JP5619797B2 - 石膏ボード廃材から石膏を再生する方法 - Google Patents

石膏ボード廃材から石膏を再生する方法 Download PDF

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Description

本発明は、石膏ボード廃材から石膏を再生する方法に関する。更に詳しくは、石膏ボード廃材から得られる廃石膏から、操作性がよく、しかも高純度であって品質がよく、かつ平均粒径の大きい石膏を再生する方法に関する。
廃石膏の主たるソースである石膏ボード廃材の発生量は、年間約150万tであり、このうち、約50万tは生産時や家屋等の新築内装工事の端材であり、石膏ボードメーカーがリサイクルを行っている。しかし、残りの約100万tは、家屋等の建造物の改装・解体工事で排出されるものであり、リサイクルされずに埋立処分されている。ここで、埋立てられた石膏が雨水と接触すると硫化水素を発生するおそれがあるため、石膏の埋立ては、管理型の埋立地に行わなければならず、廃棄コストが問題である。更に、石膏ボード廃材の発生量は年々増加する傾向にあり、埋立地の不足、環境負荷の点から、廃石膏の有効な処理方法が求められている。
これまで、石膏ボード廃材等から得られる廃石膏の処理方法については、数多くの提案がなされている。例えば、石膏ボード廃材から原紙を分離し、得られた石膏を再利用する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されている方法では、回収される石膏中に界面活性剤等の有機物が残存しており、再利用する用途が、土壌改良剤等に限定されていた。また、特許文献1には、紙が付着したままの廃石膏を焼却し、無水石膏にして再利用する方法も示されているが、焼却処理を行うことにより、SOが発生する問題や、大量に使用されている排煙脱硫石膏と同じ二水型の石膏にするためには、別途水処理工程が必要となる点で改善の余地があった。また、特許文献1および2に記載されている方法では、乾式状態での粉砕処理を前提としており、石膏を回収するまでの全工程において粉塵の対策が必要となる。更に、建築現場等の解体現場から発生する廃石膏は、濡れている場合もあり、これらの廃石膏を処理する場合には、前記方法では対応が難しかった。
一方、廃石膏を湿式処理して、再利用する方法も提案されている。例えば、粉砕していない石膏ボード廃材を加圧下、湿式にて加熱処理することにより、α型半水石膏を生成し、これを石膏ボード等の原料として再利用する方法が提案されている(特許文献3参照)。この方法は、濡れている石膏ボード廃材でもボード原紙と石膏とを容易に分離することができるものである。しかしながら、特許文献3に記載された方法では、廃石膏は粉砕されていないため、形状の大きいものを処理する場合には、廃石膏に含まれる界面活性剤等の有機成分の含有率を十分に低減することができず、改善の余地があった。また、廃石膏を粉砕処理していないため、連続して大量に廃石膏を処理する場合にはハンドリングが困難であった。更に、前記方法により得られる半水石膏は、結晶の平均粒径が非常に小さく、多孔質体である。そのため、これを石膏ボード原料として再利用する場合には、製造工程において石膏スラリーの流動性を確保するために、スラリーに使用する水の割合をバージンの石膏を用いるスラリーの場合よりも多くする必要がある。その結果、前記方法による再生石膏を100%用いて製造された石膏ボードは、その強度が不足するという重大な問題点がある。従って、石膏ボード原料のすべてを再生石膏とすることは難しく、現状ではバージン材料の一部代替に留まっている。
特開平10−286553号公報 特開2000−254531号公報 特開2004−307321号公報
本発明の目的は、石膏ボート廃材から、操作性が良好であって、更に、純度が高く品質がよく、かつ平均粒径が大きく、従来使用されている石膏の用途にそのまま使用できる石膏を回収することのできる、石膏ボード廃材から石膏を再生する方法を提供することにある。
本発明によると、本発明の上記目的および利点は、
石膏ボード廃材中から得られた石膏を、種晶石膏が存在する水性媒体中で溶解して再析出させる、石膏ボード廃材中の石膏を再生する方法であって、
前記石膏を溶解および再析出させる工程が連続プロセスで行われ、そして
前記石膏を溶解および再析出させる工程において、
再析出した再生石膏の一部を粉砕して粒径を20〜60μmに調整した後に種晶石膏として循環する工程を行うことを特徴とする石膏ボード廃材中の石膏を再生する方法によって達成される。
本発明の方法によると、石膏ボート廃材から、操作性が良好であって、更に、純度が高く品質がよく、かつ平均粒径が大きい再生石膏を回収することができる。
本発明の方法においては、最終的に得られる平均粒径の大きな石膏を洗浄ろ過するまで、スラリーとして流動化しておくことができる。これによってポンプ輸送が可能であり、石膏ボード廃材から得られた廃石膏の処理量の増加に伴う処理施設の大型化にも容易に対応できる。また、湿式の状態で処理する工程を含むため、粉塵対策を全工程に施すこと必要がなく、更に、濡れた状態の廃石膏を処理することも可能である。
かかる本発明の方法により得られた再生石膏は、従来からの用途、例えば石膏ボード原料またはセメントの凝結調整剤等の用途に、そのままで好適に使用することができる。
本発明の方法に供される廃石膏は、石膏ボード廃材から得られる二水石膏である。具体的には、該廃石膏は、石膏ボードの生産工程および建築現場の施行工程で発生する端材、残材からなる石膏ボード廃材、改装・解体工事で建築廃材として発生する石膏ボード廃材から得られる。
本発明の方法に供される廃石膏は、適当な粒径に破砕され、且つボード原紙が取り除かれたものであることが好ましい。石膏ボード廃材の破砕工程およびボード原紙の分離工程は、本発明の方法に先んじて行われればよく、本発明の方法と別個のプロセスであっても、本発明の方法と連続したプロセスであってもよい。
上記破砕工程およびボード原紙の分離工程は、それぞれ、公知の方法によって行うことができる。例えばボード原紙の分離工程は、特許文献1(特開平10−286553号公報)、特許文献2(特開2000−254531号公報)等に記載された方法によることができる。
本発明の方法に供される廃石膏の粒径は、特に制限されるものではないが、機械的に運搬する際の容易さから、平均粒径として0.5〜50mmであることが好ましく、1〜20mmであることがより好ましい。この廃石膏の平均粒径は、ふるい分けにより測定することができる。
本発明の方法においては、上記の如き廃石膏を、粉砕する。本発明においては、この粉砕工程後の石膏の全累積細孔容積が特定の値となるように粉砕工程を制御することが好ましい。本願発明者らは、廃石膏を、種晶石膏が存在する水性媒体中で溶解して再析出させる石膏再生方法において、もとの石膏の細孔性状が、再生された石膏の細孔性状に影響することを見出した。更に、上記粉砕後の全累積細孔容積を一定の範囲内に制御することによって、良質の再生石膏を安定的に製造できることを見出した。本発明の方法は、特に、少なくとも上記石膏を溶解および再析出させる工程が連続プロセスで行われる場合に、その有利な効果をより有効に発揮することができ、更に、再析出した再生石膏の少なくとも一部を種晶として循環使用する場合に、その有利な効果を最大限に発揮することができる。
上記粉砕工程を行う前に加熱処理を行い、廃石膏中の水分量を調整することが好ましい。特に本発明の方法に供される石膏ボード廃材が解体現場からの廃材である場合には、雨水を含んだものもあるため、粉砕工程前に加熱処理を行い、これを除去することが望まれる。この加熱温度は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは110〜160℃であり、加熱時間は、好ましくは2〜60分、より好ましくは5〜30分である。加熱は、適宜の装置により行うことができ、例えば熱風乾燥器、伝導電熱乾燥機等を使用することができる。
上記粉砕工程においては、粉砕した後の石膏の全累積細孔容積を、1mL/g以下、好ましくは0.5〜1mL/gとなるように制御することが好ましい。この全累積細孔容積は、細孔径1nm〜1mmの範囲の細孔について水銀ポロシメータによって測定した累積細孔容積である。全累積細孔容積が上記の範囲にある限り、粉砕後の粒径は問わないが、上記の全累積細孔容積の要請を満たせば、その体積平均粒径は例えば0.5〜30μm、更には1〜20μmとなる。なお、従来知られている石膏ボード廃材の再生においては、粉砕後の平均粒径のみに着目したものが多かった。しかし、そもそも石膏ボードは、軽量化と断熱材として機能させることを目的として、あえて空隙を持たせた多孔質構造としている。本願発明者らは、粉砕後の平均粒径が上記範囲内であったとしても、全累積細孔容積は必ずしも上記の範囲内にあるとは限らないことを見出し、より実効的なプロセス制御因子として全累積細孔容積を採用するに至ったものである。この平均粒径と全累積細孔容積の相関が一致しない原因については、発明者らは次のように考えている。すなわち、粉砕工程を経ることにより、ボード形状時の細孔は順次減少していくが、一方で、粉砕が進行することによって一部は再凝集を起こすことになるためであろうと推察される。
この粉砕工程は、適宜の装置を用いて行うことができ、例えばピンミル、ボールミル、ビーズミル等の装置を使用することができる。
本発明においては、粉砕後の全累積細孔容積をモニターし、これらの値が上記の範囲を外れないように粉砕条件を調整することが好ましい。
上記のようにして得られる、好ましくは特定の全累積細孔容積を有する石膏は、次いでこれを種晶石膏が存在する水性媒体中で溶解して再析出させることにより、再生石膏を得ることができる。上記水性媒体としては、水が好ましい。
ここで、種晶の種類および水性媒体の温度を調整することにより、所望の再生石膏を得ることができる。適度な石膏の析出速度を保つために、pHは、4〜8の範囲で行うことが好ましい。
例えば、二水石膏を再生する場合には、種晶として二水石膏が存在する、好ましくは90℃以下、より好ましくは50〜80℃の水性媒体中において、好ましくは0.2〜6時間、より好ましくは0.5〜2時間、撹拌する方法によることができる。
II型無水石膏を再生する場合には、種晶としてII型無水石膏が存在する、好ましくは110℃以上、より好ましくは140〜200℃の水性媒体中において、好ましくは0.2〜6時間、より好ましくは0.5〜2時間、撹拌する方法によることができる。
α−半水石膏を再生する場合には、種晶としてα−半水石膏が存在する、好ましくは90〜130℃、より好ましくは95〜120℃の水性媒体中において、好ましくは0.2〜6時間、より好ましくは0.5〜2時間、撹拌する方法によることができる。ここで、α−半水石膏およびII型無水石膏の安定生成条件は一部重複しているので、α−半水石膏を再生する場合には、上記水性媒体におけるII型無水石膏の存在割合が、全石膏質量の5質量%以下となるように制御することが好ましい。この制御は、例えば種晶石膏が存在する水性媒体を適時にサンプリングして種晶石膏中のII型無水石膏の存在割合を調べ、この値が上記の値を超えそうな程度に上昇傾向を示したときに、水性媒体中の種晶石膏の少なくとも一部を取り出し、これに相当する量のα−無水石膏を追加する方法等によることができる。また、α−半水石膏を再生する場合、II型無水石膏との安定生成条件の重複を回避するため、粉砕処理後の石膏を溶解、再析出させる水性媒体が、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムまたは硫酸アンモニウムを含有していることが好ましい。ここで、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムまたは硫酸アンモニウムの濃度は、1〜10質量%、より好ましくは2〜5質量%である。更にこの場合、水性媒体の温度は、上記温度範囲の中で比較的低温条件とすることが好ましい。
特定の全累積細孔容積を有する石膏を溶解して再析出させる水性媒体中における種晶石膏の初期粒径としては、好ましくは20〜60μmであり、より好ましくは20〜40μmである。種晶の存在割合としては、好ましくは100〜400g/Lであり、より好ましくは200〜300g/Lである。
上記のようにして得られる再生石膏は、その一部種晶として循環使用される。再生石膏の一部を種晶として循環利用するには、これを一旦粉砕し、適当な粒径に調整した後に種晶とする。
上記のようにして得られる再生石膏は、公知のろ過方法により、水と分離することができる。具体的には、ロータリースクリーン、ドラムフィルター、ディスクフィルター、ヌッチェフィルター、フィルタープレス、スクリュウプレス、チューブプレス等のろ過装置;スクリュウデカンター、スクリーンデカンター等の遠心分離機等により、水と分離する方法を採用することができる。回収されたろ液は、半水石膏の溶解、再析出工程の水性媒体に循環再利用することができる。
かくして再生された石膏は、全累積細孔容積の小さい石膏である。すなわち、本発明の方法により再生された石膏の全累積細孔容積は0.5mL/g以下、好ましくは0.3〜0.4mL/gであり、更に、細孔径0.1〜5μmの細孔の累積細孔容積は0.001〜0.1mL/g、好ましくは0.005〜0.05mL/gである。また、その体積平均粒径は、例えば20〜80μmであり、より好ましくは40〜60μmである。
上記加熱工程および粉砕工程は、それぞれバッチ式で行ってもよく、連続プロセスであってもよい。更に、それぞれが独立した工程であってもよく、両工程を直列に接続した工程であってもよい。更に、これらの工程は、石膏の溶解、再析出工程と独立した工程であってもよく、これと連続した工程としてもよい。
石膏の溶解、再析出工程は、バッチ式で行ってもよく、連続プロセスで行ってもよいが、連続プロセスで行う場合に本発明の利点が特に発揮される。少なくとも粉砕工程および石膏の溶解、再析出工程をそれぞれ連続プロセスとし、これらを直列に接続し、得られた再生石膏の一部を種晶石膏として循環する工程を含むプロセスが、本発明の利点が最大限に発揮される点で特に好ましい。また、本発明では、石膏の溶解、再析出が、種晶石膏の存在下で安定的に起こるために、反応槽(溶解・再析出槽)内において石膏の粒径は経時で大きくなる。この石膏の大粒径化に伴い反応槽内の種結晶表面積が減少するが、本発明においては、反応槽内の石膏を粉砕する、または系外から小粒径の種晶石膏を供給するという対応により、安定的に同様な品質の石膏を生産することができる。
以下に図を参照しつつ、本発明の方法について更に具体的に説明する。
以下では、本発明の方法の一態様として、加熱工程、粉砕工程および石膏の溶解、再析出工程の順で行う連続プロセスとした場合について説明する。また、予備処理としての石膏ボード廃材の破砕およびボード原紙の分離工程ならびに製造された再生石膏のろ過工程も同時に示した。
図1は、本発明の方法の一態様を好適に実施するための装置の一例を示した説明概略図である。
回収された石膏ボード廃材1は、先ず、2軸粉砕機2により100〜300mm程度の大きさに一次破砕され、次いで2軸衝撃破砕機3により二水石膏は0.5〜2mm程度の大きさまで2次破砕される。その後、破砕片はトロンメル4に送られ、廃ボード原紙5と廃石膏とに分離される。
廃石膏は、次いで、仮焼炉6に投入され、加熱処理される。得られた石膏は、一旦サイロ7に貯蔵された後、ボールミル8に定量フィードされる。ここで、ボールミル8の出口から粉砕後の石膏を適時サンプリングし、水銀ポロシメータにより石膏の全累積細孔容積を分析してボールミル8の粉砕条件を適宜調整することにより、石膏の全累積細孔容積が上記の範囲内となるように制御する。
粉砕後の石膏は、晶析反応槽9に送られる。粉砕後の石膏は、晶析反応槽9中で一旦溶解し、反応槽中の水性媒体中に存在する種晶の種類、反応槽の温度条件および水性媒体の種類により、二水石膏、II型無水石膏またはα−半水石膏として再析出する。
反応槽から出た再生石膏スラリー13のうち、一部が任意的に反応槽9に戻され、種晶として循環利用され、残余の大部分はドラムフィルター10に送られる。ドラムフィルター10では水性媒体と再生石膏との分離が行われ、再生石膏11を得る。一方、分離されたろ液12は晶析反応槽9に戻されて水性媒体として循環再利用されることになる。
以下、実施例により、本発明の方法の効果を検証する。
実施例1(参考例)
石膏ボード廃材から得た0.2〜5mm程度の二水石膏を、熱風乾燥器中で140℃にて60分間加熱した。この石膏は全累積細孔容積1.8mL/gの半水石膏であった。
これをボールミルにより粉砕し、体積平均粒径を8μm、全累積細孔容積を0.9mL/gとした。
一方で、体積平均粒径30μm、全累積細孔容積0.5mL/g、細孔径0.1〜5μmの細孔の累積細孔容積が0.08mL/g二水石膏を20質量%含有する水スラリーを、撹拌しながら50℃に維持した状態で、容量6Lの連続反応槽に用意した。
この反応槽に、上記で製造した粉砕後の半水石膏を0.4kg/hおよび水を1.6kg/hのフィード速度で供給し、反応槽出口から2.0kg/hのスラリーを取り出した。
供給開始から4時間後に反応槽出口の石膏を分析したところ、体積平均粒径35μm、全累積細孔容積0.5ml/g、細孔径0.1〜5μmの累積細孔容積0.06ml/gの二水石膏であった。更に4時間後に同様に分析したところ、体積平均粒径42μm、全累積細孔容積0.4ml/g、細孔径0.1〜5μmの累積細孔容積0.05ml/gの二水石膏であった。この時点で反応槽内のスラリー中にホモジナイザーを導入し、反応槽出口の石膏の体積平均粒径が、40μmになるまで運転を行った。その後、2時間後に同様に分析したところ、体積平均粒径は41μm、全累積細孔容積0.4ml/g、細孔径0.1〜5μmの累積細孔容積0.05ml/gの二水石膏であった。上記のように、粒径の制御は、目的とする粒径前後で、適度に反応槽内の石膏を粉砕することによって、容易に行うことができ、上記品質の二水石膏を安定的に生産できることが確認された。
比較例1
石膏ボード廃材から得た0.2〜5mm程度の二水石膏を、熱風乾燥器中で140℃にて60分間加熱した後、開口部2mmのふるいを通過させた。ふるい通過後の半水石膏の全累積細孔容積は1.8mL/gであった。
一方で、体積平均粒径30μm、全累積細孔容積0.5mL/g、細孔径0.1〜5μmの細孔の累積細孔容積が0.08mL/g二水石膏を20質量%含有する水スラリーを、撹拌しながら50℃に維持した状態で、容量6Lの連続反応槽に用意した。
この反応槽に、上記で製造したふるい通過後の半水石膏を0.4kg/hおよび水を1.6kg/hのフィード速度で供給し、反応槽出口から2.0kg/hのスラリーを取り出した。
供給開始から4時間後に反応槽出口の石膏を分析したところ、体積平均粒径29μm、全累積細孔容積0.53mL/g、細孔径0.1〜5μmの累積細孔容積0.12mL/gの二水石膏であった。更に4時間後に同様に分析したところ、体積平均粒径27μm、全累積細孔容積0.61mL/g、細孔径0.1〜5μmの累積細孔容積0.18mL/gの二水石膏であった。
本発明の方法を実施するための装置の一例を示した説明概略図。
1:石膏ボード廃材
2:2軸破砕機
3:2軸衝撃破砕機
4:トロンメル
5:廃ボード原紙
6:仮焼炉
7:サイロ
8:ピンミル
9:晶析反応槽
10:ドラムフィルター
11:再生石膏
12:ろ液
13:再生石膏スラリー

Claims (9)

  1. 石膏ボード廃材中から得られた石膏を、種晶石膏が存在する水性媒体中で溶解して再析出させる、石膏ボード廃材中の石膏を再生する方法であって、
    前記石膏を溶解および再析出させる工程が連続プロセスで行われ、そして
    前記石膏を溶解および再析出させる工程において、
    再析出した再生石膏の一部を粉砕して粒径を20〜60μmに調整した後に種晶石膏として循環する工程を行うことを特徴とする、石膏ボード廃材中の石膏を再生する方法。
  2. 上記石膏を溶解および再析出させる工程の前に石膏を加熱する処理を行う工程を含む、請求項1記載の方法。
  3. 再生される石膏が二水石膏であり、前記溶解および再析出が、種晶石膏として二水石膏が存在する温度90℃以下の水性媒体中で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 再生される石膏がII型無水石膏であり、前記溶解および再析出が、種晶石膏としてII型無水石膏が存在する温度110℃以上の水性媒体中で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  5. 再生される石膏がα−半水石膏であり、前記溶解および再析出が、種晶石膏としてα−半水石膏が存在する温度90〜130℃の水性媒体中で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  6. 更に、前記溶解および再析出が行われる水性媒体におけるII型無水石膏の存在割合が全石膏質量の5質量%以下となるように制御する、請求項に記載の方法。
  7. 前記溶解および再析出が行われる水性媒体が、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムまたは硫酸アンモニウム含有する、請求項またはに記載の方法。
  8. 得られる再生石膏の全累積細孔容積が0.5mL/g以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 得られる再生石膏における細孔径0.1〜5μmの細孔の累積細孔容積が0.001〜0.1mL/gである、請求項に記載の方法。
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