WO2006131957A1 - 突き合わせ溶接板材の位置決め方法及び装置 - Google Patents

Abstract

　突き合わせ溶接板材を位置決めして溶接線を形成させる作業を短時間に可能にして突き合わせ溶接の作業能率を向上させる。 　相対的に接近・離反が可能な第１テーブル１Ａ及び第２テーブル１Ｂの夫々に板材１７を載置し、各テーブル１Ａ，１Ｂの対向端部１’前方で上方に突出する基準位置決め装置の基準位置決め部材１６ａ，１６ｂに板材１７を当接させて各板材１７の対向端面を各テーブル１Ａ，１Ｂの対向端部１’の前方に張出させて位置決めすると共に各板材１７の左右位置を位置決めした後、位置決めした板材１７を各テーブル１Ａ，１Ｂに固定し、続いて、基準位置決め装置を退避させた後、各テーブル１Ａ，１Ｂを相対的に接近させて板材１７の対向端面を当接させることにより溶接線Ｘを形成する。

Description

明 細 書

突き合わせ溶接板材の位置決め方法及び装置

技術分野

[0001] 本発明は、突き合わせ溶接する際における板材の位置決めに関し、特にテーラー ドブランク溶接、薄板の突き合わせ溶接等に有効に用レ、られる突き合わせ溶接板材 の位置決め方法及び装置に関するものである。

背景技術

[0002] 自動車の車体パネル等の成形用素材としては、材質が同じで板厚が同じか異なる 複数枚の鋼板からなるパネル部品が用いられている。

[0003] 従来、例えば厚みが異なる鋼板を組み合わせたパネル部品を得るためには、まず 板厚の厚い鋼板と板厚の薄い鋼板をプレス等にて所要の形状に打ち抜き、更に別 々に成形を行った後、スポット溶接等にて接続することによりパネル部品を組み立て ていた。し力 この方法では、作業工数が多ぐそのために製造コストが増大するとい う問題があった。又、この問題に対処するために、パネル部品全体を一枚の厚い鋼 板で形成することも行われている力 この場合には重量の増カロ、コストの増加を招く 問題がある。

[0004] このため、近年では、自動車の車体パネル等の成形用素材として、例えば厚さが異 なる複数枚の鋼板を相互に突き合わせて C〇 （炭酸ガス）レーザ溶接法やプラズマ 溶接法等により一体化してテーラードブランク材と称されるものを得る方法がある。こ の方法では、例えば板厚の厚レ、鋼板と板厚の薄レ、鋼板とを突き合わせて溶接するこ とによってテーラードブランク材を得、このテーラードブランク材をプレス成形等によつ て所定形状のパネル部品とすることができる。

[0005] 従って、上記テーラードブランク材を用いる方法によれば、スポット溶接等にてパネ ノレ材を組み立てる方法に比して、作業工数を大幅に減少して製造コストを大幅に低 減できる効果があり、又、パネル部品全体を一枚の厚い鋼板で形成する場合に比べ て軽量化が図れる利点がある。更に、テーラードブランク材を用いてパネル部品を成 形する方法では、各種のプレス工程でスクラップとして生じた端材を有効利用するこ とができ、材料の無駄が少なく材料歩留まりが向上する利点がある。更に又、テーラ ードブランク材は鋼板を連続した溶接によって一体化するために、スポット溶接に比 して溶接強度が大幅に高められる利点がある。

[0006] 前記したように、例えば板厚の厚い鋼板と板厚の薄い鋼板とを突き合わせて溶接 することによってテーラードブランク材を製造するために、各鋼板を位置決めして対 向端面を相互に当接させることにより溶接のための溶接線を正確な位置に作り出す ようにした基準位置決め機構が特許文献 1に示されてレ、る。

[0007] この基準位置決め機構は、一方の板材を載置する第 1のテーブルと、前記一方の 板材と突き合わせ溶接を行う他方の板材を載置する第 2のテーブルを接離可能に分 割し、まず各テーブルを離反させた状態において、第 1のテーブルの上面から基準 プレートを上方に突出させて、この基準プレートに端面を当接させることにより一方の 板材の端面の位置決めを行って一方の板材を固定した後、基準プレートを第 1のテ 一ブルの上面から下方に退避させ、第 2のテーブルを第 1のテーブルに向けて移動 させて第 2のテーブル上の板材の端面を第 1のテーブル上の位置決めされた板材に 当接させることによって両板材間に溶接線を形成している。

特許文献 1：特開 2001— 287090号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] しかし、上記特許文献 1に示される基準位置決め機構は、第 1のテーブル上への一 方の板材の位置決めを行った後に、他方の板材が載置された第 2のテーブルを移動 して他方の板材の対向端面を前記位置決めされた一方の板材の対向端面に当接さ せて位置決めすることによって所定の位置に溶接線を形成するようにしているので、 溶接線を形成するために板材の 2回の位置決め操作が必要があり、このために位置 決めに時間が掛つてしまい、従って、溶接にてテーラードブランク材を大量に製造す る際の溶接所要時間が長くなつて生産能率が低下してしまう問題がある。

[0009] 本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、突き合わせ溶接板材を位置決めして 溶接線を形成させる作業が短時間でできるようにして突き合わせ溶接の作業能率を 大幅に向上できるようにした突き合わせ溶接板材の位置決め方法及び装置を提供 することを目的としてなしたものである。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明の溶接板材の位置決め方法は、相対的に接近 ·離反が可能な第 1テーブル 及び第 2テーブルの夫々に板材を載置し、各テーブルの対向端部前方で上方に突 出する基準位置決め装置に前記板材を当接させて各板材の対向端面を各テーブル の対向端部の前方に張出させて位置決めすると共に各板材の左右位置を位置決め した後、位置決めした板材を各テーブルに固定し、続いて、基準位置決め装置を退 避させた後、各テーブルを相対的に接近させて板材の対向端面を当接させることに より溶接線を形成することを特徴とする。

[0011] 本発明の溶接板材の位置決め装置は、相対的に接近 ·離反が可能で且つ板材の 受け台を有する第 1テーブル及び第 2テーブルと、各テーブルの受け台と同一高さに 設けられた板材受け部材と、前記受け台の対向端部前方に備えられ、上方への突出 時に材料受け部材上に載置されて押付装置により押された板材が当接することによ り各板材の対向端面を各テーブルの対向端部の前方に張出させて位置決めでき、 且つ該位置決め位置から退避が可能な基準位置決め装置と、前後が位置決めされ た板材の左右位置を位置決めする左右位置決め装置と、位置決めされた板材を受 け台上に固定する押圧固定装置とを備え、板材が固定された各テーブルを、前記基 準位置決め装置を退避させた状態で相対的に接近させることにより板材の対向端面 を当接させて溶接線を形成するようにしたことを特徴とする。

[0012] 前記溶接板材の位置決め装置において、前記基準位置決め装置が左右方向に離 間配置した少なくとも一対の基準位置決め部材を有することを特徴とする。

[0013] 前記溶接板材の位置決め装置において、前記押付装置が弾性部材に支持された 水平回転可能な押付けローラを有することを特徴とする。

[0014] 前記溶接板材の位置決め装置において、前記左右位置決め装置が左右方向に相 対的に接近 ·離反が可能な一対の押付部材力 なり、該押付部材の一方が左右位 置決め押付具であり、他方が弾性部材に支持された弾性押付具であることを特徴と する。

[0015] 前記溶接板材の位置決め装置において、前記押圧固定装置が門型を有し各テー ブル上に位置決めされた各板材の対向端面側の上面を押圧部材により押して受け 台に対し押圧 ·離反可能に構成されたことを特徴とする。

[0016] 前記溶接板材の位置決め装置において、前記押圧固定装置が、門型のフレーム を備え、該フレームの下部に弾性部材を介して前記フレームの長手方向に沿って複 数配置した押圧部材を有していることを特徴とする。

[0017] 上記手段によれば、次のように作用する。

[0018] 相対的に接近 '離反が可能な第 1テーブルと第 2テーブルの夫々に板材を載置し、 各テーブルの対向端部前方に備えた基準位置決め装置により各板材の対向端面が 各テーブルの対向端部の前方に張出すように位置決めして固定し、続いて、基準位 置決め装置を位置決め位置から退避させた後、各テーブルを相対的に接近させて 板材の対向端面を当接させることにより溶接線を形成させる。これにより、短時間で溶 接線を形成することができる。

発明の効果

[0019] 本発明の突き合わせ溶接板材の位置決め方法及び装置によれば、相対的に接近

'離反が可能な第 1テーブルと第 2テーブルの夫々に板材を載置し、各テーブルの対 向端部前方に備えた基準位置決め装置を張出して各板材の対向端面が各テープ ルの対向端部の前方に張出すように位置決めして固定し、続いて、基準位置決め装 置を位置決め位置から退避させた後、各テーブルを相対的に接近させて板材の対 向端面を当接させることにより溶接線を形成させるようにしたので、従来の板材を位 置決めする操作を 2回繰り返す方法に比し、板材を位置決めする作業を 1回の操作 で終了して突き合わせることができるので作業時間を大幅に短縮することができ、よ つて突き合わせ溶接の作業能率を大幅に高められる効果がある。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]本発明の突き合わせ溶接板材の位置決め装置の実施例を示す全体平面図で ある。

[図 2]図 1を II II方向から見た側面図である。

[図 3]図 1を III III方向から見た側面図である。

[図 4]図 3を IV— IV方向から見た正面図である。 園 5]基準位置決め装置の一例を示す側面図である。

[図 6]図 5の左側から見た正面図である。

園 7]第 1テーブルと第 2テーブルに備えられる基準位置決め部材と押圧部材の作動 を示す側面図である。

園 8]第 1テーブルに設けられた押付装置の移動ブロックの構成を示す側面図である

[図 9]図 8の左側から見た移動ブロックの正面図である。

[図 10]図 8の移動ブロックの平面図である。

[図 11]右側押付部材の構成を示す正面図である。

園 12]図 11の右側から見た右側押付部材の側面図である。

[図 13]図 11の右側押付部材の平面図である。

[図 14]左側押付部材の構成を示す正面図である。

園 15]押圧固定装置の構成を示す側面図である。

[図 16]図 15の左側から見た押圧固定装置の正面図である。

[図 17] (A)、（B)、（C)、（D)、（E)、（F)は本発明による位置決め方法の作動を段階 的に表わした概略ステップ図である。

符号の説明

1 ' 対向端部

1A 第 1テーブル（テーブル）

1B 第 2テーブル（テーブル）

4 スライド台

6 受け台

7a 板材受け部材

7b 板材受け部材

12 基準位置決め装置

16a 基準位置決め部材

16b 基準位置決め部材 20 押付装置

22 押付けローラ

26 弾性部材

30 左側押付部材 (左右位置決め装置)

31 右側押付部材 (左右位置決め装置)

33 弾性押付具

33， 左右位置決め押付具

35 弾性部材

37 固定ピース

39 押圧固定装置

41 フレーム

42 押圧部材

43 弾性部材

X 溶接線

発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。

図 1は本発明の突き合わせ溶接板材の位置決め装置の実施例を示す全体平面図 、図 2は図 1を II— II方向から見た側面図、図 3は図 1を ΠΙ _ ΠΙ方向から見た側面図、 図 4は図 3を IV— IV方向から見た正面図であり、図 2に示す如ぐ架台 2上に、 LMガ イド 3によって前後方向（装置の軸線方向）に相対的に接近 *離反が可能なリア側の 第 1テーブル 1Aとフロント側の第 2テーブル 1Bを対向させて配置している。各テープ ノレ 1A, 1Bは、 LMガイド 3に沿って前後に移動可能な左右方向に長レ、スライド台 4を 備えており、各スライド台 4はエアシリンダ等の駆動装置 4aによって前後に移動する ようになつている。前記各スライド台 4の左右側部上には鉛直な支柱 5が設けてあり、 左右の支柱 5の上端部間には左右方向に延びた板材 17 (図 7参照）を受けるための 受け台 6が固定されている。

[0023] 前記架台 2上における前記各テーブル 1A, 1Bの前後外側には、図 3、図 4に示す 如く支持部材 7が固定されており、該支持部材 7の上部には、水平に前後に延びる 短い長さの例えばパイプ等からなる複数の板材受け部材 7aが左右方向に離間して スライド台 4上に張出すように設けられている。この板材受け部材 7aはその上面が前 記受け台 6の上面と均一になるように設けられている。尚、上記実施例では各テープ ノレ 1A, 1Bが前後に移動して相対的に接近 *離反するようにした場合について説明し た力 テーブル 1A， IBの一方が固定されて他方のみが移動することによって相対的 な接近 ·離反が行えるようになってレ、てもよレ、。

[0024] 更に、前記第 1テーブル 1Aと、第 2テーブル 1Bには、架台 2に支持部材 8が固定さ れており、各支持部材 8上には、前記短い板材受け部材 7aの延長上に長い長さの 材料受け部材 7bが、板材受け部材 7aから離間して設けられている。尚、上記実施例 では、板材受け部材 7a, 7bを架台 2上に固定する場合について例示したが、板材受 け部材 7a, 7bを各テーブル 1A， IB上に設けて各テーブル 1 A, IBと一緒に前後に 移動するようにしてもよい。

[0025] 前記各テーブル 1A, 1Bの対向端部の中心上部位置には、図 2に示す如ぐ左右 方向に移動して下向きで溶接を行う溶接装置 9が設けられており、又各テーブル 1A , 1Bの対向端部の中心下部位置には、溶接装置 9の溶接時に上側から吹きつける 不活性ガスによる雰囲気を保持するように下側をカバーするシール部材 10が支柱 1 Oa等によって支持されている。

[0026] 前後のスライド台 4の左右端部上に設けられた支柱 5の上端部間には、図 5、図 6に 示す如ぐ支持軸 11を中心に回動するようにした基準位置決め装置 12が設けてある 。図 5では第 2テーブル 1Bに備えた基準位置決め装置 12のみを示している力 第 1 テーブル 1Aにも同様の基準位置決め装置 12が備えられる。基準位置決め装置 12 は、支柱 5に設けた支持軸 11に一端を枢支した短いアーム 13と、該アーム 13の他 端部間に固定した左右方向に長い位置決め用フレーム 14とを有しており、更に前記 アーム 13の他端と前記スライド台 4との間には、前記アーム 13を各テーブル 1A， IB の対向端部前方に水平に張出した状態と、垂直下方に回動して退避させた状態とに 回動させるエアシリンダ等のァクチユエータ 15が接続配置されている。そして、前記 位置決め用フレーム 14上には、左右方向内側と左右外側とで対を成して上部に突 出する少なくとも 1対（図では 2対）の基準位置決め部材 16a, 16b (図 1参照）を設け ている。基準位置決め部材 16aは狭幅の板材 17に対応し、基準位置決め部材 16b は広幅の板材 17に対応するようになっている。この基準位置決め部材 16a, 16bに は、位置決めピン或いは位置決めブロック等を用いることができる。前記基準位置決 め装置 12は、ァクチユエータ 15の駆動によって、図 7に実線で示すように基準位置 決め部材 16a, 16bを各テーブル 1A， IBにおける受け台 6の対向端部 1 'の前方に 突出させた位置と、破線で示すように垂直下方に退避させた位置とに回動できるよう にしている。そして、上記退避位置では、前記各テーブル 1A, 1Bを相対的に接近さ せても前後の基準位置決め部材 16a， 16bが互いに干渉しなレ、ようになってレ、る。

[0027] 図 1、図 2に示した板材受け部材 7bの間には、 LMガイドアクチユエータ 18により移 動ブロック 19を前後方向に移動させて、板材受け部材 7a, 7b上に載置された板材 1 7を前記図 5の基準位置決め部材 16a， 16bに押付けて板材 17の前後位置を位置 決めするようにした押付装置 20を設けている。図 1では左右に 2個の押付装置 20を 設けており、又前記移動ブロック 19は、図 2に示す如くエアシリンダ 19aによって板材 受け部材 7bの上面に対して出没できるようになつている。図 8、図 9、図 10は前記第 1テーブル 1Aに設けられた押付装置 20の移動ブロック 19の構成を示している。尚、 第 1テーブル 1Aに備えた押付装置 20のみを示してレ、るが、第 2テーブル 1Bの押付 装置 20にも同様の移動ブロック 19が設けられる。図 8、図 10の移動ブロック 19は、そ の右側部に側面が U字形状の支持部材 21を備えており、該支持部材 21の U字形状 の内側には押付けローラ 22が鉛直な軸 23により水平回転可能に取り付けられている 。更に、前記押付けローラ 22の軸 23が、移動ブロック 19に形成した長孔 24に嵌合し て前後に移動できる移動駒 25に取り付けられている。更に、図 8、図 10の移動ブロッ ク 19の左側部には前記支持部材 21を右側に押すようにしたばね等の弾性部材 26 が設けられており、移動ブロック 19の左側端部には前記弾性部材 26の弹撥カを調 整する調整ボルト 27が設けられている。

[0028] 図 1、図 3の第 1テーブル 1Aと第 2テーブル 1Bには、 LMガイドアクチユエータ 28に より移動ブロック 29を左右方向に相対的に移動させて、板材受け部材 7a， 7b上に載 置された板材 17の左右位置を位置決めする左側押付部材 30と右側押付部材 31か らなる左右位置決め装置が設けられている。前記移動ブロック 29は短い板材受け部 材 7aの対向側端部前方を左右に移動するようになっている。又、図 1、図 3では左側 押付部材 30と右側押付部材 31が補助移動ブロック 29'を備えている場合を示して いる。即ち、架台 2に設けた LMガイドアクチユエータ 28 'に、前記短い板材受け部材 7aと長い板材受け部材 7bとの端部相互間を移動するようにした補助移動ブロック 29 'を設けており、移動ブロック 29と補助移動ブロック 29'の二点で板材 17を押すように なっている。

[0029] 図 11、図 12、図 13は右側押付部材 31の構成を示したものであり、右側押付部材 3 1は、その左側部に、鉛直な軸 32に支持された円柱形状の押付具 33が配置され、 該押付具 33の軸 32が、移動ブロック 29に形成した長孔 34に嵌合して前後に移動可 能に取り付けられている。更に、図 11、図 13の移動ブロック 29の右側部には押付具 33を左側に押すようにしたばね等の弾性部材 35が設けられており、移動ブロック 29 の右側端部には前記弾性部材 35の弾撥力を調整する調整ボルト 36が設けられてい る。これにより、右側押付部材 31の押付具 33は弾性部材 35により弹撥カを有して押 付けを行う弾性押付具となってレ、る。

[0030] 一方、前記左側押付部材 30は、図 14に示す如ぐ前記図 11と同様の構成を有す る移動ブロック 29において、前記押付具 33を押す弾性部材 35を備えることに代えて 、押付具 33'の左側部に、前記押付具 33 'を右側に押して押付具 33 'の左右方向の 移動を不能に拘束する固定ピース 37が設けられている。これにより左側押付部材 30 の押付具 33 'は、左右位置決め押付具となっている。

[0031] 前記左側押付部材 30は、 LMガイドアクチユエータ 28によって予め定められた所 定位置まで前進して停止するよう制御されるようになっており、一方、右側押付部材 3 1は前記左側押付部材 30より遅れて所定位置まで前進するように制御されており、こ のように左側押付部材 30と右側押付部材 31が相対的に接近することによって、固定 ピース 37により位置が固定された左右位置決め押付具 33'に対し、弾性部材 35で 支持された弾性押付具 33により板材 17が押付けられることによって板材 17は左右 方向位置が位置決めされるようになっている。尚、上記実施例では、左側押付部材 3 0と右側押付部材 31が共に左右方向に移動して接近 '離反することにより位置決め 時間を短縮させる場合について例示したが、左側押付部材 30と右側押付部材 31の 一方を固定として他方を移動させるようにしてもょレ、。

[0032] 前後のスライド台 4の左右端部に設けられた支柱 5の上端部間には、図 15、図 16 に示す如ぐ支持軸 38を中心に回動するようにした押圧固定装置 39が設けてある。 図 15では第 2テーブル 1Bに備えた押圧固定装置 39のみを示している力 第 1テー ブル 1Aにも同様の押圧固定装置 39が備えられる。押圧固定装置 39は、支柱 5に設 けた支持軸 38に中間部が枢支された左右の回動アーム 40を有しており、左右の回 動アーム 40の一端には、前記受け台 6上を左右方向に延びるフレーム 41が固定さ れることにより、前記各テーブル 1A, 1Bの上部を跨ぐ門型が形成されている。更に、 前記フレーム 41の下面には、該フレーム 41と平行に左右方向に配置した複数の押 圧部材 42が皿ばね 43a等の弾性部材 43によって取り付けられている。一方、前記左 右の回動アーム 40の他端とスライド台 4との間には、エアシリンダ等のァクチユエータ 44が配置されており、該ァクチユエータ 44を駆動して回動アーム 40を回動させること により押圧部材 42は昇降するようになっており、前記図 7の基準位置決め装置 12の 基準位置決め部材 16a, 16bに押付けられて各テーブル 1A, 1B上に位置決めされ た各板材 17の対向端面側の上面を押圧部材 42により押圧して受け台 6上に固定し たり、又は板材 17から押圧部材 42を離反して板材 17を解放できるようになつている。 このとき、前記フレーム 41の下部に複数の押圧部材 42が皿ばね 43a等の弾性部材 43によって取り付けられているので、板材 17の厚みが変化しても及び前記フレーム 41に曲りが生じても、押圧部材 42によって板材 17を一定の押付け力で受け台 6上 に固定することができる。

[0033] 次に、上記した実施例の作動を図 1〜図 16を参照しつつ図 17について説明する。

[0034] 図 17 (A)は、各テーブル 1A， IBを離反させ、図 1、図 2に示す板材受け部材 7a, 7b上に板材 17を搬入して載置させる状態を示している。図 17 (A)では、押付装置 2 0が基準位置決め装置 12から離反する方向に後退しており、又、左右位置決め装置 の左側押付部材 30と右側押付部材 31が相対的に離反した位置に後退している。そ して、この状態において、板材受け部材 7a, 7b上の基準位置決め装置 12と、押付装 置 20と、左側押付部材 30と、右側押付部材 31との中間に、図示しない搬送手段に より板材 17が搬入されて載置される。 [0035] このとき、基準位置決め装置 12は、図 5のァクチユエータ 15の作動により、図 5、図 7に実線で示す如く上方に回動させて基準位置決め部材 16a, 16bが各テーブル 1 A, 1Bの受け台 6の上面より突出した状態に保持されている。更に、押圧固定装置 3 9は、図 15に二点鎖線で示す如く押圧部材 42が各テーブル 1A， IBの受け台 6の上 面から上方に離反した状態に保持されている。

[0036] この状態で、図 17 (B)に示す如ぐ図 1の LMガイドアクチユエータ 18の駆動により 押付装置 20の移動ブロック 19を移動させ、板材 17を各テーブル 1A, 1Bの対向端 部 1 '側に向けて移動させる。すると、各板材 17の対向端面は、押圧部材 42の下側 を通過し、板材 17の対向端面は基準位置決め部材 16aに押付けられて各板材 17の 前後位置が位置決めされる。このとき、押付装置 20は図 8に示す如く弾性部材 26で 支持された押付けローラ 22によって板材 17を押付けるようにしているので、各板材 1 7は所定の押付力で安定に押付けられる。

[0037] 続いて、図 17 (C)に示す如ぐ図 1に示す LMガイドアクチユエータ 28, 28'により 左側押付部材 30の移動ブロック 29, 29 'を予め定められた所定位置まで前進させて 停止するよう制御すると共に、前記左側押付部材 30より所定時間遅れて右側押付部 材 31の移動ブロック 29, 29 'を前進させるように制御する。このように左側押付部材 3 0と右側押付部材 31が相対的に接近することによって板材 17の左右位置が位置決 めされる。このとき、前記左側押付部材 30と右側押付部材 31の前進位置は、取り扱 ぅ板材 17の左右方向の幅寸法の変化に伴って設定される。

[0038] 尚、前記したように、押付装置 20によって基準位置決め部材 16aに押付固定され ている板材 17を、左側押付部材 30と右側押付部材 31によって左右方向から押圧す る際に押し点が移動できない場合には、引っ掛力 によって板材受け部材 7a， 7b上 で水平回転する力が板材 17に生じて、位置決めにずれを生じる可能性があるが、前 述したように、押付装置 20及び右側押付部材 31は弾性部材 26， 35で支持された押 付けローラ 22及び弾性押付具 33によって板材 17を押圧するようにしているので、押 付けローラ 22及び弾性押付具 33は板材 17に沿って移動し、よって板材 17に回転 力を与える問題を回避できる。

[0039] 続いて、図 17 (D)に示す如ぐ図 15のァクチユエータ 44を駆動して押圧固定装置 39の押圧部材 42を下降させることにより、前記位置決めされた板材 17を各テーブル 1A, 1Bの受け台 6上に固定する。上記により、一方と他方の板材 17, 17を位置決め 固定する作業を 1回の操作で終了することができる。

[0040] 次に、図 17 (E)に示す如ぐ押付装置 20と、左側押付部材 30と、右側押付部材 31 をすベて後退させる。これにより板材 17は押圧固定装置 39のみによって保持される 。続いて、図 5に示すァクチユエータ 15を駆動して基準位置決め装置 12の基準位置 決め部材 16a, 16bを二点鎖線で示す如く鉛直下方に退避させる。これにより、各板 材 17は、対向端面が各テーブル 1A， I Bの対向端部 1 'から前方に所要距離突出し た状態となっている。

[0041] 続いて、図 17 (F)に示す如ぐ図 2の駆動装置 4aを駆動して LMガイド 3に沿って 各テーブル 1A， IBを相対的に接近させるように移動し、各板材 17の対向端面を当 接させることにより溶接線 Xを形成する。このとき、前記基準位置決め装置 12の基準 位置決め部材 16a, 16bは下方に退避しているので、各テーブル 1A, 1Bが接近し ても干渉する問題はない。

[0042] 上記により、図 7に示す如く溶接装置 9の直下に溶接線 Xが形成されるので、 CO (

2 炭酸ガス）レーザ溶接法やプラズマ溶接法等によって溶接線 Xを突き合わせ溶接す ることにより、各板材 17を一体化する。

[0043] 尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しな レヽ範囲内におレ、て種々変更をカ卩ぇ得ることは勿論である。

Claims

請求の範囲

[1] 相対的に接近 '離反が可能な第 1テーブル及び第 2テーブルの夫々に板材を載置 し、各テーブルの対向端部前方で上方に突出する基準位置決め装置に前記板材を 当接させて各板材の対向端面を各テーブルの対向端部の前方に張出させて位置決 めすると共に各板材の左右位置を位置決めした後、位置決めした板材を各テーブル に固定し、続いて、基準位置決め装置を退避させた後、各テーブルを相対的に接近 させて板材の対向端面を当接させることにより溶接線を形成することを特徴とする突 き合わせ溶接板材の位置決め方法。

[2] 相対的に接近'離反が可能で且つ板材の受け台を有する第 1テーブル及び第 2テ 一ブルと、各テーブルの受け台と同一高さに設けられた板材受け部材と、前記受け 台の対向端部前方に備えられ、上方への突出時に材料受け部材上に載置されて押 付装置により押された板材が当接することにより各板材の対向端面を各テーブルの 対向端部の前方に張出させて位置決めでき、且つ該位置決め位置から退避が可能 な基準位置決め装置と、前後が位置決めされた板材の左右位置を位置決めする左 右位置決め装置と、位置決めされた板材を受け台上に固定する押圧固定装置とを 備え、板材が固定された各テーブルを、前記基準位置決め装置を退避させた状態で 相対的に接近させることにより板材の対向端面を当接させて溶接線を形成するように したことを特徴とする突き合わせ溶接板材の位置決め装置。

[3] 前記基準位置決め装置が左右方向に離間配置した少なくとも一対の基準位置決 め部材を有することを特徴とする請求項 2に記載の突き合わせ溶接板材の位置決め 装置。

[4] 前記押付装置が弾性部材に支持された水平回転可能な押付けローラを有すること を特徴とする請求項 2に記載の突き合わせ溶接板材の位置決め装置。

[5] 前記左右位置決め装置が左右方向に相対的に接近 ·離反が可能な一対の押付部 材からなり、該押付部材の一方が左右位置決め押付具であり、他方が弾性部材に支 持された弾性押付具であることを特徴とする請求項 2に記載の突き合わせ溶接板材 の位置決め装置。

[6] 前記押圧固定装置が門型を有し各テーブル上に位置決めされた各板材の対向端 面側の上面を押圧部材により押して受け台に対し押圧 ·離反可能に構成されたことを 特徴とする請求項 2に記載の突き合わせ溶接板材の位置決め装置。

前記押圧固定装置が、門型のフレームを備え、該フレームの下部に弾性部材を介 して前記フレームの長手方向に沿って複数配置した押圧部材を有していることを特 徴とする請求項 6に記載の突き合わせ溶接板材の位置決め装置。