WO2011040304A1 - チーズ含有食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2009年9月29日に、日本に出願された特願2009-224266号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
しかし、従来、軟質チーズ含有量の高い原料を用いた食品は、その口溶けの滑らかさ、風味等の品質を充分に備えていなかった。これらの品質を特に左右する要因は、加熱工程にある。
一方、ジュール加熱方式は、通電により原料そのものを発熱させるため、温度制御が容易で、流動性の食品を比較的均一に加熱できる方式として知られている(特許文献2)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、軟質チーズ含有量の高い原料を用いて、口溶けの滑らかさ、風味等の品質を充分に備えたチーズ含有食品を製造することを課題とする。
本発明は以下の態様を有する。
(1)軟質チーズを70~100質量%含有する混合原料を、ジュール加熱機により加熱した後に高速剪断クッカーで均質化する加熱均質化工程を2回以上行うことを特徴とするチーズ含有食品の製造方法。
(2)混合原料の水分含量が48~61質量%である(1)に記載のチーズ含有食品の製造方法。
(3)混合原料の脂肪/タンパク質の質量比が3.0~12である(1)又は(2)に記載のチーズ含有食品の製造方法。
(4)最後の均質化工程の後に、容器内に充填する工程を備える(1)~(3)の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法。
(5)ジュール加熱機と高速剪断クッカーが環状に接続された装置を用いて、前記加熱均質化工程を行う(1)~(4)の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法。
(6)(1)~(5)の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法により製造されることを特徴とするチーズ含有食品。
本発明は、また以下の側面を有する。
<1>チーズ含有食品の製造方法であって、(1)軟質チーズを70~100質量%含有する軟質チーズ含有混合物を、ジュール加熱機により加熱すること、及び(2)前記加熱した軟質チーズ含有混合物を高速剪断クッカーで剪断しながら攪拌すること、を含み、ここで、前記工程(1)及び(2)を含む一連の工程は2回以上行われる、前記チーズ含有食品の製造方法。
<2>前記軟質チーズ含有混合物の水分含量が48~61質量%である、<1>に記載のチーズ含有食品の製造方法。
<3>前記軟質チーズ含有混合物の脂肪/タンパク質の質量比が3.0~12である、<1>又は<2>に記載のチーズ含有食品の製造方法。
<4>加熱した軟質チーズ含有混合物を高速剪断クッカーで剪断しながら攪拌する、最後の工程の後に、前記工程で処理した軟質チーズ含有混合物を容器内に充填することを更に含む、<1>~<3>の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法。
<5>前記工程(1)及び(2)を含む一連の工程において、ジュール加熱機と高速剪断クッカーが環状に接続された装置を用いる、<1>~<4>の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法。
<6> <1>~<5>の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法により製造される、チーズ含有食品。
本発明に用いる混合原料、すなわち軟質チーズ含有混合物は、軟質チーズを70~100質量%含有する。本発明でいう軟質チーズとは、MFFB(moisture on a fat-free basis;チーズから脂肪を除いた質量中の水分含量)が、67%以上のチーズである。
本発明に用いる軟質チーズは、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、又はこれらの混合物でもよいが、プロセスチーズはナチュラルチーズを一度加熱溶融したものなので、チーズ特有の風味がナチュラルチーズに比べ損なわれる。そのため、本発明に用いる軟質チーズは、ナチュラルチーズのみであることが好ましい。
ナチュラルチーズである軟質チーズとしては、クリームチーズ、クワルク、ニューシャテル、フロマージュブラン、トフェン、マスカルポーネ、リコッタ、プチスイス、ベーカーズチーズ、ラブネ、及びトヴォログ等が挙げられる。本発明に用いる軟質チーズは、二種以上の軟質チーズを組み合わせて用いてもよい。
プロセスチーズである軟質チーズとしては、上記ナチュラルチーズの何れか一種を、又は上記ナチュラルチーズの二種以上を組み合わせたものを、60%以上含有する原料を、加熱溶融後冷却したものが挙げられる。
安定剤としては、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、及びトラガントガム等が挙げられる。増粘剤としては、カラギーナン、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸プロピレングリコール、及びアルギン酸塩等が挙げられる。
乳化剤は、通常のプロセスチーズ、チーズフード又は乳等を主要原料とする食品の製造に一般的に用いられる乳化剤であることが好ましい。例えば、クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム(結晶)、ピロリン酸四ナトリウム(無水)、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二ナトリウム(結晶)、リン酸水素二ナトリウム(無水)、リン酸二水素ナトリウム(結晶)、リン酸二水素ナトリウム(無水)、リン酸三ナトリウム(結晶)、及びリン酸三ナトリウム(無水)等が挙げられる。
乳化剤の添加量は軟質チーズ含有混合物全体に対して、0.05~5質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましい。
本発明によれば、脂肪/タンパク質の質量比が3.0以上で、口溶け感に優れるチーズ含有食品を製造でき、しかも、オイルオフを防止しやすい。
本発明の第1実施形態の製造方法に用いる装置を図1に示す。図1の装置は、環状流路1に、高速剪断クッカー10、ジュール加熱機21、及び22が順次設けられている。また、高速剪断クッカー10の下流側には、ポンプ40が設けられ、ジュール加熱機21、及び22の各々の下流側には、スタティックミキサー31、及び32が各々設けられている。また、ポンプ40の下流側であって、ジュール加熱機21の上流側には、三方切換弁50が設けられ、前記三方切換弁50から取り出し流路51が分岐している。
高速剪断クッカーとしては、例えば、ステファン社製又はニチラク社製のクッカー等が挙げられる。
ジュール加熱機は、それ自体に撹拌機構を備えないため、本実施形態では、下流側にスタティックミキサー31、及び32を配置している。スタティックミキサーは、駆動部のない静止型混合器で、別名インラインミキサーとも呼ばれている。スタティックミキサーは、管路内に、ねじれ面を有するエレメントを備えている。飲食物は、このエレメントを通過する際、エレメントから分割・転換・反転の作用を受け、殆ど剪断力を受けることなく混合されるようになっている。
ポンプ40としては、例えば、遠心ポンプ、又は定量ポンプが使用される。
三方切換弁50は、ポンプ40側が共通ポート、ジュール加熱機21側が常開ポート、取り出し流路51側が常閉ポートとなっている。
ここで、軟質チーズ含有混合物の「均質化」とは、軟質チーズ含有混合物を前記高速剪断クッカーで剪断しながら攪拌することにより、前記軟質チーズ含有混合物の任意の一部分を他の任意の一部分と比較したときに、その含有物の成分比が同一であり、その各種特性も同一になるようにすることである。
循環回数が少ない場合(加熱均質化工程の回数が少ない場合)、すなわち、前記(1)軟質チーズを70~100質量%含有する軟質チーズ含有混合物を、ジュール加熱機により加熱する工程、及び(2)前記加熱した軟質チーズ含有混合物を高速剪断クッカーで剪断しながら攪拌する工程を含む一連の工程の実行回数が少ない場合、ジュール加熱機21、及び22の各々による温度上昇を大きくしなければならない。そのためには、軟質チーズ含有混合物のジュール加熱機21、及び22を通過する速度を遅くしなければならない。特に循環が1回のみ(加熱均質化工程が1回のみ、ジュール加熱機21、及び22を通過する回数が1回のみ)の場合、ジュール加熱機22の出口温度を一度に所望の温度とするため、ジュール加熱機21、及び22の各々の温度上昇幅を大きくする必要があり、その結果、軟質チーズ含有混合物のジュール加熱機21、及び22を通過する速度を特に遅くしなければならない。循環が1回のみでは、オイルオフを充分に防止できない場合がある。
容器の材質としては、アルミニウム箔、プラスチック、及び紙等、適宜のものが使用できる。中でもアルミニウム箔は、安価でしかも内容物の保存性に優れるので好ましい。アルミニウム箔を用いた容器の具体的形状としては、例えば特開平7-313054号に記載されたボトムシェルホイルとトップホイルを組み合わせた、いわゆる6Pチーズ形態のものが挙げられる。
本発明の第2実施形態の製造方法に用いる装置を図2に示す。図2において、図1と同じ構成部材には、図1と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図2の装置は低速回転溶融釜60から始まる直列流路(非環状流路)2に、ジュール加熱機21、高速剪断クッカー10A、ジュール加熱機22、及び高速剪断クッカー10Bが順次設けられている。すなわち、ジュール加熱機と高速剪断クッカーが交互に設けられている。
また、低速回転溶融釜60の下流側には、ポンプ40が設けられ、ジュール加熱機21、及び22の各々の下流側には、スタティックミキサー31、及び32が各々設けられている。
高速剪断クッカー10A、及び10Bは、図1の高速剪断クッカー10と同様のものである。
図2の装置では、軟質チーズ含有混合物を、ジュール加熱機により加熱した後に高速剪断クッカーで剪断しながら攪拌して均質化する、加熱均質化工程を2回行うこととなる。
高速剪断クッカー10Bから軟質チーズ含有混合物を流出させた後は、充填機70に導き、容器に充填する(容器充填工程)。これにより、容器に充填されたチーズ含有食品が得られる。
容器の材質、及び形状としては、第1実施形態で説明したとおりのものを使用できる。
図1の装置において、ジュール加熱機22及びスタティックミキサー32を省略した装置を用いて行ってもよい。ただし、その場合、循環回数を増やすべきである。一つのジュール加熱機で大幅に加熱することは、オイルオフを招きやすくするからである。
図2の装置において、高速剪断クッカー10A又は高速剪断クッカー10Bの上流側に、更に1以上のジュール加熱機とスタティックミキサーを追加してもよい。高速剪断クッカー10Bの下流側に、更に1以上のジュール加熱機とスタティックミキサー、及び高速剪断クッカーを追加してもよい。
何れの場合にも、最後の加熱均質化工程後にジュール加熱機による加熱を行なわないことが好ましい。例えば、図2の装置において、高速剪断クッカー10Bの下流側に、更にジュール加熱機のみ、又はこれとスタティックミキサーのみを追加することは好ましくない。ジュール加熱機による加熱の後には、高速剪断クッカーによる均質化が行われることが好ましい。
<試験例1>
(目的)
この試験は、水分含有量が品質に与える影響を確認すると共に、適切な水分含有量を検索する目的で実施した。
原料の配合量を表1に示すようにした他は後述の実施例1と同様にして軟質チーズ含有混合物を加熱し、取り出し流路51から充填機70に送液してアルミ箔に充填したものを試料1~5とした。なお、試料番号3として示した試料の配合が、実施例1の試料の配合である。
試料1~5について、下記の評価結果の数値等を、表2に示す。
a)水分含量
水分含量を、各原料の水分含量と配合量から、計算により求めた。
滑らかさは、10名のパネラーが以下の基準で評価した結果の平均値で示した。
5 非常に滑らか。
4 滑らか。
3 やや滑らか。
2 滑らかさをあまり感じない。
1 滑らかではない。
クリームチーズの風味は、10名のパネラーが以下の基準で評価した結果の平均値で示した。
5 強く感じる。
4 感じる。
3 やや感じる。
2 あまり感じない。
1 全く感じない。
突き刺し硬度は、山電社製クリープメーターRE2-33005Sを用い、直径8mmのプランジャーで、進入速度5mm/s、進入距離11.25mmの条件にて測定した。
剥離状態は、所定の方法により均質化した軟質チーズ混合物を、アルミ箔に充填し、10℃に冷却した後にアルミ箔を剥き、アルミ箔からの剥離状態を観察した。その結果、剥離状態が良好で殆どアルミ箔にチーズの付着が見られなかったものを○、一部チーズの付着が見られたが剥離したものを△、アルミ箔にチーズが付着し剥離しなかったものを×とした。
表2に示すように、チーズ含有食品は、水分含量48~61質量%の範囲で、滑らかさ及び風味の点で優れていた。また、チーズ含有食品は、水分含量が大きくなるほど、硬度が低下し、アルミ包装に付着しやすいが、水分含量61質量%までは、剥離可能であった。
以上のように、滑らかな口溶けを有するポーションタイプのチーズ製造にあたっては、水分含量の管理が重要であり、48~61質量%とすることが好ましいことが分かった。
また、本発明の方法は、原料中の水分を管理すれば、完成品の水分を管理できるので、滑らかな口溶けを有するポーションタイプのチーズ製造に有効であることが分かった。
(目的)
この試験は、流量と循環回数が、チーズ含有食品の品質に与える影響を確認する目的で実施した。
循環回転数と流量を表3に示すように変更した他は、後述の実施例1と同様にして軟質チーズ含有混合物を加熱し、取り出し流路51から充填機70に送液してアルミ箔に充填したものを試料11~15とした。なお、試料番号15の条件が、実施例1の条件を示す。
試料11~15について、下記の評価結果の数値等を、表3に示す。
f)循環回転数
循環回転数は、取り出し流路51から取り出すまでに、軟質チーズ含有混合物がジュール加熱機21を通過した回数である。
スタティックミキサー32の下流側に設置した山武社製MGG10Cにより流量を測定した。
なお、後述の実施例、及び比較例における流量も同様にして測定した。
最終温度は、高速剪断クッカー10に付属の温度計により測定した、軟質チーズ含有混合物が取り出し流路51に送液される直前の温度である。
アルミ箔に試料を充填し、10℃に冷却後目視にてオイルオフの有無を判断した。その結果、オイルオフが認められなかったものを○とし、認められたものを×とした。
表3に示すように、循環回転数が1回の場合はオイルオフを招くことが分かった。
(原料)
軟質チーズ含有混合物の原料は下記に示す成分比率とした。
なお、各原料中の脂肪含量は、レーゼゴットリーブ法により求めた。各原料中のタンパク質含量は、ケルダール法により求めた。各原料中の水分含量は、混砂乾燥法により求めた。
脂肪含量:34質量%
タンパク質含量:8質量%
脂肪/タンパク質の質量比:4.2
水分含量:54質量%
脂肪含量:83質量%
タンパク質含量:0.5質量%
脂肪/タンパク質の質量比:166.2
水分含量:15.5質量%
脂肪含量:1質量%
タンパク質含量:81質量%
脂肪/タンパク質の質量比:0.012
水分含量:5質量%
キサンタンガム:0.1kg
ポリリン酸ナトリウム:1kg
水:15kg
脂肪含量:33質量%
タンパク質含量:9質量%
脂肪/タンパク質の質量比:3.8
水分含量:54質量%
図1に示す構成の装置を用いた。
高速剪断クッカー10として、ステファン社製ステファンクッカーを用いた。回転翼の回転速度は1500rpmとした。ジュール加熱機21、及び22として、フロンティアエンジニアリング社製FJCC2S2Mを用いた。スタティックミキサー31、及び32として、フロンティアエンジニアリング社製を用いた。ポンプ40として、イワキウォケッシャー社製WRU-130を用いた。充填機70として、Sapal社製ML-4を用いた。
上記原料の総てを、予め40℃に調整してから高速剪断クッカー10に投入し、2分間加熱攪拌して軟質チーズ含有混合物とした。その後、循環加熱を開始した。軟質チーズ含有混合物が循環して高速剪断クッカー10に戻ってきた際は、その都度最初と同じ条件で2分間加熱攪拌した。
循環時のジュール加熱機21、及び22における流量と、各装置における循環回数毎の温度を表4に示す。軟質チーズ含有混合物を4回循環させた後、取り出し流路51から充填機70に送液してアルミ箔に充填した。
表4において、「クッカー内」の欄に示した数値は、高速剪断クッカー10内に配置された付属温度計にて、高速剪断クッカー10から排出する直前に測定した温度を表す。「ジュール入口」の欄に示した数値は、ジュール加熱機21の入口に配置した西野製作所社製NPS-102にて測定した温度を表す。「ジュール出口」の欄に示した数値は、ジュール加熱機22の出口に配置した西野製作所社製NPS-102にて測定した温度を表す。
(原料)
実施例1と同じ原料を用いた。
(装置)
図2に示す構成の装置を用いた。
高速剪断クッカー10A、及び10Bとしては、実施例1の高速剪断クッカー10と同じものを用い、実施例1と同条件で稼働させた。
ジュール加熱機21、及び22は、実施例1のジュール加熱機21、及び22と同じものを用い、実施例1と同条件で稼働させた。スタティックミキサー31、及び32、ポンプ40、並びに充填機70も、実施例1と同じものを用いた。
低速回転溶融釜60は、ニチラク機械社製MLM-90074を用いた。撹拌翼の回転速度は60rpmとした。
上記原料の総てを、予め40℃に調整してから低速回転溶融釜60に投入し、5分間加熱攪拌して軟質チーズ含有混合物を調整した。その後、前記軟質チーズ含有混合物を、ジュール加熱機21に送液し、表5に示す流量で通過させ、高速剪断クッカー10Aに送液した。前記軟質チーズ含有混合物を、高速剪断クッカー10Aで1分間加熱攪拌後、ジュール加熱機22に送液し、表5に示す流量で通過させ、高速剪断クッカー10Bに送液した。送液した前記軟質チーズ含有混合物を、高速剪断クッカー10Bで1分間加熱攪拌後、充填機70に送液してアルミ箔に充填した。
表5において、「溶融釜内」の欄に示した数値は、低速回転溶融釜60内に配置された付属温度計にて、低速回転溶融釜60から排出する直前に測定した温度を表す。「ジュール入口」の欄に示した数値は、ジュール加熱機21の入口に配置した西野製作所社製NPS-102にて測定した温度を表す。「ジュール中間」の欄に示した数値は、ジュール加熱機21の中間に配置した西野製作所社製NPS-102にて測定した温度を表す。「クッカーA内」の欄に示した数値は、高速剪断クッカー10A内に配置された付属温度計にて、高速剪断クッカー10Aから排出する直前に測定した温度を表す。「ジュール出口」の欄に示した数値は、ジュール加熱機22の出口に配置した西野製作所社製NPS-102にて測定した温度を表す。「クッカーB内」の欄に示した数値は、高速剪断クッカー10B内に配置された付属温度計にて、高速剪断クッカー10Bから排出する直前に測定した温度を表す。
(原料)
実施例1と同じ原料を用いた。
(装置)
図3に示すように、高速剪断クッカー10A、及び10Bを除いた他は、実施例2と同じ構成の装置を用い、下記製造方法において特に断りのない限り、実施例2と同条件で稼働させた。
上記原料の総てを、予め40℃に調整してから低速回転溶融釜60に投入し、5分間加熱攪拌して、軟質チーズ含有混合物を調整した。その後、前記軟質チーズ含有混合物を、ジュール加熱機21に送液し、次いでジュール加熱機22に送液した後、充填機70に送液してアルミ箔に充填した。ジュール加熱機21、及び22を通過する際の流量、及び各位置における温度は、表5に示すとおりである。
(原料)
実施例1と同じ原料を用いた。
(装置)
図4に示すように、高速剪断クッカー10Bを除いた他は、実施例2と同じ構成の装置を用い、下記製造方法において特に断りのない限り、実施例2と同条件で稼働させた。
上記原料の総てを、予め40℃に調整してから低速回転溶融釜60に投入し、5分間加熱攪拌して軟質チーズ含有混合物を調整した。その後、前記軟質チーズ含有混合物を、ジュール加熱機21に送液し、表5に示す流量で通過させ、高速剪断クッカー10Aに送液した。軟質チーズ含有混合物を、高速剪断クッカー10Aで1分間加熱攪拌後、ジュール加熱機22に送液し、表5に示す流量で通過させた後、充填機70に送液してアルミ箔に充填した。各位置における温度は、表5に示すとおりである。
表5の結果から、本発明によればオイルオフを抑制できることが分かった。
Claims (6)
- チーズ含有食品の製造方法であって、
(1)軟質チーズを70~100質量%含有する軟質チーズ含有混合物を、ジュール加熱機により加熱すること、及び
(2)前記加熱した軟質チーズ含有混合物を高速剪断クッカーで剪断しながら攪拌すること、を含み、
ここで、前記工程(1)及び(2)を含む一連の工程は2回以上行われる、前記チーズ含有食品の製造方法。 - 前記軟質チーズ含有混合物の水分含量が48~61質量%である、請求項1に記載のチーズ含有食品の製造方法。
- 前記軟質チーズ含有混合物の脂肪/タンパク質の質量比が3.0~12である、請求項1又は2に記載のチーズ含有食品の製造方法。
- 加熱した軟質チーズ含有混合物を高速剪断クッカーで剪断しながら攪拌する、最後の工程の後に、前記工程で処理した軟質チーズ含有混合物を容器内に充填することを更に含む、請求項1~3の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法。
- 前記工程(1)及び(2)を含む一連の工程において、ジュール加熱機と高速剪断クッカーが環状に接続された装置を用いる、請求項1~4の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法。
- 請求項1~5の何れか一項に記載のチーズ含有食品の製造方法により製造される、チーズ含有食品。
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