WO2006077716A1

WO2006077716A1 - 管継手の継手部材

Info

Publication number: WO2006077716A1
Application number: PCT/JP2005/023706
Authority: WO
Inventors: Hiroyuki Kitagawa; Masayuki Imaizumi; Koji Matsumoto
Original assignee: Nitto Kohki Co., Ltd.
Priority date: 2004-12-28
Filing date: 2005-12-26
Publication date: 2006-07-27
Also published as: EP1840442A4; US7708029B2; JP4499553B2; US20070246107A1; EP1840442A1; EP1840442B1; JP2006183844A

Abstract

　【課題】管継手の開閉弁にシールリングの周りを流体が高い速度で流れても、該シールリングが開閉弁体から剥離されないようにする。　【解決手段】開閉弁２６が、閉止位置にあるときは、シールリング５０が環状弁座面３４に押圧密封係合され、該シールリングの前側の前側環状弁面部５２及び後側の後側環状弁面部５４がそれぞれ、前記環状弁座面に接し、若しくは、近接した状態とされる前側環状流路制限制限部分５６及び後側環状流路制限制限部分５８を有し、同開閉弁が前記閉止位置（図４）から開放位置（図７）へ向けて移動を始め、シールリング５０が環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、環状流路制限制限部分５６及び後側環状流路制限５８を有し、同開閉弁が前記閉止位置（図４）から開放位置（図７）へ向けて移動を始め、シールリング５０が環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、環状流路制限５６及び後側環状部分５８が環状弁座面３４に対して接し、若しくは、近接した状態を維持しながら変位するようにした。

Description

明細書

管継手の継手部材

技術分野

[0001] 本発明は、雄型及び雌型の継手部材からなる管継手における継手部材に関する。

背景技術

[0002] 管継手の雄型継手部材及び雌型継手部材は、普通、それらが連結解除されたときに内部から流体が流れ出ないように、それら継手部材内の流体通路を閉止する開閉弁が取り付けられている。その連結解除された状態において、例えば、その継手部材に連結されているホースが捻られたりした場合、過大な内部圧力が発生する可能性があり、そのような状態で再びそれらを連結した場合は、開閉弁がわずかに開いた状態で流体が該開閉弁の周囲を通り急激に流れる。そのような急激な流れが生じると、環状弁座面に接していた当該開閉弁の面の周りに負圧が生じ、該面に設けられているシールリングが流体通路側に変形し、流体力過大な力を受けることにより当該開閉弁から剥離される虞がある。

継手部材内の内部圧力を、連結を行う前に除去できるようにした継手部材は種々開発されている（特許文献 1)。その場合の圧力除去は主に、内部圧力が高いと雄型継手部材及び雌型継手部材を連結するために相互に近づけても、高い内部圧力のための開閉弁を押し開くことが困難になるため、これを解消するためである。

しかし、ダイカストマシンなどに用いられる管継手では、管継手連結のために加えられる力が大きいため、継手部材内部の圧力が少々高くても、開閉弁を押し込んで当該継手部材の連結が行われる。この場合、前述の如ぐ継手部材内に残されていた高圧の流体が急激に開閉弁の周りを通り流れることになり、シールリングの剥離が生じる虞がある。

また、上述のように継手部材が連結される場合だけでなぐ開閉弁の周囲を流体が急速に流れる場合には、シールリングの剥離が生じる虞がある。

特許文献 1 :実開昭 50— 124624号

発明の開示発明が解決しょうとする課題

[0003] 本発明は上述の従来技術に鑑み、開閉弁が開かれたときに生じる該開閉弁の周囲での流体の急速な流れによりシールリングが剥離されのをできるだけ回避するようにした継手部材を提供することを目的とする。

[0004] 図 1は、従来の開閉弁 10におけるシールリング 12、すなわち、弁頭 14に形成された環状溝 16に嵌合固着された断面が矩形のシールリングを示すものであるが、本願発明者は、このシールリングの形状も、シールリングの剥離に関係するものと考え、シールリングの形状を改良して、シールリングの剥離を生じに《した管継手を提供することを目的とした。

課題を解決するための手段

[0005] すなわち、本発明は

雄型及び雌型の相互に連結される継手部材からなる管継手における継手部材において、

流体通路を有する筒状部材であって、流体通路を囲むように形成された環状弁座面を有する筒状部材と、

該筒状部材の流体通路内に設定されて、前記環状弁座面に押圧係合されて該流体通路を閉止する閉止位置と、前記環状弁座面から当該流体通路の軸線方向で後方へ変位して離れ該流体通路を開放する開放位置との間で変位可能とされた開閉弁と

を有し、

前記開閉弁が、

前記環状弁座面に面する環状弁面と、

該環状弁面に設定されたシールリングと

を有し、

当該開閉弁が流体通路を閉止する閉止位置にあるときは、前記シールリングが環状弁座面に押圧密封係合されるとともに、前記環状弁面における前記シールリングの後側に位置する後側環状弁面部が、前記環状弁座面と接した若しくは近接した状態となされる後側環状流路制限部分を有し、同開閉弁が前記閉止位置から開放位置へ向けて移動を始め、前記シールリングが環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、後側環状流路制限部分が環状弁座面に対して接した若しくは近接した状態を維持しながら変位するようにした

ことを特徴とする管継手の継手部材を提供する。

[0006] 具体的には、

前記環状弁座面が、前記閉止位置において前記シールリングによって密封係合される環状密封弁座面と、該環状密封部分よりも前側の環状前側弁座面と、後側の環状後側弁座面とを備え、

環状後側弁座面が、前記軸線にほぼ平行に延びる後側軸線方向面を有し、同開閉弁が前記閉止位置から開放位置へ向けて移動を始め、前記シールリングが環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、前記後側環状流路制限部分が、前記後側軸線方向面に対して接した若しくは近接した状態を維持しながら変位するようにすることができる。

[0007] また、本発明は、

を有し、

前記開閉弁が、

前記環状弁座面に面する環状弁面と、

該環状弁面に設定されたシールリングと

を有し、

当該開閉弁が流体通路を閉止する閉止位置にあるときは、前記シールリングが環状弁座面に押圧密封係合されるとともに、前記環状弁面における前記シールリングの前側に位置する前側環状弁面部が、前記環状弁座面と接した若しくは近接した状態となされる前側環状流路制限部分を有し、

同開閉弁が前記閉止位置から開放位置へ向けて移動を始め、前記シールリングが環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、前側環状流路制限部分が環状弁座面に対して接した若しくは近接した状態を維持しながら変位するようにした

ことを特徴とする管継手の継手部材を提供する。

[0008] 具体的には、

前記環状弁座面が、前記閉止位置において前記シールリングによって密封係合される環状密封弁座面と、該環状密封弁座面よりも前側の環状前側弁座面と、後側の環状後側弁座面とを備え、

環状前側弁座面が、前記軸線にほぼ平行に延びる前側軸線方向面を有し、同開閉弁が前記閉止位置から開放位置へ向けて移動を始め、前記シールリングが環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、前記前側環状流路制限部分が、前記前側軸線方向面に対して接した若しくは近接した状態を維持しながら変位するようにすることができる。

[0009] また、

前記環状弁面が前記前側環状弁面部と後側環状弁面部との間に形成された環状溝を有しており、

前記シールリングが該環状溝に嵌合固着されるようになされており、

前記環状溝が、前部環状溝部と、該前方環状溝部よりも浅い後部環状溝部とを有し、

前記環状弁面の前記後側環状弁面部が、前記前側環状弁面部よりも半径が大きくされており、

前記シールリングが前部環状溝部に嵌合して前記環状弁面の前側環状弁面部よりも半径が大きい前部環状シール部と、該前部環状シール部に連続し、外径が該前部環状シール部とほぼ同じで後側環状弁面部よりも小とされ、前記後部環状溝部に嵌合固着された後部環状シール部とを有するようにすることができる。 [0010] より具体的には、

前記後部環状溝部が、前記環状弁面の後側環状弁面部の半径方向内側位置で後方に所定長さだけ延びる後部延長溝部を有し、

後部環状シール部が後部環状溝部の前記後部延長溝部内に延びて嵌合固着されるようにすることができる。

[0011] また、

前記環状溝が、前部環状溝部と、後部環状溝部と、両環状溝部の間に隆起した環状隆起部とを有し、該環状隆起部が前記前側環状弁面部とほぼ同じ半径とされており、

前記シールリングが前記軸線を含む断面形状が U字状とされ、外径が前記前側環状弁面部よりも大きぐ前記後側面部よりも小さくされたものとすることができる。

[0012] 本発明はまた、

を有し、

前記開閉弁が、

前記環状弁座面に面する環状弁面と、

該環状弁面に形成された環状溝に嵌合固着されたシールリングと

を有し、前記環状溝が、前部環状溝部と、該前方環状溝部よりも浅い後部環状溝部とを有し、

前記環状弁面が前部環状溝部に連続して前方に延びる前側環状弁面部と、該前側環状弁面部よりも半径が大きく前記後部環状溝部に連続して後方に延びる後側環状弁面部とを有し、

前記シールリングが、前部環状溝部に嵌合して、外径が前記環状弁面の前側環状弁面部よりも大きくされた前部環状シール部と、該前部環状シール部に連続し、外径が該前部環状シール部とほぼ同じとされ前記後側環状弁面部よりも小とされて前記後部環状溝部に嵌合固着された後部環状シール部とを有すること

ことを特徴とする管継手の継手部材を提供する。

[0013] 具体的には、

前記環状溝の前記後部環状溝部が、前記後側環状弁面部の半径方向内側位置で後方に所定長さだけ延びる後部延長溝部を有し、

後部環状シール部が該後部延長溝部内に延びて嵌合固着されるようにすることができる。

[0014] また、本発明は、

を有し、

前記開閉弁が、

前記環状弁座面に面する環状弁面と、

該環状弁面に形成された環状溝に嵌合固着されたシールリングとを有し、

前記環状弁座面の環状弁面が前記環状溝の前後に位置する前側環状弁面部と後側環状弁面部とを有しており、

前記シールリングが環状溝に嵌合固着され、前記軸線を含む断面形状が U字状とされ、外径が前記前側環状弁面部よりも大きぐ前記後側環状弁面部よりも小さくされている

ことを特徴とする管継手の継手部材を提供する。

発明の効果

[0015] 本発明に係る継手部材においては、上記の如ぐ開閉弁が流体通路を実質的に開放する位置となるまで、開閉弁の前側環状流路制限又は後側環状流路制限が環状弁座面と接し、若しくは、近接した状態で変位するようにしているために、該開閉弁のシールリングの周囲を流れる流体の流れは制限され、前側環状流路制限及び/又は後側環状流路制限が環状弁座面から離れて多量の流体が開閉弁のシールリングの周囲を流れるときには、該シールリング周囲の流体通路の断面は一定以上の大きさとなつており、従って、シールリングへの過大な力はかからず、剥離が生じるのを防ぐことができる。

[0016] また、本発明にかかる継手部材においては、後部環状溝部は前部環状溝部より浅くしてある。シールリングの剥離は、後部環状溝部に固着されている後側環状弁面部の固着部分力始まるが、該後部環状溝部を浅くしたことによりそこに嵌合されるシーノレリングの後部環状シール部の半径方向肉厚が小となり、そのため、急速な流れに伴い該後部環状シール部に過大な力がかかっても、それにより該シール部に生じる変形は、図 1に示す如き従来のものに比べて小さくなり、そのため、剥離は生じにくくなる。

[0017] また、断面を U字状にしたシールリングでは、後部環状溝に嵌合される後部環状シール部が隆起部と後部環状シールとの狭い間隙に挟まれて固着されているので、同様に流体力もの力による変形は小となり、従って、当該シールリングの剥離を防ぐことが可能となる。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]従来の継手部材における開閉弁を示す一部断面側面図である。

[図 2]本発明に係る管継手の一部断面側面図であり、雄型継手部材及び雌型継手部材を分離した状態を示す。

[図 3]同雄型継手部材及び雌型継手部材を連結した状態を示す。

[図 4]雌型継手部材力分離した状態の雄型継手部材の一部断面側面図である。

[図 5]雌型継手部材に雄型継手部材を挿入し始めた状態を示す図である。

[図 6]雄型継手部材を更に雌型継手部材に挿入した状態を示す図である。

[図 7]雄型継手部材を雌型継手部材に完全に連結し、開閉弁が開放位置になった状態を示す図である。

[図 8]開閉弁の断面図であり、シールリングの第 2の実施形態を示す。

[図 9]シールリングの第 3の実施形態を示す。

[図 10]シールリングの第 4の実施形態を示す。

発明を実施するための最良の形態

[0019] 以下、本発明に係る管継手における継手部材の実施形態を添付図面に基づき説明する。

図 2は、本発明に係る管継手 20の雄型継手部材 22及び雌型継手部材 24を分離した状態を示し、図 3は、同雄型継手部材及び雌型継手部材を連結した状態を示す。図 4乃至図 7は、雄型継手部材 22を雌型継手部材 24に連結する場合の雄型継手部材の開閉弁 26の動きを示す図である。図 8乃至図 10は、それぞれ、開閉弁 26のシールリング 50の種々の実施形態を示す図である。

[0020] 図 2に示す通り、雄型継手部材 22は、流体通路 30を有する筒状部材 32と、該筒状部材 32の流体通路 30内に設定された開閉弁 26とを有する。筒状部材 32の内周面には、流体通路 30を囲むように形成された環状弁座面 34が形成されている。開閉弁 26は、環状弁座面 34に押圧係合されて該流体通路を閉止する閉止位置 (図 2)と、環状弁座面 34から当該流体通路 30の軸線方向で後方へ変位して離れ該流体通路 3 0を開放する開放位置 (図 3)との間で変位可能とされている。

[0021] 雌型継手部材 24は、流体通路 40を有する筒状部材 42と、該筒状部材 42の軸線に沿って配置され該筒状部材 42に固定されている固定弁体 44と、筒状部材 42内に摺動可能に設定され、固定弁体 44に密封係合して流体通路 40を閉止する閉止位置 (図 2)と、該閉止位置から後方へ変位して流体通路 40を開放する開放位置 (図 3) との間で可動とされている筒状可動弁体 46とを有している。

[0022] 雄型継手部材 22の開閉弁 26は、環状弁座面 34に面する環状弁面 48と、該環状弁面に設定されたシールリング 50とを有する。開閉弁 26は、流体通路 30を閉止する閉止位置（図 2)にあるときは、シールリング 50が環状弁座面 34に押圧密封係合されるとともに、環状弁面 48におけるシールリング 50の前側に位置する前側環状弁面部 52及び後側に位置する後側環状弁面部 54がそれぞれ、前記環状弁座面 34とほぼ接するようになされた前側環状流路制限制限部分 56及び後側環状流路制限制限部分 56及び後側環状流路制限 58を有している。

[0023] 環状弁座面 34は、開閉弁 26が閉止位置にあるときに、シールリング 50によって密封係合される環状密封弁座面 34— 1と、該環状密封弁座面よりも前側の環状前側弁座面 34— 2と、後側の環状後側弁座面 34— 3とを有する。環状前側弁座面 34— 2及び環状後側弁座面 34— 3は、それぞれ、筒状部材 32の軸線にほぼ平行に延びる前側軸線方向面 34— 2'及び後側軸線方向面 34— 3'を有するようになつている。

[0024] 開閉弁 26が閉止位置（図 2、図 4)力開放位置（図 3、図 7)へ向けて移動を始め、シールリング 50が環状弁座面 34から所定距離だけ離れるまでの間、前側環状流路制限制限部分 56及び後側環状流路制限制限部分 56及び後側環状流路制限 58がそれぞれ、前記前側軸線方向面 34— 2'及び後側軸線方向面 34— 3'とほぼ接するような状態で変位する。

[0025] 図 4乃至図 7に示すように、前記開閉弁 26の環状弁面 48は、前側環状弁面部 52と後側環状弁面部 54との間に形成された環状溝 60を有しており、シールリング 50が該環状溝 60に嵌合固着されている。

[0026] 環状溝 60は、前部環状溝部 60— 1と、該前方環状溝部よりも浅い後部環状溝部 6 0_ 2とを有し、環状弁面 48の後側環状弁面部 54が、前側環状弁面部 52よりも半径が大とされている。シールリング 50は、前部環状溝部 60— 1に嵌合して環状弁面 48 の前側環状弁面部 52よりも半径が大きい前部環状シール部 50— 1 (図 5)と、該前部環状シール部に連続し、外径が該前部環状シール部とほぼ同じで後側環状弁面部 54よりも小とされ、後部環状溝部 60— 2に嵌合固着された後部環状シール部 50— 2 とを有する。

[0027] 雄型継手部材 22及び雌型継手部材 24を図 2の状態から図 3の連結状態にするためには、雄型継手部材 22をと雌型継手部材 24とを相互に衝き合わせると、雌型継手部材 24の流体通路 40内に挿入して行う。雄型継手部材を雌型継手部材に揷入すると、雌型継手部材の固定弁体 44が雄型継手部材の開閉弁 26を該雄型継手部材の筒状部材 32に対して相対的に後方へ押し込み、当該開閉弁 26を閉止位置から開放位置へ動かす。

[0028] 前述の通り、開閉弁 26が閉止位置（図 2、図 4)から開放位置（図 3、図 7)へ向けて移動を始め、シールリング 50が環状弁座面 34から所定距離だけ離れるまでの間、前側環状流路制限制限部分 56及び後側環状流路制限制限部分 58は、図 5及び図 6 に示すように、それぞれ、前記前側軸線方向面 34— 2'及び後側軸線方向面 34— 3 'とほぼ接するような状態で変位する。すなわち、前側環状流路制限制限部分 56及び後側環状流路制限制限部分 56及び後側環状流路制限 58は、図 5及び図 6に示すように、それぞれ、前記前側軸線方向面 34— 2'及び後側軸線方向面 34— 3'とほぼ接するような状態で変位する。すなわち、前側環状流路制限 56及び後側環状流路制限 58が、それぞれ前記前側軸線方向面 34— 2'及び後側軸線方向面 34— 3' から後方へ離れ、当該開閉弁 26が流体通路 30を開放するときには、シールリング 5 0と環状弁座面 34との間には所定の幅の流路が形成され、従って、そのときにシーノレリング 50の周囲を流れる流体の流速は、（従来の継手部材におけるように、シールリングが環状弁座面から離れることによって初めて流体通路が開放され流体が流れ出すようにした場合と比べて）はるかに低減されたものとなり、従って、シールリングに力、かる流体からの力は小さいものとなる。更に、シールリングは、その後部環状シール部 50— 2の半径方向肉厚を薄いものとしたので、流体からの力により半径方向外側に変形される量は小さくなり、当該シールリングの剥離の発生は抑えられる。 [0029] 図 8乃至図 10には、シールリング 50及び環状溝の変形例が示されている。

図 8に示す例では、後部環状溝部 60— 2が、環状弁面の後側環状弁面部 54の半径方向内側位置で後方に所定長さだけ後方に延びる後部延長溝部 60— 3を有し、後部環状シール部 50— 2が後部環状溝部 60— 2の後部延長溝部 60— 3内に延びて嵌合固着されている。すなわち、このようにすることにより流体の流れによって加えられる剥離力に対するより強い抵抗力を持たせることができる。

[0030] 図 9に示す例は、後部延長溝部 60— 3及びそれに嵌合される後部環状シール部 5 0— 2の形状がわずかに変形されているだけであり、図 8に示す例と実質的に同じである。

[0031] 図 10に示す例は、開閉弁 26の環状溝 60が、前部環状溝部 60— 1と、後部環状溝部 60 _ 2と、両環状溝部の間に隆起した環状隆起部 60 _4とを有し、該環状隆起部 60— 4が前側環状弁面部 52とほぼ同じ半径とされている。シールリング 50は、流体通路 30の軸線を含む断面形状が U字状とされ、外径が前側環状弁面部 52よりも大きぐ後側環状面部 54よりも小さくされている。後部環状溝 60— 2に嵌合される後部環状シール部が隆起部と後部環状シールとの狭い間隙に挟まれて固着されているので同様に流体からの負圧による変形は小となり、従って、当該シールリングの剥離を防ぐことが可能となる。

[0032] 以上、本発明に係る管継手の雄型継手部材の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなぐ例えば、雌型継手部材においても適用可能であり、また、シールリングの形状は、剥離が生じやすい後部環状シール部 50— 2の肉厚を薄くしたもの種々の形状としたものとすることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 雄型及び雌型の相互に連結される継手部材からなる管継手における継手部材において、

を有し、

前記開閉弁が、

前記環状弁座面に面する環状弁面と、

該環状弁面に設定されたシールリングと

を有し、

当該開閉弁が流体通路を閉止する閉止位置にあるときは、前記シールリングが環状弁座面に押圧密封係合されるとともに、前記環状弁面における前記シールリングの後側に位置する後側環状弁面部が、前記環状弁座面と接した若しくは近接した状態となされる後側環状流路制限部分を有し、

同開閉弁が前記閉止位置から開放位置へ向けて移動を始め、前記シールリングが環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、後側環状流路制限部分が環状弁座面に対して接した若しくは近接した状態を維持しながら変位するようにした

ことを特徴とする管継手の継手部材。

[2] 雄型及び雌型の相互に連結される継手部材からなる管継手における継手部材において、

を有し、

前記開閉弁が、

前記環状弁座面に面する環状弁面と、

該環状弁面に設定されたシールリングと

を有し、

ことを特徴とする管継手の継手部材。

[3] 前記環状弁座面が、前記閉止位置において前記シールリングによって密封係合される環状密封弁座面と、該環状密封弁座面よりも前側の環状前側弁座面と、後側の環状後側弁座面とを備え、

環状後側弁座面が、前記軸線にほぼ平行に延びる後側軸線方向面を有し、同開閉弁が前記閉止位置から開放位置へ向けて移動を始め、前記シールリングが環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、前記後側環状流路制限部分が、前記後側軸線方向面に対して接した若しくは近接した状態を維持しながら変位するようにした

ことを特徴とする請求項 1に記載の継手部材。

[4] 前記環状弁座面が、前記閉止位置において前記シールリングによって密封係合される環状密封弁座面と、該環状密封弁座面よりも前側の環状前側弁座面と、後側の環状後側弁座面とを備え、

環状前側弁座面が、前記軸線にほぼ平行に延びる前側軸線方向面を有し、同開閉弁が前記閉止位置から開放位置へ向けて移動を始め、前記シールリングが環状弁座面から所定距離だけ離れるまでの間、前記前側環状流路制限部分が、前記前側軸線方向面に対して接した若しくは近接した状態を維持しながら変位するようにした

ことを特徴とする請求項 2に記載の継手部材。

前記シールリングが前部環状溝部に嵌合して前記環状弁面の前側環状弁面部よりも半径が大きい前部環状シール部と、該前部環状シール部に連続し、外径が該前部環状シール部とほぼ同じで後側環状弁面部よりも小とされ、前記後部環状溝部に嵌合固着された後部環状シール部とを有すること

ことを特徴とする請求項 1乃至 4のいずれかに記載の継手部材。

後部環状シール部が後部環状溝部の前記後部延長溝部内に延びて嵌合固着されている

ことを特徴とする請求項 5に記載の継手部材。

前記環状溝が、前部環状溝部と、後部環状溝部と、両環状溝部の間に隆起した環状隆起部とを有し、該環状隆起部が前記前側環状弁面部とほぼ同じ半径とされており、前記シールリングが前記軸線を含む断面形状が u字状とされ、外径が前記前側環状弁面部よりも大きぐ前記後側面部よりも小さくされている

[8] 雄型及び雌型の相互に連結される継手部材からなる管継手における継手部材において、

を有し、

前記開閉弁が、

前記環状弁座面に面する環状弁面と、

を有し、

前記シールリングが、前部環状溝部に嵌合して、外径が前記環状弁面の前側環状弁面部よりも大きくされた前部環状シール部と、該前部環状シール部に連続し、外径が該前部環状シール部とほぼ同じとされ前記後側環状弁面部よりも小とされて前記後部環状溝部に嵌合固着された後部環状シール部とを有する

ことを特徴とする管継手の継手部材。

[9] 前記環状溝の前記後部環状溝部が、前記後側環状弁面部の半径方向内側位置で後方に所定長さだけ延びる後部延長溝部を有し、

後部環状シール部が該後部延長溝部内に延びて嵌合固着されている

ことを特徴とする請求項 8に記載の継手部材。

を有し、

前記開閉弁が、

前記環状弁座面に面する環状弁面と、

を有し、

ことを特徴とする管継手の継手部材。