JP6005341B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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まず、第一実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1および図2に示すように、冷蔵庫10は、前面に開口が形成された矩形箱状の断熱箱体11を主体として構成されている。この断熱箱体11は、少なくとも二つの分割された断熱壁から構成されている。具体的には、断熱箱体11は、左右側面、背面、天井面、および底面の各面に分割された断熱壁が箱体に組立てられて構成されている。具体的には、図2に示すように、断熱箱体11は、左面側の断熱壁12と、右面側の断熱壁13と、天井面側の断熱壁14と、背面側の断熱壁15と、底面側の断熱壁16とから構成されている。これら断熱壁12〜16は、庫外側の面となる外板および庫内側の面となる内板によって断熱壁の外枠が構成され、その内部に板状に構成された断熱部材としての真空断熱パネルを設けて構成されている。
左面側の断熱壁12は、図3にも示すように、外板28と内板29との間に、板状に構成された断熱部材としての真空断熱パネル30を挟んで構成されている。この場合、外板28は断熱箱体11の外側壁面を構成し、内板29は断熱箱体11の内側壁面を構成している。外板28は、鋼板を部分的に曲げ加工されて、全体としてほぼ平板状に形成されている。
断熱扉22は、断熱性を有する扉本体42と、扉本体42の周囲の隙間からの熱漏洩を防ぐマグネットガスケット43とから構成されている。扉本体42は、冷蔵庫10の庫外側に位置する鋼板製の扉外板421および庫内側に位置する樹脂製の扉内板422の間に例えば発泡ウレタンなどの断熱材423を充填して構成されている。なお、断熱材として真空断熱パネルを用いてもよい。
この場合、外板28とシール部材38の境界部はマグネットガスケット43によって覆われている。そのため、外板28とシール部材38の境界部から収容部33内へ外気または庫内の冷気が流入することを極力防ぐことができる。
まず、外板28の前面部284内側に補助部材35を配置して、これらをねじや接着剤などで固定する。さらに、ソフトテープ362を補助部材35の内側に接着剤や両面テープなどで固定する。これとは別に、ソフトテープ361を、真空断熱パネル30の前端面303において露出部304を除いた位置に接着剤や両面テープなどで固定し、この真空断熱パネル30の一方の面を外板28に対して接着固定する。この場合、外板28または真空断熱パネル30の少なくとも一方の側面に、液状の接着剤としてホットメルトなどの熱可塑性の樹脂製接着剤を塗布して外板28と真空断熱パネル30とを接着固定する。
本実施形態の構成によれば、断熱箱体11を構成する左右両側の断熱壁12、13は、板状に構成された真空断熱パネル30を、外板28および内板29で挟んで構成されている。そして、この断熱壁12、13には、断熱箱体11の開口側に位置し真空断熱パネル30の前端面303の近傍に収容部33が形成されている。収容部33は、外板28および内板29で形成される連通口34によって外部へ連通している。収容部33にはソフトテープ361、362、および防露パイプ37が収容され、連通口34はシール部材38によって閉塞されている。
次に、第二実施形態について図4を参照して説明する。
この第二実施形態では、主にシール部材44の構成が上記第一実施形態と異なっている点で第一実施形態と異なる。具体的には、外板45は、第一実施形態と同様に鋼板を曲げて全体として平板状に構成されている。外板45の前端部には、前面部451と、前面部451から断熱壁12の内方へ巻き込むようにして曲げられた曲げ部452が形成されている。内板46は、ABS樹脂などから全体として平板状に構成されて、その前端部に内板係止部461が設けられている。これら外板45と内板46とによって収容部47が形成されている。そしてこの収容部47には、真空断熱パネル30の前端面303に接着されたソフトテープ36と、二本の防露パイプ37と、シール部材44が収容されている。
次に、第三実施形態について図5を参照して説明する。
この第三実施形態においても、主にシール部材48の構成が上記各実施形態と異なっている点で上記各実施形態と異なる。具体的には、外板49も鋼板により全体として平板状に構成されている。外板49の前端部には、外板49を折り畳むようにしてシール部材受部491が形成されている。また、内板50も、ABS樹脂などにより全体として平板状に構成されている。外板49および内板50によって形成される収容部51内には、ソフトテープ36および防露パイプ37が収容されている。
この第三実施形態によれば、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、第四実施形態について図6を参照して説明する。
第四実施形態において、シール部材52は、真空断熱パネル30の厚み寸法よりも幅広に構成されて、外板53および内板54の前端部を覆っている。具体的には、外板53は、上記各実施形態と同様に鋼板により全体として平板状に構成されており、この外板53の前端部には、外板53を断熱壁12内方へ折り曲げた返し部531が形成されている。また、内板54は、樹脂などにより全体として平板状に構成されている。外板53および内板54によって形成される収容部55内には、ソフトテープ36、および二本の防露パイプ371、372のうち一本の防露パイプ371が収容されている。また、外板53の返し部531および内板54の前端部の間には、収容部55を外部へ連通する連通口56が形成されている。連通口56の幅寸法は、防露パイプ371を通すのに十分に広く構成されていて、この連通口56から収容部55内へ、ソフトテープ36や防露パイプ371を容易に挿入することができる。
また、シール部材52の前面には鋼板で構成された補助部材57が設けられている。このため、シール部材52が樹脂製であっても、マグネットガスケット43を断熱箱体11に密着させることができる。
そして、補助部材57は、左右のヒンジ25、26によって分割されずに、上下方向へ連続して設けられている。このため、補助部材57は、シール部材52を上下方向へ連続して補強することができる。これにより、断熱壁12は、左右のヒンジ25、26に作用する回転断熱扉22の回転力を受けた場合に、負荷がかかりやすいヒンジ25部分において断熱壁12が折れ曲がってしまうことを防ぐことができる。
次に、第五実施形態について図7を参照して説明する。
第五実施形態では、真空断熱パネル30の厚み方向に二つに分割された第一シール部材58および第二シール部材59を備えている点において、上記各実施形態と異なっている。具体的には、外板60は、上記各実施形態と同様に鋼板により全体として平板状に構成されて、その先端部は右方へほぼ直角に曲げられている。内板61は、上記各実施形態と同様に合成樹脂製の板により全体として平板状に構成されている。
また、補助部材64は、断熱箱体11の組立工程の最終段階、つまりソフトテープ36および防露パイプ371、372を収容部62内に挿入し、さらに第一シール部材58および第二シール部材59を外板60および内板61に取付け連通口63を閉塞した後に、前方から第一シール部材58および第二シール部材59に対して取付けることができる。このため、補助部材64の組立作業性が向上する。
次に、第六実施形態について図8から図10を参照して説明する。
この第六実施形態においては、断熱壁12がシール部材を備えていない点において、上記各実施形態と異なっている。具体的には、断熱壁12は、外板65および内板66によって、真空断熱パネル30を挟んで構成されている。外板65は、鋼板により全体として平板状に構成されている。外板65は、前端部が右方つまり内板61側へほぼ直角に曲げられて、さらに外板65を折り畳むようにして内板受部651が形成されている。
本実施形態における冷蔵庫は、図11に示すように、上記各実施形態の構成に加えてさらに通気口70を備えている。この場合、第一から第五実施形態の冷蔵庫については、通気口70は、例えばこれら各実施形態におけるシール部材の一部を切欠いたり上下方向に分割したりして形成されている。これにより、例えば上記第一実施形態においては、閉塞手段としてのシール部材38により連通口34が閉塞された状態で、通気口70が形成されている。また、第六実施形態については、通気口70は通気口69に相当する。
断熱壁12の前端縁部には、外板71と内板72とによって、真空断熱パネル30の前端面303に面した収容部73が形成されている。また、外板71と内板72とが離間することによって通気口70が形成されている。通気口70は、収容部73を外部へ連通する。そして、収容部73には、ソフトテープ36および防露パイプ37が収容されている。
なお、上記各実施形態において、断熱箱体11は、真空断熱パネルに加えて他の断熱材を併用する構成としてもよい。例えば、図12に示すように、断熱壁12は、断熱材として、真空断熱パネル30の他に発泡ウレタン80を有する構成でもよい。この場合、真空断熱パネル30は、内板29に対して接着剤などにより固定されている。一方、真空断熱パネル30は、外板81に対して離間している。発泡ウレタン80は、この真空断熱パネル30と外板81との隙間に充填されている。なお、発泡ウレタン80に代えてソフトテープなどでもよい。また、この場合、真空断熱パネル30と外板81と隙間の寸法は、防露パイプ37の外径よりも小さい。そのため、防露パイプ37は、真空断熱パネル30と外板81との隙間に設けることができない構成となっている。
また、断熱箱体11は、外板および内板が、それぞれ複数の断熱壁に亘って一体に構成されていてもよい。例えば、断熱箱体11は、外板および内板を、左面側の断熱壁12と右面側の断熱壁13と天井面側の断熱壁14とに亘ってそれぞれ一枚の板を曲げて門形に一体に構成し、これらを組み合わせたものでもよい。
また、上記各実施形態において、冷蔵温度帯の貯蔵室20および冷凍温度帯の貯蔵室21を備える構成としたが、これに限らず、冷蔵温度帯または冷凍温度帯のどちらか一方のみの貯蔵室を備える構成としてもよい。
さらに、断熱壁を構成する断熱部材としては真空断熱パネルに限定されず、例えばウレタンなどを予め板状に構成したものでもよい。
この構成によれば、断熱壁で箱体を形成した後に、断熱壁内部に形成された収容部に防露手段を取付けることができ、その結果、組立作業性の向上が図られる。
Claims (27)
- 前面に開口が形成された断熱箱体を備え、
前記断熱箱体を構成する左右両側の断熱壁は、
板状に構成された断熱部材としての真空断熱パネルと、
前記断熱部材を挟んで前記断熱箱体の壁面を構成する外板および内板と、
前記断熱箱体の開口側に位置し前記断熱部材の端縁部の近傍にあって少なくとも前記外板と前記真空断熱パネルの端縁部とに囲まれて形成されて部品を収容する収容部と、
前記外板および前記内板によって形成されて前記収容部を外部へ連通する連通口と、
前記連通口を閉塞する閉塞手段と、
を有していることを特徴とする冷蔵庫。 - 前記断熱部材は、前記内板に対して固定されていることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 前記断熱部材は、基材を該基材よりも熱伝導率の高い袋体に収容して構成され、該袋体の一部は前記収容部内に露出していることを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫。
- 前記左右両側の断熱壁に設けられる支持部材をさらに備え、
前記断熱箱体は、前記支持部材により上下方向に複数の貯蔵室に区分されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の冷蔵庫。 - 前記外板の前端部および前記内板の前端部は、前記断熱部材の前端よりも前方に位置していることを特徴とする請求項1から4いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記部品は、前記断熱箱体の前記開口の周囲の結露を防止する防露手段であることを特徴とする請求項1から5いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記防露手段は、ソフトテープであることを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
- 前記防露手段は、防露パイプであることを特徴とする請求項6または7記載の冷蔵庫。
- 前記防露パイプは、前記外板に対して熱伝導可能に接触していることを特徴とする請求項8記載の冷蔵庫。
- 前記外板の前端部に沿って設けられて、前記外板よりも厚い金属板で構成された補助部材をさらに備え、
前記防露パイプは、前記外板に対して前記補助部材を介して熱伝導可能に接触していることを特徴とする請求項9記載の冷蔵庫。 - 前記外板の前端部および前記内板の前端部が離間して設けられることにより前記連通口が形成され、
前記閉塞手段は、前記外板および前記内板を繋ぐシール部材であることを特徴とする請求項1から10のいずか一項記載の冷蔵庫。 - 前記シール部材は、前記外板より熱伝導率が低い材料で構成されて前記外板の前面側に延出していることを特徴とする請求項11記載の冷蔵庫。
- 前記シール部材は、前記防露パイプを保持する保持部を有し、
前記防露パイプは、前記保持部に保持されて前記収容部に収容されていることを特徴とする請求項11または12記載の冷蔵庫。 - 前記シール部材と前記内板との境界部は、前記断熱部材の側面領域内に位置していることを特徴とする請求項11から13いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記シール部材は、前記断熱部材の厚み方向へ弾性変形することを特徴とする請求項11から14いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記シール部材は、前記外板および前記内板に係合していることを特徴とする請求項11から15いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記断熱箱体の前面の開口を開閉する断熱扉と、
前記断熱扉に設けられて該断熱扉と断熱箱体を密閉するガスケットと、をさらに備え、
前記シール部材と前記外板との境界部は前記ガスケットによって覆われることを特徴とする請求項11から16いずれか一項記載の冷蔵庫。 - 前記シール部材は、前記断熱部材の厚み寸法よりも幅広に構成されて前記外板および前記内板の前端部を覆っていることを特徴とする請求項11から17いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記シール部材は、樹脂材料で構成されて前面側に金属板が設けられていることを特徴とする請求項18記載の冷蔵庫。
- 前記金属板は前記外板よりも厚いことを特徴とする請求項19記載の冷蔵庫。
- 前記断熱扉は、前記断熱壁の前端部に設けられたヒンジを回転軸として左右方向へ回転する回転扉であり、
前記金属板は、前記ヒンジを避けて上下方向へ連続して設けられていることを特徴とする請求項20記載の冷蔵庫。 - 前記シール部材は、前記断熱部材の厚み方向に少なくとも二つに分割されていることを特徴とする請求項11から17いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記閉塞手段として、前記外板および前記内板の少なくとも一方が弾性を有する材料で構成されて弾性変形することによって前記連通口を閉塞することを特徴とする請求項1から10いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記断熱壁は、前記閉塞手段により前記連通口が閉塞された状態で前記収容部を外部へ連通する通気口が形成されていることを特徴とする請求項1から23いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記部品および前記支持部材は、前記左右両側の断熱壁を連結する横梁部材であることを特徴とする請求項4から24のいずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記横梁部材は、端部に曲折部を有し、前記曲折部が前記通気口に挿入され、
前記横梁部材の前面部と前記断熱壁の前面部とが面一であることを特徴とする請求項25記載の冷蔵庫。 - 前記通気口は、前記横梁部材の側面部によって塞がれていることを特徴とする請求項25または26記載の冷蔵庫。
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