WO2013084656A1

WO2013084656A1 - 冷蔵庫

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Publication number: WO2013084656A1
Application number: PCT/JP2012/078984
Authority: WO
Inventors: 及川　誠; 佐伯　友康; 良河田
Original assignee: 株式会社東芝; 東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社; 東芝ホームアプライアンス株式会社
Priority date: 2011-12-07
Filing date: 2012-11-08
Publication date: 2013-06-13
Also published as: CN103975211B; TWI512256B; CN103975211A; EP2789952A1; EP2789952B1; TW201335557A; EP2789952A4; JP5868152B2; JP2013119999A

Abstract

　本実施形態の冷蔵庫は、断熱箱体と、覆い部材と、を備える。断熱箱体は、冷蔵庫本体として備えられ、外殻と内殻との間に断熱パネルを設けた複数の断熱壁部を結合したものである。覆い部材は、複数の断熱壁部の結合部分のうち所要の結合部分に設けられ、当該結合部分をシールする。

Description

冷蔵庫

　本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。

　例えば家庭用の冷蔵庫は、その内容積を増加させる傾向にある。冷蔵庫は、内容積の増加を、冷蔵庫本体である断熱箱体の大型化ではなく、断熱箱体の周壁の厚さを薄くすることで実現しようとしている。この場合、周壁を薄くしたとしても十分な断熱性能を確保する必要がある。そのため、断熱箱体の周壁に、発泡性断熱材を充填することに加えて、真空断熱パネルを使用することが行われている。更には、断熱箱体の周壁を真空断熱パネルのみで充たすことも考えられている。なお、真空断熱パネルは、発泡性断熱パネルに比べて断熱性能が高い断熱パネル、換言すれば熱伝導率が低い断熱パネルである。

　真空断熱パネルは、例えば細いガラス繊維の綿状物であるグラスウールをマット状にしたコア材を、アルミニウム箔と合成樹脂とからなるラミネートフィルムで製袋したガスバリア容器に入れ、内部を真空排気して開口を閉塞したパネルである。これにより、真空断熱パネルは、容器内部を真空減圧状態に保持したパネルとなる。真空断熱パネルは、薄くても低い熱伝導率、換言すれば高い断熱性を保有している。従って、真空断熱パネルを使用することで断熱箱体の周壁に高い断熱性を保有させることができる。

特許第２７２８３１８号公報特開平６－１４７７４４号公報

　真空断熱パネルを使用した断熱箱体は、箱体を複数の断熱壁部に分け、それら複数の断熱壁部を組み合わせ結合して構成される。このように複数の断熱壁部を組み合わせて構成される断熱箱体では、断熱壁部の結合部分から外気が侵入し、あるいは、断熱箱体内の冷気が侵出する。従って、断熱箱体の結合部分の内側あるいは外側に結露が発生するという不具合が生じる。
　そこで、複数の断熱壁部の結合部分をシールできる冷蔵庫を提供する。

一実施形態を示す断熱箱体の部分的な横断面図断熱箱体の部分的な横断斜視図断熱箱体を前側から見た斜視図断熱箱体を後側から見た斜視図断熱箱体の分解斜視図（ａ）は真空断熱パネルの分解斜視図、（ｂ）は真空断熱パネルの断面図

　以下、図面を参照して一実施形態を説明する。なお、冷蔵庫の扉側を「前側」とし、扉に相対して冷蔵庫を見た場合の右側を「右側」として説明する。
　図３および図４は、冷蔵庫本体を構成する断熱箱体１を示している。断熱箱体１は、全体としては、前面が開口された直方体の縦長箱状をなす。断熱箱体１の内部空間は収納空間２となっている。図５に示すように、断熱箱体１は、周壁として、天井壁部１ａ、底壁部１ｂ、左側壁部１ｃ、右側壁部１ｄおよび奥壁部１ｅを別々に製作し、これら複数の壁部１ａ～１ｅ、換言すれば断熱壁部１ａ～１ｅを組み合わせることにより構成されている。この場合、壁部の数は５個である。天井壁部１ａを除く底壁部１ｂ、左側壁部１ｃ、右側壁部１ｄおよび奥壁部１ｅは、矩形の平板状である。天井壁部１ａは、後部が一段低くされた段付き形状である。この天井壁部１ａが段付き形状であることにより、複数の壁部１ａ～１ｅを組み合わせて断熱箱体１を構成すると、その断熱箱体１の上部の後部に機械室３が形成される。この機械室３には、図示しない冷凍サイクルのコンプレッサなどが配置される。

　ここで、上記した各壁部１ａ～１ｅの構成について述べる。まず、各壁部１ａ～１ｅの断熱機能は、断熱体、例えば真空断熱パネル４によって得られる。図６（ａ）に示すように、この真空断熱パネル４は、例えば細いガラス繊維の綿状物であるグラスウールをマット状にしたコア材５を、アルミニウム箔と合成樹脂とからなるラミネートフィルムで製袋したガスバリア容器６に入れ、その内部を真空排気して開口を閉塞したパネルである。これにより、真空断熱パネル４は、ガスバリア容器６の内部を真空減圧状態に保持したパネルとなる。

　図６（ａ），（ｂ）に示すように、各壁部１ａ～１ｅは、例えば鋼板などの金属製の外殻７と例えばプラスチック製の内殻８との間に真空断熱パネル４を充たした構成である。外殻７と真空断熱パネル４は、互いに接着などによって固着されて一体化されている。また、真空断熱パネル４と内殻８は、互いに接着などによって固着されて一体化されている。これにより、真空断熱パネル４、外殻７および内殻８は、一体化されている。なお、図６では、平板状の壁部を示した。しかし、天井壁部１ａは、段付き形状となっている。

　各壁部１ａ～１ｅにおいて、内殻８は、外殻７よりも縦寸法および横寸法が小さい。更に、真空断熱パネル４は、内殻８よりも縦寸法および横寸法が小さい。従って、真空断熱パネル４の四辺つまり四端は、外殻７の四辺つまり四端にまで至らず、また、内殻８の四辺つまり四端にまで至っていない。つまり、真空断熱パネル４の四辺は、外殻７の四辺および内殻８の四辺よりも内側の奥まった位置に存在している。また、各壁部１ａ～１ｅの外殻７の四辺のうち所定の辺には、直角に折り曲げられた連結片９が形成されている。各壁部１ａ～１ｅの所要の辺に形成された連結片９は、互いに隣接する壁部の外殻７どうしをねじなどによって連結するために用いられる。

　各壁部１ａ～１ｅを組み合わせて構成された断熱箱体１の前面には、その前面を上下方向に仕切る３個の横枠１０～１２が取り付けられている。また、断熱箱体１の中段の横枠１１と下段の横枠１２との間には、縦枠１３が取り付けられている。そして、図示はしないが、横枠１０～１２の後側および縦枠１３の後側には、断熱壁または仕切板が設けられている。これら断熱壁と仕切板とによって、収納空間２内が、上から順に冷蔵室２ａ、野菜室２ｂ、製氷室２ｃおよび仕様切替室２ｄ、冷凍室２ｅに仕切られる。なお、製氷室２ｃおよび仕様切替室２ｄは横方向に並んでいる。そして、断熱箱体１の前面には、各貯蔵室２ａ～２ｅの前面を開閉するための図示しない扉がそれぞれ取り付けられる。

　冷蔵庫は、冷却器として冷蔵用および冷凍用の２個のエバポレータを備える。冷蔵用のエバポレータは、冷蔵室２ａの奥部に形成される冷却室に配置される。冷凍用のエバポレータは、冷凍室２ｅの奥部に形成される冷却室に配置される。そして、冷蔵室２ａ、野菜室２ｂ、製氷室２ｃおよび仕様切替室２ｄ、冷凍室２ｅには、２個のエバポレータで冷却された冷気がファンによって送風される。これにより、冷蔵室は冷蔵温度に冷却され、冷凍室は冷凍温度に冷却される。

　図１は、断熱箱体１の右側後部において上下に延びる稜角部分の横断面図である。図２は、断熱箱体１の右側後部において上下に延びる稜角部分の横断斜視図である。これら図１および図２には、奥壁部１ｅと右側壁部１ｄとの結合部分の構成が示されている。なお、図１および図２において、右側壁部１ｄを構成する真空断熱パネル４、外殻７、内殻８には添え字「ｄ」を付している。一方、奥壁部１ｅを構成する真空断熱パネル４、外殻７、内殻８には添え字「ｅ」を付している。これにより、奥壁部１ｅを構成する真空断熱パネル４ｅ、外殻７ｅ、内殻８ｅと、右側壁部１ｄを構成する真空断熱パネル４ｄ、外殻７ｄ、内殻８ｄとを区別して示す。

　図１および図２において、右側壁部１ｄの外殻７ｄの後端には連結片９が設けられている。この連結片９は、奥壁部１ｅの外殻７ｅの右端部に内側から当てられている。そして、この連結片９は、奥壁部１ｅの外殻７ｅの右端部に、後述のようにしてねじ止めされる。また、奥壁部１ｅの内殻８ｅの右端は、右側壁部１ｄの内殻８ｄの後端部の表面に当てられている。

　前述したように、各壁部１ａ～１ｅにおいて、真空断熱パネル４の端は、外殻７の端まで至らず、やや短くなっている。そのため、互いに連結された右側壁部１ｄおよび奥壁部１ｅは、その内部の真空断熱パネル４ｄおよび真空断熱パネル４ｅどうしが互いに離間しており、その間に隙間Ｇが存在している。そして、この隙間Ｇ内には、右側壁部１ｄと奥壁部１ｅとを組み合わせる際にスポンジ状の断熱材１４が充填される。

　連結された右側壁部１ｄの内殻８ｄと奥壁部１ｅの内殻８ｅとの間、或いは、右側壁部１ｄの外殻７ｄの連結片９と奥壁部１ｅの外殻７ｅの右端部との間に、多少の隙間が生ずることは避けられない。そのため、その隙間を通じて、収納空間２の内部から断熱箱体１の外部に向かって冷気が逃げる恐れがあり、或いは、断熱箱体１の外部の空気が収納空間２の内部に向かって侵入する恐れがある。そこで、断熱箱体１の右側後部において上下に延びる稜角部分には、上下に長い覆い部材１５が設けられている。この覆い部材１５は、右側壁部１ｄと奥壁部１ｅとの結合部分をシールする。この場合、覆い部材１５は、稜角部分の外側から取り付けられている。

　覆い部材１５は、例えばプラスチック製であり、図１および図２に示すように、断面Ｌ字状をなしている。そして、覆い部材１５は、互いに直交する２辺に押し当て部を有している。この場合、覆い部材１５は、右側壁部１ｄに押し当てられる押し当て部１６と、奥壁部１ｅに押し当てられる押し当て部１７と、を有している。押し当て部１６の横幅（この場合、前後方向の長さ）は、覆い部材１５を断熱箱体１の右側後部の稜角部分に宛がったとき、右側壁部１ｄの外殻７ｄに対し、断熱材１４の充填部分を超えて真空断熱パネル４の充填部分まで延びるような寸法に設定されている。また、押し当て部１７の横幅（この場合、左右方向の長さ）は、覆い部材１５を断熱箱体１の右側後部の稜角部分に宛がったとき、奥壁部１ｅの外殻７ｅに対し、断熱材１４の充填部分を超えて真空断熱パネル４ｅの充填部分まで延びるような寸法に設定されている。

　押し当て部１６，１７の幅方向の先端部は、それぞれ内側に曲げられている。これら曲げられた端片部１６ａ，１７ａの存在によって、押し当て部１６，１７の内側は、それぞれ凹状になっている。そして、これら凹状をなす押し当て部１６，１７の内側には、断熱層として、それぞれ発泡性断熱材１８，１９が充填されている。これら両発泡性断熱材１８，１９の少なくとも何れか一方には溝が形成される。この場合、例えば奥壁部１ｅの外殻７ｅに当てられる押し当て部１７内の発泡性断熱材１９の表面に、溝２０が形成されている。この溝２０は、押し当て部１７の幅方向の先端側に位置して、上下方向に伸びている。

　押し当て部１６内の発泡性断熱材１８および押し当て部１７内の発泡性断熱材１９は、互いに直角に交差する方向に伸びている。そして、発泡性断熱材１８の表面は、右側壁部１ｄの外殻７ｄに接しており、発泡性断熱材１９の表面は、奥壁部１ｅの外殻７ｅに接している。この場合、右側壁部１ｄの外殻７ｄは、その周縁部分の補強のために当該周縁部分を残して中央側が凹状に形成されている。このため、その凹状部分に合せて、右側壁部１ｄに当てられる押し当て部１６の端片部１６ａは、奥壁部１ｅ側の端片部１７ａよりも長く内側に突出している。また、押し当て部１６内の発泡性断熱材１８の表面のうち外殻７ｄの凹状部分に接する先端側の部分は、基端側の部分よりも一段高く内側に突出している。

　そして、前述したように、押し当て部１６は、真空断熱パネル４ｄと真空断熱パネル４ｅとの離間部分つまり隙間Ｇを超えて、真空断熱パネル４ｄの充填部分にまで延びている。これにより、発泡性断熱材１８は、真空断熱パネル４ｄと真空断熱パネル４ｅとの離間部分つまり隙間Ｇを外側から覆い、更に真空断熱パネル４ｄの端部分も覆っている。また、押し当て部１７は、真空断熱パネル４ｄと真空断熱パネル４ｅとの離間部分つまり隙間Ｇを超えて、真空断熱パネル４ｅの充填部分にまで延びている。これにより、発泡性断熱材１９は、真空断熱パネル４ｄと真空断熱パネル４ｅとの離間部分つまり隙間Ｇを外側から覆い、更に真空断熱パネル４ｅの端部分も覆っている。

　覆い部材１５は、断熱箱体１の下端から機械室３の底面３ａ（天井壁部１ａの後部の低段面）に至るまでの長さと同等の長さを有している。そして、押し当て部１６，１７には、それぞれ、断熱壁部に取り付けられる取付部分を補強する複数個の補強部１６ｂ，１７ｂが、上下方向に間欠的に形成されている。これら補強部１６ｂ，１７ｂは、断熱壁部に取り付けられる取付部分そのものとしても機能する。これら補強部１６ｂ，１７ｂは、それぞれ、押し当て部１６，１７の表面から内側に向けて形成されており、有底の筒状、例えば円筒状に突出している。補強部１６ｂ，１７ｂの突出量は、凹状をなす押し当て部１６，１７の深さと同等度に定められている。これら補強部１６ｂ，１７ｂの外底面は、発泡性断熱材１８，１９の表面と面一になっている。

　押し当て部１６，１７の補強部１６ｂ，１７ｂの底部には、それぞれ通し孔２２が形成されている。これら通し孔２２には、押し当て部１６を右側壁部１ｄに固定、或いは、押し当て部１７を奥壁部１ｅに固定するためのセルフタッピングねじ２１がそれぞれ通される。更に、右側壁部１ｄの外殻７ｄには、セルフタッピングねじ２１がねじ込まれるバーリング孔部２３が形成されている。また、奥壁部１ｅの外殻７ｅには、セルフタッピングねじ２１を通すための通し孔２４が形成されている。また、この外殻７ｅに当てられた右側壁部１ｄの連結片９には、セルフタッピングねじ２１がねじ込まれるバーリング孔部２５が形成されている。

　覆い部材１５を断熱箱体１の右側後部の稜角部分に取り付けるには、発泡性断熱材１９の溝２０内に配管、例えばサクションパイプ２６を挿入した上で、覆い部材１５を断熱箱体１の右側後部の稜角部分に配置する。そして、押し当て部１６を右側壁部１ｄの外殻７ｄに当てると共に、押し当て部１７を奥壁部１ｅの外殻７ｅに当てる。この状態で、セルフタッピングねじ２１を押し当て部１６の補強部１６ｂの通し孔２２に通し、更に右側壁部１ｄの外殻７ｄのバーリング孔部２３にねじ込む。これにより、押し当て部１６が右側壁部１ｄに固定される。また、セルフタッピングねじ２１を押し当て部１７の補強部１７ｂの通し孔２２および奥壁部１ｅの外殻７ｅの通し孔２４に順次通し、更に右側壁部１ｄの連結片９のバーリング孔部２５にねじ込む。これにより、押し当て部１７が奥壁部１ｅに固定される。

　溝２０は押し当て部１７の先端側に形成されている。そのため、覆い部材１５を固定した状態では、サクションパイプ２６は、奥壁部１ｅの真空断熱パネル４ｅに対応する部分、つまり、外殻７ｅのうち真空断熱パネル４ｅが接している部分の外面に位置する。なお、サクションパイプ２６は、冷蔵用および冷凍用の２個のエバポレータと、コンプレッサの吸入口とを接続する。このサクションパイプ２６には低温度の液冷媒が流れる。

　本実施形態によれば、断熱箱体１の右側後部の稜角部分に覆い部材１５が取り付けられている。そのため、右側壁部１ｄと奥壁部１ｅとの結合部分が外側から覆い部材１５によってシールされる。これにより、右側壁部１ｄと奥壁部１ｅとの結合部分に多少の隙間があっても、収納空間２内の冷気が外部に漏れ出たり、外気が収納空間２内に侵入したりすることを防止できる。従って、外殻７ｄ，７ｅや内殻８ｄ，８ｅに結露が生ずることを防止できると共に、収納空間２の冷却効率を向上することができる。

　特に本実施形態では、覆い部材１５に発泡性断熱材１８，１９が設けられている。この発泡性断熱材１８，１９は、自身が弾性変形することにより右側壁部１ｄの外殻７ｄと奥壁部１ｅの外殻７ｅに密に接する。そのため、特にシール効果に優れる。

　更に、本実施形態では、右側壁部１ｄの外殻７ｄが備える連結片９を奥壁部１ｅの外殻７ｅに内側から当て、覆い部材１５の押し当て部１７が備える補強部１７ｂを奥壁部１ｅの外殻７ｅに外側から当て、そして、補強部１７ｂをセルフタッピングねじ２１によって連結片９のバーリング孔部２３に締め付けて固定する。これにより、右側壁部１ｄの外殻７ｄの連結片９と奥壁部１ｅの外殻７ｅとが互いに強く締め付けられて両者間に生ずる隙間が減じられる。従って、シール性を一層向上することができる。

　しかも、発泡性断熱材１８，１９は隙間Ｇ部分に対応する部分に存在している。更に、本実施形態では、発泡性断熱材１８，１９は、隙間Ｇに対応する部分ばかりでなく、隙間Ｇに対応する部分を覆って、更に真空断熱パネル４ｄ，４ｅが存在する部分にまで延びている。そのため、隙間Ｇに充填されている断熱材１４が真空断熱パネル４ｄ，４ｅに比べ断熱性に劣っているとしても、その断熱材１４の断熱不足を発泡性断熱材１８，１９により補うことができる。従って、右側壁部１ｄと奥壁部１ｅとの結合部分の断熱性能を向上することができる。

　本実施形態では、低温度の冷媒が流れるサクションパイプ２６は、発泡性断熱材１９により覆われている。これにより、サクションパイプ２６に結露が生じることを防止できる。

　また、例えばサクションパイプ２６が隙間Ｇに対応する位置に配置されている場合では、外殻７ｅがサクションパイプ２６によって冷やされると、この冷やされた部分に隙間Ｇ内の冷蔵温度帯（例えば、２～３℃）の空気が触れて結露するといった不具合が生じる。本実施形態では、サクションパイプ２６は、真空断熱パネル４ｅに対応する位置に配置されている。そのため、外殻７ｅがサクションパイプ２６によって冷やされたとしても、この冷やされた部分に隙間Ｇ内の冷蔵温度帯の空気が触れることがない。従って、サクションパイプ２６によって冷やされた部分に結露が発生するといった不具合を防止することができる。

　また、覆い部材１５に補強部１６ｂ，１７ｂを設け、これら補強部１６ｂ，１７ｂをセルフタッピングねじ２１によって右側壁部１ｄ，奥壁部１ｅに固定する。これにより、セルフタッピングねじ２１の締め付け力に対する強度を向上させることができる。つまり、補強部１６ｂ，１７ｂが設けられていないと、覆い部材１５は、セルフタッピングねじ２１の締め付け力を受けて湾曲して内部応力を蓄積するなど、強度上の不具合を生ずる。しかし、本実施形態では、このような不具合の発生を防止できる。

　また、覆い部材１５は、押し当て部１６が右側壁部１ｄに固定され、押し当て部１７が奥壁部１ｅに固定されている。このような覆い部材１５は、押し当て部１６と押し当て部１７とが相互に直交する方向に伸びていることから、右側壁部１ｄと奥壁部１ｅとを９０度の結合角度で保持する機能、つまり、右側壁部１ｄおよび奥壁部１ｅの交差角度を直角に保持する機能を有する。更に、押し当て部１６には補強部１６ｂが形成され、押し当て部１７には補強部１７ｂが形成されている。そのため、覆い部材１５としての強度が向上し、右側壁部１ｄと奥壁部１ｅとを９０度の結合角度で保持する機能を強化することができる。

　なお、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。

　例えば、壁部１ａ～１ｅは、外殻７と内殻８との間を、真空断熱パネル４と、この真空断熱パネル４の内側または外側に充填した発砲断熱材とで満たしたものであってもよい。
　断熱箱体１は、５つの壁部１ａ～１ｅにより構成するものに限られない。例えば、断熱箱体１は、左側壁部１ｃと奥壁部１ｅ、底壁部１ｂと奥壁部１ｅなど、２つの壁部を一体に形成したものを１つの壁部とするものであってもよい。

　発泡性断熱材で覆う配管はサクションパイプ以外のパイプであってもよい。
　補強部は、押し当て部１６，１７の表面部に通し孔を形成し、その通し孔の周囲に筒状に形成したものであってもよい。
　補強部１６ｂ，１７ｂは筒状のものに限られない。
　覆い部材は、複数の断熱壁部の結合部分、例えば、右側壁部１ｄの内殻８ｄと奥壁部１ｅの内殻８ｅとで構成されるコーナー部分を、収納空間２の内側から覆うものであってもよい。

　覆い部材は、壁部１ａ～１ｅの結合部分のうち所要の結合部分に設ければよい。従って、覆い部材は、例えばシール剤を塗布することでシールできるような部分には特に設けなくともよい。
　真空断熱パネル４に代えて、他の断熱体、例えば発泡断熱パネルを使用してもよい。

Claims

　冷蔵庫本体として備えられ、外殻と内殻との間に断熱パネルを設けた複数の断熱壁部を結合した断熱箱体と、
　複数の前記断熱壁部の結合部分のうち所要の結合部分に設けられ、当該結合部分をシールする覆い部材と、
を備える冷蔵庫。
　請求項１記載の冷蔵庫において、
　前記覆い部材により前記結合部分がシールされる２つの前記断熱壁部は、一方の断熱壁部の断熱パネルと他方の断熱壁部の断熱パネルとが互いに離間し、
　前記覆い部材は、２つの前記断熱壁部との間にそれぞれ断熱層を有し、
　前記断熱層は、少なくとも、一方の断熱壁部の断熱パネルと他方の断熱壁部の断熱パネルとの離間部分を覆う冷蔵庫。
　請求項１または２記載の冷蔵庫において、
　前記覆い部材の内側に配管が設けられている冷蔵庫。
　請求項３記載の冷蔵庫において、
　前記配管は、エバポレータとコンプレッサとを接続するサクションパイプであり、
　前記サクションパイプは、前記断熱パネルが設けられている部分に対応している冷蔵庫。
　請求項１から４の何れか１項に記載の冷蔵庫において、
　前記覆い部材は、前記断熱壁部に取り付けられる部分を補強する補強部を有する冷蔵庫。
　請求項５記載の冷蔵庫において、
　前記補強部は有底の筒状をなし、
　この有底筒状の補強部は、その底部を前記断熱壁部に当接させた状態でねじにより前記断熱壁部に締め付けられている冷蔵庫。
　請求項１から６の何れか１項に記載の冷蔵庫において、
　前記覆い部材は、前記断熱箱体の稜角部を外側から覆うように固定され、この稜角部において結合された２つの前記断熱壁部の交差角度を直角に保持する冷蔵庫。