WO2012101956A1 - ロボットアームの制御装置及び制御方法、ロボット、ロボットアーム制御プログラム、並びに、集積電子回路 - Google Patents
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Abstract
ロボットアーム(100)に、ロボットアームに取り付けられた手先効果部(102)と分離した構造をしている把持部(103)を設け、把持部(103)を人が把持して移動させることで、ロボットアーム(100)を把持部(103)に追従して移動させる。また、把持部(103)に接触センサ(105)を備え、接触センサ(105)の検出結果に応じて追従制御の方法を切り替える。
Description
本発明は、ロボットの動作を生成し、教示又は協調搬送などの所望の作業を行うためのロボットアームの制御装置及び制御方法、ロボットアームの制御装置を有するロボット、ロボットアーム制御プログラム、並びに、集積電子回路に関する。
近年、製造現場では多品種少量生産のためモデルチェンジが頻繁に起こる。セル生産が盛んに行われている近年の製造現場において、ネジ締め作業若しくは部品の嵌合作業、装着作業、フレキシブル基板などの挿入作業、又は、研磨作業などをロボットにより自動化するためには、多種多様な部品又は作業手順に柔軟に対応する必要がある。部品が変わるごとに組み立てる位置又は向きなどが変わり、作業を行う順番も変わるので、それらの変化に対応する必要がある。また、フレキシブル基板の挿入作業などのように柔軟物を取り扱う作業などは、作業が複雑であり、依然として人手中心で行っている。人は、柔軟物が対象物に接触し、柔軟物がたわむ際の手に伝わる反力によって、柔軟物のたわみ具合又は位置を推測し。それによって、複雑な作業を行うことができる。
これに対して、ロボットにおいては、試行ごとにたわみ方又は位置などが変わる柔軟物の力情報又は位置情報を定式化できないため、得られる反力に応じた複雑な作業を行うことは非常に困難である。以上の課題を解決し、そのような人手中心で行っている作業をロボットにより自動化する需要は大きい。
そこで、従来、ティーチングペンダント又はプログラミングを用いて、ロボットに作業を教示する方法が用いられている。しかしながら、それらの方法により教示を行うと、教示工数が非常に増える。また、ロボットの複数の関節を同時に動かすような、複雑な動きが必要な作業は、教示できないこともある。
以上のように、ティーチングペンダント又はプログラミングを用いる方法では限界がある。
このため、従来は、ロボットを触って教示するダイレクトティーチングを用いて簡単に教示する方法が用いられている。ダイレクトティーチングでは、直感的な操作ができること、又は、ロボットが対象物に接触した際に、物理的な反力を作業する人が感じることによって、反力に応じた操作ができることなどの長所がある。一方で、ロボット自体が重い場合は、人がロボットを支えることができずロボットの操作ができないこと、又は、ロボット自体が重いためロボットが対象物に接触した際の物理的な反力を人が感じられないこと、又は、ロボットを人が触っているのでロボットが暴走すると危険であることなどの短所も併せ持つ。このように操作性が悪いロボットに対して教示を行う際に、そのロボットの操作性を改善することは非常に重要である。同様に、ロボットに触った際の安全性の確保も重要である。
ダイレクトティーチングに関して、第1のロボットアームの手先先端部にバネで取り付けられた第2のロボットアームを持つ構成が考えられている。2つのロボットアームを持つ構成をすることによって、従来の1つのロボットアームのみの構成と比較して、より精密なダイレクトティーチングを可能とする(特許文献1参照)。
また、保持部材の動きを水平方向に限定し、外部環境(保持している対象物の変位量又は力情報)を検出しインピーダンス制御を行うことによって、比較的重い対象物を保持した場合においても小さな力で保持部材を変位させることができる方法が用いられている(特許文献2参照)。
一方で、製品の運搬作業又は重い部品の嵌合作業において、ティーチングペンダント又はプログラミングを用いる方法では複雑であるためにロボットでは実現できない場合、二人の作業者によって作業が行われていた。そのような作業を、ロボットを用いて、作業者の労力を軽減することは非常に望まれている。このような作業を自動化する場合、ダイレクトティーチングでは、製品が重くて作業者がロボットに教示することができない。そこで、ロボットが把持した重い製品を作業者と協調して運搬する協調搬送という方法を用いる。
協調搬送に関して、小さい操作力で協調搬送できるようにロボットにアシスト力を発生させることが考えられている。このアシスト力の値は、以下のようにして求める。すなわち、ロボットの関節角度と、手先位置と、ロボットと協調作業する作業者が対象物に加える力とをそれぞれ検出し、それらの値より作業者の手先粘性係数と、弾性係数と、作業者の手先自然長位置とをそれぞれ推定し、それらの値に基づいて、アシスト力の値を求める(特許文献3参照)。
特許文献1においては、手先の先端部に取り付けられたロボットアームはバネで取り付けられているため、バネの弾性力の影響を受けるので、操作性に課題が残る。また、第2のロボットアームと第1のロボットアームが連動して動かないため、作業領域の広い作業を行う場合には、第1のロボットアームを動かした後に第2のロボットアームを動かさなければならないので、作業工数が増えてしまう。
特許文献2においては、保持部材の動きは水平方向にのみ限定されており、他の方向には動かすことが困難である。また、保持部材とロボットアームは接触しており、保持部材の重力又は接触の摩擦力の影響を受けるので、操作性に課題が残る。
特許文献3においては、ロボットがアシスト力を発生しているものの、推定値の誤差によって対象物又はロボットの重さを人が感じることとなり、操作性の課題が残る。また、力センサを用いる必要があり、大きなコストがかかってしまう。
そこで、本発明者らは、ロボットアームにおいて、ロボットアームの操作時に人が把持する把持部をロボットアーム本体から機構的に分離するような構造を発明した。この構造では、ロボットアーム本体と把持部との相対位置を所定の閾値の範囲内に収まるようにロボットアームの追従制御を行うことによって、人が把持部を操作するときはロボットアーム本体の慣性の影響を排除でき、操作性が非常に良くなるものである。
しかしながら、この構造では、人が把持部を把持していない場合においては、把持部は地面に衝突するまで下に落ちるので、それに伴ってロボットアームも追従し、下に下がり続けてしまう。これでは、人が把持部を把持していない場合に、ロボットアームが下に動き続けて危険である。また、人が把持部を把持し追従制御を開始するときと追従制御を終了するときとに、把持部とロボットアームとの相対位置が大きい場合には、その大きい相対位置に対してロボットアームが追従するためロボットアームが急激に移動することとなるので、ロボットアームが人に当たると非常に危険である。また一方で、人が把持部を急激に移動させると、ロボットアームは追従することができず、ロボットアームがどのような振る舞いを起こすかわからない状態となる。
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたものであり、協調搬送又は直接操作などの作業を行う際のロボットアームに対する操作性を改善することができ、ロボットアームを容易に動かすことができ、安全性の高いロボットアームの制御装置及び制御方法、ロボット、ロボットアーム制御プログラム、並びに、集積電子回路を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアームの制御装置であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアームを提供する。
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアームを提供する。
本発明の別の態様によれば、前記記載のロボットアームを備えるロボットを提供する。
本発明のまた別の態様によれば、人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアームの制御方法であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得し、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求め、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力し
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するとき、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得し、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出し、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力する、ロボットアームの制御方法を提供する。
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得し、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求め、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力し
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するとき、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得し、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出し、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力する、ロボットアームの制御方法を提供する。
本発明のさらに別の態様によれば、人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアーム制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得するステップと、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求めるステップと、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力するステップと
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するステップとを実行させるとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するステップでは、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得するステップと、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出するステップと、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力するステップと、を実行させるための、ロボットアーム制御プログラムを提供する。
コンピュータに、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得するステップと、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求めるステップと、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力するステップと
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するステップとを実行させるとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するステップでは、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得するステップと、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出するステップと、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力するステップと、を実行させるための、ロボットアーム制御プログラムを提供する。
本発明のさらに別の態様によれば、人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアーム用集積電子回路であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアーム用集積電子回路を提供する。
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアーム用集積電子回路を提供する。
本発明のロボットアームの制御装置及び制御方法、ロボット、ロボットアーム制御プログラム、並びに、集積電子回路によれば、ロボットアーム本体に取り付けられた手先効果部と人が把持する把持部とが機構的に分離しており、人が把持部を操作することによってロボットアームを操作することができる。その結果、操作時に、把持部に対するロボットアーム本体の慣性の影響を除去でき、操作性を非常に良くすることができる。また、ロボットアームと機構的に分離した把持部が他の物と接触した場合においては、追従制御の方法を切り替えることによって、安全性を向上させることができる。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
図1は、本発明の第1実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの構成図であり、
図2Aは、本発明の第1実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの平面図であり、
図2Bは、本の第1実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとを示す図2A中のA-A線の断面図であり、
図2Cは、本発明の第1実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとを示す図2A中のB-B線の断面図であり、
図3Aは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Bは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Cは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Dは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Eは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Fは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Gは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Hは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Iは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Jは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図3Kは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの平面図であり、
図3Lは、本発明の第1実施形態のロボットにおける落下時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの平面図であり、
図4Aは、本発明の第1実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサと、緩衝材の平面図であり、
図4Bは、本発明の第1実施形態のロボットにおける手先効果部、把持部、接触センサ、緩衝材の側面図であり、
図4Cは、本発明の第1実施形態のロボットにおける接触時の手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサと、緩衝材の平面図であり、
図4Dは、本発明の第1実施形態のロボットにおける接触時の手先効果部、把持部、接触センサ、緩衝材の側面図であり、
図5は、本発明の第1実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの図1と異なる構成図であり、
図6は、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームのブロック図であり、
図7は、本発明の第1実施形態のロボットにおける接触情報の説明図であり、
図8は、本発明の第1実施形態のロボットにおける人の手の把持位置の説明図であり、
図9Aは、本発明の第1実施形態のロボットにおける人の手の把持時間の説明図であり、
図9Bは、本発明の第1実施形態のロボットにおける人の手の把持時間の説明図であり、
図9Cは、本発明の第1実施形態のロボットにおける人の手の把持時間の説明図であり、
図10は、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームの説明図であり、
図11Aは、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図11Bは、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図11Cは、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図11Dは、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図11Eは、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図12Aは、本発明の第1実施形態のロボットにおける人の手が把持していない場合の説明図であり、
図12Bは、本発明の第1実施形態のロボットにおける人の手の把持していない場合の説明図であり、
図12Cは、本発明の第1実施形態のロボットにおける人の手の把持していない場合の説明図であり、
図12Dは、本発明の第1実施形態のロボットにおける人の手の把持していない場合の説明図であり、
図13は、本発明の第1実施形態のロボットにおける相対位置情報、接触情報を取得してから追従制御を行うまでの処理の流れを示すフローチャートであり、
図14Aは、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の開始時の説明図であり、
図14Bは、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の開始時の説明図であり、
図14Cは、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の開始時の説明図であり、
図15は、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の時間と速度の関係の説明図であり、
図16は、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームのブロック図であり、
図17は、本発明の第2実施形態のロボットにおける追従制御切替部の係数情報の決定方法の説明図であり、
図18Aは、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図18Bは、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図18Cは、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図18Dは、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図18Eは、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図19は、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であって、図19の(A)は本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の時間と係数の関係の説明図、図19の(B)は本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の時間と速度の関係の説明図であり、
図20は、本発明の第2実施形態のロボットにおける相対位置情報、接触情報を取得してから追従制御を行うまでの処理の流れを示すフローチャートであり、
図21Aは、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の終了時の説明図であり、
図21Bは、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の終了時の説明図であり、
図21Cは、本発明の第2実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の終了時の説明図であり、
図22Aは、本発明の第3実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの平面図であり、
図22Bは、本発明の第3実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図22Cは、本発明の第3実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図23Aは、本発明の第3実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの図22Aと異なる平面図であり、
図23Bは、本発明の第3実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの図22Bと異なる断面図であり、
図23Cは、本発明の第3実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの図22Cと異なる断面図であり、
図24は、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームのブロック図であり、
図25は、本発明の第3実施形態のロボットにおける追従制御切替部における係数情報の決定方法の説明図であり、
図26Aは、本発明の第3実施形態のロボットにおける把持部の把持方法の説明図であり、
図26Bは、本発明の第3実施形態のロボットにおける把持部の把持方法の説明図であり、
図27Aは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図27Bは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図27Cは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図27Dは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図27Eは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図27Fは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図27Gは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図27Hは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送における把持方法の説明図であり、
図27Iは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送における把持方法の説明図であり、
図27Jは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送における把持方法の説明図であり、
図27Kは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送における把持方法の説明図であり、
図27Lは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送における把持方法の説明図であり、
図27Mは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送における把持方法の説明図であり、
図27Nは、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送における把持方法の説明図であり、
図28は、本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であって、図28の(A)は本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の時間と係数の関係の説明図、図28の(B)は本発明の第3実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の時間と速度の関係の説明図であり、
図29は、本発明の第3実施形態のロボットにおける相対位置情報、接触情報を取得してから追従制御を行うまでの処理の流れを示すフローチャートであり、
図30Aは、本発明の第4実施形態のロボットにおける手先効果部、把持部、相対位置センサ、力センサの平面図であり、
図30Bは、本発明の第4実施形態のロボットにおける手先効果部、把持部、相対位置センサ、力センサの断面図であり、
図30Cは、本発明の第4実施形態のロボットにおける手先効果部、把持部、相対位置センサ、力センサの断面図であり、
図31は、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームのブロック図であり、
図32は、本発明の第4実施形態のロボットにおける力情報の説明図であり、
図33は、本発明の第4実施形態のロボットにおける追従制御切替部における係数情報の決定方法の説明図であり、
図34Aは、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図34Bは、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図34Cは、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図34Dは、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図34Eは、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図34Fは、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図34Gは、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図35は、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であって、図35の(A),(B),(C)は、それぞれ、本発明の第4実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の時間と係数の関係と、時間と速度の関係と、時間と力の大きさの関係との説明図であり、
図36は、本発明の第4実施形態のロボットにおける相対位置情報、力情報を取得してから追従制御を行うまでの処理の流れを示すフローチャートであり、
図37は、本発明の第5実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの構成図であり、
図38Aは、本発明の第5実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの平面図であり、
図38Bは、本発明の第5実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図38Cは、本発明の第5実施形態のロボットにおける手先効果部と、把持部と、相対位置センサと、接触センサとの断面図であり、
図39は、本発明の第5実施形態のロボットにおけるロボットアームのブロック図であり、
図40Aは、本発明の第5実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図40Bは、本発明の第5実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図40Cは、本発明の第5実施形態のロボットにおけるロボットアームを用いた協調搬送の説明図であり、
図41は、本発明の第5実施形態のロボットにおける相対位置情報、接触情報を取得してから追従制御を行うまでの処理の流れを示すフローチャートである。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアームの制御装置であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアームを提供する。
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアームを提供する。
本発明の第2態様によれば、前記把持検出部は、前記人の把持の有無の情報に加えて、把持開始からの経過時間も把持情報として検出する一方、
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と前記把持開始からの経過時間と、追従速度を決定する制御係係数の情報とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とをさらに備え、
前記把持部を前記人が把持した直後の所定の一定時間は、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を、他の時間の追従速度よりも遅くするように制御する第1の態様に記載のロボットアームを提供する。
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と前記把持開始からの経過時間と、追従速度を決定する制御係係数の情報とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とをさらに備え、
前記把持部を前記人が把持した直後の所定の一定時間は、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を、他の時間の追従速度よりも遅くするように制御する第1の態様に記載のロボットアームを提供する。
本発明の第3態様によれば、前記把持検出部は、前記人の把持の有無の情報に加えて、前記把持部を前記人が把持する位置も把持情報として検出する一方、
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と前記把持部を前記人が把持する位置と、追従速度を決定する制御係係数の情報とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とをさらに備え、
前記把持部を前記人が把持する位置に応じて、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を変化させるように制御する第1の態様に記載のロボットアームを提供する。
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と前記把持部を前記人が把持する位置と、追従速度を決定する制御係係数の情報とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とをさらに備え、
前記把持部を前記人が把持する位置に応じて、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を変化させるように制御する第1の態様に記載のロボットアームを提供する。
本発明の第4態様によれば、前記追従制御切替制御部は、
前記把持部に外部から加えられた力の大きさを取得する力情報取得部を備えて、
前記把持検出部は、前記力情報取得部で取得した力情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報を検出し、さらに前記把持部を前記人が把持する力の大きさも把持情報として検出する一方、
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と、前記把持部を前記人が把持する力の大きさと、追従速度を決定する制御係数とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とを備えて、
前記把持部を前記人が把持する力の大きさに応じて、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を変化させるように制御する第1の態様に記載のロボットアームを提供する。
前記把持部に外部から加えられた力の大きさを取得する力情報取得部を備えて、
前記把持検出部は、前記力情報取得部で取得した力情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報を検出し、さらに前記把持部を前記人が把持する力の大きさも把持情報として検出する一方、
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と、前記把持部を前記人が把持する力の大きさと、追従速度を決定する制御係数とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とを備えて、
前記把持部を前記人が把持する力の大きさに応じて、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を変化させるように制御する第1の態様に記載のロボットアームを提供する。
本発明の第5態様によれば、前記追従制御切替制御部は、
前記把持部に対する前記手先効果部の接触の有無を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部と前記手先効果部とが接触した場合のみ追従制御を停止し、前記把持部と前記手先効果部とが接触していない場合は追従制御を行う、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える第1の態様に記載のロボットアームを提供する。
前記把持部に対する前記手先効果部の接触の有無を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部と前記手先効果部とが接触した場合のみ追従制御を停止し、前記把持部と前記手先効果部とが接触していない場合は追従制御を行う、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える第1の態様に記載のロボットアームを提供する。
本発明の第6態様によれば、第1~5のいずれか1つの態様に記載のロボットアームを備えるロボットを提供する。
本発明の第7態様によれば、人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアームの制御方法であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得し、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求め、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力し
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するとき、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得し、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出し、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力する、ロボットアームの制御方法を提供する。
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得し、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求め、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力し
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するとき、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得し、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出し、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力する、ロボットアームの制御方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアーム制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得するステップと、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求めるステップと、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力するステップと
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するステップとを実行させるとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するステップでは、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得するステップと、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出するステップと、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力するステップと、を実行させるための、ロボットアーム制御プログラムを提供する。
コンピュータに、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得するステップと、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求めるステップと、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力するステップと
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するステップとを実行させるとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するステップでは、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得するステップと、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出するステップと、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力するステップと、を実行させるための、ロボットアーム制御プログラムを提供する。
本発明の第9態様によれば、人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアーム用集積電子回路であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアーム用集積電子回路を提供する。
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアーム用集積電子回路を提供する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態におけるロボットについて説明する。
以下、本発明の第1実施形態におけるロボットについて説明する。
本発明の第1実施形態のロボットでは、ロボットアームの操作性を向上させるために、操作時に人が把持する把持部をロボットアーム本体と機構的に分離し、ロボットアーム本体は把持部の移動に追従する(詳細は後で説明する)。しかしながら、このように追従制御を行うことによって、人が把持部を把持していないときには、把持部が落下しロボットアームが下に下がってしまうという課題が生じる(詳細は後で説明する)。第1実施形態は、この課題への対応策を行うものである。
図1は、本発明の第1実施形態における、ロボットアーム100を含むロボット601を示す。ロボットアーム100は、ロボットアーム100の本体の一例であるマニピュレータ101と、手先効果部102と、把持部103と、相対位置情報取得部の一例としての相対位置センサ104と、接触センサ105とを備える。ただし、具体的な接触センサを個々に説明する場合には、後述するように参照符号105A~105Eで示し、総称的に説明する場合には参照符号105で示す。ここで、ロボット601は、ロボットアーム100と、ロボットアームの制御装置602とで構成されている。
マニピュレータ101は、複数の多関節機構を有し、関節軸(101a、101b、101c)を中心に各リンク101d、101eが回転駆動する。マニピュレータ101の手先には、手先効果部102が取り付けられている。
手先効果部102は、複数の相対位置センサ104を内蔵しており、複数の相対位置センサ104により、手先効果部102に対する把持部103の相対位置(すなわち、相対位置の情報、言い換えれば、測定値又は計測値)を測定する機能を有する。手先効果部102は、マニピュレータ101の手先に、位置が変わらないように固定されており、固定された位置からの把持部103の相対位置を測定する。本第1実施形態では、6個の相対センサ104を用いて、相対位置を測定する(詳細については後述する)。
把持部103は、人が作業を行う際に手で把持するための部分であり、手先効果部102と分離した構造となっている。
相対位置センサ104は、手先効果部102に対する把持部103の相対位置を検出するセンサである。ここで、Δrは、Δx~Δγの総称を意味する。ここでは、取得された前記相対位置の情報が所定6個の相対センサ104を用いる(詳細については後述する)。
接触センサ105は、把持部103の外側に取り付けられて把持部103の外部の対象物と把持部103との接触を検出するセンサである。ここでは、5個の接触センサ105を用いる(詳細については後述する)。
以下、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ105とについて図2A~図2Cを用いて詳しく説明する。
図2Aは、平面が正方形の直方体状の手先効果部102と、四角形の箱体状の把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ105との平面図であり、図2Aの表面にマニピュレータ101の手先が連結される。図2Bは、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ105との図2A中のA-A線の断面図であり、矢印2Bから見た断面図である。図2Cは、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ105との図2A中のB-B線の断面図であり、矢印2Cから見た断面図である。
なお、第1実施形態では、手先効果部102の形状は、図2に示す形状をしているが、長方形、多角形、若しくは、円形の平面を有する柱状の物体、又は、球体など、いかなる形状も可能である。
把持部103は、四角形の底面部103aと、底面部103aの各辺より立設した4個の四角形の側面部103bと、各側面部103bの中央部の上面に内向きに突出した脱落防止部材の一例としての突起部103cとを備える四角形の箱体状で構成されている。把持部103の内側には、底面部103aと4個の側面部103bとにより、凹空間103dを有する箱形状を形成する。凹空間103dは、所定の隙間(空間)90を有して手先効果部102を内部に配置できる空間を形成する。よって、底面部103aと4個の側面部103bと4個の突起部103cとのそれぞれと手先効果部102のそれぞれ対向する面との間に、それぞれ隙間90を保持可能としている。
突起部103cは、各側面部103bの底面部103aと対向する部分に設けられた板部材であり、凹空間103dの内部に配置した手先効果部102が、図3Aに示すように箱形状内部の凹空間103dから飛び出るのを防止する脱落防止部材の一例として機能する。
把持部103は、手先効果部102と分離した構造であり、手先効果部102とは別部材で構成されている。なお、把持部103の形状は、図2A~図2Cに示す形状をしているが、長方形、多角形、若しくは、円形の平面を有する箱状の物体、又は、球体など、いかなる形状も可能である。
各空間90(Δx~Δγ)について、図2A~図2Cを用いて説明する。
ここでは、図2Aの横方向をx軸方向とし、縦方向をy軸方向とし、図2B及び図2Cの縦方向をz軸方向と定義している。すると、隙間90のx軸方向の幅Δxは、x軸方向と直交するy軸方向沿いにそれぞれ配置されている、手先効果部102の側面部102bと把持部103の側面部103bとのx軸方向の隙間の間隔を示す。隙間90のy軸方向の幅Δyは、x軸方向沿いにそれぞれ配置されている、手先効果部102の正面部102a又は裏面部102eと把持部103の側面部103bとのy軸方向の隙間の間隔を示す。隙間90のz軸方向の幅Δzは、z軸方向と直交する方向沿いにそれぞれ配置されている、手先効果部102の底面部102cと把持部103の底面部103aとのz軸方向の隙間の間隔を示す。隙間90のα方向の幅Δαは、手先効果部102の底面部102cと把持部103の底面部103aとのx軸まわりの回転方向αの隙間の間隔を示す。隙間90のβ方向の幅Δβは、手先効果部102の底面部102cと把持部103の底面部103aとのy軸まわりの回転方向βの隙間の間隔を示す。隙間90のγ方向の幅Δγは、手先効果部102の正面部102aと把持部103の側面部103bとのz軸まわりの回転方向γの隙間の間隔を示す。
ここで、各軸(x~γ)について、図2A~図2Cを用いて説明する。x軸は、手先効果部102の中心部102dから側面部102bに対して垂直に延びる軸であり、図2A中の右方向を+とする。y軸は、手先効果部102の中心部102dから正面部102a又は裏面部102eに対して垂直に延びる軸であり、図2A中の上方向を+とする。z軸は、手先効果部102の中心部102dから底面部102cに垂直に延びる軸であり、図2B中の上方向を+とする。x軸周りの回転αは、x軸に対して右手の法則を適用させる。y軸周りの回転βは、y軸に対して右手の法則を適用させる。z軸周りの回転γは、z軸に対して右手の法則を適用させる。
図2A~図2Cの状態における手先効果部102と把持部103の間との隙間90の間隔(ギャップ)Δx、Δy、Δzは、それぞれ、具体的な一例として3mmとなっており、その隙間分だけ把持部103をx軸方向、y軸方向、又は、z軸方向にそれぞれ動かすことができる。したがって、図2A~図2Cの状態においては、把持部103の可動範囲(手先効果部102と分離した範囲)は、x、y、z軸に対して±3mmとなる。また、把持部103の回転の可動範囲(Δα、Δβ、Δγ)は、α、β、γ方向に対して、それぞれ、一例として±3/100ラジアンとなっている。把持部103の形状に関しては、手先効果部102と同様にいかなる形状も可能である。
また、把持部103を人が把持しない場合においても把持部103が手先効果部102から落下しないように、図2A~図2Cに示すように把持部103の4個の突起部103cが手先効果部103を囲む若しくは引っかかる形状となっているので、どの方向を向いても手先効果部102から落下しない構造となっている(図3A~図3F参照)。すなわち、図3Aは、把持部103が手先効果部102に対して最も下方の位置に移動した場合に、4個の突起部103cが手先効果部102の上面102fに接触して脱落防止している状態を示している。図3Bは、把持部103と手先効果部102との位置関係が、図3Aの状態とは上下逆さまとなり、把持部103の底面部103aが手先効果部102の底面部102cに接触している状態を示している。図3Cは、把持部103と手先効果部102との位置関係が、図3Aの状態から時計方向に90度回転した状態であり、把持部103の側面部103bが手先効果部102の側面部102bに接触している状態を示している。図3Dは、把持部103と手先効果部102との位置関係が、図3Aの状態から反時計方向に90度回転した状態であり、把持部103の側面部103bが手先効果部102の側面部102bに接触している状態を示している。図3Eは、把持部103と手先効果部102との位置関係が、図3Cの状態から左右方向の軸周りに上方向に90度回転した状態であり、把持部103の側面部103bが手先効果部102の裏面部102eに接触している状態を示している。図3Fは、把持部103と手先効果部102との位置関係が、図3Cの状態から左右方向の軸周りに上方向に図3Eとは逆に90度回転した状態であり、把持部103の側面部103bが手先効果部102の表面部102aに接触している状態を示している。
また、同様に、どの方向に回転しても、把持部103は手先効果部102から落下しない構造となっている(図3G~図3L参照)。すなわち、図3G~図3Jは、手先効果部102の側面部102b又は表面部102a(裏面部102e)のいずれもが、図3G~図3Jにおいて、時計方向又は反時計方向に回転しても、右側の角度部又は左側の角度部が把持部103の突起部103cに接触して、把持部103は手先効果部102から落下しない状態を示している。図3K~図3Lは、手先効果部102の上面102fが、図3K~図3Lにおいて、時計方向又は反時計方向に回転しても、手先効果部102の角度部が把持部103の側面部103bに接触してあまり回転しないように規制され、かつ、手先効果部102の各辺の一部が把持部103の突起部103cに接触して、把持部103は手先効果部102から落下しない状態を示している。
なお、このように、手先効果部102と把持部103とが接触する際に、衝突を和らげる緩衝材401を手先効果部102に取り付けることも可能である(図4A、図4B参照)。図4A及び図4Bに示す通り、緩衝材401を手先効果部102の上下左右の各角部に取り付けた場合においても、図2A~図2Cで定義した隙間(Δx~Δγ)の値は変わらない。図4C及び図4Dに緩衝材401と把持部103が接触した際の状態を示す。図4C及び図4Dより、緩衝材401を手先効果部102に取り付けることによって、緩衝材401のみが把持部103と接触しており、手先効果部102と把持部103とは直接接触していないことがわかる。
なお、図5に示すように、手先効果部102と把持部103との構成位置を入れ替えた構成でも使用することができる。すなわち、四角形の箱体状の手先効果部102Hの内部の空間内に平面が正方形の直方体状の把持部103Hを前記隙間と同じ隙間をあけて配置して構成することもできる。この場合、人が把持部103Hを把持しやすくするため、把持部103Hの底面部に取っ手部材103eを取り付ける必要がある。図5では、接触センサ105は、例えば、取っ手部材103eの周囲の4箇所に取り付けているが、これに限られるものではない。
相対位置センサ104は、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrを検出するセンサである。ここで、Δrは、Δx~Δγの総称を意味する。
ここで、相対位置Δrは次式(1)により表され、各相対位置は図2A~図2Cに示す通りである。
よって、隙間90のy軸方向の幅Δyは、2個のギャップセンサsy1、sy2で計測された少なくとも2つの計測値y1、y2の平均を、後述する相対位置情報取得部607で算出して採用する。隙間90のz軸方向の幅Δzは、3個のギャップセンサsz1、sz2、sz3で計測された少なくとも3つの計測値z1、z2、z3の平均を、後述する相対位置情報取得部607で算出して採用する。なお、隙間90のx軸方向の幅Δxは、1個のギャップセンサsxで計測された少なくとも1つの計測値x1をそのまま採用するか、1個のギャップセンサsxで複数回計測を行い、その平均値を、後述する相対位置情報取得部607で算出して採用する。幅Δy又は幅Δzも、同様に、それぞれのギャップセンサで複数回計測を行い、それらの平均値をそれぞれy1、y2、z1、z2、z3とした上で、前記した平均値を算出して採用するようにしてもよい。よって、各計測値x1、y1、y2、z1、z2、z3を計算して得られた結果が幅Δx~Δγとなる。
しかしながら、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrを検出する方法としては、ギャップセンサによる検出に代えて、カメラで手先効果部102に対する把持部103の画像を取得して相対位置Δrを検出する方法など、他の方法を用いることも可能である。
ここでは、図2A~図2Cに示すギャップセンサを6個用いる方法について説明する。6個のギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3を図2A~図2Cに示すように配置し、xyzのそれぞれの軸の手先効果部102と把持部103との隙間gを測定する(ギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3のそれぞれの計測値(測定値)gから相対位置Δrを導出する方法は後述する)。なお、隙間gは、ギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3のそれぞれの計測値x1、y1、y2、z1、z2、z3の総称を意味する。ここで、隙間gは、次式(2)により表されて、それぞれのギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3の計測値x1、y1、y2、z1、z2、z3を表し、隙間gは図2A~図2Cに示す通りである。なお、各計測値x1、y1、y2、z1、z2、z3だけでは回転方向が表現されていない。そこで、各計測値x1、y1、y2、z1、z2、z3を用いて並進方向と回転方向を求めた結果がΔx~Δγとしている。よって、各計測値x1、y1、y2、z1、z2、z3はギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3の計測値を表しただけのものである。それに対して、Δx~Δγは各計測値を用いて並進方向と回転方向の相対位置を計算した結果、導出した値となる。
接触センサ105は、把持部103の外側の4つの側面部103bの外面と底面部103aの外面とにそれぞれ取り付けられ、外部との接触の有無を検出する。各接触センサ105の出力はデジタル信号であり、各接触センサ105は、「接触有り」の場合には「1」を出力し、「接触無し」の場合には「0」を出力する。検出した接触センサ105の出力は、入出力IF608に出力する。図2A~図2Cに示すように、各接触センサ105は105A~105Eの5箇所に取り付けられている。すなわち、接触センサ105A~105Dが4つの側面部103bの外面に取り付けられ、接触センサ105Eが底面部103aの外面に取り付けられている。なお、ここでは、図2A及び図2Bに示すように、接触センサ105を配置したが、接触センサ105の配置場所又は個数などは、把持部103と他の物体との接触の情報を取得できるならば、どのように選択しても構わない。
図6は、本発明の第1実施形態のロボットにおけるロボットアーム100のブロック図を示す。図4において、ロボットアーム100は、マニピュレータ101と、ロボットアーム100の制御装置602とで構成されている。
ロボットアーム100の制御装置602は、制御装置本体部603と、周辺装置604とで構成されている。制御装置本体部603は、制御部605と、追従制御部606と、相対位置情報取得部607と、追従制御切替制御部600(接触情報取得部610と、把持検出部611と、追従制御切替部612)とで構成されている。周辺装置604は、入出力IF608と、モータドライバ609とで構成されている。入出力IF608には、制御装置602での制御動作のオン・オフスイッチも含まれている。追従制御切替制御部600は、接触情報取得部610と、把持検出部611と、追従制御切替部612とで構成されて、把持部103が他の物と接触しているとき追従制御部606での追従制御を行う一方、把持部103が他の物との接触していないとき追従制御部606での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力するものである。それぞれの機能について、以下に説明する。
相対位置情報取得部607は、入出力IF608から取得したギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3のそれぞれの計測値gを基に、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrを求める。求めた相対位置Δrである相対位置情報を、相対位置情報取得部607から追従制御部606に出力する。ここで、ギャップセンサsy1-sy2間の間隔と、ギャップセンサsz1-sz2間の間隔と、ギャップセンサsz2-sz3間の間隔とをそれぞれpとし、ギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3のそれぞれの計測値をx1、y1、y2、z1、z2、z3とし、手先効果部102に対する把持部103の相対位置をΔrとすると、Δrは、相対位置情報取得部607により、次式(3)より求まる。
また、追従制御部606による移動量の求め方を以下に説明する。手先効果部102に対する把持部103の相対位置をΔr(式(3)参照)とし、相対位置の目標値をΔrdとし、求める移動量をyとすると、追従制御部606により、次式(4)より、移動量yは求まる(ここで、kは定数(例えば、1.0))。ただし、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrが閾値内に収まっている場合は、移動量yを0とする。定数kの値は、人がキーボード又はマウス又はタッチパネルなどの入力装置608dを使用して入出力IF608から入力される値によって決定される。
把持検出部611は、接触情報取得部610から接触情報が入力される。入出力IF608から把持検出部611にも、入出力IF608に内蔵されたタイマーからの時間情報が入力される。把持検出部611は、接触情報取得部610からの接触情報を基に、人が把持部103を把持しているかどうかを検出(判定)する把持判定部として機能し、「把持有り」または「把持無し」で表される把持情報を追従制御切替部612に出力する。ここで、把持情報としては、「把持有り」の場合は「1」を把持検出部611から追従制御切替部612に出力し、「把持無し」の場合は「0」を把持検出部611から追従制御切替部612に出力する。
把持情報において、人の把持が把持検出部611で検出される場合(「把持有り」として把持検出部611で検出する場合)は、次の2つの把持検出条件を満たすことである。
1つ目の把持検出条件は、互いに向かい合う2つの接触センサ105(接触センサ105Aと接触センサ105B、又は、接触センサ105Cと接触センサ105D)が共に「接触有り」(出力が1)であること。これは、図8に示すように、人の手801で把持部103を把持するとき、人の手801の例えば親指801cが把持部103の下面側の接触センサ105Aに接触するとともに、人差し指801bが把持部103の上面側の接触センサ105Bに接触して、親指801cと人差し指801bとの間で把持部103を把持するためである。このようにすることによって、把持部103の一面のみが地面と接している場合又は把持部103の一面のみが他の物体と接触している場合などに、人が把持部103を把持していると把持検出部611で誤検出することを防ぐことができる。なぜなら、1つの接触センサ105のみが「接触有り」であったとしても、他の接触センサ105が「接触無し」ならば、人が把持部103を把持したとは把持検出部611で検出しないためである。
2つ目の把持検出条件は、2つの接触センサ105のそれぞれが所定時間(例えば連続して2秒以上)の間、「接触有り」(接触センサ105からの出力が「1」)であること。これは、人が把持部103を把持する意図がなく、把持部103に人の手801又は他の物体をぶつけてしまった場合に、人が把持部103を把持していると把持検出部611で誤検出することを防ぐためである。
図9A~図9Cを用いて、2つ目の把持検出条件を満たす場合について説明する。図9A~図9Cは、横軸が時間(秒)を示し、縦軸は接触情報(例えば、接触センサ105Aの情報)を示す。図9Aは、接触している時間が5.1秒の時点と5.2秒の時点との間の0.1秒であり、2つ目の把持検出条件を満たさない。図9Bは、5秒の時点から接触を開始し、7秒の時点を経過して、接触している時間が2秒を超えている。よって、7秒の時点以降の時間は2つ目の把持検出条件を満たす。7秒の時点より以前の時間は2つ目の把持検出条件を満たさない。図9Cは、連続して接触している時間が5秒の時点から6秒の時点の間の1秒と、7秒の時点から8.5秒の時点の間の1.5秒であるので、それぞれ、2つ目の把持検出条件を満たさない。
以上の2つの把持検出条件を両方とも満たしたときに、把持検出部611は、把持情報として「把持有り」(出力が「1」)を把持検出部611から追従制御切替部612に出力する。1つでも把持検出条件を満たさない場合は、把持検出部611は、恥情報として「把持無し」(出力が「0」)を把持検出部611から追従制御切替部612に出力する。
追従制御切替部612は、把持検出部611からの把持情報に応じて「追従制御オン」又は「追従制御オフ」で表される追従制御情報を決定する。追従制御切替部612で決定した追従制御情報を、追従制御切替部612から制御部605に出力する。ここで、追従制御情報としては、「追従制御オン」の場合は「1」を出力し、「追従制御オフ」の場合は「0」を出力する。追従制御切替部612における追従制御情報の選択(切り替え)方法は、把持検出部611からの把持情報において、「把持有り」(出力が「1」)の情報があると、「追従制御オン」を追従制御切替部612で選択し、「把持無し」(出力が「0」)の情報であると、「追従制御オフ」を追従制御切替部612で選択する。よって、人が把持部103を把持したときのみ「追従制御オン」となり、人が把持部103を把持していないときは「追従制御オフ」となる。
制御部605は、入出力IF608に内蔵されたタイマーを利用して、ある一定時間毎(例えば、1m秒毎)に、追従制御部606から制御部605に入力される移動量情報を入出力IF608に出力する。ここで、追従制御切替部612から入力される追従制御情報が、「追従制御オン」(出力が「1」)である場合は、移動量情報を制御部605から入出力IF608に出力するが、「追従制御オフ」(出力が「0」)である場合は、追従制御を停止する指令を制御部605から入出力IF608に出力する。
入出力IF608は、マニピュレータ101から取得したギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3の計測値gと、入出力IF608に内蔵されたタイマーからの時間情報とを相対位置情報取得部607に出力する。
接触センサ105からの接触センサ105の計測値と、入出力IF608に内蔵されたタイマーからの時間情報とを、入出力IF608から接触情報取得部610に出力する。
また、制御部605から取得した移動量情報、もしくは、追従制御を停止する指令を、入出力IF608はモータドライバ609に出力する。
追従制御部606で使用する定数の値(閾値を導出する際の間隔pに掛ける定数、移動量を導出する際の式(4)の係数k)が、人がキーボード又はマウス又はタッチパネルなどの入力装置608dを使用して入出力IF608に入力でき、入出力IF608に入力された値を、入出力IF608から追従制御部606に出力する。
モータドライバ609は、入出力IF608から取得した移動量情報を基に、マニピュレータ101を制御するために、マニピュレータ101のそれぞれのモータ1013への指令値をマニピュレータ101に出力する。また、入出力IF608から追従制御を停止する指令がモータドライバ609に入力された場合は、制御を停止するためのモータ1013への指令値をモータドライバ609からマニピュレータ101に出力する。
マニピュレータ101は、入出力IF608に内蔵されたタイマーを利用して、ある一定時間毎(例えば、1m秒毎)に、マニピュレータ101の位置情報をマニピュレータ101の各エンコーダ1014から入出力IF608に出力する。また、相対位置センサ104(ギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3)からのギャップセンサの計測値gも同様に、入出力IF608に内蔵されたタイマーを利用して、ある一定時間毎(例えば、1m秒毎)に、ギャップセンサsx1、sy1、sy2、sz1、sz2、sz3から入出力IF608に出力する。また、マニピュレータ101は、モータドライバ609からの指令値に従って制御される。詳細については、図10を用いて説明する。マニピュレータ101は、合計6個の軸周りに回転可能として6自由度の多リンクマニピュレータを構成している。
図10に示すように、マニピュレータ101は、一例として、多関節ロボットアームであって、具体的には6自由度の多リンクのマニピュレータである。マニピュレータ101は、手先効果部102と、手先効果部102が取り付けられている手首部1001を先端1002aに有する前腕リンク1002と、前腕リンク1002の基端1002bに回転可能に先端1003aが連結される上腕リンク1003と、上腕リンク1003の基端1003bが回転可能に連結支持される台部1004とを備えている。台部1004は、一定位置に固定されているが、図示しないレールに移動可能に連結されていても良い。手首部1001は、第4関節部1008と、第5関節部1009と、第6関節部1010との3つの回転軸を有しており、前腕リンク1002に対する手先効果部102の相対的な姿勢(向き)を変化させることができる。すなわち、図10において、第4関節部1008は、手首部1001に対する手先効果部102の横軸周りの相対的な姿勢を変化させることができる。第5関節部1009は、手首部1001に対する手先効果部102の、第4関節部1008の横軸とは直交する縦軸周りの相対的な姿勢を変化させることができる。第6関節部1010は、手首部1001に対する手先効果部102の、第4関節部1008の横軸及び第5関節部1009の縦軸とそれぞれ直交する横軸周りの相対的な姿勢を変化させることができる。前腕リンク1002の他端1002bは、上腕リンク1003の先端1003aに対して第3関節部1007周りに、すなわち、第4関節部1008の横軸と平行な横軸周りに回転可能とする。上腕リンク1003の他端1003bは、台部1004に対して第2関節部1006周りに、すなわち、第4関節部1008の横軸と平行な横軸周りに回転可能とする。さらに、台部1004の上側可動部1004aは、台部1004の下側固定部1004bに対して第1関節部1005周りに、すなわち、第5関節部1009の縦軸と平行な縦軸周りに回転可能としている。
この結果、マニピュレータ101は、合計6個の軸周りに回転可能として前記6自由度の多リンクマニピュレータを構成している。
マニピュレータ101の各軸の回転部分を構成する各関節部には、関節部駆動用のモータ1013のような回転駆動装置と、モータ1013の回転軸の回転位相角(すなわち関節角)を検出して位置情報を出力するエンコーダ1014(実際には、マニピュレータ101の各関節部の内部に配設されている)とを備えている。モータ1013(実際には、マニピュレータ101の各関節部の内部に配設されている)は、各関節部を構成する一対の部材(例えば、回動側部材と、該回動側部材を支持する支持側部材)のうちの一方の部材に備えられる、モータドライバ609により駆動制御される。各関節部の一方の部材に備えられたモータ1013の回転軸が、各関節部の他方の部材に連結されて、前記回転軸を正逆回転させることにより、他方の部材を一方の部材に対して各軸周りに回転可能とする。
また、1011は台部1004の下側固定部1004bに対して相対的な位置関係が固定された絶対座標系であり、1012は手先効果部102に対して相対的な位置関係が固定された手先座標系である。絶対座標系1011から見た手先座標系1012の原点位置Oe(x,y,z)をマニピュレータ101の手先位置、絶対座標系1011から見た手先座標系1012の姿勢をロール角とピッチ角とヨー角とで表現した(φ,θ,ψ)をマニピュレータ101の手先姿勢とし、手先位置及び姿勢ベクトルをベクトルr=[x,y,z,φ,θ,ψ]Tと定義する。よって、一例として、絶対座標系1011のz軸に対して第1関節部1005の縦軸が平行であり、x軸に対して第2関節部1006の横軸が平行に位置可能とするのが好ましい。また、手先座標系1012のx軸に対して第6関節部1010の横軸が平行に位置可能であり、y軸に対して第4関節部1008の横軸が平行に位置可能であり、z軸に対して第5関節部1009の縦軸が平行に位置可能とするのが好ましい。なお、手先座標系1012のx軸に対しての回転角をヨー角ψとし、y軸に対しての回転角をピッチ角θとし、z軸に対しての回転角をロール角φとする。
さらに、マニピュレータ101の手先(例えば、先端1002a)にはハンド1015を取り付けることができる。ハンド1015は、ハンド1015と手先効果部102とのなす角度が一定になるように手先効果部102と固定される。ハンド1015は、手先効果部102に対して着脱可能に固定され、手先効果部102に対する取り付け方によって、ハンド1015と手先効果部102との角度を自由に変えて固定することができる。また、ハンド1015には、ハンド開閉用のモータ1013hとエンコーダ714hとが取り付けられており、マニピュレータ101と同様に、ハンド1015の開閉を制御することができる。
図11A~図11Eは、マニピュレータ101と人とが協調して対象物(把持対象物)1101を搬送するときに、マニピュレータ101が追従する手順を示す。マニピュレータ101の手先部の例えば先端1002aにハンド1015を取り付け、ハンド1015で対象物1101を把持させる。その後、図11A→図11B→図11C→図11D→図11Eの順に状態が遷移する。
まず、図11Aの状態は、人の手801が把持部103を把持しておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。
次いで、図11Bの状態は、人の手801が把持部103を把持しており、把持検出部611で「把持有り」と検出され、マニピュレータ101は制御装置602により追従制御を行うことができる待機状態である。
次いで、図11Cの状態は、人の手801が把持部103を移動させ、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrが閾値を超えた状態である。具体的には、図11Cでは、人の手801が把持部103を図11Cの右方向(矢印参照)に移動させ、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δr(特に、Δz)が閾値を超えた状態である。
次いで、図11Dの状態は、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrが閾値内に収まるように、マニピュレータ101が制御装置602により追従制御を行っている状態である。具体的には、図11Dでは、人の手801が把持部103を図11Cの右方向(矢印参照)に移動させているので、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrが閾値内に収まるように、図11Dの矢印方向にマニピュレータ101が制御装置602により追従制御を行って、点線から実線で示す位置に、対象物1101をマニピュレータ101で搬送している状態である。
次いで、図11Eの状態は、人の手801が把持部103を把持しておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。
以上のように、人の手801が把持部103を把持し移動させると、その移動量に応じてマニピュレータ101が制御装置602により把持部103に対して追従する動きが可能となる。手先効果部102と把持部103とは、分離した構造をしているので、人は把持部103を移動させるだけの力で、対象物1101をマニピュレータ101を利用して移動させることができる。
しかしながら、手先効果部102と把持部103とが分離しており、それらの相対位置を閾値内に収めるように制御装置602によりマニピュレータ101が追従制御を行うので、人の手801が把持部103を把持していないときには、マニピュレータ101が地面に当たるまで下に下がり続けてしまうという課題が生じてしまう可能性がある。
この課題を接触センサ105を用いない協調搬送の例である図12A~図12Dを用いて説明する。図12A→図12B→図12C→図12Dの順に状態が遷移する。
まず、図12Aの状態は、人の手801が把持部103を把持した状態で、協調搬送の作業を終了している。
次いで、図12Bの状態は、作業終了直後に、人の手801を把持部103から放した状態である。
次いで、図12Cの状態は、人の手801を把持部103から放したことによって、把持部103が重力の影響で下に落下している状態である。
次いで、図12Dの状態は、把持部103が落下したことによって、手先効果部102に対する把持部103の相対位置が大きくなるので、その相対位置を閾値内に収めるようにマニピュレータ101が下に追従している状態である。把持部103は重力の影響で地面に衝突するまで落下し続けるので、マニピュレータ101も地面に衝突するまで下に下がり続けてしまう。
このような課題に対応するために、第1実施形態では、人の手801が把持部103を把持したときのみ、制御装置602によりマニピュレータ101が追従制御を行うようにしている。このような構成にすることによって、人の手801が把持部103を把持していない場合は、マニピュレータ101は制御装置602により追従制御を行わないので、マニピュレータ101が下に下がり続けるという課題を解消することができる。
第1実施形態のロボット601におけるロボットアーム100の制御装置602の操作手順を図13のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1301では、相対位置情報取得部607において、手先効果部102に対する把持部103の相対位置情報を取得する。接触情報取得部610において、接触センサ105の外部からの接触情報を取得する。
ステップS1302では、接触情報取得部610で取得した接触情報を基に人が把持部103を把持しているか、把持検出部611で検出する。把持検出部611で検出した結果を追従制御切替部612に出力する。人が把持部103を把持していると追従制御部606で検出した場合は、ステップS1303に進む。人が把持部103を把持していないと追従制御部606で検出した場合は、このフローを終了する。
ステップS1303では、相対位置情報取得部607から取得した相対位置情報が所定の閾値の範囲内に収まっているか、追従制御部606で判定する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていると追従制御部606で判定した場合は、このフローを終了する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていないと追従制御部606で判定した場合は、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、追従制御部606で、閾値の範囲を超えている相対位置情報が閾値内に収まるような移動量を求める。追従制御部606で求めた移動量を、追従制御部606から制御部605に出力し、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、制御部605で、追従制御部606から取得した移動量を基に、マニピュレータ101を追従制御し、このフローを終了する。
前記第1実施形態の構成によれば、人が把持する把持部103と手先効果部102とが機構的に分離され、把持部103を移動させたところにマニピュレータ101が追従することから、例えば、協調搬送、又は、ダイレクトティーチングなどの作業を行う際の操作性の悪いロボットアーム100に対しても、人は軽い力でロボットアーム100を容易に移動させることができ、人の負担を軽減することができる。したがって、ロボットアーム100の操作性を改善することができる。また、接触情報取得部610で取得した接触情報を基に人が把持部103を把持しているか把持検出部611で検出することができて、人が把持部103を把持したと把持検出部611で検出した場合のみ、制御部605でマニピュレータ101の追従制御を行う。このため、人が把持部103を把持していない場合において、マニピュレータ101が地面に衝突するまで下に下がり続けるという危険性はなく、安全である。なお、人が把持部103を把持していないと把持検出部611で検出した場合は、追従制御無しで、制御部605でマニピュレータ101を移動動作制御する。追従制御を行っていた場合に、人が把持部103を把持していないと把持検出部611で検出した場合は、制御部605でマニピュレータ101の追従制御を停止したのち、追従制御無しで、制御部605でマニピュレータ101を移動動作制御する。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態におけるロボットについて説明する。
以下、本発明の第2実施形態におけるロボットについて説明する。
第1実施形態では、人が把持部103を把持したときのみ、制御部605でマニピュレータ101の追従制御を行うことによって、人が把持部103を把持していない場合にマニピュレータ101が下に下がり続けるという課題を解消し、安全性を高めている。
しかしながら、人が把持部103を把持し始めたときに、もし手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrの値が0でない場合には、人が把持部103を把持した直後にマニピュレータ101が急激に移動して危険な状態となる可能性がある。すなわち、一方、追従制御開始時に相対位置Δrが0でないときは、相対位置Δrの大きさにかかわらず、追従制御開始直後に追従制御が急に行われることになり、危険な状態となる可能性が高い。これに対して、相対位置Δrが0であれば、追従制御開始直後はゆっくり追従制御を行うため、前記したような危険な状態となる可能性が回避でき、安全性が高まる。この状態を図14A~図14Cを用いて説明する。
図14A~図14Cは、人とマニピュレータ101とが協調して対象物1101を搬送するときに、マニピュレータ101が追従する手順を示す。図14A→図14B→図14Cの順に状態が遷移する。
まず、図14Aの状態は、人の手801が把持部103を把持しておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。このとき、把持部103は手先効果部102に引っかかっている。言い換えれば、図14Aの把持部103の上側の側面部103bと、上側の側面部103bに対向する手先効果部102の側面部102bとが接触して、上側の側面部103bと側面部102bとの隙間90の間隔が0となっている。逆に、図14Aの把持部103の下側の側面部103bと、下側の側面部103bに対向する手先効果部102の側面部102bとの間隔が大きくあいている。この結果、下側の側面部103bと側面部102bとの隙間90の間隔が、初期位置(手先効果部102に対して把持部103が均等な間隔を維持する位置)の隙間間隔(幅Δx又は幅Δy)の2倍の間隔寸法となっている。
次いで、図14Bの状態は、人の手801が把持部103を把持し、把持検出部611で「把持有り」が検出された瞬間であって、制御部605でマニピュレータ101は追従制御を行うことができる待機状態である。
次いで、図14Cの状態は、人の手801の把持が検出された直後であって、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrの値が0でないので、制御部605の制御動作によりマニピュレータ101が急激に移動している状態である。
このときの時間とマニピュレータ101の手先位置の速度の関係を図15に示す。図15のグラフの横軸は時間(秒)を示し、縦軸は速度を示す。グラフ上の太線が、時間に対する速度を示す。また、横軸の下には、その時間におけるマニピュレータの状態が示してある。図15より、人の手801が把持部103を把持して、把持検出部611で「把持有り」が検出された直後にマニピュレータ101の手先位置の速度が急激に速くなっていることがわかる。
以上のように、人が把持部103を把持し始めたときに手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrの値が0でないと、把持が検出された直後にマニピュレータ101が急激に移動して危険な状態となる可能性がある。そこで、第2実施形態では、この課題への対応策を行う。
図16は、本発明の第2実施形態のロボット601におけるロボットアーム100のブロック図を示す。本発明の第2実施形態のロボット601におけるマニピュレータ101と、制御部605と、相対位置情報取得部607と、モータドライバ609と、接触情報取得部610と、把持検出部611と、追従制御切替部612とは第1実施形態と同様であるので、共通の参照符号を付して共通部分の説明は省略し、異なる部分(制御係数情報決定部1601と制御係数情報取得部1602となど)についてのみ、以下、詳細に説明する。
制御係数情報決定部1601は、把持検出部611からの把持情報に応じて係数情報を求め、求めた係数情報を追従制御部1603に出力する。ここで、係数情報とは、式(4)における係数(制御係数)kの値を表す。制御係数情報決定部1601においては、式(4)より、係数kの値が大きくなると、マニピュレータ101の追従制御時の一定時間毎(例えば、1m秒毎)における移動量が大きくなる。一方、係数kの値が小さくなると、マニピュレータ101の追従制御時の一定時間毎における移動量が小さくなる。係数情報の決定方法は、まず、人が把持部103を把持しているかどうかを把持検出部611で検出する。そして、人が把持部103を把持していると把持検出部611で検出した場合は、人が把持部103を把持し始めてからの経過時間を、入出力IF1604に内蔵されたタイマーからの時間情報に基づき制御係数情報決定部1601で取得する。その取得した経過時間によって、係数情報を制御係数情報決定部1601で決定する。
これについて、具体的な値の決定方法を図17を用いて説明する。ここで、図17に示すデータベースは、把持部103に対する人の把持の有無の情報と把持開始からの経過時間と制御係数の情報(例えば制御係数の値)とが関連付けられた関連情報を制御係数情報取得部1602で取得して、制御係数情報取得部1602内の内部記憶部に記憶されたものである。具体的には、人が把持部103を把持していない場合は、係数kの値を0.0とする。人が把持部103を把持している場合において、人が把持部103を把持し始めてからの経過時間がある任意の時間(経過時間用閾値)(例えば、3秒)未満のときは係数kの値を0.5とし、それ以降の経過時間では係数kの値を1.0とする。すなわち、人が把持部103を把持し始めてからある一定時間までの時間帯(経過時間用閾値未満の時間帯)の移動量を、それ以外の時間帯(正常動作時の時間帯)の移動量よりも少なく、例えば半分以下程度にしている。これは、人が把持部103を把持し始めてからある一定時間までの時間帯では、ロボットアームが、急激に動かない程度に、低速で追従制御を行うようにすることを意味している。任意の時間(経過時間用閾値)の決定方法は、人がキーボード又はマウス又はタッチパネルなどの入力装置1604dを使用して入出力IF1604から制御係数情報取得部1602に入力される値によって決定される。また、それぞれの状態における係数kの値についても、人がキーボード又はマウス又はタッチパネルなどの入力装置1604dを使用して入出力IF1604から制御係数情報取得部1602に入力される値によって決定される。また、前述したように、人が把持部103を把持し始めてからの経過時間は、入出力IF1604に内蔵されたタイマーを利用して制御係数情報決定部1601で測定する。このように、人が把持部103を把持し始めてからある一定時間までの時間帯(経過時間用閾値未満の時間帯)の移動量を、それ以外の時間帯(正常動作時の時間帯)の移動量よりも少なくなるように、係数情報を制御係数情報決定部1601で決定するように構成している。このように構成することによって、人が把持部103を把持し始めた直後にマニピュレータ101が急激に移動することを防ぐことができる。
追従制御部1603は、式(4)における係数kの値の決定方法について、第1実施形態においては入出力IF608から入力される値によって決定していたが、第2実施形態では制御係数情報決定部1601から入力される係数情報によって決定する。
入出力IF1604は、第1実施形態で述べた機能に加えて、制御係数情報取得部1602で係数kの値を、図17のデータベースで記憶された数値のいずれかに切り替えるための、人が把持部103を把持し始めてからの経過時間を、入出力IF1604を用いて人が入力できる。入力された時間を、入出力IF1604から制御係数情報取得部1602に出力する。また、図17における、それぞれの状態の係数kの値を、人がキーボード又はマウス又はタッチパネルなどの入力装置1604dを使用して入出力IF1604に入力でき、入出力IF1604に入力された係数kの値を入出力IF1604から制御係数情報取得部1602に出力する。
図18A~図18Eは、人とマニピュレータ101とで協調して対象物1101を搬送するときに、マニピュレータ101が追従する手順を示す。マニピュレータ101の手先部の例えば先端1002aにハンド1015を取り付け、ハンド1015で対象物1101を把持させる。その後、図18A→図18B→図18C→図18D→図18Eの順に状態が遷移する。
まず、図18Aの状態は、人の手801が把持部103を把持しておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。このとき、把持部103は手先効果部102に引っかかっている。言い換えれば、図18Aの把持部103の上側の側面部103bと、上側の側面部103bに対向する手先効果部102の側面部102bとが接触して、上側の側面部103bと側面部102bとの隙間90の間隔が0となっている。逆に、図18Aの把持部103の下側の側面部103bと、下側の側面部103bに対向する手先効果部102の側面部102bとの間隔が大きくあいている。
次いで、図18Bの状態は、人の手801が把持部103を把持し、把持検出部611で「把持有り」が検出された瞬間であって、マニピュレータ101は制御装置602により追従制御を行うことができる待機状態である。
次いで、図18Cの状態は、人の手801の把持が検出された直後であって、マニピュレータ101が、制御装置602により、追従制御をゆっくり行っている状態である。
次いで、図18Dの状態は、人の手801の把持が検出され始めてから3秒以上経過したときであり、マニピュレータ101が、制御装置602により、追従制御を素早く行っている状態である。
次いで、図18Eの状態は、人の手801が把持部103を把持しておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。
図19の上側のグラフ(A)は、図18A~図18Eにおける時間と係数kの値との関係を示している。横軸は、時間(秒)を表し、縦軸は係数kの値を表す。グラフ上の太線が、時間に対する係数kの値を示す。図19の下側のグラフ(B)は、図18A~図18Eにおける時間とマニピュレータ101の手先位置の速度との関係を示している。横軸は、時間(秒)を表し、縦軸はマニピュレータ101の手先位置の速度を表す。グラフ上の太線が、時間に対する速度を示す。また、横軸の下には、その時間におけるマニピュレータの状態が示してある。図19のグラフ(A)及び図19のグラフ(B)から、人による把持部103の把持が検出された直後の3秒間は、マニピュレータ101がゆっくりと追従制御を行っていることがわかる。図15と比較しても、人による把持部103の把持が検出された直後のマニピュレータ101の手先位置の速度が小さいことがわかる。
第2実施形態のロボット601におけるロボットアーム100の制御装置602の操作手順を図20のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1301では、相対位置情報取得部607において、手先効果部102に対する把持部103の相対位置情報を取得する。接触情報取得部610において、入出力IF1604を介して接触センサ105の外部からの接触情報を取得する。
ステップS1302では、接触情報取得部610から取得した接触情報を基に、人が把持部103を把持しているか、把持検出部611で検出する。把持検出部611で検出した結果を、追従制御切替部612と、制御係数情報決定部1601とに出力する。人が把持部103を把持していると把持検出部611で検出した場合は、ステップS1303に進む。人が把持部103を把持していないと把持検出部611で検出した場合は、このフローを終了する。
ステップS1303では、相対位置情報取得部607から取得した相対位置情報が所定の閾値の範囲内に収まっているか、追従制御部606で判定する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていると追従制御部606で判定した場合は、このフローを終了する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていないと追従制御部606で判定した場合は、ステップS2001に進む。
ステップS2001では、把持検出部611から取得した把持情報を基に人の把持が検出され始めてから3秒以上経過したか、制御係数情報決定部1601で判定する。人の把持が検出され始めてから3秒以上経過したと制御係数情報決定部1601で判定した場合は、ステップS2002に進む。人の把持が検出され始めてから3秒以上経過していないと制御係数情報決定部1601で判定した場合は、ステップS2003に進む。
ステップS2002では、制御係数情報決定部1601において、式(4)における移動量に関する係数kの値を1.0とし、ステップS1304に進む。
ステップS2003では、制御係数情報決定部1601において、式(4)における移動量に関する係数kの値を0.5とし、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、追従制御部606で、閾値の範囲を超えている相対位置情報が閾値内に収まるような移動量を求める。追従制御部606で求めた移動量を、追従制御部606から制御部605に出力し、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、制御部605で、追従制御部606から取得した移動量を基に、マニピュレータ101を追従制御し、このフローを終了する。
第2実施形態によれば、第1実施形態での作用効果に加えて、人が把持部103を把持し始めてからある一定時間の間において、マニピュレータ101が追従制御をゆっくり行うことによって、追従制御開始時にマニピュレータ101が急激に移動することを防ぐことができ、安全性を向上できる。
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態におけるロボットについて説明する。
以下、本発明の第3実施形態におけるロボットについて説明する。
第2実施形態では、人が把持部103を把持し始めてからある一定時間の間において、制御装置602によりマニピュレータ101が追従制御をゆっくり行うことによって、追従制御開始時の安全性を高めている。
しかしながら、追従制御終了時には、把持部103が落下して手先効果部102に勢いよく衝突してしまう可能性がある。
この状態を図21A~図21Cを用いて説明する。図21A~図21Cは、人とマニピュレータ101とが協調して対象物1101を搬送するときに、マニピュレータ101が追従する手順を示す。図21A→図21B→図21Cの順に状態が遷移する。
まず、図21Aの状態は、人の手801が把持部103を把持し、マニピュレータ101が追従制御を行っている状態である。
次いで、図21Bの状態は、人の手801が把持部103を放した瞬間であって、マニピュレータ101は停止した状態である。
次いで、図21Cの状態は、人の手801が把持部103を放した直後であって、把持部103が落下して把持部103が手先効果部102に勢いよく衝突している状態である。
以上のように、人が把持部103を放したときに、手先効果部102に対する把持部103の相対位置Δrが0でない場合には、把持部103が落下し手先効果部102に勢いよく衝突する可能性がある。そこで、第3実施形態では、この課題への対応策を行う。すなわち、一方、追従制御開始時に相対位置Δrが0でないときは、相対位置Δrの大きさにかかわらず、人の手801が把持部103を放した直後に把持部103が落下し手先効果部102に勢いよく衝突することになり、危険な状態となる可能性が高い。これに対して、相対位置Δrが0であれば、人の手801が把持部103を放した直後にはゆっくり追従制御を行うため、前記したような危険な状態となる可能性が回避でき、安全性が高まる。
図22Aは、本発明の第3実施形態のロボット601における手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ105との平面図である。図22Bは、本発明の第3実施形態のロボットにおける手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ105との図22A中のA-A線の断面図であり、矢印22Bから見た断面図である。図22Cは、本発明の第3実施形態のロボットにおける手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ105との図22A中のB-B線の断面図であり、矢印22Cから見た断面図である。図2A~図2Cとの違いは、接触センサ105F~接触センサ105Iを図22A~図22Cに示すように追加したことである。また、接触センサ105F~接触センサ105Iを追加する際に、図23A~図23Cに示す構成をとることも可能である。言い換えれば、図2A~図2Cでは、把持部103の長方形の各側面部103bに1つの長方形板状の接触センサ105を配置する代わりに、図22A~図22Cでは、把持部103の長方形の各側面部103bに、長手方向沿いに2つの四角形板状の接触センサ105を隣接配置したものである。また、図23A~図23Cでは、把持部103の長方形の各側面部103bに、幅方向沿いに2つの四角形板状の接触センサ105を隣接配置したものである。なお、図23Aにおいて、接触センサ105Hと接触センサ105Iは、それぞれ、接触センサ105Bと接触センサ105Dとに重なった位置(図23Aの紙面貫通方向の奥側の位置)に配置されている。
図24は、本発明の第3実施形態のロボット601におけるロボットアーム100のブロック図を示す。本発明の第3実施形態のロボット601におけるマニピュレータ101と、制御部605と、相対位置情報取得部607と、モータドライバ609と、接触情報取得部610と、把持検出部611と、追従制御切替部612と、追従制御部1603と、入出力IF1604とは第2実施形態と同様であるので、共通の参照符号を付して共通部分の説明は省略し、異なる部分についてのみ、以下、詳細に説明する。
制御係数情報決定部2401は、把持検出部611から入力される把持情報によって係数情報を決定する。ここでの係数情報は、制御係数情報決定部1601と同様に、式(4)における係数kの値を表す。式(4)より、係数kの値が大きくなると、マニピュレータ101の追従制御時の一定時間毎(例えば、1m秒毎)における移動量が大きくなる。一方、係数kの値が小さくなると、マニピュレータ101の追従制御時の一定時間毎における移動量が小さくなる。係数情報の決定方法は、まず、人が把持部103を把持しているかどうかを把持検出部611で検出する。そして、人が把持部103を把持していると把持検出部611で検出した場合は、把持検出部611から入力される図7で表される把持情報に関して、「接触有り」の接触センサ105の位置によって係数の値を変更する。具体的な値の決定方法を図25を用いて説明する。ここで、図25に示すデータベースは、把持部103に対する人の把持の有無の情報と把持部103を人が把持する位置と制御係数の情報(例えば制御係数の値)とが関連付けられた関連情報を制御係数情報取得部2402で取得して、制御係数情報取得部2402内の内部記憶部に記憶されたものである。なお、図25において、互いに向かい合っていない接触センサ105の組み合わせは、人が把持部103を把持していない場合とする。
具体的には、人が把持部103を把持していない場合は、係数kの値を0.0とする。人が把持部103を把持している場合において、互いに向かい合う2つの接触センサ105(例えば、接触センサ105Aと接触センサ105B、又は、接触センサ105Cと接触センサ105D、又は、接触センサ105Fと接触センサ105G、又は、接触センサ105Hと接触センサ105I)が共に「接触有り」(出力が1)でこれらの組み合わせの接触センサ105のみを把持している場合は、係数kの値を0.5とする。互いに向かい合う2つの接触センサ105と他の1つ以上の接触センサ105と共に「接触有り」(出力が1)でこれらの組み合わせの接触センサ105を把持している場合では、係数kの値を1.0とする。すなわち、互いに向かい合う2つの接触センサ105が「接触有り」(出力が1)の状態で人が把持部103の対向する2つの側面部103bを把持している場合の移動量を、前記互いに向かい合う2つの接触センサ105と他の1つ以上の接触センサ105と共に「接触有り」(出力が1)の状態で人が把持部103の対向する2つの側面部103bに加えて他の側面部103bを把持している場合の移動量よりも少なく、例えば半分以下程度にしている。これは、人が把持部103の対向する2つの側面部103bに加えて他の側面部103bを把持している場合から人が把持部103の対向する2つの側面部103bを把持している場合に移行したとき、ロボットアームが、急激に動かない程度に、低速で追従制御を行うようにすることを意味している。それぞれの状態における係数kの値については、人がキーボード又はマウス又はタッチパネルなどの入力装置1604dを使用して入出力IF1604から入力される値によって決定される。このように、人が把持部103の対向する2つの側面部103bを把持している場合の移動量を、人が把持部103の対向する2つの側面部103bに加えて他の側面部103bをも把持している場合の移動量よりも少なくなるように、係数情報を決定することによって、互いに向かい合う2つの接触センサ105のみを把持している場合には、制御装置602により、マニピュレータ101はゆっくり追従制御し、互いに向かい合う2つの接触センサ105と他の1つ以上の接触センサ105を把持している場合には、制御装置602により、マニピュレータ101は素早く追従制御する。このように係数を変化させる方法について、図26A及び図26Bを用いて説明する。人の手801で把持部103を把持する場合において、指801aが接触センサ105C及び接触センサ105Dのみにそれぞれ接触している場合は、制御装置602により、マニピュレータ101は追従制御をゆっくり行う(図26A参照)。人の手801で把持部103を把持する場合において、指801aが接触センサ105C及び接触センサ105D及び接触センサ105Hにそれぞれ接触している場合は、制御装置602により、マニピュレータ101は追従制御を素早く行う(図26B参照)。
図27A~図27Gは、人とマニピュレータ101とで協調して対象物1101を搬送するときに、制御装置602により、マニピュレータ101が追従する手順を示す。マニピュレータ101の手先部の例えば先端1002aにハンド1015を取り付け、ハンド1015で対象物1101を把持させる。その後、図27A→図27B→図27C→図27D→図27E→図27F→図27Gの順に状態が遷移する。また、それぞれの状態における人の手801の把持部103に対する把持方法を、図27H~図27Nに示す。
まず、図27A及び図27Hの状態は、人の手801が把持部103を把持しておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。このとき、把持部103は手先効果部102に引っかかっている。言い換えれば、図27Aの把持部103の上側の側面部103bと、上側の側面部103bに対向する手先効果部102の側面部102bとが接触して、上側の側面部103bと側面部102bとの隙間90の間隔が0となっている。逆に、図27Aの把持部103の下側の側面部103bと、下側の側面部103bに対向する手先効果部102の側面部102bとの間隔が大きくあいている。
次いで、図27B及び図27Iの状態は、人の手801が把持部103の図27Bの上下の対向する側面部103b(直接的には、接触センサ105G及び接触センサ105F)を把持し、把持検出部611で「把持有り」が検出された瞬間であって、マニピュレータ101は、制御装置602により追従制御を行うことができる待機状態である。
次いで、図27C及び図27Jの状態は、人の手801の把持が検出された直後であって、人の手801の指801aが、対向する2つの接触センサ105G及び接触センサ105Fに接触してこれらを把持しているので、制御装置602により、マニピュレータ101が追従制御をゆっくり行っている状態である。
次いで、図27D及び図27Kの状態は、人の手801が把持部103を把持し、制御装置602により、マニピュレータ101が追従制御しているときである。すなわち、人の手801の指801aが、対向する2つの接触センサ105G及び接触センサ105Fに加えて接触センサ105Bをも把持しているので、マニピュレータ101が、制御装置602により、追従制御を素早く行っている状態である。
次いで、図27E及び図27Lの状態は、追従制御を終了する前の状態であって、人の手801の指801aが、対向する2つの接触センサ105G及び接触センサ105Fを把持しているので、マニピュレータ101が、制御装置602により、追従制御をゆっくり行っている。
次いで、図27F及び図27Mの状態は、追従制御を終了する直前の状態であって、人の手801の指801aが、対向する2つの接触センサ105G及び接触センサ105Fを把持しているので、マニピュレータ101が、制御装置602により、追従制御をゆっくり行っている。このとき、マニピュレータ101は、制御装置602により、追従制御をゆっくり行っているので、把持部103は手先効果部102に緩やかに接触する。
次いで、図27G及び図27Nの状態は、人の手801が把持部103を把持しておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。
図28の上側のグラフ(A)は、図27A~図27Gにおける時間と係数kの値との関係を示している。横軸は、時間(秒)を表し、縦軸は係数kの値を表す。グラフ(A)上の太線が、時間に対する係数kの値を示す。図28の下側のグラフ(B)は、図27A~図27Gにおける時間と速度との関係を示している。横軸は、時間(秒)を表し、縦軸は速度(m/秒)表す。グラフ(B)上の太線が、時間に対する速度を示す。また、横軸の下には、その時間におけるマニピュレータ101の状態が示してある。図28の上側のグラフ(A)及び図28の下側のグラフ(B)から、追従制御開始時及び追従制御終了時において、人の手801による把持部103の把持位置を変えることによって、マニピュレータ101がゆっくりと追従制御を行っていることがわかる。図28の上側のグラフ(A)及び図28の下側のグラフ(B)と、図19のグラフ(A)と図19のグラフ(B)とを比較しても、図28の方が、追従制御終了時のマニピュレータ101の手先位置の速度が小さくなっていることがわかる。
第3実施形態のロボット601におけるロボットアーム100の制御装置602の操作手順を図29のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1301では、相対位置情報取得部607において、手先効果部102に対する把持部103の相対位置情報を取得する。接触情報取得部610において、入出力IF1604を介して接触センサ105の外部からの接触情報を取得する。
ステップS1302では、接触情報取得部610から取得した接触情報を基に人が把持部103を把持しているか、把持検出部611で検出する。把持検出部611で検出した結果を、把持検出部611から、追従制御切替部612と、制御係数情報決定部2401とに出力する。人が把持部103を把持していると把持検出部611で検出した場合は、ステップS1303に進む。人が把持部103を把持していないと把持検出部611で検出した場合は、このフローを終了する。
ステップS1303では、相対位置情報取得部607から取得した相対位置情報が所定の閾値の範囲内に収まっているか、追従制御部606で判定する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていると追従制御部606で判定した場合は、このフローを終了する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていないと追従制御部606で判定した場合は、ステップS2901に進む。
ステップS2901では、把持検出部611から取得した把持情報を基に、人が、互いに向かい合う2つの接触センサ105のみを把持したか、互いに向かい合う2つの接触センサ105と他の1つ以上の接触センサ105を把持したかを、制御係数情報決定部2401で判定する。互いに向かい合う2つの接触センサ105のみを把持したと制御係数情報決定部2401で判定した場合は、ステップS2003に進む。互いに向かい合う2つの接触センサ105と他の1つ以上の接触センサ105を把持したと制御係数情報決定部2401で判定した場合は、ステップS2002に進む。
ステップS2003では、制御係数情報決定部2401において、式(4)における移動量に関する係数kの値を0.5とし、ステップS1304に進む。
ステップS2002では、制御係数情報決定部2401において、式(4)における移動量に関する係数kの値を1.0とし、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、追従制御部606で、閾値の範囲を超えている相対位置情報が閾値内に収まるような移動量を求める。追従制御部606で求めた移動量を追従制御部60から制御部605に出力し、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、制御部605で、追従制御部606から取得した移動量を基に、マニピュレータ101を追従制御し、このフローを終了する。
第3実施形態によれば、第1実施形態での作用効果に加えて、人が把持部103を把持する位置に応じて、マニピュレータ101が追従制御をゆっくり行うことによって、追従制御開始時及び追従制御終了時において安全性を向上できる。また、人が把持する位置に応じて、マニピュレータ101は追従制御をゆっくり行ったり追従制御を素早く行うことができるので、人の意思によって追従制御の追従速度を変化させることができる。
(第4実施形態)
以下、本発明の第4実施形態におけるロボットについて説明する。
以下、本発明の第4実施形態におけるロボットについて説明する。
第3実施形態では、人が把持部103を把持する位置に応じて、制御装置602によりマニピュレータ101が追従制御をゆっくり行うことによって、追従制御開始時及び追従制御終了時の安全性を高めている。
しかしながら、人が把持部103の把持位置を把持し直す必要があり、人又は作業内容によっては、把持し直し動作が煩雑であると感じる場合がある。そこで、第4実施形態では、第3実施形態で用いた把持位置を把持し直す方法と比べて、より容易な方法によって追従制御開始時及び追従制御終了時の安全性を高める。
図30Aは、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、力センサ3001との平面図である。図30Bは、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、力センサ3001との図30A中のA-A線の断面図であり、矢印30Bから見た断面図である。図30Cは、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、力センサ3001との図30A中のB-B線の断面図であり、矢印30Cから見た断面図である。第1、2、3実施形態では、接触センサ105を5個用いていたが、第4実施形態では、接触センサ105の代わりに、力センサ3001を5個用いる。
力センサ3001は、把持部103の外側の4つの側面部103bと底面部103aとにそれぞれ取り付けられ、外部から加えられた力の大きさを検出する。各力センサ3001で検出した力の大きさは入出力IF1604に出力する。接触センサ105との違いは、接触センサ105では接触の有無のみが検出されたのに対して、力センサ3001では、接触の際の加えられた力の大きさについても検出できることである。図30A~図30Cに示すように、力センサ3001は、3001A~3001Eの5箇所に取り付けられている。すなわち、力センサ3001A~3001Dが4つの側面部103bの外面に取り付けられ、力センサ3001Eが底面部103aに取り付けられている。具体的な力センサを個々に説明する場合には、参照符号3001A~3001Eで示し、総称的に説明する場合には参照符号3001で示す。また、力センサ3001は、1つの軸に沿った方向の力のみを検出する力センサである。なお、ここでは、図30A~図30Cに示すように力センサ3001を配置したが、力センサ3001の配置場所又は個数などは、把持部103と他の物体との接触の際に把持部103に加えられた力の大きさを取得できるならば、どのように選択しても構わない。
図31は、本発明の第4実施形態のロボット601におけるロボットアーム100のブロック図を示す。本発明の第4実施形態のロボット601におけるマニピュレータ101と、制御部605と、相対位置情報取得部607と、モータドライバ609と、追従制御切替部612と、追従制御部1603と、入出力IF1604とは、第2及び第3実施形態と同様であるので、共通の参照符号を付して共通部分の説明は省略し、異なる部分についてのみ、以下、詳細に説明する。
力情報取得部3101には、入出力IF1604から力センサ3001の測定値と、入出力IF1604に内蔵されたタイマーからの時間情報とが入力されて、把持部103に外部から加えられた力の大きさを取得する。力情報取得部3101に入力された力センサ3001の測定値を力情報とし、力情報取得部3101から把持検出部3102に出力する。力情報とは、図32に示すように、力センサ3001A~力センサ3001Eの力の大きさの情報である。
なお、この実施形態では、追従制御切替制御部600は、接触情報取得部610に代えて力情報取得部3101と、把持検出部611に対応する把持検出部3102と、追従制御切替部612とで構成されて、把持部103が他の物と接触しているとき追従制御部606での追従制御を行う一方、把持部103が他の物との接触していないとき追従制御部606での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力するものである。
把持検出部3102は、力情報取得部3101から力情報が入力される。入出力IF1604から把持検出部3102に、入出力IF1604に内蔵されたタイマーからの時間情報が入力される。把持検出部3102は、力情報取得部3101からの力情報を基に、人が把持部103を把持しているかどうかを検出し、把持情報を把持検出部3102から追従制御切替部612に出力する。
人の把持情報の検出方法は、次の2つの把持情報検出条件を満たすことである。1つ目の把持情報検出条件は、互いに向かい合う2つの力センサ3101(力センサ3101Aと力センサ3101B、又は、力センサ3101Cと力センサ3101D)が共に力の大きさが0.3N以上であること。2つ目の把持情報検出条件は、力センサ3101で検出した力の大きさが所定の時間、所定の力(例えば連続して2秒以上の時間0.3N以上)であること。以上の2つの把持情報検出条件を満たしたときに、把持情報は「把持有り」(出力が「1」)を出力し、1つでも満たさない場合は「把持無し」(出力が「0」)を出力する。
制御係数情報決定部3103は、人が把持部103を把持するときの力の大きさによって係数kの値を変化させる。ここでは、制御係数情報決定部3103において、把持する力が大きくなると、係数kの値を大きくする。一方、把持する力が小さくなると、係数kの値を小さくする。人が把持部103を把持していると把持検出部3102で検出した場合において、把持開始時と把持終了時に、人が把持部103を把持する力の大きさを、把持動作中(把持開始時と把持終了時と以外の動作中)の力の大きさよりも、小さくする。このように構成することによって、追従制御開始時と追従制御終了時において、制御装置602により、マニピュレータ101が、把持動作中の素早い追従制御よりも遅い、ゆっくりとして追従制御を行うことが可能となる。
これについて、具体的に、図33を用いて説明する。ここで、図33に示すデータベースは、把持部103に対する人の把持の有無の情報と把持部103を人が把持する力の大きさと制御係数の情報(例えば制御係数の値)とが関連付けられた関連情報を制御係数情報取得部3104で取得して、制御係数情報取得部3104内の内部記憶部に記憶されている。人が把持部103を把持していない場合は、係数kの値を0.0とする。人が把持部103を把持している場合において、力情報取得部3101からの力情報が、任意の力(力情報閾値)の大きさ(例えば、2.0N)未満のときは係数kの値を0.5とし、力情報取得部3101からの力情報が、それ以上の力の大きさのときは係数kの値を1.0とする。すなわち、力情報取得部3101からの力情報が力情報閾値未満の場合の移動量を、力情報取得部3101からの力情報が力情報閾値以上の場合の移動量よりも少なく、例えば半分以下程度にしている。これは、力情報が力情報閾値以上の場合から力情報が力情報閾値未満の場合から力情報が力情報閾値以上の場合に移行したときに、ロボットアームが、急激に動かない程度に、低速で追従制御を行うようにすることを意味している。任意の力(力情報閾値)の大きさの決定方法は、人がキーボード又はマウス又はタッチパネルなどの入力装置1604dを使用して入出力IF1604から入力される値によって決定される。また、それぞれの状態における係数kの値についても、人がキーボード又はマウス又はタッチパネルなどの入力装置1604dを使用して入出力IF1604から入力される値によって決定される。
図34A~図34Gは、人とマニピュレータ101とが協調して対象物1101を搬送するときに、制御装置602により、マニピュレータ101が追従する手順を示す。マニピュレータ101の手先部の例えば先端1002aにハンド1015を取り付け、ハンド1015で対象物1101を把持させる。その後、図34A→図34B→図34C→図34D→図34E→図34F→図34Gの順に状態が遷移する。
まず、図34Aの状態は、人の手801が把持部103を把持しておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。このとき、把持部103は手先効果部102に引っかかっている。言い換えれば、図34Aの把持部103の上側の側面部103bと、上側の側面部103bに対向する手先効果部102の側面部102bとが接触して、上側の側面部103bと側面部102bとの隙間90の間隔が0となっている。逆に、図34Aの把持部103の下側の側面部103bと、下側の側面部103bに対向する手先効果部102の側面部102bとの間隔が大きくあいている。
次いで、図34Bの状態は、人の手801が把持部103の図34Bの上下の対向する側面部103b(直接的には、力センサ3001Bと力センサ3001A)を把持し、把持検出部3102で「把持有り」が検出された瞬間であって、マニピュレータ101は、制御装置602により追従制御を行うことができる待機状態である。
次いで、図34Cの状態は、人の手801の把持が検出された直後であって、人の手801の指801aが、図34Cの上下に対向する2つの力センサ3001Bと力センサ3001Aに接触してこれらを把持する力の大きさを小さくすることにより、制御装置602により、マニピュレータ101が追従制御をゆっくり行っている状態である。
次いで、図34Dの状態は、人の手801が把持部103を把持し、制御装置602により、マニピュレータ101が追従制御しているときである。すなわち、人の手801の指801aが、対向する2つの力センサ3001Bと力センサ3001Aを把持する力の大きさを、図34Cの状態よりも大きくすることによって、制御装置602により、マニピュレータ101が追従制御を素早く行っている状態である。
次いで、図34Eの状態は、追従制御を終了する前の状態であって、人の手801の指801aが、対向する2つの力センサ3001Bと力センサ3001Aを把持する力の大きさを、図34Dの状態よりも小さくすることによって、制御装置602により、マニピュレータ101が、図34Cの追従制御よりも遅く、追従制御をゆっくり行っている。
次いで、図34Fの状態は、追従制御を終了する直前の状態であって、人の手801の指801aが、対向する2つの力センサ3001Bと力センサ3001Aを把持する力の大きさが、図34Eと同様に、図34Dの状態よりも小さいので、制御装置602により、マニピュレータ101が追従制御をゆっくり行っている。このとき、制御装置602により、マニピュレータ101は追従制御をゆっくり行っているので、把持部103は手先効果部102に緩やかに接触する。
次いで、図34Gの状態は、人の手801が力センサ3001に触れておらず、マニピュレータ101は停止した状態である。
図35の上段のグラフ(A)は、図34A~図34Gにおける時間と係数kの値との関係を示している。横軸は、時間(秒)を表し、縦軸は係数kの値を表す。グラフ(A)上の太線が、時間に対する係数kの値を示す。図35の中段のグラフ(B)は、図34A~図34Gにおける時間と速度との関係を示している。横軸は、時間(秒)を表し、縦軸は速度(m/秒)を表す。グラフ(B)上の太線が、時間に対する速度を示す。図35の下段のグラフ(C)は、図34A~図34Gにおける時間と力の大きさとの関係を示している。横軸は、時間(秒)を表し、縦軸は力の大きさ(N)を表す。グラフ(C)上の太線が、時間に対する力情報取得部3101で取得した力情報の大きさを示す。また、横軸の下には、その時間におけるマニピュレータ101の状態が示してある。図35の(A)~(C)から、追従制御開始時及び追従制御終了時において、人が把持部103を把持する力の大きさに応じて、マニピュレータ101がゆっくりと追従制御を行っていることがわかる。
第4実施形態のロボット601におけるロボットアーム100の制御装置602の操作手順を図36のフローチャートを用いて説明する。
ステップS3601では、相対位置情報取得部607において、手先効果部102に対する把持部103の相対位置情報を取得する。力情報取得部3101において、入出力IF1604を介して力センサ3001に外部から加えられた力情報を取得する。
ステップS1302では、力情報取得部3101から取得した力情報を基に人が把持部103を把持しているか、把持検出部3102で検出する。把持検出部3102で検出した結果を、把持検出部611から、追従制御切替部612と、制御係数情報決定部3103とに出力する。人が把持部103を把持していると把持検出部3102で検出した場合は、ステップS1303に進む。人が把持部103を把持していないと把持検出部3102で検出した場合は、このフローを終了する。
ステップS1303では、相対位置情報取得部607から取得した相対位置情報が所定の閾値の範囲内に収まっているか、追従制御部606で判定する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていると追従制御部606で判定した場合は、このフローを終了する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていないと追従制御部606で判定した場合は、ステップS3602に進む。
ステップS3602では、力情報取得部3101から取得した力情報を基に、人が把持部103を把持する力の大きさが2.0N以上かを、制御係数情報決定部3103で判定する。人が把持部103を把持する力の大きさが2.0N以上であると制御係数情報決定部3103で判定した場合は、ステップS2002に進む。人が把持部103を把持する力の大きさが2.0N以上でないと制御係数情報決定部3103で判定した場合は、ステップS2003に進む。
ステップS2002では、制御係数情報決定部3103において、式(4)における移動量に関する係数kの値を1.0とし、ステップS1304に進む。
ステップS2003では、制御係数情報決定部3103において、式(4)における移動量に関する係数kの値を0.5とし、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、追従制御部606で、閾値の範囲を超えている相対位置情報が閾値内に収まるような移動量を求める。追従制御部606で求めた移動量を追従制御部606から制御部605に出力し、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、制御部605で、追従制御部606から取得した移動量を基に、マニピュレータ101を追従制御し、このフローを終了する。
第4実施形態によれば、第1実施形態での作用効果に加えて、人が把持部103を把持する力の大きさに応じて、マニピュレータ101が追従制御をゆっくり行うことによって、追従制御開始時及び追従制御終了時において、第3実施形態で用いた把持位置を把持し直す方法と比べて、より容易な方法で安全性を向上できる。
(第5実施形態)
以下、本発明の第5実施形態におけるロボットについて説明する。
以下、本発明の第5実施形態におけるロボットについて説明する。
人が把持部103を把持し、急激に移動させたときに、マニピュレータ101の追従速度では追従することができない場合がある。つまり、人の手801が把持部103を一定時間毎(例えば、1m秒毎)に移動させた移動量が、マニピュレータ101が一定時間毎に移動できる移動量を超えた場合である。このような場合には、マニピュレータ101がどのような振る舞いを起こすかわからず、暴走する危険性もあり、大変危険である。そこで、第5実施形態では、この課題への対応策を行う。
図37は、本発明の第5実施形態のロボットにおけるマニピュレータ101と、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ3701との構成図である。マニピュレータ101の手先には、手先効果部102が取り付けられている。把持部103は人が作業を行う際に把持するための部分であり、手先効果部102と分離した構造となっている。相対位置センサ104は、手先効果部102に対する把持部103の相対位置を検出するセンサである。
接触センサ3701は、把持部103の内側の側面部及び底面部にそれぞれ取り付けられて、手先効果部102との接触を検出するセンサである。ここでは、5個の接触センサ3701を用いる(詳細については後述する)。
手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ3701とについて、図38を用いて詳しく説明する。
図38Aは、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ3701との平面図である。図38Bは、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ3701との図38A中のA-A線の断面図であり、矢印38Bから見た断面図である。図38Cは、手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ3701との図38A中のB-B線の断面図であり、矢印38Cから見た断面図である。手先効果部102と、把持部103と、相対位置センサ104と、接触センサ3701との機能は、第1~4実施形態と同様である。
第1~4実施形態との違いは、接触センサ3701の取り付け位置である。第1~4実施形態では、把持部103の外側に取り付けられて、把持部103の外部の対象物と把持部103との接触を検出していたのに対して、第5実施形態では、把持部103の内側に取り付けられて、把持部103と手先効果部102との接触を検出する。
接触センサ3701は、把持部103の内側に取り付けられ、手先効果部102との接触の有無を検出する。各接触センサ3701の出力はデジタル信号であり、「接触有り」の場合には「1」を出力し、「接触無し」の場合には「0」を出力する。各接触センサ3701で検出した接触情報は、入出力IF608に出力する。図38A~図38Cに示すように、接触センサ3701は3701A~3701Eの5箇所に取り付けられている。すなわち、接触センサ3701A~3701Dが4つの側面部103bの内面に取り付けられ、接触センサ3701Eが底面部103aの内面に取り付けられている。具体的な接触センサを個々に説明する場合には、後述するように参照符号3701A~3701Eで示し、総称的に説明する場合には参照符号3701で示す。なお、ここでは、図38A及び図38Bに示すように、接触センサ3701を配置したが、接触センサ3701の配置場所又は個数などは、把持部103と手先効果部102との接触の情報を取得できるならば、どのように選択しても構わない。
第5実施形態では、図39のブロック図を用いる。本発明の第5実施形態のロボット601におけるマニピュレータ101と、制御部605と、追従制御部606と、相対位置情報取得部607と、入出力IF608と、モータドライバ609と、接触情報取得部610とは、第1実施形態と同様であるので、共通の参照符号を付して共通部分の説明は省略し、異なる部分についてのみ、以下、詳細に説明する。
まず、追従制御切替制御部600は、接触情報取得部610と、追従制御切替部3901とで構成されて、接触情報取得部610で取得した、把持部103に対する手先効果部102の接触の情報を基に、把持部103と手先効果部102とが接触した場合のみ追従制御を停止し、把持部103と手先効果部102とが接触していない場合は追従制御を行う、追従制御情報を出力するものである。
追従制御切替部3901は、接触情報取得部610からの接触情報に応じて追従制御情報を決定し、決定した追従制御情報を追従制御切替部3901から制御部605に出力する。追従制御切替部3901における追従制御情報の選択方法は、接触情報取得部610からの接触情報において1箇所でも「接触有り」(出力が「1」)の情報があると、「追従制御オフ」を選択し、全ての箇所で「接触無し」(出力が「0」)の情報であると、「追従制御オン」を選択する。よって、把持部103が手先効果部102と接触したと追従制御切替部3901で決定したときのみ「追従制御オフ」となり、把持部103が手先効果部102と接触していないと追従制御切替部3901で決定したときは「追従制御オン」となる。なお、「追従制御オン」の選択方法について、ここでは、1箇所でも接触した場合としたが、2箇所以上接触した場合又は予め定めた箇所に接触した場合などのように、他の接触方法を用いることも可能である。
図40A~図40Cは、人とマニピュレータ101とで協調して対象物1101を搬送するときに、マニピュレータ101が追従する手順を示す。マニピュレータ101の手先部の例えば先端1002aにハンド1015を取り付け、ハンド1015で対象物1101を把持させる。その後、図40A→図40B→図40Cの順に状態が遷移する。
まず、図40Aの状態は、人の手801が把持部103を移動させ、マニピュレータ101が追従制御を行っている状態である。
次いで、図40Bの状態は、人の手801が把持部103を急激に移動させ、把持部103が手先効果部102と接触している状態である。この状態は、人の手801が把持部103を一定時間毎(例えば、1m秒毎)に移動させた移動量が、制御装置602によりマニピュレータ101が一定時間毎に移動できる移動量を超え、追従制御が把持部103の移動に対して遅れる場合に発生する。
次いで、図40Cの状態は、手先効果部102が接触センサ3701と接触し、マニピュレータ101が停止している状態である。
第5実施形態のロボット601におけるロボットアーム100の制御装置602の操作手順を図41のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1301では、相対位置情報取得部607において、手先効果部102に対する把持部103の相対位置情報を取得する。接触情報取得部610において、接触センサ3701の手先効果部102に対する接触情報を取得する。
ステップS4101では、接触情報取得部610から取得した接触情報を基に、手先効果部102が接触センサ105と接触しているか、追従制御切替部3901で判定する。手先効果部102が接触センサ3701と接触していると追従制御切替部3901で判定した場合は、このフローを終了する。手先効果部102が接触センサ3701と接触していないと追従制御切替部3901で判定した場合は、ステップS1303に進む。
ステップS1303では、相対位置情報取得部607から取得した相対位置情報が所定の閾値の範囲内に収まっているか、追従制御部606で判定する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていると追従制御部606で判定した場合は、このフローを終了する。相対位置情報が閾値の範囲内に収まっていないと追従制御部606で判定した場合は、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、追従制御部606で、閾値の範囲を超えている相対位置情報が閾値内に収まるような移動量を求める。追従制御部606で求めた移動量を、追従制御部606から制御部605に出力し、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、制御部605で、追従制御部606から取得した移動量を基に、マニピュレータ101を追従制御し、このフローを終了する。
第5実施形態によれば、第1実施形態での作用効果に加えて、人が把持部103を急激に移動させた場合、マニピュレータ101の追従制御が遅れ、マニピュレータ101が暴走する危険性がある。そこで、把持部103が手先効果部102と接触した場合はマニピュレータ101を停止させるように制御装置602で制御することによって、その危険性を防ぎ、安全性を高めることができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
なお、上記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、産業用ロボット又は生産設備などにおける可動機構のロボットアームの制御装置及び制御方法、ロボット、ロボットアーム制御プログラム、並びに、集積電子回路として有用である。また、産業用ロボットに限らず、家庭用ロボットのロボットアームの制御装置及び制御方法、ロボット、ロボットアーム制御プログラム、並びに、集積電子回路として適用される可能性がある。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形又は修正は明白である。そのような変形又は修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
Claims (9)
- 人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアームの制御装置であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、のロボットアーム。 - 前記把持検出部は、前記人の把持の有無の情報に加えて、把持開始からの経過時間も把持情報として検出する一方、
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と前記把持開始からの経過時間と、追従速度を決定する制御係係数の情報とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とをさらに備え、
前記把持部を前記人が把持した直後の所定の一定時間は、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を、他の時間の追従速度よりも遅くするように制御する請求項1に記載のロボットアーム。 - 前記把持検出部は、前記人の把持の有無の情報に加えて、前記把持部を前記人が把持する位置も把持情報として検出する一方、
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と前記把持部を前記人が把持する位置と、追従速度を決定する制御係係数の情報とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とをさらに備え、
前記把持部を前記人が把持する位置に応じて、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を変化させるように制御する請求項1に記載のロボットアーム。 - 前記追従制御切替制御部は、
前記把持部に外部から加えられた力の大きさを取得する力情報取得部を備えて、
前記把持検出部は、前記力情報取得部で取得した力情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報を検出し、さらに前記把持部を前記人が把持する力の大きさも把持情報として検出する一方、
前記把持部に対する前記人の把持の有無の情報と、前記把持部を前記人が把持する力の大きさと、追従速度を決定する制御係数とが関連付けられた関連情報を取得する制御係数情報取得部と、
前記把持検出部で検出した把持情報と前記制御係数情報取得部で取得した前記関連情報とを基に、追従速度を決定する制御係数を決定する制御係数情報決定部とを備えて、
前記把持部を前記人が把持する力の大きさに応じて、前記制御係数情報取得部で取得した前記制御係数に基づいて追従制御の追従速度を変化させるように制御する請求項1に記載のロボットアーム。 - 前記追従制御切替制御部は、
前記把持部に対する前記手先効果部の接触の有無を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部と前記手先効果部とが接触した場合のみ追従制御を停止し、前記把持部と前記手先効果部とが接触していない場合は追従制御を行う、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える請求項1に記載のロボットアーム。 - 請求項1~5のいずれか1つに記載のロボットアームを備えるロボット。
- 人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアームの制御方法であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得し、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求め、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力し
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するとき、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得し、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出し、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力する、ロボットアームの制御方法。 - 人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアーム制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を相対位置情報取得部で取得するステップと、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を追従制御部で求めるステップと、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を追従制御切替制御部で出力するステップと
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを制御部で移動制御するステップとを実行させるとともに、
前記追従制御切替制御部において前記追従制御情報を出力するステップでは、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を接触情報取得部で取得するステップと、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を把持検出部で検出するステップと、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を追従制御切替部で出力するステップと、を実行させるための、ロボットアーム制御プログラム。 - 人が触って操作して作業を行わせるロボットアームの本体に取り付けられた手先効果部と、前記手先効果部との間に所定間隔の隙間を形成しつつ前記手先効果部とは別に前記ロボットアームの本体に取り付けられて前記手先効果部に対して相対移動可能でかつ操作時に前記人が把持可能な把持部とを備える前記ロボットアームを動作制御する、ロボットアーム用集積電子回路であって、
前記操作時に前記手先効果部に対する前記把持部の相対位置の情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記相対位置情報取得部で取得された前記相対位置の情報が所定の閾値の範囲内に収まるように、前記手先効果部と前記把持部の間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動させる追従制御用の前記ロボットアームの移動量を求める追従制御部と、
前記把持部が他の物と接触しているとき前記追従制御部での追従制御を行う一方、前記把持部が前記他の物との接触していないとき前記追従制御部での追従制御を行わないように追従制御を切替える追従制御情報を出力する追従制御切替制御部と
前記追従制御切替制御部からの前記追従制御情報に基づき、前記追従制御部での追従制御を行うときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量に基づいて、前記手先効果部と前記把持部との間の前記隙間の間隔の変化量に応じて前記ロボットアームを移動制御する一方、前記追従制御部での追従制御を行わないときは、前記追従制御部で求めた前記ロボットアームの移動量とは無関係に、前記ロボットアームを移動制御する制御部とを備えるとともに、
前記追従制御切替制御部は、
前記把持部が他の物との接触の有無の情報を取得する接触情報取得部と、
前記接触情報取得部で取得した前記接触の情報を基に、前記把持部に対する前記人の把持の有無を示す把持情報を検出する把持検出部と、
前記把持検出部で検出した把持情報を基に、前記把持部を前記人が把持した場合のみ追従制御を行い、前記把持部を前記人が把持していない場合は追従制御を停止する、追従制御情報を出力する追従制御切替部とを備える、ロボットアーム用集積電子回路。
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