WO2013027582A1

WO2013027582A1 - クリップ

Info

Publication number: WO2013027582A1
Application number: PCT/JP2012/070216
Authority: WO
Inventors: 潤米野; 孝弘杉山; 利夫岩原
Original assignee: 大和化成工業株式会社
Priority date: 2011-08-24
Filing date: 2012-08-08
Publication date: 2013-02-28
Also published as: EP2749778B1; EP2749778A4; EP2749778A1; CN103443481A; US9488202B2; JP2013044391A; US20150026933A1; JP5666400B2

Abstract

　クリップは、装着部材（２０）のクリップ座（２２）に組付けられた状態で相手パネル（２４）の取付け孔（２６）に挿入されて装着部材（２０）を相手パネル（２４）に取付ける。クリップは、閉ざされた一端部（１０Ａ）と開放された他端部（１０Ｂ）を具備する正面視の形状を備える樹脂製のクリップ本体（１０）を有する。クリップ本体（１０）は、係合腕（１２）と該係合腕（１２）の内側に位置する保持部材（１４）を有する。係合腕（１２）は、クリップ本体（１０）が相手パネル（２４）の取付け孔（２６）を通過する時に押されて弾性変形し、係合腕（１２）が取付け孔（２６）に挿入された時に取付け孔（２６）の縁に係合するように構成される。保持部材（１４）は、クリップ本体（１０）を装着部材（２０）のクリップ座（２２）に組付けられた状態に保持するように構成される。係合腕（１２）と保持部材（１４）は、正面視において略菱形のループ状を呈してつなげられ、かつ側面視において位置が異なり弾性変形された時に正面視において重なるように構成される。

Description

クリップ

　本発明は、装着部材をパネルに取付けるためのクリップに関する。装着部材は、自動車の内装部品であるセンタークラスタ等である。パネルは、自動車のインストルメントパネル等である。

　特許第２９９５３２９号公報と特許第４３７５８７７号公報にクリップが開示されている。クリップは、一対の係合腕と一対の保持部材を備える。一対の係合腕は、連結されて略Ｕ字状である。一対の保持部材は、係合腕の間において互いに対向する。保持部材の両端は、係合腕の内縁に連結される。クリップは、両保持部材によって装着部材のクリップ座に組付けられる。その状態でクリップが相手パネルの取付け孔に挿入されて、両係合腕が取付け孔の縁に係合し、クリップが相手パネルに取付けられる。

　両係合腕と両保持部材は、それぞれループ状につながっており、内外に並設される層構造を構成する。このためクリップを相手パネルの取付け孔に挿入する際、一対の係合腕が保持部材によって近接することが規制されるため、幅を小さくすることが規制される。そのため相手パネルの取付け孔の開口寸法も大きくなる。またクリップが層構造であることから、取付け孔に挿入するときの係合腕の反発力が大きくなる。そのためクリップの挿入荷重が増大する。

　取付け孔の開口寸法を小さくする対策として、係合腕あるいは保持部材の肉厚を薄くすることが考えられる。しかしこの場合、係合腕あるいは保持部材の弾性力が小さくなる。これによりクリップの装着部材に対する係合力等が十分に得られなくなる。したがってクリップを孔に挿入する際の挿入荷重が小さく、クリップの装着部材に対する係合力が十分に高く、かつコンパクトなクリップが従来必要とされている。

　本発明の１つの特徴によると、クリップは、装着部材のクリップ座に組付けられた状態で相手パネルの取付け孔に挿入されて装着部材を相手パネルに取付ける。クリップは、閉ざされた一端部と開放された他端部を具備する正面視の形状を備える樹脂製のクリップ本体を有する。クリップ本体は、係合腕と該係合腕の内側に位置する保持部材を有する。係合腕は、クリップ本体が相手パネルの取付け孔を通過する時に押されて弾性変形し、係合腕が取付け孔に挿入された時に取付け孔の縁に係合するように構成される。保持部材は、クリップ本体を装着部材のクリップ座に組付けられた状態に保持するように構成される。係合腕と保持部材は、正面視において略菱形のループ状を呈してつなげられ、かつ側面視において位置が異なり弾性変形された時に正面視において重なるように構成される。

　したがってクリップ本体が相手パネルの取付け孔を通過するとき、正面視において係合腕と保持部材が重なる。これによりクリップ本体の正面視における幅が小さくなる。したがって係合腕あるいは保持部材の肉厚を薄くすることなく、取付け孔の開口寸法をより小さくし得る。係合腕は、正面視において保持部材に重なりながら撓められる。そのためクリップ本体を取付け孔に挿入する際に保持部材に邪魔され難く係合腕が弾性変形し、これにより挿入荷重が比較的小さくなる。

　係合腕と保持部材が略菱形のループ状につながっているため、係合腕に必要な弾性力が確保され得る。そのため係合腕が弾性変形されたときの力が保持部材に直接伝えられ、保持部材がクリップ座に対して強く係合し得る。これにより装着部材を相手パネルから取外す際に、クリップ本体がクリップ座に確実に組付けられた状態にて相手パネルの取付け孔から抜け得る。

クリップと装着部材と相手パネルの斜視図である。斜め上方からのクリップの斜視図である。斜め下方からのクリップの斜視図である。クリップの正面図である。クリップの側面図である。クリップの底面図である。図５のVII－VII線断面矢視図である。クリップを相手パネルの取付け孔に挿入する前の相手パネルとクリップの断面図である。クリップを取付け孔に挿入した時の相手パネルとクリップの断面図である。クリップを相手パネルに装着した時の相手パネルとクリップの断面図である。他の構造のクリップの上方からの斜視図である。図１１のクリップの下方からの斜視図である。図１１のクリップの正面図である。図１１のクリップの側面図である。図１１のクリップの底面図である。図１４のXVI－XVI線断面矢視図である。

　本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。クリップ本体１０は、図１に示す装着部材２０のクリップ座２２に組付けることができる。その状態でクリップ本体１０が相手パネル２４の取付け孔２６に挿入され、クリップ本体１０が装着部材２０を相手パネル２４に取付けることができる。

　クリップ本体１０は、樹脂材による一体成形品である。クリップ本体１０は、図４に示すように閉ざされた先端部１０Ａと、開放された基端部１０Ｂを有する。クリップ本体１０は、左右の両外側に位置する一対の係合腕１２と、係合腕１２の内側に位置する一対の保持部材１４を備える。両係合腕１２は、クリップ本体１０を相手パネル２４に係合させて相手パネル２４に保持する機能を果たす。両保持部材１４は、クリップ本体１０をクリップ座２２に組付け、クリップ座２２を保持する機能を果たす。

　両係合腕１２は、図４に示すようにクリップ本体１０の先端部１０Ａの正面視における左右端部から基端部１０Ｂに向かって延びる。両係合腕１２は、張出し部１２ａまで互いに外方へ離れ、傾斜する。両係合腕１２は、張出し部１２ａを過ぎると、互いに近づき、係合斜面１２ｂを構成する。係合斜面１２ｂから基端部１０Ｂまで、両係合腕１２がほぼストレートに延びる。両係合腕１２の端末部１２ｃは、基端部１０Ｂにおいて外方へ折れ曲がり、外方へ延出する。

　両係合腕１２は、図７に示すようにクリップ本体１０の先端部１０Ａにおける仮想点Ｐ１を支点として、それぞれ内方へ弾性変形できる。仮想点Ｐ１は、保持部材１４が押されて撓むときの支点でもある。

　保持部材１４は、図４，７に示すように挟持部１４ａと延長部１４ｃを有する。挟持部１４ａは、クリップ本体１０の先端部１０Ａに結合される。延長部１４ｃは、挟持部１４ａの下端から延出し、基端部１０Ｂに結合される。各保持部材１４の両端部は、係合腕１２に結合される。係合腕１２と保持部材１４は、つながっており正面視において菱形等の略四角形のループ状になる。係合腕１２と保持部材１４は、仮想点Ｐ１，Ｐ２において結合する。係合腕１２の仮想点Ｐ１，Ｐ２の間の長さは、保持部材１４の仮想点Ｐ１，Ｐ２の間の長さと略等しい。

　挟持部１４ａの厚さは、図７に示すように延長部１４ｃよりも厚い。挟持部１４ａは、クリップ本体１０を装着部材２０のクリップ座２２に組付けた状態を保持するために必要な剛性を有する。両挟持部１４ａは、相対向する内側面を有する。両内側面は、傾斜しており、両内側面の間隔は、先端部１０Ａから基端部１０Ｂに近いほど狭い。

　両保持部材１４は、図４，５に示すように挟持部１４ａの下部に係止突起１４ｂを有する。係止突起１４ｂは、挟持部１４ａよりも幅が広く、挟持部１４ａから両側に張り出す。

　クリップ本体１０には、図５に示すようにスリット１６が形成される。スリット１６は、係合腕１２と保持部材１４を分割する。保持部材１４がクリップ本体１０の中央に位置し、両側に係合腕１２が位置する。係合腕１２と保持部材１４は、側面視において位置が異なっている。そのため係合腕１２と保持部材１４は、図７に示す仮想点Ｐ１を支点として内方に弾性変形した時に正面視において重なり得る。

　装着部材２０は、樹脂製であって、センタークラスタ等の車両内装品である。図１に示すように装着部材２０は、意匠面の裏側にクリップ座２２を一体に有する。クリップ座２２は、保持部材１４の挟持部１４ａの相対向する内側面の間に差し込み可能な板厚を有する。クリップ座２２には、厚み方向に結合孔２２ａが貫通される。クリップ座２２の両側部に補強リブ２２ｂが設けられる。

　相手パネル２４は、図１に示すようにインストルメントパネル等の板部材である。相手パネル２４には、厚み方向に取付け孔２６が貫通される。

　以下にクリップ本体１０によって装着部材２０を相手パネル２４に取付ける手順を説明する。先ず、クリップ本体１０の開放された基端部１０Ｂ側から両保持部材１４の間に向けて装着部材２０のクリップ座２２を相対的に差し込む。両保持部材１４の挟持部１４ａの相対向する内側面の間にクリップ座２２が進入する。図８に示すように両保持部材１４の係止突起１４ｂがクリップ座２２の結合孔２２ａに両側から係合する。これによりクリップ本体１０が装着部材２０のクリップ座２２に組付けられる。

　両挟持部１４ａの相対向する内側面がテーパー状になっている。そのためクリップ座２２の板厚にバラツキがあってもクリップ本体１０は、クリップ座２２に対してがたつくことが防止され得る。両保持部材１４の係止突起１４ｂが挟持部１４ａの両側に張り出している。そのため側面視における保持部材１４の幅が比較的小さい場合でも、係止突起１４ｂは、クリップ座２２の結合孔２２ａに対して十分に広い面積にて引っかかり得る。

　クリップ座２２に組付けられたクリップ本体１０を、図８に示す位置から図９に示す位置に移動させて相手パネル２４の取付け孔２６に挿入する。クリップ本体１０の両係合腕１２が取付け孔２６の縁に押されて内方へ撓められる。両係合腕１２は、図７に示された仮想点Ｐ１を支点として弾性変形する。両係合腕１２は、図９に示すように張出し部１２ａが取付け孔２６を通過するときに最大に撓められる。

　図９に示すように両係合腕１２が弾性変形した時に、側面視において係合腕１２と保持部材１４が重なる。クリップ本体１０は、取付け孔２６を通過する時に左右方向の幅が小さくなる。したがって取付け孔２６の左右方向の開口寸法を従前のものより小さくでき、近年の要求に対応し得る。

　係合腕１２と保持部材１４は、スリット１６で分割されている。したがって両係合腕１２は、大きな力を加えることなく撓められ、取付け孔２６を通過し得る。これによりクリップ本体１０の挿入荷重が低くされ得る。

　図１０，１１に示すように両係合腕１２の張出し部１２ａが取付け孔２６を通過した際に、クリップ本体１０の挿入が完了する。これにより両係合腕１２の係合斜面１２ｂが取付け孔２６の縁に係合する。かくしてクリップ本体１０によって装着部材２０が相手パネル２４に取付けられる。

　両係合腕１２と両保持部材１４は、図４に示すように菱形等の略四角形のループ状につながっている。そのため係合腕１２と保持部材１４は、要求される弾性力を容易に得る。これによりクリップ本体１０は、図１０に示す状態において相手パネル２４に対して確実に保持され得る。

　装着部材２０を相手パネル２４から取外す場合は、クリップ本体１０に抜く方向に荷重が作用する。図９，１０を参照するように両係合腕１２が取付け孔２６の縁から力を受けて内方に撓められる。該力は、図７に示される仮想点Ｐ２と保持部材１４の延長部１４ｃを通じて挟持部１４ａに直接伝えられる。これにより挟持部１４ａが仮想点Ｐ１を支点として内方に撓められ、挟持部１４ａのクリップ座２２に対する係合力が高くなる。この結果、クリップ本体１０は、クリップ座２２に確実に組付けた状態で取付け孔２６から抜かれ得る。

　以上のようにクリップ本体１０は、図１，２に示すように閉ざされた一端部１０Ａと開放された他端部１０Ｂを具備する正面視の形状を備え、かつ樹脂製である。クリップ本体１０は、係合腕１２と係合腕１２の内側に位置する保持部材１４を有する。係合腕１２は、クリップ本体１０が相手パネル２４の取付け孔２６を通過する時に押されて弾性変形し、係合腕１２が取付け孔２６に挿入された時に取付け孔２６の縁に係合するように構成される。保持部材１４は、クリップ本体１０を装着部材２０のクリップ座２２に組付けられた状態に保持するように構成される。係合腕１２と保持部材１４は、正面視において略菱形のループ状を呈してつなげられ、かつ側面視において位置が異なり弾性変形された時に正面視において重なるように構成される。

　したがってクリップ本体１０が相手パネル２４の取付け孔２６を通過するとき、正面視において係合腕１２と保持部材１４が重なる。これによりクリップ本体１０の正面視における幅が小さくなる。したがって係合腕１２あるいは保持部材１４の肉厚を薄くすることなく、取付け孔２６の開口寸法をより小さくし得る。係合腕１２は、正面視において保持部材１４に重なりながら撓められる。そのためクリップ本体１０を取付け孔２６に挿入する際に保持部材１４に邪魔され難く係合腕１２が弾性変形し、これにより挿入荷重が比較的小さくなる。

　係合腕１２と保持部材１４が略菱形のループ状につながっているため、係合腕１２に必要な弾性力が確保され得る。そのため係合腕１２が弾性変形されたときの力が保持部材１４に直接伝えられ、保持部材１４がクリップ座２２に対して強く係合し得る。これにより装着部材２０を相手パネル２４から取外す際に、クリップ本体１０がクリップ座２２に確実に組付けられた状態にて相手パネル２４の取付け孔２６から抜け得る。

　係合腕１２と保持部材１４は、図７に示すようにクリップ本体１０の閉ざされた一端部１０Ａ近くの箇所と、開放された他端部１０Ｂ近くの箇所において相互につながっている。したがって変形時における係合腕１２の両支点間（Ｐ１とＰ２）の距離が大きくなる。これによりクリップ本体１０が短い場合でも、クリップ本体１０を取付け孔２６に挿入する際の荷重を小さくし得る。

　本発明の形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。

　クリップ本体１０は、図２等に示す構造に代えて図１１～１６に示す構造を有していても良い。図１１～１６に示すクリップ本体１０は、菱形等の略四角形のループ状につながった係合腕１２と保持部材１４を有する。係合腕１２と保持部材１４は、側面視において位置が異なっており、正面視において重なり得る。

　図１１～１６に示す係合腕１２は、ほぼストレートの端末部１２ｃを有する。図１６に示すように係合腕１２と保持部材１４が仮想点Ｐ１，Ｐ２において結合する。係合腕１２の仮想点Ｐ１，Ｐ２の間の長さは、保持部材１４の仮想点Ｐ１，Ｐ２の間の長さよりも長い。

　図１６に示す構造に代えて、係合腕１２の仮想点Ｐ１，Ｐ２の間の長さが保持部材１４の仮想点Ｐ１，Ｐ２の間の長さよりも短くても良い。

　図４の構造に代えてクリップ本体は、支持部材と１つの係合腕１２と１つの保持部材１４を有していても良い。支持部材は、プレート状であって、正面視における左右中央部に位置する。係合腕１２と保持部材１４は、支持部材の片側にだけ形成され得る。この構成においても上記クリップ本体と同様の機能を奏し得る。

　図５の構造に代えてクリップ本体１０は、係合腕１２と保持部材１４の位置が逆の構造を有していても良い。すなわち係合腕１２が中央に位置し、その両側に保持部材１４が位置しても良い。

　図５の構造に代えてクリップ本体１０は、係合腕１２と保持部材１４を各１つ有し、クリップ本体１０の各側面に１つのスリット１６のみが形成されても良い。

　図５の構造に代えてクリップ本体１０は、係合腕１２と保持部材１４を各２つ有し、クリップ本体１０の各側面に３つのスリット１６が形成されても良い。この構造において係合腕１２と保持部材１４は、いずれの配列でも良い。例えば、２つの係合腕１２が内側または外側に位置、２つの保持部材１４が内側または外側に位置、係合腕１２と保持部材１４が交互に位置しても良い。

　上記種々のクリップ本体１０は、使用箇所等に応じて適宜選択され得る。

Claims

　装着部材のクリップ座に組付けられた状態で相手パネルの取付け孔に挿入されて前記装着部材を前記相手パネルに取付けるクリップであって、
　閉ざされた一端部と開放された他端部を具備する正面視の形状を備える樹脂製のクリップ本体を有し、
　前記クリップ本体は、係合腕と該係合腕の内側に位置する保持部材を有し、
　前記係合腕は、前記クリップ本体が前記相手パネルの前記取付け孔を通過する時に押されて弾性変形し、前記係合腕が前記取付け孔に挿入された時に前記取付け孔の縁に係合するように構成され、
　前記保持部材は、前記クリップ本体を前記装着部材の前記クリップ座に組付けられた状態に保持するように構成され、
　前記係合腕と前記保持部材は、正面視において略菱形のループ状を呈してつなげられ、かつ側面視において位置が異なり弾性変形された時に前記正面視において重なるように構成されるクリップ。
　請求項１に記載されたクリップであって、
　前記係合腕と前記保持部材は、前記クリップ本体の前記閉ざされた一端部近くの箇所と、前記開放された他端部近くの箇所においてつなげられるクリップ。