JP2007110806A - 取付具 - Google Patents
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Abstract
【課題】被取付部材への固定強度を高めることができ、被取付部材への取り付け作業性及び被取付部材との解体作業性に優れ、さらにリサイクル性にも優れるワイヤハーネスの取付具を提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス1を被取付部材であるバンパー3へ固定する取付具2は、隙間をおいて対向配置された可撓性の一対の挟持片11a,11b及び当該各挟持片の外表面との間に隙間をおいて設けられた外壁12を有するベース部材5と、前記各挟持片と前記外壁との間に挟入される一組の楔片22a,22bを有する楔部材6と、を備え、前記ベース部材又は前記楔部材が、前記ワイヤハーネスを保持しており、前記一対の挟持片の互いに対向する内表面の少なくとも一方には係止爪15が突設されており、前記被取付部材に突設された支持片であるリブ4が前記一対の挟持片間に差し込まれ、前記各楔片が前記各挟持片と前記外壁との間に挟入されることにより、前記一対の挟持片が前記支持片を挟持すると共に前記係止爪が前記支持片に食い込む。
【選択図】図1
【解決手段】ワイヤハーネス1を被取付部材であるバンパー3へ固定する取付具2は、隙間をおいて対向配置された可撓性の一対の挟持片11a,11b及び当該各挟持片の外表面との間に隙間をおいて設けられた外壁12を有するベース部材5と、前記各挟持片と前記外壁との間に挟入される一組の楔片22a,22bを有する楔部材6と、を備え、前記ベース部材又は前記楔部材が、前記ワイヤハーネスを保持しており、前記一対の挟持片の互いに対向する内表面の少なくとも一方には係止爪15が突設されており、前記被取付部材に突設された支持片であるリブ4が前記一対の挟持片間に差し込まれ、前記各楔片が前記各挟持片と前記外壁との間に挟入されることにより、前記一対の挟持片が前記支持片を挟持すると共に前記係止爪が前記支持片に食い込む。
【選択図】図1
Description
本発明は、被取付部材にワイヤハーネスを固定するためのワイヤハーネスの取付具に関する。
自動車等の車両において、ワイヤハーネスは、パネルやバンパーなどの被取付部材に固定されて車両の各所に配索されている。これらの被取付部材にワイヤハーネスを固定するための従来のワイヤハーネスの取付具として、図6に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6に示すように、ワイヤハーネス100は、取付具であるハーネス保持部材101及びリブクリップ部材102により、被取付部材であるバンパー103に固定されている。バンパー103にはリブ104が突設されており、ワイヤハーネス100を保持した樹脂成形品のハーネス保持部材101は、その挿通孔105にリブ104を挿通させて、当該リブ104に取り付けられている。
リブクリップ部材102は、金属板を二つ折りにしてその対向片部106,107でリブ104を挟持可能に形成されて、リブ104の先端部に装着されている。リブクリップ部材102の片部106,107の少なくとも一方には、リブクリップ部材102がリブ104の先端部に装着された状態において、リブ104の先端側に向けて延びて且つ内側に起こされた押え片部108が形成されており、この押え片部108のエッジ部分がリブ104に食い込んで当該リブ104からのリブクリップ部材102の抜け止めがなされている。そして、リブクリップ部材102の片部106,107の少なくとも一方の端部には、リブ104の基端側に向けて延びて且つ外側に起こされた抜け止め片部109が形成されており、この抜け止め片部109がリブ104に取り付けられたハーネス保持部材101に当接してリブ104からのハーネス保持部材101の抜け止めがなされている。
しかしながら、上述した従来のワイヤハーネスの取付具では、リブクリップ部材102の片部106,107は、リブ104を挟む方向に何ら支持されておらず、よって、リブクリップ部材102を形成する金属板の剛性のみでリブ104を挟持して、押え変部108のエッジ部をリブ104に食い込ませる構成である。そのため、リブクリップ部材102のリブ104への固定強度が十分とはいえず、リブクリップ部材102及びハーネス保持部材101がリブ104から脱落してしまう虞があり、また、これに対処するためにリブクリップ部材102を形成する金属板に高剛性のものを用いた場合には、リブクリップ部材102をリブ104に装着する際の取り付け作業性、並びにリブクリップ部材102及びハーネス保持部材101をリブ104から取り外す際の解体作業性が低下する虞がある。
また、上述した従来のワイヤハーネスの取付具では、まず、リブ104にリブクリップ部材102を装着し、その後にリブ104及びリブクリップ部材102を共に挿通孔105に挿通させながらハーネス保持部材101をリブ104に取り付ける構成である。即ち、ワイヤハーネス100をバンパー103に固定するのに、リブクリップ部材102の取り付け、及びハーネス保持部材101の取り付け、の2工程を必要とし、作業効率に劣る。
また、上述した従来のワイヤハーネスの取付具では、樹脂成形品のハーネス保持部材101に対し、リブクリップ部材102は、その剛性を確保するために金属板を用いており、リサイクルにあたっては解体後にハーネス保持部材101とリブクリップ部材102とを分別する必要があり、リサイクル性に劣る。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被取付部材への固定強度を高めることができ、被取付部材への取り付け作業性及び被取付部材との解体作業性に優れ、さらにリサイクル性にも優れるワイヤハーネスの取付具を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明のワイヤハーネスの取付具は下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1)ワイヤハーネスを被取付部材へ固定する取付具であって、
隙間をおいて対向配置された可撓性の一対の挟持片及び当該各挟持片の外表面との間に隙間をおいて設けられた外壁を有するベース部材と、
前記各挟持片と前記外壁との間に挟入される一組の楔片を有する楔部材と、
を備え、
前記ベース部材又は前記楔部材が、前記ワイヤハーネスを保持しており、
前記一対の挟持片の互いに対向する内表面の少なくとも一方には係止爪が突設されており、
前記被取付部材に突設された支持片が前記一対の挟持片間に差し込まれ、前記各楔片が前記各挟持片と前記外壁との間に挟入されることにより、前記一対の挟持片が前記支持片を挟持すると共に前記係止爪が前記支持片に食い込むことを特徴とする取付具。
隙間をおいて対向配置された可撓性の一対の挟持片及び当該各挟持片の外表面との間に隙間をおいて設けられた外壁を有するベース部材と、
前記各挟持片と前記外壁との間に挟入される一組の楔片を有する楔部材と、
を備え、
前記ベース部材又は前記楔部材が、前記ワイヤハーネスを保持しており、
前記一対の挟持片の互いに対向する内表面の少なくとも一方には係止爪が突設されており、
前記被取付部材に突設された支持片が前記一対の挟持片間に差し込まれ、前記各楔片が前記各挟持片と前記外壁との間に挟入されることにより、前記一対の挟持片が前記支持片を挟持すると共に前記係止爪が前記支持片に食い込むことを特徴とする取付具。
(2)前記ベース部材及び前記楔部材が、互いに係合するロック手段をそれぞれ有しており、
前記各楔片は、前記一対の挟持片間への前記支持片の差し込み方向に沿って当該支持片とは反対側から前記各挟持片と前記外壁との間に挟入され、
前記楔部材のロック手段が、前記一組の楔片の少なくとも一方の先端部に設けられ、
前記ベース部材のロック手段が、前記外壁において、前記各挟持片と前記外壁との間への前記各楔片の挟入方向に前記係止爪よりも手前の位置と前記係止爪と重畳する位置若しくは前記係止爪よりも奥の位置との2箇所に設けられていることを特徴とする(1)に記載の取付具。
前記各楔片は、前記一対の挟持片間への前記支持片の差し込み方向に沿って当該支持片とは反対側から前記各挟持片と前記外壁との間に挟入され、
前記楔部材のロック手段が、前記一組の楔片の少なくとも一方の先端部に設けられ、
前記ベース部材のロック手段が、前記外壁において、前記各挟持片と前記外壁との間への前記各楔片の挟入方向に前記係止爪よりも手前の位置と前記係止爪と重畳する位置若しくは前記係止爪よりも奥の位置との2箇所に設けられていることを特徴とする(1)に記載の取付具。
(3)前記ワイヤハーネスは、前記楔部材に保持されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の取付具。
(4)前記ベース部材が、前記支持片を形成する材料よりも高硬度な材料により形成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の取付具。
(5)前記ベース部材及び前記楔部材が、同一の材料により形成されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の取付具。
上記(1)の構成のワイヤハーネスの取付具によれば、ベース部材の各挟持片とベース部材の外壁との間には隙間がおかれ、各挟持片は可撓であるので、一対の挟持片間に支持片を容易に差し込むことができ、ベース部材の支持片への取り付け作業性、つまりは、取付具の被取付部材への取り付け作業性に優れる。
そして、ベース部材の各挟持片と取付具の外壁との間に楔部材の楔片が挟入されることにより、各挟持片は、支持片との接触面(即ち、一対の挟持片の互いに対向する内表面)とは反対側の面(即ち、外表面)を、支持片に向けて楔片により押圧され、且つ、支持片を挟む方向に楔片を介して外壁により支持される(換言すれば、撓み変形を規制される)。そのため、係止爪を支持片に食い込ませた状態で一対の挟持片により支持片を強固に挟持することができ、これにより、取付具の被取付部材への固定強度を高めることができる。
さらに、各挟持片と外壁との間から楔片を抜き取ることにより、各挟持片は撓み変形が可能となるので、一対の挟持片間から支持片を容易に抜き取ることができ、取付具と被取付部材との解体作業性に優れる。
そして、ベース部材の各挟持片と取付具の外壁との間に楔部材の楔片が挟入されることにより、各挟持片は、支持片との接触面(即ち、一対の挟持片の互いに対向する内表面)とは反対側の面(即ち、外表面)を、支持片に向けて楔片により押圧され、且つ、支持片を挟む方向に楔片を介して外壁により支持される(換言すれば、撓み変形を規制される)。そのため、係止爪を支持片に食い込ませた状態で一対の挟持片により支持片を強固に挟持することができ、これにより、取付具の被取付部材への固定強度を高めることができる。
さらに、各挟持片と外壁との間から楔片を抜き取ることにより、各挟持片は撓み変形が可能となるので、一対の挟持片間から支持片を容易に抜き取ることができ、取付具と被取付部材との解体作業性に優れる。
上記(2)の構成のワイヤハーネスの取付具によれば、楔片の先端部に設けられた楔部材のロック手段が、ベース部材の外壁において楔片の挟入方向に係止爪よりも手前の位置に設けられたベース部材のロック手段に係合した状態では、各挟持片においては、楔片の挟入方向に楔片の先端よりも前方にあって係止爪が設けられている部位が撓み変形可能であり、よって、一対の挟持片間に支持片を容易に差し込むことができる。そのため、ベース部材の支持片への取り付け作業性を良好に維持しつつ、ベース部材と楔部材とを予め組み付けておくことが可能となり、取付具の被取付部材への取り付け作業性をさらに高めることができる。
そして、楔片は、一対の挟持片間への支持片の差し込み方向に沿って支持片とは反対側から各挟持片と外壁との間に挟入されるから、支持片の差し込みと楔片の挟入とを一連の操作でおこなうことができ、ベース部材と楔部材とが予め組み付けられた取付具において、被取付部材への取り付け作業性を一層高めることができる。
そして、楔片は、一対の挟持片間への支持片の差し込み方向に沿って支持片とは反対側から各挟持片と外壁との間に挟入されるから、支持片の差し込みと楔片の挟入とを一連の操作でおこなうことができ、ベース部材と楔部材とが予め組み付けられた取付具において、被取付部材への取り付け作業性を一層高めることができる。
上記(3)の構成のワイヤハーネスの取付具によれば、楔部材がワイヤハーネスを保持しており、ワイヤハーネスを引っ張ることで、容易に楔部材をベース部材から取り外して各挟持片と外壁との間から楔片を抜き取ることができ、これにより、取付具と被取付部材との解体作業性をさらに高めることができる。
上記(4)の構成のワイヤハーネスの取付具によれば、ベース部材を形成する材料は支持片を形成する材料よりも高硬度であるので、係止爪を確実に支持片に食い込ませることができ、取付具の被取付部材への固定強度が十分に確保される。
上記(5)の構成のワイヤハーネスの取付具によれば、上述のように外壁及び一組の楔片と協働して一対の挟持片により支持片を強固に挟持することができるので、一対の挟持片は高剛性な金属に限らず種々の適宜な材料を用いることができ、そこで、一対の挟持片を有するベース部材と楔部材とが同一の材料により形成されているから、これらベース部材及び楔部材の分別の必要がなく、リサイクル性に優れる。
このように、本発明によれば、ワイヤハーネスを保持する取付具の被取付部材への固定強度を高めることができ、取付具の被取付部材への取り付け作業性及び取付具と被取付部材との解体作業性に優れ、さらに取付具のリサイクル性にも優れるワイヤハーネスの取付具を提供することができる。
以下、本発明のワイヤハーネスの取付具に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明のワイヤハーネスの取付具に係る一実施形態の分解斜視図、図2は図1のワイヤハーネスの取付具において、被取付部材への取り付け完了以前の状態を示す斜視図、図3は図2におけるIII-III矢視断面図、図4は図1のワイヤハーネスの取付具において、被取付部材への取り付け完了以後の状態を示す斜視図、図5は図4におけるV-V矢視断面図である。
図1に示すように、ワイヤハーネス1は、取付具2により被取付部材であるバンパー3に固定される。バンパー3は、例えば合成樹脂製の一体成形品であって、その表面には支持片としての矩形板状のリブ4が突設されている。そして、取付具2は、バンパー3のリブ4に取り付けられるベース部材5と、ワイヤハーネス1を保持してベース部材5に組み付けられる楔部材6とで構成されている。
さらに図3を参照して、ベース部材5は、例えばバンパー3を形成する合成樹脂よりも高硬度な合成樹脂製の一体成形品であって、バンパー3のリブ4の厚みに略等しい隙間をおいて対向配置された一対の挟持片11a,11b、及びこれらの挟持片11a,11bを内包する外壁12を有している。外壁12は略直方体の箱状に形成されており、挟持片11a,11bは、外壁12の一の側壁部12cから当該側壁部12cと対向する側壁部12dに向けて延設されており、それらの先端部は、外壁12の内部と外部とを連通するように側壁部12dに設けられた開口13に臨むように配置されている。そして、一方の挟持片11aの先端部において他方の挟持片11bと対向する内表面には、係止爪15が突設されている。
挟持片11aと、この挟持片11aの外表面に対向する外壁12の上壁部12aとの間には所定の隙間がおかれており、同様に、挟持片11bと、この挟持片11bの外表面に対向する外壁12の底壁部12bとの間には所定の隙間がおかれている。挟持片11a,11bは、外壁12の上壁部12a及び底壁部12bに比べて遥かに肉薄に形成されており、撓み変形可能とされている。そして、外壁12の側壁部12cには、外壁12の外部から挟持片11aと上壁部12aとの隙間又は挟持片11bと底壁部12bとの隙間にそれぞれ接続する挿入孔14a,14bが設けられている。
楔部材6は、例えばベース部材5と同一の合成樹脂製の一体成形品であって、ワイヤハーネス1に沿って配置され、テープ等でワイヤハーネス1と緊縛されることによりワイヤハーネス1を保持している略矩形板状のベラ部21と、ベラ部21のワイヤハーネス1が添付される側面とは反対側の側面から突設された一組の楔片22a,22bとを有している。そして、楔片22aが挿入孔14aを通して挟持片11aと上壁部12aとの間に進入し、楔片22bが挿入孔14bを通して挟持片11bと底壁部12bとの間に進入するように、楔部材6はベース部材5に組み付けられる。
楔片22aは挟持片11aと上壁部12aとの間の隙間よりも僅かに肉厚に形成され、同様に楔片22bは挟持片11bと底壁部12bとの間の隙間よりも僅かに肉厚に形成されており、よって、楔片22a,22bはこれらの隙間に挟入され、可撓性の挟持片11a,11bを互いに接近する方向に撓ませる。
楔片22a,22bの先端部の外表面には、ロック手段としてのロック突起23がそれぞれ設けられており、そして、ベース部材5の上壁部12aには、楔片22aのロック突起23と係合するロック手段としての第1ロック孔16及び第2ロック孔17が設けられ、同様にベース部材5の底壁部12bには、楔片22bのロック突起23と係合するロック手段としての第1ロック孔16及び第2ロック孔17が設けられている。
ベース部材5の上壁部12a及び底壁部12bにそれぞれ設けられた第1ロック孔16は、挟持片11a,11bの基端部と対向する位置に、即ち、挟持片11a,11bと上壁部12a又は底壁部12bとの間への楔片22a,22bの挟入方向に挟持片11aの先端部に設けられた係止爪15よりも手前の位置に設けられている。そして、ベース部材5の上壁部12a及び底壁部12bにそれぞれ設けられた第2ロック孔17は、一対の挟持片11a,11bの先端部と対向する位置に、即ち、挟持片11a,11bと上壁部12a又は底壁部12bとの間への楔片22a,22bの挟入方向に挟持片11aの先端部に設けられた係止爪15と重畳する位置に設けられている。
図2及び図3に示すように、楔片22a,22bのロック突起23がベース部5の第1ロック孔16にそれぞれ係合するに至るまで楔片22a,22bが挟持片11a,11bと上壁部12a又は底壁部12bとの間に挟入された状態では、挟持片11a,11bにおいては、楔片22a,22bの前記挟入方向に楔片22a,22bの先端よりも前方にあって係止爪15が設けられた先端部を含む部位が、楔片22a,22bの先端を支点として互いに離間する方向に撓み変形可能である。
そして、図4及び図5に示すように、楔片22a,22bのロック突起23がベース部5の第2ロック孔17にそれぞれ係合するに至るまで楔片22a,22bが挟持片11a,11bと上壁部12a又は底壁部12bとの間に挟入された状態では、楔片22a,22bの先端部が挟持片11a,11bの先端部に重畳する位置に達し、挟持片11a,11bにおいては、基端部から係止爪15が設けられた先端部にわたる略全体部位が、その外表面を楔片22a,22bを介して上壁部12a又は底壁部12bにより支持されており、よって、互いに離間する方向への撓み変形を規制され、さらには、互いに接近する方向に撓ませられている。
このように構成された取付具2においては、まず、楔片22a,22bのロック突起23がベース部5の第1ロック孔16にそれぞれ係合するに至るまで楔片22a,22bが挟持片11a,11bと上壁部12a又は底壁部12bとの間に挟入された状態に、ワイヤハーネス1を保持した楔部材6がベース部材5に予め組み付けられる。楔片22a,22bのロック突起23とベース部5の第1ロック孔16とが互いに係合し、ベース部材5と楔部材6との組み付け状態が維持される。
そして、図2に示すように、ベース部材5の開口13を通してベース部材5の一対の挟持片11a,11b間にバンパー3のリブ4が差し込まれるように、ベース部材5がリブ4に取り付けられる。このとき、リブ4は、可撓性の挟持片11a,11bを互いに離間する方向に撓ませながら、スムースに一対の挟持片11a,11b間に差し込まれる。
リブ4が一対の挟持片11a,11b間に所定量差し込まれると、リブ4の先端がベース部材5の側壁部12cの内側面に当接し、ベース部材5の位置が固定される。ここで、楔片22a,22bは、一対の挟持片11a,11b間へのリブ4の差し込み方向に沿ってリブ4とは反対側から挟持片11a,11bと上壁部12a又は底壁部12bとの隙間に挟入されるから、楔部材6が、リブ4へのベース部材5の取り付け方向と同一方向にさらに押圧され、それにより、楔片22a,22bのロック突起23がベース部5の第2ロック孔17にそれぞれ係合するに至るまで楔片22a,22bが挟持片11a,11bと上壁部12a又は底壁部12bとの間に挟入される。
楔片22a,22bのロック突起23がベース部5の第2ロック孔17にそれぞれ係合するに至るまで楔片22a,22bが挟持片11a,11bと上壁部12a又は底壁部12bとの隙間に挟入された状態では、上述のように挟持片11a,11bは、互いに離間する方向への撓み変形を規制され、さらには、互いに接近する方向に撓ませられており、よって、リブ4は一対の挟持片11a,11bにより挟持される。そして、ベース部材5を形成する合成樹脂はバンパー3を形成する合成樹脂よりも高硬度であるので、一対の挟持片11a,11bが互いに接近する方向に撓むことにより、挟持片11aに設けられた係止爪15がリブ4に食い込むこととなる。
楔片22a,22bのロック突起23とベース部5の第2ロック孔17との係合により、楔部材6はベース部材5に組み付けられた状態に維持され、そして、一対の挟持片11a,11bによるリブ4の挟持と、係止爪15のリブ4への食い込みとにより、ベース部材5はリブ4から抜け止めされ、これにより、取付具2及びこの取付具2に保持されたワイヤハーネス1はバンパー3に固定される。
取付具2とバンパー3との解体に際しては、取付具2の楔部材6に保持されているワイヤハーネス1が引っ張られ、楔片22a,22bのロック突起23とベース部5の第2ロック孔17との係合が解除されて楔部材6がベース部材5から取り外されることにより、挟持片11a,11bが撓み変形可能となり、それにより、ベース部材5は容易にリブ4から取り外される。
以上説明したように、本実施形態のワイヤハーネスの取付具2によれば、ベース部材5の挟持片11a,11bとベース部材5の外壁12との間には隙間がおかれ、挟持片11a,11bは可撓であるので、一対の挟持片11a,11b間にリブ4を容易に差し込むことができ、ベース部材5のリブ4への取り付け作業性、つまりは、取付具2のバンパー3への取り付け作業性に優れる。
そして、ベース部材5の挟持片11a,11bとベース部材5の外壁12との間に楔部材6の楔片22a,22bが挟入されることにより、挟持片11a,11bは、リブ4との接触面とは反対側の面を、リブ4に向けて楔片22a,22bにより押圧され、且つ、リブ4を挟む方向に楔片22a,22bを介して外壁12により支持される。そのため、係止爪15をリブ4に食い込ませた状態で一対の挟持片11a,11bによりリブ4を強固に挟持することができ、これにより、取付具2のバンパー3への固定強度を高めることができる。
さらに、挟持片11a,11bと外壁12の間から楔片22a,22bを抜き取ることにより、挟持片11a,11bは撓み変形が可能となるので、一対の挟持片11a,11b間からリブ4を容易に抜き取ることができ、取付具2とバンパー3との解体作業性に優れる。
そして、ベース部材5の挟持片11a,11bとベース部材5の外壁12との間に楔部材6の楔片22a,22bが挟入されることにより、挟持片11a,11bは、リブ4との接触面とは反対側の面を、リブ4に向けて楔片22a,22bにより押圧され、且つ、リブ4を挟む方向に楔片22a,22bを介して外壁12により支持される。そのため、係止爪15をリブ4に食い込ませた状態で一対の挟持片11a,11bによりリブ4を強固に挟持することができ、これにより、取付具2のバンパー3への固定強度を高めることができる。
さらに、挟持片11a,11bと外壁12の間から楔片22a,22bを抜き取ることにより、挟持片11a,11bは撓み変形が可能となるので、一対の挟持片11a,11b間からリブ4を容易に抜き取ることができ、取付具2とバンパー3との解体作業性に優れる。
また、本実施形態のワイヤハーネスの取付具2によれば、楔片22a,22bの先端部に設けられた楔部材6のロック突起23がベース部材5の外壁12において楔片22a,22bの挟入方向に係止爪15よりも手前の位置に設けられたベース部材5のロック孔16に係合した状態では、挟持片11a,11bにおいては、楔片22a,22bの挟入方向に楔片22a,22bの先端よりも前方にあって係止爪15が設けられた部位が撓み変形可能であり、よって、一対の挟持片11a,11b間にリブ4を容易に差し込むことができる。そのため、リブ4へのベース部材5の取り付け作業性を良好に維持しつつ、ベース部材5と楔部材6とを予め組み付けておくことが可能となり、取付具2のバンパー3への取り付け作業性をさらに高めることができる。
そして、楔片22a,22bは、一対の挟持片11a,11b間へのリブ4の差し込み方向に沿ってリブ4とは反対側から挟持片11a,11bと外壁12との間に挟入されるから、リブ4の差し込みと楔片22a,22bの挟入とを一連の操作でおこなうことができ、ベース部材5と楔部材6とが予め組み付けられた取付具2において、バンパー3への取り付け作業性を一層高めることができる。
そして、楔片22a,22bは、一対の挟持片11a,11b間へのリブ4の差し込み方向に沿ってリブ4とは反対側から挟持片11a,11bと外壁12との間に挟入されるから、リブ4の差し込みと楔片22a,22bの挟入とを一連の操作でおこなうことができ、ベース部材5と楔部材6とが予め組み付けられた取付具2において、バンパー3への取り付け作業性を一層高めることができる。
また、本実施形態のワイヤハーネスの取付具2によれば、楔部材6がワイヤハーネス1を保持しており、ワイヤハーネス1を引っ張ることで、容易に楔部材6をベース部材5から取り外して挟持片11a,11bと外壁12との間から楔片22a,22bを抜き取ることができ、これにより、取付具2とバンパー3との解体作業性をさらに高めることができる。
また、本実施形態のワイヤハーネスの取付具2によれば、ベース部材5を形成する材料は、リブ4を形成する材料よりも高硬度であるので、挟持片11aの係止爪15を確実にリブ4に食い込ませることができ、取付具2のバンパー3への固定強度が十分に確保される。
また、本実施形態のワイヤハーネスの取付具2によれば、上述のように外壁12及び楔片22a,22bと協働して一対の挟持片11a,11bによりリブ4を強固に挟持することができるので、一対の挟持片11a,11bは高剛性な金属に限らず種々の適宜な材料を用いることができ、そこで、一対の挟持片11a,11bを有するベース部材5と楔部材6とが同一の材料により形成されているから、これらベース部材5及び楔部材6の分別の必要がなく、リサイクル性に優れる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
1 ワイヤハーネス
2 取付具
3 バンパー(被取付部材)
4 リブ(支持片)
5 ベース部材
6 楔部材
11a,11b 挟持片
12 外壁
15 係止爪
16 第1ロック孔(ロック手段)
17 第2ロック孔(ロック手段)
22a,22b 楔片
23 ロック突起(ロック手段)
2 取付具
3 バンパー(被取付部材)
4 リブ(支持片)
5 ベース部材
6 楔部材
11a,11b 挟持片
12 外壁
15 係止爪
16 第1ロック孔(ロック手段)
17 第2ロック孔(ロック手段)
22a,22b 楔片
23 ロック突起(ロック手段)
Claims (5)
- ワイヤハーネスを被取付部材へ固定する取付具であって、
隙間をおいて対向配置された可撓性の一対の挟持片及び当該各挟持片の外表面との間に隙間をおいて設けられた外壁を有するベース部材と、
前記各挟持片と前記外壁との間に挟入される一組の楔片を有する楔部材と、
を備え、
前記ベース部材又は前記楔部材が、前記ワイヤハーネスを保持しており、
前記一対の挟持片の互いに対向する内表面の少なくとも一方には係止爪が突設されており、
前記被取付部材に突設された支持片が前記一対の挟持片間に差し込まれ、前記各楔片が前記各挟持片と前記外壁との間に挟入されることにより、前記一対の挟持片が前記支持片を挟持すると共に前記係止爪が前記支持片に食い込むことを特徴とする取付具。 - 前記ベース部材及び前記楔部材が、互いに係合するロック手段をそれぞれ有しており、
前記各楔片は、前記一対の挟持片間への前記支持片の差し込み方向に沿って当該支持片とは反対側から前記各挟持片と前記外壁との間に挟入され、
前記楔部材のロック手段が、前記一組の楔片の少なくとも一方の先端部に設けられ、
前記ベース部材のロック手段が、前記外壁において、前記各挟持片と前記外壁との間への前記各楔片の挟入方向に前記係止爪よりも手前の位置と前記係止爪と重畳する位置若しくは前記係止爪よりも奥の位置との2箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取付具。 - 前記ワイヤハーネスは、前記楔部材に保持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の取付具。
- 前記ベース部材が、前記支持片を形成する材料よりも高硬度な材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の取付具。
- 前記ベース部材及び前記楔部材が、同一の材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の取付具。
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JP2005297750A JP2007110806A (ja) | 2005-10-12 | 2005-10-12 | 取付具 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100947983B1 (ko) | 2008-03-17 | 2010-03-18 | 주식회사 효성엔지니어링 | 관통슬리브용 고정구 |
JP2020118229A (ja) * | 2019-01-24 | 2020-08-06 | 日本ピラー工業株式会社 | 配管支持具 |
JP2021121137A (ja) * | 2020-01-30 | 2021-08-19 | 株式会社豊田自動織機 | ワイヤハーネスのクランプ構造 |
-
2005
- 2005-10-12 JP JP2005297750A patent/JP2007110806A/ja active Pending
Cited By (5)
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JP7217637B2 (ja) | 2019-01-24 | 2023-02-03 | 日本ピラー工業株式会社 | 配管支持具 |
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JP7266001B2 (ja) | 2020-01-30 | 2023-04-27 | 株式会社豊田自動織機 | ワイヤハーネスのクランプ構造 |
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