以下、実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1~図6に基づいて本実施形態にかかる電池パック100、および、それを含む電源システム200を説明する。
<電源システムの概要>
電源システム200は車両に搭載される。電源システム200は車両に搭載された複数の車載機器と電池パック100とによって構成されている。車載機器の1つとして鉛蓄電池110がある。電池パック100は組電池10を有している。電源システム200はこれら鉛蓄電池110と組電池10とによって2電源システムを構築している。
他の車載機器としてエンジン140がある。電源システム200を搭載する車両は、所定の停止条件が満たされるとエンジン140を停止し、所定の始動条件が満たされるとエンジン140を再始動するアイドルストップ機能を有する。
図1に示すように電源システム200は、上記した鉛蓄電池110とエンジン140の他に、スタータモータ120、回転電機130、電気負荷150、上位ECU160、および、MGECU170を有する。鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれは、第1ワイヤハーネス210を介して電池パック100と電気的に接続されている。回転電機130は第2ワイヤハーネス220を介して電池パック100と電気的に接続されている。
上位ECU160とMGECU170は図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。同様にして、車両に搭載された他の各種ECUも図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。
以上に示したように電源システム200は、鉛蓄電池110と電池パック100(組電池10)の2つを電源とする2電源システムを構築している。
<電源システムの構成要素>
鉛蓄電池110は化学反応によって起電圧を生成する。鉛蓄電池110は組電池10よりも蓄電容量が多い。
スタータモータ120はエンジン140を始動する。スタータモータ120はエンジン140の始動時にエンジン140と機械的に連結される。スタータモータ120の回転によってエンジン140のクランクシャフトが回転される。エンジン140のクランクシャフトの回転数が所定回転数を超えると、燃料噴射弁から燃焼室に霧状の燃料が噴射される。この際に点火プラグで火花が生成される。これにより燃料が爆発し、エンジン140が自律回転し始める。このエンジン140の動力によって車両の推進力が得られる。エンジン140が自律回転し始めると、スタータモータ120とエンジン140との機械的な連結が解除される。
回転電機130は力行と発電を行う。回転電機130には図示しないインバータが接続されている。このインバータが第2ワイヤハーネス220に電気的に接続されている。
インバータは鉛蓄電池110および電池パック100の組電池10のうちの少なくとも一方から供給された直流電圧を交流電圧に変換する。この交流電圧が回転電機130に供給される。これにより回転電機130は力行する。
回転電機130はエンジン140と連結されている。回転電機130とエンジン140とは、ベルトなどを介して相互に回転エネルギーを伝達可能になっている。回転電機130の力行によって生じた回転エネルギーはエンジン140に伝達される。これによりエンジン140の回転が促進される。この結果、車両走行がアシストされる。上記したように電源システム200を搭載する車両はアイドルストップ機能を有する。回転電機130は車両走行のアシストだけではなく、エンジン140の再始動時においてクランクシャフトを回転させる機能も果たす。
回転電機130はエンジン140の回転エネルギー、および、車両の車輪の回転エネルギーの少なくとも一方によって発電する機能も有する。回転電機130は発電によって交流電圧を生成する。この交流電圧がインバータによって直流電圧に変換される。この直流電圧が、電池パック100、鉛蓄電池110、および、電気負荷150それぞれに供給される。
エンジン140は燃料を燃焼駆動することで車両の推進力を生成する。上記したようにエンジン140の始動時においては、スタータモータ120によってクランクシャフトが回転される。しかしながらアイドルストップによってエンジン140が一度停止した後に再び始動する際に、上記の所定の始動条件が満たされる場合、回転電機130によってクランクシャフトが回転される。
電気負荷150は一般負荷151と保護負荷152を有する。一般負荷151には、シートヒータ、送風ファン、電動コンプレッサ、ルームライト、および、ヘッドライトなどの供給電力が一定でなくともよい車載機器が含まれる。保護負荷152には、電動シフトポジション、電動パワーステアリング(EPS)、ブレーキ(ABS)、ドアロック、ナビゲーションシステム、および、オーディオなどの供給電力が一定であることが求められる車載機器が含まれる。ここに例示した保護負荷152は供給電圧がリセット閾値を下回るとオン状態からオフ状態へと切り換わる性質を有する。保護負荷152には一般負荷151よりも車両走行に関連性の高い車載機器が含まれる。
なお、上記した各種車載機器が一般負荷151と保護負荷152に含まれる構成は一例に過ぎない。車載システムの変更などに応じて、各種車載機器を一般負荷151と保護負荷152に適宜振り分けることができる。例えば一般負荷151にEPSやABSが含まれる構成を採用することができる。
上位ECU160とMGECU170は車両に搭載された各種ECUのうちの1つである。これら各種ECUはバス配線161を介して互いに電気的に接続され、車載ネットワークを構築している。各種ECUが協調制御することで、エンジン140の燃焼および回転電機130の力行や発電などが制御される。上位ECU160は電池パック100を制御する。MGECU170は回転電機130を制御する。
また図示しないが、電源システム200は、上記した各車載機器の他に、各種電圧や電流などの物理量、および、アクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブ開度などの車両情報を測定するためのセンサを有している。これら各種センサの検出した検出信号は、各種ECUに入力される。
なお、ECUはelectronic control unitの略である。ECUは、少なくとも1つの演算処理装置(CPU)と、プログラムおよびデータを記憶する記憶媒体としての少なくとも1つのメモリ装置(MMR)と、を有する。ECUはコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体はコンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供され得る。
<電池パックの概要>
図1に示すように電池パック100は、組電池10、回路基板20、スイッチ30、センサ部40、および、給電バスバー50を有する。また図2に示すように電池パック100はバスバーケース60とパックケース90を有する。
組電池10は鉛蓄電池110よりも体格が小さく、重量も軽くなっている。組電池10は鉛蓄電池110よりもエネルギー密度が高い性質を有する。
回路基板20は配線基板21とBMU22を有する。配線基板21にはスイッチ30の一部とBMU22が搭載されている。そして配線基板21にはスイッチ30の残りと組電池10とが給電バスバー50を介して電気的に接続されている。これにより電池パック100の電気回路が構成されている。この電気回路にセンサ部40が絶縁電線などを介して電気的に接続されている。
電池パック100の電気回路は図1において二重丸で示す外部接続端子と電気的に接続されている。この外部接続端子としては、第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第3外部接続端子100c、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eがある。
第1外部接続端子100a、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eは第1ワイヤハーネス210を介して鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。第2外部接続端子100bは第2ワイヤハーネス220を介して回転電機130と電気的に接続されている。第3外部接続端子100cは車両のボディにボルト止めされている。この第3外部接続端子100cに挿入されるボルトが、電池パック100と車両のボディとを接続する機能を果たす。これにより電池パック100はボディアースされている。
なお図1に示すように第1ワイヤハーネス210は、鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、一般負荷151を接続するものと、保護負荷152を接続するものとに分けられている。この鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、一般負荷151を接続する第1ワイヤハーネス210の端部は二又に分かれている。二又に分かれた端部の一方が第1外部接続端子100aに接続され、他方が第5外部接続端子100eに接続される。保護負荷152を接続する第1ワイヤハーネス210の端部は第4外部接続端子100dに接続される。
パックケース90は筐体91とカバー92を有する。この筐体91とカバー92とによって収納空間が構成されている。この収納空間に、組電池10、回路基板20、スイッチ30、センサ部40、給電バスバー50、および、バスバーケース60それぞれが収納されている。
<電池パックの構成要素>
次に、電池パック100の構成要素を個別に説明する。それにあたって、以下においては互いに直交の関係にある3方向を、横方向、縦方向、および、高さ方向と示す。横方向は車両の左右方向に沿っている。高さ方向は車両の天地方向に沿っている。車両が水平面に停車している場合、高さ方向は鉛直方向に沿う。横方向と縦方向は水平方向に沿う。
組電池10は複数の直列接続された電池セルと、これら電池セルを収納する電池ケース11と、を有する。これら電池セルは具体的にはリチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は化学反応によって起電圧を生成する。起電圧の生成により電池セルに電流が流れる。これにより電池セルは発熱してガスを発生する。そのために電池セルは膨張する。なお電池セルとしては上記例に限定されない。例えば電池セルとしては、ニッケル水素二次電池、有機ラジカル電池などの二次電池を採用することができる。組電池10が電池に相当する。
電池セルは直方体形状を成している。電池セルは高さ方向に面する2つの主面を有する。この2つの主面は他の4面よりも面積が広くなっている。そして2つの主面間の長さ(厚さ)が薄くなっている。このように電池セルは高さ方向の厚さの薄い扁平形状を成している。
本実施形態の組電池10は5つの電池セルを有する。これら5つの電池セルのうちの3つが高さ方向に積層配置されて第1電池スタックを構成している。そして残り2つの電池セルが高さ方向に積層配置されて第2電池スタックを構成している。これら2つの電池スタックは横方向に並んでいる。これら5つの電池セルの配置が電池ケース11によって保持されている。
電池ケース11は樹脂から成る本体部と、本体部に設けられる接続端子と、を有する。接続端子としては、5つの電池セルを直列接続する直列接続端子がある。これら直列接続端と対応する電池セルの電極端子とを接触させ、その接触状態で両者を溶接接合する。これにより5つの電池セルが直列接続される。
また接続端子としては、上記の直列接続端子の他に、5つの直列接続された電池セルのうちの最高電位に位置する電池セルの正極端子と接続される出力端子12と、最低電位に位置する電池セルの負極端子と接続される接地端子13と、がある。この出力端子12は最高電位の電池セルの正極端子と溶接接合される。接地端子13は最低電位の電池セルの負極端子と溶接接合される。
電池ケース11にはボルト11bを通すための孔11aが形成されている。パックケース90の筐体91にはボルト11bを締結するためのボルト孔91aが形成されている。これらの孔11aとボルト孔91aにボルト11bを通し、ボルト11bをボルト孔91aに締結する。これにより電池ケース11が筐体91に固定される。
また電池ケース11は図2に示す拘束プレート96によっても筐体91に固定される。拘束プレート96は高さ方向において組電池10を介して筐体91と対向している。拘束プレート96にはボルト96aを通すための切欠きが形成されている。筐体91にはボルト96aを締結するためのボルト孔91bが形成されている。この切欠きとボルト孔91bにボルト96aを通し、ボルト96aをボルト孔91bに締結する。これにより拘束プレート96が筐体91に固定される。この拘束プレート96によって、電池セルの膨張に起因する電池ケース11の膨張が抑制される。
上記したように回路基板20は配線基板21とBMU22を有する。配線基板21は絶縁基板に導電材料からなる配線パターンの形成されたプリント基板である。絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に、配線パターンとして第1給電線23、第2給電線24、および、第3給電線25が形成されている。
配線基板21はボルトなどを介して筐体91に固定される。配線基板21(回路基板20)は高さ方向において電池ケース11とカバー92との間に設けられる。また配線基板21は横方向において最高電位の電池セルと並んで設けられる。すなわち配線基板21は第1電池スタックの最もカバー92側に位置する電池セルと横方向において並んで設けられる。
配線基板21には配線パターンと電気的に接続される端子が形成されている。この端子としては、第1内部端子26a、第2内部端子26b、第3内部端子26c、および、第4内部端子26dがある。また配線基板21には上記の第5外部接続端子100eが設けられている。第5外部接続端子100eはコネクタである。この第5外部接続端子100eも配線パターンと電気的に接続されている。これら配線パターンと内部端子および第5外部接続端子100eそれぞれの電気的な接続の説明は、後の電池パック100の回路構成の説明の際に行う。
スイッチ30は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33、第4スイッチ34、第5スイッチ35、および、第6スイッチ36を有する。第1スイッチ31と第2スイッチ32は筐体91に搭載される。第3スイッチ33と第4スイッチ34、および、第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれは配線基板21に搭載される。
第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれは半導体スイッチを有する。この半導体スイッチは具体的にはNチャネル型MOSFETである。したがって第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれはハイレベルの制御信号の入力によって閉状態になる。第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれはローレベルの制御信号の入力によって開状態になる。
この第1スイッチ31~第4スイッチ34の有する半導体スイッチとしてはIGBTなどを採用することもできる。この場合、IGBTにはダイオードが並列接続される。
第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはメカニカルリレーである。詳しく言えば第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはノーマリクローズ式の電磁リレーである。したがって第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはハイレベルの制御信号の入力によって開状態になる。第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはローレベルの制御信号の入力によって閉状態になる。換言すれば、第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはハイレベルの制御信号の入力が途絶えると閉状態になる。
第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれは、2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する。これら2つのMOSFETはソース電極同士が連結されている。2つのMOSFETのゲート電極は電気的に独立している。MOSFETは寄生ダイオードを有する。2つのMOSFETの寄生ダイオードは互いにアノード電極同士が連結されている。上記のゲート電極は回路基板20と電気的に接続される。
第1スイッチ31と第2スイッチ32は複数の開閉部を有する。複数の開閉部は並列接続されている。複数の開閉部それぞれのソース電極は互いに電気的に接続されている。
第3スイッチ33は1つの開閉部を有する。第4スイッチ34は複数の開閉部を有する。第4スイッチ34の有する複数の開閉部は直列接続されている。
図1では第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの並列接続された開閉部を2つ示している。第4スイッチ34の有する直列接続された開閉部を2つ示している。これら開閉部の数は電流量や冗長性などに応じて適宜定めることができる。
第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれは開閉部を被覆する樹脂部を有する。この樹脂部は直方体形状を成している。樹脂部は最も面積の広い2つの主面の間の長さ(厚さ)の薄い扁平形状を成している。第1スイッチ31と第2スイッチ32の形状については、後で詳説する。
上記したように電気回路にセンサ部40が電気的に接続されている。このセンサ部40は、組電池10とスイッチ30それぞれの状態を検出するセンサ素子を有する。センサ部40はセンサ素子として、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する。
センサ部40は組電池10の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれを組電池10の状態信号としてBMU22に出力する。またセンサ部40はスイッチ30の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをスイッチ30の状態信号としてBMU22に出力する。
なおセンサ部40は上記の各種センサの他に水没センサを有する。この水没センサは2つの対向電極を有する。2つの対向電極の間に水があると、2つの対向電極が通電する。それによって2つの対向電極間の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化が状態信号としてBMU22に入力される。BMU22は抵抗値の変化が所定時間継続されるか否かに基づいて、電池パック100の水没を検出する。
BMU22はセンサ部40の状態信号、および、上位ECU160からの指令信号の少なくとも一方に基づいてスイッチ30を制御する。BMUはbattery management unitの略である。
上記したように第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれは複数の半導体スイッチを有する。例えば第1スイッチ31の開閉を制御する場合、BMU22は第1スイッチ31の有する全ての半導体スイッチを同時に閉状態、若しくは、同時に開状態に制御する。すなわちBMU22は、第1スイッチ31の有する全ての半導体スイッチのゲート電極にハイレベルの制御信号、若しくは、ローレベルの制御信号を同時に入力する。
なおBMU22は、半導体スイッチを閉状態にする期間において、ハイレベルの制御信号を間断的に出力することで半導体スイッチの閉時間を調整してもよい。簡単に言えば、BMU22は半導体スイッチをパルス幅制御してもよい。
BMU22はセンサ部40の状態信号に基づいて組電池10の充電状態(SOC)やスイッチ30の異常を判定する。SOCはstate of chargeの略である。BMU22はこれらSOCや異常を判定した信号(判定情報)を上位ECU160に出力する。
上位ECU160はBMU22から入力された判定情報、および、他の各種ECUから入力された車両情報に基づいてスイッチ30の制御を決定する。そして上位ECU160はその決定したスイッチ30の制御を含む指令信号をBMU22に出力する。
BMU22は上位ECU160からの指令信号に基づいてスイッチ30を制御する。ただしBMU22は、水没センサの状態信号により電池パック100が水没したと判断した場合、スイッチ30への制御信号の出力の停止を独断で実行する。これにより組電池10の電気的な接続が遮断される。
またBMU22は、動作保障温度程度までスイッチ30の温度が上昇したと判断すると、スイッチ30の駆動を制限する。例えばスイッチ30の半導体スイッチをパルス幅制御していた場合、BMU22はそのオンデューティ比を低める。これにより半導体スイッチの通電時間が短くなる。この結果、半導体スイッチの発熱が抑制される。
給電バスバー50はアルミニウムや銅などの導電材料から成る。給電バスバー50は例えば以下に列挙する方法で製造することができる。給電バスバー50は1枚の平板を屈曲加工することで製造することができる。給電バスバー50は複数の平板が一体的に連結されることで製造することができる。給電バスバー50は複数の平板を溶接することで製造することができる。給電バスバー50は鋳型に溶融状態の導電材料を流し込むことで製造することができる。以上に列挙した製造方法とは異なる製造方法によっても給電バスバー50を製造することができる。給電バスバー50の製造方法としては特に限定されない。
電池パック100は給電バスバー50として、第1給電バスバー51、第2給電バスバー52、第3給電バスバー53、および、第4給電バスバー54を有する。これら複数の給電バスバーによって回路基板20と組電池10、および、回路基板20と外部接続端子とが電気的に接続されている。図1ではこれら給電バスバーそれぞれを配線基板21の給電線よりも太くして図示している。
バスバーケース60は給電バスバー50とともにバスバーモジュール80を構成している。バスバーケース60は絶縁性の樹脂によって形成される。バスバーケース60に第1給電バスバー51~第3給電バスバー53が収納される。バスバーケース60はボルトなどによって筐体91に固定される。
上記したようにパックケース90は筐体91とカバー92を有する。筐体91はアルミダイカストで製造することができる。また筐体91は鉄やステンレスをプレス加工することによっても製造することができる。筐体91は配線基板21よりも伝熱性能が高くなっている。したがって筐体91は配線基板21よりも放熱性が高くなっている。
筐体91は、底壁93と、底壁93の内底面93aから環状に起立した側壁94と、を有する。環状の側壁94によって開口部が構成されている。この開口部がカバー92によって覆われる。これにより収納空間が構成される。カバー92は樹脂製若しくは金属製である。
図示しないが、底壁93には第3外部接続端子100cに相当する孔が形成されている。また底壁93には車両のボディと連結するためのフランジ95が連結されている。このフランジ95と車両のボディとがボルトを介して機械的および熱的に連結される。これにより電池パック100が車両に固定される。
図2に示すように底壁93には高さ方向においてカバー92側に局所的に突起した第1放熱部97と第2放熱部98が形成されている。第1放熱部97と第2放熱部98は内底面93a上で直方体形状を成している。
第1放熱部97は高さ方向に面する第1放熱面97aを有する。この第1放熱面97aに第1スイッチ31が第1放熱シート31aを介して設けられる。第1スイッチ31と第1放熱部97との間で第1放熱シート31aが挟持される態様で、第1スイッチ31が第1放熱部97にボルト99によって固定される。
同様にして第2放熱部98は高さ方向に面する第2放熱面98aを有する。この第2放熱面98aに第2スイッチ32が第2放熱シート32aを介して設けられる。第2スイッチ32と第2放熱部98との間で第2放熱シート32aが挟持される態様で、第2スイッチ32が第2放熱部98にボルト99によって固定される。
なお第1放熱面97aと第2放熱面98aの高さ方向の位置は等しくなっている。そのために第1放熱面97aと第2放熱面98aは横方向に並んでいる。第1放熱面97aに搭載される第1スイッチ31と第2放熱面98aに搭載される第2スイッチ32は横方向で並んでいる。
本実施形態のパックケース90(電池パック100)は車両の座席下方に設けられる。しかしながら電池パック100の配置としてはこれに限定されない。電池パック100は、例えば後部座席とトランクルームとの間の空間、および、運転席と助手席の間の空間などに配置することもできる。
<電池パックの回路構成>
次に、電池パック100の回路構成を説明する。以下に示す各給電バスバーと各スイッチとの接続はTIG溶接によって行われる。各給電バスバーと外部接続端子との接続はボルト締めによって行われる。そして各給電バスバーと回路基板20との接続はろう接によって行われる。なお、各給電バスバーと各スイッチとはレーザ溶接によって接続してもよい。
図1に示すように第1外部接続端子100aと第1スイッチ31の一端とが第1給電バスバー51を介して電気的に接続されている。第1給電バスバー51から一部が分岐している。この第1給電バスバー51の分岐部位51aが配線基板21の第1内部端子26aと電気的に接続されている。
第1スイッチ31の他端と第2外部接続端子100bとが第2給電バスバー52を介して電気的に接続されている。第2給電バスバー52から一部が分岐している。この第2給電バスバー52の分岐部位52aが第2スイッチ32の一端と電気的に接続されている。
また第2給電バスバー52における第1スイッチ31の他端と分岐部位52aとの連結部位との間から一部が分岐している。この分岐部位52bが配線基板21の第4内部端子26dと電気的に接続されている。
第2スイッチ32の他端と組電池10の正極とが第3給電バスバー53を介して電気的に接続されている。第3給電バスバー53から一部が分岐している。この第3給電バスバー53の分岐部位53aが配線基板21の第2内部端子26bと電気的に接続されている。なお組電池10の負極は第3外部接続端子100cと電気的に接続されている。
配線基板21の第1内部端子26aと第2内部端子26bとは第1給電線23を介して電気的に接続されている。この第1給電線23に、第1内部端子26aから第2内部端子26bに向かって順に第3スイッチ33と第4スイッチ34とが直列接続されている。
配線基板21の第3内部端子26cと第4内部端子26dとは第2給電線24を介して電気的に接続されている。そして第3内部端子26cは第4給電バスバー54を介して第4外部接続端子100dと電気的に接続されている。
第2給電線24には第6スイッチ36が設けられている。そして第2給電線24における第3内部端子26cと第6スイッチ36との間の中点が、第1給電線23における第3スイッチ33と第4スイッチ34との間の中点と連結されている。これにより第6スイッチ36は第3スイッチ33と並列接続されている。
また第2給電線24における第4内部端子26dと第6スイッチ36との間の中点が、第3給電線25を介して第5外部接続端子100eと電気的に接続されている。この第3給電線25に第5スイッチ35が設けられている。これにより第5スイッチ35は第1スイッチ31と並列接続されている。
以上により、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第4スイッチ34、および、第3スイッチ33が順に環状に接続されている。第1スイッチ31と第2スイッチ32の中点が第2外部接続端子100bに接続されている。第2スイッチ32と第4スイッチ34の中点が組電池10に接続されている。第4スイッチ34と第3スイッチ33の中点が第4外部接続端子100dに接続されている。第3スイッチ33と第1スイッチ31の中点が第1外部接続端子100aに接続されている。
また、第1スイッチ31と第2スイッチ32の中点が第6スイッチ36を介して第4スイッチ34と第3スイッチ33の中点に接続されている。第1スイッチ31と第2スイッチ32との中点が第5スイッチ35を介して第5外部接続端子100eに接続されている。
以上の電気的な接続構成により、第1スイッチ31を開閉制御することで第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第1スイッチ31を開閉制御することで鉛蓄電池110と回転電機130との電気的な接続が制御される。
第2スイッチ32を開閉制御することで第2外部接続端子100bと組電池10との電気的な接続が制御される。換言すれば、第2スイッチ32を開閉制御することで回転電機130と組電池10との電気的な接続が制御される。
第4スイッチ34を開閉制御することで第2内部端子26bと第3内部端子26cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第4スイッチ34を開閉制御することで組電池10と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
第3スイッチ33を開閉制御することで第1内部端子26aと第3内部端子26cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第3スイッチ33を開閉制御することで鉛蓄電池110と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
また、第6スイッチ36を開閉制御することで第4内部端子26dと第3内部端子26cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第6スイッチ36を開閉制御することで回転電機130と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
第5スイッチ35を開閉制御することで第4内部端子26dと第5外部接続端子100eとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第5スイッチ35を開閉制御することで回転電機130と鉛蓄電池110との電気的な接続が制御される。
さらに言えば、第5スイッチ35と第6スイッチ36を同時に開閉制御することで第3内部端子26cと第5外部接続端子100eとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第5スイッチ35と第6スイッチ36を同時に開閉制御することで保護負荷152と鉛蓄電池110との電気的な接続が制御される。
以上に示したように、第1スイッチ31~第6スイッチ36それぞれの接続対象は異なる。そのために第1スイッチ31~第6スイッチ36それぞれの通電量は異なっている。第1スイッチ31~第6スイッチ36それぞれの発熱量は異なっている。
特に、第1スイッチ31と第2スイッチ32は回転電機130と電気的に接続される。そのために第1スイッチ31と第2スイッチ32は他の4つのスイッチに比べて通電量が多く、その発熱量が高くなっている。したがってこれら第1スイッチ31と第2スイッチ32の温度上昇を抑制する必要がある。
なお、第5スイッチ35と第6スイッチ36も回転電機130と電気的に接続される。しかしながら、第1スイッチ31~第4スイッチ34は車両の駆動時に開閉制御されるのに対して、第5スイッチ35と第6スイッチ36は例えば車両の駐停車時などの電源システム200の通電量の低い時に閉状態になる。そのために第5スイッチ35と第6スイッチ36は他の4つのスイッチに比べて発熱量が低くなっている。
<第1スイッチと第2スイッチ>
上記したように第1スイッチ31と第2スイッチ32はそれぞれ2つの開閉部を有する。以下においては第1スイッチ31の有する2つの開閉部を第1開閉部70aおよび第2開閉部70bと示す。第2スイッチ32の有する2つの開閉部を第3開閉部70cおよび第4開閉部70dと示す。
なお、第1開閉部70aと第2開閉部70bは同一構成である。第3開閉部70cと第4開閉部70dは同一構成である。そして第1開閉部70aおよび第2開閉部70bと、第3開閉部70cおよび第4開閉部70dとの構成上の相違は、以下に示すように接続端子の形状だけである。この接続端子の形状の相違は、曲げ加工の調整によって実現される。
上記したように開閉部は直列接続された2つのMOSFETを有する。この2つのMOSFETの他に、開閉部は以下に示す構成要素を有する。
図2および図3に示すように第1開閉部70aと第2開閉部70bは、2つのMOSFETを被覆する第1樹脂部72を有する。第1開閉部70aと第2開閉部70bは、2つのMOSFETのうちの一方のドレイン端子に一端の接続される第1接続端子73と、他方のドレイン端子に一端の接続される第2接続端子74と、を有する。また第1開閉部70aと第2開閉部70bは、2つのMOSFETのゲート電極に一端の接続される第1制御端子75を有する。これら第1接続端子73、第2接続端子74、および、第1制御端子75それぞれの一端側が第1樹脂部72によって被覆されている。そしてこれら3つの端子の他端側が第1樹脂部72の外に露出されている。
この第1樹脂部72の外に露出された第1接続端子73の他端側は第1給電バスバー51に接続される。第2接続端子74の他端側は第2給電バスバー52に接続される。第1制御端子75の他端側は回路基板20に接続される。以下においては説明が煩雑となることを避けるために、これら3つの端子の第1樹脂部72の外に露出された部位を、単に、第1接続端子73、第2接続端子74、第1制御端子75と示す。
第3開閉部70cと第4開閉部70dは、2つのMOSFETを被覆する第2樹脂部76を有する。第3開閉部70cと第4開閉部70dは、2つのMOSFETのうちの一方のドレイン端子に一端の接続される第3接続端子77と、他方のドレイン端子に一端の接続される第4接続端子78と、を有する。また第3開閉部70cと第4開閉部70dは、2つのMOSFETのゲート電極に一端の接続される第2制御端子79を有する。これら第3接続端子77、第4接続端子78、および、第2制御端子79それぞれの一端側が第2樹脂部76によって被覆されている。そしてこれら3つの端子の他端側が第2樹脂部76の外に露出されている。
この第2樹脂部76の外に露出された第3接続端子77の他端側は第2給電バスバー52に接続される。第4接続端子78の他端側は第3給電バスバー53に接続される。第2制御端子79の他端側は回路基板20に接続される。以下においては説明が煩雑となることを避けるために、これら3つの端子の第2樹脂部76の外に露出された部位を、単に、第3接続端子77、第4接続端子78、第2制御端子79と示す。
第1樹脂部72と第2樹脂部76はそれぞれ高さ方向の厚さの薄い扁平形状を成している。第1樹脂部72と第2樹脂部76はそれぞれ高さ方向に面する2つの主面を有する。第1樹脂部72と第2樹脂部76それぞれには、2つの主面を高さ方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔に上記のボルト99が通される。第1樹脂部72と第2樹脂部76は本体部に相当する。
また第1樹脂部72は縦方向に面する2つの側面を有する。第1樹脂部72の有する2つの側面のうちの一方の第1側面72aから第1接続端子73と第2接続端子74が外に飛び出している。2つの側面のうちの他方の第2側面から第1制御端子75が外に飛び出している。
第1接続端子73と第2接続端子74は、第1放熱部97から第2放熱部98に向かって横方向に順に並んでいる。そして第1接続端子73と第2接続端子74は第1側面72aから離間する態様で縦方向に延びた後、回路基板20側に向かう態様で高さ方向に延びている。第1制御端子75は第2側面から離間する態様で縦方向に延びた後、回路基板20に向かって高さ方向に延びている。このように第1接続端子73、第2接続端子74、および、第1制御端子75それぞれは第1樹脂部72から離間する態様で縦方向に延びた後、回路基板20側に高さ方向に沿って延びている。換言すれば、第1接続端子73、第2接続端子74、および、第1制御端子75それぞれは第1樹脂部72から離間する態様で縦方向に延びた後、第1放熱部97から離間する態様で高さ方向に延びている。
同様にして、第2樹脂部76は縦方向に面する2つの側面を有する。第2樹脂部76の有する2つの側面のうちの一方の第3側面76aから第3接続端子77と第4接続端子78が外に飛び出している。2つの側面のうちの他方の第4側面から第2制御端子79が外に飛び出している。
第3接続端子77と第4接続端子78は、第1放熱部97から第2放熱部98に向かって横方向に順に並んでいる。そして第3接続端子77と第4接続端子78は第3側面76aから離間する態様で縦方向に延びた後、回路基板20側に向かう態様で高さ方向に延びている。第2制御端子79は第4側面から離間する態様で縦方向に延びた後、回路基板20に向かって高さ方向に延びている。このように第3接続端子77、第4接続端子78、および、第2制御端子79それぞれは第2樹脂部76から離間する態様で縦方向に延びた後、回路基板20側に高さ方向に沿って延びている。換言すれば、第3接続端子77、第4接続端子78、および、第2制御端子79それぞれは第2樹脂部76から離間する態様で縦方向に延びた後、第2放熱部98から離間する態様で高さ方向に延びている。
上記したように第1スイッチ31は第1放熱面97aに固定される。この固定状態において、第1スイッチ31の有する第1開閉部70aと第2開閉部70bが横方向に並んでいる。第1開閉部70aの有する第1制御端子75と、第2開閉部70bの有する第1制御端子75とが横方向で対向する態様で並んでいる。同様にして、第1開閉部70aの有する2つの接続端子と、第2開閉部70bの有する2つの接続端子とが横方向で対向する態様で並んでいる。4つの接続端子は、第1接続端子73、第2接続端子74、第1接続端子73、第2接続端子74の順で横方向に並んでいる。このように第1接続端子73と第2接続端子74が交互に横方向に並んでいる。
同様にして、第2スイッチ32は第2放熱面98aに固定される。この固定状態において、第2スイッチ32の有する2つの第3開閉部70cと第4開閉部70dが横方向に並んでいる。第3開閉部70cの有する第2制御端子79と、第4開閉部70dの有する第2制御端子79とが横方向で対向する態様で並んでいる。第3開閉部70cの有する2つの接続端子と、第4開閉部70dの有する2つの接続端子とが横方向で対向する態様で並んでいる。4つの接続端子は、第3接続端子77、第4接続端子78、第3接続端子77、第4接続端子78の順で横方向に並んでいる。このように第3接続端子77と第4接続端子78が交互に横方向に並んでいる。
また、放熱面に固定された状態において、第1スイッチ31と第2スイッチ32は横方向に並んでいる。第1開閉部70a、第2開閉部70b、第3開閉部70c、および、第4開閉部70dの順で横方向に並んでいる。第1制御端子75と第2制御端子79が横方向に並んでいる。第1接続端子73および第2接続端子74と、第3接続端子77および第4接続端子78が横方向に並んでいる。第1スイッチ31の有する4つの接続端子と、第2スイッチ32の有する4つの接続端子とが横方向に並んでいる。
なお、第1接続端子73と第2接続端子74の突出する第1樹脂部72の第1側面72aと、第3接続端子77と第4接続端子78の突出する第2樹脂部76の第3側面76aの縦方向の位置が一致している。そのために第1接続端子73と第2接続端子74の第1側面72aから縦方向に延び始める位置と、第3接続端子77と第4接続端子78の第3側面76aから縦方向に延び始める位置とが、縦方向で一致している。
<接続端子の形状>
次に、第1接続端子73と第2接続端子74、および、第3接続端子77と第4接続端子78の形状を図4および図6に基づいて説明する。
第1接続端子73は、第1側面72aから縦方向に延びる第1腕部73aと、第1腕部73aの先端から屈曲して高さ方向に延びる第1端子部73bと、を有する。同様にして第2接続端子74は、第1側面72aから縦方向に延びる第2腕部74aと、第2腕部74aの先端から屈曲して高さ方向に延びる第2端子部74bと、を有する。第1端子部73bと第2端子部74bは第1スイッチ31の搭載される第1放熱部97から離間する態様で高さ方向に延びている。縦方向が第1離間方向に相当する。高さ方向が第2離間方向に相当する。
第1腕部73aと第2腕部74aの縦方向の長さが異なっている。本実施形態では第1腕部73aが第2腕部74aよりも縦方向の長さが短くなっている。そのために第2腕部74aの一部が第1腕部73aと横方向で離間して対向している。第1腕部73aの先端と第2腕部74aの先端の縦方向の位置が異なっている。第1腕部73aの先端から高さ方向に延びた第1端子部73bと、第2腕部74aの先端から高さ方向に延びた第2端子部74bとが縦方向で離間している。第1端子部73bと第2端子部74bは、それぞれの端子部の縦方向の長さ(肉厚)よりも離間している。そのために第1端子部73bと第2端子部74bは横方向で非対向となっている。
同様にして、第3接続端子77は、第3側面76aから縦方向に延びる第3腕部77aと、第3腕部77aの先端から屈曲して高さ方向に延びる第3端子部77bと、を有する。第4接続端子78は、第3側面76aから縦方向に延びる第4腕部78aと、第4腕部78aの先端から屈曲して高さ方向に延びる第4端子部78bと、を有する。第3端子部77bと第4端子部78bは第2スイッチ32の搭載される第2放熱部98から離間する態様で高さ方向に延びている。
第3腕部77aと第4腕部78aの縦方向の長さが異なっている。本実施形態では第4腕部78aが第3腕部77aよりも縦方向の長さが短くなっている。そのために第3腕部77aの一部が第4腕部78aと横方向で離間して対向している。第3腕部77aの先端と第4腕部78aの先端の縦方向の位置が異なっている。第3腕部77aの先端から高さ方向に延びた第3端子部77bと、第4腕部78aの先端から高さ方向に延びた第4端子部78bとが縦方向で離間している。第3端子部77bと第4端子部78bは、それぞれの端子部の縦方向の長さ(肉厚)よりも離間している。そのために第3端子部77bと第4端子部78bは横方向で非対向となっている。
本実施形態では、第1腕部73aと第4腕部78aの縦方向の長さが等しくなっている。そのために2つの第1腕部73aの先端と、2つの第4腕部78aの先端の縦方向の位置が等しくなっている。2つの第1端子部73bと、2つの第4端子部78bの縦方向の位置が等しくなっている。2つの第1端子部73bと、2つの第4端子部78bが横方向で離間して並んでいる。
また、第2腕部74aと第3腕部77aの縦方向の長さが等しくなっている。そのために2つの第2腕部74aの先端と、2つの第3腕部77aの先端の縦方向の位置が等しくなっている。2つの第2端子部74bと、2つの第3端子部77bの縦方向の位置が等しくなっている。2つの第2端子部74bと、2つの第3端子部77bが横方向で離間して並んでいる。
なお、図4に示すように第1開閉部70aの第2腕部74aと第2開閉部70bの第1腕部73aとが横方向で離間して並んでいる。この第2腕部74aと第1腕部73aの横方向の離間距離は、第2端子部74bおよび第1端子部73bの高さ方向の長さよりも長くなっている。
同様にして、第3開閉部70cの第4腕部78aと第4開閉部70dの第3腕部77aとが横方向で離間して並んでいる。この第4腕部78aと第3腕部77aの横方向の離間距離は、第4端子部78bおよび第3端子部77bの高さ方向の長さよりも長くなっている。
また、第2開閉部70bの第2端子部74bと第3開閉部70cの第3端子部77bが横方向で離間して並んでいる。この第2端子部74bと第3端子部77bの横方向の離間距離は、第2端子部74bと第3端子部77bの高さ方向の長さよりも長くなっている。以上に示したように横方向で隣り合って並ぶ2つの開閉部の接続端子の横方向での離間距離は、端子部の高さ方向の長さよりも長くなっている。
<バスバーモジュール>
上記したようにバスバーモジュール80は給電バスバー50とバスバーケース60を有する。図3において分解して示すように、バスバーケース60には第1給電バスバー51~第3給電バスバー53が収納される。
<給電バスバー>
以下、第1給電バスバー51~第3給電バスバー53の形状を図5に基づいて説明する。なお以下においては、説明を簡素化するために、各給電バスバーにおける配線基板21との接続部位の説明を省略する。すなわち図1に示す分岐部位51a、分岐部位52b、および、分岐部位53aそれぞれの説明を省略する。図5において、これら分岐部位に相当する部位に符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5に示すように第1給電バスバー51~第3給電バスバー53それぞれは厚さの薄い板を屈曲した形状を成している。第1給電バスバー51と第2給電バスバー52は第1スイッチ31を介して接続される。第2給電バスバー52と第3給電バスバー53は第2スイッチ32を介して接続される。
第1給電バスバー51は、第1平板部55a、第1連結部55b、第1延長部55c、第1接続部55d、および、第2接続部55eを有する。第1平板部55aと第1延長部55cは第1連結部55bを介して一体的に連結されている。第1接続部55dと第2接続部55eは第1延長部55cに一体的に連結されている。第1平板部55aは第1外部接続端子100aの一部を構成している。
第1平板部55aは高さ方向の厚さが薄く、第1連結部55bから離れるように横方向に延びている。第1連結部55bは横方向の厚さが薄く、縦方向に延びている。第1延長部55c、第1接続部55d、および、第2接続部55eそれぞれは縦方向の厚さが薄くなっている。第1延長部55cは第1平板部55aから離れる態様で、第1連結部55bから横方向に延びている。第1接続部55dと第2接続部55eは第1延長部55cから回路基板20側へと高さ方向に延びている。
第2給電バスバー52は、第2平板部56a、第2連結部56b、第2延長部56c、第3接続部56d、および、第4接続部56eを有する。また第2給電バスバー52は、第3連結部56f、第3延長部56g、第5接続部56h、および、第6接続部56iを有する。
第2平板部56aと第2延長部56cは第2連結部56bを介して一体的に連結されている。第3接続部56dと第4接続部56eは第2延長部56cに一体的に連結されている。そして、第2延長部56cと第3延長部56gは第3連結部56fを介して一体的に連結されている。第5接続部56hと第6接続部56iは第3延長部56gに一体的に連結されている。第2平板部56aは第2外部接続端子100bの一部を構成している。
第2平板部56aは高さ方向の厚さが薄く、第2連結部56bから離れるように横方向に延びている。第2連結部56bは横方向の厚さが薄く、縦方向に延びている。第2延長部56c、第3接続部56d、および、第4接続部56eそれぞれは縦方向の厚さが薄くなっている。第2延長部56cは第2平板部56aから離れる態様で、第2連結部56bから横方向に延びている。第3接続部56dと第4接続部56eは第2延長部56cから回路基板20側へと高さ方向に延びている。
第3連結部56fは縦方向において第2延長部56cから組電池10側へと延びた後、組電池10から離れるように戻って延び、第3延長部56gと一体的に連結されている。第3延長部56g、第5接続部56h、および、第6接続部56iそれぞれは縦方向の厚さが薄くなっている。第3延長部56gは第2延長部56cから離れる態様で、第3連結部56fから横方向に延びている。第5接続部56hと第6接続部56iは第3延長部56gから回路基板20側へと高さ方向に延びている。
第3給電バスバー53は、第3平板部57a、第4延長部57b、第7接続部57c、および、第8接続部57dを有する。第3平板部57aと第4延長部57bは一体的に連結されている。第7接続部57cと第8接続部57dは第4延長部57bに一体的に連結されている。第3平板部57aは組電池10の出力端子12と接続される。
第3平板部57aは高さ方向の厚さが薄く、第4延長部57bから離れるように縦方向に延びている。第4延長部57bは縦方向の厚さが薄く、横方向に延びている。第7接続部57cと第8接続部57dそれぞれは縦方向の厚さが薄く、第4延長部57bから回路基板20側へと高さ方向に延びている。
図5では、第1給電バスバー51~第3給電バスバー53それぞれの一部を重ねて図示している。これは、これら3つの給電バスバーがバスバーケース60に収納された際の位置関係を示している。このようにバスバーケース60に収納された状態において、第1平板部55aと第2平板部56aは縦方向で離間して並んでいる。第1延長部55cと第2延長部56cは縦方向で離間して並んでいる。第3延長部56gと第4延長部57bは縦方向で離間して並んでいる。
なお給電バスバーがバスバーケース60に収納された状態において、第1延長部55cと第2延長部56cとの間、および、第3延長部56gと第4延長部57bとの間それぞれにバスバーケース60の一部が位置している。これにより第1延長部55cと第2延長部56cとの接触、および、第3延長部56gと第4延長部57bとの接触が抑制されている。
また、縦方向における第1延長部55cと第2延長部56cとの離間距離と、第3延長部56gと第4延長部57bとの離間距離とが等しくなっている。第1延長部55cと第4延長部57bとが横方向で離間して並んでいる。第2延長部56cと第3延長部56gとが横方向で離間して並んでいる。以上に示したように、縦方向の厚さの薄い3つの本体部のうちの2つが縦方向に並ぶ構成となっている。
パックケース90内において、第1延長部55cと第2延長部56cは第1スイッチ31を介して組電池10と縦方向で並んでいる。第3延長部56gと第4延長部57bは第2スイッチ32を介して組電池10と縦方向で並んでいる。このように第1給電バスバー51~第3給電バスバー53の有する3つの延長部のうちの2つが1つのスイッチを介して組電池10と縦方向で並んでいる。
上記したように第1延長部55cと第2延長部56cとが縦方向で離間している。そのために第1延長部55cに一体的に連結された第1接続部55dおよび第2接続部55eと、第2延長部56cに一体的に連結された第3接続部56dと第4接続部56eも縦方向で離間している。そして図5に示すように、横方向の位置が、第1接続部55d、第3接続部56d、第2接続部55e、および、第4接続部56eの順となっている。
同様にして、第3延長部56gと第4延長部57bとが縦方向で離間している。そのために第3延長部56gに一体的に連結された第5接続部56hおよび第6接続部56iと、第4延長部57bに一体的に連結された第7接続部57cと第8接続部57dも縦方向で離間している。そして図5に示すように、横方向の位置が、第5接続部56h、第7接続部57c、第6接続部56i、および、第8接続部57dの順となっている。
<スイッチと給電バスバーとの接続形態>
第1延長部55cと第2延長部56cの縦方向の離間距離は、第1接続端子73の第1腕部73aと第2接続端子74の第2腕部74aの縦方向の長さの相違と同等になっている。第1接続部55dと第3接続部56dの横方向の離間距離、および、第2接続部55eと第4接続部56eの横方向の離間距離それぞれは、第1腕部73aと第2腕部74aの横方向の離間距離と同等になっている。
第1腕部73aと第2腕部74aの縦方向の長さの相違は、第1延長部55cと第2延長部56cの縦方向の離間距離に応じて決定される。第1接続部55dと第3接続部56dの横方向の離間距離、および、第2接続部55eと第4接続部56eの横方向の離間距離それぞれは、第1腕部73aと第2腕部74aの横方向の離間距離に応じて決定される。
図6に示すように第1開閉部70aの第1腕部73aが縦方向に沿って第1延長部55c側に延びている。そして第1腕部73aの先端に一体的に連結された第1端子部73bが第1接続部55dと縦方向で対向する態様で接続されている。また第1開閉部70aの第2腕部74aが、縦方向に沿って、第1延長部55cを越える態様で第2延長部56c側に延びている。そして第2腕部74aの先端に一体的に連結された第2端子部74bが第3接続部56dと縦方向で対向する態様で接続されている。
同様にして、第2開閉部70bの第1腕部73aが縦方向に沿って第1延長部55c側に延びている。そして第1腕部73aの先端に一体的に連結された第1端子部73bが第2接続部55eと縦方向で対向する態様で接続されている。また第2開閉部70bの第2腕部74aが、縦方向に沿って、第1延長部55cを越える態様で第2延長部56c側に延びている。そして第2腕部74aの先端に一体的に連結された第2端子部74bが第4接続部56eと縦方向で対向する態様で接続されている。以上に示した接続構成により、第1開閉部70aと第2開閉部70bは第1給電バスバー51と第2給電バスバー52との間で並列接続されている。
第3延長部56gと第4延長部57bの縦方向の離間距離は、第3接続端子77の第3腕部77aと第4接続端子78の第4腕部78aの縦方向の長さの相違と同等になっている。第5接続部56hと第7接続部57cの横方向の離間距離、および、第6接続部56iと第8接続部57dの横方向の離間距離それぞれは、第3腕部77aと第4腕部78aの横方向の離間距離と同等になっている。
第3腕部77aと第4腕部78aの縦方向の長さの相違は、第3延長部56gと第4延長部57bの縦方向の離間距離に応じて決定される。第5接続部56hと第7接続部57cの横方向の離間距離、および、第6接続部56iと第8接続部57dの横方向の離間距離それぞれは、第3腕部77aと第4腕部78aの横方向の離間距離に応じて決定される。
図6に示すように第3開閉部70cの第3腕部77aが、縦方向に沿って、第4延長部57bを越える態様で第3延長部56g側に延びている。そして第3腕部77aの先端に一体的に連結された第3端子部77bが第5接続部56hと縦方向で対向する態様で接続されている。また、第3開閉部70cの第4腕部78aが縦方向に沿って第4延長部57b側に延びている。そして第4腕部78aの先端に一体的に連結された第4端子部78bが第7接続部57cと縦方向で対向する態様で接続されている。
同様にして、第4開閉部70dの第3腕部77aが、縦方向に沿って、第4延長部57bを越える態様で第3延長部56g側に延びている。そして第3腕部77aの先端に一体的に連結された第3端子部77bが第6接続部56iと縦方向で対向する態様で接続されている。また、第4開閉部70dの第4腕部78aが縦方向に沿って第4延長部57b側に延びている。そして第4腕部78aの先端に一体的に連結された第4端子部78bが第8接続部57dと縦方向で対向する態様で接続されている。以上に示した接続構成により、第3開閉部70cと第4開閉部70dは第2給電バスバー52と第3給電バスバー53との間で並列接続されている。
第1開閉部70a~第4開閉部70dのうちの少なくとも1つが電気部品に相当する。第1開閉部70aが第1電気部品、第2開閉部70bが第2電気部品に相当する。若しくは、第3開閉部70cが第1電気部品、第4開閉部70dが第2電気部品に相当する。第1スイッチ31、第2スイッチ32、および、第1給電バスバー51~第3給電バスバー53が電気部品ユニットに相当する。
また、第1接続端子73が第1接続端子、第2接続端子74が第2接続端子に相当する。若しくは、第3接続端子77が第1接続端子、第4接続端子78が第2接続端子に相当する。
<作用効果>
上記したように第1腕部73aの先端と第2腕部74aの先端の縦方向の位置が異なっている。そのために第1腕部73aの先端から高さ方向に延びた第1端子部73bと、第2腕部74aの先端から高さ方向に延びた第2端子部74bとが縦方向で離間している。第1端子部73bと第2端子部74bは横方向で非対向となっている。
同様にして、第3腕部77aの先端と第4腕部78aの先端の縦方向の位置が異なっている。そのために第3腕部77aの先端から高さ方向に延びた第3端子部77bと、第4腕部78aの先端から高さ方向に延びた第4端子部78bとが縦方向で離間している。第3端子部77bと第4端子部78bは横方向で非対向となっている。
したがって、例えば外部応力の印加によって腕部の延びる縦方向まわりの周方向に腕部が振動したとしても、横方向で並ぶ2つの腕部に連結された端子部同士の接触が抑制される。これにより複数の接続端子の短絡が抑制される。そのために意図しない電流が給電バスバーに流れることが抑制される。
第1スイッチ31の有する第1開閉部70aと第2開閉部70bは同一形状を成している。そして第1開閉部70aと第2開閉部70bのうちの一方の有する第1腕部73aの先端と、他方の有する第1腕部73aの先端の縦方向の位置が一致している。また、第1開閉部70aと第2開閉部70bのうちの一方の有する第2腕部74aの先端と、他方の有する第2腕部74aの先端の縦方向の位置が一致している。
同様にして、第2スイッチ32の有する第3開閉部70cと第4開閉部70dは同一形状を成している。そして第3開閉部70cと第4開閉部70dのうちの一方の有する第3腕部77aの先端と、他方の有する第3腕部77aの先端の縦方向の位置が一致している。また、第3開閉部70cと第4開閉部70dのうちの一方の有する第4腕部78aの先端と、他方の有する第4腕部78aの先端の縦方向の位置が一致している。
これによれば、2つの第1腕部73aの先端の縦方向の位置や、2つの第2腕部74aの先端の縦方向の位置が異なる構成と比べて、第1開閉部70aと第2開閉部70bの縦方向の体格の増大が抑制される。同様にして、2つの第3腕部77aの先端の縦方向の位置や、2つの第4腕部78aの先端の縦方向の位置が異なる構成と比べて、第3開閉部70cと第4開閉部70dの縦方向の体格の増大が抑制される。すなわち、第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの縦方向の体格の増大が抑制される。
さらに、第1開閉部70aと第2開閉部70bそれぞれの第1腕部73aの先端と、第3開閉部70cと第4開閉部70dそれぞれの第3腕部77aの先端の縦方向の位置が一致している。第1開閉部70aと第2開閉部70bそれぞれの第2腕部74aの先端と、第3開閉部70cと第4開閉部70dそれぞれの第4腕部78aの先端の縦方向の位置が一致している。
これによれば、第1腕部73a、第2腕部74a、第3腕部77a、および、第4腕部78aの縦方向の位置が異なる構成とは異なり、第1スイッチ31と第2スイッチ32を搭載する第1放熱部97と第2放熱部98の形状を同一とすることができる。若しくは、筐体91における第1放熱部97と第2放熱部98の形成位置を縦方向でずらさなくともよくなる。このために筐体91の縦方向の体格の増大が抑制される。この結果、電池パック100の縦方向の体格の増大が抑制される。
また、上記した腕部の先端の縦方向の位置の設定により、第1開閉部70aと第2開閉部70bの第1端子部73bの縦方向の位置が一致して横方向に並んでいる。第1開閉部70aと第2開閉部70bの第2端子部74bの縦方向の位置が一致して横方向に並んでいる。したがって、横方向に延びる第1延長部55cから第1接続部55dと第2接続部55eを単に高さ方向に延ばすだけで、2つの第1端子部73bと第1接続部55dおよび第2接続部55eそれぞれとを接続することができる。横方向に延びる第2延長部56cから第3接続部56dと第4接続部56eを単に高さ方向に延ばすだけで、2つの第2端子部74bと第3接続部56dおよび第4接続部56eそれぞれとを接続することができる。
同様にして、2つの第3開閉部70cと第4開閉部70dの第3端子部77bの縦方向の位置が一致して横方向に並んでいる。2つの第4端子部78bの縦方向の位置が一致して横方向に並んでいる。したがって、横方向に延びる第3延長部56gから第5接続部56hと第6接続部56iを単に高さ方向に延ばすだけで、2つの第3端子部77bと第5接続部56hおよび第6接続部56iそれぞれとを接続することができる。横方向に延びる第4延長部57bから第7接続部57cと第8接続部57dを単に高さ方向に延ばすだけで、2つの第4端子部78bと第7接続部57cおよび第8接続部57dそれぞれとを接続することができる。
以上に示したように、各給電バスバーの接続部の形状を、端子部の位置に応じて曲げ加工しなくとも、接続部と端子部とを接続することができる。したがって給電バスバーの加工が簡素化されるとともに、給電バスバーの形状が単純化される。
さらに、第1開閉部70aと第2開閉部70bの第1端子部73bと、第3開閉部70cと第4開閉部70dの第3端子部77bの縦方向の位置が一致して横方向に並んでいる。第1開閉部70aと第2開閉部70bの第2端子部74bと、第3開閉部70cと第4開閉部70dの第4端子部78bの縦方向の位置が一致して横方向に並んでいる。
これに応じて、縦方向における第1延長部55cと第2延長部56cとの離間距離と、第3延長部56gと第4延長部57bとの離間距離とが等しくなっている。第1延長部55cと第4延長部57bとが横方向で離間して並んでいる。第2延長部56cと第3延長部56gとが横方向で離間して並んでいる。縦方向の厚さの薄い3つの本体部のうちの2つが縦方向に並んでいる。
したがって、3つの本体部が縦方向に並ぶ構成と比べて、給電バスバー50の縦方向の体格の増大が抑制される。ひいては、電池パック100の縦方向の体格の増大が抑制される。
第1スイッチ31の第2開閉部70bと、第2スイッチ32の第3開閉部70cが横方向で並んでいる。そして第2開閉部70bの第2端子部74bと、第3開閉部70cの第3端子部77bとが横方向で離間して並んでいる。この横方向で隣り合って並ぶ第2端子部74bと第3端子部77bの離間距離が、第2端子部74bと第3端子部77bの高さ方向の長さよりも長くなっている。これによれば第2腕部74aと第3端子部77bが腕部の延びる縦方向周りの周方向に振動したとしても、第2端子部74bと第3端子部77bの接触が抑制される。
第1スイッチ31は同一構成の第1開閉部70aと第2開閉部70bを有する。第2スイッチ32は同一構成の第3開閉部70cと第4開閉部70dを有する。そのために部品点数の増大が抑制される。
以上、本開示物の好ましい実施形態について説明したが、本開示物は上記した実施形態になんら制限されることなく、本開示物の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1の変形例)
本実施形態では特に腕部と端子部の横方向の長さについて言及していなかった。例えば図7に第1開閉部70aを代表として示すように、第1腕部73aと第1端子部73bの横方向の長さが等しい構成を採用することができる。若しくは、図8に示すように、第1腕部73aよりも第1端子部73bの横方向の長さが長い構成を採用することもできる。
図8に示す構成によれば、第1端子部73bと第1給電バスバー51との接触面積、および、第2端子部74bと第2給電バスバー52との接触面積が増大される。これにより端子部と給電バスバーとの接続部位での電気抵抗の増大が抑制される。接続部位での発熱の増大が抑制される。この結果、開閉部の有するMOSFETの温度上昇が抑制される。
なお、図8に示す構成においても、第1端子部73bと第2端子部74bの縦方向の位置が異なる。そのために端子部が腕部よりも横方向の長さが長くとも、第1端子部73bと第2端子部74bとの接触が抑制される。横方向で隣接する端子部と腕部との最短離間距離を、隣接する2つの腕部の離間距離の半分以上にすることができる。
図7および図8の(a)欄は接続端子を曲げ加工する前の第1開閉部の上面図を示している。図7および図8の(b)欄は接続端子を曲げ加工した後の第1開閉部の上面図を示している。図7および図8の(a)欄では、曲げ加工する部位を破線で示している。この破線で示される部位が、第1腕部73aと第2腕部74aの先端に相当する。
(第2の変形例)
本実施形態では特に第1端子部73bと第2端子部74bの高さ方向に面する上端面の形状について言及していなかった。この上端面の形状としては、例えば図4に示すように凹凸形状でもよいし、例えば図6に示すように平坦形状でもよい。端子部と接続される給電バスバーの接続部の上端面の形状も同様にして、例えば図5に示すように凹凸形状でもよいし、例えば図6に示すように平坦形状でもよい。
これら端子部と接続部の上端面が凹凸形状の場合、突起した部位(凸部)の熱容量が小さくなる。そのために上端面へのレーザの照射などによって、凸部を融解しやすくなる。これにより端子部と給電バスバーとの接続が容易となる。なお、溶解した凸部は端子部と接続部との間を濡れ広がる。これにより端子部と接続部とが接続される。
(第3の変形例)
本実施形態では第1スイッチ31が第1開閉部70aと第2開閉部70bを有し、第2スイッチ32が第3開閉部70cと第4開閉部70dを有する例を示した。しかしながらこれらスイッチが有する開閉部の数としては上記例に限定されない。例えば図9に示すように第1スイッチ31が第1開閉部70aを有する構成を採用することができる。第2スイッチ32が第3開閉部70cを有する構成を採用することができる。
(第4の変形例)
本実施形態では、例えば図10と図11の(a)欄に簡略化して示すように、第2延長部56cから第3接続部56dと第4接続部56eが単に高さ方向に延びる例を示した。これに対して、例えば図10と図11の(b)欄に示すように、第3接続部56dと第4接続部56eが第1開閉部70aと第2開閉部70b側に縦方向に屈曲した後、高さ方向に延びた形状を採用することもできる。
(第5の変形例)
本実施形態では、例えば図10と図11の(a)欄に示すように、第1延長部55cと第2延長部56cの2つが縦方向に並ぶ例を示した。これに対して、例えば図10と図11の(c)欄に示すように、第1延長部55cと第2延長部56cの他に、新たな第5延長部58cが縦方向に並ぶ構成を採用することもできる。
この変形例の場合、第1スイッチ31は3つめの新たな第5開閉部70eを有する。また第2延長部56cには第9接続部56jが形成されている。第5延長部58cには第10接続部58dが形成されている。第5開閉部70eの第1端子部73bが第9接続部56jと接続されている。第5開閉部70eの第2端子部74bが第10接続部58dと接続されている。
図10および図11の(a)欄は高さ方向に延びた接続部を説明するための模式図である。図10および図11の(b)欄は縦方向に屈曲した接続部を説明するための模式図である。図10および図11の(c)欄は縦方向に並ぶ3つの延長部を説明するための模式図である。
(第6の変形例)
本実施形態では第1開閉部70aと第2開閉部70bが横方向に並ぶ例を示した。これに対して図12に示すように第1開閉部70aと第2開閉部70bが縦方向に離間して並ぶ構成を採用することもできる。
この変形例の場合、第1開閉部70aの第1端子部73bが第1接続部55dと接続されている。第1開閉部70aの第2端子部74bが第3接続部56dと接続されている。第2開閉部70bの第2端子部74bが第4接続部56eと接続されている。第2開閉部70bの第1端子部73bが第10接続部58dと接続されている。図12の(a)欄は縦方向に並ぶ第1開閉部と第2開閉部を示す斜視図である。図12の(b)欄は縦方向に並ぶ第1開閉部と第2開閉部を示す上面図である。
(参考例)
本実施形態では端子部が高さ方向に延び、接続部と縦方向で対向して接続する例を示した。しかしながら例えば図13に示すように端子部と接続部とが高さ方向で対向して接続する構成を考えることもできる。この構成の場合、端子部の高さ方向の体格の増大が抑制される。図13の(a)欄は高さ方向で端子部と接続部とが対向する構成を説明するための斜視図である。図13の(b)欄は高さ方向で端子部と接続部とが対向する構成を説明するための上面図である。
(その他の変形例)
各実施形態では組電池10が5つの電池セルを有する例を示した。しかしながら組電池10は複数の電池セルを有すればよく、上記例に限定されない。また電池スタックの数としても、2つではなく1つ若しくは3つ以上を採用することもできる。さらに言えば、電池セルが横方向に並ぶことで電池スタックが構成されてもよい。
各実施形態では電源システム200を搭載する車両がアイドルストップ機能を有する例を示した。しかしながら電源システム200を搭載する車両としては上記例に限定されない。例えばハイブリッド自動車や電気自動車を採用することができる。この場合、本実施形態で示したスタータモータ120や回転電機130は、モータジェネレータに代わる。