WO2012176688A1 - 石膏ボード廃材から石膏を再生する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、少なくとも、石膏ボード廃材を破砕して石膏ボード廃材破砕物を得る破砕工程;前記石膏ボード廃材破砕物を加熱して半水石膏を得る焼成工程;前記半水石膏を水性媒体に溶解し次いで二水石膏を析出させ、二水石膏スラリーを得る晶析工程;および前記二水石膏スラリーから水性媒体を除去する脱水工程を含む、石膏ボード廃材から石膏を再生する方法であって、前記晶析工程後、脱水工程前に、前記二水石膏スラリーから石膏ボード原紙由来の繊維状異物を除去する繊維状異物除去工程を備えることを特徴とする、前記方法に関する。
Description
本発明は、石膏ボード廃材から石膏を再生する方法に関する。更に詳しくは、石膏ボード廃材から、ボード原紙に起因する微小な繊維状異物を効率よく除去する工程を含む、石膏の再生方法に関する。
本発明の方法によって得られる再生石膏は、繊維状異物が高精度に除去されて純度が高く、しかも全累積細孔容積が小さく、粒径がそろった二水石膏である。
本発明の方法によって得られる再生石膏は、繊維状異物が高精度に除去されて純度が高く、しかも全累積細孔容積が小さく、粒径がそろった二水石膏である。
廃石膏の主たるソースである石膏ボード廃材の発生量は、日本国内において年間約150万tである。このうち約50万tは、石膏ボードの生産、建物の新築工事、建物の内装工事等の際に発生する端材ないし残材であり、石膏ボードメーカーがリサイクルを行っている。石膏ボード廃材のうちの残りの約100万tは、建物の改装工事、建物の解体工事の際に排出される廃材である。この廃材は、リサイクルされずに埋立処分されている。しかし、埋立てられた廃石膏が雨水と接触すると硫化水素を発生するおそれがある。そのため、廃石膏の埋立ては管理型の埋立地に行わなければならないから、廃棄コストが問題である。そのうえ、石膏ボード廃材の発生量は年々増加する傾向にあり、埋立地不足への対処および環境負荷低減の観点から、廃石膏の有効な処理方法が求められている。
これまで、石膏ボード廃材から得られる廃石膏の処理方法については、数多くの提案がなされている。その中には、石膏ボード廃材等から廃石膏を回収して従来の石膏用途(たとえば石膏ボード、セメント組成物等)へ再利用する技術に関する検討も含まれている。
しかし、石膏ボード廃材から回収される廃石膏(二水石膏)の結晶は、平均粒径が非常に小さく、しかも多孔質であるから、これが一旦水を吸収すると保水性が高く、再利用の際に乾燥することが困難である。この困難性を克服して再生石膏を得たとしても、これを再利用する場合には、更に用途特有の問題がある。
石膏ボード廃材から回収された二水石膏を焼成して製造した半水石膏のスラリーは、流動性が乏しく、ハンドリングが困難である。従って、これを石膏ボードに再利用する場合には、石膏ボードの製造工程におけるスラリーの流動性を確保するために、スラリーが含有する水の割合をバージンの石膏を用いる場合よりも多くする必要がある。その結果、従来技術の方法による再生石膏のみを用いて石膏ボードを製造すると、その強度が不足するという重大な問題が生ずることとなる。
一方、再生石膏をセメント組成物用途に使用する場合、廃石膏に含まれる界面活性剤等の含有割合を十分に低減することが必要となるが、従来技術の方法はこの点に対する対処が不十分である。
前記のとおり、石膏ボード廃材から得られた再生石膏は、これを再利用しようとしても、その使用割合が制限されることとなる。すなわち、いずれの用途であっても、品質上の要請から再生石膏のみによって製品を製造することはできないから、再生石膏の用途はバージン材料の一部を代替するだけに留まっていた。
本発明者等は上記の事情に鑑みて、石膏ボード廃材の再生方法に関する技術を発明し、先に特許出願した(特開2010−13304号公報)。この技術は、石膏ボード廃材から回収された二水石膏を加熱処理して一旦半水石膏とした後、これを水性媒体に溶解し、二水石膏を析出させる方法に関する。このような工程を経ることにより、全累積細孔面積の小さい塊状の結晶を得ることができる。この方法によって得られる再生二水石膏は、石膏ボード廃材から得られる廃石膏の結晶形態に起因する前記問題点を解消し、セメント組成物;ゴム、プラスチック等の充填剤;あるいは石膏ボード原料として、バージン石膏同様に使用できるものである。
ところで、石膏ボードは、二水石膏よりなる芯材の表面にボード原紙が付着した形態が一般的である。従って、石膏ボード廃材から回収される廃石膏には、ボード原紙由来の微小な紙繊維等の異物が含有されている。ボード原紙由来の紙繊維が多く含まれる再生石膏をセメント組成物用途に使用すると、モルタルやコンクリートの流動性、硬化物の強度の問題が生ずるほか、表面に紙繊維が浮上して硬化するため外観にも悪影響を及ぼすという問題が生ずる。また、紙繊維が多く含まれる再生石膏を石膏ボードの原料として使用すると、スラリーの流動性低下、得られる石膏ボードの強度不足等の問題が生ずる。
そこで、廃石膏を再生石膏とする工程中に紙繊維を分離除去する工程が必要となり、これに関する技術が幾つか提案されている。たとえば特開2010−247113号公報では、石膏ボード廃材を破砕した後、篩によってボード紙由来の紙繊維を分離除去する方法が提案されている。特開2000−70915号公報では、石膏ボードを破砕した後、比重による慣性選別法および集塵機を用いて除去する方法が提案されている。
しかし、建物の解体現場等から発生する石膏ボード廃材は濡れている場合もある。濡れた石膏ボード廃材をそのまま処理しようとすると、回収した廃石膏の粉砕が十分にできない、篩の目詰まりが起こり易い、石膏と紙繊維とが付着して慣性選別および集塵が困難になる等の問題が発生するため、前記特開2010−247113号公報および特開2000−70915号公報の方法をそのまま適用することは困難である。すなわち、従来技術によってボード紙由来の紙繊維を分離除去しようとすると、石膏ボード廃材の処理に先立って乾燥処理および粉砕処理を行うことが必要となり、粉じん対策等のコスト上の問題が生ずる。
前記分離処理を湿式で行うことも考えられる。しかし、石膏ボード廃材から回収される二水石膏の結晶構造は多孔質であり、含水率が非常に高いから、処理後の水分除去に多大のエネルギーが必要となる点で、湿式分離は実際的ではない。そのため、従来技術において廃石膏と紙繊維とを分離する方法としては、乾式処理によることが前提とされている。
一方、特開平10−286553号公報には、紙が付着したままの廃石膏を焼却し、無水石膏にして再利用する方法が提案されている。しかし、石膏の焼却処理を行うことによってSOxが発生する問題があるほか、得られた無水石膏を適用範囲が広い二水石膏にするためには別途水処理工程が必要となる点で、改善の余地がある。
これまで、石膏ボード廃材から得られる廃石膏の処理方法については、数多くの提案がなされている。その中には、石膏ボード廃材等から廃石膏を回収して従来の石膏用途(たとえば石膏ボード、セメント組成物等)へ再利用する技術に関する検討も含まれている。
しかし、石膏ボード廃材から回収される廃石膏(二水石膏)の結晶は、平均粒径が非常に小さく、しかも多孔質であるから、これが一旦水を吸収すると保水性が高く、再利用の際に乾燥することが困難である。この困難性を克服して再生石膏を得たとしても、これを再利用する場合には、更に用途特有の問題がある。
石膏ボード廃材から回収された二水石膏を焼成して製造した半水石膏のスラリーは、流動性が乏しく、ハンドリングが困難である。従って、これを石膏ボードに再利用する場合には、石膏ボードの製造工程におけるスラリーの流動性を確保するために、スラリーが含有する水の割合をバージンの石膏を用いる場合よりも多くする必要がある。その結果、従来技術の方法による再生石膏のみを用いて石膏ボードを製造すると、その強度が不足するという重大な問題が生ずることとなる。
一方、再生石膏をセメント組成物用途に使用する場合、廃石膏に含まれる界面活性剤等の含有割合を十分に低減することが必要となるが、従来技術の方法はこの点に対する対処が不十分である。
前記のとおり、石膏ボード廃材から得られた再生石膏は、これを再利用しようとしても、その使用割合が制限されることとなる。すなわち、いずれの用途であっても、品質上の要請から再生石膏のみによって製品を製造することはできないから、再生石膏の用途はバージン材料の一部を代替するだけに留まっていた。
本発明者等は上記の事情に鑑みて、石膏ボード廃材の再生方法に関する技術を発明し、先に特許出願した(特開2010−13304号公報)。この技術は、石膏ボード廃材から回収された二水石膏を加熱処理して一旦半水石膏とした後、これを水性媒体に溶解し、二水石膏を析出させる方法に関する。このような工程を経ることにより、全累積細孔面積の小さい塊状の結晶を得ることができる。この方法によって得られる再生二水石膏は、石膏ボード廃材から得られる廃石膏の結晶形態に起因する前記問題点を解消し、セメント組成物;ゴム、プラスチック等の充填剤;あるいは石膏ボード原料として、バージン石膏同様に使用できるものである。
ところで、石膏ボードは、二水石膏よりなる芯材の表面にボード原紙が付着した形態が一般的である。従って、石膏ボード廃材から回収される廃石膏には、ボード原紙由来の微小な紙繊維等の異物が含有されている。ボード原紙由来の紙繊維が多く含まれる再生石膏をセメント組成物用途に使用すると、モルタルやコンクリートの流動性、硬化物の強度の問題が生ずるほか、表面に紙繊維が浮上して硬化するため外観にも悪影響を及ぼすという問題が生ずる。また、紙繊維が多く含まれる再生石膏を石膏ボードの原料として使用すると、スラリーの流動性低下、得られる石膏ボードの強度不足等の問題が生ずる。
そこで、廃石膏を再生石膏とする工程中に紙繊維を分離除去する工程が必要となり、これに関する技術が幾つか提案されている。たとえば特開2010−247113号公報では、石膏ボード廃材を破砕した後、篩によってボード紙由来の紙繊維を分離除去する方法が提案されている。特開2000−70915号公報では、石膏ボードを破砕した後、比重による慣性選別法および集塵機を用いて除去する方法が提案されている。
しかし、建物の解体現場等から発生する石膏ボード廃材は濡れている場合もある。濡れた石膏ボード廃材をそのまま処理しようとすると、回収した廃石膏の粉砕が十分にできない、篩の目詰まりが起こり易い、石膏と紙繊維とが付着して慣性選別および集塵が困難になる等の問題が発生するため、前記特開2010−247113号公報および特開2000−70915号公報の方法をそのまま適用することは困難である。すなわち、従来技術によってボード紙由来の紙繊維を分離除去しようとすると、石膏ボード廃材の処理に先立って乾燥処理および粉砕処理を行うことが必要となり、粉じん対策等のコスト上の問題が生ずる。
前記分離処理を湿式で行うことも考えられる。しかし、石膏ボード廃材から回収される二水石膏の結晶構造は多孔質であり、含水率が非常に高いから、処理後の水分除去に多大のエネルギーが必要となる点で、湿式分離は実際的ではない。そのため、従来技術において廃石膏と紙繊維とを分離する方法としては、乾式処理によることが前提とされている。
一方、特開平10−286553号公報には、紙が付着したままの廃石膏を焼却し、無水石膏にして再利用する方法が提案されている。しかし、石膏の焼却処理を行うことによってSOxが発生する問題があるほか、得られた無水石膏を適用範囲が広い二水石膏にするためには別途水処理工程が必要となる点で、改善の余地がある。
本発明の目的は、石膏ボート廃材から、ボード原紙に起因する繊維状異物が効率よく高精度に除去され、しかも全累積細孔容積が小さく、粒径がそろった二水石膏を再生する方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、以下の事実を見出した。
石膏ボード廃材より回収した二水石膏を焼成し、一旦半水石膏とした後、これを水性媒体中に溶解して再析出させることにより、石膏ボード廃材から回収された多孔質の二水石膏結晶とは異なる、全累積細孔容積の小さい再生二水石膏の結晶が得られること;
前記再生二水石膏のスラリーは、十分に流動性を有すること;
前記再生二水石膏を析出する際に、水性媒体中にボード原紙由来の繊維状異物が存在しても、全累積細孔容積の小さい二水石膏結晶の析出には何ら影響しないこと;および
前記のとおり、得られる再生二水石膏のスラリーは十分な流動性を有するため、再析出の後に湿式で繊維状異物を効率よく除去できること。
再生二水石膏を析出する際に水性媒体中の繊維状異物が良質の二水石膏結晶の析出に影響しないとの上記知見からは、半水石膏を溶解して二水石膏を析出する晶析反応層中にスクリーンを設けて繊維状異物を捕捉・除去することも考えられる。しかしながらこのような方法によると、設置したスクリーンにスケーリングが起こり、長時間運転が困難になるとの難点があることも分かった。
そこで本発明者らは、上記の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
少なくとも
石膏ボード廃材を破砕して石膏ボード廃材破砕物を得る破砕工程、
前記石膏ボード廃材破砕物を加熱して半水石膏を得る焼成工程、
前記半水石膏を水性媒体に溶解し次いで二水石膏を析出させ、二水石膏スラリーを得る晶析工程、および
前記二水石膏スラリーから水性媒体を除去する脱水工程
を含む、石膏ボード廃材から石膏を再生する方法であって、
前記晶析工程後、脱水工程前に、前記二水石膏スラリーから石膏ボード原紙由来の繊維状異物を除去する繊維状異物除去工程を備えることを特徴とする、前記方法である。
本発明者等は、前記課題を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、以下の事実を見出した。
石膏ボード廃材より回収した二水石膏を焼成し、一旦半水石膏とした後、これを水性媒体中に溶解して再析出させることにより、石膏ボード廃材から回収された多孔質の二水石膏結晶とは異なる、全累積細孔容積の小さい再生二水石膏の結晶が得られること;
前記再生二水石膏のスラリーは、十分に流動性を有すること;
前記再生二水石膏を析出する際に、水性媒体中にボード原紙由来の繊維状異物が存在しても、全累積細孔容積の小さい二水石膏結晶の析出には何ら影響しないこと;および
前記のとおり、得られる再生二水石膏のスラリーは十分な流動性を有するため、再析出の後に湿式で繊維状異物を効率よく除去できること。
再生二水石膏を析出する際に水性媒体中の繊維状異物が良質の二水石膏結晶の析出に影響しないとの上記知見からは、半水石膏を溶解して二水石膏を析出する晶析反応層中にスクリーンを設けて繊維状異物を捕捉・除去することも考えられる。しかしながらこのような方法によると、設置したスクリーンにスケーリングが起こり、長時間運転が困難になるとの難点があることも分かった。
そこで本発明者らは、上記の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
少なくとも
石膏ボード廃材を破砕して石膏ボード廃材破砕物を得る破砕工程、
前記石膏ボード廃材破砕物を加熱して半水石膏を得る焼成工程、
前記半水石膏を水性媒体に溶解し次いで二水石膏を析出させ、二水石膏スラリーを得る晶析工程、および
前記二水石膏スラリーから水性媒体を除去する脱水工程
を含む、石膏ボード廃材から石膏を再生する方法であって、
前記晶析工程後、脱水工程前に、前記二水石膏スラリーから石膏ボード原紙由来の繊維状異物を除去する繊維状異物除去工程を備えることを特徴とする、前記方法である。
図1は、本発明の方法を実施するための好適な装置の一例を示す概略図である。
(石膏ボード廃材)
本発明の方法に供される石膏ボード廃材としては、石膏ボードの生産工程および建築現場の施行工程で発生する端材または残材からなる石膏ボード廃材、建物のリフォーム・解体工事で建築廃材として発生する石膏ボード廃材等が挙げられる。
一般に、石膏ボードは、板状に形成された石膏硬化物からなる芯材の表面にボード原紙が貼付された構造を有する。リフォーム・解体工事で発生する石膏ボード廃材には、釘、ビス等の金属片が混入している場合がある。このような金属片は、後述する破砕工程において石膏ボード廃材を破砕機で破砕する際に、破砕機の故障を招く虞れがある。従って、これらの金属片は、破砕工程に先んじて除去されることが好ましい。金属片を除去する方法は特に制限されるものではない。たとえば、石膏ボード廃材を扱いやすい大きさに切断した後、磁選機等を用いて金属片を除去することができる。
(破砕工程)
本発明における破砕工程では、前記のように好ましくは金属片が除去された石膏ボード廃材を破砕して、石膏ボード廃材破砕物を得る。破砕の方法としては、公知の方法が制限なく使用できる。しかしながら、破砕方法として、芯材の二水石膏は破砕するが、ボード原紙は破砕し難い方法を選択することが好ましい。このような破砕方法としては、たとえば圧縮式の破砕装置、ハンマーミル、ロールミル等を挙げることができる。石膏ボード廃材は、その破砕物の平均粒径が0.5~10mmとなるように破砕することが好ましく、1~5mmとすることがより好ましい。平均粒径が前記の範囲になるように破砕することにより、石膏ボード廃材破砕物から二水石膏と粗大なボード原紙とを容易に分別することが可能となる。この石膏ボード廃材破砕物の平均粒径は、篩分け等の適当な手段により測定することができる。
(粗大異物除去工程)
石膏ボード廃材由来のボード原紙は水に不溶である。そのため、本発明においては、後述するように晶析工程後、脱水工程前に備えられた繊維状異物除去工程においてこれを効率よく除去することが可能である。しかしながら、粗大な紙片は、各工程で使用される装置の回転部への巻き付き、スラリー移送ラインの詰まり等の原因となるおそれがある。そのため、前記の破砕工程の後、後述の焼成工程の前に粗大異物を除去する粗大異物除去工程を備え、ボード原紙由来の大きい紙片を予め除去することが好ましい。
ここで「粗大異物」とは、特に限定されるものではないが、主に前記破砕工程において二水石膏芯材から分離されたボード原紙由来の紙片をいう。従って、この粗大異物の大きさは、粉砕前の石膏ボード廃材の大きさによるが、一般に数十mm以上である。
前記破砕工程において得られた石膏ボード廃材破砕物からは、公知の分別手段によって容易に粗大異物を除去することが可能である。このような分別手段としては、たとえば振動式篩、回転式篩等が挙げられる。
この粗大異物除去工程では、粗大な異物(主に大きな紙片)が除去できればよい。従って、この工程に使用される篩の目開きの大きさは、石膏ボード廃材破砕物中の二水石膏が通過でき、且つ粗大異物が通過し得ない大きさを選択すればよい。この篩の目開きの大きさとしては、好ましくは5~20mmであり、より好ましくは10~15mmである。篩の目開きの大きさを適宜選択することにより、石膏ボード廃材破砕物から二水石膏を効率よく回収でき、また最大粒径が調整された二水石膏粉末を得ることも可能となる。
この粗大異物除去工程は、湿式ではなく乾式で行うことにより、得られる石膏粉末からの水分除去工程が不要となるから、エネルギー消費が少なく、工業的により有利に本発明を実施することができることとなる。
(焼成工程)
次に、焼成工程において、前記破砕工程から回収された二水石膏破砕物を加熱して半水石膏を得る。この焼成工程における加熱温度は、好ましくは100~200℃であり、より好ましくは110~160℃であり、加熱時間は、好ましくは2~60分であり、より好ましくは5~30分である。焼成工程における加熱は適宜の装置により行うことができ、たとえば熱風乾燥器、伝導電熱乾燥機、流動化装置等を使用して行うことができる。
この焼成工程によって二水石膏は半水石膏となるのであるが、二水石膏のうちの一部がそのまま残存する場合がある。また脱水が進み、一部がIII型無水石膏まで脱水される場合がある。更に、使用する石膏ボード廃材の種類によっては、焼成前の石膏ボード廃材中にII型無水石膏が含有されている場合もある。
ここで、半水石膏中に残存する二水石膏は、石膏ボード廃材の芯材に由来する多孔質の結晶構造を持つため、その含有割合が小さい方が好ましい。具体的には、前記半水石膏に含有される二水石膏の割合が、半水石膏の重量に対する二水石膏の重量の割合として、5重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることが更に好ましい。そうすることにより、後述する晶析工程において、半水石膏が水性媒体中に均一に溶解することが可能となり、良質の再生石膏を安定的に製造することができる。一方、半水石膏に含有される二水石膏の割合が大きいと、晶析工程において、芯材由来の結晶構造をもつ二水石膏が種晶となり、粒径が小さく且つ多孔質の、ハンドリング性に問題のある再生二水石膏が多く析出するため、好ましくない。III型無水石膏は、後述する晶析工程において、半水石膏と同様に、水性媒体に一旦溶解した後、二水石膏として析出するため、焼成工程後の半水石膏に含有されていても問題はない。II型無水石膏については、一部は前記III型無水石膏同様に、水性媒体に一旦溶解した後、二水石膏として析出するほか、残部はII型無水石膏のまま晶析工程から排出される。この残存II型無水石膏は、晶析工程における二水石膏の析出に影響を与えるものではなく、得られる二水石膏の品質に影響を与える量が残存することはないから、考慮する必要はない。
上記のとおり、焼成工程で得られる半水石膏には、二水石膏、III型無水石膏およびII型無水石膏のうちの1種類以上が含有される場合があり、更に、後述の繊維状異物除去工程において除去されるべき繊維状異物が含有される。従って焼成工程後の半水石膏に含有される二水石膏の割合は、粉末X線回折測定を行って、半水石膏および二水石膏の存在割合を正確に定量したうえで評価することが好ましい。
本発明においては、焼成工程によって得られた半水石膏をそのまま次工程の晶析工程に供することも可能である。しかし、得られた半水石膏を乾式粉砕して石膏微粉末とした後に晶析工程に供することが、晶析工程における水性媒体への溶解がより均一となるため好ましい。焼成後の半水石膏を乾式粉砕する場合、半水石膏の粒径を0.5~100μmとすることが好ましく、1~80μmとすることがより好ましい。この粉砕工程は、適宜の装置、たとえばピンミル、ボールミル、ビーズミル等、を使用して行うことができる。ここで、分級機能付きの粉砕機を用いれば、目的の粒度の石膏微粉末が得られるとともに微粉の発生を防ぎながら効率よく粉砕することが可能となるため好ましい。
(晶析工程)
続いて行われる晶析工程では、前記焼成工程によって得られた半水石膏を水性媒体に溶解し、次いで二水石膏を析出させて二水石膏スラリーを得る。前記水性媒体としては水が好ましい。石膏ボード廃材より得られる二水石膏を加熱して半水石膏とし、次いでこれを水性媒体中に溶解した後に二水石膏として析出させることにより、良質の二水石膏を安定的に製造することができる。
水性媒体中には、種晶石膏となる二水石膏を存在させてもよい。水性媒体中に種晶石膏となる二水石膏が存在することにより、良質の二水石膏を極めて安定的に製造できるとともに、二水石膏の析出に要する時間を短縮できる点で好ましい。
この晶析工程は、二水石膏の適度な析出速度を保つため、水性媒体のpHを4~8の範囲として行うことが好ましい。水性媒体の温度は90℃以下とすることが好ましく、より好ましくは50~80℃である。析出のための時間は、選択した水性媒体の種類、温度、プロセス等によって大きく変わるので、適正な時間を一般的に説明することはできない。この析出時間は、得られる二水石膏の粒径が、50%累積径(D50)として30~50μmになるように設定することが好ましい。二水石膏をこの範囲の粒径に成長させることにより、二水石膏粒子が凝集することがなくなってスラリーの流動性が非常に良くなるため、後述する繊維状異物除去工程における篩処理の際、分離精度が格段と良くなる点で好ましい。
本発明の方法によると、析出後の二水石膏の全累積細孔容積を0.5mL/g以下とすることができ、更には0.3~0.4mL/gとすることができる。細孔径0.1~5μmの細孔の累積細孔容積は0.001~0.1mL/gとすることができ、更には0.005~0.05mL/gとすることができる。
(繊維状異物除去工程)
このようにして再生された二水石膏は、石膏ボード廃材由来の二水石膏とは異なる、全累積細孔容積の小さい二水石膏である。従って、前記の晶析工程によって得られる二水石膏スラリーは、十分な流動性を有する。
従って、前記晶析工程の後、後述する脱水工程の前に、繊維状異物除去工程を備えて、晶析工程によって得られた二水石膏スラリーから繊維状異物を効率よく分離除去することが可能である。ここで繊維状異物とは、特に限定されないが、主としてボード原紙由来の微小な紙片、紙繊維等からなる異物であり、前記粗大異物除去工程で除去されずに石膏ボード廃材破砕物に同伴されて系内に混入した紙の小片ないし繊維である。該繊維状異物の大きさは、長手方向で1~5mm程度である。
繊維状異物を分離除去する方法については、公知の方法を制限なく用いることができる。たとえば、篩、遠心分離、浮遊分離等が挙げられる。中でも、篩は、連続プロセスとしての処理効率が良いため、好ましい。以下、篩を用いた繊維状異物の除去について説明する。
晶析工程より得られる二水石膏スラリーは、流動性に優れるから、スラリーのまま容易に篩にかけることができる。またこのスラリーは粒子の凝集もないから、従来行われている乾式における繊維状異物除去の篩に比べ、目開きを小さくすることが可能である。従って、従来の乾式法では除去できなかったボード原紙由来の細かい繊維状異物を、目詰まりなく、精度良く除去することができる。その結果、得られる二水石膏の純度は非常に高いものとなる。
繊維状異物除去工程に用いる篩は、特に制限されるものではなく、一般的なものでよい。篩として、たとえば振動篩、回転篩、超音波篩等を用いることにより、篩効率が向上する点で好ましい。篩の目開きは、好ましくは0.2~3mmであり、より好ましくは0.5~1mmである。
この繊維状異物除去工程に供される二水石膏スラリー中の二水石膏濃度の好ましい範囲は、篩の目開きの大きさによって適宜に決定される。たとえば、前記の好ましい目開きの篩を使用した場合には、篩処理の精度を高くするとの観点から、二水石膏濃度を10重量%以下に調整することが好ましく、5重量%以下に調整することがより好ましい。二水石膏スラリー中の二水石膏濃度が前記濃度よりも高い場合、篩上に分離される繊維状異物の量にはほとんど影響がないものの、二水石膏の回収率が減少する場合があるため、好ましくない。そこで、先ず二水石膏濃度10%を超えるスラリーについて1回目の篩処理を行い、篩上に残った繊維状異物と二水石膏との混合物を再度水性媒体に懸濁して二水石膏濃度10重量%以下のスラリーとし、これについて2回目の篩処理を行ってもよい。
該繊維状異物除去工程においては、1段の篩で篩ってよいし、多段の篩を用いて篩ってもよい。多段の篩を用いて篩う場合、篩の目開きを段階的に小さくし、最終的な目開きが前記範囲になるよう、篩を選択してもよい。
本発明における繊維状異物除去工程は、湿式処理であるから粉だちが起こらず、従って粉じん対策が不要である。
(脱水工程)
次いで脱水工程において、公知のろ別手段を用いて、前記繊維状異物除去工程を経て繊維状異物が除去された二水石膏スラリーから水性媒体を分離することによって、二水石膏を回収することができる。このろ別手段として具体的には、ロータリースクリーン、ドラムフィルター、ディスクフィルター、ヌッチェフィルター、フィルタープレス、スクリュープレス、チューブプレス等のろ別装置;スクリューデカンター、スクリーンデカンター等の遠心分離機等を用いて、前記繊維状異物除去工程において篩下より得られる、異物が除去された二水石膏スラリーから水性媒体と分離することができる。
回収されたろ液は、半水石膏の溶解、再析出工程の水性媒体、繊維状異物除去工程に供される二水石膏スラリーの濃度調整等に、循環再利用することができる。
この脱水工程に供されるスラリー中の二水石膏は、前工程の晶析工程により、多孔質構造が改善され、粒径も大型化している。その結果、原料の石膏ボード廃材の芯材における二水石膏と比較して、比表面積が大幅に減少している。これらのことにより、脱水工程後の二水石膏の含水率は約15重量%以下と、極めて少なくなっている。従って脱水工程より得られる二水石膏は、格別の乾燥工程を経ることなく、そのまま粉体として取り扱うことが可能である。更に、この二水石膏は含水率が低いから、再焼成して半水石膏とする場合のエネルギーコストの削減にも資する。
該脱水工程より得られる再生石膏は、必要に応じて水洗および脱水することにより、更に純度を上げることも可能である。
(各工程の実施形態)
前記破砕工程、粗大異物除去工程および焼成工程は、それぞれバッチ式で行ってもよく、連続プロセスとして行ってもよい。これらの工程は、それぞれが独立した工程であってもよく、複数の工程を直列に接続した工程であってもよい。更に、これらの工程は、後工程の晶析工程と独立した工程であってもよく、これと連続した工程としてもよい。
晶析工程は、バッチ式で行ってもよく、連続プロセスで行ってもよいが、連続プロセスで行う場合に本発明の利点が特に発揮される。晶析工程のうち、少なくとも半水石膏の溶解および二水石膏の析出工程をそれぞれ連続プロセスとし、これらを直列に接続し、得られた二水石膏の一部を種晶石膏として循環する工程を含むプロセスが、本発明の利点が最大限に発揮される点で特に好ましい。
繊維状異物除去工程および脱水工程も、それぞれバッチ式または連続プロセスとして行うことができるが、これらを前工程の晶析工程と合わせて連続プロセスとして行う場合に、本発明の利点が特に発揮される。たとえば、晶析工程、繊維状異物除去工程および脱水工程をそれぞれ連続プロセスとし、これらを直列に接続し、脱水工程より得られたろ液を、半水石膏の溶解または二水石膏析出工程の水性媒体としてそれぞれの反応槽に供給し、あるいは繊維状異物除去工程に供される二水石膏スラリーの濃度調整に使用する等して循環再利用するプロセスが、本発明の利点が最大限に発揮される点で特に好ましい。
なお、脱水工程より得られたろ液には、石膏ボード廃材に由来するデンプン、界面活性剤等の水溶性有機物が含まれている場合がある。しかしながら、本発明の方法によると、晶析工程において水性媒体が必然的に空気と接触するから、上記水溶性有機物は容易に分解される。従って、ろ液を用いて再生された二水石膏中の水溶性有機物の含有量は、少ないものとなる。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明の方法について更に具体的に説明する。
図1は、本発明の方法の一態様を好適に実施するための装置の一例を示した説明概略図である。図1の装置は、本発明の方法の一態様として、破砕工程、粗大異物除去工程、焼成工程、半水石膏の粉砕工程、晶析工程、繊維状異物除去工程および脱水工程を、この順で行う連続プロセスの該略図である。
回収された石膏ボード廃材Aは、先ず、スライド式の切断機1により100~300mm程度の石膏ボード廃材破砕物Bとなり、異物を目視で除去する工程のためのベルトコンベア2、定量コンベア3および磁選機4を経て、4軸ロール破砕機5により平均粒径1~5mm程度の大きさになる。次いで、4軸ロール破砕機5の下部に設置された篩によって、紙等の粗大異物Dは篩上に分離除去される。分離された粗大異物Dは、圧縮梱包機7によって梱包される。
粗大異物除去後の石膏ボード廃材破砕物Cは、再度磁選機4を経た後、流動層か焼機6に投入され、焼成処理されて半水石膏Eとなる。得られた半水石膏Eは、微粉砕機8で微破砕処理される。微粉砕処理後の半水石膏Fは、バグフィルター9で捕集された後、粉液混合機10に送られ、ここで水性媒体と混合されてスラリーを得る。このスラリーは、次いで連続式の晶析反応槽11に送られ、ここで半水石膏の溶解および二水石膏の析出が行われ、二水石膏スラリーGを得る。
晶析反応槽11から出た二水石膏スラリーGのうち、一部が任意的に循環される。オーバフロー分の二水石膏スラリーGは、希釈槽12においてスラリー中の二水石膏濃度が10重量%以下に調整された後、振動篩13に送られる。振動篩13では、篩上に繊維状異物Hが分離除去され、篩下に純度の高い二水石膏スラリーを得る。
篩下より得られた二水石膏スラリーは、ドラムフィルター14に送られ、二水石膏Iとろ液Jとに分離される。分離されたろ液Jは任意の比率で希釈槽12および粉液混合機10に戻され、水性媒体として循環再利用される。
本発明の方法に供される石膏ボード廃材としては、石膏ボードの生産工程および建築現場の施行工程で発生する端材または残材からなる石膏ボード廃材、建物のリフォーム・解体工事で建築廃材として発生する石膏ボード廃材等が挙げられる。
一般に、石膏ボードは、板状に形成された石膏硬化物からなる芯材の表面にボード原紙が貼付された構造を有する。リフォーム・解体工事で発生する石膏ボード廃材には、釘、ビス等の金属片が混入している場合がある。このような金属片は、後述する破砕工程において石膏ボード廃材を破砕機で破砕する際に、破砕機の故障を招く虞れがある。従って、これらの金属片は、破砕工程に先んじて除去されることが好ましい。金属片を除去する方法は特に制限されるものではない。たとえば、石膏ボード廃材を扱いやすい大きさに切断した後、磁選機等を用いて金属片を除去することができる。
(破砕工程)
本発明における破砕工程では、前記のように好ましくは金属片が除去された石膏ボード廃材を破砕して、石膏ボード廃材破砕物を得る。破砕の方法としては、公知の方法が制限なく使用できる。しかしながら、破砕方法として、芯材の二水石膏は破砕するが、ボード原紙は破砕し難い方法を選択することが好ましい。このような破砕方法としては、たとえば圧縮式の破砕装置、ハンマーミル、ロールミル等を挙げることができる。石膏ボード廃材は、その破砕物の平均粒径が0.5~10mmとなるように破砕することが好ましく、1~5mmとすることがより好ましい。平均粒径が前記の範囲になるように破砕することにより、石膏ボード廃材破砕物から二水石膏と粗大なボード原紙とを容易に分別することが可能となる。この石膏ボード廃材破砕物の平均粒径は、篩分け等の適当な手段により測定することができる。
(粗大異物除去工程)
石膏ボード廃材由来のボード原紙は水に不溶である。そのため、本発明においては、後述するように晶析工程後、脱水工程前に備えられた繊維状異物除去工程においてこれを効率よく除去することが可能である。しかしながら、粗大な紙片は、各工程で使用される装置の回転部への巻き付き、スラリー移送ラインの詰まり等の原因となるおそれがある。そのため、前記の破砕工程の後、後述の焼成工程の前に粗大異物を除去する粗大異物除去工程を備え、ボード原紙由来の大きい紙片を予め除去することが好ましい。
ここで「粗大異物」とは、特に限定されるものではないが、主に前記破砕工程において二水石膏芯材から分離されたボード原紙由来の紙片をいう。従って、この粗大異物の大きさは、粉砕前の石膏ボード廃材の大きさによるが、一般に数十mm以上である。
前記破砕工程において得られた石膏ボード廃材破砕物からは、公知の分別手段によって容易に粗大異物を除去することが可能である。このような分別手段としては、たとえば振動式篩、回転式篩等が挙げられる。
この粗大異物除去工程では、粗大な異物(主に大きな紙片)が除去できればよい。従って、この工程に使用される篩の目開きの大きさは、石膏ボード廃材破砕物中の二水石膏が通過でき、且つ粗大異物が通過し得ない大きさを選択すればよい。この篩の目開きの大きさとしては、好ましくは5~20mmであり、より好ましくは10~15mmである。篩の目開きの大きさを適宜選択することにより、石膏ボード廃材破砕物から二水石膏を効率よく回収でき、また最大粒径が調整された二水石膏粉末を得ることも可能となる。
この粗大異物除去工程は、湿式ではなく乾式で行うことにより、得られる石膏粉末からの水分除去工程が不要となるから、エネルギー消費が少なく、工業的により有利に本発明を実施することができることとなる。
(焼成工程)
次に、焼成工程において、前記破砕工程から回収された二水石膏破砕物を加熱して半水石膏を得る。この焼成工程における加熱温度は、好ましくは100~200℃であり、より好ましくは110~160℃であり、加熱時間は、好ましくは2~60分であり、より好ましくは5~30分である。焼成工程における加熱は適宜の装置により行うことができ、たとえば熱風乾燥器、伝導電熱乾燥機、流動化装置等を使用して行うことができる。
この焼成工程によって二水石膏は半水石膏となるのであるが、二水石膏のうちの一部がそのまま残存する場合がある。また脱水が進み、一部がIII型無水石膏まで脱水される場合がある。更に、使用する石膏ボード廃材の種類によっては、焼成前の石膏ボード廃材中にII型無水石膏が含有されている場合もある。
ここで、半水石膏中に残存する二水石膏は、石膏ボード廃材の芯材に由来する多孔質の結晶構造を持つため、その含有割合が小さい方が好ましい。具体的には、前記半水石膏に含有される二水石膏の割合が、半水石膏の重量に対する二水石膏の重量の割合として、5重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることが更に好ましい。そうすることにより、後述する晶析工程において、半水石膏が水性媒体中に均一に溶解することが可能となり、良質の再生石膏を安定的に製造することができる。一方、半水石膏に含有される二水石膏の割合が大きいと、晶析工程において、芯材由来の結晶構造をもつ二水石膏が種晶となり、粒径が小さく且つ多孔質の、ハンドリング性に問題のある再生二水石膏が多く析出するため、好ましくない。III型無水石膏は、後述する晶析工程において、半水石膏と同様に、水性媒体に一旦溶解した後、二水石膏として析出するため、焼成工程後の半水石膏に含有されていても問題はない。II型無水石膏については、一部は前記III型無水石膏同様に、水性媒体に一旦溶解した後、二水石膏として析出するほか、残部はII型無水石膏のまま晶析工程から排出される。この残存II型無水石膏は、晶析工程における二水石膏の析出に影響を与えるものではなく、得られる二水石膏の品質に影響を与える量が残存することはないから、考慮する必要はない。
上記のとおり、焼成工程で得られる半水石膏には、二水石膏、III型無水石膏およびII型無水石膏のうちの1種類以上が含有される場合があり、更に、後述の繊維状異物除去工程において除去されるべき繊維状異物が含有される。従って焼成工程後の半水石膏に含有される二水石膏の割合は、粉末X線回折測定を行って、半水石膏および二水石膏の存在割合を正確に定量したうえで評価することが好ましい。
本発明においては、焼成工程によって得られた半水石膏をそのまま次工程の晶析工程に供することも可能である。しかし、得られた半水石膏を乾式粉砕して石膏微粉末とした後に晶析工程に供することが、晶析工程における水性媒体への溶解がより均一となるため好ましい。焼成後の半水石膏を乾式粉砕する場合、半水石膏の粒径を0.5~100μmとすることが好ましく、1~80μmとすることがより好ましい。この粉砕工程は、適宜の装置、たとえばピンミル、ボールミル、ビーズミル等、を使用して行うことができる。ここで、分級機能付きの粉砕機を用いれば、目的の粒度の石膏微粉末が得られるとともに微粉の発生を防ぎながら効率よく粉砕することが可能となるため好ましい。
(晶析工程)
続いて行われる晶析工程では、前記焼成工程によって得られた半水石膏を水性媒体に溶解し、次いで二水石膏を析出させて二水石膏スラリーを得る。前記水性媒体としては水が好ましい。石膏ボード廃材より得られる二水石膏を加熱して半水石膏とし、次いでこれを水性媒体中に溶解した後に二水石膏として析出させることにより、良質の二水石膏を安定的に製造することができる。
水性媒体中には、種晶石膏となる二水石膏を存在させてもよい。水性媒体中に種晶石膏となる二水石膏が存在することにより、良質の二水石膏を極めて安定的に製造できるとともに、二水石膏の析出に要する時間を短縮できる点で好ましい。
この晶析工程は、二水石膏の適度な析出速度を保つため、水性媒体のpHを4~8の範囲として行うことが好ましい。水性媒体の温度は90℃以下とすることが好ましく、より好ましくは50~80℃である。析出のための時間は、選択した水性媒体の種類、温度、プロセス等によって大きく変わるので、適正な時間を一般的に説明することはできない。この析出時間は、得られる二水石膏の粒径が、50%累積径(D50)として30~50μmになるように設定することが好ましい。二水石膏をこの範囲の粒径に成長させることにより、二水石膏粒子が凝集することがなくなってスラリーの流動性が非常に良くなるため、後述する繊維状異物除去工程における篩処理の際、分離精度が格段と良くなる点で好ましい。
本発明の方法によると、析出後の二水石膏の全累積細孔容積を0.5mL/g以下とすることができ、更には0.3~0.4mL/gとすることができる。細孔径0.1~5μmの細孔の累積細孔容積は0.001~0.1mL/gとすることができ、更には0.005~0.05mL/gとすることができる。
(繊維状異物除去工程)
このようにして再生された二水石膏は、石膏ボード廃材由来の二水石膏とは異なる、全累積細孔容積の小さい二水石膏である。従って、前記の晶析工程によって得られる二水石膏スラリーは、十分な流動性を有する。
従って、前記晶析工程の後、後述する脱水工程の前に、繊維状異物除去工程を備えて、晶析工程によって得られた二水石膏スラリーから繊維状異物を効率よく分離除去することが可能である。ここで繊維状異物とは、特に限定されないが、主としてボード原紙由来の微小な紙片、紙繊維等からなる異物であり、前記粗大異物除去工程で除去されずに石膏ボード廃材破砕物に同伴されて系内に混入した紙の小片ないし繊維である。該繊維状異物の大きさは、長手方向で1~5mm程度である。
繊維状異物を分離除去する方法については、公知の方法を制限なく用いることができる。たとえば、篩、遠心分離、浮遊分離等が挙げられる。中でも、篩は、連続プロセスとしての処理効率が良いため、好ましい。以下、篩を用いた繊維状異物の除去について説明する。
晶析工程より得られる二水石膏スラリーは、流動性に優れるから、スラリーのまま容易に篩にかけることができる。またこのスラリーは粒子の凝集もないから、従来行われている乾式における繊維状異物除去の篩に比べ、目開きを小さくすることが可能である。従って、従来の乾式法では除去できなかったボード原紙由来の細かい繊維状異物を、目詰まりなく、精度良く除去することができる。その結果、得られる二水石膏の純度は非常に高いものとなる。
繊維状異物除去工程に用いる篩は、特に制限されるものではなく、一般的なものでよい。篩として、たとえば振動篩、回転篩、超音波篩等を用いることにより、篩効率が向上する点で好ましい。篩の目開きは、好ましくは0.2~3mmであり、より好ましくは0.5~1mmである。
この繊維状異物除去工程に供される二水石膏スラリー中の二水石膏濃度の好ましい範囲は、篩の目開きの大きさによって適宜に決定される。たとえば、前記の好ましい目開きの篩を使用した場合には、篩処理の精度を高くするとの観点から、二水石膏濃度を10重量%以下に調整することが好ましく、5重量%以下に調整することがより好ましい。二水石膏スラリー中の二水石膏濃度が前記濃度よりも高い場合、篩上に分離される繊維状異物の量にはほとんど影響がないものの、二水石膏の回収率が減少する場合があるため、好ましくない。そこで、先ず二水石膏濃度10%を超えるスラリーについて1回目の篩処理を行い、篩上に残った繊維状異物と二水石膏との混合物を再度水性媒体に懸濁して二水石膏濃度10重量%以下のスラリーとし、これについて2回目の篩処理を行ってもよい。
該繊維状異物除去工程においては、1段の篩で篩ってよいし、多段の篩を用いて篩ってもよい。多段の篩を用いて篩う場合、篩の目開きを段階的に小さくし、最終的な目開きが前記範囲になるよう、篩を選択してもよい。
本発明における繊維状異物除去工程は、湿式処理であるから粉だちが起こらず、従って粉じん対策が不要である。
(脱水工程)
次いで脱水工程において、公知のろ別手段を用いて、前記繊維状異物除去工程を経て繊維状異物が除去された二水石膏スラリーから水性媒体を分離することによって、二水石膏を回収することができる。このろ別手段として具体的には、ロータリースクリーン、ドラムフィルター、ディスクフィルター、ヌッチェフィルター、フィルタープレス、スクリュープレス、チューブプレス等のろ別装置;スクリューデカンター、スクリーンデカンター等の遠心分離機等を用いて、前記繊維状異物除去工程において篩下より得られる、異物が除去された二水石膏スラリーから水性媒体と分離することができる。
回収されたろ液は、半水石膏の溶解、再析出工程の水性媒体、繊維状異物除去工程に供される二水石膏スラリーの濃度調整等に、循環再利用することができる。
この脱水工程に供されるスラリー中の二水石膏は、前工程の晶析工程により、多孔質構造が改善され、粒径も大型化している。その結果、原料の石膏ボード廃材の芯材における二水石膏と比較して、比表面積が大幅に減少している。これらのことにより、脱水工程後の二水石膏の含水率は約15重量%以下と、極めて少なくなっている。従って脱水工程より得られる二水石膏は、格別の乾燥工程を経ることなく、そのまま粉体として取り扱うことが可能である。更に、この二水石膏は含水率が低いから、再焼成して半水石膏とする場合のエネルギーコストの削減にも資する。
該脱水工程より得られる再生石膏は、必要に応じて水洗および脱水することにより、更に純度を上げることも可能である。
(各工程の実施形態)
前記破砕工程、粗大異物除去工程および焼成工程は、それぞれバッチ式で行ってもよく、連続プロセスとして行ってもよい。これらの工程は、それぞれが独立した工程であってもよく、複数の工程を直列に接続した工程であってもよい。更に、これらの工程は、後工程の晶析工程と独立した工程であってもよく、これと連続した工程としてもよい。
晶析工程は、バッチ式で行ってもよく、連続プロセスで行ってもよいが、連続プロセスで行う場合に本発明の利点が特に発揮される。晶析工程のうち、少なくとも半水石膏の溶解および二水石膏の析出工程をそれぞれ連続プロセスとし、これらを直列に接続し、得られた二水石膏の一部を種晶石膏として循環する工程を含むプロセスが、本発明の利点が最大限に発揮される点で特に好ましい。
繊維状異物除去工程および脱水工程も、それぞれバッチ式または連続プロセスとして行うことができるが、これらを前工程の晶析工程と合わせて連続プロセスとして行う場合に、本発明の利点が特に発揮される。たとえば、晶析工程、繊維状異物除去工程および脱水工程をそれぞれ連続プロセスとし、これらを直列に接続し、脱水工程より得られたろ液を、半水石膏の溶解または二水石膏析出工程の水性媒体としてそれぞれの反応槽に供給し、あるいは繊維状異物除去工程に供される二水石膏スラリーの濃度調整に使用する等して循環再利用するプロセスが、本発明の利点が最大限に発揮される点で特に好ましい。
なお、脱水工程より得られたろ液には、石膏ボード廃材に由来するデンプン、界面活性剤等の水溶性有機物が含まれている場合がある。しかしながら、本発明の方法によると、晶析工程において水性媒体が必然的に空気と接触するから、上記水溶性有機物は容易に分解される。従って、ろ液を用いて再生された二水石膏中の水溶性有機物の含有量は、少ないものとなる。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明の方法について更に具体的に説明する。
図1は、本発明の方法の一態様を好適に実施するための装置の一例を示した説明概略図である。図1の装置は、本発明の方法の一態様として、破砕工程、粗大異物除去工程、焼成工程、半水石膏の粉砕工程、晶析工程、繊維状異物除去工程および脱水工程を、この順で行う連続プロセスの該略図である。
回収された石膏ボード廃材Aは、先ず、スライド式の切断機1により100~300mm程度の石膏ボード廃材破砕物Bとなり、異物を目視で除去する工程のためのベルトコンベア2、定量コンベア3および磁選機4を経て、4軸ロール破砕機5により平均粒径1~5mm程度の大きさになる。次いで、4軸ロール破砕機5の下部に設置された篩によって、紙等の粗大異物Dは篩上に分離除去される。分離された粗大異物Dは、圧縮梱包機7によって梱包される。
粗大異物除去後の石膏ボード廃材破砕物Cは、再度磁選機4を経た後、流動層か焼機6に投入され、焼成処理されて半水石膏Eとなる。得られた半水石膏Eは、微粉砕機8で微破砕処理される。微粉砕処理後の半水石膏Fは、バグフィルター9で捕集された後、粉液混合機10に送られ、ここで水性媒体と混合されてスラリーを得る。このスラリーは、次いで連続式の晶析反応槽11に送られ、ここで半水石膏の溶解および二水石膏の析出が行われ、二水石膏スラリーGを得る。
晶析反応槽11から出た二水石膏スラリーGのうち、一部が任意的に循環される。オーバフロー分の二水石膏スラリーGは、希釈槽12においてスラリー中の二水石膏濃度が10重量%以下に調整された後、振動篩13に送られる。振動篩13では、篩上に繊維状異物Hが分離除去され、篩下に純度の高い二水石膏スラリーを得る。
篩下より得られた二水石膏スラリーは、ドラムフィルター14に送られ、二水石膏Iとろ液Jとに分離される。分離されたろ液Jは任意の比率で希釈槽12および粉液混合機10に戻され、水性媒体として循環再利用される。
以下、本発明を更に詳細に説明するため、実施例を示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、各評価は以下のようにして行った。
(1)石膏の組成
石膏の組成は、X線回折−リートベルト解析によって求めた。
(2)石膏中の紙(紙繊維)の含有率
先ず重量を精秤した石膏に、等量以上の水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応させ、石膏をすべて水酸化カルシウムとした。この水酸化カルシウムをろ取し、洗浄して硫酸ナトリウムを除去した。
得られた水酸化カルシウムに等量以上の塩酸を加えて反応させ、水酸化カルシウムをすべて溶解した。得られた溶液をろ過し、洗浄した後のろ紙上の残留物を回収し、これを熱重量分析して200~800℃における重量減少量を求めた。
この重量減少量の前記石膏重量に対する割合を、石膏中の紙の含有率として評価した。
(3)石膏の粒径
石膏の粒径はレーザー回折散乱式粒度分布計で測定した50%累積径(D50)である。
(4)篩処理後の二水石膏回収率
篩処理後の二水石膏回収率は、篩上に導入した二水石膏の総重量に対する、篩下に分離された二水石膏の重量比である。篩上に導入される二水石膏が水分を含む場合には、水の重量を除いた固形分換算値から求めた値である。
(5)二水石膏の含水率
ろ過後の二水石膏ケーキを60℃において24時間乾燥し、二水石膏表面に付着した水分を除去した際の、乾燥前ケーキ重量からの重量減少率を二水石膏の含水率とした。
(6)累積細孔容積
二水石膏の累積細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた測定により求めた。
実施例1
家屋の新築現場から分別回収した石膏ボード廃材を、4軸ロール破砕機に投入して破砕した。得られた破砕物を目開き11mmの篩上に導入し、篩上に紙片状異物、篩下に二水石膏の粉体を分離した。この二水石膏における紙の含有割合は1.6重量%、二水石膏の回収率は90重量%であった。この分離した二水石膏を流動層か焼機に投入し、150℃において20分間加熱処理して半水石膏とした。この半水石膏における二水石膏の含有割合は0.6重量%であった。この半水石膏を風力分級機能付きの微粉砕機に投入し、平均粒径3μmまで粉砕した。
スラリー中の二水石膏濃度40重量%、スラリー温度50℃に調整したスラリー容積6リットルの撹拌式反応槽に、前記粉砕後の半水石膏を200g/h、水を393ml/hの速度で連続的に供給し、反応を開始した。反応開始から48時間以降に反応槽から排出された二水石膏スラリーに水を加えて二水石膏濃度10重量%とした後、目開き500μmの振動篩を通過させた。篩下のスラリー中の二水石膏は、紙の含有率が0.3重量%であり、二水石膏の回収率は99重量%であった。石膏ボード廃材に対する二水石膏の回収率は、89重量%であった。
得られた二水石膏スラリーを真空ろ過することにより、含水率12重量%、粒径(D50)42μm、累積細孔容積0.3ml/gの二水石膏を得た。
実施例2
家屋の解体現場から分別回収した石膏ボード廃材をスライド式切断機に投入し、最大長さ200mm以下の切断物とした。この切断物から、石膏ボード廃材以外の異物(木片、金属片等)を目視により除去した後、石膏ボード破砕物100重量部に対して5重量部の水を霧吹きで添加した。この操作は、回収された石膏ボード廃材が濡れている場合を実験的に再現したものである。
前記の濡れた破砕物を4軸ロール破砕機に投入した後、破砕物を目開き11mmの篩上に投入したところ、目詰まりなく排出され、篩上に紙片状異物、篩下に二水石膏の粉体を分離することができた。この二水石膏中の紙の含有率は1.8重量%であり、二水石膏の回収率は92重量%であった。ここまでの操作により、回収された石膏ボード廃材が濡れている場合であっても紙片状異物の除去が問題なく行えることが確認された。
この分離回収した二水石膏を流動層か焼機に投入し、150℃において30分間加熱処理して半水石膏とした。この半水石膏における二水石膏の含有割合は0.8重量%であった。次いでこの半水石膏を風力分級機能付きの微粉砕機に投入し、平均粒径3μmまで粉砕した。
スラリー中の二水石膏濃度40重量%、スラリー温度50℃に調整したスラリー容積6リットルの撹拌式反応槽に、前記粉砕後の半水石膏を200g/h、水を393ml/hの速度で連続的に供給し、反応を開始した。反応開始から48時間後に反応槽から排出された二水石膏スラリーに水を加えて二水石膏濃度7重量%とした後、目開き500μmの振動篩を通過させた。篩下のスラリー中の二水石膏は、紙の含有率が0.5重量%であり、二水石膏の回収率は98重量%であった。石膏ボード廃材に対する二水石膏の回収率は90重量%であった。
得られた二水石膏スラリーを真空ろ過することにより、含水率12重量%、粒径(D50)42μm、累積細孔容積0.3ml/gの二水石膏を得た。
実施例3
前記実施例2と同様にして、家屋の解体現場から分別回収した石膏ボード廃材の切断、石膏ボード廃材以外の異物除去、水添加、破砕および紙片状異物の除去を行い、目開き11mmの篩下に分離された二水石膏の粉体を得た。この二水石膏中の紙の含有率は1.8重量%であり、二水石膏の回収率は92重量%であった。
この分離回収した二水石膏を流動層か焼機に投入し、150℃において30分間加熱処理して半水石膏とした。この半水石膏における二水石膏の含有割合は0.8重量%であった。次いでこの半水石膏を風力分級機能付きの微粉砕機に投入し、平均粒径3μmまで粉砕した。
スラリー中の二水石膏濃度40重量%、スラリー温度50℃に調整したスラリー容積6リットルの撹拌式反応槽に、前記粉砕後の半水石膏を200g/h、水を393ml/hの速度で連続的に供給し、反応を開始した。反応開始から48時間後に反応槽から排出された二水石膏スラリーを希釈せずに、そのまま、目開き500μmの振動篩を通過させた。篩下のスラリー中の二水石膏は、紙の含有率が0.2重量%であり、二水石膏の回収率は72重量%であった。石膏ボード廃材に対する二水石膏の回収率は66重量%であった。
得られた二水石膏スラリーを真空ろ過することにより、含水率12重量%、粒径(D50)42μm、累積細孔容積0.3ml/gの二水石膏を得た。
比較例1
家屋の新築現場から分別回収した石膏ボード廃材を、4軸ロール破砕機に投入して破砕した。得られた破砕物を目開き11mmの篩上に導入し、篩上に紙片状異物、篩下に二水石膏の粉体を分離した。この二水石膏中の紙の残留量は1.6重量%、二水石膏の回収率は90重量%であった。次いで、この分離した二水石膏を乾式で目開き1mmの振動篩に投入した。篩下に回収された二水石膏中の紙の含有率は0.9重量%であり、二水石膏の回収率は72重量%であった。石膏ボード廃材に対する二水石膏の回収率は65重量%であった。
比較例2
家屋の解体現場から分別回収した石膏ボード廃材をスライド式切断機に投入し、200mm以下の切断物とした。この切断物から目視で、石膏ボード廃材以外の異物(木片、金属片等)を除去した後、石膏ボード破砕物100重量部に対して5重量部の水を霧吹きで添加した。
前記の濡れた破砕物を4軸ロール破砕機に投入した後、目開き11mmの篩上に投入したところ、篩上に紙片状異物、篩下に二水石膏の粉体が分離された。この二水石膏中の紙の含有率は1.8重量%であり、二水石膏の回収率は92重量%であった。
次いで、この分離した二水石膏を目開き1mmの振動篩に投入した。投入後直ぐに目詰まりが発生し、篩処理することはできなかった。
以上の実施例および比較例の結果を、下記表1にまとめた。
以下の実施例および比較例において、各評価は以下のようにして行った。
(1)石膏の組成
石膏の組成は、X線回折−リートベルト解析によって求めた。
(2)石膏中の紙(紙繊維)の含有率
先ず重量を精秤した石膏に、等量以上の水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応させ、石膏をすべて水酸化カルシウムとした。この水酸化カルシウムをろ取し、洗浄して硫酸ナトリウムを除去した。
得られた水酸化カルシウムに等量以上の塩酸を加えて反応させ、水酸化カルシウムをすべて溶解した。得られた溶液をろ過し、洗浄した後のろ紙上の残留物を回収し、これを熱重量分析して200~800℃における重量減少量を求めた。
この重量減少量の前記石膏重量に対する割合を、石膏中の紙の含有率として評価した。
(3)石膏の粒径
石膏の粒径はレーザー回折散乱式粒度分布計で測定した50%累積径(D50)である。
(4)篩処理後の二水石膏回収率
篩処理後の二水石膏回収率は、篩上に導入した二水石膏の総重量に対する、篩下に分離された二水石膏の重量比である。篩上に導入される二水石膏が水分を含む場合には、水の重量を除いた固形分換算値から求めた値である。
(5)二水石膏の含水率
ろ過後の二水石膏ケーキを60℃において24時間乾燥し、二水石膏表面に付着した水分を除去した際の、乾燥前ケーキ重量からの重量減少率を二水石膏の含水率とした。
(6)累積細孔容積
二水石膏の累積細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた測定により求めた。
実施例1
家屋の新築現場から分別回収した石膏ボード廃材を、4軸ロール破砕機に投入して破砕した。得られた破砕物を目開き11mmの篩上に導入し、篩上に紙片状異物、篩下に二水石膏の粉体を分離した。この二水石膏における紙の含有割合は1.6重量%、二水石膏の回収率は90重量%であった。この分離した二水石膏を流動層か焼機に投入し、150℃において20分間加熱処理して半水石膏とした。この半水石膏における二水石膏の含有割合は0.6重量%であった。この半水石膏を風力分級機能付きの微粉砕機に投入し、平均粒径3μmまで粉砕した。
スラリー中の二水石膏濃度40重量%、スラリー温度50℃に調整したスラリー容積6リットルの撹拌式反応槽に、前記粉砕後の半水石膏を200g/h、水を393ml/hの速度で連続的に供給し、反応を開始した。反応開始から48時間以降に反応槽から排出された二水石膏スラリーに水を加えて二水石膏濃度10重量%とした後、目開き500μmの振動篩を通過させた。篩下のスラリー中の二水石膏は、紙の含有率が0.3重量%であり、二水石膏の回収率は99重量%であった。石膏ボード廃材に対する二水石膏の回収率は、89重量%であった。
得られた二水石膏スラリーを真空ろ過することにより、含水率12重量%、粒径(D50)42μm、累積細孔容積0.3ml/gの二水石膏を得た。
実施例2
家屋の解体現場から分別回収した石膏ボード廃材をスライド式切断機に投入し、最大長さ200mm以下の切断物とした。この切断物から、石膏ボード廃材以外の異物(木片、金属片等)を目視により除去した後、石膏ボード破砕物100重量部に対して5重量部の水を霧吹きで添加した。この操作は、回収された石膏ボード廃材が濡れている場合を実験的に再現したものである。
前記の濡れた破砕物を4軸ロール破砕機に投入した後、破砕物を目開き11mmの篩上に投入したところ、目詰まりなく排出され、篩上に紙片状異物、篩下に二水石膏の粉体を分離することができた。この二水石膏中の紙の含有率は1.8重量%であり、二水石膏の回収率は92重量%であった。ここまでの操作により、回収された石膏ボード廃材が濡れている場合であっても紙片状異物の除去が問題なく行えることが確認された。
この分離回収した二水石膏を流動層か焼機に投入し、150℃において30分間加熱処理して半水石膏とした。この半水石膏における二水石膏の含有割合は0.8重量%であった。次いでこの半水石膏を風力分級機能付きの微粉砕機に投入し、平均粒径3μmまで粉砕した。
スラリー中の二水石膏濃度40重量%、スラリー温度50℃に調整したスラリー容積6リットルの撹拌式反応槽に、前記粉砕後の半水石膏を200g/h、水を393ml/hの速度で連続的に供給し、反応を開始した。反応開始から48時間後に反応槽から排出された二水石膏スラリーに水を加えて二水石膏濃度7重量%とした後、目開き500μmの振動篩を通過させた。篩下のスラリー中の二水石膏は、紙の含有率が0.5重量%であり、二水石膏の回収率は98重量%であった。石膏ボード廃材に対する二水石膏の回収率は90重量%であった。
得られた二水石膏スラリーを真空ろ過することにより、含水率12重量%、粒径(D50)42μm、累積細孔容積0.3ml/gの二水石膏を得た。
実施例3
前記実施例2と同様にして、家屋の解体現場から分別回収した石膏ボード廃材の切断、石膏ボード廃材以外の異物除去、水添加、破砕および紙片状異物の除去を行い、目開き11mmの篩下に分離された二水石膏の粉体を得た。この二水石膏中の紙の含有率は1.8重量%であり、二水石膏の回収率は92重量%であった。
この分離回収した二水石膏を流動層か焼機に投入し、150℃において30分間加熱処理して半水石膏とした。この半水石膏における二水石膏の含有割合は0.8重量%であった。次いでこの半水石膏を風力分級機能付きの微粉砕機に投入し、平均粒径3μmまで粉砕した。
スラリー中の二水石膏濃度40重量%、スラリー温度50℃に調整したスラリー容積6リットルの撹拌式反応槽に、前記粉砕後の半水石膏を200g/h、水を393ml/hの速度で連続的に供給し、反応を開始した。反応開始から48時間後に反応槽から排出された二水石膏スラリーを希釈せずに、そのまま、目開き500μmの振動篩を通過させた。篩下のスラリー中の二水石膏は、紙の含有率が0.2重量%であり、二水石膏の回収率は72重量%であった。石膏ボード廃材に対する二水石膏の回収率は66重量%であった。
得られた二水石膏スラリーを真空ろ過することにより、含水率12重量%、粒径(D50)42μm、累積細孔容積0.3ml/gの二水石膏を得た。
比較例1
家屋の新築現場から分別回収した石膏ボード廃材を、4軸ロール破砕機に投入して破砕した。得られた破砕物を目開き11mmの篩上に導入し、篩上に紙片状異物、篩下に二水石膏の粉体を分離した。この二水石膏中の紙の残留量は1.6重量%、二水石膏の回収率は90重量%であった。次いで、この分離した二水石膏を乾式で目開き1mmの振動篩に投入した。篩下に回収された二水石膏中の紙の含有率は0.9重量%であり、二水石膏の回収率は72重量%であった。石膏ボード廃材に対する二水石膏の回収率は65重量%であった。
比較例2
家屋の解体現場から分別回収した石膏ボード廃材をスライド式切断機に投入し、200mm以下の切断物とした。この切断物から目視で、石膏ボード廃材以外の異物(木片、金属片等)を除去した後、石膏ボード破砕物100重量部に対して5重量部の水を霧吹きで添加した。
前記の濡れた破砕物を4軸ロール破砕機に投入した後、目開き11mmの篩上に投入したところ、篩上に紙片状異物、篩下に二水石膏の粉体が分離された。この二水石膏中の紙の含有率は1.8重量%であり、二水石膏の回収率は92重量%であった。
次いで、この分離した二水石膏を目開き1mmの振動篩に投入した。投入後直ぐに目詰まりが発生し、篩処理することはできなかった。
以上の実施例および比較例の結果を、下記表1にまとめた。
本発明の方法によると、石膏ボード廃材から二水石膏を再生するに際して、従来技術によるよりも効率よく、高い精度で、微小な繊維状異物を除去することができる。そして、従来技術による乾式の異物除去の問題であった、粉だち(粉塵の発生)および篩の目詰まりが起こることがない。
繊維状異物が高精度で除去されることにより、純度の高い二水石膏を再生することができる。また、石膏ボード廃材からの二水石膏の回収率が格段に向上する。
更に、本発明の方法によって再生される二水石膏は全累積細孔容積が小さいから、種々の用途にバージンの二水石膏と同様に使用することができる。
繊維状異物が高精度で除去されることにより、純度の高い二水石膏を再生することができる。また、石膏ボード廃材からの二水石膏の回収率が格段に向上する。
更に、本発明の方法によって再生される二水石膏は全累積細孔容積が小さいから、種々の用途にバージンの二水石膏と同様に使用することができる。
Claims (5)
- 少なくとも
石膏ボード廃材を破砕して石膏ボード廃材破砕物を得る破砕工程、
前記石膏ボード廃材破砕物を加熱して半水石膏を得る焼成工程、
前記半水石膏を水性媒体に溶解し次いで二水石膏を析出させ、二水石膏スラリーを得る晶析工程、および
前記二水石膏スラリーから水性媒体を除去する脱水工程
を含む、石膏ボード廃材から石膏を再生する方法であって、
前記晶析工程後、脱水工程前に、前記二水石膏スラリーから石膏ボード原紙由来の繊維状異物を除去する繊維状異物除去工程を備えることを特徴とする、前記方法。 - 前記繊維状異物除去工程における繊維状異物の除去が、二水石膏スラリーを篩にかけ、微小異物を篩上に除去することによって行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記繊維状異物除去工程に供される二水石膏スラリー中の二水石膏濃度が10重量%以下である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記焼成工程によって得られる半水石膏に含有される二水石膏の割合が5重量%以下である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記破砕工程後、焼成工程前に、石膏ボード原紙由来の紙片状異物を除去する紙片状異物除去工程を行う、請求項1または2に記載の方法。
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