JP7322558B2 - 車両用電池パック - Google Patents

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Description

本明細書に記載の開示は、車両用電池パックに関する。
特許文献1に示されるように、電池の内装されたバッテリケースが知られている。
特開2014-24359号公報
特許文献1に記載のバッテリケースはボルトによってフロアパネルに固定される。このフロアパネルの形状が例えば車両側方からの外力の作用によって変化すると、バッテリケースに車載部品などが接触する。それによってバッテリケースのフロアパネルに対する固定が解除される虞がある。
そこで本明細書に記載の開示は、固定解除の抑制された車両用電池パックを提供することを目的とする。
開示の1つは、車両(300)に搭載された車載機器(110,120,130,140,150,160,170)との間で電力供給を行う電池(10)と、
電池の収納される収納空間を備える筐体(91)と、
収納空間の開口を閉塞するカバー(92)と、
筐体に一体的に連結され、固定部材(101)によって車両のボディ(310)に固定されるフランジ(95)と、を有し、
筐体は、ボディに設けられる載置壁(93)と、載置壁におけるボディと対向する外底面(93b)の裏側の内底面(93a)から起立して、収納空間を載置壁とともに構成する側壁(94)と、を有し、
側壁における収納空間を内底面とともに区画する内側面(94a)の裏側の外側面(94b,70a~70c)の少なくとも一部が、カバーの筐体への投影領域の外に位置し、
外側面における、投影領域の外に位置する部位が、側壁の先端側から載置壁の内底面側に向かうにしたがって、収納空間から離間する態様で傾斜している。
また別の開示の1つは、車両(300)に搭載された車載機器(110,120,130,140,150,160,170)との間で電力供給を行う電池(10)と、
電池の収納される収納空間を備える筐体(91)と、
筐体に一体的に連結され、固定部材(101)によって車両のボディ(310)に固定されるフランジ(95)と、を有し、
筐体は、ボディに設けられる載置壁(93)と、載置壁におけるボディと対向する外底面(93b)の裏側の内底面(93a)から起立して、収納空間を載置壁とともに構成する側壁(94)と、を有し、
側壁における収納空間を内底面とともに区画する内側面(94a)の裏側の外側面(94b,70a~70c)の少なくとも一部が、側壁の先端側から載置壁の内底面側に向かうにしたがって、収納空間から離間する態様で傾斜しており、
側壁の一部は、局所的に収納空間から離間する態様で延長した延長部(70)を構成しており、
延長部の外側面の少なくとも一部が、先端側から内底面側に向かうにしたがって、収納空間から離間する態様で傾斜しており、
延長部は、側壁の一部である壁(99)から延び、
フランジは、壁側から延長部が延びる方向と同一方向に延び、
延長部はフランジよりも同一方向に関して収納空間から離間して延び、
延長部は、フランジよりも同一方向に関して収納空間から離間した延長端(74)と、外側面の一部であって延長端側にある上面(70a)と、を有し、
上面は、先端側から内底面側に向かうにしたがって、収納空間から離間する態様で傾斜している。
このように本開示では、側壁(94)の外側面(94b)の少なくとも一部が、側壁(94)の先端側から載置壁(93)の内底面(93a)側に向かうにしたがって、収納空間から離間する態様で傾斜している。そのためにこの側壁(94)に車両(300)の一部や車載部品などが接触した場合、その接触によって筐体(91)に作用する力の方向は、先端側から内底面(93a)側に向かう方向になる。ボディ(310)に近づく方向の力が筐体(91)に作用する。そのため、車両用電池パックのボディ(310)に対する固定の解除が抑制される。
なお、上記の括弧内の参照番号は、後述の実施形態に記載の構成との対応関係を示すものに過ぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
電源システムを示すブロック図である。 車両用電池パックの斜視図である。 車両用電池パックの側面図である。 筐体の概略構成を説明するための上面図である。 車両用電池パックを示す上面図である。 車両用電池パックの車載状態を概略的に示す概念図である。 図6のVII-VII線に沿う断面図である。 車両用電池パックの変形例を示す図表である。 車両用電池パックの変形例を示す図表である。
以下、実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1~図7に基づいて本実施形態に係る車両用電池パック100、および、それを含む電源システム200を説明する。
<電源システムの概要>
電源システム200は車両300に搭載される。電源システム200は車両300に搭載された複数の車載機器と車両用電池パック100とによって構成されている。車載機器の1つとして蓄電池110がある。車両用電池パック100は組電池10を有している。電源システム200はこれら蓄電池110と組電池10とによって2電源システムを構築している。
他の車載機器としてエンジン140がある。電源システム200を搭載する車両300は、所定の停止条件が満たされるとエンジン140を停止し、所定の始動条件が満たされるとエンジン140を再始動するアイドルストップ機能を有する。
図1に示すように電源システム200は、上記した蓄電池110とエンジン140の他に、スタータモータ120、回転電機130、電気負荷150、上位ECU160、および、MGECU170を有する。電気負荷150は第1負荷151と第2負荷152を有する。
蓄電池110、スタータモータ120、および、第1負荷151それぞれは、第1ワイヤハーネス210を介して車両用電池パック100と電気的に接続されている。回転電機130は第2ワイヤハーネス220を介して車両用電池パック100と電気的に接続されている。第2負荷152は第3ワイヤハーネス230を介して車両用電池パック100と電気的に接続されている。
上位ECU160とMGECU170は図示しない配線を介して蓄電池110と組電池10それぞれと電気的に接続されている。同様にして、車両300に搭載された他の各種ECUも図示しない配線を介して蓄電池110と組電池10それぞれと電気的に接続されている。
以上に示したように電源システム200は、蓄電池110と組電池10の2つを電源とする2電源システムを構築している。
<電源システムの構成要素>
蓄電池110は化学反応によって起電圧を生成する。蓄電池110は組電池10よりも蓄電容量が多い。蓄電池110は具体的には鉛蓄電池である。なお蓄電池110としては例えばリチウムイオン蓄電池を採用することもできる。
スタータモータ120はエンジン140を始動する。スタータモータ120はエンジン140の始動時にエンジン140と機械的に連結される。スタータモータ120の回転によってエンジン140のクランクシャフトが回転される。クランクシャフトの回転数が所定回転数を超えると、燃料噴射弁から燃焼室に霧状の燃料が噴射される。この際に点火プラグで火花が生成される。これにより燃料が爆発し、エンジン140が自律回転し始める。このエンジン140の動力によって車両300の推進力が得られる。エンジン140が自律回転し始めると、スタータモータ120とエンジン140との機械的な連結が解除される。
回転電機130は力行と発電を行う。回転電機130には図示しない電力変換器が接続されている。この電力変換器が第2ワイヤハーネス220に電気的に接続されている。
電力変換器は蓄電池110と組電池10のうちの少なくとも一方から供給された直流電圧を交流電圧に変換する。この交流電圧が回転電機130に供給される。これにより回転電機130は力行する。
回転電機130はエンジン140と連結されている。回転電機130とエンジン140とは、ベルトなどを介して相互に回転エネルギーを伝達可能になっている。回転電機130の力行によって生じた回転エネルギーがエンジン140に伝達される。これによりエンジン140の回転が促進される。この結果、車両走行がアシストされる。上記したように電源システム200を搭載する車両300はアイドルストップ機能を有する。回転電機130は車両走行のアシストだけではなく、エンジン140の再始動時においてクランクシャフトを回転させる機能も果たす。
回転電機130はエンジン140の回転エネルギー、および、車両300の車輪の回転エネルギーの少なくとも一方によって発電する機能も有する。回転電機130は発電によって交流電圧を生成する。この交流電圧が電力変換器によって直流電圧に変換される。この直流電圧が、車両用電池パック100、蓄電池110、および、電気負荷150それぞれに供給される。
エンジン140は燃料を燃焼駆動することで車両300の推進力を生成する。上記したようにエンジン140の始動時においては、スタータモータ120によってクランクシャフトが回転される。しかしながらアイドルストップによってエンジン140が一度停止した後に再び始動する際には、上記の所定の始動条件が満たされる場合、回転電機130によってクランクシャフトが回転される。
上記したように電気負荷150は第1負荷151と第2負荷152を有する。第1負荷151には、シートヒータ、送風ファン、電動コンプレッサ、ルームライト、および、ヘッドライトなどの供給電力が一定でなくともよい車載機器が含まれる。第2負荷152には、電動シフトポジション、電動パワーステアリング(EPS)、ブレーキ(ABS)、ドアロック、ナビゲーションシステム、および、オーディオなどの供給電力が一定であることが求められる車載機器が含まれる。
ここに例示した第2負荷152は供給電圧がリセット閾値を下回るとオン状態からオフ状態へと切り換わる性質を有する。第2負荷152には第1負荷151よりも車両走行に関連性の高い車載機器が含まれる。
なお、上記した各種車載機器が第1負荷151と第2負荷152に含まれる構成は一例に過ぎない。車載システムの変更などに応じて、各種車載機器を第1負荷151と第2負荷152に適宜振り分けることができる。例えば第1負荷151にEPSやABSが含まれる構成を採用することができる。
上位ECU160とMGECU170は車両300に搭載された各種ECUのうちの1つである。これら各種ECUはバス配線161を介して互いに電気的に接続され、車載ネットワークを構築している。各種ECUが協調制御することで、エンジン140の燃焼および回転電機130の力行や発電などが制御される。上位ECU160は車両用電池パック100を制御する。MGECU170は回転電機130を制御する。
また図示しないが、電源システム200は、上記した各車載機器の他に、各種電圧や電流などの物理量、および、アクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブ開度などの車両情報を測定するためのセンサを有している。これら各種センサの検出した検出信号は、各種ECUに入力される。なお、ECUはelectronic control unitの略である。
<電池パックの概要>
図1および図2に示すように車両用電池パック100は、組電池10、回路基板20、スイッチ30、センサ部40、給電バスバ50、および、パックケース90を有する。また車両用電池パック100は図示しないバスバケースを有する。
バスバケースは絶縁性の樹脂材料から成る。バスバケースは給電バスバ50を収納する機能を果たしている。給電バスバ50とバスバケースとによってバスバモジュールが構成されている。
パックケース90は筐体91とカバー92を有する。筐体91によって収納空間が構成されている。この収納空間の開口がカバー92によって閉塞されている。収納空間には、組電池10、回路基板20、スイッチ30、センサ部40、および、バスバモジュールそれぞれが収納されている。
組電池10は蓄電池110よりも体格が小さく、重量も軽くなっている。組電池10は蓄電池110よりもエネルギー密度が高い性質を有する。
回路基板20は配線基板21とBMU22を有する。配線基板21にはスイッチ30の一部とBMU22が搭載されている。そして配線基板21にはスイッチ30の残りと組電池10とが給電バスバ50を介して電気的に接続されている。これにより車両用電池パック100の電気回路が構成されている。この電気回路にセンサ部40が絶縁電線や金属端子などを介して電気的に接続されている。
車両用電池パック100の電気回路は図1において二重丸で示す外部接続端子と電気的に接続されている。この外部接続端子としては、第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第3外部接続端子100c、および、第4外部接続端子100dがある。
第1外部接続端子100aは第1ワイヤハーネス210を介して蓄電池110、スタータモータ120、および、第1負荷151それぞれと電気的に接続されている。第2外部接続端子100bは第2ワイヤハーネス220を介して回転電機130と電気的に接続されている。第3外部接続端子100cはボルトなどを介して図6に示すフロアパネル310に機械的および電気的に接続されている。第4外部接続端子100dは第3ワイヤハーネス230を介して第2負荷152と電気的に接続されている。
第1ワイヤハーネス210~第3ワイヤハーネス230それぞれは孔の形成された金属端子を有する。これら第1ワイヤハーネス210~第3ワイヤハーネス230は車両内で這いまわされている。
第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、および、第4外部接続端子100dそれぞれはバスバケースの一部を共有している。樹脂製のバスバケースの端子台に接続ボルトが埋設されている。この接続ボルトの軸部にナットが締結される。第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、および、第4外部接続端子100dそれぞれは、端子台における接続ボルトを埋設する部位、接続ボルト、および、ナットをバスバケースと共有している。
接続ボルトの頭部側が端子台に埋没されている。接続ボルトの軸部が端子台から突出している。この接続ボルトの軸部に給電バスバ50の貫通孔が通される。そしてナットが接続ボルトの軸部に締結される。これにより端子台に給電バスバ50が固定される。バスバモジュールが構成される。バスバモジュールは図示しないボルトによって筐体91に固定される。
次いで、接続ボルトの軸部にワイヤハーネスの金属端子の孔が通される。そして図示しないナットが接続ボルトの軸部の先端側に締結される。これによりワイヤハーネスの金属端子が接続ボルトの軸部に機械的に接続される。それとともに金属端子が給電バスバ50と電気的に接続される。
第3外部接続端子100cは筐体91に形成されたボルト孔である。第3外部接続端子100cはボルト、若しくは、ワイヤハーネスを介して車両300のフロアパネル310と接続される。これにより筐体91はグランド電位になっている。車両用電池パック100はボディアースされている。
<車両用電池パックの構成要素>
次に、車両用電池パック100の構成要素を個別に説明する。それにあたって、以下においては互いに直交の関係にある3方向を、左右方向、進退方向、および、高さ方向と示す。高さ方向は車両300の天地方向に沿っている。車両300が水平面に停車している場合、高さ方向は鉛直方向に沿う。左右方向と進退方向は水平方向に沿う。
組電池10は複数の直列接続された電池セルを有する。電池セルは具体的にはリチウムイオン蓄電池である。リチウムイオン蓄電池は化学反応によって起電圧を生成する。起電圧の生成により電池セルに電流が流れる。これにより電池セルは発熱してガスを発生する。そのために電池セルは膨張する。なお電池セルとしては、ニッケル水素二次電池、有機ラジカル電池などの二次電池を採用することができる。
電池セルは直方体形状を成している。電池セルは高さ方向に面する2つの主面を有する。この2つの主面は他の4面よりも面積が広くなっている。そして2つの主面間の長さ(厚さ)が薄くなっている。このように電池セルは高さ方向の厚さの薄い扁平形状を成している。
本実施形態の組電池10は5つの電池セルを有する。これら5つの電池セルのうちの3つが高さ方向に積層配置されて第1電池スタックを構成している。そして残り2つの電池セルが高さ方向に積層配置されて第2電池スタックを構成している。これら2つの電池スタックは進退方向に並んでいる。これら5つの電池セルの配置が電池ケースによって保持されている。
電池ケースは樹脂から成る本体部と、本体部に設けられる接続端子と、を有する。接続端子としては、5つの電池セルを直列接続する直列接続端子がある。これら直列接続端子と対応する電池セルの電極端子とを接触させ、その接触状態で両者を溶接接合する。これにより5つの電池セルが直列接続される。
また接続端子としては、上記の直列接続端子の他に、5つの直列接続された電池セルのうちの最高電位に位置する電池セルの正極端子と接続される出力端子と、最低電位に位置する電池セルの負極端子と接続される接地端子と、がある。この出力端子は最高電位の電池セルの正極端子と溶接接合される。接地端子は最低電位の電池セルの負極端子と溶接接合される。
電池ケースは筐体91にボルト止めされる。筐体91には拘束プレートがボルト止めされている。電池ケースは高さ方向において拘束プレートと筐体91との間に設けられる。電池セルの膨張に起因する組電池10の膨張が、拘束プレートと電池ケースとの接触によって抑制される。
上記したように回路基板20は配線基板21とBMU22を有する。配線基板21は絶縁基板に導電材料からなる配線パターンの形成されたプリント基板である。配線基板21はボルトなどを介して筐体91に固定されている。配線基板21(回路基板20)は高さ方向において電池ケースとカバー92との間に設けられる。また配線基板21は左右方向において最高電位の電池セルと並んで設けられる。配線基板21は第1電池スタックの最もカバー92側に位置する電池セルと左右方向において並んで設けられる。
絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に、配線パターンとして第1給電線23、第2給電線24、第3給電線25、および、第4給電線26が形成されている。そして配線基板21には配線パターンと電気的に接続される端子が形成されている。この端子としては、第1内部端子28a、第2内部端子28b、第3内部端子28c、および、第4内部端子28dがある。これら配線パターンと内部端子それぞれの電気的な接続の説明は、後の車両用電池パック100の回路構成の説明の際に行う。
スイッチ30は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33、第4スイッチ34、第5スイッチ35、および、第6スイッチ36を有する。第1スイッチ31と第2スイッチ32は筐体91に搭載される。第3スイッチ33~第6スイッチ36それぞれは配線基板21に搭載される。
第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれは半導体スイッチを有する。この半導体スイッチは具体的にはNチャネル型MOSFETである。したがって第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれはハイレベルの制御信号の入力によって閉状態になる。第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれはローレベルの制御信号の入力によって開状態になる。
第1スイッチ31~第4スイッチ34の有する半導体スイッチとしてはIGBTなどを採用することもできる。この場合、IGBTにはダイオードが並列接続される。
第5スイッチ35と第6スイッチ36はメカニカルリレーである。詳しく言えば第5スイッチ35と第6スイッチ36はノーマリクローズ式の電磁リレーである。したがって第5スイッチ35と第6スイッチ36はハイレベルの制御信号の入力によって開状態になる。第5スイッチ35と第6スイッチ36はローレベルの制御信号の入力によって閉状態になる。換言すれば、第5スイッチ35と第6スイッチ36はハイレベルの制御信号の入力が途絶えると閉状態になる。
第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれは、直列接続された2つのMOSFETを備える開閉部を少なくとも1つ有する。これら2つのMOSFETはソース電極同士が連結されている。2つのMOSFETのゲート電極は電気的に独立している。MOSFETは寄生ダイオードを有する。2つのMOSFETの寄生ダイオードは互いにアノード電極同士が連結されている。上記のゲート電極は回路基板20と電気的に接続される。
第1スイッチ31~第4スイッチ34はそれぞれ複数の開閉部を有する。複数の開閉部は並列接続されている。そして第3スイッチ33と第4スイッチ34では複数の開閉部の有する直列接続された2つのMOSFETのソース電極同士が互いに接続されている。
本実施形態では第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれは開閉部を2つ有する。これら開閉部の数や並列接続および直列接続などの接続形態は電流量や冗長性などに応じて適宜定められる。
開閉部の備える2つのMOSFETは樹脂部によって被覆されている。樹脂部は直方体形状を成している。
上記したように電気回路にセンサ部40が電気的に接続されている。センサ部40は組電池10とスイッチ30それぞれの状態を検出するセンサ素子を有する。センサ部40はセンサ素子として、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する。
センサ部40は組電池10の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれを組電池10の状態信号としてBMU22に出力する。またセンサ部40はスイッチ30の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをスイッチ30の状態信号としてBMU22に出力する。
なおスイッチ30の温度を検出する温度センサは、直列接続された2つのMOSFETとともに上記の樹脂部によって被覆保護される検温ダイオードである。スイッチ30の電流を検出する電流センサは、直列接続された2つのMOSFETの間に設けられたシャント抵抗である。これら温度センサと電流センサそれぞれの入出力端子の端部が上記の樹脂部から露出されている。これら複数の入出力端子の端部が配線基板21に接続されている。
センサ部40は上記の各種センサの他に水没センサを有する。この水没センサは2つの対向電極を有する。2つの対向電極の間に水があると、2つの対向電極が通電する。それによって2つの対向電極間の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化が状態信号としてBMU22に入力される。BMU22は抵抗値の変化が所定時間継続されるか否かに基づいて、車両用電池パック100の水没を検出する。
BMU22はセンサ部40の状態信号、および、上位ECU160からの指令信号の少なくとも一方に基づいてスイッチ30を制御する。BMUはbattery management unitの略である。
上記したように第1スイッチ31~第4スイッチ34それぞれは複数の半導体スイッチを有する。例えば第1スイッチ31の開閉を制御する場合、BMU22は第1スイッチ31の有する全ての半導体スイッチを同時に閉状態、若しくは、同時に開状態に制御する。例えばBMU22は、第1スイッチ31の有する全ての半導体スイッチの制御電極(ゲート電極)にハイレベルの制御信号、若しくは、ローレベルの制御信号を同時に出力する。
なおBMU22は、半導体スイッチを閉状態にする期間において、ハイレベルの制御信号を間断的に出力することで半導体スイッチの閉時間を調整してもよい。簡単に言えば、BMU22は半導体スイッチをパルス幅制御してもよい。
BMU22はセンサ部40の状態信号に基づいて組電池10の充電状態(SOC)やスイッチ30の異常を判定する。SOCはstate of chargeの略である。BMU22はこれらSOCや異常を判定した信号(判定情報)を上位ECU160に出力する。
上位ECU160はBMU22から入力された判定情報、および、他の各種ECUから入力された車両情報に基づいてスイッチ30の制御を決定する。そして上位ECU160はその決定したスイッチ30の制御を含む指令信号をBMU22に出力する。
BMU22は上位ECU160からの指令信号に基づいてスイッチ30を制御する。ただしBMU22は、水没センサの状態信号により車両用電池パック100が水没したと判断した場合、スイッチ30への制御信号の出力の停止を独断で実行する。これにより組電池10の電気的な接続が遮断される。
またBMU22は、上記の検温ダイオードで検出された温度がスイッチ30の動作保証温度程度まで上昇したと判断すると、スイッチ30の駆動を制限する。同様にしてBMU22は、シャント抵抗で検出された電流がスイッチ30の動作保証電流程度まで上昇したと判断すると、スイッチ30の駆動を制限する。例えばスイッチ30の半導体スイッチをパルス幅制御していた場合、BMU22はそのオンデューティ比を低める。これにより半導体スイッチの通電時間が短くなる。この結果、半導体スイッチの発熱が抑制される。BMU22が制御部に相当する。
給電バスバ50はアルミニウムや銅などの導電材料から成る。給電バスバ50は例えば以下に列挙する方法で製造することができる。給電バスバ50は1枚の平板を屈曲加工することで製造することができる。給電バスバ50は複数の平板が一体的に連結されることで製造することができる。給電バスバ50は複数の平板を溶接することで製造することができる。給電バスバ50は鋳型に溶融状態の導電材料を流し込むことで製造することができる。給電バスバ50の製造方法としては特に限定されない。さらに言えば、給電バスバ50としては、例えば絶縁電線を採用することもできる。
車両用電池パック100は給電バスバ50として、第1給電バスバ51、第2給電バスバ52、第3給電バスバ53、および、第4給電バスバ54を有する。これら複数の給電バスバによって組電池10、回路基板20、第1スイッチ31、第2スイッチ32、および、外部接続端子それぞれが電気的に接続されている。図1ではこれら4つの給電バスバそれぞれを配線基板21の給電線よりも太くして図示している。
上記したようにパックケース90は筐体91とカバー92を有する。筐体91はアルミダイカストで製造することができる。また筐体91は鉄やステンレスをプレス加工することによっても製造することができる。筐体91は配線基板21よりも伝熱性能が高くなっている。そのために筐体91は配線基板21よりも放熱性が高くなっている。
筐体91は、底壁93と、底壁93の内底面93aから環状に起立した側壁94と、を有する。環状の側壁94の先端側で収納空間の開口部が構成されている。この開口部がカバー92によって覆われる。カバー92は樹脂製若しくは金属製である。カバー92は筐体91と同様にしてアルミダイカストで製造してもよい。
底壁93には車両300のフロアパネル310と連結するためのフランジ95が一体的に連結されている。図7に示すように、底壁93の外底面93bが車両300のフロアパネル310と対向する態様で、車両用電池パック100は車両300のフロアパネル310に設けられる。そしてフランジ95と車両300のフロアパネル310とがボルト101を介して機械的および熱的に連結される。これにより車両用電池パック100が車両300に固定される。
<電池パックの回路構成>
次に、車両用電池パック100の回路構成を説明する。なおこの回路には、図1に示すプリチャージ抵抗58も接続される。プリチャージ抵抗58は配線基板21に搭載されている。
以下に示す各給電バスバと各スイッチとの接続はTIG溶接によって行われる。各給電バスバと回路基板20との接続はろう接によって行われる。なお、各給電バスバと各スイッチとはレーザ溶接によって接続してもよい。
図1に示すように第1外部接続端子100aと第1スイッチ31の一端とが第1給電バスバ51を介して電気的に接続されている。第1給電バスバ51から一部が分岐している。この第1給電バスバ51の分岐部位55が配線基板21の第1内部端子28aと電気的に接続されている。
第1スイッチ31の他端と第2外部接続端子100bとが第2給電バスバ52を介して電気的に接続されている。第2給電バスバ52から一部が分岐している。この第2給電バスバ52の分岐部位56aが第2スイッチ32の一端と電気的に接続されている。また分岐部位56bが第4内部端子28dに接続されている。
第2スイッチ32の他端と組電池10の正極とが第3給電バスバ53を介して電気的に接続されている。第3給電バスバ53から一部が分岐している。この第3給電バスバ53の分岐部位57が配線基板21の第2内部端子28bと電気的に接続されている。組電池10の負極はヒューズを介して第3外部接続端子100cに電気的に接続されている。
配線基板21の第2内部端子28bと第1内部端子28aとが第1給電線23を介して電気的に接続されている。この第1給電線23に、第2内部端子28bから第1内部端子28aに向かって順に第3スイッチ33と第4スイッチ34が直列接続されている。
配線基板21の第3内部端子28cは、第1給電線23における第1内部端子28aと第4スイッチ34との間の中点と第2給電線24を介して電気的に接続されている。そして第3内部端子28cは第4給電バスバ54を介して第4外部接続端子100dと電気的に接続されている。
第2給電線24に第5スイッチ35が設けられている。そして第2給電線24における第3内部端子28cと第5スイッチ35との間の中点が、第1給電線23における第4スイッチ34と第3スイッチ33との間の中点に連結されている。
第3給電線25の一端が第1給電線23における第1内部端子28aと第4スイッチ34との間の中点に接続されている。第3給電線25の他端が第2給電線24における第1給電線23との接続点と第5スイッチ35との間に接続されている。この第3給電線25に第6スイッチ36が設けられている。
第4給電線26の一端が第1給電線23における第1内部端子28aと第4スイッチ34との間の中点に接続されている。第4給電線26の他端が第4内部端子28dに接続されている。この第4給電線26にプリチャージ抵抗58が設けられている。
以上により、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33、および、第4スイッチ34が順に環状に接続されている。第1スイッチ31と第2スイッチ32との間の中点が第2外部接続端子100bに接続されている。第2スイッチ32と第3スイッチ33との間の中点が組電池10に接続されている。第3スイッチ33と第4スイッチ34との間の中点が第4外部接続端子100dに接続されている。第4スイッチ34と第1スイッチ31との間の中点が第1外部接続端子100aに接続されている。
また、第1外部接続端子100aと第4外部接続端子100dとが第5スイッチ35を介して接続されている。第4スイッチ34と第3スイッチ33との間の中点が第5スイッチ35を介して第1外部接続端子100aに接続されている。同様にして、第1外部接続端子100aと第4外部接続端子100dとが第6スイッチ36を介して接続されている。第4スイッチ34と第3スイッチ33との間の中点が第6スイッチ36を介して第1外部接続端子100aに接続されている。
以上に示した電気的な接続構成により、第1スイッチ31を開閉制御することで第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第1スイッチ31を開閉制御することで蓄電池110と回転電機130との電気的な接続が制御される。
第2スイッチ32を開閉制御することで第2外部接続端子100bと組電池10との電気的な接続が制御される。換言すれば、第2スイッチ32を開閉制御することで回転電機130と組電池10との電気的な接続が制御される。
第3スイッチ33を開閉制御することで第2内部端子28bと第3内部端子28cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第3スイッチ33を開閉制御することで組電池10と第2負荷152との電気的な接続が制御される。
第4スイッチ34を開閉制御することで第1内部端子28aと第3内部端子28cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第4スイッチ34を開閉制御することで蓄電池110と第2負荷152との電気的な接続が制御される。
第5スイッチ35および第6スイッチ36のうちの少なくとも一方を開閉制御することで第3内部端子28cと第1内部端子28aとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第5スイッチ35および第6スイッチ36のうちの少なくとも一方を開閉制御することで蓄電池110と第2負荷152との電気的な接続が制御される。
なお、第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bはプリチャージ抵抗58を介して電気的に接続されている。上記したように第2外部接続端子100bに第2ワイヤハーネス220が接続されている。そしてこの第2ワイヤハーネス220に図示しない電力変換器が接続されている。
電力変換器は大容量の平滑コンデンサを備えている。平滑コンデンサは電荷が充電された状態で使用される。この平滑コンデンサの電荷の充電は、蓄電池110からの電力供給によって行われる。
第1ワイヤハーネス210~第3ワイヤハーネス230が車両用電池パック100に接続される。これによりプリチャージ抵抗58を介して蓄電池110から平滑コンデンサに電荷が供給される。このようにプリチャージ抵抗58を介して平滑コンデンサに電力供給することで、蓄電池110から平滑コンデンサに流れる電流量が急激に増大することが抑制される。
<パックケース>
次に、図2~図5に基づいてパックケース90を詳説する。なお図4では筐体91のみを示している。図5~図7ではBMU22と各種ECUとを電気的に接続する第1コネクタ71と第2コネクタ72を図示している。
上記したように筐体91は底壁93と側壁94を有する。底壁93は高さ方向に並ぶ内底面93aとその裏側の外底面93bを有する。外底面93bはフロアパネル310に対して対向配置される。内底面93aから側壁94が環状に起立している。底壁93が載置壁に相当する。
側壁94は高さ方向に面する方向に並ぶ内側面94aとその裏側の外側面94bを有する。内側面94aと外側面94bそれぞれは高方向まわりで環状を成している。内側面94aは内底面93aとともに収納空間を区画している。
図4に細分化して示すように側壁94は、進退方向で離間して対向する前壁96と後壁97、および、左右方向で離間して対向する左壁98と右壁99を有する。高さ方向まわりに前壁96、右壁99、後壁97、および、左壁98が順に連結されている。これにより側壁94は高さ方向まわりで環状を成している。
図4に示すように筐体91は上記のフランジ95を4つ有している。これら4つのフランジ95のうちの2つが底壁93の左壁98側に一体的に連結されている。残り2つのフランジ95が底壁93の右壁99側に一体的に連結されている。これら4つのフランジ95とフロアパネル310とがボルト101によって連結される。ボルト101が固定部材に相当する。
これら4つのフランジ95それぞれには、筐体91とフランジ95との連結を補強するための補強部95aが連結されている。補強部95aはフランジ95と筐体91の側壁94とを連結する。底壁93の左壁98側に一体的に連結されたフランジ95は、補強部95aを介して左壁98と一体的に連結されている。底壁93の右壁99側に一体的に連結されたフランジ95は、補強部95aを介して右壁99と一体的に連結されている。
補強部95aは収納空間から離間するにしたがって高さ方向の長さが徐々に短くなっている。補強部95aの上面は、収納空間から離間するにしたがって徐々にフランジ95との高さ方向の離間距離が狭くなる態様で傾斜している。図4~図6ではこの補強部95aの上面にハッチングを付与している。
右壁99の一部は、高さ方向の長さが局所的に短くなっている。この右壁99の高さ方向の長さの局所的に短い部位は、筐体91によって構成される収納空間から離間する態様で左右方向に沿って延長している。この右壁99から左右方向に延長した延長部70に第1コネクタ71と第2コネクタ72が設けられる。
図2~図5に示すように延長部70は底壁93の右壁99側に一体的に連結されたフランジ95よりも左右方向の長さが長くなっている。そして延長部70はこのフランジ95に連結された補強部95aよりも高さ方向の長さが長くなっている。
延長部70は、右壁99の外側面94bとして、高さ方向に離間して並ぶ上面70aと下面70b、および、これら上面70aと下面70bとを連結する連結面70cを有する。図3に示すように延長部70の筐体91側の根元部73の上面70aは高さ方向に面している。この上面70aは右壁99における局所的に高さ方向の長さの短い部位の先端側の端面の少なくとも一部を構成している。
この根元部73の上面70aに第1コネクタ71と第2コネクタ72が設けられている。この上面70aは、フランジ95と補強部95aそれぞれよりも高さ方向において底壁93から離間している。第2コネクタ72に設けられたワイヤは進退方向において根元部73から離間するように延びている。
その一方、延長部70の筐体91の収納空間から離間した先端側の先端部74の上面70aは高さ方向に対して傾斜している。この先端部74の上面70aは、筐体91の収納空間から左右方向に離間するにしたがって、高さ方向における下面70bとの離間距離が徐々に短くなる態様で傾斜している。別の表現をすれば、先端部74の上面70aは、高さ方向において側壁94の先端側から底壁93側に向かうにしたがって、左右方向において筐体91の収納空間から徐々に離間する態様で傾斜している。図2と図3、および、図7それぞれでは根元部73と先端部74の境界に破線を付与している。図4~図6ではこの先端部74の上面70aにハッチングを付与している。先端部74が延長端に相当する。
<車載状態>
次に、図6~図8に基づいて車両300を説明する。車両300は、フロア側からリア側に向かって順に並ぶ、エンジンルーム301、車室302、および、トランクルーム303を有する。
エンジンルーム301に、蓄電池110、スタータモータ120、回転電機130、および、エンジン140が設けられている。エンジンルーム301と車室302との間のダッシュパネルに、電気負荷150と各種ECUが設けられている。そして車室302に車両用電池パック100が設けられている。なお図2では電気負荷150、上位ECU160、および、MGECU170をまとめて1つのブロックで示し、150の符号のみを付与している。
上記したエンジンルーム301とダッシュパネルに設けられた各種車載機器は、第1ワイヤハーネス210、第2ワイヤハーネス220、および、第3ワイヤハーネス230を介して車室302に設けられた車両用電池パック100に電気的に接続されている。
車室302の床板は金属製のフロアパネル310によって構成されている。フロアパネル310はダッシュパネルからトランクルーム303に向かって延びている。図6ではダッシュパネルとフロアパネル310との境、および、フロアパネル310とトランクルーム303との境を、左右方向に延びる破線で示している。またフロアパネル310のフロア側とリア側との境を、左右方向に延びる破線で示している。このフロアパネル310のフロア側に前部座席が設けられる。フロアパネル310のリア側に後部座席が設けられる。
フロアパネル310の中央には、高さ方向に突起したフロアートンネル320が構成されている。フロアートンネル320は進退方向に沿ってダッシュパネル側からトランクルーム303側へ延びている。フロアートンネル320によって、フロアパネル310は左右方向で左領域と右領域に区画されている。
以下においては、フロアートンネル320によって区画される左領域のフロア側を第1領域、リア側を第2領域と示す。右領域のフロア側を第3領域、リア側を第4領域と示す。第1領域に助手席が設けられる。第3領域に運転席が設けられる。第2領域と第4領域に後部座席が設けられる。
また、これら4つの領域それぞれの車側にサイドシル330が設けられる。サイドシル330はフロアパネル310から高さ方向に突起している。サイドシル330にドア340が設けられる。
図2~図4に示すように、車両用電池パック100はフロアパネル310の第1領域に設けられる。第1領域には助手席の設けられる2つのシートレール360が搭載されている。第1領域の車両側方にサイドシル330が設けられている。
これら2つのシートレール360は助手席の左右方向の長さ(横幅)に応じて左右方向に離間しつつ、対向している。またフロアートンネル320とサイドシル330は車幅に応じて左右方向で離間しつつ、対向している。
車両用電池パック100は第1領域に設けられる。第1領域において車両用電池パック100は左右方向で2つのシートレール360の間に位置している。車両用電池パック100は左右方向でフロアートンネル320とサイドシル330との間に位置している。車両用電池パック100のカバー92が2つのシートレール360と左右方向で離間しつつ対向している。車両用電池パック100の筐体91がフロアートンネル320とサイドシル330それぞれと左右方向で離間しつつ対向している。
上記したように筐体91の側壁94は進退方向で離間して対向する前壁96と後壁97、および、左右方向で離間して対向する左壁98と右壁99を有する。前壁96は後壁97よりもエンジンルーム301側に位置している。後壁97は前壁96よりもトランクルーム303側に位置している。左壁98は右壁99よりもサイドシル330側に位置している。右壁99は左壁98よりもフロアートンネル320側に位置している。
上記したように底壁93の左壁98側にフランジ95が一体的に連結されている。そのために底壁93とサイドシル330との間にフランジ95が位置している。このフランジ95に連結された補強部95aが左右方向でサイドシル330と対向する態様で並んでいる。
また、底壁93の右壁99側にフランジ95が一体的に連結されている。そのために底壁93とフロアートンネル320との間にフランジ95が位置している。このフランジ95に連結された補強部95aが左右方向でフロアートンネル320と対向する態様で並んでいる。
右壁99から延長部70が左右方向に沿って延びている。延長部70の先端部74は底壁93における右壁99側に形成されたフランジ95よりもフロアートンネル320側に位置している。そして先端部74の上面70aは高さ方向においてシートレール360と対向する態様で並んでいる。この上面70aは左右方向においてフロアートンネル320と対向する態様で並んでいる。
<作用効果>
車両300への別車両の衝突などによって、車両用電池パック100の固定されたフロアパネル310の形状が変化する虞がある。このフロアパネル310の変形によって、車両300の一部を構成するフロアートンネル320やサイドシル330、および、車両300に搭載されたシートレール360などが車両用電池パック100に接触する。この衝突によって車両用電池パック100のフロアパネル310に対する固定が解除される虞がある。
これに対して、上記したように車両用電池パック100の筐体91の側壁94から延長部70が延びている。この延長部70の先端部74の上面70aは、筐体91の収納空間から左右方向に沿って離間するにしたがって、下面70bとの離間距離が徐々に短くなる態様で傾斜している。別の表現をすれば、先端部74の上面70aは、高さ方向において側壁94の先端側から底壁93側に向かうにしたがって、左右方向において筐体91の収納空間から徐々に離間する態様で傾斜している。
この先端部74の上面70aに車両300の一部や車載部品などが接触すると、その接触によって筐体91に作用する力の方向は、側壁94の先端側から底壁93側に向かう方向になる。フロアパネル310に近づく方向の力が筐体91に作用する。そのため、車両用電池パック100のフロアパネル310に対する固定の解除が抑制される。
延長部70は収納空間から離間する態様で側壁94から局所的に延びている。そのため、例え車両300への別車両の衝突によるフロアパネル310の形状変化によって車両用電池パック100の位置が変位したとしても、延長部70の先端部74側に車両300の一部や車載部品などが接触しやすくなっている。
車両用電池パック100がフロアパネル310に固定された状態で、延長部70は右壁99からフロアートンネル320側に向かって延びている。延長部70の先端部74の上面70aは高さ方向においてシートレール360と対向する態様で並んでいる。この上面70aは左右方向においてフロアートンネル320と対向する態様で並んでいる。
そのため、例えば助手席の側方のドア340への別車両の衝突によって、フロアパネル310がフロアートンネル320側に変位する態様で形状変化した場合、延長部70の上面70aがフロアートンネル320に接触しやすくなっている。フロアパネル310がシートレール360側に変位する態様で形状変化した場合、先端部74の上面70aがシートレール360に接触しやすくなっている。この接触によって、フロアパネル310に近づく方向の力が筐体91に作用する。これにより車両用電池パック100のフロアパネル310に対する固定の解除が抑制される。
フランジ95には補強部95aが連結されている。補強部95aの上面は、収納空間から離間するにしたがって徐々にフランジ95との高さ方向の離間距離が狭くなる態様で傾斜している。そのためにこの補強部95aの上面に車両300の一部や車載部品などが接触すると、その接触によって、フロアパネル310に近づく方向の力が筐体91に作用する。これによっても車両用電池パック100のフロアパネル310に対する固定の解除が抑制される。
以上、本開示物の好ましい実施形態について説明したが、本開示物は上記した実施形態になんら制限されることなく、本開示物の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1の変形例)
本実施形態では延長部70の上面70aが収納空間から離間するにしたがって高さ方向における下面70bとの離間距離が徐々に狭まる態様で傾斜する例を示した。補強部95aの上面が同様に傾斜する例を示した。しかしながらこのような傾斜面を保有する部材は、例えば図8と図9に示すように、特に限定されない。図8と図9では上記の傾斜を有する面にハッチングを付与している。
例えば図8の(a)欄に示すように、フランジ95の上面に傾斜が形成されてもよい。この変形例ではフランジ95の上面における収納空間から離間した外端部側が傾斜している。
図8の(b)欄に示すように、筐体91は複数のフランジ95を連結する連結部95cを有してもよい。そしてこの連結部95cの上面における収納空間から離間した外端部側が傾斜している。
図9の(a)欄に示すように、前壁96と後壁97それぞれの一部が、高さ方向に沿ったカバー92の筐体91への投影領域の外に位置する構成を採用することもできる。この変形例では前壁96と後壁97それぞれの外側面94bにおける投影領域の外に位置する部位が傾斜している。
図9の(b)欄に示すように、カバー92の上面が傾斜した構成を採用することもできる。係る変形例では、強度を確保するために、カバー92は例えばアルミダイカストで製造される。
(第2の変形例)
上記したように根元部73の上面70aに第1コネクタ71と第2コネクタ72が設けられる例を示した。図9の(b)欄に示すように、この根元部73に第1コネクタ71および第2コネクタ72それぞれと進退方向で並ぶ立壁73aの形成された構成を採用することもできる。第2コネクタ72に設けられたワイヤは進退方向において立壁73aから離間するように延びている。
この立壁73aによって第1コネクタ71と第2コネクタ72との接続部位への外力の作用が抑制される。なおこの立壁73aには先端部74の上面70aと連なる傾斜面が形成されてもよい。
(第3の変形例)
本実施形態とこれまでに説明した各種変形例では、先端部74の上面70aなどの傾斜面の傾斜角度が、図3に示すように一定である例を示した。しかしながら例えば傾斜面が曲面形状を成すために、傾斜角度が徐々に変化する構成を採用することもできる。
(その他の変形例)
本実施形態では組電池10が5つの電池セルを有する例を示した。しかしながら組電池10は複数の電池セルを有すればよく、上記例に限定されない。また電池スタックの数としても、2つではなく1つ若しくは3つ以上を採用することもできる。
各実施形態では電源システム200を搭載する車両300がアイドルストップ機能を有する例を示した。しかしながら電源システム200を搭載する車両300としては上記例に限定されない。例えばハイブリッド自動車や電気自動車を採用することができる。この場合、本実施形態で示したスタータモータ120や回転電機130は、モータジェネレータに代わる。
10…組電池、22…BMU、70…延長部、70a…上面、71…第1コネクタ、74…先端部、91…筐体、93…底壁、93a…内底面、93b…外底面、94…側壁、94a…内側面、94b…外側面、95…フランジ、100…車両用電池パック、101…ボルト、110…蓄電池、120…スタータモータ、130…回転電機、140…エンジン、150…電気負荷、160…上位ECU、170…MGECU、200…電源システム、300…車両、310…フロアパネル

Claims (6)

  1. 車両(300)に搭載された車載機器(110,120,130,140,150,160,170)との間で電力供給を行う電池(10)と、
    前記電池の収納される収納空間を備える筐体(91)と、
    前記収納空間の開口を閉塞するカバー(92)と、
    前記筐体に一体的に連結され、固定部材(101)によって前記車両のボディ(310)に固定されるフランジ(95)と、を有し、
    前記筐体は、前記ボディに設けられる載置壁(93)と、前記載置壁における前記ボディと対向する外底面(93b)の裏側の内底面(93a)から起立して、前記収納空間を前記載置壁とともに構成する側壁(94)と、を有し、
    前記側壁における前記収納空間を前記内底面とともに区画する内側面(94a)の裏側の外側面(94b,70a~70c)の少なくとも一部が、前記カバーの前記筐体への投影領域の外に位置し、
    前記外側面における、前記投影領域の外に位置する部位が、前記側壁の先端側から前記載置壁の前記内底面側に向かうにしたがって、前記収納空間から離間する態様で傾斜している車両用電池パック。
  2. 前記側壁の一部は、局所的に前記収納空間から離間する態様で延長した延長部(70)を構成しており、
    前記延長部の前記外側面の少なくとも一部が、前記先端側から前記内底面側に向かうにしたがって、前記収納空間から離間する態様で傾斜している請求項1に記載の車両用電池パック。
  3. 前記延長部は、前記側壁の一部である壁(99)から延び、
    前記フランジは、前記壁側から前記延長部が延びる方向と同一方向に延び、
    前記延長部は、前記フランジよりも前記同一方向に関して前記収納空間から離間して延び、
    前記延長部は、前記フランジよりも前記同一方向に関して前記収納空間から離間した延長端(74)と、前記外側面の一部であって前記延長端側にある上面(70a)と、を有し、
    前記上面は、前記先端側から前記内底面側に向かうにしたがって、前記収納空間から離間する態様で傾斜している請求項2に記載の車両用電池パック。
  4. 車両(300)に搭載された車載機器(110,120,130,140,150,160,170)との間で電力供給を行う電池(10)と、
    前記電池の収納される収納空間を備える筐体(91)と、
    前記筐体に一体的に連結され、固定部材(101)によって前記車両のボディ(310)に固定されるフランジ(95)と、を有し、
    前記筐体は、前記ボディに設けられる載置壁(93)と、前記載置壁における前記ボディと対向する外底面(93b)の裏側の内底面(93a)から起立して、前記収納空間を前記載置壁とともに構成する側壁(94)と、を有し、
    前記側壁における前記収納空間を前記内底面とともに区画する内側面(94a)の裏側の外側面(94b,70a~70c)の少なくとも一部が、前記側壁の先端側から前記載置壁の前記内底面側に向かうにしたがって、前記収納空間から離間する態様で傾斜しており、
    前記側壁の一部は、局所的に前記収納空間から離間する態様で延長した延長部(70)を構成しており、
    前記延長部の前記外側面の少なくとも一部が、前記先端側から前記内底面側に向かうにしたがって、前記収納空間から離間する態様で傾斜しており、
    前記延長部は、前記側壁の一部である壁(99)から延び、
    前記フランジは、前記壁側から前記延長部が延びる方向と同一方向に延び、
    前記延長部は前記フランジよりも前記同一方向に関して前記収納空間から離間して延び、
    前記延長部は、前記フランジよりも前記同一方向に関して前記収納空間から離間した延長端(74)と、前記外側面の一部であって前記延長端側にある上面(70a)と、を有し、
    前記上面は、前記先端側から前記内底面側に向かうにしたがって、前記収納空間から離間する態様で傾斜している車両用電池パック。
  5. 前記車両の車室(302)に設けられている車両用電池パックであって、
    前記フランジと前記延長部は前記車両の幅方向に延びている請求項3または4に記載の車両用電池パック。
  6. 前記電池の出力を制御する制御部(22)と、
    前記制御部に電気的に接続されたコネクタ(71)と、を有し、
    前記コネクタの一部が前記収納空間の外に位置するとともに、前記延長部に設けられている請求項2~5のいずれか1つに記載の車両用電池パック。
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