WO2011043349A1 - ポリエーテル類およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

 複合金属シアン化物錯体触媒を用いてポリエーテル類を製造する際に、得られるポリエーテル類の分子量分布をより狭くできるようにする。 複合金属シアン化物錯体触媒の存在下で、アルキレンオキシドなどの環状モノマーを水酸基を有する開始剤に開環付加重合させて、水酸基を1個以上有するポリエーテル類を製造する方法であって、下記初期工程と下記重合工程とを有するポリエーテル類の製造方法。 初期工程:開始剤と複合金属シアン化物錯体触媒とを含む反応系に、開始剤の100質量部に対して5~20質量部となる量の環状モノマーを供給して反応させる工程。その際、環状モノマーを供給開始する時点の反応系の温度が120~165℃であり、環状モノマー供給後の反応系の最高温度が、前記環状モノマー供給開始時点の温度より15~50℃高い。 重合工程:初期工程後の反応系に環状モノマーを供給して開環付加重合させる工程。

Description

ポリエーテル類およびその製造方法
 本発明は、水酸基を1個以上有するポリエーテル類を製造する方法、および該方法で得られるポリエーテル類に関する。
 ポリウレタンフォーム、ポリウレタンエラストマー、弾性繊維、接着剤、およびシーラント等のポリウレタン製品や、機能性油剤などの原料であるポリエーテルポリオールは、一般に、活性水素を持つ開始剤を用いてエチレンオキシド、プロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドを重合して製造される。アルキレンオキシドの重合触媒としては、複合金属シアン化物錯体(以下、DMCということもある。)触媒が知られている。DMC触媒は、有機配位子、金属塩を含む触媒であり、例えば、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(Zn[Co(CN))に、有機配位子、水、および塩化亜鉛が配位した化合物が代表的である。
 下記特許文献1には、tert-ブチルアルコール等の有機配位子を使用した高活性のDMC触媒を用いることにより、触媒使用量を少なくでき、ポリエーテルポリオールの製造後のDMC触媒の除去工程が不要とできることが記載されている。
 ポリエーテルポリオールを合成する例8には、反応器に開始剤とDMC触媒を入れ、105℃に加熱し、ストリッピングを行った後、反応温度を145℃に上げ、初期真空下でプロピレンオキシドの一部を反応器に供給し、反応器圧力を注意深くモニターし、反応器圧力の急激な低下が起きてから、残りのプロピレンオキシドを徐々に加えて反応させ、圧力が一定となるまで、145℃に保持する方法が記載されている。
 また下記特許文献2には、DMC触媒を用いてポリエステルエーテルポリオールまたはポリエステルエーテルモノオールを製造する方法が記載されている。
 ポリエステルエーテルポリオールを合成する実施例1には、反応器に開始剤とDMC触媒を入れ、反応器内を窒素置換後、140℃に昇温し、プロピレンオキシドの一部を反応器に供給し、反応器内の圧力が低下し、触媒が活性化したことを確認した後、残りのプロピレンオキシドとε-カプロラクトンを加え、反応器の内温を140℃に保って、重合反応を進行させる方法が記載されている。
 下記特許文献3には、DMC触媒を用いて200mgKOH/gを超える短鎖のポリエーテルアルコールを製造するのに好適な方法として、予め、DMC触媒をポリエーテルポリオールからなる開始剤中に0~80℃の温度で分散させることによって、触媒のコンディショニングを行い、その後に重合温度に昇温し、アルキレンオキシドの一部を供給して触媒を活性化させる方法が記載されている。
特表2000-513389号公報 国際公開第2007/020879号 特開2007-314787号公報
 ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール等のポリエーテル類は、分子量分布が狭くて低粘度であることが、取り扱い性の点で好ましい。
 しかしながら、従来のポリエーテル類の製造方法で得られる生成物は分子量分布が充分に狭いとは言えず、さらなる技術の進歩が求められていた。
 本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、複合金属シアン化物錯体触媒を用いてポリエーテル類を製造する際に、得られるポリエーテル類の分子量分布をより小さくできるポリエーテル類の製造方法、およびこれにより得られるポリエーテル類を提供することを目的とする。
 本発明は下記[1]~[14]の発明である。
[1]複合金属シアン化物錯体触媒の存在下で、開環付加重合しうる環状モノマーであって少なくともその一部が環状エーテルである環状モノマーを、水酸基を有する開始剤に開環付加重合させて、水酸基を1個以上有するポリエーテル類を製造する方法であって、
 前記開始剤と前記複合金属シアン化物錯体触媒とを含む反応系に、開始剤の100質量部に対して5~20質量部となる量の環状モノマーを供給して反応させる初期工程と、該初期工程後の反応系に環状モノマーを供給して開環付加重合させる重合工程とを有し、
 前記初期工程において環状モノマーを供給開始する時点の反応系の温度が120~165℃であり、前記初期工程における環状モノマー供給後の反応系の最高温度が、前記環状モノマー供給開始時点の温度より15~50℃高いことを特徴とするポリエーテル類の製造方法。
[2]環状エーテルがアルキレンオキシドである、[1]のポリエーテル類の製造方法。
[3]前記環状エーテル以外の環状モノマーが、環状エステル、環状ポリカルボン酸無水物または環状カーボネートである、[1]または[2]のポリエーテル類の製造方法。
[4]初期工程において供給する環状モノマーと重合工程において供給する環状モノマーが同一である、[1]~[3]のポリエーテル類の製造方法。
[5]初期工程において供給する環状モノマーと重合工程において供給する環状モノマーが異なる、[1]~[3]のポリエーテル類の製造方法。
[6]初期工程において供給する環状モノマーがプロピレンオキシドである、[1]~[5]のポリエーテル類の製造方法。
[7]初期工程において供給する環状モノマーがプロピレンオキシドであり、重合工程において供給する環状モノマーがプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物である、[1]~[3]のポリエーテル類の製造方法。
[8]重合工程において供給する環状モノマーがアルキレンオキシドとアルキレンオキシドに対して等モル以下の量の環状エステルとの混合物である、[1]~[5]のポリエーテル類の製造方法。
[9]前記重合工程が、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下で環状モノマーの重合を行った後、生成したポリエーテル類の水酸基に、アルカリ触媒の存在下でエチレンオキシドを開環付加重合させる工程を有する、[1]~[8]のポリエーテル類の製造方法。
[10]得られるポリエーテル類中の環状エーテルが開環した単位と環状エーテル以外の環状モノマーが開環した単位の合計に対する環状エーテルが開環した単位の割合が、50~100モル%である、[1]~[9]のポリエーテル類の製造方法。
[11]得られるポリエーテル類が、水酸基数1~12、水酸基価5~150mgKOH/gである、[1]~[10]のポリエーテル類の製造方法。
[12]得られるポリエーテル類が、水酸基数2~6、水酸基価5~40mgKOH/g、環状モノマーが開環した単位の全量に対するプロピレンオキシドが開環した単位の割合が、70~100モル%である、[1]~[10]のポリエーテル類の製造方法。
[13]前記[12]の製造方法で得られたポリエーテル類を軟質ポリウレタンフォームの原料であるポリエーテルポリオールとして使用する、ポリエーテル類の使用。
[14]前記[12]の製造方法で得られたポリエーテル類を加水分解性シリル基含有ポリエーテル類の原料として使用する、ポリエーテル類の使用。
 本発明の製造方法によれば、複合金属シアン化物錯体触媒を用いてポリエーテル類を製造する際に、得られるポリエーテル類の分子量分布をより狭くできる。
 本発明の製造方法で得られるポリエーテル類は、分子量分布が狭いため、低粘度であり、取り扱い性に優れる。
 本発明の製造方法で得られるポリエーテル類を軟質ポリウレタンフォームの原料として使用することにより、良好な特性を有する軟質ポリウレタンフォームを製造できる。
 本発明の製造方法で得られるポリエーテル類を加水分解性シリル基含有ポリエーテル類の原料として使用することにより、作業性が良好で、硬化後の特性に優れる加水分解性シリル基含有ポリエーテル類が得られる。この加水分解性シリル基含有ポリエーテル類は、シーリング材などの用途に用いられる。
 本明細書中における「ポリエーテル類」とは、環状エーテルが開環した繰り返し単位を多数有するポリマーであり、本発明におけるポリエーテル類は、水酸基を1個以上有する該「ポリエーテル類」である。
 本明細書中における「開環付加重合しうる環状モノマー」とは、炭素原子と1個または2個の酸素原子とから構成されるヘテロ環を有する化合物であり、炭素原子と酸素原子との間の結合が切れて開環するとともに水酸基などの活性水素含有基に付加する反応を順次繰り返して重合する、反応(すなわち、開環付加重合)を行いうる化合物をいう。水酸基を有する開始剤に、この環状モノマーを開環付加重合させることにより、環状モノマーが開環した単位を多数有するポリマーが生成する。「開環付加重合しうる環状モノマー」としては、環状エーテル、環状エステル、環状ポリカルボン酸無水物、環状カーボネート等がある。本発明においては「開環付加重合しうる環状モノマー」の少なくとも一部として環状エーテルを使用する。以下、「開環付加重合しうる環状モノマー」を単に環状モノマーともいう。また、開環付加重合を単に重合ともいう。
 なお、ポリエーテル類の水酸基数は、そのポリエーテル類の製造に使用した開始剤の水酸基数に等しい。水酸基の数が異なる2以上の開始剤の混合物を使用した場合は、得られるポリエーテル類の水酸基数は開始剤混合物の平均水酸基数となる。
 本明細書中におけるポリエーテル類の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレン重合体をリファレンスとして用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求めた、いわゆるポリスチレン換算分子量である。
 また、本明細書中におけるポリエーテル類の水酸基価はJIS K1557(2007年版)に準拠して測定した。ポリエーテル類の水酸基価換算平均分子量とは、該水酸基価(OHV、単位はmgKOH/g)およびポリエーテル類を製造する時に用いた開始剤の平均水酸基数xから、以下の式を用いて計算した値である。
 水酸基価換算平均分子量=(56,100/OHV)×(x)
 本発明の製造方法は、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下で開始剤に環状モノマーを重合させてポリエーテル類を製造する方法である。複合金属シアン化物錯体触媒を以下DMC触媒ともいう。
<複合金属シアン化物錯体触媒(DMC触媒)>
 本発明におけるDMC触媒は公知のものを用いることができる。代表的には下記式(1)で表される。
 M [M (CN)e(M )h(HO)i(L)・・・(1)
(式(1)中、M~Mは金属を、Xはハロゲン原子を、Lは有機配位子を、a、b、c、d、e、f、g、h、iは金属の原子価や有機配位子の配位数などにより変わり得る数を、それぞれ示す。)
 式中、MまたはMは、Zn(II)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Ni(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、Al(III)、V(V)、Sr(II)、W(IV)、W(VI)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、Sn(II)、およびPb(II)からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、Zn(II)またはFe(II)であることが好ましい。なお金属の原子記号に続くかっこ内のローマ数字は原子価を表し、以下同様である。一分子中のMとMは互いに同じでもよく、異なっていてもよい。互いに同じであることが好ましい。
 Mは、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(IV)、およびV(V)からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、Co(III)またはFe(III)であることが好ましい。
 Xはハロゲン原子である。
 Lは、有機配位子を表す。有機配位子としては、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、アミン、およびアミドなどが使用でき、アルコールがより好ましい。好ましい有機配位子は水溶性のものであり、具体例としては、tert-ブチルアルコール、n-ブチルアルコール、iso-ブチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、iso-ペンチルアルコール、N,N-ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル(グライムともいう。)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライムともいう。)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライムともいう。)、エチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、iso-プロピルアルコール、およびジオキサンから選ばれる1種または2種以上の化合物が挙げられる。ジオキサンとしては、1,4-ジオキサンでも1,3-ジオキサンでもよく、1,4-ジオキサンが好ましい。
 特に好ましい有機配位子は、tert-ブチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、エチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、または、tert-ブチルアルコールとエチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテルの組み合わせである。このような有機配位子を用いた場合には、特に高い重合活性が得られ、ポリエーテル類の分子量分布を狭くする点で好ましい。
 本発明におけるDMC触媒として、特に触媒活性の点で、有機配位子Lがtert-ブチルアルコールであるもの、またはエチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテルであるものが好ましい。
 特に、式(1)において、MおよびMが互いに同一で、Zn(II)またはFe(II)であり、MがCo(III)またはFe(III)であり、Xがハロゲンであり、Lがtert-ブチルアルコールまたはエチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテルであるものが好ましく、MおよびMがZn(II)、MがCo(III)、Xがカリウム、Lがtert-ブチルアルコールであるものが特に好ましい。
 DMC触媒の製造方法は特に限定されず、公知の方法を適宜用いることができる。例えば、(i)ハロゲン化金属塩と、シアノメタレート酸および/またはアルカリ金属シアノメタレートとを水溶液中で反応させて得られる反応生成物に有機配位子を配位させ、ついで、生成した固体成分を分離し、分離した固体成分をさらに有機配位子水溶液で洗浄する方法、または(ii)有機配位子水溶液中でハロゲン化金属塩と、シアノメタレート酸および/またはアルカリ金属シアノメタレートとを反応させ、得られる反応生成物(固体成分)を分離し、その分離した固体成分をさらに有機配位子水溶液で洗浄する方法、によって得られるケーキ(固体成分)をろ過分離し、さらに乾燥させる方法を挙げることができる。
 DMC触媒を製造する場合に用いる上記アルカリ金属シアノメタレートのシアノメタレートを構成する金属は、前記式(1)のMに相当する。
 本発明のDMC触媒の製造原料として用いるシアノメタレート酸またはアルカリ金属シアノメタレートとしては、H[Co(CN)]、Na[Co(CN)]、またはK[Co(CN)]が好ましく、Na[Co(CN)]、またはK[Co(CN)]が特に好ましい。
 さらに上記DMC触媒の製造方法において、ケーキをろ過分離する前の段階で、有機配位子水溶液に固体成分を分散させた液にポリエーテルポリオールおよび/またはポリエーテルモノオールを混合し、得られた混合液から水および過剰な有機配位子を留去することによって、DMC触媒がポリエーテルポリオールおよび/またはポリエーテルモノオール中に分散したスラリー状のDMC触媒混合物(以下、「スラリー状DMC触媒」とも記す。)を調製することもできる。
 上記スラリー状DMC触媒を調製するために用いるポリエーテルポリオールまたはポリエーテルモノオールは、アニオン重合触媒やカチオン重合触媒を用い、一価アルコールおよび多価アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させて製造することができる。この目的に用いるポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールは、水酸基数が1~8であり、数平均分子量(Mn)が300~5,000のものが、DMC触媒の重合活性が高く、かつスラリー状DMC触媒の粘度も高くならずに取り扱いやすいことから好ましい。
 本発明のポリエーテル類の製造方法に用いるDMC触媒の量は、得ようとするポリエーテル類の目標分子量を得るのに必要量以上に設定される。
 また、DMC触媒の使用量は、できるだけ少量にして、得られるポリエーテル類に残存するDMC触媒およびDMC触媒に由来する金属化合物を少なくすることが好ましい。これにより、ポリエーテル類とポリイソシアネート化合物との反応速度や、ポリエーテル類を原料に用いて製造されたポリウレタン製品または機能性油剤などの物性に及ぼす残存DMC触媒の影響を小さくすることができる。
 通常は、開始剤に環状モノマーを重合させた後に、得られたポリエーテル類からDMC触媒を除去する操作を行う。しかし、ポリエーテル類に残存するDMC触媒の量が少なく、その後のポリイソシアネート化合物との反応や最終製品の特性に悪影響を及ぼさない場合は、DMC触媒を除去することなくポリエーテル類を用いて次の工程へ進むことができるため、ポリエーテル類の生産効率を高めることができる。
 具体的に、重合反応終了時のポリエーテル類中に含まれる、DMC触媒に由来する金属(例えばZnやCoなど)の合計量が1~30ppmであるのが好ましく、10ppm以下となる量であることが特に好ましい。該DMC触媒に由来する金属の合計量が30ppm以下であると、得られたポリエーテル類からの残存触媒の除去が不要となりやすい。
 また、必要に応じて、得られたポリエーテル類からのDMC触媒の除去処理および/またはDMC触媒の失活処理を行うこともできる。その方法としては、たとえば、合成珪酸塩(マグネシウムシリケート、アルミニウムシリケートなど)、イオン交換樹脂、および活性白土などから選択される吸着剤を用いた吸着法や、アミン、水酸化アルカリ金属、有機酸、または鉱酸による中和法、中和法と吸着法を併用する方法などを用いることができる。
<ポリエーテル類>
 本発明におけるポリエーテル類は、環状エーテルが開環した単位を多数有し、かつ水酸基を1個以上有する。具体的には、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルモノオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリエステルエーテルモノオール、ポリエーテルポリカーボネートポリオール、またはポリエーテルポリカーボネートモノオールが好ましい。
 本発明におけるポリエーテルポリオールまたはポリエーテルモノオール(以下、ポリエーテルポリ(モノ)オールということがある。)は、DMC触媒の存在下で、水酸基を有する開始剤に環状エーテルを重合させて得られる。
 本発明におけるポリエステルエーテルポリオールまたはポリエステルエーテルモノオール(以下、ポリエステルエーテルポリ(モノ)オールということがある。)は、DMC触媒の存在下で、水酸基を有する開始剤に環状エーテルと環状エステル(または環状ポリカルボン酸無水物)とを共重合させて得られる。環状エーテルと環状エステルはランダム重合させてもよく、ブロック重合させてもよい。環状エーテルと環状ポリカルボン酸無水物とは交互共重合する。
 ポリエーテルポリカーボネートポリオールまたはポリエーテルポリカーボネートモノオールは、DMC触媒の存在下で、水酸基を有する開始剤に、環状エーテルと環状カーボネートとを共重合させて得られる。
[開始剤]
 本発明に用いる開始剤は、1~12個の水酸基を有し、かつ数平均分子量(Mn)が18~20,000の化合物である。
 開始剤が1個の水酸基を有すると、ポリエーテルモノオール、ポリエステルエーテルモノオール、ポリエーテルポリカーボネートモノオールなどの水酸基を1個有するポリエーテル類が得られる。
 開始剤が2個以上の水酸基を有すると、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリエーテルポリカーボネートポリオールなどの水酸基を2個以上有するポリエーテル類が得られる。
 開始剤の具体例としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、2-エチルヘキサノール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデカノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、などの1価アルコール類;水;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオールなどの2価アルコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール類;グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトース、蔗糖、メチルグルコシドなどの糖類またはその誘導体;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ノボラック、レゾール、レゾルシンなどのフェノール類、などが挙げられる。これらの化合物は1種のみ用いることも、2種以上を併用することもできる。
 またこれらの化合物にアルキレンオキシドを公知の方法で重合させて得られるポリエーテルポリ(モノ)オール;ポリカーボネートポリ(モノ)オール;ポリエステルポリ(モノ)オール;およびポリオキシテトラメチレングリコール、などから選択される化合物も開始剤として使用できる。これらの化合物は数平均分子量(Mn)が300~20,000であり、1分子当たりの水酸基数が1~12個であることが好ましい。また、これらの化合物の水酸基価は187mgKOH/g以下が好ましい。さらに、これらの化合物の水酸基価は、目的とするポリエーテル類の水酸基価よりも30mgKOH/g以上高い水酸基価を有する化合物が好ましく、40mgKOH/g以上高い水酸基価を有する化合物が特に好ましい。
 開始剤の数平均分子量(Mn)は、18~20,000が好ましく、300~10,000がより好ましく、600~5,000が特に好ましい。数平均分子量(Mn)が300以上の開始剤を用いることにより、DMC触媒存在下における前記重合反応または共重合反応が開始するまでの時間を短くできる。
 一方、数平均分子量(Mn)が20,000以下の開始剤を用いると、開始剤の粘度が高すぎず、前記重合反応または共重合反応が均一になりやすい。
 なお、開始剤としての低分子アルコールなど、同じ分子量の分子のみから構成されている場合は、化学式から求められる分子量を数平均分子量(Mn)とする。
 開始剤の数平均分子量(Mn)は、それを使用して得られるポリエーテル類の数平均分子量(Mn)よりも低い。開始剤の数平均分子量とそれを使用して得られるポリエーテル類の数平均分子量との差(すなわち、環状モノマーが開環した単位の量)は、500以上が好ましく、1,000以上が特に好ましい。
 開始剤の水酸基数は1~12が好ましく、1~8がより好ましく、1~6が特に好ましい。水酸基数が上記範囲の上限値以下の開始剤を用いると、得られるポリエーテル類の分子量分布が狭くなりやすい。
 開始剤として2種以上の化合物を併用する場合は、その1分子当たりの平均水酸基数が1~12であることが好ましく、1~8であることがより好ましく、1~6であることが特に好ましい。
 さらに、得られるポリエーテル類をポリウレタン等のポリマーの原料として使用する場合は、ポリエーテル類の水酸基数は2~8が好ましく、特に2~6が好ましいことより、そのようなポリエーテル類を製造するための開始剤としては、水酸基数が2~8、特に2~6の開始剤が好ましい。2種以上の開始剤を使用する場合は、開始剤の平均水酸基数は1.5~8が好ましく、1.8~6が特に好ましい。
 また、開始剤の好ましい水酸基価は6,233mgKOH/g以下が好ましく、300mgKOH/g以下がより好ましく、187mgKOH/g以下が特に好ましい。さらに、開始剤の水酸基価は、目的とするポリエーテル類の水酸基価よりも30mgKOH/g以上高いことが好ましく、40mgKOH/g以上高いことが特に好ましい。
[環状モノマー]
 本発明に用いる環状モノマーは、その少なくとも一部が環状エーテルである。環状エーテル以外の環状モノマーは環状エーテルと併用される。環状エーテル以外の環状モノマーとしては、環状エステル、環状ポリカルボン酸無水物、および環状カーボネートが好ましい。
 初期工程と重合工程に使用する環状モノマーとしては、環状エーテルのみであってもよく環状エーテルと他の環状モノマーとを併用してもよい。また、初期工程と重合工程に使用する環状モノマーは異なっていてもよい。ただし、初期工程と重合工程のいずれにおいても環状モノマーの少なくとも一部は環状エーテルである。
 また、他の環状モノマーが環状ポリカルボン酸無水物の場合、環状ポリカルボン酸無水物と環状エーテルは交互重合してエステル結合が生成することより、ポリエーテル類を得るためには環状ポリカルボン酸無水物と環状エーテルの総量に対する環状エーテルの割合は50モル%を越える必要がある。ただし、ポリエーテル類は部分的にポリエステル鎖を有していてもよいことより、反応させる環状モノマーの一部は環状ポリカルボン酸無水物と環状エーテルの等モル混合物であってもよい。
 環状エステルなどでは、それ自身で開環付加重合しうるので、重合反応に環状エーテルは必須ではなく、反応させる環状モノマーの一部としては環状エーテルの割合が50モル%未満の環状モノマーを使用できる。例えば、環状エステルと環状エーテルとを別々に順次反応させるとポリエステル鎖とポリエーテル鎖とがブロック状に結合したポリエーテルエステル鎖が形成される。
(環状エーテル)
 本発明で用いる環状エーテルはエポキシ環やオキセタン環を有する化合物が好ましい。特に、エポキシ環を1個有する化合物が好ましい。環状エーテルとしてはアルキレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシド以外のエポキシ環を1個有する化合物としては、ハロゲン含有アルキレンオキシド、シクロペンテンオキシドやシクロヘキセンオキシドなどのシクロアルケンオキシド、スチレンオキシドなどのアリール置換アルキレンオキシド、グリシジルアルキルエーテルやグリシジルアルキルエステルなどグリシジル化合物、などが挙げられる。
 環状エーテルとしては、アルキレンオキシドが好ましく、炭素数2~20を有するアルキレンオキシドが特に好ましい。本発明に用いるアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、スチレンオキシド、炭素数5~20のα-オレフィンオキシドなどを挙げることができ、これらからなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
 これらアルキレンオキシドのうちでエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが特に好ましい。なお、アルキレンオキシドを2種以上用いる場合、アルキレンオキシドの重合は、ランダム重合、ブロック重合、ランダム重合とブロック重合の併用いずれでもよい。
 初期工程と重合工程に使用する環状モノマーがいずれも環状エーテルのみである場合、初期工程と重合工程に使用する環状モノマーの種類が異なっていてもよい。この環状モノマーの種類としては、環状エーテルの種類のみならず、2種以上の環状エーテルの混合物の場合、混合割合の異なる環状モノマーも意味する。
(環状エステル)
 本発明において用いる環状エステルは、炭素数3~9の環状エステル、いわゆるラクトンである。環状エステルとしては、β-プロピオラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、メチル-ε-カプロラクトン、α-メチル-β-プロピオラクトン、β-メチル-β-プロピオラクトン、メトキシ-ε-カプロラクトン、およびエトキシ-ε-カプロラクトンからなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
 δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンが好ましく、ε-カプロラクトンが特に好ましい。
 環状エーテルと環状エステルを組み合わせて使用する場合、初期工程と重合工程に使用する環状モノマーの総量に対する環状エーテルの割合は50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。
(環状ポリカルボン酸無水物)
 環状ポリカルボン酸無水物としては、環状ジカルボン酸無水物が好ましい。具体的には以下の化合物が挙げられる。
 無水マレイン酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、オクタデセニル無水コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸無水物、無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、3-メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸、4-メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸等の脂環族ジカルボン酸無水物。無水マレイン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸が好ましく、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸が特に好ましい。
 環状ポリカルボン酸無水物は単独では開環付加重合せず、環状エーテルと交互重合することによりポリエステル鎖を形成する。したがって、環状ポリカルボン酸無水物はそれと等モル以上の環状エーテルと混合して使用され、その混合物が環状モノマーとして使用される。その場合、環状ポリカルボン酸無水物に対して等モルを越えた量の環状エーテルは、それ自身で重合してエーテル結合を形成する。
 環状エーテルと環状ポリカルボン酸無水物を組み合わせて使用する場合、初期工程と重合工程に使用する環状モノマーの総量に対する環状エーテルの割合は50モル%を超える量であり、60モル%以上が好ましく、70モル%以上が特に好ましい。
(環状カーボネート)
 環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
 ポリエーテルポリカーボネートポリオールまたはポリエーテルポリカーボネートモノオールを製造する際に用いるアルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、または1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシドが好ましい。
 環状エーテルと環状カーボネートを組み合わせて使用する場合、初期工程と重合工程に使用する環状モノマーの総量に対する環状エーテルの割合は50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。
[重合溶媒]
 重合反応または共重合反応においては、該反応に悪影響を及ぼさない溶媒を適宜用いてもよい。かかる重合溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、エチルメチルケトンが挙げられる。重合溶媒を用いない場合は、最終生成物であるポリエーテル類からの溶媒除去工程が不要となり生産性を高めることができる。また、重合溶媒に含まれる水分や酸化防止剤の影響によってDMC触媒の触媒活性が低下する場合があり、重合溶媒を用いないことによって、そのような不都合の発生を防止できる。
<ポリエーテル類の製造方法>
 本発明のポリエーテル類の製造方法は、バッチ式で行うことが好ましい。製造工程は、具体的には初期工程、重合工程を有し、以下のように実施できる。
a.初期工程
 まず、撹拌手段および温度調節手段を備えた耐圧反応容器内(反応系)に、開始剤の全量とDMC触媒の全量を入れ、混合して反応液を調製する。通常、開始剤は粘性液体であり、DMC触媒は粒子状または該粒子を含むスラリー状である。該反応液は必要に応じて重合溶媒を含んでもよい。また反応液は、DMC触媒の製造工程において必要に応じて添加された成分を含んでもよい。
 本発明の製造方法における、開始剤とDMC触媒の「混合」とは、両者が全体として均一に混ざり合った状態をいい、初期工程では、両者がこのような「混合」状態にあることが必要である。
 本発明の製造方法の初期工程における混合手段としては、DMC触媒と開始剤(必要に応じて添加される成分を含む)を充分に混合できる手段であれば特に制限されない。混合手段として、通常は、撹拌手段が用いられる。撹拌手段の撹拌動力としては、4~500kW/mが好ましく、8~500kW/mがより好ましく、12~500kW/mが特に好ましい。ここで、撹拌動力は公知の値から算出される値のことであり、この値は耐圧反応容器内の内容物の容量および粘度、反応容器の形状、ならびに撹拌翼の形状および回転数などから算出される、内容物の単位液量あたりの所要動力である。本発明においては、上記反応液が耐圧反応容器内の内容物に該当する。
 本発明の製造方法の初期工程における撹拌手段としては、具体的には、撹拌翼、窒素ガス等の不活性ガスによるバブリング、電磁波、超音波等による撹拌が挙げられるが、攪拌翼による攪拌が好ましい。撹拌翼の好ましい例としては、特開2003-342361号公報に記載されている撹拌翼を挙げることができる。撹拌翼は特に大型翼が好ましく、神鋼パンテック社製FULLZONE(登録商標)翼、住友重機械工業社製MAXBLEND(登録商標)翼、などの大型翼を用いることができる。また、パドル翼、ピッチパドル翼、タービン翼、およびプロペラ翼などを用いることもできる。その際、耐圧反応容器の内径(内側の半径)に対して撹拌翼半径は、20~99%が好ましく、30~90%がより好ましく、40~80%が特に好ましい。撹拌翼半径は大きいほどずれ応力が大きくなり、粘性液体(開始剤)と粒子(DMC触媒)との接触機会が増える。したがって、本発明の製造方法における初期工程は、大きな撹拌翼半径を有する撹拌を備えた耐圧反応容器内で行うことが好ましい。
 本発明の初期工程に用いる耐圧反応容器の形状、材質は特に問わないが、材質は耐熱性のガラスまたは金属製容器が好ましい。
 次に、好ましくは耐圧反応容器内を窒素置換する。これにより反応液中の酸素が除去される。反応液中の酸素量としては対窒素量で1質量%以下が好ましい。
 本発明の初期工程における耐圧反応容器内の圧力は、絶対圧力で0.020MPa以下が好ましい。絶対圧力で0.015MPa以下がより好ましく、絶対圧力で0.010MPa以下が特に好ましい。絶対圧力で0.020MPaを超える場合は、重合に伴う耐圧反応容器内の空間容積の低下に伴う圧力上昇が激しくなるため好ましくない。なお、耐圧反応容器内の排気は、触媒の活性向上効果にはならないが、開始剤の水分が多すぎる場合に工程上必要な場合は、行ってもよい。
 ついで、反応液を撹拌しながら加熱して昇温した後、該反応液の温度が所定の初期温度にある状態で、環状モノマー(以下、初期工程用環状モノマーともいう。)を供給して反応させる(初期工程)。本明細書における初期温度とは、初期工程用環状モノマーの供給開始の際の反応液の温度をいう。
 反応液の初期温度は120~165℃であり、好ましくは125~150℃、特に好ましくは130~140℃である。初期温度が上記範囲の下限値以上であると触媒活性が格段に良くなり、上記範囲の上限値以下であると反応液に含まれる成分自身の熱分解が起こる心配がない。
 具体的には、反応液を撹拌しながら初期温度まで昇温し、該反応液の温度が維持された状態で環状モノマーの供給を開始することが好ましい。例えば、反応液が所定の初期温度に達したら加熱を止め、反応液の温度が降下しはじめる前に環状モノマーの供給を開始する。加熱を止めてから環状モノマーの供給開始までの時間は特に問わないが、効率の点から、1時間以内が好ましい。
 反応液を所定温度まで昇温させるための昇温時間は10分間~24時間が好ましく、15分間~2時間が特に好ましい。昇温時間が上記範囲の下限値以上であると反応液を均一に昇温することができ、上記範囲の上限値以下であると時間的に効率がよい。
 初期工程用環状モノマーは、ポリエーテル類の製造において、開始剤に重合させる環状モノマーであり、製造しようとするポリエーテル類がポリエーテルポリ(モノ)オールである場合、初期工程用環状モノマーは重合反応に用いられる環状エーテルである。また製造しようとするポリエーテル類がポリエステルエーテルポリ(モノ)オールであって、共重合反応において環状エステルまたは環状ポリカルボン酸無水物と環状エーテルとを重合させる場合、初期工程用環状モノマーは該共重合反応に用いられる環状エステルまたは環状ポリカルボン酸無水物と環状エーテルとの混合物である。ブロック重合の場合は該共重合反応に用いられる環状エステルまたは環状エーテルのいずれかである。
 初期工程用環状モノマーの供給量は、少なすぎるとDMC触媒の活性化が不充分となり、多すぎると暴走反応が起こる。したがって、反応液に含まれる開始剤の100質量部に対して5~20質量部とされる。8~15質量部が好ましく、10~12質量部が特に好ましい。
 初期工程用環状モノマーの供給は、耐圧反応容器を密閉した状態で行う。反応液に環状モノマーが供給されると、その直後は、未反応の環状モノマーの気化に伴って耐圧反応容器の内圧が上昇する。ついで、DMC触媒が初期活性化されると環状モノマーと開始剤との反応が生じ、耐圧反応容器の内圧が低下しはじめると同時に反応熱により反応液の温度が上昇する。供給された環状モノマーの全量が反応し終えると、耐圧反応容器の内圧は供給前と同程度にまで低下し反応熱による反応液の温度上昇はなくなる。
 本明細書における初期工程とは、初期工程用環状モノマーの供給を開始してから、該環状モノマーの反応終了までの工程をいう。初期工程用環状モノマーの反応終了は耐圧反応容器の内圧低下によって確認できる。すなわち、初期工程の終了とは、耐圧反応容器の内圧が環状モノマー供給前と同程度まで低下した時をいう。初期活性化工程は10分間~24時間が好ましく、15分間~3時間が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、DMC触媒を活性化することができ、上記範囲の上限値以下であると時間的に効率がよい。
 本発明では、初期工程における反応液の最高温度が、該反応液の初期温度より15℃~50℃高い。該最高温度は初期温度より20℃以上高いことが好ましく、25℃以上高いことが特に好ましい。環状モノマーと開始剤との反応による発熱量は大きいため、通常は、加熱を施さなくても反応液の温度は初期温度より15℃以上高い最高温度にまで上昇し、その後は冷却しなくても次第に温度が低下する。環状モノマーの量が多いほど、反応熱による反応液の温度上昇は大きい。反応液の冷却は、温度が上がり過ぎた時、必要に応じて行えばよい。最高温度に達した後は、温度が低下する時間を短縮するために反応液を冷却することが好ましい。
 反応液の加熱方法としては、熱媒による加熱、蒸気などの気体による加熱、電熱ヒーターによる加熱などが挙げられる。反応液および環状モノマーの性状の点から、熱媒や蒸気による加熱が好ましい。加熱設備としては、反応容器内部に加熱管を設ける設備、反応容器周囲に加熱槽を設ける設備、反応容器外の加熱槽へポンプを用いて循環冷却する設備等が挙げられる。反応容器周囲に熱媒が流通する加熱槽を設けるのが好ましい。
 反応液の冷却方法としては、冷媒による冷却、気体による冷却などが挙げられる。冷却効率の点から、水などの冷媒による熱交換での冷却方法が好ましい。冷却設備としては、反応容器内部に冷却管を設ける設備、反応容器周囲に冷却槽を設ける設備、反応容器外の冷却槽へポンプを用いて循環冷却する設備等が挙げられる。反応液の加熱方法とのバランス、および温度調節の点から、反応容器内部に冷却管を設けるのが好ましい。
 また、該冷媒の温度、冷媒の流通速度、冷媒の流通タイミングによって反応液の温度を制御することができる。
 該反応液の温度を初期温度よりも15℃以上高い温度にまで上昇させることにより、得られるポリエーテル類の分子量分布をより狭くできる。該反応液の最高温度が、初期温度との差が50℃を超えて高くなると反応容器の耐圧構造上好ましくない。
 該最高温度は、135~180℃が好ましく、145~180℃がより好ましく、150~180℃が特に好ましい。
 初期工程における反応液の温度は、環状モノマーと開始剤との反応に伴って該反応液の温度が上昇して最高温度に達した後、該環状モノマーの反応が終了するまで、初期温度以上の温度範囲に保たれることが好ましく、初期温度より15℃以上高い温度範囲に保たれることが特に好ましい。
b.重合工程
 初期工程終了後、反応系に環状モノマーを新たに供給するとともに、反応液の温度を所定の重合温度に調整し、撹拌しながら重合反応させることにより、目的のポリエーテル類を得る。
 すなわちポリエーテル類がポリエーテルポリ(モノ)オールである場合は、環状エーテルを新たに供給して重合反応を行う。また、初期工程に環状モノマーとして環状エーテルと他の環状エーテルとを使用した場合、重合工程に環状エーテルのみを使用しても、ポリエステルエーテルポリ(モノ)オールなどが得られる。
 また、初期工程の環状モノマーの如何にかかわらず、重合工程で環状エーテルと他の環状モノマーを併用することにより環状エーテル以外の環状モノマーが重合した単位を有するポリエーテル類が得られる。例えば、ポリエーテル類がポリエステルエーテルポリ(モノ)オールを製造する場合は、環状エーテルと環状エステルまたはカルボン酸無水物とを供給して共重合反応を行う。環状エーテルと環状エステルまたはカルボン酸無水物とを同時に供給して共重合反応を行うと、ランダム共重合鎖が形成される。また、環状エーテルと環状エステルとを別々に順次供給すると、ブロック共重合鎖が形成される。
 本発明の製造方法の重合工程に用いる耐熱反応容器としては、耐圧製オートクレーブ容器を用いるのがよいが、アルキレンオキシド等の沸点が高い場合は耐高圧でなくてもよい。材質は特に問わない。なお、反応容器は、上記初期工程で用いた容器をそのまま用いることが可能である。
 本発明の製造方法の重合工程において、DMC触媒存在下、初期工程の生成物(開始剤に環状モノマーが反応した化合物)と環状モノマーの反応時においては、反応液を、上記初期工程と同様、好ましくは4~500kW/m、より好ましくは8~500kW/m、特に好ましくは12~500kW/mの撹拌動力を用いて撹拌することが好ましい。撹拌翼については、プロペラ翼、パドル翼、マックスブレンド翼、ディスクタービンが使用でき、反応容器内を均一に混合するためには大型翼が好ましい。その他として、乳化や分散に使用されるディスパー、ホモミキサー、コロイドミル、ナウターミキサーなども使用できる。また、撹拌翼を用いず超音波による混合を用いてもよい。これらの撹拌方法は組み合わせて使用してもよい。一般的な撹拌翼を使用する撹拌法を用いる場合は、反応液に反応器の気相部のガスが多量に取り込まれて撹拌効率が低下することがない範囲で撹拌翼の回転速度をできるだけ速くすることが好ましい。
 本発明の重合工程における重合方法としては、バッチ法が好ましいが、環状モノマーおよび上記初期工程の生成物とDMC触媒とを含む混合物の添加と重合工程の生成物であるポリエーテル類の抜き出しを同時に行う連続法でも行うこともできる。特に、開始剤の水酸基1個あたりの平均分子量が300以下の場合は、連続法が好ましい。
 重合工程において環状モノマーが供給されると、その直後は、未反応の環状モノマーの気化に伴って耐圧反応容器の内圧が上昇する。ついで、環状モノマーの重合反応が生じ、耐圧反応容器の内圧が低下しはじめると同時に反応熱が生じる。供給された環状モノマーの全量が反応し終えると、耐圧反応容器の内圧は環状モノマー供給前と同程度にまで低下する。
 重合工程における環状モノマーの反応終了は耐圧反応容器の内圧低下によって確認できる。
 重合工程において環状モノマーを反応させる際の反応液の温度(重合温度)は、125~180℃が好ましく、125~160℃が特に好ましい。重合温度が上記範囲の下限値以上であると、良好な反応速度が得られ、最終生成物における未反応物の残存量を低くできる。また上記範囲の上限値以下であるとDMC触媒の高い活性が良好に保たれ、分子量分布を小さくできる。
 重合工程における環状モノマーの反応が終了した後、反応液を冷却し、反応生成物の精製を行うことが好ましい。
 重合工程における環状モノマーの供給速度は、得られる重合体の分子量分布を狭くできることから、できるだけ遅くすることが好ましいが、生産効率が低下するため、これらを比較衡量して定めることが好ましい。具体的な供給速度としては、最終生成物として予定しているポリエーテル類の全質量に対して1~200質量%/時間が好ましい。なお、重合反応途中での供給速度を逐次変えてもよい。
 本発明の重合工程における反応時間は10分~40時間が好ましく、30分~24時間が特に好ましい。反応時間が上記範囲の下限値以上であると反応の制御が可能であるが、上記範囲の上限値以下であると、効率の点で好ましい。
 本発明の重合工程における耐圧反応容器内の圧力は、操作や設備が容易である点で、絶対圧力で1MPa以下が好ましく、0.8MPa以下が特に好ましい。
 上記のようにDMC触媒を用いた重合を行って得られたポリエーテル類に、さらにDMC触媒以外の重合触媒を用いて、環状モノマーを開環付加重合させたものを最終のポリエーテル類としてもよい。該開環付加重合は、重合触媒として例えば水酸化カリウム等、アルカリ金属触媒を好適に用いて公知の手法で行うことができる。環状モノマーは上記に挙げたものを用いることができる。特に、重合工程において環状エーテルとしてエチレンオキシド単独以外のアルキレンオキシド(エチレンオキシドと他のアルキレンオキシドの混合物を含む)を使用した場合、生成するポリエーテル類の水酸基は反応性の低い水酸基(2級水酸基など)の割合が高くなる。したがって、ポリエーテル類の反応性を高めるために反応性の低い水酸基を1級水酸基とすることが好ましい場合が少なくない。この場合、エチレンオキシドを反応させて末端を1級水酸基に変換し、1級水酸基の割合の高いポリエーテル類を得ることが好ましい。エチレンオキシドを末端に開環付加させる反応にはDMC触媒の使用は不適当であり、アルカリ金属触媒を使用することが好ましい。本発明において、DMC触媒を使用した環状モノマーの重合の後に、DMC触媒以外の触媒を使用して環状モノマーを重合させる工程は、重合工程の一部とみなす。
 なお、本発明の製造方法により得られるポリエーテル類から、必要に応じて、DMC触媒の除去処理およびDMC触媒の失活処理を行なってもよい。その方法としては、例えば、合成珪酸塩(マグネシウムシリケート、アルミニウムシリケートなど)、イオン交換樹脂、および活性白土などから選択される吸着剤を用いた吸着法や、アミン、水酸化アルカリ金属、リン酸、乳酸、コハク酸、アジピン酸、酢酸などの有機酸およびその塩、または硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸による中和法、中和法と吸着法を併用する方法などを用いることができる。前記アルカリ金属触媒を使用した1級水酸基化を行った場合も、同様にアルカリ金属触媒を失活化し除去できる。
 こうして得られたポリエーテル類には、長期間の貯蔵時における劣化を防止するために、必要に応じて安定化剤を添加してもよい。
 安定化剤としてはBHT(ジブチルヒドロキシルトルエン)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
 本発明の製造方法で得られるポリエーテル類の水酸基価は150mgKOH/g以下が好ましく、120mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以下が特に好ましい。下限値は5mgKOH/gが好ましい。
 本発明の製造方法は、特定の温度で初期工程を行うことにより、得られるポリエーテル類の分子量分布(Mw/Mn)をより狭くすることができる。これによりポリエーテル類が低粘度化され取り扱い性が向上する。
 特に、水酸基価が小さい、高分子量のポリエーテル類は、分子量分布が広いほど数平均分子量が100,000以上の高分子量体が多く含まれ、ポリオールの粘度が著しく大きくなるため、分子量分布を狭くすることによる低粘度化の効果が大きい。
 例えば、本発明によれば、水酸基価が11.2mgKOH/g以下、好ましくは7.0mgKOH/g以下で、分子量分布が1.100以下、好ましくは1.090以下の、高分子量のポリエーテル類を製造することができる。
 本発明の製造方法により、分子量分布の狭いポリエーテル類を製造することができる。分子量分布の狭いポリエーテル類が得られる理由は明確ではないが、次のような理由であると推定している。DMC触媒は触媒製造時には、触媒活性がない凝集体としてのみ得ることができる。そこで、DMC触媒を用いた開環付加重合では、初期工程が必須である。この初期工程で、凝集体が解砕され、DMC触媒の表面積が増大し、触媒活性が発現する。このとき、開始剤とDMC触媒と環状モノマーを用い、初期温度よりも高い最高温度に達する条件で活性化を行うことにより、DMC触媒凝集体の解砕がより効率化され、触媒活性がより向上する。そして、触媒活性化後に重合工程で新たに環状モノマーを供給すると、環状モノマーの重合反応が終了するまで、該DMC触媒の高い活性が良好に保たれて、分子量が均一な重合体が多く生成されると考えられる。
[用途]
 本発明の製造方法で得られるポリエーテル類は、ポリイソシアネート化合物および任意に鎖延長剤と反応させて各種ポリウレタン製品とすることができる。ポリウレタン原料に使用されるポリエーテル類の水酸基数は前記のように2~8が好ましい。
 本発明の製造方法で得られるポリエーテル類は、特に軟質ポリウレタンフォーム用ポリオールとして好適である。軟質ポリウレタンフォームの製造において、特にポリエーテル類が高分子量でかつ分子量分布が小さいと、良好なフォーム外観、物性および振動特性が得られる。
 本発明の製造方法で得られるポリエーテル類は、ポリマー微粒子を含むポリマー分散ポリオールのための原料としても用いられる。該ポリマー分散ポリオールにおいて、特にポリエーテル類が高分子量でかつ分子量分布が小さいと、ポリマー分散ポリオール製造物の粘度上昇を抑えることができる。ポリマー分散ポリオールは軟質ポリウレタンフォーム用ポリオールとして好適である。
 本発明の製造方法で得られるポリエーテル類は、加水分解性シリル基含有ポリエーテル類の原料として使用することもできる。ポリエーテル類の水酸基に、公知の方法で、加水分解性シリル基を有する有機基を導入して加水分解性シリル基含有ポリエーテル類を製造できる。加水分解性シリル基含有ポリエーテル類は、シーリング材用硬化性組成物の硬化成分として好適に用いることができる。シーリング材用硬化性組成物において、硬化成分を構成する加水分解性シリル基含有ポリエーテル類が高分子量でかつ分子量分布が小さいと、特に、シーリング材内部も含めて硬化性が良好になり、また、粘度が低いため、作業性も向上する。さらには、分子量が均一になるため、硬化後の機械物性や耐久性に優れる。
 本発明によるポリエーテル類は、グリース用基油、コンプレッサー油、圧延油、ギヤー油、金属加工油、トラクションドライブ油、エンジン油、および掘削油などの機能性油剤;または界面活性剤等としても使用できる。これらの用途において、特にポリエーテル類が高分子量でかつ分子量分布が小さいと潤滑性、洗浄性、寿命の向上が期待できる。
 以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
 なお、水酸基価は、無水フタル酸のピリジン溶液で水酸基をエステル化し、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液による滴定方法(JIS K1557(2007年版)に準拠)で測定した。
 粘度測定は、E型粘度計VISCONIC EHD型(トキメック社製)を使用し、No.1ローターを用いてJIS K1557に準拠した。測定温度は、特に記載のない場合は、25℃での粘度を測定した。
<DMC触媒の製造>
(参考例1:DMC触媒の製造)
 本例において用いるポリオールXは、水酸化カリウム(KOH)触媒を用いてプロピレングリコールにプロピレンオキシド(以下、POと記す。)を開環付加重合し、さらに公知の方法で精製して製造した、数平均分子量(Mn)が1,000、水酸基価が112mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオールである。
 まず、500mLのフラスコ中に、塩化亜鉛の10.2gとイオン交換水の10gとからなる塩化亜鉛水溶液を調製し、40℃に保温しつつ、毎分300回転で撹拌した。これに、カリウムヘキサシアノコバルテート[KCo(CN)]の4.2gとイオン交換水の75gとからなる水溶液を30分間かけて滴下した。
 滴下終了後、さらに30分撹拌した後、tert-ブチルアルコール(以下、TBAと略す)の80g、イオン交換水の80g、およびポリオールXの0.6gからなる混合物を添加し、40℃で30分、さらに60℃で60分間撹拌した。得られた混合物を、直径125mmの円形ろ板と微粒子用の定量ろ紙(ADVANTEC社製のNo.5C)とを用いて加圧下(0.25MPa)でろ過し、50分で複合金属シアン化物錯体を含む固体(ケーキ)を得た。
 ついで、該ケーキをフラスコに移し、TBAの36gとイオン交換水の84gとからなる混合液を添加して30分間撹拌した後、前記と同じ条件で15分間加圧濾過を行ってケーキを得た。該ケーキをフラスコに移し、さらにTBAの108gとイオン交換水の12gとからなる混合液を添加して30分間撹拌し、複合金属シアン化物錯体を含むTBAのスラリーを得た。
 このスラリーに、ポリオールXの100gを添加し、80℃で3時間、さらに115℃で4時間減圧乾燥し、TBAを有機配位子として有する複合金属シアン化物錯体触媒(スラリー触媒(b1))を得た。スラリー触媒(b1)中の複合金属シアン化物錯体の濃度は4.1質量%であった。
<ポリエーテルポリオールの製造>
(実施例1:ポリエーテルポリオールの製造)
 本例で用いた開始剤(a1)は、KOH触媒を用いてグリセリンにPOを開環付加重合し、さらにキョーワド600S(製品名、合成吸着剤、協和化学工業社製)を用いて精製して製造した。数平均分子量(Mn)が1,500、水酸基価が112mgKOH/gのポリオキシプロピレントリオールである。
 耐圧反応容器としては、アンカー翼1組と、45°傾斜2枚羽根のパドル翼2組を取り付けた撹拌機を備えるとともに容器周囲に熱媒が流通する加熱槽を設け、冷却水が流通する冷却管が容器内部に設けられたステンレス鋼製(JIS-SUS-316)の耐圧反応器(容量10L、直径200mm、高さ320mm)を用いた。
 反応液の温度測定は、耐圧反応容器内部の下部に設置した温度計で液温を測定した。
 まず、耐圧反応容器内に、開始剤(a1)の1,000gと、参考例1で製造したスラリー触媒(b1)とを投入して反応液とした。スラリー触媒(b1)の投入量は、反応液中におけるスラリー触媒(b1)の金属の濃度(以下、初期触媒金属濃度という。)が32ppmとなる量とした。
 ついで、耐圧反応容器内を窒素置換した後、反応液を撹拌しながら加熱した。130℃(初期温度)に達したら加熱を止め、撹拌を続けながら、100g(開始剤の100質量部に対して10質量部)のPOを耐圧反応容器内に供給して反応させた。
 POを耐圧反応容器内に供給すると(初期工程の開始)、耐圧反応容器の内圧が一旦上昇した。その後漸次低下して、POを供給する直前の耐圧反応容器の内圧と同じになったことを確認した(初期工程の終了)。この間、内圧の低下が始まると、それに続いて反応液の温度が一旦上昇し、その後漸次低下した。反応液の最高温度は160℃であった。本例では、反応液の温度上昇が止まった後に冷却を行った。また、本初期工程にかかった時間は30分であった。
 その後、表1に示す環状モノマー1を反応させ、続いて環状モノマー2を反応させた。すなわち、反応液を撹拌しながら、130℃まで冷却したことを確認し、130℃を保ちながら、PO/エチレンオキシド(以下、EOともいう。)の混合物の2,993g(質量比9/1)を約500g/時間の速度で耐圧反応容器内に供給した。内圧の変化がなくなり、反応終了したことを確認した後、水酸化カリウムを添加して、120℃で2時間の脱水によるアルコラート化を行った。続いて、反応液を120℃に保ちながら、EOの1,000gを約200g/時間の速度で耐圧反応容器内に追加供給した。内圧の変化がなくなり、反応終了したことを確認した後、キョーワド600S(製品名、合成吸着剤、協和化学工業社製)を用いて触媒中和、除去作業を行った。
 こうして得られたポリエーテルトリオールの水酸基価、分子量分布(Mw/Mn)、および粘度を表1に記した。
(実施例2~5:ポリエーテルポリオールの製造)
 表1に記載のように初期触媒金属濃度、初期工程における環状モノマー供給量、温度条件、重合工程の環状モノマーの種類、供給量および供給速度が異なる以外は、実施例1と同様にしてポリエーテルポリオールを製造した。得られたポリエーテルポリオールの水酸基価、分子量分布(Mw/Mn)、および粘度は表1に記載した。
(実施例6:ポリエーテルポリオールの製造)
 製造条件詳細を表1に記した。実施例1と同様の反応容器内に、開始剤(a1)の400gと、参考例1で製造したスラリー触媒(b1)を投入して反応液とした。スラリー触媒(b1)の投入量は、初期触媒金属濃度が280ppmとなる量とした。
 ついで、耐圧反応容器内を窒素置換した後、反応液を撹拌しながら加熱し、130℃(初期温度)に達したら加熱を止めた。撹拌を続けながら、POの60g(開始剤の100質量部に対して15質量部)を耐圧反応容器に供給して反応させた。
 POを耐圧反応容器内に供給すると(初期工程の開始)、耐圧反応容器の内圧が一旦上昇し、その後漸次低下して、POを供給する直前の耐圧反応容器の内圧と同じになったことを確認した(初期工程の終了)。この間、内圧の低下が始まると、それに続いて反応液の温度が一旦上昇し、その後漸次低下した。反応液の最高温度は158℃であった。本例では、反応液の温度上昇が止まった後に冷却を行った。また、本初期工程にかかった時間は30分であった。
 その後、反応液を撹拌しながら、130℃まで冷却したことを確認し、130℃を保ちながら、POの7,540gを約300g/時間の速度で反応容器内に供給した。内圧の変化がなくなり、反応終了したことを確認した後、生成物を抜き出した。開環付加重合反応終了時の反応生成物中の金属量(以下、終了時触媒金属濃度という)は14ppmであった。
 こうして得られたポリエーテルトリオールの水酸基価、分子量分布(Mw/Mn)、および粘度を表1に記した。
(実施例7:ポリエーテルポリオールの製造)
 製造条件詳細を表1に記した。本例で用いた開始剤(a2)は、KOH触媒を用いてプロピレングリコールにPOを開環付加重合し、さらに公知の方法で精製して製造した、数平均分子量(Mn)が1,000、水酸基価が112mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオールである。
 実施例1と同様の反応容器内に、開始剤(a2)の1,000gと、参考例1で製造したスラリー触媒(b1)を投入して反応液とした。スラリー触媒(b1)の投入量は、反応液中におけるスラリー触媒(b1)の金属の濃度(以下、初期触媒金属濃度という。)が280ppmとなる量とした。
 次いで、耐圧反応容器内を窒素置換した後、反応液を撹拌しながら加熱し、130℃(初期温度)に達したら加熱を止めた。撹拌を続けながら、POの150g(開始剤の100質量部に対して15質量部)を耐圧反応容器内に供給して反応させた。
 POを耐圧反応容器内に供給すると(初期工程の開始)、耐圧反応容器の内圧が一旦上昇し、その後漸次低下して、POを供給する直前の耐圧反応容器の内圧と同じになったことを確認した(初期工程の終了)。この間、内圧の低下が始まると、それに続いて反応液の温度が一旦上昇し、その後漸次低下した。反応液の最高温度は158℃であった。本例では、反応液の温度上昇が止まった後に冷却を行った。また、本初期工程にかかった時間は40分であった。
 その後、反応液を撹拌しながら、130℃まで冷却したことを確認した後、130℃を保ちながら、POの7,460gを約700g/時間の速度で耐圧反応容器内に供給した。内圧の変化がなくなり、反応終了したことを確認した後、生成物を抜き出した。終了時触媒金属濃度は11ppmであった。
 こうして得られたポリエーテルジオールの水酸基価、分子量分布(Mw/Mn)、および粘度を表1に記した。
(実施例8:ポリエーテルポリエステルポリオールの製造)
 製造条件詳細を表1に記した。本例で用いた開始剤(a3)は、公知の方法でテトラヒドロフランの重合体により製造された、数平均分子量(Mn)が1,000、水酸基価が112mgKOH/gのポリテトラメチレングリコールである。
 実施例1と同様の反応容器内に、開始剤(a3)の1,000gと、参考例1で製造したスラリー触媒(b1)を投入して反応液とした。スラリー触媒(b1)の投入量は、反応液中における初期触媒金属濃度が26ppmとなる量とした。
 ついで、反応容器内を窒素置換した後、反応液を撹拌しながら加熱し、140℃(初期温度)に達したら加熱を止めた。撹拌を続けながら、100g(開始剤の100質量部に対して10質量部)のEO/ε-カプロラクトンの混合物(質量比1/1)を反応容器内に供給して反応させた。
 EO/ε-カプロラクトン混合物を反応容器内に供給すると(初期工程の開始)、耐圧反応容器の内圧が一旦上昇し、その後漸次低下して、EO/ε-カプロラクトン混合物を供給する直前の耐圧反応容器内の内圧と同じになったことを確認した(初期工程の終了)。この間、内圧の低下が始まると、それに続いて反応液の温度が一旦上昇し、その後漸次低下した。反応液の最高温度は165℃であった。本例では、反応液の温度上昇が止まった後に冷却を行った。また、本初期工程にかかった時間は25分であった。
 その後、反応液を撹拌しながら、140℃まで冷却したことを確認した後、140℃を保ちながら、EO/ε-カプロラクトン混合物(質量比1/1)の1,300gを約300g/時間の速度で耐圧反応容器内に供給した。内圧の変化がなくなり、反応終了したことを確認した後、生成物を抜き出した。終了時触媒金属濃度は11ppmであった。
 こうして得られたポリエーテルポリエステルジオールの水酸基価、分子量分布(Mw/Mn)、および粘度を表1に記した。
(実施例9:ポリエーテルモノオールの製造)
 製造条件詳細を表1に記した。本例で用いた開始剤(a4)は、数平均分子量(Mn)が150、水酸基価が374mgKOH/gのデシルアルコールである。
 実施例1と同様の反応容器内に、開始剤(a4)の1,000gと、参考例1で製造したスラリー触媒(b1)を投入して反応液とした。スラリー触媒(b1)の投入量は、反応液中における初期触媒金属濃度が32ppmとなる量とした。
 ついで、耐圧反応容器内を窒素置換した後、反応液を撹拌しながら加熱し、150℃(初期温度)に達したら加熱を止めた。撹拌を続けながら、EOの80g(開始剤の100質量部に対して8質量部)を耐圧反応容器内に供給して反応させた。
 EOを反応容器内に供給すると(初期工程の開始)、耐圧反応容器の内圧が一旦上昇し、その後漸次低下して、EOを供給する直前の耐圧反応容器の内圧と同じになったことを確認した(初期工程の終了)。この間、内圧の低下が始まると、それに続いて反応液の温度が一旦上昇し、その後漸次低下した。反応液の最高温度は170℃であった。本例では、反応液の温度上昇が止まった後に冷却を行った。また、本初期工程にかかった時間は30分であった。
 その後、反応液を撹拌しながら、120℃まで冷却したことを確認した後、120℃を保ちながら、EOの1,973gを約600g/時間の速度で耐圧反応容器内に供給した。内圧の変化がなくなり、反応終了したことを確認した後、生成物を抜き出した。終了時触媒金属濃度は11ppmであった。
 こうして得られたポリエーテルポリエステルジオールの水酸基価および分子量分布(Mw/Mn)を表1に記した。
(比較例1:ポリエーテルポリオールの製造)
 製造条件詳細を表2に記した。初期工程における環状モノマー供給量を50g(開始剤の100質量部に対して5質量部)にし、実施例1と同様に初期工程を開始した。耐圧反応容器の内圧が一旦上昇し、その後漸次低下して、POを供給する直前の耐圧反応容器の内圧と同じになったことを確認した(初期工程の終了)。この間、135℃を超えた時点で反応液の冷却を開始したが、反応液の温度が一旦上昇し、その後漸次低下した。反応液の最高温度は140℃であった。続いて、実施例と同様に開環付加重合を行った。また、本初期活性化工程にかかった時間は25分であった。
 こうして得られたポリエーテルトリオールの水酸基価、分子量分布(Mw/Mn)、および粘度を表2に記した。
(比較例2~9:ポリエーテルポリオールの製造)
 製造条件詳細を表2に記した。初期工程における環状モノマー供給量および温度条件以外は、それぞれ実施例2~9と同様に初期工程を経て、開環付加重合を行った。得られたポリエーテル類の水酸基価、分子量分布(Mw/Mn)、および粘度を表2に記した。
 比較例2~9と実施例2~9とは、冷却を開始した温度が異なり、したがって初期工程における最高温度が異なる。
 実施例、比較例に用いた開始剤は以下のとおりである。
 開始剤(a2):ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、製品名:エクセノール 1,020、数平均分子量(Mn):1,000)。
 開始剤(a3):ポリテトラメチレングリコール(三菱化学株式会社製、製品名:PTMG1,000、数平均分子量(Mn):1,000)。
 開始剤(a4):デシルアルコール(新日本理化株式会社製、製品名:コノール10N 、数平均分子量(Mn):150)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1、2の結果に示されるように、初期工程における反応液の最高温度と初期温度との差が0~10℃である比較例1~9に比べて、実施例1~9では、それぞれ最高温度を高くして初期温度との差を大きくしたことにより、分子量分布が比較例よりもさらに狭くなった。
<軟質ポリウレタンフォームの製造>
(実施例10、11)
 表3に示す配合で、本発明のポリエーテル類(ポリオール)を用いて軟質ポリウレタンフォームを製造し、評価した。評価には、実施例2で製造したポリエーテル類を用いた。
 また、原材料は以下のものを用いた。
[ポリマー分散ポリオール(c1)]
 グリセリンに水酸化カリウムを触媒として、POを開環付加重合させ、続いてEOを開環付加重合させて得られた水酸基価34mgKOH/gのポリエーテルポリオールをベースとして、アクリロニトリルおよびスチレンを共重合させた水酸基価24mgKOH/gのポリマー分散ポリオール。
[架橋剤(1)]
 ソルビトールに水酸化カリウムを触媒としてPOを開環付加重合させ、続いてEOを開環付加重合させて得られた、末端にEOを28質量%含む水酸基価450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[架橋剤(2)]
 ジエタノールアミン。
[破泡剤]
 グリセリンに水酸化カリウムを触媒として、POとEOの混合物(PO/EOの質量比が20/80)を開環付加重合させて得られた、水酸基価48mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[アミン触媒(1)]
 トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液。商品名:TEDA L33(東ソー社製)。
[アミン触媒(2)]
 ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液。商品名:TOYOCAT ET(東ソー社製)。
[整泡剤(1)]
 シリコーン整泡剤。商品名:SZ-1325(東レ・ダウコーニング社製)。
[整泡剤(2)]
 シリコーン整泡剤。商品名:SZ-1327(東レ・ダウコーニング社製)。
[発泡剤]
 水。
[ポリイソシアネート化合物(d1)]
 TDI-80(2,4-TDI80質量%と2,6-TDI20質量%の異性体比)80質量%とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称ポリメリックMDI)20質量%の混合物。商品名:コロネート1021(日本ポリウレタン工業社製)。
(軟質ポリウレタンフォームの成形)
 表3に示す配合のうち、ポリイソシアネート化合物(d1)を除く各成分の所定量を容量2Lのプラスチック製容器に量りとり、撹拌羽根付のミキサーを用い、毎分3,000回転で30秒間攪拌・混合し、ポリオールシステム液を調整した。
 次に、ポリイソシアネート化合物(d1)の所定量を容量500ccのプラスチック容器に量り取った。
 上記、ポリオールシステム液を液温30℃に、ポリイソシアネート化合物(d1)を液温25℃に調整後、ポリイソシアネート化合物(d1)をポリオールシステム液に投入し、上記ミキサーを用い、毎分3,000回転で5秒間撹拌・混合し、型温を60℃に調整した縦横400mm、厚さ100mmの上型が解放された状態のアルミニウム製金型に注入し、素早く上型を閉じ密閉状態で発泡・成形を行った。成形開始6分経過後、上型を開放して、軟質ポリウレタンフォームを取り出した。該軟質ポリウレタンフォームをクラッシングした後、室内(温度23℃、相対湿度50%)に24時間放置し、評価を行った。
 なお、クラッシングとは、軟質ポリウレタンフォームを金型から取り出した後、フォーム厚さに対して75%まで連続的に圧縮する工程のことである。
(評価)
 フォームの物性の評価結果を表3に示す。
 密度、25%硬さ、反発弾性率、引裂強さ、引張強さおよび伸び、圧縮残留ひずみおよび湿熱圧縮残留ひずみはJIS K6400(1997年版)に、共振振動数、共振伝達率、6Hz伝達率および10Hz伝達率はJASO B8407-82に準拠した方法で測定した。
 共振振動数の値が5Hz以下であれば、自動車用シートクッション用フォームとして用いたときに、人が敏感な周波数域の振動が効率良く減衰されて良好な乗り心地が得られる。共振伝達率、6Hzまたは10Hzの伝達率も小さいほうが、乗り心地が良好である。
 フォーム外観は、出来上がりのフォームを目視により観察し、収縮せずに形状を維持できるものを「良好」とした。収縮して形状を維持できないものを「収縮」とし、特に収縮が大きいものを「収縮大」とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3に示されるように、本発明のポリエーテル類(ポリオール)を用いた実施例10および11の軟質ポリウレタンフォームは、良好なフォーム外観およびフォーム物性を示し、自動車用シートクッション用フォームに適するものであった。
<シーリング材用組成物の製造>
 本発明のポリエーテル類(ポリオール)を用いて硬化性重合体を合成し、これを硬化成分とするシーリング材用組成物を製造し、評価した。
 下記の合成例1、2に示す方法で分子末端に加水分解性シリル基を有する重合体を合成した。ポリオールとして、実施例6または比較例6で製造したポリエーテル類を用いた。
(合成例1:ジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(e1)の合成)
 実施例6で製造したポリエーテル類の1,000gを2Lのステンレス製の耐圧容器に入れ、窒素パージ後、110℃で3時間脱水を行った。脱水後の水分含有量は50ppmであった。その後、液温を50℃にし、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液の26.5gを添加し、130℃に昇温して30分間撹拌した。温度は130℃のまま、真空ポンプで減圧にしながら、24時間攪拌をし、アルコラート化反応を行った。続いて、80℃に降温し、アリルクロライドの11.9gを添加し、4時間反応させた。減圧下で未反応の揮発成分を留去し、副生した無機塩などを除去精製し、アリル末端オキシプロピレン重合体を得た。不飽和基の定量から、水酸基の100%がアリル基に変換されていたことを確認した。得られた重合体の900gに対し、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン白金錯体のキシレン溶液(白金3質量%含有)を7ppm添加し、均一に撹拌した後、ジメトキシメチルシランの6.72gを添加し、85℃で5時間反応させた。その後2時間脱気を行い、最終的に、淡黄色で粘度が31.0Pa・sのジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(e1)を得た。
(合成例2:ジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(e2)の製造)
 実施例6で製造したポリエーテル類に対して、比較例6で製造したポリエーテル類を使用した以外は、合成例1と同じように反応させ、粘度が34.0Pa・sのジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(e2)を得た。
(実施例12、比較例11:シーリング材用硬化性組成物の製造)
 表4に示す配合で、シーリング材用の硬化性組成物を製造した。
 重合体(e1)または(e2)を用いて、表4に示す配合で、シーリング材用の硬化性組成物を調製し、性能を評価した。ただし、表中の数値は質量部を示す。
また、原材料および助剤は以下のものを用いた。
[充填材]
 膠質炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石工業社製)
 重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム工業)
 有機樹脂バルーン(商品名:MFL-80GCA松本油脂製薬社製)
 酸化チタン(商品名:R820、石原産業社製)。
[低モジュラス化剤]
 TMP-3TMS(トリメチロールプロパンのトリストリメチルシリル体)と、フェノキシトリメチルシランとを質量比3対1で混合したものを用いた。
[可塑剤]
 ジイソノニルフタレート(略称:DINP)(商品名:ビニサイザー90、花王社製) エポキシ系可塑剤(商品名:サンソサイザーE-PS、新日本理化社製)。
[アクリルオリゴマー]
 多官能アクリル基含有化合物(商品名:KAYARAD DPCA20、日本化薬社製)。
[チクソ性付与剤]
 水添ひまし油系チクソ性付与剤(商品名:ディスパロン#305、楠本化成社製)。
[紫外線吸収剤]
 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(商品名:チヌビン326、チバ・スペチャルテイー・ケミカル社製)。
[酸化防止剤]
 ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(商品名:イルガノックス1135、チバ・スペチャルテイー・ケミカル社製)。
[接着性付与剤]
 シランカップリング剤(商品名:KBM403、信越化学工業社製)。
[硬化剤]
 ビス(2-エチルヘキサン酸)スズ(エーピーアイコーポレーション社製)とラウリルアミン(和光純薬工業社製)とを質量比6対1で混合したものの4質量部、ジイソノニルフタレート(略称DINP)(商品名:ビニサイザー90、花王社製)の6質量部、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム工業社製)の15質量部、カオリンクレー(商品名:グロマックスLL、竹原化学工業社製)の5質量部とを混合したものを用いた。
(硬化性組成物の製造および評価)
 表4に記載の主剤と硬化剤とを、ステンレス製のヘラを用いて、平滑な平台の上で、10分程度充分に混練して、JIS A1439に基づいてH型試験体を作成した。また、同時に、JIS A1439に準拠して、温度23℃、湿度50%雰囲気下で、タックフリータイムを測定した。なお、タックフリータイムとは、配合物の表面硬化時間であり、測定は下記のようにして行った。
 PETフィルム上に主剤と硬化剤とを混練した配合物を2~3mmの厚みで広げ、人差し指の表面をエチルアルコールで脱脂し、その指で、配合物表面を触る。指に配合物がつかなくなった時点の時間を、タックフリータイムとする。
[H型物性]
 作成したH型試験体を温度23℃、湿度65%で1週間養生し、さらに温度50℃、湿度65%で1週間養生を行ってH型試験体の硬化物を作成した。得られた硬化物について、テンシロンにて引張物性の測定(H型物性)をし、硬化物の50%引張応力(N/mm)(以下、「M50」ともいう。)、最大引張応力(N/mm)(以下、「Tmax」ともいう。)、および破断時の伸度の伸び率(%)(以下、「引張破断伸度」、または「E」ともいう。)を測定した。
[耐久性]
 耐久性は、JIS A5758(2004年版)に記載の耐久性区分9030に準拠して測定した。耐久性試験後の被着体と硬化物との接着界面の亀裂を確認し、その亀裂がないものを◎(最優良)とし、一部に亀裂があるが非常に小さくかつ0.5mm未満程度の極浅い場合を○(優良)とし、全面に渡っておよそ1mm程度の浅い亀裂があるものを△(良)、全面に渡って1mm以上の深い亀裂があるものを×(不良)とした。
 結果を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4に示されるように、本発明のポリエーテル類(ポリオール)を用いて得られた実施例12の硬化物は、シーリング材として充分な機械特性と耐久性を有した。また、硬化性組成物は、良好な硬化速度を有するため、良好な作業性を有した。一方、比較例11は分子量分布の広いポリエーテル類を用いたので、硬化性組成物の作業性および硬化物の耐久性が不充分であった。
 以上のように、本発明の製造方法を用いれば、分子量分布の狭いポリエーテル類を製造することができ、それを用いた軟質ポリウレタンフォームやシーリング材は良好な特性を有する。
 本発明によって得られるポリエーテル類は、ポリウレタンや加水分解性シリル基含有ポリエーテル類の原料として使用できる。また、機能性油剤や界面活性剤等の原料として使用できる。
 なお、2009年10月05日に出願された日本特許出願2009-231934号の明細書、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (14)

  1.  複合金属シアン化物錯体触媒の存在下で、開環付加重合しうる環状モノマーであって少なくともその一部が環状エーテルである環状モノマーを、水酸基を有する開始剤に開環付加重合させて、水酸基を1個以上有するポリエーテル類を製造する方法であって、
     前記開始剤と前記複合金属シアン化物錯体触媒とを含む反応系に、開始剤の100質量部に対して5~20質量部となる量の環状モノマーを供給して反応させる初期工程と、該初期工程後の反応系に環状モノマーを供給して開環付加重合させる重合工程とを有し、
     前記初期工程において環状モノマーを供給開始する時点の反応系の温度が120~165℃であり、前記初期工程における環状モノマー供給後の反応系の最高温度が、前記環状モノマー供給開始時点の温度より15~50℃高いことを特徴とするポリエーテル類の製造方法。
  2.  環状エーテルがアルキレンオキシドである、請求項1に記載のポリエーテル類の製造方法。
  3.  前記環状エーテル以外の環状モノマーが、環状エステル、環状ポリカルボン酸無水物または環状カーボネートである、請求項1または2に記載のポリエーテル類の製造方法。
  4.  初期工程において供給する環状モノマーと重合工程において供給する環状モノマーが同一である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  5.  初期工程において供給する環状モノマーと重合工程において供給する環状モノマーが異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  6.  初期工程において供給する環状モノマーがプロピレンオキシドである、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  7.  初期工程において供給する環状モノマーがプロピレンオキシドであり、重合工程において供給する環状モノマーがプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  8.  重合工程において供給する環状モノマーがアルキレンオキシドとアルキレンオキシドに対して等モル以下の量の環状エステルとの混合物である、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  9.  前記重合工程が、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下で環状モノマーの重合を行った後、生成したポリエーテル類の水酸基に、アルカリ触媒の存在下でエチレンオキシドを開環付加重合させる工程を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  10.  得られるポリエーテル類中の環状エーテルが開環した単位と環状エーテル以外の環状モノマーが開環した単位の合計に対する環状エーテルが開環した単位の割合が、50~100モル%である、請求項1~9のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  11.  得られるポリエーテル類が、水酸基数1~12、水酸基価5~150mgKOH/gである、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  12.  得られるポリエーテル類が、水酸基数2~6、水酸基価5~40mgKOH/g、環状モノマーが開環した単位の全量に対するプロピレンオキシドが開環した単位の割合が、70~100モル%である、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリエーテル類の製造方法。
  13.  請求項12に記載の製造方法で得られたポリエーテル類を軟質ポリウレタンフォームの原料であるポリエーテルポリオールとして使用する、ポリエーテル類の使用。
  14.  請求項12に記載の製造方法で得られたポリエーテル類を加水分解性シリル基含有ポリエーテル類の原料として使用する、ポリエーテル類の使用。
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