WO2011108416A1 - 自動製パン器 - Google Patents

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廉幸 伊藤
修二 福田
吉成 白井
渡邉 隆
小林 利造
也寸志 曽根
野村 英史
福岡 秀俊
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三洋電機株式会社
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Abstract

 自動製パン器1は、パン原料が投入されるパン容器80を収容する収容部30が設けられる本体10と、本体10に取り付けられて収容部30を開閉する蓋体40と、収容部30に収容されたパン容器80内で穀物粒を粉砕する粉砕部92と、穀物粒を粉砕した後にパン容器80に投入されるパン原料が収納されるパン原料収納容器110と、を備える。蓋体40には、パン原料収納容器110を着脱可能に保持する保持部45が設けられ、パン原料収納容器110には、保持部45への着脱を可能とする取付機構116、117が設けられている。

Description

自動製パン器
 本発明は、主として一般家庭で使用される自動製パン器に関する。
 市販の家庭用自動製パン器は、パン原料を入れるパン容器をそのまま焼き型としてパンを製造する仕組みのものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。このような自動製パン器では、まず、パン原料が入れられたパン容器が本体内の焼成室に入れられる。そして、パン容器内のパン原料がパン容器内に設けられる混練ブレードでパン生地に練り上げられる(練り工程)。その後、練り上げられたパン生地を発酵させる発酵工程が行われ、パン容器が焼き型として使用されてパンが焼き上げられる(焼成工程)。
 このような自動製パン器を用いてパンの製造が行われる場合、これまでは、パン原料として、小麦や米などの穀物を製粉した粉(小麦粉、米粉等)や、そのような製粉した粉に各種の補助原料が混ぜられたミックス粉が必要とされた。
 しかしながら、一般家庭においては、米粒に代表されるように、粉の形態ではなく粒の形態で穀物が所持されることがある。このために、自動製パン器が穀物粒から直接パンを製造できるように構成されていれば、非常に便利である。このようなことを念頭において、本出願人らは、穀物粒を出発原料としてパンを製造するパンの製造方法を開発している(特許文献2参照)。
 このパンの製造方法では、まず、穀物粒と液体とが混合され、この混合物の中で粉砕ブレードが回転されて穀物粒が粉砕される(粉砕工程)。そして、粉砕工程を経て得られたペースト状の粉砕粉を含むパン原料が、混練ブレードを用いてパン生地に練り上げられる(練り工程)。その後、練り上げられたパン生地を発酵させる発酵工程が行われ、続いてパンを焼き上げる焼成工程が行われる。
特開2000-116526号公報 特開2010-35476号公報 特許第3191645号公報 特開2006-255071号公報
 本出願人らは、穀物粒を出発原料としてパンを焼き上げる、上述のパンの製造方法を自動で行えるように新しい仕組みを備えた自動製パン器の開発を行っている。その取り組みの中で、本出願人らは、パン容器内で液体と混合された穀物粒を粉砕した後に、例えばドライイーストやグルテン等の粉体パン原料を自動投入できる仕組みを備えた自動製パン器の検討を行っている。
 粉体パン原料を自動投入するにあたって、例えば特許文献3や4に示されるような、レーズンやナッツ等を自動投入するための具材容器を使用することが考えられる。しかしながら、グルテン等の粉体パン原料は、容器に付着し易く、具材容器内に残留し易い性質を有する。また、上述のように、穀物粒を出発原料とする場合に行われる粉砕工程は、穀物粒と液体とが混合された状態で行われるために、粉砕工程中には蒸気が発生し易い。そして、この蒸気の影響で具材容器内のパン原料は湿気を帯び易く、具材容器内のパン原料は容器内に残留しやすくなる。この場合、自動投入されるパン原料の量が不正確となり、出来の悪いパンを製造してしまうために問題である。
 また、穀物粒を粉砕した後に投入される粉体パン原料(上述のドライイーストやグルテンの他に、例えば小麦粉や上新粉等も挙げられる)は嵩高くなる傾向がある。このために、粉体パン原料を収容するためのパン原料収納容器は、その容積が大きいことが求められる。この場合に、パン原料収納容器の幅や奥行き(高さではない方向のサイズ)を大きくすることが考えられる。しかし、自動製パン器の蓋には、焼成室に収容されたパン容器内の状態を外から観察できるように覗き窓を設けるのが一般的である。このため、パン原料収納容器の幅や奥行きが大きくされると、ユーザが覗き窓からパン容器内の状態を観察し難くなるといった問題が生じる。
 一方、パン原料収納容器の容積を稼ぐために、その高さ方向のサイズを大きくしようとすると、蓋の厚みが厚くなる。しかしながら、単純に蓋の厚みが厚くされると、蓋を開けた状態において本体背面側に必要とされる空間が大きくなってしまい、ユーザが使い勝手が悪いと感じる可能性がある。
 また、パン原料収納容器の容器蓋が開かれて、パン容器に一部のパン原料が自動投入された後において、例えばパン原料収納容器のパン原料がきちんと投入されたか否かを確認する等の目的で、ユーザが自動製パン器の蓋体を開けることがある。このような場合に、ユーザが開いた蓋体を閉じようとした際に、パン原料収納容器の開いた容器蓋が、本体内に収容されるパン容器の一部に引っ掛かって、自動製パン器の蓋体を上手く閉められないことがあった。また、これにより、パン原料収納容器やパン容器に傷が付くといった問題があった。
 そこで、本発明の目的は、穀物粒を出発原料としてパンを製造でき、ユーザが快適に使用できる自動製パン器を提供することである。また、本発明の他の目的は、穀物粒を出発原料としてパンを製造でき、粉砕工程後に一部のパン原料を適切に自動投入できる便利な仕組みを備えた自動製パン器を提供することである。
 上記目的を達成するために本発明の自動製パン器は、パン原料が投入されるパン容器を収容する収容部が設けられる本体と、前記本体に取り付けられて前記収容部を開閉する蓋体と、前記収容部に収容された前記パン容器内で穀物粒を粉砕する粉砕部と、穀物粒を粉砕した後に前記パン容器に投入されるパン原料が収納されるパン原料収納容器と、を備え、前記蓋体には、前記パン原料収納容器を着脱可能に保持する保持部が設けられ、前記パン原料収納容器には、前記保持部への着脱を可能とする取付機構が設けられている。
 本構成によれば、パン容器内で穀物粒を粉砕した後に、例えばグルテンやドライイースト等のパン原料を自動投入可能になる。そして、パン原料収納容器は、自動製パン器が備える蓋体に着脱可能に保持される。このために、本構成の自動製パン器はユーザにとって使い勝手がよい。
 上記構成の自動製パン器において、前記パン原料収納容器は、開口部を有する容器本体と、前記容器本体に対して回動可能に設けられて前記開口部を開閉する容器蓋と、前記容器蓋によって前記開口部が閉じられた状態において前記容器本体と前記容器蓋との間をシールするシール部材と、前記シール部材を前記容器本体に固定する固定部材と、を備えるようにするのが好ましい。そして、この場合に、前記取付機構は前記固定部材に設けられているのが好ましい。
 本構成の自動製パン器が備えるパン原料収納容器は、その開口部が閉じられた状態において、シール部材によって容器本体と蓋体との間がシールされるように構成されている。このために、例えば穀物粒を粉砕する粉砕工程において発生する水蒸気等がパン原料収納容器内に入り込むことを抑制できる。また、本構成においては、シール部材が容器本体に固定される構成であるために、グルテン等のパン原料が自動投入される際にシール部材に引っ掛かるという事態が発生し難くなる。また、本構成のパン原料収納容器においては、蓋体(収容部を開閉する蓋)の保持部への着脱を可能とするために設けられる取付機構が、容器本体ではなく、固定部材に設けられる構成となっている。このため、容器本体内にリベット等による凹凸が形成されなくて済み、パン原料収納容器に粉体パン原料が残留し難い構成が得やすくなる。したがって、本構成の自動製パン器では、グルテン等のパン原料が自動投入される際に、パン原料収納容器に粉が残留してパン容器内のパン原料の量が不正確になるという事態を抑制できる。
 上記構成の自動製パン器において、前記取付機構は、第1の係合傾斜面を有する第1の係合部と、前記容器本体を挟んで前記第1の係合部とは反対側に設けられるとともに可動式のフック部を有する第2の係合部と、を有し、前記保持部には、前記第1の係合傾斜面と係合する第2の係合傾斜面と、前記フック部と係合する係合溝と、が設けられることとしてよい。そして、この構成では、前記パン原料収納容器が前記保持部に収容されて、前記蓋体が前記収容部を閉じた状態において、前記パン原料収納容器は、前記フック部に係合する前記係合溝と前記第1の係合傾斜面に当接する前記第2の係合傾斜面とに支持され、前記フック部は、前記フック部の前記係合溝への係合を解除する方向に移動可能となっていることとしてよい。
 本構成では、前記第1及び第2の係合傾斜面は、互いに略平行となって、前記第2の係合傾斜面から前記保持部に保持された前記パン原料収納容器に、鉛直方向上向きの力と前記フック部の前記係合溝への係合を解除する方向と反対方向の力とが付与されるように形成されているのが好ましい。また、本構成によれば、ユーザは、可動式フック部の簡単な操作を行うことによって、パン原料収納容器を簡単に蓋体(収容部を開閉する蓋)に着脱できるので便利である。
 上記構成の自動製パン器において、前記蓋体には、前記収容部に収容された前記パン容器を前記本体外側から覗くための覗き窓が設けられ、前記保持部は、前記蓋体に取り付けられるフレーム部材に設けられ、前記フレーム部材には、前記覗き窓から前記蓋体の内部が見えないようにする壁部が形成されている、こととしてもよい。
 本構成によれば、ユーザが覗き窓から収容部に収容されるパン容器内の様子を見る場合に、フレーム部材に形成される壁部によって蓋体内部の構造が見えないようにできる。このため、ユーザはパン容器内の様子をすっきりした状態で見ることができて好ましい。
 上記構成の自動製パン器において、前記蓋体は、前記本体の背面に回動可能に一端が軸支されて、前記収容部の開口を覆う閉位置と前記閉位置から所定角度回転された開位置との間で変位するように設けられ、前記蓋体には、前記保持部に加えて、前記収容部に収容された前記パン容器を外側から覗くための覗き窓が設けられており、前記覗き窓及び前記保持部は、前記覗き窓が前記本体の前面寄り、前記保持部が前記本体の背面寄りとなるように配置され、前記蓋体が前記閉位置にある場合に、前記蓋体の上面の略全体が、前記本体の前面側から背面側に向けて高くなる傾斜面となっていることとしてもよい。
 本構成によれば、本体背面寄りでは蓋体の厚みが厚くなっているために、本体背面寄りに取り付けられるパン原料収納容器の高さを高くして、その容積を大きくできる。すなわち、米粒を出発原料に用いてパンを製造する場合において要求される、パン原料収納容器の容積アップの問題に対応できる。
 また、蓋体が傾斜構造となっているために、本体前面寄りに設けられる覗き窓も、傾斜した状態とできる。このために、本構成によれば、本体前面側から覗き窓によってパン容器の中心位置を見やすくでき、ユーザはパンの製造中におけるパン容器内の観察を行い易い。また、パン原料収納容器は、その高さを高くすることによって容積アップを図れるために、蓋体における覗き窓の面積を確保し易い。この点からも、覗き窓によるパン容器内の観察が行い易くなる。
 また、蓋体の上面の略全体が傾斜面となっているために、蓋体を開位置とした場合において本体背面側に必要とされる空間の狭小化が図れ、本構成の自動製パン器は、ユーザにとって使い勝手がよい。
 上記構成の自動製パン器において、前記所定角度は、前記開位置において前記傾斜面が鉛直方向と略平行になる角度であるのが好ましい。
 本構成によれば、蓋体の開位置が閉位置から90°より大きく回転した位置となるために、蓋体が閉位置へと倒れ込み難くなる。また、開位置において、蓋体の上面(傾斜面)が鉛直方向と平行となるために、蓋体を開けた場合に必要となる本体背面側の空間の狭小化が図れる。
 上記構成の自動製パン器において、前記本体は、前記蓋体に隣接するとともに操作部が設けられた上面を有し、前記操作部が設けられた本体上面の略全体は、前記閉位置にある前記蓋体の上面と略同一の傾斜角を有する傾斜面となっていることとしてもよい。
 本構成によれば、蓋体の上面と操作部が設けられる本体上面とを略面一とすることができ、ユーザは、本体前面側から操作部を見やすく、自動製パン器の操作を行いやすくなる。
 上記構成の自動製パン器において、前記パン原料収納容器は、開口部を有する容器本体と、前記開口部を開閉する容器蓋と、を有し、前記蓋体には、前記容器蓋の開き角度を規制するストッパ部が設けられている、こととしてもよい。
 本構成によれば、蓋体にパン原料収納容器の容器蓋の開き角度を規制するストッパ部が設けられている。このために、パン原料収納容器の容器蓋を開いた状態で自動製パン器の蓋体を開け、その後に蓋体を閉める場合に、パン原料収納容器の容器蓋が本体内に収容されるパン容器の一部に接触しないようにできる。
 上記構成の自動製パン器において、前記容器蓋には、その周縁から外方に突出する把手部が設けられ、前記ストッパ部は、前記把手部に当接して前記容器蓋の開き角度を規制することとしてもよい。本構成によれば、パン原料収納容器の容器蓋に外方に向けて突出する把手部が設けられているために、パン原料収納容器へのパン原料の収納作業が容易になる。そして、ストッパ部は、この把手部を利用して容器蓋の開き角度を規制するようになっているために、その形状の簡素化を図り易い。
 上記構成の自動製パン器において、前記蓋体には、前記パン原料収納容器が着脱される際にユーザの手指が入る空間が形成されており、前記ストッパ部は、前記空間内に形成されていることとしてもよい。本構成によれば、別の理由で設けられた空間を利用してストッパ部を設ける構成であり、ストッパ部を設けたために自動製パン器の蓋体が大型化するといった事態が避けられる。
 上記構成の自動製パン器において、前記ストッパ部は、前記空間を形成する壁部から突出する略板状の突出部であることとしてもよい。このように構成すれば、ストッパ部が、パン原料収納容器が蓋体に取り付けられる際に邪魔となる事態を避けることができる。そして、この構成においては、前記略板状の突出部は、その一部の厚みが厚く形成されていることとしてもよい。これにより、ストッパ部は、小型なものであるとともに、強度の強いものとできる。
 上記構成の自動製パン器において、前記パン原料収納容器は、前記蓋体に取り付けられない状態で、前記容器蓋の閉位置からの最大開き角度が90°より大きい第1の角度となるように設けられ、前記ストッパ部は、前記容器蓋の閉位置からの開き角度が前記第1の角度よりも小さい第2の角度となるように前記容器蓋の開き角度を規制する、こととしてもよい。
 本構成によれば、パン原料収納容器にパン原料を収納する作業が行い易い。そして、この作業性の良さと、自動製パン器の蓋体の開閉時における不具合(上述したパン原料収納容器の容器蓋を開いた状態で自動製パン器の蓋体を開け閉めする際の不具合)の解消との両立が本構成では図れる。
 上記構成の自動製パン器において、前記パン原料収納容器は、前記蓋体が閉じられた状態で、前記本体の背面寄りに取り付けられることとしてもよい。また、この構成において、前記蓋体は、それが閉じられた状態で、前記本体の前面側から背面側に向かう方向に高さが高くなる傾斜構造を有することとしてもよい。
 本構成によると、本体背面寄りでは蓋体の厚みが厚くなっているために、本体背面寄りに取り付けられるパン原料収納容器の高さを高くして、その容積を大きくすることができる。また、蓋体が傾斜構造となっているために、蓋体が開かれた状態において、本体背面側に必要とされる空間の狭小化が図れる。なお、蓋体の背面寄りにパン原料収納容器を配置する場合には、上述した、パン原料収納容器の容器蓋が開かれた状態で自動製パン器の蓋体を開け閉めする際の不具合(パン原料収納容器の開いた容器蓋が、本体内に収容されるパン容器の一部に引っ掛かる)が発生しやすくなる。この点、本構成では、蓋体にパン原料収納容器の容器蓋の開き角度を規制するストッパ部が設けられているために、パン原料収納容器の容器蓋が本体内に収容されるパン容器の一部に接触する事態が避けられる。
 本発明によると、穀物粒を出発原料としてパンを製造でき、ユーザが快適に使用できる自動製パン器を提供できる。また、本発明によると、穀物粒を出発原料としてパンを製造でき、粉砕工程後に一部のパン原料を適切に自動投入できる便利な仕組みを備えた自動製パン器を提供できる。このため、本発明によれば、家庭でのパン製造をより身近なものとして、家庭でのパン作りが盛んになることが期待できる。
第1実施形態の自動製パン器の外観構成を示す概略斜視図で、蓋が閉じられた状態を示す図 第1実施形態の自動製パン器の外観構成を示す概略斜視図で、蓋が開かれた状態を示す図 第1実施形態の自動製パン器の本体内部の構成を説明するための模式図 第1実施形態の自動製パン器が備える第1の動力伝達部に含まれるクラッチについて説明するための図で、クラッチが動力遮断を行う状態を示す図 第1実施形態の自動製パン器が備える第1の動力伝達部に含まれるクラッチについて説明するための図で、クラッチが動力伝達を行う状態を示す図 第1実施形態の自動製パン器における、パン容器が収容された焼成室及びその周辺の構成を模式的に示す図 第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの構成を示す概略斜視図 第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの構成を示す概略分解斜視図 第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの構成を示す概略側面図 第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの構成を示す概略断面図 第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットを下から見た場合の概略平面図(ガードが取り外された場合の図)で、混練ブレードが折り畳み姿勢にある場合の図 第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットを下から見た場合の概略平面図(ガードが取り外された場合の図)で、混練ブレードが開き姿勢にある場合の図 第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの動作を説明するための図で、混練ブレードが折り畳み姿勢にある場合にパン容器を上から見た図 第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの動作を説明するための図で、混練ブレードが開き姿勢にある場合にパン容器を上から見た図 第1実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器の構成を示す概略斜視図で、前面側から見た場合の図 第1実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器の構成を示す概略斜視図で、背面側から見た場合の図 第1実施形態の自動製パン器が備える蓋の構成を示す概略図で、斜め下から見た斜視図 第1実施形態の自動製パン器が備える蓋の構成を示す概略図で、下から見た平面図 図11BのB-B位置における断面図 第1実施形態の自動製パン器の構成を示すブロック図 第1実施形態の自動製パン器によって実行される米粒用製パンコースの流れを示す模式図 第1実施形態の自動製パン器の外観を示す概略側面図 第2実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器の構成を示す概略斜視図で、主に前面側を示す図 第2実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器の構成を示す概略斜視図で、主に背面側を示す図 図16AのC-C位置における概略断面図 第2実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器にパン原料が投入される場合の、パン原料収納容器の姿勢を示す概略断面図 第2実施形態の自動製パン器のパン原料収納容器が取り付けられる蓋の構成を示す概略平面図 図19のD-D位置における概略断面図 図19のE-E位置における概略断面図 図19の破線の楕円で囲まれた部分の、パン原料収納容器を取り除いた場合の概略平面図 第2実施形態の自動製パン器の蓋に設けられるストッパ部の概略側面図 米粒用製パンコースの別形態を示す模式図
 以下、本発明の自動製パン器の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書に登場する具体的な時間、温度、角度等はあくまでも例示であり、それらは本発明の内容を限定するものではない。
1.第1実施形態
(自動製パン器の構成)
 図1A及び図1Bは、第1実施形態の自動製パン器の外観構成を示す概略斜視図で、図1Aは蓋が閉じられた状態、図1Bは蓋が開かれた状態を示している。図1A及び図1Bに示すように、自動製パン器1の本体10(その外殻は例えば金属や合成樹脂等によって形成される)の上面の一部には、操作部20が設けられている。この操作部20は、操作キー群と、時間、操作キー群によって設定された内容、エラー等を表示する表示部と、によって構成されている。操作キー群には、例えば、スタートキー、取り消しキー、タイマーキー、予約キー、パンの製造コース(米粒を出発原料に用いてパンを製造するコース、米粉を出発原料に用いてパンを製造するコース、小麦粉を出発原料に用いてパンを製造するコース等)を選択する選択キー等が含まれる。表示部は、例えば、液晶表示パネル等によって構成される。
 また、本体10には、詳細は後述するパン容器80が収容される焼成室30(本発明の収容部の実施形態)が設けられている。この焼成室30は、例えば板金からなる底壁30a及び4つの側壁30b(後述の図4も参照)で構成されている。焼成室30は、平面形状略矩形の箱形状で、その上面が開口している。この焼成室30は、蓋(本発明の蓋体の実施形態)40によって開閉可能となっている。蓋40は、本体10の背面側に回動可能に一端が軸支されて、焼成室30の開口を覆う閉位置と、該閉位置から所定角度回転された開位置との間で変位可能となっている。
 この蓋40には、ユーザが、焼成室30に収容されるパン容器80内の様子を外部から覗けるように、例えば耐熱ガラスからなる覗き窓41が設けられている。また、蓋40には、パンの製造工程の途中で一部のパン原料を自動投入できるように設けられるパン原料収納容器110が、着脱自在に取付可能となっている。パン原料収納容器110の詳細、及び、パン原料収納容器110の蓋40への取付構造の詳細については後述する。
 図15は、第1実施形態の自動製パン器の外観を示す概略側面図である。図15における、(a)は自動製パン器1の蓋40が閉じられた状態を示す図で、(b)は自動製パン器1の蓋40が開かれた状態を示す図である。
 図15(a)に示すように、本実施形態の自動製パン器1の蓋40には、覗き窓41が本体10前面寄りに設けられている。一方、パン原料収納容器110を取り付けるための取付空間45(蓋40の内側に設けられる;本発明の保持部の一例)が、本体10背面寄りに設けられている。なお、図15(a)においては、覗き窓41及び取付空間45は側面から見えないので、太破線で示している。
 また、図15(a)に示すように、自動製パン器1においては、蓋40が閉位置にある場合に、蓋40の上面40bの略全体が、本体10の前面側から背面側に向けて高くなる傾斜面となっている。本実施形態では、この傾斜面の傾斜角(水平方向に対する角度)は12°としているが、これに限定される趣旨ではなく、傾斜角の大きさは適宜変更してよい。
 また、自動製パン器1の蓋40は、蓋40の背面側に設けられる蓋側取付部40cと、本体10背面側の焼成室30の上面位置近傍に対応する箇所に設けられる本体側取付部10cとによって、回転軸401(図15において紙面と垂直な方向に延びる軸)を中心として回動可能となっている。より詳細には、蓋40は、焼成室30の開口を覆う閉位置(図15(a)の状態)と、閉位置から所定角度(本実施形態では102°)回転した開位置(図15(b)の状態)との間で変位可能となっている。
 蓋40は、本体10に支持されることによって閉位置で維持される。また、蓋40は、閉位置からの回転角度が90°を超えると、自重によって背面側に倒れる方向(図15において反時計方向)に回転するが、蓋側取付部40cと本体側取付部10cとの当接によってその回転は規制される。そして、蓋側取付部40cと本体側取付部10cとの当接によって、蓋40は、閉位置から所定角度(本実施形態では102°)回転した開位置で維持される。
 なお、本実施形態においては、蓋40の閉位置からの最大回転角度(上記所定角度に同じ)を102°に設定しているが、このように設定することにより、開位置にある場合の蓋40の上面(傾斜面)40bが鉛直方向と平行になっている。
 自動製パン器1の蓋40をこのように構成する効果について説明する。本実施形態の自動製パン器1は、米粒を出発原料に用いてパンを製造することが可能になっている。米粒が出発原料として用いられる場合、米粒を粉砕した後にパン原料収納容器110を用いてグルテンや小麦粉等の嵩高い粉体パン原料がパン容器80に自動投入される場合がある。このため、パン原料収納容器110は、その容積を大きくすることが求められる。
 この点、本実施形態のように蓋40が構成される場合、蓋40の厚みが厚くなる背面寄りにパン原料収納容器110が配置されれば、パン原料収納容器110の高さを高くして、その容積を大きくできる。このため、本実施形態においては、蓋40に設けられる、パン原料収納容器110を取り付けるための取付空間45が、本体10背面寄りとされているのである。なお、当然ではあるが、パン原料収納容器110の取付位置は、パン原料収納容器110から落下するパン原料が、焼成室30に収容されるパン容器80に入るように、その位置が調整されている。
 また、蓋40が傾斜構造となっているために、蓋40が閉位置にある場合において本体10前面側となる覗き窓41も傾斜した状態となっている。このために、本体10前面側から覗き窓41によって、焼成室30に収容されるパン容器80の中心位置を見やすくすることができる。すなわち、ユーザはパンの製造中におけるパン容器80内の観察を行い易い。なお、上述のように、自動製パン器1では、パン原料収納容器110の高さを高くすることによって、その容積アップを図っている。このために、蓋40においてパン原料収納容器110によって占められる面積を小さくでき、覗き窓41の面積を確保し易い。すなわち、自動製パン器1では、覗き窓41の面積の狭小化を避けられ、この点からも覗き窓41によるパン容器80内の観察が行い易くなっている。
 また、蓋40の開位置は、閉位置から90°より大きく回転した位置(本実施形態では102°回転した位置)となっている。このために、蓋40は閉位置へと倒れ込み難く、例えばユーザの手が蓋40と本体10との間に挟まれるといった事故を防止できる。また、開位置においては、蓋40の上面(傾斜面)40bが鉛直方向と平行となるように構成されている。このために、蓋40を開けた場合に必要となる本体10背面側の空間について、狭小化が図れる。すなわち、自動製パン器1の蓋40は、ユーザの安全性と利便性とを考慮して形成されている。
 なお、閉位置から開位置までの蓋40の回転角度が同一であると仮定した場合、図15(b)に一点鎖線で示すような直方体形状の蓋が採用される場合に比べて、本実施形態の構成の場合には、開位置での蓋40の本体10背面側への突出量がΔdだけ小さくなる。
 また、本実施形態の自動製パン器1では、蓋40に隣接するとともに操作部20が設けられる本体上面10dの略全体が、蓋上面40bと略同一の傾斜角(12°)を有する傾斜面となっている。そして、蓋上面40bと、操作部20が設けられる本体上面10dとは、蓋40が閉位置にある場合に略面一となっている。このように構成した場合、ユーザは本体10前面側から操作部20を見やすく、その操作を行いやすい。
 図2は、第1実施形態の自動製パン器の本体内部の構成を説明するための模式図である。図2は、自動製パン器1を上側から見た場合を想定しており、図の下側が自動製パン器1の前面側、図の上側が背面側である。図2に示すように、自動製パン器1には、焼成室30の右横に練り工程で用いられる低速・高トルクタイプの混練モータ50が固定配置され、焼成室30の後ろ側に粉砕工程で用いられる高速回転タイプの粉砕モータ60が固定配置されている。混練モータ50及び粉砕モータ60はいずれも竪軸である。
 混練モータ50の上面から突出する出力軸51には第1のプーリ52が固定される。この第1のプーリ52は、第1のベルト53によって第2のプーリ55に連結されている。この第2のプーリ55は、その径が第1のプーリ52よりも大きく形成されると共に、第1の回転軸54の上部側に固定される。第1の回転軸54の下部側には、その回転中心が第1の回転軸54とほぼ同一となるように第2の回転軸57が設けられている。なお、第1の回転軸54及び第2の回転軸57は、本体10内部に回転可能に支持されている。また、第1の回転軸54と第2の回転軸57との間には、動力伝達と動力遮断を行うクラッチ56が設けられている。このクラッチ56の構成については後述する。
 第2の回転軸57の下部側には第3のプーリ58が固定されている。第3のプーリ58は、第2のベルト59によって第1の原動軸用プーリ12(第3のプーリ58とほぼ同一の径を有する)に連結されている。第1の原動軸用プーリ12は、焼成室30の下部側に設けられる原動軸11に固定される。混練モータ50自身が低速・高トルクタイプであり、その上、第1のプーリ52の回転が第2のプーリ55によって減速回転される(例えば1/5の速度に減速される)。このため、クラッチ56が動力伝達を行う状態で混練モータ50を駆動すると、原動軸11は低速で回転する。
 なお、第1のプーリ52、第1のベルト53、第1の回転軸54、第2のプーリ55、クラッチ56、第2の回転軸57、第3のプーリ58、第2のベルト59、及び第1の原動軸用プーリ12で構成される動力伝達部のことを、以下において第1の動力伝達部PT1と表現することがある。
 粉砕モータ60の下面から突出する出力軸61には、第4のプーリ62が固定されている。この第4のプーリ62は、第3のベルト63によって、原動軸11に固定される第2の原動軸用プーリ13(第1の原動軸用プーリ12より下側で固定される)に連結されている。第2の原動軸用プーリ13は第4のプーリ62とほぼ同一の径を有する。粉砕モータ60には高速回転のものが選定され、第4のプーリ62の回転は第2の原動軸用プーリ13においてほぼ同一速度で維持される。このために、粉砕モータ60を駆動すると、原動軸11は高速回転(例えば7000~8000rpm)を行う。
 なお、第4のプーリ62、第3のベルト63、及び第2の原動軸用プーリ13で構成される動力伝達部のことを、以下において第2の動力伝達部PT2と表現することがある。第2の動力伝達部PT2は、クラッチを有さない構成であり、粉砕モータ60の出力軸61と原動軸11とを常時動力伝達可能に連結する。
 図3A及び図3Bは、第1実施形態の自動製パン器が備える第1の動力伝達部に含まれるクラッチについて説明するための図である。図3A及び図3Bは、図2の矢印X方向に沿って見た場合を想定した図である。なお、図3Aはクラッチ56が動力遮断を行う状態を示し、図3Bはクラッチ56が動力伝達を行う状態を示す。
 図3A及び図3Bに示すように、クラッチ56は、第1のクラッチ部材561と第2のクラッチ部材562とを有する。そして、第1のクラッチ部材561に設けられる爪561aと、第2のクラッチ部材562に設けられる爪562aとが噛み合う場合(図3Bの状態)に、クラッチ56は動力伝達を行う。また、2つの爪561a、562bが噛み合わない場合(図3Aの状態)に、クラッチ56は動力遮断を行う。すなわち、クラッチ56は噛み合いクラッチとなっている。
 なお、第1実施形態では、2つのクラッチ部材561、562のそれぞれには、周方向にほぼ等間隔に並ぶ6つの爪561a、562aが設けられているが、この爪の数は適宜変更してもよい。ここで周方向とは、第1のクラッチ部材561を下から平面視した場合、或いは、第2のクラッチ部材562を上から平面視した場合を想定した表現である。また、爪561a、562aの形状は、好ましい形状を適宜選択すればよい。
 第1のクラッチ部材561は、抜け止め対策を施された上で、第1の回転軸54に、その軸方向(図3A及び図3Bにおいて上下方向)に摺動可能であると共に、相対回転不能に取り付けられている。第1の回転軸54における第1のクラッチ部材561の上部側には、バネ71が遊嵌されている。このバネ71は、第1の回転軸54に設けられるストッパ部54aと第1のクラッチ部材561とに挟まれるように配置されており、第1のクラッチ部材561を下側に向けて付勢している。一方、第2のクラッチ部材562は、第2の回転軸57の上端に固定されている。
 クラッチ56における、動力伝達状態と動力遮断状態との切り替えは、下位置と上位置とに選択配置可能なアーム部72を用いて行われる。アーム部72は、その一部が第1のクラッチ部材561の下側に配置され、第1のクラッチ部材561の外周側と当接可能となっている。
 アーム部72の駆動は、クラッチ用ソレノイド73を用いて行われる。クラッチ用ソレノイド73は、永久磁石73aを備え、いわゆる自己保持型のソレノイドとなっている。クラッチ用ソレノイド73のプランジャー73bは、アーム部72のプランジャー固定用の取付部72aに固定される。このために、電圧の印加によりハウジング73cからの突出量が変動するプランジャー73bの動きに合わせてアーム部72が動く。
 アーム部72が下位置(図3Bの状態)から上位置(図3Aの状態)に移動すると、第1のクラッチ部材561は、アーム部72に押されてバネ71の付勢力に抗して上方向に移動する。アーム部72が上位置にある場合には、第1のクラッチ部材561と第2のクラッチ部材562とは噛み合わない。すなわち、アーム部72が上位置にある場合には、クラッチ56は動力遮断を行う。
 一方、アーム部72が上位置から下位置に移動すると、第1のクラッチ部材561はバネ71の付勢力によって押される形で下方向に移動する。アーム部72が下位置にある場合には、第1のクラッチ部材561と第2のクラッチ部材562とは噛み合う。すなわち、アーム部72が下位置にある場合には、クラッチ56は動力伝達を行う。
 粉砕モータ60を駆動する際に、クラッチ56が動力伝達を行う状態(図3Bの状態)であると、原動軸11を高速回転させる回転動力が混練モータ50の出力軸51に伝達される。この場合、粉砕モータ60が例えば8000rpmで回転されるとすると、第1のプーリ52と第2のプーリ55との半径比(例えば1:5)によって、混練モータ50の出力軸51を40000rpmで回転させる力が必要となる。この結果、粉砕モータ60に非常に大きな負荷が加わるために、粉砕モータ60が破損する可能性がある。このため、粉砕モータ60を駆動する際には、原動軸11を高速回転させる回転動力が混練モータ50の出力軸51に伝達されないようにする必要がある。そこで、自動製パン器1は、動力伝達と動力遮断を行うクラッチ56を第1の動力伝達部PT1に含む構成となっている。
 なお、上述のように自動製パン器1においては、第2の動力伝達部PT2にはクラッチが設けられない構成としているが、これは次の理由による。すなわち、混練モータ50を駆動しても原動軸11は低速回転(例えば180rpm等)されるのみである。このため、原動軸11を回転させる回転動力が粉砕モータ60の出力軸に伝達されるようになっていても、混練モータ50に大きな負荷が加わることはない。そして、このように第2の動力伝達部PT2に敢えてクラッチが設けられない構成とすることにより、自動製パン器1の製造コストが抑制される。ただし、第2の動力伝達部PT2にクラッチが設けられる構成を採用しても勿論構わない。
 図4は、第1実施形態の自動製パン器における、パン容器が収容された焼成室及びその周辺の構成を模式的に示す図である。図4は、自動製パン器1を前面側から見た場合の構成を想定しており、焼成室30及びパン容器80の構成については概ね断面図で示している。なお、パン原料が投入されるとともにパン焼き型として使用されるパン容器80は、焼成室30に対して出し入れ自在となっている。
 図4に示すように、焼成室30の内部にはシーズヒータ31(加熱手段の一例)が、焼成室31に収容されたパン容器80を包囲するように配置されている。このシーズヒータ31を用いることにより、パン容器80内のパン原料(この表現にはパン生地を含む場合がある)を加熱できるようになっている。
 また、焼成室30の底壁30aの略中心にあたる箇所には、パン容器80を支持するパン容器支持部14(例えばアルミニウム合金のダイキャスト成型品からなる)が固定されている。このパン容器支持部14は、焼成室30の底壁30aから窪むように形成され、その窪みは上から見た場合に略円形となっている。このパン容器支持部14の中心には、上述の原動軸11が底壁30aに対して略垂直となるように支持されている。
 パン容器80は例えばアルミニウム合金のダイキャスト成型品(その他、板金等で構成しても構わない)であり、バケツのような形状をしている。開口部側縁に設けられる鍔部80aには、手提げ用のハンドル(図示せず)が取り付けられている。パン容器80の水平断面は四隅を丸めた矩形である。また、パン容器80の底部には、詳細は後述するブレードユニット90の一部を収容する平面視略円形状の凹部81が形成されている。
 パン容器80の底部中心には、垂直方向に延びるブレード回転軸82が、シール対策が施された状態で回転可能に支持されている。このブレード回転軸82の下端(この下端はパン容器80の底部から突き出ている)には容器側カップリング部材82aが固定されている。また、パン容器80の底部外面側には筒状の台座83が設けられており、パン容器80は、この台座83がパン容器支持部14に受け入れられた状態で、焼成室30内に収容されるようになっている。なお、台座83は、パン容器80とは別に形成してもよいし、パン容器80と一体的に形成してもよい。
 パン容器支持部14の内周面と台座83の外周面とには、それぞれ図示しない突起が形成されており、これらの突起は周知のバヨネット結合を構成する。すなわち、パン容器80がパン容器支持部14に取り付けられる際、台座83の突起がパン容器支持部14の突起に干渉しないようにしてパン容器80が下ろされる。そして、台座83がパン容器支持部14に嵌り込んだ後、パン容器80が水平にひねられると、パン容器支持部14の突起の下面に台座83の突起が係合するようになっている。これにより、パン容器80は上方に抜けなくなる。
 なお、この操作で、ブレード回転軸82の下端に設けられる前述の容器側カップリング部材82aと、原動軸11の上端に固定される原動軸側カップリング部材11aとの連結(カップリング)も同時に達成される。そして、このカップリングにより、ブレード回転軸82は原動軸11から回転動力が伝えられるようになる。
 ブレード回転軸82のパン容器80内部に突出する部分には、その上からブレードユニット90が着脱可能に取り付けられるようになっている。このブレードユニット90の構成について、図5、図6、図7A、図7B、図8A、図8B、図9A、及び図9Bを参照しながら説明する。
 なお、図5は、第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの構成を示す概略斜視図である。図6は、第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの構成を示す概略分解斜視図である。図7Aは、第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの構成を示す概略側面図である。図7Bは、第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの構成を示す概略断面図で、図7AのA-A位置における断面である。図8A及び図8Bは、第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットを下から見た場合の概略平面図で、図8Aは混練ブレードが折り畳み姿勢にある場合の図、図8Bは混練ブレードが開き姿勢にある場合の図である。図8A及び図8Bにおいては、後述のガードが取り外された状態を示している。図9A及び図9Bは、第1実施形態の自動製パン器が備えるブレードユニットの動作を説明するための図で、パン容器を上から見た場合の図である。図9Aは混練ブレードが折り畳み姿勢にある場合の図、図9Bは混練ブレードが開き姿勢にある場合の図である。
 ブレードユニット90は、大きくは、ユニット用シャフト91と、ユニット用シャフト91に相対回転不能且つ着脱可能に取り付けられる粉砕ブレード92と、ユニット用シャフト91に相対回転可能且つ粉砕ブレード92を覆うように取り付けられる平面視略円形のドーム状カバー93と、を備える構成となっている(例えば、図5、図6、図7A、図7B参照)。ブレードユニット90がブレード回転軸82に取り付けられた状態において、粉砕ブレード92は、パン容器80の凹部81底面より少し上の箇所に位置する。また、粉砕ブレード90及びドーム状カバー93のほぼ全体は凹部81に収容される(例えば図4参照)。
 ユニット用シャフト91は、例えばステンレス鋼板等の金属によって形成される略円柱状の部材であり、一方端(図6、図7A及び図7Bの下端)に開口が設けられ、その内部は中空となっている。また、ユニット用シャフト91の下部側には、ユニット用シャフト91を直径方向に横断する溝91aが形成されている(例えば図6参照)。ユニット用シャフト91がブレード回転軸82に上から被せられた場合に、ブレード回転軸82を水平に貫くピン(図示せず)が溝91aに係合する。これにより、ユニット用シャフト91は、ブレード回転軸82に相対回転不能に連結される。
 なお、図7Bに示すように、ブレード回転軸82(破線で示す)の上面(略円形状)の中央部に設けられる凸部82aと係合するように、ユニット用シャフト91の上部側内面の中央部には凹部91bが形成されている。これにより、ユニット用シャフト91とブレード回転軸82との中心を合わせた状態で、ブレードユニット90はブレード回転軸82に容易に取り付けることができる。このため、ブレード回転軸82を回転させた場合に、不要なガタツキ等が発生することが抑制される。本実施形態では、ブレード回転軸82側に凸部82a、ユニット用シャフト91側に凹部91bを設ける構成としたが、これとは逆に、ブレード回転軸82側に凹部、ユニット用シャフト91側に凸部を設ける構成としても構わない。
 穀物粒粉砕用の粉砕ブレード92(本発明の粉砕部の実施形態)は例えばステンレス鋼板によって形成され、その形状は例えば飛行機のプロペラのようになっている。粉砕ブレード92の中心部には、図6に示すように、平面視略矩形状の開口92aが形成されている。粉砕ブレード92は、ユニット用シャフト91の下部側から、開口92aにユニット用シャフト91が嵌め込まれるようにして取り付けられる。
 ユニット用シャフト91の下部側は、円柱の側面を削ったような形状となっており、下から見た場合に、粉砕ブレード92の開口92aとほぼ同形状(略矩形状)となっている。また、この略矩形状部分(ユニット用シャフト91の下部側部分)のサイズは、開口92aより、ほんの僅かだけ小さくなっている。このような形状が採用されているために、粉砕ブレード92はユニット用シャフト91に相対回転不能に取り付けられる。ユニット用シャフト91の粉砕ブレード92より下側部分には抜け止め用のストッパ部材94が嵌め込まれるために、粉砕ブレード92がユニット用シャフト91から脱落することはない。
 粉砕ブレード92を囲んで覆い隠すように配置されるドーム状カバー93は、例えばアルミニウム合金のダイキャスト成型品からなり、その内面側には、ベアリング95を収容する凹状の収容部931(図7B参照)が形成されている。換言すると、この収容部931を形成するために、ドーム状カバー93は、それを外面から見た場合に、中央部に略円柱状の凸部93aが形成された構成となっている。なお、本実施形態のベアリング95は転がり軸受けである。また、凸部93aには開口が形成されておらず、収容部931に収容されるベアリング95はその側面及び上面が収容部931の壁面に囲い込まれた状態となっている。
 ベアリング95は上下に抜け止めリング96a、96bが配置された状態で、その内輪95aがユニット用シャフト91に相対回転不能に取り付けられている(内輪95a内側の貫通孔にユニット用シャフト91が圧入されている)。また、ベアリング95は、その外輪95bの外壁が収容部931の側壁に固定されるように、収容部931に圧入されている。このベアリング95(内輪95aが外輪95bに対して相対回転する)の介在によって、ドーム状カバー93はユニット用シャフト91に相対回転可能に取り付けられている。
 また、ドーム状カバー93の収容部931には、外部からベアリング95内に異物が入り込まないように、例えばシリコン系或いはフッ素系の材料によって形成されるシール材97及び、このシール材97を保持する金属製のシールカバー98が、ベアリング95の下部側から圧入されている。異物としては、例えばパン原料としてパン容器80に投入される水等の液体や粉砕により得られたペースト状物等が挙げられる。シールカバー98は、ドーム状カバー93への固定が確実となるように、リベット99によってドーム状カバー93に固着されている。このリベット99による固定は行わなくてもよいが、確実な固定を得るために、本実施形態のように構成するのが好ましい。
 ドーム状カバー93の外面には、凸部93aに隣接する箇所に垂直方向に延びるように配置された支軸100(図6参照)を用いて、平面形状「く」の字形の混練ブレード101(例えばアルミニウム合金のダイキャスト成型品からなる)が取り付けられている。混練ブレード101は、支軸100に相対回転不能に取り付けられており、ドーム状カバー93に相対回転可能に取り付けられる支軸100と動きを共にする。換言すると、混練ブレード101は、ドーム状カバー93に対して相対回転可能に取り付けられた構成となっている。
 また、本実施形態では、ドーム状カバー93の外面に、混練ブレード101に並ぶように補完混練ブレード102(例えばアルミニウム合金のダイキャスト成型品からなる)が固定配置されている。この補完混練ブレード102は、必ずしも設ける必要がないが、パン生地を練り上げる練り工程における混練効率を高めるために設けるのが好ましい。
 ここで、混練ブレード101の動作について説明する。混練ブレード101は、支軸100と共に支軸100の軸線周りに回転し、図5、図7A、図8A及び図9Aに示す折り畳み姿勢と、図8B及び図9Bに示す開き姿勢との2姿勢をとる。折り畳み姿勢では、混練ブレード101の下縁から垂下した突起101a(図5及び図6参照)がドーム状カバー93の上面に設けられた第1のストッパ部93bに当接する。このため、折り畳み姿勢では、混練ブレード101はそれ以上ドーム状カバー93に対し反時計方向(上から見た場合を想定)の回動を行うことができない。この折り畳み姿勢では、混練ブレード101の先端がドーム状カバー93から少し突き出している。
 この姿勢(図9Aの状態)から混練ブレード101がドーム状カバー93に対して時計方向(上から見た場合を想定)に回動して図9Bに示す開き姿勢になると、混練ブレード101の先端はドーム状カバー93から大きく突き出す。この開き姿勢における混練ブレード101の開き角度は、ドーム状カバー93の内面に設けられる第2のストッパ部93c(図8A及び図8B参照)によって制限される。詳細は後述する第2係合体103b(支軸100に固定される)が第2のストッパ部93cに当って回転できなくなった時点で、混練ブレード101は最大開き角度となる。
 なお、混練ブレード101が折り畳み姿勢となっている場合には、例えば図5や図7Aに示すように補完混練ブレード102は混練ブレード101に整列し、あたかも「く」の字形状の混練ブレード101のサイズが大型化したようになる。
 ところで、ユニット用シャフト91には、図6に示すように、粉砕ブレード92とシールカバー98との間にカバー用クラッチ103を構成する第1係合体103aが取り付けられている。例えば亜鉛ダイカストからなる第1係合体103aには略矩形状の開口103aaが形成されており、この開口103aaにユニット用シャフト91の下部側の平面視略矩形状部分が嵌め込まれることにより、第1係合体103aはユニット用シャフト91に相対回転不能に取り付けられている。この第1係合体103aは粉砕ブレード92よりも先に、ユニット用シャフト91の下側から嵌め込まれ、ストッパ部材94によって、粉砕ブレード92と共にユニット用シャフト91からの脱落が防止されている。なお、本実施形態では、第1係合体103aとシールカバー93との間には、第1係合体103aの劣化防止等を考慮してワッシャ104が配置される構成となっているが、このワッシャ104は必ずしも設けなくてもよい。
 また、混練ブレード101が取り付けられる支軸100の下部側には、カバー用クラッチ103を構成する第2係合体103bが取り付けられている。例えば亜鉛ダイカストからなる第2係合体103bには略矩形状の開口103baが形成されており、この開口103baに支軸100の下部側の平面視略矩形状部分が嵌め込まれることにより、第2係合体103bは支軸100に相対回転不能に取り付けられている。なお、本実施形態では、第2係合体103bの上側に、第2係合体103bの劣化防止等を考慮してワッシャ105が配置される構成となっているが、このワッシャ105は必ずしも設けなくてもよい。
 第1係合体103aと第2係合体103bとで構成されるカバー用クラッチ103は、ブレード回転軸82の回転動力をドーム状カバー93に伝達するか否かを切り替えるクラッチとして機能する。カバー用クラッチ103は、混練モータ50が原動軸11を回転させるときのブレード回転軸82の回転方向(この回転方向を「正方向回転」とする。図8A及び図8Bでは反時計方向回転、図9A及び図9Bでは時計方向回転となる。)において、ブレード回転軸82とドーム状カバー93を連結する。すなわち、カバー用クラッチ103は、ブレード回転軸82の回転動力をドーム状カバー93に伝達する。逆に、粉砕モータ60が原動軸11を回転させるときのブレード回転軸82の回転方向(この回転方向を「逆方向回転」とする。図8A及び図8Bでは時計方向回転、図9A及び図9Bでは反時計方向回転となる。)では、カバー用クラッチ103はブレード回転軸82とドーム状カバー93の連結を切り離す。すなわち、カバー用クラッチ103は、ブレード回転軸82の回転動力をドーム状カバー93に伝達しない。以下、このカバー用クラッチ103の動作について更に詳細に説明する。
 混練ブレード101が折り畳み姿勢にある場合(例えば図8A、図9Aの状態)、第2係合体103bの係合部103bbは、第1係合体103aの係合部103ab(本実施形態では2つあるが1つでもよい)の回転軌道に干渉する角度となる(図8Aの破線参照)。このため、ブレード回転軸82が正方向回転すると、第1係合体103aと第2係合体103bは係合し、ブレード回転軸82の回転動力がドーム状カバー93に伝達される。
 一方、混練ブレード101が開き姿勢にある場合(例えば図8B、図9Bの状態)、第2係合体103bの係合部103bbは第1係合体103aの係合部103abの回転軌道から逸脱した角度となる(図8Bの破線参照)。このために、ブレード回転軸82が回転しても、第1係合体103aと第2係合体103bは係合しない。従って、ブレード回転軸82の回転動力はドーム状カバー93に伝達されない。
 例えば図5及び図6に示すように、ドーム状カバー93には、カバー内空間とカバー外空間を連通する窓93dが形成される。窓93dは粉砕ブレード92に並ぶ高さか、それよりも上の位置に配置される。なお、本実施形態では、計4個の窓93dが90°間隔で並んでいるが、それ以外の数と配置間隔が選択されてもよい。
 また、ドーム状カバー93内面には、各窓93dに対応して計4個のリブ93eが形成されている(図8A及び図8B参照)。各リブ93eはドーム状カバー93の中心近傍から外周の環状壁まで半径方向に対して斜めに延び、4個合わさって一種の巴形状を構成する。また、各リブ93eは、それに向かって押し寄せるパン原料に対面する側が凸となるように湾曲している。
 また、ドーム状カバー93の下面には、着脱可能なガード106が取り付けられている。このガード106は、ドーム状カバー93の下面を覆って粉砕ブレード92にユーザの指が接近するのを阻止する。ガード106は、例えば耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックによって形成され、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の成型品とできる。なお、このガード106は設けなくても構わないが、ユーザが安心して使用できるように設けるのが好ましい。
 例えば図6に示すように、ガード106の中心には、ユニット用シャフト91に固定されるストッパ部材94を通すリング状のハブ106aがある。また、ガード106の周縁にはリング状のリム106bがある。ハブ106aとリム106bとは複数のスポーク106cで連結される。スポーク106c同士の間は、粉砕ブレード92によって粉砕される米粒を通す開口部106dとなる。開口部106dは、指が通り抜けられない程度の大きさとなっている。
 ガード106のスポーク106cは、ガード106がドーム状カバー93に取り付けられた時、粉砕ブレード92と近接状態となる。そして、あたかも、ガード106が回転式電気かみそりの外刃で、粉砕ブレード92が内刃のような形になる。
 リム106bの周縁には、90°間隔で計4個(この構成に限定されないのは言うまでもない)の柱106eが一体成形されている。この柱106eのガード106中心側を向いた側面には、一端が行き止まりになった水平な溝106eaが形成される。この溝106eaにドーム状カバー93の外周に形成される突起93f(これも90°間隔で計4個配置されている)を係合することによって、ガード106はドーム状カバー106に取り付けられる。なお、溝106eaと突起93fはバヨネット結合を構成するように設けられている。
 自動製パン器1では、粉砕ブレード92及び混練ブレード101を1つのユニット(ブレードユニット90)内に設ける構成としているので、その取り扱いが便利である。ユーザは、ブレードユニット90をブレード回転軸82から簡単に引き抜くことが可能であり、製パン作業終了後にブレードの洗浄を手軽に行うことができる。また、ブレードユニット90が備える粉砕ブレード92は、ユニット用シャフト91に着脱可能に取り付けられるものであり、その量産が行いやすく、ブレード交換等のメンテナンス性にも優れる。
 また、自動製パン器1では、パン容器80に水等の液体が入れられるために、ユニット用シャフト91に対してドーム状カバー93を相対回転可能とするベアリング95に液体が入り込まないように、ベアリング95は密閉される必要がある。この点、自動製パン器1では、ベアリング95がドーム状カバー93に設けられる凹状の収容部931に収容されているために、ドーム状カバーの内面側にのみシール手段(シール材97及びシールカバー98)を設ければベアリング95の密閉が行える。このため、ベアリング95の上下にシール手段を設ける必要がなく、ベアリング95のシール構造の小型化が図れる。したがって、自動製パン器1では、焼き上がったパンの形状に対する悪影響(例えば、パンの底面が大きく凹む等)を抑制することが可能になる。
 図10A及び図10Bは、第1実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器の構成を示す概略斜視図で、図10Aは前面側から見た場合の図、図10Bは背面側から見た場合の図である。なお、パン原料収納容器110が取り付けられた蓋40が閉じられた状態において、本体10前面側となる方をパン原料収納容器110の前面、本体10背面側となる方をパン原料収納容器110の背面としている(以下、同様)。また、図11A及び図11Bは、第1実施形態の自動製パン器が備える蓋の構成を示す概略図で、図11Aは蓋を斜め下から見た場合の図、図11Bは蓋を下から見た場合の図である。図12は、図11BのB-B位置における断面図である。
 自動製パン器1が備えるパン原料収納容器110は、大きくは、容器本体111と、容器本体111に対して回動可能に設けられて容器本体111の開口部111aを開閉する容器蓋112と、を備えている。
 容器本体111は、その断面形状が略矩形状(図12参照)の箱形部材である。この容器本体111は、その内部に粉体パン原料(例えばグルテンやドライイースト等)が付着するのを抑制できるように、静電気を帯び難い、例えばアルミニウムや鉄等の金属によって形成されている。なお、粉体パン原料が容器内に付着するのをできる限り抑制するために、容器本体111の内面にはシリコン系やフッ素系等で構成されるコーティング層が設けられるのが好ましい。更に、容器本体111内面には、リベットやネジ等の突起物(凹凸)が形成されないようにし、容器本体111内面は滑らかな面とするのが好ましい。
 容器本体111には、開口部111a側縁から外向きに突出する鍔部(フランジ部)111bが形成されている(図12参照)。この鍔部111bは、容器本体111の全周に形成されている。この鍔部111bには、例えばシリコン製のパッキン113が固定されている。なお、このシリコン製のパッキン113は、本発明のシール部材の実施形態である。
 パッキン113の外観は、平面形状略額縁状となっており、パッキン113は鍔部111b全周に固定されている。より詳細には、パッキン113は、鍔部111bを上下から挟むように取り付けられる断面コの字状の部分と、この断面コの字状の部分から突出(図12において下方に突出)し、先端側が開口部111aに向かう方向とは逆向きに向かうように折り返される薄肉部を有する部分と、からなっている。
 なお、パッキン113が、開口部111aへとはみ出していると、容器本体111に収納されたパン原料がパッキン113に引っ掛かり易くなって、容器内にパン原料を残留させる原因となる。このような事態を避けるために、本実施形態においては、パッキン113は、開口部111aへとはみ出さないように容器本体111に取り付けられている。また、パッキン113を容器蓋112側に固定すると、パン原料収納容器110からパン容器80にパン原料を投入する際に、パン原料がパッキン113に引っ掛かってパン原料の投入量が不適切となるので、パッキン110は容器本体111側に固定されている。
 このパッキン113は、そのコの字状の部分を挟み込むようにして容器本体111に取り付けられる容器用カバー114によって容器本体111(鍔部111b)に固定されている。この容器用カバー114は、本発明の固定部材の実施形態である。容器用カバー114は詳細には2つのパーツで構成される。そして、この2つのパーツがパッキン113と共に鍔部111bを挟み込むように配置された上でネジ留めされることによって、容器用カバー114によるパッキン113の固定が実現されている。なお、容器用カバー部材114は、特に限定されるものではないが、例えば、ガラスフィラーが分散されたポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等によって形成される。
 容器蓋112は、容器本体111の開口部111aよりやや面積が広く形成される略矩形状の金属プレートからなる。容器蓋112は、容器本体111と同様の理由(粉体パン原料の付着を抑制)で金属によって形成されている。また、容器本体111の場合と同様の理由で、その内面側(容器蓋112を閉じた状態を想定)にはシリコン系等のコーティング層が設けられるのが好ましい。
 容器蓋112は、その背面側両端部に設けられる取付部112aを、容器用カバー114の背面側両端部に設けられる蓋支持部114a(図10A及び図10B参照)に軸支することによって、容器用カバー114に回動可能に支持される。詳細には、容器蓋112は、本体容器111の長手方向と略平行な方向(図12において、紙面に対して垂直な方向)に延びる回転軸C2を中心として回動可能となっている。
 容器用カバー114には、パン原料収納容器110の前面側において、可動するロック部材115が取り付けられている。ロック部材115は、先端側がフック状に設けられて容器蓋112を外面(下面)側から支持可能なロック用フック部115aと、ロック用フック部115aから容器本体111の長手方向と略平行な方向に延びる腕部115bと、を有する構成となっている。
 腕部115bは、容器本体111の深さ方向と略平行な回転軸C1(図10A参照)を中心に回動可能に、容器用カバー114に軸支されている。腕部115bは、図示しない付勢部材によって、ロック用フック部115aが容器本体111側に向かうように付勢されている。このため、次のような手順で、ロック部材115によるロック状態(容器蓋112が容器本体111の開口部111aを閉じた状態(閉状態)を維持する状態)が得られる。
 まず、腕部115bに、それが付勢される方向に抗する力を付与して、ロック用フック部115aが開口部111aを覆う方向に回動される容器蓋112と当接しないようにする。そして、この状態で容器蓋112を、ロック用フック部115aによって外面側から支持できる位置まで回動し、腕部115bに付与していた力を解除する。すると、腕部115aが付勢部材の付勢力によって回動して、ロック用フック部115aが容器蓋112を外面側から支持するようになり、ロック状態(閉状態が維持された状態)が得られる。
 なお、ロック状態においては、容器蓋112の内面外周側がパッキン113と接触した状態で鍔部111bと重なり、開口部111aが完全に覆われた状態となる。このロック状態においては、パッキン113によって鍔部111bと容器蓋112との間がシールされているために、容器本体111内に外部から水分や埃等が入り込み難くなっている。
 また、このロック状態を解除して容器本体111の開口部111aが開かれた状態とする場合には、腕部115bが付勢力に反して回動(回転軸C1を中心とする回動)するように外部から力を付与する。そして、ロック用フック部115aによる容器蓋112の支持が解除されるまで腕部115bを回転すればよい。これにより、容器蓋112は重力によって回動し、開口部111aが開いた状態が得られる。
 本実施形態の自動製パン器1では、操作部20(図1A及び図1B参照)の下部側の本体10内に図示しない自動投入用ソレノイドが設けられている。このソレノイドが駆動すると、そのプランジャーが、蓋40に隣接する本体壁面10aに設けられる開口10b(図1B参照)から突出する。そして、突出したプランジャーが蓋40の側壁40aに設けられる可動部材46(図11A参照)を押圧する。押圧された可動部材46の動きによりロック部材115の腕部115bが押圧され、図示しない付勢部材の付勢力に反して腕部115bが回動する。これにより、ロック用フック部115aによる容器蓋112の支持が解除され、容器蓋112が重力によって回動し、開口部111aが開いた状態となる。
 この他に、容器用カバー114には、パン原料収納容器110が蓋40によって保持されるように、背面側に設けられる第1の係合部116と、前面側に設けられる(容器本体111を挟んで第1の係合部116とは反対側に設けられる)第2の係合部117と、が形成されている。この第1の係合部116及び第2の係合部117は、本発明の取付機構の実施形態である。
 第1の係合部116は、容器用カバー114の側面から外側に向けて突出する(図12において斜め上方に向けて突出する)第1の係合傾斜面116aを有する。この第1の係合部116は、背面側の両端部近傍に、それぞれ近接して2つずつ、計4つ設けられている。ただし、この係合部116の数、及び配置は一例であり、適宜変更してよい。
 第2の係合部117は、ハウジング部117aと、ハウジング部117aに、その一部が収容された取付用フック部117bと、を有する。取付用フック部117bは、ハウジング部117a内部に設けられる付勢部材117c(図12参照)によって、容器本体111の短手方向と略平行な方向外向き(図12において左向き)に付勢されている。また、取付用フック部117bは、付勢部材117cの付勢力に抗する方向(図12において右向き)に力を加えると、その方向に移動可能となっており、ハウジング部117aからの突出量が可変となっている。この取付用フック部117bは、本発明の可動式フック部の実施形態である。
 自動製パン器1の蓋40の内部にはフレーム部材42(例えばアルミニウム合金のダイキャスト成型品からなる)が収容され、このフレーム部材42は、蓋40の裏面側から内カバー43(例えば板金製)によって支持されている。フレーム部材42の、蓋40を閉状態とした場合において本体10の前面寄りとなる部分には、壁部42aによって囲まれた略矩形状(蓋40を裏面側から見た場合を想定)の貫通孔44が設けられている。壁部42aは、蓋40の上面側に配置される覗き窓41に当接して覗き窓41を支持する。
 このようにすると、覗き窓41から焼成室30に収容されるパン容器80内の様子を見る場合に、壁部42aによって蓋40内部の構造が見えないようになるために、パン容器80内の様子をすっきりした状態で見ることができる。なお、本実施形態においては、デザイン面を考慮して、貫通孔44のサイズに比べて覗き窓41の方がかなり大きくなっている。勿論、この構成に限定される趣旨ではなく、例えば貫通孔44と覗き窓41は略同一サイズでもよい。本実施形態の構成の場合、壁部42aの外側において蓋40の内部構造が見えるが、例えば覗き窓41の上面の印刷処理によって、蓋40の内部構造が見えないようにできる。
 また、フレーム部材42には、蓋40を閉状態とした場合において本体10の背面寄りとなる部分に、ドーム状壁42bによって形成される凹部空間45が形成されている。この凹部空間45は、パン原料収納容器110を保持する保持部である。この保持部45内の前面(図12において左側)には、パン原料収納容器110が保持部45に保持された場合に、第2の係合部117の取付用フック部117bと係合する係合溝45aが形成されている。また、この保持部45内の背面(図12において右側)には、パン原料収納容器110が保持された場合に、第1の係合傾斜面116aと略平行となって当接する第2の係合傾斜面45bが形成されている。
 この保持部45内にパン原料収納容器110を収納する場合、ユーザは、第2の係合部117の取付用フック部117bがハウジング部117a内に引っ込む方向の力(付勢部材117cの付勢力に反する方向の力)を付与する。そして、取付用フック部117bのハウジング部117aからの突出量が減じられた状態で、パン原料収納容器110を第1の係合傾斜面116aが第2の係合傾斜面45bにぶつからないように斜めにして保持部45内に押し込む。その後、取付用フック部117bに加えていた力を抜いて、取付用フック部117bを突出させ、取付用フック部117bと係合溝45aとを係合させる。
 このようにして、パン原料収納容器110を保持部45に嵌め込むと、蓋40が閉状態とされた場合において(図12の状態が該当)、第1の係合傾斜面116aと第2の係合傾斜面45bとが当接した状態となる。そして、パン原料収納容器110は、第2の係合傾斜面45bから鉛直方向上向き(図12の上向き)の力と、取付用フック部117bの係合溝45aへの係合が解除される方向と反対方向の力(図12の左向きの力)とを受けることになる。このため、保持部45内で、パン原料収納容器110は、取付用フック部117bと係合する係合溝45aと、第1の係合傾斜面116aに当接する第2の係合傾斜面45bと、によって支持され、保持部45に保持されることになる。
 なお、パン原料収納容器110を保持部45から取り外す場合には、ユーザは、取付用フック部117bをハウジング部117aに引っ込む方向に押圧して、取付用フック部117bと係合溝45aとの係合を解除する。そして、第1の係合傾斜面116aが第2の係合傾斜面45bによって邪魔されないように、パン原料収納容器110を斜めに引き出せばよい。すなわち、ユーザは、取付用フック部117bの一部を押すだけで、簡単に、パン原料収納容器110の蓋40への取付及び取外しを行える。
 例えば、取付用フック部117bを有する第2の係合部117やロック部材115等が、容器用カバー114ではなく容器本体111に設けられる場合、固定(リベット等を用いた固定)のために容器本体111内に凹凸が形成される可能性がある。この場合、粉体パン原料が収納される容器本体111内にパン原料が残留しやすくなって好ましくない。本実施形態の自動製パン器1では、容器用カバー114に第2の係合部117やロック部材115等が設けられる構成としているので、このような問題を避けられる。
 図13は、第1実施形態の自動製パン器の構成を示すブロック図である。図13に示すように、自動製パン器1における制御動作は制御装置120によって行われる。制御装置120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O(input/output)回路部等からなるマイクロコンピュータ(マイコン)によって構成される。この制御装置120は、焼成室30の熱の影響を受け難い位置に配置するのが好ましい。また、制御装置120には、時間計測機能が備えられており、パンの製造工程における時間的な制御が可能となっている。
 制御装置120には、上述の操作部20と、焼成室30の温度を検知する温度センサ15と、混練モータ駆動回路121と、粉砕モータ駆動回路122と、ヒータ駆動回路123と、第1のソレノイド駆動回路124と、第2のソレノイド駆動回路125と、が電気的に接続されている。
 混練モータ駆動回路121は、制御装置120からの指令の下で混練モータ50の駆動を制御するための回路である。また、粉砕モータ駆動回路122は、制御装置120からの指令の下で粉砕モータ60の駆動を制御するための回路である。ヒータ駆動回路123は、制御装置120からの指令の下でシーズヒータ31の動作を制御するための回路である。第1のソレノイド駆動回路124は、制御装置120からの指令の下で、上述した、パンの製造工程の途中で一部のパン原料を自動投入する際に駆動する自動投入用ソレノイド16の駆動を制御するための回路である。第2のソレノイド駆動回路125は、制御装置120からの指令の下でクラッチ56(図3A及び図3B参照)の状態を切り替えるクラッチ用ソレノイド73(図3A及び図3B参照)の駆動を制御するための回路である。
 制御装置120は、操作部20からの入力信号に基づいてROM等に格納されたパンの製造コース(製パンコース)に係るプログラムを読み出す。そして、制御装置120は、混練モータ駆動回路121を介して混練モータ50による混練ブレード101及び補完混練ブレード102の回転の制御、粉砕モータ駆動回路122を介して粉砕モータ60による粉砕ブレード92の回転の制御、ヒータ駆動回路123を介してシーズヒータ31による加熱動作の制御、第1のソレノイド駆動回路124を介して自動投入用ソレノイド16によるロック部材115の動作制御、第2のソレノイド駆動回路125を介してクラッチ用ソレノイド73によるクラッチ56の切替制御を行いながら、自動製パン器1にパンの製造工程を実行させる。
(自動製パン器の動作)
 次に、以上のように構成される自動製パン器1によってパンを製造する場合の自動製パン器1の動作について説明する。ここでは、自動製パン器1によって、米粒を出発原料に用いてパンを製造する場合を例に自動製パン器1の動作を説明する。
 米粒が出発原料に用いられる場合には、米粒用製パンコースが実行される。図14は自動製パン器によって実行される米粒用製パンコースの流れを示す模式図である。図14に示すように、米粒用製パンコースにおいては、浸漬工程と、粉砕工程と、練り(捏ね)工程と、発酵工程と、焼成工程と、がこの順番で順次に実行される。
 米粒用製パンコースを開始するにあたって、ユーザは、パン容器80のブレード回転軸82にユニット用シャフト91を被せることによって、ブレードユニット90をブレード回転軸82に取り付ける。上述のように、ブレードユニット90がガード106を備える構成であるために、この作業時にユーザの指が粉砕ブレード92に触れることがなく、ユーザは安全に作業を行える。このブレードユニット90の取り付け作業後に、ユーザは、米粒、水、調味料(例えば食塩、砂糖、ショートニング等)をそれぞれ所定量ずつ計量してパン容器80に入れる。
 また、ユーザは、パンの製造工程の途中で自動投入されるパン原料を計量してパン原料収納容器110の容器本体111に入れる。そして、収納すべきパン原料を容器本体111に収納したら、ユーザは、容器蓋112が容器本体111の開口部111aを閉じた状態として、ロック部材115によってロック状態を得る。
 なお、パン原料収納容器110に収納されるパン原料としては、例えば、グルテン、ドライイーストが挙げられる。ただし、グルテンの代わりに、例えば小麦粉、増粘剤(グアガム等)及び上新粉のうちの少なくとも1つがパン原料収納容器110に収納されるようにしてもよい。また、グルテン、小麦粉、増粘剤、上新粉等は用いずに、例えばドライイーストのみがパン原料収納容器110に収納されるようにしてもよい。更に、場合によっては、例えば食塩、砂糖、ショートニングといった調味料についてもパンの製造工程の途中で自動投入されるように、例えばグルテン、ドライイーストと共にパン原料収納容器110に収納されるようにしてもよい。この場合には、パン容器80に予め投入しておくパン原料は米粒及び水(単なる水の代わりに、例えばだし汁のような味成分を有する液体、果汁やアルコールを含有する液体等でもよい)となる。
 この後、ユーザは、パン容器80を焼成室30に入れ、更に、パン原料収納容器110を蓋40の保持部45に嵌め込む。そして、ユーザは蓋40を閉じ、操作部20によって米粒用製パンコースを選択し、スタートキーを押す。これにより、制御装置120によって米粒を出発原料に用いてパンを製造する米粒用製パンコースが開始される。
 米粒用製パンコースがスタートされると、制御装置120の指令によって浸漬工程が開始される。浸漬工程では、パン容器80に予め投入されたパン原料が静置状態とされ、この静置状態が予め定められた所定時間(本実施形態では50分)維持される。この浸漬工程は、米粒に水を含ませることによって、その後に行われる粉砕工程において、米粒を芯まで粉砕しやすくすることを狙う工程である。
 なお、米粒の吸水速度は水の温度によって変動し、水温が高いと吸水速度が高まり、水温が低いと吸水速度が低下する。このために、浸漬工程の時間は、例えば自動製パン器1が使用される環境温度等によって変動させるようにしてもよい。これにより、米粒の吸水度合いのばらつきを抑制できる。また、浸漬時間が短時間となるように、浸漬工程時にシーズヒータ31に通電して焼成室30の温度を高めるようにしてもよい。
 また、浸漬工程においては、その初期段階で粉砕ブレード92を回転させ、その後も断続的に粉砕ブレード92を回転させるようにしてもよい。このようにすると、米粒の表面に傷をつけることができ、米粒の吸液効率が高められる。
 上記所定時間が経過すると、制御装置120の指令によって、浸漬工程が終了され、米粒を粉砕する粉砕工程が開始される。この粉砕工程では、米粒と水とが含まれる混合物の中で粉砕ブレード92が高速回転(例えば7000~8000rpm)される。この粉砕工程では、制御装置120は、粉砕モータ60を制御してブレード回転軸82を逆方向回転(図8A及び図8Bでは時計方向回転、図9A及び図9Bでは反時計方向回転)させる。
 なお、粉砕モータ60を用いて粉砕ブレード92を回転させる場合、制御装置120は、クラッチ用ソレノイド73を駆動させて、クラッチ56が動力遮断を行うようにする(図3Aの状態とする)。上述したように、このように制御しないとモータ破損の可能性があるからである。なお、粉砕ブレード92は、粉砕工程の初期段階では低速で回転され、その後、高速回転されるようにするのが好ましい。
 粉砕ブレード92を回転させるために、ブレード回転軸82が逆方向回転された場合、ドーム状カバー93もパン容器80内の米粒と水を含む混合物の流れによって逆方向回転しようとする。しかし、次のような動作によってドーム状カバー93の回転はすぐに阻止される。
 粉砕ブレード92を回転させるためのブレード回転軸82の回転に伴うドーム状カバー93の回転方向は、図9A及び図9Bにおいて反時計方向であり、混練ブレード101は、それまで折り畳み姿勢(図9Aに示す姿勢)であった場合には、米粒と水が含まれる混合物から受ける抵抗で開き姿勢(図9Bに示す姿勢)に転じていく。
 混練ブレード101が開き姿勢になると、第2係合体103bの係合部103bbが第1係合体103aの係合部103abの回転軌道(図8Bの破線参照)から逸脱する。このために、カバー用クラッチ103は、ブレード回転軸82とドーム状カバー93との連結を切り離す。同時に、開き姿勢になった混練ブレード101は図9Bに示すように、パン容器80の内側壁に当るために、ドーム状カバー93の回転は阻止される。
 粉砕工程における米粒の粉砕は、先に行われた浸漬工程によって米粒に水が浸み込んだ状態で実行されるために、米粒を芯まで容易に粉砕することができる。粉砕工程における粉砕ブレード92の回転は本実施形態では間欠回転とされる。この間欠回転は、例えば30秒回転して5分間停止するというサイクルで行われ、このサイクルが10回繰り返される。なお、最後のサイクルでは、5分間の停止は行わない。粉砕ブレード92の回転は連続回転としてもよいが、例えばパン容器80内の原料温度が高くなり過ぎることを防止する等の目的のために、間欠回転とするのが好ましい。
 粉砕工程においては、米粒の粉砕が回転停止したドーム状カバー93内で行われるから、米粒がパン容器80の外に飛び散る可能性が低い。また、回転停止状態にあるガード106の開口部106dからドーム状カバー93内に入る米粒は、静止したスポーク106cと回転する粉砕ブレード92の間でせん断されるので、効率良く粉砕される。また、ドーム状カバー93に設けられるリブ93eによって、米粒と水とが含まれる混合物の流動(粉砕ブレード92の回転と同方向の流動である)が抑制されるので、効率良く米粒の粉砕が行える。
 また、粉砕された米粒と水とを含む混合物は、リブ93eによって窓93dの方向に誘導されて、窓93dからドーム状カバー93の外に排出される。リブ93eは、それに向かって押し寄せる混合物に対向する側が凸となるように湾曲しているので、混合物はリブ93eの表面に滞留しにくく、スムーズに窓93dの方へ流れていく。更に、ドーム状カバー93内部から混合物が排出されるのと入れ替わりに、凹部81の上の空間に存在していた混合物が凹部81に入り、凹部81からガード106の開口部106dを通ってドーム状カバー93内に入いる。このような循環をさせつつ粉砕ブレード92による粉砕が行われるので、効率の良い粉砕が実現できる。
 なお、自動製パン器1においては所定の時間(本実施形態では50分)で粉砕工程が終了するようにしている。しかしながら、米粒の硬さのばらつきや環境条件によって粉砕粉の粒度にばらつきが生じることがある。このため、自動製パン器1の構成として、粉砕時における粉砕モータ60の負荷の大きさ(例えば、モータの制御電流等で判断できる)を指標に、粉砕工程の終了が判断される構成等としても構わない。
 粉砕工程が終了すると、制御装置120の指令によって練り工程が開始される。なお、この練り工程は、イーストが活発に働く温度(例えば30℃前後)で行われる必要がある。このため、所定の温度範囲となった時点で練り工程が開始されるようにしてもよい。
 練り工程の開始にあたって、制御装置120はクラッチ用ソレノイド73を駆動して、クラッチ56が動力伝達を行うようにする(図3Bの状態)。そして、制御装置120は混練モータ50を制御してブレード回転軸82を正方向回転(図8A及び図8Bでは反時計方向回転、図9A及び図9Bでは時計方向回転)させる。
 ブレード回転軸82を正方向回転させると、粉砕ブレード92も正方向に回転し、粉砕ブレード92の周囲のパン原料が正方向に流動する。それにつられてドーム状カバー93が正方向(図9A及び図9Bでは時計方向)に動くと、混練ブレード101は流動していないパン原料から抵抗を受けて、開き姿勢(図9B参照)から折り畳み姿勢(図9A参照)へと角度を変えて行く。これにより、第2係合体103bの係合部103bbが第1係合体103aの係合部103abの回転軌道(図8Aの破線参照)に干渉する角度となる。そして、カバー用クラッチ103がブレード回転軸82とドーム状カバー93とを連結し、ドーム状カバー93はブレード回転軸82によって本格的に駆動される態勢に入る。ドーム状カバー93と折り畳み姿勢になった混練ブレード101とは、ブレード回転軸82とともに正方向回転する。
 なお、以上に説明したカバー用クラッチ103の連結を確実に行うために、練り工程初期におけるブレード回転軸82の回転は、間欠回転或いは低速回転とするのが好ましい。また、上述のように、混練ブレード101が折り畳み姿勢になると、混練ブレード101の延長上に補完混練ブレード102が並ぶために、混練ブレード101があたかも大型化したかのようになって、パン原料は力強く押される。このため、生地の練り上げをしっかり行える。
 混練ブレード101の回転は、練り工程の初期においては非常にゆっくりとされ、段階的に速度が速められるように制御装置120によって制御される。混練ブレード101の回転が非常にゆっくりである練り工程の初期段階において、制御装置120は自動投入用ソレノイド16を駆動させて、パン原料収納容器110のロック部材115の腕部115bを回動させる。これにより、ロック用フック部115aが容器蓋112を支えた状態が解除され、容器蓋112が重力によって回動する。これにより、容器本体111の開口部111aが開かれて、例えば、グルテン、ドライイースといったパン原料がパン容器80内に自動投入される。
 上述のように、パン原料収納容器110は、パン原料が内部に残留し難いように工夫されているために、パン原料収納容器110にはパン原料がほとんど残ることなく、自動投入が完了される。また、蓋40が閉じられた状態において、覗き窓41が前面側となり、パン原料収納容器110が背面側となるようになっており、パン原料収納容器110の容器蓋112は、背面側に向けて回動してその板状面が鉛直方向と略平行な状態(図12の状態)となる。このため、パン原料収納容器110を用いた自動投入が行われた後においても、覗き窓41を利用した、パン容器80内の様子の観察が行い難くなるということはない。
 なお、本実施形態では、パン原料収納容器110に収納されるパン原料が、混練ブレード101が回転している状態で投入されるようになっているが、これに限定されず、混練ブレード101が停止している状態で投入されるようにしてもよい。ただし、本実施形態のように、混練ブレード101が回転した状態でパン原料が投入されるようにした方が、パン原料を均一に分散することができるので好ましい。
 パン原料収納容器110に収納されたパン原料がパン容器80に投入された後は、混練ブレード101及び補完混練ブレード102の回転によって、パン原料は所定の弾力を有する一つにつながった生地(dough)に練り上げられていく。混練ブレード101及び補完混練ブレード102が生地を振り回してパン容器80の内壁にたたきつけることにより、混練に「捏ね」の要素が加わることになる。混練ブレード101及び補完混練ブレード102の回転によりドーム状カバー93も回転する。ドーム状カバー93が回転すると、ドーム状カバー93に形成されるリブ93eも回転するために、ドーム状カバー93内のパン原料は速やかに窓93dから排出される。そして、排出されたパン原料は、混練ブレード101及び補完混練ブレード102が混練しているパン原料の塊(生地)に同化する。
 なお、練り工程においては、ドーム状カバー93と共にガード106も正方向に回転する。ガード106のスポーク106cは、正方向回転時、ガード106の中心側が先行しガード106の外周側が後続する形状とされている。このために、ガード106は、正方向に回転することにより、ドーム状カバー93内外のパン原料をスポーク106cで外側に押しやる。これにより、パンを焼き上げた後に廃棄分となる原料の割合を減らすことができる。
 また、ガード106の柱106eは、ガード106が正方向に回転するときに回転方向前面となる側面106eb(図6参照)が上向きに傾斜している。このため、混練時、ドーム状カバー93の周囲のパン原料が柱106eの前面で上方に跳ね上げられる。この結果、パンを焼き上げた後に廃棄分となる原料の割合を減らすことができる。
 自動製パン器1においては、練り工程の時間は、所望の弾力を有するパン生地が得られる時間として実験的に求められた所定の時間(本実施形態では10分)を採用する構成としている。ただし、練り工程の時間を一定とすると、環境温度等によってパン生地の出来上がり具合が変動する場合がある。このため、例えば、混練モータ50の負荷の大きさ(例えば、モータの制御電流等で判断できる)を指標に、練り工程の終了時点が判断される構成等としても構わない。
 なお、具材(例えばレーズン、ナッツ、チーズ等)入りのパンを焼く場合には、この練り工程の途中で、具材が投入されるようにすればよい。
 練り工程が終了すると、制御装置120の指令によって発酵工程が開始される。この発酵工程では、制御装置120はシーズヒータ31を制御して、焼成室30の温度を、発酵が進む温度(例えば38℃)に維持する。そして、発酵が進む環境下で、パン生地が所定の時間(本実施形態では60分)放置される。
 なお、場合によっては、この発酵工程の途中で、混練ブレード101及び補完混練ブレード102を回転してガス抜きや生地を丸める処理が行われるようにしても構わない。
 発酵工程が終了すると、制御装置120の指令によって焼成工程が開始される。制御装置120はシーズヒータ31を制御して、焼成室30の温度を、パン焼きを行うのに適した温度(例えば125℃)まで上昇させる。そして、制御装置120は、焼成環境下で所定の時間(本実施形態では50分)パンを焼くように制御する。焼成工程の終了については、例えば操作部20の液晶表示パネルにおける表示や報知音等によってユーザに知らされる。ユーザは、製パン完了を検知すると、蓋40を開けてパン容器80を取り出して、パンの製造を完了させる。
 なお、パン容器80内のパンは、例えば、パン容器80の開口を斜め下に向けることで取り出すことができる。そして、このパンの取り出しと同時に、ブレード回転軸82に取り付けられたブレードユニット90もパン容器80から取り出される。ガード106の存在により、このパンの取り出し作業時にユーザは粉砕ブレード92に触れることがなく、ユーザは安全にパンの取り出し作業を行える。パンの底には、ブレードユニット90の混練ブレード101及び補完混練ブレード102(パン容器80の凹部81から上側に突き出ている)の焼き跡が残る。しかし、ドーム状カバー93とガード106が凹部81の中に収容される構成であるために、それらがパンの底に大きな焼き跡を残す事態は抑制されている。
2.第2実施形態
 次に、第2実施形態の自動製パン器について説明する。第2実施形態の自動製パン器の構成は、第1実施形態の自動製パン器1の構成とほぼ同様である。このため、第1実施形態の自動製パン器1と重複する部分については同一の符号を付し、特に必要のない場合には、その説明は省略する。以下、第1実施形態の自動製パン器1と異なる部分について説明する。
 第2実施形態の自動製パン器も、第1実施形態の自動製パン器1と同様に、パン原料収納容器を備えるが、その構成は、第1実施形態のパン原料収納容器110と異なっている。また、パン原料収納容器が着脱可能に取り付けられる蓋40の構成も若干異なるものとなっている。
 第2実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器210について、図面を参照しながら説明する。図16A及び図16Bは、第2実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器の構成を示す概略斜視図で、図16Aは主に前面側を示す図、図16Bは主に背面側を示す図である。なお、パン原料収納容器210が取り付けられた蓋40が閉じられた状態において、本体10前面側となる面をパン原料収納容器210の前面、本体10背面側となる面をパン原料収納容器210の背面としている(以下、同様)。また、図16Aと図16Bでは、パン原料収納容器210の上下が逆となっている。図17は、図16AのC-C位置における概略断面図である。図18は、第2実施形態の自動製パン器が備えるパン原料収納容器にパン原料が投入される場合の、パン原料収納容器の姿勢を示す概略断面図である。なお、図17は、パン原料収納容器を長手方向の略中央位置で切った断面図である。
 自動製パン器1が備えるパン原料収納容器210は、大きくは、容器本体211と、容器本体211に対して回動可能に設けられて容器本体211の開口部211aを開閉する容器蓋212と、を備えている。
 容器本体211は、図17に示すように、その断面形状が略矩形状の箱形部材であり、パン原料を投入するための投入口となる開口部211aを有する。この容器本体211は、その内部に粉体パン原料(例えばグルテンやドライイースト等)が付着するのを抑制できるように、静電気を帯び難い、例えばアルミニウムや鉄等の金属によって形成されている。容器本体211の材質としてアルミニウムが選択される場合には、その表面をアルマイト処理するのが好ましい。このように構成することで、耐久性に優れる(例えば水蒸気による影響を受け難い)容器を容易に得られる。なお、アルマイト処理の上に、例えばシリコン系やフッ素系のコーティング層が施されるようにしてもよい。また、容器本体211は、凹凸がなるべく形成されず、滑らかに形成されるのが好ましい。
 また、容器本体211には、開口部211aの全周を取り囲むように、外向きに突出する鍔部(フランジ部)211bが形成されている(図17参照)。この鍔部211bには、例えばシリコーンで構成されるパッキン213(シール部材の一例)が取り付けられている。パッキン213は、平面形状略額縁状となっており、鍔部211b全周に取り付けられている。すなわち、パッキン213は、容器本体211の開口部211aを取り囲むように容器本体211に取り付けられている。
 このパッキン213は、より詳細には、鍔部211bを上下から挟むように取り付けられる断面略コの字状の部分213aと、この断面略コの字状の部分から突出(図17においては下方に突出)し、先端側が開口部211aに向かう方向とは逆向きに向かうように折り返された薄肉の弾性部213bと、を有している。
 パッキン213の固定は、パッキン213の略コの字状の部分213aを挟み込むようにして容器本体211に取り付けられる固定部材214を用いて行われる。固定部材214は、平面形状略額縁状である。この固定部材214の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、ガラスフィラーが分散されたポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等が選択できる。固定部材214は、詳細には2つのパーツで構成されている。2つのパーツは、パッキン213(弾性部213bは除く)及び鍔部211bを挟み込むように配置されている。そして、これら2つのパーツがネジ留めされることにより、固定部材214によるパッキン213の固定が実現されている。
 容器蓋212は、例えば金属プレートを用いて形成される。容器蓋212を構成する金属としては、容器本体211の場合と同様の理由(粉体パン原料の付着を抑制)でアルミニウム等が好ましい。また、容器蓋212の材質としてアルミニウムが選択される場合には、その表面をアルマイト処理するのが好ましい。また、アルマイト処理の上に、例えばシリコン系やフッ素系のコーティング層が施されるようにしてもよい。
 容器蓋212は、容器本体211の開口部211aよりやや面積が広く形成される平面視略矩形状の板状部212aと、板状部212aの一端側(図16Bに示されるようにパン原料収納容器210の背面側が相当する)の両端部に設けられる一対の係合部212b(例えば図16B参照)と、一対の係合部212bに挟まれるように板状部212aの一端側に設けられる折曲部212cと、を有する。
 一対の係合部212bは、容器本体211に対して固定状態となるように設けられる支軸215を中心として容器蓋212が回転可能となるように設けられる。この一対の係合部212bは、金属プレートの板状部212aと連続する部分を外部側(容器蓋212が閉位置にある状態において容器本体211から離れる方向)に折り曲げることによって得られる。一対の係合部212bは、板状部212aの板面に対して略垂直となっている。なお、一対の係合部212bのそれぞれには、板状部212aの板面から所定の距離だけオフセットした位置で支軸215が挿通されるように係合孔EH(図18参照)が形成されている。
 なお、パン原料収納容器210の背面側に設けられる支軸215は、次のような構成されている。支軸215となる棒状部を有する略L字状の板金部材が2つ用意される。そして、これらが、背面側の両端において、固定部材214を構成する2つのパーツで挟み込まれることによって支軸215は得られている。ただし、支軸215を得る構成はこれに限らず、例えば、容器本体211に支軸215を支える支持部を設けることによって、支軸が得られるようにしてもよい。また、支軸215は、場合によっては、背面側の一方の端部から他方の端部へと延びる、1本の棒であっても構わない。
 折曲部212cは、係合部212b同様に、金属プレートの板状部212aと連続する部分を外部側に折り曲げることによって得られる。ただし、折曲部212cは、係合部212bのように急激に折り曲げられるのではなく、徐々に板面に対する折り曲げ角が大きくなるように折り曲げられている。折曲部212cの先端側の板面は、板状部212aの板面に対して、略90°となっている。この折曲部212cは、容器蓋212が開かれる場合に、容器蓋212の端部がパッキン213に引っ掛かったり、パッキン213を損傷したりするのを防止するために設けられている。
 折曲部212cの略中央部・先端には、外部方向に斜めに突出する、平面視略矩形状の把手部216が設けられている。この把手部216は、ユーザが容器蓋212を開く際の操作が行い易いように設けられている。この把手部216は、本発明における容器蓋の周縁から外方に突出する把手部の一例である。
 なお、把手部216のサイズ、形状及び設置位置は適宜変更してよい。また、本実施形態では、把手部216には例えばシリコーン等からなる弾性のカバー216aが被せられている(図16B参照)。このカバー216aは設けなくてもよいが、ユーザの手指等を保護するために設けるのが好ましい。また、把手部216は、後述のように、容器蓋212が開かれた際に他の部材と当接する。本実施形態のようにカバー216aが被せられていると、他の部材との衝突時の衝撃が和らげられる。この点からも、把手部216にはカバー216aを取り付けるのが好ましい。
 パン原料収納容器210の前面側には、ロック機構218が設けられている。このロック機構218は、固定部材214に形成されている。ロック機構218は、ユーザが手指を載せられるように設けられた載置部218aと、この載置部218aから容器本体211の開口部211a方向に向かって突出し、閉位置にある容器蓋212を外面側から押さえるフック部218bと、載置部218aから容器本体211の長手方向と略平行な方向に延びる腕部218cと、を有する構成となっている。
 腕部218cは、容器本体211の深さ方向と平行な回転軸C1(図16A参照)を中心に回動可能に、固定部材214に軸支されている。腕部218cは、その一端部側を図示しない付勢部材によって付勢されており、腕部218cの他端側に設けられる載置部218a及びフック部218bは、その付勢力によって、容器本体211の開口部211a側に向かうようになっている。
 フック部218bは断面視略三角形状に設けられており、容器蓋212をフック部218bに載せた状態で、下向き(図16Bや図18の姿勢を前提とした表現)に力を加えると、腕部218cを付勢する付勢部材の付勢力に抗した力が発生する。このために、フック部218bに容器蓋212を載せて下向きに力を加えると、腕部218cが付勢部材の付勢力に反する力によって回転し、フック部218bが容器蓋112から離れる方向に移動する。そして、フック部218bに容器蓋212が載っていない状態になると、腕部218cが付勢部材の付勢力によって回転して容器蓋212側に移動するため、フック部218bは容器蓋212を外面側から押さえる位置に至る。これにより、ロック状態(容器蓋212が閉位置で維持された状態)が得られる。
 ロック状態においては、例えば図17に示すように、容器蓋212の内面外周側がパッキン213の弾性部213bと接触した状態で鍔部211bと重なり、開口部211aが完全に塞がれた状態となる。このロック状態においては、パッキン213によって容器本体211と容器蓋212との間がシールされているために、容器本体211内に外部から水分や埃等が入り込み難くなる。
 このロック状態を解除して容器本体211の開口部211aを開いた状態とする場合には、腕部218cが付勢力に反して回動(回転軸C1を中心とする回動)するように外部から力を付与し、フック部218bが容器蓋212を外面側から押さえない位置に移動するようにすればよい。これにより、容器蓋212が重力によって回動されるようにでき(例えば図16Aや図17の姿勢を前提とした表現)、開口部211aが開いた状態(開状態)が得られる。
 なお、第2実施形態の自動製パン器1では、操作部20(図1A及び図1B参照)の下部側の本体10内に自動投入用ソレノイド16が設けられている。このソレノイド16が駆動すると、そのプランジャーが蓋40に隣接する本体壁面10aに設けられる開口10b(図1B参照)から突出する。そして、突出したプランジャーが、蓋40の側壁40aに設けられる可動部材46(図11A参照)を押圧する。押圧された可動部材46が動くことでロック機構218の腕部218cが押圧され、図示しない付勢部材の付勢力に反して腕部218cが回動する。これにより、フック部218bによる容器蓋212の押さえが解除され、容器蓋212が重力によって回動し、開口部211aが開いた状態となるようになっている。
 パン原料収納容器210にパン原料を投入する場合には、ユーザは次のような動作を行えばよい。まず、ユーザは、指(例えば右手親指)を載置部218aに載せ、外向き(図18の右向き)に力を加える。これにより、ロック機構218の腕部218cが回転し、フック部218bが容器蓋212の外面を押さえない位置に移動される。そして、この状態で、把手部216を指(例えば左手親指)で外向き(図18の左向き)に押すことによって、容器蓋212が回動して開いた状態(図18に示す状態)が得られる。なお、載置部218aは、指を載せる載置面が断面視略L字状となっている(図18参照)ために、指の掛かりがよい。
 蓋40に取り付けられない状態でパン原料収納容器210の容器蓋212が開かれる場合、把手部216(正確にはカバー216aであるが、カバー216aは把手部216の一部とみなされる)が固定部材214の一部に衝突して、容器蓋212の最大開き角度が規制される。本実施形態では、例えば、閉位置からの開き角度(回転角度)が略95°(本発明の第1の角度の一例)となるように調整されている。このように閉位置からの開き角度を90°より大きくすれば、図18に示すように、パン原料収納容器210を台2上に置いて容器本体211にパン原料を入れる際に、容器蓋212が閉位置に向かって回動しにくい(倒れ難い)。このため、ユーザは、パン原料収納容器210へのパン原料の収納が行い易い。
 次に、パン原料収納容器210が蓋40にどのように取り付けられるかについて、主に、図16A、図16B、図19、及び図20を参照しながら説明する。なお、図19は、第2実施形態の自動製パン器のパン原料収納容器が取り付けられる蓋の構成を示す概略平面図で、蓋を下から見た場合の図である。図20は、図19のD-D位置における概略断面図である。なお、図19及び図20は、蓋40にパン原料収納容器210が取り付けられ、更にパン原料収納容器210の容器蓋212が開いた状態を示している。
 図16A及び図16Bに示すように、パン原料収納容器210の固定部材214には、パン原料収納容器210の蓋40による保持が可能となるように、背面側に第1の取付用係合部219(本発明の第1の係合部の一例)、前面側に第2の取付用係合部220(本発明の第2の係合部の一例)が形成されている。
 第1の取付用係合部219は、固定部材214の側面から外側に向けて突出する(図20において斜め上方に向けて突出する)第1の係合傾斜面219aを有する。この第1の係合傾斜面219aは、背面側の両端部近傍に、それぞれ近接して2つずつ、計4つ設けられている。ただし、この第1の係合傾斜面219a(第1の取付用係合部219)の数、及び配置は一例であり、適宜変更してよい。
 第2の取付用係合部220は、ハウジング部220aと、ハウジング部220aに、その一部が収容された取付用フック部(可動式フック部)220bと、を有する。取付用フック部220bは、ハウジング部220a内部に設けられる付勢部材220c(図20参照)によって、容器本体211の短手方向と略平行な方向外向き(図20において左向き)に付勢されている。また、取付用フック部220bは、付勢部材220cの付勢力に抗する方向(図20において右向き)に力を加えると、その方向に移動可能となっており、ハウジング部220aからの突出量が可変となっている。
 図19及び図20に示すように、自動製パン器1の蓋40の内部にはフレーム部材42(例えばアルミニウム合金のダイキャスト成型品からなる)が収容され、このフレーム部材42は、蓋40の裏面側から内カバー43(例えば板金製)によって支持されている。フレーム部材42には、蓋40が閉状態とされた場合に本体10の背面寄りとなる部分に、ドーム状壁42bによって囲まれた凹部空間45が形成されている。この凹部空間45が、パン原料収納容器210を保持する保持部となる。
 なお、フレーム部材42の、蓋40が閉状態とされた場合に本体10の前面寄りとなる部分には、平面視略矩形状(蓋40を裏面側から見た場合を想定)の壁部42aによって囲まれたの貫通孔44が設けられている。壁部42aは、蓋40の上面側に配置される覗き窓41に当接して覗き窓41を支持する。
 凹部空間45(パン原料収納容器210の保持部となる)内の前面(図20において左側)には、パン原料収納容器210が保持部45に保持された場合に、第2の取付用係合部220の取付用フック部220bと係合する係合溝45aが形成されている。また、この保持部45内の背面側(図20において右側)には、パン原料収納容器110が保持された場合に、パン原料収納容器110の第1の係合傾斜面219aと略平行となって第1の係合傾斜面219aに当接する、第2の係合傾斜面45bが形成されている。
 この保持部45内にパン原料収納容器210を収納する場合、ユーザは、第2の取付用係合部220の取付用フック部220bがハウジング部220a内に引っ込む方向の力(付勢部材220cの付勢力に反する方向の力)を付与する。そして、取付用フック部220bのハウジング部220aからの突出量が減じられた状態で、パン原料収納容器210を第1の係合傾斜面219aが第2の係合傾斜面45bにぶつからないように斜めにして保持部45内に押し込む。その後、取付用フック部220bに加えていた力を抜いて、取付用フック部220bを突出方向に移動させ、取付用フック部220bと係合溝45aとを係合させる。
 このようにして、パン原料収納容器210を保持部45に嵌め込むと、蓋40を閉状態とした場合において(図20の状態が該当)、第1の係合傾斜面219aと第2の係合傾斜面45bとが当接した状態となる。そして、パン原料収納容器210は、第2の係合傾斜面45bから鉛直方向上向き(図20の上向き)の力と、取付用フック部220bの係合溝45aへの係合が解除される方向と反対方向の力(図20の左向きの力)とを受けることになる。このため、パン原料収納容器210は、保持部45内で、取付用フック部220bと係合する係合溝45aと、第1の係合傾斜面219aに当接する第2の係合傾斜面45bと、によって支持され、保持部45に保持されることになる。
 なお、パン原料収納容器210を保持部45から取り外す場合には、ユーザは、取付用フック部220bをハウジング部220aに引っ込む方向に押圧して、取付用フック部220bと係合溝45aとの係合を解除する。そして、第1の係合傾斜面219aが第2の係合傾斜面45bによって邪魔されないように斜めに引き出せばよい。すなわち、ユーザは、取付用フック部220bを押すだけで、簡単に、パン原料収納容器210の蓋40への取付及び取外しを行える。
 なお、フレーム部材42には、パン原料収納容器210の着脱が行われる際に、ユーザの手指が引っ掛からないように、保持部45の前面側と背面側とに手指が入る空間SP1、SP2が形成されている(図19、図20参照)。
 ところで、本実施形態の自動製パン器1のように、蓋40の背面寄りにパン原料収納容器210が配置される場合には、上述したような問題が生じる。すなわち、ユーザが、パン原料収納容器210の容器蓋212が開かれた状態で蓋40を開け、その後、蓋40を閉めようとした場合に、パン原料収納容器210の容器蓋212がパン容器80の鍔部80a(図4参照)の一部に引っ掛かって(自動製パン器1の背面側で当接する)、蓋40が上手く閉められないといった事態が発生することがある。本実施形態の自動製パン器1は、このような事態が発生しないように、以下に説明する工夫がなされている。
 図21は、図19のE-E位置における概略断面図である。図22は、図19の破線の楕円で囲まれた部分の、パン原料収納容器を取り除いた場合の概略平面図である。図23は、第2実施形態の自動製パン器の蓋に設けられるストッパ部の概略側面図である。なお、図23においては、ストッパ部に当接するパン原料収納容器210の把手部216も破線で示している。
 図19、図21及び図22に示されるように、フレーム部材42の空間SP2(手指が入れられるように背面側に設けられる空間)の略中央部には、略板状に設けられ、空間SP2の背面側(自動製パン器1の蓋40が閉じられた状態を想定)の壁部W1より突出する突出部47が設けられている。この突出部47は、本発明のパン原料収納容器の容器蓋の開き角度を規制するストッパ部である。
 パン原料の一部を自動投入するために、保持部45に収容されたパン原料収納容器210の容器蓋212のロック状態が解除された場合、容器蓋212が支軸215を中心として回転する。そして、容器蓋212は、把手部216がストッパ部(突出部)47に衝突して回動が停止される。すなわち、ストッパ部47によって、容器蓋212の閉位置からの開き角度が規制される。
 本実施形態においては、ストッパ部47は、容器蓋212の閉位置からの開き角度が略85℃となるように調整されている。これにより、パン原料収納容器210の容器蓋212が開かれた状態で蓋40を開いた後に、蓋40を再度閉める場合に、容器蓋212がパン容器80の鍔部80aに引っ掛かって蓋40が上手く閉められないといった事態が発生するのを避けられる。なお、ストッパ部47によって規制される容器蓋212の開き角度は、上記目的が達成される範囲で適宜変更してよい。
 上述のように、パン原料収納容器210が蓋40に取り付けられていない状態では、容器蓋212の閉位置からの最大開き角度は90°より大きい角度(本実施形態では95°(第1の角度))とされている。これは、容器本体211を台2上に載せてパン原料を入れる場合に、容器蓋212が倒れ難いようにするためである。しかし、このように構成した場合には、ストッパ部47を設けない場合には、蓋40を開いた場合に容器蓋212の開き量(角度)が大きくなって、上述した容器蓋212の、パン容器80の鍔部80aへの引っ掛かりが発生しやすくなる。このため、本実施形態の自動製パン器1では、ストッパ部47を用いて、容器蓋212の閉位置からの開き角度が第1の角度(本実施形態では95°)より小さい第2の角度(本実施形態では85°)となるようにして、上述した容器蓋212の引っ掛かりが発生しないようにしている。
 ストッパ部47は、本実施形態ではフレーム部材42と一体的に設けている。ただし、場合によっては別部材としてもよい。また、本実施形態では、ユーザの手指を入れる空間SP2を利用してストッパ部47を設ける構成としている。このように構成することで、ストッパ部47を設けたことによる不要な空間が発生せず、蓋40の大型化が避けられる。ただし、ストッパ部47をユーザの手指を入れる空間SP2に設ける構成であるために、ストッパ部47は極力小さい(薄い)ことが望ましい。このために、ストッパ部47は、薄肉の略板状の突出部としている。
 ただし、自動製パン器1においては、パン原料収納容器210を用いた自動投入が行われる度に、容器蓋212の把手部216とストッパ部47との衝突が行われることになる。このために、ストッパ部47は強度が強いのが好ましい。そこで、図22及び図23に示すように、ストッパ部47の把手部216と接触する箇所近傍を含む一部において、ストッパ部47の厚みが厚くされている。具体的には、ストッパ部47の両側面に、接触箇所近傍から略対角方向へと延びる、かまぼこ状の凸部47aが形成されている。これにより、ユーザの手指を入れる空間SP2におけるストッパ部47のサイズを小さく(薄く)抑制しつつ、ストッパ部47の強度アップが図れる。なお、ストッパ部47は、凸部47aを有さない単なる板状のものであっても勿論よい。
 第2実施形態の自動製パン器1では、次のような効果が得られる。パン原料収納容器210から一部のパン原料が自動投入された場合に、パン原料の自動投入がきちんと行えたか否かに確認するために、ユーザが蓋40を開けることが考えられる。本実施形態の自動製パン器1では、蓋40に設けられるストッパ部47の働きにより、パン原料収納容器210の容器蓋212が開きすぎないように調整されている。このために、開けた蓋40を閉める場合に、パン原料収納容器210の容器蓋212がパン容器80の鍔部80aに引っ掛かって蓋40が閉め難いといった事態が発生しない。また、パン原料収納容器210の容器蓋212とパン容器80との接触が避けられるために、これらに傷が発生する可能性が抑制される。
3.その他
 以上に示した実施形態は本発明の例示であり、本発明が適用される自動製パン器の構成は、以上に示した実施形態に限定されるものではない。
 例えば、以上においては、自動製パン器1によって、米粒を出発原料に用いてパンが製造される場合を示した。しかし、以上に示した自動製パン器1は、例えば小麦粉や米粉を出発原料に用いた場合にもパンを製造可能なものであってもよい。そして、小麦粉や米粉を出発原料に用いてパンが製造される場合には、パン原料収納容器110、210はレーズンやナッツ等の具材入りパンを製造する場合の具材を入れるために用いることも可能である。また、小麦粉や米粉を出発原料に用いてパンが製造される場合には、粉砕ブレード92は不要であるために、以上に示したのとは異なるパン容器(混練ブレードのみがブレード回転軸に取り付けられる従来型のパン容器)が用いられてもよい(パン容器の使い分けが行われてよい)。なお、本発明は、米粒を出発原料に用いてパンを製造することのみが行える自動製パン器にも、勿論適用できる。
 また、以上に示した実施形態においては、米粒を出発原料に用いる場合を例に、自動製パン器の構成及び動作を説明した。しかし、本発明の自動製パン器は、例えば小麦、大麦、粟、稗、蕎麦、とうもろこし、大豆等の米粒以外の穀物粒が出発原料に使用される場合にも適用可能である。
 また、以上に示した米粒用製パンコースの製造フローは例示であり、他の製造フローとしてもよい。一例を挙げると、粉砕工程の後に、粉砕粉に水を吸水させるために、再度浸漬工程を行ってから練り工程を行う構成等としてもよい。
 別形態の米粒用製パンコースの模式図を図24に示す。この別形態では、粉砕工程と練り工程の間に休止工程が設けられる。この休止工程は、粉砕工程によって上昇したパン容器80内の内容物の温度を下げる冷却期間として設けられている。温度を下げるのは、次に行われる練り工程が、イーストが活発に働く温度(例えば30℃前後)で実行されるようにするためである。ここでは、休止工程は所定時間(30分)とされているが、場合によっては、パン容器80の温度等が所定の温度となるまで、休止工程が行なわれる構成等としても構わない。
 また、以上に示した実施形態では、自動製パン器1が粉砕ブレード92によって穀物粒を粉砕させる場合と、パン生地を練り上げるために混練ブレード102を回転させる場合で、別々のモータを使用する構成とした。しかし、この構成に限定される趣旨ではない。すなわち、例えば1つのモータのみを備える構成とし、粉砕ブレード92によって穀物粒を粉砕させる場合と、パン生地を練り上げるために混練ブレード102を回転させる場合で、同一のモータを使用する構成としても構わない。
 また、以上に示した実施形態では、粉砕ブレード92及び混練ブレード101をユニット化して取り付ける構成としたが、これに限らず、これらのブレードは別々にブレード回転軸82に取り付けられるようにしてよい。また、場合によっては、粉砕ブレードと混練ブレードとを別々とせず、粉砕機能と混練機能とを発揮する1つのブレードのみを備える構成等としても構わない。
 また、以上に示した実施形態では、自動製パン器1の蓋40について、開位置で蓋40の上面(傾斜面)40aが鉛直方向と平行になるように構成したが、この構成に限定される趣旨ではない。閉位置からの回転角度が90°を超える範囲で適宜決定すればよい。この際、ユーザの安全性、及び、蓋40を開位置とした場合の本体背面側に必要となるスペースの狭小化を考慮して、その構成を決定するのが好ましい。
 また、以上に示した第2実施形態では、蓋40に設けられるストッパ部47が、パン原料収納容器210が蓋40に取り付けられる際にユーザの手指が入る空間SP2内に設けられる構成とした。しかし、本発明はこの構成に限定されるものではない。すなわち、パン原料収納容器210の容器蓋212の開き角度を規制するストッパ部は、蓋40の別の位置に設けられても構わない。この場合、勿論、ストッパ部の形状は、第2実施形成の形状とは異なるものとしてよい。
 また、以上に示した第2実施形態では、パン原料収納容器210の容器蓋212の開き角度を規制するストッパ部47は、容器蓋212の把手部216と当接して容器蓋212の開き角度を規制するように設けられている。しかし、本発明はこの構成に限定されるものではない。すなわち、パン原料収納容器210の容器蓋212の開き角度を規制するストッパ部は、容器蓋212の把手部216以外の箇所に当接されるようにしても構わない。この場合、勿論、ストッパ部の形状は、第2実施形成の形状とは異なるものとしてよい。
 また、本発明は、穀物粒を出発原料としてパンを製造する自動製パン器に好適ではあるが、穀物粉(例えば小麦粉、米粉等)を出発原料としてパンを製造する自動製パン器(穀物粒を出発原料としてパンを製造することができないもの)にも勿論適用可能な技術である。穀物粉を出発原料としてパンを製造する自動製パン器は、例えばレーズン、ナッツ、チーズ等の具材(パン原料の一部)を自動投入するために自動投入用容器を備える場合がある。
 また、以上に示した実施形態では、自動製パン器1は、発酵工程や焼成工程が行えるように構成されている。しかしながら、本発明の自動製パン器は、このような構成のものに限定される趣旨ではない。例えば、発酵機能及び焼成機能がない自動製パン器や、発酵機能を有して焼成機能がない自動製パン器等も、本発明の範囲に含まれる。このような構成の場合には、自動製パン器を用いた後に、オーブン等の焼成装置を用いてパンを焼き上げることになる。
 本発明は、家庭用の自動製パン器に好適である。
   1 自動製パン器
   10 本体
   10d 本体上面
   20 操作部
   30 焼成室(収容部)
   40 蓋(蓋体)
   40b 蓋体の上面(傾斜面)
   41 覗き窓
   42 フレーム部材
   42a 壁部
   45 保持部
   45a 係合溝
   45b 第2の係合傾斜面
   47 ストッパ部
   80 パン容器
   92 粉砕ブレード(粉砕部)
   110、210 パン原料収納容器
   111、211 容器本体
   111a、211a 開口部
   112、212 容器蓋
   113、213 パッキン(シール部材)
   114、214 容器用カバー(固定部材)
   116、219 第1の係合部(取付機構)
   116a,219a 第1の係合傾斜面
   117、220 第2の係合部(取付機構)
   117b、220b 取付用フック部(可動式のフック部)
   216 把手部
   SP2 ユーザの手指が入る空間
   W1 壁部

Claims (15)

  1.  パン原料が投入されるパン容器を収容する収容部が設けられる本体と、
     前記本体に取り付けられて前記収容部を開閉する蓋体と、
     前記収容部に収容された前記パン容器内で穀物粒を粉砕する粉砕部と、
     穀物粒を粉砕した後に前記パン容器に投入されるパン原料が収納されるパン原料収納容器と、
     を備え、
     前記蓋体には、前記パン原料収納容器を着脱可能に保持する保持部が設けられ、
     前記パン原料収納容器には、前記保持部への着脱を可能とする取付機構が設けられている、自動製パン器。
  2.  前記パン原料収納容器は、開口部を有する容器本体と、前記容器本体に対して回動可能に設けられて前記開口部を開閉する容器蓋と、前記容器蓋によって前記開口部が閉じられた状態において前記容器本体と前記容器蓋との間をシールするシール部材と、前記シール部材を前記容器本体に固定する固定部材と、を備え、
     前記取付機構は前記固定部材に設けられている、請求項1に記載の自動製パン器。
  3.  前記取付機構は、第1の係合傾斜面を有する第1の係合部と、前記容器本体を挟んで前記第1の係合部とは反対側に設けられるとともに可動式のフック部を有する第2の係合部と、を有し、
     前記保持部には、前記第1の係合傾斜面と係合する第2の係合傾斜面と、前記フック部と係合する係合溝と、が設けられ、
     前記パン原料収納容器が前記保持部に収容されて、前記蓋体が前記収容部を閉じた状態において、
     前記パン原料収納容器は、前記フック部に係合する前記係合溝と前記第1の係合傾斜面に当接する前記第2の係合傾斜面とに支持され、
     前記フック部は、前記フック部の前記係合溝への係合を解除する方向に移動可能となっている、請求項2に記載の自動製パン器。
  4.  前記蓋体には、前記収容部に収容された前記パン容器を前記本体外側から覗くための覗き窓が設けられ、
     前記保持部は、前記蓋体に取り付けられるフレーム部材に設けられ、
     前記フレーム部材には、前記覗き窓から前記蓋体の内部が見えないようにする壁部が形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の自動製パン器。
  5.  前記蓋体は、前記本体の背面に回動可能に一端が軸支されて、前記収容部の開口を覆う閉位置と前記閉位置から所定角度回転された開位置との間で変位するように設けられ、
     前記蓋体には、前記保持部に加えて、前記収容部に収容された前記パン容器を外側から覗くための覗き窓が設けられており、
     前記覗き窓及び前記保持部は、前記覗き窓が前記本体の前面寄り、前記保持部が前記本体の背面寄りとなるように配置され、
     前記蓋体が前記閉位置にある場合に、前記蓋体の上面の略全体が、前記本体の前面側から背面側に向けて高くなる傾斜面となっている、請求項1に記載の自動製パン器。
  6.  前記所定角度は、前記開位置において前記傾斜面が鉛直方向と略平行になる角度である、請求項5に記載の自動製パン器。
  7.  前記本体は、前記蓋体に隣接するとともに操作部が設けられた上面を有し、
     前記操作部が設けられた本体上面の略全体は、前記閉位置にある前記蓋体の上面と略同一の傾斜角を有する傾斜面となっている、請求項5又は6に記載の自動製パン器。
  8.  前記パン原料収納容器は、開口部を有する容器本体と、前記開口部を開閉する容器蓋と、を有し、
     前記蓋体には、前記容器蓋の開き角度を規制するストッパ部が設けられている、請求項1に記載の自動製パン器。
  9.  前記容器蓋には、その周縁から外方に突出する把手部が設けられ、
     前記ストッパ部は、前記把手部に当接して前記容器蓋の開き角度を規制する、請求項8に記載の自動製パン器。
  10.  前記蓋体には、前記パン原料収納容器が着脱される際にユーザの手指が入る空間が形成されており、
     前記ストッパ部は、前記空間内に形成されている、請求項8又は9に記載の自動製パン器。
  11.  前記ストッパ部は、前記空間を形成する壁部から突出する略板状の突出部である、請求項10に記載の自動製パン器。
  12.  前記略板状の突出部は、その一部の厚みが厚く形成されている、請求項11に記載の自動製パン器。
  13.  前記パン原料収納容器は、前記蓋体に取り付けられない状態で、前記容器蓋の閉位置からの最大開き角度が90°より大きい第1の角度となるように設けられ、
     前記ストッパ部は、前記容器蓋の閉位置からの開き角度が前記第1の角度よりも小さい第2の角度となるように前記容器蓋の開き角度を規制する、請求項8に記載の自動製パン器。
  14.  前記パン原料収納容器は、前記蓋体が閉じられた状態で、前記本体の背面寄りに取り付けられる、請求項8に記載の自動製パン器。
  15.  前記蓋体は、それが閉じられた状態で、前記本体の前面側から背面側に向かう方向に高さが高くなる傾斜構造を有する、請求項14に記載の自動製パン器。
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