WO2014103846A1 - 親水性組換えタンパク質の抽出方法 - Google Patents

親水性組換えタンパク質の抽出方法 Download PDF

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Abstract

 本発明は、親水性組換えタンパク質を発現している宿主から親水性組換えタンパク質を抽出する方法であって、上記親水性組換えタンパク質を発現している宿主に溶解用溶媒を添加し、宿主細胞の溶解物を得る溶解物取得工程と、上記溶解物取得工程で得られた上記宿主細胞の溶解物に希釈用溶媒を添加し、得られた希釈液から不溶物を分離して、上記親水性組換えタンパク質を含む上清を回収する工程を含み、上記親水性組換えタンパク質はハイドロパシーインデックスが0以下であり、上記溶解用溶媒は非プロトン性極性溶媒であり、上記希釈用溶媒は水系溶媒である親水性組換えタンパク質の抽出方法に関する。

Description

親水性組換えタンパク質の抽出方法
 本発明は、親水性組換えタンパク質の抽出方法に関し、詳細には、ハイドロパシ―インデックスが0以下の組換えクモ糸タンパク質等の親水性組換えタンパク質を発現している宿主から親水性組換えタンパク質を抽出する方法に関する。
 近年、遺伝的組換え技術により、目的の外来遺伝子を大腸菌等の宿主の細胞中に導入して目的タンパク質を発現させることが可能になり、この技術を利用して、様々な有用な組換えタンパク質の生産が行われている。クモ糸繊維は、高い強度とタフネスを有する繊維であり、このような特性から、クモ糸は新規な素材として注目され、クモ糸の原料となるクモ糸タンパク質を遺伝的組換え技術により大腸菌等の宿主細胞に発現させ、回収することが行われている。一般に、大腸菌等の宿主を用いて組換えタンパク質の生産を行う際、菌体を破壊して目的のタンパク質を回収する。例えば、特許文献1には、宿主細胞から組換えクモ糸タンパク質を回収する方法が記載されている。
特表2004-503204号公報
 特許文献1では、ギ酸やプロピオン酸等の有機酸を使用して、宿主細胞を溶解させて組換えクモ糸タンパク質を回収しているが、ギ酸やプロピオン酸等の有機酸を用いると酸に対して耐性がないタンパク質は分解されやすいという問題がある。
 本発明は、上記従来の問題を解決するため、有機酸を用いず、親水性組換えクモ糸タンパク質等の親水性組換えタンパク質を発現している宿主から、親水性組換えタンパク質を抽出することができる親水性組換えタンパク質の抽出方法を提供する。
 本発明は、親水性組換えタンパク質を発現している宿主から親水性組換えタンパク質を抽出する方法であって、上記親水性組換えタンパク質を発現している宿主に溶解用溶媒を添加し、宿主細胞の溶解物を得る溶解物取得工程と、上記溶解物取得工程で得られた上記宿主細胞の溶解物に希釈用溶媒を添加し、得られた希釈液から不溶物を分離して、上記親水性組換えタンパク質を含む上清を回収する工程を含み、上記親水性組換えタンパク質はハイドロパシーインデックスが0以下であり、上記溶解用溶媒は非プロトン性極性溶媒であり、上記希釈用溶媒は水系溶媒であることを特徴とする親水性組換えタンパク質の抽出方法に関する。
 本発明の親水性組換えタンパク質の抽出方法において、上記溶解用溶媒は、環状構造を有しない非プロトン性極性溶媒であることが好ましく、双極子モーメントが3.0D以上であることが好ましい。上記溶解用溶媒は、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、及びN,N-ジメチルアセトアミドからなる群から選ばれる一種以上の非プロトン性極性溶媒であることがより好ましい。上記溶解用溶媒は、上記非プロトン性極性溶媒に無機塩を添加したものであることが好ましい。上記希釈用溶媒は、(1)水、(2)水とエタノールの混合液、及び(3)水溶性緩衝液からなる群から選ばれる一種の水系溶媒であることが好ましい。上記溶解用溶媒は、上記宿主の質量に対して、体積(mL)/質量(g)比として、0.5倍以上添加することが好ましく、上記希釈用溶媒は、上記宿主細胞の溶解物に対して、体積比として、0.5倍以上添加することが好ましい。上記親水性組換えタンパク質は、組換えクモ糸タンパク質、組換えレシリン、及び組換えコラーゲンからなる群から選ばれる一つのタンパク質であることが好ましい。
 本発明によると、溶解用溶媒として非プロトン性極性溶媒を用い、希釈用溶媒として水系溶媒を用い、ハイドロパシーインデックスが0以下の親水性組換えタンパク質を発現している宿主を溶解用溶媒で溶解させ、得られた宿主細胞の溶解物に希釈用溶媒を添加して希釈し、不溶物を分離し、上清を回収することにより、有機酸を使用せず、簡便且つ効率的に宿主からハイドロパシーインデックスが0以下の親水性組換えタンパク質を抽出することができる。
 また、本発明によると、環状構造を有しない非プロトン性極性溶媒を用いることにより、ハイドロパシーインデックスが0以下の組換えクモ糸タンパク質、組換えレシリン、組換えコラーゲン等の親水性組換えタンパク質をより高い純度で得ることができる。また、本発明によると、溶解用溶媒として非プロトン性極性溶媒に無機塩を添加したものを用いることにより、より純度が高いハイドロパシーインデックスが0以下の組換えクモ糸タンパク質、組換えレシリン、組換えコラーゲン等の親水性組換えタンパク質を得ることができる。
図1は、実施例1で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)の結果を示す写真である。 図2は、実施例2~5で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図3は、実施例6~8で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図4は、実施例9~13で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図5は、実施例16で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図6は、実施例17~21で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図7は、実施例22で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図8は、実施例23~26で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図9は、実施例28で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図10は、比較例1で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。 図11Aは、実施例32で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真であり、図11Bは、実施例33で得られたタンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。
 本発明において、タンパク質のハイドロパシーインデックス(hydropathy index)は、以下のように算出したものである。まず、タンパク質中に存在するアミノ酸のハイドロパシーインデックスの総和を求める。次にその総和をタンパク質中のアミノ酸残基数で割ることにより平均値を求め、算出された平均値をタンパク質のハイドロパシーインデックスとする。なお、アミノ酸のハイドロパシーインデックスについては、公知の指標(Hydropathy index:Kyte, J. & Doolittle, R. F. (1982) A simple method for displaying the hydropathic character of a protein. J. Mol. Biol. 157, 105-132.)を使用する。具体的には、各アミノ酸のハイドロパシーインデックス(以下において、HIとも記す。)は、下記表1に示すとおりである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 本発明者らは、ハイドロパシーインデックスが0以下の親水性組換えタンパク質を発現している宿主に非プロトン性極性溶媒を添加して宿主細胞を溶解させて得られた宿主細胞の溶解物に水等の水系溶媒を添加して希釈することで、ハイドロパシーインデックスが0以下の親水性組換えタンパク質が上清にて回収されることを見出し、本発明に至った。すなわち、宿主細胞を非プロトン性極性溶媒で溶解させることにより、ハイドロパシーインデックスが0以下の親水性組換えタンパク質が非プロトン性極性溶媒に溶解された溶解物が得られ、該溶解物に水等の水系溶媒を添加すると、ハイドロパシーインデックスが0以下の親水性組換えタンパク質は凝集しないが、ハイドロパシーインデックスが0以下の親水性組換えタンパク質以外のタンパク質の大半が凝集することを見出し、本発明に至った。以下において、特に指摘がない場合、親水性タンパク質は、ハイドロパシーインデックスが0以下の親水性タンパク質を意味する。また、以下において、特に指摘がない場合、組換えタンパク質は、ハイドロパシーインデックスが0以下の親水性の組換えタンパク質を意味する。
 上記非プロトン性極性溶媒は、特に限定されないが、夾雑物を低減するという観点から、純度が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。上記非プロトン性極性溶媒は、環状構造を有しない非プロトン性極性溶媒であることが好ましい。環状構造を有しない非プロトン性極性溶媒を用いると、組換えクモ糸タンパク質、組換えレシリン、組換えコラーゲン等の親水性組換えタンパク質をより高い純度で抽出できる。環状構造を有しない非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、及びN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)等が挙げられる。
 また、上記非プロトン性極性溶媒は、双極子モーメントが3.0D以上であることが好ましい。双極子モーメントは、分子の極性の強さを表す指標として用いられ、双極子モーメントが大きいほど、極性の強さも大きくなる。一般的に双極子モーメントが3.0D以上の分子は極性が強いとされ、タンパク質等の極性を持った化合物を溶解する場合には極性の大きな溶媒が有効である。下記表2に、講談社サイエンティフィック社が出版している溶剤ハンドブック(2007年)に基づいた各種有機化合物(有機溶剤)の双極子モーメントを記載する。双極子モーメントが3.0D以上の非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリドン(DMI)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトニトリル等が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 組換えタンパク質の抽出純度が高い観点から、上記非プロトン性極性溶媒は、双極子モーメントが3.0D以上であり、且つ、環状構造を有しないことがより好ましく、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、及びN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)からなる群から選ばれる一種以上の非プロトン性極性溶媒であることがさらに好ましい。
 上記溶解用溶媒は、非プロトン性極性溶媒に無機塩を添加したものであることが好ましい。非プロトン性極性溶媒に無機塩を添加すると、より純度が高い組換えクモ糸タンパク質、組換えレシリン、組換えコラーゲン等の親水性組換えタンパク質を得ることができるため好ましい。上記無機塩は、特に限定されないが、組換えタンパク質の純度を高める観点から、好ましくは、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属硝酸塩、及びチオシアン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一つである。上記アルカリ金属ハロゲン化物としては、例えばLiCl、LiBr等を用いることが好ましい。上記アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、例えばCaCl2等を用いることが好ましい。上記アルカリ土類金属硝酸塩としては、例えばCa(NO32等を用いることが好ましい。上記チオシアン酸塩としては、例えばNaSCN等を用いることが好ましい。
 上記溶解用溶媒が非プロトン性極性溶媒に無機塩を添加したものである場合、特に限定されないが、組換えタンパク質の純度を高める観点から、無機塩の濃度は、0.1M以上であることが好ましく、より好ましくは0.25M以上であり、さらに好ましくは0.5M以上である。また、上記溶解用溶媒において、無機塩の濃度の上限は特に限定されないが、飽和状態以下であることが好ましく、例えば2.5M以下にすればよい。
 上記溶解用溶媒の添加量は、上記宿主を溶解できる量であればよく、特に限定されないが、溶解性を高める観点から、上記宿主(細胞)の質量に対して、体積(mL)/質量(g)比として、0.5倍以上であることが好ましく、より好ましくは0.75倍以上であり、さらに好ましくは1倍以上である。また、操作の簡便性から、上記溶解用溶媒の添加量は上記宿主の質量に対して、体積(mL)/質量(g)比として、10倍以下であることが好ましく、より好ましくは6倍以下であり、さらに好ましくは4倍以下である。上記宿主(細胞)は、乾燥した状態でもよく、湿った状態でもよい。
 上記溶解用溶媒を宿主に添加し、宿主細胞の溶解物を得る溶解物取得工程は、特に限定されないが、組換えタンパク質の溶解性の観点から、20℃以上で行うことが好ましく、45℃以上で行うことがより好ましく、50℃以上で行うことがさらに好ましい。また、組換えタンパク質の分解を抑制するという観点から、上記溶解物取得工程は、100℃以下で行うことが好ましく、95℃以下で行うことがより好ましい。また、上記溶解物取得工程は、特に限定されないが、例えば、10~300分間行うことが好ましく、より好ましくは30~180分間行うことが好ましい。溶解物取得工程で得られた宿主細胞の溶解物に希釈用溶媒を添加する前に、不溶物を分離してもよい。不溶物の分離は、沈降物(凝集物)を分離できればよく、特に限定されない。取扱いの簡便性から、濾過による分離及び/又は遠心分離により行うことが好ましい。濾過による分離は、例えば、ろ紙、ろ過膜等を用いて行うことができる。遠心分離の条件は、特に限定されない。例えば、室温(20±5℃)、8000×g~15000×gで5~20分間行うことができる。上記不溶物の分離は2回以上行ってもよい。
 上記希釈用溶媒は、水系溶媒である。本発明において、水系溶媒とは、水を含む溶媒をいい、例えば、水、水と水混和性有機溶媒との混合液、水溶性緩衝液、酸性水溶液、塩基性水溶液等が挙げられる。酸性水溶液としては、ギ酸、酢酸、希塩酸等の酸性水溶液が挙げられ、塩基性水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などの塩基性水溶液が挙げられる。水混和性有機溶媒としては、水と混合できる有機溶媒であればよく、公知のものを用いることができる。具体的には、メタノール、エタノール等のアルコール類が挙げられる。
 上記希釈用溶媒は、純度が高い組換えタンパク質が得られるとともに、簡便という観点から、水であることが好ましい。上記水としては、特に限定されないが、夾雑物を低減するという観点から、純水、蒸留水、超純水等を用いることが好ましい。組換えクモ糸タンパク質等の組換えタンパク質の純度をより高める観点から、上記希釈用溶媒は、水とエタノールの混合液であることが好ましい。組換えクモ糸タンパク質等の組換えタンパク質を含む上清における組換えタンパク質の純度が高いという観点から、エタノールの添加量は、希釈液全体質量(宿主細胞の溶解物と希釈用溶媒の合計質量)に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、25質量%以上であることが特に好ましい。また、組換えタンパク質を凝集させない観点から、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
 上記希釈用溶媒は、水溶性緩衝液であってもよい。上記水溶性緩衝液としては、例えば、pH3~9のリン酸系緩衝液、pH3~9のトリス系緩衝液等を用いることができる。上記リン酸系緩衝液の濃度は、例えば10~200mMである。上記トリス系緩衝液の濃度は、例えば10~100mMである。例えば、上記トリス系緩衝液としては、pH3~9の50mMのTris緩衝液を用いることができる。また、例えば、上記リン酸系緩衝液としては、pH3~9の50mMのリン酸ナトリウム緩衝液を用いることができる。
 上記宿主細胞の溶解物に希釈用溶媒を添加して希釈することで、組換えクモ糸タンパク質等の組換えタンパク質以外の夾雑タンパク質の大部分を凝集させ、凝集した不溶物を分離除去し、組換えタンパク質を含むタンパク質溶液(上清)を回収する。
 上記希釈用溶媒の添加量は、組換えタンパク質以外のタンパク質(以下において、他のタンパク質とも記す。)を凝集させることができればよく、特に限定されない。均一に希釈するという観点から、宿主細胞の溶解物に対して、体積比で、0.5倍以上であることが好ましく、より好ましくは0.75倍以上であり、さらに好ましくは1倍以上である。また、組換えタンパク質を凝集させない観点から、10倍以下であることが好ましく、より好ましくは6倍以下であり、さらに好ましくは4倍以下である。
 上記において、不溶物の分離は、沈降物(凝集物)を分離できればよく、特に限定されない。取扱いの簡便性から、濾過による分離及び/又は遠心分離により行うことが好ましい。濾過による分離は、例えば、ろ紙、ろ過膜等を用いて行うことができる。遠心分離の条件は、特に限定されない。例えば、室温(20±5℃)、8000×g~15000×gで5~20分間行うことができる。上記不溶物の分離は2回以上行ってもよい。
 上記組換えタンパク質は、ハイドロパシーインデックス(HI)が0以下の親水性の組換えタンパク質であればよく、特に限定されない。抽出効率が高いという観点から、上記組換えタンパク質は、HIが-0.1以下であることが好ましく、-0.3以下であることがより好ましい。
 上記組換えタンパク質としては、特に限定されないがい、例えば、組換えクモ糸タンパク質、組換えレシリン及び組換えコラーゲンなどからなる群から選ばれる一つのタンパク質であることが好ましい。
 上記組換えクモ糸タンパク質は、天然型クモ糸タンパク質に由来する組換えクモ糸タンパク質であればよく、特に限定されない。例えば天然型クモ糸タンパク質の変異体、類似体又は誘導体等を含む。上記組換えクモ糸タンパク質は、強靭性に優れるという観点からクモの大瓶状線で産生される大吐糸管しおり糸タンパク質に由来する組換えクモ糸タンパク質であることが好ましい。上記大吐糸管しおり糸タンパク質としては、アメリカジョロウグモ(Nephila clavipes)に由来する大瓶状線スピドロインMaSp1やMaSp2、二ワオニグモ(Araneus diadematus)に由来するADF3やADF4等が挙げられる。また、上記組換えクモ糸タンパク質は、クモの小瓶状線で産生される小吐糸管しおり糸に由来する組換えクモ糸タンパク質であってもよい。上記小吐糸管しおり糸タンパク質としては、アメリカジョロウグモ(Nephila clavipes)に由来する小瓶状線スピドロインMiSp1やMiSp2が挙げられる。また、上記組換えクモ糸タンパク質は、クモの鞭毛状線(flagelliform gland)で産生される横糸タンパク質に由来する組換えクモ糸タンパク質であってもよい。上記横糸タンパク質としては、例えばアメリカジョロウグモ(Nephila clavipes)に由来する鞭毛状絹タンパク質(flagelliform silk protein )等が挙げられる。
 上記大吐糸管しおり糸タンパク質に由来する組換えクモ糸タンパク質としては、式1:REP1-REP2示されるアミノ酸配列の単位を2以上、好ましくは4以上、より好ましくは6以上含むポリペプチドが挙げられる。なお、上記大吐糸管しおり糸タンパク質に由来する組換えクモ糸タンパク質において、式1:REP1-REP2で示されるアミノ酸配列の単位は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
 上記式1において、REP1はポリアラニンを意味している。上記REP1において、連続して並んでいるアラニンは、2残基以上であることが好ましく、より好ましくは3残基以上であり、さらに好ましくは4残基以上であり、特に好ましくは5残基以上である。また、上記REP1において、連続して並んでいるアラニンは、20残基以下であることが好ましく、より好ましくは16残基以下であり、さらに好ましくは14残基以下であり、特に好ましくは12残基以下である。上記式1において、REP2は10~200残基のアミノ酸からなるアミノ酸配列であり、上記アミノ酸配列中に含まれるグリシン、セリン、グルタミン、プロリン及びアラニンの合計残基数がアミノ酸残基数全体に対して40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上である。
 大吐糸管しおり糸において、上記REP1は繊維内で結晶βシートを形成する結晶領域に該当し、上記REP2は繊維内でより柔軟性があり大部分が規則正しい構造を欠いている無定型領域に該当する。そして、上記[REP1-REP2]は、結晶領域と無定型領域からなる繰り返し領域(反復配列)に該当し、しおり糸タンパク質の特徴的配列である。
 上記式1:REP1-REP2で示されるアミノ酸配列の単位を2以上含むポリペプチドとしては、例えば、配列番号1に示されているアミノ酸配列を有するADF3由来の組換えクモ糸タンパク質が挙げられる。配列番号1に示されているアミノ酸配列は、NCBIデータベースから入手したADF3の部分的なアミノ酸配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:AAC47010、GI:1263287)のアミノ酸配列のN末端に開始コドン、His10タグ及びHRV3Cプロテアーゼ(Human rhinovirus 3Cプロテアーゼ)認識サイトからなるアミノ酸配列(配列番号3)を付加したアミノ酸配列の1残基目から136残基目までのアミノ酸配列である。配列番号1に示されているアミノ酸配列を有するADF3Kai-small-Mのタンパク質のHIは、-0.948である。また、上記式1:REP1-REP2で示されるアミノ酸配列の単位を2以上含むポリペプチドとしては、配列番号1に示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、結晶領域と無定型領域からなる繰り返し領域を有し、HIが0以下のポリペプチドを用いてもよい。
 本発明において、「1若しくは複数個」とは、例えば、1~40個、1~35個、1~30個、1~25個、1~20個、1~15個、1~10個、又は1若しくは数個を意味する。また、本発明において、「1若しくは数個」は、1~9個、1~8個、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、又は1個を意味する。
 また、上記式1:REP1-REP2で示されるアミノ酸配列の単位を2以上含むポリペプチドとしては、例えば、配列番号2に示されているアミノ酸配列を有するADF3由来の組換えクモ糸タンパク質が挙げられる。配列番号2に示されているアミノ酸配列は、NCBIデータベースから入手したADF3の部分的なアミノ酸配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:AAC47010、GI:1263287)のN末端に開始コドン、His10タグ及びHRV3Cプロテアーゼ(Human rhinovirus 3Cプロテアーゼ)認識サイトからなるアミノ酸配列(配列番号3)を付加したアミノ酸配列の1残基目から542残基目までのアミノ酸配列である。配列番号2に示されているアミノ酸配列を有するADF3Kai-NNのタンパク質のHIは、-0.92である。また、上記式1:REP1-REP2で示されるアミノ酸配列の単位を2以上含むポリペプチドとしては、配列番号2に示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、結晶領域と無定型領域からなる繰り返し領域を有し、HIが0以下のポリペプチドを用いてもよい。
 また、上記式1:REP1-REP2で示されるアミノ酸配列の単位を2以上含むポリペプチドとしては、例えば、配列番号6に示されているアミノ酸配列を有するADF4由来の組換えクモ糸タンパク質が挙げられる。配列番号6に示されているアミノ酸配列は、NCBIデータベースから入手したADF4の部分的なアミノ酸配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:AAC47011、GI:1263289)のN末端に開始コドン、His10タグ及びHRV3Cプロテアーゼ(Human rhinovirus 3Cプロテアーゼ)認識サイトからなるアミノ酸配列(配列番号3)を付加したアミノ酸配列の1残基から318残基目までのアミノ酸配列である。配列番号6に示されているアミノ酸配列を有するADF4Kai-Wのタンパク質のHIは、-0.357である。また、上記式1:REP1-REP2で示されるアミノ酸配列の単位を2以上含むポリペプチドとしては、配列番号6に示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、結晶領域と無定型領域からなる繰り返し領域を有し、HIが0以下のポリペプチドを用いてもよい。
 上記小吐糸管しおり糸タンパク質に由来する組換えクモ糸タンパク質としては、式2:(Gly-Gly-Z)m(Gly-Ala)l(Ala)oで示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドが挙げられる。
 上記式2において、Zは任意の一つのアミノ酸を意味するが、特にAla、Tyr及びGlnからなる群から選ばれる一つのアミノ酸であることが好ましい。また、mは1~4の範囲の整数であることが好ましく、lは0~4の範囲の整数であることが好ましく、oは1~6の範囲の整数であることが好ましい。
 クモ糸において、小吐糸管しおり糸はクモの巣の中心から螺旋状に巻かれ、巣の補強材として使われたり、捉えた獲物を包む糸として利用されたりする。大吐糸管しおり糸と比べると引っ張り強度は劣るが、伸縮性は高いことが知られている。これは小吐糸管しおり糸において、多くの結晶領域がグリシンとアラニンが交互に連なる領域から形成されているため、アラニンのみで結晶領域が形成されている大吐糸管しおり糸よりも結晶領域の水素結合が弱くなり易いためだと考えられている。
 上記横糸タンパク質に由来する組換えクモ糸タンパク質としては、式3:(Gly-Pro-Gly-Gly-X)nで示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドが挙げられる。Gly-Pro-Gly-Gly-Xで示されるアミノ酸配列の単位は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
 上記式3において、Xは任意の一つのアミノ酸を意味するが、特にAla、Ser、Tyr及びValからなる群から選ばれる一つのアミノ酸であることが好ましい。また、nは4以上の整数であり、好ましくは10以上の整数、より好ましくは20以上の整数である。
 上記式3:(Gly-Pro-Gly-Gly-X)nで示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドとしては、例えば、配列番号8に示されているアミノ酸配列を有する鞭毛状絹タンパク質に由来の組換えクモ糸タンパク質が挙げられる。配列番号8に示されているアミノ酸配列は、NCBIデータベースから入手したアメリカジョロウグモの鞭毛状絹タンパク質の部分的な配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:AAF36090、GI:7106224)のリピート部分及びモチーフに該当する1220残基目から1659残基目までのアミノ酸配列のN末端に開始コドンと、His10タグ及びHRV3Cプロテアーゼ認識サイトからなるアミノ酸配列(配列番号3)を付加したアミノ酸配列である。配列番号8に示されているアミノ酸配列を有するFlag92-short2-UU のタンパク質のHIは、-0.482である。また、上記式3:(Gly-Pro-Gly-Gly-X)nで示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドとしては、配列番号8に示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、無定形領域からなる繰り返し領域を有し、HIが0以下のポリペプチドを用いてもよい。
 クモ糸において、横糸は結晶領域を持たず、無定形領域からなる繰り返し領域を持つことが大きな特徴である。大吐糸管しおり糸等においては結晶領域と無定形領域からなる繰り返し領域を持つため、高い応力と伸縮性を併せ持つと推測される。一方、横糸については、大吐糸管しおり糸に比べると応力は劣るが、高い伸縮性を持つ。これは横糸の大部分が無定形領域によって構成されているためだと考えられている。
 上記組換えクモ糸タンパク質は、ニワオニグモ(Araneus diadematus)の2つの主要なしおり糸タンパク質の一つであるADF3由来の組換えクモ糸タンパク質であることが好ましい。ADF3由来の組換えクモ糸タンパク質は、強伸度及びタフネスが基本的に高く、合成し易いことも利点として挙げられる。
 組換えレシリンとしては、例えば天然のレシリンに由来する組換えレシリンを用いることができる。天然のレシリンに由来する組換えレシリンとしては、式4:REP3で示されるアミノ酸配列の単位を複数個、好ましくは4個以上、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは20個以上含むポリペプチドが挙げられる。REP3で示されるアミノ酸配列の単位は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
 上記式4において、REP3は(Ser-J-J-Tyr-Gly-U-Pro)から構成されるアミノ酸配列を意味し、Jは任意の一つのアミノ酸を意味するが、特にAsp、Ser及びThrからなる群から選ばれる一つのアミノ酸であることが好ましい。また、Uは任意の一つのアミノ酸を意味するが、特にPro、Ala、Thr及びSerからなる群から選ばれる一つのアミノ酸であることが好ましい。
 上記式4:REP3で示されるアミノ酸配列の単位を複数個含むポリペプチドとしては、例えば、配列番号10に示されているアミノ酸配列を有する組換えレシリン等が挙げられる。配列番号10に示されているアミノ酸配列は、NCBIのウェブデータベースより取得したレシリンの部分的なアミノ酸配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:NP_611157、GI:24654243)において、87残基目のThrをSerに、95残基目のAsnをAspに置換し、置換した配列の19残基目から321残基目までを切り取り、切り取った配列のN末端に開始コドンと、His6タグからなるアミノ酸配列(配列番号12)を付加したアミノ酸配列(配列番号10)である。配列番号10に示されているアミノ酸配列を有する組換えレシリンのHIは、-1.229である。また、上記式4:REP3で示されるアミノ酸配列の単位を複数個含むポリペプチドとしては、配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、HIが0以下のポリペプチドを用いてもよい。なお、配列番号10に示されているアミノ酸配列は、公知文献「Synthesis and properties of crosslinked recombinant pro-resilin」[Christopher M. Elvin, Andrew G. Carr, Mickey G. Huson, Jane M. Maxwell, Roger D. Pearson, Tony Vuocolo, Nancy E. Liyou, Darren C. C. Wong, David J. Merritt & Nicholas E. Dixon, Nature 437, 999-1002(13 October 2005)]に記載されているrec1-resilinのアミノ酸配列と同様である。
 また、上記式4:REP3で示されるアミノ酸配列の単位を複数個含むポリペプチドとしては、例えば、配列番号13に示されているアミノ酸配列を有する組換えレシリンが挙げられる。配列番号13に示されているアミノ酸配列は、キイロショウジョウバエのレシリンの部分配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:Q9V7U0.1、GI:75026432)をNCBIのウェブデータベースから入手し、該配列において、リピート部分及びモチーフに該当する19残基目から321残基目までのアミノ酸配列のN末端に、開始コドンとHis6タグからなるアミノ酸配列(配列番号12)を付加したアミノ酸配列である。配列番号13に示されているアミノ酸配列を有する組換えレシリンのHIは、-1.229である。また、上記式4:REP3で示されるアミノ酸配列の単位を複数個含むポリペプチドとしては、配列番号12に示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、HIが0以下のポリペプチドを用いてもよい。
 レシリンは、昆虫のクチクラの特定の領域に存在するゴム様タンパク質であり、優れた弾性材料である。該物質の弾性能は97%であるとされ、貯蔵エネルギーのわずか3%しか熱として損失しない。この弾性能はレシリン中のチロシン同士が架橋することによってもたらされていると考えられている。ジチロシン架橋されたレシリンはクチクラに優れた弾性を与え、昆虫の飛行システムや跳躍システムに大きな役割を果たしている。
 組換えコラーゲンとしては、例えば天然のコラーゲンに由来する組換えコラーゲンを用いることができる。天然のコラーゲンに由来する組換えコラーゲンとしては、式5:REP4で示されるアミノ酸配列の単位を5以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上連続して含むポリペプチドが挙げられる。
 上記式5において、REP4はGly-X-Yから構成されるアミノ酸配列を意味し、X及びYはGly以外の任意の一つのアミノ酸を意味する。上記式5において、REP4で示されるアミノ酸配列は同一であってもよく異なっていてもよい。
 上記式5:REP4で示されるアミノ酸配列の単位を10以上連続して含むポリペプチドとしては、例えば、配列番号16に示されているアミノ酸配列を有する組換えコラーゲンが挙げられる。配列番号16に示されているアミノ酸配列は、NCBIデータベースから入手したヒトのコラーゲンタイプ4の部分的な配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:CAA56335.1、GI:3702452)のリピート部分及びモチーフに該当する301残基目から540残基目までのアミノ酸配列のN末端に、開始コドン、His6タグ及びSer-Ser-Gly-Ser-Serからなるアミノ酸配列(配列番号15)を付加したアミノ酸配列である。また、上記式5:REP5で示されるアミノ酸配列の単位を10以上連続して含むポリペプチドとしては、配列番号16に示されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドを用いてもよい。
 コラーゲンは、真皮、靭帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつであり、多細胞動物の細胞外マトリクスの主成分である。ヒトのコラーゲンは30種類以上あることが報告されているが、いずれのコラーゲンにおいてもコラーゲン様配列と呼ばれるREP4で示されるアミノ酸配列の繰り返し配列を有することがその配列的特徴として挙げられる。
 上記組換えタンパク質は、組換えタンパク質をコードする遺伝子を含有する発現ベクターで形質転換した宿主を用いて製造することができる。遺伝子の製造方法は特に制限されず、組換えタンパク質をコードする遺伝子を遺伝子由来の細胞からポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等で増幅しクローニングするか、若しくは化学的に合成する。遺伝子の化学的な合成方法も特に制限されず、例えば、組換えタンパク質のアミノ酸配列情報をもとに、AKTA oligopilot plus 10/100(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製)等で自動合成したオリゴヌクレオチドをPCR等で連結して合成することができる。この際に、タンパク質の精製や確認を容易にするため、上記の対象タンパク質のアミノ酸配列のN末端にHisタグからなるアミノ酸配列を付加したアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子を合成してもよい。
 上記発現ベクターとしては、DNA配列からタンパク質を発現し得るプラスミド、ファージ、ウイルス等を用いることができる。上記プラスミド型発現ベクターとしては、宿主細胞内で目的の遺伝子を発現し、かつ自身が増幅することのできるものであればよく、特に限定されない。例えば宿主として大腸菌Rosetta(DE3)を用いる場合は、pET22b(+)プラスミドベクター、pColdプラスミドベクター等を用いることができる。中でも、タンパク質の生産性の観点から、pET22b(+)プラスミドベクターを用いることが好ましい。上記宿主(細胞)としては、例えば、タンパク質発現系に用いられる動物細胞、植物細胞、微生物等を用いることができ、生産コストの観点から微生物を用いることが好ましく、安全性及び操作性という観点から大腸菌を用いることがより好ましい。
 上記組換えタンパク質は、大腸菌等の微生物を宿主とした組換えタンパク質生産を行う場合、生産性の観点から、分子量が500kDa以下であることが好ましく、より好ましくは300kDa以下であり、さらに好ましくは200kDa以下である。
 上記組換えタンパク質を含む上清において、組換えタンパク質のタンパク質全体に対する純度(精製度)は、40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以上であることがさらにより好ましく、65質量%以上であることが特に好ましい。本発明において、純度は、SDS-PAGE後のポリアクリルアミドゲルをクーマシーブリリアントブルー(CBB)又はOriole蛍光ゲルステインで染色し、染色後の電気泳動画像を解析ソフトImageLab(Bio-RAD Laboratories,Inc.)を用いて画像解析することで求めることができる。
 上記組換えタンパク質を含む上清は、透析等によりさらに精製してもよい。また、上記組換えタンパク質を含む上清にエタノールを最終濃度が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上になるように添加し、組換えタンパク質を凝集させてもよい。また、上記組換えタンパク質を含む上清は、粉末化してもよい。粉末化する方法は、特に限定されない。エタノールで凝集させた組換えタンパク質を凍結乾燥することで、粉末化することができる。或いは、上記組換えタンパク質を含む上清を噴霧乾燥することで直接粉末化してもよい。得られた組換えクモ糸タンパク質の粉末は、湿式紡糸、キャストフィルムの作製等に用いることができる。得られた組換えレシリン及び組換えコラーゲンの粉末は、ゲル、キャストフィルム、多孔質体の作製等に用いることができる。
 以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
 (大腸菌での組換えタンパク質の発現)
 <遺伝子合成>
 (1)ADF3Kai-small-Mの遺伝子の合成
 NCBIのウェブデータベースより、ニワオニグモの2つの主要なしおり糸タンパク質の一つであるADF3の部分的なアミノ酸配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:AAC47010、GI:1263287)を取得し、同配列のN末端に、開始コドン、His10タグ及びHRV3Cプロテアーゼ(Human rhinovirus 3Cプロテアーゼ)認識サイトからなるアミノ酸配列(配列番号3)を付加し、該配列の1残基目から136残基目までのアミノ酸配列(配列番号1)からなるポリペプチドをコードする遺伝子を合成した。その結果、配列番号4に示す塩基配列からなるADF3Kai-small-Mの遺伝子が導入されたpUC57ベクター(遺伝子の5’末端直上流にNde Iサイト、及び5’末端直下流にXba Iサイト有り)を取得した。その後、同遺伝子をNde I及びEcoR Iで制限酵素処理し、pET22b(+)発現ベクターに組み換え、ADF3Kai-small-Mの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクターを得た。
 (2)ADF3Kai-NN遺伝子の合成
 NCBIのウェブデータベースより、ニワオニグモの2つの主要なしおり糸タンパク質の一つであるADF3の部分的なアミノ酸配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:AAC47010、GI:1263287)を取得し、同配列のN末端に、開始コドン、His10タグ及びHRV3Cプロテアーゼ(Human rhinovirus 3Cプロテアーゼ)認識サイトからなるアミノ酸配列(配列番号3)を付加し、該配列の1残基目から542残基目までのアミノ酸配列(配列番号2)からなるポリペプチドをコードする遺伝子を合成した。その結果、配列番号5に示す塩基配列からなるADF3Kai-NNの遺伝子が導入されたpUC57ベクター(遺伝子の5’末端直上流にNde Iサイト、及び5’末端直下流にXba Iサイト有り)を取得した。その後、同遺伝子をNde I及びEcoR Iで制限酵素処理し、pET22b(+)発現ベクターに組み換え、ADF3Kai-NNの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクターを得た。
 (3)ADF4Kai-W遺伝子の合成
 NCBIのウェブデータベースより、ニワオニグモの2つの主要なしおり糸タンパク質の一つであるADF4の部分的なアミノ酸配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:AAC47011、GI:1263289)を取得し、同配列のN末端に、開始コドン、His10タグ及びHRV3Cプロテアーゼ(Human rhinovirus 3Cプロテアーゼ)認識サイトからなるアミノ酸配列(配列番号3)を付加し、該配列の1残基目から318残基目までのアミノ酸配列(配列番号6)からなるポリペプチドをコードする遺伝子を合成した。その結果、配列番号7に示す塩基配列からなるADF4Kai-Wの遺伝子が導入されたpUC57ベクター(遺伝子の5’末端直上流にNde Iサイト、及び5’末端直下流にXba Iサイト有り)を取得した。その後、同遺伝子をNde I及びEcoR Iで制限酵素処理し、pET22b(+)発現ベクターに組み換え、ADF4Kai-Wの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクターを得た。
 (4)Flag92-short2-UUの遺伝子の合成
 NCBIのウェブデータベースから、アメリカジョロウグモの鞭毛状絹タンパク質の部分配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:AAF36090、GI:7106224)を入手し、該配列において、リピート部分及びモチーフに該当する1220残基目から1659残基目までのアミノ酸配列のN末端に、開始コドン、His10タグ及びHRV3Cプロテアーゼ認識サイトからなるアミノ酸配列(配列番号3)を付加したアミノ酸配列(配列番号8)からなるポリペプチドをコードする遺伝子を合成した。その結果、配列番号9に示す塩基配列からなるFlag92-short2-UUの遺伝子が導入されたpUC57ベクター(遺伝子の5’末端直上流にNde Iサイト、及び5’末端直下流にXba Iサイト有り)を取得した。その後、同遺伝子をNde I及びEcoR Iで制限酵素処理し、pET22b(+)発現ベクターに組み換え、Flag92-short2-UUの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクターを得た。
 (5)Resilin-Kaiの遺伝子の合成
 NCBIのウェブデータベースより、レシリンの部分的なアミノ酸配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:NP_611157、GI:24654243)を取得し、該配列の87残基目のThrをSerに、95残基目のAsnをAspに置換し、置換した配列の19残基目から321残基目までを切り取り、切り取った配列のN末端に、開始コドンとHis6タグからなるアミノ酸配列(配列番号12)を付加したアミノ酸配列(配列番号10)からなるポリペプチド(Resilin-Kai)をコードする遺伝子を合成した。その結果、配列番号11に示す塩基配列からなるResilin-Kaiの遺伝子が導入されたpUC57ベクター(遺伝子の5’末端直上流にNde Iサイト、及び5’末端直下流にXba Iサイト有り)を取得した。その後、同遺伝子をNde I及びEcoR Iで制限酵素処理し、pET22b(+)発現ベクターに組み換え、Resilin-Kaiの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクターを得た。
 (6)Drosophila-Resilin-Kaiの遺伝子の合成
 キイロショウジョウバエのレシリンの部分配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:Q9V7U0.1、GI:75026432)をNCBIのウェブデータベースから入手し、該配列において、リピート部分及びモチーフに該当する19残基目から321残基目までのアミノ酸配列のN末端に、開始コドンとHis6タグからなるアミノ酸配列(配列番号12)を付加したアミノ酸配列(配列番号13)からなるポリペプチドをコードする遺伝子を合成した。その結果、配列番号14に示す塩基配列からなるDrosophila-Resilin-Kaiの遺伝子が導入されたpUC57ベクター(遺伝子の5’末端直上流にNde Iサイト、及び5’末端直下流にXba Iサイト有り)を取得した。その後、同遺伝子をNde I及びEcoR Iで制限酵素処理し、pET22b(+)発現ベクターに組み換え、Drosophila-Resilin-Kaiの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクターを得た。
 (7)Collagen-type4-Kaiの遺伝子の合成
 ヒトのコラーゲンタイプ4の部分配列(NCBIのGenebankのアクセッション番号:CAA56335.1、GI:3702452)をNCBIのウェブデータベースから入手し、該配列において、リピート部分及びモチーフに該当する301残基目から540残基目までのアミノ酸配列のN末端に、開始コドン、His6タグ及びSer-Ser-Gly-Ser-Serからなるアミノ酸配列(配列番号15)を付加したアミノ酸配列(配列番号16)からなるポリペプチドをコードする遺伝子を合成した。その結果、配列番号17に示す塩基配列からなるCollagen-type4-Kaiの遺伝子が導入されたpUC57ベクター(遺伝子の5’末端直上流にNde Iサイト、及び5’末端直下流にXba Iサイト有り)を取得した。その後、同遺伝子をNde I及びEcoR Iで制限酵素処理し、pET22b(+)発現ベクターに組み換え、Collagen-type4-Kaiの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクターを得た。
 <タンパク質の発現>
 ADF3Kai-small-Mの遺伝子が導入されたpET22b(+)発現ベクター、ADF3Kai-NNの遺伝子が導入されたpET22b(+)発現ベクターA、ADF4Kai-Wの遺伝子が導入されたpET22b(+)発現ベクター、Flag92-short2-UUの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクター、Resilin-Kaiの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクター、Drosophila-Resilin-Kaiの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクター及びCollagen-type4-Kaiの遺伝子が導入されたpET22b(+)ベクターを、それぞれ、大腸菌Rosetta(DE3)に形質転換した。得られたそれぞれのシングルコロニーを、アンピシリンを含む2mLのLB培地で15時間培養後、同培養液1.4mlを、アンピシリンを含む140mLのLB培地に添加し、37℃、200rpmの条件下で、培養液のOD600が3.5になるまで培養した。次に、OD600が3.5の培養液を、アンピシリンを含む7Lの2×YT培地に50%グルコース140mLとともに加え、OD600が4.0になるまでさらに培養した。その後、得られたOD600が4.0の培養液に、終濃度が0.5mMになるようにイソプロピル-β-チオガラクトビラノシド(IPTG)を添加してタンパク質の発現を誘導した。IPTG添加後2時間経過した時点で、培養液を遠心分離し、菌体を回収した。IPTG添加前とIPTG添加後の菌体から調製したタンパク質溶液を用い、一般的なプロトコールに従い、IPTG添加に依存して目的とするタンパク質(ADF3Kai-small-Mは約12.5kDa、ADF3Kai-NNは約47.5kDa、ADF4Kai-Wは約26.4kDa、Flag92-short2-UUは約36.9kDa、Resilin-Kaiは約28.5kDa、Drosophila-Resilin-Kaiは約28.5kDa、Collagen-type4-Kaiは約24.5kDa)が発現していることをSDS-PAGEで確認した。ADF3Kai-small-Mのタンパク質を発現している大腸菌と、ADF3Kai-NNのタンパク質を発現している大腸菌、ADF4Kai-Wのタンパク質を発現している大腸菌、Flag92-short2-UUのタンパク質を発現している大腸菌、Resilin-Kaiのタンパク質を発現している大腸菌、Drosophila-Resilin-Kaiのタンパク質を発現している大腸菌、Collagen-type4-Kaiのタンパク質を発現している大腸菌を冷凍庫(-20℃)で保存した。
 ADF3Kai-small-M、ADF3Kai-NN、ADF4Kai-W、Flag92-short2-UU、Resilin-Kai、Drosophila-Resilin-Kai及びCollagen-type4-Kaiのタンパク質のハイドロパシ―インデックス(HI)を下記表3に示した。ADF3Kai-small-M、ADF3Kai-NN、ADF4Kai-W、Flag92-short2-UU、Resilin-Kai、Drosophila-Resilin-Kai及びCollagen-type4-Kaiのタンパク質は、いずれも、HIが0以下の親水性のタンパク質であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 (実施例1)
(1)ADF3Kai-small-Mのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、1MのLiClを含むDMSOを1ml添加して菌体を分散させ、60℃で30分間静置し、大腸菌(細胞)の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、ADF3Kai-small-Mのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例2)
(1)ADF3Kai-NNのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、0.5MのLiClを含むDMSOを1mL添加して菌体を分散させ、60℃で30分間静置し、大腸菌の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例3)
 超純水に替えて濃度が10質量%のエタノール水溶液(以下において、10%エタノールと記す。)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例2と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例4)
 超純水に替えて濃度が30質量%のエタノール水溶液(以下において、30%エタノールと記す。)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例2と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例5)
 超純水に替えて濃度が50質量%のエタノール水溶液(以下において、50%エタノールと記す。)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例2と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例6)
 超純水に替えて濃度が70質量%のエタノール水溶液(以下において、70%エタノールと記す。)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例2と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例7)
 超純水に替えて濃度が80質量%のエタノール水溶液(以下において、80%エタノールと記す。)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例2と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例8)
 超純水に替えて濃度が90質量%のむエタノール水溶液(以下において、90%エタノールと記す。)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例2と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例9)
(1)ADF3Kai-NNのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、0.5MのLiClを含むDMSOを1mL添加して菌体を分散させ、60℃で30分間静置し、大腸菌の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例10)
 超純水に替えて50mMTris緩衝液(pH3)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例9と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例11)
 超純水に替えて50mMTris緩衝液(pH5)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例9と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例12)
 超純水に替えて50mMTris緩衝液(pH7)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例9と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例13)
 超純水に替えて50mMTris緩衝液(pH9)で大腸菌の溶解物を等倍希釈した以外は、実施例9と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例14)
 0.5MのLiClを含むDMSOに替えて、0.25MのLiClを含むDMSOを、ADF3Kai-NNのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに1mL添加した以外は、実施例2と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例15)
 0.5MのLiClを含むDMSOに替えて、DMSOを、ADF3Kai-NNのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに1mL添加した以外は、実施例2と同様にして、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 実施例1で得られたADF3Kai-small-Mのタンパク質を含む上清、及び実施例2~15で得られたADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を用いてSDS-PAGEを行った。具体的には、各実施例で得られた上清30μLに、2xSDS緩衝液(4w/v% SDS、20w/v% グリセロール、10w/v% 2-メルカプトエタノール、0.004w/v% ブロモフェノールブルー、0.125M Tris、pH6.8)30μLを加え、95℃で10分間熱処理し、室温で冷却した熱変性したタンパク質溶液を用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によりバンドを確認した。電気泳動後、実施例1は、ゲルをOriole蛍光ゲルステインで染色し、その他の実施例はゲルをクーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色し、その結果を図1~図4に示した。また、解析ソフトImageLab(Bio-RAD Laboratories,Inc.)を用いて染色後のタンパク質の電気泳動写真を画像解析することで、目的タンパク質(組換えクモ糸タンパク質)の純度を求めた。その結果を下記表4に示した。対照として、図2及び図4には、それぞれ、実施例2における大腸菌の溶解物を用いたSDS-PAGEの結果も併せて示した。なお、Oriole蛍光ゲルステインの場合はタンパク質を1.5μg、CBBの場合はタンパク質を7μg用いて電気泳動した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 図1には、実施例1で得られたタンパク質のSDS-PAGEの結果を示した。図1において、レーンMは、分子量マーカーを示し、レーン1は、実施例1で得られた上清に含まれるタンパク質を示している。図1において、矢印で示しているのがADF3Kai-small-M(分子量約12.5kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図1及び表4から、1MのLiClを含むDMSOで大腸菌を溶解し、大腸菌の溶解物を超純水で希釈することで、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-small-M)を含む上清が得られることが確認できた。上清に含まれているタンパク質において、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-small-M)の純度は60%以上であり、精製率が高かった。
 図2には、実施例2~5で得られたタンパク質のSDS-PAGEの結果を示した。図2において、レーンMは、分子量マーカーを示し、レーン1は、実施例2の大腸菌の溶解物に含まれるタンパク質を示し、レーン2、3、4、5は、それぞれ、実施例2、3、4、5で得られた上清に含まれるタンパク質を示している。図3には、実施例6~8で得られたタンパク質のSDS-PAGEの結果を示した。図3において、レーンMは、分子量マーカーを示し、レーンI、II、IIIは、それぞれ、実施例6、7、8で得られた上清に含まれるタンパク質を示している。図2及び図3において、矢印で示しているのがADF3Kai-NN(分子量約47.5kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図2、図3及び表4から、0.5MのLiClを含むDMSOで大腸菌を溶解し、大腸菌の溶解物を各種水系溶媒で希釈することで、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)を含む上清が得られることが確認できた。また、希釈用溶媒として水とエタノールの混合液を用い、希釈液(大腸菌の溶解物と希釈用溶媒の混合液)におけるエタノールの濃度が35質量%以下である場合、希釈用溶媒として純水のみを用いた場合と比較して、得られた上清に含まれているタンパク質において、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)の純度が高いことが分かった。特に、希釈液におけるエタノールの濃度が10~30質量%であると、得られた上清に含まれているタンパク質において、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)の純度がより高かった。一方、希釈液において、エタノールの濃度が45質量%以上になると、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)の純度が希釈用溶媒として純水のみを用いた場合と比較して低くなることが分かった。これは、希釈液におけるエタノールの濃度が高過ぎると、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)の凝集が起きるためであると推測される。
 図4には、実施例9~13で得られたタンパク質のSDS-PAGEの結果を示した。図4において、レーンMは、分子量マーカーを示し、レーンaは、実施例9の大腸菌の溶解物に含まれるタンパク質を示し、レーンb、c、d、e、fは、それぞれ、実施例9、10、11、12、13で得られた上清に含まれるタンパク質を示している。図4において、矢印で示しているのがADF3Kai-NN(分子量約47.5kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図4及び表4から、0.5MのLiClを含むDMSOで大腸菌を溶解し、大腸菌の溶解物を各種水系溶媒で希釈することで、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)を含む上清が得られることが確認できた。また、希釈用溶媒がpH3~9の50mMのトリス緩衝液である場合も、純水を用いた場合と同様に目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)を抽出し得ることが分かった。
 また、表4の実施例1、2、14及び15の結果から、溶解用溶媒として、無機塩(LiCl)を含むDMSOを用いた方が、無機塩を含まないDMSOのみを用いる場合より、純度が高い組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)を抽出し得ることが分かった。
 (実施例16)
 ADF4Kai-Wのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gを用いた以外は、実施例2と同様にしてADF4Kai-Wのタンパク質を含む上清を回収した。
 実施例16で得られたADF4Kai-Wのタンパク質を含む上清を用いて、上述したようにSDS-PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをクーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色し、その結果を図5に示した。なお、図5には、実施例16における大腸菌の溶解物、及びADF4Kai-Wのタンパク質を含む上清を回収した後の沈澱を用いたSDS-PAGEの結果も併せて示した。ADF4Kai-Wのタンパク質を含む上清を回収した後の沈澱については、2MのLiClを含むDMSOを添加し、60℃で30分間静置することで溶解させた溶液を用いてSDS-PAGEを行った。
 図5において、レーンMは分子量マーカーを示し、レーン1は大腸菌の溶解物に含まれるタンパク質を示し、レーン2は上清に含まれるタンパク質を示し、レーン3は沈澱に含まれるタンパク質を示している。図5において、矢印で示しているのがADF4Kai-W(分子量約26.4kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図5から、0.5MのLiClを含むDMSOで大腸菌を溶解し、大腸菌の溶解物を純水で希釈することで、目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF4Kai-W)を含む上清が得られることが確認できた。
 (実施例17)
(1)ADF3Kai-NNのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、0.5MのLiClを含むDMSOを1mL添加して菌体を分散させ、60℃で30分間静置し、大腸菌の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、ADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例18~21)
 大腸菌の溶解物を下記表5に示すリン酸緩衝液で等倍希釈した以外は、実施例17と同様にしてADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を回収した。
 実施例17~21で得られたADF3Kai-NNのタンパク質を含む上清を用いて、上述したようにSDS-PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをクーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色し、その結果を図6に示した。また、解析ソフトImageLab(Bio-RAD Laboratories,Inc.)を用いて染色後のタンパク質の電気泳動写真を画像解析することで、目的タンパク質(ADF3Kai-NN)の純度を求めた。その結果を下記表5に示した。なお、図6には、実施例17における大腸菌の溶解物を用いたSDS-PAGEの結果も併せて示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 図6には、実施例17~21で得られたタンパク質のSDS-PAGEの結果を示した。図6において、レーンMは、分子量マーカーを示し、レーン1は、実施例17の大腸菌の溶解物に含まれるタンパク質を示し、レーン2、3、4、5、6は、それぞれ、実施例17、18、19、20、21で得られた上清に含まれるタンパク質を示している。図6において、矢印で示しているのがADF3Kai-NN(分子量約47.5kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図6及び表5から、希釈用溶媒がpH3~9の50mMのリン酸ナトリウム緩衝液である場合も、純水を用いた場合と同様に目的とする組換えクモ糸タンパク質(ADF3Kai-NN)を抽出し得ることが分かった。
 (実施例22)
 Flag92-short2-UUのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gを用いた以外は、実施例2と同様にしてFlag92-short2-UUのタンパク質を含む上清を回収した。
 実施例22で得られたFlag92-short2-UUのタンパク質を含む上清を用いて、上述したようにSDS-PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをクーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色し、その結果を図7に示した。なお、図7には、実施例22における大腸菌の溶解物、及びFlag92-short2-UUのタンパク質を含む上清を回収した後の沈澱を用いたSDS-PAGEの結果も併せて示した。Flag92-short2-UUのタンパク質を含む上清を回収した後の沈澱については、2MのLiClを含むDMSOを添加し、60℃で30分間静置することで溶解させた溶液を用いてSDS-PAGEを行った。
 図7において、レーンMは分子量マーカーを示し、レーン1は大腸菌の溶解物に含まれるタンパク質を示し、レーン2は上清に含まれるタンパク質を示し、レーン3は沈澱に含まれるタンパク質を示している。図7において、矢印で示しているのがFlag92-short2-UU(分子量約36.9kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図7から、0.5MのLiClを含むDMSOで大腸菌を溶解し、大腸菌の溶解物を純水で希釈することで、目的とする組換えクモ糸タンパク質(Flag92-short2-UU)を含む上清が得られることが確認できた。
 (実施例23)
(1)ADF3Kai-small-Mのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、1MのLiClを含むDMSOを1ml添加して菌体を分散させ、60℃で40分間溶解させ、大腸菌の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、ADF3Kai-small-Mのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例24)
 1MのLiClを含むDMSOの代わりに、1MのLiClを含むDMFを用いた以外は、実施例23と同様にしてADF3Kai-small-Mのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例25)
 1MのLiClを含むDMSOの代わりに、1MのLiClを含むDMAを用いた以外は、実施例23と同様にしてADF3Kai-small-Mのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例26)
 1MのLiClを含むDMSOの代わりに、1MのLiClを含むNMPを用いた以外は、実施例23と同様にしてADF3Kai-small-Mのタンパク質を含む上清を回収した。
 実施例23~26で得られたADF3Kai-small-Mのタンパク質を含む上清を用いて、上述したようにSDS-PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをOriole蛍光ゲルステインで染色し、その結果を図8に示した。また、解析ソフトImageLab(Bio-RAD Laboratories,Inc.)を用いて染色後のタンパク質の電気泳動写真を画像解析することで、上清におけるADF3Kai-small-Mタンパク質の純度を求めた。その結果を下記表6に示した。
 図8において、下の部分のSDS-PAGE結果は、ADF3Kai-small-Mのタンパク質を含む上清を用いたSDS-PAGE結果であり、上の部分のSDS-PAGE結果は、対応する大腸菌の溶解物を用いたSDS-PAGEの結果である。図8において、レーンMは、分子量マーカーを示し、レーン1、2、3、4は、それぞれ、実施例23、24、25、26に対応する。図8において、矢印で示しているのがADF3Kai-small-M(分子量約12.5kDa)に対応するタンパク質のバンドである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 図8及び表6から分かるように、溶解用溶媒として、DMSO、DMF、DMAを用いた場合は、目的とする親水性組換えタンパク質の純度が高かった。一方、溶解用溶媒として、NMPを用いた場合は、目的とする親水性タンパク質(組換えタンパク質)の純度が低かった。溶解用溶媒として環状構造を有しない非プロトン性極性溶媒を用いると、HIが0以下の親水性組換えタンパク質を発現している宿主細胞からより高い純度で組換えタンパク質(HIが0以下)を抽出できた。
 (実施例27)
(1)Resilin-Kaiのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、DMSOを1ml添加して菌体を分散させ、60℃で40分間溶解させ、大腸菌(細胞)の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、Resilin-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例28)
 DMSOの代わりに、1MのLiClを含むDMSOを用いた以外は、実施例27と同様にしてResilin-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例29)
 DMSOの代わりに、1MのLiClを含むDMFを用いた以外は、実施例27と同様にしてResilin-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例30)
 DMSOの代わりに、1MのLiClを含むNMPを用いた以外は、実施例27と同様にしてResilin-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した。
 (実施例31)
 DMSOの代わりに、1MのLiClを含むDMIを用いた以外は、実施例27と同様にしてResilin-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した。
 実施例27~31で得られたResilin-Kaiのタンパク質を含む上清を用いて、上述したようにSDS-PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをOriole蛍光ゲルステインで染色し、解析ソフトImageLab(Bio-RAD Laboratories,Inc.)を用いて染色後のタンパク質の電気泳動写真を画像解析することで、上清におけるResilin-Kaiの純度を求め、その結果を下記表7に示した。
 また、実施例28で得られたResilin-Kaiのタンパク質を含む上清を用いて行ったSDS-PAGEの結果を図9に示した。なお、図9には、実施例28における大腸菌の溶解物、及びResilin-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した後の沈澱を用いたSDS-PAGEの結果も併せて示した。Resilin-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した後の沈澱については、2MのLiClを含むDMSOを添加し、60℃で30分間溶解させた溶液を用いてSDS-PAGEを行った。
 図9において、レーンMは分子量マーカーを示し、レーン1は大腸菌の溶解物に含まれるタンパク質を示し、レーン2は上清に含まれるタンパク質を示し、レーン3は沈澱に含まれるタンパク質を示している。図9において、矢印で示しているのがResilin-Kai(分子量約28.5kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図9から、1MのLiClを含むDMSOで大腸菌を溶解し、大腸菌の溶解物を純水で希釈することで、目的とする組換えレシリン(Resilin-Kai)を含む上清が得られることが確認できた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 上記表7の結果から分かるように、溶解用溶媒として、DMSO、DMFを用いた場合は、目的とする親水性組換えタンパク質の純度が高かった。特に、無機塩を添加したDMSOを溶解用溶媒として用いた場合、純度がより高かった。一方、溶解用溶媒として、NMP又はDMIを用いた場合は、目的とする親水性組換えタンパク質)の純度が低かった。溶解用溶媒として環状構造を有しない非プロトン性極性溶媒を用いると、HIが0以下の親水性組換えタンパク質を発現している宿主細胞からより高い純度で組換えタンパク質(HIが0以下)を抽出し得ることが確認できた。
 (比較例1)
(1)Resilin-Kaiのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、1MのLiClを含むイソプロパノールを1ml添加して菌体を分散させ、60℃で40分間溶解させ、大腸菌(細胞)の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、上清を回収した。
 比較例1で得られた大腸菌の溶解物及び上清を用いて、上述したようにSDS-PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをOriole蛍光ゲルステインで染色し、その結果を図10に示した。図10において、レーンMは分子量マーカーを示し、レーン1は大腸菌の溶解物に含まれるタンパク質を示し、レーン2は上清に含まれるタンパク質を示している。図10において、矢印は、Resilin-Kai(分子量約28.5kDa)に対応するタンパク質のバンドの位置を示している。
 また、解析ソフトImageLab(Bio-RAD Laboratories,Inc.)を用いて染色後のタンパク質の電気泳動写真を画像解析することで、比較例1で得られた大腸菌の溶解物及び上清におけるResilin-Kaiのタンパク質の純度を求めた。その結果、大腸菌の溶解物におけるResilin-Kaiのタンパク質の純度は5.5%であり、上清におけるResilin-Kaiのタンパク質の純度は0%であった。
 イソプロパノールを用いた場合、大腸菌からResilin-Kaiのタンパク質を抽出することができなかった。すなわち、プロトン性極性溶媒を用いた場合、HIが0以下の親水性組換えタンパク質を発現している宿主細胞から組換えタンパク質(HIが0以下)を抽出することができなかった。
 (実施例32)
(1)Drosophila-Resilin-Kaiのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、1MのLiClを含むDMSOを1ml添加して菌体を分散させ、60℃で30分間静置して溶解させ、大腸菌(細胞)の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離した。得られた大腸菌の溶解物の上清を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、Drosophila-Resilin-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した。
 実施例32で得られたDrosophila-Resilin-Kaiのタンパク質を含む上清を用いて、上述したようにSDS-PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをOriole蛍光ゲルステインで染色し、染色後のタンパク質の電気泳動写真を図11Aに示した。図11Aにおいて、矢印で示しているのがDrosophila-Resilin-Kai(分子量約28.5kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図11Aから、1.0MのLiClを含むDMSOで大腸菌を溶解し、大腸菌の溶解物を純水で希釈することで、目的とする組換えレシリンタンパク質(Drosophila-Resilin-Kai)を含む上清が得られることが確認できた。解析ソフトImageLab(Bio-RAD Laboratories,Inc.)を用いて染色後のタンパク質の電気泳動写真を画像解析したところ、上清におけるDrosophila-Resilin-Kaiの純度は69.7%であった。
 (実施例33)
(1)Collagen-type4-Kaiのタンパク質を発現している大腸菌の乾燥菌体約0.1gに、1MのLiClを含むDMSOを1ml添加して菌体を分散させ、60℃で30分間静置して溶解させ、大腸菌(細胞)の溶解物を得た。
(2)得られた大腸菌の溶解物を遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離した。得られた大腸菌の溶解物の上清を超純水で等倍希釈し、得られた希釈液を、遠心分離機(トミー精工社製の「MX-305」)にて、20℃、11000×g、5分間遠心分離し、Collagen-type4-Kaiのタンパク質を含む上清を回収した。
 実施例33で得られたCollagen-type4-Kaiのタンパク質を含む上清を用いて、上述したようにSDS-PAGEを行った。電気泳動後、ゲルをクーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色し、その結果を図11Bに示した。図11Bにおいて、矢印で示しているのがCollagen-type4-Kai(分子量約24.5kDa)に対応するタンパク質のバンドである。図11Bから、1.0MのLiClを含むDMSOで大腸菌を溶解し、大腸菌の溶解物を純水で希釈することで、目的とする組換えコラーゲンタンパク質(Collagen-type4-Kai)を含む上清が得られることが確認できた。解析ソフトImageLab(Bio-RAD Laboratories,Inc.)を用いて染色後のタンパク質の電気泳動写真を画像解析したところ、上清におけるCollagen-type4-Kaiの純度は43.7%であった。
 本発明によると、組換えタンパク質としてハイドロパシーインデックスが0以下の親水性タンパク質を発現している宿主から親水性タンパク質を抽出することができる。
 配列番号1、2、3、6、8、10、12、13、15、16  アミノ酸配列
 配列番号4、5、7、9、11、14、17  塩基配列

Claims (9)

  1.  親水性組換えタンパク質を発現している宿主から親水性組換えタンパク質を抽出する方法であって、
     前記親水性組換えタンパク質を発現している宿主に溶解用溶媒を添加し、宿主細胞の溶解物を得る溶解物取得工程と、
     前記溶解物取得工程で得られた前記宿主細胞の溶解物に希釈用溶媒を添加し、得られた希釈液から不溶物を分離して、前記親水性組換えタンパク質を含む上清を回収する工程を含み、
     前記親水性組換えタンパク質はハイドロパシーインデックスが0以下であり、前記溶解用溶媒は非プロトン性極性溶媒であり、前記希釈用溶媒は水系溶媒であることを特徴とする親水性組換えタンパク質の抽出方法。
  2.  前記溶解用溶媒は、環状構造を有しない非プロトン性極性溶媒である請求項1に記載の親水性組換えタンパク質の抽出方法。
  3.  前記溶解用溶媒は、双極子モーメントが3.0D以上である請求項1又は2に記載の親水性組換えタンパク質の抽出方法。
  4.  前記溶解用溶媒は、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、及びN,N-ジメチルアセトアミドからなる群から選ばれる一種以上の非プロトン性極性溶媒である請求項1~3のいずれか1項に記載の親水性組換えタンパク質の抽出方法。
  5.  前記溶解用溶媒は、前記非プロトン性極性溶媒に無機塩を添加したものである請求項1~4のいずれか1項に記載の親水性組換えタンパク質の抽出方法。
  6.  前記希釈用溶媒は、(1)水、(2)水とエタノールの混合液、及び(3)水溶性緩衝液からなる群から選ばれる一種の水系溶媒である請求項1~5のいずれか1項に記載の親水性組換えタンパク質の抽出方法。
  7.  前記溶解用溶媒は、前記宿主の質量に対して、体積(mL)/質量(g)比として、0.5倍以上添加する請求項1~6のいずれか1項に記載の親水性組換えタンパク質の抽出方法。
  8.  前記希釈用溶媒は、前記宿主細胞の溶解物に対して、体積比として、0.5倍以上添加する請求項1~7のいずれか1項に記載の親水性組換えタンパク質の抽出方法。
  9.  前記親水性タンパク質は、組換えクモ糸タンパク質、組換えレシリン、及び組換えコラーゲンからなる群から選ばれる一つのタンパク質である請求項1~8のいずれか1項に記載の親水性組換えタンパク質の抽出方法。
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