JP5230512B2 - 石膏ボード廃材の処理方法 - Google Patents

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本発明は、ボード形状の石膏ボード廃材を、ボード原紙と石膏に効率よく分離する処理法を提供する。
石膏ボード廃材の発生量は、年間約150万tであり、この内、約50万tは生産時や家屋等の新築内装工事の端材で、石膏ボードメーカーがリサイクルを行っている。また、残りの約100万tが、家屋等の建造物の改装・解体工事で排出され、埋立て処分されている。このような石膏ボード廃材の発生量は年々増加する傾向にあり、埋立地の不足、環境問題の点から石膏ボード廃材の有効な処理方法が求められている。
ボード原紙が付着した状態の石膏ボード廃材のボード原紙と石膏を分離し、半水石膏または無水石膏を分離回収する方法については、種々の方法が提案されている(特許文献1〜2参照)。
特許文献1では、石膏ボード廃材を粉砕せずにそのまま加圧下で湿式加熱処理し、ボード原紙を分離し、半水石膏を回収する方法が提案されている。しかしながら、この方法ではボード形状の廃材を、加圧下で湿式加熱処理するため、装置が大掛かりで高価になり、また、連続で大量に処理することが困難である。
また、特許文献2では、まず石膏ボード廃材を焼成に適した寸法に破砕し、これを焼成して二水石膏を全て半水石膏とした後、ふるい工程にかける方法が提案されている。しかしながら、上記石膏ボード廃材を焼成に適した寸法に破砕する工程においては、石膏ボード廃材の破砕に多大なエネルギーを必要とするという問題がある。また、前記処理において、乾式の粉砕機、篩い等の装置が使用されるため、例えば、解体現場から回収される石膏ボード廃材が雨水などにより濡れている場合、濡れた石膏が粉砕機や篩いを閉塞させるという問題を有する。更に、上記方法は、石膏の付着量が少ないボード原紙の回収方法を目的としており、付着石膏を少なくするためには、得られる半水石膏中へのボード原紙の混入量の増大が避けられない。
特開2004−307321号公報 特許第4035419号公報
従って、本発明の目的は、石膏ボード廃材を、石膏とボード原紙とに効率よく且つ低エネルギーで分離し、紙粉の混入量が少ない石膏を回収することが可能な、石膏ボード廃材の処理方法を提供することにある。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、ボード形状の石膏ボード廃材を破砕する前に、石膏ボード廃材の二水石膏の一部を焼成して、石膏ボード廃材のボード原紙と接触している二水石膏体の表層部を半水石膏または無水石膏とする、仮焼処理を行うことによって、該ボードの曲げ強度を極端に低下させることができる。即ち、本発明者らの実験によれば、石膏ボード廃材の焼成を調整して、二水石膏がボード原紙と接触している二水石膏体の表層部のみを半水石膏に変化させると、その折り曲げ強度が著しく低下することが判明した。この現象は、表層部を無水石膏に変化させた場合にも同様に確認することができた。
実験は、両面にボード原紙が付着したままの石膏ボード(12.5mmt)から、30×150mmの切出片を作成し、これを160℃の送風乾燥器に入れた。この切出片の加熱時間を変化させることにより、石膏ボードに対する表層仮焼処理の程度、即ち、半水化した表層部の厚さを変え、それぞれの場合について石膏ボードの曲げ破壊強度の測定を行った。結果を図1に示す。両表層部の合計厚みで約2mmの厚み(各表層部はほぼ同じ厚みであり、約1mmである。)を半水化しただけで、曲げ破壊強度が、焼成前の強度の半分以下に急激に低下することを確認した。
上記知見に基づき、石膏ボード廃材の表層部のみの仮焼処理を行うことにより、続いて行う破砕に要するエネルギーを大幅に低減することができると共に、ボード原紙との分離が容易になり、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、二水石膏体の表面にボード原紙が付着した石膏ボード廃材を、該ボード原紙が付着した状態で、且つ、該ボード原紙が焼成されない温度で加熱して、ボード原紙と接触している二水石膏体の表層部を半水石膏または無水石膏とした(以下、この処理を「表層仮焼処理」ともいう。)後、ボード原紙ごと破砕装置に供給して、表層部を半水石膏または無水石膏とされた二水石膏体に対して破砕処理を施し、次いで、得られた石膏粉体とボード原紙とを分離することを特徴とする石膏ボード廃材の処理方法である。
上記表層仮焼処理において、半水石膏または無水石膏とする表層部の厚みが、1mm以上、且つ、全厚みの80%以下であることが好ましい。
また、前記表層仮焼処理において、加熱処理された石膏ボード廃材の破砕は、ボード紙と分離処理する前に、圧縮式の破砕機を使用して行うことが好ましい。
更に、前記破砕によりボード原紙と分離された石膏粉体は、これを再加熱して、その90%以上を半水又は無水石膏に変換することが、これを再結晶せしめて、高純度の二水石膏として回収するために好ましい。
本発明は、前記半水又は無水石膏に変換された石膏粉体を、二水石膏の種晶石膏が存在する水性媒体中に溶解して二水石膏を析出させて石膏を回収することが、より良質の二水石膏を回収するために好ましい。
また、前記分離されたボード原紙は、二水石膏を含有する水性スラリーで洗浄することが、ボード原紙に付着した石膏を効果的に除去するために好ましい。
本発明によれば、石膏ボード廃材を、紙粉の混入量が少ない石膏とボード原紙とに、効率よく且つ低エネルギーで分離することができ、かかる処理を工業的に極めて有利に行うことが可能となる。
上記効果は、前記表層仮焼処理によって達成される。即ち、本発明においては、石膏ボード廃材の二水石膏の全体を半水石膏又は無水石膏まで焼成せず、前記表層部のみについて焼成することにより、少ないエネルギーでボード原紙と二水石膏体との密着力を低減し、その結果、かかる密着力に依存する石膏ボード廃材の曲げ強度、ひいては粉砕時のエネルギーを低減でき、また、上記ボード原紙と二水石膏体との密着力の低減により、ボード原紙からの石膏の除去率も向上することを可能とした。
また、本発明において、石膏ボード廃材が水分を持っている場合でも、前記表層仮焼処理によって、乾燥された後、乾式の粉砕機や篩いに供されるため、これらの装置における閉塞の問題も起こらないというメリットを有する。
更に、前記表層仮焼処理を採用することによって、圧縮式の破砕機での石膏破砕が、可能となった。ちなみに、表層仮焼処理をしていない石膏ボード廃材を、圧縮式の破砕機で処理した場合、二水石膏の多くはボード原紙と接着したままの状態で排出され、粉体に破砕することができない。更に強力な応力で圧縮すれば、今度は平板状の石膏が形成される。更に、圧縮式の破砕機を使用した際の大きな利点は、ボード原紙を破砕することなく、石膏だけを破砕することができることである。このため、その後の工程の石膏とボード原紙のふるい分離処理が容易になり、これによっても、石膏中に混入する紙の混入量を更に削減することができる。
表層仮焼処理による石膏ボード廃材の曲げ強度の変化を示すグラフ 本発明の石膏ボード廃材の処理方法の代表的な工程を示す概略図
本発明において、処理の対象となる石膏ボード廃材は、二水石膏体の表面にボード原紙が付着した状態のものであれば、特に制限されないが、厚みが9.5mm以上のものが一般的であり、かかる厚み以上の石膏ボード廃材に対して有効である。かかる石膏ボード廃材は、具体的には、石膏ボードの生産工程および建築現場の施行工程で発生する端材、残材からなる廃石膏ボード、改装・解体工事で建築廃材として発生する廃石膏ボードから得られるものが挙げられる。
本発明の特徴は、前記石膏ボード廃材に対して、ボード原紙が付着した状態で、且つ、該ボード原紙が焼成されない温度で加熱して、ボード原紙と接触している二水石膏体の表層部を半水石膏または無水石膏とする、表面仮焼処理を採用することにある。
上記表層仮焼処理を採用することにより、前記したように、石膏ボード廃材の二水石膏体とボード原紙との密着性を著しく低下せしめることができ、続く破砕処理におけるエネルギーを劇的に低下させることができ、また、石膏に混入する紙量を増やすことなく、ボード原紙に残存する石膏の量をも低減することができる。
本発明において、前記表面仮焼処理の程度は、ボード原紙と接触している二水石膏体の表層部であれば特に制限されないが、前記図1の傾向より、石膏ボード廃材の各表層部の厚みが1mm以上となる範囲を半水石膏または無水石膏とすることが好ましい。
また、かかる半水石膏または無水石膏とする表層部の厚みは、余り厚いと加熱のためのエネルギーを要し、本発明の効果が低減する。かかる表層部の厚みの上限は、石膏ボード廃材の厚みによって異なるが、前記したように、一般に石膏ボードの規格が9.5mmより厚いことを勘案すれば、半水石膏または無水石膏とする表層部の合計厚みが、石膏ボード廃材の厚みの80%以下、特に、50%以下となるように決定することが好ましい。
上記表面仮焼処理は、ボード原紙が焼成されない温度で加熱して、ボード原紙と接触している二水石膏体の表層部を半水石膏または無水石膏にすることができる処理であれば特に制限されない。例えば、熱風乾燥器、伝導伝熱乾燥器などを用いて、石膏ボード廃材のボード原紙表面より加熱することによって行うことができる。かかる加熱の条件は、石膏ボード廃材の含水率などによって、適宜調整すればよい。一般的には、加熱温度は120℃〜250℃、好ましくは150℃〜200℃で行うのが好ましい。また、加熱時間は、例えば、含水率5質量%の石膏ボード廃材で、10〜60分、好ましくは20〜40分程度行うのが好ましい。
本発明において、上記表面仮焼処理を施された石膏ボード廃材は、ボード原紙ごと破砕装置に供給して、表層部を半水石膏または無水石膏とされた二水石膏体に対して破砕処理を施し、次いで、得られた石膏粉体とボード原紙とを分離する。
即ち、表層部仮焼処理をされた石膏ボード廃材は、ボード原紙が接する二水石膏体の表面が半水化或いは無水化されることによりその接合強度が低下しており、これをボード原紙ごと破砕することにより、ボード原紙からの石膏の離れが良好で、石膏の付着量の少ないボード原紙を得ることが可能となる。
上記二水石膏体の破砕の程度は特に制限されないが、粒径15mm以下、特に、5mm以下程度の石膏粉体にまで破砕することが好ましい。
尚、石膏ボード廃材は、様々な大きさで回収され、処理設備に搬入されるため、これを取り扱い易い適当な大きさに予備破砕することが好ましい。また、かかる予備破砕は、表層部仮焼処理の前の段階で行うこともできるが、表面仮焼処理を行った後の石膏ボード廃材に対して予備破砕を実行することが、石膏ボード廃材の強度が低減された状態で予備破砕することができそのエネルギーをより低く抑えることができ好ましい。
従って、本発明においては、前記表層部仮焼処理を施された石膏ボード廃材を、破砕して石膏粉体とする処理、或いはその後のボード原紙と該石膏粉体とを分離する処理等におけるボード原紙の取り扱い性を向上するために、石膏ボード廃材を、破砕して石膏粉体とする処理を行う前に、該石膏ボード廃材を予備破砕することが好ましい。かかる予備破砕は、二水石膏体は勿論、ボード原紙をも適当な大きさに破砕する破砕装置が好適に使用される。具体的には、高速回転式衝撃破砕機、スクリューせん断式破砕機が使用可能である。また、予備破砕後の石膏およびボード紙の大きさは特に制限されないが、その後の破砕処理に投入する際の容易さを考慮して、石膏は粒径15mmを超え、100mm以下程度に、また、ボード原紙は5×10−4〜0.05m程度に破砕することが好ましい。
本発明において、前記予備破砕処理を行って適当な大きさとされた石膏ボード廃材は、ボード原紙を破砕し難い破砕装置を使用することが、続く分離処理において、ボード原紙を容易に分離するために好ましい。また、破砕処理は、含まれる石膏体を前記石膏粉体となるまで破砕することが好ましい。
それ故、上記破砕処理は、圧縮式の破砕装置を使用することが好ましい。この粉砕を行うための破砕(粉砕)装置は、工業的に入手可能なものを特に制限なく使用することができる。具体的には、ハンマーミル、ロールミルが使用可能である。そして、これらの破砕装置で処理すれば、ボード原紙の大きさは殆ど変わらないが、石膏は粉砕されて前記石膏粉体となる。そして、かかる石膏粉体は、後述する篩分け等の簡易な手段によりボード原紙と容易に分離することができる。
本発明において、前記方法によって得られた石膏粉体とボード原紙とを分離する手段は、これらの分離に適した公知の選別機を使用する方法が特に制限無く採用される。例えば、振動式、回転式の篩いが挙げられる。かかる篩目の大きさは、石膏粉体が通過でき、ボード原紙が通過し得ない大きさであればよく、一般に、10〜20mm程度が好ましい。
本発明において、上記処理によってボード紙と分離された石膏粉体は、再度加熱し、前記表層仮焼処理において残った二水石膏を半水石膏または無水石膏にすることが、後述する、かかる石膏を再利用するために好ましい。上記加熱は、石膏粉体の90%以上、好ましくは、95%以上が半水石膏または無水石膏となるように行われる。また、加熱方法は、粉体の状態であるため、いろいろな加熱方法を採用することができる。そのうち、ロータリードライヤー、流動床等が好適である。
本発明において、前記半水又は無水石膏に変換された石膏粉体は、二水石膏の種晶石膏が存在する水性媒体中に溶解して二水石膏を析出させることにより、高純度な石膏として回収することができる。例えば、種晶として二水石膏が存在する、好ましくは90℃以下、より好ましくは50〜80℃の水性媒体中において、好ましくは0.2〜6時間、より好ましくは0.5〜2時間、撹拌する方法によることができる。また、平均粒径の大きな二水石膏を回収する場合は、前記半水または無水石膏を、水性媒体中に溶解する前に、体積平均粒径が0.5〜30μm、更には1〜20μmとなるように粉砕することが好ましい。
また、本発明において、分離されたボード原紙は、二水石膏を含有する水性スラリーで洗浄することにより、紙繊維間に残存する石膏をも溶解除去することができ、より高純度な紙繊維として回収することができる。この水性スラリーに含有される二水石膏の粒径としては、体積平均粒径として、10〜80μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。水性スラリー中の二水石膏の含有割合としては、好ましくは10〜300g/Lであり、より好ましくは100〜200g/Lである。
半水石膏の付着したボード原紙に接触する上記水系スラリーの割合としては、半水石膏の量1gに対して上記水性スラリー中に含まれる二水石膏の表面積の合計が1m以上となる割合が好ましく、この値が1〜5mとなる割合がより好ましい。本発明の方法においては、付着した半水石膏または無水石膏が水性スラリーに一旦溶解した後、二水石膏として析出することとなるが、その際、上記水性スラリー中の二水石膏を種晶として析出することにより、ボード原紙とこれに付着した石膏との完全な分離を可能とするものである。従って、上記のような特定の表面積となる割合で二水石膏を含有する水性スラリーを用いることは、付着した半水石膏または無水石膏の良好な溶解性を確保しつつ、溶解した石膏のボード原紙上への再析出をより確実に避けることができることとなるため、好ましい。
接触時の水系スラリーの温度は、好ましくは室温〜70℃であり、より好ましくは30〜60℃である。接触時間は、好ましくは1〜60分であり、より好ましくは10〜30分である。
本発明の好適な態様を、図2に従って説明する。図2は、本発明の方法の一態様を好適に実施するための工程の一例を示した概略図である。
回収した石膏ボード廃材1を、ホッパー2に投入し、磁選機3により、金属片の異物を除去した後、ロータリードライヤー4に送る。ロータリードライヤー4で表層仮焼処理した石膏ボード廃材は、次いで、一軸衝撃破砕機5で、例えば、0.01m程度の大きさに予備破砕する。この破砕片を更にロールミル6に投入し、石膏を、例えば、粒径10mm以下に破砕する。
次いで、石膏ボード廃材を、例えば、篩目の大きさ15mmのトロンメル7に投入し、石膏粉とボード原紙8に分離する。分離後の石膏粉を再度ロータリードライヤー9で、半水石膏または無水石膏が95%以上になるまで焼成する。
更に、上記焼成後の石膏粉を高速衝撃粉砕機10に投入し、例えば、体積平均粒径を30μm以下、最大粒径300μm以下に粉砕する。粉砕後の石膏粉を集塵機11で捕集した後、貯蔵サイロ12に送る。
前記処理を行った石膏を定量フィーダー13で、晶析反応槽14に送る。石膏は、晶析反応槽14中で一旦溶解し、反応槽中の水中に存在する種晶の二水石膏として再析出する。
ここで、反応槽から出た再生二水石膏スラリーのうち、一部が任意的に循環二水石膏スラリー14として反応槽14に戻され、種晶として循環利用される。オーバーフローにより排出される再生二水石膏スラリーを、例えば、篩目0.5mmの振動篩ドラムフィルターに投入し、紙粉などの微小な異物17を除去した後、ドラムフィルター18で水と再生二水石膏とを分離し、再生二水石膏19を得る。一方、分離されたろ液20は、晶析反応槽14に戻し水性媒体として循環再利用する。
一方、前記トロンメル7によって分離されたボード原紙8は、二水石膏スラリーの入った洗浄晶析槽21に投入し、付着した石膏を溶解させると共に、スラリー中に二水石膏として析出させる。次いで、このボード原紙と二水石膏との混合スラリーを、例えば、篩目5mmのトロンメル22に投入し、洗浄処理されたボード原紙23を得る。分離された二水石膏スラリーは一旦、水槽24に受ける。水槽24中の二水石膏スラリーは、一部ボード原紙洗浄用循環スラリー25として、洗浄晶析槽21に返送される。水槽24からオーバーフローにより排出された二水石膏スラリーを、ドラムフィルター26へ送り、再生二水石膏27を得る。ろ液29は、トロンメル22に洗浄水として返送する。
以下、本発明を更に具体的に説明するため、実施例を示すが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
1.石膏ボード廃材中の二水石膏、半水石膏および無水石膏の定量
粉末X線回折の測定を行い確認した。表層部の組成は、表層部から所定の厚みで石膏を削り取り、これを測定して確認した。
2.石膏の粒度
レーザー回折散乱式の粒度分布計で測定した。
実施例1
両面にボード原紙が付着した状態の12.5mmtの石膏ボード廃材(平均面積約0.3m)を、180℃の熱風乾燥機で10分間焼成した。この際、半水化した表層部の厚みは約4mm(各表層部の厚み約2mm)であった。また、半水化した石膏の割合は、約35%であった。この焼成した石膏ボード廃材を、高速回転式の1軸破砕機に投入して予備破砕した。予備破砕後の石膏は、粒径で100mm以下、ボード紙の大きさは0.05m前後であった。続いて、前記予備破砕した石膏ボード廃材を、二軸ロールミルに投入して破砕し、石膏粉体とボード原紙との混合物を得た。ロールの間隔は5mmとした。破砕後の石膏は最大径が5mmであり、また、ボード原紙の大きさに変化はなかった。
上記石膏粉体とボード原紙との混合物を、振動篩いを用いて口径10mmのメッシュでふるった。篩い後の、石膏中に混入した紙成分の量は0.1%以下であった。この石膏粉を180℃の熱風乾燥機で15分間加熱した。排出後の石膏を評価した結果、半水石膏97%、無水石膏3%になっていることを確認した。
続いて、前記処理を行った石膏を高速衝撃粉砕機で処理し、体積平均粒径25μm、最大粒径300μm以下に粉砕した。
一方で、体積平均粒径35μmの二水石膏を40質量%含有する水スラリーを調製し、これを撹拌しながら60℃に維持した状態で、容量2Lの反応槽3基に用意した。
第1反応槽に、上記で製造した石膏を0.2kg/hおよび水を0.3kg/hのフィード速度で供給し、第2および第3反応槽へ常時オーバーフローさせ、第3反応槽出口から0.5kg/hのスラリーを取り出した。また、第3反応槽から第1反応槽へ常時18L/hでスラリーを循環した。
供給開始から24時間後に反応槽出口の石膏を分析したところ、体積平均粒径52μmの二水石膏であった。更に24時間、1時間毎に同様に分析したところ、体積平均粒径45〜55μmの幅で安定的に生産できることを確認した。
一方、上記処理で分離したボード原紙は、以下の要領で付着した石膏を洗浄した。
ボード原紙に付着した石膏は、ボード原紙100質量部に対して、約100質量部であった。これを、まず実験用装置のスケールに合わせるために、シュレッダーで20mm角程度に裁断した。一方で、体積平均粒径35μmの二水石膏を20質量%含有する水スラリーを、撹拌しながら、容量0.4Lの洗浄晶析槽3基に用意した。
第1洗浄晶析槽に、ボード原紙を60g/hのフィード速度で供給し、第2および第3洗浄晶析槽へ常時オーバーフローさせ、口径5mmのトロンメルに投入した。トロンメル上部から0.2L/h洗浄水を供給した。トロンメルから分離された石膏スラリーは水槽に受けながら1.2L/hで第1反応晶析槽に返送した。水槽からオーバーフローした石膏スラリー中の石膏を分析し、体積平均粒径37μmの二水石膏であることを確認した。この際、トロンメル出口から排出されたボード原紙に付着した石膏量は、ボード原紙100質量部に対して1質量部であった。
本発明の効果より、石膏ボード廃材から、有価な二水石膏結晶とボード原紙を再生し、回収することができる。再生した二水石膏は、現状石膏ボードやセメント原料として、使用されている二水石膏と全く同様に使用することが可能である。また、回収したボード原紙は、石膏の付着量が非常に少ないため、そのまま故紙原料として使用可能である。
1:石膏ボード廃材
2:投入ホッパー
3:磁選機
4:ロータリードライヤー
5:一軸衝撃破砕機
6:ロールミル
7:トロンメル
8:ボード原紙
9:ロータリードライヤー
10:高速衝撃粉砕機
11:集塵機
12:サイロ
13:定量フィーダー
14:晶析反応槽
15:循環二水石膏スラリー
16:振動篩い
17:小型異物、紙粉
18:ドラムフィルター
19:再生二水石膏
20:循環ろ液
21:洗浄晶析槽
22:トロンメル
23:洗浄ボード原紙
24:水槽
25:ボード原紙洗浄用循環スラリー
26:ドラムフィルター
27:再生二水石膏
28:循環洗浄用ろ液

Claims (4)

  1. 二水石膏体の表面にボード原紙が付着した石膏ボード廃材を、該ボード原紙が付着した状態で、且つ、該ボード原紙が焼成されない温度で乾式加熱して、ボード原紙と接触している二水石膏体の表層部を半水石膏または無水石膏とした後、ボード原紙ごと破砕装置に供給して、表層部を半水石膏または無水石膏とされた二水石膏体に対して篩目15mmを通過するように破砕処理を施し、次いで、得られた石膏粉体とボード原紙とを乾式で分離し、分離された石膏粉体を加熱して、その90%以上を半水又は無水石膏に変換する石膏ボード廃材の処理方法であって、
    前記半水石膏または無水石膏とする表層部の厚みが、1mm以上、且つ、全厚みの80%以下であることを特徴とする石膏ボード廃材の処理方法。
  2. 加熱処理された石膏ボード廃材の破砕を圧縮式の破砕機を使用して行う請求項1記載の石膏ボード廃材の処理方法。
  3. 前記半水又は無水石膏に変換された石膏粉体を、二水石膏の種晶石膏が存在する水性媒体中に溶解して二水石膏を析出させて石膏を回収する請求項1又は2に記載の石膏ボード廃材の処理方法。
  4. 分離されたボード原紙を、二水石膏を含有する水性スラリーで洗浄する請求項1又は2に記載の石膏ボード廃材の処理方法。
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