WO2007013283A1

WO2007013283A1 - クリップ

Info

Publication number: WO2007013283A1
Application number: PCT/JP2006/313613
Authority: WO
Inventors: Makoto Katoh; Toshio Iwahara; Haruhisa Kamiya; Tetsuya Ogino; Kosei Asano; Minoru Shibata; Katsuhiro Katagiri; Hiroshi Suyama; Yasuhiro Sakakibara
Original assignee: Daiwa Kasei Industry Co., Ltd.; Toyoda Gosei Co., Ltd.
Priority date: 2005-07-29
Filing date: 2006-07-07
Publication date: 2007-02-01
Also published as: CN101223367A; CN100590325C; KR20080016734A; JP4677529B2; EP1911980A4; JP2007032795A; US20090110507A1; EP1911980A1

Abstract

　クリップ１において、インナー部材２とアウター部材３の本ロック状態で各係止爪１８の第１爪部１９及び第２爪部３１は操作孔３２の内側に入り込んでおり、かかる本ロック状態でインナー部材２に形成された操作孔３２から工具３３を挿入することにより、係止爪１８の第１爪部１９と係止孔１２との係止は解除されて本ロック状態が解除され、また、操作孔３２に対する前記挿入方向とは逆の方向に工具３３を引き抜いていくと、インナー部材２とアウター部材３とは、仮ロック状態となるように構成する。

Description

明細書

クリップ

技術分野

[0001] 本発明は、自動車の車体等の被取付部材に対して、コンソ一ノレボックス、インパネ等の取付部材を取り付けるクリップに関し、特に、クリップを構成するインナ一部材とアウター部材とを仮ロック状態で常時一体的に取り扱いつつ、被取付部材に対する取付部材の取付及び取外しを極めて簡単なワンタッチ動作で行うことが可能なクリツプに関するものである。

背景技術

[0002] 従来、自動車の車体を構成する各種パネルに対して、コンソールボックス、インパネ等を取り付ける際に使用される各種のクリップが提案されている。

例えば、特開平 11— 70838号公報には、車体のフロアに形成された 2つの嵌合孔のそれぞれに対して、コンソールボックスのフランジに形成された嵌合孔及び台座部に形成された貫通孔とを合致させた状態で、外側部材と内側部材とから構成されるクリップを揷通することにより、車体のフロアに取り付けられるコンソール装置が記載されている。

[0003] 特許文献 1 :特開平 11一 70838号公報（明細書の第 4ページ、図 2)

[0004] ここに、前記特許文献 1に記載された外側部材と内側部材とから構成されるクリップにおいて、外側部材は、内側部材を外側部材から引き出したときに小径となってタリップを、フロア及びフランジにおける各嵌合孔及びフロアの嵌合孔、台座部の貫通孔力も取り外すことができ、また、外側部材は、内側部材を外側部材に挿入したときに大径となって、クリップを各嵌合孔、貫通孔で拘束してコンソールボックスを車体のフロアに固定するものである。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] し力ながら、前記特許文献 1に記載されたコンソール装置に使用されるクリップを使用してコンソールボックスを車体のフロアに固定する場合、内側部材を上方へ引き出して外側部材を小径としたクリップをフランジの嵌合孔及び台座部の貫通孔に揷通した後、内側部材を上方から押して内側部材を外側部材に揷入して外側部材を大径にする必要がある。

[0006] このように、コンソールボックスを車体のフロアに固定するには、内側部材を外側部材カも引き出す作業、この状態でクリップを嵌合孔、貫通孔に揷通する作業、及び、内側部材を外側部材内に押圧して揷入する作業が必要である。これらの作業はかなり煩雑なものであり、結果的に、車体のフロアに対するコンソールボックスの固定作業に時間がかかってしまう問題がある。

[0007] 本発明は前記従来技術における問題点を解消するためになされたものであり、タリップを構成するインナ一部材とアウター部材とを仮ロック状態で常時一体的に取り扱いつつ、被取付部材に対する取付部材の取付及び取外しを極めて簡単なワンタッチ動作で行うことが可能なクリップを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 前記目的を達成するため請求項 1に係るクリップは、取付部材に設けられ、基台部及び基台部の上壁から立設された作動壁を有するインナ一部材と、前記インナ一部材の作動壁が揷通される揷通部が形成され、インナ一部材の作動壁が揷通部に揷通されるに従って弹

性変形可能な係止片を有するアウター部材とを備え、前記アウター部材を被取付部材の取付孔に揷通するとともにインナ一部材の作動壁をアウター部材の揷通部に揷通することにより、アウター部材の係止片を弾性変形させて取付部材を被取付部材に取り付けるクリップにおいて、前記インナ一部材は、前記作動壁に形成された係止溝、係止溝に隣接して形成された係止孔、及び、前記基台部の上壁を貫通するとともに係止孔に連通する操作孔を備え、前記アウター部材は、前記係止片に隣接して形成された係止爪を備え、前記係止爪は、前記インナ一部材の作動壁をアウター部材の挿通部に挿通した第 1状態で前記係止溝に係止されるとともに、作動壁を挿通部に更に挿通した第 2状態で前記係止孔に係止され、前記第 2状態で係止孔に係止された係止爪は、前記操作孔の内側に入り込むとともに、操作孔から挿入されるェ具を介して係止孔との係止を解除可能にされていることを特徴とする。 [0009] また、請求項 2に係るクリップは、請求項 1のクリップにおいて、前記インナ一部材にて、前記作動壁の一端部には斜面状カム部が形成されており、前記係止片は、前記第 1状態で前記斜面状カム部によるカム作用を受けないことを特徴とする。

ここに、前記クリップにおいては、請求項 3に記載されているように、前記斜面状力ム部の先端側には薄板状部が形成されており、前記係止片は、前記第 1状態において前記薄板状部に当接されていることが望ましい。

発明の効果

[0010] 前記構成を有する請求項 1に係るクリップでは、係止爪は、インナ一部材の作動壁をアウター部材の揷通部に挿通した第 1状態で係止溝に係止されるので、取付部材に設けられたアウター部材とインナ一部材とを仮ロック状態で常時一体的に取り扱うことが可能となる。

[0011] また、係止爪が係止溝に係止された第 1状態で、作動壁を揷通部に更に揷通した第 2状態で係止孔に係止されるので、第 1状態で相互に保持されたインナ一部材及びアウター部材を被取付部材の取付孔に揷通して被取付部材に対してクリップを保持させた後、取付部材と共にインナ一部材を被取付部材に向かって押圧して作動壁をアウター部材の揷通部に更に揷通させるだけの極めて簡単な作業により、クリップのアウター部材とインナ一部材とを介して取付部材を被取付部材に取り付けることができる。

[0012] 更に、アウター部材に形成された係止片は、インナ一部材の係止孔に係止された第 2状態で、インナ一部材における基台部の上壁を貫通するとともに係止孔に連通する操作孔の内側に入り込み、また、力かる操作孔から挿入される工具を介して係止孔との係止を解除可能に構成されているので、被取付部材に対する取付部材の取外しを極めて簡単な作業により行うことができる。

[0013] また、請求項 2に係るクリップでは、アウター部材の係止片は、第 1状態で作動壁の一端部に形成された斜面状カム部によるカム作用を受けないことから、弾性変形されておらず、従って、アウター部材とインナ一部材とを一体に保持している間に、係止片の弹性力が低下してしまうことを確実に防止することができる。

図面の簡単な説明 [図 1]第 1実施形態に係るクリップを構成するインナ一部材とアウター部材を模式的に示す分解斜視図である。

[図 2A]インナ一部材の平面図である。

[図 2B]図 2Aにおけるインナ一部材の A_ A線断面図である。

[図 2C]図 2Aにおけるインナ一部材の B— B線断面図である。

[図 3A]アウター部材の平面図である。

[図 3B]アウター部材の側面図である。

[図 3C]図 3Aにおけるアウター部材の C C線断面図である。

[図 4A]インナ一部材をアウター部材に取り付ける前の状態を示し、作動壁の幅方向に沿って切断した図 2Aにおける A— A線断面図である。

[図 4B]インナ一部材をアウター部材に取り付ける前の状態を示し、作動壁の厚さ方向に沿って切断した図 2Aにおける B— B線断面図である。

[図 5A]アウター部材の係止爪における爪部をインナ一部材の係止溝に係止して両部材を仮ロックした状態を示す説明図であり、作動壁の幅方向に沿って切断した図 2A における A— A線断面図である。

[図 5B]アウター部材の係止爪における爪部をインナ一部材の係止溝に係止して両部材を仮ロックした状態を示す説明図であり、作動壁の厚さ方向に沿って切断した図 2 Aにおける B— B線断面図である。

[図 6A]仮ロックしたインナ一部材及びアウター部材を被取付部材の取付孔に揷通した状態を示す説明図であり、作動壁の幅方向に沿って切断した図 2Aにおける A— A 線断面図である。

[図 6B]仮ロックしたインナ一部材及びアウター部材を被取付部材の取付孔に揷通した状態を示す説明図であり、作動壁の厚さ方向に沿って切断した図 2Aにおける B— B線断面図である。

[図 7A]アウター部材の係止爪における爪部をインナ一部材の係止孔に係止して両部材を本ロックし取付部材を被取付部材に取り付けた状態を示す説明図であり、作動壁の幅方向に沿って切断した図 2Aにおける A—A線断面図である。

[図 7B]アウター部材の係止爪における爪部をインナ一部材の係止孔に係止して両部材を本ロックし取付部材を被取付部材に取り付けた状態を示す説明図であり、作動壁の厚さ方向に沿って切断した図 2Aにおける B— B線断面図である。

園 8A]インナ一部材の操作孔に工具の揷入を開始した状態を示す説明図であり、図 2Aにおける A—A線断面図である。

園 8B]インナ一部材の操作孔に工具の挿入を開始した状態を示す説明図であり、図 2Aにおける B— B線断面図である。

園 9A]図 8の状態から更に工具を係止孔まで挿入して係止爪と係止孔との係止を解除して本ロック状態を解除した状態を示す説明図であり、図 2Aにおける A— A線断面図である。

園 9B]図 8の状態から更に工具を係止孔まで挿入して係止爪と係止孔との係止を解除して本ロック状態を解除した状態を示す説明図であり、図 2Aにおける B— B線断面図である。

園 10A]本ロック状態の解除に基づき取付部材と共にインナ一部材を被取付部材から離間させた状態を示す説明図であり、図 2Aにおける A— A線断面図である。園 10B]本ロック状態の解除に基づき取付部材と共にインナ一部材を被取付部材から離間させた状態を示す説明図であり、図 2Aにおける B— B線断面図である。園 11A]図 10の状態力もインナ一部材を更に離間させ仮ロック状態に戻した状態を示す説明図であり、図 2Aにおける A_A線断面図である。

園 11B]図 10の状態力もインナ一部材を更に離間させ仮ロック状態に戻した状態を示す説明図であり、図 2Aにおける B— B線断面図である。

園 12A]インナ一部材及びアウター部材の仮ロック状態を維持したままアウター部材を被取付部材の取付孔から取り外した状態を示す説明図であり、図 2Aにおける A— A線断面図である。

園 12B]インナ一部材及びアウター部材の仮ロック状態を維持したままアウター部材を被取付部材の取付孔から取り外した状態を示す説明図であり、図 2Aにおける B— B線断面図である。

符号の説明

1 クリップ 2 インナ一部材

3 アウター部材

4 取付部材

7 作動壁

8 及状部

9 斜面状カム部

10 平板状壁部

11 係止溝

12 係止孔

14 周壁部

15 底部

16 揷通部

17 係止片

18 係止爪

19 第 1爪部

21 被取付部

22 取付孔

32 操作孔

33 工具

発明を実施するための最良の形態

[0016] 以下、本発明に係るクリップについて、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るクリップの全体構成について図 1に基づき説明する。図 1は本実施形態に係るクリップを構成するインナ一部材とアウター部材を模式的に示す分解斜視図である。図 1において、クリップ 1は、基本的に、インナ一部材 2とアウター部材 3とから構成されている。

[0017] ここで、先ず、インナ一部材 2の構成について、図 1及び図 2A乃至 2Cに基づき説明する。図 2A乃至 2Cはインナ一部材を多面的に示す説明図であり、図 2Aはインナ一部材の平面図、図 2Bは図 2Aにおける Α_Αϋ断面図、図 2Cは図 2Αにおける Β _Β線断面図である。

[0018] 図 1及び図 2Α乃至 2Cにおいて、インナ一部材 2は、各種の樹脂、例えば、ポリプロピレンからコンソールボックス、インパネ等の取付部材 4に一体成形されている。インナ一部材 2は、取付部材 4の一面側（図 1中上面側）に設けられており、各種の成形方法により取付部材 4と一体に成形される平板部 5を有する。平板部 5には、台状に形成された基台部 6が形成されており、かかる基台部 6の上壁 6Αにおける略中央部には作動壁 7が立設されている。また、基台部 6の上壁 6Αにおいて、相互に対向する側縁からは一対の壁部 30が立設されている。

[0019] 作動壁 7は、その先端側から、薄板状部 8、薄板状部 8から下方に連続形成された尖塔状の 2つの斜面状カム部 9、及び、各斜面状カム部 9から連続形成された平板状壁部 10から構成されている。また、各斜面状カム部 9には、係止溝 11が形成されている。更に、平板状壁部 10の幅方向の略中央部には、係止溝 11に隣接して長孔状の係止孔 12が形成されている。力かる係止溝 11及び係止孔 12には、アウター部材 3に対する作動壁 7の挿入程度に応じて、連続してアウター部材 3の係止爪（後述する）が係止される。

尚、各係止溝 11、係止孔 12の両側で作動壁 7の両面には、 2つの補強溝 13が形成されている。これらの各補強溝 13は、作動壁 7の強度を向上するために設けられている。

また、作動壁 7の係止孔 12の下部に対応して、基台部 6の上壁 6Αには操作孔 32 が形成されており、力かる操作孔 32は上壁 6Αを貫通して係止孔 12に連通されている。

[0020] 次に、アウター部材 3について図 1及び図 3Α乃至 3Cに基づき説明する。図 3Α乃至 3Cはアウター部材を多面的に示す説明図であり、図 3Αはアウター部材の平面図、図 3Βはアウター部材の側面図、図 3Cは図 3Αにおけるアウター部材の C— C線断面図である。

[0021] アウター部材 3は、各種の樹脂、例えば、ポリプロピレンから一体成形されている。

力かるアウター部材 3は、周壁部 14が設けられた底部 15を有しており、また、底部 15 の幅方向の略中央位置には、揷通部 16が形成されている。かかる揷通部 16には、後述するように、インナ一部材の作動壁 7が揷通される。更に、揷通部 16の両側において、底部 15の上面からは 2対 (4個）の係止片 17が立設されており、これらの各係止片 17は、揷通部 16に作動壁 7が揷通されるに従って外側に弾性変形可能に構成されている。

[0022] また、底部 15の長手方向において、各係止片 17の間で揷通部 16の両側には、弾性変形可能な一対の係止爪 18が底部 15の上面から立設されている。各係止爪 18 には、第 1爪部 19及び第 2爪部 31 (図 3C参照）が形成されており、各第 1爪部 19は、インナ一部材 2の作動壁 7に形成された係止溝 11、係止孔 12に弾性的に係止され、また、第 2爪部 31は、第 1爪部 19が係止溝 11に係止された状態で係止孔 12に係止される。

[0023] 続いて、前記のように構成されたインナ一部材 2とアウター部材 3とからなるクリップ 1 を介して取付部材 4を、自動車の車体を構成する金属板（ボディ）である被取付部材に取り付ける方法について図 4乃至図 7を参照して説明する。図 4A及び 4Bはインナ一部材をアウター部材に取り付ける前の状態を示し、図 4Aは作動壁の幅方向に沿つて切断した図 2Aにおける A— A線断面図、図 4Bは作動壁の厚さ方向に沿って切断した図 2Aにおける B— B線断面図である。図 5A及び 5Bはアウター部材の係止爪における爪部をインナ一部材の係止溝に係止して両部材を仮ロックした状態を示す説明図であり、図 5Aは作動壁の幅方向に沿って切断した図 2Aにおける A_A線断面図、図 5Bは作動壁の厚さ方向に沿って切断した図 2Aにおける B_B線断面図である。図 6A及び 6Bは仮ロックしたインナ一部材及びアウター部材を被取付部材の取付孔に揷通した状態を示す説明図であり、図 6 Aは作動壁の幅方向に沿つて切断した図 2Aにおける A—A線断面図、図 6Bは作動壁の厚さ方向に沿って切断した図 2 Aにおける B— B線断面図である。図 7A及び 7Bはアウター部材の係止爪における爪部をインナ一部材の係止孔に係止して両部材を本ロックし取付部材を被取付部材に取り付けた状態を示す説明図であり、図 7Aは作動壁の幅方向に沿って切断した図 2Aにおける A—A線断面図、図 7Bは作動壁の厚さ方向に沿って切断した図 2A における B— B線断面図である。 [0024] 第 1実施形態に係るクリップ 1を使用して取付部材 4を被取付部材に取り付けるには、先ず、図 4A及び 4Bに示すように、別個独立して形成されたインナ一部材 2の作動壁 7とアウター部材 3の揷通部 16とを対応させる。この後、アウター部材を揷通部 16 に向かって移動させ、インナ一部材 2の作動壁 7を揷通部 16に揷通させる。これにより、アウター部材 3の各係止爪 18に形成された第 1爪部 19は作動壁 7の係止溝 11に係止され、また、第 2爪部 31は係止孔 12に係止される。このとき、各係止片 17は、作動壁 7の薄板状部 8の両側に当接されている。この状態が図 5A、 5Bに示されている

[0025] 図 5A、 5Bに示すように、アウター部材 3の各係止爪 18に形成された第 1爪部 19が、インナ一部材 2の作動壁 7における係止溝 11に係止されるとともに第 2爪部 31が係止孔 12に係止された状態では、各係止片 17は、作動壁 7の薄板状部 8の両側に当接されているだけであり、インナ一部材 2の作動壁 7における各斜面状カム部 9によるカム作用を受けてはいない。従って、各係止片 17は弾性変形されることなく略元の状態を保持している。このように、アウター部材 3の各係止片 17が各斜面状カム部 9 によるカム作用を受けていない状態で、係止爪 18の第 1爪部 19が係止溝 11に、第 2 爪部 31が係止孔 12に係止されて、インナ一部材 2とアウター部材 3とは、相互に仮口ックされること力、取付部材 4に設けられたインナ一部材 2とアウター部材 3とを常時一体的に取り扱うことが可能となる。

[0026] 続いて、前記したように、インナ一部材 2に対してアウター部材 3が仮ロックされた状態で、取付部材 4においてインナ一部材 2が設けられた面側とは反対の面側から取付部材 4を押圧し、アウター部材 3及びインナ一部材 2を被取付部材 21の取付孔 22 に揷通する。力かる揷通作業は、アウター部材 3の底部 15に形成された周壁部 14の上面側が被取付部材 21の取付孔 22における周縁部の裏面に当接するまで行われる。この状態が図 6A及び 6Bに示されている。図 6A及び 6Bに示す状態では、ァウタ一部材 3の各係止爪 18における第 1爪部 19が、インナ一部材 2の作動壁 7における係止溝 11に係止され、また、第 2爪部 31が係止孔 12に係止され、更に、アウター部材 3の底部 15における周壁部 14の上面が被取付部材 21における取付孔 22の周縁部の裏面側に当接されている。 [0027] そして、図 6A及び 6Bに示す状態から、取付部材 4を、アウター部材 3及びインナー部材 2が更に取付孔 22内に揷通される方向（図 6中上方向）に押圧する。このとき、アウター部材 3の周壁部 14の上面は、被取付部材 21における取付孔 22の周縁部に当接されており、前記取付部材 4の押圧時にアウター部材 3が移動されることはない

[0028] これに対して、インナ一部材 2の作動壁 7は取付孔 22内を被取付部材 21の方向に揷通されていく。力かる揷通動作に従って、アウター部材 3の各係止片 17は、インナ一部材 2の作動壁 7における各斜面状カム部 9によりカム作用を徐々に受け、外側に弾性変形していく。そして、各係止片 17が斜面状カム部 9のカム作用によって更に外側に弾性変形していくと、各係止爪 18の第 1爪部 19は、インナ一部材 2の作動壁 7 における係止孔 12に係止される。この状態が図 7A及び 7Bに示されている。

[0029] 図 7A及び 7Bに示す状態では、アウター部材 3の各係止爪 18の第 1爪部 19がインナ一部材 2の作動壁 7における係止孔 12に係止され、また、アウター部材 3の底部 1 5における周壁部 14の上面が被取付部材 21の裏面に当接し、更に、インナ一部材 2 の基台部 6の上面に形成された各壁部 30の上端面が被取付部材 21の裏面に当接している。

これにより、インナ一部材 2とアウター部材 3とが本ロック状態となり、取付部材 4は被取付部材 21に取り付けられるものである。

[0030] 前記したように、アウター部材 3の各係止爪 18における第 1爪部 19が係止溝 11に係止されるとともにアウター部材 3が被取付部材 21の取付孔 22に揷通されて底部 15 の周壁部 14が取付孔 22の周縁部に当接された状態で、取付部材 4が、インナ一部材 2が設けられた面側とは反対の面側から被取付部材 21に向かって押圧されることにより、各係止爪 18の第 1爪部 19は、各係止片 17が各斜面状カム部 9によるカム作用を受けて外側に弾性変形する本ロック状態で第 2係止溝孔 12に係止されるので、取付部材 4を被取付部材 21に取り付けるには、仮ロック状態で相互に保持されたィンナ一部材 2及びアウター部材 3を被取付部材 21の取付孔 22に揷通して被取付部材 21に対してクリップ 1を保持させた後、取付部材 4と共にインナ一部材 2を被取付部材 21に向かって押圧して作動壁 7をアウター部材 3の挿通部 16に更に挿通させるだけの極めて簡単な作業により、クリップ 1のアウター部材 3とインナ一部材 2とを介して取付部材 4を被取付部材 21に取り付けることができる。

[0031] ここに、インナ一部材 2とアウター部材 3とは、前記のように取付部材 4を被取付部材 21に取り付けた時点で本ロック状態となる力力かる本ロック状態を解除して仮ロック状態に戻すとともにクリップ 1を被取付部材 21から取り外す操作について、図 8乃至図 12に基づき説明する。

[0032] 図 8A及び 8Bはインナ一部材の操作孔に工具の挿入を開始した状態を示す説明図であり、図 8Aは図 2Aにおける A—A線断面図、図 8Bは図 2Aにおける B— B線断面図である。図 9A及び 9Bは図 8A及び Bの状態から更に工具を係止孔まで挿入して係止爪と係止孔との係止を解除して本ロック状態を解除した状態を示す説明図であり、図 9Aは図 2Aにおける A—A線断面図、図 9Bは図 2Aにおける B— B線断面図である。図 10A及び 10Bは本ロック状態の解除に基づき取付部材と共にインナ一部材を被取付部材から離間させた状態を示す説明図であり、図 1 OAは図 2Aにおける A— A線断面図、図 10Bは図 2における B— B線断面図である。図 11A及び 11Bは図 10A及び 10Bの状態からインナ一部材を更に離間させ仮ロック状態に戻した状態を示す説明図であり、図 11Aは図 2Aにおける A— A線断面図、図 11Bは図 2Aにおける B— B線断面図である。図 12A及び 12Bはインナ一部材及びアウター部材の仮ロック状態を維持したままアウター部材を被取付部材の取付孔から取り外した状態を示す説明図であり、図 12Aは図 2Aにおける A_A線断面図、図 12Bは図 2Aにおける B— B線断面図である。

[0033] 先ず、取付部材 4が被取付部材 21に取り付けられた状態においては、インナ一部材 2とアウター部材 3とは、図 7A及び 7Bに示すように、本ロック状態にある。かかる本ロック状態では、図 7Bに示すように、各係止爪 18の第 1爪部 19及び第 2爪部 31は操作孔 32の内側に入り込んでいる。

[0034] このような本ロック状態で、図 8A及び 8Bに示すように、作動壁 7が形成された反対側からインナ一部材 2の操作孔 32にドライバ等の工具 33の揷入が開始される。そして、工具 33が操作孔 32に揷入されてレ、くと、先ず、工具 33の側端縁が第 2爪部 31 に当接し、次いで第 1爪部 19に当接する。これに基づき、係止爪 18は、外側に向かつて押し広げられように弾性変形する。このように係止爪 18が弾性変形されると、係止爪 18の第 1爪部 19と係止孔 12との係止は解除され、これにより本ロック状態が解除される。この状態が図 9A及び 9Bに示されている。

[0035] 前記のように本ロック状態が解除された状態で、操作孔 32に対する前記揷入方向とは逆の方向に工具 33を引き抜いていくと、インナ一部材 2は工具 33と共に被取付部材 21から離間されていく。この状態が図 10A及び 10Bに示されている。

[0036] そして、図 10A及び 10Bに示す状態から更に工具 33を弓 Iき抜いていくと、インナー部材 2は更に工具 33共に被取付部材 21から離間されていき、これに伴い係止爪 18 の第 1爪部 19は作動壁 7の係止溝 11に係止され、また、係止爪 18の第 2爪部 31は係止孔 12に係止される。これにより、インナ一部材 2とアウター部材 3とは、前記した仮ロック状態となる。この状態が図 11A及び 11Bに示されてレ、る。

[0037] この後、図 11A及び 11Bに示すインナ一部材 2及びアウター部材 3の仮ロック状態を維持したままアウター部材 3を被取付部材 21の取付孔 22から取り外す。この状態が図 12A及び 12Bに示されている。

[0038] 前記にて説明した通り、本実施形態に係るクリップ 1では、インナ一部材 2とアウター部材 3の本ロック状態で各係止爪 18の第 1爪部 19及び第 2爪部 31は操作孔 32の内側に入り込んでおり、力かる本ロック状態でインナ一部材 2に形成された操作孔 32から工具 33を揷入することにより、工具 33の側端縁が第 2爪部 31、第 1爪部 19に当接するとともに、係止爪 18は、外側に向かって押し広げられように弾性変形し、係止爪 18の第 1爪部 19と係止孔 12との係止は解除されて本ロック状態が解除され、また、操作孔 32に対する前記揷入方向とは逆の方向に工具 33を引き抜いていくと、係止爪 18の第 1爪部 19は作動壁 7の係止溝 11に係止され、係止爪 18の第 2爪部 31は係止孔 12に係止されてインナ一部材 2とアウター部材 3とは、仮ロック状態となるので、クリップ 1によれば被取付部材 21に対する取付部材 4の取外しを極めて簡単な作業により行うことができる。

[0039] 尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の改良、変形が可能であることは勿論である。

産業上の利用可能性本発明は、クリップを構成するインナ一部材とアウター部材とを仮ロック状態で常時一体的に取り扱いつつ、被取付部材に対する取付部材の取付及び取外しを極めて簡単なワンタッチ動作で行うことが可能なクリップを提供する。

Claims

請求の範囲

取付部材に設けられ、基台部及び基台部の上壁から立設された作動壁を有するィンナ一部材と、

前記インナ一部材の作動壁が挿通される挿通部が形成され、インナ一部材の作動壁が挿通部に挿通されるに従って弾性変形可能な係止片を有するアウター部材とを備え、

前記アウター部材を被取付部材の取付孔に挿通するとともにインナ一部材の作動壁をアウター部材の揷通部に挿通することにより、アウター部材の係止片を弾性変形させて取付部材を被取付部材に取り付けるクリップにおいて、

前記インナ一部材は、前記作動壁に形成された係止溝、係止溝に隣接して形成された係止孔、及び、前記基台部の上壁を貫通するとともに係止孔に連通する操作孔を備え、

前記アウター部材は、前記係止片に隣接して形成された係止爪を備え、前記係止爪は、前記インナ一部材の作動壁をアウター部材の揷通部に揷通した第 1状態で前記係止溝に係止されるとともに、作動壁を揷通部に更に揷通した第 2状態で前記係止孔に係止され、

前記第 2状態で係止孔に係止された係止爪は、前記操作孔の内側に入り込むとともに、操作孔から挿入される工具を介して係止孔との係止を解除可能にされていることを特徴とするクリップ。

前記インナ一部材にて、前記作動壁の一端部には斜面状カム部が形成されており前記係止片は、前記第 1状態で前記斜面状カム部によるカム作用を受けないことを特徴とする請求項 1に記載のクリップ。

前記斜面状カム部の先端側には薄板状部が形成されており、

前記係止片は、前記第 1状態において前記薄板状部に当接されていることを特徴とする請求項 2に記載のクリップ。