WO2013161161A1 - 電気機器の洗浄装置 - Google Patents

Abstract

　電気機器の洗浄装置は、電気機器の要洗浄部を受けるための洗浄ボールと、洗浄ボール内に供給される洗浄液を貯めるための容器と、この容器内の洗浄液を洗浄ボールに供給するための洗浄液供給装置と、洗浄ボール内の洗浄液を容器に戻すための排出経路と、洗浄ボールを支持するための支持枠とを含む。洗浄ボールは支持枠よりも小さい弾性率を有する。

Description

電気機器の洗浄装置

　本発明は、電気かみそりや脱毛器のような定期的に洗浄を必要とする電気機器用の洗浄装置に関するものである。

　例えば、日本国特許番号３６５２３９３（米国特許番号５，７１１，３２８）は洗浄装置を開示する。この洗浄装置は、ひげそり装置のひげそりヘッドを受けるためのクレードル構造と、洗浄液容器と、この洗浄液容器からの洗浄液をクレードル構造に供給するための供給装置とを含む。クレードル構造は、クレードル構造への洗浄液の供給の間、洗浄液容器内の洗浄液の液面レベル上方に配置される。クレードル構造は、オーバーフロー装置及び／又は出口ポートを介して洗浄液容器に接続されている。

　この種の洗浄装置では、クレードル構造を例えば合成樹脂から作ると、洗浄効果を高めるために洗浄中にひげそり装置を作動させる場合、ひげそり装置の振動がクレードル構造から洗浄装置に伝搬する。その結果、洗浄装置そのものが発する振動・騒音が大きくなる課題がある。

　本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、振動・騒音を低減することができる電気機器用の洗浄装置を提供することを課題とする。

　本発明にかかる電気機器用の洗浄装置（１）は、電気機器（Ｅ）の要洗浄部（Ｅａ）を受けるための洗浄ボール（５）と、上記洗浄ボール（５）内に供給される洗浄液を貯めるための容器（７）と、この容器（７）内の洗浄液を上記洗浄ボール（５）に供給するように構成される洗浄液供給装置（Ｐ）と、上記洗浄ボール（５）内の洗浄液を上記容器（７）に戻すための排出経路（Ｃ１）と、上記洗浄ボール（５）を支持するための支持枠（１３）とを備える。上記洗浄ボール（５）は支持枠（１３）よりも小さい弾性率を有する。

　一実施形態において、上記洗浄ボール（５）の上縁外周部（５０）が上記支持枠（１３）に支持され、上記洗浄ボール（５）は支持枠（１３）から吊り下げられている。

　一実施形態において、洗浄装置（１）は、上記洗浄ボールの下面を受ける支持部材（１２）を更に備えている。

　一実施形態において、上記洗浄ボール（５）は上記排出経路（Ｃ１、１２６）に直接接続される水密型接続部（５６）を備えている。

　一実施形態において、上記洗浄ボール（５）は、洗浄ボール（６）内の洗浄液のオーバーフロー分を、上記容器（７）に戻すためのオーバーフロー排水口（５７）と、このオーバーフロー排水口（５７）に至る傾斜面（５３ａ）と、排水路（５１０）とを備えている。排水路（５１０）の一端は上記傾斜面（５３ａ）に接続され、排水路（５１０）の他端は洗浄装置（１）外に通じる。

　一実施形態において、上記洗浄ボール（５）の支持枠（１３）による被支持部（５０）は、洗浄ボール（５）の上方に配されている部材（２）と前記支持枠（１３）との間で水密固定されている。その部材（２）は、上記洗浄ボール（５）よりも大きな弾性率を有している。一実施形態において、上記洗浄ボール（５）の上方に配されている部材（２、２２）は、洗浄ボール（５、５１）と水平方向において接触又は近接している。一実施形態において、上記洗浄ボール（５）の上方に配されている部材（２、２２）は、洗浄ボール（５、５１）と鉛直方向において接触している。

　本発明においては、洗浄ボールがこの洗浄ボールを支持する支持枠よりも弾性率が小さいために、洗浄中に電気機器を動作させても電気機器から伝搬する振動を緩和することができる。また、電気機器を洗浄装置に装着する際に傷つくことを防止することができる。

　本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に記述する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記述および添付図面に関連して一層良く理解されるものである。
本発明の一実施形態による、電気機器の洗浄装置の側面カバーを外した状態の横断面図である。 電気機器の要洗浄部を受ける洗浄装置の斜視図である。 同上の縦断面図である。 同洗浄装置の本体側を引き上げた状態の斜視図である。 同洗浄装置の要部の分解斜視図である。 同洗浄装置上の要部の分解斜視図である。 同洗浄装置上の要部の断面図である。 同洗浄装置上の要部の拡大断面図である。 同上の天面カバーとサポート台と側面カバー及び前面カバーを外した状態の洗浄装置の斜視図である。 同上の天面カバー及びサポート台を外した状態の洗浄装置の平面図である。 図１０中のＮ－Ｎ線の断面図である。 図１０中のＬ－Ｌ線の断面図である。 同洗浄装置の洗浄ボールの側面図である。 同洗浄ボールの平面図である。 同洗浄ボールの斜視図である。 同洗浄装置の容器とフィルター枠の分解斜視図である。 同容器とフィルター枠の斜視図である。 図１８Ａ及び１８Ｂは夫々同容器とフィルター枠の縦断面図と横断面図である。 図１９Ａ～１９Ｄは同フィルター枠を示すもので、図１９Ａは平面図、図１９Ｂは背面図、図１９Ｃは側面図、図１９Ｄは底面図である。

　以下本発明を図示実施例に基づいて詳述する。図１及び２に示すように、洗浄装置１は、電気かみそり（例えば往復式電気かみそり）などのパーソナル・ケア装置である（小型）電気機器Ｅの要洗浄部（例えば刃ヘッド部Ｅａ）を洗浄するための装置である。洗浄装置１は、電気機器Ｅを倒立させた状態でその刃ヘッド部Ｅａを差し込むための開口部２０を上面に備えている。図３に示すように、開口部２０は、洗浄装置１における第１の方向の第１の側（図３では左右方向の左側）に配置され、例えば、第１の方向は洗浄装置１の前後方向を定め、第１の方向の第１の側は洗浄装置１の正面側を定める。

　洗浄装置１は、図３に示すように、その内部に洗浄ボール５（図６）と、洗浄液を蓄えるための容器７（図４及び１７）と、洗浄液を容器７と洗浄ボール５との間で循環させるためのポンプＰと、洗浄後の刃ヘッド部Ｅａを乾燥させるためのヒータユニットＨ及びモータファンＦ（図５及び１２）を備え、さらに上部後方側には電気機器Ｅとの間の電気的接続用の接続部を備えるサポート部Ｓを有している。

　図３及び４に示すように、洗浄液を入れた容器７を洗浄装置１にセットし、開口部２０を通じて洗浄ボール５内に電気機器Ｅの刃ヘッド部Ｅａを位置させると同時に、サポート部Ｓの接続部で電気機器Ｅと洗浄装置１とを電気的に接続し、この状態でポンプＰを作動させれば、ポンプＰが容器７内の洗浄液を洗浄ボール５内に供給する。詳しくは、図５及び９に示すように、ベース基台１２（支持部材）は、容器７の上部の開口に配置される。図３に示すように、ポンプＰは、ベース基台１２から容器７内の下方に突出し、洗浄ボール５の底側と容器７の底側に連通される接続管１２６を含む。容器７内の洗浄液は、ポンプＰの接続管１２６を通じて洗浄ボール５内に供給される。洗浄ボール５に設けた越流堰５４を超えた洗浄液は洗浄ボール５の下方に位置する容器７内に戻る。図５、１０及び１７に示すように、接続管１２７，１２８がベース基台１２から容器７内の下方に突出され、越流堰５４を超えた洗浄液は、接続管１２７，１２８を通じて容器７内に戻される。洗浄中は上記接続部を通じた給電及び信号の送信によって電気機器Ｅにおける刃ヘッド部Ｅａを作動させることで、刃ヘッド部Ｅａの洗浄をより迅速に且つ効果的に行うことができる。

　次に洗浄装置１の各部について図５及び６に基づき詳述する。洗浄装置１は、底板１１と、この底板１１に対して上下動が可能なベース基板１２、ベース基板１２上に設置される支持枠１３、支持枠１３の上縁によって四周上縁が支持される洗浄ボール５、開口部２０を備える天面カバー２、前記接続部が取り付けられるサポート台６、側面を覆う側面カバー１５、前面に配される前面カバー１６等からなる。本実施形態では、底板１１、ベース基板１２、支持枠１３、天面カバー２、サポート台６、側面カバー１５、及び前面カバー１６の各々は、例えばＡＢＳ（acrylonitrile‐butadiene‐styrene）などの樹脂製である。

　底板１１はその左右両側から夫々ガイド支柱１１０，１１０を立設しており、ベース基板１２はこのガイド支柱１１０に沿って上下動自在となっている。また、ガイド支柱１１０，１１０内に夫々配されたばね１１２，１１２を備える押し上げ棒１１１，１１１により、ベース基板１２は上方に向けて付勢されている。

　ベース基板１２上にはスイッチプレート３１が左右にスライド自在に配されている。スイッチプレート３１は、ばね３２によって一方向に付勢され、スイッチプレート３１の一端は、側面カバー１５から外部に露出されている。スイッチプレート３１は、ガイド支柱１１０，１１０上端に形成されたフック部１１５，１１５との係合部を備えている。ばね３２の付勢に抗してスイッチプレート３１を押し込めば、スイッチプレート３１はフック部１１５，１１５との係合が外れるために、ベース基板１２はばね１１２，１１２の付勢を受けて上動する。ベース基板１２を下方に押し込めば、フック部１１５，１１５にスイッチプレート３１が再係合するために、ベース基板１２は押し下げられた状態を保持する。

　図３及び５に示すように、ベース基板１２は、下方に突出する筒状のモータカバー部１２０を備えて、モータカバー部１２０内にモータケース１２１を介してモータＭを収容している。図１２にも示すように、モータカバー部１２０の底面よりＭ字型シール１２２を介して下方に突出するモータ出力軸には、羽根車１２３が取り付けられ、羽根車１２３の周囲は底部中央部に開口を有するポンプカバー１２４が取り付けられている。なお、羽根車１２３が回転する時、ポンプカバー１２４の開口から吸引された洗浄液は、モータカバー部１２０に一体に設けた接続管１２６を通じて洗浄ボール５の後述する給排水口５６へと送られる。本実施形態では、モータＭ、モータカバー部１２０、モータケース１２１、シール１２２、羽根車１２３、ポンプカバー１２４及び接続管１２６が、ポンプＰ（洗浄液供給装置）を構成する。

　図３及び５に示すように、モータカバー部１２０の外周側（後ろ側）には、３本の水位検知ピン２４，２５，２６を配設してある。容器７内の洗浄液中に浸漬することになるこれら３本の水位検知ピン２４，２５，２６は、これらの間の電気抵抗値によって洗浄液の水位を検知する。つまりは洗浄液が導電性を有するために水位検知ピン２４，２５間、及び水位検知ピン２４，２６間に洗浄液がない時は電気抵抗値が所定の値より大きくなることを利用して水位を検知する。

　ここで水位検知ピン２４、２５，２６のうち、水位検知ピン２４の下端位置が最も低く、水位検知ピン２５，２６の下端位置も高さを異ならせているために、２段階の洗浄液水位、例えば洗浄液の残量が少なくなってきた時と、洗浄液を循環させて洗浄動作させるのに必要な量よりも少なくなった時（洗浄が不能となる時）とを検知することができる。なお、水位検知ピン２４の下端を他の２つの水位検知ピン２５，２６よりも更に低いところに位置させているのは、洗浄装置１を傾斜面に設置した時の検知余裕を持たすためである。

　図５、９及び１５に示すように、ベース基板１２上には支持枠１３を介して洗浄ボール５が配設される。洗浄ボール５は、弾性率が支持枠１３よりも小さい軟質材、たとえばゴムによって形成される。洗浄ボール５は、折り返し部５０（上縁外周部、被支持部）を含み、これは、洗浄ボール５の上縁から外周側に突出して、折り返し部５０の先端が下方側に折り返されている。図８に示すように、折り返し部５０を支持枠１３上縁に被せ、洗浄ボール５に天面カバー２を組み付ければ、天面カバー２の下縁に設けたリブ２２が洗浄ボール５の上縁の天面に設けられている溝５１に嵌り込む。天面カバー２と支持枠１３との間で洗浄ボール５の上縁が鉛直方向において圧縮されるものであり、またリブ２２と溝５１の内壁とが水平方向において接触してこの部分の防水が保たれるものである。

　なお、支持枠１３によって吊り下げられた洗浄ボール５の上縁部の防水を鉛直方向に圧縮するだけで行う場合、高い精度は必要としないものの、防水する面積が大きくなるにつれて圧縮に必要な力が大きくなる。水平方向の接触で防水を行う場合は、大きな力は必要としないものの、左右方向の位置精度が重要となる。このために、ここでは両方を併用することで、防水の確保を容易となるようにしている。

　洗浄ボール５は、図１３～図１５にも示すように、洗浄ボール５の内部を２つの部分（例えば前凹部と後凹部）に分ける越流堰５４を含む。本実施形態では、洗浄ボール５は、越流堰５４の前部側の前凹部として、洗浄部５２を有し、越流堰５４の後部側の後凹部として、オーバーフロー部５３を有する。図３及び１４に示すように、洗浄部５２は電気機器Ｅの刃ヘッド部Ｅａを収める部分で、越流堰５４側の壁面に一体に設けたリブ５５、洗浄ボール５の内面に配置されるヘッドガイド３５の支持部３６との間で刃ヘッド部Ｅａの前後方向の位置決めを行う。図１５に示すように、洗浄ボール５の底面には複数条の凸帯５９が設けられており、この凸帯５９によって刃ヘッド部Ｅａは底面から少し浮かされた状態で支持される。

　図３、１３及び１４に示すように、洗浄ボール５は、洗浄部５２の最低部に給排水口５６を備え、オーバーフロー部５３に２つの排水口５７，５８を備えている。図５、１２及び１４に示すように、給排水口５６は、ベース基台１２に設けられた接続管１２６を介してポンプＰに接続される。このように、給排水口５６及びポンプＰ（詳しくは、接続管１２６、ポンプカバー１２４及びポンプカバー１２４の開口）が、単一の経路Ｃ１を構成する。換言すると、容器７内の洗浄液を洗浄ボール５に供給するための供給経路（開口から給排水口５６への経路）と、洗浄ボール５内の洗浄液を容器７に排出するための排出経路（給排水口５６から開口への経路）が、単一の経路Ｃ１を構成する。制御部は、図５に示す制御回路基板２１などで構成され、容器７内の洗浄液を洗浄ボール５に供給するとき、容器７内の洗浄液をポンプカバー１２４の開口から給排水口５６への方向に流すように、モータＭを通じて羽根車１２３を第１回転方向に駆動する。

　図５、１０及び１１に示すように、排水口５７，５８は、夫々ベース基台１２に設けられた接続管１２７，１２８に接続される。接続管１２７，１２８は洗浄液を蓄える容器７の直上に位置し、排水口５７，５８を通る排水は接続管１２７，１２８を通じて容器７に戻される。図１０及び１７に示すように、排水口５７（オーバーフロー排水口）を通る排水は、分流部８２側を通って、容器７（空間７ｂ）に戻される。排水口５８を通る排水は、容器７（空間７ｂ）に直接戻される。洗浄ボール５をゴムで形成しているために、給排水口５６（水密型接続部）と接続管１２６との接続、及び排水口５７，５８と接続管１２７，１２８との接続は、単に直接接続するだけで容易に防水を図ることができる。

　図１４及び１５に示すように、２つの排水口５７，５８のうち、上面開口部が低い位置にある排水口５７が洗浄液を循環させるための排水を担う。上面開口部が高く且つ排水口５７よりも越流堰５４から遠い位置にある排水口５８は、排水口５７が何らかの原因で詰まったりしてその機能を果たせなくなった際の非常用である。図７及び１５に示すように、オーバーフロー部５３の底面は、片側に位置する排水口５７に向かって下り傾斜している傾斜面５３ａとしてある。図５及び１４に示すように、越流堰５４、オーバーフロー部５３、排水口５７及び接続管１２７は、第１のオーバーフロー経路Ｃ２を構成する。越流堰５４、オーバーフロー部５３、排水口５８及び接続管１２８は、第２のオーバーフロー経路Ｃ３を構成する。

　図７に示すように、オーバーフロー部５３の近傍には、排水路５１０が設けられ、排水路５１０の一端が上記傾斜面５３ａに至り、排水路５１０の他端が洗浄装置外に通じている。この排水路５１０は、オーバーフロー部５３において目詰まりが発生して洗浄液が溢れそうになった時、洗浄液を洗浄装置１外へと排出して、内部の電子部品等が浸水故障することを防止する。

　図２及び６に示すように、洗浄ボール５の前縁の一側に設けた袋形状の壁体５００で囲まれた部分は、動作指示用のセレクト釦２９の配置用である。天面カバー２上に露出するセレクト釦２９の操作はスイッチ棒２９０を介してスイッチ基板２７（図５参照）のスイッチを駆動する。このために、セレクト釦２９で洗浄装置１の動作を指示することができ、この時、スイッチ基板２７に設けた動作表示用の表示ランプが導光板２８を介して天面カバー２上に指示に応じた表示を行う。なお、表示ランプには容器７内の水量表示用のものも設けている。

　図６に示すように、天面カバー２が有する背部カバー２３とサポート台６はサポート部Ｓを構成する。背部カバー２３によってサポート台６の背面側が覆われる。サポート台６は、ばね３７によって接点部支持部材３８を介して前方に向けて個別に付勢された複数の接点部３９を備える。接点部３９はサポート台６の前面よりも突出しない状態でサポート台６前面に露出する。

　接点部３９の上方には、電気機器Ｅの吸着用としての磁石４３とヨーク４４とが設置されている。図３に示すように、洗浄ボール５に刃ヘッド部Ｅａを嵌め込んだ時、電気機器Ｅは磁石４３による磁気吸着でサポート部Ｓに引きつけられ、電気機器Ｅが備える端子部Ｅｂが接点部３９に接触する。また、端子部Ｅｂが接点部３９をばね３７に抗して押し込むことで接点圧を確保する状態が保持される。なお、接点部３９と端子部Ｅｂとの接触により、電気機器Ｅへの給電や洗浄装置１から電気機器Ｅへの信号伝達が可能な状態となる。

　図６に示すように、サポート部Ｓ内に配されて、複数の接点部３９と接する本体検知板４２は、電気機器Ｅが装着されて接点部３９が後退した時に接点部３９から離れることで、電気機器Ｅが洗浄装置１に装着されたことを検出するためのものである。

　サポート台６の下部には背面側にモータファンＦが装着される吹き出し口６６が設けられている。この吹き出し口６６部分の下縁は、洗浄ボール５の後部上縁の上に載る。図１２に示すように、モータファンＦは洗浄装置１の背面に位置する吸込み口１５０から空気を吸い込み、吹き出し口６６から電気機器Ｅの刃ヘッド部Ｅａに向けて送風する。このためにモータファンＦの吹出し口６６は刃ヘッド部Ｅａに向かって上方から送風して乾燥できるように斜め下方に向けられており、さらに効率良く風向きを変えるための複数の整流板６７を備えている。

　図５及び１２に示すように、洗浄ボール５の洗浄部５２の裏面（下面）側には加熱のためのヒータユニットＨが設置されている。ヒータユニットＨは、ヒータ線とヒータ板、ヒータ基台、温度制御用の温度検出器と異常加熱時の保護部品とを備える（図示せず）。ヒータユニットＨは、ヒータ線からヒータ板、洗浄ボール５、洗浄ボール５の凸帯５９を通じて刃ヘッド部Ｅａに熱を伝達し、洗浄後の刃ヘッド部Ｅａの乾燥を促す。

　図９及び１２に示すように、ベース基台１２上に支持枠１３を介して洗浄ボール５及び天面カバー２が組み付けられる。図２に示すように、図９に示す要部の外周を囲むように側面カバー１５と前面カバー１６とが取り付けられる。従って、底板１１に対してベース基台１２を上下動させる時、底板１１と、底板１１上に着脱自在に設置される容器７を除く他の部材は全てベース基台１２と一体に上下動を行う。この上下動は、底板１１上に配置する容器７の着脱操作のためである。

　次に容器７とこの容器７内に着脱自在に配されるフィルター枠８について図１６～図１９に基づき説明する。底板１１上に設置される上面が開口した容器７は、後部側の横幅が前部側の横幅よりも狭くなっているカップ状である。容器７内壁には給水ライン７０が形成されている。容器７下面には、複数個の凸状隆起部７６が設けられている。その結果、洗浄装置１外に容器７を置いた場合の容器７の安定性が確保され、水洗い等により容器７の下面に水滴が付着しても不用意に容器７を置いた場所に水滴が移着するのが防止される。

　図１６及び１７に示すように、フィルター枠８は、容器７の底面をほぼ覆う底板部８０と、底板部８０の後部から立ち上がるとともに両側縁が容器７の内壁面に接する仕切り壁８１とを備えており、容器７内には容器７の内壁に設けた位置決め用の凸部７４，７４によって位置決めされる。図１７、１８Ａ及び１８Ｂに示すように、フィルター枠８により、容器７の内部は、仕切り壁８１で仕切られる２つの空間７ａ，７ｂと、さらに容器７の底面から少し浮いた状態となる底板部８０と容器７の底面との間の空間７ｃとの総計３つの空間に仕切られる。図１９Ａ～１９Ｄに示すように、底板部８０はその下面側に升目状のリブ８５を備え、後部上面で空間７ｂに面する部分に凹部８８を備える。図１７に示すように、容器７内にフィルター枠８を配した時、その周縁のうちの前縁部は容器７の内壁面との間に間隔を開けた状態となる。

　図１６、１８Ａ及び１８Ｂに示すように、上記仕切り壁８１の上部には分流部８２が設けられている。分流部８２は、仕切り壁８１の上部に形成された傾斜面８３に透過口８４，８４を設けるとともに、透過口８４，８４の直下にあって傾斜面８３とは逆の傾斜を有する傾斜面８６とを備える。図１６及び１７に示すように、体毛等より細かいメッシュで構成されているフィルター８９が取り外し自在に分流部８２の傾斜面８３上に配設される。

　図１７及び１８Ｂに示すように、仕切り壁８１内に戻されてフィルター８９及び透過口８４，８４を通らない洗浄液は、仕切り壁８１と容器７内壁との間の仕切られた空間７ａに入る。続いて、その洗浄液は、空間７ａから、底板部８０と容器７底面との間の空間７ｃと、底板部８０の前縁と容器７内壁面との間の隙間（図１８Ａ参照）を通じて、底板部８０の上面側の空間７ｂに流れる。フィルター８９及び透過口８４を通過した洗浄液は、傾斜面８６に添って空間７ｂに流入する。なお、透過口８４の開口面積は、フィルター８９及び透過口８４を通る洗浄液のほうが、これらを通らずに空間７ａを経て空間７ｃに入る洗浄液よりも多くなるようにしている。

　図４及び５に示すように、電気機器Ｅの刃ヘッド部Ｅａを洗浄するにあたっては、スイッチプレート３１を操作することで底板１１に対して洗浄装置１の本体側を浮上させ、フィルター枠８を収めた容器７内に洗浄液を入れて底板１１上に容器７を設置する。この時、容器７は底板１１に設けたガイド板１１７，１１７によってガイドされ、さらに位置決め突起１１６によって位置決めされる。この突起１１６は、容器７の外壁面に設けた係合凹所７７（図１８Ｂ参照）に嵌り込むために、容器７が浮き上がることも防ぐ。

　そして洗浄装置１の本体側を押し下げれば、ベース基台１２に設けたポンプＰの下部が容器７内の洗浄液中に浸かる。図５、９及び１２に示すように、この時にはベース基台１２の周部下面に取付枠１８で取り付けられたパッキン１７を、容器７の上縁に外周側に突出するものとして形成された鍔部７２とベース基台１２下面との間で挟持するために、この部分の防水がなされる。

　上記のように洗浄液を入れた容器７をセットした洗浄装置１に対して、その上面の開口部２０を通じて電気機器Ｅの刃ヘッド部Ｅａを洗浄ボール５内に収めて電気機器Ｅの端子部Ｅｂをサポート部Ｓの接点部３９に接触させる。

　この状態で外部電源に接続した洗浄装置１のセレクト釦２９を操作することで洗浄を開始させたならば、ポンプＰが作動して容器７内の洗浄液を接続管１２６及び給排水口５６を通じて洗浄ボール５の洗浄部５２内に送り込む。そして洗浄ボール５の越流堰５４を超えた洗浄液は、排水口５７と接続管１２７とを通じて容器７内に戻る。従って洗浄液は容器７内と洗浄ボール５との間で循環する。

　この洗浄に際しては、サポート部Ｓを通じて電気機器Ｅの刃ヘッド部Ｅａにおける刃を駆動することが好ましい。刃ヘッド部Ｅａの洗浄をより効果的に且つ迅速に行うことができる。また、刃ヘッド部Ｅａの刃を駆動しても、洗浄ボール５は弾性率が小さいゴム製である上に吊り下げ支持されたものであるために、電気機器Ｅの振動を洗浄装置１の外殻部材等に伝えてしまうことは殆どなく、従って振動及び騒音が低減されたものとなっている。なお、洗浄ボール５の下面はヒータユニットＨを介してベース基板１２で受けているために、洗浄ボール５が必要以上に変形してしまうようなことはない。

　ところで、洗浄ボール５内の洗浄液は越流堰５４を超えてオーバーフロー部５３に入り、排水口５７及び接続管１２７から容器７内に戻るのであるが、この接続管１２７は、容器７における空間７ａ内に位置することになるフィルター８９の直上に位置している。従って体毛等を含んだ洗浄液は、フィルター８９を通ることなく一部の洗浄液とともに空間７ａを流れ落ちて容器７の底部の空間７ｃに入る。フィルター８９及び透過口８４を通過した体毛等を含まない洗浄液は、傾斜面８６によって空間７ｂに位置する凹部８８側へと流れる。ポンプＰの開口はこの凹部８８のところに位置するために、洗浄液は再度ポンプＰによって洗浄ボール５へと送られる。

　一方、容器７の後部片側に位置する空間７ａからフィルター枠８下面と容器７底面との間の空間７ｃに入った体毛や洗浄液は、容器７底面に沿って広がり、フィルター枠８の底板部８０前縁と容器７の前部内壁との隙間から空間７ｂへと流入する。この時、空間７ｃに入った洗浄液は上述のように広がる上に、洗浄ボール５へとポンプＰで送り出される洗浄液は、フィルター８９及び透過口８４を通過した体毛等を含まない洗浄液が主となっていることもあって、空間７ｃを通る流量が少なく且つ流速もかなり低く、しかもフィルター枠８の底板部８０下面にある升目状のリブ８５で多数箇所において滞留が生じることから、洗浄液が含んでいる体毛等は空間７ｃにおいて沈殿堆積することになる。

　そして空間７ｃを通った洗浄液は、容器７の前部側を通ってフィルター枠８の底板部８０上を通り、その後、容器７の後部寄りでポンプＰの開口が開口している凹部８８に至る上に、沈殿堆積した体毛等とポンプＰの開口との間には底板部８０があるために、ポンプＰが体毛等を再度吸い込んで洗浄ボール５に戻してしまうことはほとんど無い。

　なお、空間７ｃは通常数十回程度の洗浄動作による体毛堆積量を確保することができる容積としている。そして、使用者は容器７を洗浄装置１から取り出してフィルター枠８を取り外せば、堆積した体毛を洗い流すことができ、この後、新たな洗浄液を入れることで、初期の洗浄能力を取り戻すことができる。容器７の上縁に設けた鍔部７２は外周側に張り出すものとして形成しており、このために容器７内の洗浄液を捨てるために容器７の開口部を下にした時、洗浄液（及び体毛等）をスムーズに排出することができる。なお、鍔部７２は止水のための剛性を確保するために設けたものであるが、容器７の側壁の肉厚で剛性を確保できる場合は鍔部７２を必要としない。

　洗浄が終了してポンプＰが停止すれば、洗浄ボール５内の洗浄部５２にある洗浄液は、自然落下によって給排水口５６から接続管１２６及びポンプＰ（の羽根車１２３とポンプカバー１２４との間の空間）を通じて容器７に戻る。羽根車１２３部分は容器７内の洗浄液に浸かっている状態である上に、洗浄終了時には洗浄部５２にある洗浄液は体毛等をほとんど含んでいないために、ポンプＰを通るとはいえ、詰まりを生じるようなことはない。また、洗浄動作中にオーバーフロー部５３における排水口５７が詰まるようなことがあっても、別の排水口５８が存在しているために、洗浄液が洗浄ボール５から溢れ出してしまうことはない。

　洗浄が終了して洗浄液が容器７内に回収された時点でモータファンＦ及びヒータユニットＨのヒータに通電されて刃ヘッド部Ｅａの乾燥が促される。

Claims (8)

1. 　電気機器の要洗浄部を受けるための洗浄ボールと、
   　上記洗浄ボール内に供給される洗浄液を貯めるための容器と、
   　この容器内の洗浄液を上記洗浄ボールに供給するように構成される洗浄液供給装置と、
   　上記洗浄ボール内の洗浄液を上記容器に戻すための排出経路と、
   　上記洗浄ボールを支持するための支持枠と
   を備え、
   　上記洗浄ボールは上記支持枠よりも小さい弾性率を有する
   　ことを特徴とする電気機器の洗浄装置。
2. 　上記洗浄ボールの上縁外周部が上記支持枠に支持され、上記洗浄ボールは上記支持枠から吊り下げられていることを特徴とする請求項１記載の電気機器の洗浄装置。
3. 　上記洗浄ボールの下面を受ける支持部材を更に備えていることを特徴とする請求項２記載の電気機器の洗浄装置。
4. 　上記洗浄ボールは上記排出経路に直接接続される水密型接続部を備えていることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の電気機器の洗浄装置。
5. 　上記洗浄ボールは、
   　上記洗浄ボール内の洗浄液のオーバーフロー分を、上記容器に戻すためのオーバーフロー排水口と、
   　このオーバーフロー排水口に至る傾斜面と、
   　排水路と
   を備え、
   　上記排水路の一端は上記傾斜面に接続され、上記排水路の他端は洗浄装置外に通じる
   ことを特徴とする請求項１～４のいずれか１項に記載の電気機器の洗浄装置。
6. 　上記洗浄ボールの支持枠による被支持部は、上記洗浄ボールの上方に配されている部材と前記支持枠との間で水密固定され、上記洗浄ボールの上方に配されている部材は、上記洗浄ボールよりも大きな弾性率を有していることを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の電気機器の洗浄装置。
7. 　上記洗浄ボールの上方に配されている部材は、上記洗浄ボールと水平方向において接触又は近接していることを特徴とする請求項６記載の電気機器の洗浄装置。
8. 　上記洗浄ボールの上方に配されている部材は、上記洗浄ボールと鉛直方向において接触していることを特徴とする請求項６記載の電気機器の洗浄装置。

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