WO2012124556A1

WO2012124556A1 - ヒーターモジュール

Info

Publication number: WO2012124556A1
Application number: PCT/JP2012/055746
Authority: WO
Inventors: 裕貴子木下; 直人轟木
Original assignee: 日産自動車株式会社
Priority date: 2011-03-11
Filing date: 2012-03-07
Publication date: 2012-09-20
Also published as: CN103314637A; CA2829548A1; RU2013145562A; EP2685782A1; CN103314637B; JP5900011B2; KR20130088192A; US9257730B2; RU2543967C1; EP2685782B1; JP2012209250A; US20130344370A1; KR101484431B1; EP2685782A4

Abstract

　本発明のヒーターモジュール（２２Ｌ，２２Ｒ）は、加温すべき被加温物体（１３ＣＬ，１３ＣＲ）の加温面（１３ＣＬａ）に沿うように設置するものである。そして、ヒーターモジュールは、被加温物体の加温面に対向する板状ヒーター本体（３４）と、板状ヒーター本体が設けられるモジュール主面部（３１ｍ）及びモジュール主面部に対し屈曲している屈曲腕部（３１ｃ）から成るＬ字状部材（３１）と、屈曲腕部に配置され、板状ヒーター本体に接続する電源接続端子（３５）とを備える。

Description

ヒーターモジュール

　本発明は、多数のバッテリシェルを積層して成るバッテリモジュールの温度調節などに有用なヒーターモジュールに関するものである。

　多数のバッテリシェルを積層して成るバッテリモジュールの温度を調節するために用いられるヒーターモジュールとしては、従来、例えば特許文献１に記載されているものが知られている。

　特許文献１に記載のヒーターモジュールは、多数のバッテリモジュールを収納するバッテリパックのケース外側面にヒーター本体を密接させ、ヒーターユニットケースを用いてヒーター本体をバッテリパックのケースに取り付けている。そして、バッテリパックのケース外側面から遠いヒーター本体の面と、これに対向するヒーターユニットケースとの間に断熱シート体を介在させている。

特開２００８‐１８６６２１号公報

　しかし、特許文献１に記載のヒーターモジュールは、ヒーター本体により加温すべき被加温物体であるバッテリモジュールを、ヒーター本体で直接加温するものではない。つまり、バッテリモジュールを収納したバッテリパックのケースをヒーター本体で加温し、バッテリパックのケースからバッテリモジュールへの熱伝導によりバッテリモジュールを間接的に加温するものである。そのため、バッテリモジュールの加温効率が悪いという問題があった。

　この問題を解決するために、ヒーター本体をバッテリパックのケースの内部に設けて、バッテリモジュールの間近に配置し、バッテリモジュールをヒーター本体で直接加温することが考えられる。しかし、バッテリパックのケースの内部は無駄なスペースを出来るだけ排除し、バッテリパックを可能な限りコンパクトにしている。そのため、ヒーター本体及びこれを取り付けるためのホルダーを収納するためのスペースを確保するのは容易ではない。

　また、従来より、ヒーター本体に電力を供給するヒーターハーネスとヒーター本体とを接続する電源接続端子をヒーターモジュールに設けている。しかし、ヒーターモジュールが薄く形成されているため、ヒーターモジュールの薄さ及び大きさを阻害しないように、ヒーターモジュールに電源接続端子を配置するのに苦慮していた。

　本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、その目的は、ヒーターモジュールの薄さや大きさを増大させることなく電源接続端子を設置することが可能なヒーターモジュールを提供することにある。

　本発明の態様に係るヒーターモジュールは、加温すべき被加温物体の加温面に沿うように設置するものである。そして、ヒーターモジュールは、被加温物体の加温面に対向する板状ヒーター本体と、板状ヒーター本体が設けられるモジュール主面部及びモジュール主面部に対し屈曲している屈曲腕部から成るＬ字状部材と、屈曲腕部に配置され、板状ヒーター本体に接続する電源接続端子とを備える。

図１は、本発明の実施形態に係るヒーターモジュールを適用可能なバッテリパックを、車両フロアパネル直下のバッテリ収納空所内に取り付けた状態を示す側面図である。図２は、図１のバッテリパックを、車両フロアパネル直下のバッテリ収納空所内に取り付けた状態を示す平面図である。図３は、図２のバッテリパックを、車両フロアパネル直下のバッテリ収納空所内から取り出した状態を示す平面図である。図４は、図２及び３におけるバッテリパックに用いる、本発明の実施形態に係るヒーターモジュールを示す斜視図である。図５は、図４のヒーターモジュールの横断面図である。図６は、図４のヒーターモジュールの縦断面図である。

　以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。

［バッテリパック］
　まず、図１～３に示す車両用バッテリパックを説明する。図１及び２において、符号１は車体、符号２は車室、符号３は走行用電動モータが搭載されたモータルームである。また、符号４は左右前輪、符号５は左右後輪、符号６は前席シート、符号７は後席シート、符号１１は車両用バッテリパックである。

　バッテリパック１１は、多数のバッテリシェル１２を積層して成る複数個のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲ，１３ＣＬ，１３ＣＲ，１３Ｒを備える。そして、バッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲ，１３ＣＬ，１３ＣＲ，１３Ｒを、図３に示すように、共通のバッテリパックケース１４内に収納することにより、１ユニットに構成する。

　さらに詳述すると、図１及び２に示すように、左右の前席シート６の下方に設けられたフロアパネルの直下には、前方左側のバッテリモジュール１３ＦＬと、前方右側のバッテリモジュール１３ＦＲとが備えられている。また、左右の後席シート７におけるフロアパネルの直下には、後方のバッテリモジュール１３Ｒが備えられている。また、左右の前席シート６及び左右の後席シート７の間に延伸する、後席の足元におけるフロアパネルの直下には、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬと、中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲとが備えられている。そして、バッテリパック１１では、これらのバッテリモジュールをバッテリパックケース１４内に固定して収納し、１ユニットに構成する。

　前方左側のバッテリモジュール１３ＦＬでは、図１～３に示すように、４個のバッテリシェル１２を、車両前後方向に対して横置きの状態で上下方向に積層している。そして、この４個のバッテリシェル１２のモジュールを２個一組として車両前後方向に並置している。同様に、前方右側のバッテリモジュール１３ＦＲも、４個のバッテリシェル１２を、車両前後方向に対して横置きの状態で上下方向に積層している。そして、この４個のバッテリシェル１２のモジュールを２個一組として車両前後方向に並置している。

　また、後方のバッテリモジュール１３Ｒでは、図１～３に示すように、多数のバッテリシェル１２を車両前後方向に対して縦置き状態にし、その状態で車幅方向に積層している。なお、バッテリモジュール１３Ｒにおけるバッテリシェル１２は、後席シート７の全長とほぼ同じ長さとなるように積層されている。

　さらに、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬは、図１～３に示すように、２個のバッテリシェル１２を車両前後方向に対して横置きの状態にし、その状態で上下方向に積層している。そして、この２個のバッテリシェル１２のモジュールを２個一組として車両前後方向に並置している。同様に、中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲも、２個のバッテリシェル１２を車両前後方向に対して横置きの状態にし、その状態で上下方向に積層している。そして、この２個のバッテリシェル１２のモジュールを２個一組として車両前後方向に並置している。

　図３に示すように、前方左側のバッテリモジュール１３ＦＬ及び前方右側のバッテリモジュール１３ＦＲを構成するバッテリシェル１２には電極端子１２ａが備えられている。そして、バッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲは、バッテリモジュール１３ＦＬの電極端子１２ａと、バッテリモジュール１３ＦＲの電極端子１２ａとが相互に対向するように配置されている。

　さらに、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲを構成するバッテリシェル１２にも電極端子１２ａが備えられている。そして、バッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲは、バッテリモジュール１３ＣＬの電極端子１２ａと、バッテリモジュール１３ＣＲの電極端子１２ａとが相互に対向するように配置されている。

　また、図３に示すように、後方のバッテリモジュール１３Ｒは、これを構成するバッテリシェル１２の電極端子１２ａが全て車両前方に指向するように配置されている。

　図２及び３に示すように、前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲの間における車幅方向の中程のスペース、及び中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの間における車幅方向の中程のスペースには、共通の電源ケーブル４２が配置されている。そして、各バッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲ，１３ＣＬ，１３ＣＲ，１３Ｒを構成するバッテリシェル１２の電極端子１２ａは、電源ケーブル４２を介してモータ給電線１５に接続する。このモータ給電線１５は、モータルーム３内における電動モータ及びインバータに電気的に接続されている。

［ヒーターモジュール］
　次に、バッテリパック１１内のヒーターモジュールを、図２及び３に基づき説明する。なお、図２及び３では、説明の便宜上、ヒーターモジュールにハッチングを付している。

　ヒーターモジュールは、不使用中の凍結を防止するために、バッテリパック１１内のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲ，１３ＣＬ，１３ＣＲ，１３Ｒを加温する機能を有する。つまり、上述のように、前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲはバッテリシェル１２を４段重ねした大熱容量のものである。これに対し、中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲはバッテリシェル１２を２段重ねしたものであって、熱容量が小さく、温度が低下し易い。そこで本実施形態では、図２及び３に示すように、前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲについては、その前方にのみ薄型のヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒを設ける。そして、中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲについては、その前方に薄型のヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒを設けると共に、後方にも薄型のヒーターモジュール２３Ｌ，２３Ｒを設ける。

　ところで、後方のバッテリモジュール１３Ｒは、前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲよりもバッテリシェル１２の積層数が多く、熱容量が最も大きいため、温度がさらに低下し難い。そのため、後方のバッテリモジュール１３Ｒについては、バッテリシェル１２の積層方向の両端における上方にのみヒーターモジュール２４Ｌ，２４Ｒを設ける。

　ヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒは、それぞれ前方左側のバッテリモジュール１３ＦＬ及び前方右側のバッテリモジュール１３ＦＲの前側に近接し、さらに立てた状態で配置されている。また、ヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒは、それぞれ中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲの前側に近接し、さらに立てた状態で配置されている。さらに、ヒーターモジュール２３Ｌ，２３Ｒは、それぞれ中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲの後側に近接し、さらに立てた状態で配置されている。なお、後述するようにヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒ，２２Ｌ，２２Ｒ，２３Ｌ，２３Ｒは、バッテリパックケース１４のバッテリモジュール並置面１４ａに取り付けられ、固定されている。

　ヒーターモジュール２４Ｌ，２４Ｒは、後方のバッテリモジュール１３Ｒのバッテリシェルの積層方向における両端に設けられている。さらに、ヒーターモジュール２４Ｌ，２４Ｒは、積層されたバッテリモジュール１３Ｒの上方、つまり積層されたバッテリモジュール１３Ｒの側面に取り付けられ、固定されている。

　ところで、上述のように、前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲの間における中程のスペース、及び中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの間における中程のスペースには、電源ケーブル４２が配置されている。そして、ヒーターモジュールは、後述するように、板状発熱体３２及び均熱板３３からなる板状ヒーター本体３４と電源ケーブル４２とを電気的に接続する電源接続端子を備えている。そのため、ヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒの電源接続端子は、前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲの間の中程のスペースに近い側に設置するのが良い。また、ヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒ，２３Ｌ，２３Ｒ，２４Ｌ，２４Ｒについても、電源接続端子を中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの間の中程のスペースに近い側に設置するのが良い。

　そのため、前方左側のバッテリモジュール１３ＦＬ及び前方右側のバッテリモジュール１３ＦＲの前側に配置するヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒの電源接続端子は、ヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒの相互に近接する端部に配置している。また、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲの後側に配置するヒーターモジュール２３Ｌ，２３Ｒの電源接続端子も、ヒーターモジュール２３Ｌ，２３Ｒの相互に近接する端部に配置している。従って、ヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒ及びヒーターモジュール２３Ｌ，２３Ｒは、図２及び３に示すように、平板状に構成することができる。

　ここで、図３に示すように、バッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲの前方には、隣接するバッテリモジュールが存在しない。そのため、ヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒの相互に近接する端部の周辺に電源接続端子を設置するスペースを確保し得ることから、ヒーターモジュール２１Ｌ，２１Ｒの電源接続端子を上記のように配置することができる。同様に、バッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの後方には、隣接するバッテリモジュールが存在しない。そのため、ヒーターモジュール２３Ｌ，２３Ｒの相互に近接する端部の周辺に電源接続端子を設置するスペースを確保し得ることから、ヒーターモジュール２３Ｌ，２３Ｒの電源接続端子を上記のように配置することができる。

　これに対し、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲの車両前方方向には、それぞれ前方左側のバッテリモジュール１３ＦＬ及び前方右側のバッテリモジュール１３ＦＲが隣接して配置されている。そのため、中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの前側に配置されているヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒの相互に近接する端部の周辺には、これらヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒの電源接続端子を設置するスペースを確保することが困難である。

　そのため、本実施形態では、中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，ＣＲの前側に立てた状態で配置するヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒは、図４～６に示す構成を有している。図４はヒーターモジュール２２Ｌの全体を示す斜視図であり、図５はヒーターモジュール２２Ｌの横断面図であり、図６はヒーターモジュール２２Ｌの縦断面図である。これら図４～６に示すように、ヒーターモジュール２２Ｌは樹脂などの絶縁材からなる絶縁ホルダー３１と、板状発熱体３２及び均熱板３３を貼り合わせて成る板状ヒーター本体３４とにより構成されている。そして、板状発熱体３２は、電源ケーブル４２からの電流を通じることによって、ジュール熱を発生する導体である。また、均熱板３３は、板状発熱体３２からの発生熱（ジュール熱）をバッテリモジュールに対して均一に伝熱する板状体である。

　そして、図５及び６に示すように、板状ヒーター本体３４は、絶縁ホルダー３１の一側面に沿うように設置される。この際、板状ヒーター本体３４の板状発熱体３２が絶縁ホルダー３１に近い側に位置し、均熱板３３が絶縁ホルダー３１から遠い側で、露出するように位置する。そして、絶縁ホルダー３１の周縁部には、スナップフィット型式を可能とする複数個のヒーター本体係止部３１ａが設けられている。これらのヒーター本体係止部３１ａにより、板状ヒーター本体３４を上記の配置で絶縁ホルダー３１に係止することができる。そして、この係止状態により、絶縁ホルダー３１と板状発熱体３２との間に空気層を形成することができる。

　上記構成のヒーターモジュール２２Ｌは、図４に示すように、絶縁ホルダー３１の底辺に突耳３１ｂを設けている。そして、この突耳３１ｂを介して、バッテリパックケース１４のバッテリモジュール並置面１４ａ上にヒーターモジュール２２Ｌを立てた状態で取り付ける。このとき、図５に示すように、板状ヒーター本体３４の均熱板３３は、平置きされたバッテリモジュール１３ＣＬの一側面である加温面１３ＣＬａに近接して対向するように、ヒーターモジュール２２Ｌを取り付ける。

　一方、図５に示すように、絶縁ホルダー３１に設ける複数個のヒーター本体係止部３１ａは、板状ヒーター本体３４よりも、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬの加温面１３ＣＬａに近くなるように張り出させて、絶縁ホルダー３１に一体成形する。

　ところで、上述のように、被加温物体たる中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの車両前方方向には、前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，ＦＲがそれぞれ直近に配置されている。そのため、中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの前側に配置されているヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒの相互に近接する端部の周辺には、これらの電源接続端子を設置するスペースを確保することが困難である。

　そのため、本実施形態では、ヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒの絶縁ホルダー３１を、図４及び５に示すように、バッテリモジュール並置面１４ａに沿う延伸方向における絶縁ホルダー３１の少なくとも一端を屈曲させている。つまり、ヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒの長手方向における車両側面側の端部を、対応する中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの隅角部に沿うように、板状ヒーター本体３４を取り付ける主面部３１ｍに対し屈曲させる。そのため、絶縁ホルダー３１は、板状ヒーター本体３４が設置されている主面部３１ｍと、主面部３１ｍに対し屈曲している屈曲端部３１ｃとから成るＬ字状部材として構成される。

　そして、図３に示すとおり、屈曲した絶縁ホルダー３１の屈曲端部３１ｃを、対応する中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲの載置領域の外に位置させる。中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲの載置領域の外には、車両の側面衝突時における安全対策のために、スペースに余裕を持たせるが通常である。そのため、屈曲した絶縁ホルダー３１の屈曲端部３１ｃを上記スペースに設置することが可能である。

　そして、ヒーターモジュール２２Ｌの電源接続端子、つまり板状ヒーター本体３４に接続する電源接続端子３５は、図４及び５に示すように、屈曲した絶縁ホルダー３１の屈曲端部３１ｃの内側に配置する。そして、電源接続端子３５は、屈曲端部３１ｃの内側に沿うように延伸する均熱板３３のＬ字状端部に取り付ける。そして、この電源接続端子３５から延伸するヒーターハーネス３６は、図６に示すように、絶縁ホルダー３１の主面部３１ｍに設けたハーネス配索溝３１ｄに収納する。さらに、図４に示すように、ヒーターハーネス３６を絶縁ホルダー３１の反対端まで延伸させ、ヒーターハーネス３６の端部を、絶縁ホルダー３１の端部に設けられたリード線３７に接続する。

　また、リード線３７の末端にはコネクタ３８が備えられている。そして、このコネクタ３８を、上述のように、車幅方向の中程のスペースに配置されている電源ケーブル４２に電気的に接続する。これにより、ヒーターモジュール２２Ｌ、つまり板状ヒーター本体３４の板状発熱体３２に対し、電源から電流が供給される。

　なお、板状ヒーター本体３４の電源接続端子３５を絶縁ホルダー３１の長手方向の中程に配置して、絶縁ホルダー３１と板状発熱体３２との間に介在させることも考えられなくはない。しかし、この場合、ヒーターモジュール２２Ｌが厚くなって、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬと前方左側のバッテリモジュール１３ＦＬとの間の限られたスペースに挿入できない可能性がある。

［本実施形態の効果］
　上述のように本実施形態のヒーターモジュールにおいて、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ用のヒーターモジュール２２Ｌは、平置きされたバッテリモジュール１３ＣＬの加温面１３ＣＬａに対向する板状ヒーター本体３４を備えている。そして、図５に示すように、絶縁ホルダー３１は、その一端縁でバッテリモジュール１３ＣＬを載置するバッテリモジュール並置面１４ａに取り付けられる。さらに、絶縁ホルダー３１は、バッテリモジュール１３ＣＬの加温面１３ＣＬａから遠い板状ヒーター本体３４の側面（背面）に配置されている。そして、絶縁ホルダー３１で、板状ヒーター本体３４を加温面１３ＣＬａと対向するように取り付けるため、加温面１３ＣＬａを板状ヒーター本体３４で直接加温することとなる。そして、加温面１３ＣＬａと板状ヒーター本体３４との間における空気層の存在、及び板状ヒーター本体３４の背面と絶縁ホルダー３１との間における空気層の存在と相まって、バッテリモジュール１３ＣＬに対する加温効率を高めることができる。

　さらに、板状ヒーター本体３４を板状発熱体３２及び均熱板３３の接合体により構成し、均熱板３３が加温面１３ＣＬａに対向するような配置である。そのため、均熱板３３により加温面１３ＣＬａの加温が均等に行われ、加温面１３ＣＬａの温度分布が不均一になるのを防止することができる。

　しかも、絶縁ホルダー３１の一端縁とは反対側の他端縁に設けた、板状ヒーター本体３４を係止するためのヒーター本体係止部３１ａが、加温面１３ＣＬａに向けて板状ヒーター本体３４よりも張り出している。そのため、ヒーターモジュール２２Ｌが振動したり傾斜したとき、規制部材たるヒーター本体係止部３１ａが加温面１３ＣＬａに衝突することになり、板状ヒーター本体３４が加温面１３ＣＬａに接触することはない。従って、板状ヒーター本体３４が加温面１３ＣＬａに接触して損傷したり、漏電するような懸念を払拭することができる。また、絶縁ホルダー３１に設けたヒーター本体係止部３１ａの張り出し量を上記のように設定するだけで、上記の作用効果が得られる。そのため、このような作用効果を安価且つ簡易な構成で実現可能であり、コスト的にまた重量的に大いに有利である。

　また、前記車幅方向の中程のスペースから遠い絶縁ホルダー３１の端部を、対応する中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲの隅角部に沿うように屈曲させている。つまり、絶縁ホルダー３１を板状ヒーター本体３４が設置されている主面部３１ｍと、これに対し屈曲している屈曲端部３１ｃとからなるＬ字状に構成し、さらに屈曲端部３１ｃに板状ヒーター本体３４の電源接続端子３５を設置している。このため、電源接続端子３５がヒーターモジュール２２Ｌの主面部３１ｍに存在しないため、ヒーターモジュール２２Ｌの元々の薄さが阻害されることはない。また、ヒーターモジュール２２Ｌに対する電源接続端子３５の配置箇所が屈曲端部３１ｃであるため、ヒーターモジュール２２Ｌの元々の大きさを阻害することもない。

　また、絶縁ホルダー３１がＬ字状に構成されているため、板状ヒーター本体３４で加熱された空気が、比較的外気との熱交換が行われやすい車幅方向の外側に流れ出ることを防ぐことができる。その結果、中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲにする加温効率を向上させることができる。

　上述のように、ヒーターモジュール２２Ｌをバッテリモジュール１３ＣＬの加温面１３ＣＬａに接近させて配置し、バッテリモジュール１３ＣＬを板状ヒーター本体３４で直接加温する場合は、ヒーターモジュール２２Ｌの設置スペースを限られる。しかし、この場合においても、本実施形態のヒーターモジュール２２Ｌは、電源接続端子３５が配置されている屈曲端部３１ｃを側面衝突用の僅かなスペースに収めている。そのため、設置スペースを限られる場合でも、ヒーターモジュール２２Ｌを、前方左側のバッテリモジュール１３ＦＬと中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬとの間に確実に取り付けることができる。

　また、均熱板３３を屈曲端部３１ｃに沿って延伸するようなＬ字状に構成したため、バッテリモジュール１３ＣＬの加温面１３ＣＬａだけでなく、側面の一部をも加温することができる。そのため、バッテリモジュール１３ＣＬに対する加温効率が向上する。

　加えて、絶縁ホルダー３１の屈曲端部３１ｃは、ヒーターモジュール２２Ｌの振動や傾斜に対する支持強度を増大させる。そのため、板状ヒーター本体３４がバッテリモジュール加温面１３ＣＬａに接触して損傷したり、漏電する懸念を払拭するという効果を更に顕著なものにし得る。

　そして、絶縁ホルダー３１の屈曲端部３１ｃを、バッテリパックケース１４のバッテリモジュール並置面１４ａ上ではあるが、対応する中央左側のバッテリモジュール１３ＣＬ及び中央右側のバッテリモジュール１３ＣＲの載置領域の外に位置させる。そのため、車両の側面衝突時における安全対策のために設定してある余裕スペースを利用して、絶縁ホルダー３１の屈曲端部３１ｃを設置することが可能となる。

　また、絶縁ホルダー３１の屈曲端部３１ｃが余裕スペース内に位置することから、屈曲端部３１ｃにヒーターモジュール２２Ｌ（板状ヒーター本体３４）の電源接続端子３５を難なく設置することができる。従って、上記車幅方向の中程のスペースに近い側におけるヒーターモジュール２２Ｌの端部に電源接続端子３５を設置するスペースを確保し得ない場合においても、ヒーターモジュール２２Ｌの電源接続端子３５が設置可能になる。

　更に、本実施形態においては、ヒーターハーネス３６を、絶縁ホルダー３１の屈曲端部３１ｃから主面部に沿って配索している。さらに、ヒーターハーネス３６を、リード線３７及びコネクタ３８を介して、前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲの間及び中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの間のスペースに配置された電源ケーブル４２まで延伸させている。そのため、本実施形態のヒーターモジュール２２Ｌ，２２Ｒのヒーターハーネスが、上記スペース内で電源ケーブルの配線の妨げになることを回避することができる。

　また、本実施形態においては、車両前後方向（電源ケーブルの配索方向）に隣り合う前方のバッテリモジュール１３ＦＬ，１３ＦＲと中央のバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲとの間に、板状ヒーター本体３４の薄い取り付け面（主面部３１ｍ）が位置する。そして、上記電源ケーブルから遠い側におけるバッテリモジュール１３ＣＬ，１３ＣＲの側面に屈曲端部３１ｃが対向するように配置している。そのため、車両前後方向に隣り合うバッテリモジュールの間隔が狭くなることから、同方向におけるバッテリパックの小型化を実現することができる。

　特願２０１１－０５４０８９号（出願日：２０１１年３月１１日）及び特願２０１２－０３５７３８号（出願日：２０１２年２月２２日）の全内容は、ここに引用される。

　以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。

　本発明のヒーターモジュールは、板状ヒーター本体の電源接続端子が屈曲腕部に配置されており、電源接続端子がモジュール主面部に存在しない。従って、ヒーターモジュールの元々の薄さを阻害されることがない。また、ヒーターモジュールに対する電源接続端子の配置箇所が屈曲腕部であるため、電源接続端子の配置箇所がヒーターモジュールの元々の大きさを阻害することもない。

　そして、ヒーターモジュールの設置スペースを限られる場合であっても、電源接続端子が配置されている屈曲腕部を僅かなスペースに収めることができ、車両前後方向に隣り合うバッテリモジュールの間に確実に取り付けることができる。

　１１　バッテリパック
　１３ＣＬ，１３ＣＲ　バッテリモジュール（被加温物体）
　１３ＣＬａ　加温面
　１４ａ　バッテリモジュール並置面
　２２Ｌ，２２Ｒ　ヒーターモジュール
　３１　絶縁ホルダー（Ｌ字状部材）
　３１ｃ　屈曲端部（屈曲腕部）
　３１ｍ　主面部（モジュール主面部）
　３３　均熱板
　３４　板状ヒーター本体
　３５　電源接続端子
　４２　電源ケーブル

Claims

　加温すべき被加温物体の加温面に沿うように設置するヒーターモジュールにおいて、
　前記被加温物体の加温面に対向する板状ヒーター本体と、
　前記板状ヒーター本体が設けられるモジュール主面部と、前記モジュール主面部に対し屈曲している屈曲腕部とから成るＬ字状部材と、
　前記屈曲腕部に配置され、前記板状ヒーター本体に接続する電源接続端子と、
　を備えることを特徴とするヒーターモジュール。
　前記板状ヒーター本体は、前記被加温物体の加温面に対し、発生熱を均一に伝熱するための均熱板を備え、
　前記均熱板を、前記屈曲腕部に沿って延伸することによりＬ字状に構成したことを特徴とする請求項１に記載のヒーターモジュール。
　前記被加温物体はバッテリパック内で並置される複数個のバッテリモジュールであり、前記被加温物体の加温面は平置きされた前記バッテリモジュールの一側面であり、
　前記屈曲腕部が前記バッテリパックのバッテリモジュールを並置した領域の外に位置するように、前記Ｌ字状部材を、前記バッテリパックのバッテリモジュール並置面に立てて取り付けることを特徴とする請求項１または２に記載のヒーターモジュール。
　電源ケーブルに前記電源接続端子を接続するためのヒーターハーネスをさらに備え、
　前記バッテリパックは、前記複数個のバッテリモジュールを、前記電源ケーブルの両側に向かい合わせて配置したものであり、
　前記ヒーターハーネスを、前記屈曲腕部から前記モジュール主面部に沿って配索し、前記電源ケーブルまで延伸させたことを特徴とする請求項３に記載のヒーターモジュール。
　前記バッテリパックは、前記複数個のバッテリモジュールを、前記電源ケーブルの配索方向に並置したものであり、
　前記Ｌ字状部材を、前記電源ケーブルの配索方向に隣り合う前記バッテリモジュールの間に前記モジュール主面部が位置し、前記電源ケーブルから遠い側におけるバッテリモジュールの側面に前記屈曲腕部が対向するように配置したことを特徴とする請求項４に記載のヒーターモジュール。