JP6627709B2 - 電池装置 - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、電池装置に関する。
特許文献1には、組電池に対する電力の入出力を制御する複数のパワー素子を備える電池ユニットが開示されている。複数のパワー素子は、制御基板において組電池に重ならない位置に、近接して実装されている。
特開2014−13724号公報
特許文献1の電池ユニットでは、隣り合う各パワー素子を流れる電流を大きくすると、各パワー素子の発熱量が大きくなり、隣のパワー素子からの熱の影響を受けやすくなる。この互いの熱による熱害を防止するために、隣り合う各パワー素子に大電流を流すことができないという課題がある。
このような課題に鑑み、この明細書における開示の目的は、隣り合うスイッチ装置の大電流化と低電流経路の設置スペースの確保との両立が図れる電池装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された電池装置のひとつは、電池(13)と、電池に対する電力の入出力を制御する第1スイッチ装置(3)と、第1スイッチ装置と並んで設置され、電池に対する電力の入出力を制御する第2スイッチ装置(4)と、第1スイッチ装置および第2スイッチ装置によって通電状態と非通電状態とに制御される主通電経路(111,112,113)よりも低電流が流れる低電流通電経路であって、第1スイッチ装置と第2スイッチ装置との間に介在するように設置されている低電流通電経路(22c,22c1,22c2)と、を備える。
この電池装置によれば、低電流通電経路が第1スイッチ装置と第2スイッチ装置との間に介在することにより、大電流が流れるスイッチ装置間にスイッチ装置よりも発熱の小さい通電経路が存在し、発熱の大きいスイッチ装置同士の熱干渉を抑制できる。この効果により、第1スイッチ装置と第2スイッチ装置とが隣接する構成に比べて、主通電経路に大電流を流すことができる。さらに、この構成によれば、低電流通電経路を設置するスペースをスイッチ装置間に確保することができる。したがって、隣り合うスイッチ装置の大電流化と低電流経路の設置スペースの確保との両立が図れる電池装置を提供できる。
第1実施形態に係る電池装置の構成を示した分解斜視図である。 第1実施形態の電池装置に関わる回路図である。 第1実施形態の電池装置の構成を示す概要図である。 電池装置について低電流通電経路の高さ方向位置を示す概要図である。 低電流通電経路の高さ方向位置について他の例を示す概要図である。 低電流通電経路の高さ方向位置について他の例を示す概要図である。 第1実施形態の電池装置について、パワー素子とバスバとの関係を示した分解斜視図である。 第1実施形態の電池装置について、パワー素子とバスバとの関係を示した部分平面図である。 第2実施形態の電池装置に関わる回路図である。 第2実施形態の電池装置の構成を示す概要図である。 第3実施形態の電池装置に関わる回路図である。 第3実施形態の電池装置の構成を示す概要図である。 第4実施形態の電池装置の構成を示す概要図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態の電池装置10について、図1〜図8を参照して説明する。電池装置10は、二次電池を搭載する各種の電気機器に適用することができる。各種の電気機器は、例えば、蓄電池を有する装置、コンピュータ、車両等である。第1実施形態では、その一例として、電池装置10を、内燃機関と電池駆動のモータとを組み合わせて走行駆動源とするハイブリッド自動車、電池駆動のモータによって走行する電気自動車等の車両に用いる場合について説明する。
電池装置10の構成について図1を用いて説明する。電池装置10は、複数の単電池を積層設置して構成されている組電池13と、組電池13における充放電の制御等を実施する回路基板2と、組電池13を上方から拘束する抑制板12と、組電池13等を収容するケースと、を備える。電池装置10は、例えば自動車の座席下、後部座席とトランクルームとの間の空間、運転席と助手席の間の空間に設置されている。ケースは、直方体状であり、電池装置10の搭載場所に固定されるベースケース15と、ベースケース15を上方から覆うようにベースケース15に装着されるカバー11と、を備える。ベースケース15およびカバー11は、金属、例えばアルミニウム、銅、これらの合金により形成され、または、樹脂材料により形成されている。ベースケース15を樹脂材料で形成する場合には、熱伝導性を有する樹脂材料を用いるか、あるいは樹脂材料に熱伝導性を有する材料を混合させることが好ましい。
組電池13と回路基板2は、組電池13が回路基板2よりも下方になるように互いに上下に対向して設置され、それぞれはベースケース15にねじ締めを行うこと等により固定されている。ベースケース15に対してカバー11を上方から装着することにより、組電池13、回路基板2がケース内に収容された状態となる。組電池13にはヒューズ20が接続されている。
電池装置10は、電力の入出力が行われる端子台ユニット14と、車両ECU等に対して電気的に接続されるコネクタ部と、を備える。端子台ユニット14は、Pb蓄電池接続用の端子台ユニット14Aと、ISG接続用の端子台ユニット14Bと、を備える。端子台ユニット14Aは、図2における、外部電池17側に接続される第1入出力端子140と、第1入出力端子140を支持する端子台と、を有する。端子台ユニット14Bは、図2における、電気負荷19側に接続される第2入出力端子141と、第2入出力端子141を支持する端子台と、を有する。各端子台は絶縁性を有する樹脂材料によって形成されている。端子台ユニット14A、端子台ユニット14Bは、互いに横並びとなる位置でそれぞれの端子台がベースケース15に固定されている。
端子台ユニット14Aの第1入出力端子140には、ハーネスを介して外部電池17と電気負荷18とが接続されている。端子台ユニット14Bの第2入出力端子141には、ハーネスを介して電気負荷19が接続されている。電気負荷19は、例えば回転機などの電動発電機である。コネクタ部には、制御部100との通信が可能な車両ECUが接続されるとともに、電池装置10からの電力供給の対象となる各種の電気負荷にも接続可能となるように構成されている。各端子台ユニットやコネクタ部は、ケースの外周部に設けられ、電池装置10の外部に露出した状態で設けられている。
ベースケース15は、ベース部15aと、ベース部15aから起立する固定用のボス部15bと、ベース部15aから起立する側壁部15cと、を有する。ベース部15aは、方形状をなしており、その周縁部等には側壁部15cが形成されている。ベース部15aは、組電池13が置かれている電池載置部となっている。側壁部15cやボス部15bの上端部には、回路基板2、抑制板12のそれぞれがねじ等によって固定されている。ベース部15aの外周縁には、外側に向けて突出する複数の取付部が設けられている。
ベース部15aの上には、組電池13を構成する第1電池積層体13aと第2電池積層体13bが所定の方向に並んで設置されている。第1電池積層体13aと第2電池積層体13bは、平面視した状態において横方向に並んで設置されている。第1電池積層体13aおよび第2電池積層体13bの上方には、回路基板2が設けられている。
電力制御用の半導体素子である第1パワー素子3や第2パワー素子4は、半導体スイッチング素子であり、電池に対する電力の入出力を制御するスイッチ装置の一例である。第1パワー素子3や第2パワー素子4の外装部は、装置の心臓部を保護する外装ケースに相当し、内部の発熱を外部に放出可能な各種の材質で構成されている。外装部は、例えば樹脂によって形成された扁平な直方体状の形状である。
ベースケース15には、第1パワー素子3において生じる熱を外部に放出するために放熱経路の一部を構成する、第1放熱部材としての放熱部材6Aが一体に設けられている。ベースケース15には、第2パワー素子4において生じる熱を外部に放出するために放熱経路の一部を構成する、第2放熱部材としての放熱部材6Bが一体に設けられている。放熱部材6A,6Bはベースケース15の一部分をなしている。放熱部材6A,6Bは、例えば、アルミニウム、銅、これらの合金によって形成することができる。放熱部材6A,6Bは、組電池13と隣り合わせとなる位置において、第1パワー素子3や第2パワー素子4の外装部に対向している。放熱部材6A,6Bと組電池13は横方向に並んで配列されている。第1パワー素子3や第2パワー素子4と組電池13は、放熱部材6A,6Bと組電池13の配列方向に並んで設置されている。
放熱部材6Aや放熱部材6Bは、組電池13と隣り合わせとなる位置に設けられ、その上面の平坦部が熱伝導性部材5を挟んで第1パワー素子3や第2パワー素子4の外装部に対向している。熱伝導性部材5は、熱伝導性および電気絶縁性を有する部材であり、例えばシリコン系の材質である部材を用いることができる。熱伝導性部材5は、スイッチ装置の外面を形成する外装部や放熱部材6A,6Bと密着するために外力により変形可能であることが好ましく、例えば、弾性変形可能なシート、ジェル、グリス等で構成することができる。熱伝導性部材5によって、各パワー素子と放熱部材6A,6Bとの間は、熱移動可能であるとともに電気絶縁されている。
電池装置10は、放熱部材6A,6Bからの熱が移動可能にケースに設けられている複数の取付部15a1を備える。放熱部材6A,6Bは、複数の取付部15a1を介して車両の一部である車両側部材へ熱移動可能な構成である。取付部15a1は、車両側部材へ放熱可能な構成で車両側部材に直接的または間接的に取り付けられている。各取付部15a1は、車両側部材に対するボルト締めやねじ締め、溶接等の固定手段によって固定されている。車両側部材は、例えば、車両に所定の機器が固定されるフレーム部材、シャシーに結合されている部材、車室内を形成する内装材を支持する部材等である。
第1パワー素子3で生じた熱は、放熱部材6Aに移動し、さらにベース部15aに移動した後、複数の取付部15a1のうち第1パワー素子3から最も近い位置にある取付部15a1を介して車両側部材に放熱される。第2パワー素子4で生じた熱は、放熱部材6Bに移動し、さらにベース部15aに移動した後、複数の取付部15a1のうち第2パワー素子4から最も近い位置にある取付部15a1を介して車両側部材に放熱される。
この明細書において平面視した状態とは、組電池13とベースケース15のベース部15aとが上下方向に位置する姿勢で電池装置10を設置している場合に、組電池13をベース部15a側に向かって下方にみた状態を指している。
端子台ユニット14Aと端子台ユニット14Bは、ケースと一体であって、第2パワー素子4よりも第1パワー素子3に近い位置で横方向に並んで設置されている。したがって、端子台ユニット14Aと端子台ユニット14Bは、複数の取付部15a1のうち、第1パワー素子3に最も近い位置にある取付部15a1の近くにケースに一体に設置されている。端子台ユニット14Aと端子台ユニット14Bは、ケースの一部として設けられてもよいし、ケースとは別個の部品であってケースに装着されることで、ケースと一体に設置されている構成でもよい。
端子台ユニット14Aにおける第1入出力端子140と端子台ユニット14Bにおける第2入出力端子141は、第1パワー素子3および第2パワー素子4のうち、電流値または発熱量が大きくなる方の素子の近くに設置されている。図3に図示する形態は、第1入出力端子140と第2入出力端子141は、流れる電流値または発熱量が大きくなる方である第1パワー素子3の近くに設置されている場合である。第1パワー素子3の方が電流値または発熱量が大きくなる場合、第1パワー素子3に接続されている第1入出力端子140および第2入出力端子141の一方の端子を他方の端子と並べた状態で設置することが好ましい。
素子の発熱量は、素子に流れる電流値(A)の2乗と、素子の電気抵抗(Ω)と、電流が流れる時間(s)との掛け算を求めることによって確認できる。この演算によって発熱量を定義できるため、電池装置10において、第1パワー素子3および第2パワー素子4のうち、電流値が大きい方の素子が発熱量が大きくなる場合がある。また、電池装置10において、第1パワー素子3および第2パワー素子4のうち、素子自身が持つ電気抵抗が大きい方の素子が発熱量が大きくなる場合がある。使用状況、例えば車両の運転状況によって、第1パワー素子3および第2パワー素子4のうち、電流が流れる時間が長い方の素子が発熱量が大きくなる場合がある。例えば車両の運転状況が、回生状態、アイドリングストップ状態、EVクリープ状態、アシスト状態のいずれであるかによって、電流値または発熱量が大きくなる素子は、第1パワー素子3になる場合もあるし第2パワー素子4になる場合もある。
複数の取付部15a1は、車両側部材にブラケットを介して連結されている構成でもよい。このブラケットは、熱伝導性を有する材料で形成されており、複数の取付部15a1と車両側部材とを連結する連結用部材である。放熱部材6Aや放熱部材6Bの内部は、内部が空洞である矩形状の箱体である。各パワー素子で生じた熱は、その外装部から放熱部材の接触部に移動し、放熱部材6A,6Bの平坦部から側壁に伝わって下方に移動する。さらに熱は側壁の下端からベース部15aに伝わり、取付部15a1を介して車両側部材に放出される。このように構成された第1パワー素子3と第2パワー素子4の放熱経路には、組電池13が存在しないため、熱移動に伴う組電池13の不具合を抑制できる構成になっている。
次に、各パワー素子に対する、回路基板2、熱伝導性部材5、放熱部材6A,6B、ベースケース15および取付部15a1に係る設置関係、パワー素子の熱が取付部まで伝達する放熱経路について説明する。なお、以下に説明する回路基板2、放熱部材6A,6Bとの設置の関係に関しては、第1パワー素子3と第2パワー素子4は同様の構成である。したがって、第2パワー素子4の信号線部41は第1パワー素子3の信号線部31に対応し、第2パワー素子4の電力線部42は第1パワー素子3の電力線部32に対応する。
電池装置10では、第1パワー素子3、第2パワー素子4等のスイッチ装置は、電力供給のための電流が流れていない信号線部31によって、回路基板2に対して信号通信可能な状態で連結されている構成である。さらにスイッチ装置は、電力供給のための大電流が流れる電力線部32が回路基板2に接続されていない構成である。したがって、スイッチ装置において装置本体および電力線部32を流れる大電流は、回路基板2には伝達されない構成となっている。
第1パワー素子3は、回路基板2から離れた位置で、その厚さ方向が回路基板2の主面である表面に対して直交するような横置き姿勢で設置されており、熱伝導性部材5を介して間接的に放熱部材6Aに接触している。したがって、第1パワー素子3と放熱部材6Aは、組電池13に対して横方向に隣接した位置に設置されている。第1パワー素子3は、外装部から信号線部31および電力線部32が突出する方向が回路基板2の主面に沿う方向であり、信号線部31と電力線部32とが突出する端部間の長さをなす素子幅の方向が回路基板2の主面に沿う方向となるように設置されている。第1パワー素子3は、外装部の幅寸法が厚さ寸法よりも長くなる扁平状の外形形状である。
信号線部31は、外装部から横方向に突出してから回路基板2の主面に対して直交する方向に折れ曲がるように延びて回路基板2に接続されており、または回路基板2に実装された電子部品に接続されている。電力線部32は回路基板2には接続されておらず、バスバ21,22,23を介して第1入出力端子140や第2入出力端子141に連結されている。電力線部32は、溶接等によってバスバ21,22,23に接合されている導電性端子である。図7および図8に示すように、バスバ21、バスバ22、バスバ23は、組電池13等とともにベースケース15に収容されるバスバ支持部材16に支持されている。各バスバは、第1入出力端子140や第2入出力端子141に連結されている導電性の板状部材である。バスバ支持部材16は、バスバ21、バスバ22およびバスバ23を安定した状態で収容するバスバケースでもある。バスバ支持部材16は、電気絶縁性を有した材料によって形成されて、各バスバと周囲の部材とを絶縁する。
放熱部材6A,6Bは、パワー素子との熱的な接続部分が横方向に延びる面に有している。また、パワー素子の外装部は、熱伝導性部材5を介さないで放熱部材6A,6Bに直接接触するように設置されている構成でもよい。第1パワー素子3を熱伝導性部材5や放熱部材6Aに固定する手段は、絶縁性を有する接着剤、例えばシリコン系接着剤や、ボルトやねじによる締結固定によって構成することができる。放熱部材6A,6Bは、組電池13が収容されているベースケース15におけるベース部15aへ熱移動可能となる形態で設置されている。以上の構成により、パワー素子の外装部から熱伝導性部材5を通じて放熱部材6Aや放熱部材6Bに移動した熱は、ベース部15aに移動した後、さらに取付部15a1を介して車両側部材に移動する放熱経路により放出される。
制御部100は、少なくとも組電池13の蓄電量を管理する機器であり、電池管理ユニット(Battery Management Unit)であってもよい。また、電池管理ユニットは、組電池13に関する電流、電圧、温度を監視するとともに、単電池の異常、漏電異常等を管理する機器であってもよい。電池管理ユニットは、車両に搭載された各種の電子制御装置と通信可能に構成されている。電池管理ユニットには、電流センサによって検出された電流値に係る信号が入力されてもよいし、メインリレーやプリチャージリレーの作動を制御する制御装置であってもよい。電池管理ユニットは、単電池等の発熱体を冷却するために、冷却用流体を駆動する送風装置のモータの作動を制御する機器として機能してもよい。電池管理ユニットは、車両に搭載された各種の電子制御装置(例えば車両ECU)と通信可能に構成されている。
図2に示すように、電池装置10に関わる回路の構成は、外部電池17、組電池13、電気負荷18、電気負荷19、第1パワー素子3、第2パワー素子4、制御部100等を含んでいる。組電池13は、電池装置10を収容するケースの内部に設置されている内部電池であり、例えばリチウムイオン二次電池で構成されている。組電池13は抵抗が小さく回生性能に優れた二次電池であることが好ましい。外部電池17は、電池装置10を収容するケースの外部に設置されている二次電池であり、例えば鉛蓄電池で構成されている。外部電池17は、内部電池とは離れた別の場所に設置されており、大容量の二次電池であることが好ましい。
組電池13は、例えば直列接続された複数の単電池を有して構成されており、これらの単電池が所定の配列でひとかたまりとなってケースに収容されている。この実施形態では図1に図示するように、上下に2個積層された第1電池積層体13aと上下3個積層された第2電池積層体13bとが横に並べて2列に配置されている。5個の単電池は、いずれも薄型の直方体状をなすリチウムイオン二次電池であり、その厚さ方向を上下方向に向けた横置き設置である。各電池積層体は、構成するすべての単電池が直列に結線されることにより、通電可能に接続されている。すべての電池積層体は、通電可能に接続され、かつ一体に連結されることにより、電池装置10の組電池13として機能する。
制御部100を構成する部品は、回路基板2に実装されている。回路基板2は、電池管理ユニットとして機能を有するBMU基板とも称されている。制御部100は、前述する各パワー素子である各スイッチのオン(閉鎖)とオフ(開放)との切り換えを実施し、これにより、外部電池17、組電池13のそれぞれに対する充放電を制御する。
電池装置10には、外部端子として第1入出力端子140、第2入出力端子141が設けられている。第1入出力端子140には、外部電池17と電気負荷18とが並列に接続され、外部電池17とは反対側に2個の第1パワー素子3が並列に接続され、この2個の第1パワー素子3に対して第2入出力端子141が直列に接続されている。2個の第2パワー素子4は、組電池13に対して並列に接続されている。第2入出力端子141には、前述の2個の第1パワー素子3と2個の第2パワー素子4とが並列に接続されている。換言すれば、第2入出力端子141に対する、2個の第1パワー素子3を含む経路と2個の第2パワー素子4を含む経路との接続部には、第2入出力端子141が接続されている。
外部電池17は、電気負荷18に対して電力供給可能なように接続されている。電気負荷18は、定電圧要求電気負荷以外の一般的な電気負荷であり、例えば、ヘッドライト、フロントウインドシールド等のワイパ、空調装置の送風ファン、リヤウインドシールドのデフロスタ用ヒータ等である。
第2入出力端子141には、パワー素子とは反対側に電気負荷19が接続されている。したがって、電気負荷19には、2個の第1パワー素子3と2個の第2パワー素子4とが並列に接続されている。第1スイッチ装置である第1パワー素子3は、外部電池17、電気負荷18のそれぞれと電気負荷19とを通電可能な状態と不可能な状態とに切り替えるスイッチ装置として機能する。第2スイッチ装置である第2パワー素子4は、組電池13と電気負荷19とを通電可能な状態と不可能な状態とに切り替えるスイッチ装置として機能する。
電気負荷19が回転機である場合、エンジンのクランク軸の回転により発電、すなわち回生発電を行う発電機能と、クランク軸に回転力を付与する動力出力機能とを備えて、ISG(Integrated Starter Generator)を構成する。外部電池17と組電池13とは、回転機に対して並列に電気接続されている。外部電池17は、第1パワー素子3のオンにより、回転機からの電力供給可能な状態になり、回生電力が充電可能になる。組電池13は、第2パワー素子4のオンにより、回転機からの電力供給可能な状態になり、回生電力が充電可能になる。したがって、第1パワー素子3、第2パワー素子4のそれぞれは、回転機と各電池との間で比較的大きな電流が流れることが想定される大電流経路の一部をなす。
大電流経路の一つである主通電経路111は、組電池13と前述の接続部とを連絡する通電経路であり、各第2パワー素子4によって通電可能な状態と不可能な状態とに切り替えられる経路である。大電流経路の一つである主通電経路112は、第1入出力端子140と前述の接続部とを連絡する通電経路であり、各第1パワー素子3によって通電可能な状態と不可能な状態とに切り替えられる経路である。前述の接続部と第2入出力端子141とを連絡する経路は、大電流経路の一つである主通電経路113である。
電池装置10は、前述の各主通電経路よりも低電流が流れる低電流通電経路であって、スイッチ装置とスイッチ装置との間に介在するように設置されている低電流通電経路を備えている。低電流通電経路22cは、第2パワー素子4と第2パワー素子4との間に介在している。図3に図示するように低電流通電経路22cは、主通電経路111において2個の第2パワー素子4に分岐する分岐部と回路基板2とを連絡する通路である。低電流通電経路22cは、並んで設置されているスイッチ装置とスイッチ装置との間に介在するように設置されている通電経路である。
低電流通電経路22c1は、2個の第1パワー素子3を含む経路と2個の第2パワー素子4を含む経路との接続部から分岐するように延びている。図3に図示するように低電流通電経路22c1は、この接続部と回路基板2とを連絡する通路である。低電流通電経路22c1は、並んで設置されているスイッチ装置とスイッチ装置との間に介在するように設置されている通電経路である。低電流通電経路22c2は、第1パワー素子3と第1パワー素子3との間に介在している。図3に図示するように低電流通電経路22c2は、主通電経路112において2個の第1パワー素子3に分岐する分岐部と回路基板2とを連絡する通路である。低電流通電経路22c2は、並んで設置されているスイッチ装置とスイッチ装置との間に介在するように設置されている通電経路である。
低電流通電経路22c等は、主通電経路よりも流れる電流の最大値が小さく、あるいは実効電流値が小さい経路である。低電流通電経路22c等は、例えば、組電池13における所定部位の電圧を検出する検出端子を備えた電圧検出線、回路基板2の電源線、スイッチ装置の故障時対策のためのバイパス用電流線等である。
各低電流通電経路は、例えば、図4に示すように、隣り合うパワー素子の間に位置する高さに設置されている。各低電流通電経路は、図5に示すように、隣り合う放熱部材6Aと放熱部材6Bとの間に位置する高さに設置されている構成でもよい。各低電流通電経路は、図6に示すように、隣り合うスイッチ装置と放熱部材6Bとの間に位置する高さに設置されている構成でもよい。図5、図6に図示されている各構成によれば、スイッチ装置とスイッチ装置との間に放熱部材を介在させることにより、スイッチ装置間の熱移動距離を長く形成することができるので、隣り合うスイッチ装置同士の熱干渉を抑制することができる。
次にバスバ21,22,23の構成と、バスバ21,22,23とパワー素子3,4との関係について図7および図8を参照して説明する。各バスバは、導電性の板状部材であり、パワー素子3,4の電力線部32,42に接続されて、電力供給のための大電流が通電する。バスバ21とバスバ23は、複数のパワー素子が並ぶ方向であるスイッチ並び方向に並んだ状態でバスバ支持部材16に収容されている。バスバ22は、バスバ21およびバスバ23に対してパワー素子とは反対側に設置されている。バスバ22は、図8に図示するバスバ側で、換言すればスイッチ装置の反対側で、バスバ21およびバスバ23に対して重なるように設置されている。
バスバ21は、スイッチ装置並び方向に細長い主体部21aと、主体部21aからそれぞれ突出する端子部21a1および端子部21a2と、主体部21aの一端に設けられる大電流端子部21bと、低電流通電経路22c2を構成する低電流端子部と、を備える。大電流端子部21bは、主体部21aの一端で第1入出力端子140に結合されることにより、大電流が通電する。端子部21a1、端子部21a2は、スイッチ装置並び方向に沿うように間隔をあけて設けられた、上方に突出する矩形状部である。さらに端子部21a1と端子部21a2は、スイッチ装置およびバスバの並び方向について、換言すれば上下方向とスイッチ装置並び方向との両方に垂直な方向について、揃った位置となるように設けられている。端子部21a1は、最も大電流端子部21bに近い位置にある第1パワー素子3の電力線部32と結合する端子部である。端子部21a2は、大電流端子部21bから二番目に近い位置にある第1パワー素子3の電力線部32と結合する端子部である。低電流端子部は、上方に突出する矩形状部であり、回路基板2に接続されている。
バスバ23は、スイッチ装置並び方向に細長い主体部23aと、主体部23aからそれぞれ突出する端子部23a1および端子部23a2と、主体部23aの他端に設けられる大電流端子部23bと、低電流通電経路22c1を構成する低電流端子部と、を備える。大電流端子部23bは、主体部23aの他端で組電池13に繋がる入出力端子に結合されることにより、大電流が通電する。端子部23a1、端子部23a2は、スイッチ装置並び方向に沿うように間隔をあけて設けられた、上方に突出する矩形状部である。さらに端子部23a1と端子部23a2は、スイッチ装置およびバスバの並び方向について、換言すれば上下方向とスイッチ装置並び方向との両方に垂直な方向について、揃った位置となるように設けられている。端子部23a2は、最も大電流端子部23bに近い位置にある第2パワー素子4の電力線部42と結合する端子部である。端子部23a2は、大電流端子部23bから二番目に近い位置にある第2パワー素子4の電力線部42と結合する端子部である。低電流端子部は、バスバ21の低電流端子部と対向するように上方に突出する矩形状部であり、回路基板2に接続されている。
バスバ22は、スイッチ装置並び方向に細長い主体部22aと、主体部22aからそれぞれ突出する端子部22b1、端子部22b2、端子部22b3および端子部22b4と、主体部22aの一端に設けられる大電流端子部22dと、低電流通電経路22cを構成する低電流端子部と、を備える。大電流端子部22dは、主体部22aの一端で第2入出力端子141に結合されることにより、大電流が通電する。端子部22b1、端子部22b2は、第1パワー素子3に対応する位置で、スイッチ装置並び方向に沿うように間隔をあけて設けられた、上方に突出する屈曲状部である。さらに端子部22b1と端子部22b2は、スイッチ装置およびバスバの並び方向について、換言すれば上下方向とスイッチ装置並び方向との両方に垂直な方向について、端子部21a1および端子部21a2と揃った位置となるように設けられている。端子部22b1は、最も大電流端子部22dに近い位置にある第1パワー素子3の電力線部32と結合する端子部である。端子部22b2は、大電流端子部22dから二番目に近い位置にある第1パワー素子3の電力線部32と結合する端子部である。
端子部22b3、端子部22b4は、第2パワー素子4に対応する位置で、スイッチ装置並び方向に沿うように間隔をあけて設けられた、上方に突出する屈曲状部である。さらに端子部22b3と端子部22b4は、スイッチ装置およびバスバの並び方向について、換言すれば上下方向とスイッチ装置並び方向との両方に垂直な方向について、端子部23a1および端子部23a2と揃った位置となるように設けられている。端子部22b4は、最も大電流端子部23bに近い位置にある第2パワー素子4の電力線部42と結合する端子部である。端子部22b4は、大電流端子部23bから二番目に近い位置にある第2パワー素子4の電力線部42と結合する端子部である。低電流端子部は、バスバ21の低電流端子部とバスバ23の低電流端子部対との間に位置し、上方に突出する矩形状部であり、回路基板2に接続されている。
次に、第1実施形態の電池装置10によって得られる効果について説明する。電池装置10は、組電池13と、組電池13に対する電力の入出力を制御する第1パワー素子3と、第1パワー素子3と並んで設置され組電池13に対する電力の入出力を制御する第2パワー素子4と、低電流通電経路22cと、を備える。低電流通電経路22cは、第1パワー素子3および第1パワー素子3によって通電状態と非通電状態とに制御される主通電経路111よりも低電流が流れる通電経路である。低電流通電経路22cは、第1パワー素子3と第2パワー素子4との間に介在するように設置されている。低電流通電経路22cは、主通電経路111から分岐し回路基板に接続されている。
この電池装置10によれば、低電流通電経路22cが第1パワー素子3と第2パワー素子4との間に介在することにより、大電流が流れるパワー素子間にパワー素子よりも発熱の小さい通電経路が存在し、発熱の大きいパワー素子同士の熱干渉を抑制できる。この効果により、第1パワー素子3と第2パワー素子4とが隣接する構成に比べて、主通電経路111に大電流を流すことができる。さらに、この構成によれば、低電流通電経路22cを設置するスペースをパワー素子間に確保することができる。したがって、電池装置10は、隣り合うスイッチ装置の大電流化と低電流通電経路22cの設置スペースの確保との両立を図ることができる。
低電流通電経路22cは、主通電経路111および組電池13に対して並列に接続された第1パワー素子3と第2パワー素子4との間に介在するように設置されている。この構成によれば、1本の主通電経路に複数のパワー素子が並列に配されている場合に、大電流が流れるパワー素子間に発熱の小さい通電経路を存在させることによって、発熱の大きいパワー素子同士の熱干渉を抑制できる。
低電流通電経路22c1は、電気負荷19に対して分岐する2つの主通電経路111,112のうち一方に配された第1パワー素子3と、他方に配された第2パワー素子4と、の間に介在するように設置されている。この構成によれば、2つの主通電経路のそれぞれにパワー素子が配されている場合に、大電流が流れるパワー素子間に発熱の小さい通電経路を存在させることによって、発熱の大きいパワー素子同士の熱干渉を抑制できる。
低電流通電経路22cは、組電池13に対して並列に接続された第1パワー素子3と第2パワー素子4との間に設けられ、低電流通電経路22c2は、電気負荷18に対して並列に接続された第1パワー素子3と第2パワー素子4との間に設けられている。この構成によれば、組電池13および電気負荷18のそれぞれに接続されている主通電経路に複数のパワー素子が並列に配されている場合に、パワー素子間に発熱の小さい通電経路を存在させることによって、発熱の大きいパワー素子同士の熱干渉を抑制できる。
低電流通電経路22c,22c1,22c2は、主通電通路から分岐する経路である。この構成によれば、主通電通路から分岐した経路をスイッチ装置間に設置することで電池装置10の体格を抑えることができる。
低電流通電経路22c,22c1,22c2は、第1パワー素子3の端子と第2パワー素子4の端子に接続されているバスバ22の一部であり、回路基板2に接続されている。この構成によれば、バスバ22の一部を分岐させて、スイッチ装置間に配することで、低電流通電経路を設置するための体積の抑制と部品数の低減が図れる。また、低電流通電経路は、主通電経路と回路基板2とに接続されているハーネスであってもよい。
低電流通電経路22cは、放熱部材6Aと放熱部材6Bとの間に介在するように設置されている。この構成によれば、放熱経路の間に低電流通電経路22cを配することにより、スイッチ装置間の熱的距離を大きくすることができ、互いのスイッチ装置の熱による熱害を防止に貢献できる。
低電流通電経路22cは、放熱部材6Aと第2パワー素子4との間に介在するように設置されている。この構成によれば、第1パワー素子3から放熱部材6Aに至る放熱経路を介して低電流通電経路22cを配することにより、スイッチ装置間の熱的距離を大きくすることができ、互いのスイッチ装置の熱による熱害を防止に貢献できる。
低電流通電経路22cは、放熱部材6Bと第1パワー素子3との間に介在するように設置されている。この構成によれば、第2パワー素子4から放熱部材6Bに至る放熱経路を介して低電流通電経路22cを配することにより、スイッチ装置間の熱的距離を大きくすることができ、互いのスイッチ装置の熱による熱害を防止に貢献できる。
スイッチ装置の外装部は、回路基板2から離間した状態で設置されている。この構成によれば、スイッチ装置の外装部は回路基板2に接触していないため、回路基板2が放熱経路に含まれないように構成できる。これにより、スイッチ装置の熱は熱抵抗が大きい回路基板2を経由することなく放熱部材6A,6Bに伝わるため、スイッチ装置が回路基板2に接触している構成に比べて放熱性能を向上することができる。
スイッチ装置は、電気信号を伝達する信号線部31と電力を伝達する電力線部32とを有している。電力線部32は、回路基板2には接続されず、入出力端子にバスバを介して連結されている。信号線部31は、スイッチ装置の内部から外部に突出するリード端子であり、回路基板2に接続されている。信号線部31は、基板の孔に通して、基板の片面あるいは両面にはんだ付けすることにより、回路基板2に接続されている。この構成によれば、信号線部31には大きな電流が流れることがないため、信号線部31から回路基板2への大きな熱移動は生じず、電力線部32は回路基板2には接続されていないため、電力線部32の発熱は回路基板2へ移動しないようになっている。したがって、電力線部32の発熱をスイッチ装置を介して放熱部材6A,6Bへ移動させて放熱することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態に対する他の形態について図9および図10を参照して説明する。各図において、第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
図9および図10に示すように、電池装置110は、電池装置10に対して、低電流通電経路22c1と、低電流通電経路22c2と、主通電経路112に並列に配された複数の第1パワー素子3とを備えていない点が相違する。
第2実施形態によれば、低電流通電経路22cは、組電池13に対して並列に接続された第1パワー素子3と第2パワー素子4との間に介在するように設置されている。この構成によれば、1本の主通電経路111に複数のパワー素子が並列に配されている場合に、大電流が流れるパワー素子間に発熱の小さい通電経路を存在させることによって、発熱の大きいパワー素子同士の熱干渉を抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態に対する他の形態について図11および図12を参照して説明する。各図において、第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と相違する内容について説明する。
図11および図12に示すように、電池装置210は、電池装置10に対して、低電流通電経路22c1と、低電流通電経路22c2と、主通電経路112に並列に配された複数の第1パワー素子3と、主通電経路111に並列に配された複数の第2パワー素子4とを備えていない点が相違する。電池装置210は、主通電経路111に配された1個の第1パワー素子3と、主通電経路112に配された1個の第2パワー素子4と、を備える。低電流通電経路22cは、組電池13に対して直列に接続された第1パワー素子3と、電気負荷18に対して直列に接続された第2パワー素子4と、の間に介在するように設置されている。
第3実施形態によれば、2つの主通電経路111,112のそれぞれにパワー素子が配されている場合に、大電流が流れるパワー素子間に発熱の小さい通電経路を存在させることによって、発熱の大きいパワー素子同士の熱干渉を抑制できる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第3実施形態に対する他の形態について図13を参照して説明する。各図において、前述の実施形態と図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。以下、第3実施形態と相違する内容について説明する。図13に示すように、電池装置310は、電池装置210に対して、第1パワー素子3と第2パワー素子4とが回路基板2に実装されている点が相違する。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
前述の実施形態におけるパワー素子は、半導体素子を有さない、電池に対する電力の入出力を制御するメカニカルリレーに置き換えることができる。メカニカルリレーは、例えばコイルと接点部を有し、接点部を閉じることにより電力の流通を許可する状態を実現して電力の入出力を制御するスイッチ装置である。メカニカルリレーの場合、その外装部は、例えば樹脂によって形成された直方体状のケースをなす。ケースの外部には、前述したように、信号線部31および電力線部32がそれぞれ突出している。このように特許請求の範囲で記載するスイッチ装置には、パワー素子、メカニカルリレー等が含まれる。
前述の実施形態において、低電流通電経路は回路基板2に接続されている構成であるが、必ずしもこのような構成に限定されない。低電流通電経路は、例えば回路基板2以外に設けられている端子に接続されて、所定の電気信号を搬送する媒体として機能することができる。
前述の実施形態において、第1パワー素子3を第1スイッチ装置として説明し、第2パワー素子4を第2スイッチ装置として説明しているが、この説明は一実施形態を説明しているにすぎない。したがって、特許請求の範囲における第1スイッチ装置には、実施形態における第2パワー素子4が対応してもよいし、第2スイッチ装置には、実施形態における第1パワー素子3が対応してもよい。
前述の実施形態において電池装置は、組電池13と放熱部材の配列方向が横方向となる形態で設置されているが、電池装置の設置状態はこのような状態に限定されない。例えば、電池装置は組電池13と放熱部材の配列方向が上下方向になる形態でもよい。
前述の実施形態において、外部電池17、組電池13のそれぞれを構成する単電池は、第1実施形態で記載した鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池の他、例えばニッケル水素二次電池、有機ラジカル電池で構成してもよい。
前述の実施形態において電池装置が備える単電池は、例えば、外装ケースが薄い平板状の形態をなし、外装ケースがラミネートシートで形成されている形態でもよい。ラミネートシートは、絶縁性の高い素材で構成されている。この場合、単電池は、例えば二つ折りにされたラミネートシートの端部同士を熱融着することにより当該端部同士を封止して密閉された扁平状容器の内部空間を有する。この内部空間には、電極集合体、電解質、端子接続部、正極端子部の一部、および負極端子部の一部を含む電池本体部が内蔵されている。したがって、単電池は、扁平状容器の周縁部が封止されることにより、電池本体部が扁平状容器の内部に密封状態で収容されている。単電池は、扁平状容器から外方へ引き出された一対の電極端子を有する。
前述の実施形態において電池装置が備える単電池として、例えば、円柱状の外形形状である単電池を用いてもよい。
前述の実施形態において、電池装置が備える電池は1個または複数の単電池で構成することができる。複数の単電池は、上下方向に積層された形態でもよいし、横方向に並べて積層された形態でもよい。
3…第1パワー素子(第1スイッチ装置)
4…第2パワー素子(第2スイッチ装置)
13…組電池(内部電池)
22c,22c1,22c2…低電流通電経路
111,112,113…主通電経路

Claims (10)

  1. 電池(13)と、
    前記電池に対する電力の入出力を制御する第1スイッチ装置(3)と、
    前記第1スイッチ装置と並んで設置され、前記電池に対する電力の入出力を制御する第2スイッチ装置(4)と、
    前記第1スイッチ装置および前記第2スイッチ装置によって通電状態と非通電状態とに制御される主通電経路(111,112,113)よりも低電流が流れる低電流通電経路であって、前記第1スイッチ装置と前記第2スイッチ装置との間に介在するように設置されている低電流通電経路(22c,22c1,22c2)と、
    を備える電池装置。
  2. 前記低電流通電経路(22c)は、前記電池に対して並列に接続された前記第1スイッチ装置と前記第2スイッチ装置との間に介在するように設置されている請求項1に記載の電池装置。
  3. 前記低電流通電経路(22c,22c1)は、電気負荷(19)に対して分岐する2つの前記主通電経路(111,112)のうち一方に配された前記第1スイッチ装置と、他方に配された前記第2スイッチ装置と、の間に介在するように設置されている請求項1に記載の電池装置。
  4. 前記低電流通電経路(22c,22c2)は、前記電池に対して並列に接続された前記第1スイッチ装置と前記第2スイッチ装置との間と、電気負荷(18)に対して並列に接続された前記第1スイッチ装置と前記第2スイッチ装置との間と、にそれぞれに設けられている請求項1に記載の電池装置。
  5. 前記低電流通電経路(22c,22c1,22c2)は、前記主通電経路から分岐する経路である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電池装置。
  6. 前記低電流通電経路は、前記第1スイッチ装置の端子と前記第2スイッチ装置の端子に接続されているバスバ(22)の一部であり、回路基板(2)に接続されている請求項5に記載の電池装置。
  7. 前記低電流通電経路は、前記主通電経路と回路基板(2)とに接続されているハーネスである請求項5に記載の電池装置。
  8. 熱伝導性を有する材質によって形成されている放熱部材であって、前記第1スイッチ装置の熱が移動可能なように前記第1スイッチ装置の外装部に直接または熱伝導性部材(5)を介して間接的に接触している第1放熱部材(6A)と、
    熱伝導性を有する材質によって形成されている放熱部材であって、前記第2スイッチ装置の熱が移動可能なように前記第2スイッチ装置の外装部に直接または熱伝導性部材(5)を介して間接的に接触している第2放熱部材(6B)と、
    備え、
    前記低電流通電経路は、前記第1放熱部材と前記第2放熱部材との間に介在するように設置されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電池装置。
  9. 熱伝導性を有する材質によって形成されている放熱部材であって、前記第1スイッチ装置の熱が移動可能なように前記第1スイッチ装置の外装部に直接または熱伝導性部材(5)を介して間接的に接触している第1放熱部材(6A)を備え、
    前記低電流通電経路は、前記第1放熱部材と前記第2スイッチ装置との間に介在するように設置されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電池装置。
  10. 熱伝導性を有する材質によって形成されている放熱部材であって、前記第2スイッチ装置の熱が移動可能なように前記第2スイッチ装置の外装部に直接または熱伝導性部材(5)を介して間接的に接触している第2放熱部材(6B)を備え、
    前記低電流通電経路は、前記第2放熱部材と前記第1スイッチ装置との間に介在するように設置されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電池装置。
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