明 細 書
反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品
技術分野
[0001] 本発明は、例えば、榭脂成形品等に利用される難燃剤及びそれを用いた難燃性榭 脂加工品に関し、更に詳しくは、ハロゲンを含有しない非ハロゲン系の難燃剤及びそ れを用いた難燃性樹脂加工品に関する。
背景技術
[0002] ポリエステルやポリアミド等の熱可塑性榭脂や、エポキシ等の熱硬化性榭脂は、汎 用榭脂、エンジニアリングプラスチックとして優れた成形加工性、機械的強度、電気 特性を有していることから、電気、電子分野等を始めとして広く用いられている。そし て、これらを加工'成形した樹脂加工品等は、高温による火災防止を目的とした安全 上の観点力ゝら難燃性が要求されており、例えば、難燃グレードとして UL94のような規 格が設けられている。
[0003] 一般に、このような樹脂加工品等の難燃ィ匕には、ハロゲン物質が有効であることが 知られており、ハロゲン系難燃剤を榭脂に添加して樹脂加工品等に難燃性を付与し ている。このハロゲン系難燃剤による難燃ィ匕のメカニズムは、主に熱分解によりハロゲ ン化ラジカルが生成し、この生成したハロゲンィ匕ラジカルが燃焼源である有機ラジカ ルを捕捉することで、燃焼の連鎖反応を停止させ、高難燃性を発現させると言われて いる。
[0004] しかし、ハロゲンィ匕合物を大量に含む難燃剤は、燃焼条件によってはダイォキシン 類が発生する可能性があり、環境への負荷を低減する観点から、近年ハロゲン量を 低減させる要求が高まっている。したがって、ハロゲン物質を含有しない非ハロゲン 系難燃剤が各種検討されて 、る。
[0005] このような非ハロゲン系難燃剤としては、金属水和物や赤リン等の無機難燃剤、尿 素カゝら誘導されるトリアジン系難燃剤、リン酸エステル等の有機リン系難燃剤等が検 討されている。
[0006] しかしながら、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムといった金属水和物では、
難燃性付与効果があまり高くないので、榭脂に多量に配合する必要がある。したがつ て、榭脂の成形性が悪くなつたり、得られる成形品等の機械的強度が低下しやすぐ 使用可能な樹脂加工品等の用途が限定されるという問題がある。また、赤リンは、難 燃効果は高いが、分散不良により電気特性を阻害したり、危険ガスが発生したり、成 形性を低下するとともにブリード現象を起こしやす ヽと ヽぅ問題がある。
[0007] 一方、リン酸エステル等の有機リン系難燃剤としては、例えば、下記特許文献 1に は、ホスホリナン構造を有する酸性リン酸エステルのピぺラジン塩もしくは炭素数 1〜 6のアルキレンジァミン塩を難燃剤として使用することが開示されている。
[0008] また、下記特許文献 2には、リン酸モノフエ-ル、リン酸モノトリル等の芳香族リン酸 エステルとピぺラジン等の脂肪族ァミンとからなる塩を主成分とする榭脂用難燃剤が 開示されている。
[0009] また、下記特許文献 3には、ハロゲンフリーの難燃処方として優れた難燃効果を発 現させると共に、成形品の耐熱性、耐水性の物性に優れ、また電気積層板用途にお ける密着性に優れる難燃エポキシ榭脂を得るための難燃剤として、リン含有フエノー ルイ匕合物を用いることが開示されて 、る。
[0010] また、下記特許文献 4には、特に高分子化合物の安定剤、難燃剤として有用である
、 2官能ヒドロキシル基を有する有機環状リン化合物が開示されて ヽる。
[0011] また、下記特許文献 5には、末端に不飽和結合であるァリル基を有する有機リンィ匕 合物が開示されている。
特許文献 1:特開 2002- 20394号公報
特許文献 2 :特開 2002-80633号公報
特許文献 3:特開 2002- 138096号公報
特許文献 4:特開平 5 - 331179号公報
特許文献 5 :特開 2004-315672号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0012] 上記特許文献 1〜5に開示されているように、有機リン系化合物力もなる難燃剤に ついては種々の検討がなされ、様々なものがあるが、これらの有機リン系の難燃剤は
、難燃性が不充分であり、榭脂中に高濃度で配合する必要があった。
[0013] また、上記特許文献 1〜3の有機リン系化合物は、分子内に榭脂成分と反応するた めの反応基を有していないために、難燃剤成分が榭脂中を移行しやすぐ成型時に 難燃剤成分が揮発して金型を汚染したり、樹脂加工品の表面に難燃剤がブリードア ゥトしゃす 、ものであった。
[0014] また、上記特許文献 4の有機リン系化合物は、エポキシ榭脂のようなヒドロキシル基 と結合できるような反応基を有する榭脂においては反応性難燃剤として機能するが、 例えば、通常のォレフィン榭脂のようにヒドロキシル基と結合できるような反応基を有 しな 、榭脂にお 、ては架橋を形成できな 、ので、やはり難燃剤成分が榭脂中を移行 しゃすぐ成型時に難燃剤成分が揮発して金型を汚染したり、樹脂加工品の表面に 難燃剤がブリードアウトしやす 、ものであった。
[0015] また、上記特許文献 5の有機リン系化合物は、榭脂との反応性を有し、反応性難燃 剤として機能するが、常温で液状の性状を有する化合物であることから、榭脂との未 反応物があると、ブリードアウトが生じやすい。また、この有機リン系化合物は、熱分 解温度が低ぐ榭脂と混練成形する際に、難燃剤成分が気化しやすいため、成形品 中に難燃剤を十分含有させられず、難燃効果を発揮できない場合があり、成形加工 '性の劣るものであった。
[0016] したがって、本発明の目的は、榭脂への少量の添加でも難燃性、耐熱性に優れる とともに難燃剤のブリードアウト等を防止でき、カロえて、成形品の機械特性、電気特性 、寸法安定性、成形性にも優れる、反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性榭脂加 ェ品を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0017] 本発明者らは上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明の反応性難 燃剤は、下記の一般式 (I)又は (Π)に示される、末端に不飽和基を有する有機リンィ匕 合物を含有することを特徴とする。
[0019] (式 (I)中、 X3はそれぞれ独立に- OH、又は下記式 (A)で表される基であり、 X4は単結合又は下記式 (B)である。なお、 1〜 3の1っ以上は下記式(八)で表され る基であり、かつ、末端に CH =CH-CH -を含む基である。 )
2 2
[0020] [化 2]
[0021] (式 (A)中、 R1は、 CH =CH-CH -、炭素数 12以下のァリール基、又は炭素数 1
2 2
2以下のァラルキル基を表し、 R2、 R3はそれぞれ独立に、水素原子、 CH =CH-C
2
H -、炭素数 12以下のァリール基、又は炭素数 12以下のァラルキル基を表し、 Yは
2
単結合、 -NH -、又は- 0-を表す。 )
[0022] [化 3]
(式(II)中、 R4〜 は、フエ-ル、ベンジル、 a -ナフチル、 β -ナフチル、 ρ -ビフエ ル、フエノキシ、ベンジロキシ、 (X -ナフトキシ、 β -ナフトキシ、 ρ -ビフエ-口キシ、(
CH =CH-CH ) N -、 CH =CH- CH NH -、 CH =CH- CH O-、 CH =CH- C
2 2 2 2 2 2 2 2
H -から選ばれる基を表し、 R1C)は Hないし CH =CH-CH -を表す。 R4〜R1C>の少な
2 2 2
くとも一つは、末端に CH =CH-CH -を含む基である。なお、 R4〜R9はそれぞれ
2 2
同一又は異なっていてもよい。 )
[0024] 本発明の反応性難燃剤によれば、 1分子内に少なくとも 1つの末端不飽和結合を 有している有機リンィ匕合物を用いたので、この末端不飽和結合を、熱又は放射線に よって榭脂と結合して反応させることができる。これにより、難燃剤成分が榭脂中に安 定して存在するので、難燃剤のブリードアウトを防止して、少量の添加でも難燃性を 長期間付与できる。
[0025] また、本発明の有機リンィ匕合物は、 1分子内に 1個以上リン原子を含んでおり、難燃 効果の高い Pラジカルを発生しやすぐさらに、解離しやすい P-C結合を含んでいる ものでは、難燃効果の高い Pラジカルをより発生しやすい。したがって難燃性を向上 できる。
[0026] また、分子量が高ぐエネルギー的にも安定しているため、熱分解温度を向上する ことができる。よって、榭脂への混練、成形時における難燃剤の気化や、成形時の熱 や剪断による難燃剤の分解を防止でき、成形性が向上する。更には、炭素を多く含 有することで、榭脂分解時にスス成分が生成、堆積することによって難燃性が向上す る、いわゆるチヤ一効果も得られる。
[0027] 一方、本発明の難燃性樹脂加工品は、上記の反応性難燃剤と、榭脂とを含有する 榭脂組成物を成形又は塗膜化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と 前記反応性難燃剤とを反応させて得られる難燃性樹脂加工品であって、前記難燃 性樹脂加工品全体に対して、前記反応性難燃剤を 1〜20質量%含有することを特 徴とする。
[0028] 本発明の難燃性樹脂加工品によれば、上記の有機リンィ匕合物の末端不飽和結合 を、加熱又は放射線の照射によって榭脂と反応させたので、難燃剤成分が榭脂中に 安定して存在する。これにより難燃剤のブリードアウトを防止して難燃性効果が向上 するので、難燃性樹脂加工品全体に対する反応性難燃剤の添加量が 1〜20質量% と少量であっても、難燃性を長期間付与できる。
[0029] また、難燃剤と樹脂との結合によって、榭脂が 3次元網目構造に架橋化するので、 得られる樹脂加工品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、 難燃性、及び成形性の全てに優れる榭脂成形品を得ることができ、特に耐熱性と機 械強度を向上させることができる。更に薄肉成形加工も可能になる。
[0030] 上記の難燃性樹脂加工品にお!/ヽては、前記榭脂組成物が、前記反応性難燃剤を 2種類以上含有し、少なくとも 1種類が多官能性の前記反応性難燃剤であることが好 ましい。
[0031] この態様によれば、反応性の異なる難燃剤の併用によって架橋に要する反応速度 を制御できるので、急激な架橋反応の進行による樹脂の収縮等を防止することがで きる。また、多官能性の難燃剤の含有によって、上記の有機リンィ匕合物による均一な 3次元網目構造が形成されるので、耐熱性、難燃性が向上するとともに、より安定した 榭脂物性が得られる。
[0032] また、上記の難燃性樹脂加工品にお ヽては、前記榭脂組成物が、前記反応性難 燃剤以外の末端に少なくとも 1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物である難 燃剤を更に含有するものであることが好ましい。
[0033] この態様によれば、末端に少なくとも 1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物 によっても、難燃剤と樹脂との結合によって榭脂が 3次元網目構造に架橋できるので 、併用によって難燃剤全体のコストダウンを図りつつ、得られる樹脂加工品の化学的 安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに 優れる榭脂成形品を得ることができる。また、窒素を含有するので、特に榭脂としてポ リアミド系榭脂を用いた場合に榭脂との相溶性がより向上する。
[0034] また、上記の難燃性樹脂加工品にお ヽては、前記榭脂組成物が、反応性を有しな い添加型の難燃剤である前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有するものであ つても良ぐ前記榭脂組成物が、前記添加型の難燃剤を高分子マトリック中に含有し 、熱'機械特性へ影響しなぐ更にブリードしない範囲内で併用含有すると良い。
[0035] この態様によれば、上記の反応性難燃剤に、例えば、リン酸エステル系、メラミン系 、水酸化金属、シリコン系等の反応性を有しない添加型の難燃剤を併用することによ つて、相乗効果により反応性難燃剤単独の場合に比べて難燃性を更に向上でき、ま
た、難燃剤のコストダウンを図ることができる。
[0036] 更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記榭脂組成物が、主骨格の末端 に不飽和基を有する多官能性のモノマー又はオリゴマーである架橋剤を更に含有す るものであることが好まし!/、。
[0037] この態様によっても、架橋剤と樹脂との結合によって、榭脂が 3次元網目構造に架 橋できるので、得られる樹脂加工品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性 、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる榭脂成形品を得ることができる。
[0038] また、上記の難燃性樹脂加工品にお ヽては、前記難燃性樹脂加工品全体に対し て 1〜45質量%の無機充填剤を含有することが好ましい。なかでも、前記無機充填 剤としてシリケート層が積層してなる層状のクレーを含有し、前記層状のクレーを前記 難燃性樹脂加工品全体に対して 1〜10質量%含有することが好ましい。この態様に よれば、架橋に伴う収縮や分解を抑え、寸法安定性に優れる樹脂加工品を得ること ができる。また、無機充填剤としてシリケート層が積層してなる層状のクレーを含有し た場合には、ナノオーダーで層状のクレーが榭脂中に分散することにより榭脂とのハ イブリット構造を形成する。これによつて、得られる難燃性樹脂加工品の耐熱性、機 械強度等が向上する。
[0039] 更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品全体に対し て 5〜50質量%の強化繊維を含有することが好ましい。この態様によれば、強化繊 維の含有により、樹脂加工品の引張り、圧縮、曲げ、衝撃等の機械的強度を向上さ せることができ、更に水分や温度に対する物性低下を防止することができる。
[0040] また、上記の難燃性樹脂加工品にお!/ヽては、前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、 線量 lOkGy以上の電子線又は γ線の照射によって反応して得られることが好ましい 。この態様によれば、榭脂を成形等によって固化した後に、放射線によって架橋でき るので、樹脂加工品を生産性よく製造できる。また、上記範囲の線量とすることにより 、線量不足による 3次元網目構造の不均一な形成や、未反応の架橋剤残留によるブ リードアウトを防止できる。また、特に、照射線量を 10〜45kGyとすれば、線量過剰 によって生じる酸ィ匕分解生成物に起因する、樹脂加工品の内部歪みによる変形ゃ収 縮等も防止できる。
[0041] 更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、 前記榭脂組成物を成形する温度より 5°C以上高い温度で反応して得られることも好ま しい。この態様によれば、放射線照射装置等が不要であり、特に熱硬化性榭脂を含 有する榭脂組成物にぉ 、て好適に用いることができる。
[0042] また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品が、成形品、 塗膜、封止剤より選択される 1つであることが好ましい。本発明の難燃性樹脂加工品 は、上記のように優れた難燃性を有し、し力もブリードアウトを防止できるので、通常 の榭脂成形品のみならず、コーティング剤等として塗膜ィ匕したり、半導体や液晶材料 等の封止剤としても好適に用いられる。
[0043] 更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品が、電気部 品又は電子部品として用いられるものであることが好ましい。本発明の難燃性榭脂加 ェ品は、上記のように、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成 形性の全てに優れるので、特に上記の物性が厳密に要求される、電気部品、電子部 品として特に好適に用いられる。
発明の効果
[0044] 本発明によれば、榭脂への少量の添加でも難燃性に優れ、更に、ブリードアウト等 を防止できる、非ハロゲン系の反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品 を提供することができる。
図面の簡単な説明
[0045] [図 1]難燃剤の TG曲線を示す図表である。
[図 2]難燃性樹脂加工品の温度と機械強度との関係を示す図表である。
発明を実施するための最良の形態
[0046] 以下、本発明について詳細に説明する。
[0047] 本発明の反応性難燃剤は、榭脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合 することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式 (I)又は (II )で示される反応性有機リンィ匕合物を含むことを特徴としている。
[0048] [化 4]
o
^ OYRMII ■■■( I )
[0049] (式 (I)中、 X3はそれぞれ独立に- OH、又は下記式 (A)で表される基であり、 X4は単結合又は下記式 (B)である。なお、 1〜 3の1っ以上は下記式(八)で表され る基であり、かつ、末端に CH =CH-CH -を含む基である。 )
2 2
[0050] [化 5]
[0051] (式 (A)中、 R1は、 CH =CH-CH -、炭素数 12以下のァリール基、又は炭素数 1
2 2
2以下のァラルキル基を表し、 R2、 R3はそれぞれ独立に、水素原子、 CH =CH-C
2
H -、炭素数 12以下のァリール基、又は炭素数 12以下のァラルキル基を表し、 Yは
2
単結合、 -NH -、又は- 0-を表す。 )
[0052] [化 6]
(式(II)中、 IT〜R9は、フエ-ル、ベンジル、 a -ナフチル、 β -ナフチル、 ρ-ビフエ ル、フエノキシ、ベンジロキシ、 (X -ナフトキシ、 β -ナフトキシ、 ρ-ビフエ-口キシ、(
CH = CH-CH ) N -、 CH = CH- CH NH -、 CH = CH- CH O -、 CH = CH- C
2 2 2 2 2 2 2 2
H -から選ばれる基を表し、 R10は、 Hないし CH = CH- CH -を表す。 R4〜R1C>の少
2 2 2
なくとも一つは、末端に CH = CH-CH -を含む基である。なお、 R4〜R9はそれぞれ
2 2
同一又は異なっていてもよい。 )
[0054] 上記一般式 (I)及び (II)に示す本発明の有機リン化合物は、リンが 5価の化合物で あり、また、末端に不飽和結合であるァリル基 (CH = CH-CH -)を一つ以上有して
2 2
いる化合物である。ここで、ァリル基は、後述する加熱、又は放射線等の照射によつ て榭脂と結合するための官能基である。
[0055] 上記本発明の有機リンィ匕合物は、常温で粉状の性状を有する化合物であることか ら、成形品中に樹脂との未反応物が残存したとしても、ブリードアウトが生じにくい。ま た、従来の反応性有機リン化合物に比べて熱分解温度が高ぐエネルギー的にも安 定した化合物であるので、難燃剤成分が成形加工中に気化しにくぐ樹脂加工品の 成形加工性に優れている。更には、分子内に芳香族環を多く含有するので、炭化物 の生成率が高く、熱 ·酸素の遮断作用の極めて大き 、チヤ一 (熱分解残渣)を形成し やすぐまた、リン含有率が高いので、熱分解時において、難燃効果の高いリンラジ カルを生成しやすい。そして、本発明の有機リンィ匕合物は、分子構造が立体構造で あるため、榭脂との反応性が高ぐ得られる榭脂成形品の機械強度を向上させること ができ、熱可塑性榭脂からなる榭脂成形品であっても、熱硬化性榭脂と同等の機械 物性を有する榭脂成形品とすることができる。
[0056] 前記一般式 (I)で示される有機リンィ匕合物は、 1分子中にァリル基を 2つ以上有して いることが好ましい。また、 1分子中にリンを 2個以上有する化合物であることが好まし い。そして、リンの含有率は 6〜20質量%であることが好ましい。
[0057] また、前記一般式 (I)において、炭素数 12以下のァリール基としては、例えば、 C
6
H (フエニル基)、 C H OH (ヒドロキシフエニル基)、 -C H -C H OH (ヒドロキシビ
5 6 5 6 5 6 5
フエ-ル基)、 - α -C H ( a -ナフチル基)、 - β -C H ( β -ナフチル基)等が挙げ
10 7 10 7
られる。
[0058] また、炭素数 12以下のァラルキル基としては、 -CH C Η (ベンジル基)等が挙げ
2 6 5
られる。
[0059] また、前記式 (A)中の Yは単結合であることが好まし 、。 Υが単結合であれば、解 離しやすい P-C結合を有することとなり、熱分解時において、リンラジカルを生成しや すくなり、難燃性をより向上させることができる。
[0060] 前記一般式 (I)で示される有機リン化合物の具体例としては、下記に示す (1- 1)〜( I - 6)等の化合物が例示できる。
[0061] [化 7] )
CH=CH-CH,-NH i-CH,-CH=CH^
[0062] [ィ匕 8]
[0063] これらの化合物は、例えば、下式 (d)又は (e)で示される構造のフエノール榭脂と、 前記式 (A)の構造を有する酸クロリドィ匕合物との反応により合成することができる。
[0064] [化 9]
[0065] また、前記一般式 (II)で示される有機リン化合物は、 1分子中にァリル基を 2つ以上 有していることが好ましい。また、リンの含有率は 6〜20質量%であることが好ましい。
[0066] そして、前記一般式 (II)で示される有機リンィ匕合物の具体例としては、下記に示す ( II- 1)〜(Π- 17)等の化合物が例示できる。
[0067] [化 10]
(π
(Π上
(Π上
… (Π—1 7)
[0073] これらの化合物は、まず骨格となる〔トリス(3-ァリル- 4-ヒドロキシフヱ-ル)ホスフィ ンォキシド又はトリス(4-ヒドロキシフエ-ル)ホスフィンォキシドを合成し、これと、 目的 の官能基を有するホスホン酸クロリドとを反応させるなどの方法によって合成すること ができる。なお〔トリス(3-ァリル- 4-ヒドロキシフエ-ル)ホスフィンォキシド又はトリス(4 -ヒドロキシフエ-ル)ホスフィンォキシドは、 2-ァリル- 4-ブロモフエノールないし 4-ブ 口モフヱノールのヒドロキシル基をクロロトリメチルシランと反応させて- OSi(CH ) の
3 3 形とした後に、金属リチウムと反応させてブロムの位置をリチオイ匕し、この 3モル量を 1 モル量のォキシ塩化リンと反応させ、し力る後に- OSi (CH ) の部分を加水分解して
3 3
ヒドロキシル基に戻すことにより合成できる。
[0074] 例えば、式 (II- 1)の化合物の場合、まず骨格となる〔トリス(3-ァリル- 4-ヒドロキシフ ェ -ル)ホスフィンォキシドを合成し、これとジフヱ-ルホスホン酸クロリドとを反応させ ることで合成することができる。
[0075] 次に、上記の反応性難燃剤を用いた難燃性樹脂加工品につ 、て説明する。
[0076] 本発明の難燃性樹脂加工品は、上記の一般式 (I)又は (II)で示される有機リンィ匕 合物を含む反応性難燃剤と、樹脂とを含有し、該反応性難燃剤を樹脂組成物全体 に対して 1〜20質量%含有する榭脂組成物を成形又は塗膜化した後、加熱又は放 射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られたものであ る。
[0077] 本発明の難燃性樹脂加工品に用いる榭脂としては、熱可塑性榭脂、熱硬化性榭 脂の 、ずれも使用可能であり特に限定されな!、。
[0078] 熱可塑性榭脂としては、例えば、ポリアミド系榭脂、ポリブチレンテレフタレート榭脂 、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系榭脂、ポリアクリル系榭脂、ポリイミド 系榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリウレタン系榭脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-ス チレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体等のポリスチレン系 榭脂、ポリアセタール系榭脂、ポリオレフイン系榭脂、ポリフエ-レン才キシド榭脂、ポ リフエ-レンサルファイド榭脂、ポリブタジエン榭脂等が挙げられる。なかでも、機械特 性や耐熱性等の点から、ポリアミド系榭脂、ポリブチレンテレフタレート榭脂、ポリェチ レンテレフタレート榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリアクリル系榭脂、ポリアセタール 系榭脂、ポリフエ二レンォキシド榭脂が好ましい。
[0079] 熱硬化性榭脂としては、エポキシ榭脂、ウレタン榭脂、不飽和ポリエステル榭脂、フ ヱノール榭脂、ユリア榭脂、メラミン榭脂、アルキド榭脂、ケィ素榭脂等が挙げられる。 なかでも、機械特性や耐熱性等の点から、エポキシ榭脂、フエノール榭脂、不飽和ポ リエステル榭脂、ユリア榭脂が好ましい。
[0080] 上記反応性難燃剤は、前記榭脂組成物全体に対して、前記反応性難燃剤を 1〜2 0質量%含有することが必要であり、 1〜15質量%が好ましい。反応性難燃剤の含有 量が 1質量%未満であると、反応による架橋が不充分であり、得られる樹脂加工品の 機械的物性、熱的物性、電気的物性が不充分であり、また、難燃性が充分得られな い。一方、 20質量%を超えると、反応性難燃剤が過剰となり、反応性難燃剤の未反 応のモノマーや分解ガスが発生したり、オリゴマー化したものがブリードアウトする場 合があり、更には、得られる樹脂加工品の機械的特性が低下することがあるので好ま しくない。
[0081] 本発明の難燃性樹脂加工品は、上記の一般式 (I)又は (Π)で示される有機リンィ匕 合物のうち、反応性の異なる 2種類以上の化合物、すなわち、 1分子中の上記官能 基の数が異なる有機リンィ匕合物を 2種類以上含有し、少なくとも 1種類が多官能性の 反応性難燃剤であることが好まし ヽ。官能基の数が異なる反応性難燃剤を併用する ことで、架橋に要する反応速度を制御でき、急激な架橋反応の進行による榭脂組成 物の収縮を防止することができる。また、多官能性の反応性難燃剤を用いることで、 有機リンィ匕合物による均一な 3次元網目構造を形成することができ、樹脂加工品の引
張り、圧縮、曲げ、衝撃等の機械的強度を向上させることができる。
[0082] また、本発明の難燃性樹脂加工品は、末端に少なくとも 1つの不飽和基を有する環 状の含窒素化合物力もなる、上記の一般式 (I)又は (II)で示される有機リン化合物以 外の反応性を有する難燃剤 (以下、「多官能環状化合物」と記す)を更に含有するこ とが好ましい。そして、該反応性含窒素化合物の含有量は、本発明の有機リン化合 物 1質量部に対し、 0. 5〜: LO質量部であることがより好ましい。
[0083] 上記多官能環状ィ匕合物の末端に不飽和基を有する基としては、具体的にはジァク リレート、ジメタタリレート、ジァリレート、トリアタリレート、トリメタタリレート、トリァリレート 、テトラアタリレート、テトラメタタリレート、テトラァリレート等が挙げられ、反応性の点か らはジアタリレート、トリアタリレート、テトラアタリレート等のアタリレートであることがより 好ましい。また、環状の含窒素化合物としては、イソシァヌル環、シァヌル環等が挙げ られる。
[0084] そして、上記の多官能環状ィ匕合物の具体例としては、上記のシァヌル酸又はイソシ ァヌル酸の誘導体が挙げられ、イソシァヌル酸 EO変性ジアタリレート、イソシァヌル酸 EO変性トリアタリレート、トリアリルイソシァヌレート等の多官能性モノマー又はオリゴ マーが例示できる。
[0085] また、本発明の難燃性樹脂加工品は、上記反応性難燃剤以外に、反応性を有しな い添加型の難燃剤 (以下、「添加型難燃剤」とする)を含有することが好ましい。このよ うな添加型難燃剤としては、水酸ィ匕アルミニウムや水酸ィ匕マグネシウム等に代表され る金属水和物や、トリフエ-ルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のモノリン酸ェ ステノレ、ビスフエノール Aビス(ジフエ-ル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフエ- ル)ホスフェート等の縮合リン酸エステル、ポリリン酸アンモ-ゥム、ポリリン酸アミド、赤 リン、リン酸グァニジン等、シァヌル酸又はイソシァヌル酸の誘導体、メラミン誘導体等 の非ハロゲン系難燃剤が好まし 、。
[0086] そしてこれらの添加型難燃剤は、単独で用いてもよぐまた 2種類以上併用すること も可能であり、ブリードアウトの発生や機械特性の低下を防止するため、前記榭脂組 成物全体に対して、前記添加型難燃剤を 1〜20質量%含有することが好ましぐ 3〜 15質量%含有することがより好ましい。
[0087] また、本発明の難燃性樹脂加工品は、難燃性を有しないが榭脂との反応性を有す る架橋剤を更に含有することが好ましい。なお、本発明における「難燃性を有しない が前記樹脂との反応性を有する架橋剤」とは、架橋性 (反応性)を有するが、それ自 身は難燃性を有しないものを意味し、上記の「末端に少なくとも 1つの不飽和基を有 する環状の含窒素化合物」のように、架橋性と難燃性とを同時に有する反応性難燃 剤を除くものである。
[0088] このような架橋剤としては、主骨格の末端に不飽和基を有する多官能性のモノマー 又はオリゴマーを好ましく用いることができ、以下の一般式 (a)〜(c)で表される 2〜4 官能性の化合物が挙げられる。ここで、 Mは主骨格であり、 RU〜R14は末端に不飽 和基を有する官能性基であって、(a)は 2官能性ィ匕合物、(b)は 3官能性ィ匕合物、(c )は 4官能性ィ匕合物である。
[0089] [化 16]
R— — R12 ■■■ ( a )
R12
[0090] 具体的には、以下に示すような一般式の、主骨格 Mが、グリセリン、ペンタエリスト一 ル誘導体等の脂肪族アルキルや、トリメリット、ピロメリット、テトラヒドロフラン、トリメチレ ントリオキサン等の芳香族環、ビスフエノール等である構造が挙げられる。
( a - 1 )
( b - 1 ) ( b - 4 )
[0093] [化 19]
[0094] 2官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ビスフエノール F-EO変性ジァクリレー ト、ビスフエノール A-EO変性ジアタリレート、トリプロピレングリコールジアタリレート、 ポリプロピレングリコールジアタリレート、ポリエチレングリコールジアタリレート、ペンタ エリスリトールジァクリレートモノステアレート等のジアタリレートや、それらのジメタタリ レート、ジァリレートが具体例として挙げられる。
[0095] また、 3官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ペンタエリスリトールトリアタリレ ート、トリメチロールプロパントリアタリレート、トリメチロールプロパン PO変性トリアタリレ ート、トリメチロールプロパン EO変性トリアタリレート等のトリアタリレートや、それらのト リメタクリレート、トリァリレートが具体例として挙げられる。
[0096] また、 4官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ジトリメチロールプロパンテトラァ タリレート、ペンタエリスリトールテトラアタリレート等が具体例として挙げられる。
[0097] 上記の架橋剤は、主骨格 Mとなる、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフランテ トラカルボン酸、 1, 3, 5-トリヒドロキシベンゼン、グリセリン、ペンタエリストール、 2, 4 , 6-トリス (クロロメチル) - 1, 3, 5-トリオキサン等より選ばれる 1種に、末端に不飽和 基を有する官能性基となる、臭化ァリル、ァリルアルコール、ァリルァミン、臭ィ匕メタリ ル、メタリルアルコール、メタリルアミン等より選ばれる 1種を反応させて得られる。
[0098] そして、上記の架橋剤は、反応性難燃剤 1質量部に対して、 0. 5〜10質量部含有 することが好ましい。
[0099] また、本発明の難燃性樹脂加工品は、更に無機充填剤、強化繊維、各種添加剤等 を含有していてもよい。
[0100] 無機充填剤を含有することによって、樹脂加工品の機械的強度が向上するとともに 、寸法安定性を向上させることができる。また、反応性難燃剤を吸着させる基体となつ て、反応性難燃剤を榭脂組成物中に均一に分散させることができる。
[0101] 上記無機充填剤としては、従来公知のものが使用可能であり、代表的なものとして は、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ステンレス鋼、アルミニウム、金、銀等の金属粉末、 ヒュームドシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸、含水珪酸カルシウム、含 水珪酸アルミニウム、ガラスビーズ、カーボンブラック、石英粉末、雲母、タルク、マイ 力、クレー、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸 ィ匕マグネシウム、酸ィ匕カルシウム、硫酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ケイソゥ土等 が挙げられる。これらの無機充填剤は、単独又は 2種以上を併用することができ、ま た、公知の表面処理剤で処理されたものでもよい。なかでも、本発明においては、無 機充填材として、シリケート層が積層してなる層状のクレーを用いることが特に好まし い。シリケート層が積層してなる層状のクレーとは、厚さが約 lnm、一辺の長さが約 1 OOnmのシリケート層が積層された構造を有しているクレーである。この層状のクレー はナノオーダーで榭脂中に分散されて榭脂とのハイブリット構造を形成するので、難 燃性樹脂加工品の耐熱性、機械強度等が向上する。層状のクレーの平均粒径は 10 Onm以下であることが好ましい。上記層状のクレーとしては、モンモリロナイト、力オリ ナイト、マイ力等が挙げられるが、分散性に優れる点力もモンモリロナイトが好ましい。 また、層状のクレーは、榭脂への分散性を向上させるために表面処理されていてもよ い。このような層状のクレーは巿販されているものを用いてもよぐ例えば「ナノマー」 ( 商品名、 日商岩井ベントナイト株式会社製)や、「ソマシフ」(商品名、コーポケミカル 社製)等が使用できる。
[0102] そして、無機充填材の含有量は、難燃性樹脂加工品全体に対して 1〜45質量%で あることが好ましぐ 1〜20質量%がより好ましい。含有量が 1質量%未満であると、 難燃性樹脂加工品の機械的強度が不足し、寸法安定性が不充分であり、 45質量% を超えると、難燃性樹脂加工品が脆くなるので好ましくない。また、層状のクレーを含
有する場合、層状のクレーの含有量は、難燃性樹脂加工品全体に対して 1〜10質 量%であることが好ましい。なお、層状のクレーは単独で使用してもよぐ他の無機充 填剤と併用してもよい。
[0103] また、強化繊維を含有することによって、例えば成形品の場合には機械的強度が 向上するとともに、寸法安定性を向上させることができる。強化繊維としては、ガラス 繊維、炭素繊維、金属繊維が挙げられ、強度、及び榭脂ゃ無機充填剤との密着性の 点からガラス繊維を用いることが好ましい。これらの強化繊維は、単独でも、 2種以上 を併用して用いてもよぐまた、シランカップリング剤等の公知の表面処理剤で処理さ れたものでもよい。
[0104] 上記強化繊維としては、特に、表面処理の施されたガラス繊維が好ましぐ更に榭 脂で被覆されていることがより好ましい。これにより、熱可塑性ポリマーとの密着性を 更に向上することができる。
[0105] 上記強化繊維に用いる表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤を用いる ことができ、具体的には、メトキシ基及びエトキシ基よりなる群力も選択される少なくと も 1種のアルコキシ基と、アミノ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メ ルカプト基、ハロゲン原子、イソシァネート基よりなる群力 選択される少なくとも一種 の反応性官能基を有するシランカップリング剤が例示できる。
[0106] また、上記強化繊維に用いる被覆榭脂としては、特に限定されず、ウレタン榭脂ゃ エポキシ榭脂等が挙げられる。
[0107] そして、上記強化繊維の配合量は、難燃性樹脂加工品全体に対して 5〜50質量 %であることが好ましぐ 10〜45質量%がより好ましい。含有量が 5質量%未満であ ると、難燃性樹脂加工品の機械的強度が低下するとともに、寸法安定性が不充分で あるので好ましくなぐまた、 50質量%を超えると、榭脂の加工が困難になるので好ま しくない。
[0108] また、本発明の難燃性樹脂加工品には、本発明の目的である耐熱性、耐候性、耐 衝撃性等の物性を著しく損わない範囲で、上記以外の常用の各種添加成分、例え ば結晶核剤、着色剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止 剤等の添加剤を添加することができる。また、後述するように、例えば紫外線によって
榭脂と反応性難燃剤とを反応させる場合には、紫外線開始剤等を用いることができる
[0109] 着色剤としては特に限定されないが、後述する放射線照射によって褪色しないもの が好ましぐ例えば、無機顔料である、ベンガラ、鉄黒、カーボン、黄鉛等や、フタロシ ァニン等の金属錯体が好ましく用いられる。
[0110] 本発明の難燃性樹脂加工品は、上記の榭脂組成物を成形又は塗膜化した後、加 熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる
[0111] 榭脂組成物の成形は従来公知の方法が用いられ、例えば、熱可塑性榭脂を含む 榭脂組成物の場合には、熱可塑性榭脂と反応性難燃剤とを溶融混練してペレツトイ匕 した後、従来公知の射出成形、押出成形、真空成形、インフレーション成形等によつ て成形することができる。溶融混練は、単軸或いは二軸押出機、バンバリ一ミキサー 、ニーダー、ミキシングロール等の通常の溶融混練力卩ェ機を使用して行うことができ る。混練温度は熱可塑性榭脂の種類によって適宜選択可能であり、例えばポリアミド 系榭脂の場合には 240〜280°Cで行うことが好ましい。また、成形条件も榭脂により 適宜設定可能であり特に限定されない。なお、この段階では全く架橋は進行してい ないので、成形時の余分のスプール部は、熱可塑性榭脂としてのリサイクルが可能 である。
[0112] 一方、熱硬化性榭脂の場合には、上記と同様に、熱硬化性榭脂と反応性難燃剤と を溶融混練してペレット化した後、例えば、従来公知の射出成形、圧縮成形、トランス ファー成形等を用いて成形することができる。
[0113] また、塗膜化する場合には、榭脂組成物をそのまま塗布してもよぐ適宜溶剤等で 希釈して塗布可能な溶液又は懸濁液とした後、従来公知の方法によって乾燥、塗膜 化してもよい。塗膜ィ匕の方法としては、ローラー塗り、吹き付け、浸漬、スピンコート等 のコーティング方法等を用いることができ特に限定されない。
[0114] 上記の榭脂組成物は、加熱又は放射線の照射によって、反応性難燃剤の末端の 不飽和結合が、榭脂と反応して架橋反応し、榭脂中に安定に存在する。
[0115] 反応性難燃剤と榭脂とを反応させる手段として加熱を用いる場合、反応させる温度
は、榭脂の成形温度より 5°C以上高い温度とすることが好ましぐ 10°C以上高い温度 とすることがより好ましい。
[0116] また、架橋の手段として放射線を用いる場合には、電子線、 α線、 γ線、 X線、紫外 線等が利用できる。なお、本発明における放射線とは広義の放射線を意味し、具体 的には、電子線や α線等の粒子線の他、 X線や紫外線等の電磁波までを含む意味 である。
[0117] 上記のうち、電子線又は γ線の照射が好ましい。電子線照射は公知の電子加速器 等が使用でき、加速エネルギーとしては、 2. 5MeV以上であることが好ましい。 γ線 照射は、公知のコバルト 60線源等による照射装置を用いることができる。
[0118] γ線照射は、公知のコバルト 60線源等による照射装置を用いることができる。 γ線 は電子線に比べて透過性が強 、ために照射が均一となり好ま 、が、照射強度が強 V、ため、過剰の照射を防止するために線量の制御が必要である。
[0119] 放射線の照射線量は lOkGy以上であることが好ましぐ 10〜45kGyがより好まし い。この範囲であれば、架橋によって上記の物性に優れる榭脂加工品が得られる。 照射線量が lOkGy未満では、架橋による 3次元網目構造の形成が不均一となり、未 反応の架橋剤がブリードアウトする可能性があるので好ましくない。また、 45kGyを超 えると、酸ィ匕分解生成物による樹脂加工品の内部歪みが残留し、これによつて変形 や収縮等が発生するので好ましくな ヽ。
[0120] このようにして得られた本発明の難燃性樹脂加工品は、耐熱性、難燃性に加えて、 機械特性、電気特性、寸法安定性、及び成形性に優れる。したがって、高度な耐熱 性、難燃性が要求される電気部品又は電子部品、更には自動車部品や光学部品、 例えば、電磁開閉器やブレーカ一等の接点支持等のための部材、プリント基板等の 基板、集積回路のパッケージ、電気部品のハウジング等として好適に用いることがで きる。
[0121] 電気部品又は電子部品の具体例としては、受電盤、配電盤、電磁開閉器、遮断器 、変圧器、電磁接触器、サーキットプロテクタ、リレー、トランス、各種センサ類、各種 モーター類、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の半導体デバイス等が挙げられる
[0122] また、冷却ファン、バンパー、ブレーキカバー、パネル等の内装品、摺動部品、セン サ、モーター等の自動車部品としても好適に用いることができる。
[0123] 更に、成形品のみならず、上記の成形品や繊維等への難燃性コーティング塗膜と してち用いることちでさる。
[0124] また、上記の半導体デバイス等の電子部品又は電気部品の封止、被覆、絶縁等と して用いれば、優れた耐熱性、難燃性を付与させることができる。すなわち、例えば、 上記の榭脂組成物を封止して榭脂を硬化させ、更に上記の加熱又は放射線照射に よる反応を行なうことにより、半導体チップやセラミックコンデンサ等の電子部品ゃ電 気素子を封止する難燃性封止剤として用いることができる。封止の方法としては、注 入成形、ポッティング、トランスファー成形、射出成形、圧縮成形等による封止が可能 である。また、封止対象となる電子部品、電気部品としては特に限定されないが、例 えば、液晶、集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、コンデンサ等が挙げら れる。
実施例
[0125] 以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定さ れるものではない。
[0126] く有機リン化合物の合成〉
(実施例 1)〔化合物 (1- 1)の合成〕
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備えた 500 mlの四つ口フラスコに、フエ-ルリン酸ジクロリド 43. 28g (205mmol)と、蒸留酢酸 ェチル 200mlとを入れ窒素下に置き、 0〜5°Cにて攪拌しながら、滴下ロートよりジァ リノレアミン 19. 89g (205mmol)とトリエチノレアミン 41. 52g (410mmol)との混合液 をゆっくり加えた。滴下終了後、常温で 3時間、 70°Cで 12時間反応させた。冷却後ト リエチルァミン塩酸塩をろ去し、溶液を減圧濃縮して溶媒と過剰のアミンを取り除 ヽた 後、減圧蒸留して、 144〜146°CZ5mmHgの留分を採取し、フ -ルリン酸モノ(N , N-ジァリル)アミドモノクロリド(以下、 POPACとする)を 47. 73g (収率 85%)得た。 なお、赤外吸収スペクトル、 NMR及び TOF-Massスペクトルの測定により、この化合 物が POPACであることを確認した。
[0127] 赤外吸収スペクトル(cm ) : v 1635、 v 1604, 1495、 v 128
(C = C) (ring) (P = 0, POC)
0, 1195, 1040、 v 945
(CN)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル -H 7. 15 (2H) , 7. 35 (3H)、 -CH = 5. 55 (2H)、 -CH - 5. 10 (4H)、 =CH 3. 50 (4H)
2 2
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 273(分子量計算値 = 271. 7)
[0128] 次に、上記と同様の装置を備えた 500ml四つ口フラスコに、ジメチルホルムアミド( 以下、 DMFとする) 250mlと、下記式(d)のフエノール榭脂 30. 64g (100mmol)と、 水素化ナトリウム 4. 8g (200mmol)とを入れて窒素下に置き、力き混ぜ、発生する水 素の泡が殆ど見られなくなつてから 80°Cに昇温して 2時間反応させた。その後、 0〜 5°Cに冷却しながら、滴下ロートより、 POPAC54. 35g (200mmol)と DMF溶液 10 0mlの混合液をゆっくり加え、同温度で 3時間、 60°Cにて 12時間反応させた。その 後、約 1Z3の体積になるまで溶媒を減圧留去し、得られた粘調液体を激しく攪拌し ている 3Lの水中に滴下し、沈殿する淡黄色ワックス状物質を集めた。水洗後、 60°C にて減圧加熱乾燥して、目的の化合物を 75. 2g (収率 97%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(1- 1)の構造が確認できた。
[0129] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1635、 V 1604, 1495、 v 128
(C = C) (ring) (P = 0, POC)
0, 1195, 1040、 v 945、 v 3380
(CN) (OH)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm) : - OH 9. 2 (1H) , フエ-ル -H 6. 85〜7. 55 ( 22H)、 -CH= 5. 60 (4H)、 ァリル- CH - 5. 15 (8H)、 =CH 3. 50 (8H
2 2
)、 CH 1. 95 (3H)
3
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 779 (分子量計算値 = 776. 82)
[0130] [化 20]
[0131] (実施例 2)〔化合物(I- 2)の合成〕
フエ-ルリン酸ジクロリドのかわりにフエ-ルホスホン酸ジクロリド 39. 97g (205mm ol)を用い、減圧蒸留で 122〜124°CZ5mmHgの留分を採取した以外は実施例 1 と同様の操作を行い、フエ-ルホスホン酸モノ (N, N-ジァリル)アミドモノクロリド(以下 、 PPACとする)を 43. 50g (収率 83%)得た。なお、赤外吸収スペクトル、 NMR及び TOF-Massスペクトルの測定により、この化合物が PPACであることを確認した。
[0132] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1635、 V 1604, 1495、 v 128
(C = C) (ring) (P = 0, POC)
0、 v 945
(CN)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル -H 6. 85 (2H) , 7. 10 (3H)ゝ -CH = 5. 45 (2H)、 -CH - 4. 95 (4H)、 =CH 3. 35 (4H)
2 2
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 257(分子量計算値 = 255. 7)
[0133] 次に、上記と同様の装置を備えた 500ml四つ口フラスコに、 DMF250mlと、下記 式(e)のフエノール榭脂 42. 55g (100mmol)と、水素化ナトリウム 7. 05g (300mm ol)とを入れて窒素下に置き、かき混ぜ、発生する水素の泡が殆ど見られなくなって 力も 80°Cに昇温して 2時間反応させた。その後、 0〜5°Cに冷却しながら、滴下ロート より、 PPAC76. 73g (300mmol)と DMFlOOmlの混合液をゆっくり加え、同温度で 3時間、 60°Cにて 12時間反応させた。その後、約 1Z3の体積になるまで溶媒を減圧 留去し、得られた粘調液体を激しく攪拌している 3Lの水中に滴下し、沈殿する淡黄 色ワックス状物質を集めた。水洗後、 60°Cにて減圧加熱乾燥して、目的の化合物を 104. 2g (収率 96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(1-2)の構造が確認できた。
[0134] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1635、 V 1604, 1495、 v 128
(C = C) (ring) (P = 0, POC)
0, 1195, 1040、 v 945
(CN)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル -H 6. 85〜7. 55 (31H) , -CH= 5 . 60 (6H) , ァリル- CH - 5. 15 (12H) , =CH 3. 50 (12H) , CH 1. 6〜
2 2 3
1. 85 (9H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1085 (分子量計算値 = 1083. 2)
[0135] [化 21]
[0136] (実施例 3)〔化合物(I- 3)の合成〕
実施例 1と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 153. 3 2g (l. OOmol)と、蒸留クロ口ホルム 200mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて攪 拌しながら、滴下ロートより、クロ口ホルム 100mlに上記式(d)のフエノール榭脂 30. 6 4g (lOOmmol)と、トリエチルァミン 41. 52g (410mmol)とを溶解させた混合液をゆ つくり加えた。滴下終了後、常温で 3時間、 70°Cで 12時間反応させた。冷却後トリエ チルァミン塩酸塩をろ去し、溶液を減圧留去して溶媒と過剰のアミンを取り除 、た後 、テトラヒドロフラン (以下、 THFとする) 200mlをカ卩えて溶液とし、先ほどの反応装置 【し し 7こ。
次に、滴下ロートよりカリウム α -ナフトキシド 54. 93g (300mmol)の THF溶液 200 mlをゆっくり加え、常温で 3時間、沸点還流下で 6時間反応させた。常温に戻した後 、滴下ロー卜よりァリルアミン 22. 82g (400mmol)と卜リエチルァミン 40. 50g (400m mol)の混合液をゆっくり加え、常温で 3時間、沸点還流下で 12時間反応させた。そ の後、減圧濃縮して容積を 1Z3程度とした後、得られた粘調液体を激しく攪拌して いる 3Lの水中に滴下し、沈殿する淡黄色ワックス状物質を集めた。水洗後、 60°Cに て減圧加熱乾燥して、 目的の化合物を 98. 4g (収率 81%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(1-3)の構造が確認できた。
[0137] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 3360, 1620、 V 1635、 v 1604, 14
(NH) (C = C) (ring)
95、 v 1280, 1195, 1040、 v 945
(P = 0, POC) (CN)
^-NMR^ぺク卜ル( δ、 ppm):アジール- H 6. 85〜7. 55 (33H)、 -CH= 5 . 60 (3H)、 ァリル- CH - 5. 15 (6H)、 >NH 3. 65 (3H)、 =CH 3. 50 (
6H)ゝ CH 1. 85 (3H)
3
TOF-Massスペクトル(MZZ): 1044 (分子量計算値 = 1042)
[0138] (実施例 4)〔化合物(1-4)の合成〕
実施例 1と同様の装置を備えた 1000mlの四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 76. 6 7g (0. 50mol)と、 THF200mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて攪拌しながら 、滴下ロートより塩化ァリルマグネシウムの 1. OmolZl濃度の THF溶液 500mlをゆ つくり加え、常温で 3時間、 60°Cにて 10時間反応させた。その後、常温以下で溶媒を 減圧留去してクロ口ホルム溶液とし、生じる塩ィ匕マグネシウムの沈殿をろ去、減圧濃 縮して全量を 300mlとし、先ほどの反応装置に戻した。
次に、クロロホノレム 200mlに上記式(d)のフエノーノレ樹月旨 30. 64g (100mmol)と、 トリェチルァミン 41. 52g (410mmol)を溶解させた混合液をゆっくり加え、室温で 3 時間、 60°Cで 12時間反応させた。冷却後、沈殿をろ去し、溶液を減圧乾固して過剰 の試薬と溶媒を除去した。残渣の全量を 400mlのクロ口ホルムに溶解して先ほどと同 様の反応装置に戻し、クロロホノレム 200mlにべンジノレアミン 53. 57g (500mmol)とト リエチルァミン 50. 64g (500mmol)とを溶解させた混合液を滴下ロートよりゆっくり 加え、室温で 3時間、 60°Cで 12時間反応させた。過剰の試薬と溶媒を減圧留去して 得たワックス状物質を 3Lの水に分散して力き混ぜ、沈殿する淡黄色固体をろ集、水 洗、乾燥して目的の化合物を 79. 6g (収率 94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(1-4)の構造が確認できた。
[0139] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 3360, 1620、 V 1635、 v 1604, 14
(NH) (C = C) (ring)
95、 v 1280, 1195, 1040、 v 945
(P = 0, POC) (CN)
^-NMR^ぺク卜ル( δ、 ppm):アジール- H 6. 85〜7. 55 (27H)、 -CH= 5 . 60 (3H)、 ァリル- CH - 5. 15 (6H)、 ベンジル- CH 4. 3 (6H)、 >NH 3.
2 2
65 (3H)ゝ =CH 3. 50 (6H)ゝ CH 1. 85 (3H)
2 3
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 888 (分子量計算値 =885. 92)
[0140] (実施例 5)〔化合物(1-5)の合成〕
実施例 1と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、上記式 (d)のフエノー
ノレ樹月旨 30. 64g (100mmol)と、 DMF250mlと、水素ィ匕ナ卜リウム 2. 35g (100mm ol)を入れて窒素下に置き、力き混ぜ、発生する水素の泡が殆ど見られなくなってか ら 80°Cに昇温し、 2時間反応させた。 0〜5°Cに冷却しながら、滴下ロートより PPAC ( 実施例 2参照) 25. 58g (100mmol)と、 DMF溶液 100mlをゆっくり加え、同温度で 3時間、 60°Cにて 12時間反応させた。その後、約 1Z3の体積になるまで溶媒を減圧 留去し、得られた粘調液体を激しく攪拌している 3Lの水中に滴下し、沈殿する淡黄 色ワックス状物質を集めた。水洗後、 60°Cにて減圧加熱乾燥して、目的物を 104. 2 g (収率 96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(1-5)の構造が確認できた。
[0141] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 3380、 v 1635、 v 1604, 1495、 v
(OH) (C = C) (ring) (
1280, 1195, 1040、 v 945
P = 0, POC) (CN)
^-NMR^ぺク卜ル( δ、 ppm) : -OH 9. 35 (2H) , フエ-ル- H 6. 85〜7. 5 5 (17H) ,-CH= 5. 60 (2H) , ァリル- CH - 5. 15 (4H) , =CH 3. 50 (4H
2 2
) , CH 1. 85 (3H)
3
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 528 (分子量計算値 = 525. 6)
[0142] (実施例 6)〔化合物(1-6)の合成〕
実施例 1と同様の装置を備えた四つ口フラスコに、 DMF250mlと、上記式 (d)のフ エノーノレ樹月旨 30. 64g (100mmol)と、水素ィ匕ナ卜リウム 4. 8g (200mmol)とを人れ て窒素下に置き、力き混ぜ、発生する水素の泡が殆ど見られなくなって力も 80°Cに 昇温して 2時間反応させた。その後、 0〜5°Cに冷却しながら、滴下ロートより、 POPA C (実施例 1参照) 27. 17g (100mmol)と、 DMF溶液 100mlとの混合液をゆっくり 加え、同温度で 3時間、 60°Cにて 12時間反応させた。続いて、 0〜5°Cにて力き混ぜ ながら窒素下にて、 DMFlOOml〖こジフエ-ノレリン酸クロリド 53. 7g (200mmol)を溶 解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 3時間、常温で 6 時間、 80°Cで 24時間反応させた。その後、約 1Z3の体積になるまで溶媒を減圧留 去し、得られた粘調液体を激しく攪拌している 3Lの水中に滴下し、沈殿する淡黄色 ワックス状物質を集めた。水洗後、 60°Cにて減圧加熱乾燥して、目的の化合物を 91
. 5g (収率 91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物 (1-6)の構造が確認できた。
[0143] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1635、 V 1604, 1495、 v 128
(C = C) (ring) (P = 0, POC)
0, 1195, 1040、 v 945、(v (OH) 3200は消失)
(CN)
^-NMR^ぺク卜ル( δ、 ppm): フエ-ル- H 6. 85〜7. 55 (37H) ,-CH= 5 . 60 (2H) , ァリル- CH - 5. 15 (4H) , =CH 3. 50 (4H) , CH 1. 85 (3
2 2 3
H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1008 (分子量計算値 = 1005. 92)
[0144] (実施例 7)〔化合物(Π- 1)の合成〕
塩ィ匕カルシウム乾燥管付き還流管、滴下ロート、窒素ガス導入管及び機械攪拌装 置を備えた 300mlの四つ口フラスコに、 2-ァリル- 4-ブロモフエノール 21. 3g(100m mol)と、トリェチルァミン(以下、 TEAとする) 12. lg (120mmol)と、蒸留テトラヒドロ フラン(以下、 THFとする) 120mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜな がらクロロトリメチルシラン 11. 0g (120mmol)を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終 了後、同温度で 1時間、常温で 6時間反応させた。その後、減圧濃縮により溶媒、過 剰のトリェチルァミンとクロロトリメチルシランとを除去し、残渣を水洗、乾燥して 2-ァリ ル -4-ブロモ - 1 -トリメチルシロキシベンゼンを定量的に得た。
次に、上記と同様の四つ口フラスコに、上記工程で得られた生成物(2-ァリル- 4- ブロモ - 1 -トリメチルシロキシベンゼン)全量を入れ、蒸留 THF150mlをカ卩えて窒素 下に置き、力き混ぜながら反応熱による穏やかな沸点還流状態が保たれるように金 属リチウム細片 1. 39g (200mmol)を徐々に加えた。添加終了後 8時間反応させた 後、過剰の金属リチウムを除去し、 2-ァリル- 4-リチォ - 1 -トリメチルシロキシベンゼン 溶液を定量的に得た。
次に、上記と同様の四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 15. 3g (100mmol)と蒸留 T HFlOOmlを入れ、 0〜5°Cにてカゝき混ぜながら窒素下に上記工程で得られた溶液( 2-ァリル- 4-リチォ - 1 -トリメチルシロキシベンゼン)の全量を滴下ロートよりゆっくり加 え、同温度で 3時間、常温で 12時間反応させた。その後、 30mlの 1規定塩酸を加え
て 50°Cにて 3時間カゝき混ぜ、溶媒を減圧濃縮し、溶液残渣を水洗、へキサン洗浄し てメタノール力 再結晶して白色針状の化合物〔トリス(3-ァリル- 4-ヒドロキシフエ- ル)ホスフィンォキシド (以下、 AHPとする)〕を 41. lg (収率 92%)得た。なお、元素 分析、 TOF-Massスペクトルの測定によりこの化合物が AHPであることを確認した。
[0145] 元素分析: C ; 72. 77% (72. 62%)、H ; 6. 04% (6. 11%)、 0 ; 14. 22% (14.
33%) , P ; 6. 97% (6. 94%)
TOF- Massスペクトル(MZZ) :448(分子量計算値 =446. 51)
[0146] そして、上記と同様の四つ口フラスコに、 AHP22. 3g (50. Ommol)と、 TEA20.
2g (200mmol)と、蒸留ジメチルホルムアミド(以下、 DMFとする) 150mlとを入れて 窒素下に置き、 0〜5°Cにてかき混ぜながら DMFlOOmlにジフエ-ルホスホン酸クロ リド 34. Og (150mmol)を溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後 、同温度で 3時間、常温で 6時間、 80°Cで 24時間反応させた。その後、減圧乾固さ せた後、クロ口ホルムに溶解して水洗し、クロ口ホルム相を無水硫酸ナトリウムで脱水 、ろ過、減圧乾固して目的の化合物を 51. 3g (収率 91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II- 1)の構造であることが確認できた。
[0147] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1604, 1500、 v 1200
(CH2 = CH) (ring) (P=0)
〜1300、 v 1210, 950、(v 3200は消失)
(P-O-C) (OH)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C-H 7. 0〜7. 5 (39H)、ァリル C- H 3. 5〜4. 0、 5. 1〜6. 0 (15H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1049, 1050, 1051(分子量計算値 = 1047. 01) [0148] (実施例 8)〔化合物(II -2)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 300mlの四つ口フラスコに、フエ-ルホスホン酸ジ クロリド 94. 95g (500mmol)と、 THF200mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて かき混ぜながらジァリルアミン 48. 6g (500mmol)と、 TEA50. 5g (500mmol)の混 合液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反 応させた。ァミン塩酸塩をろ去して減圧濃縮した後、減圧分留して 176〜180°CZ4 mmHgの成分を採取し、フエ-ルホスホン酸モノ (N, N-ジァリル)アミドモノクロリド(
以下、 PPACとする)を 108. 5g (収率 85%)得た。
上記と同様の四つ口フラスコに、 AHP (実施例 7参照) 22. 3g(50. Ommol)、 TEA 20. 2g (200mmol)、及び蒸留 DMF (ジメチルホルムアミド) 100mlを入れて窒素下 に置き、 0〜5°Cにてかき混ぜながら DMF50mlに PPAC12. 8g (50. Ommol)を溶 解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 3時間、常温で 6 時間、 80°Cで 24時間反応させた。続いて、 0〜5°Cにて力き混ぜながら窒素下にて、 DMFlOOmlにジフエ-ルリン酸クロリド 26. 9g (lOOmmol)を溶解させた溶液を滴 下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 3時間、常温で 6時間、 80°Cで 24 時間反応させた。その後、減圧乾固させた後、クロ口ホルムに溶解して水洗し、クロ口 ホルム相を無水硫酸ナトリウムで脱水、ろ過、減圧乾固して目的の化合物を 48. 5g ( 収率 93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II -2)の構造であることが確認できた。
[0149] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1602, 1495、 v 1200
(CH2 = CH) (ring) (P=0)
〜1300、 v 1210, 980、(v 3200は消失)
(P-O-C) (OH)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C-H 7. 0〜7. 5 (34H)、ァリル C- H 3. 4〜4. 1、 5. 1〜6. 1 (25H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1132, 1133, 1134(分子量計算値 = 1130. 06) [0150] (実施例 9)〔化合物(II -3)の合成〕
2-ァリル- 4-ブロモフエノールの代わりに 4-ブロモフエノール 17. 3g (mmol)を用 いた以外は実施例 7と同様にして、トリス (4-ヒドロキシフエ-ル)ホスフィンォキシド( 以下、 HPPとする) 29. 53g (収率 90. 5%)を得た。なお、元素分析、 TOF- Massス ベクトルの測定により上記工程で得られたィ匕合物が HPPであることを確認した。
[0151] 元素分析: C ; 66. 16% (66. 25%)、H ;4. 92% (4. 84%)、0 ; 19. 62% (19.
61%) , P ; 9. 30% (9. 50%)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 328(分子量計算値 = 326. 30)
[0152] 次に、上記と同様の装置を備えた 300mlの四つ口フラスコに、ォキシ塩ィ匕リン 46.
0g (300mmol)と、 THF 100mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜなが
ら THFlOOmlに HPP16. 3g (50. Ommol)と TEAIO. lg (lOOmmol)とを溶解さ せた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時 間反応させた。その後、アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のォキシ塩化リンとを減圧 留去し、トリス [(P-ジクロロホスホリロキシ)フエ-ル]ホスフィンォキシド(以下、 DCPP Pとする)を定量的に得た。
そして、上記と同様の四つ口フラスコに、上記工程で得られた生成物(DCPPP)を 全量入れ、 THFlOOmlを加えて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら THF10 Omlにジァリノレアミン 48. 59g(500mmol)と、 TEA50. 5g (500mmol)とを溶解させ た溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間 反応させた。その後、アミン塩をろ去した後、減圧濃縮し、クロ口ホルム溶液として水 洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して目的の化合物 46. 3g (収率 86 %)を得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II -3)の構造であることが確認できた。
[0153] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625, v 1594, 1495, v 1200
(CH2 = CH) (ring) (P=0)
〜1300、 v 1210, 980、(v 3200は消失)
(P-O-C) (OH)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C-H 7. 0〜7. 5 (12H)、ァリル C- H 3. 4〜4. 1、 5. 1〜6. 1 (60H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1043, 1044, 1045(分子量計算値 = 1041. 2)
[0154] (実施例 10)〔化合物(Π-4)の合成〕
ジァリルァミンの代わりにァリルアミン 28. 6g (500mmol)を用いた以外は実施例 9 と同様にして、目的の化合物 33. 6g (収率 84%)を得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II -4)の構造であることが確認できた。
[0155] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 3280, 1640, v 1625, v 1594,
(NH) (CH2 = CH) (ring)
1495、 v 1200〜1300、 v 1210、 980 3200は消失)
(P = 0) (P-O-C) (OH)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C- H 7. 0〜7. 5 (12H)、 N- H 4. 7 ( 6H)、ァリル C- H 3. 2〜4. 3, 5. 0〜6. 1 (30H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 802, 803, 804(分子量計算値 =800. 2)
[0156] (実施例 11)〔化合物(II -5)の合成〕
ジァリルァミンの代わりにァリルアルコール 29. 0g (500mmol)を用いた以外は実 施例 9と同様にして、 目的の化合物 37. 9g (収率 94%)を得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II -5)の構造であることが確認できた。
[0157] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1594, 1495、 v 1200
(CH2 = CH) (ring) (P=0)
〜1300、 v 1210、 980 ( v 3200は消失)
(P-O-C) (OH)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C-H 7. 0〜7. 5 (12H)、ァリル C- H 3. 4〜4. 0, 5. 1〜6. 1 (30H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 808, 809, 811(分子量計算値 =806. 7)
[0158] (実施例 12)〔化合物(II -6)の合成〕
ジァリルァミンの代わりにァリルマグネシウムクロリド 50. 4g (500mmol)の THF溶 液 100mlを用いた以外は実施例 9と同様にして、 目的の化合物 33. 0g (収率 93%) を得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II -6)の構造であることが確認できた。
[0159] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1594, 1495、 v 1200
(CH2 = CH) (ring) (P=0)
〜1300、 v 1210、 980 ( v 3200は消失)
(P-O-C) (OH)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C-H 7. 0〜7. 5 (12H)、ァリル C- H 3. 5〜4. 0, 5. 2〜6. 0 (30H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 712, 713, 714(分子量計算値 = 710. 5)
[0160] (実施例 13)〔化合物(II -7)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 300mlの四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 153. 2 g (l. OOmol)と、 THFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにてかき混ぜながら ジァリルアミン 48. 6g (500mmol)と、 TEA50. 5g (500mmol)との混合液を滴下口 ートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。その 後、アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のォキシ塩化リンを減圧留去し、残渣を減圧
蒸留して、 98〜: L01°C/5mmHgの留分を集め、ジクロロホスホリル(N, N-ジァリル) アミド(以下、 DCPAとする)を 78. lg (収率 73%)得た。
上記と同様の四つ口フラスコに、 DCPA64. 2g (300mmol)と、 THFlOOmlとを 入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら、 THFlOOmlに HPP (実施例 9参 照) 16. 3g (50. Ommol)と、 TEA30. 3 (300mmol)とを溶解させた溶液を滴下口 ートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。その 後ァミン塩をろ去した後、溶媒と過剰の DCPAを減圧留去し、残渣の全量を上記装 置に戻して THFlOOmlをカ卩えて溶解させた。次に、窒素下に置いて、 0〜5°Cにて かき混ぜながら THFlOOmlにァリルアミン 34. 3g (600mmol)と、 TEA30. 3g (30 Ommol)とを溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6 時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧 留去し、残渣をクロ口ホルムに溶解、水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾 固して、目的の化合物を 40. lg (収率 87%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II -7)の構造であることが確認できた。
[0161] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 3280、 1640, V 1625、 v 1594,
(NH) (CH2 = CH) (ring)
1495、 v 1200〜1300、 v 1210、 980 3200は消失)
(P = 0) (P-O-C) (OH)
ェ!!- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C- H 7. 0〜7. 5 (12H)、 N- H 4. 7 ( 3H)、ァリル C- H 3. 4〜4. 2、 5. 0〜6. 0 (45H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 923, 924, 925(分子量計算値 = 921. 0)
[0162] (実施例 14)〔化合物(II -8)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、金属マグネシウム 12. 2g (500mmol)と、ジェチルエーテル 250mlとを入れて窒素下に置き、少量のヨウ 素を加えて活性化させ、穏やかな沸点還流状態が保たれるように塩ィ匕べンジル 63. 3g (500mmol)を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後沸点還流下に 3時間、続 いて常温で 3時間反応させた。この間に金属マグネシウムは全て反応して、ベンジル マグネシウムクロリドの溶液が定量的に得られた。
次に、上記と同様の四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 153. 3g (l. OOmol)とジェ
チルエーテル 100mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら上記ェ 程で得られたベンジルマグネシウムクロリド溶液全量を滴下ロートよりゆっくり加え、滴 下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。その後、マグネシウム塩をろ 去した後、溶媒と過剰のォキシ塩化リンを減圧留去、残渣を減圧蒸留して 99〜102 °C/5mmHgの留分を集め、ベンジルホスホン酸ジクロリド(以下、 BzPDCとする)を 8 1. 5g (収率 78%)得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により、この化合物が B zPDCであることを確認した。
[0163] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 211, 212, 213(分子量計算値 = 209. 0)
[0164] 次に、上記と同様の四つ口フラスコに、 BzPDC52. 3g (250mmol)と、 THF150 mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら THF150mlにジァリルアミ ン 24. 3g (250mmol)と TEA50. 5g (500mmol)とを溶解させた溶液を滴下ロート よりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。その後 、アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣を減圧蒸留して 128 〜133°C/4mmHgの留分を集め、ベンジルホスホン酸モノ(N, N-ジァリル)アミドモ ノクロリド(以下、 BzPACとする)を 51. 3g (収率 76%)得た。なお、 TOF- Massスぺ タトルの測定により、この化合物が BzPACであることを確認した。
[0165] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 271, 272, 273(分子量計算値 = 269. 8)
[0166] 次に、上記と同様の四つ口フラスコに HPP (実施例 9参照) 16. 3g (50. Ommol)と 、 DMFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにてかき混ぜながら DMF 100ml に BzPAC40. 5g (150mmol)と TEA30. 3g (300mmol)とを溶解させた溶液を滴 下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。 アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口ホルムに溶解し て水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、目的の化合物を 35. 2g ( 収率 91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II -8)の構造であることが確認できた。
[0167] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1594, 1495、 v 1200
(CH2 = CH) (ring) (P=0)
〜1300、 v 1210、 980 ( v 3200は消失)
H- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C-H 7. 0〜7. 5 (27H)、ベンジル- C H - 4. 7 (6H)、アジル C- H 3. 4〜4. 2, 5. 0〜6. 0 (30H)
2
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1028, 1029, 1030(分子量計算値 = 1026. 0) [0168] (実施例 15)〔化合物(II - 9)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、金属マグネシウム 12. 2g (500mmol)と、ジェチルエーテル 150mlとを入れて窒素下に置き、少量のヨウ 素をカ卩えて活性ィ匕し、穏やかな沸点還流状態が保たれるように a -プロモナフタレン 103. lg (500mmol)のジェチルエーテル溶液 300mlを滴下ロートよりゆっくり加え 、滴下終了後沸点還流下に 6時間、続いて常温で 6時間反応させた。この間に金属 マグネシウムは全て反応して、 α -ナフチルマグネシウムブロミドの溶液が定量的に得 られた。
そして、上記と同様の装置を備えた 1000の ml四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 1 53. 3g (l . OOmol)とジェチルエーテル 100mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てカゝき混ぜながら上記工程で得られた a -ナフチルマグネシウムプロミド溶液全量を 滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させ た。その後、マグネシウム塩をろ去した後、溶媒と過剰のォキシ塩化リンを減圧留去し て、 α -ナフチルホスホン酸ジクロリド(以下、 Q;NPDCとする)を117. 6g (収率 96% )得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により上記化合物が a NPDCであること を確認した。
[0169] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 256, 257, 258(分子量計算値 = 254. 0)
[0170] 次に、上記と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、 a NPDC61. 3g (2 50mmol)と、 THF 150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながらァリ ルマグネシウムクロリド 50. 4g (500mmol)の THF溶液を 200ml滴下ロートよりゆつ くり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。その後、マグネ シゥム塩をろ去した後、溶媒を減圧留去、残渣を減圧蒸留して 158〜162°C/0. 4m mHgの留分を集め、 P-ァリル, P- ( a -ナフチル)ホスホン酸クロリド(以下、 A α NP Cとする)を 66. 7g (収率 84%)得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により、こ の化合物が A a NPCであることを確認した。
[0171] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 253, 254, 255 (分子量計算値 = 250. 7)
[0172] そして、上記と同様の装置を備えた 300mlの四つ口フラスコに、 HPP (実施例 9参 照) 16. 3g (50. Ommol)と、 TEA30. 3g (300mmol)と、 DMFlOOmlとを入れて 窒素下に置き、 0〜5°Cにてかき混ぜながら A a NPC37. 6g (150mmol)の DMF溶 液 150mlを滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時 間反応させた。アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口 ホルムに溶解して水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、目的の化 合物を 46. 6g (収率 91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II -9)の構造であることが確認できた。
[0173] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1603、 1594, 1495、 v
(CH2 = CH) (ring) (P =
1200〜1300、 v 1210、 980 ( v 3200は消失)
O) (P-O-C) (OH)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm):芳香族 C-H 6. 8〜7. 5 (33H)、ァリル C- H 3 . 4〜4. 2, 5. 0〜6. 1 (15H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 970, 971, 972(分子量計算値 = 968. 9)
[0174] (実施例 16)〔化合物(II- 10)の合成〕
α -ブロモナフタレンの代わりに -プロモナフタレン 103. lg (500mmol)を用い た以外は実施例 15と同様にして |8 -ナフチルホスホン酸ジクロリド (以下、 iS NPDCと する)を 116. 5g (収率 95%)得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定によりこの化 合物が j8 NPDCであることを確認した。
[0175] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 256, 257, 258(分子量計算値 = 254. 0)
[0176] 次に、上記と同様の四つ口フラスコに、 j8 NPDC61. 3g (250mmol)と、 THF150 mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら THF200mlにァリルアミン 28. 6g (500mmol)と TEA101g (l. OOmol)を溶解させた溶液を、滴下ロートをも ちいてゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。その 後、マグネシウム塩をろ去した後、溶媒を減圧留去、残渣を減圧蒸留して 168〜170 °C/0. 4mmHgの留分^^め、 j8 -ナフチルホスホン酸モノ(N-ァリル)アミドモノク ロリド(以下、 jS NPAC)を 97. 9g (収率 74%)得た。なお、 TOF- Massスペクトルの
測定により、この化合物が 13 NPACであることを確認した。
[0177] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 266, 267, 268 (分子量計算値 = 264. 5)
[0178] 次に、上記と同様の四つ口フラスコに、 HPP (実施例 9参照) 16. 3g (50. Ommol) と、 TEA30. 3g (300mmol)と、 DMFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てかき混ぜながら J3 NPAC39. 7g (l 50mmol)の DMF溶液 150mlを滴下ロートよ りゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩を ろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口ホルムに溶解して水洗、無 水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、 目的の化合物を 50. Og (収率 92%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(11- 10)の構造であることが確認できた。
[0179] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 3320、 1640, V 1625、 v 1600,
(NH) (CH2 = CH) (ring)
1495、 v 1200〜1300、 v 1210、 980 3200は消失)
(P = 0) (P-O-C) (OH)
^-NMR^ぺク卜ル( δ、 ppm):芳香族 C-H 6. 9〜7. 5 (33H)、 N-H 4. 8 (3 H)、ァリル C- H 3. 4〜4. 2、 5. 0〜6. 1 (15H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1015, 1016, 1017(分子量計算値 = 1013. 95) [0180] (実施例 17)〔ィ匕合物(Π- 11)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、金属マグネシウム 12. 2g (500mmol)と、ジェチルエーテル 250mlとを入れて窒素下に置き、少量のヨウ 素を加えて活性化させ、穏やかな沸点還流状態が保たれるように、ジェチルエーテ ル 150mlに 4-ブロモビフエ-ル 116. lg (500mmol)を溶解させた溶液を滴下ロー トよりゆっくり加え、滴下終了後沸点還流下に 3時間、続いて常温で 3時間反応させた 。この間に金属マグネシウムは全て反応して、 4-ビフエ-ルマグネシウムブロミドの溶 液が定量的に得られた。
次に、上記と同様の四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 153. 3g (l. OOmol)とジェ チルエーテル 100mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら上記ェ 程で得られた 4 -ビフエ-ルマグネシウムクロリド溶液の全量を滴下ロートよりゆっくりカロ え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。その後、マグネシウム
塩をろ去した後、溶媒と過剰のォキシ塩化リンを減圧留去し、残渣を石油エーテル Z ベンゼン混合溶媒より再結晶して白色針状結晶として 4 -ビフエニルホスホン酸ジクロ リド(以下、 BPPDCとする)を 97. 6g (収率 72%)得た。なお、 TOF- Massスペクトル の測定により、この白色針状結晶が BPPDCであることを確認した。
[0181] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 273, 274, 275 (分子量計算値 = 271. 1)
[0182] そして、上記と同様の四つ口フラスコに、 BPPDC67. 8g (250mmol)と、 THF15 Omlとを入れ、ァリルマグネシウムクロリド 25. 2g (250mmol)の THF溶液 100mlを 滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させ た。その後、マグネシウム塩をろ去した後、溶媒を減圧留去、石油エーテル Zベンゼ ン混合溶媒より再結晶して白色針状結晶として P-ァリル, P- (4-ビフヱ-ル)ホスホン 酸クロリド(以下、 ABPCとする)を 59. 5g (収率 86%)得た。なお、 TOF- Massスぺ タトルの測定により、この化合物が ABPCであることを確認した。
[0183] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 268, 269, 270 (分子量計算値 = 276. 7)
[0184] 次に、上記と同様の四つ口フラスコに、 HPP (実施例 9参照) 16. 3g (50. Ommol) と、 TEA30. 3g (300mmol)と、 DMFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てかき混ぜながら ABPC41. 5g ( 150mmol)の DMF溶液 150mlを滴下ロートよりゆ つくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩をろ 去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口ホルムに溶解して水洗、無 水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、目的の化合物を 46. 6g (収率 91%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II- 11)の構造であることが確認できた。
[0185] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1603, 1594, 1495、 v
(CH2 = CH) (ring) (P =
1200〜1300、 v 1210、 980 ( v 3200は消失)
O) (P-O-C) (OH)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm):芳香族 C-H 7. 0〜7. 5 (39H)、ァリル C- H 3 . 3〜4. 2, 5. 0〜6. 1 (15H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1049, 1050, 1051(分子量計算値 = 1047. 1) [0186] (実施例 18)〔化合物(Π- 12)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、フエ-ルリン酸ジクロリ ド 105. 5g (500mmol)と、 THF150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにてかき 混ぜな力 Sら、 THF150mlにジァリノレアミン 48. 6g (500mmol)と、 TEA101g (l. 00 mol)とを溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時 間、常温で 24時間反応させた。アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留 去、残渣を減圧蒸留して 122〜126°CZ5mmHgの留分を採取し、フエ-ルリン酸モ ノ(N, N-ジァリル)アミドモノクロリド(以下、 POPACとする)を 116. 8g (収率 86%) 得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により、この化合物が POPACであることを 確認した。
[0187] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 273, 274, 275 (分子量計算値 = 271. 1)
[0188] 次に、上記と同様の四つ口フラスコに、 HPP (実施例 9参照) 16. 3g (50. Ommol) と、 TEA30. 3g (300mmol)と、 DMFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てかき混ぜながら POPAC40. 8g ( 150mmol)の DMF溶液 150mlを滴下ロートょり ゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩を ろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口ホルムに溶解して水洗、無 水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、目的の化合物を 46. 6g (収率 91%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II - 12)の構造であることが確認できた。
[0189] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1600, 1595, 1495, v
(CH2 = CH) (ring) (P =
1200〜1300、 v 1210、 980
o) (p-o-c)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm):芳香族 C-H 7. 0〜7. 5 (27H)、ァリル C- H 3 . 3〜4. 2, 5. 0〜6. 1 (30H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1034, 1035, 1036(分子量計算値 = 1032. 0) [0190] (実施例 19)〔ィ匕合物(Π- 13)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 230. 0 g (l. 50mol)と THF150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら、 THF200mlにべンジノレアノレコーノレ 108. 2g (l. OOmol)と、 TEA152g (l. 50mol)
とを溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常 温で 24時間反応させた。生成するァミン塩をろ去した後、過剰のォキシ塩化リン、 T EAと溶媒を減圧留去し、ベンジルリン酸ジクロリド(以下、 BzOPDCとする)を 207. 0 g (収率 92%)得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により、この化合物が BzOP DCであることを確認した。
[0191] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 227, 228, 229 (分子量計算値 = 225. 0)
[0192] 次に、上記と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、 BzOPDC112. 5g ( 500mmol)と、 THF 150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら、 THF150mlに、ジァリノレアミン 48. 6g (500mmol)と、 TEA101g (l. OOmol)とを 溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去し、残渣 としてべンジルリン酸モノ(N, N-ジァリル)アミドモノクロリド(以下、 BzOPACとする) を 125. 7g (収率 88%)得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により、この化合 物が BzOPACであることを確認した。
[0193] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 287, 288, 289(分子量計算値 = 285. 7)
[0194] そして、上記と同様の四つ口フラスコに、 HPP (実施例 9参照) 16. 3g (50. Ommo 1)と、 TEA30. 3g (300mmol)と、 DMFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てかき混ぜながら BzOPAC42. 9g (150mmol)の DMF溶液 150mlを滴下ロートよ りゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩を ろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口ホルムに溶解して水洗、無 水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、目的の化合物を 46. 6g (収率 91%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II - 13)の構造であることが確認できた。
[0195] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1603, 1594, 1495、 v
(CH2 = CH) (ring) (P =
1200〜1300、 v 1210、 980
o) (p-o-c)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm):芳香族 C-H 6. 9〜7. 5 (27H)、ベンジル -CH
2
- 4. 4 (6H)、ァリル C- H 3. 3〜4. 2, 5. 0〜6. 2 (30H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1076, 1077, 1078(分子量計算値 = 1074. 1) [0196] (実施例 20)〔化合物(II - 14)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 230. 0 g (l. 50mol)と THF150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら、 THF200mlに α -ナフ卜一ノレ 144. 2g (l. OOmol)と、 TEA152g (l . 50mol)とを溶 解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 2 4時間反応させた。生成するァミン塩をろ去した後、過剰のォキシ塩化リン、 TEAと溶 媒を減圧留去し、 α -ナフチルリン酸ジクロリド(以下、 a NOPDCとする)を 245. 3g ( 収率 94%)得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により、この化合物が α NOP DCであることを確認した。
[0197] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 263, 264, 265 (分子量計算値 = 261. 0)
[0198] 次に、上記と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、 a NOPDC130. 5 g (500mmol)と、 THF 150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜなが ら、 THF150mlに、ジァリノレアミン 48. 6g (500mmol)と、 TEA101g (l. OOmol)を 溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去し、残渣 として α -ナフチルリン酸モノ(N, Ν-ジァリル)アミドモノクロリド(以下、 a NOPAC) を 146. 4g (収率 91%)得た。なお、 TOF- Massスペクトルの測定により、この化合 物が α NOPACであることを確認した。
[0199] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 323, 324, 325(分子量計算値 = 321. 8)
[0200] そして、上記と同様の四つ口フラスコに、 ΗΡΡ (実施例 9参照) 16. 3g (50. Ommo 1)と、 TEA30. 3g (300mmol)と、 DMFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てかき混ぜながら a NOPAC48. 3g (150mmol)の DMF溶液 150mlを滴下ロート よりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩 をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口ホルムに溶解して水洗、 無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、目的の化合物を 52. 6g (収率 89% )得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以
下の通りであり、上記の化合物(11- 14)の構造であることが確認できた。
[0201] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1604, 1595, 1495, v
(CH2 = CH) (ring) (P =
1200〜1300、 v 1210
(p-o-c) 、 980
0)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm):芳香族 C-H 7. 0〜7. 6 (33H)、ァリル C- H 3 . 3〜4. 2, 5. 0〜6. 1 (30H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1184, 1185, 1186(分子量計算値 = 1182. 2) [0202] (実施例 21)〔化合物(II- 15)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 230. 0 g (l. 50mol)と THF150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら、 THF200mlに j8 -ナフ卜一ノレ 144. 2g (l. OOmol)と、 TEA152g (l . 50mol)を溶 解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 2 4時間反応させた。生成するァミン塩をろ去した後、過剰のォキシ塩化リン、 TEAと溶 媒を減圧留去し、 j8 -ナフチルリン酸ジクロリド(以下、 j8 NOPDCとする) 237. 5g ( 収率 91%)を得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により、この化合物が β NO PDCであることを確認した。
[0203] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 263, 264, 265 (分子量計算値 = 261. 0)
[0204] 次に、上記と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、 j8 NOPDC130. 5 g (500mmol)と、 THF 150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜなが ら、 THF150mlにジァリノレアミン 48. 6g (500mmol)と TEA101g (l. OOmol)とを 溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去し、残渣 として j8 -ナフチルリン酸モノ(N, N-ジァリル)アミドモノクロリド(以下、 jS NOPACと する)を 144. 8g (収率 90%)得た。なお、 TOF- Massスペクトルの測定により、この 化合物が β NOPACであることを確認した。
[0205] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 323, 324, 325 (分子量計算値 = 321. 8)
[0206] そして、上記と同様の四つ口フラスコに、 ΗΡΡ (実施例 9参照) 16. 3g (50. Ommo
1)と、 TEA30. 3g (300mmol)と、 DMFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てかき混ぜながら j8 NOPAC48. 3g (150mmol)の DMF溶液 150mlを滴下ロート
よりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩 をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口ホルムに溶解して水洗、 無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、目的の化合物を 53. 8g (収率 91% )得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II - 15)の構造であることが確認できた。
[0207] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1600, 1594, 1495、 v
(CH2 = CH) (ring) (P =
1200〜1300、 v 1210、 980
o) (p-o-c)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm):芳香族 C-H 6. 9〜7. 5 (33H)、ァリル C- H 3 . 3〜4. 2, 5. 0〜6. 2 (30H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1184, 1185, 1186(分子量計算値 = 1182. 2) [0208] (実施例 22)〔ィ匕合物(Π- 16)の合成〕
実施例 7と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、ォキシ塩化リン 230. 0 g (l. 50mol)と THF150mlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら、 THF200mlに 4-ビフエニノレアノレコーノレ 170. 2g (l. OOmol)と、 TEA152g (l. 50 mol)とを溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時 間、常温で 24時間反応させた。生成するァミン塩をろ去した後、過剰のォキシ塩化リ ン、 TEAと溶媒を減圧留去し、 4-ビフエ-ルリン酸ジクロリド(以下、 BPOPDCとする )を 267. Og (収率 93%)得た。なお、 TOF- Massスペクトルの測定により、この化合 物が BPOPDCであることを確認した。
[0209] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 289, 290, 291 (分子量計算値 = 287. 1)
[0210] 次に、上記と同様の装置を備えた 500mlの四つ口フラスコに、 BPOPDC143. 6g
(500mmol)と、 THF 150mlを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cにて力き混ぜながら、 THF150mlに、ジァリノレアミン 48. 6g (500mmol)と、 TEA101g (l. OOmol)を溶 解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 2 4時間反応させた。アミン塩をろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去し、残渣と して 4-ビフエ-ルリン酸モノ(N, N-ジァリル)アミドモノクロリド(以下、 BPOPACとす る)を 156. 5g (収率 90%)得た。なお、 TOF-Massスペクトルの測定により、この化
合物が BzOPACであることを確認した。
[0211] TOF-Massスペクトル(MZZ) : 349, 350, 351 (分子量計算値 = 347. 8)
[0212] そして、上記と同様の四つ口フラスコに、 HPP (実施例 9参照) 16. 3g (50. Ommol )と、 TEA30. 3g (300mmol)と、 DMFlOOmlとを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てかき混ぜながら BPOPAC52. 2g (150mmol)の DMF溶液 150mlを滴下ロートよ りゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 6時間、常温で 24時間反応させた。アミン塩を ろ去した後、溶媒と過剰のアミンを減圧留去、残渣をクロ口ホルムに溶解して水洗、無 水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固して、 目的の化合物を 57. 3g (収率 91%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II- 16)の構造であることが確認できた。
[0213] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1603, 1594, 1495、 v
(CH2 = CH) (ring) (P =
1200〜1300、 v 1210、 980
o) (p-o-c)
1H-NMR ^ベクトル( δ、 ppm):芳香族 C-H 6. 8〜7. 5 (39H)、ァリル C- H 3 . 3〜4. 2, 5. 0〜6. 1 (30H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1262, 1263, 1264(分子量計算値 = 1260. 3) [0214] (実施例 23)〔化合物(Π- 17)の合成〕
実施例 7と同様の四つ口フラスコに、 ΑΗΡ (実施例 7参照) 22. 3g(50. Ommol)、 T EA20. 2g (200mmol)、及び蒸留 DMFlOOmlを入れて窒素下に置き、 0〜5°Cに てかき混ぜながら窒素下にて、 DMF150ml〖こジフエ-ルリン酸クロリド 40. 3g (150 mmol)を溶解させた溶液を滴下ロートよりゆっくり加え、滴下終了後、同温度で 3時 間、常温で 6時間、 80°Cで 24時間反応させた。その後、減圧乾固させた後、クロロホ ルムに溶解して水洗し、クロ口ホルム相を無水硫酸ナトリウムで脱水、ろ過、減圧乾固 して目的の化合物を 52. 6g (収率 92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 NMR、 TOF-Massスペクトルの測定結果は以 下の通りであり、上記の化合物(II - 17)の構造であることが確認できた。
[0215] 赤外吸収スペクトル(cm—1): V 1625、 V 1602, 1495、 v 1200
(CH2 = CH) (ring) (P=0)
〜1300、 v 1210, 980、(v 3200は消失)
(P-O-C) (OH)
H- NMR ^ベクトル( δ、 ppm):フエ-ル C-H 7. 0〜7. 5 (39H)、ァリル C- H 3. 4〜4. 1、 5. 1〜6. 1 (15H)
TOF-Massスペクトル(MZZ) : 1144, 1145, 1146(分子量計算値 = 1142. 99)
[0216] <難燃剤の物性試験 >
[試験例 1]
下記の有機リンィ匕合物を、 TG/DTA6200 (セイコーインスツルメンッ社製)を用い 、試料量:5mg、昇温速度: 10°CZminの条件で昇温して熱重量曲線 (TG曲線)を 求め、また、窒素雰囲気下、 600°Cにおける炭化物生成率を測定した。下記の有機リ ン化合物の TG曲線を図 1に、また、炭化物生成率を表 1にそれぞれ記す。
[0217] [化 22]
[0218] [表 1]
化合物( I -6) 化合物 ( Π - 17) 化合物 (m - υ
リン含有率 (¾) 9.24 1 1.00 6.95
*1炭化物生成率 31.30 33.00 2.10
+|窒素雰囲気下、 600°Cにおける生 fi!率である
[0219] 上記試験結果力も明らかなように、本発明の有機リン化合物 [化合物 (1-6)、化合 物 (Π- 17) ]は、従来の有機リン化合物 [ィ匕合物 (ΙΠ- 1)]に比べて熱分解温度が高ぐ エネルギー的にも安定したィ匕合物であるので、難燃剤成分が成形加工中に気化しに くぐ樹脂加工品の成形加工性に優れており、また、リンの含有率が高ぐ更には炭 化物の生成率が高!、ので、熱 ·酸素の遮断作用の極めて大き!/、チヤ一 (熱分解残渣 )を形成しやすぐ高い難燃性を発揮することができる。
[0220] <難燃性樹脂加工品の製造 >
(実施例 24)
熱可塑性榭脂として 6Z66ナイロンコポリマー(宇部興産社製: 2123B) 47. 3質量 部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak25) 30質量部、着色剤としてカーボンブラ ック 0. 5質量部、酸ィ匕防止剤(チバガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 2質量部、 無機充填剤として粒径 2 μ mのタルク(日本タルク社製) 6質量部とナノ粒径のクレー( 日商岩井ベントナイト社製:ナノマー 1. 30T) 5質量部、難燃剤として上記式 (1-4)の 反応性難燃剤 11質量部を配合し、サイドフロー型 2軸押出機(日本製鋼社製)で 28 0°Cで混練して榭脂ペレットを得て 105°C、 4時間乾燥した後、上記榭脂ペレットを射 出成形機 (FUNUC社製:ひ 50C)を用いて榭脂温度 280°C、金型温度 80°Cの条件 で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト 60を線源とした γ線を 25kGy照射して実施例 24 の樹脂加工品を得た。
[0221] (実施例 25)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020B) 51. 3質量部、強化繊維 としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊維 (旭ファイバ 一グラス社製: 03. JAFT2Ak25) 25質量部、着色剤としてカーボンブラック 0. 5質
量部、酸ィ匕防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 2質量部、無機充填 剤として粒径 2 μ mのタルク(日本タルク社製) 6質量部及びナノ粒径のクレー(日商 岩井ベントナイト社製:ナノマー 1. 30T) 5質量部、難燃剤として上記式 (1-3)の反応 性難燃剤 12質量部を配合し、サイドフロー型 2軸押出機(日本製鋼社製)で 280°C で混練して榭脂ペレットを得て 105°C、 4時間乾燥した後、上記榭脂ペレットを射出 成形機 (FUNUC社製:ひ 50C)を用いて榭脂温度 280°C、金型温度 80°Cの条件で 成形した。
その後、上記成形品に、コバルト 60を線源とした γ線を 25kGy照射して実施例 25 の樹脂加工品を得た。
[0222] (実施例 26)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020B) 45. 3質量部、無機充填 剤として粒径 2 μ mのタルク(日本タルク社製) 10質量部及びナノ粒径のクレー(日商 岩井ベントナイト社製:ナノマー 1. 30T) 5質量部、着色剤としてカーボンブラック 0. 5質量部、難燃剤として上記式 (1-3)の反応性難燃剤 8質量部及び上記式 (1-5)の 反応性難燃剤 6質量部、酸ィ匕防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 2 質量部を加えて混合した。
280°Cに設定したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて上記の混合物を溶融し、更 に、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak25) 25質量部を、押出し混練を用いてサ イドから溶融した上記の混合物に混ぜ込み榭脂ペレットを得た後、上記榭脂ペレット を 105°Cで 4時間乾燥させたのち、射出成形機 (FUNUC社製:《50 を用いてシ リンダ一温度 280°C、金型温度 80°C、射出圧力 78. 4MPa、射出速度 120mmZs 、冷却時間 15秒の一般的な条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト 60を線源とした γ線を 25kGy照射して実施例 26 の樹脂加工品を得た。
[0223] (実施例 27)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製 : 2020B) 46. 3質量部、難燃剤と して上記式 (1-4)の反応性難燃剤 8質量部及び有機リン系の添加型難燃剤 (三光株
社製: BCA) 5質量部を用いた以外は実施例 26と同様の条件で、実施例 27の榭脂 加工品を得た。
[0224] (実施例 28)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020B) 45. 2質量部、無機充填 剤として粒径 2 μ mのタルク(日本タルク社製) 6質量部及びナノ粒径のクレー(日商 岩井ベントナイト社製:ナノマー 1. 30T) 5質量部、着色剤としてカーボンブラック 0. 5質量部、難燃剤として上記式 (1- 1)の反応性難燃剤 9質量部、多官能環状化合物( 日本化成社製: TAIC) 2質量部、有機リン系の添加型難燃剤 (三光化学社製: BCA ) 7質量部、酸ィ匕防止剤(チバガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 3質量部をカロえ て混合した。
280°Cに設定したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて上記の混合物を溶融し、更 に、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak25) 25質量部を、押出し混練を用いてサ イドから溶融した上記の混合物に混ぜ込み榭脂ペレットを得た後、上記榭脂ペレット を 105°Cで 4時間乾燥させたのち、射出成形機 (FUNUC社製:《50 を用いてシ リンダ一温度 280°C、金型温度 80°C、射出圧力 78. 4MPa、射出速度 120mmZs 、冷却時間 15秒の一般的な条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト 60を線源とした γ線を 25kGy照射して実施例 28 の樹脂加工品を得た。
[0225] (実施例 29)
熱可塑性榭脂としてポリブチレンテレフタレート榭脂 (東レ株式会社製:トレコン 140 1X06) 48. 3質量部、難燃剤として上記式 (1- 1)の反応性難燃剤 10質量部、有機リ ン系の添加型難燃剤 (三光化学社製: BCA) 5質量部、多官能環状化合物 (東亜合 成社製: M-315) 2質量部、無機充填剤として粒径 2 mのタルク(日本タルク社製) 10質量部及びナノ粒径のクレー(日商岩井ベントナイト社製:ナノマー 1. 30T) 4質 量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊 維 (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak25) 20質量部、着色剤としてカーボンブ ラック 0. 5質量部、酸ィ匕防止剤(チバガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 2質量部
を用い、混練温度を 245°Cで混練りして榭脂ペレットを得た後、 130°Cで 3時間乾燥 させ、成形時のシリンダー温度を 250°Cの条件に変更した以外は実施例 26と同様の 条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧 4. 8MeVで、 照射線量 40kGyの電子線を照射して実施例 29の樹脂加工品を得た。
[0226] (実施例 30)
実施例 26の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマー BC) 3質量部を更に添加した以 外は実施例 26と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、 245°C、 8時間加熱によって反応して実施例 30の榭脂加 ェ品を得た。
[0227] (実施例 31)
実施例 28の系に、紫外線開始剤(チバガイギ一社製ィルガノックス 651とィルガノッ タス 369とを 2 : 1で併用) 7質量部を更に添加した以外は実施例 28と同様の条件で 薄肉(t: 0. 6mm厚)成形品を成形した。
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で 365nmの波長で 150mWZcm2の照度 で 2分間照射して実施例 31の樹脂加工品を得た。
[0228] (実施例 32)
主剤 (長瀬ケミカル社製: XNR4012) 100質量部に、硬化剤 (長瀬ケミカル社製: X NH4012)を 50質量部、硬化促進剤 (長瀬ケミカル社製: FD400)を 1質量部混合し て得られた熱硬化性エポキシ系モールド榭脂の 45質量部に、シリカ(富士シリシァ社 製 サイリア 530) 45質量部を分散させ、難燃剤として上記式 (1-5)の反応性難燃剤 10質量部を添加してモールド成形品を得た。
その後、上記成形品を、 100°C、 1時間反応させて実施例 32の樹脂加工品(封止 剤)を得た。
[0229] (実施例 33)
半導体封止用エポキシ樹脂 (信越ィ匕学社製:セミコート 115) 92質量部に、難燃剤 として上記式 (1-5)の反応性難燃剤 8質量部を添加してモールド成形品を得た。 その後、上記成形品を 150°C、 4時間反応させて実施例 33の樹脂加工品(封止剤
)を得た。
[0230] (実施例 34)
熱可塑性榭脂として 6Z66ナイロンコポリマー(宇部興産社製: 2123B)を 47. 3質 量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊 維 (旭ファイバーグラス社製: 03 JAFT2Ak25)を 30質量部、着色剤としてカーボン ブラックを 0. 5質量部、酸ィ匕防止剤(チバガイギ一社製:ィルガノックス 1010)を 0. 2 質量部、無機充填剤として粒径 2 μ mのタルク(日本タルク社製)を 7質量部及びナノ 粒径のクレー (日商岩井ベントナイト (株)社製:ナノマー 1. 30T)を 5質量部、難燃剤 として上記式 (Π-4)の反応性難燃剤を 10質量部配合し、サイドフロー型 2軸押出機( 日本製鋼社製)で 280°Cで混練して榭脂ペレットを得て 105°C、 4時間乾燥した後、 上記ペレットを射出成形機 (FUNUC社製:ひ 50C)を用いて榭脂温度 280°C、金型 温度 80°Cの条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト 60を線源とした γ線を 25kGy照射して実施例 34 の樹脂加工品を得た。
[0231] (実施例 35)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020B)を 46. 3質量部、無機充 填剤として粒径 2 μ mのタルク(日本タルク社製)を 7質量部及びナノ粒径のクレー( 日商岩井ベントナイト (株)社製:ナノマー 1. 30T)を 4質量部、難燃剤として上記式 (I 1-8)の反応性難燃剤を 12質量部用いた以外は、実施例 34と同様の混合組成'成形 加工条件で実施例 35の樹脂加工品を得た。
[0232] (実施例 36)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020B)を 42. 3質量部、無機充 填剤としてシリカ(富士シリシァ社製 サイリア 530) 11質量部及びナノ粒径のクレー( 日商岩井ベントナイト (株)社製:ナノマー 1. 30T) 4質量部、着色剤としてカーボンブ ラック 0. 5質量部、難燃剤として上記式 (Π-8)の反応性難燃剤を 6質量部及び上記 式 (Π - 9)の反応性難燃剤を 6質量部、酸ィ匕防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノック ス 1010) 0. 2質量部を加えて混合した。
280°Cに設定したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて上記の混合物を溶融し、更
に、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03 JAFT2Ak25) 30質量部を、押出し混練を用いてサイ ドから溶融した上記の混合物に混ぜ込み榭脂ペレットを得た後、該榭脂ペレットを 10 5°Cで 4時間乾燥させたのち、射出成形機 (FUNUC社製:《50C)を用いて榭脂温 度 280°C、金型温度 80°C、射出圧力 78. 4MPa、射出速度 120mmZs、冷却時間 15秒の一般的な条件で、電気'電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。 その後、上記成形品に、コバルト 60を線源とした γ線を 25kGy照射して実施例 36 の樹脂加工品を得た。
[0233] (実施例 37)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製 : 2020B) 38. 3質量部、難燃剤と して上記式 (Π-8)の反応性難燃剤を 9質量部及び有機リン系の添加型難燃剤 (三光 株社製: BCA)を 7質量部用いた以外は実施例 36と同様の混合組成'成形加工条 件で、実施例 37の樹脂加工品を得た。
[0234] (実施例 38)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020B) 44. 2質量部、強化繊維 としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊維 (旭ファイバ 一グラス社製: 03. JAFT2Ak25)を 25質量部、着色剤としてカーボンブラック 0. 5 質量部、酸ィ匕防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 3質量部、無機充 填剤として粒径 2 μ mのタルク(日本タルク社製) 7質量部及びナノ粒径のクレー(日 商岩井ベントナイト (株)社製:ナノマー 1. 30T) 4質量部、難燃剤として上記式 (II- 1 )の反応性難燃剤を 10質量部、多官能環状化合物(日本化成社製: TAIC)を 2質量 部及び有機リン系の添加型難燃剤(クラリアント社製: EXOLIT ΟΡ 1230)を 7質 量部用いた以外は実施例 36と同様の成形加工条件で、実施例 38の樹脂加工品を 得た。
[0235] (実施例 39)
熱可塑性榭脂としてポリブチレンテレフタレート榭脂 (東レ株式会社製:トレコン 140 1X06)を 51. 3質量部、難燃剤として上記式 (Π- 12)の反応性難燃剤を 10質量部、 有機リン系の添加型難燃剤 (三光化学社製: BCA)を 7質量部、多官能環状化合物(
東亜合成社製: M- 315)を 2質量部、無機充填剤として粒径 2 mのタルク(日本タ ルク社製) 5質量部及びナノ粒径のクレー(日商岩井ベントナイト (株)社製:ナノマー 1. 30T) 4質量部、着色剤としてカーボンブラック 0. 5質量部、酸化防止剤(チパガ ィギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 2質量部を加えて混合した。
245°Cに設定したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて上記の混合物を溶融し、更 に、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03 JAFT2Ak25) 20質量部を、押出し混練を用いてサイ ドから溶融した上記の混合物に混ぜ込み榭脂ペレットを得た後、該榭脂ペレットを 13 0°Cで 3時間乾燥させたのち、射出成形機 (FUNUC社製:《50C)を用いて榭脂温 度 250°C、金型温度 80°C、射出圧力 78. 4MPa、射出速度 120mmZs、冷却時間 15秒の一般的な条件で、電気'電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。 その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧 4. 8MeVで、 照射線量 40kGyの電子線を照射して実施例 39の樹脂加工品を得た。
[0236] (実施例 40)
実施例 36の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマー BC) 3質量部を更に添加した以 外は実施例 36と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、 245°C、 8時間加熱によって反応して実施例 40の榭脂加 ェ品を得た。
[0237] (実施例 41)
実施例 38の系に、紫外線開始剤(チバガイギ一社製ィルガノックス 651とィルガノッ タス 369とを 2 : 1で併用) 7質量部を更に添加した以外は実施例 38と同様の条件で 薄肉(t: 0. 6mm厚)成形品を成形した。
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で 365nmの波長で 150mWZcm2の照度 で 2分間照射して実施例 41の樹脂加工品を得た。
[0238] (実施例 42)
主剤 (長瀬ケミカル社製: XNR4012) 100質量部に、硬化剤 (長瀬ケミカル社製: X NH4012) 50質量部及び硬化促進剤 (長瀬ケミカル社製: FD400) 1質量部を混合 して得られた熱硬化性エポキシ系モールド榭脂の 45質量部に、シリカ(富士シリシァ
社製 サイリア 530) 45質量部を分散させ、難燃剤として上記式 (Π-5)の反応性難燃 剤を 10質量部添加してモールド成形品を得た。
その後、上記成形品を、 100°C、 1時間反応させて実施例 42の樹脂加工品(封止 剤)を得た。
[0239] (実施例 43)
半導体封止用エポキシ樹脂 (信越ィ匕学社製:セミコート 115) 94質量部に、難燃剤 として上記式 (Π- 11)の反応性難燃剤を 6質量部添加してモールド成形品を得た。 その後、上記成形品を 150°C、 4時間反応させて実施例 43の樹脂加工品(封止剤 )を得た。
[0240] (実施例 44)
熱可塑性榭脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020B) 51. 3質量部、強化繊維 としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3mmのガラス繊維 (旭ファイバ 一グラス社製: 03. JAFT2Ak25) 25質量部、着色剤としてカーボンブラック 0. 5質 量部、酸ィ匕防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 2質量部、無機充填 剤として粒径 2 μ mのタルク(日本タルク社製) 6質量部及びナノ粒径のクレー(日商 岩井ベントナイト社製:ナノマー 1. 30T) 5質量部、難燃剤として上記式 (1-6)の反応 性難燃剤 12質量部を配合し、サイドフロー型 2軸押出機(日本製鋼社製)で 280°C で混練して榭脂ペレットを得た後、上記榭脂ペレットを 105°Cで 4時間乾燥させたの ち、射出成形機 (FUNUC社製:《50 を用いてシリンダー温度 280°C、金型温度 80°C、射出圧力 78. 4MPa、射出速度 120mmZs、冷却時間 15秒の一般的な条 件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト 60を線源とした γ線を 25kGy照射して実施例 44 の樹脂加工品を得た。
[0241] (実施例 45)
実施例 44において、難燃剤として上記式 (11- 17)の反応性難燃剤を 12質量部用 いた以外は実施例 44と同様の混合組成 ·成形加工条件で、実施例 45の樹脂加工 品を得た。
[0242] (比較例 1〜20)
実施例 24〜43において、本発明の反応性難燃剤を配合しなカゝつた以外は、実施 例 24〜43と同様の混合'加工成形条件で、それぞれ比較例 1〜20の樹脂加工品を 得た。
[0243] (比較例 21)
実施例 28に対して、難燃剤として、有機リン系の添加型難燃剤 (三光化学社製: B CA) 20質量部のみを添加した以外は、実施例 28と同様の条件で比較例 21の榭脂 加工品を得た。
[0244] (比較例 22)
実施例 38に対して、難燃剤として、有機リン系の添加型難燃剤 (三光化学社製: B CA) 20質量部のみを添加した以外は、実施例 38と同様の条件で比較例 22の榭脂 加工品を得た。
[0245] (比較例 23)
実施例 44にお ヽて、難燃剤として下記式 (ΙΠ- 1)の反応性難燃剤を 12質量部用い た以外は実施例 44と同様の混合組成 ·成形加工条件で、比較例 23の樹脂加工品を 得た。
[0246] [化 23]
[0247] <難燃性樹脂加工品の物性試験 >
[試験例 2]
実施例 24〜43、比較例 1〜22の樹脂加工品について、難燃性試験である UL-9 4に準拠した試験片(長さ 5インチ、幅 1Z2インチ、厚さ 3. 2mm)と、 IEC60695-2 法 (GWFI)に準拠したグロ一ワイヤ試験片(60mm角、厚さ 1. 6mm)を作製し、 UL 94試験、グロ一ワイヤ試験 (IEC準拠)、はんだ耐熱試験を行った。また、すべての 樹脂加工品について 300°C X 3時間のブリードアウト試験を行った。その結果をまと めて表 2、 3に示す。
[0248] なお、 UL-94試験は、試験片を垂直に取りつけ,ブンゼンバーナーで 10秒間接炎 後の燃焼時間を記録した。更に、消火後 2回目の 10秒間接炎し再び接炎後の燃焼 時間を記録し、燃焼時間の合計と 2回目消火後の赤熱燃焼 (グロ一イング)時間と綿 を発火させる滴下物の有無で判定した。
また、グロ一ワイヤ試験は、グロ一ワイヤとして先端が割けないように曲げた直径 4m mのニクロム線 (成分:ニッケル 80%、クロム 20%)、温度測定用熱電対として直径 0 . 5mmのタイプ K (クロメル-アルメル)を用い、熱電対圧着荷重 1. 0±0. 2N、温度 8 50°Cで行った。なお、 30秒接触後の燃焼時間が 30秒以内のこと、サンプルの下の ティッシュペーパーが発火しな 、ことをもって燃焼性 (GWFI)の判定基準とした。 また、はんだ耐熱試験は、 350°Cのはんだ浴に 10秒浸漬後の寸法変形率を示した
[0249] [表 2]
はんだ耐熱試 難燃性 クランプ'に Wrド物による グ口一ワイヤ 300°C X 3時問後の
験 法変化率 (Π -9Ί) 達する火稗 脱脂綿着火 試験 ブリ一ドアゥ ト
(½)
¾施例 2 4 V 0 Iffi iffi 合格 無 4
雄例 2 5 V - 0 HIT: 合格 — 3
実施例 2 6 V - 0 tiiT: flir: •rv格 ΙΙΤΓ: 3
実施例 2 7 V— 0 tm in 合格
'支-施例 2 8 V - 0 ' Iffi 合格 ο '
¾施例 2 9 V - 0 tot 合格 6
雄例 3 0 V— 0 (in « 合格 ■iii: J 1
実施例 3 1 V - 0 : te 合格 I 8
'宾施例 3 2 V - 0 mt 合格
魏例 3 3 V - 0 )HF; 合格 慨 27
実施例 3 4 V - 0 無 ΦΓ: 合格 3
¾施例 3 5 V 0 it 格 3
ま-施例 3 6 V - 0 ^格 無 3
実施例 3 7 V― 0 ■lilt fHi: 介格 6
'雄例 3 8 V— 0 ■flit tun 格 1ΙΙΓ: (-Ϊ 実施例 3 9 V— 0 tot 合格 : te 7
¾施例 4 0 V - 0 IM ; 合格 無 1 1
実施例 4 1 V - 0 M iffi 合格 - l 実施例 4 2 V 0 JE 合格 1.9
雄例 4 3 V 0 iat iffi 合格 25
[0250] [表 3]
[0251] 表 2、 3の結果より、実施例の樹脂加工品においては、難燃性はいずれも V—0と優 れ、グロ一ワイヤ試験においてもすべて合格しており、更に、はんだ耐熱試験後の寸 法変形率も 27%以下であることがわかる。また、 300°C X 3時間後においても難燃剤 のブリードアウトは認められな力つた。
[0252] 一方、本発明の反応性難燃剤を含有しない比較例 1〜20においては、難燃性は H
Bと不充分であり、グロ一ワイヤ試験においてもすべて不合格、更に、はんだ耐熱試 験後の寸法変形率も実施例に比べて劣ることがわ力る。
[0253] また、難燃剤として添加型 (非反応型)の有機リン系難燃剤を用いた比較例 21、 22 においては、難燃性は V— 2で不充分であり、 300°C X 3時間後において難燃剤の ブリードアウトが認められた。
[0254] [試験例 3]
実施例 44、実施例 45、比較例 23の樹脂加工品について、 PHYSICA UDS 2
00 (日本シィベルヘグナー社製)を用い、温度範囲: 45〜350°C、昇温速度: 5°C/ min、駆動周波数: 1Ηζ、印加ひずみ: 0. 2%の条件で貯蔵弾性率の測定を行い、 その結果を図 2に示す。
[0255] 図 2の結果より、本発明の有機リンィ匕合物を用いた実施例 44、 45は、機械強度に 優れたものであった。
[0256] 一方、比較例 23の樹脂加工品は実施例に比べて機械強度の劣るものであった。
産業上の利用可能性
[0257] 本発明は、ハロゲンを含有しない難燃性樹脂加工品として、電気部品や電子部品 等の榭脂成形品に好適に利用できる。