WO2014007297A1

WO2014007297A1 - 被覆電線付きコネクタ端子及び被覆電線付きコネクタ端子の止水方法

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Publication number: WO2014007297A1
Application number: PCT/JP2013/068279
Authority: WO
Inventors: 慶佐藤; 晋司 ▲児▼玉
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2012-07-03
Filing date: 2013-07-03
Publication date: 2014-01-09
Also published as: KR20150017369A; DE112013003361T5; US20150111424A1; JP5965751B2; US9667011B2; US9673586B2; CN104428951A; US20150123306A1; JP2014013657A

Abstract

　電線（１１）の外被（１３）から露出された芯線（１２）に圧着されたバレル部（２１）と、相手方端子と接続するためのタブ端子部（３１）と、バレル部（２１）とタブ端子部（３１）とに連設された連結板部（２４）と、連結板部（２４）の側面に塗布されたプライマー材（２５）と、連結板部（２４）、バレル部（２１）及び電線（１１）の外被（１３）を覆う、樹脂から形成される樹脂モールド部（４１）と、を備える。

Description

被覆電線付きコネクタ端子及び被覆電線付きコネクタ端子の止水方法

　本発明は、被覆電線の端部に接続された被覆電線付きコネクタ端子及び被覆電線付きコネクタ端子の止水方法に関する。

　従来より、被覆電線の端部に接続されるコネクタ端子に防水性を持たせるための成形金型が知られている。この成形金型には、上下型に空洞のモールド部が設けられ、このモールド部に端末接続部がセットされる。この端末接続部は、端子金具が圧着された状態の被覆電線の先端部を指す。成形金型のモールド部に溶融状態のモールド樹脂を射出注入することによって、端末接続部が被覆成形される（特許文献１参照）。

日本国特開２００１－１６２６４７号公報

　ところで、端末接続部を被覆する樹脂は、止水性を確保するために、絶縁樹脂材料からなる被覆電線の外被に密着するだけでなく、金属材料からなるコネクタ端子にも密着する必要がある。このため、端末接続部をモールドする樹脂には、金属材料への密着性に優れたものを用いるのが好ましい。

　しかし、金属材料への密着力の強い樹脂を用いると、端末接続部をモールドする際に、樹脂が金型にも密着してしまう。このため、モールドされた端末接続部を金型から取り出すときにその端末接続部が破損する可能性を考慮する必要がある。このように、金属材料への密着力の強さが、簡便な端末接続部の被覆成形の妨げになるかもしれない。

　本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易に成形でき、しかも優れた止水効果を確保することができる被覆電線付きコネクタ端子及び被覆電線付きコネクタ端子の止水方法を提供することにある。

　前述した目的を達成するために、本発明に係る被覆電線付きコネクタ端子は、下記（１）及び（２）を特徴としている。
（１）　被覆電線の一端部の外被から露出された導体に圧着されたバレル部と、
　相手方端子と電気的に接続するための端子部と、
　前記バレル部と前記端子部との間に形成され且つ前記バレル部と前記端子部と連なる連結板部と、
　前記連結板部に塗布された接着材と、
　前記連結板部、前記バレル部及び前記外被を覆うように形成された樹脂モールド部と、
　を備えること。
（２）　上記（１）の構成の被覆電線付きコネクタ端子であって、
　前記連結板部は、底壁と、前記底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁と、を有し、
　前記接着材は、前記連結板部の面のうちの、底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに塗布されていること。

　上記（１）の構成の被覆電線付きコネクタ端子では、連結板部に接着材が塗布されている。このため、樹脂モールド部を形成するための樹脂材料として金属材料への密着力が強いものを用いなくても、被覆電線付きコネクタ端子の連結板部と樹脂モールド部とが接着材を介して確実に密着し止水性を高めることができる。これにより、金属材料への密着力が弱い樹脂を用いることで、金型によって樹脂モールド部を成形する際の金型への樹脂の密着を抑制することができる。よって、樹脂モールド部を円滑かつ容易に成形することができる。
　上記（２）の構成の被覆電線付きコネクタ端子では、連結板部の面のうちの底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに接着材が塗布されている。このため、樹脂モールド部の端子部側に位置する縁部が確実に連結板部に密着するので、樹脂モールド部内への水の浸入を確実に防止することができる。

　また、上述した目的を達成するために、本発明に係る被覆電線付きコネクタ端子の止水方法は、下記（３）および（４）を特徴としている。
（３）　被覆電線の一端部の外被から露出された導体に圧着されたバレル部と、相手方端子と電気的に接続するための端子部と、前記バレル部と前記端子部との間に形成され且つ前記バレル部と前記端子部と連なる連結板部と、を備えた金属材料から形成される被覆電線付きコネクタ端子の止水方法であって、
　前記連結板部に接着材を塗布する接着材塗布工程と、
　前記被覆電線付きコネクタ端子を金型に配置して前記連結板部、前記バレル部及び前記外被の周囲に射出空間を形成し、該射出空間へ樹脂を注入して前記連結板部、前記バレル部及び前記外被を樹脂モールド部で覆うモールド部成形工程と、
　を含むこと。
（４）　上記（３）の構成の被覆電線付きコネクタ端子の止水方法であって、
　前記接着材塗布工程において、底壁と、前記底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁とを有する前記連結板部の面のうちの、底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに前記接着材を塗布すること。

　上記（３）の構成の被覆電線付きコネクタ端子の止水方法では、連結板部に接着材を塗布し、その後、樹脂モールド部を成形する。このため、樹脂モールド部を形成するための樹脂材料として金属材料への密着力が強いものを用いなくても、被覆電線付きコネクタ端子の連結板部と樹脂モールド部とが接着材を介して確実に密着して高い止水性を有する被覆電線付きコネクタ端子とすることができる。また、金属材料への密着力が弱い樹脂を用いることで、金型によって樹脂モールド部を成形する際の金型への樹脂の密着を抑制することができる。よって、樹脂モールド部を円滑かつ容易に成形することができる。
　上記（４）の構成の被覆電線付きコネクタ端子では、連結板部の面のうちの底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに接着材が塗布されている。このため、樹脂モールド部の端子部側に位置する縁部が確実に連結板部に密着するので、樹脂モールド部内への水の浸入を確実に防止することができる。

　本発明によれば、容易に成形でき、しかも優れた止水効果を確保することができる被覆電線付きコネクタ端子及び被覆電線付きコネクタ端子の止水方法を提供できる。

　以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態（以下、「実施形態」という。）を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。

図１は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子及び被覆電線付きコネクタ端子が収容されるコネクタハウジングの斜視図である。図２は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の断面図である。図３は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の後端側から視た斜視図である。図４は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の先端側から視た斜視図である。図５は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の側面図である。図６は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の樹脂モールド部の成形前における後端側から視た斜視図である。図７は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の樹脂モールド部の成形前における側面図である。図８は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の一部の断面図である。図９は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の一部の斜視図である。図１０は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の裏面側から視た一部の斜視図である。図１１は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の側面図である。図１２は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の側面図である。図１３は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の側面図である。図１４は、変形例に係る被覆電線付きコネクタ端子の側面図である。図１５は、変形例に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の側面図である。

　以下、本発明に係る実施形態の例を、図面を参照して説明する。

　図１は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子及び被覆電線付きコネクタ端子が収容されるコネクタハウジングの斜視図、図２は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の断面図、図３は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の後端側から視た斜視図、図４は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の先端側から視た斜視図、図５は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の側面図、図６は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の樹脂モールド部の成形前における後端側から視た斜視図、図７は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の樹脂モールド部の成形前における側面図、図８は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子の一部の断面図である。

　図１に示すように、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子１０は、被覆電線１１に接続されている。この被覆電線付きコネクタ端子１０は、コネクタハウジング１に形成された複数の端子収容室２のいずれか１つに挿し込まれて収容される。そして、このコネクタハウジング１を相手側のコネクタハウジングと接続することで、被覆電線付きコネクタ端子１０が相手側のコネクタ端子と接続される。

　図２から図７に示すように、被覆電線付きコネクタ端子１０は、銅または銅合金等の導電性金属材料を、例えば、プレス加工することにより形成されたものである。被覆電線付きコネクタ端子１０は、バレル部２１、連結板部２４及びタブ端子部（端子部）３１を有している。これらのバレル部２１、連結板部２４及びタブ端子部（端子部）３１を有する被覆電線付きコネクタ端子１０には、その表面に錫メッキが施されている。他方、被覆電線付きコネクタ端子１０に接続される被覆電線１１は、芯線（導体）１２と、この芯線１２の周囲に押出し被覆された外被１３とを有している。この被覆電線１１の外被１３は、ハロゲンフリーの樹脂によって形成されている。

　バレル部２１は、芯線圧着部２２と、外被圧着部２３と、を有している。芯線圧着部２２は、底壁と、被覆電線付きコネクタ端子１０の長手方向とは交差する方向に位置する該底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁と、によって構成される。被覆電線１１の端部で露出する芯線１２は、芯線圧着部２２の側壁によって加締められる。これにより、芯線１２に芯線圧着部２２が圧着され、被覆電線１１の芯線１２と被覆電線付きコネクタ端子１０のバレル部２１とが接続される。また、外被圧着部２３は、底壁と、被覆電線付きコネクタ端子１０の長手方向とは交差する方向に位置する該底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁と、によって構成される。被覆電線１１の端部における外被１３は、外被圧着部２３の側壁によって加締められる。これにより、外被１３に外被圧着部２３が圧着され、被覆電線１１の外被１３に被覆電線付きコネクタ端子１０が固定される。また、芯線圧着部２２と外被圧着部２３との間には、繋ぎ板部が位置している。繋ぎ板部は、芯線圧着部２２の底壁及び外被圧着部２３の底壁にそれぞれ連続する底壁と、芯線圧着部２２の側壁の下半部及び外被圧着部２３の側壁の下半部にそれぞれ連続する側壁とによって構成される。芯線圧着部２２及び外被圧着部２３は、繋ぎ板部を介して連結されている。

　また、タブ端子部３１は、相手方端子のタブが接続される部分であり、箱形状に形成される。タブ端子部３１は、底壁と、被覆電線付きコネクタ端子１０の長手方向とは交差する方向に位置する該底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁とによって構成される。タブ端子部３１は、側壁の上半部を底壁に向かって折り曲げ、２つの側壁を重ね合わせることによって、天井壁が形成される。こうしてタブ端子部３１は、底壁、２つの側壁及び天井壁によって４面が形成された箱形状となる。このタブ端子部３１に相手方端子のタブを接続することにより、被覆電線付きコネクタ端子１０と相手方端子とが電気的に接続される。尚、本実施形態では、被覆電線付きコネクタ端子１０が、箱型形状のタブ端子部３１を有する構成について説明するが、被覆電線付きコネクタ端子１０の相手方端子と接続される端子部には、オス型形状、メス型形状、またはＬＡ端子（アース端子）等の各種形状を適用することができる。

　連結板部２４は、バレル部２１とタブ端子部３１の間に形成され、且つバレル部２１とタブ端子部３１と連なる。連結板部２４は、芯線圧着部２２の底壁及びタブ端子部３１の底壁にそれぞれ連続する底壁と、芯線圧着部２２の側壁の下半部及びタブ端子部３１の側壁の下半部にそれぞれ連続する側壁とによって構成される。バレル部２１及びタブ端子部３１は、連結板部２４を介して連結されている。

　図８に示すように、芯線圧着部２２に圧着された被覆電線１１の芯線１２は、その先端が連結板部２４上に位置している。連結板部２４は、連結板部２４の底壁と被覆電線１１の芯線１２の先端とが接触した状態で、後述する樹脂モールド部４１によって覆われている。連結板部２４の面のうちの底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面、及び側壁の外面には、プライマー材（接着材）２５が塗布されている（図９及び図１０参照。）。このプライマー材２５は、絶縁性を有する合成樹脂からなるもので、金属材料から形成される被覆電線付きコネクタ端子１０及び樹脂材料から形成される被覆電線１１の外被１３に対する接着力に優れている。プライマー材２５は、例えば、ポリプロピレン系の樹脂が用いられる。

　被覆電線付きコネクタ端子１０は、樹脂モールド部４１をさらに備えている。この樹脂モールド部４１は、熱可塑性エラストマー材などの絶縁性を有する合成樹脂を射出成形することにより形成されたものである。樹脂モールド部４１を形成する樹脂材料としては、例えば、被覆電線１１の外被１３と同一材料が用いられる。樹脂モールド部４１は、図２から図５に示すように、バレル部２１、連結板部２４、及び被覆電線１１の外被１３を覆うように形成されている。樹脂モールド部４１は、該樹脂モールド部４１のうちのタブ端子部３１側に位置する、連結板部２４に面した縁部４１ａが、プライマー材２５が塗布された連結板部２４の面のうちの底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面にプライマー材２５を介して確実に密着される。このようにして、被覆電線付きコネクタ端子１０は、芯線１２に圧着されたバレル部２１、連結板部２４及び被覆電線１１の外被１３が樹脂モールド部４１によって覆われて止水されている。

　次に、樹脂モールド部４１を成形して被覆電線付きコネクタ端子１０を止水する方法について説明する。
　図９は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の一部の斜視図、図１０は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の裏面側から視た一部の斜視図、図１１は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の側面図、図１２は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の側面図、図１３は、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子に対する止水方法を説明する被覆電線付きコネクタ端子の側面図である。

　上記の被覆電線付きコネクタ端子１０に被覆電線１１を接続するには、まず、被覆電線１１の端部における外被１３を切断して除去し、芯線１２を露出する（電線露出工程）。

　次に、バレル部２１における芯線圧着部２２及び外被圧着部２３を加締めて、被覆電線１１の芯線１２に芯線圧着部２２を、外被１３に外被圧着部２３を、それぞれ圧着する（電線圧着工程）。これにより、被覆電線１１の芯線１２と被覆電線付きコネクタ端子１０とが接続される。

　その後、図９から図１１に示すように、連結板部２４の一部にプライマー材２５を塗布する（接着材塗布工程）。図９から図１１では、連結板部２４の側面全周、すなわち、連結板部２４の面のうちの底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面にプライマー材２５を塗布している。尚、図９から図１１において、プライマー材２５が塗布された箇所に、ハッチングを記載している。

　次に、図１２に示すように、被覆電線付きコネクタ端子１０を覆うように、下金型（金型）５１及び上金型（金型）５２を互いに突き合わせる。このようにすると、バレル部２１、連結板部２４及び被覆電線１１の外被１３の周囲に射出空間Ｓが形成される。この状態において、図１３に示すように、ゲート（図示略）から射出空間Ｓへ樹脂Ｒを注入してバレル部２１、連結板部２４及び被覆電線１１の外被１３を樹脂Ｒからなる樹脂モールド部４１で覆う（モールド部成形工程）。

　所定時間の経過後、樹脂Ｒが硬化したら、下金型５１と上金型５２とを離間させ、バレル部２１、連結板部２４及び被覆電線１１の外被１３が樹脂モールド部４１によって覆われた被覆電線付きコネクタ端子１０を脱型する（脱型工程）。このように成形された被覆電線付きコネクタ端子１０は、樹脂モールド部４１のタブ端子部３１側に位置する縁部４１ａがプライマー材２５を介して連結板部２４の底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面に密着している。

　これにより、連結板部２４が樹脂モールド部４１によって確実に止水された状態となる。

　以上、説明したように、本実施形態に係る被覆電線付きコネクタ端子及びその止水方法によれば、連結板部２４にプライマー材２５を塗布し、その後、樹脂モールド部４１を成形する。このため、樹脂モールド部４１の樹脂Ｒの材料として金属材料への密着力が強いものを用いなくても、被覆電線付きコネクタ端子１０の連結板部２４と樹脂モールド部４１とがプライマー材２５を介して確実に密着することができる。この結果、高い止水性を有する被覆電線付きコネクタ端子１０とすることができる。また、金属材料への密着力が弱い樹脂を用いることで、金型によって樹脂モールド部４１を成形する際の下金型５１及び上金型５２への樹脂の密着を抑制することができる。よって、樹脂モールド部４１を円滑かつ容易に成形することができる。

　このように、連結板部２４を樹脂モールド部４１で確実に密閉し、高い耐食性を長期的に確保することができるので、次の効果が見込める。すなわち、例えば、芯線１２がアルミニウムの被覆電線１１を接続する場合のように、銅または銅合金とアルミニウムとの異種金属同士の接続であっても、これらの金属が接触する接続箇所が被水することによる異種金属接触腐食などの電食を防止することができる。

　なお、上記実施形態では、連結板部２４の側面全周にプライマー材２５を塗布する形態について説明した。プライマー材２５を塗布する箇所はこれに限られるものではない。連結板部２４の面のうちの、底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに塗布するようにしてもよい。

　また、バレル部２１にプライマー材２５を塗布する形態としてもよい。図１４に示すように、バレル部２１の全体を覆うことなく、バレル部２１における下面側を除く部分を覆うように樹脂モールド部４１を成形する場合がある。この場合、図１５に示すように、バレル部２１の芯線圧着部２２、外被圧着部２３及び及び繋ぎ板部の側壁の外面にプライマー材２５を塗布するのが好ましい。

　このようにすると、樹脂モールド部４１を成形した際に、その樹脂モールド部４１がプライマー材２５を介してバレル部２１の芯線圧着部２２、外被圧着部２３及び繋ぎ板部に強固に密着することとなり、良好な止水性を確保することができる。

　尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。

　ここで、上述した本発明に係る被覆電線付きコネクタ端子及び被覆電線付きコネクタ端子の止水方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下［１］～［４］に簡潔に纏めて列記する。
［１］　被覆電線（１１）の一端部の外被（１３）から露出された芯線（１２）に圧着されたバレル部（２１）と、
　相手方端子と電気的に接続するための端子部（タブ端子部３１）と、
　前記バレル部（２１）と前記端子部（タブ端子部３１）との間に形成され且つ前記バレル部（２１）と前記端子部（タブ端子部３１）と連なる連結板部（２４）と、
　前記連結板部（２４）に塗布された接着材（プライマー材２５）と、
　前記連結板部（２４）、前記バレル部（２１）及び前記外被（１３）を覆うように形成された樹脂モールド部（４１）と、
　を備える被覆電線付きコネクタ端子。
［２］　前記連結板部（２４）は、底壁と、前記底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁と、を有し、
　前記接着材（プライマー材２５）は、前記連結板部（２４）の面のうちの、底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに塗布されている［１］に記載の被覆電線付きコネクタ端子。
［３］　被覆電線（１１）の一端部の外被（１３）から露出された芯線（１２）に圧着されたバレル部（２１）と、相手方端子と電気的に接続するための端子部（タブ端子部３１）と、前記バレル部（２１）と前記端子部（タブ端子部３１）との間に形成され且つ前記バレル部（２１）と前記端子部（タブ端子部３１）と連なる連結板部（２４）と、を備えた金属材料から形成される被覆電線付きコネクタ端子の止水方法であって、
　前記連結板部（２４）に接着材（プライマー材２５）を塗布する接着材塗布工程と、
　前記被覆電線付きコネクタ端子を金型に配置して前記連結板部（２４）、前記バレル部（２１）及び前記外被（１３）の周囲に射出空間を形成し、該射出空間へ樹脂を注入して前記連結板部（２４）、前記バレル部（２１）及び前記外被（１３）を樹脂モールド部（４１）で覆うモールド部成形工程と、
　を含む被覆電線付きコネクタ端子の止水方法。
［４］　前記接着材塗布工程において、底壁と、前記底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁とを有する前記連結板部（２４）の面のうちの、底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに前記接着材（プライマー材２５）を塗布する［３］に記載の被覆電線付きコネクタ端子の止水方法。

　本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

　本出願は、2012年7月3日出願の日本特許出願（特願2012－149674）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本発明のコネクタ端子は、容易に成形でき、しかも優れた止水効果を確保することができる。このため、本発明は、ケーブルの端部に接続されるコネクタ端子及びコネクタ端子の止水方法の分野において有用である。

１０　コネクタ端子
１１　電線
１２　芯線（導体）
１３　外被
２１　バレル部
２５　プライマー材（接着材）
３１　タブ端子部（端子部）
４１　樹脂モールド部
４１ａ　縁部
５１　下金型（金型）
５２　上金型（金型）
Ｒ　樹脂
Ｓ　射出空間

Claims

　被覆電線の一端部の外被から露出された導体に圧着されたバレル部と、
　相手方端子と電気的に接続するための端子部と、
　前記バレル部と前記端子部との間に形成され且つ前記バレル部と前記端子部と連なる連結板部と、
　前記連結板部に塗布された接着材と、
　前記連結板部、前記バレル部及び前記外被を覆うように形成された樹脂モールド部と、
　を備える被覆電線付きコネクタ端子。
　前記連結板部は、底壁と、前記底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁と、を有し、
　前記接着材は、前記連結板部の面のうちの、底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに塗布されている請求項１に記載の被覆電線付きコネクタ端子。
　被覆電線の一端部の外被から露出された導体に圧着されたバレル部と、相手方端子と電気的に接続するための端子部と、前記バレル部と前記端子部との間に形成され且つ前記バレル部と前記端子部と連なる連結板部と、を備えた金属材料から形成される被覆電線付きコネクタ端子の止水方法であって、
　前記連結板部に接着材を塗布する接着材塗布工程と、
　前記被覆電線付きコネクタ端子を金型に配置して前記連結板部、前記バレル部及び前記外被の周囲に射出空間を形成し、該射出空間へ樹脂を注入して前記連結板部、前記バレル部及び前記外被を樹脂モールド部で覆うモールド部成形工程と、
　を含む被覆電線付きコネクタ端子の止水方法。
　前記接着材塗布工程において、底壁と、前記底壁の両端それぞれから対向するように起立する側壁とを有する前記連結板部の面のうちの、底壁の内面、底壁の外面、側壁の内面及び側壁の外面の少なくとも１つに前記接着材を塗布する請求項３に記載の被覆電線付きコネクタ端子の止水方法。