WO2010119574A1 - 共重合ポリカーボネートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、耐熱性、熱安定性および成形加工性に優れた再生可能資源を原料とする共重合ポリカーボネートを提供することにある。 本発明は、50~99モル%の下記式で表されるカーボネート構成単位(1)および50~1モル%の、4×10-3MPaの減圧下で沸点が180℃以上の脂肪族ジオールから誘導されるカーボネート構成単位(2)を含む共重合ポリカーボネートである。

Description

共重合ポリカーボネートおよびその製造方法
 本発明は、新規な共重合ポリカーボネートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は再生可能資源である糖質から誘導され得る単位を含有する耐熱性、熱安定性および成形加工性に優れた共重合ポリカーボネートに関する。また本発明は、各種成形材料やポリマーアロイ材料として有用な共重合ポリカーボネートとその製造方法に関する。
 ポリカーボネートは、芳香族もしくは脂肪族ジオキシ化合物を炭酸エステルにより連結させたポリマーであり、その中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)より得られるポリカーボネートは、透明性、耐熱性に優れ、耐衝撃性等の機械特性に優れ多くの分野に用いられている。
 一般的にポリカーボネートは石油資源から得られる原料を用いて製造されるが、石油資源の枯渇が懸念されており、植物などの再生可能資源から得られる原料を用いたポリカーボネートの製造が求められている。再生可能資源を原料として使用されたバイオマス材料としては、ポリ乳酸の他に、糖質から製造可能なエーテルジオール残基から得られる原料を用いたポリカーボネートが検討されている。
 例えば、下記式(a)に示したエーテルジオールは、再生可能資源、例えば糖類およびでんぷんなどから容易に作られ、3種の立体異性体が知られているが、具体的には下記式(a−1)に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(本明細書では以下「イソソルビド」と呼称する)、下記式(a−2)に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(本明細書では以下「イソマンニド」と呼称する)、下記式(a−3)に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−L−イジトール(本明細書では以下「イソイディッド」と呼称する)である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000005
 イソソルビド、イソマンニド、イソイディッドはそれぞれD−グルコース、D−マンノース、L−イドースから得られる。例えばイソソルビドの場合、D−グルコースを水添した後、酸触媒を用いて脱水することにより得ることができる。
 これまで上記のエーテルジオールの中でも、特に、モノマーとしてイソソルビドを中心に用いてポリカーボネートに組み込むことが検討されてきた(特許文献1~2、非特許文献1~3)。しかしながら、イソソルビドからのホモポリカーボネートは、その剛直な構造のため、溶融粘度が非常に高くなり、成形加工が困難である。
 この問題を解決する上でさまざまなビスヒドロキシ化合物との共重合が報告されている。例えば、イソソルビドと芳香族ビスフェノール類との共重合ポリカーボネートでは(特許文献3、非特許文献4~6)、芳香族ビスフェノール類自身も比較的剛直な構造を持つために、溶融粘度低減への寄与は低く、またこれらの原料は石油由来であるという問題を抱えている。
 また、イソソルビドと脂肪族ジオールとの共重合ポリカーボネートとして、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオールとイソソルビドとの共重合ポリカーボネートが報告されている(非特許文献7~8)。これらのポリカーボネートはブロック共重合体またはランダム共重合体で、ガラス転移点はそれぞれ脂肪鎖が長くなるにつれて低下し、65℃または59℃、26℃または20℃、12℃または23℃、−1℃または7℃であることが観測されており、耐熱性に乏しい。
 また特許文献4にはイソソルビドから得られるポリカーボネートを含む成形材料が記載されているが、ガラス転移温度が室温より十分高いとはいっても、さらなる耐熱性の向上が求められている。
 一方、特許文献5には、上記式(a)で表されるエーテルジオールと脂肪族ジオールとの共重合ポリカーボネートであり、成形加工が比較的容易な溶融粘度を持ち、かつ耐熱性を有するポリカーボネートが提案されている。しかしながらこの提案は、脂肪族ジオールの沸点が低いため、減圧下高温にて重合する際に、未反応脂肪族ジオールが反応系から留去してしまい得られるポリマーの組成比が仕込み比に対してずれてしまうといった問題がある。また熱安定性についてもこういった低沸点の脂肪族ジオールと共重合することで、充分でなくなる場合がある。
 また、特許文献6には、特定の構造を有するジオールとイソソルビドの共重合について述べられているが、ガラス転移温度が100℃以上ではあるが、さらなる耐熱性の向上が求められている。
独国特許出願公開第2938464号 国際公開第2007/013463号パンフレット 特開昭56−110723号公報 特開2003−292603号公報 国際公開第2004/111106号パンフレット 特開2006−232897号公報 "Journal Fuer Praktische Chemie",1992年,第334巻,p.298~310 "Macromolecules",1996年,第29巻,p.8077~8082 "Journal of Applied Polymer Science",2002年,第86巻,p.872~880 "Macromolecular Chemistry and Physics"1997年,第198巻,p.2197~2210 "Journal of Polymer Science:Part A",1997年,第35巻,p.1611~1619 "Journal of Polymer Science:Part A",1999年,第37巻,p.1125~1133 岡田他,文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(B)「環境低負荷高分子」再生可能資源からの環境低負荷プラスチックの生産に基づく持続型材料システムの構築第7回公開シンポジウム講演要旨集,2002年,p.26~29 "Journal of Polymer Science:Part A",2003年,第41巻,p.2312~2321
 本発明の目的は、耐熱性、熱安定性および成形加工性に優れ、再生可能資源を原料とする共重合ポリカーボネートを提供することにある。
 本発明者は、上記目的を達成すべく、鋭意検討を行った結果、下記式(a)
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000006
で表されるエーテルジオールと脂肪族ジオールとの共重合において、用いる脂肪族ジオールの沸点が特定の温度以上の場合に、得られる共重合ポリカーボネートが、耐熱性、熱安定性および成形加工性に優れたものとなることを見出し、本発明に至った。
 即ち本発明は、以下の発明を包含する。
1. 50~99モル%の下記式で表されるカーボネート構成単位(1)および50~1モル%の、4×10−3MPaの減圧下で沸点が180℃以上の脂肪族ジオールから誘導されるカーボネート構成単位(2)を含む共重合ポリカーボネート。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000007
2. カーボネート構成単位(2)が、4×10−3MPaの減圧下で沸点が190℃以上の脂肪族ジオールから誘導される前項1記載の共重合ポリカーボネート。
3. カーボネート構成単位(2)が、下記式で表される前項1記載の共重合ポリカーボネート。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000008
(Xは、炭素原子数5~20のアレーンジイル基、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基および酸素原子からなる群から選ばれる基の組み合わせからなり、炭素原子数の合計数が13~30であり、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基の少なくとも一方を含む基である。)
4. Xは、下記式で表される基である前項3記載の共重合ポリカーボネート。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000009
(式中、Yは、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基または炭素原子数5~20のアレーンジイル基である。ArおよびArは同一または異なり、炭素原子数5~20のアレーンジイル基である。RおよびRは同一または異なり、炭素原子数1~10のアルカンジイル基である。)
5. カーボネート構成単位(1)が、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)由来の単位である前項1記載の共重合ポリカーボネート。
6. カーボネート構成単位(1)が全カーボネート構成単位中85~99モル%である前項1記載の共重合ポリカーボネート。
7. 0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度が0.18~0.65である前項1記載の共重合ポリカーボネート。
8. ガラス転移温度が120~170℃である前項1記載の共重合ポリカーボネート。
9. 下記式で表されるエーテルジオール(a)、4×10−3MPaの減圧下で沸点が180℃以上の脂肪族ジオール(b)および炭酸ジエステル(c)を、含窒素塩基性化合物、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合触媒の存在下、減圧下、180~280℃の温度で溶融重縮合することを特徴とする前項1記載の共重合ポリカーボネートの製造方法。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000010
10. 前項1記載の共重合ポリカーボネートから形成された成形品。
 以下、本発明について詳細に説明する。
(カーボネート構成単位(1))
 本発明の共重合ポリカーボネートは、下記式で表されるカーボネート構成単位(1)を含む。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000011
 カーボネート構成単位(1)は、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)由来の単位であることが好ましい。
(カーボネート構成単位(2))
 本発明の共重合ポリカーボネートは、カーボネート構成単位(2)を含む。カーボネート構成単位(2)は、4×10−3MPaの減圧下で沸点が180℃以上の脂肪族ジオールから誘導される単位である。カーボネート構成単位(2)は、4×10−3MPaの減圧下で沸点が190℃以上の脂肪族ジオールから誘導される単位であることが好ましい。
 カーボネート構成単位(2)は下記式で表される単位であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000012
 式(2)において、Xは、炭素原子数5~20のアレーンジイル基(アリーレン基)、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基および酸素原子からなる群から選ばれる基の組み合わせからなり、炭素原子数の合計数が13~30であり、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基の少なくとも一方を含む基である。
 炭素原子数5~20のアレーンジイル基としてフェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基が挙げられる。
 炭素原子数1~20のアルカンジイル基として、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、トリメチレン基、プロパンジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタンジイル基、ヘキサンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基、ウンデカンジイル基、トリデカンジイル基、テトラデカンジイル基、ペンタデカンジイル基等が挙げられる。
 炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基として、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
 Xは、下記式で表される基であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000013
 式中、Yは、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基、炭素原子数5~20のアレーンジイル基である。
 炭素原子数1~20のアルカンジイル基として、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、トリメチレン基、プロパンジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタンジイル基、ヘキサンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基、ウンデカンジイル基、トリデカンジイル基、テトラデカンジイル基、ペンタデカンジイル基等が挙げられる。
 炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基として、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
 炭素原子数5~20のアレーンジイル基としてフルオレンジイル基が挙げられる。
 ArおよびArは同一または異なり、炭素原子数5~20のアレーンジイル基(アリーレン基)である。炭素原子数5~20のアレーンジイル基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基が挙げられる。これらは、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
 RおよびRは同一または異なり、炭素原子数1~10のアルカンジイル基である。炭素原子数1~10のアルカンジイル基として、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
(共重合比)
 本発明の共重合ポリカーボネート中のカーボネート構成単位(1)の含有量は、50~99モル%、好ましくは85~99モル%、より好ましくは85~95モル%である。カーボネート構成単位(2)の含有量は、50~1モル%、好ましくは15~1モル%、より好ましくは15~5モル%である。カーボネート構成単位(1)の割合が99モル%より大きくなると、カーボネート構成単位(2)による溶融粘度の低下の効果が見られなくなる。またカーボネート構成単位(1)の割合が50モル%より小さくなると、成形加工性は向上するが耐熱性は低下し、且つ本来の目的である「植物などの再生可能資源からの原料を用いたポリカーボネート」という主旨を満足し難くなる。また本発明の共重合ポリカーボネート中には、単位(1)および単位(2)以外のカーボネート構成単位を本発明の目的を損なわない範囲で含有していても良い。
(物性)
 本発明の共重合ポリカーボネートは、その0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度が、好ましくは0.18~0.65である。比粘度の下限は、好ましくは0.18、より好ましくは0.20、さらに好ましくは0.22である。また比粘度の上限は、好ましくは0.65、より好ましくは0.55、さらに好ましくは0.45である。比粘度が0.18より低くなると本発明の共重合ポリカーボネートより得られた成形品に充分な機械強度を持たせることが困難となる。また比粘度が0.65より高くなると溶融流動性が高くなりすぎて、成形に必要な流動性を有する溶融温度が分解温度より高くなる。
 また、本発明の共重合ポリカーボネートは、250℃におけるキャピラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレート600sec−1の条件下で、好ましくは0.2×10~5.0×10Pa・s、より好ましくは0.4×10~5.0×10Pa・s、さらに好ましくは0.4×10~3.0×10Pa・sの範囲にある。溶融粘度がこの範囲であると機械的強度に優れ、本発明の共重合ポリカーボネートを用いて成形する際に成形時のシルバーの発生等が無く良好である。
 本発明の共重合ポリカーボネートのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120~170℃である。Tgの下限は、好ましくは120℃、より好ましくは130℃である。Tgの上限は、好ましくは170℃、より好ましくは165℃である。Tgが120℃未満だと耐熱性に劣り、170℃を超えると本発明の共重合ポリカーボネートを用いて成形する際の溶融流動性に劣る。TgはTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定される。
(共重合ポリカーボネートの製造)
 本発明の共重合ポリカーボネートは、下記式で表されるエーテルジオール(a)、4×10−3MPaの減圧下で沸点が180℃以上の脂肪族ジオール(b)および炭酸ジエステル(c)を、含窒素塩基性化合物、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合触媒の存在下、減圧下、180~280℃の温度で溶融重縮合することにより製造することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000014
(エーテルジオール(a))
 エーテルジオール(a)としては、具体的には下記式(a−1)、(a−2)および(a−3)で表されるイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドなどが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000015
 これら糖質由来のエーテルジオールは、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。イソソルビドは、でんぷんから得られるD−グルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。特に、エーテルジオール(a)が、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)であることが好ましい。イソソルビドはでんぷんなどから簡単に作ることができるエーテルジオールであり資源として豊富に入手することができる上、イソマンニドやイソイディッドと比べても製造の容易さ、性質、用途の幅広さの全てにおいて優れている。
(脂肪族ジオール(b))
 本発明の共重合ポリカーボネートの製造に用いる脂肪族ジオール(b)は、4×10−3MPaの減圧下で沸点が180℃以上であるか、190℃以上であることが好ましい。上限は特に制限されないが500℃以下で十分である。脂肪族ジオール(b)の沸点が180℃以上だと、共重合ポリカーボネートを重合する際に反応系から留去してしまい得られるポリマーの組成比が仕込み比に対してずれてしまうといった問題が生じることが無く、且つ得られる共重合ポリカーボネートはその耐熱性、熱安定性および成形加工性に優れるため好ましい。
 かかる脂肪族ジオール(b)としては下記式(3)で示される構造を持つものが例として挙げられる。
 HO−X−OH      (3)
 式(3)において、Xは前述した式(2)と同じである。
 脂肪族ジオール(b)の具体的な例としては、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、1,14−テトラデカンジオール、オクタエチレングリコール、1,16−ヘキサデカンジオール、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}メタン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}エタン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−1−フェニルエタン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル}プロパン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,3’−ビフェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル}プロパン、2,2−ビス{3−tert−ブチル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}ブタン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−4−メチルペンタン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}オクタン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}デカン、2,2−ビス{3−ブロモ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{3,5−ジメチル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{3−シクロヘキシル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、1,1−ビス{3−シクロヘキシル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロヘキサン、ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}ジフェニルメタン、9,9−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}フルオレン、9,9−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル}フルオレン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロペンタン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル、1,3−ビス[2−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロピル]ベンゼン、1,4−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロヘキサン、1,3−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロヘキサン、4,8−ビス{(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,3−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−5,7−ジメチルアダマンタン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロヘキサン、下記式(4)で表される化合物等のテルペンジメチロール化合物等が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000016
 なかでも、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}メタン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}エタン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−1−フェニルエタン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル}プロパン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}ブタン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−4−メチルペンタン、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}オクタン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}デカン、9,9−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}フルオレン、1,3−ビス[2−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロピル]ベンゼン、1,3−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−5,7−ジメチルアダマンタン、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロヘキサン、上記式(4)で表される化合物が好ましい。
 殊に2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン《193℃》、1,14−テトラデカンジオール《195℃》、1,16−ヘキサデカンジオール《208℃》、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル《211℃》、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン《249℃》、2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−4−メチルペンタン《>250℃》、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}デカン《>250℃》、9,9−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}フルオレン《>250℃》、1,3−ビス[2−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロピル]ベンゼン《>250℃》、1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロヘキサン《>250℃》、上記式(4)で表される化合物《>180℃》が好ましい。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。なお、上記例示中の《》の温度は4×10−3MPaにおける沸点である。
 本発明の共重合ポリカーボネートは重合触媒の存在下、エーテルジオールと脂肪族ジオールおよび炭酸ジエステルとを混合し、エステル交換反応によって生成するアルコールまたはフェノールを高温減圧下にて留出させる溶融重合を行うことによって得ることができる。
 反応温度は、エーテルジオールや脂肪族ジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るために、できるだけ低温の条件を用いることが好ましいが、重合反応を適切に進める為には重合温度は180~280℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは230℃~270℃の範囲である。
 また、反応初期にはエーテルジオール(a)、脂肪族ジオール(b)および炭酸ジエステル(c)を常圧で加熱し、予備反応させた後、徐々に減圧にして反応後期には系を1.3×10−3~1.3×10−5MPa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる方法が好ましい。反応時間は通常1~4時間程度である。
 また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることが好ましい。重合触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二価フェノールのナトリウム塩またはカリウム塩等のアルカリ金属化合物が挙げられる。また水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物が挙げられる。またテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。なかでも、含窒素塩基性化合物とアルカリ金属化合物とを併用して使用することが好ましい。
 これらの重合触媒の使用量は、それぞれ炭酸ジエステル成分1モルに対し、好ましくは1×10−9~1×10−3当量、より好ましくは1×10−8~5×10−4当量の範囲で選ばれる。反応系は窒素などの原料、反応混合物、反応生成物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴンなどを挙げることができる。さらに、必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。
 本発明の共重合ポリカーボネートの製造に用いる炭酸ジエステル(c)としては、置換されていてもよい炭素数6~20のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1~18のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(p−ブチルフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
 炭酸ジエステル(c)はエーテルジオール化合物およびビスフェノールの合計量に対してモル比で1.05~0.97となるように混合することが好ましく、より好ましくは1.03~0.98であり、さらに好ましくは1.03~0.99である。炭酸ジエステルのモル比が1.05より多くなると、炭酸エステル残基が末端封止として働いてしまい充分な重合度が得られなくなってしまい好ましくない。また炭酸ジエステルのモル比が0.97より少ない場合でも、充分な重合度が得られず好ましくない。
 上記方法により得られた共重合ポリカーボネートに触媒失活剤を添加することもできる。触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、さらにドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の上記塩類やパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の上記塩類が好ましい。またスルホン酸のエステルとしてベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられ、その中でもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた前記重合触媒1モル当たり0.5~50モルの割合で、好ましくは0.5~10モルの割合で、さらに好ましくは0.8~5モルの割合で使用する事ができる。
 また、本発明の共重合ポリカーボネートには、用途に応じて各種の機能付与剤を添加してもよく、例えば熱安定剤、安定化助剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、衝撃吸収剤、重金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などである。
 また、本発明の共重合ポリカーボネートには、用途に応じて各種の有機および無機のフィラー、繊維などを複合化して用いることもできる。フィラーとしては例えばカーボン、タルク、マイカ、ワラストナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどを上げることができる。また、繊維としては例えばケナフなどの天然繊維のほか、各種の合成繊維、ガラス繊維、石英繊維、炭素繊維などが挙げられる。
 さらに、本発明の共重合ポリカーボネートは、例えばポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリル、ABS、ポリウレタンなど、各種の生物起源物質からなるポリマーならび合成樹脂、ゴムなどと混合しアロイ化して用いることもできる。
 本発明は、本発明の共重合ポリカーボネートから形成された成形品を包含する。
 以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。但し、本発明はこれら実施例に何ら制限されるものではない。なお実施例中の部は重量部であり、%は重量%である。なお、評価は下記の方法によった。
(1)比粘度(ηsp
 ペレットを塩化メチレンに溶解、濃度を約0.7g/dLとして、温度20℃にて、オストワルド粘度計(装置名:RIGO AUTO VISCOSIMETER TYPE VMRー0525・PC)を使用して測定した。なお、比粘度(ηsp)は下記式から求めた。
 ηsp=t/t−1
 t:試料溶液のフロータイム
 t:溶媒のみのフロータイム
(2)ガラス転移温度(Tg)
 ペレットを用いてTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定した。
(3)成形加工性
 日本製鋼所(株)製 JSWJ−75EIIIを用いて成形を行い、厚み2mmの見本板の形状を目視にて評価した(金型温度:70~90℃、成形温度:220~260℃)。なお判断基準は以下の通りである。
 ○;濁り、割れ、ヒケ、および分解によるシルバーが見られない。
 ×;濁り、割れ、ヒケ、または分解によるシルバーが見られる。
実施例1
 イソソルビド1,447重量部(9.9モル)と1,14−テトラデカンジオール253重量部(1.1モル)、ジフェニルカーボネート2,427重量部(11.33モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを2.1重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して2×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−2重量部(ジフェニルカーボネート1モルに対して2.5×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下180℃で溶融した。撹拌下、反応槽内を13.3×10−3MPaに減圧し、生成するフェノールを留去しながら20分間反応させた。次に200℃に昇温した後、徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで25分間反応させ、さらに、220℃に昇温して10分間反応させた。ついで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃,6.66×10−5MPaで2時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化した。このポリマーの比粘度は0.28、ガラス転移温度は139℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、成形加工性の良好なものであった。
実施例2
 イソソルビド965重量部(6.6モル)と2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン1,392重量部(4.4モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてペレット状のポリマーを得た。このポリマーの比粘度は0.31、ガラス転移温度は145℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、成形加工性の良好なものであった。
実施例3
 イソソルビド804重量部(5.5モル)と9,9−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}フルオレン2,412重量部(5.5モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてペレット状のポリマーを得た。このポリマーの比粘度は0.29、ガラス転移温度は157℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、成形加工性の良好なものであった。
実施例4
 イソソルビド1,446重量部(10.89モル)と下記式(4)
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000017
で表される化合物28重量部(0.11モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてペレット状のポリマーを得た。このポリマーの比粘度は0.27、ガラス転移温度は160℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、成形加工性の良好なものであった。
実施例5
 イソソルビド1,446重量部(10.89モル)と2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン35重量部(0.11モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてペレット状のポリマーを得た。このポリマーの比粘度は0.29、ガラス転移温度は140℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、成形加工性の良好なものであった。
実施例6
 イソソルビド1,447重量部(9.9モル)と1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}シクロヘキサン392重量部(1.1モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてペレット状のポリマーを得た。このポリマーの比粘度は0.29、ガラス転移温度は143℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、成形加工性の良好なものであった。
実施例7
 イソソルビド1,447重量部(9.9モル)と1,1−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}デカン456重量部(1.1モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてペレット状のポリマーを得た。このポリマーの比粘度は0.28、ガラス転移温度は130℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、成形加工性の良好なものであった。
実施例8
 イソソルビド1,447重量部(9.9モル)と2,2−ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−4−メチルペンタン394重量部(1.1モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてペレット状のポリマーを得た。このポリマーの比粘度は0.29、ガラス転移温度は138℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、成形加工性の良好なものであった。
比較例1
 イソソルビド1,590重量部(10.88モル)、p−tert−ブチルフェノール39重量部(0.26モル)を温度計、撹拌機付き反応器にし込み、窒素置換した後、あらかじめよく乾燥したピリジン5,500重量部、塩化メチレン32,400重量部を加え溶解した。撹拌下25℃でホスゲン1,400重量部(14.14モル)を100分要して吹込んだ。ホスゲン吹込み終了後、約20分間そのまま撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈し、ピリジンを塩酸で中和除去後、導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで繰り返し水洗し、その後塩化メチレンを蒸発して無色のパウダーを得た。このパウダーをペレット化した。このポリマーの比粘度は0.43、ガラス転移温度は169℃であった。またこのポリマーを用いて成形を行ったところ、流動性が悪く成形品にはヒケやシルバーが観察され成形加工性は悪かった。
比較例2
 イソソルビド1,125重量部(7.7モル)と1,3−プロパンジオール251重量部(3.3モル)とした以外は実施例1と同様に重合させてポリマーを得た。このポリマーは比粘度が0.15、ガラス転移温度は112℃であった。ジオール成分のモル比は仕込み時にイソソルビド/プロパンジオール=70/30であったが、ポリマーの組成比をHNMRの積分値より算出したところ81/19と組成比が仕込み比に対してずれていた。またプロパンジオール成分の留出によりジオール成分とジフェニルカーボネート成分とのバランスも崩れてしまい、そのために充分な比粘度(分子量)を持つポリマーが得られなかった。
 実施例1~8、比較例1~2の結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000018
発明の効果
 本発明の共重合ポリカーボネートは再生可能資源から誘導される単位を含有し、耐熱性と熱安定性のいずれも良好で、成形加工性にも優れる。従って、本発明の共重合ポリカーボネートは、光学用シート、光学用ディスク、情報ディスク、光学レンズ、プリズム等の光学用部品、各種機械部品、建築材料、自動車部品、各種の樹脂トレー、食器類をはじめとする様々な用途に幅広く用いることができる。
 また、本発明の共重合ポリカーボネートは生分解性も有するので、環境汚染の低減が望まれる各種用途の成形品として用いることも可能である。例えば、ハウス用フィルム、マルチ用フィルム等の農業用資材向けフィルム、シート、食品包装、一般包装、コンポストバッグ等の包装用フィルム、シート、テープ等の産業用製品、各種の包装用容器等に用いることができる。

Claims (10)

  1.  50~99モル%の下記式で表されるカーボネート構成単位(1)および50~1モル%の、4×10−3MPaの減圧下で沸点が180℃以上の脂肪族ジオールから誘導されるカーボネート構成単位(2)を含む共重合ポリカーボネート。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
  2.  カーボネート構成単位(2)が、4×10−3MPaの減圧下で沸点が190℃以上の脂肪族ジオールから誘導される請求項1記載の共重合ポリカーボネート。
  3.  カーボネート構成単位(2)が、下記式で表される請求項1記載の共重合ポリカーボネート。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
    (Xは、炭素原子数5~20のアレーンジイル基、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基および酸素原子からなる群から選ばれる基の組み合わせからなり、炭素原子数の合計数が13~30であり、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基の少なくとも一方を含む基である。)
  4.  Xは、下記式で表される基である請求項3記載の共重合ポリカーボネート。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003
    (式中、Yは、炭素原子数1~20のアルカンジイル基、炭素原子数5~20のシクロアルカンジイル基または炭素原子数5~20のアレーンジイル基である。ArおよびArは同一または異なり、炭素原子数5~20のアレーンジイル基である。RおよびRは同一または異なり、炭素原子数1~10のアルカンジイル基である。)
  5.  カーボネート構成単位(1)が、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)由来の単位である請求項1記載の共重合ポリカーボネート。
  6.  カーボネート構成単位(1)が全カーボネート構成単位中85~99モル%である請求項1記載の共重合ポリカーボネート。
  7.  0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度が0.18~0.65である請求項1記載の共重合ポリカーボネート。
  8.  ガラス転移温度が120~170℃である請求項1記載の共重合ポリカーボネート。
  9.  下記式で表されるエーテルジオール(a)、4×10−3MPaの減圧下で沸点が180℃以上の脂肪族ジオール(b)および炭酸ジエステル(c)を、含窒素塩基性化合物、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合触媒の存在下、減圧下、180~280℃の温度で溶融重縮合することを特徴とする請求項1記載の共重合ポリカーボネートの製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000004
  10.  請求項1記載の共重合ポリカーボネートから形成された成形品。
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