JPWO2005087852A1 - 反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、樹脂への少量の添加でも難燃性に優れ、ブリードアウトを防止できる反応性難燃剤、及びそれを用いた難燃性樹脂加工品を提供する。 反応性難燃剤として、例えば、下記の一般式(I)で示され、R1〜R5の末端に少なくとも1つの不飽和基を有する有機リン化合物を用いる。難燃性樹脂加工品は、この有機リン化合物を含有する樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって反応させて得られる。

Description

本発明は、例えば、樹脂成形品等に利用される難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品に関し、更に詳しくは、ハロゲンを含有しない非ハロゲン系の難燃剤に関する。
ポリエステルやポリアミド等の熱可塑性樹脂や、エポキシ等の熱硬化性樹脂は、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチックとして優れた成形加工性、機械的強度、電気特性を有していることから、電気、電子分野等を始めとして広く用いられている。そして、これらの樹脂成形品等の製品は、高温による火災防止を目的とした安全上の観点から難燃性が要求されており、例えば、難燃グレードとしてUL94のような規格が設けられている。
一般に、このような樹脂材料の難燃化としては、特にハロゲン物質の添加が有効であることが知られており、樹脂に添加させて使用されている。このハロゲン系難燃剤のメカニズムは、主に熱分解によりハロゲン化ラジカルが生成し、このハロゲン化ラジカルが燃焼源である有機ラジカルを捕捉することで、燃焼の連鎖反応を停止させ、高難燃性を発現させると言われている。
しかし、ハロゲン化合物を大量に含む難燃剤は、燃焼条件によってはダイオキシン類が発生する可能性があり、環境への負荷を低減する観点から、近年ハロゲン量を低減させる要求が高まっている。したがって、ハロゲン系化合物を含有しない非ハロゲン系難燃剤が各種検討されている。
このような非ハロゲン系難燃剤としては、金属水和物や赤リン等の無機難燃剤、リン酸エステル等の有機リン系難燃剤等が検討されているが、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムといった金属水和物の場合、難燃性付与効果があまり高くないので、樹脂に多量に配合する必要がある。したがって、樹脂の成形性が悪くなったり、得られる成形品等の機械的強度が低下しやすく、使用可能な成形品等の用途が限定されるという問題がある。また、赤りんは、難燃効果は高いが、分散不良により電気特性を阻害したり、危険ガスが発生したり、成形性を低下するとともにブリード現象を起こしやすい。
一方、リン酸エステル等のリン系難燃剤としては、例えば、特開2002−20394号公報には、ホスホリナン構造を有する酸性リン酸エステルのピペラジン塩もしくはC1〜6のアルキレンジアミン塩を難燃剤として使用することが開示されている。
また、特開2002−80633号公報には、リン酸モノフェニル、リン酸モノトリル等の芳香族リン酸エステルとピペラジン等の脂肪族アミンとからなる塩を主成分とする樹脂用難燃剤が開示されている。
更に、特開2002−138096号公報には、ハロゲンフリーの難燃処方として優れた難燃効果を発現させると共に、成形品の耐熱性、耐水性の物性に優れ、また電気積層板用途における密着性に優れる難燃エポキシ樹脂を得るための難燃剤としてリン含有フェノール化合物を用いることが開示されている。
更にまた、特開平5−331179号公報には、特に高分子化合物の安定剤、難燃剤として有用である、2官能ヒドロキシル基を有する有機環状リン化合物が開示されている。
しかしながら、上記の特開2002−20394号公報、特開2002−80633号公報、特開2002−138096号公報に用いられているようなリン酸エステル化合物においては、その難燃性が不充分であるため高濃度で配合する必要があった。
また、分子内に樹脂成分と反応するための反応基を有していないために、難燃剤成分が樹脂中を移行しやすく、成型時に揮発して金型を汚染したり、樹脂の表面に難燃剤がブリードアウトするという問題があった。このため、樹脂加工品の熱的、機械的、電気的特性等を低下する原因となっていた。
更に、特開平5−331179号公報の有機環状リン化合物においては、エポキシ樹脂のようなヒドロキシル基と結合できるような反応基を有する樹脂においては反応性難燃剤として機能する。しかし、例えば、通常のオレフィン樹脂のようにヒドロキシル基と結合できるような反応基を有しない樹脂においては架橋を形成できないので、やはり難燃剤成分が樹脂中を移行しやすく、成型時に揮発して金型を汚染したり、樹脂の表面に難燃剤がブリードアウトするという問題があった。
したがって、本発明の目的は、樹脂への少量の添加でも難燃性、耐熱性に優れるとともに難燃剤のブリードアウト等を防止でき、加えて、成形品の機械特性、電気特性、寸法安定性、成形性にも優れる、反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品を提供することにある。
すなわち、本発明の反応性難燃剤は、樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(I)又は(II)で示される、末端に不飽和基を有する有機リン化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2005087852
(式(I)又は(II)中、1分子中に少なくとも1つのP−C結合を含み、ArとArは、それぞれ炭素数20以下の易動性水素を含まない二官能性芳香族炭化水素系基を表し、nは0〜2の整数である。また、R〜Rはそれぞれ、−NHCHCH=CH、−N(CHCH=CH、−OCHCH=CH、−CHCH=CH、−CHCHOCH=CH、−(C)−CH=CH、−O(C)−CH=CH、−CH(C)−CH=CH、−NH(C)−CH=CH、−N(CHCH=CH)−(C)−CH=CH、−O−R−OOC−C(R’)=CH、−NH−R−NHCO−C(R’)=CH、ないし炭素数12以下のアリール基より選ばれる。ここで、Rは炭素数2〜5のアルキレン基、R’は水素またはメチル基を表し、R〜Rの少なくとも1つは−CH=CH基又は−C(CH)=CH基を含む。)
本発明の反応性難燃剤によれば、1分子内に少なくとも1つの末端不飽和結合を有している有機リン化合物を用いたので、この末端不飽和結合を、熱又は放射線によって樹脂と結合して反応させることができる。これにより、難燃剤成分が樹脂中に安定して存在するので、難燃剤のブリードアウトを防止して、少量の添加でも難燃性を長期間付与できる。
また、1分子内に2個以上のリン原子を含んでいるのでリンの含有量が高い。加えて、解離しやすいP−C結合を含んでいるので、難燃効果の高いPラジカルを発生しやすい。したがって難燃性を向上できる。
また、炭素数20以下の易動性水素を含まない二官能性芳香族炭化水素系基を含んでいるので分子量が増大し、エネルギー的にも安定化する。これにより熱分解温度が向上するので、樹脂への混練、成形時における難燃剤の気化や、成形時の熱や剪断による難燃剤の分解を防止でき、成形性が向上する。また、炭素を多く含有することで、樹脂分解時にススが生成、堆積することによって難燃性が向上する、いわゆるチャー効果も得られる。
一方、本発明の難燃性樹脂加工品は、上記の反応性難燃剤と、樹脂とを含有する樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる難燃性樹脂加工品であって、前記難燃性樹脂加工品全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有することを特徴とする。
本発明の難燃性樹脂加工品によれば、上記の有機リン化合物の末端不飽和結合を、加熱又は放射線の照射によって樹脂と反応させたので、難燃剤成分が樹脂中に安定して存在する。これにより難燃剤のブリードアウトを防止して難燃性効果が向上するので、難燃性樹脂加工品全体に対する反応性難燃剤の添加量が1〜20質量%と少量であっても、難燃性を長期間付与できる。
また、難燃剤と樹脂との結合によって、樹脂が3次元網目構造に架橋化するので、得られる樹脂加工品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができ、特に耐熱性と機械強度を向上させることができる。更に薄肉成形加工も可能になる。
上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤を2種類以上含有し、少なくとも1種類が多官能性の前記反応性難燃剤であることが好ましい。
この態様によれば、反応性の異なる難燃剤の併用によって架橋に要する反応速度を制御できるので、急激な架橋反応の進行による樹脂の収縮等を防止することができる。また、多官能性の難燃剤の含有によって、上記の有機リン化合物による均一な3次元網目構造が形成されるので、耐熱性、難燃性が向上するとともに、より安定した樹脂物性が得られる。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有し、該難燃剤が、末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物であることが好ましい。
この態様によれば、末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物によっても、難燃剤と樹脂との結合によって樹脂が3次元網目構造に架橋できるので、併用によって難燃剤全体のコストダウンを図りつつ、得られる樹脂加工品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができる。また、窒素を含有するので、特に樹脂としてポリアミド系樹脂を用いた場合に樹脂との相溶性がより向上する。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有し、該難燃剤が、反応性を有しない添加型の難燃剤であることが好ましい。上記の反応性難燃剤に、例えば、リン酸エステル系、メラミン系、水酸化金属、シリコン系等の反応性を有しない添加型の難燃剤を併用することによって、相乗効果により反応性難燃剤単独の場合に比べて難燃性を更に向上でき、また、難燃剤のコストダウンを図ることができる。
更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂組成物が、難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤を更に含有し、該架橋剤が、主骨格の末端に不飽和基を有する多官能性のモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。
この態様によっても、架橋剤と樹脂との結合によって、樹脂が3次元網目構造に架橋できるので、得られる樹脂加工品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができる。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品全体に対して1〜35質量%の無機充填剤を含有することが好ましい。なかでも、前記無機充填剤としてシリケート層が積層してなる層状のクレーを含有し、前記層状のクレーを前記難燃性樹脂加工品全体に対して1〜10質量%含有することが好ましい。この態様によれば、架橋に伴う収縮や分解を抑え、寸法安定性に優れる樹脂加工品を得ることができる。また、無機充填剤としてシリケート層が積層してなる層状のクレーを含有した場合には、ナノオーダーで層状のクレーが樹脂中に分散することにより樹脂とのハイブリット構造を形成する。これによって、得られる難燃性樹脂加工品の耐熱性、機械強度等が向上する。
更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品全体に対して5〜40質量%の強化繊維を含有することが好ましい。この態様によれば、強化繊維の含有により、樹脂加工品の引張り、圧縮、曲げ、衝撃等の機械的強度を向上させることができ、更に水分や温度に対する物性低下を防止することができる。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、線量10kGy以上の電子線又はγ線の照射によって反応して得られることが好ましい。この態様によれば、樹脂を成形等によって固化した後に、放射線によって架橋できるので、樹脂加工品を生産性よく製造できる。また、上記範囲の線量とすることにより、線量不足による3次元網目構造の不均一な形成や、未反応の架橋剤残留によるブリードアウトを防止できる。また、特に、照射線量を10〜45kGyとすれば、線量過剰によって生じる酸化分解生成物に起因する、樹脂加工品の内部歪みによる変形や収縮等も防止できる。
更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、前記樹脂組成物を成形する温度より5℃以上高い温度で反応して得られることも好ましい。この態様によれば、放射線照射装置等が不要であり、特に熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物において好適に用いることができる。
また、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品が、成形品、塗膜、封止剤より選択される1つであることが好ましい。本発明の難燃性樹脂加工品は、上記のように優れた難燃性を有し、しかもブリードアウトを防止できるので、通常の樹脂成形品のみならず、コーティング剤等として塗膜化したり、半導体や液晶材料等の封止剤としても好適に用いられる。
更に、上記の難燃性樹脂加工品においては、前記難燃性樹脂加工品が、電気部品又は電子部品として用いられるものであることが好ましい。本発明の難燃性樹脂加工品は、上記のように、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れるので、特に上記の物性が厳密に要求される、電気部品、電子部品として特に好適に用いられる。
以下、本発明について詳細に説明する。まず、本発明の反応性難燃剤について説明する。
本発明の反応性難燃剤は、樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(I)又は(II)で示される有機リン化合物であることを特徴としている。
Figure 2005087852
(式(I)又は(II)中、1分子中に少なくとも1つのP−C結合を含み、ArとArは、それぞれ炭素数20以下の易動性水素を含まない二官能性芳香族炭化水素系基を表し、nは0〜2の整数である。また、R〜Rはそれぞれ、−NHCHCH=CH、−N(CHCH=CH、−OCHCH=CH、−CHCH=CH、−CHCHOCH=CH、−(C)−CH=CH、−O(C)−CH=CH、−CH(C)−CH=CH、−NH(C)−CH=CH、−N(CHCH=CH)−(C)−CH=CH、−O−R−OOC−C(R’)=CH、−NH−R−NHCO−C(R’)=CH、ないし炭素数12以下のアリール基より選ばれる。ここで、Rは炭素数2〜5のアルキレン基、R’は水素またはメチル基を表し、R〜Rの少なくとも1つは−CH=CH基又は−C(CH)=CH基を含む。)
上記の有機リン化合物のうち、一般式(I)はリンが5価の化合物であり、一般式(II)はリンが3価の化合物である。
上記の有機リン化合物は、少なくとも1つの末端不飽和結合である、−CH=CH基又は−C(CH)=CH基を有している。ここで、−CH=CH基又は−C(CH)=CH基は、後述する加熱、又は放射線等の照射によって樹脂と結合するための官能基である。なお、−CH=CH基又は−C(CH)=CH基は1分子中に2つ以上有していることが好ましい。
炭素数12以下のアリール基としては、例えば、−C(フェニル基)、−COH(ヒドロキシフェニル基)、−C−COH(ヒドロキシビフェニル基)、−α−C10(α−ナフチル基)、−β−C10(β−ナフチル基)等が挙げられる。
Ar、Arは、それぞれ炭素数20以下の易動性水素を含まない二官能性芳香族炭化水素系基を表し、nは0〜2の整数である。ここで、易動性水素とは、−OH(水酸基)、−NHCO−(アミド結合)、−NHCOO−(ウレタン結合)などの、水素結合を形成しやすく、金属ナトリウムや水素化ナトリウムなどと常温で容易に反応して水素を発生する官能基に含まれる反応性の高い水素である。
なお、本発明において、二官能性芳香族炭化水素系基とは、例えば、1,4−フェニレン基や−p−C−p−C−のような二官能性芳香族炭化水素基のみならず、例えば上記のヒドロキシフェニル基や−p−C−SO−p−C−のような、芳香族炭化水素基に加えて更に酸素や硫黄等のヘテロ原子を含んだ基も含む意味である。また、1分子中に少なくとも1つのP−C結合を含んでいれば、それぞれのAr、Arは、−p−C−O−、−O−p−C−O−などのようにP−O結合などを含んでいてもよい。また、nが2の場合、それぞれのArは同一でもよく異なっていてもよい。
このようなAr、Arとしては、例えば、−p−C−、−p−C−O−、−O−p−C−O−、−p−C−p−C−、−p−C−CH−p−C−、−p−C−C(CH−p−C−、−p−C−C(=O)−p−C−、−p−C−SO−p−C−、2,6−C10<(2,6−ナフチレン基)等が挙げられる。
また、一般式(I)又は(II)における1分子中のリンの含有量としては6〜20wt%であることが好ましい。
上記の一般式(I)の有機リン化合物としては、具体的には、例えば、下記の構造式(I−1)〜(I−23)で示される化合物が挙げられる。このうち、(I−1)〜(I−12)はnがゼロ、すなわち1分子中のリン原子が2個の場合の例であり、(I−13〜(I−20)はnが1、すなわち1分子中のリン原子が3個の場合の例であり、(I−21)〜(I−23)はnが2、すなわち1分子中のリン原子が4個の場合の例である。
Figure 2005087852
Figure 2005087852
Figure 2005087852
Figure 2005087852
Figure 2005087852
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また、上記の一般式(II)の有機リン化合物としては、具体的には、例えば、下記の構造式(II−1)〜(II−23)で示される化合物が挙げられる。このうち、(II−1)〜(II−12)はnがゼロ、すなわち1分子中のリン原子が2個の場合の例であり、(II−13〜(II−20)はnが1、すなわち1分子中のリン原子が3個の場合の例であり、(II−21)〜(II−23)はnが2、すなわち1分子中のリン原子が4個の場合の例である。
Figure 2005087852
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Figure 2005087852
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上記のように、一般式(I)又は(II)の化合物は、両側のリン原子が、Ar1又はAr2、すなわちP−C結合を介して結合されているブリッジ型の構造をなしている。更に、リン原子に結合する基の少なくとも1つは末端不飽和結合を含んでいる。
上記の化合物の合成は、例えば、(I−1)の化合物は、4,4’−ジクロルビフェニルを出発原料とし、これをオキシ塩化リンと反応させた後、更に臭化アリルと反応させて末端に不飽和基を導入することによって合成することができる。
また、例えば、(II−1)の化合物は、4,4’−ジクロルビフェニルを出発原料とし、これを三塩化リンと反応させた後、更に臭化アリルと反応させて末端に不飽和基を導入することによって合成することができる。
そして、臭化アリルの代わりに、例えば、アリルアミン、アリルアルコール、ジアリルアミン等を用いたり、オキシ塩化リンの代わりに、例えば、α−ナフチルホスホリルジクロリド、p−ビフェニルホスホリルジクロリド、フェニルホスホリルジクロリド等を用いることにより、上記の一般式(I)又は(II)におけるR〜Rを変更できる。なお、(I)又は(II)式における、nが1又は2の場合等の、更に具体的な合成例については、後述する実施例をもって説明する。
次に、上記の反応性難燃剤を用いた難燃性樹脂加工品について説明する。
本発明の難燃性樹脂加工品は、樹脂と、上記の一般式(I)又は(II)で示される有機リン化合物とを含有する樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られ、樹脂組成物全体に対して、上記の反応性難燃剤を1〜20質量%含有することを特徴としている。
まず、本発明に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用可能であり特に限定されない。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。なかでも、機械特性や耐熱性等の点から、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。なかでも、機械特性や耐熱性等の点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂を用いることが好ましい。
上記反応性難燃剤の含有量は、前記樹脂組成物全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有することが好ましく、1〜15質量%含有することがより好ましい。反応性難燃剤の含有量が1質量%未満の場合、反応による架橋が不充分であり、得られる樹脂加工品の機械的物性、熱的物性、電気的物性が好ましくなく、また、20質量%を超えると、反応性難燃剤が過剰となり、反応性難燃剤の未反応のモノマーや分解ガスが発生したり、オリゴマー化したものがブリードアウトし、また、樹脂加工品の機械的特性が低下するので好ましくない。
上記の一般式(I)又は(II)で示される有機リン化合物のうち、本発明においては、反応性の異なる2種類以上の化合物、すなわち、1分子中の上記官能基の数が異なる2種類以上の化合物を併用することが好ましい。これによって、架橋に要する反応速度を制御できるので、急激な架橋反応の進行による樹脂組成物の収縮を防止することができる。
また、上記の一般式(I)又は(II)で示される有機リン化合物のうち、少なくとも多官能性の反応性難燃剤を含有することが好ましい。これによって、上記の有機リン化合物による均一な3次元網目構造が形成される。
また、本発明においては、更に上記反応性難燃剤以外の、反応性を有しない添加型の難燃剤を含有していてもよい。このような難燃剤としては、非ハロゲン系難燃剤が好ましく、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等に代表される金属水和物や、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのモノリン酸エステル、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェートなどの縮合リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド、赤リン、リン酸グアニジン等、シアヌル酸又はイソシアヌル酸の誘導体、メラミン誘導体、シリコン系難燃剤等が挙げられる。
これらの難燃剤は単独で用いてもよく、また2種類以上併用することも可能である。この反応性難燃剤以外の難燃剤の含有量は、ブリードや機械特性の低下を防止するために、前記樹脂組成物全体に対して、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を1〜20質量%含有することが好ましく、3〜15質量%含有することがより好ましい。
また、反応性難燃剤1質量部に対して、前記反応性難燃剤以外の反応性を有する難燃剤として、末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物を0.5〜10質量部含有することがより好ましい。
上記の末端に不飽和基を有する基としては、具体的にはジアクリレート、ジメタクリレート、ジアリレート、トリアクリレート、トリメタクリレート、トリアリレート、テトラアクリレート、テトラメタクリレート、テトラアリレート等が挙げられるが、反応性の点からはジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート等のアクリレートであることがより好ましい。
また、環状の含窒素化合物としては、イソシアヌル環、シアヌル環等が挙げられる。
上記の末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物の具体例としては、上記のシアヌル酸又はイソシアヌル酸の誘導体が挙げられ、例えば、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、トリイソシアヌールトリアクリレート等が例示できる。
また、本発明においては、難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤を更に含有してもよい。このような架橋剤としては、主骨格の末端に不飽和基を有する多官能性のモノマー又はオリゴマーを用いることができる。
なお、本発明における難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤とは、架橋性(反応性)を有するが、それ自身は難燃性は有しないものを意味し、上記の末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物のように、架橋性と難燃性とを同時に有する反応性難燃剤を除くものである。
このような架橋剤としては、以下の一般式(a)〜(c)で表される2〜4官能性の化合物が挙げられる。ここで、Xは主骨格であり、R〜Rは末端に不飽和基を有する官能性基であって、(a)は2官能性化合物、(b)は3官能性化合物、(c)は4官能性化合物である。
Figure 2005087852
Figure 2005087852
具体的には、以下に示すような一般式の、主骨格Xが、グリセリン、ペンタエリストール誘導体等の脂肪族アルキルや、トリメリット、ピロメリット、テトラヒドロフラン、トリメチレントリオキサン等の芳香族環、ビスフェノール等である構造が挙げられる。
Figure 2005087852
Figure 2005087852
上記の架橋剤の具体例としては、2官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールA−EO変性ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート等のジアクリレートや、それらのジメタクリレート、ジアリレートが挙げられる。
また、3官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート等のトリアクリレートや、それらのトリメタクリレート、トリアリレートが挙げられる。
また、4官能性のモノマー又はオリゴマーとしては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
上記の架橋剤は、主骨格Xとなる、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、グリセリン、ペンタエリストール、2,4,6−トリス(クロロメチル)−1,3,5−トリオキサン等より選ばれる1種に、末端に不飽和基を有する官能性基となる、臭化アリル、アリルアルコール、アリルアミン、臭化メタリル、メタリルアルコール、メタリルアミン等より選ばれる1種を反応させて得られる。
上記の架橋剤は、前記反応性難燃剤1質量部に対して、0.5〜10質量部含有することが好ましい。
本発明に用いる樹脂組成物には、上記の樹脂と難燃剤の他、無機充填剤、強化繊維、各種添加剤等を含有していてもよい。
無機充填剤を含有することによって、樹脂加工品の機械的強度が向上するとともに、寸法安定性を向上させることができる。また、反応性難燃剤を吸着させる基体となって、反応性難燃剤の分散を均一化する。
無機充填剤としては、従来公知のものが使用可能であり、代表的なものとしては、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ステンレス鋼、アルミニウム、金、銀等の金属粉末、ヒュームドシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、ガラスビーズ、カーボンブラック、石英粉末、雲母、タルク、マイカ、クレー、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ケイソウ土等が挙げられる。これらの充填剤は、単独でも、2種以上を併用して用いてもよく、また、公知の表面処理剤で処理されたものでもよい。
無機充填剤の含有量は、難燃性樹脂加工品全体に対して1〜35質量%含有することが好ましく、1〜20質量%がより好ましい。含有量が1質量%より少ないと、難燃性樹脂加工品の機械的強度が不足し、寸法安定性が不充分であり、更に反応性難燃剤の吸着が不充分となるので好ましくない。また、35質量%を超えると、難燃性樹脂加工品が脆くなるので好ましくない。
上記の無機充填剤のうち、シリケート層が積層してなる層状のクレーを用いることが特に好ましい。シリケート層が積層してなる層状のクレーとは、厚さが約1nm、一辺の長さが約100nmのシリケート層が積層された構造を有しているクレーである。したがって、この層状のクレーはナノオーダーで樹脂中に分散されて樹脂とのハイブリット構造を形成し、これによって、得られる難燃性樹脂加工品の耐熱性、機械強度等が向上する。層状のクレーの平均粒径は100nm以下であることが好ましい。
層状のクレーとしては、モンモリロナイト、カオリナイト、マイカ等が挙げられるが、分散性に優れる点からモンモリロナイトが好ましい。また、層状のクレーは、樹脂への分散性を向上させるために表面処理されていてもよい。このような層状のクレーは市販されているものを用いてもよく、例えば「ナノマー」(商品名、日商岩井ベントナイト株式会社製)や、「ソマシフ」(商品名、コーポケミカル社製)などが使用できる。
層状のクレーの含有量は、難燃性樹脂加工品全体に対して1〜10質量%が好ましい。なお、層状のクレーは単独で使用してもよく、他の無機充填剤と併用してもよい。
また、強化繊維を含有することによって、例えば成形品の場合には機械的強度が向上するとともに、寸法安定性を向上させることができる。強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が挙げられ、強度、及び樹脂や無機充填剤との密着性の点からガラス繊維を用いることが好ましい。これらの強化繊維は、単独でも、2種以上を併用して用いてもよく、また、シランカップリング剤等の公知の表面処理剤で処理されたものでもよい。
また、ガラス繊維は、表面処理されており、更に樹脂で被覆されていることが好ましい。これにより、熱可塑性ポリマーとの密着性を更に向上することができる。
表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができ、具体的には、メトキシ基及びエトキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種のアルコキシ基と、アミノ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、イソシアネート基よりなる群から選択される少なくとも一種の反応性官能基を有するシランカップリング剤が例示できる。
また、被覆樹脂としても特に限定されず、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等が挙げられる。
強化繊維の配合量は、難燃性樹脂加工品全体に対して5〜40質量%含有することが好ましく、10〜35質量%がより好ましい。含有量が5質量%より少ないと、難燃性樹脂加工品の機械的強度が低下するとともに、寸法安定性が不充分であるので好ましくなく、また、40質量%を超えると、樹脂の加工が困難になるので好ましくない。
また、上記の無機充填剤及び強化繊維を含有し、難燃性樹脂加工品全体に対して、無機充填剤及び強化繊維を65質量%以下含有することが好ましく、55質量%以下含有することがより好ましい。無機充填剤及び強化繊維の含有量が65質量%を超えると、樹脂成分の割合が減少して成形性が低下したり、得られる樹脂加工品が脆くなったりして物性が低下するので好ましくない。
なお、本発明に用いる樹脂組成物には、本発明の目的である耐熱性、耐候性、耐衝撃性等の物性を著しく損わない範囲で、上記以外の常用の各種添加成分、例えば結晶核剤、着色剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤などの添加剤を添加することができる。また、後述するように、例えば紫外線によって樹脂と反応性難燃剤とを反応させる場合には、紫外線開始剤等を用いることができる。
着色剤としては特に限定されないが、後述する放射線照射によって褪色しないものが好ましく、例えば、無機顔料である、ベンガラ、鉄黒、カーボン、黄鉛等や、フタロシアニン等の金属錯体が好ましく用いられる。
本発明の難燃性樹脂加工品は、上記の樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる。
樹脂組成物の固化は従来公知の方法が用いられ、例えば、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の場合には、熱可塑性樹脂と反応性難燃剤とを溶融混練してペレット化した後、従来公知の射出成形、押出成形、真空成形、インフレーション成形等によって成形することができる。溶融混練は、単軸或いは二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの通常の溶融混練加工機を使用して行なうことができる。混練温度は熱可塑性樹脂の種類によって適宜選択可能であり、例えばポリアミド系樹脂の場合には240〜280℃で行なうことが好ましい、また、成形条件も適宜設定可能であり特に限定されない。なお、この段階では全く架橋は進行していないので、成形時の余分のスプール部は、熱可塑性樹脂としてのリサイクルが可能である。
一方、熱硬化性樹脂の場合には、上記と同様に、熱硬化性樹脂と反応性難燃剤とを溶融混練してペレット化した後、例えば、従来公知の射出成形、圧縮成形、トランスファー成形等を用いて成形することができる。
また、塗膜化する場合には、樹脂組成物をそのまま塗布してもよく、適宜溶剤等で希釈して塗布可能な溶液又は懸濁液とした後、従来公知の方法によって乾燥、塗膜化してもよい。塗膜化の方法としては、ローラー塗り、吹き付け、浸漬、スピンコート等のコーティング方法等を用いることができ特に限定されない。
上記の樹脂組成物は、加熱又は放射線の照射によって、反応性難燃剤の末端の不飽和結合が、樹脂と反応して架橋反応し、樹脂中に安定に存在する。
反応性難燃剤と樹脂とを反応させる手段として加熱を用いる場合、反応させる温度は、樹脂の成形温度より5℃以上高い温度とすることが好ましく、10℃以上高い温度とすることがより好ましい。
また、架橋の手段として放射線を用いる場合には、電子線、α線、γ線、X線、紫外線等が利用できる。なお、本発明における放射線とは広義の放射線を意味し、具体的には、電子線やα線等の粒子線の他、X線や紫外線等の電磁波までを含む意味である。
上記のうち、電子線又はγ線の照射が好ましい。電子線照射は公知の電子加速器等が使用でき、加速エネルギーとしては、2.5MeV以上であることが好ましい。γ線照射は、公知のコバルト60線源等による照射装置を用いることができる。
γ線照射は、公知のコバルト60線源等による照射装置を用いることができる。γ線は電子線に比べて透過性が強いために照射が均一となり好ましいが、照射強度が強いため、過剰の照射を防止するために線量の制御が必要である。
放射線の照射線量は10kGy以上であることが好ましく、10〜45kGyがより好ましい。この範囲であれば、架橋によって上記の物性に優れる樹脂加工品が得られる。照射線量が10kGy未満では、架橋による3次元網目構造の形成が不均一となり、未反応の架橋剤がブリードアウトする可能性があるので好ましくない。また、45kGyを超えると、酸化分解生成物による樹脂加工品の内部歪みが残留し、これによって変形や収縮等が発生するので好ましくない。
このようにして得られた本発明の難燃性樹脂加工品は、まず、成形品として、耐熱性、難燃性に加えて、機械特性、電気特性、寸法安定性、及び成形性に優れる。したがって、高度な耐熱性、難燃性が要求される電気部品又は電子部品、更には自動車部品や光学部品、例えば、電磁開閉器やブレーカーなどの接点支持等のための部材、プリント基板等の基板、集積回路のパッケージ、電気部品のハウジング等として好適に用いることができる。
このような電気部品又は電子部品の具体例としては、受電盤、配電盤、電磁開閉器、遮断器、変圧器、電磁接触器、サーキットプロテクタ、リレー、トランス、各種センサ類、各種モーター類、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の半導体デバイス等が挙げられる。
また、冷却ファン、バンパー、ブレーキカバー、パネル等の内装品、摺動部品、センサ、モーター等の自動車部品としても好適に用いることができる。
更に、成形品のみならず、上記の成形品や繊維等への難燃性コーティング塗膜としても用いることもできる。
また、上記の半導体デバイス等の電子部品又は電気部品の封止、被覆、絶縁等として用いれば、優れた耐熱性、難燃性を付与させることができる。すなわち、例えば、上記の樹脂組成物を封止して樹脂を硬化させ、更に上記の加熱又は放射線照射による反応を行なうことにより、半導体チップやセラミックコンデンサ等の電子部品や電気素子を封止する難燃性封止剤として用いることができる。封止の方法としては、注入成形、ポッティング、トランスファー成形、射出成形、圧縮成形等による封止が可能である。また、封止対象となる電子部品、電気部品としては特に限定されないが、例えば、液晶、集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、コンデンサ等が挙げられる。
以上説明したように、本発明によれば、樹脂への少量の添加でも難燃性に優れ、更に、ブリードアウト等を防止できる、非ハロゲン系の反応性難燃剤及びそれを用いた難燃性樹脂加工品を提供することができる。したがって、この難燃性樹脂加工品は、電気部品や電子部品等の樹脂成形品や、半導体等の封止剤、コーティング塗膜等に好適に利用できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[一般式(I)の反応性難燃剤の合成]
合成例1(化合物(I−1)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながら4,4’−ジクロルビフェニル22.31g(0.100モル)の蒸留THF200ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、オキシ塩化リン91.99g(0.600モル)と蒸留THF300mlを入れ、穏やかに窒素を流通しながらかき混ぜ、0〜5℃にて、上記の有機リチウム化合物溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰のオキシ塩化リンを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去して4,4’−ビス(ジクロルホスホリル)ビフェニルを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属マグネシウム片21.87g(0.900モル)と蒸留ジエチルエーテル200mlを入れ、激しく攪拌しながら臭化アリル72.59g(0.600モル)の蒸留ジエチルエーテル300ml溶液を滴下し、反応熱による穏やかな沸点還流状態を保った。約3時間で滴下終了後、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除いて臭化アリルマグネシウム溶液を調整した。
上記の4,4’−ビス(ジクロルホスホリル)ビフェニル全量と蒸留THF300mlを先ほどと同様の反応装置に仕込み、0〜5℃にて上記の臭化アリルマグネシウム溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣を、pHが中性付近に保たれるように酸を加えながら1000mlの水中に投じ、100mlの酢酸エチルにて5回抽出した。水洗後、酢酸エチル相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥、乾燥剤をろ去し、溶液を減圧留去して目的の化合物を38.58g(収率94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−1)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):412,413(分子量計算値=410.4328)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.6〜4.7(8H),=CH− 5.5〜5.6(4H),−CH− 3.3(8H),芳香族C−H 6.8〜7.4(8H)
合成例2(化合物(I−2)の合成)
合成例1の臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに、アリルアルコール34.84g(0.600モル)とトリエチルアミン60.71g(0.600モル)のTHF300ml溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして目的の化合物を45.54g(収率96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−2)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635、νP=O 1160〜1250、νP−O−C 1220,1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):476,477(分子量計算値=474.4328)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 5.0〜5.1(8H),=CH− 5.8〜5.9(4H),−CH− 3.3(8H),芳香族C−H 6.8〜7.4(8H)
合成例3(化合物(I−3)の合成)
合成例1の臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに、ジアリルアミン58.30g(0.600モル)とトリエチルアミン60.71g(0.600モル)のTHF300ml溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして目的の化合物を60.55g(収率96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−3)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1603,1495、νC=C 1635、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):632,633(分子量計算値=630.7508)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.9〜5.0(16H),=CH− 5.8〜5.9(8H),−CH− 3.1(16H),芳香族C−H 6.8〜7.4(8H)
合成例4(化合物(I−4)の合成)
合成例1の臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに、アリルアミン34.25g(0.600モル)とトリエチルアミン60.71g(0.600モル)のTHF300ml溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして目的の化合物を45.17g(収率96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−4)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3260,δNH 1630,νring 1603,1495、νC=C 1635、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):472,473(分子量計算値=470.4924)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.7〜4.8(8H),=CH− 5.5〜5.7(4H),−CH− 2.8(8H),>NH 3.3(4H),芳香族C−H 6.8〜7.4(8H)
合成例5(化合物(I−5)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属マグネシウム片21.87g(0.900モル)と蒸留ジエチルエーテル200mlを入れ、激しく攪拌しながら2−クロロエチルビニルエーテル63.93g(0.600モル)の蒸留ジエチルエーテル300ml溶液を滴下し、反応熱による穏やかな沸点還流状態を保った。約3時間で滴下終了後、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除いて塩化ビニロキシエチルマグネシウム溶液を調整した。
この後は、合成例1の臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに、上記の塩化ビニロキシエチルマグネシウム溶液全量を用いた以外は合成例1と同様にして目的の化合物を48.81g(収率92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−5)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1603,1495、νC=C 1635、νP=O 1160〜1250,νC−O−C 1060
TOF−Massスペクトル(M/Z):532,533(分子量計算値=530.5400)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 5.1〜5.2(8H),=CH− 6.2〜6.3(4H),−OCH− 3.2(8H),−CHP− 2.7(4H),芳香族C−H 6.8〜7.4(8H)
合成例6(化合物(I−6)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながらビス(4−クロロフェニル)エーテル23.91g(0.100モル)の蒸留THF200ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、オキシ塩化リン91.99g(0.600モル)と蒸留THF300mlを入れ、穏やかに窒素を流通しながらかき混ぜ、0〜5℃にて上記の有機リチウム化合物溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰のオキシ塩化リンを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去してビス(4−ジクロルホスホリルフェニル)エーテルを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属マグネシウム片21.87g(0.900モル)と蒸留ジエチルエーテル200mlを入れ、激しく攪拌しながらp−ブロモスチレン109.87g(0.600モル)の蒸留ジエチルエーテル300ml溶液を滴下し、反応熱による穏やかな沸点還流状態を保った。約3時間で滴下終了後、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除いて臭化p−スチリルマグネシウム溶液を調整した。
この後は、上記のビス(4−ジクロルホスホリルフェニル)エーテル全量と臭化p−スチリルマグネシウム溶液全量を用い、合成例1と同様にして目的の化合物を62.07g(収率92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−6)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1630、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):676,677(分子量計算値=674.7160)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.6〜4.7(8H),=CH− 6.2〜6.3(4H),芳香族C−H 6.8〜7.4(24H)
合成例7(化合物(I−7)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながらビス(4−クロロフェニル)メタン23.71g(0.100モル)の蒸留THF200ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、フェニルホスホリルジクロリド116.99g(0.600モル)と蒸留THF300mlを入れ、穏やかに窒素を流通しながらかき混ぜ、0〜5℃にて先の有機リチウム化合物溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰のフェニルホスホリルジクロリドを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去してビス[4−(クロルフェニルホスホリル)フェニル]メタンを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、p−ヒドロキシスチレン36.05g(0.300モル)、トリエチルアミン30.36g(0.300モル)、THF200mlを入れ、0〜5℃にて、上述のビス[4−(クロルフェニルホスホリル)フェニル]メタン全量のTHF300ml溶液を滴下した。同温度で3時間、室温で10時間反応後、溶媒の約半量を減圧留去して1500mlの水に投じ、150mlの酢酸エチルで5回抽出、酢酸エチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧留去して、目的の化合物を60.70g(収率93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−7)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1630、νP=O 1160〜1250,νP−O−C 1220,1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):654,655(分子量計算値=652.6672)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.5〜4.7(4H),=CH− 6.2〜6.3(2H),フェニル−CH−フェニル 2.8(2H),芳香族C−H 6.8〜7.4(26H)
合成例8(化合物(I−8)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながら2,2−ビス(4−クロロフェニル)プロパン25.97g(0.100モル)の蒸留THF200ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、α−ナフチルホスホリルジクロリド147.02g(0.600モル)と蒸留THF300mlを入れ、穏やかに窒素を流通しながらかき混ぜ、0〜5℃にて、上記の有機リチウム化合物溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰のα−ナフチルホスホリルジクロリドを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去して2,2−ビス[4−(クロルα−ナフチルホスホリル)フェニル]プロパンを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、p−アミノスチレン35.75g(0.300モル)、トリエチルアミン30.36g(0.300モル)、THF200mlを入れ、0〜5℃にて、上述の2,2−ビス[4−(クロルα−ナフチルホスホリル)フェニル]プロパン全量のTHF300ml溶液を滴下した。同温度で3時間、室温で10時間反応後、溶媒の約半量を減圧留去して1500mlの水に投じ、150mlの酢酸エチルで5回抽出、酢酸エチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧留去して、目的の化合物を73.99g(収率95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−8)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240,δNH 1640,νring 1605,1495、νC=C 1630、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):780,781(分子量計算値=778.8702)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.5〜4.7(4H),=CH− 6.1〜6.2(2H),>NH 3.2(2H),−CH 1.4(6H),芳香族C−H 6.8〜7.4(30H)
合成例9(化合物(I−9)の合成)
α−ナフチルホスホリルジクロリドの代わりにp−ビフェニルホスホリルジクロリド162.65g(0.600モル)を、p−アミノスチレンの代わりにN−アリル−p−アミノスチレン47.77g(0.300モル)を用いた他は、合成例8と同様にして目的の目的の化合物を82.91g(収率91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−9)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−):νring 1605,1495、νC=C 1630、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):913,914(分子量計算値=911.075)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.4〜4.5および4.7〜4.8(8H),=CH− 5.7〜5.8および6.1〜6.2(4H),−CH− 2.8(4H),−CH 1.4(6H),芳香族C−H 6.7〜7.6(34H)
合成例10(化合物(I−10)の合成)
オキシ塩化リンの代わりにフェニルホスホリルジクロリド80.99g(0.600モル)を、臭化アリルの代わりにp−クロルメチルスチレン45.79g(0.300モル)を用いた他は、合成例1と同様にして目的の化合物を58.39g(収率92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−10)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):636,637(分子量計算値=634.6940)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.7〜4.8(4H),=CH− 5.5〜5.6(2H),−CH− 3.4(4H),芳香族C−H 6.8〜7.4(26H)
合成例11(化合物(I−11)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながら4,4’−ジクロル−1,1’−ビナフチル32.32g(0.100モル)の蒸留THF500ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除き、約2倍の濃度になるように溶媒を減圧濃縮した。
この後、臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに2−ヒドロキシエチルアクリレート69.67g(0.600モル)とトリエチルアミン60.71g(0.600モル)のTHF300ml溶液を用いた他は、合成例1と同様にして目的の化合物を73.41g(収率91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−11)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=O 1720、νring 1605,1500、νC=C 1635、νP=O 1160〜1250、νC−O−C 1060
TOF−Massスペクトル(M/Z):808,809(分子量計算値=806.7036)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 5.3〜5.4(8H),=CH− 6.3〜6.5(4H),−COOCHCH− 3.3〜3.6(16H),芳香族C−H 6.8〜7.7(12H)
合成例12(化合物(I−12)の合成)
オキシ塩化リンの代わりにフェニルホスホリルジクロリド116.99g(0.600モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、4,4’−ビス(クロルフェニルホスホリル)ビフェニルを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、N−(2−アミノエチル)メタクリルアミド38.45g(0.300モル)とトリエチルアミン30.36g(0.300モル)のTHF400ml溶液を入れ、0〜5℃にて上記の4,4’−ビス(クロルフェニルホスホリル)ビフェニル全量のTHF400ml溶液を4時間かけて滴下した。同温度で4時間、室温で12時間反応させ、約半量の溶媒を減圧留去して2000mlの水に投じ、150mlの酢酸エチルで5回抽出した。酢酸エチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧留去して、目的の化合物を60.23g(収率92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−12)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3260,3080、アミド−II 1645,νring 1605,1495、νC=C 1630、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):656,657(分子量計算値=654.6876)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.7〜5.0(4H),−CH− 2.8〜3.4(8H),>NH 3,1,3.5(4H),−CH 1.6(6H),芳香族C−H 6.8〜7.4(18H)
合成例13(化合物(I−13)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属リチウム片4.16g(0.600モル)と蒸留THF200mlを入れ、激しく攪拌しながら4,4’−ジクロルビフェニル44.62g(0.200モル)の蒸留THF400ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。この溶液に、0〜5℃にてフェニルホスホリルジクロリド19.50g(0.100モル)の蒸留THF300ml溶液を激しくかき混ぜながら滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、減圧濃縮して約500mlとした。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、オキシ塩化リン91.99g(0.600モル)の200mlTHF溶液を入れ、0〜5℃にて上記の濃縮溶液を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰のオキシ塩化リンを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去した。残渣を500mlのTHF溶液とし、合成例1と同様に臭化アリルマグネシウム溶液と反応させ、同様に処理して、目的の化合物を58.37g(収率85%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−13)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635、νP=O 1160〜1250
TOF−Massスペクトル(M/Z):688,689(分子量計算値=686.7073)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.6〜4.7(8H),=CH− 5.4〜5.6(4H),−CH− 3.0(8H),芳香族C−H 6.6〜7.8(21H)
合成例14(化合物(I−20)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、フェニルホスホニルジクロリド23.04g(0.100モル)の蒸留THF300mlを入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら5−クロロ−1−ナフトール35.72g(0.200モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、フェニルホスホニルビス(5−クロロ−1−ナフトキシド)を定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、5.0gの金属マグネシウム細片を加えて室温で6時間、40℃にて6時間反応させて、フェニルホスホニルビス(5−クロロマグネシウム−1−ナフトキシド)を定量的に得た。過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除き、0〜5℃に冷却しながらオキシ塩化リン91.99g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で3時間、室温で3時間反応させた後、溶媒と過剰のオキシ塩化リンを減圧留去した。残渣を500mlのTHF溶液とし、合成例1と同様に臭化アリルマグネシウム溶液と反応させ、同様に処理して、目的の化合物を62.44g(収率94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−20)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1603,1495、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):668,669(分子量計算値=666.6314)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.5〜4.7(8H),=CH− 5.3〜5.6(4H),−CH− 3.0(8H),芳香族C−H 6.6〜7.8(17H)
合成例15(化合物(I−21)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、アリロキシホスホリルジクロリド52.48g(0.300モル)の蒸留THF300mlを入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら1,5−ナフタレンジオール16.02g(0.100モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、1,5−ビス(アリロキシクロロホスホリロキシ)ナフタレンを定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら5−クロロ−1−ナフトール35.72g(0.200モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、
Cl−Np−O−P(=O)(OCHCH=CH)−O−Np−O−P(=O)(OCHCH=CH)−O−Np−Cl(ただしNpは1,5−ナフタレン基)を定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、5.0gの金属マグネシウムを加え、室温で6時間、40℃で6時間反応させて、
ClMg−Np−O−P(=O)(OCHCH=CH)−O−Np−O−P(=O)(OCHCH=CH)−O−Np−MgCl(ただしNpは1,5−ナフタレン基)を定量的に得た。過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除き、0〜5℃に冷却しながらオキシ塩化リン91.99g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で3時間、室温で3時間反応させた後、溶媒と過剰のオキシ塩化リンを減圧留去して
ClP(=O)−Np−O−P(=O)(OCHCH=CH)−O−Np−O−P(=O)(OCHCH=CH)−O−Np−P(=O)Cl(ただしNpは1,5−ナフタレン基)を定量的に得た。
残渣を500mlのTHF溶液として攪拌し、0〜5℃に冷却しながらアリルアルコール34.85g(0.600モル)とトリエチルアミン60.72g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、目的の化合物を85.24g(収率94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−21)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1606,1500、νC=C 1640
TOF−Massスペクトル(M/Z):974,975(分子量計算値=972.7976)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.4〜4.7(12H),=CH− 5.3〜5.8(6H),−CH− 3.0〜3.2(12H),芳香族C−H 6.6〜7.8(18H)
合成例16(化合物(I−22)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、アリルホスホニルジクロリド47.68g(0.300モル)の蒸留THF300mlを入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながらp−ヒドロキノン11.01g(0.100モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、1,4−ビス(アリルクロロホスホニロキシ)ベンゼンを定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら4−ブロモフェノール34.21g(0.200モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、
Br−φ−O−P(=O)(CHCH=CH)−O−φ−O−P(=O)(CHCH=CH)−O−φ−Br(ただしφは1,4−フェニレン基)を定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、5.0gの金属マグネシウム細片を加えた。室温で6時間、40℃で6時間反応させて、
BrMg−φ−O−P(=O)(CHCH=CH)−O−φ−O−P(=O)(CHCH=CH)−O−φ−MgBr(ただしφは1,4−フェニレン基)を定量的に得た。過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除き、0〜5℃に冷却しながらオキシ塩化リン91.99g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で3時間、室温で3時間反応させた後、溶媒と過剰のオキシ塩化リンを減圧留去して
ClP−φ−O−P(=O)(CHCH=CH)−O−φ−O−P(=O)(CHCH=CH)−O−φ−PCl(ただしφは1,4−フェニレン基)を定量的に得た。
残渣を500mlのTHF溶液として攪拌し、0〜5℃に冷却しながらアリルアミン34.26g(0.600モル)とトリエチルアミン60.72g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、目的の化合物を62.29g(収率93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−22)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1604,1496、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):732,733(分子量計算値=730.6546)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.4〜4.8(12H),=CH− 5.1〜5.7(6H),−CH− 3.0〜3.7(12H),芳香族C−H 6.6〜7.8(12H)
合成例17(化合物(I−23)の合成)
合成例16と同様にして、
ClP−φ−O−P(=O)(CHCH=CH)−O−φ−O−P(=O)(CHCH=CH)−O−φ−PCl(ただしφは1,4−フェニレン基)を定量的に得た。その後、アリルアミンの代わりにジアリルアミン58.30g(0.600モル)とトリエチルアミン60.72g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、目的の化合物を79.54g(収率96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(I−23)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):892,893(分子量計算値=890.9130)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.3〜4.7(20H),=CH− 5.0〜5.6(10H),−CH− 3.0〜3.8(20H),芳香族C−H 6.6〜7.9(12H)
[一般式(II)の反応性難燃剤の合成]
合成例18(化合物(II−1)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながら4,4’−ジクロルビフェニル22.31g(0.100モル)の蒸留THF200ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、三塩化リン82.39g(0.600モル)と蒸留THF300mlを入れ、穏やかに窒素を流通しながらかき混ぜ、0〜5℃にて、上記の有機リチウム化合物溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰の三塩化リンを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去して4,4’−ビス(ジクロルホスフィニル)ビフェニルを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属マグネシウム片21.87g(0.900モル)と蒸留ジエチルエーテル200mlを入れ、激しく攪拌しながら臭化アリル72.59g(0.600モル)の蒸留ジエチルエーテル300ml溶液を滴下し、反応熱による穏やかな沸点還流状態を保った。約3時間で滴下終了後、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除いて臭化アリルマグネシウム溶液を調整した。
上記の4,4’−ビス(ジクロルホスフィニル)ビフェニル全量と蒸留THF300mlを先ほどと同様の反応装置に仕込み、0〜5℃にて上記の臭化アリルマグネシウム溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣を、pHが中性付近に保たれるように酸を加えながら1000mlの水中に投じ、100mlの酢酸エチルにて5回抽出した。水洗後、酢酸エチル相を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥、乾燥剤をろ去し、溶液を減圧留去して目的の化合物を36.33g(収率96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−1)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):380,381(分子量計算値=378.4328)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.3〜4.5(8H),=CH− 5.0〜5.1(4H),−CH− 2.6(8H),芳香族C−H 6.7〜7.4(8H)
合成例19(化合物(II−2)の合成)
合成例18の臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに、アリルアルコール34.84g(0.600モル)とトリエチルアミン60.71g(0.600モル)のTHF300ml溶液を用いた以外は、合成例18と同様にして目的の化合物を40.70g(収率92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−2)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635、νP−O−C 1220,1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):444,445(分子量計算値=442.4328)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.7〜4.9(8H),=CH− 5.3〜5.4(4H),−CH− 3.2(8H),芳香族C−H 6.8〜7.6(8H)
合成例20(化合物(II−3)の合成)
合成例18の臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに、ジアリルアミン58.30g(0.600モル)とトリエチルアミン60.71g(0.600モル)のTHF300ml溶液を用いた以外は、合成例18と同様にして目的の化合物を56.88g(収率95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−3)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1603,1495、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):600,601(分子量計算値=598.7508)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.5〜4.7(16H),=CH− 5.2〜5.4(8H),−CH− 3.1(16H),芳香族C−H 6.8〜7.4(8H)
合成例21(化合物(II−4)の合成)
合成例18の臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに、アリルアミン34.25g(0.600モル)とトリエチルアミン60.71g(0.600モル)のTHF300ml溶液を用いた以外は、合成例18と同様にして目的の化合物を39.90g(収率91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−4)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3060,δNH 1615,νring 1605,1495、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):440,441(分子量計算値=438.4924)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.4〜4.6(8H),=CH− 5.2〜5.3(4H),−CH− 2.8(8H),>NH 3.3(4H),芳香族C−H 6.8〜7.4(8H)
合成例22(化合物(II−5)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属マグネシウム片21.87g(0.900モル)と蒸留ジエチルエーテル200mlを入れ、激しく攪拌しながら2−クロロエチルビニルエーテル63.93g(0.600モル)の蒸留ジエチルエーテル300ml溶液を滴下し、反応熱による穏やかな沸点還流状態を保った。約3時間で滴下終了後、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除いて塩化ビニロキシエチルマグネシウム溶液を調整した。
この後は、合成例18の臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに、上記の塩化ビニロキシエチルマグネシウム溶液全量を用いた以外は合成例18と同様にして目的の化合物を45.87g(収率92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−5)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1603,1495、νC=C 1635、νC−O−C 1060
TOF−Massスペクトル(M/Z):500,501(分子量計算値=498.5400)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.3〜4.5(8H),=CH− 5.8〜6.0(4H),−OCH− 3.2(8H),−CHP− 2.7(4H),芳香族C−H 6.8〜7.6(8H)
合成例23(化合物(II−6)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながらビス(4−クロロフェニル)エーテル23.91g(0.100モル)の蒸留THF200ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、三塩化リン82.39g(0.600モル)と蒸留THF300mlを入れ、穏やかに窒素を流通しながらかき混ぜ、0〜5℃にて上記の有機リチウム化合物溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰の三塩化リンを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去してビス(4−ジクロルホスフィニルフェニル)エーテルを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属マグネシウム片21.87g(0.900モル)と蒸留ジエチルエーテル200mlを入れ、激しく攪拌しながらp−ブロモスチレン109.87g(0.600モル)の蒸留ジエチルエーテル300ml溶液を滴下し、反応熱による穏やかな沸点還流状態を保った。約3時間で滴下終了後、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除いて臭化p−スチリルマグネシウム溶液を調整した。
この後は、上記のビス(4−ジクロルホスフィニルフェニル)エーテル全量と臭化p−スチリルマグネシウム溶液全量を用い、合成例18と同様にして目的の化合物を57.84g(収率90%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−6)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1630
TOF−Massスペクトル(M/Z):644,645(分子量計算値=642.7160)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.5〜4.6(8H),=CH− 5.9〜6.0(4H),芳香族C−H 6.8〜7.4(24H)
合成例24(化合物(II−7)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながらビス(4−クロロフェニル)メタン23.71g(0.100モル)の蒸留THF200ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、フェニルホスフィニルジクロリド107.39g(0.600モル)と蒸留THF300mlを入れ、穏やかに窒素を流通しながらかき混ぜ、0〜5℃にて先の有機リチウム化合物溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰のフェニルホスフィニルジクロリドを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去してビス[4−(クロルフェニルホスフィニル)フェニル]メタンを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、p−ヒドロキシスチレン36.05g(0.300モル)、トリエチルアミン30.36g(0.300モル)、THF200mlを入れ、0〜5℃にて、上述のビス[4−(クロルフェニルホスフィニル)フェニル]メタン全量のTHF300ml溶液を滴下した。同温度で3時間、室温で10時間反応後、溶媒の約半量を減圧留去して1500mlの水に投じ、150mlの酢酸エチルで5回抽出、酢酸エチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧留去して、目的の化合物を60.70g(収率93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−7)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1630、νP−O−C 1220,1260
TOF−Massスペクトル(M/Z):622,623(分子量計算値=620.6672)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.4〜4.6(4H),=CH− 5.9〜6.1(2H),フェニル−CH−フェニル 2.8(2H),芳香族C−H 6.8〜7.4(26H)
合成例25(化合物(II−8)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながら2,2−ビス(4−クロロフェニル)プロパン25.97g(0.100モル)の蒸留THF200ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、α−ナフチルホスフィニルジクロリド137.42g(0.600モル)と蒸留THF300mlを入れ、穏やかに窒素を流通しながらかき混ぜ、0〜5℃にて、上記の有機リチウム化合物溶液全量を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰のα−ナフチルホスフィニルジクロリドを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去して2,2−ビス[4−(クロルα−ナフチルホスフィニル)フェニル]プロパンを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、p−アミノスチレン35.75g(0.300モル)、トリエチルアミン30.36g(0.300モル)、THF200mlを入れ、0〜5℃にて、上述の2,2−ビス[4−(クロルα−ナフチルホスフィニル)フェニル]プロパン全量のTHF300ml溶液を滴下した。同温度で3時間、室温で10時間反応後、溶媒の約半量を減圧留去して1500mlの水に投じ、150mlの酢酸エチルで5回抽出、酢酸エチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧留去して、目的の化合物を69.46g(収率93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−8)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240,δNH 1640,νring 1605,1495、νC=C 1630
TOF−Massスペクトル(M/Z):748,749(分子量計算値=746.8702)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.5〜4.7(4H),=CH− 6.0〜6.2(2H),>NH 3.2(2H),−CH 1.4(6H),芳香族C−H 6.8〜7.6(30H)
合成例26(化合物(II−9)の合成)
α−ナフチルホスフィニルジクロリドの代わりにp−ビフェニルホスフィニルジクロリド153.05g(0.600モル)を、p−アミノスチレンの代わりにN−アリル−p−アミノスチレン(0.300モル)47.77gを用いた他は、合成例25と同様にして目的の目的の化合物を80.00g(収率91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−9)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1630
TOF−Massスペクトル(M/Z):881,882(分子量計算値=879.075)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.4〜4.5および4.7〜4.8(8H),=CH− 5.4〜5.5および5.8〜6.0(4H),−CH− 2.8(4H),−CH 1.4(6H),芳香族C−H 6.7〜7.6(34H)
合成例27(化合物(II−10)の合成)
三塩化リンの代わりにフェニルホスフィニルジクロリド71.39g(0.600モル)を、臭化アリルの代わりにp−クロルメチルスチレン45.79g(0.300モル)を用いた他は、合成例18と同様にして目的の化合物を55.45g(収率92%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−10)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):604,605(分子量計算値=602.6940)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.5〜4.6(4H),=CH− 5.5〜5.6(2H),−CH− 2.6(4H),芳香族C−H 6.8〜7.4(26H)
合成例28(化合物(II−11)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属リチウム片2.08g(0.300モル)と蒸留THF100mlを入れ、激しく攪拌しながら4,4’−ジクロル−1,1’−ビナフチル32.32g(0.100モル)の蒸留THF500ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除き、約2倍の濃度になるように溶媒を減圧濃縮した。
この後、臭化アリルマグネシウム溶液の代わりに2−ヒドロキシエチルアクリレート69.67g(0.600モル)とトリエチルアミン60.71g(0.600モル)のTHF300ml溶液を用いた他は、合成例18と同様にして目的の化合物を70.50g(収率91%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−11)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νC=O 1720、νring 1605,1500、νC=C 1635、νC−O−C 1060
TOF−Massスペクトル(M/Z):776,777(分子量計算値=774.7036)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH=5.1〜5.2(8H),=CH− 6.0〜6.2(4H),−COOCHCH− 2.8〜3.6(16H),芳香族C−H 6.8〜7.7(12H)
合成例29(化合物(II−12)の合成)
三塩化リンの代わりにフェニルホスフィニルジクロリド116.99g(0.600モル)を用いた以外は合成例18と同様にして、4,4’−ビス(クロルフェニルホスフィニル)ビフェニルを調整した。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、N−(2−アミノエチル)メタクリルアミド38.45g(0.300モル)とトリエチルアミン30.36g(0.300モル)のTHF400ml溶液を入れ、0〜5℃にて上記の4,4’−ビス(クロルフェニルホスフィニル)ビフェニル全量のTHF400ml溶液を4時間かけて滴下した。同温度で4時間、室温で12時間反応させ、約半量の溶媒を減圧留去して2000mlの水に投じ、150mlの酢酸エチルで5回抽出した。酢酸エチル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧留去して、目的の化合物を57.91g(収率93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−12)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νNH 3240,3080、アミド−II 1645,νring 1605,1495、νC=C 1630
TOF−Massスペクトル(M/Z):624,625(分子量計算値=622.6876)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.6〜5.0(4H),−CH− 2.6〜3.4(8H),>NH 3,1,3.5(4H),−CH 1.5(6H),芳香族C−H 6.7〜7.6(18H)
合成例30(化合物(II−13)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、金属リチウム片4.16g(0.600モル)と蒸留THF200mlを入れ、激しく攪拌しながら4,4’−ジクロルビフェニル44.62g(0.200モル)の蒸留THF400ml溶液を滴下した。この際、反応開始に伴う発熱で穏やかな沸点還流が保たれるように滴下速度を調節した。約3時間で滴下を終了し、さらに1時間沸点還流した。冷却後、過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除いた。この溶液に、0〜5℃にてフェニルホスフィニルジクロリド17.90g(0.100モル)の蒸留THF300ml溶液を激しくかき混ぜながら滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、減圧濃縮して約500mlとした。
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、三塩化リン82.39g(0.600モル)の200mlTHF溶液を入れ、0〜5℃にて上記の濃縮溶液を滴下ロートより3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、溶媒と過剰の三塩化リンを減圧留去した。残渣に300mlの乾燥酢酸エチルを加えてかき混ぜ、溶け残る塩をろ去し、溶液を減圧留去した。残渣を500mlのTHF溶液とし、合成例18と同様に臭化アリルマグネシウム溶液と反応させ、同様に処理して、目的の化合物を55.57g(収率87%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−13)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):640,641(分子量計算値=638.7073)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.6〜4.7(8H),=CH− 5.3〜5.6(4H),−CH− 3.0(8H),芳香族C−H 6.6〜7.8(21H)
合成例31(化合物(II−20)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、フェニルホスフィニルジクロリド17.90g(0.100モル)の蒸留THF300mlを入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら5−クロロ−1−ナフトール35.72g(0.200モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、フェニルホスフィン酸ビス(5−クロロ−1−ナフトキシド)を定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら5.0gの金属リチウム細片を3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で6時間反応させて、フェニルホスフィン酸ビス(5−リチオ−1−ナフトキシド)を定量的に得た。過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除き、0〜5℃に冷却しながら三塩化リン82.39g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で3時間、室温で3時間反応させた後、溶媒と過剰の三塩化リンを減圧留去した。残渣を500mlのTHF溶液とし、合成例18と同様に臭化アリルマグネシウム溶液と反応させ、同様に処理して、目的の化合物を58.79g(収率95%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−20)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1606,1500、νC=C 1640
TOF−Massスペクトル(M/Z):618,619(分子量計算値=616.6159)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.6〜4.7(8H),=CH− 5.3〜5.6(4H),−CH− 3.0(8H),芳香族C−H 6.6〜7.8(17H)
合成例32(化合物(II−21)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、アリロキシホスフィニルジクロリド47.68g(0.300モル)の蒸留THF300mlを入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら1,5−ナフタレンジオール16.02g(0.100モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、1,5−ビス(アリロキシクロロホスフィノキシ)ナフタレンを定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら5−クロロ−1−ナフトール35.72g(0.200モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、
Cl−Np−O−P(OCHCH=CH)−O−Np−O−P(OCHCH=CH)−O−Np−Cl(ただしNpは1,5−ナフタレン基)を定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら5.0gの金属リチウム細片を3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で6時間反応させて、
Li−Np−O−P(OCHCH=CH)−O−Np−O−P(OCHCH=CH)−O−Np−Li(ただしNpは1,5−ナフタレン基)を定量的に得た。過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除き、0〜5℃に冷却しながら三塩化リン82.39g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で3時間、室温で3時間反応させた後、溶媒と過剰の三塩化リンを減圧留去して
ClP−Np−O−P(OCHCH=CH)−O−Np−O−P(OCHCH=CH)−O−Np−PCl(ただしNpは1,5−ナフタレン基)を定量的に得た。残渣を500mlのTHF溶液として攪拌し、0〜5℃に冷却しながらアリルアルコール34.85g(0.600モル)とトリエチルアミン60.72g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、目的の化合物を85.24g(収率94%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−21)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1606,1500、νC=C 1640
TOF−Massスペクトル(M/Z):910,911(分子量計算値=908.8024)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.6〜4.7(12H),=CH− 5.3〜5.6(6H),−CH− 3.0(12H),芳香族C−H 6.6〜7.8(18H)
合成例33(化合物(II−22)の合成)
乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに、アリルホスフィニルジクロリド42.88g(0.300モル)の蒸留THF300mlを入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながらp−ヒドロキノン11.01g(0.100モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、1,4−ビス(アリルクロロホスフィノキシ)ベンゼンを定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら4−ブロモフェノール34.21g(0.200モル)とトリエチルアミン25.30g(0.250モル)の蒸留THF300ml溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、
Br−φ−O−P(CHCH=CH)−O−φ−O−P(CHCH=CH)−O−φ−Br(ただしφは1,4−フェニレン基)を定量的に得た。
全量を蒸留THF400mlの溶液として、乾燥管付き還流管、機械攪拌装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた1000ml四つ口フラスコに入れて攪拌し、0〜5℃に冷却しながら5.0gの金属リチウム細片を3時間かけて加えた。同温度で6時間、室温で6時間反応させて、
Li−φ−O−P(CHCH=CH)−O−φ−O−P(CHCH=CH)−O−φ−Li(ただしφは1,4−フェニレン基)を定量的に得た。過剰の金属リチウムをデカンテーションにより取り除き、0〜5℃に冷却しながら三塩化リン82.39g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で3時間、室温で3時間反応させた後、溶媒と過剰の三塩化リンを減圧留去して
ClP−φ−O−P(CHCH=CH)−O−φ−O−P(CHCH=CH)−O−φ−PCl(ただしφは1,4−フェニレン基)を定量的に得た。
残渣を500mlのTHF溶液として攪拌し、0〜5℃に冷却しながらアリルアミン34.26g(0.600モル)とトリエチルアミン60.72g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、目的の化合物を62.29g(収率93%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−22)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1604,1496、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):668,669(分子量計算値=666.6546)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.4〜4.7(12H),=CH− 5.2〜5.6(6H),−CH− 3.0〜3.7(12H),芳香族C−H 6.6〜7.8(12H)
合成例34(化合物(II−23)の合成)
合成例33と同様にして、
ClP−φ−O−P(CHCH=CH)−O−φ−O−P(CHCH=CH)−O−φ−PCl(ただしφは1,4−フェニレン基)を定量的に得た。その後、アリルアミンの代わりにジアリルアミン58.30g(0.600モル)とトリエチルアミン60.72g(0.600モル)の200mlTHF溶液を3時間かけて滴下した。同温度で6時間、室温で12時間反応させ、トリエチルアミン塩酸塩をろ去し、減圧乾固して、目的の化合物を79.54g(収率96%)得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル、TOF−Massスペクトル、NMRの測定結果は以下の通りであり、上記の化合物(II−23)の構造が確認できた。
赤外吸収スペクトル(cm−1):νring 1605,1495、νC=C 1635
TOF−Massスペクトル(M/Z):828,829(分子量計算値=826.9130)
NMRスペクトル(δ,ppm):CH= 4.4〜4.7(20H),=CH− 5.2〜5.6(10H),−CH− 3.0〜3.8(20H),芳香族C−H 6.6〜7.8(12H)
[一般式(I)の反応性難燃剤を用いた難燃性樹脂加工品の製造]
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2123B)56.3質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2A k 25)25質量部、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部、無機充填剤として粒径2μmのタルク5質量部とナノ粒径のクレー(日商岩井ベントナイト(株)社製ナノマー1.30T)3質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(I−20)10質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で280℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃、4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例1の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)55.3質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2A k 25)25質量部、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部、無機充填剤として粒径2μmのタルク5質量部及びナノ粒径のクレー(日商岩井ベントナイト(株)社製ナノマー1.30T)3質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(I−14)12質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で280℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃、4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例2の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)57.2質量部、無機充填剤として上記タルク4質量部及びナノ粒径のクレー(日商岩井ベントナイト(株)社製ナノマー1.30T)3質量部、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(I−13)8質量部及び化合物(I−1)6質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.3質量部を加えて混合した。
280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて上記の混合物を溶融し、更に、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2A k 25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した上記の混合物に混ぜ込みコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例3の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)56.2質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(I−22)11質量部及び非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:BCA)5質量部を用いた以外は実施例3と同様の条件で、実施例4の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)55.2質量部、無機充填剤として実施例2で使用のナノ粒径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(I−18)10質量部、多官能環状化合物(日本化成社製:TAIC)2質量部、有機リン系難燃剤(三光化学社製、BCA)7質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.3質量部を加えて混合した。
280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて上記の混合物を溶融し、更に、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2A k 25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した上記の混合物に混ぜ込みコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例5の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製:トレコン1401X06)55.3質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(I−23)10質量部、非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:BCA)5質量部、多官能環状化合物(東亜合成社製:M−315)2質量部、無機添加剤として実施例2のナノ粒径のクレー4質量部、補強剤として実施例1のガラス繊維20質量部、さらに、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部を用い、混練温度を245℃で混練りして樹脂コンパウンドペレットを得た後、130℃で3時間乾燥させ、成形時のシリンダー温度を250℃の条件に変更した以外は実施例3と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧4.8MeVで、照射線量40kGyの電子線を照射して実施例6の樹脂加工品を得た。
実施例3の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマーBC)を3質量部、更に添加した以外は実施例3と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、245℃、8時間加熱によって反応して実施例7の樹脂加工品を得た。
実施例5の系に、紫外線開始剤(チバガイギー社製イルガノックス651とイルガノックス369とを2:1で併用)7質量部添加した以外は実施例5と同様の条件で薄肉(t:0.6mm厚)成形品を成形した。
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で365nmの波長で150mW/cmの照度で2分間照射して実施例8の樹脂加工品を得た。
熱硬化性エポキシ系モールド樹脂(長瀬ケミカル社製、主剤XNR4012:100、硬化剤XNH4012:50、硬化促進剤FD400:1)45質量部にシリカ45質量部を分散した系に、反応性難燃剤として上記の化合物(I−17)10質量部を添加してモールド成形品を得た後、100℃、1時間反応させて実施例9の樹脂加工品(封止剤)を得た。
半導体封止用エポキシ樹脂(信越化学社製:セミコート115)92質量部に、反応性難燃剤として上記の化合物(I−15)8質量部を添加してモールド成形品を得た後、150℃、4時間反応させて実施例10の樹脂加工品(封止剤)を得た。
比較例1〜10
実施例1〜10において、本発明の反応性難燃剤を配合しなかった以外は、実施例1〜10と同様な方法で、それぞれ比較例1〜10の樹脂加工品を得た。
比較例11
実施例5に対して、難燃剤として、非反応性の有機りん系難燃剤(三光化学社製:BCA)20質量部のみ添加した以外は、実施例5と同様の条件で比較例11の樹脂加工品を得た。
[一般式(II)の反応性難燃剤を用いた難燃性樹脂加工品の製造]
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2123B)59.3質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2A k 25)25質量部、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部、無機充填剤として粒径2μmのタルク5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(II−23)10質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で280℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃、4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例11の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)56.3質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2A k 25)25質量部、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部、無機充填剤として粒径2μmのタルク5質量部及びナノ粒径のクレー(日商岩井ベントナイト(株)社製ナノマー1.30T)2質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(II−3)11質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で280℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃、4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件で成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例12の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)57.2質量部、無機充填剤として上記タルク4質量部及びナノ粒径のクレー(日商岩井ベントナイト(株)社製ナノマー1.30T)3質量部、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(II−20)9質量部及び化合物(II−8)5質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.3質量部を加えて混合した。
280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて上記の混合物を溶融し、更に、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2A k 25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した上記の混合物に混ぜ込みコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例13の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)56.2質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(II−14)11質量部及び非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:BCA)5質量部を用いた以外は実施例13と同様の条件で、実施例14の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)55.2質量部、無機充填剤として実施例2で使用のナノ粒径のクレー4質量部、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(II−8)10質量部、多官能環状化合物(日本化成社製:TAIC)2質量部、有機リン系難燃剤(三光化学社製、HCA−HQ)8質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)0.3質量部を加えて混合した。
280℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて上記の混合物を溶融し、更に、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2A k 25)20質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した上記の混合物に混ぜ込みコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力78.4MPa、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して実施例15の樹脂加工品を得た。
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製:トレコン1401X06)53.3質量部、反応性難燃剤として上記の化合物(II−21)10質量部、非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:BCA)7質量部、多官能環状化合物(東亜合成社製:M−315)2質量部、無機添加剤として実施例12のナノ粒径のクレー4質量部、補強剤として実施例11のガラス繊維20質量部、さらに、着色剤としてカーボンブラック0.5質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノイルガノックス1010)0.2質量部を用い、混練温度を245℃で混練りして樹脂コンパウンドペレットを得た後、130℃で3時間乾燥させ、成形時のシリンダー温度を250℃の条件に変更した以外は実施例13と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧4.8MeVで、照射線量40kGyの電子線を照射して実施例16の樹脂加工品を得た。
実施例13の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマーBC)を3質量部、更に添加した以外は実施例13と同様の条件で成形品を成形した。
その後、上記成形品を、245℃、8時間加熱によって反応して実施例17の樹脂加工品を得た。
実施例15の系に、紫外線開始剤(チバガイギー社製イルガノックス651とイルガノックス369とを2:1で併用)7質量部添加した以外は実施例15と同様の条件で薄肉(t:0.6mm厚)成形品を成形した。
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で365nmの波長で150mW/cmの照度で2分間照射して実施例18の樹脂加工品を得た。
熱硬化性エポキシ系モールド樹脂(長瀬ケミカル社製、主剤XNR4012:100、硬化剤XNH4012:50、硬化促進剤FD400:1)45質量部にシリカ45質量部を分散した系に、反応性難燃剤として上記の化合物(II−11)10質量部を添加してモールド成形品を得た後、100℃、1時間反応させて実施例19の樹脂加工品(封止剤)を得た。
半導体封止用エポキシ樹脂(信越化学社製:セミコート115)92質量部に、反応性難燃剤として上記の化合物(II−15)8質量部を添加してモールド成形品を得た後、150℃、4時間反応させて実施例20の樹脂加工品(封止剤)を得た。
比較例12〜21
実施例11〜20において、本発明の反応性難燃剤を配合しなかった以外は、実施例11〜20と同様な方法で、それぞれ比較例12〜21の樹脂加工品を得た。
比較例22
実施例15において、難燃剤として、非反応性の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)20質量部のみ添加した以外は、実施例15と同様の条件で比較例22の樹脂加工品を得た。
試験例
実施例1〜20、比較例1〜22の樹脂加工品について、難燃性試験であるUL−94に準拠した試験片(長さ5インチ、幅1/2インチ、厚さ3.2mm)と、IEC60695−2法(GWFI)に準拠したグローワイヤ試験片(60mm角、厚さ1.6mm)を作製し、UL94試験、グローワイヤ試験(IEC準拠)、はんだ耐熱試験を行なった。また、すべての樹脂加工品について300℃×3時間のブリードアウト試験を行った。
なお、UL94試験は、試験片を垂直に取りつけ,ブンゼンバーナーで10秒間接炎後の燃焼時間を記録した。更に、消火後2回目の10秒間接炎し再び接炎後の燃焼時間を記録し、燃焼時間の合計と2回目消火後の赤熱燃焼(グローイング)時間と綿を発火させる滴下物の有無で判定した。
また、グローワイヤ試験は、グローワイヤとして先端が割けないように曲げた直径4mmのニクロム線(成分:ニッケル80%、クロム20%)、温度測定用熱電対として直径0.5mmのタイプK(クロメル−アルメル)を用い、熱電対圧着荷重1.0±0.2N、温度850℃で行った。なお、30秒接触後の燃焼時間が30秒以内のこと、サンプルの下のティッシュペーパーが発火しないことをもって燃焼性(GWFI)の判定基準とした。
また、はんだ耐熱試験は、350℃のはんだ浴に10秒浸漬後の寸法変形率を示した。
その結果をまとめて表1、表2に示す。
Figure 2005087852
Figure 2005087852
表1、表2の結果より、実施例の樹脂加工品においては、難燃性はいずれもV−0と優れ、グローワイヤ試験においてもすべて合格しており、更に、はんだ耐熱試験後の寸法変形率も26%以下であることがわかる。また、300℃×3時間後においても難燃剤のブリードアウトは認められなかった。
一方、本発明の反応性難燃剤を含有しない比較例1〜10、比較例12〜21においては、難燃性はHBと不充分であり、グローワイヤ試験においてもすべて不合格、更に、はんだ耐熱試験後の寸法変形率も実施例に比べて劣ることがわかる。
また、難燃剤として非反応型の有機りん系難燃剤を用いた比較例11、22においては、難燃性はV−2で不充分であり、300℃×3時間後において難燃剤のブリードアウトが認められた。
本発明は、ハロゲンを含有しない、非ハロゲン系の難燃剤及び難燃性樹脂加工品として、電気部品や電子部品等の樹脂成形品や、半導体等の封止剤、コーティング塗膜等に好適に利用できる。

Claims (13)

  1. 樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(I)又は(II)で示される、末端に不飽和基を有する有機リン化合物を含有することを特徴とする反応性難燃剤。
    Figure 2005087852
    (式(I)又は(II)中、1分子中に少なくとも1つのP−C結合を含み、ArとArは、それぞれ炭素数20以下の易動性水素を含まない二官能性芳香族炭化水素系基を表し、nは0〜2の整数である。また、R〜Rはそれぞれ、−NHCHCH=CH、−N(CHCH=CH、−OCHCH=CH、−CHCH=CH、−CHCHOCH=CH、−(C)−CH=CH、−O(C)−CH=CH、−CH(C)−CH=CH、−NH(C)−CH=CH、−N(CHCH=CH)−(C)−CH=CH、−O−R−OOC−C(R’)=CH、−NH−R−NHCO−C(R’)=CH、ないし炭素数12以下のアリール基より選ばれる。ここで、Rは炭素数2〜5のアルキレン基、R’は水素またはメチル基を表し、R〜Rの少なくとも1つは−CH=CH基又は−C(CH)=CH基を含む。)
  2. 請求項1記載の反応性難燃剤と、樹脂とを含有する樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる難燃性樹脂加工品であって、前記難燃性樹脂加工品全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有することを特徴とする難燃性樹脂加工品。
  3. 前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤を2種類以上含有し、少なくとも1種類が多官能性の前記反応性難燃剤である請求項2に記載の難燃性樹脂加工品。
  4. 前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有し、該難燃剤が、末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物である請求項2又は3に記載の難燃性樹脂加工品。
  5. 前記樹脂組成物が、前記反応性難燃剤以外の難燃剤を更に含有し、該難燃剤が、反応性を有しない添加型の難燃剤である請求項2〜4のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  6. 前記樹脂組成物が、難燃性を有しないが前記樹脂との反応性を有する架橋剤を更に含有し、該架橋剤が、主骨格の末端に不飽和基を有する多官能性のモノマー又はオリゴマーである請求項2〜5のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  7. 前記難燃性樹脂加工品全体に対して1〜35質量%の無機充填剤を含有する請求項2〜6のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  8. 前記無機充填剤としてシリケート層が積層してなる層状のクレーを含有し、前記層状のクレーを前記難燃性樹脂加工品全体に対して1〜10質量%含有する請求項7に記載の難燃性樹脂加工品。
  9. 前記難燃性樹脂加工品全体に対して5〜40質量%の強化繊維を含有する請求項2〜8のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  10. 前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、線量10kGy以上の電子線又はγ線の照射によって反応して得られる請求項2〜9のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  11. 前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、前記樹脂組成物を成形する温度より5℃以上高い温度で反応して得られる請求項2〜9のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  12. 前記難燃性樹脂加工品が、成形品、塗膜、封止剤より選択される1つである請求項2〜11のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
  13. 前記難燃性樹脂加工品が、電気部品又は電子部品として用いられるものである請求項2〜12のいずれか1つに記載の難燃性樹脂加工品。
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