ポリアミド組成物
技術分野
[0001] 本発明は、引張特性と耐熱性、吸水性のバランスに優れたポリアミド組成物に関す る。
背景技術
[0002] 従来から、ポリアミドの耐熱性や機械的特性を改良あるいは向上させることを目的と して、ポリアミドに液晶性高分子を混合し、榭脂組成物とすることが提案されている。 例えば、特許文献 1には液晶性高分子と半芳香族ポリアミドからなる樹脂組成物が開 示されている。また、特許文献 2には液晶性ポリエステルと非液晶性ポリエステルと非 液晶性ポリアミドからなる樹脂組成物が開示されている。また、特許文献 3にはポリア ミド、液晶性高分子、熱可塑性ポリエステル、赤燐カゝらなる榭脂組成物が開示されて いる。
[0003] し力しながら、本発明者らの検討によれば、特許文献 1に記載の組成物では、耐熱 性は優れるものの引張特性が低い。また、特許文献 2に記載の組成物は、記載され ている範囲の各高分子の含有量では押出し性が不良であり、実用に適さない。さら に、特許文献 3に記載の組成物では液晶性高分子の配合量が少ないため、耐熱性 に優れているとは言えず、また引張特性も低い。
[0004] 特許文献 1 :特開平 5— 32870号公報
特許文献 2 :特開 2000— 103867号公報
特許文献 3 :特開平 2000— 109687号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明の目的は、良好な引張伸度、吸水性、耐熱性を示し,それらの物性バランス も優れたポリアミド組成物を得ることである。
課題を解決するための手段
[0006] 本発明者らは、上記本発明課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリアミドに
対して特定量の液晶性ポリエステルと非液晶性ポリエステルを溶融混練して得られる 榭脂組成物によって上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)
ポリアミド (A)と液晶性ポリエステル (B)と非液晶性ポリエステル (C)を含んでなるポリ アミド組成物であって、ポリアミド (A)と液晶性ポリエステル (B)と非液晶性ポリエステ ル (C)の合計を 100質量部としたときに、ポリアミド (A)の質量部 Maと液晶性ポリエス テル (B)の質量部 Mbと非液晶性ポリエステル (C)の質量部 Mcが以下の式を満たす ことを特徴とするポリアミド組成物。
60≤Ma≤90
2≤Mb≤38
2≤Mc≤Ma X 0. 2— 2
(2)
液晶性ポリエステル (B)の質量部 Mbと非液晶性ポリエステル (C)の質量部 Mcの 比が以下の式を満たすことを特徴とする(1)に記載のポリアミド組成物。
l≤Mb/Mc≤7
(3)
液晶性ポリエステル (B)の融点 Tmb力 210°C以上 350°C以下であることを特徴と する(1)または(2)に記載のポリアミド組成物。
(4)
非液晶性ポリエステル (C)が、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタ レート、ポリブチレンテレフタレートのうち少なくとも 1種以上力も選択されることを特徴 とする(1)から(3)の 、ずれかに記載のポリアミド組成物。
(5)
ポリアミド (A)力 ポリアミド 6、ポリアミド 66、ポリアミド 612、ポリアミド 61、ポリアミド 6 C、もしくはこれら重合体の単量体単位を 2種以上含むポリアミド共重合体、またはこ れら重合体及び Zもしくははポリアミド共重合体の混合物であることを特徴とする(1) から (4)のいずれかに記載のポリアミド組成物。
(6)
ポリアミド (A)の質量部 Maが以下の式を満たすことを特徴とする(1)から(5)の ヽ ずれかに記載のポリアミド組成物。
70≤Ma≤88
(7)
液晶性ポリエステル (B)の質量部 Mbが以下の式を満たすことを特徴とする(6)に 記載のポリアミド組成物。
5≤Mb≤20
(8)
非液晶性ポリエステル (C)の質量部 Mcが以下の式を満たすことを特徴とする(1) から(7)のいずれかに記載のポリアミド組成物。
2≤Mc≤10
発明の効果
[0008] 本発明は、様々な機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料として好適な、 引張伸度や吸水性や耐熱性の物性バランスに優れたポリアミド組成物を提供するも のである。
図面の簡単な説明
[0009] [図 1]本発明の榭脂組成物における各成分の組成範囲と実施例及び比較例の組成 を表す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0010] 以下、本願発明について具体的に説明する。
[0011] 本発明に用いられるポリアミド (A)は、主鎖中にアミド結合(一 NHCO—)を有する 重合体である。好適なポリアミド (A)は、例えばポリ力プロラタタム (ポリアミド 6)、ポリ テトラメチレンアジパミド (ポリアミド 46)、ポリへキサメチレンアジパミド (ポリアミド 66)、 ポリへキサメチレンシクロへキシルアミド(ポリアミド 6C)、ポリへキサメチレンセバカミド (ポリアミド 610)、ポリへキサメチレンドデカミド (ポリアミド 612)、ポリゥンデカラクタム( ポリアミド 11)、ポリドデカラクタム(ポリアミド 12)、ポリへキサメチレンイソフタルアミド( ポリアミド 61)、ポリへキサメチレンテレフタルアミド (ポリアミド 6T)、ポリノナンメチレン
テレフタルアミド (ポリアミド 9T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド (ポリアミド 12T)、 もしくはこれら重合体の単量体単位を 2種以上含むポリアミド共重合体、またはこれら 重合体及び Ζまたはポリアミド共重合体の混合物などが挙げられる。中でも本発明の 課題を達成するための好ましいポリアミド (Α)は、ポリアミド 6、ポリアミド 66、ポリアミド 612、ポリアミド 61、ポリアミド 6C、もしくはこれら重合体の単量体単位を含むポリアミド 共重合体またはこれら重合体及び Zもしくはポリアミド共重合体の混合物などである 。より好ましくは、ポリアミド 66、またはポリアミド 6、ポリアミド 612、ポリアミド 6C、ポリア ミド 61の単量体単位 1種類以上とポリアミド 66の単量体単位力もなるポリアミド共重合 体などである。
[0012] 本発明に用いられるポリアミド (A)の分子量は特に限定されないが、 JIS K6920 に従って 23°C、 98%硫酸を用いて測定した相対粘度 r? rが 1. 5以上 6. 0以下であ ることが、引張伸度の観点力も好ましい。より好ましくは 2. 0以上 4. 5以下であり、更 に好ましくは 2. 0以上 4. 0以下である。
[0013] 本発明に用いられる液晶性ポリエステル (B)はサーモト口ピック液晶ポリマーと呼ば れるポリエステルで、公知のものを使用できる。例えば、 p ヒドロキシ安息香酸と 1, 2 エタンジオールおよびテレフタル酸を主単量体単位とするサーモト口ピック液晶ポ リエステル、 p ヒドロキシ安息香酸および 2 ヒドロキシ 6 ナフトェ酸を主単量体 単位とするサーモト口ピック液晶ポリエステル、 p ヒドロキシ安息香酸および 4, 4' ージヒドロキシビフエ-ルならびにテレフタル酸を主単量体単位とするサーモトロピッ ク液晶ポリエステル、またはそれらの混合物などが挙げられる。なかでも本発明の課 題を達成するための好ましい液晶性ポリエステル (B)は、榭脂組成物の耐熱性とカロ 工性の観点から、融点 Tmbが 210°C以上 350°C以下の範囲にある液晶性ポリエステ ルまたはそれらの混合物である。耐熱性の観点から、より好ましくは融点 Tmbの範囲 は 250°C以上 300°C以下である。ここで、融点は示差走査熱量(DSC)測定で求め ることができる。具体的には、示差熱量測定装置を用いて試料を室温から 20°CZ分 の昇温条件下で測定する。吸熱ピーク温度 (Tml)を観測した後、 Tmlより 20〜50 °C高!ヽ温度で 3分間保持する。次 ヽで 20°CZ分の降温条件で室温まで試料を冷却 した後に、再度 20°CZ分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測する。そのピ
ークトップが示す温度を融点 (Tmb)とする。
[0014] 更に好ま 、液晶性ポリエステル (B)としては、下記構造単位 (I)、 (II)力もなるもの が挙げられる。
[0015] [化 1]
[0016]
[0017] ここで、構造単位 (I)、 (II)はそれぞれ、 p—ヒドロキシ安息香酸由来、 2—ヒドロキシ ー6—ナフトェ酸由来である。
[0018] 本発明の液晶性ポリエステル (B)の溶融粘度は特に限定されないが、 0. 5〜200 Pa' sが好ましぐより好ましくは l〜100Pa' sである。溶融粘度はキヤビラリーレオメ一 ターを用いて測定することが出来る。具体的には、融点より 50°C高い温度で、ずり速 度 1000 (1Z秒)の条件下でキヤビラリ一レオメーターを用いて測定したずり粘度が 溶融粘度である。
[0019] 本発明に用いられる液晶性ポリエステル (B)には、必要に応じ、本発明の特徴と効 果を損なわない程度の範囲で、他の芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族 ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位が含まれて 、てもよ 、。
[0020] 本発明に用いられる非液晶性ポリエステル (C)は、熱可塑性であり、かつ芳香環を 有するポリエステルで、公知のものを使用できる。好ましい非液晶性ポリエステル (C)
としては、芳香族ジカルボン酸 (あるいはそのエステル誘導体)とジオール (あるいは そのエステル誘導体)を主成分とする縮合反応により得られる共重合体があげられる
[0021] 芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、 2, 6 ナフタ レンジカルボン酸、 2, 7 ナフタレンジカルボン酸、 1, 5 ナフタレンジカルボン酸、 ビス(p—カルボキシフエニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、 4,4'—ジフエニルジ カルボン酸、 4, 4'ージフエ-ルエーテルジカルボン酸、 1, 2 ビス(p—カルボキシ フヱノキシ)ェタンなどが挙げられる。なお、ジカルボン酸全量に対し 30モル%以下 であればアジピン酸、セバシン酸、ァゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸など の脂肪族ジカルボン酸、 1, 4ーシクロへキサンジカルボン酸、 1, 3 シクロへキサン ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を併用してもょ 、。
[0022] また、ジオール成分としては炭素数 2〜: LOまでの脂肪族ジオール、具体的にはェ チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコーノレ、 1, 5 ペンタンダリコー ル、デカメチレングリコール、 3—メチルー 1, 3 プロペンジオール、ネオペンチルグ リコール、シクロへキサンジメタノール、シクロへキサンジオールなどが挙げられるが、 これらに限定されるわけではない。
[0023] 好ましいポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレ ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン 1, 2—ビス(フエノキシ) エタンー 4, 4'ージカノレボキシレート、ポリエチレン 2, 6 ナフタレート、ポリ 1, 4 ーシクロへキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル単独重合体、ポリ(ェチ レンテレフタレート Zエチレンイソフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート Zブチレン イソフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート Zブチレンセバケート)、ポリ(ブチレンテ レフタレート/プチレンデカンジカルボキシレート)、ポリ(1, 4ーシクロへキサンジメチ レンテレフタレート /1, 4ーシクロへキサンジメチレンイソフタレート)などのポリエステ ル共重合体が挙げられる。これらの中でより好ましいポリエステルとしては、ポリエチレ ンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートが挙 げられる。ポリブチレンテレフタレートがもっとも好ましい。
[0024] 本発明のポリアミド組成物を得る場合のポリアミド (A)、液晶性ポリエステル (B)、非
液晶性ポリエステル (C)の組成は、ポリアミド (A)と液晶性ポリエステル (B)と非液晶 性ポリエステル (C)の合計を 100質量部としたときに、ポリアミドお)の質量部 Maと液 晶性ポリエステル (B)の質量部 Mbと非液晶性ポリエステル (C)の質量部 Mcが以下 の 3式をすベて満たす範囲である。
60≤Ma≤90
2≤Mb≤38
2≤Mc≤Ma X 0. 2— 2
[0025] 各成分の質量部がこの範囲にある場合、引張伸度、吸水性、耐熱性の物性バランス に優れたポリアミド組成物となる。ポリアミド (A)の質量部 Maの好ましい範囲は、引張 伸度と吸水性の観点から、 70≤Ma≤88である。液晶性ポリエステル (B)の質量部 Mbの好ましい範囲は、引張伸度の観点から 5≤Mb≤20であり、より好ましくは、 10 ≤Mb≤20である。非液晶性ポリエステル (C)の質量部 Mcの好ましい範囲は、 2≤ Mc≤10であり、より好ましくは 3≤Mc≤8である。さらに吸水性の観点から、液晶性 ポリエステル (B)の質量部 Mbと非液晶性ポリエステル (C)の質量部 Mcの比が 1≤ Mb/Mc≤ 7であることが好まし!/、。
[0026] 組成物から各成分の量を求める一般的な方法には、各成分を分離して質量を測定 し割合を求める方法や分析機器による定量分析で求める方法がある。分析機器によ る分析は、例えば核磁気共鳴分析法による定量や熱分解クロマトグラフィー Z質量 分析法による構成モノマーの定量などが挙げられる。またはこれらを組み合わせた方 法で分析してもよい。本発明では具体的には、組成物をへキサフルォロイソプロパノ ールに溶解する成分 (可溶分)と溶解しな ヽ成分 (不溶分)に分離して分析を行うこと ができる。可溶分の1 H— NMR測定力も計算したポリアミド (A)と非液晶性ポリエステ ル (C)の比率と、不溶分を秤量して求めた液晶性ポリエステル (B)の重量比力 組 成物の各成分の量を決定することができる。
[0027] 本発明のポリアミド組成物は、各成分が本発明の組成範囲となるよう、配合量を調 整して製造することができる。
[0028] 本発明のポリアミド組成物は、溶融混練により製造することができる。溶融混練を行 う装置としては、一般に実用されている混練機が適用できる。例えば、一軸又は多軸
混練押出機、バンバリ一ミキサー、ロール等が用いられる。溶融混練の方法は、全成 分を同時に混練する方法、あら力じめ予備混練したブレンド物を用いて混練する方 法、更に押出し機の途中から逐次、各成分をフィードし、混練する方法のいずれでも 良い。混練の温度は、ポリアミド (A)、液晶性ポリエステル (B)、非液晶性ポリエステ ル (C)のうちで最も高!、融点あるいは軟ィ匕点より 1〜: LOO°C高 、温度が好ましく、 10 〜60°C高い温度がより好ましぐ 20〜50°C高い温度が最も好ましい。すなわち、本 発明では、製造時にすべての榭脂を溶融し混合することが好ましい。融点または軟 化点 ίお IS K7121に準じた示差走査熱量 (DSC)測定で求めることができる。引張 伸度及び生産性の点力 上記温度範囲が好ましい。
[0029] 本発明のポリアミド組成物には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で 慣用的に用いられる各種添加剤を加えることができる。例えば充填剤、難燃剤、顔料 、着色剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤等を加えることができる。
[0030] 充填剤の具体例は、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、マイ力、タルク、粘土 鉱物、アルミナ、シリカ、アパタイトなどの無機充填剤である。
[0031] 難燃剤の具体例は、水酸ィ匕アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、すず 酸亜鉛、ヒドロキシすず酸亜鉛、ポリリン酸アンモ-ゥム、シァヌル酸メラミン、サクシノ グアナミン、ポリリン酸メラミン、硫酸メラミン、フタル酸メラミン、リン酸アルミニウム等で ある。
[0032] 顔料の具体例は、チタンホワイト、カーボンブラック等である。
[0033] 熱安定剤の具体例は、次亜リン酸ソーダ等の亜リン酸金属塩、ヒンダードフエノール ゃヒンダードアミン等である。
[0034] 滑剤の具体例は、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル等 である。
実施例
[0035] 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に 制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した物性評価 は、以下のように行った。
[評価法 1]ポリアミド (A)の相対粘度
JIS K6920に従って 23°C、 98%硫酸を用いて測定した。
[評価法 2]液晶性ポリエステル (B)の融点
パーキンエルマ一社製示差熱量測定装置 DSC— 7を用い、昇温、降温条件は ± 2 0°CZ分で測定した。試料約 10mgを室温力も昇温させ、吸熱ピーク温度 (Tml)を 観測した後、製造例 1では 300°C、製造例 2では 350°C、製造例 3では 250°Cで 3分 間保持した。次いで室温まで試料を冷却した後に、再度昇温させて吸熱ピークを観 測した。そのピークトップが示した温度を融点 (Tmb)とした。
[評価法 3]液晶性ポリエステル (B)の溶融粘度
口サンド社製ツインキヤビラリ一レオメーター RH7— 2を用いた。測定温度は融点よ り 50°C高い温度で行った。キヤビラリ一は測定側が直径 lmm、長さ 16mm、参照側 が直径 lmm、長さ 0. 25mmのものを用いた。ずり速度 1000 (lZ秒)となるような条 件で測定を行 、、得られたずり粘度を溶融粘度とした。
[評価法 4]引張特性
射出成型機(日精榭脂 (株)製 PS— 40E)を用いて、シリンダー温度 280°C、金型 温度 80°Cに設定し、射出 14秒、冷却 16秒の射出成型条件で 3mm厚みの ASTM1 号試験片を得た。 ASTM D638に準じて引張強度及び引張伸度の測定を行った。
[評価法 5]荷重たわみ温度(DTUL : Deflection Temperature Under Load) 上記評価法 3と同様に成型して厚み 3. 2mm X長さ 127mmX幅 12. 7mmの試験 片を得た。全自動 HDT (Heat Deflection Temperature)試験機 (東洋精機 (株)製、 6 A- 2)にて 1. 82MPa荷重下での荷重たわみ温度を測定した。
[評価法 6]吸水率
上記評価法 3と同様に成型して得られた試験片を 23°Cの水中に 24時間浸せきし、 質量増分から吸水率を求めた。
実施例、比較例にぉ 、て用いた榭脂を以下に示す。
ポリアミドお)
PA— 1 :ポリアミド 66
旭化成ケミカルズ (株)製レオナ 1400、 r? r= 2. 75
PA— 2 :ポリアミド 66
旭化成ケミカルズ (株)製レオナ 1200、 r?r=2.57
PA— 3:ポリアミド 6Z66
旭化成ケミカルズ (株)製レオナ 9200、 r?r=2.55
PA— 4:ポリアミド、 612
製造例 1にて製造したポリアミド。 r?r = 2.50
八ー5:ポリァミド66 61
製造例 2にて製造したポリアミド。 r?r=2.55
PA— 6:ポリアミド 6Z66Z6I
製造例 3にて製造したポリアミド。 r?r=2.53
PA- 7:ポリアミド 66Z6C
製造例 4にて製造したポリアミド。 r?r=2.50
八ー8:ポリァミド66761 6じ
製造例 5にて製造したポリアミド。 r?r=2.51
液晶性ポリエステル (B)
LCP - 1:製造例 6にて製造した液晶性ポリエステル。溶融粘度: 25Pa · s
LCP— 2:製造例 7にて製造した液晶性ポリエステル。溶融粘度: 15Pa's
LCP - 3:製造例 8にて製造した液晶性ポリエステル。溶融粘度: 49Pa · s 非液晶性ポリエステル (C)
ポリエチレンテレフタレート(PET):ュニチカ (株)製 NEH - 2050
ポリブチレンテレフタレート(PBT):ポリプラスチックス(株)製ジユラネックス 2002
[製造例 1 ]ポリアミド PA— 4の製造例
ドデカン二酸とへキサメチレンジァミンの等モル塩 2.00kg,及び純水 2.5kgを 5L のオートクレープの中に仕込みよく攪拌した。オートクレープ内を 5回窒素置換した後 、攪拌しながら温度を室温から 220°Cまで約 1時間かけて昇温した。この時、オートク レーブはゲージ圧にして 1.8MPaまで上昇した。そのまま、水蒸気を徐々に抜いて 1 .8MPaに保ちながら加熱を続けた。さらに 2時間後内温が 260°Cに到達したら加熱 を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約 8時間かけて室温まで冷却した。 冷却後オートクレープを開け、約 2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポ
リマーを、 10Lのエバポレーターに入れ窒素気流下、 200°Cで 10時間固相重合した
[製造例 2]ポリアミド PA— 5の製造例
アジピン酸とへキサメチレンジァミンの等モル塩 2. 00kgとイソフタル酸とへキサメチ レンジァミンの等モル塩 0. 50kg,アジピン酸 0. 10kg及び純水 2. 5kgを 5Lのォー トクレーブの中に仕込みよく攪拌した。オートクレープ内を 5回窒素置換した後、攪拌 しながら温度を室温から 220°Cまで約 1時間かけて昇温した。この時、オートクレーブ はゲージ圧にして 1. 8MPaまで上昇した。そのまま、水蒸気を徐々に抜いて 1. 8M Paに保ちながら加熱を続けた。さらに 2時間後内温が 260°Cに到達したら加熱を止 め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約 8時間かけて室温まで冷却した。冷却 後オートクレープを開け、約 2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポリマ 一を、 10Lのエバポレーターに入れ窒素気流下、 200°Cで 10時間固相重合した。固 相重合によって得られたポリアミド (A)は、へキサメチレンイソフタラミド単位を 18. 8 モル%含有していた。
[製造例 3]ポリアミド (A) PA— 6の製造例
アジピン酸とへキサメチレンジァミンの等モル塩 1. 90kgとイソフタル酸とへキサメチ レンジァミンの等モル塩 0. 40kg, ε—力プロラタタム 0. 2kg、アジピン酸 0. 10kg及 び純水 2. 5kgを 5Lのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。オートクレーブ内を 5回窒素置換した後、攪拌しながら温度を室温から 220°Cまで約 1時間かけて昇温し た。この時、オートクレーブはゲージ圧にして 1. 8MPaまで上昇した。そのまま、水蒸 気を徐々に抜いて 1. 8MPaに保ちながら加熱を続けた。さらに 2時間後内温が 260 °Cに到達したら加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約 8時間かけて 室温まで冷却した。冷却後オートクレープを開け、約 2kgのポリマーを取り出し粉砕し た。得られた粉砕ポリマーを、 10Lのエバポレーターに入れ窒素気流下、 200°Cで 1 0時間固相重合した。固相重合によって得られたポリアミド (A)は、カブラミド単位を 1 5. 0モル0 /0、へキサメチレンイソフタラミド単位を 14. 0モル0 /0含有していた。
[製造例 4]ポリアミド (A) PA- 7の製造例
アジピン酸とへキサメチレンジァミンの等モル塩 0. 95kgとトランス Zシスのモル比
が 80/20である 1, 4—シクロへキサンジカルボン酸とへキサメチレンジァミンの等モ ル塩 1. 05kg,及び純水 2. 5kgを 5Lのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。 オートクレープ内を 5回窒素置換した後、攪拌しながら温度を室温から 220°Cまで約 1時間かけてオートクレーブ内を昇温した。この時、オートクレーブはゲージ圧にして 2. 2MPaまで上昇した。そのまま、水蒸気を徐々に抜いて 2. 2MPaに保ちながら加 熱を続けた。さらに 1時間後内温が 253°Cに到達したら加熱を止め、オートクレープ の排出バルブを閉止し、約 8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレープを 開け、約 2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポリマーを、 10Lのエバポ レーターに入れ窒素気流下、 200°Cで 10時間固相重合した。固相重合によって得ら れたポリアミド (A)は、へキサメチレンシクロへキシルアミド単位を 50. 0モル0 /0含有し ていた。
[製造例 5]ポリアミド (A) PA— 8の製造例
アジピン酸とへキサメチレンジァミンの等モル塩 1. 43kgとトランス Zシスのモル比 が 80/20である 1, 4—シクロへキサンジカルボン酸とへキサメチレンジァミンの等モ ル塩 0. 28kgとイソフタル酸とへキサメチレンジァミンの等モル塩 0. 29kg,及び純水 2. 5kgを 5Lのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。オートクレーブ内を 5回窒 素置換した後、攪拌しながら温度を室温から 220°Cまで約 1時間かけて昇温した。こ の時、オートクレーブはゲージ圧にして 2. 2MPaまで上昇した。そのまま、水蒸気を 徐々に抜いて 2. 2MPaに保ちながら加熱を続けた。さらに 1時間後内温が 253°Cに 到達したら加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約 8時間かけて室温 まで冷却した。冷却後オートクレープを開け、約 2kgのポリマーを取り出し粉砕した。 得られた粉砕ポリマーを、 10Lのエバポレーターに入れ窒素気流下、 200°Cで 10時 間固相重合した。固相重合によって得られたポリアミド (A)は、へキサメチレンシクロ へキシルアミド単位を 13モル0 /0、へキサメチレンイソフタルアミド単位を 14モル0 /0含 有していた。
[製造例 6]液晶性ポリエステル (B) LCP— 1の製造例
理論構造式が下記式になるよう、窒素雰囲気下において、 p—ヒドロキシ安息香酸 、 2—ヒドロキシー 6—ナフトェ酸、無水酢酸を仕込み、加熱溶融し重縮合した。融点
が 280°Cである液晶ポリエステル LCP—lを得た。なお、組成の成分比はモル比を 表す。
[化 3]
k/l=0.73/0.27
[0038] [製造例 7]液晶性ポリエステル (B) LCP— 2の製造例
理論構造式が下記式になるよう、窒素雰囲気下において、 p ヒドロキシ安息香酸 、 2 ヒドロキシ一 6 ナフトェ酸、ヒドロキノン、 2, 6 ナフタレンジカルボン酸、無水 酢酸を仕込み、加熱溶融し重縮合した。融点が 320°Cである液晶ポリエステル LCP 2を得た。なお、組成の成分比はモル比を表す。
k/l/m/n=0.68/0.06/0.13/0.13
[0040] [製造例 8]液晶性ポリエステル (B) LCP 3の製造例
理論構造式が下記式になるよう、窒素雰囲気下において、 p ヒドロキシ安息香酸 、 2 ヒドロキシ 6 ナフトェ酸、ヒドロキノン、テレフタル酸、無水酢酸を仕込み、カロ 熱溶融し重縮合した。融点が 220°Cである液晶ポリエステル LCP— 3を得た。なお、 組成の成分比はモル比を表す。
k/Vm/n=0.40/0.40/0.10/0.10
[0042] [実施例 1]
PA— 1を 75質量部、 LCP— 1を 20質量部、 PBTを 5質量部の割合でブレンドし榭 脂混合物を得た。 2軸押出機 (東芝機械 (株)製 TEM35、二軸同方向回転スクリュー 型、 LZD=47. 6 (D = 37mm φ ) )を用いて溶融混鍊を行った。スクリュー回転数 3 OOrpm、シリンダー温度 280°C、押出レート 60KgZhr (滞留時間 1分)で、減圧せず に押出しを行った。先端ノズル付近のポリマー温度は、 290°Cであった。先端ノズル からストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、ペレットとした。上記 評価例の様に行った評価結果を表 1に示す。
[実施例 2〜7]
PA—1、 LCP—1、 PBTを表 1の割合でブレンドした以外は、実施例 1と同様にして ペレットを得た。評価結果を表 1に示す。
[比較例 1]
PA— 1を 95質量部、及び LCP—1を 5質量部の割合でブレンドした。以後の操作 は実施例 1と同様にしてペレットを得た。評価結果を表 1に示す。
[比較例 2〜9]
PA—1、 LCP—1、 PBTを表 1の割合でブレンドした以外は、実施例 1と同様にして ペレットを得た。評価結果を表 1に示す。
[表 1]
本発明の榭脂組成物における各成分の組成範囲と、表 1に記載の実施例及び比 較例の組成を図 1に示す。図 1と表 1に示した結果力も本発明の榭脂組成物における 各成分の組成範囲内では耐熱性や引張伸度に優れ、またそのバランスも優れて!/、る ことは明らかである。
[実施例 8]
PA— 1を 75質量部、 LCP— 1を 20質量部、 PETを 5質量部の割合でブレンドした 以外は、実施例 1と同様にしてペレットを得た。評価結果を表 2に示す。
[比較例 10]
PA— 1を 55質量部、 LCP— 1を 20質量部、 PETを 25質量部の割合でブレンドし た以外は、実施例 1と同様にしてペレットを得た。評価結果を表 2に示す。
[比較例 11]
PA— 1を 40質量部、 LCP— 1を 20質量部、 PETを 40質量部の割合でブレンドし た。以後の操作を実施例 1と同様にしてペレットを得ようとしたが、押出し性が不良で あり、ペレットを得ることができな力つた。
[実施例 9]
LCP—1のかわりに LCP— 2を用い、シリンダー温度を 320°Cとした以外は実施例 1と同様にしてペレットを得た。評価結果を表 2に示す。
[実施例 10]
LCP— 1のかわりに LCP— 3を用いた以外は、実施例 1と同様にしてペレットを得た 。評価結果を表 2に示す。
[実施例 11]
PA— 1のかわりに PA— 2を用いた以外は、実施例 1と同様にしてペレットを得た。 評価結果を表 2に示す。
[実施例 12〜14]
PA—1のかわりに表 2に示す種類のポリアミド (A)を用いた以外は、実施例 1と同様 にしてペレットを得た。評価結果を表 2に示す。
[実施例 15]
?八ー1のかゎりに1^ 6を用ぃ、シリンダー温度を 320°Cとした以外は実施例 1と
同様にしてペレットを得た。評価結果を表 2に示す。
[実施例 16、 17]
PA—1のかわりに表 2に示す種類のポリアミド (A)を用いた以外は、実施例 1と同様 にしてペレットを得た。評価結果を表 2に示す。
[表 2]
産業上の利用可能性
本発明のポリアミド組成物は、耐熱性や引張伸度に優れ、またそのバランスも優れ ている為、様々な機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料として有用である