JP5022060B2 - インターロイキン−10産生促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、サイトカインであるインターロイキン−10の産生促進作用を有し、ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン−10産生促進剤である。また、本発明は飲食品に利用することが可能なインターロイキン−10産生促進用食品添加剤、および飼料である。
サイトカインは、免疫担当細胞をはじめとする種々の細胞から産生され、極めて微量で生物活性を発揮する。サイトカインの生物活性には、主として免疫系への正の調節機構と負の調節機構の両面が存在するが、正常な状態ではそのバランスによる制御機構が作用し、生体の恒常性が保たれている。これまでに、様々な疾患の発症や、その増悪又は緩解へのサイトカインの関与が明らかにされており、そのため、サイトカイン自身を疾患の治療に応用する研究開発や、サイトカインの産生促進作用又は産生抑制作用を持つ薬剤に関する研究開発が盛んに行われている。
インターロイキン−10は、T細胞、B細胞、単球/マクロファージ、樹状細胞などの免疫担当細胞から産生されるサイトカインであり、免疫担当細胞を含む様々な細胞に対して増殖、分化あるいは免疫抑制効果などの様々な作用を有することが知られている。インターロイキン−10の生物活性の一つとして、細胞傷害活性などの細胞性免疫に関与するヘルパーT細胞であるTh1細胞からのインターフェロン−γなどのサイトカイン産生抑制作用やマクロファージからの腫瘍壊死因子−α、インターロイキン−1及びインターロイキン−6などのサイトカイン産生抑制作用が知られている。また、動物実験の結果から、グラム陰性菌の外膜成分であるリポポリサッカライド(エンドトキシン)が、生体に種々の反応を引き起こすエンドトキシンショックに対して、インターロイキン−10には予防効果が認められている(例えば、非特許文献1)。
このようにインターロイキン−10産生を促進させれば、特に慢性的な症状に対して有用な効果を期待できることから、インターロイキン−10産生を促進する化合物の探索が行われてきた。既にインターロイキン−10産生を促進する化合物として、N−[2−(2−フタルイミドエトキシ)アセチル]−L−アラニル−D−グルタミン酸などが報告されている(例えば、特許文献1)。
乳蛋白の一種であるラクトパーオキシダーゼは、乳汁、唾液、涙液、気道粘液などの外分泌液に含有される酸化還元酵素であり、工業的には牛乳から大量スケールで精製することが可能である(例えば、特許文献2、特許文献3)。このラクトパーオキシダーゼには抗菌性、抗ウイルス活性、抗酸化活性、抗癌作用、免疫調節作用などの多様な生物機能が知られているが、インターロイキン−10の産生促進作用については知られていなかった。
特開平11−322601号公報 特開平5−41981号公報 国際公開WO2005/078078号パンフレット 臨床免疫、科学評論社、第27巻、1995年、p.97−106
上述のように、インターロイキン−10産生を促進する化合物は、慢性的な症状に対する効果を期待して投与されるために、その投与もまた長期間にわたるものとなる。そのために、安全で副作用がなく、長期間にわたって安心して摂取することが可能なインターロイキン−10産生促進剤の開発が望まれていた。
従って、本発明の目的は、安全で副作用がなく、安心して長期間の摂取が可能なインターロイキン−10産生促進剤を提供することにある。
本発明者らは、安全で副作用が少なく、日常的に長期服用が可能なインターロイキン−10産生促進剤についてタンパク質などの食品素材を中心に鋭意探索を重ねた結果、乳タンパク質であるラクトパーオキシダーゼがインターロイキン−10を産生促進する作用を有することを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係るラクトパーオキシダーゼは、ほ乳類の乳等に由来するものであるために、その安全性は日常的に摂取した場合にも極めて高いものである。
生体内の免疫担当細胞に作用してインターロイキン−10の産生を促す本発明に係るラクトパーオキシダーゼを有効成分とするインターロイキン−10産生促進剤は、エンドトキシンショックなどの予防及び/又は治療効果が期待されるものである。
前記課題を解決する本発明の第一の発明は、ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有するインターロイキン−10産生促進剤である。
前記課題を解決する本発明の第二の発明は、ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有するインターロイキン−10産生促進用食品添加剤である。
前記課題を解決する本発明の第三の発明は、ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有するインターロイキン−10産生促進用の飼料である。
従って、本発明は、次の(1)〜(3)にある。
(1)ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有するインターロイキン−10産生促進剤。
(2)ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有するインターロイキン−10産生促進用食品添加剤。
(3)ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有するインターロイキン−10産生促進用の飼料。
さらに、本発明は、次の(4)〜(7)にもある。
(4)有効成分としてのラクトパーオキシダーゼ、及び薬学的に許容される担体を含有してなる、インターロイキン−10産生促進剤。
(5)ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有するインターロイキン−10産生促進用の機能性飲食品。
(6)(1)若しくは(4)に記載のインターロイキン−10産生促進剤、(2)に記載のインターロイキン−10産生促進用食品添加剤、(3)に記載のインターロイキン−10産生促進用の飼料、又は(5)に記載のインターロイキン−10産生促進用の機能性飲食品を製造するためのラクトパーオキシダーゼの使用(use)。
(7)(1)又は(4)に記載のインターロイキン−10産生促進剤を投与することにより、ほ乳類のインターロイキン−10産生を促進する方法(method)。
本発明はラクトパーオキシダーゼを有効成分とするインターロイキン−10産生促進剤に関するものであり、本発明により奏される効果は次の通りである。
(1)インターロイキン−10産生を効果的に促進することが可能であり、エンドトキシンショックなどの予防及び/又は治療効果を有する。
(2)乳などの原料から安価で大量に製造することができる。
(3)ヒト及び動物に対する安全性が高く、安心して長期間にわたり日常的に摂取することができる。
(4)インターロイキン−10産生促進効果を有する食品添加剤を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態について以下に詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本発明に使用するラクトパーオキシダーゼは、ヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等の乳等から得ることができる。例えば、特開平5−41981公報(発明の名称:生菌含有液状組成物)や国際公開WO2005/078078号パンフレットに開示された方法のように、乳等未加熱のホエーまたは脱脂乳から、常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー等)に従って工業的に製造することが好ましく、更に、市販の天然物由来のラクトパーオキシダーゼ(例えばバイオポール社製等)、又は組換え型ラクトパーオキシダーゼ〔例えば、シンらの方法[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニュケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、第271巻、2000年、p.831−836]によって発現・精製された組換え型ラクトパーオキシダーゼ、又は市販の組換え型ラクトパーオキシダーゼ〕を使用することも可能である。
本発明に使用するラクトパーオキシダーゼは、ほ乳類の乳に由来するものを好適に使用可能である。ヒトのためのインターロイキン−10産生促進剤、食品添加剤、飲食品に使用する場合には、その乳が伝統的に飲食用に用いられている牛、羊、山羊などの乳に由来するラクトパーオキシダーゼが好ましく、特に牛乳由来のものが好ましい。これらは歴史的な年月の間、ヒトの飲食に使用されていたために、ヒトに対する安全性が極めて高い水準で担保されているからである。
また、牛乳由来の未加熱のホエーは、乳製品製造の副産物として安定して大量に得ることができるために、本発明に使用するラクトパーオキシダーゼの原料として、特に好適である。
本発明に係るインターロイキン−10産生促進剤、食品添加剤、機能性飲食品、又は飼料における有効成分であるラクトパーオキシダーゼは、乳由来の天然物であって、摂取した場合の安全性が高く、牛乳等の食品中に含有され、日常的に摂取されているもので、毒性を示さず、長期間連続的に摂取しても副作用が殆ど認められない。従って、経口等の投与方法により適宜使用することが可能である。
本発明のインターロイキン−10産生促進剤は、ラクトパーオキシダーゼそれ自体であってもよいし、ラクトパーオキシダーゼ以外の成分を含有していてもよい。ラクトパーオキシダーゼ以外の成分は、摂取の形態に応じて適宜選択できる。例えば、経口等の投与方法により適宜使用することが可能であり、公知の方法により、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、顆粒剤、散剤等に加工することも可能である。また、ラクトパーオキシダーゼ粉末やラクトパーオキシダーゼ水溶液(シロップ等)等を本発明のインターロイキン−10産生促進剤として配合してもよい。
本発明に係るインターロイキン−10産生促進剤の有効成分であるラクトパーオキシダーゼの投与量は、目的とする作用効果、投与方法、治療期間、年齢、体重、及び剤型等によって異なるが、インターロイキン−10産生促進を効果的に発揮させるためには、少なくとも0.1mg/kg体重/日の割合で経口投与、特に1〜200mg/kg体重/日の割合で投与することが好ましい。また、投与期間としては、4日間以上が好ましい。
本発明に係るインターロイキン−10産生促進剤は、例えば、ラクトパーオキシダーゼを薬学的に許容され得る賦形剤等の任意の添加剤を用いて製剤化することにより製造できる。製剤化する場合、製剤中のラクトパーオキシダーゼの含有量は、通常0.005〜20質量%、好ましくは0.05〜12.5質量%である。製剤化にあたっては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、注射剤用溶剤等の添加剤を使用できる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられ、結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マグロゴール等が挙げられ、崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられ、滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸類塩;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられ、安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられ、矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられ、注射剤用溶剤としては、例えば、水、エタノール、グリセリン等が挙げられる。
本発明に係るインターロイキン−10産生促進剤の投与経路としては、例えば、経口投与、経腸投与等の非経口投与が挙げられ、本発明に係るインターロイキン−10産生促進剤の投与剤型としては、例えば、噴霧剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟膏、テープ剤等が挙げられる。また、本発明に係るインターロイキン−10産生促進剤は、飲食品や飼料等に配合して投与することもできる。
本発明のインターロイキン−10産生促進用食品添加剤は、例えば、ラクトパーオキシダーゼを、薬学的に許容され得る賦形剤その他任意の添加剤を用いて製剤化することにより製造できる。製剤化する場合、製剤中のラクトパーオキシダーゼの含有量は、通常0.005〜20質量%、好ましくは0.05〜12.5質量%である。製剤化にあたっては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、注射剤用溶剤等の添加剤を使用できる。これらの添加剤としては、インターロイキン−10産生促進剤の添加剤として上述した添加剤を使用することができる。
また、本発明のインターロイキン−10産生促進剤用食品添加剤は、飲食品に配合して投与することができる。有効成分であるラクトパーオキシダーゼの投与量及び投与回数は、目的とする作用効果、投与方法、治療期間、年齢、体重等により異なるが、投与量は、成人1日当たり通常5mg〜10gの範囲から適宜選択でき、投与回数は、1日1回から数回の範囲から適宜選択できる。また、投与期間としては、4日間以上が好ましい。
本発明のインターロイキン−10産生促進用添加剤を添加した飲食品及び本発明の機能性飲食品の形態としては、例えば、ラクトパーオキシダーゼ粉末やラクトパーオキシダーゼ水溶液(シロップ等)等を本発明のインターロイキン−10産生促進剤として配合した清涼飲料、乳飲料等又はこれらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末;加工乳、発酵乳等の乳製品;経腸栄養食;機能性食品等が挙げられ、さらに、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物、パン;経腸栄養食等を挙げることができる。このような飲食品は、例えば、ラクトパーオキシダーゼ(ラクトパーオキシダーゼ粉末やラクトパーオキシダーゼ水溶液(シロップ等)等の形態を含む)に、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等を配合することにより、製造することができる。
また、飲食品の好適な形状としては、タブレット状のサプリメントを例示することができる。これによって、有効成分の摂取量及び有効成分と同時に摂取されるカロリーを正確に把握することができる。
本発明に係るインターロイキン−10産生促進用の飼料は、有効成分であるラクトパーオキシダーゼを含有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ラクトパーオキシダーゼに、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、マイロ等の穀類;大豆油粕、ナタネ油粕、ヤシ油粕、アマニ油粕等の植物性油粕類;フスマ、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の製造粕類;魚粉、脱脂粉乳、ホエー、イエローグリース、タロー等の動物性飼料類;トラル酵母、ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;単体アミノ酸;糖類等を配合することにより製造できる。飼料の形態としては、例えば、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
本発明のインターロイキン−10産生促進剤、食品添加剤、機能性飲食品、又は飼料は、それのみで使用してもよいが、その他のインターロイキン−10産生促進剤、食品添加剤、機能性飲食品、又は飼料と併用してもよい。併用によって、エンドトキシンショック等の予防及び/又は治療の効果を高めることができる。本発明のインターロイキン−10産生促進剤、食品添加剤、機能性飲食品、又は飼料は、併用するインターロイキン−10産生促進剤、食品添加剤、機能性飲食品、又は飼料中に有効成分として含有させてもよいし、本発明のインターロイキン−10産生促進剤、食品添加剤、機能性飲食品、又は飼料中には含有させずに別個の製剤、食品添加剤、機能性飲食品、又は飼料等として組み合わせて商品化してもよい。
本発明に係る飲食品(本発明に係る食品添加剤を添加した飲食品、及び/又は本発明に係る機能性食品)は、インターロイキン−10産生を促進するためとの用途が表示された飲食品、例えば「インターロイキン−10産生促進用と表示された、インターロイキン−10産生促進効果を有する飲食品」、「インターロイキン−10産生促進用と表示された、ラクトパーオキシダーゼを含有する飲食品」、あるいは「インターロイキン−10産生促進用と表示された、ラクトパーオキシダーゼを含有する飲食品」等として販売することが好ましい。
なお、以上のような表示を行うために使用する文言は、「インターロイキン−10産生促進用」という文言のみに限られるわけではなく、それ以外の文言であっても、インターロイキン−10産生促進効果を表す文言であれば、本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。そのような文言としては、例えば、需要者に対して、インターロイキン−10産生促進効果を認識させるような種々の用途に基づく表示も可能である。
前記「表示」の行為(表示行為)には、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、上記用途を想起・類推させうるような表示であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、すべて本発明の「表示」の行為に該当する。しかしながら、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により表示することが好ましい。具体的には、本発明の飲食品に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為を表示行為として挙げることができ、さらに商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為、等を例示できる。
一方、表示される内容(表示内容)としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましく、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。
また、例えば、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示を例示することができる。特に、厚生労働省によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を例示することができ、詳細にいえば、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示が、典型的な例として列挙することが可能である。
[実施例]
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
乳糖(メグレ社製)600g、トウモロコシデンプン(日清製粉社製)600g、結晶セルロース(和光純薬工業社製)400g及びラクトパーオキシダーゼ(バイオポール社製)400gを50メッシュのふるい(ヤマト科学社製)により篩い分けし、厚さ0.5mmのポリエチレン製の袋にとり、転倒混合し、全自動カプセル充填機(セセレ・ペディーニ社製。プレス式)を用い、前記粉末をカプセル(日本エランコ社製。1号ゼラチンカプセル、Op. Yellow No.6 Body、空重量75mg)に内容量275mgで充填し、インターロイキン−10産生促進効果を有するカプセル剤7000個を得た。
ラクトパーオキシダーゼ(バイオポール社製)150g、ラクチュロース粉末(森永乳業社製)100g、マルツデキストリン(松谷化学工業社製)635g、脱脂粉乳(森永乳業社製)85g、ステビア甘味料(三栄源エフ・エフ・アイ社製)1g、ヨーグルト・フレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ社製)5g、グリセリン脂肪酸エステル製剤(理研ビタミン社製)24gの各粉末を添加して均一に混合し、打錠機(畑鉄鋼所社製)を使用して、錠剤1錠当り0.5gとし、12錠/分の打錠速度、9.8kPaの圧力で前記混合粉末を連続的に打錠し、インターロイキン−10産生促進効果を有するタブレット1800錠(約900g)を製造した。
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
[試験例1]
本試験は、免疫担当細胞の一つであるヒト単球系細胞によるインターロイキン−10産生に対するラクトパーオキシダーゼの効果を調べるために行った。
(1)試料
前記特許文献3に記載の方法で精製したウシラクトパーオキシダーゼを試験物質とした。この試験物質を、10%ウシ胎児血清(インビトロジェン社製)を添加したRPMI1640培地(インビトロジェン社製)に0.625mg/mlの濃度に溶解後、フィルター除菌した。さらに、試験物質を0.0625及び0.00625mg/mlの濃度となるように、上記培地で10及び100倍に希釈した。
(2)試験方法
a)THP−1細胞の調製
ヒト単球系細胞THP−1細胞(大日本製薬社から購入)を上記10%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地で培養し、3.0×10細胞/mlになるように調製した。
b)試料の添加
6穴の細胞培養用プレート(BD社製)の各ウェルに上記の細胞密度に調製したTHP−1細胞を1mlずつ添加した。次に、試験物質終濃度0.5、0.05、0.005、又は0mg/mlとなるように、試験物質をそれぞれ0.625、0.0625、0.00625、又は0mg/ml濃度で溶解した培地を4mlづつ添加し、各ウェルの培養液の全量を5mlとした。その後、5%COインキュベーター内で37℃、3時間培養した。
c)インターロイキン−10遺伝子発現量解析
上記の培養細胞から常法によりトータルRNAを抽出し、リアルタイムRT−PCRによりインターロイキン−10遺伝子の発現量を測定した。同様の方法によって、細胞や組織中での発現量が一定しているハウスキーピング遺伝子であるβ−アクチン遺伝子の発現量も測定した。インターロイキン−10遺伝子発現量は、β−アクチン遺伝子発現量で割った値(インターロイキン−10/β−アクチン)として求めた。実験は3回ずつ行い、それらの平均値を算出した。試験物質無添加の0mg/mlでのインターロイキン−10/β−アクチンの平均を1とし、試験物質添加時の平均値と比較した。
d)統計解析
統計解析にはt検定を行い、危険率5%未満(p<0.05)で有意差ありと判定した。
(3)試験結果
本試験の結果を表1に示す。試験物質は、用量依存的にインターロイキン−10遺伝子発現量を上昇させ、0.5mg/ml以上の濃度においては特に効果的であった。この結果から、ラクトパーオキシダーゼは効果的に単球系細胞のインターロイキン−10遺伝子発現を亢進することが明らかになった。
Figure 0005022060
[試験例2]
本試験は、ラクトパーオキシダーゼによる生体内におけるインターロイキン−10産生促進効果を調べるために行った。経口投与したラクトパーオキシダーゼの影響を最初に受けると考えられる消化管における効果を調べた。
(1)試料の調製
試験例1の方法と同様で精製したラクトパーオキシダーゼを12.5質量%の濃度になるように精製水に溶解し、試験試料を調製した。この場合の対照物質として、妥当と考えられる他のタンパク質であるウシ血清アルブミン(シグマ社)を12.5質量%の濃度になるように精製水に溶解して対照試料を調製した。
(2)動物
7週齢のCBA/J雌性マウス(日本チャールス・リバー社より購入)を使用した。
(3)試験方法
a)試料の投与
合計12匹の上記マウスを、糞食防止ネットを設置したケージに入れ、ラボMRストック(日本農産工業社製)と飲水で一週間馴化飼育した。次に、前記マウスを6匹ずつ2群に分けた。対照群には対照試料0.5mlをゾンデで1日1回、4日間連日経口投与し、試験群には試験試料0.5mlをゾンデで1日1回、4日間連日経口投与した。
b)インターロイキン−10遺伝子発現量解析
4日間の投与が終了した2群のマウスは、その翌日に麻酔下で解剖し、大腸を摘出した。大腸中部からトータルRNAを抽出し、試験例1と類似の方法でインターロイキン−10遺伝子発現量の解析を行った。
c)統計解析
統計解析にはt検定を行い、危険率5%未満(p<0.05)で有意差ありと判定した。
(4)試験結果
本試験の結果を表2に示す。試験群では、対照群と比べてインターロイキン−10遺伝子発現量が有意に高かった。この結果から、ラクトパーオキシダーゼは生体内においてもインターロイキン−10遺伝子発現を亢進することが明らかになった。
Figure 0005022060
以上の試験結果から、本発明に係る有効成分であるラクトパーオキシダーゼは、試験管内(in vitro)においてインターロイキン−10産生促進の作用を有すること、さらに生体内(in vivo)においてもインターロイキン−10産生促進の作用を有することがわかった。

Claims (1)

  1. ラクトパーオキシダーゼを有効成分として含有するエンドトキシンショックの予防及び/又は治療のためのインターロイキン−10産生促進剤。
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