燃料電池'
. 技術分野
.本発明は、 '燃料電池に関し、 特に、 燃料電池の積層構造に関する。 背景技術
7 '素を含有した燃料ガスと酸素明を含有した酸化ガスとを反応させて得られる 化学^ネルギーを電気エネルギーに変換する燃料電池が知られている。 一般に
、 燃料電池は、 上述した化学反応をおこす発電セルを何枚も重ねて形成される 書
。 各発電セルは、 例えば、 膜電極接合体を二枚のセパレータで挟んだ構造にな つている。
積層された複数の発電セルの各々は、.反応ガス (燃料ガスや酸素ガス) を必 要.とする。 このため、 複数の発電セルが積層された燃料電池には、 反応ガスを 供給するガス流路が形成され、 このガス流路を介して各発電セルに反応ガスが 供給され、 また、 各 ¾電セルから反応ガスが排出される。 そして、 従来から、 反応ガスの供給排出を考慮した燃料電池の積層構造に関する様々な技術が提案 されている。 ' .
'例えば、 特許文献 1 (特開 2 0 0 3 _ 3 3 8 3 0 5号公報) には、 複数の発 電セルの積層方向端部に、 不純物除去機能を備えた'ダミーセルを配置するスタ ック構造が開示されている。 この構造において、 ダミーセルは、 反応ガスから 不純物を除去するフィルタとして機能している。 つまり、 ダミーセルによって 反応ガスに含まれる不純物を除去してから、 複数の発電セルへ反応ガスを供給 している。 これにより、 反応ガスに含まれる不純物 (加湿ガスの凝縮水やガス 供給配管の金属イオンなど) が発電セルに流れ込むことを抑制し、 発電セルの 出力低下などを抑制している。
また、 発電セルは、 温度が低下すると結露水などの発生に伴って出力を ί氐下 させてしまう可能性がある。 このため、 発電セルの温度低下を考慮した積層構
造に関する技術も提案され τいる。'
えば、 特許文献 2 (特開 2 0 0 2— 1 8 4 4 4 9号公報) には、. ターミナ ルプレートに断熱層として機能する空気室を設けて発電セルの温度低下を防止 する技術が提案されている。 また.、 特許文献 3 (特開 ,2. 0り .5— 1 9 2 2 3号 公報).には、 ダーミナルプレー卜と発電セルとの間に、 複数の空間部を備えた ダミ^ "セルを挿入させ、 そのダミーセルを断熱層として利用する旨の技術が開 示されている。 また、 特許文献 4 (特開 2 0 0 4— 1 ' 5 2 5 0. 2号公報) には 、 ターミナルプレートと発電セルとの間に、 断熱層として機能する空気層を構 成する技術が開示されている。 . , . ' . ·
こ ように、 従来から、 反応ガスに含まれる不純物を.除去する機能や発電セ ルの温度低下を,防ぐ機能などに関する様々な技術が提案されている。 発明の開示
上述のように、 燃料電池には、 発電 ルの積層体の他に、 不純物を除去する 機能や断熱機能を目的とした構成、 また、 ターミナルプレートのように集電を 目的とした構成などが含まれている。 しかしながら、 いずれの場合も 1つのセ ルで 1つの機能しか備えていないため、 これらすベての機能を満たすためにほ 、 複数の非発電セルを積層する必要があった。 そのため、 集電、 断熱、 不純物 除去などの発電を支援する複数の構成が存在することにより、 .例えば、 燃料電 池全体の部品点数が増大することや、 燃料電池が積層方向に長くなることな'ど が懸念される。 ' .
こうした状況のもと、 本願の発明者らは、 発電を支援するための—複数の機能 を併せ持つ燃料電池の積層構造について研究開発を続けてきた。
本発明は、 このような背景において成されたものであり、 その目的は、 燃料 電池の積層構造に関する改良技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、 本発明の好適な態様である燃料電池は、 腠電極 接合体と、 前記膜電極接合体を挟む、 酸化ガス流路および燃料ガス流路を有す るセパレータと、 を備えた発電に寄与する発電セルと、 膜電極接合体を有さず 、 発電に寄与しない非発電セルと、 前記発電セルと非発電セルを積層したスタ
ックと、 を備えた燃料電池であって、 前記非発電'セルは、 互いに異なる機能を. 備えた複数の層を有する、 ことを特徴とする。
上記構成において、 互いに異なる機能を備えた複数の層とは、 例えば、 反応 ガスに含まれる不純物を除去する不純物除去層、 発電セルの温度低下を防止す る断熱層、 発電セルで発生レた電気を収集する集電層などである。
望ましい態様において、 前記非発電セルは、 複数の発電セルの積層方向の端 部に積層され、 前記非発電セルを構成する複数の層のうち、 前記断 層が最も 発電セル側に配置される、 ことを特徴とする。 この構成によれば、 断熱層が発 電セルの近くに配置されるため、 発電セルからの放熱を少なくする.ことができ る。 : .
望ましい態様において、.前記非発電セルは、 不純物除去層と断熱層とに加え て集電層を含み、 発電セル側に向かって集電層、 不純物除去層.、 断熱層の.順に 積層されることを特徴とする。 さらに望ましい態様において、 前記不純物除去 層は、 集電層に形成された不純物除去流路で構成ざれることを特徴とする。 こ の構成によれば、 集電層と不純物除去層とを一つのセルでコンパク 卜に構成す ることができる。 また、 部品点数を.削減することができる。
望ましい態様において、 前記非発電セルは、 不純物除去層と 熱層とに加え て集電層を含み、 前記集電層は、 導電板によって構成.され、 前記不純物除去層 は、 不純物除去流路を備えたフィルタ部材で構成され、 前記断熱層は、 断熱部 材で構成され、 前記導電板、 前記断熱部材、 前記フィルタ部材の順に積層され ることを特徴とする この構成によれば、 導電板の加工が不用であるとともに 、 シール性の必要なフィルタ部材が導電板と接しないため、 シール剤の選択肢 の狭い導電板とのシールを考慮しなくてよい。
望ましい態様において、 前記燃料電池は、 表面に溝を備えたフィルタ板と、 前記断熱層として機能する断熱セパレータとを有し、 フィルタ板の表面に断熱 セパレータが積層されることによりフィルタ板の溝と断熱セパレータとによつ て囲まれる不純物除去流路が形成され、 形成された不純物除去流路が前記不純 物除去層として機能することを特徴とする。 この構成によれば、 不純物除去層 と断熱層とをコンパク 卜に構成することができる。
望ましい態様において'、 前記不純物除去層'は、 ガス供給 二ホールドかちガ ス排出マユホールドへ発電性能低下物質をバイパスさせる層であることを特徴 とする。 ここで、 発電性能低下物質とは、 例えば、 .不純物、 不純物を含有した 液、 凝縮水などである。 , . . .
. 本発明により、 燃料電池の積層構造に関する改良技術が提供される。 これに より、 例えば、 断熱層が発電セルの近くに配置されて発電セルからの放熱を少 なくすることができる。 また、 例えば、 不純物除去層と断熱層を一^?のセルで コンパク トに構成することができる。 : 図^の簡単な説明
図 1は、 本発明に係る燃料電池のセル積層構造を示す部分断面図である。 図 2は、 端部積層体の好適な実施形態 2を説明するための図である.。
図 3は、 端部積層体の好適な実施形態 3を説明するための図である.。
図 4は、 端部積層体の好適な実施形 4を説明するための図である。 . 発明を実施するための最良の形態.
以下、 本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図 1には、 本発明の好適な実施形態が示されており、 図' 1は、 本発明に係る 燃料電池のセル積層構造を示す部分断面図である。 本実施形態の燃料電池は、 複数の発電セル 2 0 0と端部積層体 1 0 0を備えている。
発電セル 2 0 ひは、' 積層方向に厚みを挎つた板状'のセルであり、 水素を含有 した燃料ガスと酸素を含有した酸化ガスとを利用して発電する。 発電セル 2 0 0は、 膜電極アセンブリ (M E A ) 2 4 0を二枚のセパレータ 2 2 0 , 2 3 0 で挟持した構造である。 M E A 2 4 0とセパレータ 2 2 0との間には、 ガス供 給路 2 2 2が形成され、 また、 M E A 2 4 0とセパレータ 2 3 0との間には、 ガス供給路 2 3 2が形成される。 なお、 二枚のセパレ一タ 2 2 0 , 2 3 0の間 にはシール剤 2 5 0が挿入されている。
ガス供給路 2 2 2, 2 3 2には、 発電に利用される反応ガスが供給される。 例えば、 ガス供給路 2 2 2に水素を含有した燃料ガスが供給され、 ガス供給路
2 3 2に酸素を含有した酸化ガスが供給される。 そして、 発電セル 2 0. 0は、 供給される反応ガスを利用して発電する。.
また、 発電セル 2 0: 0のセ'パレータ 2 2 0にはガスケッ ト 2 1 0が取り付け られている。 図 1においては、 二枚の発電セル 2 0 0,を引き離した状態で図示 しているが、 セル積層体を構成する際には、 二枚の発電セル 2 0 0が互いに接 触する。 つまり、 一方の発電セル 2 0 0のセパレータ 2 3 0と他方の発電セル 2 0 0のセパレータ 2 2 0が接合される。 そして、 一方の発電セル? 0 0のセ パレータ 2 3 0 と他方の発電セル 2 0 0のセパレータ 2 2 0 との間に冷却水の 流路'が形成され、 ガスケッ ト 2 1 0がシール部材として機能する。 .
こ ように、 本実施形態の燃料電池では、 複数の発電セル 2 0 0が積層され ている。 図 1に示す二枚の発電セル 2 0 0は、 複数の発電セル 2 0 0の積層方 向の端部のセルに相当する。 本実施形態においては、 複数の発電セル 2 0 0の 積層方向の端部に、 端部積層体 1 0 0がさらに積層される。 図 1においては、 端部積層体 1 .0 0とそれに隣接する端部の発電セル 2 0 0を引き離した状態で 図示している。 セル積層体を構成する際には、 端部積層体 1 0 0と端部の発電 セル 2 .0 0が互いに接触する。 つまり、 端部の発電セル 2 0 0のセパレータ 2 2りと端部積層体 1 0 0が接合される。 そして、 端部の発電セル 2. 0 0のセパ レータ 2 2 0と端部積層体 1 0 0との間に冷却水の流路が形成され、 ガスケッ ト 2 1 0がシ一ル部材として機能する。 :
' 次に端部積層体 1 0 0の構造について説明する。 ^部積層体 1 0 0について も、 発電セル 2 0 0 Ϊ同様に、 積層方向 厚みを伴って板状に形成'される。 但 し、 ターミナル 1 0がはみ出した形状となっている。 端部の発電ゼル 2 0 0と の接触部にはセパレ一タ 5 0が設けられている。 そして、 そのセパレータ 5 0 に対向してセパレータ 4 0が設けられ、 セパレータ 5 0とセパレータ 4 0とに よって、 断熱部材 6 0が挟持されている。 断熱部材 6 0は、 発電セル 2 0 0の 温度低下を防止する断熱層として機能する。 なお、 セパレータ 5 0とセパレー タ 4 0との隙間には、 シール剤 4 5が充填されている。
セパレータ 4 0とセパレータ 5 0は、 発電セル 2 0 0で発生した電気をター ミナル 1 0へ導電する役割も担っている。 そのため、 セパレータ 4 0とセパレ
ータ.5 0は、 導電性を備えた部材によって構成される ώ 例えば、 S U S材ゃ力. —ボンによって形成される。 また、 発電セル 2 0 0で発生した電気を効率よく ターミナル' 1 0へ導電するために、 断熱部材 6 0も良好な導電性を備えている ことが望ましい。 このため、 断熱部材 6. 0は、 例えば,、 セラミック多孔質部材 で形成される。 '
さらに、 セパレータ 4 0に対向してセパレータ 2 0が設けられ、 セパレ一タ 4 0と パレータ 2 0とによって、 分離板 3 0が挟持されている。 セパレータ 4 0とセパレータ 2 0は、 各々、 対向する面に溝が开成されてい?)。 そし 、 セパレータ 4 0の表面の搆と分離板 3 0とによって囲まれる,空間に不純物除 ¾ 流路 2が形成され、 また、 セパレ一タ 2 0の表面の溝と分離板 3 0とによつ て囲まれる空間に不純物除去流路 2 2が形成される。 セパレータ 4 0と分離板 3 0との隙間にはシール剤 3 .5が充填され、 また、 セパレータ.2 0と分離.板 3 0との隙間にはシール剤 2 5が充填されている。
不純物除去流路 2 2 , 4 2.は、 反応 'スに含まれる不純物を除去するフィル タとして機能する。 つまり、 セパレータ 4 0、 分離板 3 0、 セパレ一タ 2 0で 構成される部分が、 不純物除去層と:して機能している。
反応ガスは、 不純物除去流路 2 2 , 4 2を通って不純物を除去されてから発 電セル 2 0 0に供給される。 二種類の反応ガス、 つまり水素を含有した燃料ガ スと酸素を含有した酸化ガスは、 各々に対応した流路を通って発電.セル 2 0 0 に供給される。 そのため、 本実施形態では、 分離板 3 0によって二種類の反応 ガスに対応した二種癍の流路が分離ざれる。 · . '
また、 反応ガスに含まれる不純物の多くは、 反応ガスの加湿水の凝縮液中に 溶融または混入して、 ガス供給マ二ホールドを伝って、 複数の発電セル 2 0 0 と端部積層体 1 0 0を積層したスタックへ流入する。 不純物除去流路 2 2, 4 2は、 発電セル 2 0 0より反応ガスの流路の上流側に設置されていることから 、 これら不純物含有液はスタックへ流入すると、 不純物除去流路 2 2 , 4 2を 通って、 ガス排出マニホ一ルドへバイパスされる。 このことにより、 不純物濃 度が低減された反応ガスが発電セル 2 0 0へ供給される。 また、 不純物の含有 されていない単なる凝縮水も、 発電セル 2 0 0へ流れ込むとフラッディングを
生じさせ、 発電性能を低下させる。 したがって、 '余分な凝縮水を不純物除去流 路 2 2, 4 2にてガス供給マ二ホールドからガス排出マ二ホールドへバイパス させることによつても.発電性能を向上させることができる。
なお、 上記例では、 不純物除去流路 2 2, 4 2は、 ,ガス供給マ二ホールドと ガス排出マ二ホールドを連通したバイパス流路としたが、 反応ガスから不純物 を低減する機能を持つものであればバイパス流路に限定されるものではなく、 例えば、 袋小路の流路であってもよい。 ' ,
つまり、 セパレータ 2 ひど分離板 3 0との接触面側の不純物除去流路 2 2が 、 例えば燃料ガスの流路に接続されており、 そして、 料ガスに含まれる不純 物が不純物除去流路 2 2で除去されてから発電セル 2 0 0へ供給される。 また 、 セパレータ 4 0と分離板 3 0との接触面側の不純物除去流路 4 2が、 例えば 酸化ガスの流路に接続されており、 そして、 酸化ガスに含まれ.る不純物が不純 物除去流路 4 2で除去されてから発電セル 2 0 0へ供給される。
なお、 .セパレータ 2 0と分離板 3 0とセパレータ 4 0は、 各々、 反応ガスに 埃触するため、 反応ガスに対する耐食性を確保する必要がある。 また、 発電セ ル 2 0 0で発生した電気を効率よくターミナル 1 0へ導電するために導電性を 備えている。 このため、 セパレータ 2 0と分離板 3 0とセパレ タ. 4 0は、 各 々、 例えば S U S材ゃカーボンによって形成される。
ターミナル 1 0は、 発電セル 2 0 0で発生した電気を集電する集電層として 機能する。 つまり、 発電セル 2 0 0で発生した電気が、 端部積層体 1 0 0内の 各部を導電してターミナル 1 0に集められる。 タ一'ミナル 1 0は、 セルの積層 方向 (面直方向). の電気的抵抗と水平方向の電気的抵抗が共に低い導電板であ ることが望ましい。 このため、 ターミナル 1 0は、 例えば銅などによって形成 される。
このように、 図 1の端部積層体 1 0 0は、 発電セル 2 0 0の温度低下を防止 する断熱層、 反応ガスに含まれる不純物を除去する不純物除去層、 発電セル 2 0 0で発生した電気を収集する集電層として機能する。 そして、 そのうちの断 熱層として機能する断熱部材 6 0が発電セル 2 0 0の最も近くに配置されるた め、 端部積層体 1 0 0内の他の部材に熱が奪われることを極力阻止して、 発電
セル.2 0 0力 らの放熱を'少なくすることができる。
また、 断熱層として機能する断熱部材 6 0と、 不純物除去層として機能する 不純物除 ¾流¾ 2 2,' . 4 2力 S、 セノ レータ 2 0, 4 0 , 5 0によつで、 一つの セルとして形成されるため、 断熱層と不純物除去層と,を別々のセルで構成する 場合に比べて、 コンパク 卜に構成することができる。
.図 2は、 本発明に係る燃料電池の端部積層体の好適な実施形態 2を説明する ための図である。 図 2に示す端部積層体 1 0 2は、 図 1に示す端部積層体 1 ひ 0に'換えて利用される。 つまり、 端部積層体 1 0 2は、 複数の発 ¾セル (図 1 の符号 2ひ 0 ) の積層方向の端部に積層される。 , ' .
図 2に示す端部積層体 1 0 2と図 1に示す端部積層体 1 0 0との相違は、 図 1の パレータ 2 0とターミナル 1 0に換えて図 2ではターミナル 1 0 aを利 用している点である。
図 2に示す端部積層体 1 0 2は、.例えば S U S材ゃカーボンによって形成さ れるセパレータ 5 0とセパレータ 4 0とによって、 例えばセラミック多孔質部 材で形成される断熱部材 6 0を挟持した構造である。 セパレータ 5 0とセパレ ータ 4 0との隙間には、 シール剤 4 5が充填されている。
そして、 セパレータ 4 0とターミナル 1 0 a とによって、 分離板 3. 0が挟持 されている。 セパレータ 4 0とターミナル 1 0 aは、 各々'、 対向する面に溝が 形成されている。 セパレータ 4 0の表面の溝と分離板 3 0とによって囲まれる ¾間に不純物除去流路 4 2が形成され、 また、 ターミナル 1 0 aの表面の溝と 分離板 3 0とによつそ囲まれる空間に不純物除去流 2 2が形成される。 セパ レータ 4 0と分離板 3 0との隙間にほシール剤 3 5が充填され、 また、 ターミ ナル 1 0 aと分離板 3 0との隙間にはシール剤 2 5が充填されている。
図 2の端部積層体 1 0 2においても、 不純物除去流路 2 2が、 例えば燃料ガ スの流路に接続されており、 そして、 燃料ガスに含まれる不純物が不純物除去 流路 2 2で除去されてから発電セルへ供給される。 また、 不純物除去流路 4 2 が、 例えば酸化ガスの流路に接続されており、 そして、 酸化ガスに含まれる不 純物が不純物除去流路 4 2で除去されてから発電セルへ供給される。
図 2の端部積層体 1 0 2では、 ターミナル 1 0 aに不純物除去流路 2 2とな
る溝が形成され ターミナノレ 1 0 aの一部が不純物除去層として機能している 。 さらに、 ターミナル 1 0 aは、 発電セルで発生した電気を集電する集電層と して機能する。 すなわち、 発電セルで発生した電気が、 端部積層体 1 0 2内の 各部.を導電してターミナル 1 0 aに集められる。 ,
このように、 ターミナル 1 0 aは集電層とじて機能する。 そのため、 導電性 の面を考慮すると図 1のターミナル 1 0の場合と同様に、 ターミナル 1 0 aは 、 例えば銅などで形成されることが望ましい。 但し、'ターミナル 1 0 aは不純 物除去層としても機能しており、 不純物除去流路 2 2に流れる反応ガスと接触 する'。 そのため、 ターミナル 1 0 aを銅で形成する場合には、 例えば不純物除 去流路 2 2の部分に耐食処理などを施しておくことが望ましい。 なお、 耐食性 の面を考慮すると、 タ^ミナル 1 0 aは、 例えば S U S材ゃ力一ボンによって 形成されてもよい。
図 2の端部積層体 1 0 2は、 発電セルの温度低下を防止する断熱層、 反応ガ スに含まれる不純物を餘去する不純物除去層、 発電セルで発生した電気を収集 する集電層として機能する。 そして、 そのうちの断熱層として機能する断熱部 材 6 0が発電セル 最も近くに配置.されるため、 端部積層体 1 0 2内の他の部 材に熱が奪われることを極力阻止して、 発電セルからの放熱を少なくすること ができる。 - さらに、 図 2の端部積層体 1 0 2では、 ターミナル 1 0 aが集電層としての 機能に加えて不純物除去層としても機能しており、 図 1の端部積層体 1 0 0の ようにセパレータ 2 0とターミナル 1 ひの二つの部'材を利用して集電層と不純 物除去層の機能を構成する場合に比べて、 部品点数を削減することができ、 ま た、 さらにユンパク 卜な構成を実現することができる。
図 3は、 本発明に係る燃料電池の端部積層体の好適な実施形態 3を説明する ための図である。 図 3に示す端部積層体 1 0 4は、 図 1に示す端部積層体 1 0 0に換えて利用される。 つまり、 端部積層体 1 0 4は、 複数の発電セル (図 1 の符号 2 0 0 ) の積層方向の端部に積層される。 そして、 図 3に示す端部積層 体 1 0 4は、 導電板として機能するターミナル 1 0、 断熱部材 6 0、 フィルタ 部材として機能するセパレータ 2 0 a, 4 0 aの順に積層されている。
発電セルとの接触部にはセパレータ 4 0 aが設けられている。 そして、 'セパ レータ 4 0 aに対向してセパレータ 2 0 aが設けられ、 セパレータ 4 0 a とセ パレータ 2 0 a とによって、' '分離板 3 0が挟持されている。 セパレータ 4 0 a どセパレータ 2 0 aは、 各々、 対向する面に溝が形成ざれて.いる。.
そして、 セパレータ 4 0 aの表面の溝と分離板 3 0とによって囲まれる空間 に不純物除去流路 4 2が形成され、 また、 セパレータ 2 0 aの表面の溝と分離 板 3 0とによって囲まれる空間に不純物除去流路 2 2·が形成される。, セパレー タ 4 0 a と分離板 3 0との隙間に.はシール剤 3 5が充填され、 また、 セパレー タ 2 0 aと分離板 3 0との隙間にはシール剤 2 5が充填されている。 セパレー タ 2 0 aとセパ.レータ 4 0 aは、 例えば、 S U S材ゃ力一ボンによって形成さ れる。 :
' 図 3の端部積層体 1 0 4においても、 不純物除去流路 2 2が、 例えば燃料ガ スの流路に接続されており、 そして、 燃料ガスに含まれる不純物が不純物除去 流路 2 2.で除去されてから発電セルへ供給ざれる。 また、 不純物除去流路 4 2 が、 例えば酸化ガスの流路に接続されており、 そして、 酸化ガスに含まれる不 糸 ifi物が不純物除去流路 4 2で除去されてから発電セルへ供給される。
さらに、 図 3の端部積層体 1 0 4では、 セパレータ 2 0 aとターミナル 1 0 との間に断熱部材 6 0が設けられており、 セパレータ 2 0 a とターミナル 1 0 によって断熱部材 6 0を挟持した構造となっている。 断熱部材 6 0ば、 例えば セラミック多孔寳部材で形成され、 ターミナル 1 0は、 例えば銅で形成される 図 3の端部積層体 1 0 4では、 集電層として機能するターミナル 1 0に、 不 純物除去層として機能する流路や、 冷却水の流路を設ける必要がない。 また、 ターミナル 1 0は、 反応ガスや冷却水との接触がないため高い耐食性は必要な く、 銅などで構成されても耐食処理などを省略することが可能になる。 さらに 、 セパレータ 2 0 a とタ一ミナル 1 0との隙間に充填されるシール剤 1 5を省 略してもよい。
図 4は、 本発明に係る燃料電池の端部積層体の好適な実施形態 4を説明する ための図である。 図 4 ( A ) に示す端部積層体 1 0 6、 図 4 ( B ) に示す端部
積層体 1 0 8は、 各々、 囪 1に示す端部積層体 1 0 0に換えて利用される。 つ まり、 端部積層体 1 0 6, 1 0 8は、 複数の発電セル (図 1の符号 2 0 0 ) の 積層方向の'端部に積層される。 ' .
図 4 ( A ) の端部積層体 1 0 6は、 発電セルとの接触部に、 フィルタ板とし て機能するセパレータ 4 0 bが設けられている。 セパレータ 4 O bは、 例えば S U S材ゃカーボンによって形成される。 そして、 セパレータ 4 O bに対向し てター.ミナル 1 0 bが設けられ、 セパレータ 4 0 bとターミナル 1 0 bとによ つて、 断熱セパレータ 6 2が挟持されている。 セパレータ 4 0 bとターミナル 1 O bは、'各々、 対向する面に溝が形成ざれている。 , . , · ■ そレて、 セパレータ 4 0 bの表面の溝と断熱セパレータ.6 2とによって囲ま れる空間に不純物除去流路 4 2が形成され、 また、 ターミナル 1 0 bの表面の 溝と断熱セパレータ 6 2とによって囲まれる空間に不純物除去流路 2 2が.形成 される。 セパレータ 4 り bと断熱セパレータ 6 2との隙間にはシール剤 6 5が 充填され、 また、 ターミナル 1 0 bと断熱セパレ一タ 6 2との隙間にはシール 剤 1 5が充填されている。
図 4 ( A ) の端部積層体 1 0 6においても、 不純物賒去流路 2 2が、:例えば 燃料ガスの流路に接続されており、 そして、 燃料ガスに含まれる不純物が不純 物除去流路 2 2で除去されてから発電セルへ供給される。 また、 不純物除去流 路 4 2が、 例えば酸化ガスの流路に接続されており、 そして、 酸化ガスに含ま れる不純物が不純物除去流路 4 2で除去されてから発霉セルへ供給される。 図 4 ( A ) の端部積層体 1 0 6では、 断熱セパレ '· ^タ 6 2が断熱層としての 機能と不純物除去流路 2 2 , 4 2を分離する機能とを備えている。 'このため、 断熱セパレ一タ 6 2は、 断熱機能に加えて、 反応ガスに対する耐食性を備えて いる必要がある。 また、 発電セルで発生した電気をターミナル 1 0 bへ集電す るために、 断熱セパレータ 6 2は、 導電性を備えている必要がある。 そこで、 断熱セパレータ 6 2は、 例えば、 カーボンなどをバインダにした独立気泡を有 する P T F E材料などによって形成される。
また、 ターミナル 1 0 bは集電層として機能するため、 導電性の面を考慮す ると、 例えば銅などで形成されることが望ましい。 但し、 ターミナル 1 0 bは
不純物除去層としても機能しており、 不純物除去流路.2 2に流れる反応ガスと 接触する。 そのため、 ターミナル 1 0 b'を銅で形成する場合には、 例えば不純 物除去流^' 2 2の部分に耐食処理などを施しておくことが望ましい。 なお、 耐 食性の面を考慮すると、 ターミナル 1 0 bは、 例えば, S.U S材ゃカーボンによ つて形成されてもよい。 ' .
図 4' (A) の端部積層体 1 0.6では、 タ^-ミナル 1 0 bが集電層としての機 能に加えて不純物除去層としても機能しており、'さらに、 断熱セパ ータ 6 2 が断熱層としての機能と不純物除去流路 2 2, 4 2を分離する機熊とを備えて いる。 このように各部材が複数の機能を備えているため、 例えば、 図 1から図 3に^した端部積層体に比べて、 図 4.(A) の端部積層体 1 06では、 さらに コンパク トな構成を実現することができる。
図 4 (B) の端部積層体 1 08は、 図 4 (A) の端部積灣体.1 06'を変形さ せた構造である。 図 4 (B) の端部積層体 1 08と図 4 (A) の端部積層体 1 06との相違は、 図 4 (A) のターミナル 1 0 bに換えて、 図 4 (B) ではタ 一ミナル 1 0とセパレータ 20 bを利用している点である。 .
図 4 ' (B).の端部積層体 1 08に.おいて、 セパレータ 40 bは、 例えば SU S材ゃカーボンによって形成される。 そして、 セパレータ 40 bに対向してセ パレータ 20 bが設けられ、 セパレータ 40 bとセパレータ 20 bとによって 、 断熱セパレ一タ 6 2が挟持されている。 セノ、 °レータ 40 bとセパレータ 20 bは、 各々、 対尚する面に溝が形成されている。
そして、 セパレ一タ 40 bの表面の溝と断熱セパレ一タ 6 2とによって囲ま れる空間に不純物除去流路 4 2が形成され、 また、 セパレータ 2 O bの表面の 溝と断熱セパレータ 6 2とによって.囲まれる空間に不純物除去流路 2 2が形成 される。 セパレータ 40 bと断熱セパレータ 6 2との隙間にはシール剤 6 5が 充填され、 また、 セパレ一タ 20 bと断熱セパレータ 6 2との隙間にはシール 剤 1 5が充填されている。 さらに、 集電層として機能するターミナル 1 0が、 セパレータ 20 bに積層されている。
図 4 (B) の端部積層体 1 08では、 集電層として機能するターミナル 1 0 と、 不純物除去層として機能するセパレータ 20 bとを、 別々の部材で形成す
ることができる。 このため、 ターミナル 1 0については導電性を重視して、 例 えば銅を利用することができる。 また、 セパレータ 2 0 bについては耐食性を 重視して、 例えば S U. S材ゃ'力一ボンを利用することができる。
ちなみに、 図 4 ( A) ( B ) の断熱セパレータ 6 2に反応ガスの流路を設けて - .、 不純物除去流路 2 2または不純物除去流路 4 2のいずれか一方の機能を断熱 セパレータ 6 2で実現してもよい。
以上、 本発明の好適な実施形態を説明したが、 上述した実施形態は、 あらゆ る点で単なる例示にすぎず、 本発朋の範囲を限定するものではない。 ■ 例えば、''図 1から図 4を利用して説明した実施形態では、 '分離板 3 0や断熱 セパレータ 6 2によって二種類の反応ガスに対応した二層構造の不純物除去流 路 2 2 , 4 2が:形成されている。 これに換えて、 前述の特許文献 1 (特開 2 0 0 3— 3 3 8 3 0 5号公報) に示されるように、 二種類の反応ガスに対応した 流路を同一面内に形成する構成 (特許文献 1第 1図参照) を採用してもよい。 二種類の反応ガスに対応した流路を同一面内に形成する場合、 例えば、 本願 の図 1の実施形態におけるセパレ^-タ 2 0を削除して、 セパレータ 4 0と分離 , , 板 3 0との接触面側に二種類の反応ガスに対応した流路 (不純物除去流路) を 形成すればよい。 また、 例えば、 図 4の実施形態におけるセパレータ 4 0 bを 削除して、 不純物除去流路 2 2の面に二種類の反応ガスに'対応した流路を形成 してもよレヽ。 · · ' .
' また、 図 1から図 4を利用して説明した実施形態では、 断熱層および不純物 .除去流路を集電層より発電セル側に配置したが、 集-電層を、 断熱層および不純 物除去流路より発電セル側に配置する構造を採用してもよい。