WO2009014239A1 - 横型射出成形機 - Google Patents

Abstract

回転板１４が、固定ベース２２に対しＲガイド２８によって回転可能に支持され、回転板１４及び回転板１４に装着される金型１２の重量が、軸受１８のみならずＲガイド２８によっても支持される。よって、回転板の軸受１８に作用するモーメントＭと垂直方向荷重Ｆとを、軽減することができる。Ｒガイド２８のブロック２６が、回転板１４側に対し、皿ばね３０を介して固定され、回転板１４の回転時には、皿ばね３０の弾性力により、回転板１４は隙間Ｓだけ固定ベース２２から離間し、回転板の回転抵抗が軽減される。一方、型締め時には、皿ばね３０の弾性力に抗して回転板及び固定ベースの受圧面１４ａ、２２ａ同士が当接し、型締め荷重Ｐを固定ベース２２に確実に伝達する。

Description

明細書

横型射出成形機

技術分野

本発明は、 水平方向に延びる回転軸を備え複数の金型を装着可能な回転板と、 該回 転板の回転軸を片持ち支持する軸受及び該回転板の回転駆動装置を備える固定ベース とを含む、 横型射出成形機に関するものである。

背景技術

従来から、 基材と基材を被覆する被覆材とからなる二色成形品の射出成形機として、 複数の金型を装着可能な回転板を備える射出成形機が用いられている。 この射出成形 機は、 回転板に、 基材部成形用及び被覆部材成形用の二種類のコァ側金型を装着し、 キヤビティ側金型に対し、 回転板を回転させてコア側金型を交換して射出成形を行う ことで、 一つの成形機で二色成形を行うものである。 なお、 回転板の回転軸は、 垂直 方向を向くように構成され、 金型の型締め方向が縦方向となる、 縦型射出成形機が広 く用いられている （例えば、 特許文献 1から 3参照） 。

特許文献 1 ：特開昭 6 1— 1 8 2 9 1 4号公報

特許文献 2 ：特開平 6— 1 9 8 5 2 8号公報

特許文献 3 ：特開平 6— 7 1 6 9 0号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

又、 成形品の大きさや設備規模によっては、 回転板の回転軸が水平方向に延設され、 型締め方向が横方向となる、 横型射出成形機が用いられる。 この、 横型射出成形機は、 金型の交換を容易とする等の理由から、 回転板は片持ち構造となっており、 回転板の 軸受には、 常時、 回転板及ぴ金型の重量に起因するモーメントと、 鉛直下方向荷重と が作用することとなる。 従って、 回転軸を軸支する軸受には、 かかる負荷に耐え得る よう高荷重対応の特殊な軸受を用いることが必要となり、 その調達に時間を要すると 共に、 設備コストの上昇を来たすものであった。

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは、 横型射 出成形機において、 回転板の軸受に作用するモーメントと鉛直下方向荷重とを軽減す ることにある。

課題を解決するための手段

上記課題を解決するために、 本発明の射出成形機は、 水平方向に延びる回転軸を備 え複数の金型を装着可能な回転板と、 該回転板の回転軸を片持ち支持する軸受及び該 回転板の回転駆動装置を備える固定ベースとを含む、 横型射出成形機であって、 前記回転板の回転時における、 前記回転板及ぴ前記回転板に装着される金型の重量を、 前記回転板の回転軸を軸支する軸受と共に分担して受ける、 荷重受け手段を備えるこ とで、 前記軸受の負担を軽減するものである。

発明の態様

以下の発明の態様は、 本発明の構成を例示するものであり、 本発明の多様な構成の 理解を容易にするために、 項別けして説明するものである。 各項は、 本発明の技術的 範囲を限定するものではなく、 発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、 各項 の構成要素の一部を置換し、 削除し、 又は、 更に他の構成要素を付加したものについ ても、 本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。

( 1 ) 水平方向に延びる回転軸を備え複数の金型を装着可能な回転板と、 該回転板 の回転軸を片持ち支持する軸受及び該回転板の回転駆動装置を備える固定ベースとを 含む、 横型射出成形機であって、 前記回転板が前記固定ベースに対し、 環状レール及 ぴ該環状レールに摺動案内されるブロックからなる Rガイドによつて回転可能に支持 されている横型射出成形機。

本項に記載の横型射出成形機は、 回転板が、 固定ベースに対し、 荷重受け手段であ る Rガイドによって回転可能に支持されることにより、 回転板の回転動作を妨げるこ となく、 回転板の軸受に作用するモーメントと鉛直下方向荷重とを軽減するものであ る。

( 2 ) 上記 （1 ) 項において、 前記ブロックがクッションを介して保持されている 横型射出成形機。

本項に記載の横型射出成形機は、 Rガイドのプロックがクッションを介して保持さ れることで、 クッションの弾性力により回転板が固定ベースから離間し、 回転板の回 転抵抗が軽減される。 よって、 回転板の回転動作を妨げることなく、 回転板の軸受に 作用するモーメントと鉛直下方向荷重とを軽減するものである。

( 3 ) 上記 （1 ) 、 ( 2 ) 項において、 前記回転板及び前記固定ベースの各対向部 分に、 型締め荷重を受ける受圧面が形成されている横型射出成形機 （請求項 1 ) 。 本項に記載の横型射出成形機は'、 型締め時に、 皿ばねの弾性力に杭して回転板及び 固定ベースの受圧面同士が当接し、 型締め荷重を固定ベースに確実に伝達するものと なる。

( 4 ) 前記回転板は円盤状をなし、 前記 Rガイドの環状レールが、 前記回転板の外 周端近傍に沿って設けられている横型射出成形機 （請求項 2 ) 。

本項に記載の横型射出成形機は、 回転板及び前記回転板に装着される金型の重量を、 軸受のみならず、 円盤状の回転板の外周端近傍に沿って設けられた Rガイドによって 受けることで、 回転板の回転動作を妨げることなく、 回転板の軸受に作用するモーメ ントを、 効率良く軽減するものである。

( 5 ) 前記 Rガイドの環状レールが、 前記固定ベース側に固定され、 前記 Rガイド のブロックが、 前記クッションとしての皿ばねを介して、 前記回転板側に固定されて いる横型射出成形機 （請求項 3 ) 。 ' 本項に記載の横型射出成形機は、 固定ベース側に固定された環状レールに摺動案内 されるブロックが、 回転板側に対し皿ばねを介して固定されることで、 回転板の回転 時には、 皿ばねの弾性力により、 回転板が固定ベースから離間し、 回転板の回転抵抗 が軽減される。 よって、 回転板の回転動作を妨げることなく、 回転板の軸受に作用す るモーメントを、 効率良く軽減するものである。 一方、 型締め時には、 皿ばねの弾性 力に抗して回転板が固定ベースに当接し、 型締め荷重を固定ベースに確実に伝達する ものとなる。

発明の効果

本発明はこのように構成したので、 横型射出成形機において、 回転板の軸受に作用 するモーメントと鉛直下方向荷重とを軽減することが可能となる。

図面の簡単な説明

[図 1 ] 本発明の実施の形態に係る横型射出成形機の模式図であり、 （ a ) は回転板及 ぴ固定ベースの縦断面図、 （b ) は回転板及ぴ固定ベースの正面図である。 [図 2 ] 図 1に示される横型射出成形機の、 Rガイド及ぴクッション周辺部の構造を示 す縦断面図である。

[図 3 ] 本発明の実施の形態に係る横型射出成形機の要部断面図であり、 （a ) は回転 板の回転時の様子を、 （b ) は型締め時の様子を示している。

符号の説明

1 0 ：横型射出成形機、 1 2 ：金型、 1 4 ：回転板、 1 6 ：回転軸、 1 8 ：軸受、 2 0 ：回転駆動装置、 2 2 ：固定ベース、 2 4 ：環状レール、 2 6 ：プロック、 2 8 ： Rガイド、 3 0 ：クッション

発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。

図 1に示されるように、 本発明の実施の形態に係る横型射出成形機 1 0は、 水平方 向に延びる回転軸 1 6を備えかつ複数の金型 1 2を装着可能な、 円盤状の回転板 1 4 と、 回転板 1 4の回転軸 1 6を片持ち支持する軸受 1 8及び回転板 1 4の回転駆動装 置 2 0を備える固定ベース 2 2とを含むものである。 ここで、 回転駆動装置 2 0は、 モータの駆動力を歯車等の減速機を介して回転板 1 4に伝達するものであり、 固定べ ース 2 2に対する回転板 1 4の回転角度の割出しを、 高精度に行うことが可能である。 又、 回転板 1 4力 固定ベース 2 2に対し、 環状レール 2 4及び環状レール 2 4に 摺動案内されるプロック 2 6からなる Rガイド 2 8によって、 回転可能に支持され、 かつ、 ブロック 2 6力 クッション 3 0を介して保持されている。 Rガイド 2 8の環 状レール 2 4は、 可能な限り、 回転板 1 4の外周端近傍に沿って設けられている。 又、 回転板 1 4及び固定ベース 2 2の各対向部分に、 型締め荷重を受けるための、 受圧面 1 4 a、 2 2 aが形成されている。 なお、 符号 1 2 A、 1 2 Bは、 夫々、 コア側金型 及びキャビティ側金型を示している。

さて、 図 2には、 Rガイド 2 8及びクッション 3 0の周辺部の構造が、 より具体的 に示されている。 Rガイド 2 8の環状レール 2 4は、 固定ベース 2 2側に固定され、 ブロック 2 6が、 クッションとしての皿ばね 3 0を介して、 回転板 1 4側に固定され ている。 ここで、 皿ばね 3 0は、 2枚が、 対向するように重ね合わされて、 2枚の座 金 3 2に挾持され、 更に、 回転板の貫通孔 1 4 bに揷通されるプロックホルダ 3 4と、 蓋 3 6との間に配置されている。 そして、 蓋 3 6を外すことによって、 皿ばね 3 0の メンテナンスや交換が容易となっている。 又、 ブロックホルダ 3 4には、 ブロック 2 6に注油を行うための注油穴 3 4 aが形成されている。 なお、 図 2に示されるブロッ ク 2 6及びその支持構造は、 図 1 ( b ) に示されるように、 同一円周上に （環状レー ル 2 4に沿って） 等間隔で複数設けられている。

さて、 上記構成をなす、 本発明の実施の形態に係る横型射出成形機 1 0によれば、 次のような作用効果を得ることが可能である。 まず、 回転板 1 4が、 固定ベース 2 2 に対し、 荷重受け手段である Rガイド 2 8によって回転可能に支持されることにより、 回転板 1 4及び回転板 1 4に装着される金型 1 2の重量が、 回転軸 1 6及び軸受 1 8 のみならず Rガイド 2 8によっても支持される構造となっている。 よって、 回転板 1 4の回転動作を妨げることなく、 図 3 ( a ) に示される、 回転板の軸受 1 8に作用す るモーメント Mと鉛直下方向荷重 Fとを、 軽減することができる。

しかも、 Rガイド 2 8が回転板 1 4の外周端近傍に沿って設けられていることによ り、 回転板 1 4の軸受 1 8に作用するモーメントの発生を、 効率良く軽減することが できる。

又、 固定ベース 2 2側に固定された環状レール 2 4に摺動案内されるブロック 2 6 が、 回転板 1 4側に対し、 皿ばね 3 0を介して固定されることで、 回転板 1 4の回転 (型締め時以外の停止時を含む。 ） には、 皿ばね 3 0の弾性力により、 回転板 1 4は 図 3 ( a ) に示される隙間 Sだけ固定ベース 2 2から離間し、 回転板の回転抵抗が軽 減される。 かかる隙間 Sは、 固定ベース 2 2に対し回転板 1 4が接触していない程度 確保されていれば良く、 例えば、 S = 0 . 5 mm程度に設定される。 よって、 回転板 1 4の回転動作を妨げることなく、 回転板 1 4の軸受 1 8に作用するモーメント Mと 鉛直下方向荷重 Fとを、 軽減することができる。

—方、 型締め時には、 図 3 ( b ) に示されるように、 皿ばね 3 0の弾性力に杭して 回転板及ぴ固定ベースの受圧面 1 4 a、 2 2 a同士が当接し、 型締め荷重 Pを固定べ ース 2 2に確実に伝達することができる。 よって、 型締め力が不足することはない。 なお、 皿ばね 3 0に換えて、 必要な荷重を受けることが可能な、 他のクッションを使 用することも可能である。 以上のごとく、 本発明の実施の形態によれば、 回転板 1 4の軸受 1 8に作用するモ 一メント Mと鉛直下方向荷重 Fとを軽減し、 一般的な軸受で、 回転板 1 4の回転軸 1 6を軸支することが可能となる。 よって、 高荷重対応の特殊な軸受の調達を不要とし、 設備コストの上昇を抑えた横型射出成形機 1 0を提供することが可能となる。

Claims

請求の範囲

[1] 水平方向に延びる回転軸を備え複数の金型を装着可能な回転板と、 該回転板の回 転軸を片持ち支持する軸受及び該回転板の回転駆動装置を備える固定ベースとを含む、 横型射出成形機であって、

前記回転板が前記固定ベースに対し、 環状レール及び該環状レールに摺動案内され るブロックからなる Rガイドによって回転可能に支持され、 かつ、 前記プロックが、 クッションを介して保持され、

前記回転板及び前記固定ベースの各対向部分に、 型締め荷重を受ける受圧面が形成さ れていることを特徴とする横型射出成形機。

[2] 前記回転板は円盤状をなし、 前記 Rガイドの環状レールが、 前記回転板の外周端 近傍に沿って設けられていることを特徴とする請求項 1記載の横型射出成形機。

[3] 前記 Rガイドの環状レールが、 前記固定ベース側に固定され、 前記 Rガイドのブ 口ック力 前記クッシヨンとしての皿ばねを介して、 前記回転板側に固定されている ことを特徴とする請求項 1又は 2記載の横型射出成形機。