JP2009224266A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の劣化を抑制しつつ運転性能を確保することを目的とする。
【解決手段】本発明は、電解質膜と、アノード電極と、カソード電極と、各電極に反応ガスを供給するセパレータと、セパレータに反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、アノード電極とカソード電極とを電気的に導通する通電路に、断接可能に設けられた電気負荷と、通電路に断接可能に設けられ、カソード電極に正電位を、アノード電極に負電位を印加する電源と、を備えた燃料電池システムであって、カソードガスの供給を停止した後に、電気負荷を接続してカソード電極側の酸素を消費し、その後カソード電極で水素を生成する水素生成手段(S2)と、カソード電極で水素を生成した後に、電源を接続してそのカソード電極で生成させた水素を消費し、そのカソード電極内の水分を、電解質膜を介してアノード電極へ移動させる水分移動手段(S3)と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は燃料電池システムに関する。
従来の燃料電池システムは、システムの起動停止時にアノード電極とカソード電極とを電気的に接続することでカソード電極側の酸素を消費させて、カソード電位を下げていた。これにより、酸化されたカソード電極の触媒を還元させて触媒の活性能力を回復できるほか、システムの起動停止時における触媒の劣化を抑制できる(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−249075号公報
しかしながら、従来の燃料電池システムでは、カソード電極側の酸素を消費させたときにカソード電極で発生する水がカソードガスの拡散を阻害し、燃料電池の出力を低下させ、運転性能を悪化させるという問題点があった。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、触媒の劣化を抑制しつつ運転性能を確保することを目的とする。
ことを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、電解質膜(111)と、前記電解質膜(111)の一方の面に設けられたアノード電極(112)と、前記電解質膜(111)の他方の面に設けられたカソード電極(113)と、前記アノード電極(112)及び前記カソード電極(113)の表面にそれぞれ設けられ、各電極に反応ガスを供給するセパレータ(12,13)と、前記セパレータ(12,13)に反応ガスを供給する反応ガス供給機構(3,4)と、前記アノード電極(112)と前記カソード電極(113)とを電気的に導通する通電路(51)に、断接可能に設けられた電気負荷(5)と、前記通電路(51)に断接可能に設けられ、前記カソード電極(113)に正電位を、前記アノード電極(112)に負電位を印加する電源(6)と、を備えた燃料電池システム(1)であって、前記カソード電極(113)の表面に設けられたセパレータ(13)への反応ガスの供給を停止した後に、前記電気負荷(5)を接続してカソード電極側の酸素を消費し、その後カソード電極(113)で水素を生成する水素生成手段(S2)と、前記カソード電極(113)で水素を生成した後に、前記電源(6)を接続してそのカソード電極(113)で生成させた水素を消費し、そのカソード電極内の水分を、前記電解質膜(111)を介して前記アノード電極(112)へ移動させる水分移動手段(S3)と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、カソードガスの供給を停止した後に、電気負荷を接続してカソード電極側の酸素を消費することで触媒の劣化を抑制することができる。また、カソード電極で酸素を消費した後も電気負荷を接続したままにして、カソード電極で水素を生成する。そして、カソード電極で水素を生成した後は、電気負荷を切断してバッテリを接続し、カソード電極側に正電位を印加し、アノード電極側に負電位を印加する。これにより、カソード電極で水素酸化反応を起こし、アノード電極でプロトンの還元反応を起こすことができる。このとき、プロトンがカソード電極側の水分を随伴してアノード電極側へと移動するので、カソードガスの拡散を阻害して運転性能悪化の原因となっていた触媒層中の水を、カソード電極から除去することができる。
以下、図面等を参照して本発明の一実施形態について説明する。
燃料電池は電解質膜をアノード電極(燃料極)とカソード電極(酸化剤極)とによって挟み、アノード電極に水素を含有するアノードガス(燃料ガス)、カソード電極に酸素を含有するカソードガス(酸化剤ガス)を供給することによって発電する。アノード電極及びカソード電極の両電極において進行する電極反応は以下の通りである。
アノード電極 : 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード電極 : 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
この(1)(2)の電極反応によって燃料電池は1ボルト程度の起電力を生じる。
このような燃料電池を自動車用動力源として使用する場合には、要求される電力が大きいため、数百枚の燃料電池を積層した燃料電池スタックとして使用する。そして、燃料電池スタックにアノードガス及びカソードガスを供給する燃料電池システムを構成して、車両駆動用の電力を取り出す。
図1は、本発明の一実施形態による燃料電池システム1の概略図である。
燃料電池システム1は、燃料電池スタック2と、アノードガス供給機構3と、カソードガス供給機構4と、電気負荷5と、バッテリ6と、電圧計7と、電流計8と、コントローラ9と、を備える。
燃料電池スタック2は、積層された複数枚の燃料電池(以下「単セル」という)を含み、車両の駆動に必要な電力を発電する。燃料電池スタック2は、電力を取り出す端子としてアノード電極側出力端子21と、カソード電極側出力端子22とを備える。単セルの構成の詳細については、図2を参照して後述する。
アノードガス供給機構3は、高圧水素タンク31と、減圧弁32と、流量調節弁33と、2つの三方弁34と、リサイクルコンプレッサ35と、を備える。
高圧水素タンク31は、燃料電池スタック2に供給する水素(アノードガス)を高圧状態に保って貯蔵する。
減圧弁32は、高圧水素タンク31から燃料ガス配管36へと流れ出した水素の圧力を一定の圧力まで減圧する。
流量調節弁33は、燃料電池スタック2に供給する水素の流量を任意の流量に調整する。
三方弁34は、燃料電池スタック2の上流の燃料ガス配管36aと、下流の燃料ガス配管36bと、に配設される。三方弁34には、燃料電池スタック2の下流に排出された未反応の水素を、燃料電池スタック2の上流に戻すための燃料ガス還流配管37が接続される。
リサイクルコンプレッサ35は、燃料ガス還流配管37に設けられ、燃料電池スタック2の下流に排出された未反応の水素を燃料電池スタック2の上流に戻す。
カソードガス供給機構4は、フィルタ41と、コンプレッサ42と、シャットオフ弁43と、を備える。
フィルタ41は、燃料電池スタック2に供給する空気から異物を取り除く。
コンプレッサ42は、フィルタ41を介して空気を燃料電池スタック2に供給する。
シャットオフ弁43は、燃料電池システム1の停止時に閉じて、燃料電池システム1の停止時に燃料電池スタック2に空気が供給されるのを抑制する。このシャットオフ弁43と、前述した三方弁34と、の下流には、燃料電池スタック2から排出された未反応のカソードガスとアノードガスとを燃焼処理する燃焼触媒44が設けられる。
電気負荷5は、アノード電極側出力端子21と、カソード電極側出力端子22と、を電気的に導通する通電路51に直列に設けられる。電気負荷5は、燃料電池スタック2で発電した電力を消費する。この電気負荷5には、リレースイッチ52が直列に接続される。リレースイッチ52は、コントローラ9によってオン・オフが制御され、リレースイッチ52のオン時に燃料電池で発電した電力が電気負荷5で消費される。
バッテリ6は、電気負荷5に対して並列に接続される。このバッテリ6には、スイッチ61が直列に接続される。スイッチ61は、コントローラ9によってオン・オフが制御され、スイッチ61のオン時に後述する逆極性発電が実施される。
電圧計7は、電気負荷5に対して並列に接続される。電圧計7は、アノード電極側出力端子21と、カソード電極側出力端子22と、の間の電圧を検出する。
電流計8は、電気負荷5に対して直列に接続される。電流計8は、通電路を51流れる電流を検出する。
コントローラ9は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ9は、前述したリレースイッチ52やスイッチ61のほかに、カソードガス供給機構4のコンプレッサ42及びシャットオフ弁43を運転状態に応じて制御する。また、アノードガス供給機構3の流量調節弁33、三方弁34及びリサイクルコンプレッサ35を運転状態に応じて制御する。
図2は、単セル10の断面の一部を示す図である。
単セル10は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;以下「MEA」という)11の表裏両面に、アノードセパレータ12とカソードセパレータ13とが配置されて構成される。
MEA11は、電解質膜111と、アノード電極112と、カソード電極113と、保水層114と、を備える。MEA11は、電解質膜111の一方の面にアノード電極112を有し、他方の面に保水層114及びカソード電極113を有する。
電解質膜111は、フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。電解質膜111は、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。
アノード電極112は、触媒層112aとガス拡散層112bとを備える。触媒層112aは、電解質膜111と接する。触媒層112aは、白金又は白金等が担持されたカーボンブラック粒子から形成される。ガス拡散層112bは、触媒層112aの外側(電解質膜111の反対側)に設けられ、アノードセパレータ12と接する。ガス拡散層112bは、充分なガス拡散性および導電性を有する部材によって形成され、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスで形成される。
カソード電極113もアノード電極112と同様に、触媒層113aとガス拡散層113bとを備える。
保水層114は、電解質膜111とカソード電極113との間に設けられる。保水層114は、カーボン担体及びプロトン伝導性電解質を含み、触媒層113aよりも高い保水性を有する。保水層114によって、ガスの拡散性の低下や電極触媒の劣化の原因となる触媒層中の水を、速やかに保水層114へ移動させることができる。
なお、本実施形態では、保水層114の保水性を触媒層113aよりも高くするため、保水層114に含まれるカーボンの結晶化度を、触媒層113aに含まれるカーボンの結晶化度よりも低くしている。結晶化度の低いカーボンはカーボン表面積が大きく、より多くの水を吸着することができるためである。
アノードセパレータ12は、ガス拡散層112bと接する。アノードセパレータ12は、ガス拡散層112bと接する側にアノード電極112に反応ガスを供給するための複数のガス流路121を有する。
カソードセパレータ13は、ガス拡散層113bと接する。カソードセパレータ13は、ガス拡散層113bと接する側にカソード電極113に反応ガスを供給するための複数のガス流路131を有する。
ガス流路121を流れるアノードガスと、ガス流路131を流れるカソードガスとは、互いに平行に同一方向に流れる。
ところで、燃料電池を自動車用動力源として使用する場合、定置式の燃料電池システムと比べて燃料電池の起動停止回数が非常に多く、走行中においては加減速による負荷変動が頻繁に起こるとともに、その変動幅も大きい。
特に燃料電池の起動停止時には、燃料電池スタック内の残留酸素が原因でアノード電極に局部電池が形成されて、カソード電極の触媒層と電解質との電位差が増大し、カソード電極の触媒層のカーボンが酸化腐食することがある。このようなカーボン腐食は、単セルの出力を低下させる原因となる。
カーボン腐食を抑制する有効な手段として、燃料電池の起動停止時に、アノード電極に水素を供給しつつ燃料電池スタックから強制的に電力を取り出すことで、燃料電池スタック内の残留酸素を消費する方法が考えられる。
しかし、単純にこの方法を実施すると、以下に示す前述した(2)式の反応によってカソード電極において発生する水がカソードガスの拡散を阻害し、負荷変動時の電圧応答性を低下させてしまう。このような応答性の悪化は、アクセルを踏み込んでも加速が得られないといった運転性能の悪化につながる。
アノード電極 : 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード電極 : 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
そこで、本実施形態では、カーボン腐食の抑制と運転性能の悪化の抑制とを両立させるべく以下の起動停止時制御を実施する。
図3は、本実施形態による燃料電池システム1の起動停止時制御について説明するフローチャートである。
ステップS1において、コントローラ9は、燃料電池システム1の停止要求の有無を判定する。具体的には、キースイッチの信号がオフになったときに燃料電池システム1の停止要求有りと判定する。コントローラ9は、燃料電池システム1の停止要求が有るときはステップS2に処理を移行し、無いときは今回の処理を終了する。
ステップS2において、コントローラ9は、水素生成処理を実施する。具体的な内容については図4を参照して説明する。
ステップS3において、コントローラ9は、水分移動処理を実施する。具体的な内容については図5を参照して説明する。
図4は、本実施形態による水素生成処理について説明するフローチャートである。
ステップS21において、コントローラ9は、燃料電池スタック2への空気の供給を停止する。具体的には、コンプレッサ42を停止する。
ステップS22において、コントローラ9は、電気負荷5を接続して、カソードガスが流れるガス流路131の残留酸素によって発電される電力を電気負荷5で消費する。具体的には、リレースイッチ52をオンにする。
ステップS23において、コントローラ9は、電流計8で検出される電流値に基づいて、発電によってアノード電極112からカソード電極113へと移動する電子の電荷量Qac[C]を算出する。
ステップS24において、コントローラ9は、ガス流路131の残留酸素をすべて消費したか否かを判定する。具体的には、電荷量Qacと、電荷量Q1と、の大小を判定する。ここで、電荷量Q1は、ガス流路131の残留酸素をすべて消費するための電荷量であり、以下の(3)式を満たしていればよい。コントローラ9は、電荷量Qacのほうが小さいときはステップS25に処理を移行し、大きいときはステップS26の処理を移行する。
なお、(3)式について詳しく説明すると、22.4は1モルあたりのガス体積(理想気体)である。0.209は空気中の酸素濃度である。4Fの4は反応電子数であり、4個の電子で1モルの酸素が消費されるため、4Fとなっている。1000は単位合わせのために用いたものであり、リットルを立方センチメートルへと変換するものである。
Figure 2009224266
ここで、電荷量Qacが電荷量Q1よりも小さいときは(Qac<Q1)、カソード電極113において、前述した以下に示す(2)式の反応が起こり、水が生成される。この水は、カソードガスの拡散を阻害するので、次回起動時における運転性能の悪化につながる。
アノード電極 : 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード電極 : 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
一方で、電荷量Qacが電荷量Q1を超えたとき(Qac>Q1)、すなわちガス流路131の残留酸素を全て消費した後は、カソード電極113において、以下に示す(4)式の反応が起こり、水素が生成される。
アノード電極 : 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード電極 : 4H+ +4e-→2H2 …(4)
ステップS25において、コントローラ9は、水素生成処理終了フラグfをクリア(f=0)する。水素生成処理終了フラグfは、水素生成処理が終了するとセット(f=1)されるフラグである。
ステップS26において、コントローラ9は、電気負荷5を燃料電池スタック2から切断して、カソード電極113での水素の生成を終了する。具体的には、リレースイッチ52をオフにする。
ステップS27において、コントローラ9は、水素生成処理終了フラグfをセットする。
図5は、本実施形態による水分移動処理について説明するフローチャートである。
ステップS31において、コントローラ9は、水素生成処理が終了したか否かを判定する。具体的には、水素生成処理終了フラグfがセットされているか否かを判定する。
ステップS32において、コントローラ9は、バッテリ6を接続する。具体的には、スイッチ61をオンにする。これにより、カソード電極113を正としてバッテリ6から燃料電池スタック2へ電圧を印加して、通常運転時とは逆極性の発電である逆極性発電を実施する。逆極性発電を実施することで、電解質膜111には通常発電時と逆方向のプロトン(水素イオン;H+)の移動が生じ、このプロトンが水を随伴して移動するので、カソード電極113からアノード電極112へ水分を移動させることができる。以下、この逆極性発電について説明する。
カソード電極113には前述した(4)式の反応によって生成された水素が存在している。そうすると、カソード電極113を正として電圧を印加することで、カソード電極113で以下に示す(6)式の水素酸化反応が起き、アノード電極112で以下に示す(7)式のプロトン(水素イオン;H+)の還元反応が起きる。これにより、プロトンが、電解質膜111を介してカソード電極113からアノード電極112へ移動する。
カソード電極113 : H2→2H++2e- …(6)
アノード電極112 : 2H++2e-→H2 …(7)
プロトンは水を随伴して電解質膜111を移動する。したがって、カソードガス流路131の残留酸素を消費させるために、(2)式の反応によってカソード電極113に生成した水をカソード電極113からアノード電極112へと移動させることができる。これにより、カソードガスの拡散を阻害して運転性能悪化の原因となっていた触媒層中の水を、カソード電極113から除去することができる。
ステップS33において、コントローラ9は、通電路51を通ってカソード電極113からアノード電極112へと移動する電子の電荷量Qca[C]を算出する。
ステップS34において、コントローラ9は、逆極性発電によってカソード電極113で消費される水素量が、(5)式によってカソード電極113で生成された水素量を超えないようにする。具体的には電荷量Qcaと、電荷量Q2と、の大小を判定する。ここで、電荷量Q2は、以下の(8)式を満たしていればよい。コントローラ9は、電荷量Qcaのほうが大きいときはステップS35に処理を移行し、小さいときは今回の処理を終了する。
Figure 2009224266
ステップS35において、コントローラ9は、バッテリ6を切断して逆極性発電を停止する。具体的には、スイッチ61をオフにする。
ステップS36において、コントローラ9は、流量調節弁33を全閉にして水素の供給を停止する。
ステップS37において、コントローラ9は、シャットオフ弁43を閉じる。
図6は、図5のステップS32において、スイッチ61をオンにしたときの電圧変化を示す図である。
本実施形態では、図6に示すように、燃料電池スタック2に対して電圧をステップ状に印加する。その理由について以下説明する。
電解質膜111内の水の拡散係数は、高含水ほど大きく、低含水では小さい。つまり、低含水のときは、カソード電極113からアノード電極112へ移動した水は戻りにくい。電圧をステップ状に印加したときは、カソード電極113側の電解質膜111は急激に乾燥するので、水が戻りにくくなる。もし、ステップ状に電圧を印加せず、徐々に印加電圧を上げていったときは、アノード電極112へ移動した水が再びカソード電極113に戻ってくる。したがって、電圧をステップ状に印加することでカソード電極113からアノード電極112への水移動を効率的に実施することができる。
図7は、本実施形態による制御を実施した後に、燃料電池システム1を起動させて電流密度を0[A/cm2]から1[A/cm2]まで変化させたときの電圧変化を示した図であり、本実施形態による効果を示した図である。なお、図5において、実線は本実施形態の効果を示し、破線は水分移動処理を実施しなかった場合の効果を示す。
図5に示すように、本実施形態の場合は、(4)式の反応によってカソード電極113に生成した水がカソードガスの拡散を阻害しないので、電圧の落ち込みが小さいことがわかる。つまり、負荷が変動したときの電圧応答性が向上し、運転性能が向上していることがわかる。
以上説明した本実施形態によれば、燃料電池システム1の停止時に、カソード電極113へのカソードガスの供給を停止し、その後電気負荷5を接続してカソード電極側の酸素を消費させる。
これにより、燃料電池スタック内の残留酸素を消費して、カソード電極113の触媒層113aと電解質膜111との電位差を低減することができ、触媒層113aのカーボンの酸化腐食を抑制することができる。
また、カソード電極113で酸素を消費した後も電気負荷5を接続したままにして、カソード電極113で水素を生成する。そして、カソード電極113で水素を生成した後は、電気負荷5を切断してバッテリ6を接続し、カソード電極側に正電位を印加し、アノード電極側に負電位を印加する。
これにより、カソード電極113で水素酸化反応を起こし、アノード電極112でプロトンの還元反応を起こすことができる。このとき、プロトンがカソード電極側の水分を随伴してアノード電極側へと移動するので、カソードガスの拡散を阻害して運転性能悪化の原因となっていた触媒層中の水を、カソード電極113から除去することができる。
また、電解質膜111とアノード電極112との間に保水層114を設けた。
これにより、カソード電極側からアノード電極側へ移動させた水分を長時間保水層114に保つことができ、カソード電極側に水分が再移動するのを抑制できる。
また、保水層114にカーボンを含有したものを用いることによって、触媒反応に影響を与えることなく安価にカソード電極側からアノード電極側へ移動させた水分を保水層114に保つことができる。
また、保水層114に含まれるカーボンの結晶化度を、触媒層113aに含まれるカーボンの結晶化度よりも低くして、保水層114の保水性を触媒層113aよりも高くした。これにより、保水層114の保水量を増加させることができる。
さらに、電圧をステップ状に印加した。これにより、カソード電極113からアノード電極112への水移動を効率的に実施することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本実施形態では、燃料電池システム1の停止ごとに上記制御を実施していたが、電圧計7の電圧が所定電圧まで下がった場合など、触媒の活性能力を回復させる必要があると判断されたときの燃料電池システム1の停止時に上記制御を実施するようにしてもよい。
また、保水層114を、金属酸化物を含むもので構成してもよい。金属酸化物は水を吸着しやすく、多くの水を含むことができるためである。
本発明の一実施形態による燃料電池システムの概略図である。 本発明の一実施形態による単セルの断面の一部を示す図である。 本発明の一実施形態による燃料電池システムの起動停止時制御について説明するフローチャートである。 水素生成処理について説明するフローチャートである。 水分移動処理について説明するフローチャートである。 スイッチをオンにしたときの電圧変化を示す図である。 本発明の一実施形態による効果を示した図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
3 アノードガス供給機構(反応ガス供給機構)
4 カソードガス供給機構(反応ガス供給機構)
5 電気負荷
6 電源
8 電流計(電荷量検出手段)
12 アノードセパレータ(セパレータ)
13 カソードセパレータ(セパレータ)
51 通電路
111 電解質膜
112 アノード電極
113 カソード電極
114 保水層
S2 水素生成手段
S3 水分移動手段

Claims (11)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に設けられたアノード電極と、
    前記電解質膜の他方の面に設けられたカソード電極と、
    前記アノード電極及び前記カソード電極の表面にそれぞれ設けられ、各電極に反応ガスを供給するセパレータと、
    前記セパレータに反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、
    前記アノード電極と前記カソード電極とを電気的に導通する通電路に、断接可能に設けられた電気負荷と、
    前記通電路に断接可能に設けられ、前記カソード電極に正電位を、前記アノード電極に負電位を印加する電源と、
    を備えた燃料電池システムであって、
    前記カソード電極の表面に設けられたセパレータへの反応ガスの供給を停止した後に、前記電気負荷を接続してカソード電極側の酸素を消費し、その後カソード電極で水素を生成する水素生成手段と、
    前記カソード電極で水素を生成した後に、前記電源を接続してそのカソード電極で生成させた水素を消費し、そのカソード電極内の水分を、前記電解質膜を介して前記アノード電極へ移動させる水分移動手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記通電路を流れる電荷量を検出する電荷量検出手段を備え、
    前記水素生成手段は、
    前記電気負荷を接続してからの前記電荷量が、所定の第1電荷量を超えたときに前記電気負荷を遮断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水分移動手段は、
    前記電源を接続してからの前記電荷量が、所定の第2電荷量を超えたときに前記電気負荷を遮断する
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1電荷量Q1[C]は、前記カソード電極の表面に設けられたセパレータの反応ガス流路の流路体積をV[cm3]、そのセパレータに供給される反応ガスの全圧をP1[Pa]、その反応ガスの水蒸気分圧をP2[Pa]、ファラデー定数をF[C/mol]、としたときに以下の(1)式を満たす
    ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
    Figure 2009224266
  5. 前記第2電荷量Q2[C]は、以下の(2)式を満たす
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
    Figure 2009224266
  6. 前記水分移動手段は、前記カソード電極で生成させた水素をすべて消費する前に前記電源を遮断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記水分移動手段は、前記電圧を接続したときに、ステップ状に電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記電解質膜と前記アノード電極との間に設けられ、そのアノード電極の触媒層よりも高い保水性を有する保水層を備える
    ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  9. 前記保水層は、カーボン又はカーボン含有物を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. 前記アノード電極の触媒層はカーボンを担体とした金属触媒であり、前記保水層に含まれるカーボンの結晶化度は、その触媒層のカーボンの結晶化度よりも低い
    ことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記保水層は、金属酸化物を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
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