WO2007142230A1 - 脂質代謝改善剤 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、αs-カゼインを有効成分として含有する脂質代謝改善剤、飲食品および飼料に関する。また、本発明は、該脂質代謝改善剤を含む、体重増加抑制剤、体脂肪低減剤、および血中脂質低減剤に関する。

Description

明 細 書
脂質代謝改善剤
技術分野
[0001] 本発明は、乳由来カゼインのうち、特に a s—カゼインを有効成分とし、脂質代謝の 改善効果を有する薬剤、飲食品、および飼料に関する。さらに詳細には、本発明は、 食餌により過多に摂取され、生体に蓄積される脂肪、特に、皮下脂肪及び内臓脂肪 の代謝を促進または改善し、体脂肪率を正常にする作用を有する薬剤、飲食品、お よび飼料に関する。また、血液中のコレステロールや中性脂質などの血中脂質濃度 も正常にする作用を有する薬剤、飲食品、および飼料に関する。
本願は、 2006年 6月 9日に出願された特願 2006— 161076号に基づいて優先権 を主張し、その内容をここに援用する。
背景技術
[0002] 肥満は、脂質代謝異常をはじめとして、高血圧、耐糖能障害など多くの危険因子を 併発しやすいことが知られている。内臓脂肪の蓄積量が増加するほど総コレステロ一 ルおよび中性脂肪は増加し、 HDL (高密度リポ蛋白質)は減少する。また、 LDL (低 密度リポ蛋白質)の質的な異常が起こり、内臓脂肪蓄積により量的、質的に脂質代謝 に影響を与える。肥満者では、脂質代謝異常が高い頻度で見られ、特に血中総コレ ステロール量の増カロ、血中中性脂肪の増加などが認められる。
近年、糖尿病等の生活習慣病が増加の一途をたどっており、これらの疾病を予防 するための対策が報じられている。生活習慣病のうち、高脂血症、高血圧症及び糖 尿病などの最大の誘因として、肥満が挙げられており、これらの疾病を予防するため に肥満の予防 *改善の必要性が唱えられている。また、容姿、美容にとって、肥満は 好ましくないとする風潮があり、これは時として拒食症や過食症を引き起こし、医療が 必要となる場合が生じることも多レ、。
[0003] このように肥満に対する意識が高まる中、 2000年には日本肥満学会が「新しい肥 滴の判定と肥満症の診断基準」として、レ、わゆる健康障害を伴う「肥満症」としての疾 患を定義づけている。すなわち、脂肪の蓄積という状態を示す「肥満」から、疾病発症 の基盤になり、そのため治療が必要になる「肥満症」を区別し、その診断を確立した。 また 2005年 4月には生活習慣病を将来発症する確率が高い「メタボリックシンドロー ム」の診断基準がまとめられ、その基準としてウェスト周囲径による内臓脂肪の蓄積を 判断することが必須条件とされている。そして、肥満の予防や改善を目的として運動 療法や食生活の改善等も提唱されてきてレ、る。
[0004] 牛乳は脂肪分を含むため、どちらかというとダイエットには不向きの食物と考えられ てきた。確かに、乳は元来子供を成長させるための食物であり、従ってエネルギー源 としての脂質が含まれていることは事実である。牛乳の脂質は例えばバターとして利 用され、バターの過剰摂取は肥満を起こすというイメージから、牛乳も太りやすい食 品というイメージを持たれることが多かった。
[0005] し力、しながら、乳を飲んだ赤ん坊が太りすぎるということはなぐまして生活習慣病を 発症するほどの肥満になったという報告はない。すなわち、乳には、元々含まれる脂 質をエネルギー源として有効に活用することを可能にする何らかの物質が含まれて レ、るのではなレ、かとレ、うことが示唆されてきた。
例えば下記非特許文献 1において、川崎らは、食事指導と運動による 4ヶ月間のダ イエットを行う際に、 1日に 200mlの牛乳を摂取する牛乳摂取群と、特に牛乳の摂取 を強制しないコントロール群とに分けて観察した。その結果、 4力月間のダイエット前 後において、体重の減り方についてはコントロール群と牛乳摂取群とでそれほど差は 無かったものの、体幹部の体脂肪率は、牛乳摂取群の方がコントロール群と比較して 明らかに減少しており、この効果は牛乳に含まれるカルシウムやビタミン Dによるもの ではないか、と報告されている。
またこれと同様の、乳中のカルシウムや乳製品による減量の効果について、下記非 特許文献 2, 3にも報告がある。
[0006] この他にも、乳中の蛋白質またはこれらの加水分解物やペプチドによる作用効果に ついて、例えば下記特許文献 1には、乳由来カゼインのトリプシン加水分解によって 得られるペプチドを有効成分とする血中脂質抑制摂食物が記載されている。下記特 許文献 2には、コレステロールレベル、脂質レベル、トリグリセリドレベル等を低減する ための j3 _カゼイン A2の使用、及び j3 _カゼイン A2を含有する栄養補助食品が記 載されている。また、下記特許文献 3では、乳鉱物(ミルクミネラル)混合物、並びに/ —カゼインフラグメント 106— 169等のタンパク質成分を含有する体重減少の増強及 び/又は体重増加の制限に有効な栄養組成物が開示されている。
特許文献 1 :特開平 6— 21 1690号公報
特許文献 2 :特表 2006— 501299号公報
特許文献 3 :特表 2006— 507217号公報
非特許文献 1 :日本栄養 ·食糧学会誌、 2006年講演要旨集、第 343頁
非特許文献 2:ジャーナル ·ォブ 'ジ 'アメリカン'カレッジ'ォブ ·ニュートリシヨン (Journ al of the American College of Nutrition)、第 19卷、 2000年、第 754〜760頁 非特許文献 3 :エフ'ェ一'エス'ィ一'ビー'ジャーナル(FASEB Journal)、第 14卷、 2
000年、第 1 132〜: 1 138頁
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] し力、しながら、上記したような従来技術では必ずしも効果が充分ではなぐ安全性が 高くて、優れた脂質代謝改善効果を有しており、肥満に起因する生活習慣病症状に 有効な薬剤、および飲食品または飼料の開発が求められてレ、る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、安全性が高くて、優れた脂質代謝 改善効果を有しており、肥満に起因する生活習慣病症状に有効な薬剤を提供するこ とを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者等は、安価かつ安全であり、体内の脂質代謝を改善できる有効成分につ レ、て鋭意検討を重ねた。具体的には、食経験豊富な天然由来の成分である乳成分 に着目し、従来にはない優れた脂質代謝改善効果を有する物質を探索した結果、力 ゼインの中でもひ s—カゼインが、他のカゼイン画分である β—カゼインや κ—カゼィ ン等に比して顕著な脂質代謝改善効果を有することを見出し、本発明を完成するに 至った。
—カゼイン、特にひ s—カゼインによる脂質代謝を改善する効果については、こ れまで全く知られていなかった。 [0009] すなわち、本発明は ct s—カゼインを有効成分として含有する脂質代謝改善剤に 関する。
また、本発明は、前記脂質代謝改善剤を含む、体重増加抑制剤、体脂肪低減剤、 および血中脂質低減剤に関する。
また、本発明は、前記脂質代謝改善剤、前記体重増加抑制剤、前記体脂肪低減 剤、または前記血中脂質低減剤を製造するためのひ s—カゼインの使用に関する。 また、本発明は、前記脂質代謝改善剤を投与することにより哺乳類の脂質代謝を 改善する方法に関する。
また、本発明は、前記体重増加抑制剤を投与することにより哺乳類の体重増加を 抑制する方法に関する。
また、本発明は、前記体脂肪低減剤を投与することにより哺乳類の体脂肪を低減 する方法に関する。
また、本発明は、前記血中脂質低減剤を投与することにより哺乳類の血中脂質を 低減する方法に関する。
また、本発明は、 ct s—カゼインを有効成分として含有する脂質代謝改善のための 飲食品、および該飲食品を製造するための a s—カゼインの使用に関する。
前記飲食品は、健康食品、機能性食品、特別用途食品、栄養機能食品、又は特定 保健用食品の形態であることができる。
また、本発明は、 a s—カゼインを有効成分として含有する脂質代謝改善のための 飼料に関する。
また、本発明は、 a s—カゼインを医薬として、脂質代謝改善治療、体重増加抑制 治療、体脂肪低減治療、または、血中脂質低減治療に使用する方法に関する。 発明の効果
[0010] 本発明によれば、安全性が高くて、優れた脂質代謝改善効果を有する脂質代謝改 善剤が得られる。
本発明の脂質代謝改善剤により得られる効果は以下の通りである。
( 1 )本発明の脂質代謝改善剤は、食餌により過多に摂取され生体に蓄積される皮下 脂肪及び内臓脂肪の代謝を促進する作用を有する。これにより体重増加の抑制、お よび内臓脂肪を始めとする体脂肪の低減において顕著な効果が得られる。したがつ て、肥満の予防や改善に有用である。
(2)本発明の脂質代謝改善剤は、食餌により過多に摂取され血管内に貯留されるこ とにより循環器系疾患を誘発する原因となる血液中のコレステロールや中性脂肪など の血中脂質を低減する効果を有する。したがって、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患の 予防や改善に有用である。
(3)本発明の脂質代謝改善剤は、ヒトおよび動物に対する安全性が高ぐ副作用の 心配なく長期間に渡って継続して日常的に摂取することが可能である。したがって月巴 満が原因ともされる高脂血症、高血圧症及び糖尿病等の生活習慣病の予防及び/ 又は治療に好適である。
(4)本発明の有効成分であるひ s—カゼインは、生体材料として比較的安価な乳等 の原料力も安定して大量に製造することができるので、脂質代謝改善剤を安価に提 供することが可能である。さらに飲食品や飼料の形態として脂質代謝改善剤を提供 することも可能である。このために費用負担の面からも、長期間に渡って継続して日 常的に摂取することが容易な脂質代謝改善剤、および該脂質代謝改善剤を含有す る飲食品または飼料を提供できる。
[0011] したがって、本発明によれば、安全性が高い体重増加抑制剤が得られる。
また本発明によれば、安全性が高い体脂肪低減剤が得られる。
また本発明によれば、安全性が高い血中脂質低減剤が得られる。
図面の簡単な説明
[0012] [図 1]試験例における内臓脂肪重量の経時変化を示すグラフである。
[図 2]試験例における皮下脂肪重量の経時変化を示すグラフである。
[図 3]試験例における内臓脂肪重量と皮下脂肪重量を併せた体脂肪重量の経時変 化を示すグラフである。
[図 4]試験例における体脂肪率の経時変化を示すグラフである。
[図 5]試験例における a s—カゼイン投与量と体重当りの腹腔内脂肪重量の占める割 合との関係を示すグラフである。
[図 6]試験例における a s—カゼイン投与量と血中脂質との関係を示すグラフである。 [図 7]試験例における a s—カゼイン投与量と血中の遊離脂肪酸濃度との関係を示す グラフである。
発明を実施するための最良の形態
[0013] 本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好 ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるもの である。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
[0014] 本発明により得られる脂質代謝改善効果とは、主として食餌により過多に摂取され 生体に蓄積する皮下脂肪及び内臓脂肪 (以下、併せて体脂肪と定義する)の代謝を 促進し、「体内に含まれる脂肪組織重量を体重にて除した所謂体脂肪率」を正常に する作用を意味する。かかる作用により、具体的には体重増加抑制、体脂肪低減、 および血中脂質低減から選ばれる 1以上の効果が得られる。
したがって本発明の脂質代謝改善剤は、体重増加抑制剤、体脂肪低減剤、および /または血中脂質低減剤として好適に用いることができ、これを含む体重増加抑制 剤、体脂肪低減剤、および血中脂質低減剤を提供することができる。また、これらの 薬剤を投与することにより、哺乳類の脂質代謝を改善する方法、体重増加を抑制す る方法、体脂肪を低減する方法、または血中脂質を低減する方法を提供する。 前記「哺乳類」とは、ヒトおよび家畜動物(例えば、ゥマ、ィヌ、ネコ、ゥサギ、ゥシ、ヒ ッジ、ャギなど)を含む。
[0015] また、後述の試験例に示されるように、本発明による効果は、体内に蓄積された余 剰の脂質を代謝することであって、必要な脂質までを減少させる影響はほとんど無い 。また、所謂「除脂肪体重」と呼ばれる、脂質以外の組織への影響についてもほとん ど確認されない。
本発明における「治療」とは、症状を緩和(改善)する効果と疾患を治療する効果を 含む。本発明により得られる治療効果は、好ましくは、寛解に導入する効果とその状 態を維持する効果である。本発明によれば、有効成分である a s—カゼインを日常的 に投与又は摂取することによって、副作用などを殆ど生じず、前記脂質代謝改善効 果が発揮される。
[0016] 本発明において用いられる a s—カゼインは、乳等の原料から、例えば、イオンクロ マトグラフィ一法等の常法に従って工業的に製造することが可能である。例えば、ジ ヤーナル.ォブ.デイリー.リサーチ(j. Dairy Research)、第 59卷、 1992年、第 551〜
556頁に開示されている方法により製造できる。
あるいは所望により、市販の天然物由来のひ s _カゼイン (例えばシグマ社製等)、 又は組換え型ひ s _カゼイン等も使用可能である。
[0017] ひ s—カゼインは、ほ乳類の乳に由来するものが好適である。特に、投与対象がヒト である脂質代謝改善剤の場合は、伝統的に飲食用に用いられている牛、羊、山羊な どの乳に由来するひ s—カゼインが好ましい。これらは歴史的な年月の間、ヒトの飲食 に使用されていたために、ヒトに対する安全性が極めて高い水準で担保されているか らである。中でも牛乳由来のひ s—カゼインを用レ、ることが好ましレ、。
[0018] 本発明の脂質代謝改善剤、体重増加抑制剤、体脂肪低減剤、および血中脂質低 減剤の投与方法は特に限定されない。例えば、経口投与でもよぐ経腸投与等の非 経口投与でもよい。
本発明の脂質代謝改善剤における有効成分である a s—カゼインは、牛乳等の食 品中に含有されており、 日常的に摂取されているもので、毒性を示さず、長期間連続 的に摂取しても副作用が殆ど認められない。すなわち摂取した場合の安全性が非常 に高レ、ものであり、特に経口投与または経腸投与に好適である。
[0019] 本発明の脂質代謝改善剤はひ s—カゼインのみからなる剤でもよぐ他の成分を含 む組成物からなる剤でもよい。いずれの場合も、用途に応じた剤型に製剤化されたも のが好ましい。
また、本発明の体重増加抑制剤、体脂肪低減剤、および血中脂質低減剤は、前記 脂質代謝改善剤のみからなる剤でもよぐ他の成分を含む組成物からなる剤でもよい 脂質代謝改善剤、体重増加抑制剤、体脂肪低減剤、および血中脂質低減剤の剤 型は特に限定されなレ、。例えば錠剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、顆粒剤、 散剤等、乳剤、噴霧剤等、公知の経口投与剤型とすることができる。
または座剤、注射剤、軟膏、テープ剤等の非経口投与剤型も可能である。
[0020] 本発明の脂質代謝改善剤の有効成分であるひ s—カゼインの投与量は、剤型、症 状、年齢、体重等によって異なるが、脂質代謝改善効果、体重増加抑制効果、体脂 肪低減効果、および血中脂質低減効果から選ばれる 1以上を効果的に発揮させるた めには、 80mg/kg体重/日以上の投与量とすることが好ましレ、。なお、 a s—カゼ インは安全性が高いために投与量の上限は制限されないが、特に 320mg/kg体重 /日程度の量を投与すれば、本発明による脂質代謝改善効果が充分に享受される 。また、それ以上の量を投与しても脂質代謝改善効果にほとんど変化は現れないの で、投与量の上限は 320mg/kg体重/日以下であることが好ましい。
本発明の脂質代謝改善剤、体重増加抑制剤、体脂肪低減剤、および血中脂質低 減剤は、 ひ s—カゼインの 1日の投与量が上記の範囲となるように製剤化されたもの が好ましぐまた、 ひ s—カゼインの 1日の投与量が上記の範囲となるように投与される ことが好ましい。
[0021] 製剤化は、例えば、 a s—カゼインを薬学的に許容され得る賦形剤等の任意の添 加剤を適宜用いて、公知の方法により行うことができる。製剤化にあたっては、賦形 剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、注射剤用溶剤等の添 加剤を使用できる。
脂質代謝改善剤が a s—カゼインと、添加剤等の他の成分を含む組成物からなる 場合、該組成物中における a s—カゼインの含有量は、特に制限されなレ、が、通常 0 .:!〜 90質量%、好ましくは 0. 5〜40質量%、更に好ましくは 1〜20質量%である。 体重増加抑制剤、体脂肪低減剤、または血中脂質低減剤が、脂質代謝改善剤と、 他の成分を含む組成物からなる場合、該組成物中における脂質代謝改善剤の含有 量は、特に制限されなレ、が、通常 0. :!〜 90質量%、好ましくは 0. 5〜40質量%、更 に好ましくは 1〜20質量%である。
[0022] 賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導 体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、 ひ—デンプン、デキストリン、カルボキシ メチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース 、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ ルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン
;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩 誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体; 硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビエルピロリドン;マグロゴ ール等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカノレメロースナトリウム、カルボキ シメチルスターチナトリウム、架橋ポリビュルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又 はセルロース誘導体等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン 酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイロウ等のヮック ス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム 等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸類塩;ロイシン;ラウリル硫酸ナト リウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪 酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラォキシ安息香 酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フエニルエチルアルコール等 のアルコール類;塩化ベンザルコニゥム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。 矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
注射剤用溶剤としては、例えば、水、エタノール、グリセリン等が挙げられる。
本発明の脂質代謝改善剤は、前記医薬品としての用途以外に、これを飲食品や飼 料等に配合して経口投与することもできる。
本発明の脂質代謝改善剤を含有する飲食品は、 ct s—カゼインを有効成分として 含有し、脂質代謝改善効果を有する飲食品である。該飲食品の用途は、脂質代謝改 善の効果を利用するような種々の用途をとることができる。特に好適な用途は、体重 増加抑制、体脂肪低減、および血中脂質低減から選ばれる 1または 2以上である。 かかる飲食品は、例えば、 ひ s—カゼインに、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラ チン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;ァラニン、グノレタミン、イソ口 イシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリ グリセリド等の油脂類等を適宜配合することにより製造できる。 飲食品の形態は、 日常的に摂取が可能な形態が好ましい。例えば、清涼飲料、炭 酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料 (これらの飲料の濃縮原液及び調 整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、力き氷等の冷菓;そば、うどん 、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麵、即席麵等の麵類;飴、チューイン ガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャ ム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産'畜産加工 食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、 ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、 たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物、パン;経腸栄養食;機能性 食品等が挙げられる。
これらの中でも、体重増加抑制、体脂肪低減、および血中脂質低減から選ばれる 1 または 2以上の用途に用いられる、脂質代謝改善効果を有する機能性食品が好まし レ、。
[0024] 本発明の脂質代謝改善剤を含有する飼料は、 ct s—カゼインを有効成分として含 有し、脂質代謝改善効果を有する飼料である。該飼料の用途は、脂質代謝改善の効 果を利用するような種々の用途をとることができる。特に好適な用途は、体重増加抑 制、体脂肪低減、および血中脂質低減から選ばれる 1または 2以上である。
かかる飼料は、例えば、 a s—カゼインに、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、マイ口 等の穀類;大豆油粕、ナタネ油粕、ヤシ油粕、アマ二油粕等の植物性油粕類;フスマ 、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーンダルテンミール、コーンジャムミール等の製 造粕類;魚粉、脱脂粉乳、ホエー、イェローグリース、タロー等の動物性飼料類;トラ ル酵母、ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質 飼料;油脂類;単体アミノ酸;糖類等を配合することにより製造できる。
飼料の形態は、 日常的に給餌が可能な形態が好ましい。具体例としては、ペットフ ード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
[0025] 本発明の脂質代謝改善剤は、それのみで使用してもよいが、その他の脂質代謝改 善に効果を有する医薬組成物、飲食品、又は飼料と併用してもよい。併用によって、 体重増加抑制、体脂肪低減、血中脂質低減等の効果をより高めることができる。併用 する医薬組成物、飲食品、又は飼料は、本発明にかかる医薬組成物、飲食品、又は 飼料中に有効成分として含有させてもよいし、本発明の医薬組成物、飲食品、又は 飼料中には含有させずに別個の薬剤、飲食品等として組み合わせて商品化してもよ レ、。
[0026] 本発明にかかる飲食品は、脂質代謝を改善するためとの用途が表示された飲食品 等、例えば「脂質代謝改善用と表示された、脂質代謝改善効果を有する飲食品」、「 脂質代謝改善用と表示された、 ひ s—カゼインを含有する飲食品」、あるいは「体脂肪 蓄積予防用と表示された、 ひ s—カゼインを含有する飲食品」等として販売することが 好ましい。
なお、以上のような表示を行うために使用する文言は、例えば「脂質代謝改善用」 あるいは「体脂肪蓄積予防用」という文言のみに限られるわけではなぐそれ以外の 文言であっても、脂質代謝改善効果を表す文言であれば、本発明の範囲に包含さ れることはいうまでもない。そのような文言としては、例えば、需要者に対して、脂質代 謝改善効果及び/又は改善効果を認識させるような種々の用途に基づく表示も可 能である。
[0027] または、同様に、体重増加抑制、体脂肪低減、および血中脂質低減から選ばれる 1 以上の用途が表示された飲食品等として販売することが可能である。
また、同様に、肥満が原因ともされる高脂血症、高血圧症及び糖尿病等の生活習 慣病の予防及び/又は改善用として、生活習慣病の予防及び/又は改善するため との用途が表示された飲食品等として販売することも可能である。
[0028] 前記「表示」の行為(表示行為)には、需要者に対して上記用途を知らしめるための 全ての行為が含まれ、上記用途を想起 '類推させうるような表示であれば、表示の目 的、表示の内容、表示する対象物'媒体等の如何に拘わらず、すべて本発明の「表 示」の行為に該当する。し力 ながら、需要者が上記用途を直接的に認識できるよう な表現により表示することが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包 装に上記用途を記載する行為を表示行為として挙げることができ、さらに商品又は商 品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのため に展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途 を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載 して電磁気的 (インターネット等)方法により提供する行為、等を例示できる。
[0029] 一方、表示される内容(表示内容)としては、行政等によって認可された表示(例え ば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様 で行う表示)であることが好ましぐそのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パン フレット、 POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好まし レ、。
また、例えば、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能 食品、特定保健用食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示を例示するこ とができる。特に、厚生労働省によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制 度、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定 保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機 能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を例示することができ、詳細にい えば、健康増進法施行規則(平成 15年 4月 30日日本国厚生労働省令第 86号)に定 められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する 表示が、典型的な例として列挙することが可能である。
[0030] 本発明において、 a s—カゼインによる脂質代謝改善効果を評価するためには、例 えば、ォべシティ'リサーチ(Obesity Research)、第 10卷、 2002年、第 956〜963頁 に記載された,遺伝子的に肥満する背景を持たない正常な動物を用い、餌中に含ま れる脂質と炭水化物の比率を変化させることに基づいた食餌誘導性肥満モデル動 物を用いた試験により評価することが可能である。すなわち、常法により餌中の脂質 含量が高い高脂肪食を与えることにより肥満及び高脂血症を誘導し、その症状に対 するひ s—カゼインの効果 (体重増加抑制作用、体脂肪増加抑制作用、血中脂質増 加抑制作用)として評価することが可能である。
実施例
[0031] 次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に 限定されるものではない。
[実施例 1] ( a s—カゼインの製造) まず、 4Mの尿素および 6 · 5 X 10 Μのジチオスレィトールを含む 0· 02Μトリス塩 酸緩衝液(ρΗ8 · 0)で平衡化した強陰イオン交換体(フアルマシア社製) 2. 4Lを用 意した。この強陰イオン交換体から緩衝液を除いた後、 3Lの緩衝液に溶解した 90g のカゼインナトリウム (森永乳業社製)を加え、 30分程度イオン交換体をゆっくり攪拌 した後、グラスフィルターを用いて上清を分離した。これによりカゼイン(ひ、 κ及び /3 カゼイン)が吸着された強陰イオン交換体が得られる。
[0032] 次に、上記緩衝液に、 0. 2Mとなるように塩化ナトリウムをカ卩えた溶液 1. 5Lを、前 記強陰イオン交換体に加え、 30分程度イオン交換体をゆっくり攪拌し、グラスフィノレ ターを用いて上清を分離した。この上清には κ及び カゼインが含まれる為、以降の 画分への混入を防ぐ為に、再度この操作を繰り返した。
次いで、上記緩衝液に、 0. 3Mとなるように塩ィ匕ナトリウムをカ卩えた溶液 1. 5Lを、 前記強陰イオン交換体に加え、 30分程度イオン交換体をゆっくり攪拌し、グラスフィ ルターを用いて上清を回収した。この上清には a s—カゼインが含まれる。回収率を 上げる為、再度この操作を繰り返した。得られた a s—カゼインを含む画分は、スプレ 一ドライまたは凍結乾燥して、粉体にし、使用時まで冷蔵保存した。この方法によりひ s—カゼイン 35g (純度 99 % )を製造した。
[0033] [実施例 2] (タブレット状の脂質代謝改善剤の製造)
実施例 1の方法で得られた a s—カゼイン 150gに、ラクチュロース粉末 (森永乳業 社製) 100g、マルツデキストリン (松谷化学工業社製) 635g、脱脂粉乳 (森永乳業社 製) 85g、ステビア甘味料 (三栄源エフ ·エフ ·アイ社製) lg、ヨーグルト ·フレーバー( 三栄源エフ ·エフ ·アイ社製) 5g、グリセリン脂肪酸エステル製剤(理研ビタミン社製) 2 4gの各粉末を添加して均一に混合し、打錠機 (畑鉄鋼所社製)を使用して、 1錠当り 0. 5gとし、 12錠 Z分打錠速度、 9. 8KPaの圧力で前記混合粉末を連続的に打錠し 、 a s—カゼインを含有するタブレット (脂質代謝改善剤) 1800錠 (約 900g)を製造し た。タブレット 1個当たりのひ s—カゼインは約 15質量%であった。
[0034] [実施例 3] (脂質代謝改善剤を含有する経腸栄養食粉末の製造)
ホエー蛋白加水分解物 (森永乳業社製) 10kg、デキストリン(昭和産業社製) 36kg 、および少量の水溶性ビタミンとミネラルを水 200kgに溶解して水相をタンク内に調 製した。これとは別に、大豆サラダ油(太陽油脂社製) 3kg、パーム油 (太陽油脂社製 ) 8. 5kg、サフラワー油(太陽油脂社製) 2· 5kg、レシチン(味の素社製) 0. 2kg、脂 肪酸モノグリセリド (花王社製) 0. 2kg、及び少量の脂溶性ビタミンを混合溶解して油 相を調製した。タンク内の水相に油相を添加し、攪拌して混合した後、 70°Cに加温し 、更に、ホモゲナイザーにより 14. 7MPaの圧力で均質化した。次いで、 90°Cで 10 分間殺菌した後、濃縮し、噴霧乾燥して、中間製品粉末約 59kgを調製した。この中 間製品粉末 50kgに、蔗糖 (ホクレン社製) 6. 8kg、アミノ酸混合粉末 (味の素社製) 1 67g、および実施例 1の方法で得られたひ s—カゼイン lkgを添カ卩し、均一に混合し て、 ひ s—カゼインを含有する経腸栄養食粉末約 56kgを製造した。
[0035] [実施例 4] (脂質代謝改善効果を有するひ s—カゼインを含有するシチューの製造) lcm角に切った玉葱 1/2個分をバター 7gにて炒め、薄力粉大匙 2/3を加えて更 に炒めた。さらに水 200mlと顆粒ブイヨン小さじ 1Z3を加えて溶きのばし、 l cm角に 切ったじやがいも 1個分、ロースハム塊 15g、ミックスビーンズ缶(1/3缶)を加え、煮 込んだ。じやがいもが柔ら力べなった時点で、実施例 1と同様の方法で製造した a s— カゼイン 15gを加えて一煮立ちさせ、塩、こしょうで味を調えて、脂質体代謝改善効 果を有する a s—カゼインを含有するシチューを製造した。
[0036] [実施例 5] (脂質代謝改善効果を有する a s—カゼインを含有するオレンジミルクゼリ 一の製造)
オレンジ 1個分を皮をむいて、細かく刻んだ。また、粉末ゼラチン (ゼライス社製) 5g を水 50mlに添加して液状とした。ここで、鍋に、実施例 1と同様の方法で製造した a s—カゼイン 40g、グラニュー糖大匙 3杯、水 100mlを加えて加熱した。沸騰直前に 火を止め、ふ液状にしておいたゼラチンをカ卩えて余熱で溶力 た。ゼラチンが溶けた 後、氷水にて冷まし、とろみが付くまで冷やした後、オレンジジュース 150ml、および 、先に刻んだオレンジ皮、コアントロー大匙 1杯をカ卩えて混合し、適当な容器に入れ て冷蔵庫にて 2〜3時間保冷し、脂質代謝改善効果を有するひ s—カゼインを含有す るオレンジミルクゼリーを製造した。
[0037] 次に試験例を示す。
[試験例 1 ] (効能確認試験一 1 ) α s カゼインによる体重増加抑制効果について確認するために、高脂肪食摂取 条件下で、各種カゼイン溶液を投与し、体重変化を観察した。また、比較のためにひ
S カゼイン、 β カゼインおよび/ カゼインを含むカゼイン混合体であるカゼイン ナトリウムについても投与を行った。さらに、通常の量の脂肪(その分のカロリーは炭 水化物で調節)を含む餌 (通常脂肪食)を作製し、通常脂肪食を摂取した場合の体 重の下限値についても検討した。
(1)飼料
表 1に示す組成で高脂肪の餌 (高脂肪食。以下、 HFと略す。)を作製した。また表 2 に示す組成で通常脂肪の餌 (通常脂肪食。以下、 NFと略す。)を作製した。
[表 1]
Figure imgf000017_0001
[表 2]
Figure imgf000018_0001
(2)試料の調製
対照試料:注射用蒸留水
a sCs試料:ひ s—カゼイン (シグマ社製) 200mgを注射用蒸留水(大塚製薬社製) 40mlに溶解して調製した(蛋白質濃度: 5mg/ml)。
iS Cs試料: β—カゼイン (シグマ社製) 200mgを注射用蒸留水(大塚製薬社製) 4 Omlに溶解して調製した(蛋白質濃度: 5mg/ml)。
f Cs試料: K—カゼイン (シグマ社製) 200mgを注射用蒸留水(大塚製薬社製) 4 Omlに溶解して調製した(蛋白質濃度: 5mg/ml)。
CsNa試料:精製カゼインナトリウム(和光純薬社製) 200mgを注射用蒸留水(大塚 製薬社製) 40mlに溶解して調製した (蛋白質濃度: 5mg/ml)。
(3)試験動物
日本エスエルシー社より購入した雄の 4週齢 ICRマウスを使用した。 (4)試験方法
高脂肪食による 1週間の予備飼育の後、体重がほぼ同等となるように、一群 8匹とし て 6群に分け、各群に飼料と水を自由に摂取させた。また 1週間のうち 5日間を、 1日 1回のペースで、ゾンデを用いて試料を 0. 5mlZ匹ずつ投与した。各群については 、以下のとおりである。
1群(ネガティブコントロール、以下 NC群と略す):飼料 NF、対照試料
2群(ポジティブコントロール、以下 PC群と略す):飼料 HF、対照試料
3群(ひ s—カゼイン投与群、以下 a s群と略す):飼料 HF、 a sCs試料
4群(/3 _カゼイン投与群、以下 j3群と略す):飼料 HF、 j3 Cs試料
5群( κ:—カゼイン投与群、以下 /c群と略す):飼料 HF、 κ Cs試料
6群(カゼインナトリウム群、以下 CsNa群と略す):飼料 HF、 CsNa試料
(5)試験結果
試験期間中、週に 1回の割合で摂餌量を測定したが、各群の間に差は認められな かった。 8週間後の各群の体重の平均値は表 3に示すとおりである。体重については 非常に群内のばらつきが多ぐ群間での有意差は認められなかったが、「高脂肪食で a sCs試料を投与した a s群」は、「高脂肪食で対照試料を投与した PC群」に比して 明らかに体重の増加が抑制された。
また、この a s群は、「通常脂肪食で対照試料を投与した NC群」と 8週間後の体重 がほぼ等しぐ体重が減少しすぎるということも無かった。このことから、 a s群では体 内に蓄積された余剰の脂質の代謝が促進され、必要な脂質まで減少させる影響は ほとんど無いことが認められる。
[表 3]
Figure imgf000019_0001
[0042] [試験例 2] (効能確認試験 2)
a s—カゼインによる、内臓脂肪及び皮下脂肪等の体脂肪の増加抑制効果につい て確認するために、高脂肪食摂取条件下で、各種カゼイン溶液を投与し、その変化 について小動物用 CTスキャナを用いて、内臓 (腹腔内)脂肪、皮下脂肪及び腹部除 脂肪重量を測定し、さらに体脂肪率について測定した。さらにまた、通常の量の脂肪 を含む餌 (通常脂肪食)を作製し、通常脂肪食を摂取した場合の体内における上記 重量及び体脂肪率の下限値についても検討した。
(1)飼料
試験例 1と同様の飼料を使用した。
(2)試料の調製
試験例 1と同様の試料を使用した。
(3)試験動物
試験例 1と同様の動物を使用した。
(4)試験方法
高脂肪食による 1週間の予備飼育の後、体重がほぼ同等となるように、一群 8匹とし て 6群に分け、各群に飼料と水を自由に摂取させた。また 1週間のうち 5日間を、 1日 1回のペースで、ゾンデを用いて試料を 0· 5ml/匹ずつ投与した。各群における飼 料および試料の種類は試験例 1と同じである。
なお、投与期間中、 2週目〜 6週目までの間に、 2週間に一度の割合で各群の平均 値付近のマウス 2〜3匹にっレ、て、小動物用 CTスキャナ(ァロカ社製: LaTheta (登録 商標))にて、マウス腹部の内臓 (腹腔内)脂肪重量、皮下脂肪重量、及び体脂肪率 を測定した。
また 8週後に飼育していたマウスの全数について、小動物用 CTスキャナにて、マウ ス腹部の皮下脂肪重量、内臓脂肪重量、除脂肪重量、及び体脂肪率を測定した。
[0043] (5)試験結果
試験期間中、週に 1回の割合で摂餌量を測定したが、各群の間に差は認められな 力、つた。 8週間後の各群の動物腹部における皮下脂肪重量、内臓 (腹腔内)脂肪重 量及び除脂肪重量の平均値は表 4〜表 6に示すとおりである。また、 8週間後の体脂 肪率の平均値は表 7に示すとおりである。
「通常脂肪食で対照試料を投与した NC群」と比較して「高脂肪食で対照試料を投 与した PC群」では、脂肪組織の重量が著しく多ぐまたこれに反して除脂肪重量が減 少していることが判明した。 NC群と PC群では内臓脂肪及び皮下脂肪のいずれにお いても有意差が認められ、試験例 1で認められた PC群における体重増加の原因力 体内の脂肪重量の増加によることが明らかとなった。
この結果は、体脂肪率にも反映され、表 7に示されるとおり、 NC群よりも PC群のほう が有意に高いことが判明した。
一方、「高脂肪食でひ sCs試料を投与したひ s群」は高脂肪食を摂取させたにもか かわらず、内臓脂肪重量、及び皮下脂肪重量のいずれもにおいても PC群に比して 有意に増加が抑制された。さらに、体脂肪率も同様に有意に低下した。
しかしながら、 ひ s群における体脂肪の蓄積抑制の度合いは NC群とほぼ同等であ り、 a sCs試料の摂取により脂肪組織が極端に減量または消失することは無かった。 一方、 a s群の除脂肪重量の減少は PC群ほど顕著ではなぐ a sCs試料の投与によ る体重増加抑制効果は、ほとんど脂肪組織の重量増加抑制によるものと考えられる。 また脂肪組織以外の組織(除脂肪重量)を正常なレベルに維持する効果も認められ た。
なお、 a sCs以外のカゼインを投与した 群、 κ群及び CsNa群においては、 8週 間後の内臓脂肪重量及び皮下脂肪重量ともに PC群とほぼ同等であり、脂肪組織重 量の増加抑制効果は認められなかった。
[表 4]
Figure imgf000022_0001
*P<0. 05で PCと有意差有り
[0045] [:
Figure imgf000022_0002
*P<0. 05で PCと有意差有り
[0046] [表 6]
Figure imgf000022_0003
[0047] [表 7]
Figure imgf000023_0001
*Pく 0. 05で PCと有意差有り
[0048] 図 1は、内臓脂肪重量の経時的な変化を示したグラフである。 NC群では 2週目力 既に PC群ほどの重量の増加は観察されなくなった(NC群: 1. 6g、 PC群: 2. lg)が 、 ひ s群においては、 2週目まで、 PC群やひ sカゼイン以外のカゼイン群と同様に重 量が増加した s群: 2. 5g、 j3群: 2. lg、 κ群: 2. 7g、 CsNa群: 2. 5g)。その後、 a s群では経時的に重量は減少し、 6週目では NC群よりも更に重量が少なくなつた 力 S (NC群: 1. 7g、 《3群:0. 9g)、 8週目には、再びほぼ NC群と同等の重量にまで 回復することが明らかとなった(NC群: 2. lg、 a s群: 2. 9g)。
図 2は、皮下脂肪重量の経時的な変化を示したグラフである。 a s群では、 2〜4週 目まで皮下脂肪重量の増加は PC群と同様に大きく増加したが(PC群: 1. 6g、 a s群 : 2. Og)、その後、増加の傾向が緩やかになり、 8週目には急激に低下した(PC群: 2 • 8g、 a s群: 1. 2g)。
[0049] 図 3は、内臓脂肪重量と皮下脂肪重量を併せた体脂肪重量の経時変化を示したグ ラフである。 a s群では、 2週目まで、 PC群、及びその他のカゼイン群と同様に体脂 肪重量の増加の傾向が確認されたが(PC群: 3. 3g、 a s群: 4. 2g、 群: 3. lg、 / 群: 4. lg、 CsNa群: 4. 9g)、その後、増加のカーブが緩やかになった後、減少に転 じ、 6週目に NC群と同レベルまで下がった後は(6週目、 NC群: 2. 6g、 ひ s群: 3. 0 g)、再び NC群と同程度に増加してレ、く傾向が確認された(8週目、 NC群: 3. 2g、 a s群: 4. lg)。
図 3に示されるように、 6週目以降に、 NC群及びひ s群で緩やかな体脂肪重量の増 加が見られるのは、加齢による自然現象であると考えられる。なお、図 4の体脂肪率 の経時変化を示したグラフで示されるように、体脂肪率に換算すれば、それほど急激 な上昇ではないことが判明した。し力 ながら、 PC群、 i3群、 Κ群及び CsNa群にお いては、体脂肪率が 2週以降 8週目まで顕著に増加することが明らかとなった。
[0050] [試験例 3] (効能確認試験一 3)
前記試験例 2で確認された体内における脂肪蓄積抑制効果について、 8週間飼育 後の動物を解剖して、内臓 (腹腔内)脂肪の部位別重量を測定した。
(1)飼料
試験例 1と同様の飼料を使用した。
(2)試料の調製
試験例 1と同様の試料を使用した。
(3)試験動物
試験例 1と同様の動物を使用した。
(4)試験方法
高脂肪食による 1週間の予備飼育の後、体重がほぼ同等となるように、一群 8匹とし て 6群に分け、各群に飼料と水を自由に摂取させた。また 1週間のうち 5日間を、 1日 1回のペースで、ゾンデを用いて試料を 0· 5ml/匹ずつ投与した。各群における飼 料および試料の種類は試験例 1と同じである。
なお、 8週間後に全個体を解剖し、内臓脂肪を精巣周囲、腸間膜及び後腹膜の 3 箇所から摘出し、各々の重量を求めた。
[0051] (5)試験結果
本試験の結果は表 8に示すとおりである。その結果、マウスの内臓脂肪を 3つの部 位に分けてその重量を観察したところ、 NC群はすべての部位について PC群と比較 して有意にその重量が少なかった。
また、 ひ s群は、精巣周囲及び腸間膜の 2つの部位について、有意にその重量が少 なぐ特に、腸間膜脂肪におけるひ s群の重量は、ほぼ NC群と同等であった。なお、 有意差は認められなかつたものの後腹膜脂肪も明らかに少なレ、傾向が確認された。 その他のカゼインを投与した群( /3群、 κ群及び CsNa群)では PC群と比して、特に 差は確認されなかった。
なお、試験期間中、週に 1回の割合で摂餌量を測定したが、各群の間に差は認め られなかった。
[表 8]
Figure imgf000025_0001
*P<Q. 01で PCと有意差有り
**Pく 0. Mで PCと有意差有り
[試験例 4] (効能確認試験一 4)
a S—カゼインによる血中脂質低減効果について検討するために、高脂肪食摂取 条件下で、各種カゼイン溶液を投与した後の血中脂質を測定した。さらに、通常の量 の脂肪を含む餌 (通常脂肪食)を作製し、通常脂肪食を摂取した場合の血中脂質値 についても検討した。
(1)飼料
試験例 1と同様の飼料を使用した。
(2)試料の調製
試験例 1と同様の試料を使用した。
(3)試験動物
試験例 1と同様の動物を使用した。
(4)試験方法
高脂肪食による 1週間の予備飼育の後、体重がほぼ同等となるように、一群 8匹とし て 6群に分け、各群に飼料と水を自由に摂取させた。また 1週間のうち 5日間を、 1日 1回のペースで、ゾンデを用いて試料を 0. 5mlZ匹ずつ投与した。各群における飼 料および試料の種類は試験例 1と同じである。
各群とも、 8週間後に解剖して全採血を行い、臨床化学自動分析装置 (アークレイ 社:スポットケム)を用いて血清脂質を分析し、総コレステロール (T—Cho、単位: mg /dL)および中性脂肪 (TG、単位: mg/dL)を測定した。
( 5)試験結果
本試験の結果は表 9に示すとおりである。その結果、 NC群と PC群では、 T _ Cho で有意差を認めたが、それ以外においては、各群間で差は確認されなかった。 a s 群では、 Τ— Cho及び TGのいずれもが低値を示しており、 ひ s—カゼインの投与が 血中の脂質に対して低減効果があることが確認された。なお、試験期間中、週に 1回 の割合で摂餌量を測定したが、各群の間に差は認められなかった。
[表 9]
Figure imgf000026_0001
*P傲 05で PCと有意差有り
[試験例 5] (用量依存性試験一 1 )
a S—カゼインによる体内の脂質代謝改善効果について、その有効投与量を検討 するために高脂肪食飼育下の動物に、濃度を変えて調製したひ s—カゼイン溶液を 投与し、体重当りの内臓脂肪重量を測定した。
( 1 )飼料
試験例 1と同様の飼料を使用した。
( 2)試料の調製
対照:注射用蒸留水
a sCs試料:ひ s—カゼイン (シグマ社製)を注射用蒸留水(大塚製薬社製)に溶解 して、蛋白質濃度が、 0. 5mg/ml、 5mg/ml、 20mg/mlとなるように調製した。
(3)試験動物
試験例 1と同様の動物を使用した。
(4)試験方法
高脂肪食による 1週間の予備飼育の後、体重がほぼ同等となるように、一群 8匹とし て 6群に分け、各群に飼料と水を自由に摂取させた。また 1週間のうち 5日間を、 1日 ェ回のペースで、ゾンデを用いて試料を 0. 5mlZ匹ずつ投与した。各群共、試験期 間終了後に体重を測定した後、解剖し、腹腔内脂肪重量を測定した。試験期間は、 群分け後 12週間とした。各群については、以下のとおりである。
1群:対照投与 (対照群)
2群: 0. 5mg/ml ' ひ s—カゼイン投与(ひ一 0. 5群)
3群: 5mg/ml' ひ s _カゼイン投与(ひ一 5群)
4群: 20mg/ml' a s—カゼイン投与(α— 20群)
(5)試験結果
本試験の結果は図 5に示すとおりである。その結果、 12週間後の各群の体重当り の腹腔内脂肪重量の占める割合において、対照投与群で 10. 8%であったものが、 a s—カゼインを投与することにより、体重あたりに占める腹腔内脂肪重量の割合は 濃度依存白勺に減少ヽしてレヽき、 a - 0. 5で 10. 2%, a— 5で 9. 1 %, a— 20で ίま 8. 8%にまで達した。なお、試験期間中、週に 1回の割合で摂餌量を測定したが、各群 の間に差は認められなかった。
この結果より、蛋白質濃度が 5mg/ml以上の a s—カゼイン溶液を投与することに より、体重あたりの腹腔内脂肪重量の割合が明らかに減少するという、良好な結果が 得られることが認められた。なお、ここでの蛋白質濃度 5mgZmlのひ s—カゼイン溶 液の投与量は、換算すると 80mgZkg体重/日に相当する。
[試験例 6] (用量依存性試験一 2)
高脂肪食飼育下の動物に、濃度を変えて調製したひ s—カゼイン溶液を投与し、血 液中に含まれる脂質の量を測定した。
(1)飼料 試験例 1と同様の飼料を使用した。
(2)試料の調製
試験例 5と同様の試料を使用した。
(3)試験動物
試験例 1と同様の動物を使用した。
(4)試験方法
高脂肪食による 1週間の予備飼育の後、体重がほぼ同等となるように、一群 8匹とし て 6群に分け、各群に飼料と水を自由に摂取させた。また 1週間のうち 5日間を、 1日 1回のペースで、ゾンデを用いて試料を 0. 5mlZ匹ずつ投与した。各群とも、試験期 間(12週)終了後、解剖し、心採血を行った。採取した血液は、凝固促進型分離剤入 り血清分離チューブ (コスモバイオ社製)にて血清を分離した。臨床化学自動分析装 置(アークレイ社:スポットケム(登録商法) )を用レ、て血中の T_ Cho及び TGを測定 した。また、血清中の遊離脂肪酸について NEFA—Cテストヮコー(和光純薬社製) にて測定した。各群については、以下のとおりである。
1群:対照投与 (対照群)
2群: 0· 5mg/ml' a s—カゼイン投与(α— 0· 5群)
3群: 5mg/ml' a s—カゼイン投与(a— 5群)
4群: 20mg/ml' a s—カゼイン投与(a— 20群)
(5)試験結果
T— Cho及び TGの測定結果を図 6に示す。その結果、対照群は T— Cho : 211. 8 mg/dL、 TG : 195. lmg/dLであったのに比して、 a s—カゼインを投与した群で は、いずれも濃度依存的に Τ—Cho及び TGが減少し、 ひ—0. 5において T_Cho : 211. 6mg/dL、 TG : 158. 9mg/dL、 ひ _ 5ίこおレヽて T_Cho : 196. 3mg/dL 、 TG : 174. 4mg/dし、 ひ _ 20ίこおレヽて T_Cho : 166. lmg/dL、 TG : 149. 9m g/dLとなった。
この結果より、蛋白質濃度が 5mg/ml以上のひ s_カゼイン溶液を投与することに より、 T_ Cho及び TGのいずれも対照群より明らかに低減するという、良好な結果が 得られることが認められた。なお、試験期間中、週に 1回の割合で摂餌量を測定した 力 各群の間に差は認められなかった。
また、血中の遊離脂肪酸濃度の測定結果を図 7に示す。その結果、対照群が 1. 6 61mEq/lであったのに対し、 a ~ 0. 5 : 0. 999mEq/l、 α— 5 : 1. 305mEq/l、 ひ一20 : 1. 312mEqZlであり、 ひ s—カゼインを投与した群は、いずれも対照群に 比して有意に血中の遊離脂肪酸の濃度が低下することが確認された。
産業上の利用可能性
本発明によれば、ヒトゃ動物に対する安全性が高ぐ 日常的に投与又は摂取するこ とによって、肥満等によって起因する高脂血症、高血圧症及び糖尿病等の生活習慣 病症状を緩和させること (寛解の導入と維持)が可能な脂質代謝改善剤が得られる。 また、本発明における有効成分である a s—カゼインは、乳等の原料から大量に製造 することができるので、脂質代謝改善剤やこれを含有する飲食品や飼料を安価に提 供することが可能である。

Claims

請求の範囲
[I] ひ s—カゼインを有効成分として含有する脂質代謝改善剤。
[2] 請求項 1記載の脂質代謝改善剤を含む体重増加抑制剤。
[3] 請求項 1記載の脂質代謝改善剤を含む体脂肪低減剤。
[4] 請求項 1記載の脂質代謝改善剤を含む血中脂質低減剤。
[5] 請求項 1記載の脂質代謝改善剤を製造するためのひ s—カゼインの使用。
[6] 請求項 2記載の体重増加抑制剤を製造するための ct s カゼインの使用。
[7] 請求項 3記載の体脂肪低減剤を製造するための ct s カゼインの使用。
[8] 請求項 4記載の血中脂質低減剤を製造するための ct s カゼインの使用。
[9] 請求項 1記載の脂質代謝改善剤を投与することにより哺乳類の脂質代謝を改善す る方法。
[10] 請求項 2記載の体重増加抑制剤を投与することにより哺乳類の体重増加を抑制す る方法。
[II] 請求項 3記載の体脂肪低減剤を投与することにより哺乳類の体脂肪を低減する方 法。
[12] 請求項 4記載の血中脂質低減剤を投与することにより哺乳類の血中脂質を低減す る方法。
[13] ひ s—カゼインを有効成分として含有する脂質代謝改善のための飲食品。
[14] 請求項 13に記載の飲食品を製造するためのひ s _カゼインの使用。
[15] 飲食品が、健康食品、機能性食品、特別用途食品、栄養機能食品、又は特定保健 用食 ί3口の形態である請求項 13又は 14に記載の飲食品。
[16] ひ S .一カゼインを有効成分として含有する脂質代謝改善のための飼料。
[17] ひ S .一カゼインを医薬として脂質代謝改善治療に使用する方法。
[18] ひ S .一カゼインを医薬として体重増加抑制治療に使用する方法。
[19] s . カゼインを医薬として体脂肪低減治療に使用する方法。
[20] s . カゼインを医薬として血中脂質低減治療に使用する方法。
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