WO2010087328A1 - コンデンサー用プロピレン単独重合体 - Google Patents
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Abstract
Description
(i)メルトフローレート(MFR; ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定)が1~10g/10分であること、
(ii)13C-NMRで測定したメソペンタッド分率(mmmm)が0.940~0.995であること、
(iii)o-ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)による90℃での溶出積分量が0.5重量%以下であること、
(iv)示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が152℃以上であること、
(v)塩素含量が2重量ppm以下であること、
(ix)o-ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定した溶出温度に対する溶出成分量のピーク半値幅が7.0℃以下であり、ピークトップ温度が105~130℃であること。
(vi)13C-NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入に基づく異種結合の割合および1,3-挿入に基づく異種結合の割合の和が0.2mol%以下であること。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、下記要件(i)~(v),(ix)を満たし、さらに好ましくは下記要件(vi)を満たすことを特徴としている。
(i)メルトフローレート(MFR; ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定)が1~10g/10分であること、
(ii)13C-NMRで測定したメソペンタッド分率(mmmm)が0.940~0.995であること、
(iii)o-ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)による90℃での溶出積分量が0.5重量%以下であること、
(iv)示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が152℃以上であること、
(v)塩素含量が2重量ppm以下であること、
(ix)o-ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定した溶出温度に対する溶出成分量のピーク半値幅が7.0℃以下であり、ピークトップ温度が105~130℃であること、
(vi)13C-NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入に基づく異種結合の割合および1,3-挿入に基づく異種結合の割合の和が0.2mol%以下であること。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が1~10g/10分であり、好ましくは1.5~8.0g/10分である。MFRが1未満では押出機での原反成形が困難であり、また延伸時にチャック外れ等が生じ、所望の延伸フィルムが得られないことがある。またMFRが10g/10分を超えると延伸時にフィルム破断が多発する等、フィルムの生産性が著しく低下することがある。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、13C-NMRで測定したメソペンタッド分率(mmmm)が、0.940~0.995であり、好ましくは0.945~0.990である。13C-NMRで測定したメソペンタッド分率(mmmm)が0.940未満では所望の耐電圧を有するフィルムが得られないことがある。13C-NMRで測定したメソペンタッド分率(mmmm)が0.995を超えると、延伸時の応力が著しく高くなり、コンデンサー用に必要とされる薄膜のフィルムが得られない場合や、均一な膜厚分布のフィルムにすることが困難となる場合が生じる。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、o-ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(以下「CFC」とも記す。)による90℃での溶出積分量が、0.5重量%以下であり、好ましくは0.4重量%以下であり、更に好ましくは0.3重量%以下である。CFCによる90℃での溶出積分量が0.5重量%を超えると、後述する耐電圧測定条件下において所望の耐電圧が得られないことがある。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、CFCによる100℃での溶出積分量が、好ましくは2.2重量%以下であり、より好ましくは1.5重量%以下であり、更に好ましくは1.0重量%以下である。CFCによる100℃での溶出積分量が前記範囲内であると、該プロピレン単独重合体から得られるフィルムは、耐電圧性に優れる傾向がある。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、示差走査熱量計(以下「DSC」とも記す。)で測定した融点が152℃以上であり、好ましくは153~166℃である。DSCで測定した融点が152℃未満では、コンデンサーフィルム用として施される金属蒸着時に熱負けによるフィルムの破断が生じ、コンデンサー素子に仕上げるまでの工程や実際に使用される環境下で熱収縮により、所望のコンデンサー特性が得られないなどの弊害が多くなる。DSCで測定した融点が166℃を超えると、延伸時の応力が著しく高くなり、コンデンサー用に必要とされる薄膜のフィルムが得られない場合や、均一な膜厚分布のフィルムにすることが困難となる場合が生じる。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、塩素含量が、2重量ppm以下(0~2重量ppm)であり、好ましくは1重量ppm以下である。塩素含量が2重量ppmを超えると、導電成分が増加するため、得られる延伸フィルムの耐電圧が低下し、長期的なコンデンサー特性が低下する場合がある。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、13C-NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入に基づく異種結合の割合および1,3-挿入に基づく異種結合の割合の和が、好ましくは0.2mol%以下であり、より好ましくは0.15mol%以下である。13C-NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入および1,3-挿入に基づく異種結合の割合の和が、0.2mol%を超えると、プロピレン単独重合体の結晶の乱れが多くなるため、該プロピレン単独重合体から得られる延伸フィルムにおける結晶化成分が少なくなり、耐電圧の低下や熱収縮率の増大を招くおそれがある。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、沸騰n-ヘプタン不溶分(以下「HI」とも記す。)が98.0~99.9重量%であることが好ましく、98.5~99.9重量%であることがより好ましい。HIが98.0重量%未満では所望の耐電圧を有するフィルムが得られないことがある。HIが99.9重量%を超えると延伸時の応力が著しく高くなり、コンデンサー用に必要とされる薄膜のフィルムが得られない場合や、均一な膜厚分布のフィルムにすることが困難となる場合が生じる。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、キシレン可溶分量(以下「CXS」とも記す。)が0.1~1.0重量%であることが好ましく、0.1~0.8重量%であることがより好ましい。CXSが0.1重量%未満では延伸時の応力が著しく高くなり、コンデンサー用に必要とされる薄膜のフィルムが得られない場合や、均一な膜厚分布のフィルムにすることが困難となる場合が生じる。CXSが1.0重量%を超えると所望の耐電圧を有するフィルムが得られないことがある。
本発明のコンデンサー用プロピレン単独重合体は、o-ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定した溶出温度に対する溶出成分量のピーク半値幅が7℃以下、好ましくは6.0℃以下、さらに好ましくは4.5以下であるとともに、ピークトップ温度が105~130℃、好ましくは107~127℃、さらに好ましくは110~125℃である。
上記コンデンサー用プロピレン単独重合体の製造方法は、該プロピレン単独重合体が上記要件(i)~(v),(ix)、さらに、好ましくは上記要件(vi)、より好ましくは上記要件(iii)’、さらに好ましくは上記要件(vii)、特に好ましくは上記要件(viii)を同時に満たす限りにおいて何ら限定されるものではない。例えば、後述する担持型チタン触媒、メタロセン触媒などのプロピレン重合用触媒を用いたプロピレンの重合方法により製造し得る。
上記コンデンサー用プロピレン単独重合体の製造方法としては、上記のプロピレン重合用触媒の中でも、メタロセン触媒を用いた製造方法が好ましい。メタロセン触媒を用いた製造方法であると、メソペンタッド分率が高く、かつ絶縁性に悪影響を及ぼすと推察されるCXS成分が少ないプロピレン単独重合体が得られやすいため望ましい。
本発明のコンデンサー用延伸フィルムは、前記プロピレン単独重合体を、延伸倍率(縦×横の面倍率)30~80倍で、好ましくは35~75倍で、より好ましくは40~70倍で延伸してなるフィルムである。延伸倍率を高くすることにより、プロピレン単独重合体が高結晶化し、より高い絶縁破壊強度を有する延伸フィルムを得ることができる。
プロピレン単独重合体のメルトフローレート(MFR)を、ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定した。
プロピレン単独重合体のメソペンタッド分率(mmmm)は、A.zambelliらのMacromolecules,8,687(1975)に示された帰属により定められた値であり、13C-NMRにより、下記条件で測定し、メソペンタッド分率=(21.7ppmでのピーク面積)/(19~23ppmでのピーク面積)とした。
種類 JNM-Lambada400(日本電子(株)社製)
分解能 400MHz
測定温度 125℃
溶媒 1,2,4-トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=7/4
パルス幅 7.8μsec
パルス間隔 5sec
積算回数 2000回
シフト基準 TMS=0ppm
モード シングルパルスブロードバンドデカップリング
(3)CFCにより測定した昇温時の100℃までの溶出積分量、CFCにより測定したピーク半値幅およびピークトップ温度
プロピレン単独重合体の溶出積分量を、三菱油化社製CFC T-150A型を用い以下のようにして測定した。
プロピレン単独重合体の融点(Tm)を、示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)を用いて以下のとおり測定した。ここで測定した第3stepにおける吸熱ピークを融点(Tm)と定義した。
サンプル作製条件:230℃で2分間プレスした後、1分間放熱板上にて冷却させ、0.1mmから0.4mm厚のサンプルシートを作成した。
プロピレン単独重合体における塩素含量を以下のとおり測定した。
13C-NMRを用いて、特開平7-145212号公報に記載された方法に従って、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入の割合、1,3-挿入の割合を測定した。
プロピレン単独重合体におけるHIを以下のとおり測定した。
プロピレン単独重合体におけるCXSを以下のとおり算出した。
得られた延伸フィルムのBDVを80℃においてJIS-C2330に準拠して測定した。
〔プロピレン単独重合体(PP1)の製造〕
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコにSiO2(AGCエスアイテック製サンスフェアH121)300gをサンプリングし、トルエン800mLを入れ、スラリー化した。次に5L4つ口フラスコへ移液をし、トルエン260mLを加えた。メチルアルミノキサン(以下、MAO)-トルエン溶液(10wt%溶液)を2830mL導入した。室温のままで、30分間攪拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
グローブボックス内にて、5L4つ口フラスコにジメチルメチレン(3-t-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(3、6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを1.0g秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン0.5Lおよび前記(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー2.0L(固体成分として100g)を窒素下で加え、30分間攪拌し担持を行った。得られたジメチルメチレン(3-t-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(3、6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
前記(2)で調製した固体触媒成分101g、トリエチルアルミニウム111mL、ヘプタン80Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15~20℃に保ちエチレンを303g挿入し、180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で1g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを3g含んでいた。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を5NL/時間、前記(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として3.2g/時間、トリエチルアルミニウム1.0ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は30℃であり、圧力は3.1MPa/Gであった。
得られたプロピレン単独重合体(PP1)100重量部に対して、酸化防止剤として3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエンを0.2重量部、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.2重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム 0.01重量部を配合し、単軸押出機を用いて、樹脂温度230℃で溶融混練してプロピレン単独重合体(PP1)のペレット化を行った。造粒機は(株)ジーエムエンジニアリング製GMZ50-32(L/D=32、50mmφ単軸)を使用した。
上記で得られたプロピレン単独重合体(PP1)のペレットを(株)ジーエムエンジニアリング製30mmφのTダイで250℃に溶融後に押出し、30℃の温度に保持された1個の冷却ロールにより、引張り速度1.0m/分で冷却し、厚さが0.5mmのシートを得た。
上記で得られたシートを85mm×85mmにカットし、次の条件で二軸延伸し厚さ14μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの耐電圧を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
予熱温度:154℃
予熱時間:60秒
延伸倍率:5×7倍(MD方向5倍、TD方向7倍)の逐次二軸延伸
延伸速度:6m/分
[実施例2]
重合を下記のとおり行い、得られたプロピレン単独重合体(PP2)を用いた以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの耐電圧を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコにSiO2(AGCエスアイテック製サンスフェアH121)300gをサンプリングし、トルエン800mLを入れ、スラリー化した。次に5L4つ口フラスコへ移液をし、トルエン260mLを加えた。メチルアルミノキサン(以下、MAO)-トルエン溶液(10wt%溶液)を2830mL導入した。室温のままで、30分間攪拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
グローブボックス内にて、5L4つ口フラスコに[3-(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3-トリメチル-5-tert-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライドを1.0g秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン0.5Lおよび前記(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー2.0L(固体成分として100g)を窒素下で加え、30分間攪拌し担持を行った。得られた[3-(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3-トリメチル-5-tert-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
前記(2)で調製した固体触媒成分101g、トリエチルアルミニウム111mL、ヘプタン80Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15~20℃に保ちエチレンを303g挿入し、180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で1g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを3g含んでいた。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を5NL/時間、前記(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として3.2g/時間、トリエチルアルミニウム1.0ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は30℃であり、圧力は3.1MPa/Gであった。
重合を下記のとおり行い、得られたプロピレン単独重合体(PP3)を用いた以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの耐電圧を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコにSiO2(AGCエスアイテック製サンスフェアH121)300gをサンプリングし、トルエン800mLを入れ、スラリー化した。次に5L4つ口フラスコへ移液をし、トルエン260mLを加えた。メチルアルミノキサン(以下、MAO)-トルエン溶液(10wt%溶液)を2830mL導入した。室温のままで、30分間攪拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
グローブボックス内にて、5L4つ口フラスコにジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを1.0g秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン0.5Lおよび前記(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー2.0L(固体成分として100g)を窒素下で加え、30分間攪拌し担持を行った。得られたジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
前記(2)で調製した固体触媒成分101g、トリエチルアルミニウム111mL、ヘプタン80Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15~20℃に保ちエチレンを303g挿入し、180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で1g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを3g含んでいた。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を5NL/時間、前記(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として3.2g/時間、トリエチルアルミニウム1.0ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は30℃であり、圧力は3.1MPa/Gであった。
重合を下記のとおり行い、得られたプロピレン単独重合体(PP4)を用いた以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの耐電圧を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコにSiO2(AGCエスアイテック製サンスフェアH121)300gをサンプリングし、トルエン800mLを入れ、スラリー化した。次に5L4つ口フラスコへ移液をし、トルエン260mLを加えた。メチルアルミノキサン(以下、MAO)-トルエン溶液(10wt%溶液)を2830mL導入した。室温のままで、30分間攪拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
グローブボックス内にて、5L4つ口フラスコにジフェニルメチレン(3-t-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(2,7-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを1.0g秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン0.5Lおよび前記(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー2.0L(固体成分として100g)を窒素下で加え、30分間攪拌し担持を行った。得られたジフェニルメチレン(3-t-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(2,7-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
前記(2)で調製した固体触媒成分101g、トリエチルアルミニウム111mL、ヘプタン80Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15~20℃に保ちエチレンを303g挿入し、180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で1g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを3g含んでいた。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を5NL/時間、前記(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として4.4g/時間、トリエチルアルミニウム1.0ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は30℃であり、圧力は3.1MPa/Gであった。
重合を下記のとおり行い、得られたプロピレン単独重合体(PP5)を用いた以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの耐電圧を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコにSiO2(AGCエスアイテック製サンスフェアH121)300gをサンプリングし、トルエン800mLを入れ、スラリー化した。次に5L4つ口フラスコへ移液をし、トルエン260mLを加えた。メチルアルミノキサン(以下、MAO)-トルエン溶液(10wt%溶液)を2830mL導入した。室温のままで、30分間攪拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
グローブボックス内にて、5L4つ口フラスコにジメチルシリレンビス-(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを1.0g秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン0.5Lおよび前記(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー2.0L(固体成分として100g)を窒素下で加え、30分間攪拌し担持を行った。得られたジメチルシリレンビス-(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
前記(2)で調製した固体触媒成分101g、トリエチルアルミニウム111mL、ヘプタン80Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15~20℃に保ちエチレンを303g挿入し、180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で1g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを3g含んでいた。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を5NL/時間、前記(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として1.7g/時間、トリエチルアルミニウム1.0ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は30℃であり、圧力は3.1MPa/Gであった。
重合を下記のとおり行い、得られたプロピレン単独重合体(PP6)を用いた以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの耐電圧を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)固体状チタン触媒成分の調製
無水塩化マグネシウム952g、デカン4420mLおよび2-エチルヘキシルアルコール3906gを、130℃で2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸213gを添加し、130℃でさらに1時間攪拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた。得られた均一溶液を23℃まで冷却した後、この均一溶液750mLを、-20℃に保持された四塩化チタン2000mL中に1時間かけて滴下した。滴下後、得られた混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでフタル酸ジイソブチル(DIBP)52.2gを加え、同温度で2時間加熱した。次いで、熱時濾過にて固体部を採取し、この固体部を2750mLの四塩化チタンに再懸濁させた後、再び110℃で2時間加熱した。加熱終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、110℃のデカンおよびヘキサンを用いて、洗浄液中にチタン化合物が検出されなくなるまで洗浄した。このようにして調製された固体状チタン触媒成分は、ヘキサンスラリーとして保存される。このヘキサンスラリーの一部を乾燥して触媒組成を調べたところ、固体状チタン触媒成分は、チタンを2重量%、塩素を57重量%、マグネシウムを21重量%およびDIBPを20重量%含有していた。
前記(1)で調製した固体状チタン触媒成分120g、トリエチルアルミニウム20.5mLおよびヘプタン120Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに入れ、内温5℃に保ちながら、プロピレンを720g加え、60分間攪拌して反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体状チタン触媒成分濃度で1g/Lの前重合触媒のスラリーを得た。この前重合触媒は固体状チタン触媒成分1g当たり、プロピレン単独重合体を6g含んでいた。
内容量100Lの攪拌器付きベッセル重合器に、プロピレンを110kg/時間、前記(2)で調製した前重合触媒のスラリーを9.8g/時間、トリエチルアルミニウムを5.8mL/時間およびジシクロペンチルジメトキシシランを2.6mL/時間、連続的に供給し、水素を、気相部の水素濃度が0.9mol%になるように供給した。重合温度73℃および圧力3.2MPa/Gで重合を行った。得られたスラリーを内容量1000Lの攪拌機付きベッセル重合器に送り、さらに重合を行った。プロピレンを30kg/時間および水素を、気相部の水素濃度が1.3mol%になるように重合器に供給した。重合温度71℃および圧力3.0MPa/Gで重合を行った。得られたスラリーを内容量500Lの攪拌機付きベッセル重合器に送り、さらに重合を行った。プロピレンを46kg/時間および水素を、気相部の水素濃度が1.3mol%になるように重合器に供給した。重合温度69℃、圧力2.9MPa/Gで重合を行った。得られたスラリーを失活させた後、液体プロピレンによる洗浄槽に送り、プロピレン単独重合体パウダーを洗浄した。このスラリーを気化させた後、気固分離し、プロピレン単独重合体を得た。得られたプロピレン単独重合体を、コニカル乾燥機に導入して、80℃で真空乾燥した。次いで、この生成物100キログラムに対し、純水35.9グラムおよびプロピレンオキサイド0.63リットルを加え、90℃で2時間脱塩素処理を行った後に、80℃で真空乾燥を行うと、プロピレン単独重合体(PP6)が得られた。
重合を下記のとおり行い、得られたプロピレン単独重合体(PP7)を用いた以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの耐電圧を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコにSiO2(AGCエスアイテック製サンスフェアH121)300gをサンプリングし、トルエン800mLを入れ、スラリー化した。次に5L4つ口フラスコへ移液をし、トルエン260mLを加えた。メチルアルミノキサン(以下、MAO)-トルエン溶液(10wt%溶液)を2830mL導入した。室温のままで、30分間攪拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
グローブボックス内にて、5L4つ口フラスコに(フェニル)(メチル)メチレン(3-t-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(1,1,3,6,8,8-ヘキサメチル-1H,8H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを1.0g秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン0.5Lおよび前記(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー2.0L(固体成分として100g)を窒素下で加え、30分間攪拌し担持を行った。得られた(フェニル)(メチル)メチレン(3-t-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(1,1,3,6,8,8-ヘキサメチル-1H,8H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
前記(2)で調製した固体触媒成分101g、トリエチルアルミニウム111mL、ヘプタン80Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15~20℃に保ちエチレンを303g挿入し、180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で1g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを3g含んでいた。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を5NL/時間、前記(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として2.6g/時間、トリエチルアルミニウム1.0ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は30℃であり、圧力は2.6MPa/Gであった。
Claims (4)
- 下記要件(i)~(v),(ix)を満たすコンデンサー用プロピレン単独重合体;
(i)メルトフローレート(MFR; ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定)が1~10g/10分であること、
(ii)13C-NMRで測定したメソペンタッド分率(mmmm)が0.940~0.995であること、
(iii)o-ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)による90℃での溶出積分量が0.5重量%以下であること、
(iv)示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が152℃以上であること、
(v)塩素含量が2重量ppm以下であること、
(ix)o-ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定した溶出温度に対する溶出成分量のピーク半値幅が7.0℃以下であり、ピークトップ温度が105~130℃であること。 - さらに下記要件(vi)を満たす請求項1記載のコンデンサー用プロピレン単独重合体;
(vi)13C-NMRスペクトルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入に基づく異種結合の割合および1,3-挿入に基づく異種結合の割合の和が0.2mol%以下であること。 - メタロセン触媒を用いて重合された請求項1または2記載のコンデンサー用プロピレン単独重合体。
- 請求項1~3のいずれか記載のプロピレン単独重合体を延伸面倍率(縦×横の面倍率)30~80倍で延伸させてなるコンデンサー用延伸フィルム。
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