JP4295764B2 - 反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、樹脂成形品等に利用される難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品に関し、更に詳しくは、ハロゲンを含有しない非ハロゲン系の難燃剤に関する。
ポリエステルやポリアミド等の熱可塑性樹脂や、エポキシ等の熱硬化性樹脂は、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチックとして優れた成形加工性、機械的強度、電気特性を有していることから、電気、電子分野等を始めとして広く用いられている。そして、これらの樹脂成形品等の製品は、高温による火災防止を目的とした安全上の観点から難燃性が要求されており、例えば、難燃グレードとしてUL94のような規格が設けられている。
一般に、このような樹脂材料の難燃化としては、特にハロゲン物質の添加が有効であることが知られており、樹脂に添加させて使用されている。このハロゲン系難燃剤のメカニズムは、主に熱分解によりハロゲン化ラジカルが生成し、このハロゲン化ラジカルが燃焼源である有機ラジカルを捕捉することで、燃焼の連鎖反応を停止させ、高難燃性を発現させると言われている。
しかし、ハロゲン化合物を大量に含む難燃剤は、燃焼条件によってはダイオキシン類が発生する可能性があり、環境への負荷を低減する観点から、近年ハロゲン量を低減させる要求が高まっている。したがって、ハロゲン系化合物を含有しない非ハロゲン系難燃剤が各種検討されている。
このような非ハロゲン系難燃剤としては、金属水和物や赤リン等の無機難燃剤、リン酸エステル等の有機リン系難燃剤等が検討されているが、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムといった金属水和物の場合、難燃性付与効果があまり高くないので、樹脂に多量に配合する必要がある。したがって、樹脂の成形性が悪くなったり、得られる成形品等の機械的強度が低下しやすく、使用可能な成形品等の用途が限定されるという問題がある。また、赤りんは、難燃効果は高いが、分散不良により電気特性を阻害したり、危険ガスが発生したり、成形性を低下するとともにブリード現象を起こしやすい。
一方、リン酸エステル等のリン系難燃剤としては、例えば、特開2002−20394号公報には、ホスホリナン構造を有する酸性リン酸エステルのピペラジン塩もしくはC1〜6のアルキレンジアミン塩を難燃剤として使用することが開示されている。
また、特開2002−80633号公報には、リン酸モノフェニル、リン酸モノトリル等の芳香族リン酸エステルとピペラジン等の脂肪族アミンとからなる塩を主成分とする樹脂用難燃剤が開示されている。
更に、特開2002−138096号公報には、ハロゲンフリーの難燃処方として優れた難燃効果を発現させると共に、成形品の耐熱性、耐水性の物性に優れ、また電気積層板用途における密着性に優れる難燃エポキシ樹脂を得るための難燃剤としてリン含有フェノール化合物を用いることが開示されている。
更にまた、特開平5−331179号公報には、特に高分子化合物の安定剤、難燃剤として有用である、2官能ヒドロキシル基を有する有機環状リン化合物が開示されている。
しかしながら、上記の特開2002−20394号公報、特開2002−80633号公報、特開2002−138096号公報に用いられているようなリン酸エステル化合物においては、その難燃性が不充分であるため高濃度で配合する必要があった。
また、分子内に樹脂成分と反応するための反応基を有していないために、難燃剤成分が樹脂中を移行しやすく、成型時に揮発して金型を汚染したり、樹脂の表面に難燃剤がブリードアウトするという問題があった。このため、樹脂加工品の熱的、機械的、電気的特性等を低下する原因となっていた。
更に、特開平5−331179号公報の有機環状リン化合物においては、エポキシ樹脂のようなヒドロキシル基と結合できるような反応基を有する樹脂においては反応性難燃剤として機能する。しかし、例えば、通常のオレフィン樹脂のようにヒドロキシル基と結合できるような反応基を有しない樹脂においては架橋を形成できないので、やはり難燃剤成分が樹脂中を移行しやすく、成型時に揮発して金型を汚染したり、樹脂の表面に難燃剤がブリードアウトするという問題があった。
したがって、本発明の目的は、樹脂への少量の添加でも難燃性、耐熱性に優れるとともに難燃剤のブリードアウト等を防止でき、加えて、成形品の機械特性、電気特性、寸法安定性、成形性にも優れる、反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品を提供することにある。
すなわち、本発明の反応性難燃剤の1つは、樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(Ia)又は(Ib)で示される有機リン化合物を含有することを特徴とする。
Figure 0004295764
(式(Ia)又は(Ib)中、R〜RはそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、Rはヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。X〜Xはそれぞれ−O−、−NH−、−(CH=CY−Y)N−より選択される基を表し、X〜Xの少なくとも1つは−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を含む。X、Xはそれぞれ−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を表す。R〜R又はX〜Xの少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
また、本発明の反応性難燃剤の他の1つは、樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(IIa)又は(IIb)で示される有機リン化合物を含有することを特徴とする。
Figure 0004295764
(式(IIa)又は(IIb)中、R〜RはそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R10はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表し、X、Xはそれぞれ−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を表す。R〜R又はX、Xの少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
また、本発明の反応性難燃剤の更に他の1つは、樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(IIIa)又は(IIIb)で示される有機リン化合物を含有することを特徴とする。
Figure 0004295764
(式(IIIa)又は(IIIb)中、R11〜R14はそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R15はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。X〜X12はそれぞれ−O−、−NH−、−(CH=CY−Y)N−より選択される基を表し、X〜X の少なくとも1つは−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を含む。R11〜R14又はX〜X12の少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
また、本発明の反応性難燃剤の更に他の1つは、樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(IVa)又は(IVb)で示される有機リン化合物を含有することを特徴とする。
Figure 0004295764
(式(IVa)又は(IVb)中、R16〜R19はそれぞれCH=CY10−Y11−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R16〜R19の少なくとも1つはCH=CY10−Y11−を含む。R20はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。Y10は水素又はメチル基を表し、Y11は炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y12−を表す。ここで、Y12は炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
なお、以下、上記の一般式(Ia)と(Ib)を併せて一般式(I)、一般式(IIa)と(IIb)を併せて一般式(II)、一般式(IIIa)と(IIIb)を併せて一般式(III)、一般式(IVa)と(IVb)を併せて一般式(IV)ともいう。
上記の一般式(I)〜(IV)の反応性難燃剤によれば、1分子内に少なくとも1つの末端不飽和結合を有している有機リン化合物を用いたので、この末端不飽和結合を、加熱又は放射線によって樹脂と結合して反応させることができる。これにより、難燃剤成分が樹脂中に安定して存在するので、難燃剤のブリードアウトを防止して、少量の添加でも難燃性を長期間付与できる。
また、1分子内に2個のリン原子を含んでいるのでリンの含有量が高く、難燃性を向上できる。
また、ヘテロ原子を含んでもよい芳香族炭化水素系基を含んでいるので分子量が増大し、エネルギー的にも安定化する。これにより熱分解温度が向上するので、樹脂への混練、成形時における難燃剤の気化や、成形時の熱や剪断による難燃剤の分解を防止でき、成形性が向上する。また、炭素を多く含有することで、樹脂分解時にススが生成、堆積することによって難燃性が向上する、いわゆるチャー効果も得られる。
一方、本発明の難燃性樹脂加工品は、上記の反応性難燃剤と、樹脂とを含有する樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる難燃性樹脂加工品であって、前記難燃性樹脂加工品全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有することを特徴とする。
本発明の難燃性樹脂加工品によれば、上記の有機リン化合物の末端不飽和結合を、加熱又は放射線の照射によって樹脂と反応させたので、難燃剤成分が樹脂中に安定して存在する。これにより難燃剤のブリードアウトを防止して難燃性効果が向上するので、難燃性樹脂加工品全体に対する反応性難燃剤の添加量が1〜20質量%と少量であっても、難燃性を長期間付与できる。
また、難燃剤と樹脂との結合によって、樹脂が3次元網目構造に架橋化するので、得られる樹脂加工品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができ、特に耐熱性と機械強度を向上させることができる。更に薄肉成形加工も可能になる。
上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤を2種類以上含有し、少なくとも1種類が多官能性の前記反応性難燃剤であることが好ましい。
この態様によれば、反応性の異なる難燃剤の併用によって架橋に要する反応速度を制御できるので、急激な架橋反応の進行による樹脂の収縮等を防止することができる。また、多官能性の難燃剤の含有によって、上記の有機環状リン化合物による均一な3次元網目構造が形成されるので、耐熱性、難燃性が向上するとともに、より安定した樹脂物性が得られる。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有し、該難燃剤が、末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物であることが好ましい。
この態様によれば、末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物によっても、難燃剤と樹脂との結合によって樹脂が3次元網目構造に架橋できるので、併用によって難燃剤全体のコストダウンを図りつつ、得られる樹脂加工品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができる。また、窒素を含有するので、特に樹脂としてポリアミド系樹脂を用いた場合に樹脂との相溶性がより向上する。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有し、該難燃剤が、反応性を有しない添加型の難燃剤であることが好ましい。上記の反応性難燃剤に、例えば、リン酸エステル系、メラミン系、水酸化金属、シリコン系等の反応性を有しない添加型の難燃剤を併用することによって、相乗効果により反応性難燃剤単独の場合に比べて難燃性を更に向上でき、また、難燃剤のコストダウンを図ることができる。
更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂組成物が、難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤を更に含有し、該架橋剤が、主骨格の末端に不飽和基を有する多官能性のモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。
この態様によっても、架橋剤と樹脂との結合によって、樹脂が3次元網目構造に架橋できるので、得られる樹脂加工品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができる。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品全体に対して1〜35質量%の無機充填剤を含有することが好ましい。なかでも、前記無機充填剤としてシリケート層が積層してなる層状のクレーを含有し、前記層状のクレーを前記難燃性樹脂加工品全体に対して1〜10質量%含有することが好ましい。この態様によれば、架橋に伴う収縮や分解を抑え、寸法安定性に優れる樹脂加工品を得ることができる。また、無機充填剤としてシリケート層が積層してなる層状のクレーを含有した場合には、ナノオーダーで層状のクレーが樹脂中に分散することにより樹脂とのハイブリット構造を形成する。これによって、得られる難燃性樹脂加工品の耐熱性、機械強度等が向上する。
更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品全体に対して5〜40質量%の強化繊維を含有することが好ましい。この態様によれば、強化繊維の含有により、樹脂加工品の引張り、圧縮、曲げ、衝撃等の機械的強度を向上させることができ、更に水分や温度に対する物性低下を防止することができる。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、線量10kGy以上の電子線又はγ線の照射によって反応して得られることが好ましい。この態様によれば、樹脂を成形等によって固化した後に、放射線によって架橋できるので、樹脂加工品を生産性よく製造できる。また、上記範囲の線量とすることにより、線量不足による3次元網目構造の不均一な形成や、未反応の架橋剤残留によるブリードアウトを防止できる。また、特に、照射線量を10〜45kGyとすれば、線量過剰によって生じる酸化分解生成物に起因する、樹脂加工品の内部歪みによる変形や収縮等も防止できる。
更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、前記樹脂組成物を成形する温度より5℃以上高い温度で反応して得られることも好ましい。この態様によれば、放射線照射装置等が不要であり、特に熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物において好適に用いることができる。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品が、成形品、塗膜、封止剤より選択される1つであることが好ましい。本発明の難燃性樹脂加工品は、上記のように優れた難燃性を有し、しかもブリードアウトを防止できるので、通常の樹脂成形品のみならず、コーティング剤等として塗膜化したり、半導体や液晶材料等の封止剤としても好適に用いられる。
更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品が、電気部品又は電子部品として用いられるものであることが好ましい。本発明の難燃性樹脂加工品は、上記のように、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れるので、特に上記の物性が厳密に要求される、電気部品、電子部品として特に好適に用いられる。
以下、本発明について詳細に説明する。まず、本発明の反応性難燃剤について説明する。
本発明の反応性難燃剤は、樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であり、具体的には、下記の一般式(Ia)〜(IVb)で示される有機リン化合物であることを特徴としている。
Figure 0004295764
(式(Ia)又は(Ib)中、R〜RはそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、Rはヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。X〜Xはそれぞれ−O−、−NH−、−(CH=CY−Y)N−より選択される基を表し、X〜Xの少なくとも1つは−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を含む。X、Xはそれぞれ−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を表す。R〜R又はX〜Xの少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
Figure 0004295764
Figure 0004295764
(式(IIa)又は(IIb)中、R〜RはそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R10はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表し、X、Xはそれぞれ−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を表す。R〜R又はX、Xの少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
Figure 0004295764
(式(IIIa)又は(IIIb)中、R11〜R14はそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R15はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。X〜X12はそれぞれ−O−、−NH−、−(CH=CY−Y)N−より選択される基を表し、X〜X の少なくとも1つは−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を含む。R11〜R14又はX〜X12の少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
Figure 0004295764
(式(IVa)又は(IVb)中、R16〜R19はそれぞれCH=CY10−Y11−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R16〜R19の少なくとも1つはCH=CY10−Y11−を含む。R20はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。Y10は水素又はメチル基を表し、Y11は炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y12−を表す。ここで、Y12は炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
上記の有機リン化合物のうち、一般式(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(IVa)はリンが5価の化合物であり、一般式(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(IVb)はリンが3価の化合物である。
上記の有機リン化合物は、CH=CY−Y−、CH=CY−Y−、CH=CY−Y−、CH=CY10−Y11−などの、少なくとも1つの末端不飽和結合を有している。ここで、この末端不飽和結合は、後述する加熱、又は放射線等の照射によって樹脂と結合するための官能基である。なお、この末端不飽和結合は1分子中に2つ以上有していることが好ましい。
上記のCH=CY−Y−基のような末端不飽和結合の具体例としては、例えば、CH=CH−CH−、CH=CH−CHCHCH−、CH=C(CH)−CH−、CH=CHCOO−CHCH−、CH=C(CH)COO−CHCH−等が挙げられる。
上記のR〜R、R〜R、R11〜R14、R16〜R19のヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基としては、炭素数が6〜14の芳香族炭化水素系基が好ましい。このようなヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基の具体例としては、例えば、−C(フェニル基)、−COH(ヒドロキシフェニル基)、−C−COH(ヒドロキシビフェニル基)、−CH(ベンジル基)、−α−C10(α−ナフチル基)、−β−C10(β−ナフチル基)等が挙げられる。
また、R、R10、R15、R20のヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基としては、炭素数が10〜14の芳香族炭化水素系基であることが好ましい。このような炭素数が10〜14の芳香族炭化水素系基の具体例としては、例えば、−p−C−p−C−、−p−C−CH−p−C−、−p−C−C(CH−p−C−、−p−C−C(=O)−p−C−、−p−C−SO−p−C−、2,6−C10<(2,6−ナフチレン基)等が挙げられる。
なお、本発明において、芳香族炭化水素系基とは、例えば上記のフェニル基や−p−C−p−C−のような芳香族炭化水素基のみならず、例えば上記のヒドロキシフェニル基や−p−C−SO−p−C−のような、芳香族炭化水素基に加えて更に酸素や硫黄等のヘテロ原子を含んだ基も含む意味である。
上記の一般式(Ia)の有機リン化合物としては、具体的には、例えば、下記の構造式(Ia−1)〜(Ia−21)で示される化合物が挙げられる。なお、一般式(Ib)の化合物例については、リン原子に二重結合を介して結合する酸素原子を除き、リン原子が3価である点以外は構造式(Ia−1)〜(Ia−21)と同様の構造が挙げられる。
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
上記の一般式(IIa)の有機リン化合物としては、具体的には、例えば、下記の構造式(IIa−1)〜(IIa−12)で示される化合物が挙げられる。なお、一般式(IIb)の化合物例については、リン原子に二重結合を介して結合する酸素原子を除き、リン原子が3価である点以外は構造式(IIa−1)〜(IIa−12)と同様の構造が挙げられる。
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
上記の一般式(IIIa)の有機リン化合物としては、具体的には、例えば、下記の構造式(IIIa−1)〜(IIIa−17)で示される化合物が挙げられる。なお、一般式(IIIb)の化合物例については、リン原子に二重結合を介して結合する酸素原子を除き、リン原子が3価である点以外は構造式(IIIa−1)〜(IIIa−17)と同様の構造が挙げられる。
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
上記の一般式(IVa)の有機リン化合物としては、具体的には、例えば、下記の構造式(IVa−1)〜(IVa−11)で示される化合物が挙げられる。なお、一般式(IVb)の化合物例については、リン原子に二重結合を介して結合する酸素原子を除き、リン原子が3価である点以外は構造式(IVa−1)〜(IVa−11)と同様の構造が挙げられる。
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
上記のように、一般式(I)〜(IV)の化合物は、中央のR、R10、R15、R20と、その両側のリン原子とが、酸素原子又は窒素原子を介して結合されているブリッジ型の構造をなしている。更に、両端のリン原子は、別の酸素原子又は窒素原子を介して、側鎖である末端基に結合されている。そして、末端基の少なくとも1つの末端不飽和結合を含んでいる。
具体的には、Rと、その両側のリン原子とが、窒素原子を介して結合し、更に、両端のリン原子と側鎖の末端基とが、少なくとも1つの別の窒素原子を介して結合している構造が一般式(I)である。
また、R10と、その両側のリン原子とが、窒素原子を介して結合し、更に、両端のリン原子と側鎖の末端基とが、すべて酸素原子を介して結合している構造が一般式(II)である。
また、R15と、その両側のリン原子とが、酸素原子を介して結合し、更に、両端のリン原子と側鎖の末端基とが、少なくとも1つの窒素原子を介して結合している構造が一般式(III)である。
また、R20と、その両側のリン原子とが、酸素原子を介して結合し、更に、両端のリン原子と側鎖の末端基とが、すべて酸素原子を介して結合している構造が一般式(IV)である。
上記の一般式(I)の化合物の合成は、例えば、(Ia−1)の化合物は、ジメチルアセトアミド(DMAc)にオキシ塩化リンを加え、この溶液に、ベンジジン(4,4’−ジアミノビフェニル)とトリエチルアミンを溶解したDMAcの溶液を滴下して反応させ、次いで、アリルアミンとトリエチルアミンとの混合液を反応させることにより得ることができる。なお、オキシ塩化リンの代わりに三塩化リンを用いることにより、一般式(Ib−1)の化合物を得ることができる。
また、ベンジジンの代わりに、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(N−アリルアミノ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ビス(p−アミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノナフタレン等を用いることにより、上記の一般式(I)におけるR、X、Xを変更できる。
また、アリルアミンの代わりに、例えば、ジアリルアミン、p−ヒドロキシアニリン、N−アリル−4−(4’−ヒドロキシフェニル)アニリン等を用いることにより、上記の一般式(I)におけるR〜R及びX〜Xを変更できる。
また、オキシ塩化リンの代わりに、例えば、フェノキシホスホリルジクロリド、ジフェノキシホスホリルクロリド、ジアリロキシホスホリルクロリド、アリロキシホスホリルジクロリド等を用いることにより、X〜Xにそれぞれ−O−、−NH−、−(CH=CY−Y)N−より選択される基を導入することができる。
上記の一般式(II)の化合物の合成は、例えば、(IIa−1)の化合物は、ジメチルアセトアミド(DMAc)にオキシ塩化リンを加え、この溶液に、ベンジジン(4,4’−ジアミノビフェニル)とトリエチルアミンを溶解したDMAcの溶液を滴下して反応させ、次いで、アリルアルコールとトリエチルアミンとの混合液を反応させることにより得ることができる。なお、オキシ塩化リンの代わりに三塩化リンを用いることにより、一般式(IIb−1)の化合物を得ることができる。
また、ベンジジンの代わりに、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(N−アリルアミノ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ビス(p−アミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノナフタレン等を用いることにより、上記の一般式(II)におけるR10、X、Xを変更できる。
また、アリルアルコールの代わりに、例えば、o−アリルフェノール、p−アリロキシフェノール、α−ナフトール等を用いることにより、上記の一般式(II)におけるR〜Rを変更できる。
上記の一般式(III)の化合物の合成は、例えば、(IIIa−1)の化合物は、ジメチルアセトアミド(DMAc)にオキシ塩化リンを加え、この溶液に、4,4’−ビフェニルアルコールとトリエチルアミンを溶解したDMAcの溶液を滴下して反応させ、次いで、アリルアミンとトリエチルアミンとの混合液を反応させることにより得ることができる。なお、オキシ塩化リンの代わりに三塩化リンを用いることにより、一般式(IIIb−1)の化合物を得ることができる。
また、4,4’−ビフェニルアルコールの代わりに、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ナフタレン−2,6−ジオール等を用いることにより、上記の一般式(III)におけるR15を変更できる。
また、アリルアミンの代わりに、例えば、ジアリルアミン、p−ヒドロキシ−N−アリルアニリン、4−(4’−アリロキシフェノキシ)アニリン、N−アリル−α−ナフチルアミン等を用いることにより、上記の一般式(III)におけるR11〜R14及びX〜X12を変更できる。
また、オキシ塩化リンの代わりに、例えば、フェノキシホスホリルジクロリド、アリルホスホリルジクロリド等を用いることにより、X〜X12にそれぞれ−O−、−NH−、−(CH=CY−Y)N−より選択される基を導入することができる。
上記の一般式(IV)の化合物の合成は、上記の化合物は、例えば、(IVa−1)の化合物は、ジメチルアセトアミド(DMAc)にオキシ塩化リンを加え、この溶液に、4,4’−ビフェニルアルコールとトリエチルアミンを溶解したDMAcの溶液を滴下して反応させ、次いで、アリルアルコールとトリエチルアミンとの混合液を反応させることにより得ることができる。なお、オキシ塩化リンの代わりに三塩化リンを用いることにより、一般式(IVb−1)の化合物を得ることができる。
また、4,4’−ビフェニルアルコールの代わりに、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ナフタレン−2,6−ジオール等を用いることにより、上記の一般式(IV)におけるR20を変更できる。
また、アリルアルコールの代わりに、例えば、p−アリロキシフェノール、o−アリルフェノール等を用いることにより、上記の一般式(IV)におけるR16〜R19を変更できる。
上記の一般式(I)〜(IV)で示される有機リン化合物のうち、本発明においては、反応性の異なる2種類以上の化合物、すなわち、1分子中の上記官能基の数が異なる2種類以上の化合物を併用することが好ましい。これによって、架橋に要する反応速度を制御できるので、急激な架橋反応の進行による樹脂組成物の収縮を防止することができる。
また、上記の一般式(I)〜(IV)で示される有機リン化合物のうち、少なくとも多官能性の反応性難燃剤を含有することが好ましい。これによって、上記の有機リン化合物による均一な3次元網目構造が形成される。
次に、上記の反応性難燃剤を用いた難燃性樹脂加工品について説明する。
本発明の難燃性樹脂加工品は、樹脂と、上記の一般式(I)〜(IV)で示される有機リン化合物とを含有する樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られ、樹脂組成物全体に対して、上記の反応性難燃剤を1〜20質量%含有することを特徴としている。
まず、本発明に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用可能であり特に限定されない。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。なかでも、機械特性や耐熱性等の点から、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。なかでも、機械特性や耐熱性等の点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂を用いることが好ましい。
上記反応性難燃剤の含有量は、前記樹脂組成物全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有することが好ましく、1〜15質量%含有することがより好ましい。反応性難燃剤の含有量が1質量%未満の場合、反応による架橋が不充分であり、得られる樹脂加工品の機械的物性、熱的物性、電気的物性が好ましくなく、また、20質量%を超えると、反応性難燃剤が過剰となり、反応性難燃剤の未反応のモノマーや分解ガスが発生したり、オリゴマー化したものがブリードアウトし、また、樹脂加工品の機械的特性が低下するので好ましくない。
また、本発明においては、更に上記反応性難燃剤以外の、反応性を有しない添加型の難燃剤を含有していてもよい。このような難燃剤としては、非ハロゲン系難燃剤が好ましく、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等に代表される金属水和物や、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのモノリン酸エステル、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェートなどの縮合リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド、赤リン、リン酸グアニジン等、シアヌル酸又はイソシアヌル酸の誘導体、メラミン誘導体、シリコン系難燃剤等が挙げられる。
これらの難燃剤は単独で用いてもよく、また2種類以上併用することも可能である。この反応性難燃剤以外の難燃剤の含有量は、ブリードや機械特性の低下を防止するために、前記樹脂組成物全体に対して、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を1〜20質量%含有することが好ましく、3〜15質量%含有することがより好ましい。
また、反応性難燃剤1質量部に対して、前記反応性難燃剤以外の反応性を有する難燃剤として、末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物を0.5〜10質量部含有することがより好ましい。
上記の末端に不飽和基を有する基としては、具体的にはジアクリレート、ジメタクリレート、ジアリレート、トリアクリレート、トリメタクリレート、トリアリレート、テトラアクリレート、テトラメタクリレート、テトラアリレート等が挙げられるが、反応性の点からはジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート等のアクリレートであることがより好ましい。
また、環状の含窒素化合物としては、イソシアヌル環、シアヌル環等が挙げられる。
上記の末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物の具体例としては、上記のシアヌル酸又はイソシアヌル酸の誘導体が挙げられ、例えば、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、トリイソシアヌールトリアクリレート等が例示できる。
また、本発明においては、難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤を更に含有してもよい。このような架橋剤としては、主骨格の末端に不飽和基を有する多官能性のモノマー又はオリゴマーを用いることができる。
なお、本発明における難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤とは、架橋性(反応性)を有するが、それ自身は難燃性は有しないものを意味し、上記の末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物のように、架橋性と難燃性とを同時に有する反応性難燃剤を除くものである。
このような架橋剤としては、以下の一般式(a)〜(c)で表される2〜4官能性の化合物が挙げられる。ここで、Xは主骨格であり、R21〜R24は末端に不飽和基を有する官能性基であって、(a)は2官能性化合物、(b)は3官能性化合物、(c)は4官能性化合物である。
Figure 0004295764
Figure 0004295764
具体的には、以下に示すような一般式の、主骨格Xが、グリセリン、ペンタエリストール誘導体等の脂肪族アルキルや、トリメリット、ピロメリット、テトラヒドロフラン、トリメチレントリオキサン等の芳香族環、ビスフェノール等である構造が挙げられる。
Figure 0004295764
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上記の架橋剤の具体例としては、2官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールA−EO変性ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート等のジアクリレートや、それらのジメタクリレート、ジアリレートが挙げられる。
また、3官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート等のトリアクリレートや、それらのトリメタクリレート、トリアリレートが挙げられる。
また、4官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
上記の架橋剤は、主骨格Xとなる、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、グリセリン、ペンタエリストール、2,4,6−トリス(クロロメチル)−1,3,5−トリオキサン等より選ばれる1種に、末端に不飽和基を有する官能性基となる、臭化アリル、アリルアルコール、アリルアミン、臭化メタリル、メタリルアルコール、メタリルアミン等より選ばれる1種を反応させて得られる。
上記の架橋剤は、前記反応性難燃剤1質量部に対して、0.5〜10質量部含有することが好ましい。
本発明に用いる樹脂組成物には、上記の樹脂と難燃剤の他、無機充填剤、強化繊維、各種添加剤等を含有していてもよい。
無機充填剤を含有することによって、樹脂加工品の機械的強度が向上するとともに、寸法安定性を向上させることができる。また、反応性難燃剤を吸着させる基体となって、反応性難燃剤の分散を均一化する。
無機充填剤としては、従来公知のものが使用可能であり、代表的なものとしては、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ステンレス鋼、アルミニウム、金、銀等の金属粉末、ヒュームドシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、ガラスビーズ、カーボンブラック、石英粉末、雲母、タルク、マイカ、クレー、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ケイソウ土等が挙げられる。これらの充填剤は、単独でも、2種以上を併用して用いてもよく、また、公知の表面処理剤で処理されたものでもよい。
無機充填剤の含有量は、難燃性樹脂加工品全体に対して1〜35質量%含有することが好ましく、1〜20質量%がより好ましい。含有量が1質量%より少ないと、難燃性樹脂加工品の機械的強度が不足し、寸法安定性が不充分であり、更に反応性難燃剤の吸着が不充分となるので好ましくない。また、35質量%を超えると、難燃性樹脂加工品が脆くなるので好ましくない。
上記の無機充填剤のうち、シリケート層が積層してなる層状のクレーを用いることが特に好ましい。シリケート層が積層してなる層状のクレーとは、厚さが約1nm、一辺の長さが約100nmのシリケート層が積層された構造を有しているクレーである。したがって、この層状のクレーはナノオーダーで樹脂中に分散されて樹脂とのハイブリット構造を形成し、これによって、得られる難燃性樹脂加工品の耐熱性、機械強度等が向上する。層状のクレーの平均粒径は100nm以下であることが好ましい。
層状のクレーとしては、モンモリロナイト、カオリナイト、マイカ等が挙げられるが、分散性に優れる点からモンモリロナイトが好ましい。また、層状のクレーは、樹脂への分散性を向上させるために表面処理されていてもよい。このような層状のクレーは市販されているものを用いてもよく、例えば「ナノマー」(商品名、日商岩井ベントナイト株式会社製)や、「ソマシフ」(商品名、コーポケミカル社製)などが使用できる。
層状のクレーの含有量は、難燃性樹脂加工品全体に対して1〜10質量%が好ましい。なお、層状のクレーは単独で使用してもよく、他の無機充填剤と併用してもよい。
また、強化繊維を含有することによって、例えば成形品の場合には機械的強度が向上するとともに、寸法安定性を向上させることができる。強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が挙げられ、強度、及び樹脂や無機充填剤との密着性の点からガラス繊維を用いることが好ましい。これらの強化繊維は、単独でも、2種以上を併用して用いてもよく、また、シランカップリング剤等の公知の表面処理剤で処理されたものでもよい。
また、ガラス繊維は、表面処理されており、更に樹脂で被覆されていることが好ましい。これにより、熱可塑性ポリマーとの密着性を更に向上することができる。
表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができ、具体的には、メトキシ基及びエトキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種のアルコキシ基と、アミノ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、イソシアネート基よりなる群から選択される少なくとも一種の反応性官能基を有するシランカップリング剤が例示できる。
また、被覆樹脂としても特に限定されず、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等が挙げられる。
強化繊維の配合量は、難燃性樹脂加工品全体に対して5〜40質量%含有することが好ましく、10〜35質量%がより好ましい。含有量が5質量%より少ないと、難燃性樹脂加工品の機械的強度が低下するとともに、寸法安定性が不充分であるので好ましくなく、また、40質量%を超えると、樹脂の加工が困難になるので好ましくない。
また、上記の無機充填剤及び強化繊維を含有し、難燃性樹脂加工品全体に対して、無機充填剤及び強化繊維を65質量%以下含有することが好ましく、55質量%以下含有することがより好ましい。無機充填剤及び強化繊維の含有量が65質量%を超えると、樹脂成分の割合が減少して成形性が低下したり、得られる樹脂加工品が脆くなったりして物性が低下するので好ましくない。
なお、本発明に用いる樹脂組成物には、本発明の目的である耐熱性、耐候性、耐衝撃性等の物性を著しく損なわない範囲で、上記以外の常用の各種添加成分、例えば結晶核剤、着色剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤などの添加剤を添加することができる。また、後述するように、例えば紫外線によって樹脂と反応性難燃剤とを反応させる場合には、紫外線開始剤等を用いることができる。
着色剤としては特に限定されないが、後述する放射線照射によって褪色しないものが好ましく、例えば、無機顔料である、ベンガラ、鉄黒、カーボン、黄鉛等や、フタロシアニン等の金属錯体が好ましく用いられる。
本発明の難燃性樹脂加工品は、上記の樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる。
樹脂組成物の固化は従来公知の方法が用いられ、例えば、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の場合には、熱可塑性樹脂と反応性難燃剤とを溶融混練してペレット化した後、従来公知の射出成形、押出成形、真空成形、インフレーション成形等によって成形することができる。溶融混練は、単軸或いは二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの通常の溶融混練加工機を使用して行うことができる。混練温度は熱可塑性樹脂の種類によって適宜選択可能であり、例えばポリアミド系樹脂の場合には240〜280℃で行なうことが好ましい、また、成形条件も適宜設定可能であり特に限定されない。なお、この段階では全く架橋は進行していないので、成形時の余分のスプール部は、熱可塑性樹脂としてのリサイクルが可能である。
一方、熱硬化性樹脂の場合には、上記と同様に、熱硬化性樹脂と反応性難燃剤とを溶融混練してペレット化した後、例えば、従来公知の射出成形、圧縮成形、トランスファー成形等を用いて成形することができる。
また、塗膜化する場合には、樹脂組成物をそのまま塗布してもよく、適宜溶剤等で希釈して塗布可能な溶液又は懸濁液とした後、従来公知の方法によって乾燥、塗膜化してもよい。塗膜化の方法としては、ローラー塗り、吹き付け、浸漬、スピンコート等のコーティング方法等を用いることができ特に限定されない。
上記の樹脂組成物は、加熱又は放射線の照射によって、反応性難燃剤の末端の不飽和結合が、樹脂と反応して架橋反応し、樹脂中に安定に存在する。
反応性難燃剤と樹脂とを反応させる手段として加熱を用いる場合、反応させる温度は、樹脂の成形温度より5℃以上高い温度とすることが好ましく、10℃以上高い温度とすることがより好ましい。
また、架橋の手段として放射線を用いる場合には、電子線、α線、γ線、X線、紫外線等が利用できる。なお、本発明における放射線とは広義の放射線を意味し、具体的には、電子線やα線等の粒子線の他、X線や紫外線等の電磁波までを含む意味である。
上記のうち、電子線又はγ線の照射が好ましい。電子線照射は公知の電子加速器等が使用でき、加速エネルギーとしては、2.5MeV以上であることが好ましい。γ線照射は、公知のコバルト60線源等による照射装置を用いることができる。
γ線照射は、公知のコバルト60線源等による照射装置を用いることができる。γ線は電子線に比べて透過性が強いために照射が均一となり好ましいが、照射強度が強いため、過剰の照射を防止するために線量の制御が必要である。
放射線の照射線量は10kGy以上であることが好ましく、10〜45kGyがより好ましい。この範囲であれば、架橋によって上記の物性に優れる樹脂加工品が得られる。照射線量が10kGy未満では、架橋による3次元網目構造の形成が不均一となり、未反応の架橋剤がブリードアウトする可能性があるので好ましくない。また、45kGyを超えると、酸化分解生成物による樹脂加工品の内部歪みが残留し、これによって変形や収縮等が発生するので好ましくない。
このようにして得られた本発明の難燃性樹脂加工品は、まず、成形品として、耐熱性、難燃性に加えて、機械特性、電気特性、寸法安定性、及び成形性に優れる。したがって、高度な耐熱性、難燃性が要求される電気部品又は電子部品、更には自動車部品や光学部品、例えば、電磁開閉器やブレーカーなどの接点支持等のための部材、プリント基板等の基板、集積回路のパッケージ、電気部品のハウジング等として好適に用いることができる。
このような電気部品又は電子部品の具体例としては、受電盤、配電盤、電磁開閉器、遮断器、変圧器、電磁接触器、サーキットプロテクタ、リレー、トランス、各種センサ類、各種モーター類、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の半導体デバイス等が挙げられる。
また、冷却ファン、バンパー、ブレーキカバー、パネル等の内装品、摺動部品、センサ、モーター等の自動車部品としても好適に用いることができる。
更に、成形品のみならず、上記の成形品や繊維等への難燃性コーティング塗膜としても用いることもできる。
また、上記の半導体デバイス等の電子部品又は電気部品の封止、被覆、絶縁等として用いれば、優れた耐熱性、難燃性を付与させることができる。すなわち、例えば、上記の樹脂組成物を封止して樹脂を硬化させ、更に上記の加熱又は放射線照射による反応を行なうことにより、半導体チップやセラミックコンデンサ等の電子部品や電気素子を封止する難燃性封止剤として用いることができる。封止の方法としては、注入成形、ポッティング、トランスファー成形、射出成形、圧縮成形等による封止が可能である。また、封止対象となる電子部品、電気部品としては特に限定されないが、例えば、液晶、集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、コンデンサ等が挙げられる。
以上説明したように、本発明によれば、樹脂への少量の添加でも難燃性に優れ、更に、ブリードアウト等を防止できる、非ハロゲン系の反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品を提供することができる。したがって、この難燃性樹脂加工品は、電気部品や電子部品等の樹脂成形品や、半導体等の封止剤、コーティング塗膜等に好適に利用できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
A:反応性難燃剤の合成
以下、合成例1〜11が一般式(I)、合成例12〜18が一般式(II)、合成例19〜28が一般式(III)、合成例29〜35が一般式(IV)の合成例である。
[一般式(I)の反応性難燃剤の合成]
合成例1
一般式(Ia)において、X〜X:−NH−、R〜R:CH=CHCH−、R:−p−C−p−C−(4,4’−ビフェニレン)の化合物(Ia−1)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにオキシ塩化リン61.3g(0.40mol)を加え、この溶液に、ベンジジン18.4g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を溶解したDMAc150mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で3時間、室温で3時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰のオキシ塩化リンを留去し、DMAc150mlを加えて、トリエチルアミン塩酸塩以外の固体を溶解させた。
0〜5℃にてアリルアミン34.2g(0.60mol)とトリエチルアミン60.6g(0.60mol)の混合液を1時間かけて滴下し、同温度で3時間、室温で6時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣を水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を48.6g(収率約97%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−1)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240,3235、δNH 1650,1645、νC=C 1635、νring 1604,1496、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):502,503(分子量計算値=500.522)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.2(8H)、=CH−6.1(4H)、−CH−3.7(8H)、H−N<3.3〜3.5(6H)、芳香族C−H7.2〜7.4(8H)
合成例2
一般式(Ia)において、X〜X:−(CH=CHCH)N−、X,X:−NH−、R〜R:CH=CHCH−、R:−p−C−O−p−C−の化合物(Ia−2)の合成。
合成例1において、ベンジジンの代わりに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.0g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにジアリルアミン58.2g(0.60mol)を用いた他は、合成例1と同様にして表記の目的物を56.8g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−2)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=C 1635、νring1604,1496,νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):606,607(分子量計算値=604.770)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.15〜5.20(16H)、=CH−6.1(8H)、−CH−3.65〜3.70(16H)、H−N<3.3〜3.5(2H)、芳香族C−H7.10〜7.45(8H)
合成例3
一般式(Ia)において、X〜X:−(CH=CHCH)N−、X,X:−NH−、R〜R:CH=CHCH−、R:−p−C−CH−p−C−の化合物(Ia−3)の合成。
ベンジジンの代わりにビス(4−アミノフェニル)メタン19.8g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにジアリルアミン58.2g(0.60mol)を用いた他は、合成例1と同様にして表記の目的物を57.3g(収率約95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−3)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3235、δNH 1645、νC=C 1630、νring1604,1496、νP=O 1265
TOF−Massスペクトル(M/Z):606,607(分子量計算値=604.770)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.15〜5.20(16H)、=CH−6.05(8H)、アリル−CH−3.65〜3.70(16H)、−CH−3.05(2H)、H−N<3.3〜3.5(2H)、芳香族C−H7.15〜7.40(8H)
合成例4
一般式(Ia)において、X〜X:−NH−、X,X:−(CH=CHCH)N−、R〜R:HO−C−、R:−p−C−C(CH−p−C−の化合物(Ia−4)の合成。
ベンジジンの代わりに2,2−ビス[4−(N−アリルアミノ)フェニル]プロパン30.6g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにp−ヒドロキシアニリン65.4g(0.60mol)を用いた他は、合成例1と同様に反応させた。減圧度を調節しながら50℃以下にて溶媒と揮発成分を留去し、1000mlの酢酸エチルに溶解して0.05mol/lの塩酸水溶液と振り混ぜ、過剰のp−ヒドロキシアニリンを水相に抽出し、酢酸エチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧乾固、減圧乾燥して表記の目的物を72.4g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−4)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=C 1635、νring1604,1496、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):772,773(分子量計算値=770.392)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.15(4H)、=CH−6.10(2H)、HO−4.8(4H)、−CH−3.70(4H)、CH−1.45(6H)、H−N<3.3〜3.5(4H)、芳香族C−H7.15〜7.55(24H)
合成例5
一般式(Ia)において、X〜X:−(CH=CHCH)N−、X,X:−NH−、R〜R:HO−C−C−、R:−p−C−C(=O)−p−C−の化合物(Ia−5)の合成。
ベンジジンの代わりに4,4’−ジアミノベンゾフェノン21.2g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにN−アリル−4−(4’−ヒドロキシフェニル)アニリン135g(0.60mol)を用いた他は、合成例4と同様にして反応させた。減圧度を調節しながら50℃以下にて溶媒と揮発成分を留去し、1000mlの酢酸エチルに溶解して乾燥塩酸ガスを吹き込み、生成する塩酸塩をろ去、発生する二酸化炭素に注意しながら無水炭酸カリウムを加えて乾燥し、ろ過、減圧乾固、減圧乾燥して表記の目的物を72.4g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−5)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=C 1635、νring1604,1496、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):1203,1204(分子量計算値=1201.314)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.15〜5.20(8H)、=CH−6.05(4H)、HO−4.8(4H)、−CH−3.65〜3.70(8H)、H−N<3.45(2H)、芳香族C−H7.15〜7.40(40H)
合成例6
一般式(Ia)において、X〜X:−(CH=CHCH)N−、X,X:−NH−、R〜R:α−C10−(α−ナフチル基)、R:−p−C−SO−p−C−の化合物(Ia−6)の合成。
ベンジジンの代わりにビス(p−アミノフェニル)スルホン24.8g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにN−アリル−α−ナフチルアミン109.8g(0.60mol)を用いた他は、合成例1と同様にして反応させた。減圧度を調節しながら50℃以下にて溶媒と揮発成分を留去し、1000mlの酢酸エチルに溶解して乾燥塩酸ガスを吹き込み、生成する塩酸塩をろ去、発生する二酸化炭素に注意しながら無水炭酸カリウムを加えて乾燥し、ろ過、減圧乾固、減圧乾燥して表記の目的物を98.4g(収率約92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−6)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=C 1635、νring1604,1496、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):1071,1072(分子量計算値=1069.226)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.20(8H)、=CH−6.05(4H)、−CH−3.65〜3.70(8H)、H−N<3.45(2H)、芳香族C−H7.10〜7.45(36H)
合成例7
一般式(Ia)において、X〜X:−(CH=CHCH)N−、X,X:−NH−、R〜R:CH=CHCH−、R:2,6−C10<(2,6−ナフチレン基)の化合物(Ia−7)の合成。
ベンジジンのかわりに2,6−ジアミノナフタレン15.8g(0.10mol)、アリルアミンのかわりにジアリルアミン58.2g(0.60mol)を用いた他は、合成例1と同様にして表記の目的物を60.9g(収率約96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−7)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=C 1635、νring1604,1496、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):636,637(分子量計算値=634.743)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.15〜5.20(16H)、=CH−6.05(8H)、−CH−3.65〜3.70(16H)、H−N<3.45(2H)、芳香族C−H7.15〜7.40(6H)
合成例8
一般式(Ia)において、X,X:−NH−、X,X:−O−、X,X:−NH−、R,R:CH=CHCH−、R,R:−C、R:−p−C−p−C−(4,4’−ビフェニレン)の化合物(Ia−8)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにフェノキシホスホリルジクロリド[COP(=O)Cl]42.2g(0.20mol)を加え、この溶液に、4,4’−ジアミノビフェニル18.4g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を溶解したDMAc150mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で6時間、室温で12時間反応させた。次に、アリルアミン17.1g(0.30mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)の混合物を室温で1時間かけて滴下し、さらに12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣を水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を52.3g(収率約96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−8)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3255,3240、δNH 1650,1645、νC=C1630、νring 1603,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):546,547(分子量計算値=544.569)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0(4H)、=CH−6.0(2H)、−CH−3.5(4H)、H−N<3.3,3.2(4H)、芳香族C−H7.1〜7.6(18H)
合成例9
一般式(Ia)において、X,X:−O−、X〜X:−NH−、R,R:−C、R,R:CH=CHCH−、R:−p−C−CH−p−C−の化合物(Ia−9)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにビス(4−アミノフェニル)メタン19.8g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を加え、ジフェノキシホスホリルクロリド[(CO)P(=O)Cl]26.9g(0.10mol)を溶解したDMAc50mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で6時間、室温で12時間反応させた。次に、0〜5℃にて塩化ホスホリル[P(=O)Cl]6.0g(0.10mol)を一挙に加え、同温度で時間反応させた。アリルアミン17.1g(0.30mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)の混合物を室温で1時間かけて滴下し、さらに12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣を水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を51.4g(収率約92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−9)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3255,3240、δNH 1650,1645、νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):560,561(分子量計算値=558.596)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0(4H)、=CH−6.0(2H)、アリル−CH−3.4(4H)、H−N<3.3〜3.2(4H)、−CH−3.0(2H)、芳香族C−H7.1〜7.5(18H)
合成例10
一般式(Ia)において、X,X:−O−、X,X:−(CH=CHCH)N−、X,X:−(CH=CHCH)N−、R〜R:CH=CHCH−、R:−p−C−O−p−C−の化合物(Ia−10)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにビス[4−(N−アリル)アミノフェニル]エーテル28.0g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を加え、ジアリロキシホスホリルクロリド[(CH=CHCHO)P(=O)Cl]18.1g(0.10mol)を溶解したDMAc50mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で6時間、室温で12時間反応させた。次に、0〜5℃にて塩化ホスホリル[P(=O)Cl]6.0g(0.10mol)を一挙に加え、同温度で時間反応させた。ジアリルアミン29.1g(0.30mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)の混合物を室温で1時間かけて滴下し、さらに12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣を水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を62.4g(収率約92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(Ia−10)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260、νC−O−C 1180
TOF−Massスペクトル(M/Z):680,681(分子量計算値=678.751)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0〜5.2(16H)、=CH−6.0〜6.1(8H)、−CH−3.3〜3.4(16H)、芳香族C−H7.1〜7.3(8H)
合成例11
一般式(Ia)において、X,X:−O−、X,X〜X:−NH−、R,R:CH=CHCH−、R,R:C10−(β−ナフチル)、R:−p−C−C(=O)−p−C−の化合物(Ia−11)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlに4,4’−ジアミノベンゾフェノン21.2g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を加え、アリロキシホスホリルジクロリド[(CH=CHCHO)P(=O)Cl]17.5g(0.20mol)を溶解したDMAc100mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で6時間、室温で12時間反応させた。次に、0〜5℃にてβ−ナフチルアミン43.0g(0.30mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)の混合物を室温で1時間かけて滴下し、さらに12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、酢酸エチル500mlを加えて不溶分をろ去した。かき混ぜながら乾燥塩酸ガスを通じ、生じるβ−ナフフチルアミン塩酸塩をろ去、溶液を減圧乾固して表記の目的物を51.4g(収率約95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−11)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、νC=O 1730、δNH 1640、νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):702,703(分子量計算値=700.673)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0〜5.1(4H)、=CH−6.0〜6.1(2H)、−CH−3.3(4H)、H−N<3.3〜3.5(4H)、芳香族C−H7.1〜7.3(22H)
[一般式(II)の反応性難燃剤の合成]
合成例12
一般式(IIa)において、X,X:−NH−、R〜R:CH=CHCH−、R10:−p−C−p−C−(4,4’−ビフェニレン)の化合物(IIa−1)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにオキシ塩化リン61.3g(0.40mol)を加え、この溶液に、ベンジジン18.4g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を溶解したDMAc150mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で3時間、室温で3時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰のオキシ塩化リンを留去し、DMAc150mlを加えて、トリエチルアミン塩酸塩以外の固体を溶解させた。
0〜5℃にてアリルアルコール34.8g(0.60mol)とトリエチルアミン60.6g(0.60mol)の混合液を1時間かけて滴下し、同温度で3時間、室温で12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣を水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を47.9g(収率約95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIa−1)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=C 1630、νring 1603、1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):506,507(分子量計算値=504.462)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1(8H)、=CH−6.1(4H)、−CH−3.6(8H)、H−N<3.3(2H)、芳香族C−H7.2〜7.4(8H)
合成例13
一般式(IIa)において、X,X:−(CH=CHCH)N−、R〜R:CH=CHCH−、R10:−p−C−O−p−C−の化合物(IIa−2)の合成。
ベンジジンの代わりにビス[4−(N−アリル)アミノフェニル]エーテル28.0g(0.10mol)を用いた他は、合成例12と同様にして表記の目的物を55.9g(収率約93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIa−2)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1630、νring 1603、1495、νP=O 1260、νC−O−C 1180
TOF−Massスペクトル(M/Z):602,603(分子量計算値=600.592)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1〜5.2(12H)、=CH−6.1〜6.2(6H)、−CH−3.5〜3.6(12H)、芳香族C−H7.2〜7.5(8H)
合成例14
一般式(IIa)において、X,X:−(CH=CHCH)N−、R〜R:CH=CHCH−、R10:−p−C−CH−p−C−の化合物(IIa−3)の合成。
ベンジジンの代わりにビス[4−(N−アリル)アミノフェニル]メタン27.8g(0.10mol)を用いた他は、合成例12と同様にして表記の目的物を58.1g(収率約97%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIa−3)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635,1630、νring 1603、1495、νP=O 1260、νC−O−C 1180
TOF−Massスペクトル(M/Z):600,601(分子量計算値=598.621)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1〜5.2(12H)、=CH−6.1〜6.2(6H)、アリル−CH−3.5〜3.6(12H)、−CH−3.05(2H)、芳香族C−H7.2〜7.4(8H)
合成例15
一般式(IIa)において、X,X:−NH−、R〜R−CH=CHCH−C−(−アリルフェニル)、R10:−p−C−C(CH−p−C−の化合物(IIa−4)の合成。
ベンジジンの代わりに2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン22.6g(0.10mol)、アリルアルコールの代わりに−アリルフェノール80.5g(0.60mol)を用いた他は、合成例12と同様に反応させた。減圧度を調節しながら溶媒と揮発成分を留去して、表記の目的物を80.8g(収率約95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIa−4)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3235、δNH 1645、νC=C 1630、νring 1604,1496、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):853,854(分子量計算値=850.824)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0(8H)、=CH−5.8(4H)、−CH−3.3(8H)、CH−1.45(6H)、H−N<3.3〜3.5(2H)、芳香族C−H7.15〜7.55(8H)
合成例16
一般式(IIa)において、X,X:−NH−、R〜R:CH=CHCHO−p−C−、R10:−p−C−C(=O)−p−C−の化合物(IIa−5)の合成。
ベンジジンの代わりに4,4’−ジアミノベンゾフェノン21.2g(0.10mol)、アリルアルコールの代わりにp−アリロキシフェノール90.1g(0.60mol)を用いた他は、合成例12と同様に反応させた。減圧度を調節しながら溶媒と揮発成分を留去して、表記の目的物を86.5g(収率約96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIa−5)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3235、δNH 1645、νC=C 1630、νring 1604,1496、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):903,904(分子量計算値=900.864)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1(8H)、=CH−5.9(4H)、−CH−3.7(8H)、H−N<3.3〜3.5(2H)、芳香族C−H7.15〜7.75(8H)
合成例17
一般式(IIa)において、X,X:−(CH=CHCH)N−、R〜R:α−C10−(α−ナフチル)、R10:−p−C−SO−p−C−の化合物(IIa−6)の合成。
ベンジジンの代わりにビス[p−(N−アリル)アミノフェニル]スルホン32.8g(0.10mol)、アリルアルコールの代わりにα−ナフトール86.5g(0.60mol)を用いた他は、合成例12と同様に反応させた。減圧度を調節しながら溶媒と揮発成分を留去して、表記の目的物を86.5g(収率約96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIa−6)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1603,1495、νP=O 1260、νS=O 1320
TOF−Massスペクトル(M/Z):728、729(分子量計算値=726.351)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0(4H)、=CH−5.9(2H)、−CH−3.5(4H)、芳香族C−H7.10〜7.75(36H)
合成例18
一般式(IIa)において、X,X:−(CH=CHCH)N−、R〜R:CH=CHCH−、R10:2,6−C10<(2,6−ナフチレン)の化合物(IIa−7)の合成。
ベンジジンの代わりにN,N’−ジアリル−2,6−ジアミノナフタレン23.8g(0.10mol)を用いた他は、合成例12と同様に反応させた。減圧度を調節しながら溶媒と揮発成分を留去して、表記の目的物を53.1g(収率約95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIa−7)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1640,1635、νring 1603,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):560、561(分子量計算値=558.554)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0〜5.2(12H)、=CH−5.7〜5.9(6H)、−CH−3.2〜3.5(12H)、芳香族C−H7.10〜7.75(6H)
[一般式(III)の反応性難燃剤の合成]
合成例19
一般式(IIIa)において、X〜X12:−NH−、R11〜R14:CH=CHCH−、R15:−p−C−p−C−(4,4’−ビフェニレン)の化合物(IIIa−1)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにオキシ塩化リン61.3g(0.40mol)を加え、4,4’−ビフェニルアルコール18.6g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を溶解したDMAc150mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で3時間、室温で3時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰のオキシ塩化リンを留去し、DMAc150mlを加えて、トリエチルアミン塩酸塩以外の固体を溶解させた。
0〜5℃にてアリルアミン34.3g(0.60mol)とトリエチルアミン60.6g(0.60mol)の混合液を1時間かけて滴下し、同温度で3時間、室温で12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣を水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を47.7g(収率約95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−1)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):504,505(分子量計算値=502.492)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1(8H)、=CH−6.1(4H)、−CH−3.6(8H)、H−N<3.3(2H)、芳香族C−H7.1〜7.3(8H)
合成例20
一般式(IIIa)において、X〜X12:−(CH=CHCH)N−、R11〜R14:CH=CHCH−、R15:−p−C−O−p−C−の化合物(IIIa−2)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル20.2g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにジアリルアミン58.3g(0.60mol)を用いた他は、合成例19と同様にして表記の目的物を63.8g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−2)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260、νC−O−C 1200
TOF−Massスペクトル(M/Z):680,681(分子量計算値=678.7351)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1〜5.2(16H)、=CH−6.1〜6.2(8H)、−CH−3.4〜3.6(16H)、芳香族C−H7.1〜7.5(8H)
合成例21
一般式(IIIa)において、X〜X12:−(CH=CHCH)N−、R11〜R14:CH=CHCH−、R15:−p−C−CH−p−C−の化合物(IIIa−3)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン20.0g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにジアリルアミン58.3g(0.60mol)を用いた他は、合成例19と同様にして表記の目的物を63.6g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−3)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):678,679(分子量計算値=676.778)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1〜5.2(16H)、=CH−6.1〜6.2(8H)、アリル−CH−3.4〜3.6(16H)、−CH−3.1(2H)、芳香族C−H7.15〜7.45(8H)
合成例22
一般式(IIIa)において、X〜X12:−(CH=CHCH)N−、R11〜R14:HO−C−、R15:−p−C−C(CH−p−C−の化合物(IIIa−4)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりに2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにp−ヒドロキシ−N−アリルアニリン79.9g(0.60mol)を用い、水洗操作の際に0.05mol/lの塩酸水溶液を用いて処理した他は、合成例19と同様にして、表記の目的物を79.8g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−4)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):851,852(分子量計算値=848.967)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.15(8H)、=CH−6.1〜6.2(4H)、−CH−3.4〜3.6(8H)、CH−1.4(6H)、芳香族C−H7.15〜7.45(24H)
合成例23
一般式(IIIa)において、X〜X12:−NH−、R11〜R14:CH=CHCH−O−C−C−、R15:−p−C−C(=O)−p−C−の化合物(IIIa−5)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりに4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン21.4g(0.10mol)、アリルアミンの代わりに4−(4’−アリロキシフェノキシ)アニリン117.2g(0.60mol)を用いた他は、合成例19と同様に反応させた。減圧度を調節しながら減圧乾固して酢酸エチルを加えて溶液とし、乾燥塩酸ガスを吹き込んで生じる沈殿をろ去し、発生する二酸化炭素ガスに注意しながら無水炭酸カリウムを加え、ろ過、減圧乾固して表記の目的物を101.8g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−5)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=O 1750、νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):1085,1086(分子量計算値=1083.256)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0(8H)、=CH−6.1(4H)、−CH−3.3(8H)、H−N<3.4(4H)、芳香族C−H7.15〜7.50(40H)
合成例24
一般式(IIIa)において、X〜X12:−(CH=CHCH)N−、R11〜R14:α−C10−(α−ナフチル)、R15:−p−C−SO−p−C−の化合物(IIIa−6)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン25.0g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにN−アリル−α−ナフチルアミン110.0g(0.60mol)を用いた他は、合成例19と同様に反応させた。減圧度を調節しながら減圧乾固して酢酸エチルを加えて溶液とし、乾燥塩酸ガスを吹き込んで生じる沈殿をろ去し、発生する二酸化炭素ガスに注意しながら無水炭酸カリウムを加え、ろ過、減圧乾固して表記の目的物を100.7g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−6)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260、νS=O 1320
TOF−Massスペクトル(M/Z):1073,1074(分子量計算値=1071.188)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1(8H)、=CH−6.2(4H)、−CH−3.5(8H)、芳香族C−H7.15〜7.55(36H)
合成例25
一般式(IIIa)において、X〜X12:−(CH=CHCH)N−、R11〜R14:CH=CHCH−、R15:2,6−C10<(2,6−ナフチレン)の化合物(IIIa−7)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにナフタレン−2,6−ジオール16.0g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにジアリルアミン58.3g(0.60mol)を用いた他は、合成例19と同様にして表記の目的物を65.5g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−7)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260、νS=O 1320
TOF−Massスペクトル(M/Z):698,699(分子量計算値=696.713)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0〜5.2(16H)、=CH−6.1〜6.2(8H)、−CH−3.4〜3.5(16H)、芳香族C−H7.05〜7.50(6H)
合成例26
一般式(IIIa)において、X,X11:−NH−、X10,X12:−O−、R11,R13:CH=CHCH−、R12,R14:−C、R15:−p−C−p−C−(4,4’−ビフェニレン)の化合物(IIIa−8)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにフェノキシホスホリルジクロリド[COP(=O)Cl]42.2g(0.20mol)を加え、この溶液に、4,4’−ビフェニルアルコール18.6g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を溶解したDMAc150mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で6時間、室温で12時間反応させた。次に、アリルアミン17.1g(0.30mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)の混合物を室温で1時間かけて滴下し、さらに12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣を水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を54.8g(収率約95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−8)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240、δNH 1650、νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):578,579(分子量計算値=576.529)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1(4H)、=CH−6.1(2H)、−CH−3・6(4H)、H−N<3.2(2H)、芳香族C−H7.1〜7.6(18H)
合成例27
一般式(IIIa)において、X,X11:−(CH=CHCH)N−、X10,X12:−O−、R11〜R14:CH=CHCH−、R15:−p−C−O−p−C−の化合物(IIIa−9)の合成。
フェノキシホスホリルジクロリドの代わりにアリルホスホリルジクロリド[CH=CHCHO−P(=O)Cl]27.0g(0.20mol)、4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル20.2g(0.10mol)、アリルアミンの代わりにジアリルアミン58.3g(0.60mol)を用いた他は、合成例19と同様にして表記の目的物を56.5g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−9)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260、νC−O−C 1200
TOF−Massスペクトル(M/Z):602,603(分子量計算値=600.592)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1〜5.2(12H)、=CH−6.1〜6.2(6H)、−CH−3.4〜3.6(12H)、芳香族C−H7.1〜7.5(8H)
合成例28
一般式(IIIa)において、X,X10:−O−、X11,X12:−(CH=CHCH)N−、R11〜R14:CH=CHCH−、R15:−p−C−CH−p−C−の化合物(IIIa−10)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにジアリルフェノキシホスホリルジクロリド[(CH=CHCHO)P(=O)Cl]16.5g(0.10mol)を加え、この溶液に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン20.0g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を溶解したDMAc150mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で6時間、室温で12時間反応させた。次に、塩化ホスホリル[P(=O)Cl]46.0g(0.30mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)の混合物を室温で1時間かけて滴下し、さらに12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣をふたたび100mlのDMAcで溶解し、ジアリルアミン58.3g(0.60mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)の混合液を室温で1時間かけて滴下し、12時間反応させた。この後は合成例19と同様に処理して、表記の目的物を63.6g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IIIa−10)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):600,601(分子量計算値=598.612)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1〜5.2(12H)、=CH−6.1〜6.2(6H)、アリル−CH−3.4〜3.6(12H)、−CH−3.1(2H)、芳香族C−H7.15〜7.45(8H)
[一般式(IV)の反応性難燃剤の合成]
合成例29
一般式(IVa)において、R16〜R19:CH=CHCH−、R20:−p−C−p−C−(4,4’−ビフェニレン)の化合物(IVa−1)の合成。
蒸留精製したジメチルアセトアミド(DMAc)100mlにオキシ塩化リン61.3g(0.40mol)を加え、4,4’−ビフェニルアルコール18.6g(0.10mol)とトリエチルアミン20.2g(0.20mol)を溶解したDMAc150mlの溶液を0〜5℃にて1時間かけて滴下し、同温度で3時間、室温で3時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰のオキシ塩化リンを留去し、DMAc150mlを加えて、トリエチルアミン塩酸塩以外の固体を溶解させた。
0〜5℃にてアリルアルコール34.8g(0.60mol)とトリエチルアミン60.6g(0.60mol)の混合液を1時間かけて滴下し、同温度で3時間、室温で12時間反応させた。減圧度を調節しながら40℃以下で溶媒と過剰の試薬を留去し、残渣を水洗してトリエチルアミン塩酸塩を取り除き、表記の目的物を39.3g(収率約95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IVa−1)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):415,416(分子量計算値=413.504)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0(8H)、=CH−6.0(4H)、−CH−3.5(8H)、芳香族C−H7.1〜7.4(8H)
合成例30
一般式(IVa)において、R16〜R19:CH=CHCH−、R20:−p−C−O−p−C−の化合物(IVa−2)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル20.2g(0.10mol)を用いた他は、合成例29と同様にして表記の目的物を40.4g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IVa−2)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1630、νring 1603,1495、νP=O 1260、νC−O−C 1200
TOF−Massスペクトル(M/Z):431,432(分子量計算値=429.504)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1〜5.2(8H)、=CH−6.1〜6.2(4H)、−CH−3.4〜3.6(8H)、芳香族C−H7.1〜7.5(8H)
合成例31
一般式(IVa)において、R16〜R19:CH=CHCH−、R20:−p−C−CH−p−C−の化合物(IVa−3)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン20.0g(0.10mol)を用いた他は、合成例29と同様にして表記の目的物を40.2g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IVa−3)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):429,430(分子量計算値=427.531)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.0〜5.1(8H)、=CH−6.0〜6.1(4H)、アリル−CH−3.2〜3.4(8H)、−CH−3.0(2H)、芳香族C−H7.15〜7.45(8H)
合成例32
一般式(IVa)において、R16〜R19:p−CH=CHCHO−C−、R20:−p−C−C(CH−p−C−の化合物(IVa−4)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりに2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8g(0.10mol)、アリルアルコールの代わりにp−アリロキシフェノール90.1g(0.60mol)を用いた他は、合成例29と同様にして表記の目的物を88.0g(収率約96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IVa−4)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):918,919(分子量計算値=916.904)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.10(8H)、=CH−6.2〜6.4(4H)、−CH−3.4〜3.6(8H)、CH−1.4(6H)、芳香族C−H7.15〜7.45(24H)
合成例33
一般式(IVa)において、R16〜R19−CH=CHCH−C−、R20:−p−C−C(=O)−p−C−の化合物(IVa−5)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりに4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン21.4g(0.10mol)、アリルアルコールの代わりに−アリルフェノール80.5g(0.60mol)を用いた他は、合成例29と同様にして表記の目的物を101.8g(収率約94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IVa−5)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=O 1750、νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):840,841(分子量計算値=838.834)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.2(8H)、=CH−6.3(4H)、−CH−3.5(8H)、芳香族C−H7.15〜7.50(24H)
合成例34
一般式(IVa)において、R16〜R19:CH=CHCH−、R20:−p−C−SO−p−C−の化合物(IVa−6)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン25.0g(0.10mol)を用いた他は、合成例29と同様にして表記の目的物を52.5g(収率約92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IVa−6)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260、νS=O 1320
TOF−Massスペクトル(M/Z):572,573(分子量計算値=570.498)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1(8H)、=CH−6.2(4H)、−CH−3.5(8H)、芳香族C−H7.15〜7.65(8H)
合成例35
一般式(IVa)において、R16〜R19:CH=CHCH−、R20:2,6−C10<(2,6−ナフチレン)の化合物(IVa−7)の合成。
4,4’−ビフェニルアルコールの代わりにナフタレン−2,6−ジオール16.0g(0.10mol)を用いた他は、合成例29と同様にして表記の目的物を44.7g(収率約93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(IVa−7)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=C 1635、νring 1605,1495、νP=O 1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):482,483(分子量計算値=480.395)
H−NMRスペクトル(δ、ppm):CH=5.1(8H)、=CH−6.2(4H)、−CH−3.5(8H)、芳香族C−H7.15〜7.25(6H)
B:難燃正樹脂加工品の製造
以下、実施例1〜10が一般式(I)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造例であり、比較例1〜11がそれに対応する比較例である。
また、実施例11〜20が一般式(II)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造例であり、比較例12〜22がそれに対応する比較例である。
また、実施例21〜30が一般式(III)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造例であり、比較例23〜33がそれに対応する比較例である。
また、実施例31〜40が一般式(IV)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造例であり、比較例34〜44がそれに対応する比較例である。
[一般式(I)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造]
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)61.8質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)22質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部を加えて、無機充填剤として炭酸カルシウム5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(Ia−1)10質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で280℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃で4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例1の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)62.8質量部に、無機充填剤として約0.05μm径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物(Ia−7)8質量部、2官能性の上記の化合物(Ia−8)4質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.2質量部を加えて混合し、280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して実施例2の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)58.8質量部、難燃剤として多官能性の上記の化合物(Ia−16)10質量部、及び、非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)6質量部を用いた以外は、実施例2と同様に体質顔料、ガラスファイバー、着色剤、酸化防止剤を同量添加し、実施例3の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)62.8質量部に、無機充填剤として約0.05μm径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物(Ia−14)10質量部、更に、多官能環状化合物(日本化成社製:TAIC)2質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.2質量部を加えて混合し、280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して実施例4の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製:トレコン1401X06)78質量部、難燃剤として、上記の化合物(Ia−3)12質量部、及び非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)5質量部、酸化アンチモン5質量部を用い、混練温度を245℃で混練りして樹脂コンパウンドペレットを得て、130℃で3時間乾燥させ、成形時のシリンダー温度を250℃の条件に変更した以外は実施例2と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧4.8MeVで、照射線量40kGyの電子線を照射して実施例5の樹脂加工品を得た。
実施例1の難燃剤として、4官能性の上記の化合物(Ia−15)8質量部、3官能性のイソシアヌル酸EO変性トリアクリレート(東亜合成社製:M−315)2質量部を併用して用いた以外は、実施例1と同様の配合と条件で実施例6の樹脂加工品を得た。
実施例2の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマーBC)を2質量部、更に添加した以外は実施例2と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、245℃、8時間加熱によって反応して実施例7の樹脂加工品を得た。
実施例2の系に、紫外線開始剤(チバガイギー社製イルガノックス651とイルガノックス369とを2:1で併用)7質量部を添加した以外は実施例2と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で365nmの波長で150mW/cmの照度で2分間照射して実施例8の樹脂加工品を得た。
熱硬化性エポキシ系モールド樹脂(長瀬ケミカル社製、主剤XNR4012:100、硬化剤XNH4012:50、硬化促進剤FD400:1)45質量部にシリカ47質量部を分散した系に、反応性難燃剤として上記の化合物(Ia−4)8質量部を添加してモールド成形品を得た後、100℃、1時間反応させて実施例9の樹脂加工品(封止剤)を得た。
半導体封止用エポキシ樹脂(信越化学社製:セミコート115)94質量部に、反応性難燃剤として上記の化合物(Ia−4)6質量部添加してモールド成形品を得た後、150℃、4時間反応させて実施例10の樹脂加工品(封止剤)を得た。
比較例1〜10
実施例1〜10において、上記の一般式(Ia)で示される反応性難燃剤のみを配合しなかった以外は、実施例1〜10と同様な方法で、それぞれ比較例1〜10の樹脂加工品を得た。
比較例11
実施例3の難燃剤として、非反応性の有機りん系難燃剤(三光化学社製:EPOCLEAN)16質量部のみ添加した以外は、実施例3と同様の条件で比較例11の樹脂加工品を得た。
[一般式(II)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造]
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)61.8質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)20質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部を加えて、無機充填剤として炭酸カルシウム5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(IIa−1)12質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で280℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃で4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例11の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)60.8質量部に、無機充填剤として約0.05μm径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物(IIa−4)8質量部、2官能性の上記の化合物(IIa−11)6質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.2質量部を加えて混合し、280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して実施例12の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)58.8質量部、難燃剤として多官能性の上記の化合物(IIa−7)10質量部、及び、非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)6質量部を用いた以外は、実施例12と同様に無機充填剤、ガラスファイバー、着色剤、酸化防止剤を同量添加し、実施例13の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)59.8質量部に、無機充填剤として約0.05μm径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物(IIa−4)8質量部、更に、多官能環状化合物(日本化成社製:TAIC)2質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.2質量部を加えて混合し、280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)25質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して実施例14の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製:トレコン1401X06)78質量部、難燃剤として、上記の化合物(IIa−9)12質量部、及び非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)5質量部、酸化アンチモン5質量部を用い、混練温度を245℃で混練りして樹脂コンパウンドペレットを得て、130℃で3時間乾燥させ、成形時のシリンダー温度を250℃の条件に変更した以外は実施例12と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧4.8MeVで、照射線量40kGyの電子線を照射して実施例15の樹脂加工品を得た。
実施例11の難燃剤として、4官能性の上記の化合物(IIa−6)8質量部、3官能性のイソシアヌル酸EO変性トリアクリレート(東亜合成社製:M−315)4質量部を併用して用いた以外は、実施例11と同様の配合と条件で実施例16の樹脂加工品を得た。
実施例12の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマーBC)を2質量部、更に添加した以外は実施例12と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、245℃、8時間加熱によって反応して実施例17の樹脂加工品を得た。
実施例12の系に、紫外線開始剤(チバガイギー社製イルガノックス651とイルガノックス369とを2:1で併用)7質量部を添加した以外は実施例12と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で365nmの波長で150mW/cmの照度で2分間照射して実施例18の樹脂加工品を得た。
熱硬化性エポキシ系モールド樹脂(長瀬ケミカル社製、主剤XNR4012:100、硬化剤XNH4012:50、硬化促進剤FD400:1)47質量部にシリカ45質量部を分散した系に、反応性難燃剤として上記の化合物(IIa−9)8質量部を添加してモールド成形品を得た後、100℃、1時間反応させて実施例19の樹脂加工品(封止剤)を得た。
半導体封止用エポキシ樹脂(信越化学社製:セミコート115)94質量部に、反応性難燃剤として上記の化合物(IIa−12)6質量部を添加してモールド成形品を得た後、150℃、4時間反応させて実施例20の樹脂加工品(封止剤)を得た。
比較例12〜21
実施例11〜20において、本発明の一般式(IIa)で示される反応性難燃剤のみを配合しなかった以外は、実施例11〜20と同様な方法で、それぞれ比較例12〜21の樹脂加工品を得た。
比較例22
実施例13の難燃剤として、非反応性の有機りん系難燃剤(三光化学社製:EPOCLEAN)16質量部のみ添加した以外は、実施例13と同様の条件で比較例22の樹脂加工品を得た。
[一般式(III)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造]
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)61.8質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)20質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部を加えて、無機充填剤として炭酸カルシウム5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(IIIa−1)12質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で280℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃で4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例21の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)60.8質量部に、無機充填剤として約0.05μm径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物(IIIa−4)8質量部、2官能性の上記の化合物(IIIa−8)6質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.2質量部を加えて混合し、280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して実施例22の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)58.8質量部、難燃剤として多官能性の上記の化合物(IIIa−7)10質量部、及び、非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)6質量部を用いた以外は、実施例22と同様に体質顔料、ガラスファイバー、着色剤、酸化防止剤を同量添加し、実施例22と同様の条件で実施例23の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)59.8質量部に、無機充填剤として約0.05μm径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物(IIIa−4)8質量部、更に、多官能環状化合物(日本化成社製:TAIC)2質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.2質量部を加えて混合し、280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)25質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して実施例24の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製:トレコン1401X06)78質量部、難燃剤として、上記の化合物(IIIa−9)12質量部、及び非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)5質量部、酸化アンチモン5質量部を用い、混練温度を245℃で混練りして樹脂コンパウンドペレットを得て、130℃で3時間乾燥させ、成形時のシリンダー温度を250℃の条件に変更した以外は実施例22と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧4.8MeVで、照射線量40kGyの電子線を照射して実施例25の樹脂加工品を得た。
実施例21の難燃剤として、4官能性の上記の化合物(IIIa−6)8質量部、3官能性のイソシアヌル酸EO変性トリアクリレート(東亜合成社製:M−315)3質量部を併用して用いた以外は、実施例21と同様の配合と条件で実施例26の樹脂加工品を得た。
実施例22の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマーBC)を2質量部、更に添加した以外は実施例22と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、245℃、8時間加熱によって反応して実施例27の樹脂加工品を得た。
実施例22の系に、紫外線開始剤(チバガイギー社製イルガノックス651とイルガノックス369とを2:1で併用)7質量部を添加した以外は実施例22と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で365nmの波長で150mW/cmの照度で2分間照射して実施例28の樹脂加工品を得た。
熱硬化性エポキシ系モールド樹脂(長瀬ケミカル社製、主剤XNR4012:100、硬化剤XNH4012:50、硬化促進剤FD400:1)45質量部にシリカ47質量部を分散した系に、反応性難燃剤として上記の化合物(IIIa−9)8質量部を添加してモールド成形品を得た後、100℃、1時間反応させて実施例29の樹脂加工品(封止剤)を得た。
半導体封止用エポキシ樹脂(信越化学社製:セミコート115)94質量部に、反応性難燃剤として上記の化合物(IIIa−12)6質量部を添加してモールド成形品を得た後、150℃、4時間反応させて実施例30の樹脂加工品(封止剤)を得た。
比較例23〜32
実施例21〜30において、本発明の一般式(IIIa)で示される反応性難燃剤のみを配合しなかった以外は、実施例21〜30と同様な方法で、それぞれ比較例23〜32の樹脂加工品を得た。
比較例33
実施例23の難燃剤として、非反応性の有機りん系難燃剤(三光化学社製:EPOCLEAN)16質量部のみ添加した以外は、実施例23と同様の条件で比較例33の樹脂加工品を得た。
[一般式(IV)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の製造]
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2123B)56.8質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)25質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部を加えて、無機充填剤として炭酸カルシウム5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(IVa−7)12質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で280℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃で4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例31の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)60.8質量部に、無機充填剤として約0.05μm径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物(IVa−1)8質量部、2官能性の上記の化合物(IVa−10)6質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.2質量部を加えて混合し、280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して実施例32の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)57.8質量部、難燃剤として多官能性の上記の化合物(IVa−2)12質量部、及び、非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)6質量部を用いた以外は、実施例32と同様に無機充填剤、ガラスファイバー、着色剤、酸化防止剤を同量添加し、実施例33の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)59.8質量部に、無機充填剤として約0.05μm径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック1質量部、反応性難燃剤として多官能性の上記の化合物(IVa−7)8質量部、更に、多官能環状化合物(日本化成社製:TAIC)2質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.2質量部を加えて混合し、280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)25質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して実施例34の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製:トレコン1401X06)78質量部、難燃剤として、上記の化合物(IVa−6)12質量部、及び非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)5質量部、酸化アンチモン5質量部を用い、混練温度を245℃で混練りして樹脂コンパウンドペレットを得て、130℃で3時間乾燥させ、成形時のシリンダー温度を250℃の条件に変更した以外は実施例32と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧4.8MeVで、照射線量40kGyの電子線を照射して実施例35の樹脂加工品を得た。
実施例31の難燃剤として、4官能性の上記の化合物(IVa−1)8質量部、3官能性のイソシアヌル酸EO変性トリアクリレート(東亜合成社製:M−315)3質量部を併用して用いた以外は、実施例31と同様の配合と条件で実施例36の樹脂加工品を得た。
実施例32の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマーBC)を2質量部、更に添加した以外は実施例32と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、245℃、8時間加熱によって反応して実施例37の樹脂加工品を得た。
実施例32の系に、紫外線開始剤(チバガイギー社製イルガノックス651とイルガノックス369とを2:1で併用)7質量部を添加した以外は実施例32と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で365nmの波長で150mW/cmの照度で2分間照射して実施例38の樹脂加工品を得た。
熱硬化性エポキシ系モールド樹脂(長瀬ケミカル社製、主剤XNR4012:100、硬化剤XNH4012:50、硬化促進剤FD400:1)47質量部にシリカ45質量部を分散した系に、反応性難燃剤として上記の化合物(IVa−5)8質量部を添加してモールド成形品を得た後、100℃、1時間反応させて実施例39の樹脂加工品(封止剤)を得た。
半導体封止用エポキシ樹脂(信越化学社製:セミコート115)94質量部に、反応性難燃剤として上記の化合物(IVa−4)6質量部を添加してモールド成形品を得た後、150℃、4時間反応させて実施例40の樹脂加工品(封止剤)を得た。
比較例34〜43
実施例31〜40において、本発明の一般式(IVa)で示される反応性難燃剤のみを配合しなかった以外は、実施例31〜40と同様な方法で、それぞれ比較例34〜43の樹脂加工品を得た。
比較例44
実施例33の難燃剤として、非反応性の有機りん系難燃剤(三光化学社製:EPOCLEAN)16質量部のみ添加した以外は、実施例33と同様の条件で比較例44の樹脂加工品を得た。
C:難燃正樹脂加工品の試験例
実施例1〜40、比較例1〜44の樹脂加工品について、難燃性試験であるUL−94に準拠した試験片(長さ5インチ、幅1/2インチ、厚さ3.2mm)と、IEC60695−2法(GWFI)に準拠したグローワイヤ試験片(60mm角、厚さ1.6mm)を作製し、UL94試験、グローワイヤ試験(IEC準拠)、はんだ耐熱試験を行なった。また、すべての樹脂加工品について300℃×3時間のブリードアウト試験を行った。
なお、UL94試験は、試験片を垂直に取りつけ,ブンゼンバーナーで10秒間接炎後の燃焼時間を記録した。更に、消火後2回目の10秒間接炎し再び接炎後の燃焼時間を記録し、燃焼時間の合計と2回目消火後の赤熱燃焼(グローイング)時間と綿を発火させる滴下物の有無で判定した。
また、グローワイヤ試験は、グローワイヤとして先端が割けないように曲げた直径4mmのニクロム線(成分:ニッケル80%、クロム20%)、温度測定用熱電対として直径0.5mmのタイプK(クロメル−アルメル)を用い、熱電対圧着荷重1.0±0.2N、温度850℃で行った。なお、30秒接触後の燃焼時間が30秒以内のこと、サンプルの下のティッシュペーパーが発火しないことをもって燃焼性(GWFI)の判定基準とした。
また、はんだ耐熱試験は、350℃のはんだ浴に10秒浸漬後の寸法変形率を示した。
その結果をまとめて表1〜4に示す。
なお、表1は、一般式(I)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の試験例である(実施例1〜10、比較例1〜11)。
また、表2は、一般式(II)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の試験例である(実施例11〜20、比較例12〜22)。
また、表3は、一般式(III)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の試験例である(実施例21〜30、比較例23〜33)。
また、表4は、一般式(IV)の反応性難燃剤を用いた樹脂加工品の試験例である(実施例31〜40、比較例34〜44)。
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
Figure 0004295764
表1から4の結果より、実施例の樹脂加工品においては、難燃性はいずれもV−0と優れ、グローワイヤ試験においてもすべて合格しており、更に、はんだ耐熱試験後の寸法変形率も19%以下と優れることがわかる。また、300℃×3時間後においても難燃剤のブリードアウトは認められなかった。
一方、本発明の反応性難燃剤を含有しない比較例1〜10、比較例12〜21、比較例23〜32、比較例34〜43においては、難燃性はHBと不充分であり、グローワイヤ試験においてもすべて不合格、更に、はんだ耐熱試験後の寸法変形率も実施例に比べて劣ることがわかる。
また、難燃剤として非反応型の有機りん系難燃剤のみを用いた比較例11、22、33、44においては、難燃性はV−2で不充分であり、300℃×3時間後において難燃剤のブリードアウトが認められた。
本発明は、ハロゲンを含有しない、非ハロゲン系の難燃剤及び難燃性樹脂加工品として、電気部品や電子部品等の樹脂成形品や、半導体等の封止剤、コーティング塗膜等に好適に利用できる。

Claims (16)

  1. 樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(Ia)又は(Ib)で示される有機リン化合物を含有することを特徴とする反応性難燃剤。
    Figure 0004295764
    (式(Ia)又は(Ib)中、R〜RはそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、Rはヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。X〜Xはそれぞれ−O−、−NH−、−(CH=CY−Y)N−より選択される基を表し、X〜Xの少なくとも1つは−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を含む。X、Xはそれぞれ−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を表す。R〜R又はX〜Xの少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
  2. 樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(IIa)又は(IIb)で示される有機リン化合物を含有することを特徴とする反応性難燃剤。
    Figure 0004295764
    Figure 0004295764
    (式(IIa)又は(IIb)中、R〜RはそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R10はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表し、X、Xはそれぞれ−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を表す。R〜R又はX、Xの少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
  3. 樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(IIIa)又は(IIIb)で示される有機リン化合物を含有することを特徴とする反応性難燃剤。
    Figure 0004295764
    (式(IIIa)又は(IIIb)中、R11〜R14はそれぞれCH=CY−Y−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R15はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。X〜X12はそれぞれ−O−、−NH−、−(CH=CY−Y)N−より選択される基を表し、X〜X12の少なくとも1つは−NH−、又は−(CH=CY−Y)N−を含む。R11〜R14又はX〜X12の少なくとも1つはCH=CY−Y−を含む。Yは水素又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y−を表す。ここで、Yは炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
  4. 樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(IVa)又は(IVb)で示される有機リン化合物を含有することを特徴とする反応性難燃剤。
    Figure 0004295764
    (式(IVa)又は(IVb)中、R16〜R19はそれぞれCH=CY10−Y11−、又はヘテロ原子を含んでもよい一官能性の芳香族炭化水素系基を表し、R16〜R19の少なくとも1つはCH=CY10−Y11−を含む。R20はヘテロ原子を含んでもよい二官能性の芳香族炭化水素系基を表す。Y10は水素又はメチル基を表し、Y11は炭素数1〜5のアルキレン基、又は−COO−Y12−を表す。ここで、Y12は炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の反応性難燃剤と、樹脂とを含有する樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる難燃性樹脂加工品であって、前記難燃性樹脂加工品全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有することを特徴とする難燃性樹脂加工品。
  6. 前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤を2種類以上含有し、少なくとも1種類が多官能性の前記反応性難燃剤である請求項5に記載の難燃性樹脂加工品。
  7. 前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有し、該難燃剤が、末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物である請求項5又は6に記載の難燃性樹脂加工品。
  8. 前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有し、該難燃剤が、反応性を有しない添加型の難燃剤である請求項5〜7のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  9. 前記樹脂組成物が、難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤を更に含有し、該架橋剤が、主骨格の末端に不飽和基を有する多官能性のモノマー又はオリゴマーである請求項5〜8のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  10. 前記難燃性樹脂加工品全体に対して1〜35質量%の無機充填剤を含有する請求項5〜9のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  11. 前記無機充填剤としてシリケート層が積層してなる層状のクレーを含有し、前記層状のクレーを前記難燃性樹脂加工品全体に対して1〜10質量%含有する請求項10に記載の難燃性樹脂加工品。
  12. 前記難燃性樹脂加工品全体に対して5〜40質量%の強化繊維を含有する請求項5〜11のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  13. 前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、線量10kGy以上の電子線又はγ線の照射によって反応して得られる請求項5〜12のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  14. 前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、前記樹脂組成物を成形する温度より5℃以上高い温度で反応して得られる請求項5〜12のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  15. 前記難燃性樹脂加工品が、成形品、塗膜、封止剤より選択される1つである請求項5〜14のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  16. 前記難燃性樹脂加工品が、電気部品又は電子部品として用いられるものである請求項5〜15のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
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