WO2007007516A1 - コイル端末処理構造およびこれを有した電動機 - Google Patents

Abstract

　固定子コイルのコイル端末の位置を保持するとともにコイル端末の挿入およびハンダ付け結線処理を容易にできる作業性に優れたコイル端末処理構造を得る。 　本発明のコイル端末処理構造は、固定子コイルのコイル端末(3a)を結線する環状の結線用基板(2)と、結線用基板の固定子側に設けられ絶縁を確保する環状の絶縁性シート(1)とからなるもので、結線用基板の保持部はその端部からつながる結線用溝とし、絶縁性シートの保持部は端部近傍に設けたコイル端末保持穴(16)とそこから端部に続く部分を切込み部(17)としたものである。

Description

明 細 書

コイル端末処理構造およびこれを有した電動機

技術分野

[0001] 本発明は、結線用基板と絶縁性シートを用いた固定子コイルの結線処理構造に関 する。

背景技術

[0002] 従来の固定子コイルの結線処理の構造は、図 5、図 6に示すようになつている。図 5 は従来の端末処理をしたモータの固定子の形状を示す正面図、図 6はその部分拡 大斜視図である。図において、 1は絶縁性シート、 2は結線用基板、 3a、 3bはコイル 端末、 4は固定子コア、 10はフレーム、 15は結線用溝である。

結線用基板 2および絶縁性シート 1は、結線用溝 15を有し、固定子コイルのコイル 端末 3a,3bを人の手によって保持し、結線用溝 15に配置することで位置決めを行い 、結線用基板 2にハンダ付けする。結線用溝 15に固定子コイルを挿入後、コイル端 末 3a,3bを手で保持した状態で行う。

このように、従来の絶縁性シートの形状には、コイル端末 3a, 3bを位置決めや保持 などをする機能はなぐ人の手によりコイル端末 3a,3bを保持することにより位置決め を行い、ハンダ付けすることにより結線処理をするものである。

また、固定子コアに絶縁スぺーサを介してプリント基板を固定し、コイル端末を接続 する方法もある (例えば特許文献 1参照)。

特許文献 1：特開平 7 - 308040 (第 3図）

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 従来の絶縁性シート形状は、固定子コイル端挿入用の溝のみとなつていて固定子 コイル端の位置を保持することができないので、固定子コイルの自立が難しぐ結線 用基板から固定子コイル端が脱落し、ハンダ付けが行えないという問題があった。ま た、固定子コイル端を保持するため、人の手によって保持をする場合は、片手に固定 子コイル端とハンダの両方をもつこととなるので、作業の難しさから、固定子コイル端 が曲がったままハンダ付けされると ヽうような問題もあった。

本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、絶縁性シートを用いること により、固定子コイルのコイル端末の位置を保持するとともにコイル端末の挿入およ びハンダ付けを容易にできる作業性に優れたコイル端末処理構造およびこれを用い た電動機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0004] 上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。

請求項 1に記載の発明は、固定子コイルのコイル端末を結線する環状の結線用基 板と、前記結線用基板の固定子側に設けられ絶縁を確保する環状の絶縁性シートと からなり、これらの端部に設けられたコイルの保持部に、前記コイル端末を保持して 結線処理するコイル端末処理構造にお!、て、前記結線用基板の保持部はその端部 力 つながる結線用溝とし、前記絶縁性シートの保持部は端部近傍に設けたコイル 端末保持穴とそこから端部に続く部分を切込み部としたものである。

請求項 2に記載の発明は、前記絶縁性シートの切込み部の端部は、外に向かって 広がる切欠き部を備えたものである。

請求項 3に記載の発明は、請求項 1または請求項 2記載のコイル端末処理構造を 有した電動機である。

発明の効果

[0005] 請求項 1に記載の発明によると、コイル端末を絶縁性シートのコイル端末保持用穴 に挿入することで位置保持することができ、固定子コイルの脱落が防げるので容易に ハンダ付けすることができる。また、絶縁性シートに配置したコイル端末保持穴力も端 部にかけて設けた切込み部により、コイル端末の挿入時間の短縮が図れ、作業性が 改善する。

請求項 2に記載の発明によると、切欠き部を設けたので、コイル端末を容易に位置 決め保持し、コイル端末保持用穴に挿入することができる。

請求項 3に記載の発明によると、コイル端末保持穴とそこ力 端部に続く部分を切 込み部を有する絶縁性シートを用いてコイル端末処理を行うので、作業性に優れ、コ ストの低!、電動機が得られる。 図面の簡単な説明

[0006] [図 1]本発明の第 1実施例を示すモータの側断面図

[図 2]本発明の固定子の形状を示す正面図 (端末処理前) [図 3]本発明の固定子の形状を示す正面図 (端末処理後) [図 4]図 3の部分拡大斜視図

[図 5]従来の固定子の形状を示す正面図 (端末処理後） [図 6]図 5の部分拡大斜視図

符号の説明

[0007] 1 絶縁性シート

2 結線用基板

3 固定子コイル

3a、 3b コィノレ端末

4 固定子コア

5 シャフト

6 負荷側ブラケット

7 反負荷側ブラケット

8 負荷側ベアリング

9 反負荷側ベアリング

10 フレーム

11 エンコーダカバ

12 エンコーダ

13 絶縁紙

14 固定子

15 結線用溝

16 コイル端末保持用穴

17 切込み部

18 切欠き部

発明を実施するための最良の形態 [0008] 以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。

実施例 1

[0009] 図 1は、本発明の結線用基板構造を使用したモータ全体の側断面図である。

図において、 1は絶縁性シート、 2は結線用基板、 3は固定子コイル、 4は固定子コ ァ、 5はシャフト、 6は負荷側ブラケット、 7は反負荷側ブラケット、 8は負荷側べアリン グ、 9は反負荷側ベアリング、 11はエンコーダカバ、 12はエンコーダ、 13は絶縁紙、 14は固定子である。なお、 3a、 3bは固定子コイル 3のコイル端末である。

つぎに、本発明の結線用基板構造を使用したモータの製造方法について説明する まず、固定子コイル 3に絶縁紙 13を取付け、固定子コア 4に挿入する。つぎに、絶 縁性シート 1および結線用基板 2を取付けて結線処理を行う。固定子コア 4の外径部 にフレーム 10を取付けて構成されるステータ 14に負荷側ブラケット 6、反負荷側ブラ ケット 7を取付け、負荷側ベアリング 8及び反負荷側ベアリング 9を介してシャフト 5を 保持する。また、反負荷側には、エンコーダ 12、エンコーダカバ 11が取付けられる。 図 2は、本発明の固定子の形状を示す正面図である。本発明の絶縁性シート形状 を使用した絶縁性シート取付け前の状態を示して 、る。コイル端末 3a, 3bは絶縁性シ ート 1と結線用基板 2を取付け前のため、固定されて 、な!/、。

図 3は、本発明の絶縁性シート形状を使用したステータ部の正面図である。 図 4は、図 3の部分拡大斜視図であり、端末処理後の固定子の形状を示している。 図において、 16は 3a,3b、 17は切込み部、 18は切欠き部である。

図 2の状態に、絶縁性シート 1と結線用基板 2を取付け、コイル端末 3a,3bを絶縁性 シートの固定子コイル端揷入用切欠き 18から挿入し、コイル端末 3a,3bの切込み部 1 7をとおし、コイル保持用穴 16の位置に保持し、固定する。

産業上の利用可能性

[0010] 本発明は、固定子コイルの端末において結線用基板を用いて端末処理する小形モ ータに適する。

Claims

請求の範囲

[1] 固定子コイルのコイル端末を結線する環状の結線用基板と、前記結線用基板の固 定子側に設けられ絶縁を確保する環状の絶縁性シートとからなり、これらの端部に設 けられたコイルの保持部に、前記コイル端末を保持して結線処理するコイル端末処 理構造において、

前記結線用基板の保持部はその端部からつながる結線用溝とし、前記絶縁性シー トの保持部は端部近傍に設けたコイル端末保持穴とそこ力ゝら端部に続く部分を切込 み部としたことを特徴とするコイル端末処理構造。

[2] 前記絶縁性シートの切込み部の端部は、外に向かって広がる切欠き部を備えたこ とを特徴とする請求項 1記載のコイル端末処理構造。

[3] 請求項 1または請求項 2記載の固定子コイルの端末処理構造を有したことを特徴と する電動機。