている。この部品案内部３１′にも上記実施
例と同様にスライダーカバー２′の姿勢調整部３２′と
姿勢保持部３３とを有している。前記姿勢調整部３２′
は、図７及び図８に示すように前記部品案内部３１′の
図示を省略した回転ドラム内の挿入端部が最も狭い幅に
設定され、回転ドラムの出口に向けてスライダーカバー
２′の凹嵌部に嵌着して同カバー２′を密着保持し得る
ように徐々に広幅としている。この姿勢調整部３２′に
続く姿勢保持部３３′にあっては、その全長にわたって
スライダーカバー２′の凹嵌部を保持する略同一幅に設
定されている。

【００３２】かかる構成を備えた図示実施例によると、
図示せぬ回転ドラムの内部に収容された多数のスライダ
ーカバー２′は、回転ドラムの内壁面に突設された図示
せぬ翼板により掬い上げられ、同翼板が回転ドラムの回
転と共に上方に到ったとき、スライダーカバー２′は同
翼板を滑落して下方に配された搬送シュート３０′の後
端の部品案内部３１′に引っ掛かり受け止められる。こ
のとき、搬送シュート３０′は上記実施例と同様に図示
せぬ振動装置により長さ方向に振動しており、部品案内
部３１′に受け止められた前記スライダーカバー２′は
徐々に前進する。このとき同スライダーカバー２′が部
品案内部３１′を跨がるように乗っている場合は、図７
に示すように同スライダーカバー２′が回転ドラムの出
口に到達する間に、上述のように部品案内部３１′の断
面変化に基づき所定の姿勢に調整されながら同部品案内
部３１′に保持されて同一姿勢で確実に搬送される。

【００３３】なお、本実施例においても上記実施例と同
様な部品排除手段が設けられており、異常な姿勢で搬送
されてくるスライダーカバー２′、或いは搬送の途中で
複数が絡み合って停滞しているスライダーカバー２′は
前記部品排除手段により自動的に搬送シュートから排除
される。この実施例からも理解できるように、本発明は
上述の実施例に限定されないことは当然であって、例え
ば部品としてはスライドファスナーの構成部品に限らず
異形断面を有するあらゆる種類の部品に適用することが
可能である。

【００３４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の部品姿勢保持フィーダは略水平に支持された回転ドラ
ム内の異形断面を有する多数の部品を、同回転ドラムの
内壁に設けられた複数の翼板により掬い上げて上方から
落下させ、その落下する部品を長さ方向に振動するレー
ル状の搬送シュートの一端部で受け止め、同シュート上
を積極的に前進させるため、その搬送速度は極めて高く
なる。

【００３５】また、特に本発明では回転ドラムの内部か
ら出口にかけて前記搬送シュートの上縁に沿って設けら
れた部品案内部の断面形状を部品の内側支持面の形状に
漸次近くなるよう変化させているため、前記部品案内部
に支持されて前進する部品は徐々に姿勢が正され、最終
的には各部品が前記部品案内部に嵌着状態で保持される
ようになる。

【００３６】一方、前記部品案内部に支持されて前進す
る部品のうち異常な姿勢で受け止められた部品、或いは
複数の部品同士が絡み合った状態で部品案内部に停滞し
ている部品は異姿勢部品排除手段と制御部により確実に
且つタイミングよく搬送シュートから排除されるため、
次工程に送り込まれる部品は正常な姿勢で搬送シュート
上を搬送される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の代表的な実施例である部品姿勢保持フ
ィーダの一部を切開して示す側面図である。

【図２】前記部品姿勢保持フィーダの回転ドラム内部と
搬送シュートの要部を示す部分切開斜視図である。

【図３】前記搬送シュート上の搬送時における部品の姿
勢調整機構の説明図である。

【図４】前記搬送シュートの近傍に設置された異姿勢部
品排除手段による異常な姿勢で搬送される部品の排除機
構を示す説明図である。

【図５】同異姿勢部品排除手段による停滞部品の排除機
構の説明図である。

【図６】前記実施例の変形例である部品姿勢保持フィー
ダの異姿勢部品排除手段による異常姿勢の部品排除機構
を示す説明図である。

【図７】本発明の他の実施例を示す搬送シュート上のス
ライドカバーの搬送姿勢を示す部分斜視図である。

【図８】図７におけるII-II 線の断面図である。

【図９】図７におけるIII-III 線の断面図である。

【符号の説明】

１ 部品姿勢保持フィーダ ２ 停止爪片（部品） ２′ スライダーカバー（部品） １０ 回転ドラム １１ 底板 １２ 内側フランジ １３ 翼板 １４ 回転軸 １５ 支持フレーム １５ａ 上端支持部 １５ｂ 下端基台 １６ ベルト ２０ 電動モータ ３０，３０′ 搬送シュート ３１，３１′ 部品案内部 ３２，３２′ 姿勢調整部 ３３，３３′ 姿勢保持部 ４０ 振動装置 ５０ 異姿勢部品排除手段 ５１ 第１部品排除機構 ５１ａ エアシリンダー ５１ｂ エアパイプ ５１ｂ′ Ｌ字形レバー ５２ 第２部品排除機構 ５２ａ 関体 ５２ａ−１ 高さ規定板 ５２ｂ−２ 部品排除板 ５２ｂ 樋部材 ５２ｂ−１ 底部 ６０ 移送シュート ７０ 部品検出手段 ８０ 制御部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 異形断面を有する部品(2) を同一姿勢で
   連続的に搬送する部品搬送装置であって、 略水平な軸回りを回転可能に支持され、内壁周面の周方
   向に所定の間隔をおいて並設された複数の翼板(13)を有
   する回転ドラム(10)と、 上縁に沿って部品案内部(31)を有し、前記回転ドラム(1
   0)の内部から外部にかけて略水平に延設されてなる長尺
   の板材からなる搬送シュート(30)と、 前記搬送シュート(30)を支持すると共に、同搬送シュー
   ト(30)を長さ方向に振動させる振動発生手段(40)と、 前記部品案内部(31)の近傍に設置され、異常な姿勢で搬
   送されてくる部品を排除する異姿勢部品排除手段(50)と
   を備えてなり、 前記部品案内部(31)は、その部品支持断面が回転ドラム
   の内部から出口にかけて部品(2) の支持面形状に漸次変
   化させてなることを特徴とする部品姿勢保持フィーダ。
2. 【請求項２】 前記回転ドラム(10)は一端に底部(11)を
   有しており、同回転ドラムが前記底部(11)を下方にして
   僅かに傾斜させて設置され、前記搬送シュート(30)が回
   転ドラムの内側端部から外側端部に向けて僅かに下傾斜
   させてなる請求項１記載の部品姿勢保持フィーダ。
3. 【請求項３】 前記異姿勢部品排除手段(50)が、異常な
   姿勢で搬送される部品を排除する異姿勢部品排除機構(5
   2)と部品案内部に停滞する部品を排除する停滞部品排除
   機構(51)からなる請求項１記載の部品姿勢保持フィー
   ダ。
4. 【請求項４】 前記部品案内部(31)の近傍に設置される
   部品検出手段(70)と、同部品検出手段(70)により検出さ
   れる部品の検出間隔を計時し、その時間が予め設定され
   た所定の時間を超過したときに前記停滞部品排除機構(5
   1)を作動させる制御部(80)とを有する請求項３記載の部
   品姿勢保持フィーダ。