明 細 書
' 反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品 技術分野
本発明は、 例えば、 樹脂成形品等に利用される難燃剤及びそれを用いた難燃性樹 脂加工品に関し、 更に詳しくは、 ハロゲンを含有しない非ハロゲン系の難燃剤に関 する。 背景技術
ポリエステルやポリアミド等の熱可塑性樹脂や、 エポキシ等の熱硬化性樹脂は、 汎用樹脂、 エンジニアリングプラスチックとして優れた成形加工性、 機械的強度、 電気特性を有していることから、 電気、 電子分野等を始めとして広く用いられてい る。 そして、 これらの樹脂成形品等の製品は、 高温による火災防止を目的とした安 全上の観点から難燃性が要求されており、 例えば、 難燃グレードとして U L 9 4の ような規格が設けられている。
一般に、 このような樹脂材料の難燃化としては、 特にハロゲン物質の添加が有効 であることが知られており、 樹脂に添加させて使用されている。 このハロゲン系難 燃剤のメカニズムは、 主に熱分解によりハロゲン化ラジカルが生成し、 このハロゲ ン化ラジカルが燃焼源である有機ラジカルを捕捉することで、 燃焼の連鎖反応を停 止させ、 高難燃性を発現させると言われている。
しかし、 ハロゲン化合物を大量に含む難燃剤は、 燃焼条件によってはダイォキシ ン類が発生する可能性があり、 環境への負荷を低減する観点から、 近年ハロゲン量 を低減させる要求が高まっている。 したがって、 ハロゲン系化合物を含有しない非 ハ口ゲン系難燃剤が各種検討されている。
このような非八口ゲン系難燃剤としては、 金属水和物や赤リン等の無機難燃剤、 リン酸エステル等の有機リン系難燃剤等が検討されているが、 水酸化アルミニウム や水酸化マグネシウムといった金属水和物の場合、 難燃性付与効果があまり高くな いので、 樹脂に多量に配合する必要がある。 したがって、 樹脂の成形性が悪くなつ たり、 得られる成形品等の機械的強度が低下しやすく、 使用可能な成形品等の用途
が限定されるという問題がある。 また、 赤りんは、 難燃効果は高いが、 分散不良に より電気特性を阻害したり、 危険ガスが発生したり、 成形性を低下するとともにブ リード現象を起こしやすい。
一方、 リン酸エステル等のリン系難燃剤としては、 例えば、 特開 2 0 0 2— 2 0 3 9 4号公報には、 ホスホリナン構造を有する酸性リン酸エステルのピぺラジン塩 もしくは C 1〜 6のアルキレンジアミン塩を難燃剤として使用することが開示され ている。
また、 特開 2 0 0 2— 8 0 6 3 3号公報には、 リン酸モノフエニル、 リン酸モノ トリル等の芳香族リン酸エステルとピぺラジン等の脂肪族ァミンとからなる塩を主 成分とする樹脂用難燃剤が開示されている。
更に、 特開 2 0 0 2— 1 3 8 0 9 6号公報には、 ハロゲンフリーの難燃処方とし て優れた難燃効果を発現させると共に、 成形品の耐熱性、 耐水性の物性に優れ、 ま た電気積層板用途における密着性に優れる難燃エポキシ樹脂を得るための難燃剤と してリン含有フエノール化合物を用いることが開示されている。
更にまた、 特開平 5— 3 3 1 1 7 9号公報には、 特に高分子化合物の安定剤、 難 燃剤として有用である、 2官能ヒドロキシル基を有する有機環状リン化合物が開示 されている。
しかしながら、 上記の特開 2 0 0 2 - 2 0 3 9 4号公報、 特開 2 0 0 2— 8 0 6 3 3号公報、 特開 2 0 0 2— 1 3 8 0 9 6号公報に用いられているようなリン酸ェ ステル化合物においては、 その難燃性が不充分であるため高濃度で配合する必要が あった。
また、 分子内に樹脂成分と反応するための反応基を有していないために、 難燃剤 成分が樹脂中を移行しやすく、 成型時に揮発して金型を汚染したり、 樹脂の表面に 難燃剤がブリードアウトするという問題があった。 このため、 樹脂加工品の熱的、 機械的、 電気的特性等を低下する原因となっていた。
更に、 特開平 5— 3 3 1 1 7 9号公報の有機環状リン化合物においては、 ェポキ シ樹脂のようなヒドロキシル基と結合できるような反応基を有する樹脂においては 反応性難燃剤として機能する。 しかし、 例えば、 通常のォレフィン樹脂のようにヒ ドロキシル基と結合できるような反応基を有しない樹脂においては架橋を形成でき ないので、 やはり難燃剤成分が樹脂中を移行しやすく、 成型時に揮発して金型を汚
染したり、 樹脂の表面に難燃剤がブリードアウトするという問題があつた。
したがって、 本発明の目的は、 樹脂への少量の添加でも難燃性、 耐熱性に優れる とともに難燃剤のブリードアウト等を防止でき、 加えて、 成形品の機械特性、 電気 特性、 寸法安定性、 成形性にも優れる、 反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂 加工品を提供することにある。 発明の開示
すなわち、 本発明の反応性難燃剤の 1つは、 樹脂との反応性を有し、 該反応によ り前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、 下記 の一般式 (l a) 又は (l b) で示される有機リン化合物を含有することを特徴と する。
O^P-X^R^-X-P^O (I a)
X-R2 X^R4
P-X-R-X-P … (I b)
X-R2 X^R4
(式 (l a) 又は (l b) 中、 Ri〜R4はそれぞれ (:!^ニじ丫1一 Y2—、 又はへ テロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 R 5はへテロ原子 を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。 ェ〜 4はそれぞれ一〇一、 τΝΗ―、 一 (CH2 = C Υ^Υ2) Ν—より選択される基を表し、 ェ〜 4の少 なくとも 1つは— ΝΗ—、 又は一 (CHg^CYi—Y2) N—を含む。 X5、 X6は それぞれ— NH—、 又は— (CHs CY1— Y2) N—を表す。 R R4又は X1 〜χ 6の少なくとも 1つは CHs^CY1— Υ2—を含む。 Y1は水素又はメチル基を 表し、 Y2は炭素数 1〜5のアルキレン基、 又は一 C〇〇_Y3—を表す。 ここで、 Y3は炭素数 2〜5のアルキレン基を表す。 )
また、 本発明の反応性難燃剤の他の 1つは、 樹脂との反応性を有し、 該反応によ
り前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、 下記 の一般式 (H a) 又は (lib) で示される有機リン化合物を含有することを特徴と する。
0-R6 0— R!
0=P-X-R-X~P=0
(Π a)
0-R7 0-R£
0-R6 0-R8
P-X-R-X-P … ヽ
-r - (n b)
(式 a) 又は (li b) 中、 R6〜R9はそれぞれ CH2 = C Y4— Y5—、 又はへ テロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 R1(1はへテロ原子 を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 X7、 X8はそれぞれ一 NH 一、 又は— (CH2 = CY4— Y5) N—を表す。 R6〜R9又は X7、 X8の少なくと も 1つは CH2 = CY4— Y5—を含む。 Y4は水素又はメチル基を表し、 Y5は炭素 数 1〜5のアルキレン基、 又は— COO— Y6—を表す。 ここで、 Y6は炭素数 2〜 5のアルキレン基を表す。 )
また、 本発明の反応性難燃剤の更に他の 1つは、 樹脂との反応性を有し、 該反応 により前記樹脂と結合することによつて難燃性を付与する反応性難燃剤であつて、 下記の一般式 (H a) 又は (lib) で示される有機リン化合物を含有することを特 徴とする。
X^R" X-R'3
O=P-O-R-O-P=O … (ma)
X-R12 X R"
(式 (Ha) 又は (lib) 中、 R"〜R
14はそれぞれ CH
2 = CY
7— Y
8—、 又はへ テロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 R
15はへテロ原子 を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。
9〜
12はそれぞれー0 一、 — ΝΗ—、 一 (CH
2 = C Υ
7-Υ
8) Ν—より選択される基を表し、 Xs X
1 2の少なくとも 1つは一 NH—、 又は一 (CH
2 = CY
7— Y
8) N—を含む。 R
n〜 R"又は X
9〜X
12の少なくとも 1つは CH
2 = CY
7— Y
8—を含む。 Y
7は水素又 はメチル基を表し、 Y
8は炭素数 1〜5のアルキレン基、 又は一 COO— Y
9—を表 す。 ここで、 Y
9は炭素数 2〜5のアルキレン基を表す。 )
また、 本発明の反応性難燃剤の更に他の 1つは、 樹脂との反応性を有し、 該反応 により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、 下記の一般式 (IVa) 又は (IVb) で示される有機リン化合物を含有することを特 徴とする。
… (IVb)
(式 (IVa) 又は (IVb) 中、 R
16〜R
19はそれぞれ
—、 又はへ テロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 R
16〜R
19の少なく とも 1つは CH
2 = CY
1()— Y
11—を含む。 R
2°はへテロ原子を含んでもよい二官能性 の芳香族炭化水素系基を表す。 Υ'
βは水素又はメチル基を表し、 Υ"は炭素数 1〜5 のアルキレン基、 又は— C〇〇— Y
12—を表す。 ここで、 Y
12は炭素数 2〜5のアル キレン基を表す。 )
なお、 以下、 上記の一般式 ( I a) と ( I b) を併せて一般式 ( I ) 、 一般式 (Π a) と.(Hb) を併せて 般式 (Π) 、 一般式 (IEa) と (IEb) を併せて一般式 (ΠΙ) 、 一般式 (IVa) と (IVb) を併せて一般式 (IV) ともいう。
上記の一般式 (I ) 〜 (IV) の反応性難燃剤によれば、 1分子内に少なくとも 1 つの末端不飽和結合を有している有機リン化合物を用いたので、 この末端不飽和結 合を、 加熱又は放射線によって樹脂と結合して反応させることができる。 これによ り、 難燃剤成分が樹脂中に安定して存在するので、 難燃剤のブリードアウトを防止 して、 少量の添加でも難燃性を長期間付与できる。
また、 1分子内に 2個のリン原子を含んでいるのでリンの含有量が高く、 難燃性 を向上できる。
また、 ヘテロ原子を含んでもよい芳香族炭化水素系基を含んでいるので分子量が 増大し、 エネルギー的にも安定化する。 これにより熱分解温度が向上するので、 樹 脂への混練、 成形時における難燃剤の気化や、 成形時の熱や剪断による難燃剤の分 解を防止でき、 成形性が向上する。 また、 炭素を多く含有することで、 樹脂分解時 にススが生成、 堆積することによって難燃 が向上する、 いわゆるチヤ一効果も得 られる。
一方、 本発明の難燃性樹脂加工品は、 上記の反応性難燃剤と、 樹脂とを含有する 樹脂組成物を固化した後、 加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難 燃剤とを反応させて得られる難燃性樹脂加工品であって、 前記難燃性樹脂加工品全 体に対して、 前記反応性難燃剤を 1〜 2 0質量%含有することを特徴とする。
本発明の難燃性樹脂加工品によれば、上記の有機リン化合物の末端不飽和結合を、 加熱又は放射線の照射によって樹脂と反応させたので、 難燃剤成分が樹脂中に安定 して存在する。 これにより難燃剤のブリードアゥ卜を防止して難燃性効果が向上す るので、 難燃性樹脂加工品全体に対する反応性難燃剤の添加量が 1〜2 0質量%と 少量であっても、 難燃性を長期間付与できる。
また、難燃剤と樹脂との結合によって、樹脂が 3次元網目構造に架橋化するので、 得られる樹脂加工品の化学的安定性、 耐熱性、 機械特性、 電気特性、 寸法安定性、 難燃性、 及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができ、 特に耐熱性と機 械強度を向上させることができる。 更に薄肉成形加工も可能になる。
上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記樹脂組成物が、 前記反応性難燃剤を 2 種類以上含有し、 少なくとも 1種類が多官能性の前記反応性難燃剤であることが好 ましい。
この態様によれば、 反応性の異なる難燃剤の併用によって架橋に要する反応速度
を制御できるので、 急激な架橋反応の進行による樹脂の収縮等を防止することがで きる。 また、 多官能性の難燃剤の含有によって、 上記の有機環状リン化合物による 均一な 3次元網目構造が形成されるので、 耐熱性、.難燃性が向上するとともに、 よ り安定した樹脂物性が得られる。
また、 上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記樹脂組成物が、 前記反応性難燃 剤以外の難燃剤を更に含有し、 該難燃剤が、 末端に少なくとも 1つの不飽和基を有 する環状の含窒素化合物であることが好ましい。
この態様によれば、 末端に少なくとも 1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合 物によっても、 難燃剤と樹脂との結合によつて樹脂が 3次元網目構造に架橋できる ので、 併用によって難燃剤全体のコストダウンを図りつつ、 得られる樹脂加工品の 化学的安定性、 耐熱性、 機械特性、 電気特性、 寸法安定性、 難燃性、 及び成形性の 全てに優れる樹脂成形品を得ることができる。 また、 窒素を含有するので、 特に榭 脂としてポリアミド系樹脂を用いた場合に樹脂との相溶性がより向上する。
また、 上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記樹脂組成物が、 前記反応性難燃 剤以外の難燃剤を更に含有し、 該難燃剤が、 反応性を有しない添加型の難燃剤であ ることが好ましい。 上記の反応性難燃剤に、 例えば、 リン酸エステル系、 メラミン 系、 水酸化金属、 シリコン系等の反応性を有しない添加型の難燃剤を併用すること によって、相乗効果により反応性難燃剤単独の場合に比べて難燃性を更に向上でき、 また、 難燃剤のコストダウンを図ることができる。
更に、 φ記の難燃性樹脂加工品においては、 前記樹脂組成物が、 難燃性を有しな いが前記樹脂との反応性を有する架橋剤を更に含有し、 該架橋剤が、 主骨格の末端 に不飽和基を有する多官能性のモノマ一又はオリゴマーであることが好ましい。 この態様によっても、 架橋剤と樹脂との結合によって、 樹脂が 3次元網目構造 架橋できるので、 得られる樹脂加工品の化学的安定性、 耐熱性、 機械特性、 電気特 性、 寸法安定性、 難燃性、 及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができ る。
また、 上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記難燃性樹脂加工品全体に対して 1〜 3 .5質量%の無機充填剤を含有することが好ましい。 なかでも、 前記無機充填 剤としてシリゲート層が積層してなる層状のクレーを含有し、 前記層状のクレーを 前記難燃性樹脂加工品全体に対して 1〜 1 0質量%含有することが好ましい。 この
態様によれば、 架橋に伴う収縮や分解を抑え、 寸法安定性に優れる樹脂加工品を得 ることができる。 また、 無機充填剤としてシリゲート層が積層してなる層状のクレ —を含有した場合には、 ナノォ一ダ一で層状のクレーが樹脂中に分散することによ り樹脂とのハイブリット構造を形成する。 これによつて、 得られる難燃性樹脂加工 品の耐熱性、 機械強度等が向上する。
更に、 上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記難燃性樹脂加工品全体に対して 5〜4 0質量%の強化繊維を含有することが好ましい。 この態様によれば、 強化繊 維の含有により、 樹脂加工品の引張り、 圧縮、 曲げ、 衝撃等の機械的強度を向上さ せることができ、 更に水分や温度に対する物性低下を防止することができる。 また、 上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、 線量 1 0 k G y以上の電子線又はァ線の照射によって反応して得られることが好ま しい。 この態様によれば、 樹脂を成形等によって固化した後に、 放射線によって架 橋できるので、 樹脂加工品を生産性よく製造できる。 また、 上記範囲の線量とする ことにより、 線量不足による 3次元網目構造の不均一な形成や、 未反応の架橋剤残 留によるブリードアウトを防止できる。 また、 特に、 照射線量を 1 0〜4 5 k G y とすれば、 線量過剰によって生じる酸化分解生成物に起因する、 樹脂加工品の内部 歪みによる変形や収縮等も防止できる。
更に、 上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、 前記樹脂組成物を成形する温度より 5 °C以上高い温度で反応して得られることも好 ましい。 この態様によれば、 放射線照射装置等が不要であり、 特に熱硬化性樹脂を 含有する樹脂組成物において好適に用いることができる。
また、 上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記難燃性樹脂加工品が、 成形品、 塗膜、 封止剤より選択される 1つであることが好ましい。 本発明の難燃性樹脂加工 品は、上記のように優れた難燃性を有し、しかもプリ一ドアウトを防止できるので、 通常の樹脂成形品のみならず、 コーティング剤等として塗膜化したり、 半導体や液 晶材料等の封止剤としても好適に用いられる。
更に、 上記の難燃性樹脂加工品においては、 前記難燃性樹脂加工品が、 電気部品 又は電子部品として用いられるものであることが好ましい。 本発明の難燃性樹脂加 ェ品は、 上記のように、 耐熱性、 機械特性、 電気特性、 寸法安定性、 難燃性、 及び 成形性の全てに優れるので、 特に上記の物性が厳密に要求される、 電気部品、 電子
部品として特に好適に用いられる。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明について詳細に説明する。 まず、 本発明の反応性難燃剤について説 明する。
本発明の反応性難燃剤は、 樹脂との反応性を有し、 該反応により前記樹脂と結合 することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であり、 具体的には、 下記の一般 式 (I a) 〜 (IVb) で示される有機リン化合物であることを特徴としている。
X4' X^R3
P-X^R-X-P … (I b)
X-R2 X-R4
(式 ( l a) 又は (l b) 中、 Ri R4はそれぞれ CH2 = C Y1— Y2—、 又はへ テロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 R 5はへテロ原子 を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。 X 1〜 X 4はそれぞれ一〇一、 一 NH―、 - (CH2 = C Y1- Y2) N—より選択される基を表し、 Xi〜X4の少 なくとも 1つは— NH―、 又は— ((: ^^ニじ 丄—丫2) N—を含む。 X5、 X6は それぞれ— NH—、 又は— (( !^ニ 丫丄 —丫 2) N—を表す。 尺1〜!^4又は X1 〜X6の少なくとも 1つは CH2 = C Y1— Y2—を含む。 Y1は水素又はメチル基を 表し、 Y2は炭素数 1〜5のアルキレン基、 又は—COO— Y3—を表す。 ここで、 Y3は炭素数 2〜5のアルキレン基を表す。 )
P-X^R-X^-P
(Π b)
0-R7 0-R9
(式 (H a) 又は (li b) 中、 R6〜R9はそれぞれ CH2 = CY4— Y5—、 又はへ テロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 R1Qはヘテロ原子 を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 X7、 X8はそれぞれ一 NH 一、 又は— (CH2=CY4— Y5) N—を表す。 R6〜R9又は X7、 X8の少なくと も 1つは CH2 = CY4— Y5—を含む。 Y4は水素又はメチル基を表し、 Y5は炭素 数 1〜5のアルキレン基、 又は— COO— Y6—を表す。 ここで、 Y6は炭素数 2〜 5のアルキレン基を表す。 )
X^R" X-R'3
O=P-O-R-O-P=O … (ma)
…
(式 (Ha) 又.は (Mb) 中、 R"〜R
14はそれぞれ CH
2 = CY
7_Y
8—、 又はへ テロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 R
15はへテロ原子 -を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。 X
9〜X
12はそれぞれ—〇 一、 一 NH―、 一 (CH
2 = CY
7— Y
8) N—より選択される基を表し、 X
9〜; X
1 2の少なくとも 1つは—NH—、 又は— (CH
2 = CY
7— Y
8) N—を含む。 R"〜 1^
14又は
9〜
12の少なくとも 1つは CH
2 = C Y
7— Y
8—を含む。 Y
7は水素又 はメチル基を表し、 Y
8は炭素数 1〜5のアルキレン基、 又は一 COO— Y
9—を表 す。 こ.こで、 Y
9は炭素数 2〜5のアルキレン基を表す。 )
… (IVb)
(式 (IVa) 又は (IVb) 中、 R16〜R19はそれぞれ CH2 = CY1()— Y11—、 又はへ テロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、 Rlfi〜R19の少なく とも 1つは CH2 = CY1Q— Y11—を含む。 R2°はへテロ原子を含んでもよい二官能性 の芳香族炭化水素系基を表す。 Y111は水素又はメチル基を表し、 Y11は炭素数 1〜5 のアルキレン基、 又は— COO— Y12—を表す。 ここで、 Y12は炭素数 2〜 5のアル キレン基を表す。 )
上記の有機リン化合物のうち、 一般式 (I a) 、 (H a) 、 (Ha) 、 (IVa) はリンが 5価の化合物であり、 一般式 (l b) 、 (Π b) 、 (IHb) 、 (IVb) は リンが 3価の化合物である。
上記の有機リン化合物は、 CH2=CY1— Y2—、 CH2 = CY4_Y5—、 CH2 = CY7— Y8—、 (:!^ニじ — 11一などの、 少なくとも 1つの末端不飽和結合 を有している。 ここで、 この末端不飽和結合は、 後述する加熱、 又は放射線等の照 射によって樹脂と結合するための官能基である。 なお、 この末端不飽和結合は 1分 子中に 2つ以上有していることが好ましい。
- 上記の CH2 = C Y1— Y2—基のような末端不飽和結合の具体例としては、 例え ば、 CH2 = CH - CH2 -、 CH2 = CH—CH2CH2CH2 -、 CH2 = C (CH 3) _CH2—、 CH2 = CHC〇〇一 CH2CH2—、 CH2 = C (CH3) COO— CH2CH2—等が挙げられる。
上記の 1〜!^4、 R6〜R9、 R"〜R14、 R16〜R19のへテロ原子を含んでもよい 一官能性の芳香族炭化水素系基としては、 炭素数が 6〜14の芳香族炭化水素系基 が好ましい。 このようなヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基 の具体例としては、 例えば、 一 C6HS (フエニル基) 、 一 C6H5OH (ヒドロキシ
フエニル基) 、 一 C 6H5— C6H5OH (ヒドロキシビフエニル基) 、 _ CH2C6 H5 (ベンジル基) 、 一 a- C10H7 (α-ナフチル基) 、 — 3- C 10H7 (β -ナフチ ル基) 等が挙げられる。
また、 R5、 Rl R15、 R2Qのへテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化 水素系基としては、 炭素数が 1 0〜1 4の芳香族炭化水素系基であることが好まし い。 このような炭素数が 1 0〜 1 4の芳香族炭化水素系基の具体例としては、 例え ば、 _p- C6H4— p- C6H4—、 —p-C6H4— CH2— p- C6H4 -、 -p-C6H4- C (CH3) 2— p- C6H4—、 -p-C6H4- C (=0) — p - C6H4—、 — p - C6H4 — S 02— p- C6H4—、 2, 6 -C 10H6< (2, 6—ナフチレン基) 等が挙げら れる。
なお、 本発明において、 芳香族炭化水素系基とは、 例えば上記のフエ二ル基ゃ一 p - C6H4— p_C6H4—のような芳香族炭化水素基のみならず、例えば上記のヒドロ キシフエニル基や— p_C6H4— S 02_p- C6H4—のような、 芳香族炭化水素基に 加えて更に酸素や硫黄等のへテロ原子を含んだ基も含む意味である。
上記の一般式 ( I a) の有機リン化合物としては、 具体的には、 例えば、 下記の 構造式 (l a— l) 〜 ( I a— 2 1) で示される化合物が挙げられる。 なお、 一般 式 (l b) の化合物例については、 リン原子に二重結合を介して結合する酸素原子 を除き、 リン原子が 3価である点以外は構造式 ( I a— l ) 〜 ( l a— 2 1) と同 様の構造が挙げられる。
OoSMn
( I a - 6)
(I a— 7)
( I a- 8)
( I a - 10)
CH2=CHCH2CH2CH2- HN— CH2CH2CH2CH= CH2
0=P— N ~~ Π Γ)—— ~ N— O
H H
CH2= CHCH2CH2CH2— NH HN- CH2CH2CH2CH= CH2
( I a- 12)
( I a - 1 3)
( I a - 19)
( I a - 20)
( I a— 21 ) 上記の一般式 (H a) の有機リン化合物としては、 具体的には、 例えば、 下記の 構造式 (II a_l) 〜 (H a— 12) で示される化合物が挙げられる。 なお、 一般 式 (lib) の化合物例については、 リン原子に二重結合を介して結合する酸素原子 を除き、 リン原子が 3価である点以外は構造式 (H a— 1) 〜 (H a— 12) と同 様の構造が挙げられる。
2)
(Π a - 3)
(Π a— 4)
(I a- 5)
oosnn
(Π a - 7)
(H a- 9)
(Π a - 12) 上記の一般式 (Ha) の有機リン化合物としては、 具体的には、 例えば、 下記の 構造式 (ma— l) 〜 (ma— 17) で示される化合物が挙げられる。 なお、 一般 式 ( b) の化合物例については、 リン原子に二重結合を介して結合する酸素原子 を除き、 リン原子が 3価である点以外は構造式 (Ma—l) 〜 (Ha— 17) と同 様の構造が挙げられる。
(ffl a— 5)
(Π a- 6)
(Π a- 7)
(ΙΠ a - 8)
(ΠΙ a- 10)
(ma— 11)
(IH a- 12)
(IE a— 16)
(m a— 17) 上記の一般式 (IVa) の有機リン化合物としては、 具体的には、 例えば、 下記の 構造式 (IVa— 1) 〜 (! Va— 11) で示される化合物が挙げられる。 なお、 一般 式 (IVb) の化合物例については、 リン原子に二重結合を介して結合する酸素原子 を除き、 リン原子が 3価である点以外は構造式 (IVa— 1) 〜 (IVa— 11) と同 様の構造が挙げられる。
(IVa— 1)
(IVa - 8)
CH2= CHCOOCH2CH2 - O 0— CH2CH2OOCCH=CH2 CH2= CHCOOCH2CH2- 0 0- CH2CH20 OCCH= CH2
(IVa - 10)
上記のように、 一般式 (I) 〜 (IV) の化合物は、 中央の R
5、 R
10, R
15、 R
20 と、 その両側のリン原子とが、 酸素原子又は窒素原子を介して結合されているプリ ッジ型の構造をなしている。 更に、 両端のリン'原子は、 別の酸素原子又は窒素原子 を介して、 側鎖である末端基に結合されている。 そして、 末端基の少なくとも 1つ の末端不飽和結合を含んでいる。
具体的には、 R5と、 その両側のリン原子とが、 窒素原子を介して結合し、 更に、 両端のリン原子と側鎖の末端基とが、 少なくとも 1つの別の窒素原子を介して結合 している構造が一般式 (I) である。
また、 R1Qと、 その両側のリン原子とが、 窒素原子を介して結合し、 更に、 両端 のリン原子と側鎖の末端基とが、 すべて酸素原子を介して結合している構造が一般 式 (Π) である。
また、 R15と、 その両側のリン原子とが、 酸素原子を介して結合し、 更に、 両端 のリン原子と側鎖の末端基とが、 少なくとも 1つの窒素原子を介して結合している 構造が一般式 (ΠΙ) である。
また、 R2°と、 その両側のリン原子とが、 酸素原子を介して結合し、 更に、 両端 のリン原子と側鎖の末端基とが、 すべて酸素原子を介して結合している構造が一般 式 (IV) である。
上記の一般式 (I) の化合物の合成は、 例えば、 ( I a— 1) の化合物は、 ジメ チルァセトアミド (DMAc) にォキシ塩化リンを加え、 この溶液に、 ベンジジン
(4, 4' -ジァミノビフエニル)とトリエチルァミンを溶解した DM Acの溶液を滴下 して反応させ、 次いで、 ァリルァミンとトリェチルァミンとの混合液を反応させる ことにより得ることができる。 なお、 ォキシ塩化リンの代わりに三塩化リンを用い ることにより、 一般式 (I b— l) の化合物を得ることができる。
また、 ベンジジンの代わりに、 例えば、 4,4'-ジアミノジフエ二ルエーテル、 ビス
(4—ァミノフエニル)メタン、 2, 2—ビス [4 - (N-ァリルァミノ)フエニル]プロパン、 4, 4'-ジァミノべンゾフエノン、 ビス(P-ァミノフエニル)スルホン、 2, 6-ジアミノナ フタレン等を用いることにより、 上記の一般式 ( I) における R5、 X5、 X6を変 更できる。
また、 ァリルァミンの代わりに、 例えば、 ジァリルァミン、 P-ヒドロキシァニリ ン、 N -ァリル- 4- (4' -ヒドロキシフエニル)ァニリン等を用いることにより、 上記の 一般式 ( I) における Ri R4及び Xi X4を変更できる。
また、 ォキシ塩化リンの代わりに、 例えば、 フエノキシホスホリルジクロリド、 ジフエノキシホスホリルクロリド、 ジァリロキシホスホリルクロリド、 ァリロキシ ホスホリルジクロリド等を用いることにより、 ェ〜 4にそれぞれ— O—、 — NH ―、 一 (CHs^CY1— Y2) N—より選択される基を導入することができる。 上記の一般式 (Π) の化合物の合成は、 例えば、 (n a— l) の化合物は、 ジメ チルァセトアミド (DMAc) にォキシ塩化リンを加え、 この溶液に、 ベンジジン (4, 4'-ジァミノビフエ二ル)とトリエチルァミンを溶解した DMAcの溶液を滴下
して反応させ、 次いで、 ァリルアルコールとトリエチルァミンとの混合液を反応さ せることにより得ることができる。 なお、 ォキシ塩化リンの代わりに三塩化リンを 用いることにより、 一般式 (II b_ l) の化合物を得ることができる。
また、 ベンジジンの代わりに、 例えば、 4, 4' -ジアミノジフエ二ルエーテル、 ビス ( 4 -ァミノフエニル)メタン、 2, 2—ビス [4- (N-ァリルアミノ)フエニル]プロパン、 4,4'-ジァミノべンゾフエノン、 ビス(p -ァミノフエニル)スルホン、 2, 6 -ジアミノナ フタレン等を用いることにより、 上記の一般式 (Π) における; 1D、 X7、 X8を変 更できる。
また、 ァリルアルコールの代わりに、 例えば、 0 -ァリルフエノール、 p-ァリロキ シフエノール、 α -ナフトール等を用いることにより、 上記の一般式 (Π) における R6〜R9を変更できる。
上記の一般式 (m)の化合物の合成は、 例えば、 (nia— i) の化合物は、 ジメ チルァセトアミド (DMAc) にォキシ塩化リンを加え、 この溶液に、 4, 4 '-ビフエ ニルアルコールとトリエチルァミンを溶解した DMAcの溶液を滴下して反応させ、 次いで、 ァリルァミンとトリェチルァミンとの混合液を反応させることにより得る ことができる。 なお、 ォキシ塩化リンの代わりに三塩化リンを用いることにより、 一般式 (Mb— 1) の化合物を得ることができる。
また、 4, 4'-ビフエニルアルコールの代わりに、 例えば、 ビス (4-ヒドロキシフ ェニル) エーテル、 ビス (4-ヒドロキシフエニル) メタン、 2,2—ビス (4-ヒドロ キシフエニル) プロパン、 4, 4'-ジヒドロキシベンゾフエノン、 ビス(p-ヒドロキシ フエニル)スルホン、 ナフタレン- 2,6-ジオール等を用いることにより、 上記の一般 式 (ΠΙ) における R15を変更できる。
- また、 ァリルァミンの代わりに、 例えば、 ジァリルァミン、 P-ヒドロキシ- N -ァリ ルァニリン、 4_(4'-ァリ口キシフエノキシ)ァニリン、 N -ァリル- α-ナフチルァミン 等を用いることにより、 上記の一般式 (ΠΙ) における R"〜R "及び X9〜X12を変更 できる。
また、 ォキシ塩化リンの代わりに、 例えば、 フエノキシホスホリルジクロリド、 ァリルホスホリルジクロリド等を用いることにより、 X9〜X12にそれぞれ—〇_、 一 NH—、 一 (CH^CY^Y2) N—より選択される基を導入することができ る。
上記の一般式 (IV) の化合物の合成は、 上記の化合物は、 例えば、 (JV a— 1 ) の化合物は、 ジメチルァセトアミド (D MA c ) にォキシ塩化リンを加え、 この溶 液に、 4, 4' -ビフエ二ルアルコールとトリエチルァミンを溶解した D MA cの溶液を 滴下して反応させ、 次いで、 ァリルアルコールとトリエチルァミンとの混合液を反 応させることにより得ることができる。 なお、 ォキシ塩化リンの代わりに三塩化リ ンを用いることにより、 一般式 (IV b— 1 ) の化合物を得ることができる。
また、 4, 4 ' -ビフエニルアルコールの代わりに、 例えば、 ビス (4 -ヒドロキシフ ェニル) ェ一テル、 ビス (4 -ヒドロキシフエニル) メタン、 2 , 2—ビス (4-ヒドロ キシフエニル) プロパン、 4, 4' -ジヒドロキシベンゾフエノン、 ビス(P-ヒドロキシ フエニル)スルホン、 ナフタレン- 2, 6-ジオール等を用いることにより、 上記の一般 式 (IV) における R2を変更できる。
また、 ァリルアルコールの代わりに、 例えば、 P-ァリロキシフエノール、 0-ァリ ルフエノ一ル等を用いることにより、 上記の一般式 (IV) における R 16〜R 19を変更 できる。
上記の一般式 ( I ) 〜 (! V) で示される有機リン化合物のうち、 本発明において は、 反応性の異なる 2種類以上の化合物、 すなわち、 1分子中の上記官能基の数が 異なる 2種類以上の化合物を併用することが好ましい。 これによつて、 架橋に要す る反応速度を制御できるので、 急激な架橋反応の進行による樹脂組成物の収縮を防 止することができる。
また、 上記の一般式 ( I ) 〜 (! V) で示される有機リン化合物のうち、 少なくと も多官能性の反応性難燃剤を含有することが好ましい。 これによつて、 上記の有機 リン化合物による均一な 3次元網目構造が形成される。
- 次に、 上記の反応性難燃剤を用いた難燃性樹脂加工品について説明する。
本発明の難燃性樹脂加工品は、 樹脂と、 上記の一般式 ( I ) 〜 (IV) で示される 有機リン化合物とを含有する樹脂組成物を固化した後、 加熱又は放射線の照射によ つて前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られ、樹脂組成物全体に対して、 上記の反応性難燃剤を 1〜 2 0質量%含有することを特徴としている。
まず、 本発明に用いる樹脂としては、 熱可塑性樹脂、 熱硬化性樹脂のいずれも使 用可能であり特に限定されない。
熱可塑性樹脂としては、 例えば、 ポリアミド系樹脂、 ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂、 ポリエチレンテレフ夕レート等のポリエステル系樹脂、 ポリアクリル系樹 脂、 ポリイミド系樹脂、 ポリカーボネ一ト樹脂、 ポリウレタン系樹脂、 ポリスチレ ン、 ァクリロニトリル一スチレン共重合体、 アクリロニトリル一ブタジエンースチ レン共重合体等のポリスチレン系樹脂、 ポリアセタ一ル系樹脂、 ポリオレフイン系 樹脂、 ポリフエ二レンォキシド樹脂、 ポリフエ二レンサルファイド樹脂、 ポリブタ ジェン樹脂等が挙げられる。 なかでも、 機械特性や耐熱性等の点から、 ポリアミド 系樹脂、 ポリブチレンテレフタレ一卜樹脂、 ポリエチレンテレフ夕レート樹脂、 ポ リカーポネ一ト樹脂、 ポリアクリル系樹脂、 ポリアセタール系樹脂、 ポリフエニレ ンォキシド樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、 フエノール樹脂、 ユリア樹脂、 メラミン樹脂、 アルキド樹脂、 ケィ素樹脂等が挙げ られる。なかでも、機械特性や耐熱性等の点から、エポキシ樹脂、 フエノール樹脂、 不飽和ポリエステル樹脂、 ユリア樹脂を用いることが好ましい。
上記反応性難燃剤の含有量は、 前記榭脂組成物全体に対して、 前記反応性難燃剤 を 1〜2 0質量%含有することが好ましく、 1〜1 5質量%含有することがより好 ましい。 反応性難燃剤の含有量が 1質量%未満の場合、 反応による架橋が不充分で あり、 得られる樹脂加工品の機械的物性、 熱的物性、 電気的物性が好ましくなく、 また、 2 0質量%を超えると、 反応性難燃剤が過剰となり、 反応性難燃剤の未反応 のモノマ一や分解ガスが発生したり、 オリゴマー化したものがブリードアウトし、 また、 樹脂加工品の機械的特性が低下するので好ましくない。
また、 本発明においては、 更に上記反応性難燃剤以外の、 反応性を有しない添加 型の難燃剤を含有していてもよい。 このような難燃剤としては、 非ハロゲン系難燃 剤が好ましく、 水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等に代表される金属水和 物や、 トリフエニルホスフェート、 トリクレジルホスフェートなどのモノリン酸ェ ステル、 ビスフエノール Aビス (ジフエニル) ホスフエ一ト、 レゾルシノールビス
(ジフエニル)ホスフェートなどの縮合リン酸エステル、ポリリン酸アンモニゥム、 ポリリン酸アミド、 赤リン、 リン酸グァニジン等、 シァヌル酸又はイソシァヌル酸 の誘導体、 メラミン誘導体、 シリコン系難燃剤等が挙げられる。
これらの難燃剤は単独で用いてもよく、 また 2種類以上併用することも可能であ る。 この反応性難燃剤以外の難燃剤の含有量は、 ブリードや機械特性の低下を防止
するために、 前記樹脂組成物全体に対して、 前記反応性難燃剤以外の難燃剤を 1〜 2 0質量%含有することが好ましく、 3〜1 5質量%含有することがより好ましレ^ また、 反応性難燃剤 1質量部に対して、 前記反応性難燃剤以外の反応性を有する 難燃剤として、末端に少なくとも 1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物を 0 . 5〜 1 0質量部含有することがより好ましい。
上記の末端に不飽和基を有する基としては、 具体的にはジァクリレート、.ジメタ クリレート、 ジァリレート、 トリァクリレート、 トリメタクリレート、 トリァリレ ート、 テトラァクリレート、 テトラメタクリレート、 テトラァリレート等が挙げら れるが、 反応性の点からはジァクリレート、 トリァクリレート、 テトラァクリレ一 ト等のァクリレートであることがより好ましい。
また、 環状の含窒素化合物としては、 イソシァヌル環、 シァヌル環等が挙げられ る。
上記の末端に少なくとも 1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物の具体例と しては、 上記のシァヌル酸又はイソシァヌル酸の誘導体が挙げられ、 例えば、 イソ シァヌル酸 E O変性ジァクリレート、 イソシァヌル酸 E〇変性トリァクリレート、 トリイソシァヌ一ルトリァクリレート等が例示できる。
また、 本発明においては、 難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋 剤を更に含有してもよい。 このような架橋剤としては、 主骨格の末端に不飽和基を 有する多官能性のモノマー又はオリゴマーを用いることができる。
なお、 本発明における難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤と は、 架橋性 (反応性) を有するが、 それ自身は難燃性は有しないものを意味し、 上 記の末端に少なくとも 1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物のように、 架橋 ' ·性と難燃性とを同時に有する反応性難燃剤を除くものである。
このような架橋剤としては、 以下の一般式 (a ) 〜 (c ) で表される 2〜4官能 性の化合物が挙げられる。 ここで、 Xは主骨格であり、 R
2 1〜R
2 4は末端に不飽和 基を有する官能性基であって、 (a )は 2官能性化合物、 (b )は 3官能性化合物、 ( c ) は 4官能性化合物である。
具体的には、 以下に示すような一般式の、 主骨格 Xが、 グリセリン、 ペン夕エリ ストール誘導体等の脂肪族アルキルや、 トリメリット、 ピロメリット、 テトラヒド 口フラン、 トリメチレントリオキサン等の芳香族環、 ビスフエノ一ル等である構造 が挙げられる。
(a-1)
(b-1) (b-2)
R"
(b-4)
(c- 1 ) (c- 2) 上記の架橋剤の具体例としては、 2官能性のモノマー又はオリゴマ一としては、 ビスフエノール F— E O変性ジァクリレート、 ビスフエノール A— E O変性ジァク リレート、 トリプロピレングリコールジァクリレート、 ポリプロピレングリコール ジァクリレート、 ポリエチレンダリコールジァクリレート、 ペンタエリスリトール ジァクリレ一トモノステアレート等のジァクリレートゃ、 それらのジメタクリレー ト、 ジァリレートが挙げられる。
また、 3官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、 ペン夕エリスリ ] ^一ルトリ ァクリレー卜、 トリメチロールプロパントリァクリレート、 トリメチロールプロパ ン P O変性卜リアクリレート、 トリメチロールプロパン E O変性トリァクリレート 等のトリァクリレ一トや、 それらのトリメタクリレート、 トリァリレートが挙げら れる。
また、 4官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、 ジトリメチロールプロパン テトラァクリレート、 ペンタエリスリトールテトラァクリレート等が挙げられる。 上記の架橋剤は、 主骨格 Xとなる、 トリメリット酸、 ピロメリット酸、 テトラヒ ドロフランテトラカルボン酸、 1, 3 , 5—トリヒドロキシベンゼン、 グリセリン、 ペンタエリストール、 2 , 4 , 6—トリス (クロロメチル) 一 1, 3, 5—トリオ キサン等より選ばれる 1種に、 末端に不飽和基を有する官能性基となる、 臭化ァリ ル、 ァリルアルコール、 ァリルァミン、 臭化メタリル、 メタリルアルコール、 メタ リルアミン等より選ばれる 1 .種を反応させて得られる。
上記の架橋剤は、 前記反応性難燃剤 1質量部に対して、 0 . 5〜1 0質量部含有 することが好ましい。
本発明に用いる樹脂組成物には、 上記の樹脂と難燃剤の他、 無機充填剤、 強化繊 維、 各種添加剤等を含有していてもよい。
無機充填剤を含有することによって、 樹脂加工品の機械的強度が向上するととも に、 寸法安定性を向上させることができる。 また、 反応性難燃剤を吸着させる基体 となって、 反応性難燃剤の分散を均一化する。
無機充填剤としては、従来公知のものが使用可能であり、代表的なものとしては、 銅、 鉄、 ニッケル、 亜鉛、 錫、 ステンレス鋼、 アルミニウム、 金、 銀等の金属粉末、 ヒュームドシリカ、 珪酸アルミニウム、 珪酸カルシウム、 珪酸、 含水珪酸カルシゥ ム、 含水珪酸アルミニウム、 ガラスビーズ、 力一ポンプラック、 石英粉末、 雲母、 タルク、 マイ力、 クレー、 酸化チタン、 酸化鉄、 酸化亜鉛、 炭酸カルシウム、 炭酸 マグネシウム、 酸化マグネシウム、 酸化カルシウム、 硫酸マグネシウム、 チタン酸 カリウム、 ケイソゥ土等が挙げられる。 これらの充填剤は、 単独でも、 2種以上を 併用して用いてもよく、 また、 公知の表面処理剤で処理されたものでもよい。 無機充填剤の含有量は、 難燃性樹脂加工品全体に対して 1〜3 5質量%含有する ことが好ましく、 1〜 2 0質量%がより好ましい。含有量が 1質量%より少ないと、 難燃性樹脂加工品の機械的強度が不足し、 寸法安定性が不充分であり、 更に反応性 難燃剤の吸着が不充分となるので好ましくない。 また、 3 5質量%を超えると、 難 燃性樹脂加工品が脆くなるので好ましくない。
上記の無機充填剤のうち、 シリケ一ト層が積層してなる層状のクレーを用いるこ とが特に好ましい。 シリゲート層が積層してなる層状のクレーとは、 厚さが約 I n m、 一辺の長さが約 1 0 0 n mのシリケ一ト層が積層された構造を有しているクレ —である。 したがって、 この層状のクレ一はナノオーダーで榭脂中に分散されて樹 脂とのハイブリット構造を形成し、 これによつて、 得られる難燃性樹脂加工品の耐 熱性、 機械強度等が向上する。 層状のクレーの平均粒径は 1 0 0 n m以下であるこ とが好ましい。
層状のクレーとしては、 モンモリロナイト、 カオリナイト、 マイ力等が挙げられ るが、分散性に優れる点からモンモリ口ナイトが好ましい。また、層状のクレーは、 榭脂への分散性を向上させるために表面処理されていてもよい。 このような層状の クレーは市販されているものを用いてもよく、 例えば 「ナノマー」 (商品名、 日商 岩井ベントナイト株式会社製) や、 「ソマシフ」 (商品名、 コーポケミカル社製) などが使用できる。
層状のクレーの含有量は、 難燃性樹脂加工品全体に対して 1〜1 0質量%が好ま
しい。 なお、 層状のクレーは単独で使用してもよく、 他の無機充填剤と併用しても よい。
また、 強化繊維を含有することによって、 例えば成形品の場合には機械的強度が 向上するとともに、 寸法安定性を向上させることができる。 強化繊維としては、 ガ ラス繊維、 炭素繊維、 金属繊維が挙げられ、 強度、 及び樹脂や無機充填剤との密着 性の点からガラス繊維を用いることが好ましい。 これらの強化繊維は、 単独でも、 2種以上を併用して用いてもよく、 また、 シランカップリング剤等の公知の表面処 理剤で処理されたものでもよい。
また、 ガラス繊維は、 表面処理されており、 更に樹脂で被覆されていることが好 ましい。 これにより、 熱可塑性ポリマ一との密着性を更に向上することができる。 表面処理剤としては、 公知のシランカップリング剤を用いることができ、 具体的 には、 メトキシ基及びエトキシ基よりなる群から選択される少なくとも 1種のアル コキシ基と、 アミノ基、 ビニル基、 アクリル基、 メタクリル基、 エポキシ基、 メル カプト基、 Λロゲン原子、 イソシァネート基よりなる群から選択される少なくとも 一種の反応性官能基を有するシランカツプリング剤が例示できる。
また、 被覆榭脂としても特に限定されず、 ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等が挙げ られる。
強化繊維の配合量は、 難燃性樹脂加工品全体に対して 5〜4 0質量%含有するこ とが好ましく、 1 0〜3 5質量%がより好ましい。含有量が 5質量%より少ないと、 難燃性樹脂加工品の機械的強度が低下するとともに、 寸法安定性が不充分であるの で好ましくなく、 また、 4 0質量%を超えると、 樹脂の加工が困難になるので好ま しくない。
• また、上記の無機充填剤及び強化繊維を含有し、難燃性樹脂加工品全体に対して、 無機充填剤及び強化繊維を 6 5質量%以下含有することが好ましく、 5 5質量%以 下含有することがより好ましい。 無機充填剤及び強化繊維の含有量が 6 5質量%を 超えると、 樹脂成分の割合が減少して成形性が低下したり、 得られる樹脂加工品が 脆くなつたりして物性が低下するので好ましくない。
なお、 本発明に用いる樹脂組成物には、 本発明の目的である耐熱性、 耐候性、 耐 衝撃性等の物性を著しく損なわない範囲で、 上記以外の常用の各種添加成分、 例え ば結晶核剤、 着色剤、 酸化防止剤、 離型剤、 可塑剤、 熱安定剤、 滑剤、 紫外線防止
剤などの添加剤を添加することができる。 また、 後述するように、 例えば紫外線に よって樹脂と反応性難燃剤とを反応させる場合には、 紫外線開始剤等を用いること ができる。
着色剤としては特に限定されないが、 後述する放射線照射によって褪色しないも のが好ましく、 例えば、 無機顔料である、 ベンガラ、 .鉄黒、 カーボン、 黄鉛等や、 フタロシアニン等の金属錯体が好ましく用いられる。
本発明の難燃性樹脂加工品は、 上記の樹脂組成物を固化した後、 加熱又は放射線 の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる。
樹脂組成物の固化は従来公知の方法が用いられ、 例えば、 熱可塑性樹脂を含む樹 脂組成物の場合には、 熱可塑性樹脂と反応性難燃剤とを溶融混練してペレツト化し た後、 従来公知の射出成形、 押出成形、 真空成形、 インフレーション成形等によつ て成形することができる。 溶融混練は、 単軸或いは二軸押出機、 バンバリ一ミキサ ―、 二一ダー、 ミキシングロールなどの通常の溶融混練加工機を使用して行うこと ができる。 混練温度は熱可塑性樹脂の種類によって適宜選択可能であり、 例えばポ リアミド系樹脂の場合には 2 4 0〜2 8 0 °Cで行なうことが好ましい、 また、 成形 条件も適宜設定可能であり特に限定されない。 なお、 この段階では全く架橋は進行 していないので、 成形時の余分のスプール部は、 熱可塑性樹脂としてのリサイクル が可能である。
一方、 熱硬化性樹脂の場合には、 上記と同様に、 熱硬化性樹脂と反応性難燃剤と を溶融混練してペレット化した後、 例えば、 従来公知の射出成形、 圧縮成形、 トラ ンスファ一成形等を用いて成形することができる。
また、 塗膜化する場合には、 樹脂組成物をそのまま塗布してもよく、 適宜溶剤等 で希釈して塗布可能な溶液又は懸濁液とした後、 従来公知の方法によって乾燥、 塗 膜化してもよい。 塗膜化の方法としては、 口一ラー塗り、 吹き付け、 浸漬、 スピン コート等のコーティング方法等を用いることができ特に限定されない。
上記の樹脂組成物は、 加熱又は放射線の照射によって、 反応性難燃剤の末端の不 飽和結合が、 樹脂と反応して架橋反応し、 樹脂中に安定に存在する。
反応性難燃剤と榭脂とを反応させる手段として加熱を用いる場合、 反応させる温 度は、 樹脂の成形温度より 5 °C以上高い温度とすることが好ましく、 1 0 °C以上高 い温度とすることがより好ましい。
また、 架橋の手段として放射線を用いる場合には、 電子線、 ひ線、 ァ線、 X線、 紫外線等が利用できる。 なお、 本発明における放射線とは広義の放射線を意味し、 具体的には、 電子線や α線等の粒子線の他、 X線や紫外線等の電磁波までを含む意 味である。
上記のうち、 電子線又はァ線の照射が好ましい。 電子線照射は公知の電子加速器 等が使用でき、加速エネルギーとしては、 2 . 5 M e V以上であることが好ましい。 ァ線照射は、 公知のコバルト 6 0線源等による照射装置を用いることができる。 ァ線照射は、 公知のコバルト 6 0線源等による照射装置を用いることができる。 r線は電子線に比べて透過性が強いために照射が均一となり好ましいが、 照射強度 が強いため、 過剰の照射を防止するために線量の制御が必要である。
放射線の照射線量は 1 0 k G y以上であることが好ましく、 1 0〜4 5 k G yが より好ましい。 この範囲であれば、 架橋によって上記の物性に優れる樹脂加工品が 得られる。 照射線量が 1 0 k G y未満では、 架橋による 3次元網目構造の形成が不 均一となり、未反応の架橋剤がブリードアウトする可能性があるので好ましくない。 また、 4 5 k G yを超えると、 酸化分解生成物による樹脂加工品の内部歪みが残留 し、 これによつて変形や収縮等が発生するので好ましくない。
このようにして得られた本発明の難燃性樹脂加工品は、 まず、 成形品として、 耐 熱性、 難燃性に加えて、 機械特性、 電気特性、 寸法安定性、 及び成形性に優れる。 したがって、 高度な耐熱性、 難燃性が要求される電気部品又は電子部品、 更には自 動車部品や光学部品、 例えば、 電磁開閉器やブレーカーなどの接点支持等のための 部材、 プリント基板等の基板、 集積回路のパッケ一ジ、 電気部品のハウジング等と して好適に用いることができる。
このような電気部品又は電子部品の具体例としては、 受電盤、 配電盤、 電磁開閉 器、 遮断器、 変圧器、 電磁接触器、 サーキットプロテク夕、 リレー、 トランス、 各 種センサ類、 各種モーター類、 ダイオード、 トランジスタ、 集積回路等の半導体デ バイス等が挙げられる。
また、 冷却ファン、 パンパ一、 ブレーキカバー、 パネル等の内装品、 摺動部品、 センサ.、 モータ一等の自動車部品としても好適に用いることができる。
更に、 成形品のみならず、 上記の成形品や繊維等への難燃性コーティング塗膜と しても用いることもできる。
また、 上記の半導体デバイス等の電子部品又は電気部品の封止、 被覆、 絶縁等と して用いれば、 優れた耐熱性、 難燃性を付与させることができる。 すなわち、 例え ば、 上記の樹脂組成物を封止して樹脂を硬化させ、 更に上記の加熱又は放射線照射 による反応を行なうことにより、 半導体チップやセラミックコンデンサ等の電子部 品や電気素子を封止する難燃性封止剤として用いることができる。 封止の方法とし ては、 注入成形、 ポッティング、 卜ランスファー成形、 射出成形、 圧縮成形等によ る封止が可能である。 また、 封止対象となる電子部品、 電気部品としては特に限定 されないが、 例えば、 液晶、 集積回路、 トランジスタ、 サイリス夕、 ダイオード、 コンデンサ等が挙げられる。
以上説明したように、 本発明によれば、 樹脂への少量の添加でも難燃性に優れ、 更に、 ブリードアウト等を防止できる、 非ハロゲン系の反応性難燃剤及びそれを用 いた難燃性樹脂加工品を提供することができる。 したがって、 この難燃性樹脂加工 品は、 電気部品や電子部品等の樹脂成形品や、 半導体等の封止剤、 コ一ティング塗 膜等に好適に利用できる。 以下、 実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、 本発明は実施例に限定さ れるものではない。
A:反応性難燃剤の合成
以下、 合成例 1〜 1 1が一般式 (I) 、 合成例 12〜 18が一般式 (Π) 、 合成 例 1 9〜28が一般式 (IE) 、 合成例 29〜 35が一般式 (IV) の合成例である。
[一般式 (I) の反応性難燃剤の合成]
合成例 1
一般式 ( I a) において、 丄〜 6 : — NH―、 Ri R4 : CH2 = CHCH2 一、 R5 : -p-C6H4-p-C6H4- (4,4'-ビフエ二レン) の化合物 ( I a— 1) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド (DMAc) 100m 1にォキシ塩化リン 6 1. 3 g (0. 4 Omo 1) を加え、 この溶液に、 ベンジジン 18. 4 g (0. 10 mo 1) とトリエチルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を溶解した DMAc 1 50m 1の溶液を 0〜5°Cにて 1時間かけて滴下し、 同温度で 3時間、 室温で 3時 間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰のォキシ塩化リンを
留去し、 DMAc 1 50m 1を加えて、 トリェチルァミン塩酸塩以外の固体を溶解 させた。
0〜5°Cにてァリルアミン 34.2 g(0. 6 Omo 1 )とトリエチルァミン 6 0. 6 g (0. 6 Omo 1) の混合液を 1時間かけて滴下し、 同温度で 3時間、 室温で 6時間反応させた。減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、 残渣を水洗してトリェチルァミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を 48. 6 g (収 率約 9 7 ) 得た。
' この化合物の赤外吸収スペクトル、 T〇F— Ma s sスペクトル、, NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I a— 1) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cmr1) : v H 3240, 3235, δ NH 1650, 1645, v C=C 1635, v ring 1604,1496、 v P=0 1260
TOF-Ma s sスぺクトル(MZZ) : 502, 50 3 (分子量計算値 = 500. 522)
一 NMRスぺクトル(δ、 p pm) : CH2= 5. 2 (8H) 、 =CH— 6. 1 (4H) 、 - C H 2 - 3. 7 (8H) 、 H— Nく 3. 3〜3. 5 ( 6 H) 、 芳 香族 C一 H 7. 2〜7. 4 (8 H)
合成例 2
一般式 ( I a) において、 Xi X4: ― (CH2 = CHCH2) N—、 X5, X6 : — NH—、 Ri R4: CH2 = CHCH2—、 R 5:— p- C 6 H 4— O—p- C 6 H4—の 化合物 ( I a— 2) の合成。
合成例 1において、 ベンジジンの代わりに 4,4'-ジアミノジフエ二ルエーテル 2 0. 0 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりにジァリルアミン 58. 2 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 1と同様にして表記の目的物を 5 6. 8 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I a— 2) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cmr1) : リ NH 3240、 (5NH 1650, v C=C 1635, v ringl604, 1496, .vP=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) : 6 0 6, 60 7 (分子量計算値 = 60 4. 7 7 0)
丄ト1一 NMRスぺクトル(δ、 p pm) : CH2= 5. 1 5〜 5. 20 (1 6H) 、 = CH- 6. 1 (8 H) 、 一 CH2 - 3. 6 5〜 3. 7 0 ( 1 6 H) 、 H - Nく
3. 3〜3. 5 (2H) 、 芳香族 C— H 7. 1 0〜7. 45 ( 8 H)
合成例 3
一般式 ( I a) において、 X1〜X4 : 一 (CH2 = CHCH2) N—、 X5, X6 : — NH -、 R^R4: CH2 = CHCH2—、 R 5 : i_C 6 H 4 - C H 2— p - C 6 H4 -の化合物 ( I a— 3 ) の合成。
ベンジジンの代わりにビス(4-ァミノフエ二ル)メタン 1 9. 8 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりにジァリルアミン 58. 2 g (0. 60mo l ) を用 いた他は、合成例 1と同様にして表記の目的物を 5 7. 3 g (収率約 9 5 %)得た。 この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I a— 3) の構造が確認できた。
赤外吸収スぺクトル(cm— : VNH 3235, <5 NH 1645, v C=C 1630,リ ringl604, 1496、 vP=0 1265
T〇F_Ma s sスペクトル (M/Z) : 6 0 6, 607 (分子量計算値 = 6 0
4. 7 7 0)
ェ!!一 NMRスぺクト レ(δ、 p pm) : CH2= 5. 1 5〜 5. 20 (1 6H)、 = CH- 6. 0 5 (8H) 、 ァリルー CH2 - 3. 6 5〜 3. 7 0 ( 1 6 H) 、 - C H 2 - 3. 0 5 (2H) 、 H-N< 3. 3〜3. 5 ( 2 H) 、 芳香族 C— H 7. 1 5〜7. 40 (8 H)
合成例 4
一般式 ( I a) において、 Xi〜X4 : —NH―、 X5, X6 : - (CH2 = CHC Ή2) Ν -、 R^R4: HO— C6H4—、 R5 : — p - C6H4— C (CH3) 2l - C 6H4—の化合物 (I a— 4) の合成。
ベンジジンの代わりに 2, 2 -ビス [4 -(N-ァリルアミノ)フエニル]プロパン 3 0 · 6 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりに p-ヒドロキシァ二リン 6 5. 4 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 1と同様に反応させた。 減圧度を調節し ながら 5 0°C以下にて溶媒と揮発成分を留去し、 1 000m lの酢酸ェチルに溶解 して 0. 0 5 mo 1ノレの塩酸水溶液と振り混ぜ、 過剰の P-ヒドロキシァ二リンを 水相に抽出し、 酢酸ェチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、 ろ過、 減圧乾固、 '減圧
乾燥して表記の目的物を 7 2. 4 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I a— 4) の構造が確認できた。
赤外吸収スぺクトル(cm-1): V H 3240, δΝΗ 1650、 v C=C 1635, v ringl604, 1496, vP=0 1260
TOF— Ma s sスぺクトル(M/Z) : 77 2, 7 7 3 (分子量計算値 = 77 0. 3 92)
丄!!一 NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 1 5 (4H) 、 =CH— 6. 1 0 (2 H) 、 HO - 4. 8 (4H) 、 — CH2 - 3. 7 0 (4H) 、 CH3 一 1. 45 (6H) 、 H— N< 3. 3〜3. 5 (4H) 、 芳香族 C— H 7. 1 5 〜 7. 5 5 (24H)
合成例 5
一般式 (I a) において、 ェ〜 4: - (CH2 = CHCH2) N―、 X5, X6: 一 NH—、 Ri R4: H〇一 C6H4— C6H4—、 R5 : — p— C6H4— C ( =〇) 一 p- C6H4—の化合物 (I a— 5) の合成。
ベンジジンの代わりに 4,4'-ジァミノべンゾフエノン 2 1. 2 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりに N-ァリル- 4- (4 '-ヒドロキシフエニル)ァニリン 1 3 5 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 4と同様にして反応させた。 減圧度 を調節しながら 50°C以下にて溶媒と揮発成分を留去し 1 0 00m lの酢酸ェチ ルに溶解して乾燥塩酸ガスを吹き込み、 生成する塩酸塩をろ去、 発生する二酸化炭 素に注意しながら無水炭酸カリウムを加えて乾燥し、 ろ過、 減圧乾固、 減圧乾燥し て表記の目的物を 7 2. 4 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 T〇F—Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I a— 5) の構造が確認できた。
赤外吸収ズぺクトル(cm— :レ ΝΗ 3240、 δΝΗ 1650、 v C=C 1635、 v ringl604, 1496, vP=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) : 1 2 03, 1 204 (分子量計算値 = 1 20 . 3 14)
iH— NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 1 5〜5. 20 (8H) 、 = CH- 6. 0 5 (4H) 、 HO— 4. 8 (4H) 、 一 CH2— 3. 6 5〜3.
70 (8H)、 H— N< 3. 45 (2H)、芳香族 C— H 7. 1 5〜 7. 40 (40 H)
合成例 6
一般式 (I a) において、 Xi〜X4 : 一 (CH2 = CHCH2) N—、 X5,X6 : —NH—、 Ri〜R4 : Q!-C10H7- (α-ナフチル基) 、 R5 : -p-C6H4-S02 一 p- C6H4—の化合物 ( I a_6) の合成。
ベンジジンの代わりにビス(P-ァミノフエ二ル)スルホン 24. 8 g (0. 10m o l) 、 ァリルァミンの代わりに N-ァリル -α_ナフチルァミン 1 09. 8 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 1と同様にして反応させた。 減圧度を調節しな がら 50nC以下にて溶媒と揮発成分を留去し、 1000m lの酢酸ェチルに溶解し て乾燥塩酸ガスを吹き込み、 生成する塩酸塩をろ去、 発生する二酸化炭素に注意し ながら無水炭酸カリウムを加えて乾燥し、 ろ過、 減圧乾固、 減圧乾燥して表記の目 的物を 98. 4 g (収率約 92%) 得た。
この化合物の赤外吸収スぺグトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (I a— 6) の構造が確認できた。
赤外吸収スぺクトル(c m—1) : NH 3240, <5NH1650、リ C=C 1635、リ ringl604, 1496、 vP=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) : 107 1, 1072 (分子量計算値 = 1069. 226)
i.H— NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 20 (8H) 、 =CH— 6. 05 (4H) 、 - CH2- 3. 65〜3. 70 ( 8 H) 、 H— N< 3. 45 (2H) 、 芳香族 C一 H 7. 10〜7. 45 ( 36 H)
' 合成例 7
一般式 (I a) において、 Xi〜X4 : - (CH2 = CHCH2) N—、 X5, X6 : — NH -、 、 R^R CH^CHCHr、 R5 : 2, 6 -C10H6< (2, 6— ナフチレン基) の化合物 ( I a_ 7) の合成。
ベンジジンのかわりに 2,6-ジァミノナフタレン 1 5. 8 g (0. 10mo l ) 、 ァリルァミンのかわりにジァリルアミン 58. 2 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他 は、 合成例 1と同様にして表記の目的物を 60. 9 g (収率約 96%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定
結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (l a— 7) の構造が確認できた。
赤外吸収スぺクトル(cm— : vNH 3240, δ NH 1650,リ C=C 1635、リ ringl604, 1496、 vP=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) : 636, 637 (分子量計算値 = 63 4. 743)
iH— NMRスペクトル(δ、 ρ pm) : CH2= 5. 1 5〜 5. 20 ( 16 H)、 = CH- 6. 05 ( 8 H) 、 一 CH2— 3. 65〜3. 70 ( 16 H) 、 H— N く 3. 45 (2 H) 、 芳香族 C— H 7. 1 5〜7. 40 (6H)
合成例 8
一般式 (I a) において、 X1, X3: _NH—、 X2, X4:一〇—、 X5, X6 : — NH―、 R1, R3 : CH2 = CHCH2—、 R2, R4 : — C6H5、 R5 : _p- C6 H4-p-C6H4- (4,4'-ビフエ二レン) の化合物 (l a— 8) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド (DMAc) 100m 1にフエノキシホスホ リルジクロリド [C6H5OP (=0) C 12] 42. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を加 え、 この溶液に、 4,4'-ジアミノビフエニル 18. 4 g (0. 1 Omo 1 ) とトリエ チルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 )を溶解した DMAc 1 50m lの溶液を 0 〜5°Cにて 1時間かけて滴下し、 同温度で 6時間、 室温で 1 2時間反応させた。 次 に、ァリルアミン 17. 1 (0. 3 Omo 1 )とトリェチルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1) の混合物を室温で 1時間かけて滴下し、 さらに 12時間反応させた。 減圧度を調節しながら 40で以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、 残渣を水洗して卜 リエチルァミン塩酸塩を取り除き、 表記の目的物を 52. 3 g (収率約 96%) 得 た。
' この化合物の赤外吸収スペクトル、 T〇F— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I a— 8) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm— : νΝΗ 3255, 3240, <3 NH 1650, 1645、 リ OC1630、 y ring 1603, 1495、 vP=0 1260
TOF— Ma s sスぺクトル (MZZ) : 546, 547 (分子量計算値 = 54 4. 5.69 )
1H— NMRスぺクトル(<5、 p pm) : CH2= 5. 0 (4H)、 =CH— 6. 0 (2 H) 、 — CH2— 3 · 5 (4H) 、 H— Nく 3. 3, 3. 2 (4H) 、 芳香
族 C— H 7. 1〜7. 6 (1 8H)
合成例 9
一般式 ( I a) において、 X1, X2:一 0—、 X3〜X6 : — NH―、 R1, R2 : 一 C6H5、 R3, R4 : CH2 = CHCH2—、 R 5 :— p-C 6 H4— C H 2— p— C 6 H 4 一の化合物 (I a— 9) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド(DMAc) 100m lにビス(4-ァミノフエ ニル)メタン 19. 8 g (0. l Omo l) とトリェチルァミン 20. 2 g (0. 20 mo 1 ) を加え、 ジフエノキシホスホリルクロリド [ (C6H50) 2P (=0) C 1 ] 26. 9 g (0. l Omo l ) を溶解した DMA c 50 m 1の溶液を 0〜 5 °C にて 1時間かけて滴下し、 同温度で 6時間、 室温で 12時間反応させた。 次に、 0 〜 5 °Cにて塩化ホスホリル [P (=0) C 13] 6. 0 g (0. 1 Orno 1 ) を一 挙に加え、 同温度で時間反応させた。 ァリルアミン 17. 1 g (0. 3 Orno 1 ) と卜リエチルァミン 20. 2 g (0. 2 Orno 1 ) の混合物を室温で 1時間かけて 滴下し、 さらに 12時間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過 剰の試薬を留去し、 残渣を水洗してトリェチルァミン塩酸塩を取り除き、 表記の目 的物を 5 1. 4 g (収率約 92%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 T〇F— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I a— 9) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm— : vNH 3255, 3240, 5 NH 1650, 1645, リ C=C 1630、 v ring 1603, 1495、 リ P=0 1260
T〇F— Ma s sスペクトル (M/Z) : 560, 56 1 (分子量計算値 = 55 8. 596)
— NMRスぺクトリレ(δ、 p pm) : CH2= 5. 0 (4H)、 =CH— 6. 0 (2 H) 、 ァリル _CH2 - 3. 4 (4H) 、 H - Nく 3. 3〜3. 2 (4H) 、 一 CH2 - 3. 0 (2 H) 、 芳香族 C— H 7. 1〜7. 5 ( 1 8 H)
合成例 10
一般式 ( l a) において、 X1, X2 : —〇—、 X3, X4 : - (CH2 = CHCH 2) N―、 X5, X6 : - (CH2=CHCH2) N -、 R^I^ CH CHCHs ―、 R5 : — P- C6H4— 0— p- C6H4—の化合物 ( I a— 10) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド(DMAc) 100m 1にビス [4- (N -ァリル)
ァミノフエニル]エーテル 28. 0 g (0. 10mo l) とトリェチルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を加え、 ジァリロキシホスホリルクロリド [ (CH2 = C HCH20) 2P (=0) C I ] 18. 1 g (0. l Omo l ) を溶解した DM Ac 50m lの溶液を 0〜 5 °Cにて 1時間かけて滴下し、 同温度で 6時間、 室温で 12 時間反応させた。 次に、 0〜5°Cにて塩化ホスホリル [P ( = 0) C 13] 6. 0 g (0. 1 Omo 1 ) を一挙に加え、 同温度で時間反応させた。 ジァリルアミン 2 9. 1 g (0. 3 Omo 1 ) とトリェチルアミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) の 混合物を室温で 1時間かけて滴下し、 さらに 12時間反応させた。 減圧度を調節し ながら 40 以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、 残渣を水洗してトリェチルァミン 塩酸塩を取り除き、 表記の目的物を 62. 4 g (収率約 92%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 T〇F— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I a— 10) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm— : V C=C 1630, v ring 1603, 1495, リ P=O 1260、 v C-O-C 1180
TOF— Ma s sスペクトル (MZZ) : 680, 681 (分子量計算値 = 67 8. 75 1)
iH— NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 0〜5. 2 (1 6H) 、 = CH- 6. 0〜6. 1 (8H) 、 -GH2- 3. 3〜3. 4 ( 1 6 H) 、 芳香 族 C—H 7. 1〜7. 3 (8H)
合成例 1 1
. 一般式 ( l a) において、 X1, X3 : —0—、 X2,X4〜X6 : — NH―、 R1, R3 : CH2 = CHCH2—、 R2, R4: C10H7— (i3—ナフチル) 、 R5 : -p-C •6H4— C (=〇) —p- C6H4_の化合物 ( I a— 1 1) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド (DMAc) 100m 1に 4,4'-ジァミノべ ンゾフエノン 2 1. 2 g (0. 1 Omo 1 ) とトリエヂルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を加え、 ァリロキシホスホリルジクロリド [ (CH2 = CHCH20) P (=0) C 12] 17. 5 g (0. 2 Omo 1 ) を溶解した DM A c 100 m 1 の溶液を 0〜5 にて 1時間かけて滴下し、 同温度で 6時間、 室温で 12時間反応 させた。 次に、 0〜5°Cにて j3-ナフチルァミン 43. 0 g (0. 3 Omo 1 ) と トリェチルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) の混合物を室温で 1時間かけて滴
下し、 さらに 1 2時間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰 の試薬を留去し、 酢酸ェチル 50 Om 1を加えて不溶分をろ去した。 かき混ぜなが ら乾燥塩酸ガスを通じ、 生じる )3-ナフフチルァミン塩酸塩をろ去、 溶液を減圧乾 固して表記の目的物を 5 1. 4 g (収率約 95%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 ( I一 1 1) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm— : レ NH 3240、 リ 001730、 δ NH 1640, v C=C 1630, y ring 1603, 1495、 vP=0 1260
TOF— Ma s sスぺクトル(MZZ) : 702, 703 (分子量計算値 = 700. 673)
1H— NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 0〜5. 1 (4H) 、 =C H— 6. 0〜6. 1 (2H) 、 -CH2- 3. 3 (4H) 、 H_Nく 3. 3〜3· 5 (4H) 、 芳香族 C— H 7. 1〜7. 3 (22 H)
[一般式 (Π) の反応性難燃剤の合成]
合成例 12
一般式 (H a) において、 X7, X8 : —NH—、 R6〜R9 : CH2 = CHCH2 一、 R10: -p-C6H4-p-C6H4- (4,4'-ビフエ二レン) の化合物 (Π a— 1) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド (DMAc) 100m 1にォキシ塩化リン 6 1. 3 g (0. 4 Omo 1 ) を加え、 この溶液に、 ベンジジン 18. 4 g (0. 10 mo 1 ) とトリエチルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を溶解した DMAc 1 50m 1の溶液を 0〜5°Cにて 1時間かけて滴下し、 同温度で 3時間、 室温で 3時 間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰のォキシ塩化リンを 留去し、 DMAc 1 5 Om 1を加えて、 トリェチルァミン塩酸塩以外の固体を溶解 させた。
0〜5°Cにてァリルアルコール 34. 8 g (0.■ 6 Omo 1 ) とトリェチルアミ ン 60. 6 g (0. 6 Omo 1 ) の混合液を 1時間かけて滴下し、 同温度で 3時間、 室温で.12時間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰の試薬 を留去し、 残渣を水洗してトリェチルァミン塩酸塩を取り除き、 表記の目的物を 4 7. 9 g (収率約 95 ) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— M a s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (H a— I) の構造が確認できた。
赤外吸収スぺクトル(cm— : VNH 3240, ά NH 1650, リ OC 1630、 v ring 1603, ί495、 vP=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) : 50 6, 5 0 7 (分子量計算値 = 50 4. 462)
iH— NMRスぺクト レ (0、 p pm) : CH2= 5. 1 (8H) 、 =CH— 6. 1 (4H) 、 一 CH2— 3. 6 (8H) 、 H— N< 3. 3 (2H) 、 芳香族 C一 H 7. 2〜7. 4 (8 H)
合成例 1 3
一般式 (Π a) において、 X7, X8: - (CH2 = CHCH2) N—、 R6〜R9 : CH2 = CHCH2—、 R10: — p- C6H4— O— p- C6H4—の化合物 (H a— 2) の 合成。
ベンジジンの代わりにビス [4 - (N-ァリル)ァミノフエ二ル]エーテル 28.0 g(0. 1 Omo 1 ) を用いた他は、合成例 1 2と同様にして表記の目的物を 5 5. 9 g (収 率約 93 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、. 上記の化合物 (Il a— 2) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cirr1) : V C=C 1630, v ring 1603, 1495、 v P=01260, v C-0-C 1180
TOF -M a s sスぺクトル(M/Z) : 6 02, 6 0 3 (分子量計算値 = 600. 5 92)
• — NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 1〜5. 2 (1 2H) 、 = CH- 6. 1〜6. 2 (6 H) 、 — CH2— 3. 5〜3. 6 ( 1 2 H) 、 芳香 族 C— H 7. 2〜7. 5 (8 H)
合成例 14
一般式 (Π a) において、 X7, X8: 一 (CH2 = CHCH2) N―、 R6〜R9 : CH2 CHCH2—、 R10: — p- C6H4— CH2— p- C6H4—の化合物 (Π a— 3) の合成。
ベンジジンの代わりにビス [4- (N-ァリル)ァミノフエニル]メタン 27.8 g(0.
1 Omo 1 )を用いた他は、合成例 12と同様にして表記の目的物を 5 8. 1 g (収 率約 97 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (H a— 3) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (c m-1) : V C=C 1635, 1630. v ring 1603, 1495、 vP=0 1260、 v C-O-C 1180
TOF-Ma s sスぺクトル (M/Z) : 600, 60 1 (分子量計算値 = 5 9 8. "62 1)
— NMRスぺクトリレ (<5、 p pm) : CH2= 5. 1〜5. 2 (1 2H) 、 = CH- 6. 1〜 6. 2 (6H) 、 ァリルー CH2 - 3. 5〜 3. 6 ( 1 2 H) 、 — CH2— 3. 0 5 (2H) 、 芳香族 C一 H 7. 2〜7. 4 ( 8 H)
合成例 1 5
一般式 (Π a) において、 X7, X8 : — NH―、 R6〜R9 : o-CH2=CHCH 2— C6H5— (0 -ァリルフエニル) 、 R'。: 一 p-C6H4 - C (CH3) 2— P- C6H4 一の化合物 (Π a— 4) の合成。
ベンジジンの代わりに 2, 2-ビス(4-ァミノフエ二ル)プロパン 22. 6 g (0. 1 0 mo 1 ) 、 ァリルアルコールの代わりに 0-ァリルフエノール 8 0. 5 g (0. 60 mo 1 ) を用いた他は、 合成例 1 2と同様に反応させた。 減圧度を調節しながら溶 媒'と揮発成分を留去して、 表記の目的物を 8 0. 8 g (収率約 9 5 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (H a— 4) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(c m-1) : レ NH 3235、 (5 NH 1645, レ OC 1630、 v ring 1604, 1496、 リ P=0 1260
TOF-Ma s sスぺクトル(M/Z) : 8 5 3, 8 54 (分子量計算値二 8 50. 8 24,)
ェ!"!一 NMRスペクトル (δ、 pm) : CH2= 5. 0 (8H) 、 =CH_ 5. 8 (4H) 、 一 CH2— 3. 3 (8H) 、 CH3 - 1. 45 ( 6 H) 、 H— Nく 3. 3-3. 5 (2H) 、 芳香族 C一 H 7. 1 5〜7. 5 5 ( 8 H)
合成例 1 6
一般式 (H a) において、 X7, X8 : 一 NH―、 R6〜R9 : CH2 = CHCH2
O— p- C6H4_、 R10:一 p- C6H4— C (=0) 一!)- C6H4—の化合物 (Π a— 5) の合成。
ベンジジンの代わりに 4,4'-ジァミノべンゾフエノン 2 1. 2 g (0. 1 0 mo 1 ) 、 ァリルアルコールの代わりに P-ァリロキシフエノール 9 0. 1 g (0. 60 mo 1 ) を用いた他は、 合成例 1 2と同様に反応させた。 減圧度を調節しながら溶 媒と揮発成分を留去して、 表記の目的物を 86. 5 g (収率約 9 6 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (H a— 5) の構造が確認^?きた。
赤外吸収スペクトル(cm—1) : リ NH 3235、 δ NH 1645, レ C=C 1630、 v ring 1604, 1496、 vP=0 1260
TOF— Ma s sスぺクトル(MZZ) : 9 0 3, 904 (分子量計算値 = 9 00.
864)
iH— NMRスぺクトル(<5、 p pm) : CH2= 5. 1 (8H) 、 =CH— 5.
9 (4H) 、 — CH2— 3. 7 (8H) 、 H— Nく 3. 3〜3. 5 (2 H) 、 芳 香族 C_H 7. 1 5〜7. 7 5 (8H)
合成例 17
一般式 (Π a) において、 X7, Xs : - (CH2 = CHCH2) N—、 R6〜R9 : o;-C10H7- (α-ナフチル)、 R1():— ρ - C6H4— S02— ρ - C6H4—の化合物(Π a - 6) の合成。
ベンジジンの代わりにビス [p -(N-ァリル)ァミノフエ二ル]スルホン 3 2. 8 g (0. 1 0mo 1 ) 、 ァリルアルコールの代わりに a-ナフトール 86. 5 g (0. 6 Orno 1 ) を用いた他は、 合成例 1 2と同様に反応させた。 減圧度を調節しなが ら溶媒と揮発成分を留去して、 表記の目的物を 8 6. 5 g (収率約 96%) 得た。 この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (H a— 6) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm— : リ C=C 1635、 リ ring 1603, 1495、 vP=01260, y S=0 1320
T〇.F— Ma s sスペクトル (MZZ) : 7 28、 7 2 9 (分子量計算値 = 7 2 6. 3 5 1)
— NMRスペクトル (δ、 ρ pm) : CH2= 5. 0 (4H) 、 =CH— 5.
9 (2H) 、 一 CH2— 3. 5 (4H) 、 芳香族 C—H 7. 1 0〜7. 7 5 (3 6H)
合成例 1 8
一般式 (Π a) において、 X7, Xs : 一 (CH2 = CHCH2) N—、 R6〜R9 : CH2 = CHCH2_、 R10: 2, 6 -C10H6< (2, 6—ナフチレン) の化合物 (I a- 7) の合成。
ベンジジンの代わりに Ν,Ν'-ジァリル- 2, 6-ジァミノナフタレン 23. 8 g (0. 1 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 1 2と同様に反応させた。 減圧度を調節しなが ら溶媒と揮発成分を留去して、 表記の目的物を 5 3. 1 g (収率約 9 5 %) 得た。 この化合物の赤外吸収スペクトル、 TO F— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (n a— 7) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (c m— : V C=C 1640, 1635, v ring 1603, 1495、 vP=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (MZZ) : 560、 5 6 1 (分子量計算値 = 5 5 8. 5 54)
— NMRスペクトル ( δ、 p pm) : CH2= 5. 0〜 5 · 2 ( 1 2 H) 、 = CH- 5. 7〜5. 9 (6H) 、 — CH2— 3. 2〜 3. 5 ( 1 2 H) 、 芳香 族 C— H 7. 1 0〜7. 7 5 (6H) .
[一般式 (IE) の反応性難燃剤の合成]
合成例 1 9
一般式 (Et a) において、 X9〜X12 : —NH—、 R"〜R14 : CH2 = CHCH2 一、 R15: — p- C6H4— p - C6H4— (4,4'—ビフエ二レン) の化合物 (IE a— 1 ) -の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド (DMAc) 1 0 0m 1にォキシ塩化リン 6 1. 3 g (0. 4 Omo 1 ) を加え、 4, 4' -ビフエニルアルコール 1 8. 6 g (0. 1 Omo 1 ) とトリエチルァミン 20. 2 g (0. 20 mo 1 ) を溶解した DMA c 1 5 0m 1の溶液を 0〜5°Cにて 1時間かけて滴下し、 同温度で 3時間、 室温で 3時間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰のォキシ塩化リ ンを留去し、 DMAc 1 50m 1を加えて、 トリェチルァミン塩酸塩以外の固体を 溶解させた。
0〜5°Cにてァリルアミン 34. 3 g (0. 6 Omo 1 ) とトリエチルァミン 6 0. 6 g (0. 6 Omo 1 ) の混合液を 1時間かけて滴下し、 同温度で 3時間、 室 温で 1 2時間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰の試薬を 留去し、 残渣を水洗してトリェチルァミン塩酸塩を取り除き、 表記の目的物を 47 . 7 g (収率約 95 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NM.Rの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (nia—l) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm一1) : VNH 3240, 5NH 1650, v C=C 1630, v ring 1603, 1495、 レ P=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) 504, 505 (分子量計算値= 50 2. 492)
. 1H— NMRスぺクトル (δ P pm) CH?= 5. 1 (8H) 、 =CH 6 . 1 (4H) 、 — CH2 - 3 6 (8 H) H - N< 3. 3 (2H) 、 芳香族 C — H 7. ;!〜 7. 3 (8H)
合成例 20
一般式 (Eta) において、 X9〜X12 (CH2 = CHCH2) N― 14
、 R"〜R : CH2 = CHCH2―、 R15: -p-C6 0—0- 6114—の化合物 (Dla— 2) の合成。
4, 4'-ビフエニルアルコールの代わりにビス (4 -ヒドロキシフエニル)エーテル 2 0. 2 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりにジァリルアミン 58. 3 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 19と同様にして表記の目的物を 63. 8 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (Eta— 2) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm—1) : リ OC 1630、 ソ ring 1603, 1495、 vP=0 1260 、 C-0-C 1200
TOF— Ma s sスペクトル (MZZ) : 680, 68 1 (分子量計算値 =67 8. 7.5 1 )
— NMRスペクトル (d、 p pm) : CH2= 5. 1〜5. 2 (16H) 、
= CH- 6. ;!〜 6. 2 (8 H) 、 CH 3. 4〜 3. 6 ( 16 H) , 芳香
族 C一 H 7. 1〜7. 5 (8H)
合成例 2 1
一般式 (H a) において、 X9〜X12 : — (CH2 = CHCH2) N―、 RU〜R14 : CH2 = CHCH2—、 R15: 一 p- C6H4— CH2— p- C6H4—の化合物 (HI a— 3) の合成。
4, 4' -ビフエニルアルコールの代わりにビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン 2 0. 0 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりにジァリルアミン 58. 3 g (0 . 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 1 9と同様にして表記の目的物を 63. 6 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (IEa— 3) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm— : リ C=C 1635、 v ring 1605, 1495、 vP=0 1260
TO F_Ma s sスペクトル (M/Z) : 6 7 8, 67 9 (分子量計算値 = 67
6. 7 7 8)
— NMRスぺクトル ( δ、 p pm) : CH2= 5. 1〜 5. 2 ( 1 6 H) 、 = CH- 6. 1〜 6. 2 (8H) 、 ァリル一 CH2— 3. 4〜3. 6 (1 6 H) 、 —CH2— 3. 1 (2H) 、 芳香族 C一 H 7. 1 5〜7. 45 ( 8 H)
合成例 22
一般式 (m a) において、 X9〜X12 : — (CH2 = CHCH2) N—、 RU〜R14 : HO— C6H4—、 R15: -p-C6H4- C (CH3) 2— p-C 6H4—の化合物 (IE a -4) の合成。
4, 4' -ビフエニルアルコールの代わりに 2, 2'-ビス(4-ヒドロキシフエニル)プロパ ン 22. 8 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりに p-ヒドロキシ _N-ァリル ァニリン 7 9. 9 g (0. 6 Omo 1 ) を用い、 水洗操作の際に 0. 0 5mo l / 1の塩酸水溶液を用いて処理した他は、 合成例 1 9と同様にして、 表記の目的物を
7 9. 8 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 T〇F— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、'上記の化合物 (Ha— 4) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm一1) : リ OC 1635、 v ring 1605, 1495、 vP=0 1260 TOF— Ma s sスペクトル (MZZ) : 8 5 1, 8 52 (分子量計算値 = 84
8. 967)
1H— NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 1 5 (8H) 、 =CH— 6. :!〜 6. 2 (4H) 、 —CH2 - 3. 4〜3. 6 (8 H) 、 CH3— 1. 4 ( 6H) 、 芳香族 C— H 7. 1 5〜7. 45 (24H)
合成例 23
一般式 (ma) において、 X9 X12 : — NH -、 Rll〜R14 : CH2 = CHCH2 — O— C6H4 C6H4—、 R〖5: P-C6H4-C (=〇) — p- C6H4—の化合物 ( Π a - 5) の合成。
4, 4' -ビフエニルアルコールの代わりに 4, 4' -ジヒドロキシベンゾフエノン 2 1. 4 g (0. 1 0mo l ) 、 ァリルァミンの代わりに 4 -(4' -ァリロキシフエノキシ) ァニリン 1 17. 2 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 19と同様に反応 させた。 減圧度を調節しながら減圧乾固して酢酸ェチルを加えて溶液とし、 乾燥塩 酸ガスを吹き込んで生じる沈殿をろ去し、 発生する二酸化炭素ガスに注意しながら 無水炭酸カリウムを加え、 ろ過、 減圧乾固して表記の目的物を 101. 8 g (収率 約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (ma— 5) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm-1) : リ M 3240、 <5NH 1650、 レ C=01750、 v C=C 1635 、 v ring 1605, 1495、 vP=0 1260
TOF-Ma s sスペクトル (M/Z) : 1085, 1 086 (分子量計算値 = 1083. 256)
1H_NMRスペクトル (δ、 p pm) CH2= 5. 0 (8H) 、 =CH- 6 . 1 (4H) 、 -CH2- 3. 3 (8 H) 、 H— Nく 3. 4 (4H) 、 芳香族 C -H 7. 1 5〜7. 50 (4 OH)
合成例 24
一般式 (Ha) において、 X9〜X12 : — (CH2 = CHCH2) N—、 R"〜R14 : «-C10H7— (α-ナフチル) 、 R15:— p - C6H4— S02—p- C6H4—の化合物 (ma— 6) の合成。
4,4'-ビフエニルアルコールの代わりにビス(P-ヒドロキシフエニル)スルホン 2 5. 0 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりに N -ァリル-ひ-ナフチルアミ
ン 1 10. O g (0. 60 mo 1 ) を用いた他は、 合成例 19と同様に反応させた 。 減圧度を調節しながら減圧乾固して酢酸ェチルを加えて溶液とし、 乾燥塩酸ガス を吹き込んで生じる沈殿をろ去し、 発生する二酸化炭素ガスに注意しながら無水炭 酸カリウムを加え、 ろ過、 減圧乾固して表記の目的物を 100. 7 g (収率約 94 ) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF_Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (Ha— 6) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (c m— : V C=C 1635、 v ring 1605, 1495、 v P=0 1260 、 vS=0 1320
TOF-Ma s sスペクトル (M/Z) 073, 1074 (分子量計算値 = 107 1. 188)
— NMRスペクトル (δ、 p pm) CH9= 5. (8H) 、 =CH— 6 . 2 (4H) 、 — CH2 - 3. 5 (8 H) 芳香族 C— H 7. 1 5 7. 55 ( 36H)
合成例 25
一般式 (H a) :おいて、 X9 X12 (CH2 = CHCH2 Rn〜R 14
: し H
2
0H
6< (2, 6 - の化合 物 (Ha— 7) の合成。
4,4'-ビフエ二ルアルコールの代わりにナフタレン- 2,6-ジオール 16. O g (0 . 10 m o 1 ) 、 ァリルァミンの代わりにジァリルアミン 58. 3 g (0. 60m o 1 ) を用いた他は、 合成例 1 9と同様にして表記の目的物を 65. 5 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (m a— 7) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm_1) : V C=C 1635、 v ring 1605, 1495、 vP=0 1260 、 リ S=0 1320
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) : 698, 699 (分子量計算値 = 69 6. 7-13)
H— NMRスペクトル ( δ、 m) : CH2= 5 2 ( 16 H) 、
= CH- 6. 6. 2 (8H) 、 -CH - 3. 4 (1 6H) 、 芳香
族 C— H 7. 0 5〜7. 50 (6 H)
合成例 26
一般式 (ni a) において、 X9, X" : —NH―、 X1。, X12 : —0—、 R11, R13 : CH2 = CHCH2 -、 R12, R14 : - C6H5、 R 15: 卞 C 6 H 4—p- C 6 H 4 _ ( 4, 4'-ビフエ二レン) の化合物 (H a— 8) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド (DMAc) 1 00m 1にフエノキシホスホ リルジクロリド [C6H5OP (=〇) C 12] 42. 2 g (0. 20 m o 1 ) を加 え、 この溶液に、 4, 4'-ビフエ二ルアルコール 1 8. 6 g (0. l Omo l ) とトリ ェチルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を溶解した DMA c 1 50 m 1の溶液 を 0〜5tにて 1時間かけて滴下し、 同温度で 6時間、 室温で 1 2時間反応させた 。 次に、 ァリルアミン 1 7. 1 g (0. 3 Omo 1 ) とトリェチルァミン 20 · 2 g (0. 2 Omo 1 ) の混合物を室温で 1時間かけて滴下し、 さらに 1 2時間反応 させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、 残渣を水 洗してトリェチルァミン塩酸塩を取り除き、 表記の目的物を 54. 8 g (収率約 9 5 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スぺクトル、 TOF— M a s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (Ma— 8) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(c m— : VNH 3240, 6 NH 1650, v C=C 1630, リ ringl603, 1495、 y P=0 1260
TOF.— Ma s sスペクトル (M/Z) : 578, 5 7 9 (分子量計算値 = 5 7 6. 52 9)
iH— NMRスぺクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 1 (4H) 、 =CH— 6 '.' 1 (2H) 、 一 CH2— 3 · 6 (4H) 、 H_N< 3. 2 ( 2 H) 、 芳香族 C -H 7. 1〜7. 6 ( 1 8 H)
合成例 2 7
一般式 (m a) において、 X9, X": - (CH2 = CHCH2) N―、 X1。, X12 : ー〇一、 R"〜R14: CH2 = CHCH2—、 R15:—p— C6H4—〇_p— C6H4—の 化合物.(Ha— 9) の合成。
フエノキシホスホリルジクロリドの代わりにァリルホスホリルジク口リド [CH 2 = CHCH2〇一 P (=〇)C 12] 27. 0 g (0. 2 0mo l ) 、 4,4'—ビフエ二
ルアルコールの代わりにビス(4-ヒドロキシフエニル)エーテル 20. 2 g (0. 1 0 mo 1 ) 、 ァリルァミンの代わりにジァリルアミン 5 8. 3 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 1 9と同様にして表記の目的物を 56. 5 g (収率約 94
%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (Et a— 9) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm-1) : レ C=C 1630、 v ring 1603, 1495、 v P=0 1260 、 v C-O-C 1200
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) : 60 2, 603 (分子量計算値 = 60 0. 5 92)
— NMRスぺクト レ (<5、 p pm) : CH2= 5. 1〜5. 2 (1 2H) 、 = CH— 6. 1〜6. 2 (6 H) 、 — CH2 - 3. 4〜3. 6 ( 1 2 H) 、 芳香 族 C— H 7. 1〜7. 5 (8H)
合成例 28
一般式 (IE a) において、 X9, X10 : _O—、 X11, X12: - (CH2 = CHCH 2) N -、 R"〜R14: CH2 = CHCH2—、 R15: — p-C 6 H4— C H 2 _p- C 6 H 4 一の化合物 (Ha— 1 0) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド (DMAc) 1 00m lにジァリルフエノキ シホスホリルジクロリド [ (CH2 = CHCH20) 2P (=0) C 1 ] 1 6. 5 g ( 0. 1 Omo 1 ) を加え、 この溶液に、 ビス(4-ヒドロキシフエニル)メタン 20. 0 g (0. 1 Omo 1 ) とトリエチルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を溶解 した DMAc 1 5 0m lの溶液を 0〜 5 °Cにて 1時間かけて滴下し、 同温度で 6時 間、 室温で 1 2時間反応させた。 次に、 塩化ホスホリル [P (=0) C 1 3] 46. 0 g (0. 3 Omo 1 ) とトリエチルァミン 20. 2 g (0. 2 Omo 1 ) の混合 物を室温で 1時間かけて滴下し、 さらに 1 2時間反応させた。 減圧度を調節しなが ら 40°C以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、 残渣をふたたび 1 00m lの DMAc で溶解し、 ジァリルアミン 5 8. 3 g (0. 6 Omo 1 ) とトリエチルァミン 20 . 2 g. (0. 2 Omo 1 )' の混合液を室温で 1時間かけて滴下し、 1 2時間反応さ せた。 この後は合成例 1 9と同様に処理して、 表記の目的物を 6 3. 6 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (m a— 1 0) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm-1) : リ C=C 1635、 v ring 1605, 1495、 v P=0 1260 TOF— Ma s sスペクトル (MZZ) : 60 0, 60 1 (分子量計算値 = 5 9 8. 6 1 2)
ェ?!一 NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 1〜5. 2 (1 2H) 、 =CH - 6. 1〜 6. 2 (6H) 、 ァリルー CH2— 3. 4〜 3. 6 (1 2 H) 、 一 CH2— 3. 1 (2H) 、 芳香族 C一 H 7. 1 5〜7. 45 ( 8 H)
[一般式 (IV) の反応性難燃剤の合成]
合成例 2 9
一般式 (IV a) において、 Rl6〜R19: CH2 = CHCH2—、 R20 : — p_C6H4— p- C6H4— (4,4'-ピフエ二レン) の化合物 (IVa— 1) の合成。
蒸留精製したジメチルァセトアミド (DMAc) 1 0 0m 1にォキシ塩化リン 6 1. 3 g (0. 4 Omo 1 ) を加え、 4, 4' -ビフエ二ルアルコール 1 8. 6 g (0. l Omo.l ) とトリエチルァミン 2 0. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を溶解した DMA c 1 5 0 m 1の溶液を 0〜 5 °Cにて 1時間かけて滴下し、 同温度で 3時間、 室温で 3時間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰のォキシ塩化リ ンを留去し、 DMAc 1 50m 1を加えて、 トリェチルァミン塩酸塩以外の固体を 溶解させた。
0〜 5°Cにてァリルアルコール 34. 8 g (0. 6 Omo 1 ) と卜リエチルアミ ン 6 0. 6 g (0. 6 Omo 1 ) の混合液を 1時間かけて滴下し、 同温度で 3時間、 室温で 1 2時間反応させた。 減圧度を調節しながら 40°C以下で溶媒と過剰の試薬 を留去し、 残渣を水洗してトリェチルァミン塩酸塩を取り除き、 表記の目的物を 3 9. 3 g (収率約 9 5 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (IVa— 1) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm一1) : レ C=C 1630、 v ring 1603, 1495、 vP=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (MZZ) : 4 1 5, 41 6 (分子量計算値 =41 3. 504)
— NMRスペクトル(<5、 p pm) : CH2= 5. 0 (8H)、 =CH— 6. 0
(4H) 、 — CH2 - 3. 5 (8 H) 、 芳香族 C— H 7. 1〜7. 4 (8 H) 合成例 30
一般式 (IVa) において、 R16〜R19 : CH2 = CHCH2—、 R 0: — p- C6H4— 0— p- C6H4—の化合物 (IVa— 2) の合成。
4,4'-ビフエ二ルアルコールの代わりにビス(4-ヒドロキシフエニル)エーテル 20. 2 g (0. 1 Omo 1 ). を用いた他は、 合成例 29と同様にして表記の目的 物を 40. 4 g (収率約 94%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— M a s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (IVa— 2) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm— : V C=C 1630, レ ring 1603, 1495、 レ P=O 1260、 V C-0-C 1200
TOF— Ma s sスペクトル (M/Z) : 43 1, 432 (分子量計算値 =42 9. 504)
1H— NMRスペクトル (<5、 p pm) : CH2= 5. 1〜 5. 2 (8 H) 、 = CH- 6. 1〜6. 2 (4H) 、 — CH2 - 3. 4〜3. 6 ( 8 H) 、 芳香族 C — H 7. 1〜7. 5 (8H)
合成例 3 1
一般式 (IVa) において、 R16〜R19: CH2 = CHCH2—、 R20:— p_C6H4— CH2— p- C6H4—の化合物 (IVa— 3) の合成。
4, 4'-ビフエ二ルアルコールの代わりにビス(4-ヒドロキシフエニル)メタン 20. 0 g (0. 1 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 29と同様にして表記の目的 物を 40. 2 g (収率約 94%) 得た。
- この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (IVa— 3) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm-1) : vC=C 1635, リ ring 1605, 1495、 vP=0 1260 T〇F— Ma s sスぺクトル (MZZ) : 429, 430 (分子量計算値 =42 7. 53 1)
ェ!!ー NMRスペクトル■ ( δ、 pm) : CH2= 5. 0〜5. 1 ( 8 H) 、 = CH— 6. 0〜 6 · 1 (4H) 、 ァリルー CH2— 3. 2〜3. 4 (8 H) 、 - CH9- 3. 0 (2H) 、 芳香族 C一 H 7. 1 5〜7. 45 ( 8 H)
合成例 32
一般式 (IVa) において、 R16〜R19: p-CH2 = CHCH20— C6H4—、 R20: 一 P- C6H4— C (CH3) 2— p- C6H4—の化合物 (IVa— 4) の合成。
4, 4'-ビフエ二ルアルコールの代わりに 2, 2'-ビス(4-ヒドロキシフエニル)プロ パン 22. 8 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルアルコールの代わりに P-ァリロキシフ エノ一ル 90. 1 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 29と同様にして表 記の目的物を 88. 0 g (収率約 96%) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— M a s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (IVa— 4) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm-1) : リ OC 1635、 レ ring 1605, 1495、 リ P=O 1260
TOF— Ma s sスぺクトル (M/Z) : 9 18, 91 9 (分子量計算値 = 9 1 6. 904)
1H— NMRスペクトル (δ、 p pm) : CH2= 5. 1 0 (8H) 、 =CH— 6. 2〜6. 4 (4H) 、 — CH2 - 3. 4〜3. 6 ( 8 H) 、 CH3_ 1. 4 (6 H) 、 芳香族 C— H 7. 1 5〜7. 45 (24H)
合成例 33
一般式 (IVa) において、 R16〜R19: o-CH2 = CHCH2_C6H4—、 R20: - p-C6H4-C (=0) — p- C6H4—の化合物 (IVa— 5) の合成。
4,4'-ビフエ二ルアルコールの代わりに 4,4'-ジヒドロキシベンゾフエノン 2 1.
4 g (0. 1 Omo 1 ) 、 ァリルアルコールの代わりに 0-ァリルフエノール 80.
5 g (0. 6 Omo 1 ) を用いた他は、合成例 29と同様にして表記の目的物を 10 1. 8 g (収率約 94%) 得た。
' この化合物の赤外吸収スペクトル、 T〇F— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (IVa— 5) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm-1) : レ 001750、 レ OC 1635、 リ ring 1605, 1495、 yP=0 1260
TOF— Ma s sスペクトル (MZZ) : 840, 841 (分子量計算値 = 83 8. 834)
— NMRスペクトル(δ、 ρ pm) : CH2= 5. 2 (8H) 、 =CH— 6. 3 (4H) 、 — CH。― 3. 5 (8H) 、 芳香族 C一 H 7. 1 5〜7. 50 (2
4H)
合成例 34
一般式 (IVa) において、 R16〜R19: CH2=CHCH2—、 R20: -p-C6H4- S02_p- C6H4—の化合物 (IVa— 6) の合成。
4, 4 '-ビフエニルアルコールの代わりにビス(P -ヒドロキシフエニル)スルホン 2 5. 0 g (0. 1 Omo 1 ) を用いた他は、 合成例 29と同様にして表記の目的物 を 52. 5 g (収率約 92 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (IVa— 6) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm— : リ C=C 1635、 レ ring 1605, 1495、 ソ P=O 1260、 V S=0 1320
TOF-Ma s sスぺクトル(M/Z) : 572, 573 (分子量計算値 = 570. 498)
1H— NMRスぺクトリレ(δ、 p pm) : CH2= 5. 1 (8H) 、 二 CH— 6.
2 (4H) 、 — CH2— 3. 5 (8H) 、 芳香族 C— H 7. 1 5〜7. 65 (8 H)
合成例 35
一般式 (IVa) において、 R16〜R19: CH2 = CHCH2—、 R20: 2, 6— C10 H6< (2, 6一ナフチレン) の化合物 (IVa - 7) の合成。
4,4'-ビフエ二ルアルコールの代わりにナフタレン- 2, 6-ジオール 16.0 g(0. 1 Omo 1 ) を用いた他は、合成例 29と同様にして表記の目的物を 44. 7 g (収 率約 93 %) 得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、 TOF— Ma s sスペクトル、 NMRの測定 結果は以下の通りであり、 上記の化合物 (IVa— 7) の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル (cm-1) : y C=C 1635、 v ring 1605, 1495、 ν P=0 1260 TOF-Ma s sスぺクトル(MZZ) : 482, 483 (分子量計算値 =480.
395)
— NMRスぺクトル(δ、 pm) : CH2= 5. 1 (8H) 、 =CH— 6. 2 (4H) 、 一 CH2— 3. 5 (8H) 、 芳香族 C一 H 7. 1 5〜7. 25 (6 H)
B :難燃正樹脂加工品の製造
以下、 実施例 1〜 1 0が一般式 (I) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造 例であり、 比較例 1〜1 1がそれに対応する比較例である。
また、 実施例 1 1〜20が一般式 (H) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製 造例であり、 比較例 1 2〜22がそれに対応する比較例である。
また、 実施例 21〜30が一般式 (ΠΙ) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製 造例であり、 比較例 23〜33がそれに対応する比較例である。
また、 実施例 31〜40が一般式 (IV) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製 造例であり、 比較例 34〜44がそれに対応する比較例である。
[一般式 (I) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造] '
実施例 1
熱可塑性樹脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 61.8質量部、 強化繊維としてシランカツプリング剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバ一グラス社製: 03. JAFT2Ak 25) 22質量部、 着色剤としてカーポンプ ラック 1質量部、 酸化防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノィルガノックス 1 0 10) 0. 2質量部を加えて、 無機充填剤として炭酸カルシウム 5質量部、 反応性 難燃剤として上記の化合物 ( I a— l) 10質量部を配合し、 サイドフロ一型 2軸 押出機 (日本製鋼社製) で 280°Cで混練して樹脂ペレットを得て 105°Cで 4時 間乾燥した後、 上記ペレットを射出成形機 (FUNUC社製: 500 を用いて 樹脂温度 280t:、 金型温度 80°Cの条件で成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 25 kGy照射して実 施例 1の樹脂加工品を得た。
実施例 2 .
熱可塑性樹脂として、 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 62. 8質量 部に、 無機充填剤として約 0. 05 m径のクレー 4質量部、 着色剤として力一ポ ンブラック 1質量部、 反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物 (l a— 7) 8 質量部、 2官能性の上記の化合物 (I a— 8) 4質量部、 酸化防止剤 (チバガイギ 一社製:ィルガノックス 10 10) 0. 2質量部を加えて混合し、 280°Cに設定 したサイドフ口一型 2軸押出し機を用いて、 強化繊維としてシランカツプリング剤 で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2A
k25) 20質量部を、 押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込 み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレツトを得た後、上記ペレツトを 10 5 °Cで 4時間乾燥させた。
射出成形機 (FUNUC社製: α 50 C) を用いてシリンダー温度 280°C, 金 型温度 80° (:、 射出圧力 78. 4MP a、 射出速度 120mmZs、 冷却時間 1 5 秒の一般的な条件で、 電気 ·電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 30 k G y照射して実 施例 2の樹脂加工品を得た。
実施例 3
熱可塑性樹脂として 66ナイロン(宇部興産社製: 2020 B) 58. 8質量部、 難燃剤として多官能性の上記の化合物 ( I a— 16) 1 0質量部、 及び、 非反応型 の有機りん系難燃剤 (=光化学社製: HCA-HQ) 6質量部を用いた以外は、 実施例 2 と同様に体質顔料、 ガラスファイバー、 着色剤、 酸化防止剤を同量添加し、 実施例 3の樹脂加工品を得た。
実施例 4
熱可塑性樹脂として、 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 62. 8質量部 に、 無機充填剤として約 0. 05 / m径のクレー 4質量部、 着色剤として力一ボン ブラック 1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物( I a— 14) 10 質量部、 更に、 多官能環状化合物 (日本化成社製: TAIC) 2質量部、 酸化防止剤 (チ バガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 2質量部を加えて混合し、 280°C に設定したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて、 強化繊維としてシランカツプリ ング剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバ一グラス社製: 03. JAFT2Ak 25) 20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系 に混ぜ込み、 本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、 上記ペレ ットを 105 °Cで 4時間乾燥させた。
射出成形機 (FUNUC社製: α 50 C) を用いてシリンダー温度 280t:、 金 型温度 80°C、 射出圧力 78. 4MP a、 射出速度 120mm/ s、 冷却時間 15 秒の一般的な条件で、 電気 ·電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源とした r線を 30 kGy照射して実 施例 4の樹脂加工品を得た。
実施例 5
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフ夕レート樹脂 (東レ株式会社製: トレコ ン 140 1 X 06) 78質量部、 難燃剤として、 上記の化合物 (I a— 3) 12質 量部、 及び非反応型の有機りん系難燃剤 (三光化学社製: HCA- HQ) 5質量部、 酸化 アンチモン 5質量部を用い、 混練温度を 245°Cで混練りして樹脂コンパウンドべ レットを得て、 130°Cで 3時間乾燥させ、 成形時のシリンダー温度を 250 の 条件に変更した以外は実施例 2と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧 4. 8Me Vで、 照射線量 40 kGyの電子線を照射して実施例 5の樹脂加工品を得た。
実施例 6
実施例 1の難燃剤として、 4官能性の上記の化合物 ( I a— 1 5) 8質量部、 3 官能性のイソシァヌル酸 E〇変性トリァクリレート (東亜合成社製: M— 3 15) 2質量部を併用して用いた以外は、 実施例 1と同様の配合と条件で実施例 6の樹脂 加工品を得た。
実施例 7
実施例 2の系に熱触媒 (日本油脂社製: ノフマー BC) を 2質量部、 更に添加し た以外は実施例 2と同様の条件で成形品を成形した。
その後、 上記成形品を、 245°C、 8時間加熱によって反応して実施例 7の樹脂 加工品を得た。
実施例 8
実施例 2の系に、 紫外線開始剤 (チバガイギ一社製ィルガノックス 651とィル ガノックス 369とを 2 : 1で併用) 7質量部を添加した以外は実施例 2と同様の 条件で成形品を成形した。
その後、 上記成形品を、 超高圧水銀灯で 365 nmの波長で 1 5 OmWZcm2 の照度で 2分間照射して実施例 8の樹脂加工品を得た。
実施例 9
熱硬化性エポキシ系モールド樹脂 (長瀬ケミカル社製、 主剤 XNR4012: 100、 硬化 剤 XNH4012 : 50、 硬化促進剤 FD400: 1) 45質量部にシリカ 47質量部を分散した 系に、 反応性難燃剤として上記の化合物 (I a— 4) 8質量部を添加してモールド 成形品を得た後、 100° (:、 1時間反応させて実施例 9の樹脂加工品 (封止剤) を
得た。
実施例 10
半導体封止用エポキシ樹脂 (信越化学社製:セミコート 1 1 5) 94質量部に、 反応性難燃剤として上記の化合物 ( l a— 4) 6質量部添加してモールド成形品を 得た後、 1 50°C、 4時間反応させて実施例 10の樹脂加工品 (封止剤) を得た。 比較例 1〜 10
実施例 1〜10において、 上記の一般式 (l a) で示される反応性難燃剤のみを 配合しなかった以外は、 実施例 1〜10と同様な方法で、 それぞれ比較例 1〜 10 の樹脂加工品を得た。
比較例 1 1
実施例 3の難燃剤として、非反応性の有機りん系難燃剤(三光化学社製: EP0CLEAN) 16質量部のみ添加した以外は、 実施例 3と同様の条件で比較例 1 1の樹脂加工品 を得た。
[一般式 (Π) の反応性難燃剤'を用いた樹脂加工品の製造]
実施例 1 1
熱可塑性樹脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 61.8質量部、 強化繊維としてシランカツプリング剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバ一グラス社製: 03.JAFT2Ak25) 20質量部、 着色剤として力一ポンプ ラック 1質量部、 酸化防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノィルガノックス 1 0 10) 0. 2質量部を加えて、 無機充填剤として炭酸カルシウム 5質量部、 反応性 難燃剤として上記の化合物 (n a— l) 12質量部を配合し、 サイドフロ一型 2軸 押出機 (日本製鋼社製) で 280°Cで混練して樹脂ペレットを得て 105°Cで 4時 '間乾燥した後、 上記ペレットを射出成形機 (FUNUC社製: Qi 50 C) を用いて 樹脂温度 280°C、 金型温度 80°Cの条件で成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源とした τ線を 25 kGy照射して実 施例 1 1の樹脂加工品を得た。
実施例 12
熱可塑性樹脂として、 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 60. 8質量 部に、 無機充填剤として約 0. 05 m径のクレー 4質量部、 着色剤としてカーボ ンブラック 1質量部、 反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物 (Il a— 4) 8
質量部、 2官能性の上記の化合物 (H a— 1 1) 6質量部、 酸化防止剤 (チバガイ ギ一社製:ィルガノックス 10 10) 0. 2質量部を加えて混合し、 280°Cに設 定したサイドフロー型 2軸 ¾1出し機を用いて、 強化繊維としてシランカツプリング 剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバ一グラス社製: 03. JAFT2Ak25) 20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系 に混ぜ込み、 本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、 上記ペレ ットを 105 °Cで 4時間乾燥させた。
射出成形機 (FUNUC社製: ひ 500 を用いてシリンダー温度 280T、 金 型温度 80 °C、 射出圧力 78. 4 M P a、 射出速度 120 mmZ s、 冷却時間 1 5 秒の一般的な条件で、 電気 ·電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 30 kGy照射して実 施例 1 2の樹脂加工品を得た。
実施例 13
熱可塑性樹脂として 66ナイロン(宇部興産社製: 2020 B) 58. 8質量部、 難燃剤として多官能性の上記の化合物 (Il a— 7) 10質量部、 及び、 非反応型の 有機りん系難燃剤 (三光化学社製: HCA-HQ) 6質量部を用いた以外は、 実施例 12 と同様に無機充填剤、 ガラスファイバ一、 着色剤、 酸化防止剤を同量添加し、 実施 例 1 3の樹脂加工品を得た。
実施例 14
熱可塑性樹脂として、 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 59. 8質量部 に、 無機充填剤として約 0. 05 m径のクレー 4質量部、 着色剤としてカーボン ブラック 1質量部、 反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物 (Il a— 4) 8質 量部、 更に、 多官能環状化合物 (日本化成社製: TAIC) 2質量部、 酸化防止剤 (チ パガィギ一社製:ィルガノックス 10 10) 0. 2質量部を加えて混合し、 280°C に設定したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて、 強化繊維としてシランカツプリ ング剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak 25) 25質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系 に混ぜ込み、 本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、 上記ペレ ットを 1 05 で 4時間乾燥させた。
射出成形機 (FUNUC社製: 500 を用いてシリンダー温度 280° (:、 金
型温度 80t:、 射出圧力 78. 4MP a、 射出速度 120 mmZ s、 冷却時間 1 5 秒の一般的な条件で、 電気 ·電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源とした r線を 30 kGy照射して実 施例 14の樹脂加工品を得た。
実施例 1 5
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフ夕レート樹脂 (東レ株式会社製: トレコ ン 140 1 X 06) 78質量部、 難燃剤として、 上記の化合物 (Il a— 9) 12質 量部、 及び非反応型の有機りん系難燃剤 (三光化学社製: HCA- HQ) 5質量部、 酸化 アンチモン 5質量部を用い、 混練温度を 245Tで混練りして樹脂コンパウンドべ レットを得て、 130°Cで 3時間乾燥させ、 成形時のシリンダ一温度を 250°Cの 条件に変更した以外は実施例 12と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧 4. 8Me Vで、 照射線量 40 k Gyの電子線を照射して実施例 1 5の樹脂加工品を得た。
実施例 16
実施例 1 1の難燃剤として、 4官能性の上記の化合物 (Π a— 6) 8質量部、 3 官能性のイソシァヌル酸 EO変性トリァクリレート (東亜合成社製: M— 31 5) 4質量部を併用して用いた以外は、 実施例 1 1と同様の配合と条件で実施例 16の 樹脂加工品を得た。
実施例 1 7
実施例 12の系に熱触媒 (日本油脂社製: ノフマ一 BC) を 2質量部、 更に添加 した以外は実施例 12と同様の条件で成形品を成形した。
その後、 上記成形品を、 245°C、 8時間加熱によって反応して実施例 17の樹 脂加工品を得た.。
実施例 1 8
実施例 1 2の系に、 紫外線開始剤 (チパガィギ一社製ィルガノックス 65 1とィ ルガノックス 369とを 2 : 1で併用) 7質量部を添加した以外は実施例 1 2と同 様の条件で成形品を成形した。
その後、 上記成形品を、' 超高圧水銀灯で 365 nmの波長で 1 5 OmW/cm2 の照度で 2分間照射して実施例 18の樹脂加工品を得た。
実施例 1 9
熱硬化性エポキシ系モ一ルド樹脂 (長瀬ケミカル社製、 主剤 XNR4012: 100、 硬化 剤 XNH4012 : 50、 硬化促進剤 FD400: 1) 47質量部にシリカ 45質量部を分散した 系に、 反応性難燃剤として上記の化合物 (H a— 9) 8質量部を添加してモールド 成形品を得た後、 1 00 、 1時間反応させて実施例 1 9の樹脂加工品 (封止剤) を得た。
実施例 20
半導体封止用エポキシ樹脂 (信越化学社製:セミコート 1 1 5) 94質量部に、 反応性難燃剤として上記の化合物 (ll a— 12) 6質量部を添加してモールド成形 品を得た後、 1 50°C、 4時間反応させて実施例 20の樹脂加工品 (封止剤) を得 た。
比較例 12〜 2 1
実施例 1 1〜20において、 本発明の一般式 (H a) で示される反応性難燃剤の みを配合しなかった以外は、 実施例 1 1〜20と同様な方法で、 それぞれ比較例 1 2〜21の樹脂加工品を得た。 '
比較例 22
実施例 1 3の難燃剤として、 非反応性の有機りん系難燃剤 (三光化学社製: EP0CLEAN) 1 6質量部のみ添加した以外は、 実施例 13と同様の条件で比較例 22 の樹脂加工品を得た。
[一般式 (ΠΙ) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造]
実施例 21
熱可塑性樹脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 61.8質量部、 強化繊維としてシランカツプリング剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 ' (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak25) 20質量部、 着色剤としてカーポンプ ラック 1質量部、 酸化防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノィルガノックス 1 0 10) 0. 2質量部を加えて、 無機充填剤として炭酸カルシウム 5質量部、 反応性 難燃剤として上記の化合物 (Ha— I) 12質量部を配合し、 サイドフロー型 2軸 押出機 (日本製鋼社製) で 280°Cで混練して樹脂ペレットを得て 105°Cで 4時 間乾燥した後、 上記ペレヅトを射出成形機 (FUNUC社製: a 50 C) を用いて 樹脂温度 280°C、 金型温度 80 の条件で成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 25 kGy照射して実
施例 21の樹脂加工品を得た。
実施例 22
熱可塑性樹脂として、 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 60. 8質量 部に、 無機充填剤として約 0. 05 m径のクレー 4質量部、 着色剤として力一ポ ンブラック 1質量部、 反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物 (Ha— 4) 8 質量部、 2官能性の上記の化合物 (ma— 8) 6質量部、 酸化防止剤 (チバガイギ 一社製:ィルガノックス 10 10) 0. 2質量部を加えて混合し、 280°Cに設定 したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて、 強化繊維としてシランカツプリング剤 で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維(旭ファイバ一グラス社製: 03. JAFT2A k25) 20質量部を、 押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込 み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレツトを得た後、上記ペレツトを 1 0 5 °Cで 4時間乾燥させた。
射出成形機 (FUNUC社製: α 50 C) を用いてシリンダー温度 280°C、 金 型温度 80°C、 射出圧力 78. 4MP a、 射出速度 120mmZs、 冷却時間 1 5 秒の一般的な条件で、 電気 ·電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 30 kGy照射して実 施例 22の樹脂加工品を得た。
実施例 23
熱可塑性樹脂として 66ナイロン(宇部興産社製: 2020 B) 58. 8質量部、 難燃剤として多官能性の上記の化合物 (ma— 7) 10質量部、 及び、 非反応型の 有機りん系難燃剤 (三光化学社製: HCA- HQ) 6質量部を用いた以外は、 実施例 22 と同様に体質顔料、 ガラスファイバー、 着色剤、 酸化防止剤を同量添加し、 実施例 22と同様の条件で実施例 23の樹脂加工品を得た。
実施例 24
熱可塑性樹脂として、 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 59. 8質量部 に、 無機充填剤として約 0. 05 m径のクレー 4質量部、 着色剤としてカーボン ブラック 1質量部、 反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物 (ma— 4) 8質 量部、 更に、 多官能環状化合物 (日本化成社製: TAIC) 2質量部、 酸化防止剤 (チ パガィギ一社製:ィルガノックス 101 0) 0. 2質量部を加えて混合し、 280°C に設定したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて、 強化繊維としてシランカツプリ
ング剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak 25) 25質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系 に混ぜ込み、 本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、 上記ペレ ットを 105 °Cで 4時間乾燥させた。
射出成形機 (FUNUC社製: o; 50 C) を用いてシリンダー温度 280°C、 金 型温度 80°C、 射出圧力 78. 4MP a、 射出速度 120mm/ s、 冷却時間 1 5 秒の一般的な条件で、 電気 ·電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。 ' その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 3 O kGy照射して実 施例 24の樹脂加工品を得た。
実施例 25
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレ一ト榭脂. (東レ株式会社製: トレコ ン 1401 X 06) 78質量部、 難燃剤として、 上記の化合物 (Ha— 9) 12質 量部、 及び非反応型の有機りん系難燃剤 (三光化学社製: HCA- HQ) 5質量部、 酸化 アンチモン 5質量部を用い、 混練温度を 245°Cで混練りして樹脂コンパウンドべ レツトを得て、 130°Cで 3時間乾燥させ、 成形時のシリンダー温度を 250°Cの 条件に変更した以外は実施例 22と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧 4. 8Me Vで、 照射線量 40 kGyの電子線を照射して実施例 25の樹脂加工品を得た。
実施例 26
実施例 21の難燃剤として、 4官能性の上記の化合物 (ma— 6) 8質量部、 3 官能性のイソシァヌル酸 EO変性トリァクリレート (東亜合成社製: M— 315) 3質量部を併用して用いた以外は、 実施例 21と同様の配合と条件で実施例 26の 樹脂加工品を得た。
実施例 27
実施例 22の系に熱触媒 (日本油脂社製: スフマ一 BC) を 2質量部、 更に添加 した以外は実施例 22と同様の条件で成形品を成形した。
その後、 上記成形品を、 _245°C、 8時間加熱によって反応して実施例 27の樹 脂加工品を得た。
実施例 28
実施例 22の系に、 紫外線開始剤 (チパガィギ一社製ィルガノックス 651とィ
ルガノックス 369とを 2 : 1で併用) 7質量部を添加した以外は実施例 22と同 様の条件で成形品を成形した。
その後、 上記成形品を、 超高圧水銀灯で 365 nmの波長で 1 5 OmW/c m2 の照度で 2分間照射して実施例 28の樹脂加工品を得た。
実施例 29
熱硬化性エポキシ系モ一ルド樹脂 (長瀬ケミカル社製、 主剤 XNR4012 : 100、 硬化 剤 XNH4012 : 50、 硬化促進剤 FD400: 1) 45質量部にシリカ 47質量部を分散した 系に、 反応性難燃剤として上記の化合物 (ma— 9) 8質量部を添加してモールド 成形品を得た後、 100°C、 1時間反応させて実施例 29の樹脂加工品 (封止剤) を得た。
実施例 30
半導体封止用エポキシ樹脂 (信越化学社製:セミコート 1 1 5) 94質量部に、 反応性難燃剤として上記の化合物 (Ha— 12) 6質量部を添加してモールド成形 品を得た後、 1 50°C、 4時間反応させて実施例 30の樹脂加工品 (封止剤) を得 た。
比較例 23〜 32
実施例 21〜30において、 本発明の一般式 (Ma) で示される反応性難燃剤の みを配合しなかった以外は、 実施例 21〜30と同様な方法で、 それぞれ比較例 2 3〜 32の樹脂加工品を得た。
比較例 33
実施例 2 3の難燃剤として、 非反応性の有機りん系難燃剤 (三光化学社製: EP0CLEAN) 16質量部のみ添加した以外は、 実施例 23と同様の条件で比較例 33 'の樹脂加工品を得た。
' [一般式 (IV) の反応性難燃剤を用いた樹脂加:!;品の製造]
実施例 31
熱可塑性樹脂として 66ナイロン (宇部興産社製: 2 123 B) 56.8質量部、 強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak25) 25質量部、 着色剤としてカーポンプ ラック 1質量部、 酸化防止剤 (チバガイギ一社製:ィルガノィルガノックス 1 0 1 0) 0. 2質量部を加えて、 無機充填剤として炭酸カルシウム 5質量部、 反応性
難燃剤として上記の化合物 (IVa_ 7) 12質量部を配合し、 サイドフロー型 2軸 押出機 (日本製鋼社製) で 280°Cで混練して樹脂ペレットを得て 105°Cで 4時 間乾燥した後、 上記ペレットを射出成形機 (FUNUC社製: ひ 50 C) を用いて 樹脂温度 280°C, 金型温度 80°Cの条件で成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 25 kGy照射して実 施例 31の樹脂加工品を得た。
実施例 32
熱可塑性樹脂として、 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B) 60. 8質量 部に、 無機充填剤として約 0. 05 m径のクレー 4質量部、 着色剤として力一ポ ンブラック 1質量部、 反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物 (IVa— 1) 8 質量部、 2官能性の上記の化合物 (IVa— 10) 6質量部、 酸化防止剤 (チバガイ ギ一社製:ィルガノックス 10 10) 0. 2質量部を加えて混合し、 280°Cに設 定したサイドフ口一型 2軸押出し機を用いて、 強化繊維としてシランカツプリング 剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバ一グラス社製: 03. JAFT2Ak25) 20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系 に混ぜ込み、 本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、 上記ペレ ットを 105 °Cで 4時間乾燥させた。
射出成形機 (FUNUC社製: 500 を用いてシリンダー温度 280°C、 金 型温度 80°C、 射出圧力 78. 4MP a、 射出速度 120 mm, s、 冷却時間 1 5 秒の一般的な条件で、 電気 ·電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 30 kGy照射して実 施例 32の樹脂加工品を得た。
' 実施例 33
熱可塑性樹脂として 66ナイロン(宇部興産社製: 2020 B) 57. 8質量部、 難燃剤として多官能性の上記の化合物 (IVa— 2) 12質量部、 及び、 非反応型の 有機りん系難燃剤 (三光化学社製: HCA- HQ) 6質量部を用いた以外は、 実施例 32 と同様に無機充填剤、 ガラスファイバ一、 着色剤、 酸化防止剤を同量添加し、 実施 例 33の樹脂加工品を得た。
実施例 34
熱可塑性樹脂として、 66ナイロン (宇部興産社製: 2020 B)' 59. 8質量部
に、 無機充填剤として約 0. 05 zm径のクレー 4質量部、 着色剤としてカーボン ブラック 1質量部、 反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物 (IVa— 7) 8質 量部、 更に、 多官能環状化合物 (日本化成社製: TAIC) 2質量部、 酸化防止剤 (チ バガイギ一社製:ィルガノックス 1010) 0. 2質量部を加えて混合し、 280°C に設定したサイドフロー型 2軸押出し機を用いて、 強化繊維としてシランカツプリ ング剤で表面処理した繊維長約 3 mmのガラス繊維 (旭ファイバーグラス社製: 03. JAFT2Ak25) 25質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系 に混ぜ込み、 本組成の榭脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、 上記ペレ ットを 105 °Cで 4時間乾燥させた。
射出成形機 (FUNUC社製: ひ 500 を用いてシリンダ一温度 280 、 金 型温度 80 °C、 射出圧力 78. 4 MP a、 射出速度 120 mm/ s、 冷却時間 1 5 秒の一般的な条件で、 電気 ·電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、 上記成形品に、 コバルト 60を線源としたァ線を 3 O kGy照射して実 施例 34の樹脂加工品を得た。
実施例 35
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフ夕レート樹脂 (東レ株式会社製: トレコ ン 1401 X 06) 78質量部、 難燃剤として、 上記の化合物 (IVa— 6) 12質 量部、 及び非反応型の有機りん系難燃剤 (三光化学社製: HCA-HQ) 5質量部、 酸化 アンチモン 5質量部を用い、 混練温度を 245°Cで混練りして樹脂コンパウンドべ レットを得て、 130°Cで 3時間乾燥させ、 成形時のシリンダ一温度を 250°Cの 条件に変更した以外は実施例 32と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧 4. 8Me Vで、 照射線量 40 kGyの電子線を照射して実施例 35の樹脂加工品を得た。
実施例 36
実施例 31の難燃剤として、 4官能性の上記の化合物 (IVa— 1) 8質量部、 3 官能性のイソシァヌル酸 EO変性トリァクリレート (東亜合成社製: M— 3 1 5) 3質量部を併用して用いた以外は、 実施例 3 1と同様の配合と条件で実施例 36の 樹脂加工品を得た。 '
実施例 37
実施例 32の系に熱触媒 (日本油脂社製: ノフマー BC) を 2質量部、 更に添加
した以外は実施例 32と同様の条件で成形品を成形した。
その後、 上記成形品を、 245。C、 8時間加熱によって反応して実施例 37の樹 脂加工品を得た。
実施例 38
実施例 32の系に、 紫外線開始剤 (チバガイギ一社製ィルガノックス 651とィ ルガノックス 369とを 2 : 1で併用) 7質量部を添加した以外は実施例 32と同 様の条件で成形品を成形した。
その後、 上記成形品を、 超高圧水銀灯で 365 nmの波長で 1 5 OmWZcm2 の照度で 2分間照射して実施例 38の樹脂加工品を得た。
実施例 39
熱硬化性エポキシ系モ一ルド樹脂 (長瀬ケミカル社製、 主剤 XNR4012 : 100、 硬化 剤 XNH4012 : 50、 硬化促進剤 FD400: 1) 47質量部にシリカ 45質量部を分散した 系に、 反応性難燃剤として上記の化合物 (Wa— 5) 8質量部を添加してモールド 成形品を得た後、 100°C、 1時間反応させて実施例 39の樹脂加工品 (封止剤) を得た。
実施例 40
半導体封止用エポキシ樹脂 (信越化学社製:セミコート 1 1 5) 94質量部に、 反応性難燃剤として上記の化合物 (IV a— 4) 6質量部を添加してモールド成形品 を得た後、 150° (:、 4時間反応させて実施例 40の樹脂加工品(封止剤) を得た。 比較例 34〜 43
実施例 31〜40において、 本発明の一般式 (IVa) で示される反応性難燃剤の みを配合しなかった以外は、 実施例 3 1〜40と同様な方法で、 それぞれ比較例 3 — 4〜 43の樹脂加工品を得た。
比較例 44
実施例 3 3の難燃剤として、 非反応性の有機りん系難燃剤 (三光化学社製: EP0CLEAN) 16質量部のみ添加した以外は、 実施例 33と同様の条件で比較例 44 の樹脂加工品を得た。
C :難燃正樹脂加工品の試験例
実施例 1〜40、 比較例 1〜44の樹脂加工品について、 難燃性試験である UL 一 94に準拠した試験片 (長さ 5インチ、 幅 1/2インチ、 厚さ 3. 2 mm) と、
I EC 60695— 2法(GWF I )に準拠したグロ一ワイヤ試験片( 60 mm角、 厚さ 1. 6mm) を作製し、 UL 94試験、 グロ一ワイヤ試験 ( I EC準拠) 、 は んだ耐熱試験を行なった。 また、 すべての樹脂加工品について 300°CX 3時間の ブリードアウト試験を行った。
なお、 UL 94試験は、 試験片を垂直に取りつけ, ブンゼンバーナーで 1 0秒間 接炎後の燃焼時間を記録した。 更に、 消火後 2回目の 10秒間接炎し再び接炎後の 燃焼時間を記録し、 燃焼時間の合計と 2回目消火後の赤熱燃焼 (グロ一イング) 時 間と綿を発火させる滴下物の有無で判定した。
また、 グロ一ワイヤ試験は、 グロ一ワイヤとして先端が割けないように曲げた直 径 4mmのニクロム線 (成分:ニッケル 80%、 クロム 20%) 、 温度測定用熱電対 として直径 0. 5 mmのタイプ K (クロメル一アルメル) を用い、 熱電対圧着荷重 1. 0 ± 0. 2 N、 温度 850 °Cで行つた。 なお、 30秒接触後の燃焼時間が 30 秒以内のこと、 サンプルの下のティッシュペーパーが発火しないことをもつて燃焼 性 (GWF I) の判定基準とした。
また、 はんだ耐熱試験は、 350°Cのはんだ浴に 10秒浸漬後の寸法変形率を示 した。
その結果をまとめて表 1〜4に示す。
なお、 表 1は、 一般式 (I) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の試験例である (実施例 1〜 10、 比較例 1〜 1 1 ) 。
また、 表 2は、 一般式 (Π) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の試験例である (実施例 1 1〜 20、 比較例 12〜 22 ) 。
また、 表 3は、 一般式 (m) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の試験例である
(実施例 21〜 30、 比較例 23〜 33 ) 。
また、 表 4は、 一般式 (IV) の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の試験例である (実施例 31〜 40、 比較例 34〜 44 ) 。
クランプ 落下物に 300°CX
難燃性 グロ一ヮ はんだ耐熱試験 に達する よる脱脂 3時間後の (UL-94) ィャ試験 寸法変化率 (¾) 綿着火 フ'リ-ドアウト
実施例 1 V- 0 ' 合格 5 実施例 2 V- 0 合格 4 実施例 3 V- 0 ' 挺 合格 8 実施例 4 V- 0 合格 3. 実施例 5 V- 0 ' 合格 10 実施例 6 V- 0 合格 7 実施例 7 V- 0 合格 13 実施例 8 V- 0 te 合格 8 実施例 9 V- 0 合格 5 実施例 10 V- 0 ' 合格 19 比較例 1 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 2 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 3 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 4 HB ^]†|^
有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 5 HB 有 有 不合格 35 比較例 6 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 7 HB 有 有 不合格 浸潰直後変形 比較例 8 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 9 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 10 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 11 V- 2 ' 有 合格 有 浸漬直後変形
表 2
クランプ 落下物に 300°CX 難燃性 グローヮ はんだ耐熱試験 に達する よる脱脂 3時間後の
(UL-94) ィャ試験 寸法変化率 (¾) 綿着火 フ'リ-ドアウト
実施例 11 V- 0 赃 合格 6 実施例 12 V- 0 iH: 合格 4 実施例 13 V- 0 合格 9 実施例 14 V- 0 合格 3 実施例 15 V- 0 合格 1 1 実施例 16 V- 0 合格 12 実施例 Π V- 0 合格 挺 16 実施例 18 V- 0 合格 18 実施例 19 V- 0 合格 4 実施例 20 V- 0 合格 挺 19 比較例 12 HB 有 有 不合格 i 浸漬直後変形 比較例 13 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 14 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 15 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 16 HB 有 有 不合格 35 比較例 Π HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 18 HB 有 有 不合格 te 浸漬直後変形 比較例 19 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 20 HB 有 有 不合格 M 浸漬直後変形
•比較例 21 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 22 V- 2 有 合格 有 浸漬直後変形
表 3
クランプ 落下物に 300°C X 難燃性 グローヮ はんだ耐熱試験 に達する 3時間後の
(UL-94) よる脱脂
ィャ試験 寸法変化率 (%) 綿着火 プ 'リ-ト"アウト
実施例 21 V- 0 合格 6 実施例 V- 0 挺 合格 4 実施例 23 V- 0 合格 9 実施例 24 V- 0 挺 合格 3 実施例 25 V- 0 合格 1 1 実施例 26 V- 0 合格 1 2 実施例 27 V- 0 合格 1 6 実施例 28 V- 0 合格 1 8 実施例 29 V- 0 合格 4 実施例 30 V- 0 合格 1 9 比較例 23 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 24 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 25 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 26 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 27 HB 有 有 不合格 3 5 比較例 28 HB 有 有 . 不合格 浸漬直後変形 比較例 29 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 30 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 31 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 32 HB 有 有 不合格 浸漬直後変形 比較例 33 V- 2 有 合格 有 浸漬直後変形
表 4
表 1から 4の結果より、実施例の樹脂加工品においては、難燃性はいずれも V— 0 と優れ、 グロ一ワイヤ試験においてもすべて合格しており、 更に、 はんだ耐熱試験 後の寸法変形率も 19% 下と優れることがわかる。 また、 300 Χ 3時間後に おいても難燃剤のブ,リードアウトは認められなかった。
一方、 本発明の反応性難燃剤を含有しない比較例 1 10、 比較例 12 21
比較例 2 3〜 3 2、 比較例 3 4〜 4 3においては、 難燃性は H Bと不充分であり、 グロ一ワイヤ試験においてもすべて不合格、 更に、 はんだ耐熱試験後の寸法変形率 も実施例に比べて劣ることがわかる。
また、難燃剤として非反応型の有機りん系難燃剤のみを用いた比較例 1 1、 2 2、 3 3、 4 4においては、 難燃性は V— 2で不充分であり、 3 0 0 °C X 3時間後にお いて難燃剤のプリ一ドアウトが認められた。 産業上の利用可能性
本発明は、 ハロゲンを含有しない、 非ハロゲン系の難燃剤及び難燃性樹脂加工品 として、 電気部品や電子部品等の樹脂成形品や、 半導体等の封止剤、 コーティング 塗膜等に好適に利用できる。