明 細 書
農薬粒状組成物
技術分野
[0001] 本発明は水田、畑等で発生する害虫を効率よく防除するネライストキシン系農薬活 性成分を含有する農薬粒状組成物に関する。さらに詳しくは、ネライストキシン系農 薬活性成分を塩基性の無機鉱物質粒状物に安定にコーティングさせた農薬粒状組 成物に関する。
背景技術
[0002] ネライストキシン系農薬活性成分としては、チオシクラムシユウ酸塩 (以下 TCHO)、 カルタップ塩酸塩、ベンスルタップ等が挙げられる。これらは接触毒、食毒として作用 し、また水面施用でも効果を示す殺虫剤で残効も期待できる。鱗翅目、鞘翅目害虫 のほかチヤノキイロアザミゥマ、ョコバイ類、イネシンガレセンチユウなどに有効であり、 薬害のおそれは少な V、 (非特許文献 1)。
[0003] ネライストキシン系農薬活性成分は化学的にはアルカリの条件下で加水分解を受 け、不安定であることが知られている(非特許文献 2)。そのため、ネライストキシン系 農薬活性成分含有粒状組成物の粒核として炭酸カルシウムをはじめとする塩基性無 機鉱物質を使用することは忌避されるべきこととして当然のごとく認識されてきており 、塩基性無機鉱物質を使用した粒状組成物は知られて!/、な!/、。
[0004] 製剤中におけるネライストキシン系農薬活性成分の安定性向上を狙った製剤として 常温で固体のろう状物質で被覆した製剤(特許文献 1)が知られていた。
[0005] また、ネライストキシン系農薬活性成分の中で唯一べンスルタップについては塩基 性条件下で安定に製剤化した報告が見られる。例えば、炭酸カルシウムを増量剤と したべンスルタップ固形製剤に関する報告 (特許文献 2)や、酸化カルシウム、酸化亜 鉛、酸化マグネシウムなどの塩基性酸化物を含有することで製剤中のベンスルタップ を安定化できた報告 (特許文献 3)などがある。
[0006] 非特許文献 1 :日本植物防疫協会編、「農薬ハンドブック(1998年版)」 日本植物防 疫協会 平成 10年 12月 15日 P. 123— 125
非特許文献 2 : C. D. S トムリン編、「ぺスティサイドマニュアル」 第 13版 BCPC 2 003年 P. 967— 968 (C. D. S Tomlin, The Pesticide Manual, Thirteent h Edition, BCPC 2003 P. 967- 968)
非特許文献 3 :佐々木満ら編、「日本の農薬開発」日本農薬学会 2003年 P. 117 - 130
特許文献 1:特許第 2696354号明細書(第 6欄第 2行)
特許文献 2 :特開平 6— 312902号公報 (第 3頁)
特許文献 3:特許第 2706655号明細書(第 10欄第 32行)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] しかしながら、 TCHO及びカルタップ塩酸塩については塩基性条件下で安定に製 剤化した例は報告されておらず、ネライストキシン系農薬活性成分全般について、安 定な製剤処方は未だ見出されて!/、なかった。
農薬粒状組成物を製造しょうとした場合、増量剤として使用しうる塩基性無機鉱物 質、例えば炭酸カルシウムは、安全性が高く安価であるが、塩基性条件下で不安定 なネライストキシン系農薬活性成分の製剤化に用いることはできな力、つた。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、農園芸分野の粒状組成物に使用され得る種々の増量剤、賦形剤、 安定剤を用いて検討した結果、上記のようにネライストキシン系農薬活性成分がアル カリ条件下で分解することが公知であるにも関わらず、炭酸カルシウムをはじめとする 塩基性無機鉱物質粒核にネライストキシン系農薬活性成分を安定にコーティングさ せること力 Sできることを見出した。すなわち、炭酸カルシウムをはじめとする塩基性無 機鉱物質粒核に親油性の液体を接着剤として用いてネライストキシン系農薬活性成 分と安定剤のリン酸との混合物をコーティングさせることで塩基性無機鉱物質粒核を 増量剤として用いても安定な粒状組成物が得られることを見出した。
[0009] 即ち、本発明は、
(1)農薬活性成分としてネライストキシン系農薬活性成分、増量剤として塩基性無 機鉱物質粒核を含む無機鉱物質粒核、接着剤として親油性液体及び安定剤としてリ
ン酸を含有する農薬粒状組成物、
(2)ネライストキシン系農薬活性成分がチオシクラムシユウ酸塩 (以下、 TCHOと表 す。 )又はカルタップ塩酸塩である上記(1)記載の農薬粒状組成物、
(3)親油性液体が流動パラフィンである上記(1)又は (2)記載の農薬粒状組成物、
(4)更に固結防止剤を含有する上記(1 )な!/、し (3)の!/、ずれかに記載の農薬粒状 組成物、
(5)無機鉱物質粒核 65〜98重量%、ネライストキシン系農薬活性成分 1. 0-20. 0重量%、親油性液体 0. 5〜; 10重量%、リン酸 0. 05-0. 5重量%、固結防止剤 0 〜2重量%を含有する上記(1)なレ、し (4)のレ、ずれかに記載の農薬粒状組成物、
(6)無機鉱物質粒核に、親油性液体を接着剤として用いて、ネライストキシン系農 薬活性成分及びリン酸がコーティングされて!/、る上記(1)なレ、し(5)の!/、ずれかに記 載の農薬粒状組成物、
(7)無機鉱物質粒核と親油性液体を混合した組成物に、ネライストキシン系農薬活 性成分及びリン酸を添加、混合してコーティングして得られる上記(1)ないし(6)のい ずれかに記載の農薬粒状組成物、
(8)固結防止剤を、ネライストキシン系農薬活性成分及び/又はリン酸に混合して 用いる上記(6)又は(7)に記載の農薬粒状組成物、
(9)無機鉱物質粒核に親油性液体を混合し、次いで、ネライストキシン系農薬活性 成分及びリン酸を添加、混合してコーティングすることを含む上記(1)ないし(8)のい ずれかに記載の農薬粒状組成物の製造方法、
(10)固結防止剤を、ネライストキシン系農薬活性成分及び/又はリン酸に混合し て用いる上記(9)に記載の農薬粒状組成物の製造方法。
発明の効果
[0010] 農薬粒状組成物中のネライストキシン系農薬活性成分は、炭酸カルシウムを代表と する塩基性無機鉱物質粒核を増量剤として使用しているにもかかわらず親油性液体 と安定剤としてリン酸を併用することにより長期間安定である。
発明を実施するための最良の形態
[0011] 本発明の粒状組成物中で使用されるネライストキシン系農薬活性成分は TCHO、
カルタップ塩酸塩、ベンスルタップ等が挙げられ、好ましくは TCHO、カルタップ塩酸 塩である。これらのネライストキシン系農薬活性成分は、公知の方法(特開昭 51— 13 6689号公報、特公昭 45— 18847号公報、前記非特許文献 3参照。)で合成が可能 である。本発明の農薬粒状組成物にはこれらの農薬活性成分を単独又は 2種以上を 併用してもよい。農薬粒状組成物中のネライストキシン系農薬活性成分の含有割合 は、通常 1. 0-20. 0重量%、好ましくは 2. 0- 10. 0重量%程度である。
ネライストキシン系農薬活性成分以外にも、本発明の農薬粒状組成物においては 以下の農薬活性成分も、ネライストキシン系農薬活性成分に対して化学的安定性の 面で影響を与えない範囲であれば 1種類以上併用することができる。具体的には、例 えば次のようなものが挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば殺虫活 性成分としては、 BPMC (2— sec ブチルフエ二ルー N メチルカーバメート)、 Ml PC (2—イソプロピルフエ二ルー N メチルカーバメート)、 NAC ( 1—ナフチル一 N —メチルカーバメート)、二テンビラム((E) - N- (6—クロ口一 3—ピリジルメチル) N ェチル N,一メチル一 2—ニトロビニリデンジァミン)、ピラクロホス((RS) - [O —1— (4—クロ口フエ二ノレ)ピラゾーノレ一 4—ィノレ〕 =〇一ェチノレ = S—プロピノレ=ホ スホロチォエート)、ブプロフエジン(2— tert ブチルイミノー 3 イソプロピルー5— フエニノレー 3, 4, 5, 6 テトラヒドロー 2H—1 , 3, 5 チアジアジンー4 オン)、フノレ シトリネート((RS) - a—シァノー 3—フエノキシベンジノレ = (S) - 2 - (4—ジフルォ ロメトキシフエニル)ー3—メチルブチラート)、メソミル(S—メチルー N—〔(メチルカル バモイノレ)ォキシ〕チオアセトイミデート)、エトフェンプロックス(2—(4 エトキシフエ ニル) 2 メチルプロピル = 3 フエノキシベンジル =エーテル)、 XMC (3 , 5 キ シリル一 N メチルカーバメート)、ジノテフラン((RS)— 1ーメチルー 2 二トロー 3— (テトラヒドロ一 3—フリルメチル)グァニジン)、ァセタミプリド((E)— N—〔(6—クロ口 3—ピリジル)メチル〕 N, 一シァノ N メチルァセトアミジン)、チアメトキサム(3 一(2—クロロー 1 , 3—チアゾールー 5—ィルメチル)ー5—メチルー 1 , 3, 5—ォキサ ジアジナン— 4—イリデン (ニトロ)ァミンなどが挙げられる。殺菌活性成分としては、 I BP (0, O ジイソプロピル S べンジルチオホスフェート)、トリシクラゾール(5—メ チルー 1 , 2, 4 トリァゾロ〔3, 4— b〕ベンゾチアゾール)、フサライド(4, 5, 6 , 7 テ
トラクロロフタリド)、ノ リダマイシン、プロべナゾール(3 ァリルォキシ 1 , 2 べンゾ イソチアゾール一 1, 1—ジォキシド)、フェリムゾン((Z)— 2 '—メチルァセトフエノン = 4, 6 ジメチノレピリミジン一 2 ィノレヒドラジン)、フノレトラニノレ( a , a , α—トリフノレ オロー 3,一イソプロポキシ Ο トルァニリド)、フラメトビノレ((RS)— 5—クロロー Ν— ( 1 , 3—ジヒドロー 1 , 1 , 3—トリメチルイソべンゾフラン一 4—ィル) 1 , 3—ジメチノレ ピラゾールー 4 カルボキサミド、ペンシクロン(1一(4 クロ口べンジル) 1ーシクロ ペンチルー 3—フエニル尿素、ジクロメジン(6—(3, 5—ジクロロー 4 メチルフエ二 ノレ) 3 (2Η)—ピリダジノン)、カスガマイシン一塩酸塩などが挙げられる。
[0013] 本発明で増量剤として使用される無機鉱物質粒核に含まれる塩基性無機鉱物質 粒核は、具体的には炭酸カルシウム、タルク、酸化カルシウムなどが挙げられ、中で も大量に入手可能な炭酸カルシウムが望まし V、。上記の塩基性無機鉱物質粒核を 単独あるいは二種以上混合してもよい。本発明では、塩基性無機鉱物質粒核に例え ば海砂、石英ゃ珪砂などの塩基性以外の無機鉱物質粒核が混在していてもよい。本 発明で使用される無機鉱物質粒核に含まれる塩基性無機鉱物質粒核は通常 5〜; 10 0重量%の中の任意の値を取ることができる。
[0014] 通常、無機鉱物質粒核に農薬活性成分をコーティングして得られる農薬粒状組成 物は、粒径の小さ V、粒核にコーティングされる農薬活性成分重量の粒核に対する割 合が大きくなり、反対に粒径の大きい粒核は農薬活性成分重量の粒核に対する割合 力 S小さぐ両者の農薬活性成分含量に差が生じて含量分析の際しばしば分析結果 のばらつきを生じて品質管理の障害となる。従って、本発明で使用される無機鉱物質 粒核の粒度分布は通常 0. 05—2. Omm、好ましくは 0. 06— 1. 7mmである。無機 鉱物質粒核の使用量は組成物中、通常、 65〜98重量%、好ましくは 75〜95重量 %である。
[0015] 本発明の農薬粒状組成物において、接着剤として使用される親油性液体としては 、流動パラフィン(例、モレスコホワイト 60、モレスコホワイト 40、モレスコホワイト 30 :商 標;松村石油化学研究所)、石油留分、動植物油などが挙げられ、通常、粘度が 68 mm/s2 (40。C)以下のものから選ぶことができ、好ましくは 1. 5〜20mm/s2 (40。C )、より好ましくは 1 · 75〜; 13mm/s2 (40°C)のものを使用することができる。これらを
単独にあるいは二種以上混合して使用することができる力、これらに限定されるもの ではない。親油性液体の農薬粒状組成物中の含有量は、通常、 0. 5〜; 10重量%、 好ましくは 1. 0〜5. 0重量%程度である。
[0016] 本発明の農薬粒状組成物において、安定剤として用いられるリン酸は工業用ダレ ード(75%)以上が好ましい。リン酸の添加量は組成物中で、通常、 0. 05-0. 5重 量%の範囲であり、好ましくは 0. ;!〜 0. 3重量%である。リン酸の添加方法は特に定 められていないが、
(1)ネライストキシン系農薬活性成分とリン酸を混合してプレミックスを調製する、
(2)無機鉱物質粒核にネライストキシン系農薬活性成分を接着させた後にリン酸を添 加する、
(3)無機鉱物質粒核に接着剤 (親油性液体)を添加した後、ネライストキシン系農薬 活性成分を接着させる前にリン酸を単独で添加する、
(4)リン酸と下記の固結防止剤 (ホワイトカーボン等)を 1: 1の割合で混合したものを 添加する、
といった方法が好ましい。
[0017] 本発明の農薬粒状組成物において、ネライストキシン系農薬活性成分の保管時に おける固結を防止するため、固結防止剤としてホワイトカーボン(例、 Sipernat22S : 商標; Degussa)、珪藻土、ステアリン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタ ン、クレー、バーミキユライト、軽石などを必要に応じて使用することも可能である。粒 核にコーティングする粉体にはネライストキシン系農薬活性成分だけでなく上記のよ うなお J本をカロえることもできる。
この固結防止剤は、農薬粒状組成物中、通常、 0〜2重量%、好ましくは 0. 2〜0. 7重量%の範囲で使用される。
[0018] 本発明の農薬粒状組成物には界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の 具体的な例としては、農薬製剤に通常使用されるノユオン性界面活性剤、ァユオン 性界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤が一般的に挙げられる 。例えば、ポリオキシエチレンアルキルァリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリ ノレフエニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンフエ
ニノレエーテノレポリマー、ポリオキシエチレンァノレキレンァリーノレフエニノレエーテノレ、ポ リオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン性界面活性剤、 ポリオキシエチレンスチリルフエニルエーテルサルフェート、リグニンスルホン酸塩、ァ ルキルァリ一ルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等のァニオン性界面 活性剤、アルキルべタイン、第四級アンモニゥム塩等のカチオン系界面活性剤及び 両性界面活性剤が挙げられる。
[0019] 本発明の農薬粒状組成物は、通常、ミキサーで無機鉱物質粒核と親油性液体をよ く混合した後にネライストキシン系農薬活性成分を含む粉体とリン酸を添加し、ミキサ 一でよく混合してコーティングすることで得られる。ネライストキシン系農薬活性成分を 含む粉体とリン酸は任意の添加順序で添加することができる。
具体的には、
(1)無機鉱物質粒核に親油性液体を混合し、次いでリン酸を添加し、その後にネライ ストキシン系農薬活性成分を含む粉体を加えて混合しコーティング粒剤を得る、
(2)無機鉱物質粒核と親油性液体の混合物に、リン酸を固結防止剤(ホワイトカーボ ン等)に吸着させた粉体を添加し、その後にネライストキシン系農薬活性成分を含む 粉体を加えて混合しコーティング粒剤を得る、
(3)無機鉱物質粒核に親油性液体を混合し、次!/、でネライストキシン系農薬活性成 分を含む粉体を加えて混合し、コーティングを行った後にリン酸を加えてコーティング 粒剤を得る、
(4)無機鉱物質粒核に親油性液体を混合し、次!/、でネライストキシン系農薬活性成 分を含む粉体を加えて混合し、コーティングを行った後にリン酸を固結防止剤(ホワイ トカーボン等)に吸着させた粉体を添加してコーティング粒剤を得る、
(5)無機鉱物質粒核に親油性液体を混合し、次!/、でネライストキシン系農薬活性成 分とリン酸を含む粉体を加えて混合しコーティング粒剤を得る、
といった方法があり、いずれの方法でも当該農薬粒状組成物を得ることができる。
[0020] 本発明の農薬粒状組成物は、田面、畑の土壌に直接散布することで農作物を加害 する害虫に対して殺虫効果を発揮する。
[0021] 次に、実施例、試験例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はそれに限定
されるものではない。実施例中、「部」は全て重量部を表す。
[0022] 実施例 1
TCHO 95. O ^ Sipernat22S 5. 0 をよく混合し、ノヽンマーミノレで f分碎して T CHOプレミックスを調製する。 Sipernat22S 50部、リン酸 50部をよく混合し、リン 酸プレミックスを調製する。塩基性無機鉱物質粒核 (硅粒混在珪砂、粒度分布: 0. 5 ~1. 7mm, pH (10%) : 9. 5) 93. 3部、モレスコホワイ卜 60 1. 5部をコンクジ一卜 ミキサーでよく混合した後、 TCHOプレミックス 5· 0部、リン酸プレミックス 0. 2部を 加えて 15分混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH04%粒 状組成物を得た。
[0023] 実施例 2
TCHO 95. O ^ Sipernat22S 5. 0 をよく混合し、ノヽンマーミノレで f分碎して T CHOプレミックスを調製する。 Sipernat22S 50部、リン酸 50部をよく混合し、リン 酸プレミックスを調製する。塩基性無機鉱物質粒核 (硅粒混在珪砂、粒度分布: 0. 5 ~1. 7mm, pH (10%) : 9. 5) 93. 1部、モレスコホワイ卜 60 1. 5部をコンクジ一卜 ミキサーでよく混合した後、 TCHOプレミックス 5· 0部、リン酸プレミックス 0· 4部を 加えて 15分混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH04%粒 状組成物を得た。
[0024] 実施例 3
TCHO 95. O ^ Sipernat22S 5. 0 をよく混合し、ノヽンマーミノレで f分碎して T CHOプレミックスを調製する。 Sipernat22S 50部、リン酸 50部をよく混合し、リン 酸プレミックスを調製する。塩基性無機鉱物質粒核 (硅粒混在珪砂、粒度分布: 0. 5 ~1. 7mm、 pH (10%) : 9. 5) 93. 0部、モレスコホワイト 60 1. 4部をコンクリー卜 ミキサーでよく混合した後、 TCHOプレミックス 5· 0部、リン酸プレミックス 0· 6部を 加えて 15分混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH04%粒 状組成物を得た。
[0025] 実施例 4
TCHO 95. 0部、 Sipernat22S 5. 0部をよく混合し、ハンマーミルで粉砕して TC HOプレミックスを調製する。 Sipernat22S 50部、リン酸 50部をよく混合し、リン酸
プレミックスを調製する。塩基性無機鉱物質粒核 (硅粒混在珪砂、粒度分布: 0. 5〜 1. 7mm、 pH (10%) : 9. 5) 92. 9部、モレスコホワイ卜 60 1. 3部をコンク!;一!^キ サ一でよく混合した後、 TCHOプレミックス 5· 0部、リン酸プレミックス 0. 8部をカロ えて 15分混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH〇4%粒状 組成物を得た。
[0026] 実施例 5
TCHO 95. O ^ Sipernat22S 5. 0 をよく混合し、ノヽンマーミノレで f分碎して T CHOプレミックスを調製する。 Sipernat22S 50部、リン酸 50部をよく混合し、リン 酸プレミックスを調製する。塩基性無機鉱物質粒核 (硅粒混在珪砂、粒度分布: 0. 5 ~1. 7mm, pH (10%) : 9. 5) 92. 7部、モレスコホワイ卜 60 1. 3部をコンクジ一卜 ミキサーでよく混合した後、 TCHOプレミックス 5· 0部、リン酸プレミックス 1 · 0部を 加えて 15分混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH04%粒 状組成物を得た。
[0027] 実施例 6
TCHO 91. 4部、 Sipemat22S 6. 7部、リン酸 1. 9部をよく混合し、ノヽンマー ミルで粉砕して TCHOプレミックスを調製する。中性無機鉱物質粒核 (竹折破業所製 岐阜産珪砂、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 6. 4) 88. 3部、炭酸カルシ ゥム粒核(日東粉化工業製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 9 . 7) 5· 0部をコンクリートミキサーに投入しよく混合した後、モレスコホワイト 60 1. 5部を投入してさらに混合する。最後に TCHOプレミックス 5. 2部を加えて 15分混 合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH〇4%粒状組成物を得 た。
[0028] 実施例 7
TCHO 91. 4部、 Sipemat22S 6. 7部、リン酸 1. 9部をよく混合し、ノヽンマー ミルで粉砕して TCHOプレミックスを調製する。中性無機鉱物質粒核 (竹折破業所製 岐阜産珪砂、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 6. 4) 83. 3部、炭酸カルシ ゥム粒核(日東粉化工業製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 9 . 7) 10· 0部をコンクリートミキサーに投入しよく混合した後、モレスコホワイト 60 1
. 5部を投入してさらに混合する。最後に TCHOプレミックス 5. 2部を加えて 15分 混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH〇4%粒状組成物を 得た。
[0029] 実施例 8
TCHO 91. 4部、 Sipemat22S 6. 7部、リン酸 1. 9部をよく混合し、ノヽンマー ミルで粉砕して TCHOプレミックスを調製する。中性無機鉱物質粒核 (竹折破業所製 岐阜産珪砂、粒度分布: 0. 5〜; 1. Omm、 pH (10%) : 6. 4) 73. 3部、炭酸カルシ ゥム粒核(日東粉化工業製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. Omm、 pH (10%) : 9 . 7) 20· 0部をコンクリートミキサーに投入しよく混合した後、モレスコホワイト 60 1 . 5部を投入してさらに混合する。最後に TCHOプレミックス 5. 2部を加えて 15分 混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH〇4%粒状組成物を 得た。
[0030] 実施例 9
TCHO 91. 4部、 Sipemat22S 6. 7部、リン酸 1. 9部をよく混合し、ノヽンマー ミルで粉砕して TCHOプレミックスを調製する。中性無機鉱物質粒核 (竹折破業所製 岐阜産珪砂、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 6. 4) 43. 3部、炭酸カルシ ゥム粒核(日東粉化工業製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 9 . 7) 50· 0部をコンクリートミキサーに投入しよく混合した後、モレスコホワイト 60 1 . 5部を投入してさらに混合する。最後に TCHOプレミックス 5. 2部を加えて 15分 混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH〇4%粒状組成物を 得た。
[0031] 実施例 10
TCHO 91. 4部、 Sipemat22S 6. 7部、リン酸 1. 9部をよく混合し、ノヽンマー ミルで粉砕して TCHOプレミックスを調製する。中性無機鉱物質粒核 (竹折破業所製 岐阜産珪砂、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 6. 4) 18. 3部、炭酸カルシ ゥム粒核(日東粉化工業製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 9 . 7) 75· 0部をコンクリートミキサーに投入しよく混合した後、モレスコホワイト 60 1 . 5部を投入してさらに混合する。最後に TCHOプレミックス 5. 2部を加えて 15分
混合し目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、本発明の TCH〇4%粒状組成物を 得た。
[0032] 実施例 11
TCHO 91. 4部、 Sipemat22S 6. 7部、リン酸 1. 9部をよく混合し、ノヽンマー ミルで粉砕して TCHOプレミックスを調製する。炭酸カルシウム粒核(日東粉化工業 製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. Omm、 pH (10%) : 9. 7) 93. 3部をコンクリ ートミキサーに投入しよく混合した後、モレスコホワイト 60 1. 5部を投入してさらに混 合する。最後に TCHOプレミックス 5. 2部を加えて 15分混合し目開き 0. 5〜; 1. 7 mmの篩で篩 V、分け、本発明の TCH〇4%粒状組成物を得た。
[0033] 実施例 12
カルタップ塩酸塩 83. 3部、 Sipernat22S 10. 8部、リン酸 5. 9部をよく混合し 、ハンマーミルで粉砕してカルタップ塩酸塩プレミックスを調製する。炭酸カルシウム 粒核(日東粉化工業製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 9. 7) 93. 0部、モレスコホワイト 60 1. 9部をコンクリートミキサーでよく混合した後、カル タップ塩酸塩プレミックス 5. 1部を加えて 15分混合して目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩 で篩!/、分け、本発明のカルタップ塩酸塩 4%粒状組成物を得た。
[0034] 比較例 1
TCHO 95. O ^ Sipernat22S 5. 0 をよく混合し、ノヽンマーミノレで f分碎して T CHOプレミックスを調製する。塩基性無機鉱物質粒核 (硅粒混在珪砂、粒度分布: 0 . 5~1. 7mm, pH (10%) : 9. 5) 93. 5部、モレスコホワイ卜 60 1. 5部をコンクジ ートミキサーでよく混合した後、 TCHOプレミックス 5. 0部を加えて 15分混合して目 開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、比較用の TCH〇4%粒状組成物を得た。
[0035] 比較例 2
TCHO 91. 4部、 Sipemat22S 6. 7部、リン酸 1. 9部をよく混合し、ノヽンマー ミルで粉砕して TCHOプレミックスを調製する。炭酸カルシウム粒核(日東粉化工業 製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 9. 7) 93. 3部、 PEG— 4 00 1. 5部をコンクリートミキサーでよく混合した後、 TCHOプレミックス 5. 2部をカロ えて 15分混合して目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、比較用の TCH〇4%粒
状組成物を得た。
[0036] 比較例 3
TCHO 93. 1部、 Sipemat22S 6. 9部をよく混合し、ハンマーミルで粉砕して T CHOプレミックスを調製する。炭酸カルシウム粒核(日東粉化工業製広島産硅粒、 粒度分布: 0. 5—1. Omm、 pH (10%) : 9. 7) 93. 5部、 PEG— 400 1. 5部をコ ンクリートミキサーでよく混合した後、 TCHOプレミックス 5. 0部を加えて 15分混合 して目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、比較用の TCH〇4%粒状組成物を得た
〇
[0037] 比較例 4
カルタップ塩酸塩 83. 3部、 Sipernat22S 10. 8部、リン酸 5. 9部をよく混合し 、ハンマーミルで粉砕してカルタップ塩酸塩プレミックスを調製する。炭酸カルシウム 粒核(日東粉化工業製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 9. 7) 93. 0部、 PEG— 400 1. 9部をコンクリートミキサーでよく混合した後、カルタップ 塩酸塩プレミックス 5. 1部を加えて 15分混合して目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩 V、分け、比較用のカルタップ塩酸塩 4%粒状組成物を得た。
[0038] 比較例 5
力ノレタップ塩酸塩 94. Sipernat22S 5. をよく混合し、ノヽンマーミノレで 粉砕してカルタップ塩酸塩プレミックスを調製する。炭酸カルシウム粒核(日東粉化工 業製広島産硅粒、粒度分布: 0. 5〜; 1. 0mm、 pH (10%) : 9. 7) 94. 0部、モレス コホワイト 60 1. 5部をコンクリートミキサーでよく混合した後、カルタップ塩酸塩プレ ミックス 4. 5部を加えて 15分混合して目開き 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、比較 用のカルタップ塩酸塩 4%粒状組成物を得た。
[0039] 比較例 6 (特許文献 3を TCHOに応用)
TCHO 4. 7部、デキストリン 8. 0部、ニューカルゲン BX— C 5. 0部、酸化マグ ネシゥム 25部、クレー 57. 3部をよく混合した後、水 12部を加えてよく混練し、混 練物を押出造粒機 (スクリーン径 1. 0mm)で造粒し、湿式形成物を得る。これを乾燥 後、整粒して 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、比較用の TCH〇4%粒剤を得た。
[0040] 比較例 7 (特許文献 3をカルタップ塩酸塩に応用)
カルタップ塩酸塩 4. 2部、デキストリン 8· 0部、ニューカルゲン BX—C 5. 0部 、酸化マグネシウム 25部、クレー 57. 8部をよく混合したのに、水 12部を加えてよ く混練し、混練物を押出造粒機 (スクリーン径 1. Omm)で造粒し、湿式形成物を得る 。これを乾燥後、整粒して 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、比較用のカルタップ塩酸 塩 4%粒剤を得た。
[0041] 比較例 8 (特許文献 2を TCHOに応用)
TCHO 4. 7部、セロゲン 7A 3· 2部、ニューカルゲン BX— C 0. 54部、炭酸力 ルシゥム粉末 91. 5部をよく混合した後、水 12部を加えてよく混練し、混練物を押 出造粒機 (スクリーン径 1. 0mm)で造粒し、湿式形成物を得る。これを乾燥後、整粒 して 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、比較用の TCH〇4%粒剤を得た。
[0042] 比較例 9 (特許文献 2をカルタップ塩酸塩に応用)
カルタップ塩酸塩 4· 2部、セロゲン 7A 3. 2部、ニューカルゲン BX— C 0. 54 部、炭酸カルシウム粉末 92. 0部をよく混合した後、水 12部を加えてよく混練し、混 練物を押出造粒機 (スクリーン径 1. 0mm)で造粒し、湿式形成物を得る。これを乾燥 後、整粒して 0. 5〜; 1. 7mmの篩で篩い分け、比較用のカルタップ塩酸塩 4%粒剤 を得た。
[0043] 試験例 (安定性試験)
各実施例及び比較例で得られた農薬粒状組成物を用いて安定性の比較を下記の 通り行った。
農薬粒状組成物 50gをアルミ袋に入れ密封し、 54°C恒温器内に保存し、 2週間及 び 4週間後の有効成分の保存安定性を調べた。試験結果を以下に示す (表 1 3)。 尚、表中の A. I.は有効成分を、 Cartapはカルタップ塩酸塩を意味する。
[0044] [表 1]
実施例
1 2 3 4 5 6
A. I. TCH0 TCH0 TCH0 TCH0 TCH0 TCH0
A. I.初期含量 4. 31 4. 16 4. 15 4. 25 4. 24 4. 16
5 t:2 含量 4. 35 4. 17 4. 19 4. 25 4. 24 4. 14 分解率 0. 00 0. 00 0. 00 0. 00 0. 00 0. 48
5 t 4W含量 4. 25 4. 16 4. 16 4. 30 4. 30 - 分解率 1. 39 0. 00 0. 00 0. 00 0. 00 -
実施例
7 8 9 1 0 1 1 1 2
A. I. TCH0 TCH0 TCH0 TCH0 TCH0 Cartap
A. I.初期含量 4. 22 4. 20 4. 3 001 4. 35 4. 34 4. 00
54t:2W含量 4. 16 4. 13 4. 08 4. 27 4. 32 3. 57 分解率 1. 2 1. 67 1. 84 0. 46 10. 75
54°C4W 含量 - - - - - - 分解率 - - - ―
[表 3]
表 1及び 2の結果から明らかなように、本願発明の農薬粒状組成物は、塩基性無機 鉱物質粒核を増量剤として使用しているにも力かわらず、粒状組成物内の TCHOが 安定であった。無機鉱物質粒核としての炭酸カルシウムの含有量が高レ、場合にぉレ、 ても、粒状組成物内の農薬活性成分が安定であった。表 3の結果から明らかなように 、リン酸を含まない場合(比較例 1)、 TCHOの安定性が損なわれた。また、親油性液 体 (流動パラフィン)の代わりに水溶性液体の PEG— 400を接着剤として用いた場合 (比較例 2, 3)においては、リン酸の添加の有無にかかわらず農薬活性成分の分解 が著しかった。 TCHOで見られた上述の傾向はカルタップ塩酸塩においても同様に
見ることができた(実施例 12、及び比較例 4, 5)。ベンスルタップの安定化に関する 特許を TCHO及びカルタップ塩酸塩に応用すると(比較例 6〜9)両農薬活性成分 共に分解が著し力 た。従って、塩基性無機鉱物質を使用してもベンスルタップが安 定である公知の製剤処方であつても、同じネライストキシン系農薬活性成分である TC HOやカルタップ塩酸塩に単純に応用できるものではないことが分かる。
産業上の利用可能性
炭酸カルシウムをはじめとする塩基性無機鉱物質粒核に親油性液体を接着剤とし て用いてネライストキシン系農薬活性成分と安定剤のリン酸との混合物をコーティン グさせることにより、塩基性無機鉱物質粒核を増量剤として用いて、ネライストキシン 系農薬活性成分の安定性に優れた農薬粒状組成物が得られる。