WO2006046662A1

WO2006046662A1 - シリンダーヘッド用メタルガスケット

Info

Publication number: WO2006046662A1
Application number: PCT/JP2005/019821
Authority: WO
Inventors: Yoshitaka Matsushita; Shigeru Kobayashi; Shinichi Hirayama; Tsunehiko Abe; Naoki Takeda
Original assignee: Nippon Leakless Industry Co., Ltd.
Priority date: 2004-10-29
Filing date: 2005-10-27
Publication date: 2006-05-04
Also published as: US7703775B2; CA2585968A1; EP1811162A4; EP1811162B1; CA2585968C; US20070290452A1; EP1811162A1

Abstract

　各々金属板からなり、シリンダー孔2aと、各シリンダー孔の周囲に形成された環状ビード2bと、各環状ビードの外側周辺部に形成された冷却水孔2cと、それら環状ビードおよび冷却水孔を全体的に囲繞する位置に形成された外周ビード2dとを有する二枚の基板２を具え、それらの基板２の環状ビード2bが互いにガスケットの厚さ方向に整列して位置する積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケット１であって、二枚の基板２の間に、金属板からなり冷却水ジャケットの位置から基板２の外周縁の位置まで延在する外側段差調整板３と、その外側段差調整板よりも厚い金属板からなり基板２の環状ビード2bの内側の位置から冷却水ジャケットの位置まで延在する内側段差調整板４とのうちの一方が有する爪状突起3aを、それらのうちの他方が有する掛合孔4aに挿入してその掛合孔からの突出部分を折り返すことで、それら外側段差調整板３と内側段差調整板４とを連結したものを介挿したことを特徴とするものである。このメタルガスケットにより、環状ビードと外周ビードとの面圧バランスを適切にするための僅かな段差でも設定することができる。

Description

明細書

シリンダーヘッド用メタルガスケット

技術分野

[0001] この発明は、内燃機関のシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間に介挿されるシリンダーヘッド用メタルガスケットに関するものである。

背景技術

[0002] この種のメタルガスケットとしては例えば、特開 2003— 287137号公報中の図 3記載のものが知られており、このシリンダーヘッド用メタルガスケットは、各々金属板からなり、内燃機関のシリンダーブロックの各シリンダーボアに対応して形成されたシリンダ一孔と、前記各シリンダー孔の周囲に形成された山形断面形状の環状ビードと、前記シリンダーブロックの冷却水ジャケットおよびシリンダーヘッドの冷却水孔に対応して前記各環状ビードの外側周辺部に形成された冷却水孔と、前記環状ビードおよび前記冷却水孔を全体的に囲繞する位置に形成された片斜面形断面形状の外周ビードとを有する二枚の基板を具えている。そして、それら二枚の基板の間には、金属板力なる薄、段差調整板が介挿されて、る。

[0003] この段差調整板は、上記基板の環状ビードの内側の位置から上記冷却水ジャケットの位置まで延在するもので、爪状突起を有しており、その爪状突起を上記二枚のうち一方の基板の冷却水孔に挿入してその冷却水孔からの突出部分を折り返すことで、その一方の基板に連結されて、上記基板の環状ビードに加わる面圧を高め、シリンダーボア内の燃焼ガスに対するシール性を向上させて、る。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力しながら、上記従来のメタルガスケットでは、基板の環状ビードの内側の位置から上記冷却水ジャケットの位置まで延在する段差調整板の板厚だけで基板の環状ビードと外周ビードとの段差ひ、ては環状ビードの面圧を調整して、るので、その調整の下限が、金属板の入手可能な板厚の下限に限定され、環状ビードと外周ビードとの面圧バランスを適切にするための段差の微調整ができなという問題があった。課題を解決するための手段

[0005] この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、この発明のシリンダ一ヘッド用メタルガスケットは、三枚積層型の態様では、各々金属板からなり、内燃機関のシリンダーヘッドを組み付けられるシリンダーブロックの各シリンダーボアに対応して形成されたシリンダー孔と、前記各シリンダー孔の周囲に形成された山形断面形状の環状ビードと、前記シリンダーブロックの冷却水ジャケットおよび前記シリンダーヘッドの冷却水孔に対応して前記各環状ビードの外側周辺部に形成された冷却水孔と、前記環状ビードおよび前記冷却水孔を全体的に囲繞する位置に形成された片斜面形断面形状の外周ビードとを有する二枚の基板を具え、前記二枚の基板の前記環状ビードが、互いに当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置する、積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケットにおいて、金属板力なり、前記冷却水ジャケットの位置から前記基板の外周縁の位置まで延在する外側段差調整板と、その外側段差調整板よりも厚い金属板からなり、前記基板の環状ビードの内側の位置から前記冷却水ジャケットの位置まで延在する内側段差調整板とのうちの一方が有する爪状突起を、それら外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの他方が有する掛合孔に挿入してその掛合孔からの突出部分を折り返すことで、それら外側段差調整板と内側段差調整板とを連結し、それら外側段差調整板と内側段差調整板とを、前記二枚の基板の間に介挿したことを特徴とするものである。

[0006] また、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットは、二枚積層型の態様では、金属板力なり、内燃機関のシリンダーヘッドを組み付けられるシリンダーブロックの各シリンダーボアに対応して形成されたシリンダー孔と、前記各シリンダー孔の周囲に形成された山形断面形状の環状ビードと、前記シリンダーブロックの冷却水ジャケットおよび前記シリンダーヘッドの冷却水孔に対応して前記各環状ビードの外側周辺部に形成された冷却水孔と、前記環状ビードおよび前記冷却水孔を全体的に囲繞する位置に形成された片斜面形断面形状の外周ビードとを有する一枚の基板を具える積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケットにおいて、金属板力もなり、前記冷却水ジャケットの位置から前記基板の外周縁の位置まで延在する外側段差調整板と、その外側段差調整板よりも厚!、金属板力なり、前記基板の環状ビードの内側の位置力前記冷却水ジャケットの位置まで延在する内側段差調整板とのうちの一方が有する爪状突起を、それら外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの他方が有する掛合孔に挿入してその掛合孔からの突出部分を折り返すことで、それら外側段差調整板と内側段差調整板とを連結し、それら外側段差調整板と内側段差調整板とを、前記基板に重ねたことを特徴とするものである。

[0007] さらに、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットは、単板型の態様では、金属板からなり、内燃機関のシリンダーヘッドを組み付けられるシリンダーブロックの各シリンダーボアに対応して形成されたシリンダー孔と、前記各シリンダー孔の周囲に形成された山形断面形状の環状ビードと、前記シリンダーブロックの冷却水ジャケットおよび前記シリンダーヘッドの冷却水孔に対応して前記各環状ビードの外側周辺部に形成された冷却水孔と、前記環状ビードおよび前記冷却水孔を全体的に囲繞する位置に形成された片斜面形断面形状の外周ビードとを有する単板型のシリンダーヘッド用メタルガスケットにお、て、前記冷却水ジャケットの位置から当該メタルガスケットの外周縁の位置まで延在する外側基板と、その外側基板よりも厚い金属板カゝらなり、前記環状ビードの内側の位置力前記冷却水ジャケットの位置まで延在する内側基板板とのうちの一方に設けた爪状突起を、それら外側基板と内側基板とのうちの他方に設けた掛合孔に挿入してその掛合孔からの突出部分を折り返すことで、それら外側基板と内側基板とを連結してなるものである。

発明の効果

[0008] 三枚積層型の態様の、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットにあっては、各々二枚の基板の間に位置する外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板と力それらのうちの一方と他方とがそれぞれ有する爪状突起と掛合孔との掛合によつて互いに連結されて位置決めされ、外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板との板厚差によって基板の環状ビードと外周ビードとの段差ひいては環状ビードの面圧を調整する。

[0009] 従って、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットによれば、三枚積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケットにおいて、段差の調整が、外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板との板厚差ででき、段差の調整の下限が、外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板との板厚差の下限になるので、環状ビードと外周ビードとの面圧バランスを適切にするための僅かな段差でも設定することができる。

[0010] なお、この発明においては、前記二枚の基板の少なくとも一方が、前記掛合孔に揷入されて折り返された前記爪状突起に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ孔を有していても良い。この爪状突起逃げ孔によれば、外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの一方が有する爪状突起が環状ビードよりも半径方向外方位置で、折り返されて二重になって外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの他方と重なった状態で二枚の基板間に挟まるのを防止でき、ひいてはその爪状突起がシムとして機能して環状ビードの面圧を部分的に低下させてしまうのを防止することができる。

[0011] この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットを、冷却水ジャケットの位置でデッキ面が大きく開いているオープンデッキ型シリンダーブロックに用いる場合には、そのシリンダ一ブロックに向く側の基板は冷却水ジャケット内に突出するように変形して逃げ得るため爪状突起逃げ孔はさほど必要な、ので、シリンダーヘッドに向く側の基板のみに爪状突起逃げ孔を設ければょ、。一方この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットを、冷却水ジャケットの位置でデッキ面が冷却水孔以外閉じて、るクローズドデツキ型シリンダーブロックに用いる場合には、シリンダーブロックに向く側の基板とシリンダーヘッドに向く側の基板との二枚に爪状突起逃げ孔を設けることが好ましい。

[0012] また、この発明においては、前記二枚の基板の少なくとも一方が、前記掛合孔に揷入されて折り返された前記爪状突起に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置して前記爪状突起に向く爪状突起逃げ凹部を有していても良い。この爪状突起逃げ凹部によっても、外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの一方が有する爪状突起が環状ビードよりも半径方向外方位置で、折り返されて二重になって外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの他方と重なった状態で二枚の基板間に挟まるのを防止でき、ひ、てはその爪状突起がシムとして機能して環状ビードの面圧を部分的に低下させてしまうのを防止することができる。し力もこの爪状突起逃げ凹部によれば、爪状突起の位置で基板が開口しないので、冷却水が不必要な位置でシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間を通流してしまうのを回避することができる。 [0013] 力かる爪状突起逃げ凹部をプレス成形する場合は通常、基板の外側の対応箇所に凸部が生ずることになるが、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットを上記オープンデッキ型シリンダーブロックに用いる場合に、そのシリンダーブロックに向く側の基板に爪状突起逃げ凹部を設けるときには、上記凸部をその冷却水ジャケット内に突出させて逃がせばよい。一方この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットを上記クローズドデッキ型シリンダーブロックに用いる場合に、そのシリンダーブロックに向く側の基板に爪状突起逃げ凹部を設けるときには、上記凸部をシリンダーブロックのデッキ面に開口する冷却水孔内に突出させて逃がせばよい。そして何れの型のシリンダーブロックと組合せる場合でも、シリンダーヘッドに向く側の基板に爪状突起逃げ凹部を設けるときには、上記凸部をシリンダーヘッドのデッキ面に開口する冷却水孔内に突出させて逃がせばよい。

[0014] また二枚積層型の態様の、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットにあっては、各々基板に重なって位置する外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板と力それらのうちの一方と他方とがそれぞれ有する爪状突起と掛合孔との掛合によつて互いに連結されて位置決めされ、外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板との板厚差によって基板の環状ビードと外周ビードとの段差ひいては環状ビードの面圧を調整する。

[0015] 従って、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットによれば、二枚積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケットにおいて、段差の調整の下限が、外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板との板厚差の下限になるので、環状ビードと外周ビードとの面圧バランスを適切にするための僅かな段差でも設定することができる。

[0016] なお、この発明においては、前記基板が、前記掛合孔に挿入されて折り返された前記爪状突起に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ孔を有していても良い。この爪状突起逃げ孔によれば、外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの一方が有する爪状突起が環状ビードよりも半径方向外方位置で、折り返されて二重になって外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの他方と重なった状態で基板と重なるのを防止でき、ひ、てはその爪状突起がシムとして機能して環状ビ一ドの面圧を部分的に低下させてしまうのを防止することができる。 [0017] また、この発明においては、前記基板が、前記掛合孔に挿入されて折り返された前記爪状突起に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置して前記爪状突起に向く爪状突起逃げ凹部を有していても良い。この爪状突起逃げ凹部によっても、外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの一方が有する爪状突起が環状ビードよりも半径方向外方位置で、折り返されて二重になって外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの他方と重なった状態で基板と重なるのを防止でき、ひいてはその爪状突起がシムとして機能して環状ビードの面圧を部分的に低下させてしまうのを防止することができる。し力もこの爪状突起逃げ凹部によれば、爪状突起の位置で基板が開口しな、ので、冷却水が不必要な位置でシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間を通流してしまうのを回避することができる。

[0018] さらに、この発明においては、前記内側段差調整板が、前記基板の前記環状ビードに対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して互いに逆向きに突出する山形断面形状の環状ビードを有していても良ぐカゝかる構成によれば、三枚積層型または二枚積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケットにお、て、重ね合わせる環状ビードを増やして、シリンダーボア内の燃焼ガスに対するシール性をより向上させることができる。

[0019] そして単板型の態様の、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットにあっては、外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板とが、それらのうちの一方と他方とがそれぞれ有する爪状突起と掛合孔との掛合によって互いに連結されて位置決めされ、外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板との板厚差によって環状ビードと外周ビードとの段差ひいては環状ビードの面圧を調整する。

[0020] 従って、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットによれば、単板型のシリンダ一ヘッド用メタルガスケットにおいて、段差の調整の下限が、外側基板とそれより厚い内側基板との板厚差の下限になるので、環状ビードと外周ビードとの面圧バランスを適切にするための僅かな段差でも設定することができる。

[0021] なお、上記各発明においては、前記爪状突起が前記外側段差調整板あるいは前記外側基板に設けられ、前記掛合孔が前記内側段差調整板ある!ヽは前記内側基板に設けられていても良い。このようにすれば、折り曲げられて折り返される爪状突起が、外側段差調整板や外側基板を構成する薄い方の板からなるので、爪状突起の折り曲げ力卩ェの加工性を高めることができる。

図面の簡単な説明

[図 1]この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 1実施例の全体を示す平面図である。

[図 2]上記第 1実施例のメタルガスケットの、図 1の A— A線に沿う断面図である。

[図 3]上記第 1実施例のメタルガスケットの基板を示す平面図である。

[図 4]上記第 1実施例のメタルガスケットの外側段差調整板を示す平面図である。

[図 5]上記第 1実施例のメタルガスケットの内側段差調整板を示す平面図である。

[図 6]上記第 1実施例のメタルガスケットの、図 1の A— A線付近における断面を示す斜視図である。

[図 7]この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 2実施例の構成を示す、図 2 と同様の位置での断面図である。

[図 8]上記第 2実施例のメタルガスケットのシリンダーブロックに向く側の基板を示す平面図である。

[図 9]この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 3実施例の構成を示す、図 2 と同様の位置での断面図である。

[図 10]上記第 3実施例のメタルガスケットの、図 9と同様の位置付近における断面を示す斜視図である。

[図 11]この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 4実施例の構成を示す、図 2と同様の位置での断面図である。

[図 12]この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 5実施例の構成を示す、図 2と同様の位置での断面図である。

[図 13]この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 6実施例の構成を示す、図 2と同様の位置での断面図である。

[図 14]この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 7実施例の構成を示す、図 2と同様の位置での断面図である。

[図 15]この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 8実施例の構成を示す、図 2と同様の位置での断面図である。発明を実施するための最良の形態

[0023] 以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここ〖こ、図 1は、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 1実施例の全体を示す平面図、図 2は、その第 1実施例のメタルガスケットの、図 1の A— A線に沿う断面図、図 3はその第 1実施例のメタルガスケットの基板を示す平面図、図 4はその第 1 実施例のメタルガスケットの外側段差調整板を示す平面図、図 5はその第 1実施例のメタルガスケットの内側段差調整板を示す平面図、そして図 6は、図 1の A— A線付近における断面を示す斜視図であり、図中符号 1はメタルガスケット、 2は基板、 3は外側段差調整板、 4は内側段差調整板をそれぞれ示す。

[0024] この第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1は、三枚積層型のもので、図 2に示すように、各々金属板としてのステンレス鋼板力なる二枚の基板 2を具えており、これらの基板 2は各々、図 3に示すように、当該メタルガスケット 1が組み込まれる内燃機関としてのエンジンの、シリンダーヘッドを組み付けられるシリンダーブロックの各シリンダーボアに対応して形成された複数（図では三つ）のシリンダー孔 2aと、前記各シリンダー孔 2aの周囲に形成された山形断面形状の環状ビード 2bと、前記シリンダーブロックの冷却水ジャケットおよび前記シリンダーヘッドの冷却水孔に対応して前記各環状ビード 2bの外側周辺部に形成された多くの冷却水孔 2cと、前記環状ビード 2bおよび前記冷却水孔 2cを全体的に囲繞する位置に形成された片斜面形断面形状の外周ビード 2dとを有して、る。

[0025] 二枚の基板 2はさらに各々、その外周ビード 2dの外側に、複数の潤滑油孔 2eおよび、シリンダーヘッドをシリンダーブロックに締め付け固定するためのヘッドボルトを各々挿通される複数（図では八つ）のボルト孔 2fと、後述するグロメット孔 2gとを有しており、それら二枚の基板 2の環状ビード 2bは、互いに当該ガスケット 1の厚さ方向に整列して位置するとともに、互いに逆向きになるように各々内向きに突出し、二枚の基板 2 の外周ビード 2dも、互いに当該ガスケット 1の厚さ方向に整列して位置するとともに、互いに逆向きになるように各々内向きに突出して、る。

[0026] この第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1はまた、図 2に示すように、二枚の基板 2の間に、例えば基板 2よりも薄い厚さを持つ金属板としてのステンレス鋼板力もなる外側段差調整板 3と、例えば基板 2に等しい厚さを持つ金属板としてのステンレス鋼板からなる内側段差調整板 4と、を介挿されて具えており、ここにおける外側段差調整板 3は、図 4に示すように、上記エンジンのシリンダーブロックの冷却水ジャケットに対応する位置から二枚の基板 2の外周端部の位置まで延在して、る。そしてこの外側段差調整板 3は、上記冷却水ジャケットに対応して位置する内周縁から内方へ突出する複数（図では基板 2の各シリンダー孔 2aに対し四つずつ）の爪状突起 3 aを有する他、上記内周縁に設けられて各基板 2の冷却水孔 2cに対応する半円形あるいは半長円形の凹部 3bと、各基板 2の潤滑油孔 2eおよびボルト孔 2fにそれぞれ対応する複数の孔 3cと、後述するグロメット孔 3dとを有している。なお、図 2では爪状突起 3a付近をあらかじめハーフビード状に下げて、内側段差調整板 4と外側段差調整板 3とを同一平面上に整列させつつ爪状突起 3aの上面を内側段差調整板 4の下面に添わせている力このようにハーフビード状に下げておかず、図 6に示すように、内側段差調整板 4の下に平坦な爪状突起 3aを合わせるようにしても、シリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間でガスケットを挟持すれば爪状突起 3a付近がハーフビード状に変形して内側段差調整板 4と外側段差調整板 3とが同一平面上に整列する。

[0027] 一方、ここにおける内側段差調整板 4は、図 5に示すように、基板 2の環状ビード 2b の内側の位置であるシリンダー孔 2aの内周縁位置から上記冷却水ジャケットの位置まで延在している。そしてこの内側段差調整板 4は、外側段差調整板 3の複数の爪状突起 3aの各々に対応する位置にその爪状突起 3aを揷通可能な掛合孔（図では長方形の孔) 4aを有する他、各基板 2のシリンダー孔 2aに対応するシリンダー孔 4bと、各基板 2の冷却水孔 2cに対応する孔 4cと、上記冷却水ジャケットに対応して位置する外周縁に設けられて各基板 2の冷却水孔 2cに対応する半円形あるいは半長円形の凹部 4 dとを有している。

[0028] さらにこの第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1では、図 1および図 6に示すように、その内側段差調整板 4の掛合孔 4aに外側段差調整板 3の爪状突起 3aを内側段差調整板 4の下側から挿入してその掛合孔 4aからの突出部分を内側段差調整板 4の上側で折り返すことでそれら爪状突起 3aと掛合孔 4aとを掛合させて、外側段差調整板 3と内側段差調整板 4とを、爪状突起 3aの部分以外は互いに厚さ方向に重ならないように連結しており、さらにこの第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1では、冷却水ジャケットの位置でデッキ面が冷却水孔以外閉じて、るクローズドデッキ型シリンダーブロックに適するように、二枚の基板 2が各々、図 1、図 2および図 3に示す如ぐ上記各掛合孔 4aに挿入されて折り返された上記各爪状突起 3aに対しシリンダーヘッド用メタルガスケット 1の厚さ方向に整列して位置してその爪状突起 3a の入り込みを許容する爪状突起逃げ孔 2hを有して、る。

[0029] そしてこの第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1では、図 1に示すように、二枚の基板 2とそれらの間に位置する外側段差調整板 3との、互いに整列するグロメット孔 2g, 3dに揷通された通常のグロメット 5が加締められて、二枚の基板 2とそれらの間に位置する外側段差調整板 3および内側段差調整板 4とが互いに位置決めされている。なお、これらのグロメット孔 2g, 3dは、上記エンジンのシリンダーブロックとシリンダ一ヘッドとの間の位置力も外方に外れており、それゆえ上記グロメット 5は、上記エンジンのシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間に挟まれてビード 2b, 2dの面圧を低下させることはない。

[0030] 力かるこの第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1にあっては、各々二枚の基板 2の間に位置する外側段差調整板 3とそれより厚い内側段差調整板 3とがそれらのうちの一方である外側段差調整板 3が有する爪状突起 3aと他方である内側段差調整板 3の掛合孔 3aとの掛合によって互いに連結されて位置決めされ、外側段差調整板 3とそれより厚い内側段差調整板 4との板厚差によって基板 2の環状ビード 2b と外周ビード 2dとの段差ひいては環状ビード 2bの面圧を調整する。

[0031] 従ってこの第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、三枚積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1におヽて、外側段差調整板 3とそれより厚い内側段差調整板 4との板厚差による段差によって基板 2の環状ビード 2bの面圧を高めてシリンダーボア内の燃焼ガスに対するシール性を向上させることができるのにカロえて、その段差の調整の下限が、外側段差調整板 3とそれより厚い内側段差調整板 4との板厚差の下限になるので、環状ビード 2bと外周ビード 2dとの面圧バランスを適切にするための僅かな段差でも設定することができる。

[0032] さらにこの第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、二枚の基板 2の両方が、各掛合孔 4aに挿入されて折り返された各爪状突起 3aに対し当該メタルガスケット 1の厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ孔 2hを有しているので、ク口ーズドデッキ型シリンダーブロックに用、る場合に、シリンダーブロックに向く側の基板 2とシリンダーヘッドに向く側の基板 2との二枚に設けられた爪状突起逃げ孔 2hが、外側段差調整板 3が有する爪状突起 3aが環状ビード 2bよりも半径方向外方位置で、折り返されて二重になって内側段差調整板 4と重なった状態で二枚の基板 2間に挟まるのを防止でき、ひ、てはその爪状突起 3aがシムとして機能して環状ビード 2bの面圧を部分的に低下させてしまうのを防止することができる。

[0033] 図 7は、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 2実施例を示す断面図、図 8は、その第 2実施例のメタルガスケットのシリンダーブロックに向く側（図 7では下側)の基板を示す平面図であり、図中先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。この第 2実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1は、第 1実施例と同様の三枚積層型のものであって、冷却水ジャケットの位置でデッキ面が大きく開いているオープンデッキ型シリンダーブロックに適するように、シリンダーブロックに向く側の基板（図では下側の基板) 2が図 3に示す基板 2と異なり、図 8に示す如く爪状突起逃げ孔 2hを有してヽな、点のみ、第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と異なっていて、他の点は第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と同様に構成されている。

[0034] 力かる第 2実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によっても先の第 1実施例と同様の作用効果力 Sもたらされ、さらにこの第 2実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、二枚の基板 2のうちのシリンダーヘッドに向く側の基板（図では上側の基板) 2が、各掛合孔 4aに挿入されて折り返された各爪状突起 3aに対し当該メタルガスケット 1の厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ孔 2hを有して、るので、オープンデッキ型シリンダーブロックに用いる場合に、シリンダーヘッドに向く側の基板 2に設けられた爪状突起逃げ孔 2hが、爪状突起 3aの折り返された部分が環状ビード 2bよりもシリンダー孔 2aの半径方向外方位置でシリンダーヘッドのデッキ面に押圧されて二枚の基板 2間に挟まるのを防止でき、ひいてはその爪状突起 3aの折り返された部分が部分的にシムとして機能して環状ビード 2bの面圧を低下させてしまうのを防止することができる。

[0035] 図 9は、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 3実施例を示す断面図、図 10は、その第 3実施例のメタルガスケットの、図 9と同様の位置付近における断面を示す斜視図であり、図中先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。この第 3実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1は、第 2実施例と同様の三枚積層型のものであって、冷却水ジャケットの位置でデッキ面が大きく開いているオーブンデッキ型シリンダーブロックに適するように、シリンダーブロックに向く側の基板（図 9 では下側の基板) 2が図 8に示す基板 2と異なり、図 3に示す基板 2の爪状突起逃げ孔 2hに対応する位置に、図 9および図 10に示すように例えばプレスによりエンボスカロェされた、爪状突起 3aに向く爪状突起逃げ凹部 2iを有し、シリンダーヘッドに向く側の基板（図 9では上側の基板) 2が図 8に示す基板 2と同様、爪状突起逃げ孔 2hを持たないものであり、さらに内側段差調整板 4の掛合孔 4aに外側段差調整板 3の爪状突起 3aを内側段差調整板 4の上側から挿入してその掛合孔 4a力の突出部分を内側段差調整板 4の下側で折り返して、る点のみ、第 2実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と異なって、て、他の点は第 2実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と同様に構成されている。

[0036] 力かる第 3実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によっても、シリンダーブロックに向く下側の基板 2が、各掛合孔 4aに挿入されて折り返された各爪状突起 3aに対し当該メタルガスケット 1の厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ凹部 2iを有していることから、その下側の基板 2に設けられた爪状突起逃げ凹部 2iに対応して当該基板 2の外側に突出する凸部がシリンダーブロックのデッキ面の冷却水ジャケット開口部内に入り込んで逃げ、その下側の基板 2に設けられた爪状突起逃げ凹部 2iに、外側段差調整板 3が有する爪状突起 3aが入り込んで逃げるので、先の第 2実施例と同様の作用効果力 Sもたらされ、さらにこの第 3実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、爪状突起逃げ凹部 2iは、爪状突起 3aの位置で基板 2を開口させな！、ので、冷却水が不必要な位置でシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間を通流してしまうのを回避することができる。

[0037] 図 11は、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 4実施例を示す断面図であり、図中先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。この第 4実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1は、第 1実施例と同様の三枚積層型のものであって、冷却水ジャケットの位置でデッキ面が冷却水孔以外閉じて、るクローズドデッキ型シリンダーブロックに適するよう、第 1実施例と同様に二枚の基板 2が爪状突起逃げ孔 2hを有しており、内側段差調整板 4が、二枚の基板 2の環状ビード 2bに対し当該メタルガスケット 1の厚さ方向に整列して互、に逆向きに突出する山形断面形状の環状ビード 4eを有して、る点および、これに対応してシリンダーヘッドに向く側の基板 2の環状ビード 2bおよび外周ビード 2dの突出方向が第 1実施例と逆になつている点のみ、第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と異なっていて、他の点は第 1実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と同様に構成されて!、る。

[0038] 力かる第 4実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によっても先の第 1実施例と同様の作用効果力 Sもたらされ、さらにこの第 4実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、三枚積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケットにおいて、重ね合わせる環状ビードを増やして、シリンダーボア内の燃焼ガスに対するシール性をより向上させることができる。

[0039] 図 12は、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 5実施例を示す断面図であり、図中先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。この第 5実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1は、第 4実施例と同様の三枚積層型のものであって、冷却水ジャケットの位置でデッキ面が大きく開ヽて、るオープンデッキ型シリンダ一ブロックに適するように、シリンダーブロックに向く側の基板（図では下側の基板) 2が、図 3に示す基板 2と異なり図 8および図 12に示すように爪状突起逃げ孔 2hを有してヽな、点のみ、第 4実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と異なって!/ヽて、他の点は第 4実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と同様に構成されている。

[0040] 力かる第 5実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によっても先の第 4実施例と同様の作用効果力 Sもたらされ、さらにこの第 5実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、二枚の基板 2のうちのシリンダーヘッドに向く側の基板（図では上側の基板) 2が、各掛合孔 4aに挿入されて折り返された各爪状突起 3aに対し当該メタルガスケット 1の厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ孔 2hを有して、るので、オープンデッキ型シリンダーブロックに用いる場合に、シリンダーヘッドに向く側の基板 2に設けられた爪状突起逃げ孔 2hが、爪状突起 3aの折り返された部分が環状ビード 2bよりもシリンダー孔 2aの半径方向外方位置でシリンダーヘッドのデッキ面に押圧されて二枚の基板 2間に挟まるのを防止でき、ひいてはその爪状突起 3aの折り返された部分が部分的にシムとして機能して環状ビード 2bの面圧を低下させてしまうのを防止することができる。

[0041] 図 13は、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 6実施例を示す断面図であり、図中先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。この第 6実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1は、第 5実施例と同様の三枚積層型のものであって、冷却水ジャケットの位置でデッキ面が大きく開ヽて、るオープンデッキ型シリンダ一ブロックに適するように、シリンダーブロックに向く側の基板（図では下側の基板) 2が、図 8に示す基板 2と異なり図 3に示す基板 2の爪状突起逃げ孔 2hに対応する位置に、図 13に示すように例えばプレスによりエンボスカ卩ェされた、爪状突起 3aに向く爪状突起逃げ凹部 2iを有し、シリンダーヘッドに向く側の基板 (図 13では上側の基板) 2が図 8に示す基板 2と同様、爪状突起逃げ孔 2hを持たないものであり、さらに内側段差調整板 4の掛合孔 4aに外側段差調整板 3の爪状突起 3aを内側段差調整板 4の上側力挿入してその掛合孔 4a力の突出部分を内側段差調整板 4の下側で折り返している点のみ、第 5実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と異なっていて、他の点は第 5実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と同様に構成されている。

[0042] 力かる第 6実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によっても、シリンダーブロックに向く下側の基板 2が、各掛合孔 4aに挿入されて折り返された各爪状突起 3aに対し当該メタルガスケット 1の厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ凹部 2iを有していることから、その下側の基板 2に設けられた爪状突起逃げ凹部 2iに対応して当該基板 2の外側に突出する凸部がシリンダーブロックのデッキ面の冷却水ジャケット開口部内に入り込んで逃げ、その下側の基板 2に設けられた爪状突起逃げ凹部 2iに、外側段差調整板 3が有する爪状突起 3aが入り込んで逃げるので、先の第 5実施例と同様の作用効果力 Sもたらされ、さらにこの第 6実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、爪状突起逃げ凹部 2iは、爪状突起 3aの位置で基板 2を開口させな！、ので、冷却水が不必要な位置でシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間を通流してしまうのを回避することができる。

[0043] 図 14は、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 7実施例を示す断面図であり、図中先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。この第 7実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1は、第 1実施例〜第 6実施例と異なり二枚積層型のものであって、第 1実施例におけるシリンダーヘッドに向く側の基板（図では上側の基板) 2と同様の構成の一枚の基板 2と、第 4実施例における外側段差調整板 3 と同様の構成で基板 2の外周ビード 2dに対応する外周ビード 3eを有する点のみ異なる外側段差調整板 3および第 4実施例における内側段差調整板 4と同様の構成で環状ビード 4eの突出方向が第 4実施例と逆になつている点のみ異なる内側段差調整板 4を先の第 1,第 2,第 4,第 5実施例と同様に内側段差調整板 4の各掛合孔 4aに内側段差調整板 4の下側カゝら挿入されて内側段差調整板 4の上側で折り返された外側段差調整板 3の各爪状突起 3aによって互いに連結してなる一枚の段差調整板とを積層した構成とされている。

[0044] 力かる第 7実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、二枚積層構成で先の第 1実施例〜第 6実施例と同様の作用効果がもたらされる。

[0045] 図 15は、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの第 8実施例を示す断面図であり、図中先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。この第 8実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1は、第 7実施例と同様の二枚積層型のものであって、基板 2と段差調整板との配置が第 7実施例の場合と上下逆になるとともに、シリンダーブロックに向くように下側に配置されたその基板 2が、図 1に示す基板 2の爪状突起逃げ孔 2hに対応する位置に、図 15に示すように例えばプレスによりェンボス加工された、爪状突 3aに向く爪状突起逃げ凹部 2iを有し、さらに内側段差調整板 4 の掛合孔 4aに外側段差調整板 3の爪状突起 3aを内側段差調整板 4の上側から挿入してその掛合孔 4a力の突出部分を内側段差調整板 4の下側で折り返している点のみ、第 7実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と異なっていて、他の点は第 7 実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1と同様に構成されている。

[0046] 力かる第 8実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によっても、シリンダーへッドに向く基板 2が、各掛合孔 4aに挿入されて折り返された各爪状突起 3aに対し当該メタルガスケット 1の厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ凹部 2iを有していることから、その基板 2に設けられた爪状突起逃げ凹部 2iに対応して当該基板 2の外側に突出する凸部がシリンダーヘッドのデッキ面の冷却水孔内に入り込んで逃げ、その基板 2に設けられた爪状突起逃げ凹部 2iに、外側段差調整板 3が有する爪状突起 3a が入り込んで逃げるので、先の第 7実施例と同様の作用効果力 Sもたらされ、さらにこの第 8実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケット 1によれば、爪状突起逃げ凹部 2i は、爪状突起 3aの位置で基板 2を開口させないので、冷却水が不必要な位置でシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間を通流してしまうのを回避することができる。

[0047] 以上、図示例に基づき説明した力この発明は上述の例に限定されるものでなぐ例えば図示しないが、第 7,第 8実施例における外側段差調整板 3と同様の構成の外側基板 (理解の容易のため外側段差調整板と同一符号で示す) 3と、第 4実施例における内側段差調整板 4と同様の構成の内側基板 (理解の容易のため内側段差調整板と同一符号で示す) 4とを先の各実施例と同様に内側基板 4の各掛合孔 4aに挿入されて折り返された外側基板 3の各爪状突起 3aによって互いに連結して単板型のシリンダ一ヘッド用メタルガスケットを構成しても良ぐこの場合には各爪状突起 3aはシリンダーヘッドの冷却水孔ゃシリンダーブロックの冷却水ジャケット開口部ある、冷却水孔内に逃がすようにすれば良、。

[0048] さらにこの発明においては、各爪状突起を内側段差調整板あるいは内側基板に設けるとともに掛合孔を外側段差調整板あるいは外側基板に設けるようにしても良ヽ。

[0049] さらにこの発明においては、二枚の基板の両方に爪状突起逃げ凹部を設けるようにしても良い。また上記第 3,第 6,第 8実施例のシリンダーヘッド用メタルガスケットは、クローズドデッキ型シリンダーブロックにも適用することができ、その場合に、下側の基板に設けられた爪状突起逃げ凹部に対応して当該基板の外側に凸部が突出する場合は、その凸部はシリンダーブロックのデッキ面の冷却水孔内に入り込ませて逃がせば良い。 [0050] さらにこの発明においては、爪状突起逃げ凹部は放電加工等で、対応する凸部が当該基板の外側に生じな、ように形成しても良、。

産業上の利用可能性

[0051] 力べしてこの発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットによれば、段差の調整が、外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板との板厚差ででき、段差の調整の下限力外側段差調整板とそれより厚い内側段差調整板との板厚差の下限になるので、環状ビードと外周ビードとの面圧バランスを適切にするための僅かな段差でも設定することがでさる。

[0052] し力もこの発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットによれば、プレス力卩ェで外側段差調整板と内側段差調整板とを連結しているので、それらを溶接して結合するものと比較して溶接の設備および作業工程が不要となって、より安価にガスケットを製造することがでさる。

Claims

請求の範囲

[1] 各々金属板からなり、内燃機関のシリンダーヘッドを組み付けられるシリンダープロックの各シリンダーボアに対応して形成されたシリンダー孔 (2a)と、前記各シリンダー孔の周囲に形成された山形断面形状の環状ビード (2b)と、前記シリンダーブロックの冷却水ジャケットおよび前記シリンダーヘッドの冷却水孔に対応して前記各環状ビードの外側周辺部に形成された冷却水孔 (2c)と、前記環状ビードおよび前記冷却水孔を全体的に囲繞する位置に形成された片斜面形断面形状の外周ビード (2d)とを有する二枚の基板 (2)を具え、前記二枚の基板 (2)の前記環状ビード (2b)が、互いに当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置する、積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケット（1)において、

金属板からなり、前記冷却水ジャケットの位置から前記基板 (2)の外周縁の位置まで延在する外側段差調整板 (3)と、その外側段差調整板 (3)よりも厚ヽ金属板からなり、前記基板（2)の環状ビード (2b)の内側の位置から前記冷却水ジャケットの位置まで延在する内側段差調整板 (4)とのうちの一方が有する爪状突起 (3a)を、それら外側段差調整板と内側段差調整板とのうちの他方が有する掛合孔 (4a)に挿入してその掛合孔力の突出部分を折り返すことで、それら外側段差調整板 (3)と内側段差調整板 (4)とを連結し、

それら外側段差調整板 (3)と内側段差調整板 (4)とを、前記二枚の基板 (2)の間に介挿したことを特徴とする、シリンダーヘッド用メタルガスケット。

[2] 前記二枚の基板 (2)の少なくとも一方は、前記掛合孔 (4a)に挿入されて折り返された前記爪状突起 (3a)に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ孔 (2h)を有して、ることを特徴とする、請求項 1記載のシリンダーヘッド用メタルガスケット。

[3] 前記二枚の基板 (2)の少なくとも一方は、前記掛合孔 (4a)に挿入されて折り返された前記爪状突起 (3a)に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置して前記爪状突起に向く爪状突起逃げ凹部 (2i)を有していることを特徴とする、請求項 1記載のシリンダ一ヘッド用メタルガスケット。

[4] 金属板力もなり、内燃機関のシリンダーヘッドを組み付けられるシリンダーブロックの各シリンダーボアに対応して形成されたシリンダー孔 (2a)と、前記各シリンダー孔の周囲に形成された山形断面形状の環状ビード (2b)と、前記シリンダーブロックの冷却水ジャケットおよび前記シリンダーヘッドの冷却水孔に対応して前記各環状ビードの外側周辺部に形成された冷却水孔 (2c)と、前記環状ビードおよび前記冷却水孔を全体的に囲繞する位置に形成された片斜面形断面形状の外周ビード (2d)とを有する一枚の基板（2)を具える積層型のシリンダーヘッド用メタルガスケット（1)において、

それら外側段差調整板 (3)と内側段差調整板 (4)とを、前記基板 (2)に重ねたことを特徴とする、シリンダーヘッド用メタルガスケット。

[5] 前記基板 (2)は、前記掛合孔 (4a)に挿入されて折り返された前記爪状突起 (3a)に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置する爪状突起逃げ孔 (2h)を有してヽることを特徴とする、請求項 4記載のシリンダーヘッド用メタルガスケット。

[6] 前記基板 (2)は、前記掛合孔 (4a)に挿入されて折り返された前記爪状突起 (3a)に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して位置して前記爪状突起に向く爪状突起逃げ凹部（2i)を有して、ることを特徴とする、請求項 4記載のシリンダーヘッド用メタルガスケット。

[7] 前記内側段差調整板 (4)は、前記基板 (2)の前記環状ビード (2b)に対し当該ガスケットの厚さ方向に整列して互いに逆向きに突出する山形断面形状の環状ビード (4e )を有していることを特徴とする、請求項 1から 6までの何れか記載のシリンダーヘッド用メタルガスケット。

[8] 前記爪状突起 (3a)は前記外側段差調整板 (3)に設けられ、前記掛合孔 (4a)は前記内側段差調整板 (4)に設けられることを特徴とする、請求項 1から 7までの何れか記載のシリンダーヘッド用メタルガスケット。

[9] 金属板力もなり、内燃機関のシリンダーヘッドを組み付けられるシリンダーブロックの各シリンダーボアに対応して形成されたシリンダー孔 (4b)と、前記各シリンダー孔の周囲に形成された山形断面形状の環状ビード (4e)と、前記シリンダーブロックの冷却水ジャケットおよび前記シリンダーヘッドの冷却水孔に対応して前記各環状ビードの外側周辺部に形成された冷却水孔 (3b, 4c, 4d)と、前記環状ビードおよび前記冷却水孔を全体的に囲繞する位置に形成された片斜面形断面形状の外周ビード (3e) とを有する単板型のシリンダーヘッド用メタルガスケット（3, 4)において、

前記冷却水ジャケットの位置から当該メタルガスケット（1)の外周縁の位置まで延在する外側基板 (3)と、その外側基板 (3)よりも厚い金属板カゝらなり、前記環状ビード (4 e)の内側の位置力前記冷却水ジャケットの位置まで延在する内側基板 (4)とのうちの一方に設けた爪状突起 (3a)を、それら外側基板と内側基板とのうちの他方に設けた掛合孔 (4a)に挿入してその掛合孔からの突出部分を折り返すことで、それら外側基板（3)と内側基板 (4)とを連結してなる、シリンダーヘッド用メタルガスケット。

[10] 前記爪状突起 (3a)は前記外側基板 (3)に設けられ、前記掛合孔 (4a)は前記内側基板 (4)に設けられることを特徴とする、請求項 9記載のシリンダーヘッド用メタルガスケット。