WO2013153662A1

WO2013153662A1 - 弾性板状連結具を備えた眼鏡フレーム

Info

Publication number: WO2013153662A1
Application number: PCT/JP2012/060123
Authority: WO
Inventors: 陽之青山
Original assignee: 青山眼鏡株式会社
Priority date: 2012-04-13
Filing date: 2012-04-13
Publication date: 2013-10-17

Abstract

【課題】　ヨロイとテンプルとが分離してしまうこと等を防止することができる眼鏡フレームを提供することを目的とする。【解決手段】　フロントフレーム２と、当該フロントフレーム２の両端にそれぞれ設けられたヨロイ３と、当該ヨロイ３にヨロイ側回転軸２９を介して回転可能に連結された連結部７、当該連結部７から延びている弾性の板状部８、及びヨロイ側回転軸２９に対して連結部７を外方向に所定位置まで回転させた場合にヨロイ３に当接するヨロイ側回転規制部２５を有している弾性板状連結具８と、連結部７にテンプル側回転軸３０を介して回転可能に連結された基部１６を有しているテンプル４とを備え、弾性板状連結具８は、板状部８がテンプル４に当接可能な形状を有し、連結部７に、ヨロイ側回転軸２９を挿入可能なヨロイ側軸孔２７、及びテンプル側回転軸３０を挿入可能なテンプル側軸孔２８を有していることを特徴とする眼鏡フレーム１Ａ，１Ｂ。

Description

弾性板状連結具を備えた眼鏡フレーム

　本発明は、弾性板状連結具を備えた眼鏡フレームに関し、さらに詳しくは、ヨロイとテンプルとを連結する弾性板状連結具を備えた眼鏡フレームに関する。

　従来、眼鏡フレームの装着時のフィット感を高めるために、ヨロイとテンプルとを連結する蝶番にコイルバネを組み込み、テンプルを開いたときにコイルバネの弾性力によって、装着者の顔側面から頭部にかけてテンプルをフィットさせる眼鏡フレームが開示されている（例えば特許文献１）。この眼鏡フレームでは、開いた状態のテンプルをさらに外方向へ押し開くとコイルバネが圧縮変形するようにしており、これにより生じたコイルバネの復元力によってテンプルを内方向へ付勢させている。

　しかし、上記眼鏡フレームでは、蝶番の軸、及び当該軸が通される回転可能な部材のほかに、少なくともコイルバネ、当該コイルバネを収納するバネボックス、当該コイルバネを押圧する押圧コマ等の部材が必要であることから、ヨロイとテンプルとの連結構造が複雑なものであり、それらの製造及び修理が困難であった。

　そこで、製造及び修理をより簡単なものとするために、ヨロイ及びテンプルの連結構造において板バネを用いた眼鏡フレームが提案されている。このような眼鏡フレームとしては、例えば、図１１に示すように、ヨロイ１０１に板バネ１０２の一端が固定され、板バネ１０２の他端と前記テンプル１０３の端部とが回転可能に蝶番で連結されているものが開示されている（例えば特許文献２）。

　また、図１２に示すように、ヨロイ２０１の内部に空間２０７を形成するとともに、当該空間２０７内に板バネ２０２が位置するように板バネ２０２の基部を固定し、図１２（ａ）に示すように、板バネ２０２の先端が空間２０７の一方側に位置している状態から、図１２（ｂ）に示すように、板バネ２０２の先端がその弾性力に抗して空間２０７の他方側に位置している状態となるまで、板バネ２０２の先端を弾性変形可能とし、板バネ２０２の先端には蝶番２０４の一方側蝶片２０５を固定するとともに、蝶番２０４の他方側蝶片２０６をテンプル２０３に固定した眼鏡フレームが開示されている（例えば特許文献３）。

特開平５－２９７３２７号公報特開２００７－２０６３６１号公報特開２００５－１６５１９３号公報

　しかしながら、上述のように板バネを用いた眼鏡フレームにあっては、当該板バネの一端がヨロイに連結するとともに、当該板バネの他端がテンプルに連結しているため、当該板バネの経時劣化によって、当該板バネが変形し、ヨロイに対してテンプルが曲がってしまうことや、当該板バネが破断し、ヨロイとテンプルとが分離してしまうことがある。

　本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、ヨロイとテンプルとを連結している弾性板状連結具が経時劣化した場合であっても、ヨロイに対してテンプルが曲がってしまうこと、及びヨロイとテンプルとが分離してしまうことを防止するとともに、眼鏡フレームの装着者に適度なフィット感を与えることができる弾性板状連結具を備えた眼鏡フレームを提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、第１の発明に係る眼鏡フレームは、フロントフレームと、当該フロントフレームの両端にそれぞれ設けられたヨロイと、当該ヨロイに第１回転軸を介して回転可能に連結された連結部、当該連結部から延びている弾性の板状部、及び前記第１回転軸に対して前記連結部を外方向に所定角度だけ回転させた場合に前記ヨロイに当接する第１回転規制部を有している弾性板状連結具と、前記連結部に第２回転軸を介して回転可能に連結された基部を有しているテンプルとを備え、前記弾性板状連結具は、前記板状部が前記テンプルに当接可能な形状を有し、前記連結部に、前記第１回転軸を挿入可能な第１軸孔、及び前記第２回転軸を挿入可能な第２軸孔を有していることを特徴としている。

　第２の発明に係る眼鏡フレームは、上記構成に加え、前記弾性板状連結具の前記板状部と前記テンプルとの間に配置され、前記テンプルの長手方向に前記テンプル上を回転可能な回転体をさらに備え、前記テンプルは、前記回転体を保持可能な形状を有していることを特徴としている。

　第３の発明に係る眼鏡フレームは、上記構成に加え、前記回転体が、断面の外縁形状が略円形の形状を有していることを特徴としている。

　第４の発明に係る眼鏡フレームは、上記構成に加え、前記弾性板状連結具が、前記テンプルが前記第２回転軸に対して内方向に回転不能となるように前記テンプルと当接可能な第２回転規制部を有していることを特徴としている。

　第１の発明に係る眼鏡フレームによれば、前記弾性板状連結具は、前記板状部が前記テンプルに当接可能な形状を有し、前記第１回転軸に対して前記連結部を外方向に所定角度だけ回転させた場合に前記ヨロイに当接する第１回転規制部を有している。このような構成により、前記弾性板状連結具の前記第１回転規制部とヨロイとが互いに当接した状態において、前記第２回転軸に対してテンプルを外方向に回転させた場合に、前記弾性板状連結具の板状部が変形するため、当該板状部の弾性力によってテンプルが内方向に押し戻される。このため、眼鏡フレームの装着者に適度なフィット感を与えることができる。

　また、前記弾性板状連結具は、前記連結部に、前記第１回転軸を挿入可能な第１軸孔を有するとともに、前記第２回転軸を挿入可能な第２軸孔を有している。このような構成により、前記第１軸孔及び前記第２軸孔はいずれも当該板状部の一端側に位置する前記連結部に設けられているため、当該板状部が、経時劣化によって変形した場合又は破断した場合であっても、前記弾性板状連結具とヨロイ及びテンプルとの連結部分への影響がなく、ヨロイに対してテンプルが曲がってしまうこと、及びヨロイとテンプルとが分離してしまうことを防止することができる。また、新しい弾性板状連結具との取り換えも簡単である。

　さらに、前記弾性板状連結具は、前記第１軸孔を介してヨロイに連結するとともに、当該第１軸孔とは異なる孔である前記第２軸孔を介してテンプルに連結している。このため、前記弾性板状連結具が、１点のみを介してヨロイ及びテンプルの両方に連結するという構成を採用する場合と比べて、ヨロイに対する回転軸又はテンプルに対する回転軸に対して傾くことを抑制することができる。従って、テンプルがヨロイに対して傾くことを抑制することができる。

　第２の発明に係る眼鏡フレームによれば、前記テンプルの長手方向に前記テンプル上を回転可能な回転体が、前記弾性板状連結具の前記板状部と前記テンプルとの間に配置され、前記テンプルが、当該回転体を保持可能な形状を有している。このような構成により、当該回転体が、前記板状部とテンプルとの摩擦を低減する。このため、上記摩擦によって、テンプルが前記板状部に捕捉され、断続的な動きになってしまうことを抑制するとともに、前記板状部が疲労してしまうことを抑制することができる。

　第３の発明に係る眼鏡フレームによれば、前記回転体は、断面の外縁形状が略円形の形状を有している。このような構成により、前記板状部の先端とテンプルとの摩擦をより確実に抑制し、この摩擦によって、テンプルが、前記板状部に捕捉され、断続的な動きになってしまうこと、及び前記板状部が破損してしまうことをより確実に抑制することができる。

　第４の発明に係る眼鏡フレームによれば、前記弾性板状連結具は、前記テンプルが前記第２回転軸に対して内方向に回転不能となるように前記テンプルと当接可能な第２回転規制部を有している。このような構成により、テンプルを内方向に閉じるときに、テンプルが前記弾性板状連結具に対して回転しない状態で、前記第１回転軸のみを軸にして前記弾性板状連結具及びテンプルを内方向に閉じることができるため、眼鏡フレームを容易に折り畳んだ状態にすることができる。

本発明の実施の形態１に係る眼鏡フレーム１Ａの一例を示す概略図であり、折り畳んだ状態の眼鏡フレーム１Ａを示すものである。本発明の実施の形態１に係る眼鏡フレーム１Ａの一例を示す概略図であり、開いた状態の眼鏡フレーム１Ａを示すものである。本発明の実施の形態１に係る眼鏡フレーム１Ａの要部を拡大した概略平面図であり、折り畳んだ状態の眼鏡フレーム１Ａにおける要部を示すものである。本発明の実施の形態１に係る眼鏡フレーム１Ａの要部を拡大した概略平面図であり、開いた状態の眼鏡フレーム１Ａにおける要部を示すものである。本発明の実施の形態１に係る眼鏡フレーム１Ａの要部を拡大した概略斜視図であり、（ａ）は、眼鏡フレーム１Ａが組み立てられた状態を示すものであり、（ｂ）は、眼鏡フレーム１Ａが分解された状態を示すものである。本発明の実施の形態１に係る弾性板状連結具６の一例を示す概略図であり、（ａ）は、概略平面図であるとともに、一点鎖線を用いてテンプル４の一部を併せて示すものであり、（ｂ）は、概略斜視図である。本発明の実施の形態１に係る眼鏡フレーム１Ａの一例を示す概略図であって、開いた状態の眼鏡フレーム１Ａをさらに開いた状態である拡開状態の眼鏡フレーム１Ａを示すものであり、一点鎖線を用いて開いた状態の眼鏡フレーム１Ａを併せて示すとともに、眼鏡フレーム１Ａを開いた状態から拡開状態にする際のテンプル４の動作方向を一点鎖線の矢印でさらに併せて示している。本発明の実施の形態１に係る眼鏡フレーム１Ａの要部を拡大した概略図であり、拡開状態の眼鏡フレーム１Ａにおける要部を示すものである。本発明の実施の形態２に係る眼鏡フレーム１Ｂの要部を拡大した概略図であり、開いた状態の眼鏡フレーム１Ｂにおける要部を示すものである。本発明の実施の形態２に係る弾性板状連結具６の一例を示す概略図であり、（ａ）は、概略平面図であるとともに、一点鎖線を用いてテンプル４の一部を併せて示すものであり、（ｂ）は、概略斜視図である。板バネ１０２を用いた眼鏡フレームにおけるヨロイ１０１とテンプル１０３との連結構造の従来例を示した図である。板バネ２０２を用いた眼鏡フレームにおけるヨロイ２０１とテンプル２０３との連結構造の他の従来例を示した図である。

　以下、本発明による実施の形態では、「内方向」とは、眼鏡フレームを装着したときに、眼鏡フレームを基準にして装着者の側となる方向をいい、「外方向」とは、眼鏡フレームを装着したときに、眼鏡フレームを基準にして装着者とは反対側となる方向をいう。

（実施の形態１）
　本発明に係る眼鏡フレームの実施の形態１について、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る眼鏡フレーム１Ａは、図１及び図２に示すように、装着者の眼の保護、視力の補正等をするための一対のレンズを固定可能なフロントフレーム２と、このフロントフレーム２の両端にそれぞれ設けられた一対のヨロイ３と、先端に設けられた先セル５を装着者の耳の上に掛けることによって眼鏡フレーム１Ａを装着者に固定する一対のテンプル４と、ヨロイ３のうちの１つ及びテンプル４のうちの１つに連結する連結部７と弾性の板状部８とをそれぞれ有している一対の弾性板状連結具６とを備えている。

　そして、図１に示すように、眼鏡フレーム１Ａのテンプル４を内方向にそれぞれ畳むことによって、眼鏡フレーム１Ａを折り畳んだ状態にすることができる。一方、図２に示すように、眼鏡フレーム１Ａのテンプル４を外方向にそれぞれ広げることによって、眼鏡フレーム１Ａを開いた状態にすることができる。

　フロントフレーム２は、図１及び図２に示すように、上記レンズのうちの１つをそれぞれ嵌め込み可能な一対の枠状部９と、これらの枠状部９の間に配置され、これらの枠状部を繋ぎ合わせているブリッジ部１０とを有している。また、上記各枠状部９の外側には各ヨロイ３がそれぞれ設けられている。なお、フロントフレーム２とヨロイ３とは、一体成形されていても、それぞれ別々の部材として製造され、熱融着等によって互いに固着されていても良い。また、フロントフレーム２及びヨロイ３は、アセテート、セルロイド等の合成樹脂によりそれぞれ形成されたものであるが、チタン等の金属や金属と合成樹脂とを組み合わせたものによりそれぞれ形成されたものであっても良い。

　ヨロイ３は、図３及び図４に示すように、基端に、フロントフレーム２と連結する基部１１を有し、先端に、弾性板状連結具６の連結部７と連結する連結部材１２を有している。

　基部１１は、ヨロイ３の先端側に、連結部材１２の基端を嵌め込み可能な不図示の嵌合凹部を有しており、この嵌合凹部に連結部材１２の基端を嵌め込むことによって当該基部１１と連結部材１２とを固定している。

　連結部材１２は、基端に、上記嵌合凹部に嵌り合う嵌合凸部１３を有し、図５に示すように、先端に、外側に向かって二股に分かれて形成された分岐部１４ａ，１４ｂを有している。なお、当該連結部材１２としては、例えば、金属、合成樹脂等を素材としているものが挙げられる。また、当該連結部材１２は、基部１１と一体成形されていても良い。

　分岐部１４ａ，１４ｂは、弾性板状連結具６と回転可能に連結するための軸を挿入可能な貫通孔１５ａ，１５ｂをそれぞれ有している。また、分岐部１４ａと分岐部１４ｂとの間には、弾性板状連結具６の連結部７を挿入可能な空隙が設けられている。

　テンプル４は、図１及び図２に示すように細長い形状を有し、図３及び図４に示すように、基端に、弾性板状連結具６と回転可能に連結するとともに、弾性板状連結具６の板状部８を収容可能である基部１６を有している。なお、当該テンプル４としては、例えば、金属、合成樹脂等を素材としているものが挙げられる。

　基部１６は、弾性板状連結具６の板状部８を収容可能な収容部１７を有するとともに、図５に示すように、外側に向かって二股に分かれて形成された分岐部１８ａ，１８ｂを有している。また、基部１６は、図３及び図４に示すように、収容部１７の一端において、収容部１７の内方向の側から張り出して形成された張出部２０を有している。

　収容部１７は、筒状の形状を有し、一端に、弾性板状連結具６の板状部８を挿入可能に開口している開口部２１と、この開口部２１から他端に向かって、弾性板状連結具６の板状部８の長手方向の長さ以上に広がっている中空部２２と、他端を閉鎖している端壁２３とを有している。また、収容部１７は、その内部において内方向の側に内側内壁２４を有している。

　分岐部１８ａ，１８ｂは、図５に示すように、弾性板状連結具６と回転可能に連結するための軸を挿入可能な貫通孔１９ａ，１９ｂをそれぞれ有している。また、分岐部１８ａと分岐部１８ｂとの間には、弾性板状連結具６の連結部を挿入可能な空隙が設けられている。

　弾性板状連結具６は、図６に示すように、略矩形の平板状形状を有している連結部７と、この連結部７の端部から円弧状に延びている板状部８とを有している。また、当該弾性板状連結具６は、板状部８が延びている側とは反対側に、この板状部８の基端から張り出しているヨロイ側回転規制部２５（第１回転規制部）を有している。また、当該弾性板状連結具６は、板状部８によって略規定される円弧の内側において、連結部７の側方から張り出して形成されたテンプル側回転規制部２６（第２回転規制部）を有している。

　連結部７は、ヨロイ３と回転可能に連結するための軸を挿入可能な孔であるヨロイ側軸孔２７（第１軸孔）と、テンプル４と回転可能に連結するための軸を挿入可能な孔であるテンプル側軸孔２８（第２軸孔）とを有している。テンプル側軸孔２８は、ヨロイ側軸孔２７に対して板状部８側に設けられている。

　板状部８は、弾性を有し、図６（ｂ）に示すように、その主面、すなわち表面又は裏面を連結部７側に向けながら連結部７から円弧状に延びて形成された板状の部分である。このため、弾性板状連結具６の連結部７を保持しながら、板状部８の主面を別の部材に押し付けることとなる方向に連結部７を回転させると、板状部８が、円弧状の形状から平面状の形状へと変形し、この回転の方向とは逆の方向に弾性力を生じさせる。次いで、このように押し付けている力を解放すると、板状部８は弾性変形して元の円弧状の形状に戻る。

　また、板状部８は、その両端を結ぶ直線に対して垂直な方向における高さが最も高くなる部分の高さが、図６（ａ）に示すように、収容部１７の短手方向の高さよりも高くなる形状を有している。このため、板状部８を収容部１７に挿入した場合に、板状部８が若干変形するとともに、板状部８の先端が収容部１７の内側内壁２４に当接する。

　ヨロイ側回転軸２９（第１回転軸）は、図５に示すように、ヨロイ３の貫通孔１５ａ，１５ｂと弾性板状連結具６のヨロイ側軸孔２７とに貫通可能な軸である。また、テンプル側回転軸３０（第２回転軸）は、テンプル４の貫通孔１９ａ，１９ｂと弾性板状連結具６のテンプル側軸孔２８とに貫通可能な軸である。

　ヨロイ側回転軸２９及びテンプル側回転軸３０としては、例えば、螺子、鋲等がそれぞれ挙げられる。例えば、ヨロイ側回転軸２９及びテンプル側回転軸３０として螺子を採用した場合には、これらの回転軸に雄螺子がそれぞれ設けられるとともに、ヨロイ３の貫通孔１５ａ，１５ｂ及びテンプル４の貫通孔１９ａ，１９ｂに当該雄螺子に対応する雌螺子がそれぞれ設けられることが挙げられる。また、例えば、ヨロイ側回転軸２９及びテンプル側回転軸３０として鋲を採用した場合には、これらの回転軸が、かしめ等によって固定される。

　以下、本発明の眼鏡フレーム１Ａにおいてヨロイ３及びテンプル４に弾性板状連結具６を取り付ける方法の一例について説明する。

　まず、ヨロイ３と弾性板状連結具６とを連結するために、図５に示すように、連結部７をこの連結部７の主面に沿ってヨロイ３の分岐部１４ａと分岐部１４ｂとの間に挿入する。この挿入の際に、連結部７のヨロイ側軸孔２７と各貫通孔１５ａ，１５ｂとの中心が略同一直線上に位置するように配置する。さらに、この挿入の際に、ヨロイ側軸孔２７又は貫通孔１５ａ，１５ｂを基準にして弾性板状連結具６を外方向に回転させた場合に弾性板状連結具６のヨロイ側回転規制部２５が連結部材１２の外方向面３１に当接可能となるように、分岐部１４ａ側又は分岐部１４ｂ側に向ける連結部７の表面又は裏面を選択して連結部７を連結部材１２内に挿入する。

　次いで、連結部７のヨロイ側軸孔２７と各貫通孔１５ａ，１５ｂとにヨロイ側回転軸２９を通し、例えば、ヨロイ側回転軸２９と分岐部１４ａ，１４ｂとを固定する。

　次いで、弾性板状連結具６の板状部８をこの板状部８の先端からテンプル４の収容部１７内に挿入する。この際に、図３及び図４に示すように、円弧状の板状部８の内側面を収容部１７の内側内壁２４に向けて、板状部８を収容部１７の開口部２１から端壁２３側に向かって挿入する。

　さらに、テンプル４と弾性板状連結具６とを連結するために、図５に示すように、連結部７をこの連結部７の主面に沿ってテンプル４の分岐部１８ａと分岐部１８ｂとの間に挿入する。この際に、連結部７のテンプル側軸孔２８と各貫通孔１９ａ，１９ｂとの中心が略同一直線上に位置するように配置する。

　次いで、連結部７のテンプル側軸孔２８と各貫通孔１９ａ，１９ｂとに、テンプル側回転軸３０を通し、例えば、テンプル側回転軸３０と分岐部１８ａ，１８ｂとを固定する。以上のようにして、ヨロイ３及びテンプル４に弾性板状連結具６を取り付ける。

　以下、本発明の眼鏡フレーム１Ａの作用について説明する。

　眼鏡フレーム１Ａが閉じた状態において、図３に示すように、弾性板状連結具６のヨロイ側回転規制部２５は、ヨロイ３の連結部材１２に当接していない。当該閉じた状態から、ヨロイ側回転軸２９を中心軸として、ヨロイ３に対してテンプル４を外方向に９０度程度回転させると、図４に示すように、ヨロイ側回転規制部２５が連結部材１２の外方向面３１に当接するとともに、眼鏡フレーム１Ａが開いた状態になる。

　そして、上記開いた状態から、テンプル側回転軸３０を中心軸として、図７に示すように、ヨロイ３に対してテンプル４を外方向にさらに回転させると、弾性板状連結具６は、その板状部８が、図８に示すように、連結部材１２の外方向面３１に当接しているヨロイ側回転規制部２５を支点として、テンプル４の内側内壁２４から外方向に及ぼされる押圧力によって円弧状の形状から平面状の形状へと変形させられる。このため、板状部８は、内側内壁２４に対して、上記押圧力とは反対の方向、すなわち内方向にテンプル４に対して弾性力を及ぼす。従って、眼鏡フレーム１Ａの装着者に適度なフィット感を与えることができる。

　一方、図４に示すように開いた状態から、ヨロイ側回転軸２９を中心軸として、ヨロイ３に対してテンプル４を内方向に回転させ始めたときに、弾性板状連結具６のヨロイ側回転規制部２５が、図３に示すように、連結部材１２の外方向面３１から離れるとともに、弾性板状連結具６の連結部７から張り出しているテンプル側回転規制部２６が、テンプル４の収容部１７から張り出している張出部２０に当接する。このため、テンプル４がテンプル側回転軸３０を中心軸として、弾性板状連結具６に対して内方向に回転することが抑制される。従って、テンプル４を内方向に閉じるときに、テンプル４が弾性板状連結具６に対して回転しない状態で、ヨロイ側回転軸２９のみを中心軸にして弾性板状連結具６及びテンプル４を内方向に閉じることができるため、眼鏡フレーム１Ａを容易に折り畳んだ状態にすることができる。

　本実施の形態１によれば、弾性板状連結具６は、板状部８がテンプル４に当接可能な形状を有し、ヨロイ側回転軸２９に対して連結部７を外方向に所定角度だけ回転させた場合にヨロイ３に当接するヨロイ側回転規制部２５を有している。このような構成により、弾性板状連結具６のヨロイ側回転規制部２５とヨロイ３とが互いに当接した状態において、テンプル側回転軸３０に対してテンプル４を外方向に回転させた場合に、弾性板状連結具６の板状部８が変形するため、板状部８の弾性力によってテンプル４が内方向に押し戻される。このため、眼鏡フレーム１Ａの装着者に適度なフィット感を与えることができる。

　また、弾性板状連結具６は、連結部７に、ヨロイ側回転軸２９を挿入可能なヨロイ側軸孔２７を有するとともに、テンプル側回転軸３０を挿入可能なテンプル側軸孔２８を有している。このような構成により、ヨロイ側軸孔２７及びテンプル側軸孔２８はいずれも板状部８の一端側に位置する連結部７に設けられているため、板状部８が、経時劣化によって変形した場合又は破断した場合であっても、弾性板状連結具６とヨロイ３及びテンプル４との連結部分への影響がなく、ヨロイ３に対してテンプル４が曲がってしまうこと、及びヨロイ３とテンプル４とが分離してしまうことを防止することができる。

　さらに、弾性板状連結具６は、ヨロイ側軸孔２７を介してヨロイ３に連結するとともに、ヨロイ側軸孔２７とは異なる孔であるテンプル側軸孔２８を介してテンプル４に連結している。このため、弾性板状連結具６が、１点のみを介してヨロイ３及びテンプル４の両方に連結するという構成を採用する場合と比べて、ヨロイ３に対する回転軸又はテンプル４に対する回転軸に対して傾くことを抑制することができる。従って、テンプル４がヨロイ３に対して傾くことを抑制することができる。

　また、弾性板状連結具６は、テンプル４がテンプル側回転軸３０に対して内方向に回転不能となるようにテンプル４と当接可能なテンプル側回転規制部２６を有している。このような構成により、テンプル４を内方向に閉じるときに、テンプル４が弾性板状連結具６に対して回転しない状態で、ヨロイ側回転軸２９のみを回転軸にして弾性板状連結具６及びテンプル４を内方向に閉じることができるため、眼鏡フレーム１Ａを容易に折り畳んだ状態にすることができる。

（実施の形態２）
　以下、本発明に係る眼鏡フレーム１Ｂの実施の形態２について、図面を参照しつつ説明する。実施の形態１では、弾性板状連結具６の板状部８とテンプル４の内側内壁２４との間に部材を介在させないタイプの眼鏡フレーム１Ａについて説明した。これに対し、本実施の形態２では、弾性板状連結具６の板状部８とテンプルの内側内壁２４との間に部材を介在させるタイプの眼鏡フレーム１Ｂについて説明する。

　眼鏡フレーム１Ｂは、図９に示すように、眼鏡フレーム１Ａの弾性板状連結具６とは形状の異なる弾性板状連結具６を備えているという点、及びこの弾性板状連結具６とテンプル４の内側内壁２４との間に回転体３２を備えているという点において、眼鏡フレーム１Ａとは異なっている。これらの点以外については、眼鏡フレーム１Ｂは、眼鏡フレーム１Ａと同様の構成を備えている。

　眼鏡フレーム１Ｂの弾性板状連結具６は、図１０に示すように、眼鏡フレーム１Ａにおける弾性板状連結具６の板状部８とは形状の異なる板状部８を有しているという点において、眼鏡フレーム１Ａの弾性板状連結具６とは異なっている。この点以外については、眼鏡フレーム１Ｂの弾性板状連結具６は、眼鏡フレーム１Ａの弾性板状連結具６と同様の構成を有している。

　板状部８は、その主面、すなわち表面又は裏面において、先端に、当該主面から張り出して形成された第１張出部３３と、先端から基端側に向かって隔てられた位置に、上記主面から張り出して形成された第２張出部３４とを有している。

　回転体３２は、略球状の形状を有し、テンプル４の長手方向にテンプル４上を回転可能な部材である。当該回転体３２は、テンプル４の長手方向にテンプル４上を回転可能なものであれば、略球状の形状を有しているものには限られず、略円柱状の形状を有しているもの、略円筒状の形状を有しているものその他断面の外縁形状が略円形の形状を有しているものであれば何でもよい。また、当該回転体３２としては、例えば、金属、合成樹脂等を素材としているものが挙げられる。

　当該回転体３２は、図９に示すように、弾性板状連結具６の板状部８とテンプル４の内側内壁２４との間において、板状部８の第１張出部３３と第２張出部３４との間に配置される。

　本実施の形態２によれば、テンプル４の長手方向に前記テンプル４上を回転可能な回転体３２が、弾性板状連結具６の板状部８と筒状の形状を有している収容部１７の内側内壁２４との間において、板状部８の第１張出部３３と第２張出部３４との間に配置されている。このような構成により、弾性板状連結具６の板状部８とテンプル４の内側内壁２４との間において、板状部８とテンプル４とが回転体３２を回転自在に保持し、当該回転体３２が板状部８とテンプル４との間の摩擦を低減する。このため、上記摩擦によって、テンプル４が板状部８に捕捉され、断続的な動きになってしまうことを抑制するとともに、板状部８が疲労してしまうことを抑制することができる。

　また、回転体３２は、断面の外縁形状が略円形の形状を有している。このような構成により、板状部８の先端とテンプル４との摩擦をより確実に抑制し、この摩擦によって、テンプル４が、板状部８に捕捉され、断続的な動きになってしまうこと、及び板状部８が破損してしまうことをより確実に抑制することができる。

　なお、本発明の実施形態は上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。

　本発明に係る眼鏡フレーム１Ａ，１Ｂは、例えば、工業的方法により量産可能なものであり、産業上利用することができる。

１Ａ，１Ｂ　眼鏡フレーム
２　　　　　フロントフレーム
３　　　　　ヨロイ
４　　　　　テンプル
６　　　　　弾性板状連結具
７　　　　　連結部
８　　　　　板状部
１６　　　　基部
２５　　　　ヨロイ側回転規制部（第１回転規制部）
２６　　　　テンプル側回転規制部（第２回転規制部）
２７　　　　ヨロイ側軸孔（第１軸孔）
２８　　　　テンプル側軸孔（第２軸孔）
２９　　　　ヨロイ側回転軸（第１回転軸）
３０　　　　テンプル側回転軸（第２回転軸）
３２　　　　回転体

Claims

　フロントフレームと、
　当該フロントフレームの両端にそれぞれ設けられたヨロイと、
　当該ヨロイに第１回転軸を介して回転可能に連結された連結部、当該連結部から延びている弾性の板状部、及び前記第１回転軸に対して前記連結部を外方向に所定角度だけ回転させた場合に前記ヨロイに当接する第１回転規制部を有している弾性板状連結具と、
　前記連結部に第２回転軸を介して回転可能に連結された基部を有しているテンプルとを備え、
　前記弾性板状連結具は、前記板状部が前記テンプルに当接可能な形状を有し、前記連結部に、前記第１回転軸を挿入可能な第１軸孔、及び前記第２回転軸を挿入可能な第２軸孔を有していることを特徴とする眼鏡フレーム。
　前記弾性板状連結具の前記板状部と前記テンプルとの間に配置され、前記テンプルの長手方向に前記テンプル上を回転可能な回転体をさらに備え、
　前記テンプルは、前記回転体を保持可能な形状を有していることを特徴とする請求項１に記載の眼鏡フレーム。
　前記回転体は、断面の外縁形状が略円形の形状を有していることを特徴とする請求項２に記載の眼鏡フレーム。
　前記弾性板状連結具は、前記テンプルが前記第２回転軸に対して内方向に回転不能となるように前記テンプルと当接可能な第２回転規制部を有していることを特徴とする請求項１～３のいずれかに記載の眼鏡フレーム。